JP2001065806A - 粉体排出量制御装置と加圧流動層ボイラ - Google Patents

粉体排出量制御装置と加圧流動層ボイラ

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JP2001065806A
JP2001065806A JP24152899A JP24152899A JP2001065806A JP 2001065806 A JP2001065806 A JP 2001065806A JP 24152899 A JP24152899 A JP 24152899A JP 24152899 A JP24152899 A JP 24152899A JP 2001065806 A JP2001065806 A JP 2001065806A
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fluidized bed
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storage unit
pressure
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Tetsuo Itami
哲郎 伊丹
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 実際に制御に使える程度の速さで、精度良く
粉体排出制御ができる制御装置と方法または流動媒体の
種々の流動状態に対して、実際に制御に使える程度の速
さと精度で、流動層高を所定の設定値に適切に保持し、
層高が設定値より低く保持されてしまい熱的バランス条
件を崩すような状態を発生させないようにした流動層燃
焼ボイラを提供すること。 【解決手段】 モデル予測値を使い、かつそのモデルが
極めて多くの(数兆個以上)粒子の運動のモデルとして
高精度であると同時に連続体近似モデルと同程度の計算
時間で計算できるようなシミュレーションモデルを備え
た制御系により解決することができる。前記シミュレー
ションモデルが、現時点の第1貯留部及び第2貯留部の
それぞれの圧力と現時点の第1貯留部の流動層高値とを
入力し、前記流動層高と第1貯留部及び第2貯留部の間
の差圧のn秒後予測値、及び気流搬送制御量と前記差圧
制御手段の差圧制御量を出力するものである粉体排出量
制御装置。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、粉体排出量制御装
置及びこれを備えた流動層ボイラプラントに係わり、特
に排出量路の水平部において粉体の流動状況が事前には
判明していない場合に好適な粉体排出量制御装置に係わ
る。
【0002】
【従来の技術】図6は従来技術になる粉体循環システム
の系統図であり、特に加圧流動層ボイラの流動層高制御
系の流動層高下げをする場合の流動媒体排出制御装置を
説明するものである。
【0003】圧力容器25の内部に設けられた火炉18
の流動層20は、流動媒体(ベッド・マテリアル:以
下、BMと言うことがある)が充填率ε=0.5程度で
充填され流動化されたものである。火炉18の炉底24
から下降管28、ほぼ水平管及び水平管(以下水平管と
言う)29及び上昇管34を通じて流動媒体BMが抜き
出され、別置きのBMタンク37に戻される。
【0004】火炉18内のBM中には伝熱管19が浸漬
され、BMの抜き出し操作はボイラ負荷を低下させると
きに実施される。すなわち、火炉18の温度はエミッシ
ョン抑制の観点から865℃程度に保持する必要があ
り、このためにはボイラ負荷低下の際は燃料量と流動化
空気量を低下させると共に流動層高Hを下げ、水系への
熱吸収を抑制するものである。
【0005】更に、BMを抜き出すに際し、下降管28
と水平管29の取り合い点である水平管29の入口30
近傍において抜き出し空気55を、水平管29と上昇管
34の取り合い点である水平管29の出口31近傍で戻
し空気56を吹き込む。
【0006】また、BMタンク37の後流側ダクトには
クーラ46、サイクロン47が設けられ、火炉18とB
Mタンク37との差圧である差圧計測器43での計測値
により開閉するサイクロン47上流位置のダクトに配置
される遮断弁50及びサイクロン47下流位置のダクト
に配置される大気開放の減圧遮断弁49が設けられる。
また、サイクロン47下流位置のダクトから分岐するバ
イパスライン48が設けられている。
【0007】図7は図6の差圧系を示し、図7(a)は
火炉内の流動層20の層高設定値22と計測値23に対
する抜き出し空気の時間変化を示す線図、図7(b)は
図7(a)の抜き出し空気55の時間変化に対する戻し
空気56の時間変化を示す線図である。図7(a)に見
るように従来技術においては、流動層高設定値22への
追従が悪く対応してGcntの開閉もアンバランスであ
り、微妙な層高調整ができていない。
【0008】また、図8は同じく図6の差圧系を示し、
図8(a)が遮断弁50の開閉の時間変化、図8(b)
が減圧遮断弁49の開閉の時間変化に対するそれぞれの
火炉18とBMタンク37間の差圧計測値43及び差圧
設定値44の時間的変化を示す線図である。ここで、図
7の層高設定値22はボイラ負荷下降時に流動層温、蒸
気温度の変化が最適になるようにボイラ側の指令により
決まる設定値である。また図8の差圧設定値44は、設
計計画段階の検討をベースとして試運転経験を通じて設
定され、いったん設定されると運転中は時間的に変化し
ない一定値である。図8(b)に示すように図7(a)
の層高変化のアンバランスに応じて差圧計測値43の変
動も大きく、これは減圧遮断弁49のアンバランスな開
閉となって現れている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記従来技術
にあっては、差圧設定値44が運転中一定であることに
より、以下の問題が生じる。すなわち、流動媒(BM)
の配管内での流動状態が変化し、圧力損失バランスが設
計計画時点のものとは異なってくると、BMが流動し過
ぎるか、または逆に流動しにくくなる。下降管28のB
Mは充填度合いが高く、BMの静定状態でも流動状態で
も、いずれの状態においても、ガス相とBM粒子相の内
でガス相の空隙が占める空隙率は小さく、約0.46な
いし0.5程度である。
【0010】一方、上昇管34の空隙率は静定状態では
ほぼ1.0、流動状態でも0.8程度である。このよう
な特性から下降管28と上昇管34の圧損特性の予想は
容易である。しかし、水平管29については圧損の予想
がきわめて難しい。すなわち、水平管29での初期静定
状態に応じて、様々な流動状況となり、下降管28のよ
うに空隙の殆ど無い場合から、上昇管34のような殆ど
空気だけが存在する状態までばらつきが大きい。
【0011】そのため、差圧設定値44を時間変化しな
い一定値とすると水平管29での上述した様々な流動状
況に適応できず、流動媒体輸送が計画通り行えなくなる
おそれがある。
【0012】そこで、BM(粉体)排出手段の流路の所
定区間の入口と出口の差圧計測値に基づき、差圧設定値
を時々刻々適応的に修正する考え方もあり得る(特開平
102511号)。すなわち、水平管29の差圧計測値
が設計差圧値より大きいと水平管29でのBM充填度合
いが高いと判断して、火炉18とBMタンク37との差
圧設定値44を高めに設定し、より多くの流体流速を確
保して流動媒体粒子の流れを促進する。
【0013】逆に、水平管29の抜き出し空気と戻し空
気の各入口間の差圧計測値6が設計圧損値8より低いと
きは、水平管29での充填度合いが低いと判断して、火
炉18とBMタンク37との差圧設定値44も低め設定
として流動媒体粒子の流れ過ぎを防ぐ。すなわち、流動
状態の変動にもっとも強く影響される水平管29の圧損
を圧損比率計画値13と水平管29部分での希薄流圧損
値16を加味して予測し、この予測値の基づ前記差圧設
定値44を時々刻々変動させる。
【0014】しかし、このような場合であっても水平管
29部分の設計圧損値8自体の確立された計算評価方法
が無いため、設計圧損値8をレファランスとして使用す
る上記手法は必ずしも適切で無い場合がある。
【0015】これは要するに水平管29での圧損、ある
いはBMの流動状況(BM流速、BM搬出量)の把握の
難しさに起因する問題であり、従って、またこれら圧
損、流動状況をモデルにより予想する方法も考えられて
いる。
【0016】しかし、このようなモデルによる従来方法
のBMの流動状態の予想には次の問題があった。すなわ
ち、本発明の対象とする粉体循環系統は流動媒体粒子
(固体)を空気により搬送するシステムであり、これを
シミュレーションするには「固気2相」のモデリングが
必要となる。
【0017】前記モデル技術では次のようなジレンマが
ある。すなわち、本発明の対象とする制御系統のような
制御へのフィードバックをモデル結果から出力するので
あれば、ほぼリアルタイムあるいはそれ以上の速度での
計算を要求される。流動媒体粒子は当該系統にほぼ
「兆」の個数のオーダー存在するから、これに対応でき
るとすれば、この流動媒体粒子を「連続体」として近似
しなければならなくなる。この場合、連続流体としての
流動媒体の「粘性率」等がシミュレーション計算で必要
になる(例えば、「Multiphase Flow and Fluidizatio
n」, D.Gidaspow(1994))が、そのよ
うな連続体としての物性値として確立されたものはな
い。このため、精度を重視するならば、流動媒体粒子の
一つづつの運動を解く「DEM(Direct Element Metho
d」と呼ばれる方法が適用可能となる。しかし、この場
合「兆」のオーダーの個数のニュートン運動方程式を解
く事になり、計算時間の上から全く非現実的である。
【0018】このような、計算時間と計算精度のジレン
マを解決する一つの手法として、「DEM」の一種では
あるが、数「兆」個の粒子そのものを対象とするのでは
なく、粒子の「クラスター」に対して、このクラスター
のニュートンの運動方程式を解く方法が提案されてい
る。
【0019】しかし、このようなクラスターDEMにお
いても計算時間を低減させようとするなら、なるべく多
くの流動媒体粒子をクラスターひとまとめにする事にな
り、この場合には計算精度は低下する。すなわち、この
クラスターDEMでも計算精度と計算時間とのジレンマ
から逃れ得ないのである。さらに、これは精度に関係す
ることであるが、流動媒体粒子をクラスタライズしたと
き、クラスターを以てニュートンの方程式の対象とする
一つの「粒子」とみなすわけであるから、そのクラスタ
ーの物性値が必要となり、これは、流動媒体粒子をどの
ようにクラスタリングするかに依存して場合、場合に応
じて実験により物性値を決定しなければならなくなる。
【0020】以上述べたように、流動状況が事前に予測
できない流動層ボイラのBM抜き出し用の配管の一部で
ある水平管内での流動媒体の流動制御については、モデ
ルはシミュレーションモデルによるモデル予測制御を考
えることになるが、その場合、連続体近似モデルの場合
は計算速度は実際に制御に使える程度の速さで粉体排出
制御はできるが、予測制御の精度が落ちてしまう。
【0021】一方、前記モデルとして流動媒体粒子の一
つづつの運動を解く立場では予測制御の精度が高められ
られたとしても、定常状態の事前設計計算でも天文学的
計算時間を必要とするものであって、とうてい制御にフ
ィードバックできる速度での計算は望めない。また、前
述のジレンマを解消するために提案されているクラスタ
DEMでも計算時間は大幅には低減できず、なおかつ精
度上もクラスタの物性値に応じて必ずしも確立されたも
のになっていない。
【0022】本発明の課題は、実際に制御に使える程度
の速さで、精度良く粉体排出制御ができる制御装置と方
法を提供することである。また、本発明の課題は、流動
媒体の種々の流動状態に対して、実際に制御に使える程
度の速さと精度で、流動層高を所定の設定値に適切に保
持し、層高が設定値より低く保持されてしまい熱的バラ
ンス条件を崩すような状態を発生させないようにした流
動層燃焼ボイラを提供することである。
【0023】
【課題を解決するための手段】上記本発明の課題は、モ
デル予測値を使い、かつそのモデルが極めて多くの(数
兆個以上)粒子の運動のモデルとして高精度であると同
時に連続体近似モデルと同程度の計算時間で計算できる
ようなシミュレーションモデルを備えた制御系により解
決することができる。
【0024】本発明は粉体を貯留する第1貯留部と、該
第1貯留部の粉体を排出する排出流路を設けた粉体排出
手段と、該粉体排出手段で排出された粉体を貯留する第
2貯留部と、該第2貯留部に貯留された粉体を前記第1
貯留部に供給する粉体供給手段と、前記第1貯留部と第
2貯留部との差圧を計測し、予め設定された差圧設定値
と比較し、差圧計測値が前記差圧設定値を超えると前記
第2貯留部に接続する圧力開放手段を開放する差圧制御
手段と、前記第1貯留部に負荷される所定負荷に応じて
第1貯留部の粉体を排出する前記粉体排出手段の排出流
路の第1の所定区間の粉体入口部近傍と粉体出口部近傍
に気流を吹き込んで前記第1貯留部の粉体を排出するた
めの気流搬送制御をする粉体排出制御手段を有する粉体
排出制御装置において、粉体排出制御手段は、オペレー
タ連続体理論に基づくシミュレーションモデルにより、
火炉圧力、流動媒体タンク圧力、流動層高を入力し、こ
れを用いて粒子ひとつひとつの経路を追跡し、得られる
粒子密度、圧力分布から第1貯留部の流動層高のn秒後
予測値及び第1貯留部及び第2貯留部の間の差圧のn秒
後予測値がそれぞれ設定値に追従するように前記第1貯
留部の粉体を排出するための気流搬送制御をする粉体排
出量制御装置である。
【0025】
【作用】先ず始めに連続体モデルと同程度の計算量であ
って、且つ流動媒体粒子の一つづつのニュートン運動方
程式をも同時に表現するモデルである本発明で提案する
粒子流動の計算モデルを説明する。なお、このモデルを
「オペレータ連続体モデル」と称し、明細書中ではこの
名称を使うものとする。このオペレータ連続体モデルを
図面を使って説明する。
【0026】1.概要 a.オペレータ連続体モデルは、 ア)莫大な個数(〜例えば100兆個)の粒子群を気体
や流体のような連続体として扱い、 イ)且つその連続体を「オペレータ表現」する事により
粒子一つ一つの運動を追跡できるようにした、計算方法
である。 b.すなわちオペレータ連続体理論では ア)粒子群を連続体表現することでその計算容量を大幅
に減少し、 イ)その上で、粒子ひとつづつの運動方程式を近似的に
計算する、ものである。 c.従って、連続体理論と粒子一つづつに対する運動方
程式計算法、それぞれの長所を合わせ持っている。すな
わち、 ア)連続体理論のように、個別的に粒子を扱う方法に比
べ計算量が大幅に小さくてよい、 イ)尚かつ、個別的理論のように粒子運動を追跡する場
合の精度が高い、との大きく2つの長所を有する。
【0027】2.連続体のオペレータ表現 a.3粒子系での例示 図4に概念説明のための3個の粒子の相互作用系を図示
している。ここでx、x、xはそれぞれ粒子1、
2、3の空間的な位置座標ベクトルである。これら粒子
1、2、3はお互いに実線で表現される力を及ぼしあっ
ている、とする。このような力を「相互作用力」と呼ぶ
ものとする。この相互作用力としては、例えば、付着
力、電気的力、表面を介しての圧密力、がある。更に図
示していないが、これら3個の粒子それぞれには例えば
重力や空気流れによるドラッグ力が作用しており、これ
らは「外力」と呼ぶことにする。さて、仮想的に、ある
実数の定数Hgなる量の2乗に比例した大きさを有する
力、を考えこの仮想的な力が、1、2、3の粒子相互の
間で作用している、とする。この様な仮想的な力を「交
換力」と呼ぶものとする。このとき3個の粒子の間に
は、実際に作用している圧密力等に加えて交換力が作用
していることになるが、Hgを十分に小さくとれば交換
力がゼロになり、相互作用力は通常のものに帰着する。
これを数式で表すと、 粒子間の相互作用力(圧密力等) ={圧密力等+交換力}−交換力 (1) となる。そして、 交換力は(Hgの2乗)に比例 (2) であるから、両式から、 相互作用力={相互作用力+交換力}−O(Hg) (3) と表現できる。ここで右辺第2項は「だいたいの大きさ
がHgに比例する量である」ことを表現している。
【0028】オペレータ連続体理論では右辺第1項が
「連続体を表す波動関数のオペレータ表現」によって計
算される。ここで、 先ず、「連続体を表す波動関数」とは、通常前記概
要1のa、b、cのアの連続体モデルと同様の波の量で
ある。すなわち、ある点xを考えて、その点近傍の単位
体積あたりで見た粒子密度あるいは粒子群の存在頻度、
の値である。点xを選ぶごとにこれらの存在頻度値は変
化・分布するので、この「波動関数」は空間中に分布す
る波の量である。 次に、その「オペレータ表現」とは、で定義した
各点xでの波の値を、「無限次元の行列に置き直すこ
と」、を意味する。すなわち粒子3個の図4の状態は、
粒子3個の状態=オペレータ表現された波動関数の3個
の積を ゼロ粒子状態に演算した結果 (4) であって、この様な粒子3個の状態では式(3)の相互
作用力+交換力が作用している。
【0029】b.多粒子系 上記の3粒子の場合を4粒子、5粒子、6粒子・・・粒
子系に拡張すると、図5のようになる。そして、オペレ
ータ連続体理論の特徴は、図5のような多粒子系を統一
的に表現できること、である。すなわち、 粒子3個の状態=オペレータ表現された波動関数の3個の積 をゼロ粒子状態に演算した結果 (4) 粒子4個の状態=オペレータ表現された波動関数の4個の積 をゼロ粒子状態に演算した結果 (5) 粒子5個の状態=オペレータ表現された波動関数の5個の積 をゼロ粒子状態に演算した結果 (6) 粒子6個の状態=オペレータ表現された波動関数の6個の積 をゼロ粒子状態に演算した結果 (7)・・・・・・ 粒子N個の状態=オペレータ表現された波動関数のN個の積 をゼロ粒子状態に演算した結果 (8) のように表現できる。ここで「ゼロ粒子状態」とは、単
に考える系の中に一つの粒子も存在しない状態を意味
し、記号Vac.と示す。
【0030】ここで式(3)を考慮して、 粒子N個の状態での相互作用力= {粒子N個の状態での相互作用力+交換力}−O(Hg) (9) である。従って、Vac.に波動関数をN回乗算するだ
けで、相互作用力がHgの平方だけの近似誤差で計算で
きる。
【0031】3.オペレータ連続体モデルによるシミュ
レーション 以上のオペレータ連続体モデルを使えば、次のように計
算量を大幅に低減できる。すなわち、N個の粒子がある
場合の相互作用力は2個のペアに対して働くので、その
組み合わせは、 〜N! (10) だけである。一方、交換力が仮想的に作用していると、
その組み合わせの数は 〜N (11) であって、これら組み合わせの数に計算量はほぼ比例す
るから、計算量の比率は オペレータ連続体理論の計算量 /粒子一つづつの計算の場合の計算量 〜N/N! (12) となって、これはNが大きくなるとほぼゼロになる。つ
まり、オペレータ連続体の計算量はほとんどネグリジブ
ルな量になる。
【0032】従って、オペレータ連続体理論に基づくシ
ミュレーションであれば、連続体近似の場合と同様の計
算容量で、且つ粒子一つ一つの運動を追跡しているのと
同程度に高精度な計算ができる。なお、この高精度の計
算結果を得るには実数の定数Hgを十分に小さく選んで
おく必要がある。
【0033】4.オペレータ連続体理論に基づくシミュ
レーションの粉体排出制御への適用 以上の低計算容量・高精度のオペレータ連続体を使った
シミュレーションを粉体排出制御に使うには、境界条件
として、火炉圧力、流動媒体タンク圧力、流動層高、を
入力し、これを用いて粒子ひとつひとつの経路を追跡
し、得られる粒子密度、圧力分布からn秒後の差圧と流
動層高の予測計算を行う。この予測値が設定値になるよ
うに制御空気量を操作する。
【0034】
【発明の実施の形態】本発明に係わる粉体の循環系統の
粉体排出量制御装置の実施の形態について、以下図面と
共に説明する。図1に流動層火炉のBM媒体の排出量制
御のために、オペレータ連続体理論に基づくシミュレー
ションモデルを備えたモデル予測制御装置と粉体排出系
統を示す。なお、図6で示した装置及び部材と同一機能
を有するものは同一番号を付して、その説明は省略す
る。
【0035】シミュレーションモデル100には、現時
点の火炉圧力101、BMタンク圧力102及び流動層
高103の境界条件(運転条件)を入力して現時点から
n秒後の流動層高予測値123及び火炉18とBMタン
ク37の差圧予測値143を出力し、これが後述する流
動層高設定値あるいは火炉18とBMタンク37の差圧
設定値にそれぞれに追従するように、制御空気用オンオ
フ信号151及び流量調節弁49、制御信号152を出
力する。
【0036】図2には、図1に示す火炉18内の流動層
層高系を示し、図2(a)は層高設定値22と、シミュ
レーションモデル100の出力である層高予測値123
に対する抜き出し空気の時間変化を示す線図、図3は、
図1の火炉18とBMタンク37の差圧系を示し、図3
(a)がサイクロン前遮断弁50の開閉の時間変化、図
3(b)が減圧遮断弁49の開閉に対する火炉18とB
Mタンク37間の、シミュレーションモデル100によ
る差圧予測値143及び差圧設定値44の時間的変化を
示す線図である。
【0037】ここで、図2の流動層20の層高設定値2
2はボイラ負荷下降時に流動層温、蒸気温度の変化が最
適になるようにボイラ側の指令により決まる設定値であ
る。また図3の差圧設定値44は、設計計画段階の検討
をベースとして試運転経験を通じて設定され、いったん
設定されると運転中は時間的に変化しない一定値である
が、従来技術の特願平08−153788号に記載され
ているように設計基準値からの大小に応じて変動させて
も良い。図2、図3では流動層高が図7、図8の場合に
比べてスムーズ化されており、ボイラ負荷変化もなめら
かになっている。
【0038】
【発明の効果】本発明によれば、粉体排出流量を高い精
度にて制御できるので、加圧流動層ボイラに適用した場
合であれば流動層の設定層高への追従性が良く、このた
め、流動層高設定値に速やかに追従できる流動層高トレ
ンドを得ることができ、負荷変化時のボイラ蒸気温度、
流動層温の変化を抑制でき、特に再熱スプレ等の効率低
下要因を回避してボイラ効率を保持できる、との効果が
ある。
【0039】また、本発明にて適用のシミュレーション
モデルにおいては、流動媒体粒子群の連続体近似による
シミュレーションモデルと同程度の計算負荷によって数
兆個を超える個数の粒子ひとつひとつの運動を正確に追
跡していることになるので、Direct Element Method
程度あるいはそれ以上の計算精度を確保することができ
ている、との効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明による実施の形態の粉体排出系統を示
す図である。
【図2】 図1の粉体排出系統における流動層高、その
設定値と抜き出し空気のタイミングを示す図である。
【図3】 図1の粉体排出系統における差圧、その設定
値と流調弁の開閉のタイミングを示す図である。
【図4】 概念説明のための3個の粒子の相互作用系を
図示している。
【図5】 図4の3粒子の場合を4粒子、5粒子、6粒
子・・・粒子系に拡張した図である。
【図6】 従来技術になる粉体排出系統を示す図であ
る。
【図7】 図6の粉体排出系統における流動層高、その
設定値と抜き出し空気のタイミングを示す図である。
【図8】 図6の粉体排出系統における差圧、その設定
値と流調弁の開閉のタイミングを示す図である。
【符号の説明】 100 流動性シミュレーションモデル 101 現時点の火炉圧力 102 現時点のBMタンク圧力 103 現時点の流動層高 105 制御空気用オンオフ信号 152 流調弁制御信号 123 現時点からn秒後の流動層高予測値 143 現時点からn秒後の差圧予測値

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 粉体を貯留する第1貯留部と、該第1貯
    留部の粉体を排出する排出流路を設けた粉体排出手段
    と、該粉体排出手段で排出された粉体を貯留する第2貯
    留部と、該第2貯留部に貯留された粉体を前記第1貯留
    部に供給する粉体供給手段と、前記第1貯留部と第2貯
    留部との差圧を計測し、予め設定された差圧設定値と比
    較し、差圧計測値が前記差圧設定値を超えると前記第2
    貯留部に接続する圧力開放手段を開放する差圧制御手段
    と、前記第1貯留部に負荷される所定負荷に応じて第1
    貯留部の粉体を排出する前記粉体排出手段の排出流路の
    第1の所定区間の粉体入口部近傍と粉体出口部近傍に気
    流を吹き込んで前記第1貯留部の粉体を排出するための
    気流搬送制御をする粉体排出制御手段を有する粉体排出
    制御装置において、 粉体排出制御手段は、オペレータ連続体理論に基づくシ
    ミュレーションモデルにより、火炉圧力、流動媒体タン
    ク圧力、流動層高を入力し、これを用いて粒子ひとつひ
    とつの経路を追跡し、得られる粒子密度、圧力分布から
    第1貯留部の流動層高のn秒後予測値及び第1貯留部及
    び第2貯留部の間の差圧のn秒後予測値がそれぞれ設定
    値に追従するように前記第1貯留部の粉体を排出するた
    めの気流搬送制御をすることを特徴とする粉体排出量制
    御装置。
  2. 【請求項2】 前記シミュレーションモデルが、現時点
    の第1貯留部及び第2貯留部のそれぞれの圧力と現時点
    の第1貯留部の流動層高値とを入力し、前記流動層高と
    第1貯留部及び第2貯留部の間の差圧のn秒後予測値、
    及び気流搬送制御量と前記差圧制御手段の差圧制御量を
    出力するものであることを特徴とする請求項1記載の粉
    体排出量制御装置。
  3. 【請求項3】 前記シミュレーションモデルにおける粉
    体がN個存在する状態が粉体を表現する演算子のN個の
    積を粉体が一つも存在しない状態に作用させて得られる
    量であることを特徴とする請求項1記載の粉体排出量制
    御装置。
  4. 【請求項4】 請求項1記載の粉体排出制御装置におけ
    る第1貯留部が粉体である流動媒体が流動する火炉であ
    り、第2貯留部が該火炉が媒体粒子を排出し、あるいは
    戻す流路を備えた媒体容器であり、媒体粒子の抜き出し
    流路は下降方向に媒体粒子を抜き出す抜出管と、水平又
    は水平に近い傾斜を有する配管である抜出管水平部と媒
    体粒子を媒体容器に戻す、鉛直方向に向けられた戻し管
    であることを特徴とする流動層ボイラ。
  5. 【請求項5】 粉体の流動層を形成する第1貯留部と該
    第1貯留部内の粉体流動層の層高を制御するために、粉
    体の気流搬送による抜き出し流路と、戻し流路を介して
    設けられる第2貯留部と、前記第1貯留部と第2貯留部
    との差圧を計測し、予め設定された差圧設定値と比較
    し、前記第2貯留部に接続する圧力開放手段を開放し、
    前記第1貯留部に負荷される所定負荷に応じて第1貯留
    部の粉体を抜き出す、少なくとも水平または水平に近い
    傾斜状の流路を有する前記抜き出し流路の所定区間の粉
    体入口部近傍と粉体出口部近傍に気流を吹き込んで前記
    第1貯留部の粉体を排出するための気流搬送制御をする
    粉体排出制御を行う第1貯留部の流動層の層高制御方法
    において、 オペレータ連続理論に基づくシミュレーションモデルに
    より、火炉圧力、流動媒体タンク圧力、流動層高を入力
    し、これを用いて粒子ひとつひとつの経路を追跡し、得
    られる粒子密度、圧力分布から現時点の第1貯留部及び
    第2貯留部のそれぞれの圧力と現時点の第1貯留部の流
    動層高値とに基づき、前記流動層高と第1貯留部及び第
    2貯留部の間の差圧のn秒後予測をして前記抜き出し流
    路の所定区間の気流搬送制御量と前記差圧制御手段の差
    圧制御を制御することを特徴とする流動層の層高制御方
    法。
  6. 【請求項6】 請求項5記載の流動層の層高制御方法に
    おける粉体が媒体粒子であり、第1貯留部が粉体である
    流動媒体が流動する流動層火炉であり、第2貯留部が媒
    体容器であり、媒体粒子の抜き出し流路は下降方向に媒
    体粒子を抜き出す抜出管と、水平又は水平に近い傾斜を
    有する配管である抜出管水平部と媒体粒子を媒体容器に
    戻す、鉛直方向に向けられた戻し管であることを特徴と
    する流動層ボイラの流動層の層高制御方法。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006171934A (ja) * 2004-12-14 2006-06-29 Yokogawa Electric Corp 連続系プロセス制御方法および連続系プロセス制御システム
JP2015081203A (ja) * 2013-10-21 2015-04-27 三菱日立パワーシステムズ株式会社 ケミカルルーピング燃焼システム

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