JP2000266309A - 加圧流動層燃焼装置と粉体排出装置 - Google Patents

加圧流動層燃焼装置と粉体排出装置

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JP2000266309A
JP2000266309A JP11067533A JP6753399A JP2000266309A JP 2000266309 A JP2000266309 A JP 2000266309A JP 11067533 A JP11067533 A JP 11067533A JP 6753399 A JP6753399 A JP 6753399A JP 2000266309 A JP2000266309 A JP 2000266309A
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medium
fluidized bed
pipe
discharge
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JP11067533A
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Yasuisa Yamamoto
恭功 山本
Takanori Katori
孝則 香取
Masataka Ogasawara
正孝 小笠原
Koji Tomoyasu
幸治 友安
Tetsuo Itami
哲郎 伊丹
Yoshinori Otani
義則 大谷
Hidenori Makino
秀則 牧野
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Mitsubishi Power Ltd
Original Assignee
Babcock Hitachi KK
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Publication date
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    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E20/00Combustion technologies with mitigation potential
    • Y02E20/16Combined cycle power plant [CCPP], or combined cycle gas turbine [CCGT]

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  • Fluidized-Bed Combustion And Resonant Combustion (AREA)

Abstract

(57)【要約】 媒体容器と火炉との水平距離が長い場合においても、
媒体容器から火炉へのBMの輸送が、微少な輸送量でも
調整可能なようにし、要求された負荷変化速度に応じて
プラントの負荷変化が可能とする。 【解決手段】 火炉1と媒体輸送管にて接続される媒体
容器3とBM16を火炉2に供給するためのBM供給手
段と火炉2から抜き出すための抜き出し手段8、9とを
設け、BM供給手段が下降輸送管4と下降輸送管に接続
し適切な長さを持った水平輸送管5と、これにつながる
BMの安息角以上の傾きを持った傾斜輸送管6、傾斜下
部水平輸送管7とで構成され、BM下降輸送管4には供
給調整空気11を、傾斜輸送管6および傾斜下部水平輸
送管7にはアシスト空気12をそれぞれ独立させて注入
するので、水平距離が長い場合でも微少なBM量を搬送
できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、圧力容器に収納し
た火炉内で石炭などを燃焼させ、発生したスチームでス
チームタービンを駆動し、さらに石炭などの燃焼で得ら
れた高圧、高温の燃焼ガスでガスタービンを駆動して高
効率で電力を得る加圧流動層ボイラ複合発電プラント等
の設備に用いられる流動層燃焼炉(以下、火炉と呼ぶこ
とがある)に関し、特に負荷変化に対応して火炉内の媒
体粒子(Bed Material、以下BMと呼ぶことがある)を
媒体容器へ抜き出し、あるいは媒体容器から火炉へ媒体
粒子を供給して流動層高を変化させる流動層の層高制御
ができる加圧流動層装置に関わる。
【0002】また、本発明は、例えば流動層ボイラに用
いられる媒体粒子などの粉体の空気輸送装置に係わり、
特に水平輸送管部において粉体の流動状態が事前に判明
していない場合に好適なる粉体排出制御装置に関し、特
に排出流路の水平又は水平に近い傾斜を持つ配管部にお
いて粉体の流動状態が事前に判明していない場合に好適
な粉体排出制御装置に関するものである。
【0003】
【従来の技術】加圧流動層ボイラの火炉では負荷変化に
対応して流動層高を変化させる。すなわち、負荷が減少
するときは火炉内のBMを抜き出して流動層高を低く
し、抜き出したBMを該火炉の上方に位置した媒体容器
に輸送して貯蔵する。逆に負荷を増加するときには媒体
容器からBMを火炉内に供給して流動層高を増加する。
【0004】このように加圧流動層火炉は流動層高の操
作によって流動層内に埋設されている伝熱管の埋没深さ
を変化させて、その伝熱面積を増減させスチームの発生
量を調整するものである。
【0005】従来技術の加圧火炉の例を図18に示す。
圧力容器1内に所定の圧力下に保持されている火炉2が
収納され、圧力容器1外に設置された媒体容器3の底部
と火炉2の側面とを接続するBM16の供給管(BM下
降管4と水平輸送管5)が設けられていて、負荷上昇に
対しては負荷に対応した流動層高になるように媒体容器
3内のBM16が火炉2に供給される構成になってい
る。
【0006】BM16はBM下降管4の下部に注入され
る供給調整空気11によって水平方向に移動し、火炉2
に供給される。また、プラント負荷が低下した場合に備
えて、BM16を火炉2内から媒体容器3内に抜き出す
ための抜出管8、9と戻し管10が火炉2と媒体容器3
の間に設けられている。抜出管8は、その入口部が火炉
2の底部に開口され、BM16は抜出管8を下降し、抜
出調整空気13によって水平方向に移動して戻し管10
の下部に到る。
【0007】戻し管10には下端から媒体輸送空気14
が注入され、BM16を上方に気流搬送する。戻し管1
0の上端出口部は媒体容器3の上部空塔部に開孔してお
り、媒体輸送空気14を注入することと媒体容器3を火
炉2に対して減圧状態にすることで、抜出管8、9及び
戻し管10を経由して火炉2からのBM16が媒体容器
3に輸送される構成になっている。
【0008】ここでは、本発明のBM16の供給手段と
関係のある供給管の水平輸送管に着目する。上記図18
に示す構成で、BM16を媒体容器3から火炉2に供給
する場合、すなわちプラント負荷を上昇させる場合には
媒体容器3に接続されたBM下降管4にBM搬送のため
の空気を注入し、この空気量の調整によりBM流量を調
整しながら火炉2へ供給するようになっている。BM1
6はBM下降輸送管4と火炉2とを繋ぐ水平輸送管5内
を供給調整空気11により押し流されながら輸送され
る。
【0009】図18には媒体容器3を圧力容器1の外部
に設置した例を示すが、これ以外の位置に設置される例
も考えられる。図3は媒体容器3を圧力容器1の外上方
に設置した例、図4は媒体容器3を圧力容器1の内部に
設置した例である。なお、図3、図4ではBM16を火
炉2から媒体容器3へ抜き出す抜出管、戻し管、媒体輸
送空気ラインについては図18に示す装置と同様の構成
であるため図示を省略している。
【0010】加圧流動層ボイラが事業用ボイラとして適
用され、大型化してくると、水平輸送管5の長さも必然
的に長くなってくる。図4のように媒体容器3を圧力容
器1内に設置した場合においても、媒体容器3の容量が
大きくなれば水平輸送管5の長さも長くなる。図18の
場合、火炉2の大型化を考慮して、その外側に位置する
圧力容器1をできるだけ小さくするため、媒体容器3を
圧力容器1の外側に設置しているが、明らかに図4に比
較しても水平輸送管5の長さは長くとる必要がある。
【0011】図3に示す例では媒体容器3を圧力容器1
の外部上方に設置してBM下降管4を圧力容器1の上蓋
を貫通させて圧力容器1内に配置するため、水平輸送管
5の長さを短くすることができる。しかし、この配置も
媒体容器3を圧力容器1の上方に設置することから建屋
全体の高さが高くなり大型の加圧流動層ボイラとしては
建設コストがかかるなどの難点がある。
【0012】図5(a)に示す水平輸送管5の長さLと
口径DがBM16の輸送量の調整に与える影響につい
て、図5(b)に示すグラフで口径Dを一定とした場合
について示した。BM16の輸送量を供給調整空気11
で調整しながら流すためには、図5(b)の矢印Bで示
すように、水平輸送管5の長さが水平輸送管5の内径の
10倍程度とすることが望ましい。水平輸送管5の口径
Dに対し、その長さLが短い場合(図ではL/D=2)
には、図5(b)の矢印Aで示す範囲のように、BM1
6の流量が少しの供給調整空気量でも大きく影響され、
その流量調整が困難となる。
【0013】逆に、設備配置条件上、水平輸送管5の長
さLを長くとらざるを得ない場合(図ではL/D=5
0)もある。この場合同じBM流量を得るのに必要な媒
体粒子輸送空気量は多くなる。
【0014】また、図6に示すように、水平輸送管5の
長さが適切な場合に発生する輸送管5内部の両端部間の
差圧△P(図6(a))に比べ、水平輸送管5の長さ
が長くなった場合に発生する輸送管5内部の両端部間の
差圧△P(図6(b))は大きくなるので、BM16
を輸送する場合に抵抗が大きくなる。すなわちBM16
の輸送用空気として必要な空気源が、その容量、風圧と
も仕様が大きくなり、設備コストが増加する。
【0015】また、水平輸送管5内でBM16を搬送す
るための前記輸送管5内部の両端部間の差圧が大きくな
ると安定した輸送特性が得られなくなる。つまり、少量
で風圧の比較的低い供給調整空気11では抵抗が大きく
BM16が流れず、大量で風圧の高い供給調整空気11
でBM16が搬送可能となることから、その際に水平輸
送管5内の抵抗が急激に減少し、多量のBM16が搬送
される。
【0016】この場合には負荷変化時に、必要な負荷変
化の速度にあわせて火炉2へのBM供給量を調整しなが
ら送る場合に、細かなBM供給量の調整ができず、一度
にまとまった量のBM16が入ってしまい、この結果、
流動層高の変化幅が大きくなり、流動層に埋設される伝
熱管の伝熱面積の調整も精度よく行えないのでプラント
の安定した負荷変化ができなくなってしまうおそれがあ
る。
【0017】実公平4−19290号公報には水平輸送
管の長さが長い場合に水平輸送管5の中央部に流れ方向
下方に傾斜する傾斜部を設けることでBMの滞留を防ぐ
ことが記載されている。
【0018】上記公報記載の例では水平輸送管の傾斜分
の両端に水平部が設けられているものの、媒体輸送用の
供給調整空気は傾斜部上側のBM下降管のみにしか設置
されていない。この場合、供給調整空気量が多く、傾斜
部下端側の水平輸送管にBMが堆積することなく押し流
されている状態であればよいが、負荷変化速度が小さく
BMの輸送量を少量で調整したい場合、供給調整空気量
も少量となるので、傾斜下部水平輸送管でBMを押し流
す力がなく、BMが堆積してしまうことが考えられる。
傾斜下部水平輸送管にBMが溜まると、やがて傾斜輸送
管にも粒子が堆積してしまうので、水平部全体に発生す
る輸送管内の差圧が大きくなり、BMの輸送がますます
困難になってしまう。
【0019】傾斜下部水平輸送管を無くし、傾斜のつい
たまま火炉に繋ぐことも考えられるが、これでは上記公
報中でも指摘されているように、BMの流れが滑らかに
なりすぎBM流量の微少な調整が非常に難しくなる。ま
た、火炉との接続部分の構造が複雑になるので製作上の
困難も生じる。
【0020】従来技術の加圧流動層ボイラの火炉と層高
制御装置の他の例を図19に示す。圧力容器1内に所定
の圧力下に保持されている火炉2と媒体容器3が収納さ
れ、媒体容器3の底部と火炉2の側面とを接続するBM
16を供給するBM下降管4と水平輸送管5が設けられ
ている。
【0021】火炉2からBM16を抜き出す場合には媒
体容器3に接続した排気管25により媒体容器3を減圧
し、火炉2の側壁から媒体抜出管8でBM16を火炉2
から抜き出す。ここで媒体抜出管8で火炉2からBM1
6を抜き出して火炉2の流動層層高を低下させる場合、
2つの制御事項が生じる。
【0022】一つは火炉2の側壁の抜出管8との取り合
い位置以下のレベルのBM16は媒体容器3には抜き出
せないことである。他の一つはプラント負荷が一定運転
である場合に流動層層高を一定に保とうとして、火炉2
への燃料供給と燃焼排ガスのバランスが崩れ、常時BM
16を抜き出しを必要とするような場合に経常的に媒体
容器3に抜き出すと媒体容器3が満杯となってしまい、
最終的には媒体抜出が困難になってしまうことである。
【0023】このため、従来技術では火炉炉底排出管6
0を設け、上記のような場合でも円滑にBM16を抜き
出しができるようにしてある。火炉炉底排出管60は高
温のBM16を火炉2から直接、抜き出して処理するこ
とから、抜き出したBM16は媒体ク−ラ62で冷却さ
れ、逃し弁34付きの灰処理用高圧タンク64にいった
ん貯蔵され、灰処理用高圧タンク64を高圧から常圧に
調整した後、系外に排出される。
【0024】従来技術の加圧流動層ボイラのもう一つの
例を図20に示す。図19の従来技術と比べて、媒体容
器3か圧力容器1の外に設置されているのが特徴となっ
ている。媒体容器3の底部と火炉2の側面を接続する下
降管4と水平輸送管5が設けられている。火炉2からB
M16を抜き出す場合には火炉炉底から媒体抜出管8で
圧力容器1外に取り出し、抜出管水平部9と戻し管10
により媒体容器3に搬送する。その際に必要な媒体容器
3の減圧あるいは搬送空気の排出は排気管25で行われ
る。
【0025】本例においても、負荷一定運転の場合に火
炉2の流動層の層高を一定に保とうとして、火炉2への
燃料供給と燃焼排ガスのバランスが崩れ、常時、媒体抜
出を必要とするような場合には、図19の例と同様に媒
体容器3が満杯となってしまい、最終的には媒体抜出が
困難になってしまう。このため、媒体炉底排出管60で
高温の媒体を直接、抜き出し、媒体クーラ62、灰処理
用高圧タンク64を配備してBM16を冷却、常圧状態
にして系外に排出する。
【0026】次に粉体の気流搬送装置として加圧流動層
ボイラの媒体粒子を例に説明する。図18に示す従来技
術になる加圧流動層ボイラは火炉2内と媒体容器3の間
などでの粉体(BM)の空気搬送装置として機能する。
そしてこの場合の火炉2は粉体の貯蔵タンクとして機能
し、火炉2内の流動層はBM16が充填率ε≒0.5程
度で充填され、流動化されているが、加圧流動層ボイラ
の流動層の層高制御系、特に、その層高下げの場合の制
御方法を例として説明する。
【0027】火炉2の炉底から下降管であるBM抜出管
8、抜出管水平部9、および戻し管10を通じてBM1
6が抜き出されて媒体容器3に導入される。火炉2内の
流動層には図示しない伝熱管が浸漬されており、BM抜
き出し操作はボイラ負荷を低下するときに実施される。
すなわち、流動層の温度はエミッション制御の観点から
865℃前後に保持する必要があり、このためにはボイ
ラ負荷低下の際は燃料量、流動層の流動化空気量を下げ
るとともに流動層高を下げて水系への熱吸収を制御する
ことになる。
【0028】図18の中で、BM16を抜き出すに際
し、抜出管8と抜出管水平部9の取合点の近傍にてBM
輸送空気14を、また水平管5と上昇管6の取合点11
にて抜き出し調整空気13を導入させる。
【0029】図21に、図18のBM抜き出し調整空気
13,BM輸送空気14の作用タイミングを媒体容器3
の後流のクーラー70、サイクロン前遮断弁71、サイ
クロン72、減圧遮断弁73などからなる差圧系の作
用、各種弁の開閉タイミングと共に説明する。
【0030】流動層高の計測値(層高計測値)77のト
レンドを決める層高設定値78は、ボイラ負荷(図示せ
ず)の関数として与えられる。図21に示す場合では時
刻T に負荷変化開始、Tに負荷変化完了である。層
高計測値77(X)を層高設定値(Xset)78と比
較して X>Xset の場合はBM抜き出し調整空気(Gcnt(t))13
が一定量だけ投入される。
【0031】Gcnt(t)=G cnt 逆に X≦Xset の場合は、BM抜き出し調整空気13は吹き込まれず、 Gcnt(t)=0 である。
【0032】また、BM輸送空気(Grsr(t))1
4は負荷変化中は一定量投入される。 Grsr(t)=G rsr(T≦t≦T) 負荷変化がない場合は Grsr(t)=0 である。
【0033】遮断弁は2種設置されており、サイクロン
前遮断弁(O21(t))71は負荷変化中は開であ
り、
【数1】
【0034】負荷が一定の場合は
【数2】 ここで、前記値1は弁は「開」、0は弁が「閉」である
ことを表すものとする。
【0035】一方、差圧制御系では、火炉2の圧力P
と媒体容器3の圧力PBMTKの差圧が設定値に一致す
るよう制御され、ガスが火炉2から媒体容器3の側に流
れ、粉体を排出しやすくなるように制御される。
【0036】すなわち、減圧遮断弁(O22(t))7
3は、火炉2の圧力Pと媒体容器3の圧力PBMTK
の差圧の計測値80が設定値81を下まわれば「開」、
越えれば「閉」となる。
【0037】
【数3】
【0038】
【数4】
【0039】ここで(P−PBMTK)は差圧計測値
80、(P−PBMTKsetは差圧設定値81で
ある。差圧設定値(P−PBMTKset81は、
設計計画段階の検討をベースとして試運転での経験を通
じて設定されるが、いったん設定されると運転中は時間
変化しない一定値である。
【0040】
【発明が解決しようとする課題】図18に示す従来技術
では媒体容器3と火炉2との水平距離が長い場合でも途
中に傾斜管を設けることにより、ある量以上のBM16
の輸送は問題なく行うことはできたが、微少なBM量の
調整を行いたい場合に、その調整範囲が狭く、微少な輸
送が困難であるという問題があった。
【0041】加圧流動層ボイラにおいては火炉2内に保
有するBM量によってプラントの負荷が決まってくるた
め、負荷変化時にプラントの負荷指令に応じて火炉2へ
のBM16の供給、あるいは火炉2からのBM16の抜
き出しが、必要量で行われなければ、負荷の変動が激し
くなりプラントの性能に大きく悪影響を及ぼすことにな
る。このため微少なBM量でも調整可能でなければ加圧
流動層ボイラプラントの運転上問題となるのである。
【0042】本発明の第1の課題は、上記のように媒体
容器と火炉との水平距離が長い場合においても、媒体容
器から火炉へのBMの輸送が、微少な輸送量でも調整可
能なようにし、要求された負荷変化速度に応じてプラン
トの負荷変化が可能とすることである。
【0043】また、図19、図20に示す従来技術では
負荷一定運転の場合に火炉2の流動層の層高を一定に保
とうとして、火炉2への燃料供給と燃焼排ガスのバラン
スが崩れ、常時、媒体抜出を必要とするような場合に
は、媒体容器3が満杯となってしまい、最終的には媒体
抜出が困難になってしまうことがあった。
【0044】そこで本発明の第2の課題は、火炉の流動
層の層高安定維持のために必要と考えられ、設置されて
いる火炉に直接取り付けられた媒体炉底排出管と、その
下降管より高温媒体を燃焼炉より系外に抜き出す高温灰
処理設備(図20に示す媒体クーラ62、灰処理用高圧
タンク64および関連する配管、弁など)の設置を削除
し、システムの簡素化、経済化を図ることである。
【0045】また、上記図18と図21に示す従来技術
では火炉2と媒体容器3との間の差圧設定値(P−P
BMTKset 81は運転中一定である。そのた
め、BM16の配管内流動状態が変化し、圧損バランス
が設計計画と違ってくると、BM16が流動しないかま
たは流れ過ぎるとという問題が発生する。
【0046】また、上記従来技術では、X(層高計測
値)≦Xset(層高設定値)のときはBM抜き出し調
整空気13の吹き込み量(Gcnt )が一定値であ
る。この場合、水平又は水平に近い傾斜を持つBM抜出
管水平部9でのBM16の流動状態によっては、以下に
示すように、負荷変化完了に近い時点においてBM16
が流れ過ぎ、流動層の層高が設定値より低くなったまま
負荷変化が完了する現象が発生する。
【0047】すなわち、BM抜出管8内のBM16は充
填度合いが高く、BM16が静定状態または活動状態の
いずれの状態にあっても、ガス相と粒子相のうちでガス
相の隙間が占める空隙率は小さく、約0.46ないし
0.5程度である。
【0048】一方、戻し管10については、BM16の
流動が静定状態では、ほぼ完全にガス相のみで空隙率は
殆ど1.0に近く、またBM16が流動している状態に
あっても空隙率は高く、BM16が多いとしても0.8
程度までしか空隙率は低下しない。
【0049】このような特性があるので、BM抜出管8
と戻し管10については、各配管内でのBM16の流動
状態を予想することが容易である。しかし、水平又は水
平に近い傾斜を持つBM抜出管水平部9内でのBM16
については、その輸送を開始する時点、すなわち初期の
静定状態は、それ以前に実施していたBM輸送が終わっ
た時点での状態に応じて変化し、きわめて種々のBM1
6の充填状態があり得る。BM抜出管8内と同様に、殆
ど隙間のないのような状態もあり得るが、別の場合に
は、戻し管10内と同様に、殆どガスばかりで占められ
るような状態、さらにそれらの中間的状態もある。
【0050】この中間的状態でもBM16の水平又は水
平に近い傾斜を持つ抜出管水平部9の底部への滞留状態
は、場合によってそれぞれ異なり、プラグ的な輸送履歴
があったとすると、BM抜出管8に近い入口近傍の場所
ではほぼ閉塞状態であっても、戻し管10に近い出口近
傍の場所に移るにつれて閉塞様態が解放されて空隙率が
高くなる。
【0051】さらに、前回のBM輸送が希薄流輸送に近
い状態で輸送が終わっていたとすると、水平又は水平に
近い抜出管水平部9の底部の沈積滞留層は薄く、ガス相
が水平部9の全長に亘って続くという状態もあり得る。
【0052】このような種々の初期充填状態に応じての
BM16の流動性が違うのは明らかであり、BM16の
流動状態が設計時点の予想と大きく異なることがあり得
る。
【0053】図22は従来技術になる粉体循環システム
において負荷変化完了時点にて層高が部分負荷での設定
値より低値の位置にて保持されてしまう事象を説明する
図である。
【0054】図22に示すようなことは、負荷変化完了
に近い時点でBM16がかなり薄い層として、高い空隙
率で水平又は水平に近い傾斜を持つ抜出管水平部9内を
流動しているような場合に発生する。抜出管水平部9の
中では、空隙率が高い状態では動摩擦係数がかなり小さ
くなっており、このため少量の抜き出し空気量を投入し
ても、抜き出し空気量に相応する以上の多量のBM16
が流れてしまう可能性がある。
【0055】すなわち設計計画上の一定量の抜き出し調
整空気Gcnt 13を吹き込むとすれば、この時点で
の動摩擦係数が小さくなっていることからBM16は、
予想値より多く流れすぎる。BM16が流れすぎると、
流動層の層高(層高計測値)77は層高設定値78から
大きく下回ってしまう。ボイラ負荷完了に近い時点T
において、このような現象が生じると、流動層の層高が
設定値より低めのままで負荷変化が完了することにな
り、所定の部分負荷での熱的特性、すなわち流動層中の
伝熱管による熱吸収量が所定値に達しないことになる。
【0056】本発明の第3の課題は、流動媒体の種々の
流動状態に対して、流動層高を所定の層高設定値に適切
に保持し、層高が設定値より低く保持されてしまい熱的
バランス条件を崩すような状態を発生させないようにす
る粉体排出制御装置および当該制御装置を備えた流動層
燃焼ボイラを提供することである
【0057】
【課題を解決するための手段】本発明は上記第1の課題
については次の構成(第1発明)により解決される。火
炉と媒体輸送管にて接続される媒体容器と、BMを火炉
に供給するためのBMの供給手段と、火炉から抜き出す
ための抜き出し手段とを設けた加圧火炉において、前記
流動媒体の供給手段が、媒体容器に接続されたBM下降
輸送管と下降輸送管に接続した適切な長さを持った水平
輸送管と、これにつながるBMの安息角以上の傾きを持
った傾斜輸送管、そして、火炉側部に接続した傾斜下部
水平輸送管とで構成され、BM下降輸送管には供給調整
空気を、傾斜輸送管および傾斜下部水平輸送管にはアシ
スト空気をそれぞれ独立させて注入するようにする。
【0058】媒体容器から火炉へBMを供給する場合に
おいて、媒体容器と火炉の水平距離が長い場合でもBM
輸送料の調整が可能な最低必要な水平輸送管長さを確保
した上で傾斜輸送管が設置されており、さらに水平輸送
管に繋がるBM下降輸送管に供給調整空気が、傾斜輸送
管および傾斜下部水平輸送管にアシスト空気がそれぞれ
独立して注入することが出来るため、供給調整空気量を
適正に調整することにより、要求された負荷変化速度
(すなわちBMの輸送量)に応じたBM流量の調整を行
うことが出来る。特に、水平距離が長い場合でも微少な
BM量を搬送できる。
【0059】プラント負荷増加時に火炉にBMを供給す
る場合、図10(a)に示すように傾斜輸送管全体にB
Mが詰まっていたとしても、傾斜輸送管には、図2に示
すように管7内にアシスト空気12を流すためのアシス
ト空気ノズル21が傾斜下部水平輸送管まで挿入されて
いるので、アシスト空気12を流してやればBMの詰ま
った傾斜輸送管6上部よりも、流動化している火炉に近
い側の方が空気が流れやすくなる。
【0060】このため微少なBM輸送量を流したい場合
に、BM下降管に注入する供給調整空気が少ない場合に
おいても、アシスト空気12を流すことで傾斜下部水平
輸送管17から徐々にBMが火炉へ流れるようになり、
やがて傾斜管内全体のBMの堆積もなくなるので、BM
の流量調整が可能である(図10(b))。また、図1
0(c)には上記図10(a)と図10(b)に示す場
合の配管内の圧力損失の大きさの比較をした図を示す。
【0061】BM量の微少調整を行うには、供給調整空
気とともにアシスト空気を流した状態で供給調整空気量
の増減を行う。またBMの流れを止めたい場合には供給
調整空気とアシスト空気12とを遮断すればよい。
【0062】上記第2の課題は次の構成(第2発明)に
より達成される。すなわち、圧力容器と、圧力容器内に
収納される流動層燃焼炉と、負荷変化に対応して流動層
燃焼炉の流動層高を調整させるための媒体粒子を貯留し
た媒体容器と、該媒体容器から媒体粒子を流動層燃焼炉
に供給するための媒体粒子の供給手段と、流動層燃焼炉
から媒体容器に媒体粒子を抜きだすための媒体粒子の抜
き出し手段とを設けた加圧流動層燃焼装置において、前
記媒体粒子の抜き出し手段の媒体粒子の流路は、流動層
燃焼炉に接続した媒体粒子移動層下降管と媒体容器に媒
体を搬送する搬送管のみから構成され、該媒体粒子移動
層下降管に接続した媒体容器には大気と連通可能にした
媒体粒子排出管を設けた加圧流動層燃焼装置である。
【0063】例えば、図11を用いて流動層ボイラで説
明すると、火炉2の層高安定維持のために高温のBM1
6を一定量、系外に抜くことが要求されるが、そのため
に、層高制御設備として設けられた媒体抜出管8と気流
搬送管である戻し管10等を介して高温媒体を一旦、媒
体容器3に移動して後、媒体容器3より媒体容器底部排
出管31,灰処理用高圧タンク26を経て媒体サイロ2
7に搬送する。
【0064】媒体容器底部排出管31と灰処理用高圧タ
ンク26は耐高温高圧機器であり、媒体容器3から灰処
理用高圧タンク26までのBM16の搬送は運転中に媒
体容器底部排出管31に設けられた弁31aを開くこと
により実施することができる。搬送終了後、弁31aが
閉じられ、灰処理用高圧タンク26の圧力逃し弁34が
解放され、また、タンク26内で高温のBM16が冷却
された後、気流搬送管32により媒体サイロ27へ送ら
れ、他の未使用のBM16と同様に保管される。
【0065】本発明によれば、火炉の層高安定維持のた
めに高温媒体を系外に抜き出すことを、火炉より直接行
うことをせずに、一旦、層高制御設備の下降管および気
流搬送管により媒体容器に移送して、そこから下降管、
高圧灰処理用タンクを経て媒体を系外に排出する。こう
することで図19に示す従来技術で必要としていた火炉
より直接媒体を抜き出す媒体炉底排出管60およびその
BM16を冷却、常圧状態にして系外に排出するための
媒体クーラ62などの設置を不要とすることができる。
【0066】ここで、媒体容器に一旦、BMを戻して
後、灰処理用高圧タンクにBMを搬送するのは下記の効
果がある。 1)火炉から直接BMを抜き出す場合には、火炉の層高
を維持する目的があることから、常時、稼働することを
基本とし、また抜き出しを行っていないときでも待機状
態を保持しなければならない。一方、媒体容器から抜き
出す場合には、媒体容器の容量が十分あることから、適
宜、状況に応じて抜き出しを実施することが可能とな
る。
【0067】2)媒体容器が大容量であり、ある程度の
期間、高温BMを保持する能力があることから、灰処理
用高温タンクへ搬送する前に高温BMの温度を低下し
て、その上でタンクに搬送することができる。例えば、
火炉内の高温BMの温度は850℃の高温であるが、火
炉から直接BMを抜き出す場合、媒体クーラで400℃
以下に冷却して炭素鋼あるいは低合金鋼の灰処理用高圧
タンクに排出する。一方、媒体容器から抜き出す場合に
は、850℃の高温BMは600℃以下に媒体容器内で
温度低下した後、抜き出せるので、灰処理用高圧タンク
はステンレス鋼製で製作して媒体クーラの設置を省略す
ることができる。タンクの材質のコストが上昇しても、
媒体クーラ機器全体を省略する経済的効果の方がより大
きい。
【0068】3)火炉から直接BMを抜き出す場合は層
高の安定維持の要求により抜き出すために、その抜き出
したBMは一旦系外に出されることになる。一方、媒体
容器に搬送した後、抜き出す方法を採れば、媒体容器が
大容量であるため、すぐに灰処理高圧タンクから系外に
抜き出す必要は無くなる。つまり、層高の安定維持の要
求に直接的に影響されることなく、BMを系外に出すこ
と無しに継続的に運転可能であり、例えば媒体容器が満
杯に近くなるような時点で系外にBMを抜き出せばよ
い。このことにより、層高安定維持調整の時に時間的な
余裕ができ、その結果、系外にBMを抜き出す量、およ
び回数を減少することができ、運転、制御の裕度が向上
する。
【0069】本発明の上記第3の課題を解決するために
は、粉体を貯留する第1貯留部と、該第1貯留部の粉体
を排出する排出流路を設けた粉体排出手段と、該粉体排
出手段で排出された粉体を貯留する第2貯留部と、該第
2貯留部に貯留された粉体を前記第1貯留部に供給する
粉体供給手段と、前記第1貯留部と第2貯留部との差圧
を計測し、予め設定された差圧設定値と比較し、差圧計
測値が前記差圧設定値を超えると前記第2貯留部に接続
する圧力開放手段を開放する差圧制御手段と、前記第1
貯留部に負荷される所定負荷に応じて第1貯留部の粉体
を排出する前記粉体排出手段の、少なくとも水平または
水平に近い傾斜を有する排出流路の所定区間の粉体入口
部近傍と粉体出口部近傍に気流を吹き込んで前記第1貯
留部の粉体を排出するための気流搬送制御をする粉体排
出制御手段を有する粉体排出制御装置において、前記粉
体排出手段内部の前記水平または水平に近い傾斜を有す
る排出流路内の粉体の流動状態に応じて、前記粉体入口
近傍への粉体搬送用の気流吹き込み量を設定する粉体搬
送用の気流吹き込み量制御手段を備えた粉体排出制御装
置を設ける。
【0070】この発明(第3発明)を加圧流動層ボイラ
を例として説明すると、上記粉体排出制御装置における
粉体が流動媒体であり、第1貯留部が流動媒体が流動す
る火炉であり、第2貯留部が該火炉が媒体粒子を排出
し、あるいは戻す流路を備えた媒体容器に相当する。
【0071】また、上記発明の所定の計測値としてはB
M抜出管の圧力損失値、また火炉流動層の層高の時間的
変化率を使い、水平又は水平に近い傾斜を持つ流路であ
るBM抜出管水平部内の全空気流量を予測計算する。
【0072】BM抜出管の圧力損失値また火炉流動層の
層高の時間的変化率は、加圧流動層ボイラの粉体の気流
搬送用の流路であるBM抜出管とBM戻し管に空気がど
れだけ流れているか、またはBM抜出管水平部でどの程
度流動の滞留があるかなどの状態量と相関があるので、
例えば、媒体粒子の流動に対する抵抗値、すなわち動摩
擦係数の実効的値として該媒体流路である前記BM抜出
管水平部の流動状態を定量化できる。
【0073】媒体粒子が水平又は水平に近い傾斜を持つ
流路内を流動する場合、希薄層の時もあれば殆どプラグ
フロ−的に流路断面に亘って媒体粒子が覆い尽くしてい
るときもあり、その流動状態はきわめて多様である。こ
れを、前記流路の実効的内径値で代表的に表現し、フル
ード数への変換を通じて、動摩擦係数の実効的値という
一つのパラメータによって代表させる。
【0074】こうして、前記流路の流動状態という多岐
にわたりかつ定性的な物理現象を、吹き込み空気量を制
御する際の定量的指標として使用することができるよう
になる。この動摩擦係数実効値に応じた媒体粒子抜き出
し制御空気量を与えるのであれば、媒体粒子が前記流路
内で薄い層となっている場合であれば、該制御空気量も
低めに設定され、これにより、負荷変化完了時点には確
実に流動層の層高を設定値に保持できているという制御
が可能となる。
【0075】上記第3発明を加圧流動層ボイラの流動層
高調整設備に適用した場合を例として、はじめに(1)
水平又は水平に近い傾斜を持つ流路(BM抜出管水平
部)内でのガスおよび粉体の運動の物理式を説明し、そ
れを基礎として、
【0076】(2)前記流路の全空気量の計測値を適用
した推算方法を示す。ここで計測値としてはBM抜出管
圧力損失値、また流動層の層高の時間的変化率を使う。
次に、(3)全空気量に応じた、粉体の前記流路内での
流動状態の定量化を行う。
【0077】これは空気がどれだけ流れているかという
ことと前記流路底部でどの程度媒体粒子の滞留があるか
ということとの相関を利用するものであり、例えば、媒
体粒子の流動に対する抵抗、すなわち動摩擦係数の実効
的値として前記流路の流動状態を定量化できるというも
のである。さらに、(4)媒体粒子の流動状態に応じた
媒体粒子の抜き出し用の搬送空気量の設定を説明する。
【0078】(1)水平又は水平に近い傾斜を持つ流路
(以下、配管と言うことがある)内でのガスおよび粉体
の運動の物理式 記号の説明: A:配管の内径ベースの断面積[m] a:定数[1/(m/s)] b:定数[−] D:水平に近い傾斜を持つ配管の流路内径[m] dX/dt:流動層高の時間変化率[m/s] d/dX:流動層高Xによる微分[1/m] F:単位体積当たりに働く力[N/m] Fr:フルード数[−](Fr=V/sqrt(g・
D)) f:定数[−] func:一般的な関数を示す Gcnt:吹き込み空気(BM抜き出し空気)量[m
/s] g:重力加速度[m/s] K:動摩擦係数[l/s] P:圧力[Pa] P:定数[(kg/s)/(l/s)] q:定数[kg/s] u:ガス流速(真速度)[m/s] V:火炉流動層の特定流動層高までの体積(伝熱管の占
める領域を除く)[m] v:粉体流速[m/s] t:時間パラメータ[s] X:流動層高[m] x:水平に近い傾斜を持つ配管の管軸方向の位置座標パ
ラメータ[m] y:定数[(m/s)/(l/s)] z:定数[m/s]
【0079】ギリシャ文字 β:drag力の関数[(N/m)/(m/s)] ε:体積分率[−] μ:摩擦係数[−] ρ:密度[kg/m] σ:粉体層の内部応力[Pa] θ:水平移管の水平方向からの傾斜角[rad] ∂/∂x:パラメータxについての偏微分[l/m] ∂/∂t:パラメータtについての偏微分[l/s]
【0080】下添え字 D:動的 F:流動層火炉 g:ガス s:粉体 上添え字 DC:下降管 eff:実効的な量 Fluidized:流動化状態 LV:水平に近い傾斜を持つ配管 記号 *:計測値 #:推算値
【0081】ガスおよび粉体運動の物理モデル 水平又は水平に近い傾斜を持つ配管内のガスおよび粉体
の流動は、以下の1次元運動量バランスで表現できる。
【0082】a.ガスの運動量バランス式 ∂/∂t(ρ・ε・u)=−∂/∂x(ρ・ε・u
)+F(u,v ) b.粉体の運動量バランス式 ∂/∂t(ρ・ε・v)=−∂/∂x(ρ・ε・v
)+F(u,v ) である。
【0083】ここで、輸送空気に作用する力は、 F(u,v)=β(u,v)・(v−u)
−ε・∂P/∂x であり、 β(u,v)・(v−u):輸送空気によ
る流体力(「drag」力)の反作用力、 −εg・∂P/∂x:輸送空気の圧損、 また、粉体に作用する力は、粉体が流動している(vs
≠0)限りにおいて、 F(u,v)=−∂σ/∂x+ρ・ε・g・sin
θ+β(u,v)・(v−v)−ε・∂P/
∂x−μ・ρ・ε・g であり、各項は、をれぞれ次の意味を持つ;
【0084】−∂σ/∂x:粉体同士の接触による
力、 ρ・ε・g・sinθ:粉体の自重 β(u,v)・(u−v):輸送空気によ
る流体力(「drag」力) −ε・∂P/∂x:輸送空気の圧力損失分布に起因
する力 −μ・ρ・ε・g:配管の管壁からの摩擦力 である。
【0085】c.動摩擦係数の算定 上記b.の粉体の運動量バランスにおける、前記動摩
擦力に現れる動く摩擦係数μはフルード数 F eff=v/sqrt(g・Deff) を用いて、 μ eff=f・F eff である。このμ effを配管の動摩擦係数とよぶこと
にすると、この動摩擦係数を決める実効的配管内径D
effは水平又は水平に近い傾斜を持つ配管を通る全空
気量Qtotと次の関係にある; Deff/DLV=a・Qtot・b
【0086】(2)前記配管の全空気量の計測値を適用
した推算方法 BM抜出管8の粉体速度の推算 流動層の層高の時間変化速度(dX/dt)*を用い
て、BM抜出管8の粉体流速V DCを推定できる。
【0087】流動層から排出される粉体の量は ρ・ε Fluidized・dV(X)/dt
[kg/s] であり、これがBM抜出管8を通じて排出される量 ρ・ε DC・ADC・v DC [kg/s] に等しいから、 v DC=ρ・ε Fluidized・(dV
(X)/dt)/(ρ・ε DC・ADC) である。ここで、流動層の体積の時間変化率を変換する
と、 dV(X)/dt=dV(X)/dX・(dX
/dt)* であり、右辺のdV(X)/dXは火炉2の流動
層の幾何的条件から予め分かる。従って、 v DC=ρ・ε Fluidized・dV(X
)/dX)・(dX/dt)*/(ρ・ε DC
・ADC) と、右辺の知られた量のみを用いて粉体のBM抜出管8
における流速v DCが得られる。
【0088】BM抜出管8内の空気流量G DCの推
算 BM抜出管8の差圧計測値ΔPDC*を用いて、BM抜
出管8ガス流速u 、従って、BM抜出管8を通る
ガス流量G DCを計算できる。
【0089】BM抜出管8の差圧はdrag力起因がほ
ぼ全体を占める(壁摩擦は相対的に無視できる大きさ)
ので、 ΔPDC*=β(u DC,v DC)・(u DC
−v DC) となり、(1)で得られたv DCを代入してBM抜出
管8を通るガス流速u DCを逆算する。
【0090】これから、BM抜出管8ガス流量G DC
は G DC=ε DC・β DC・u DC と計算できる。
【0091】水平管空気流量G LVおよび体積流量
LVの計算 水平管入口には制御空気量Gcntが吹き込まれるの
で、これを(2)で計算のG DCに加算すれば水平管
空気流量G LVを得る; G LV=G DC+Gcnt これを、ガス密度で補正すれば体積流量Q LVを得る
ことができる。 Q LV=G LV/ρ LV
【0092】(3)全空気量に応じた、粉体の該配管内
での流動状態の定量化 全空気量に応じて、実効的配管内径Deffを、またこ
れにより動摩擦係数値Kを見積もることができる。
【0093】実効的配管内径Deffの計算 上記(2)で得た全空気流量Q LVを適用して Deff#=DLV・(a・Q LV+b) 動摩擦係数Kの計算 μ#=f・Freff* 以上の手法により、動摩擦係数Kの実効的値μ#とし
て該配管部の流動状態を定量化できたことになる。
【0094】媒体粒子などの粉体が水平又は水平に近い
傾斜を持つ配管内を流動する場合、希薄層である場合の
ときもあれば、殆どプラグフロー的に管断面に亘って媒
体粒子が覆い尽くしているときもあり、その流動状態は
きわめて多様である。これを、該配管の実効的内径値で
代表的に表現し、フルード数への変換を通じて、動摩擦
係数の実効的値という一つのパラメータによって代表さ
せたものである。
【0095】そのため、次の(4)で示すように、該配
管の流動状態という多岐にわたりかつ定性的な物理現象
を、吹き込み空気量を制御する際の定量的指標として使
用することができるようになる。
【0096】(4)流動状態に応じた媒体粒子抜き出し
空気量の設定、 以上で、水平に近い傾斜を持つ配管内での粉体の流動状
態が、実効値である動摩擦係数μ#の形で定量化でき
たので、これに応じて Gcnt=p・μ#+q として、BM抜き出し調整空気量Gcntを設定するこ
とができる。
【0097】以上の本発明(第3発明)は空気搬送の制
御に関するものであり、特に好適な簡易計算モデルを有
する空気搬送装置の制御に関する。具体例として流動層
ボイラにおける本発明の空気搬送装置の適用例を述べて
いるが、これは説明の一例としてであって、本発明の利
用分野は流動層ボイラのみに限定されるものではない
【0098】
【発明の実施の形態】本発明の実施の形態を図面と共に
説明する。図1は本発明(第1発明)の実施の形態の加
圧流動層ボイラの概略図である。圧力容器1内に火炉2
が収納されており、圧力容器1の外部に媒体容器3が設
置されている。ボイラプラント負荷降下時に火炉2内の
BM16を媒体容器3へ抜き出すために、火炉2の底部
に抜出管8と抜出管水平部9と気流搬送用の戻し管10
が設けられている。抜出管8にはBM量を調整するため
の抜出調整空気13を注入する座が抜出管8の垂直部に
設けられている。BM16は抜出管8を下降し、空気源
15から抜出調整空気13によって水平部9を通り、戻
し管10下部に到る。戻し管10には下端から媒体輸送
空気14が注入され、媒体容器3まで気流搬送される。
【0099】また負荷上昇時に媒体容器3内のBM16
を火炉2へ供給するために、媒体容器3の底部と火炉2
の側面とを接続するBM下降管4と水平輸送管5が設け
られ、BM下降管4にはBM量を調整しながら輸送する
ための供給調整空気11の一部12を注入する座が設け
られている。水平輸送管5の長さはBM流量の調整を行
うため口径の10倍程度の長さとし、火炉2までの距離
が口径の10倍以上である場合は図1に示すようにBM
16の安息角以上の角度を設けた傾斜輸送管6を設け
る。
【0100】傾斜輸送管6下端の火炉2との接続部分は
傾斜のままではなく傾斜下部水平輸送管7を設ける。傾
斜輸送管6には、図2(a)の断面図と図2(a)のA
−A線断面図である図2(b)に示すように管内にアシ
スト空気12を流すためのアシスト空気ノズル21が挿
入されている。このアシスト空気ノズル21は傾斜下部
水平輸送管7まで挿入されている。
【0101】図9に示す傾斜輸送管6と傾斜下部水平輸
送管7にBM16が詰まった状態からBM16を火炉2
へ流そうとするときには、供給調整空気11と同時にア
シスト空気12を流すようにする。そうすればBM16
の詰まった傾斜輸送管6の上部より、流動化している火
炉2に近い側の方がアシスト空気12が流れやすくなる
ので、アシスト空気12により傾斜下部水平輸送管7か
ら徐々にBM16が火炉2へ流れるようになり、図8に
示すようにやがて傾斜管6の内部全体のBM16の堆積
もなくなる。
【0102】このとき図示はしていないが、供給調整空
気11とアシスト空気12の供給路にはそれぞれ空気注
入量調整手段が設けられ、該空気注入量調整手段の調整
量を負荷信号に応じて制御する制御装置も設けられてい
る。
【0103】この結果水平輸送管5、傾斜輸送管6、傾
斜下部水平輸送管7を含めた水平部分全体の圧力損失が
少なくなり、必要とするBM流量の調整が行え、プラン
ト全体の制御から要求される負荷変化速度に応じた流動
層高の変化が行えるようになる。
【0104】図6、図7により本発明の効果を説明す
る。図6(a)に示した適切な水平輸送管5の長さで発
生する輸送管内圧力損失△Pに対し、図7では傾斜輸
送管6とアシスト空気12を注入する構成としたことで
全圧力損失を、 △P≒△P+△P+△P とすることができ、水平輸送管5の長さが適切な場合と
同等の媒体輸送量の調整を行うことができる。
【0105】なお、△P、△P、△Pはそれぞれ傾
斜下部水平輸送管7、傾斜輸送管6、水平輸送管5の両
端間の差圧である。
【0106】また、図7で供給調整空気11、アシスト
空気12が停止した状態では、傾斜下部水平輸送管7と
傾斜輸送管6にBM16が堆積するので、それぞれ差圧
△P3、△P4が発生し、 △P1<△P3+△P4+△P5 となり、BM16は火炉2に供給されることはない。
【0107】よってBM量の微少調整を行うには、供給
調整空気とともにアシスト空気を流した状態で供給調整
空気量を増減すればよく、BM16の流れを止めたい場
合には両空気を遮断すれば直ちに停止することができ
る。
【0108】本発明は図3、図4に示す加圧型流動層ボ
イラ流動層ボイラにも適用できる。本発明(第2発明)
の実施の形態を図11に示す。なお、図19、図20に
示す従来例と同様の構成部材には同符号を付し、説明を
省略する。
【0109】圧力容器1内の火炉2からBM16を抜き
出す場合には、火炉炉底から媒体抜出管8で圧力容器1
外に取り出し、戻し管10により媒体容器3にBM16
を搬送する。その際、必要な媒体容器3の減圧あるいは
搬送空気の排出は排気管25で行われる。
【0110】ここで媒体容器3の下部には媒体容器底部
灰排出管31が設置され、底部排出管31の弁31aを
開くことにより媒体容器3から灰処理用高圧タンク26
へBM16を自然落下により搬送する。底部排出管31
は媒体容器3に取り付けても良いし、図1に示すように
媒体供給管4から分岐する形で取り付けてもよい。
【0111】灰処理用高圧タンク26は媒体容器3から
BM16を搬送する際は高圧になるが、搬送が終了し、
底部排出管31の弁31aが閉じられると逃し弁34が
開放され、タンク26は常圧となる。タンク26内の高
温BMはタンク26内で自然放冷または空気あるいは冷
却水による強制冷却により、後流の媒体サイロ27に搬
送可能な温度となるまで冷却される。
【0112】冷却されたBM16は気流搬送管32の弁
32aを開放し、気流搬送により媒体サイロ27に搬送
される。搬送されたBM16はその他の未使用のBM1
6と共に媒体サイロ27で保管され、必要に応じて媒体
容器3の上に設置されている媒体補充ホッパ33に気流
搬送管30で搬送される。
【0113】通常安定運転時で予想される運転制御の方
法と本考案での設備の運用方法を以下に述べる。一定負
荷で運用する場合でも必要な燃料供給量が供給され、B
M中の比較的細かな粒子部分や火炉2で細流化した部分
が燃焼排ガス中に飛散して排出される。この供給と飛散
のバランスを保つために燃料に媒体成分(石灰石)を混
ぜて運転中に層高を一定に保つように調整するが、実際
には正確にバランスを保ち、層高を安定一定に保つのは
諸特性の変動も多く困難である。
【0114】また、燃料に適量の石灰石を入れるにして
も大元の燃料供給設備で燃料成分を配合してから、その
燃料が火炉2に入るまでにかなりの時間が経過するため
応答が遅く、燃料成分調整のみで層高を安定させるのは
困難である。
【0115】そこで層高を安定にさせるための調整方法
としては、燃料成分調整としては層高がわずかに上昇す
るように設定し、適宜、BM16の適量を火炉2より抜
き出す方法を採る必要がある。従って、安定運転中に火
炉2より抜き出す量は、前記調整後の量ということで原
則として負荷変化時に層高変化のために抜き出すBM量
と比較すれば微量であることは前提となっている。
【0116】このように火炉流動層の層高安定維持のた
めに必要な高温媒体の系外への抜き出しは媒体容器3に
設けられた排出管31より灰処理用高圧タンク26へ搬
出され、このタンク26内で常圧として一定温度以下に
冷却された後、常温常圧の灰処理設備へと搬出される。
【0117】しかし、図11に示す装置によれば、安定
運転中での必要なBM抜き出しは媒体抜出管8、高温気
流搬送用の戻し管10を経て媒体容器3への経路で実施
される。ここで、火炉2から抜き出す高温BM16の温
度は約850℃であるが、微量であることを前提として
通常低温で保持されている媒体容器3の熱容量を考えれ
ば、600℃以下に温度が下がるのにはほとんど時間は
かからない。
【0118】媒体容器3から灰処理用高圧タンク26へ
BM16を搬送するのは必要に応じて、適宜、実施すれ
ばよいが、媒体容器底部排出管31と灰処理用高圧タン
ク26は、例えばステンレス鋼製とし、設計耐熱温度を
600℃としておけば、適宜、BM16の搬送に温度の
制約を受けることは無い。
【0119】また、灰処理用高圧タンク26から媒体サ
イロ27まで抜き出したBM16を搬送する場合は、B
M16は常温近くまで冷却されていることが好ましい
が、これも灰処理用高圧タンク26で保持されている間
に必要な温度まで冷却することが可能である。このこと
はいずれも安定層高維持のために抜き出すBM量が調整
後の微量なものであることが前提となっているもので、
頻繁に多量のBM16を抜き出すようでは本発明の特徴
を生かすことはできない。
【0120】しかし、安定運転時の必要BM抜き出し量
の予測ができ、実際に予測の範囲内で稼働すれば、各機
器は適切に設計し、設置することができ有効に作動す
る。なお、本発明の中で媒体容器3は圧力容器1の外に
位置しているが、圧力容器1の外に位置していた方が、
BM16の冷却条件は緩和され圧力容器1の中に媒体容
器3を設置することも可能である。
【0121】また火炉2からのBM抜き出し用の抜出管
8は炉底に設けることは必須である。なぜならば、図1
9の媒体抜出管8のように火炉2の側部から抜き出す
と、その抜き出し位置以下のレベルのBM抜き出しのた
めには他の抜出管を追加設置せざるを得なくなるからで
ある。
【0122】以下、本発明(第3発明)の粉体排出制御
装置およびこれを備えた加圧流動層ボイラの実施の形態
について、図面と共に詳細に説明する。図12は粉体排
出制御装置を備えた流動層ボイラの系統図である。圧力
容器1内部にはBM16と石炭等燃料と石灰席などを流
動状態にした流動層が設けられ、該流動層内には伝熱管
41が埋設されている。火炉2内の流動層からBM16
が排出され媒体容器3に輸送される。
【0123】火炉2内の流動層高Hの時間変化率と、B
M抜出管8の差圧ΔPDC*の計測値が火炉2からのB
M16抜き出し空気吹込量設定器40に入力される。抜
き出し用の吹込量設定器40では、次の手順で、水平又
は水平に近い傾斜を持つ抜出管水平部9内での流動状態
を判定・定量化し、その上で抜き出し用の空気の吹込量
が設定される。
【0124】流動層高Lの時間的変化率(dX/d
t)*を使った抜出管8内の粉体流速V DCの推算、 抜出管8内の粉体流速V DCと抜出管8圧損ΔP
DC*を使った抜出管8空気流量G DCの推算 抜出管8内の空気流量G DCと現時点の抜き出し
空気量Gcntから全空気量Q LVの算出 相関カーブから、水平に近い傾斜を持つ抜出管水平部
9の実効的配管内径D ffを計算、 実効的内径Deffを用いて動摩擦係数μの計算。 相関カーブによる抜き出し空気量Gcntの計算、の
以上である。このうち、第4段階の相関カーブを図13
に、第6段階での相関カーブを図14にそれぞれ示す
が、本例の場合にあっては、相関カーブは直線である。
【0125】図15は、本発明に係わる粉体排出制御装
置の機能を示すものであり、層高設定値78と層高計測
値77の大小関係に対する媒体粒子抜き出し調整空気1
3の時間的動きを説明する線図である。流動層高Hの計
測値である層高計測値77のトレンドを決める層高設定
値78は、ボイラ負荷(図示せず)の関数として与えら
れる。図示の場合では、時刻T に負荷変化開始、T
に負荷変化完了である。層高計測値77を層高設定値7
8と比較して、 X*>X set の場合は、媒体粒子抜出し調整空気13が吹き込まれ、 Gcnt(t)=Ccnt となり、逆に、 X*≦X set の場合は、流動体抜き出し空気13は吹き込まれず、 Gcnt(t)=0 である。ここで上記Gcnt(t)=CcntのC
cntは、全空気量から算定した管径比Deff/D
LV(図13(a)の管径比83)により決定した動摩
擦係数μ effの大小に応じて決まる。図15に示す
場合では、負荷変化完了時点Tに近づくにつれ、全空
気量84が大で管径比83も大、従って動摩擦係数85
が小、すなわち水平に近い傾斜を持つ抜出管水平部9内
でBM16が流動しやすい状態となっている。
【0126】このため、抜き出し調整空気13の流量が
小さめに設定されるものとなり、層高Lは急低下せず設
定値78に追従し、負荷変化完了時点T以降は、部分
負荷に応じた層高Hに保持され、それ以下の層高Hであ
って熱バランスを崩すようなものにはなっていない。
【0127】このように上記実施の形態によれば、BM
16の流動状態が設計計画段階では予想できないような
ものとなっていても、BM抜き出し調整用の空気13の
吹き込み量を適切な値に時々刻々設定し直すので、流動
層高設定値により速やかに追従する流動層高トレンドを
得る。特に負荷変化完了近くの時点においても、流動状
態に適応した吹き込み量を与えるので、流動層高が設定
値より下がりすぎた点で保持されるということはなくな
る。
【0128】また、これにより、負荷変化時のボイラ上
記温度、流動層温度の変動を制御して再熱スプレ等によ
る効率低下要因を避けることができ、ボイラ効率を保持
でき、特に負荷変化完了にて流動層高を設定値に保持で
きるので熱バランスを崩すことがない、との効果があ
る。
【0129】また、上記粉体排出制御装置によれば、粉
体の種々の充填状態を配管の動摩擦係数の実効的値とし
て定量化する。粉体が水平又は水平に近い傾斜を持つ配
管内を流動する場合、希薄層のときもあれば殆どプラグ
フロ−的に管断面に亘って粉体が覆い尽くしているとき
もあり、その流動状態はきわめて多様である。
【0130】これを、該配管の実効的内径値で代表的に
表現し、フルード数への変換を通じて、動摩擦係数の実
効的値という一つのパラメータによって代表させたの
で、該配管の流動状態という多岐にわたりかつ定性的な
物理現象を、吹き込み空気量を制御する際の定量的指標
として比較的簡単に把握することができるようになっ
た。
【0131】このように、従来定性的にとらえるしか無
かった、水平又は水平に近い傾斜を持つ配管内での粉体
の流動状態を数値として定量化した上で、抜き出し制御
空気の吹き込み量を適応的に設置する。これにより、負
荷変化完了に近い時点にて吹き込み量が大きすぎて層高
が設定値から下がってしまい回復不能となる等の現象の
発生を避けることができる。
【0132】また、本発明の流動層ボイラによれば、粉
体である流動媒体が流動する火炉に上記粉体排出制御装
置を備えることにより、該粉体排出制御装置の効果を発
揮することができる。
【0133】上記実施の形態の粉体排出制御装置は、加
圧流動層ボイラに備えられたものについてであったが、
本発明はこれに限定されず、第1貯留部と第2貯留部に
粉体が貯留されるものであって、この粉体を第1貯留部
から排出し、第2貯留部に供給する流路が設けられたも
のに対して汎用的に適用できる。
【0134】以下、本発明(第3発明)になる空気によ
る粉体輸送制御装置の別の実施の形態について図12を
用いて説明する。抜出管8と抜出管水平部9の取合点
A、抜出管水平部9と戻し管10の取合点Bの差圧計測
値を差圧計測器44を当該部の差圧計算値45で除算器
46により除して圧損比率計測値47を算出する。
【0135】この圧損比率を計測することで、BM16
の流動状態のうち最も予測しにくい抜出管水平部9の流
動状態を確認することができる。当該部すなわち抜出管
水平部9の圧損(圧力損失)の計画値からも圧損比率は
計算でき、これは圧損比率計画値49である。これらの
差を減算器50で演算する。この演算によりBM16の
抜出管水平部9での流動状態が、どの程度設計計画時の
予測とズレているかが分かる。
【0136】演算結果を比例器51で比例定数倍する。
この比例定数倍された結果は差圧計画値52と加算器5
3で加算され、加算結果が差圧設定値55である。この
ように設定された差圧設定値55は図16に示すように
時間的に変化する量である。この時間変化する差圧設定
値55に追従するように図17に示すように減圧遮断弁
73が開閉する。このように差圧設定値55を時間変化
させると、BM16の流動状態、すなわち配管壁との摩
擦力やBMの偏析の状態が変動して、BM16を流出さ
せるに必要な差圧が変化する場合であってもこれに追従
することができる。
【0137】以上を数式を用いて説明する。火炉2と媒
体容器3の差圧は、BM抜出管8、抜出管水平部9およ
び戻し管10の各部の差圧の総和である; P−PBMTK=PDC+PLV+PRS ここで P:火炉2の内部圧力 PBMTK:媒体容器3の内圧力 PDC:BM抜出管8の圧力 PLV:抜出管水平部9の圧力 PRS:戻し管10の圧力 であり、それぞれ次式で与えられる。
【0138】PDC=P−PDC/LVLV=PDC/LV−PLV/RSRS=PLV/RS−PBMTK また、PDC/LV、PLV/RSはそれぞれBM抜出
管8/抜出管水平部9の取合部、抜出管水平部9/戻し
管10の取合部の圧力を意味する。
【0139】抜出管水平部9部分では、BM16の大半
が管下部に沈積し、沈積層上をBM16の希薄層が流れ
るという流動様式である。また、抜出管水平部9の管中
にBM16が無いか、ほぼ完全に希薄状態であるなら
ば、圧損は輸送空気みで決まり 、△PLVdilute=64μ LV・ρ LV/2
LV2・u LV・ΔlLV で与えられる。ここで上添字LVは抜出管水平部9につ
いての量であり、 μ:動粘性係数 ρ:輸送空気密度 D:管内径 u:輸送空気(ガス)流速 Δl:管長 である。
【0140】一方、設計時点での水平管圧損は △PLVdesign=f(T LV、U LV、v
BM LV)ΔlLV で与えられる。関数fは実験等で求められた式、また vBM:BM16の流速 である。
【0141】すなわち上の2つの式から比率 Xdesign=ΔPLVdesign/ΔP
LVdilute が、設計時点の圧損比率計画値49である。上式の右辺
の量としてはすべて設計時点での設計値を適用する。
【0142】運転中には抜出管水平部9の差圧は設計時
点での水平管圧損△PLVdesi gnで与えられるも
のと相違し、その計測値△PLVから抜出管水平部9で
の圧損比率計測値47は x=△PLV/ΔPLVdilute である。この式の右辺でΔPLVdiluteには設計
時点での設定値を適用する。
【0143】火炉2と媒体容器3の間の差圧は抜出管水
平部9の設計時点での水平管圧損△PLVdesign
を設定されるが、BM16の流動状態によって、設定差
圧では不足もしくは過大になることがある。これを防ぐ
ために、火炉2と媒体容器3の間の差圧をBM流動状態
が抜出管水平部9でどの程度「希薄流」からずれている
か、を圧損比率という量で表現したものである。
【0144】計画上はこの圧損比率はxdesign
あり、一方、運転中はxであるので、火炉2と媒体容器
3間の差圧設定をこのxの効果を入れて補正する。すな
わち、補正された差圧設定値は、 (P−PBMTKset=(P−PBMTK
design+P(x esign−x) である。ここで(P−PBMTKset、(P
BMTKdesig はそれぞれ火炉2と媒体容器
3間の差圧の補正された設定値および計画上の設定値で
ある。
【0145】このように、BM16の流動状態が設計計
画段階では予測できないようなものとなっていても、火
炉2と媒体容器3の間の差圧を適切な値に時々刻々設定
し直すので、火炉流動層の層高設定値により速やかに追
従する層高トレンドを得ることができる。これにより負
荷変化時のボイラ蒸気温度、層温の変動を抑え、特に再
熱スプレ等の効率低下要因を避け、ボイラ効率を保持で
きる。
【0146】
【発明の効果】第1発明によれば、媒体容器と火炉間の
水平距離が長い場合に、BMの輸送料を調整するのに最
低必要な長さを確保した上で水平輸送管部に安息角以上
の傾斜部を設け全体の水平部分の長さを短くした構造に
おいて、BM下降管に供給調整空気を、傾斜輸送管およ
び傾斜下部水平輸送管にアシスト空気をそれぞれ独立し
て注入することで、BMの輸送料の調整範囲を広く取る
ことが出来、特に微少な媒体輸送料の調整も可能とする
ことができる。
【0147】第2発明によれば、火炉において層高安定
維持のために炉底から高温媒体を直接、系外に取り出す
ために設けられる火炉に直接取り付けられる媒体抜出管
と、その媒体抜出管から取り出す高温媒体を処理して系
外に出す高温灰処理設備の設置を不要とすることができ
る。
【0148】加圧火炉から高温媒体を抜き出す導管は媒
体容器と接続する導管のみに統一され、システムの簡素
化が図れる。また、圧力容器外に設置されて媒体容器お
よび灰処理用高圧タンクは火炉より搬送された高温媒体
を自然放冷あるいは強制冷却により低温にすることが可
能であるので、火炉から媒体を直接取り出す場合には必
要であった高温灰処理設備が、灰処理用高圧タンクを経
て処理する場合は常温常圧の灰処理設備で対応が可能と
なりシステムの簡素化が図れる。
【0149】また、本発明によれば、流動媒体の流動状
態が設計計画段階では予想できないようなものとなって
いても、粉体抜き出し制御空気の吹き込み量を適切な値
に時々刻々設定し直すので、流動層高設定値により速や
かに追従する流動層高トレンドを得る。特に負荷変化完
了近くの時点においても、流動状態に適応した吹き込み
量を与えるので、流動層高かが設定値より下がりすぎた
点にて保持されてしまうとの不具合を解消でき、負荷変
化時のボイラ蒸気温度、流動層温度の変動を制御して再
熱スプレ等による効率低下要因を避けることができ、ボ
イラ効率を保持でき、特に負荷変化完了にて流動層高を
設定値に保持できるので熱バランスを崩すことがない。
【図面の簡単な説明】
【図1】 図1は本発明の実施の形態の加圧流動層燃焼
装置の概略図である。
【図2】 図1の媒体供給管の傾斜輸送管部分を拡大し
た断面図である。
【図3】 本発明が適用される加圧流動層燃焼装置の概
略図である。
【図4】 本発明が適用される加圧流動層燃焼装置の概
略図である。
【図5】 媒体供給流路の輸送性に関する説明図であ
る。
【図6】 媒体供給流路の輸送性に関する説明図であ
る。
【図7】 本発明の媒体供給流路の輸送性に関する説明
図である。
【図8】 本発明の媒体供給流路の輸送性に関する説明
図である。
【図9】 本発明の媒体供給流路の輸送性に関する説明
図である。
【図10】 本発明の媒体供給流路の輸送性に関する説
明図である。
【図11】 本発明の実施の形態の加圧流動層の燃焼
炉、層高制御設備、燃焼炉灰処理設備のシステム構成図
を示す。
【図12】 本発明になる粉体の空気輸送制御装置の作
用を説明する図である。
【図13】 図12の粉体の空気輸送制御装置の粉体抜
き出し調整空気吹き込み量設定部において適用される抜
出管水平部の幾何学的内径に対する実効的内径の比率と
該配管を流れる全空気流量の相関関係を示す図である。
【図14】 図12の粉体の空気輸送制御装置の粉体抜
き出し調整空気吹き込み量設定部において適用される抜
出管水平部のでの動摩擦係数、と、抜き出し制御空気の
吹き込み量の相関関係を示す図である。
【図15】 図12の粉体の空気輸送制御装置の粉体抜
き出し調整空気の吹き込み量の設定について説明する図
である。
【図16】 図12の装置の中の差圧系の差圧設定値の
時間変化と、対応する圧損比率計測値の時間変化を説明
する図である。
【図17】 図12の装置の中の差圧系の減圧遮断弁の
開閉動作を説明する図である。
【図18】 従来の加圧流動層燃焼装置の概略図であ
る。
【図19】 従来の加圧流動層の燃焼炉、層高制御設
備、燃焼炉灰処理設備のシステム構成図を示す。
【図20】 従来の加圧流動層の燃焼炉、層高制御設
備、燃焼炉灰処理設備のシステム構成図を示す。
【図21】 図18の装置の中の差圧系のサイクロン前
遮断弁と前圧遮断弁の開閉動作およびBM抜き出し制御
空気の投入タイミングとBM戻し空気設定投入について
説明する図である。
【図22】 従来技術になる粉体の空気輸送制御装置か
らなる粉体循環システムにおいて負荷変化完了時点にて
流動層の層高が部分負荷での設定値より未満の位置にて
保持されてしまう事象を説明する図である。
【符号の説明】
1 圧力容器 2 火炉 3 媒体容器 4 BM下降管 5 水平輸送管 6 傾斜輸送管 7 傾斜下部水平輸送管 8 媒体抜出管 9 抜出管水平部 10 戻し管 11 供給調整空気 12 アシスト空気 13 抜出調整空気 14 媒体輸送空気 15 空気源 16 BM 21 アシスト空気ノズル 22 減圧遮断弁 25 排気管 26 灰処理用高圧タン
ク 27 媒体サイロ 30、32 気流搬送管 31 媒体容器底部排出管 33 媒体補充ホッパ 34 逃し弁 40 BM抜出空気吹き
込み量設定器 41 伝熱管
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 小笠原 正孝 広島県呉市宝町6番9号 バブコック日立 株式会社呉工場内 (72)発明者 友安 幸治 広島県呉市宝町6番9号 バブコック日立 株式会社呉工場内 (72)発明者 伊丹 哲郎 広島県呉市宝町3番36号 バブコック日立 株式会社呉研究所内 (72)発明者 大谷 義則 広島県呉市宝町3番36号 バブコック日立 株式会社呉研究所内 (72)発明者 牧野 秀則 広島県呉市宝町6番9号 バブ日立エンジ ニアリング株式会社内 Fターム(参考) 3K064 AA10 AA15 AA20 AB01 AC07 AC13 AD05 BA11 BA24 BB01 BB05 BB07

Claims (17)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 圧力容器と、圧力容器内に収納される流
    動層を備えた流動層燃焼炉と、負荷変化に対応して流動
    層燃焼炉の流動層高を調整させるための媒体粒子を貯留
    した媒体容器と、該媒体容器から媒体粒子を流動層燃焼
    炉に供給するための媒体粒子の供給手段と、流動層燃焼
    炉から媒体容器に媒体粒子を抜きだすための媒体粒子の
    抜き出し手段とを設けた加圧流動層燃焼装置において、 前記流動媒体の供給手段が、媒体容器に接続した媒体粒
    子下降輸送管と下降輸送管に接続した水平輸送管とこれ
    につながる傾斜輸送管と流動層燃焼炉側部に接続した傾
    斜下部水平輸送管で構成されたことを特徴とする加圧流
    動層燃焼装置。
  2. 【請求項2】 媒体粒子量を調整しながら輸送するのに
    下降輸送管に供給調整空気を、傾斜輸送管および傾斜下
    部水平輸送管にアシスト空気をそれぞれ独立させて注入
    する空気注入手段を設けたことを特徴とする請求項1記
    載の加圧流動層燃焼装置。
  3. 【請求項3】 下降輸送管への供給調整空気の空気注入
    手段と、傾斜輸送管および傾斜下部水平輸送管へのアシ
    スト空気の空気注入手段にはそれぞれ空気注入量調整手
    段が設けられ、該空気注入量調整手段の調整量を負荷信
    号に応じて制御する制御装置を設けたことを特徴とする
    請求項2記載の加圧流動層燃焼装置。
  4. 【請求項4】 請求項2記載の加圧流動層燃焼装置の流
    動層燃焼炉の流動層の層高を調整するために、要求され
    た負荷変化速度に応じて下降輸送管に調整空気を、さら
    に、傾斜輸送管および傾斜下部水平輸送管にアシスト空
    気を、それぞれ調整しながら送ることで媒体容器から流
    動層燃焼炉への媒体粒子の供給量を調節することを特徴
    とする加圧流動層の層高調整方法。
  5. 【請求項5】 圧力容器と、圧力容器内に収納される流
    動層燃焼炉と、負荷変化に対応して流動層燃焼炉の流動
    層高を調整させるための媒体粒子を貯留した媒体容器
    と、該媒体容器から媒体粒子を流動層燃焼炉に供給する
    ための媒体粒子の供給手段と、流動層燃焼炉から媒体容
    器に媒体粒子を抜きだすための媒体粒子の抜き出し手段
    とを設けた加圧流動層燃焼装置において、 前記媒体粒子の抜き出し手段の媒体粒子の流路は流動層
    燃焼炉に接続した媒体粒子移動層下降管と該媒体粒子移
    動層下降管に接続した媒体容器に媒体を搬送する搬送管
    のみから構成され、媒体容器には大気と連通可能にした
    媒体粒子排出管を設けたことを特徴とする加圧流動層燃
    焼装置。
  6. 【請求項6】 前記媒体粒子の供給手段に大気と連通可
    能にした媒体粒子排出管を接続したことを特徴とする請
    求項5記載の加圧流動層燃焼装置。
  7. 【請求項7】 請求項5記載の記載の加圧流動層燃焼装
    置の流動層燃焼炉の流動層の層高を調整するために、流
    動層燃焼炉から抜き出す媒体粒子は、一旦媒体容器に導
    入し、該媒体容器で所定温度に冷却された状態の媒体粒
    子を系外に排出して流動層の層高を調整することを特徴
    とする加圧流動層燃焼装置の流動層の層高制御方法。
  8. 【請求項8】 粉体を貯留する第1貯留部と、該第1貯
    留部の粉体を排出する排出流路を設けた粉体排出手段
    と、該粉体排出手段で排出された粉体を貯留する第2貯
    留部と、該第2貯留部に貯留された粉体を前記第1貯留
    部に供給する粉体供給手段と、前記第1貯留部と第2貯
    留部との差圧を計測し、予め設定された差圧設定値と比
    較し、差圧計測値が前記差圧設定値を超えると前記第2
    貯留部に接続する圧力開放手段を開放する差圧制御手段
    と、前記第1貯留部に負荷される所定負荷に応じて第1
    貯留部の粉体を排出する前記粉体排出手段の、少なくと
    も水平または水平に近い傾斜を有する排出流路の所定区
    間の粉体入口部近傍と粉体出口部近傍に気流を吹き込ん
    で前記第1貯留部の粉体を排出するための気流搬送制御
    をする粉体排出制御手段を有する粉体排出制御装置にお
    いて、 前記粉体排出手段内部の前記水平または水平に近い傾斜
    を有する排出流路内の粉体の流動状態に応じて、前記粉
    体入口近傍への粉体搬送用の気流吹き込み量を設定する
    粉体搬送用の気流吹き込み量制御手段を備えたことを特
    徴とする粉体排出制御装置。
  9. 【請求項9】 粉体を貯留する第1貯留部と、該第1貯
    留部の粉体を排出する排出流路を設けた粉体排出手段
    と、該粉体排出手段で排出された粉体を貯留する第2貯
    留部と、該第2貯留部に貯留された粉体を前記第1貯留
    部に供給する粉体供給手段と、前記第1貯留部と第2貯
    留部との差圧を計測し、予め設定された差圧設定値と比
    較し、差圧計測値が前記差圧設定値を超えると前記第2
    貯留部に接続する圧力開放手段を開放する差圧制御手段
    と、前記第1貯留部に負荷される所定負荷に応じて第1
    貯留部の粉体を排出する前記粉体排出手段の排出流路の
    第1の所定区間の粉体入口部近傍と粉体出口部近傍に気
    流を吹き込んで前記第1貯留部の粉体を排出するための
    気流搬送制御をする粉体排出制御手段を有する粉体排出
    制御装置において、 前記粉体排出手段の排出流路の第2の所定区間での圧力
    損失計測値および前記第1貯留部の粉体貯留高さの時間
    的変化率の計測値を用いて前記第1の所定区間での粉体
    の流動状態を定量化し、この定量値に適応して前記第1
    の所定区間の粉体入口近傍への粉体搬送用の気流吹き込
    み量を設定する粉体搬送用の気流吹き込み量制御手段を
    備えたことを特徴とする粉体排出制御装置。
  10. 【請求項10】 前記粉体排出手段の排出流路の第1の
    所定区間は、水平または水平に近い傾斜を持つ配管部で
    あることを特徴とする請求項9記載の粉体排出制御装
    置。
  11. 【請求項11】 前記粉体排出手段の排出流路の第2の
    所定区間は、第1貯留部から、前記粉体排出手段の排出
    流路の第1の所定区間の粉体入口近傍までの区間である
    ことを特徴とする請求項9記載の粉体排出制御装置。
  12. 【請求項12】 前記粉体排出手段の排出流路の第2の
    所定区間が鉛直方向に向いた流路であることを特徴とす
    る請求項9記載の粉体排出制御装置。
  13. 【請求項13】 請求項9記載の粉体排出制御装置にお
    ける第1貯留部が粉体である流動媒体が流動する火炉で
    あり、第2貯留部が該火炉が媒体粒子を排出し、あるい
    は戻す流路を備えた媒体容器であることを特徴とする流
    動層ボイラ。
  14. 【請求項14】 流動層を形成した粉体を貯留する第1
    貯留部と、該第1貯留部の粉体を排出する、少なくとも
    水平又は水平に近い傾斜を持つ排出流路を設けた粉体排
    出手段と、該粉体排出手段で排出された粉体を貯留する
    第2貯留部と、該第2貯留部に貯留された粉体を前記第
    1貯留部に供給する粉体供給手段と、前記第1貯留部と
    第2貯留部との差圧を計測し、予め設定された差圧設定
    値と比較し、差圧計測値が前記差圧設定値を超えると前
    記第2貯留部に接続する圧力開放手段を開放する差圧制
    御手段と、前記第1貯留部に負荷される所定負荷に応じ
    て第1貯留部の粉体を排出する前記粉体排出手段の排出
    流路の所定区間の粉体入口部近傍と粉体出口部近傍に気
    流を吹き込んで前記第1貯留部の粉体を排出するための
    気流搬送制御をする粉体排出制御手段を有する粉体排出
    制御装置において、 前記粉体排出制御手段は、 第1貯留部の流動層の層高の時間的変化率に基づき粉体
    排出手段の排出流路内の粉体流速を計算する手段と、 前記排出流路内の粉体流速と圧力損失に基づき排出流路
    内の空気流量を計算し、 前記排出流路内の空気流量の前記計算値と現時点の排出
    流路内に吹き込まれる空気流量から全空気量を算出する
    手段と、 予め求められている相関関係から、全空気量に対応した
    前記水平又は水平に近い傾斜を持つ排出流路の実効的流
    路内径を計算する手段と、 予め求められている相関関係から、前記実効的内径に対
    応した動摩擦係数を計算する手段と、 さらに、予め求められている相関関係から、前記動摩擦
    係数から前記粉体排出手段の排出流路の粉体入口部近傍
    と粉体出口部近傍に吹き込む気流の流量を計算する手段
    とからなることを特徴とする粉体排出制御装置。
  15. 【請求項15】 請求項14記載の粉体排出制御装置に
    おける粉体が流動媒体であり、第1貯留部が粉体である
    流動媒体が流動する流動層火炉であり、第2貯留部が媒
    体を溜める媒体容器であることを特徴とする流動層ボイ
    ラ。
  16. 【請求項16】 粉体の流動層を形成する第1貯留部と
    該第1貯留部内の粉体流動層の層高を制御するために、
    粉体の気流搬送による抜き出し流路と、戻し流路を介し
    て設けられる第2貯留部と、前記第1貯留部と第2貯留
    部との差圧を計測し、予め設定された差圧設定値と比較
    し、前記第2貯留部に接続する圧力開放手段を開放し、
    前記第1貯留部に負荷される所定負荷に応じて第1貯留
    部の粉体を抜き出す、少なくとも水平または水平に近い
    傾斜状の流路を有する前記抜き出し流路の所定区間の粉
    体入口部近傍と粉体出口部近傍に気流を吹き込んで前記
    第1貯留部の粉体を排出するための気流搬送制御をする
    粉体排出制御を行う第1貯留部の流動層の層高制御方法
    において、 粉体の気流搬送による抜き出し流路と第2貯留部との間
    の所定の計測値に基づいて、前記抜き出し流路の水平ま
    たは水平に近い傾斜を持つ流路を流れる全気流流量を推
    算し、それに応じて該水平または水平に近い傾斜を持つ
    流路内部の粉体の流動状態を定量的に予想し、さらに該
    予測した流動状態に応じた粉体抜き出し気流流量により
    第1貯留部内の粉体流動層の層高を制御することを特徴
    とする流動層の層高制御方法。
  17. 【請求項17】 請求項16記載の流動層の層高制御方
    法における粉体が媒体粒子であり、第1貯留部が粉体で
    ある流動媒体が流動する流動層火炉であり、第2貯留部
    が媒体容器であり、媒体粒子の抜き出し流路は下降方向
    に媒体粒子を抜き出す抜出管と、水平又は水平に近い傾
    斜を有する配管である抜出管水平部と媒体粒子を媒体容
    器に戻す、鉛直方向に向けられた戻し管であることを特
    徴とする流動層ボイラ。
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