JP2000270694A - 苗木保護カバー用補助具 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明は、植樹した苗木を保護するための苗
木保護カバーを傾斜地に設置する作業の容易化を図る。 【解決手段】 野生動物等の食害から苗木Ｎを保護する
ため、苗木Ｎの周囲に被せられる筒状の保護カバー２の
外側に摺動自在な補助具３を嵌装し、この補助具３の下
面を傾斜させ、苗木Ｎの周囲に保護カバー２を被せた
後、補助具３を下方に降ろせば地面との隙間が小さくな
るようにする。また、必要に応じて補助具３の下端の一
部を土中に埋め込む。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、苗木を植樹する
際、苗木の周囲に被せて苗木を保護する苗木保護カバー
を傾斜地に容易に設置するための技術に関する。

【０００２】

【従来の技術】従来、例えば山林等に植樹した苗木を野
生動物等から保護するため、植樹した苗木の周囲を筒状
の苗木保護カバーで覆うような技術が知られており、こ
のような技術では、図４に示すように、苗木の植付けが
終えた後、この周囲を囲うように筒状の保護カバー５１
を被せ、必要に応じてこの保護カバー５１の下端部の一
部を地面に埋め込んでネズミ等の小動物の侵入を防止す
るとともに、近くに立設した支柱５２等に対して固定す
ることで、鹿やウサギやネズミ等の野生動物による食害
を保護するようにしている。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】ところが、このような
苗木が植樹される山林等は傾斜地が多く、このような傾
斜地に下端部が平らな保護カバー５１を被せてセットす
ると、図５に示すように保護カバー５１と地面との間の
一部に隙間が生じ、例えば周囲に土盛りして下端部の一
部を土中に埋め込むような作業に手間と労力がかかると
いう問題がある。

【０００４】そこで本発明は、傾斜地に苗木保護カバー
を設置する作業の容易化を図ることを目的とする。

【０００５】

【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
本発明は、苗木の周囲に被せられて苗木を保護する苗木
保護カバーを傾斜地に設置するための補助具として、保
護カバーの外面に摺動自在に嵌装され且つ下面が傾斜す
る補助具を設けた。

【０００６】このように補助具の下面を傾斜させれば、
傾斜地の傾斜方向と補助具下面の傾斜方向を一致させて
セットすることで地面との隙間が少なくなり、補助具の
下端側部を土中に埋め込むような労力を軽減することが
出来る。

【０００７】この際、前記保護カバーと補助具は、合成
樹脂から成形すれば必要な強度を容易に確保できるとと
もに、安価に構成することができ、しかも日射を遮らな
いようにすることも容易であり、好適である。また保護
カバーと補助具の筒型形状等は任意であり、断面多角形
状にしても、断面円形にしても、その他の断面形状にし
ても良い。因みに、補助具の形状に剛性を持たせれば、
この補助具を保護カバーに嵌装することで、保護カバー
の形状保持効果を高めることが出来る。

【０００８】また請求項２では、補助具下面の傾斜角度
を２０〜７０度とした。このような角度範囲にすれば、
一般の山林の傾斜地に容易に適用できるが、より汎用性
を高めるため、５０〜７０度程度にすることが好まし
い。

【０００９】

【発明の実施の形態】本発明の実施の形態について添付
した図面に基づき説明する。ここで図１は本発明に係る
補助具付き苗木保護カバーの斜視図、図２は傾斜地に設
置した状態を示す説明図、図３は補助具下面の傾斜角の
説明図である。

【００１０】本発明に係る補助具付き苗木保護カバー１
は、特に山林等の傾斜地にスギやヒノキやその他の広葉
樹等の苗木を植樹する際、例えば、野生動物等の食害か
ら苗木を保護するため、その周囲を囲うように配置され
る保護カバー２を労力を要さないで簡単に設置できるよ
うにされ、図１に示すように、苗木の周囲に被せられる
合成樹脂製の保護カバー２の外面に補助具３を摺動自在
に嵌装して構成している。

【００１１】前記保護カバー２は、例えばポリプロピレ
ン（ランダムポリプロピレン、ブロックポリプロピレ
ン、シンジオタクチックポリプロピレン）、ポリエチレ
ン（高密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、低密度
ポリエチレン、メタロセン触媒を用いて重合したポリエ
チレン）、エチレン系共重合体等のポリオレフィン、ま
たは硬質または半硬質ポリ塩化ビニル、またはオレフィ
ン系モノマーと塩化ビニルモノマーとの共重合合成樹
脂、またはこれらの混合物等から構成され、実施形態で
は断面六角形の筒型とされ両端部が開放している。因み
に、このような断面六角形の筒型にしているのは、運搬
時等に平らに押し潰して取り扱えば、容積を少なくして
効率的に運搬等が出来るからであり、他の多角形でも良
く、また現場で簡易に筒型に出来るならば断面円形で
も、その他の形状でも良い。

【００１２】そして、実施形態では、上端開口部の端部
を鋭利にしておけば成長した苗木の枝等が接触した際に
鋭利な部分で損傷するため、この防止に、図２に示すよ
うに、所定長さ分内側に折り返して、折返し端部を切り
込み孔に差込むとともに、この内側折り返し部を若干た
るませることで開口端部附近を滑らかにするようにして
いる。また、この保護カバー２の実施形態の寸法は、例
えば高さが約１８００ｍｍ、内径（コーナ部の対角線長
さ）が約１２０ｍｍ程度である。

【００１３】前記補助具３は、保護カバー２の断面形状
より一回り大きめの断面六角形状にされ、保護カバー２
に対して長手方向に摺動自在に嵌装されるとともに、下
面側が斜めに切断されて傾斜面にされている。そしてこ
の補助具３も、例えば保護カバー２と同様の材料の合成
樹脂から成形すると、廃棄やリサイクルが容易に行え、
好ましい。

【００１４】前記補助具３下面の傾斜は、山林等の傾斜
地の傾斜角度に一致していれば設置が容易に行えるた
め、図３に示す傾斜角θを２０〜７０度にするように
し、実施形態では５０〜７０度の範囲にして、より汎用
性を高めるようにしている。

【００１５】次に、以上のような補助具付き苗木保護カ
バー１の作用等について説明する。図２に示すように、
苗木Ｎを植樹すると、この苗木Ｎの周囲を覆うように保
護カバー２を被せ、必要に応じてその周囲に支柱４を立
設し、この支柱４に保護カバー２を縛り付ける等によっ
て固定する。この際、補助具３下面の傾斜面が傾斜地の
傾斜方向に一致するような向きで固定する。

【００１６】保護カバー２を固定すると、保護カバー２
のフラットな下面と傾斜地との間には、一部に隙間が生
じるため、補助具３を下方にスライドさせて下端部の一
部を地面に接触させることで隙間を無くすようにし、必
要に応じて補助具３周辺の土を土盛りをして下端部の一
部を埋め込む。この際、全体の隙間が小さいため埋め込
み作業を容易に行うことが出来る。

【００１７】また、補助具３の形状にある程度の剛性を
持たせれば、保護カバー２に嵌装することにより、保護
カバー２の形状保持効果を高めることが出来る。

【００１８】尚、本発明は以上のような実施形態に限定
されるものではない。本発明の特許請求の範囲に記載し
た事項と実質的に同一の構成を有し、同一の作用効果を
奏するものは本発明の技術的範囲に属する。例えば保護
カバー２や補助具３の断面形状や素材等は任意である。

【００１９】

【発明の効果】以上のように本発明に係る苗木保護カバ
ー用補助具は、保護カバーの周囲に補助具を摺動自在に
嵌装し、その下面を傾斜させるようにしたため、山林等
の傾斜地に植樹する際、補助具下面の傾斜方向を傾斜地
の傾斜方向に一致させてセットすることで地面との隙間
が少なくなり、例えば下端部の一部を土中に埋め込むよ
うな労力を軽減することが出来る。また補助具下面の傾
斜角度を請求項２のような範囲にすれば好適である。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明に係る補助具付き苗木保護カバーの説明
図

【図２】補助具付き苗木保護カバーを傾斜地に設置した
状態を示す説明図

【図３】補助具下面の傾斜角の説明図

【図４】従来の保護カバーの説明図

【図５】従来の保護カバーの不具合を示す説明図

【符号の説明】

１…補助具付き苗木保護カバー、２…保護カバー、３…
補助具、θ…傾斜角。

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 苗木の周囲に被せられて苗木を保護する
   苗木保護カバーを傾斜地に設置するための補助具であっ
   て、前記保護カバーの外面に摺動自在に嵌装され且つ下
   面が傾斜することを特徴とする苗木保護カバー用補助
   具。
2. 【請求項２】 請求項１に記載の苗木保護カバー用補助
   具において、前記補助具下面の傾斜角は２０〜７０度で
   あることを特徴とする苗木保護カバー用補助具。