JP2000264685A - カルシウムアルミネート、アルミナセメント、アルミナセメント組成物、及びそれを用いた不定形耐火物 - Google Patents

カルシウムアルミネート、アルミナセメント、アルミナセメント組成物、及びそれを用いた不定形耐火物

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JP2000264685A
JP2000264685A JP11077522A JP7752299A JP2000264685A JP 2000264685 A JP2000264685 A JP 2000264685A JP 11077522 A JP11077522 A JP 11077522A JP 7752299 A JP7752299 A JP 7752299A JP 2000264685 A JP2000264685 A JP 2000264685A
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祐司 古賀
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 従来品に無い高強度発現性、高流動性、及び
高耐食性を有するカルシウムアルミネート、アルミナセ
メント、アルミナセメント組成物、及びそれを用いた不
定形耐火物を提供すること。 【解決手段】 CaO・2Al2O390〜50重量部とCaO・Al2O31
0〜50重量部とを含有するカルシウムアルミネート、該
カルシウムアルミネート50〜100重量部とα−アルミナ5
0〜0重量部とを含有するアルミナセメント、該アルミ
ナセメントと添加剤を、さらに、硬化促進剤を含有する
アルミナセメント組成物、該アルミナセメント組成物と
耐火骨材を、さらに、超微粉を含有する不定形耐火物を
構成とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、カルシウムアルミ
ネート、アルミナセメント、アルミナセメント組成物、
及びそれを用いた不定形耐火物、特に、従来品に無い高
強度発現性、高流動性、及び高耐食性を有する、カルシ
ウムアルミネート、アルミナセメント、アルミナセメン
ト組成物、及びそれを用いた不定形耐火物に関する。本
発明のアルミナセメント組成物やそれを用いた不定形耐
火物は、アルミナセメントが使用されている耐火物分
野、化学プラントのライニング等の耐熱耐食材料、及び
その他の耐食材料等への利用が可能である。
【0002】
【従来の技術とその課題】従来、特定割合のCaO・Al2
O3、12CaO・7Al2O3、及び非晶質からなり、α−アルミ
ナ、ヒドロキシカルボン酸、及び無機炭酸塩を含有して
なるアルミナセメント組成物、水溶性のポリアクリル
酸類及び/又はメタクリル酸−アクリル酸共重合体と、
アルカリ金属炭酸塩とを含有してなるアルミナセメン
ト、特定のCaO/Al2O3比を持つ無定形カルシウムアル
ミネート(非晶質カルシウムアルミネート)を含有する
アルミナセメント、又は、CaO・Al2O3、CaO・2Al2O3、3
CaO・Al2O3、12CaO・7Al2O3、及び11CaO・7Al2O3・CaF2
等の一種又は二種以上の鉱物組成に対応する非晶質カル
シウムアルミネートを主成分とするアルミナセメント)
や、少なくとも80重量%以上のカルシウムアルミネー
ト相のクリンカーと特定の比表面積をもつアルミナを含
有してなるアルミナセメント、又は、アルミナセメント
クリンカーとアルミナ質微粉とを含有してなるアルミナ
セメント、並びに、CaO・2Al2O3を主体とし、12CaO・
7Al2O3、微粉アルミナ、及びスルホン酸系アニオン界面
活性剤を配合してなるアルミナセメント等が提案されて
いる(特開昭49-32921号公報、特開昭50-102617号公
報、及び特開昭55-121933号公報等、特開昭55-75947
号公報や特開昭55-75948号公報など、特開昭61-13255
6号公報、特開昭61-77659号公報、及び特開平2-175638
号公報等、特開昭52-111920号公報や特公昭47-40694
号公報など、並びに、特開昭55-121934号公報や特開
昭55-144456号公報など)。また、アルミナセメントの
鉱物組成と添加剤の種類についての基本特性を述べた文
献もある(HIGH ALUMINA CEMENT AND CONCRETES. T.D.
ROBSON 1962年発行)。これらの特許や文献に記載され
ているアルミナセメントは、高強度発現性や高流動性な
どの特性改善を目的としたものであるが、いずれも一長
一短があり、従来の市販品の範疇を逸脱するものではな
かった。
【0003】本発明者は前記課題を解決すべく鋭意研究
を重ねた結果、アルミナセメントに特定の添加剤を配合
したアルミナセメント組成物が強度発現性、特に乾燥強
度と流動性に優れ、適度の可使時間や硬化時間が得られ
ることを知見して本発明を完成するに至った。
【0004】
【課題を解決するための手段】即ち、本発明は、CaO・2
Al2O390〜50重量部とCaO・Al2O310〜50重量部とを含有
してなるカルシウムアルミネートであり、該カルシウム
アルミネート50〜100重量部とα−アルミナ50〜0重量
部とを含有してなるアルミナセメントであり、α−アル
ミナのBET比表面積が1〜5m2/g、平均粒子径が1〜
5μmである該アルミナセメントであり、該カルシウム
アルミネート又は該アルミナセメントと、添加剤、特
に、ケイフッ化物、リン酸類、ホウ酸類、炭酸塩、ヒド
ロキシカルボン酸類、ポリアクリル酸類、ポリメタクリ
ル酸類、アクリル酸類・メタクリル酸類共重合体、ポリ
イタコン酸類、コハク酸型共重合体、ポリオキシアルキ
レン類、及び糖類からなる群より選ばれた一種又は二種
以上の添加剤とを含有してなるアルミナセメント組成物
であり、アルミナセメント100重量部に対して、添加剤
0.1〜5重量部を含有してなるアルミナセメント組成物
であり、硬化促進剤、特に、リチウム化合物、アルミン
酸塩、ケイ酸塩、及び石灰類からなる群より選ばれた一
種又は二種以上の硬化促進剤が、アルミナセメント100
重量部に対して0.001〜5重量部である該アルミナセメ
ント組成物であり、該アルミナセメント組成物と耐火骨
材とを配合してなる不定形耐火物であり、さらに、超微
粉を含有してなる不定形耐火物である。
【0005】以下、本発明を詳細に説明する。
【0006】本発明のアルミナセメントは、赤ボーキサ
イト等の天然原料をバイヤープロセス等の精製法により
精製して得られた仮焼アルミナ等の高純度アルミナやボ
ーキサイトなどのAl2O3源と、石灰石や生石灰などのCaO
源とを、所定の成分割合になるように配合し、電気炉、
反射炉、縦型炉、平炉、シャフトキルン、及びロータリ
ーキルン等の設備で、溶融及び/又は焼成して得られる
クリンカーを粉砕したものである。本発明においては、
アルミナセメントの製造方法は強度発現性の面から焼成
法が好ましい。本発明のアルミナセメントを焼成法で製
造する場合、Al2O3源とCaO源とを所定の割合で混合、若
しくは、混合粉砕し、又は一部混合後、さらに混合粉砕
し、例えば、ロータリーキルンを用いて1,400〜1,800℃
の温度で焼成して得たクリンカーを粉砕して得られる。
クリンカーの粉砕には、通常、粉塊物の微粉砕用に使用
される、例えば、ローラーミル、ジェットミル、チュー
ブミル、ボールミル、及び振動ミル等の粉砕機の使用が
可能である。
【0007】アルミナセメント中のカルシウムアルミネ
ートの鉱物組成の含有割合(鉱物組成比)は、X線回折
によって分析可能であって、本発明におけるCaO・2Al2O
3(以下、CA2という)とCaO・Al2O3(以下、CAという)
の含有割合は、CA2が90〜50重量部、CAが10〜50重量部
である。CA2が90重量部を越えると硬化遅延と強度発現
性の低下が発生する傾向があり、CAが50重量%を越える
と強度発現性、特に、乾燥強度が低下する傾向がある。
本発明のアルミナセメント中の鉱物組成としてCA2やCA
の他に、SiO2をS、TiO2をT、及びFe2O3をFとすると、C2
AS、CT、及びC4AF等と示される鉱物組成を含有したもの
も使用可能である。
【0008】カルシウムアルミネートの平均粒子径(以
下、Dp50という)は、それを用いた不定形耐火物の重要
特性である流動性、硬化性、及び強度発現性に関連し、
その要求特性を得るためには重要で、1〜5μmが好ま
しく、2〜4μmがより好ましい。この範囲以外では流
動性が低下する傾向がある。また、カルシウムアルミネ
ートのBET比表面積は、それを用いた不定形耐火物の
重要特性である流動性、硬化性、及び強度発現性に関連
し、その要求特性を得るためには重要で、0.5〜5m2/g
が好ましく、1〜3m2/gがより好ましい。この範囲以外
では流動性が低下する傾向がある。
【0009】本発明で使用するα−アルミナは、カルシ
ウムアルミネートと配合してアルミナセメントとするも
ので、アルミナセメントと耐火骨材を含有してなる不定
形耐火物に配合した際の要求品質に応じて適宜決定され
るものであるが、流動性、硬化性、耐スポーリング性、
及び収縮率を小さくするなど、アルミナセメントの特性
を大きく左右するため、その選択は慎重に行うべきであ
る。α−アルミナは高温強度発現性や体積安定性を付与
するものであり、バイヤープロセス等によって高純度化
処理された水酸化アルミニウムを、例えば、ロータリー
キルンで焼成して得られる精製アルミナであり、通常、
高純度アルミナ、バイヤーアルミナ、易焼結アルミナ、
又は軽焼アルミナ等と呼ばれるものである。α−アルミ
ナの粉砕後のDp50は1〜5μmである。5μmを越える
と、流動性は向上するが、高温下での強度発現性が低下
する傾向がある。1μm未満では高温下での強度発現性
が向上するが、流動性が低下する傾向を示す。α−アル
ミナの焼成度の指標はBET比表面積であり、1〜5m2
/gが好ましく、2〜4m2/gがより好ましい。焼成度は比
表面積が小さい物ほど重焼タイプのアルミナであること
を示す。比表面積が小さいα−アルミナを配合した不定
形耐火物は、流動性に優れるが、焼結強度は低下する傾
向がある。また、比表面積が大きいα−アルミナを配合
した不定形耐火物は、焼成強度は向上するものの、流動
性が低下する傾向を示す。本発明でα−アルミナを使用
する場合、Al2O3純度の他に不純物としてのNa2O量が問
題であって、Na2Oが多いとアルミナセメントにした際、
流動性や耐火性が低下したり、高温で収縮が発生したり
するため、Na2O量は少ない方が好ましい。具体的には、
0.5重量%以下が好ましく、0.3重量%以下の低ソーダタ
イプのものがより好ましい。α−アルミナの使用量は、
カルシウムアルミネート50〜100重量部に対して、0〜50
重量部が好ましい。この範囲外では、アルミナセメント
にした際に、強度発現性が低下する傾向がある。
【0010】本発明において、カルシウムアルミネート
とα−アルミナの混合・粉砕方法は、α−アルミナを単
独でカルシウムアルミネート程度の粒度に粉砕後、粉砕
したカルシウムアルミネートと混合するか、α−アルミ
ナをカルシウムアルミネートのクリンカーと混合粉砕す
る方法が可能である。本発明では、α−アルミナをカル
シウムアルミネートのクリンカーと混合粉砕した方がア
ルミナセメント中にα−アルミナが均一に混合され、不
定形耐火物に使用した際、硬化体組織が均一になり、耐
食性が向上するなどの効果が得られ好ましい。
【0011】本発明では、アルミナセメントの流動性を
向上したり、可使時間を延長させる目的で、添加剤を加
えることは好ましい。
【0012】本発明で使用するケイフッ化物としては、
ケイフッ化ナトリウム、ケイフッ化カリウム、及びケイ
フッ化マグネシウム等の使用が好ましい。これらのう
ち、ケイフッ化ナトリウムの使用が硬化遅延作用が強い
ため好ましい。
【0013】本発明で使用するリン酸類とは、ヘキサメ
タリン酸、トリポリリン酸、ウルトラリン酸、ピロリン
酸、及びオルトリン酸又はそれらの塩等が挙げられ、ヘ
キサメタリン酸とトリポリリン酸又はそれらの塩が分散
作用に優れるため好ましく、その飽和水溶液のpHがア
ルカリ性であって、pHが8.0〜11.0であることがより
好ましい。リン酸類の塩としては、ナトリウム塩、カリ
ウム塩、及びカルシウム塩が挙げられ、入手しやすさか
らナトリウム塩の使用が好ましい。
【0014】本発明で使用するホウ酸類とは、ホウ酸又
はそのナトリウム塩、カリウム塩、及びカルシウム塩等
であって、そのうち、硬化遅延作用の強いホウ酸の使用
が好ましい。
【0015】本発明で使用する炭酸塩としては、無機炭
酸塩のいずれも使用可能であるが、炭酸ナトリウム、炭
酸カリウム、及び炭酸カルシウム等の炭酸塩の使用が好
ましく、その含水塩や無水塩のいずれの使用も可能であ
る。これらのうち、炭酸ナトリウムの使用が好ましく、
JIS K 1201、JIS K 8624、及びJIS K 8625で規定される
炭酸ナトリウムが使用可能である。
【0016】本発明で使用するヒドロキシカルボン酸類
としては、クエン酸、グルコン酸、酒石酸、リンゴ酸、
及び乳酸又はそれらの塩等が挙げられる。ヒドロキシカ
ルボン酸類の塩としては、ナトリウム塩、カリウム塩、
及びカルシウム塩が挙げられ、入手のしやすさからナト
リウム塩の使用が好ましい。
【0017】本発明で使用するポリアクリル酸類とは、
ポリアクリル酸やその誘導体又はそれらの塩等であっ
て、具体的には、ポリアクリル酸、ポリアクリル酸ナト
リウム、及びポリアクリル酸エステル共重合体又はそれ
らのナトリウム塩、カリウム塩、及びカルシウム塩等が
使用可能であるが、入手しやすさからナトリウム塩の使
用が好ましく、共重合体としては架橋分岐型が好まし
い。特に、本発明では、ポリアクリル酸ナトリウム、中
でも低重合度の水に可溶な重合体で、固形分が90重量%
以上、40重量%濃度の水性スラリーの25℃におけるスラ
リー粘度が10,000cps以下の可溶性重合度タイプのもの
の使用が、カルシウムアルミネートの流動性を向上する
面から好ましく、50〜2,000cpsの粘度のものがより好ま
しい。本発明において、ポリアクリル酸類の水性スラリ
ーのイオン性やpHは、特に限定されるものではない
が、アルミナセメントと配合した際、より大きな流動性
を得るために、ポリアクリル酸類がアニオン系で、か
つ、25℃における1重量%スラリーのpHが中性からア
ルカリ性であることが好ましく、特に、pHが7.5〜11
のものがより好ましい。
【0018】本発明に使用するポリメタクリル酸類と
は、メタクリル酸メチル等の非官能性モノマー、メタク
リル酸ジエチルアミノエチル等の一官能性モノマー、及
びジメタクリル酸エチレン等の多官能性モノマーに分類
されるメタクリルモノマー、ポリメタクリル酸又はその
塩、並びに、共重合体を含むメタクリル酸エステル系合
成樹脂であり、水に溶解したときのイオン性がアニオン
系であることが好ましく、スラリーのpHが中性からア
ルカリ性であることが重要で、特に、pHが7〜12のも
のが好ましい。ポリメタクリル酸の塩としては、ナトリ
ウム塩、カリウム塩、及びカルシウム塩等が挙げられる
が、入手しやすさからナトリウム塩の使用が好ましい。
ポリメタクリル酸類の重合度が大き過ぎるとアルミナセ
メントと混練りする時にフロー値が小さくなり、流動性
が低下するため好ましくない。50〜100,000程度の重合
度が好ましい。
【0019】本発明で使用するアクリル酸類・メタクリ
ル酸類共重合体としては、分子量が5,000〜20,000の共
重合体であって、ナトリウム塩やカリウム塩などの使用
が可能であるが、入手しやすさからナトリウム塩の使用
が好ましい。特に、本発明では、アクリル酸類・メタク
リル酸類共重合体のナトリウム塩、中でも、水に可溶な
重合体で、固形分95重量%以上、25℃における40重量%
濃度のスラリー粘度が10,000cps以下の可溶性重合度タ
イプのものの使用が、アルミナセメントの流動性を向上
する面から好ましく、100〜2,000cpsのものを使用する
ことがより好ましく、300〜1,000cpsのものを使用する
ことが最も好ましい。
【0020】アクリル酸類とメタクリル酸類の共重合の
割合は、アクリル酸類/メタクリル酸類が重量比で9/
1〜4/6の割合であることが好ましく、8/2〜5/
5の割合の共重合体が分散作用に優れより好ましい。特
に好ましい共重合体の組み合わせは、アクリル酸ナトリ
ウム/メタクリル酸ナトリウムの重量比が8/2〜5/
5である。アクリル酸類の割合が多過ぎると、アクリル
酸類の特徴が強くなり、流動性と凝集時間が早くなる傾
向を示し、アクリル酸類の割合が少な過ぎると、メタク
リル酸類の特徴を強く示し、混練り時の粘性が高くな
り、また硬化遅延を生じやすくなるばかりでなく、共重
合が不可能となる傾向があり好ましくない。本発明にお
いて、アクリル酸類・メタクリル酸類共重合体の水溶性
スラリーのイオン性やpHは、特に限定されるものでは
ないが、アルミナセメントと配合した際、より大きな流
動性を得るために、アクリル酸類・メタクリル酸類共重
合体がアニオン系で、かつ、25℃における1重量%濃度
の水溶性スラリーのpHが中性からアルカリ性であるこ
とが重要で、特に、pHが7.5〜11のものが好ましい。
【0021】本発明で使用するポリイタコン酸類とは、
分子量が5,000〜10,000であって、ナトリウム塩やカリ
ウム塩などの使用が可能であるが、入手しやすさからナ
トリウム塩の使用が好ましい。特に、本発明では、ポリ
イタコン酸ナトリウムの使用が好ましく、中でも、水に
可溶で、固形分92重量%以上、25℃における40重量%濃
度のスラリー粘度が1,000cps以下の可溶性タイプのもの
の使用が、アルミナセメントの流動性を向上する面から
好ましく、100〜1,000cpsのものを使用することがより
好ましく、300〜800cpsのものを使用することが最も好
ましい。本発明において、ポリイタコン酸類の水溶性ス
ラリーのイオン性やpHは、特に限定されるものではな
いが、アルミナセメントと配合した際、より大きな流動
性を得るために、ポリイタコン酸類がアニオン系で、か
つ、25℃における1重量%濃度の水溶性スラリーのpH
が中性からアルカリ性であることが重要で、特に、pH
が7.5〜10のものが好ましい。
【0022】本発明で使用するコハク酸型重合体とは、
コハク酸型基と共重合性単量体基を有する共重合体であ
る。ここでいうコハク酸型基とは、マレイン酸、無水マ
レイン酸、マレイン酸塩、マレイン酸モノエステル、マ
レイン酸モノエステル塩、マレイン酸ジエステル、マレ
イン酸ジエステル塩、フマル酸、フマル酸塩、フマル酸
モノエステル、フマル酸モノエステル塩、フマル酸ジエ
ステル、及びフマル酸ジエステル塩等の単量体と共重合
単量体との共重合により得られた基である。共重合性単
量体としては特に制限されるものではないが、例えば、
スチレン、α−メチルスチレン、及びビニルトルエン等
の芳香族ビニル単量体、酢酸ビニルやプロピオン酸ビニ
ルなどのビニルエステル単量体、メチレン、プロピレ
ン、及びイソブチレン等のオレフィン単量体、並びに、
メチルビニルエーテル、エチルビニルエーテル、プロピ
ルビニルエーテル、及びポリオキシエチレンビニルエー
テル等のビニルエーテル単量体があり、これらを単独又
は共重合したものなどが挙げられる。コハク酸型基と共
重合性単量体基の配合割合は、コハク酸型基/共重合性
単量体の重量比で7/3〜5/5が好ましい。この範囲
外では、可使時間延長効果が低下する傾向がある。コハ
ク酸型共重合体の製造方法は特に限定されるものではな
いが、各単量体を共重合して製造する方法、各単量体の
共重合体をエステル化及び/又は中和して製造する方法
がある。本発明において、コハク酸型共重合体は、カル
シウムアルミネートやアルミナセメントの流動性、可使
時間延長効果を付与するものであり、特に、マレイン酸
モノエステル単量体にスチレン単量体を共重合させたも
のや分岐を有するものが好ましい。コハク酸型共重合体
の塩としては、ナトリウム塩、カリウム塩、カルシウム
塩、及びアンモニウム塩等が使用可能であるが入手しや
すさからナトリウム塩の使用が好ましい。特に、流動性
や可使時間延長効果を向上させるためには、モノエステ
ル共重合体のナトリウム塩の使用が好ましく、中でも低
重合度の水に可溶な共重合体で、固形分が90重量%以
上、40重量%濃度の水性スラリーの25℃におけるスラリ
ー粘度が10,000〜15,000cpsのものが、カルシウムアル
ミネートやアルミナセメントの流動性を向上し、可使時
間延長効果が得られるので好ましい。本発明において、
コハク酸型共重合体の水性スラリーのイオン性やpHは
特に制限されるものではないが、アニオン系で、かつ、
25℃における1重量%スラリーのpHが中性からアルカ
リ性であることが好ましく、特に、pHが7〜10のもの
がより好ましい。
【0023】本発明で使用するポリオキシアルキレン類
とは、具体的には、ポリアルキレングリコールアクリル
酸エステルの共重合体、ポリアルキレングリコールアル
ケニルエーテル−無水マレイン酸共重合体、及びポリア
ルキレングリコールモノエステル単量体・メタクリル酸
共重合体等が挙げられる。
【0024】本発明で使用する糖類とは、多価アルコー
ルのアルデヒド、ケトン、並びに、酸や多価アルコール
自体及びそれらの誘導体や置換体であり、具体的にはグ
ルコース、フルクトース、デキストリン、及びショ糖等
が挙げられる。
【0025】ケイフッ化物、リン酸類、ホウ酸類、炭酸
塩、及びヒドロキシカルボン酸類の純度は特に限定され
るものではないが、現在、工業的に精製されているもの
の使用が可能であり、ケイフッ化物や炭酸塩の純度は80
重量%程度以上のものの使用が好ましい。また、これら
の添加剤の粒度は、水に溶解しやすいように細かい程好
ましく、100メッシュ以下が好ましく、200メッシュ以下
がより好ましい。リン酸類の粒度は、200メッシュ以下
のものが、混練り時に溶解しやすく、分散作用が優れる
ため好ましく、品質的には、一般に医薬品や食品添加物
などとして市販されているものが使用可能である。ま
た、ヒドロキシカルボン酸類の粒度は、200メッシュ以
下のものが、混練り時に溶解しやすく、分散作用に優れ
るため好ましく、品質的には、一般に食品添加物などと
して市販されているものが使用可能である。これらの添
加剤はあらかじめアルミナセメントにプレミックスする
ことが可能であり、施工時に別途に投入したり、混合し
たりする手間が削減できる面から、粉末タイプであるこ
とが好ましい。添加剤の種類の組み合わせは、アルミナ
セメントによって、適宜選択できるもので特に限定され
るものではなく、材料配合に合わせて組み合わせを変え
ることが可能である。これら添加剤の使用量は、可使時
間延長効果が得られる面から、アルミナセメント100重
量部に対して、0.1〜5.0重量部になるように配合するの
が好ましく、0.8〜2.0重量部が硬化遅延が少なく、高流
動性が確保できる面からより好ましい。
【0026】本発明において、添加剤の配合方法は、特
に限定されるものではなく、各添加剤を所定の割合にな
るように配合し、アルミナセメントとV型ブレンダー、
コーンブレンダー、ナウタミキサー、パン型ミキサー、
及びオムニミキサー等の混合機を用いて均一混合する
か、あるいは、所定の割合でクリンカーに配合後、振動
ミル、チューブミル、ボールミル、及びローラーミル等
の粉砕機で混合粉砕することが可能である。
【0027】さらに、本発明では、個々の添加剤を、又
は、添加剤の混合物を、100〜200℃の温度で30分以上、
好ましくは60〜180分、乾燥又は軽焼の熱処理をするこ
とは、アルミナセメントに配合した際の流動性が向上す
るため好ましく、特に、120〜180℃で熱処理したものの
効果が著しい。本発明の添加剤は、GC−MS、C13
NMR、HPLC、イオンクロマト、及びFT−IR等
の機器分析や放射化分析などで分析することが可能であ
る。
【0028】本発明の不定形耐火物が10℃以下の低温で
硬化が遅れる場合、硬化を促進させるために、例えば、
リチウム化合物やアルミン酸塩などの硬化促進剤を配合
することが好ましい。硬化促進剤としては、リチウム化
合物、アルミン酸塩、ケイ酸塩、及び石灰類からなる群
より選ばれた一種又は二種以上からなるものが挙げら
れ。
【0029】リチウム化合物としては、炭酸リチウム、
水酸化リチウム、塩化リチウム、及びクエン酸リチウム
等が挙げられ、これらのうち、入手しやすさから炭酸リ
チウムの使用が好ましい。
【0030】アルミン酸塩としては、アルミン酸ナトリ
ウムやアルミン酸カリウムなどが挙げられ、入手しやす
さからアルミン酸ナトリウムの使用が好ましい。
【0031】ケイ酸塩としては、ケイ酸ナトリウムやケ
イ酸カリウムなどが挙げられ、入手しやすさからケイ酸
ナトリウムの使用が好ましい。
【0032】石灰類としては、消石灰や生石灰などが挙
げられ、これらのうち、比較的貯蔵安定性のある消石灰
の使用が好ましい。
【0033】硬化促進剤の純度は特に限定されるもので
はないが、現在、工業的に精製されているものの使用が
可能であって、純度が80重量%程度以上のものの使用が
好ましい。硬化促進剤の粒度は、アルミナセメントと混
合した際、水に溶解しやすいように、細かい程好まし
く、100メッシュ以下が好ましく、200メッシュ以下
がより好ましい。硬化促進剤の使用量は、硬化促進効果
が得られる面から、アルミナセメント100重量部に対し
て、0.001〜5重量部が好ましく、0.01〜1重量部が硬
化遅延が少なく、高強度発現性が得られる面からより好
ましい。
【0034】本発明では、アルミナセメント組成物と耐
火骨材を配合して不定形耐火物とする。耐火骨材として
は、溶融マグネシア、焼結マグネシア、天然マグネシ
ア、及び軽焼マグネシア等のマグネシア、溶融マグネシ
アスピネルや焼結マグネシアスピネルなどのマグネシア
スピネル、並びに、溶融アルミナ、焼結アルミナ、軽焼
アルミナ、及び易焼結アルミナ等のアルミナ、その他、
溶融シリカ、焼成ムライト、酸化クロム、ボーキサイ
ト、アンダルサイト、シリマナイト、シャモット、ケイ
石、ロー石、粘土、ジルコン、ジルコニア、ドロマイ
ト、パーライト、バーミキュライト、煉瓦屑、陶器屑、
窒化珪素、窒化ホウ素、炭化珪素、及び窒化珪素鉄等が
挙げられる。特に、本発明の不定形耐火物においては、
耐食性、耐用性、及び耐火性の面から、マグネシアスピ
ネル及び/又はアルミナの耐火骨材を使用することが好
ましい。
【0035】マグネシアスピネルとは、水酸化マグネシ
ウムや仮焼マグネシアなどのMgO源と、水酸化アルミニ
ウムや仮焼アルミナなどのAl2O3源を、所定の割合にな
るように調合し、ロータリーキルン等の焼成装置を用い
て、約1,800〜1,900℃の温度で反応・焼結させたものや
電気炉などの溶融装置で溶融したものを所定のサイズに
粉砕し、篩い分けしたもの、さらには、これら焼成した
ものと溶融したものを混合したもの等である。マグネシ
アスピネルにおけるMgO/Al2O3の重量比は、1/1〜0.1
/1が好ましく、0.4/1〜0.2/1が不定形耐火物に配
合した際、耐久性に優れる面からより好ましい。
【0036】アルミナとは、水酸化アルミニウムや仮焼
アルミナなどのAl2O3源を、ロータリーキルン等の焼成
装置や電気炉等の溶融装置によって、焼結及び/又は溶
融した物を、所定のサイズに粉砕し、篩い分けしたもの
であって、鉱物組成として、α-Al2O3やβ-Al2O3などと
示される酸化アルミニウムであり、焼結アルミナ、仮焼
アルミナ、及び易焼結アルミナ等と呼ばれるものであっ
て、通常、Al2O3を90重量%以上含有するα−アルミナ
の使用が最も好ましい。また、アルミナとジルコニアを
溶融することで得られる、耐熱スポーリング性を向上さ
せたアルミナ・ジルコニアクリンカー等の使用も可能で
ある。
【0037】耐火骨材の粒度は、通常、5〜3mm、3〜
1mm、1〜0mm、200メッシュ下、及び325メッシュ下等
のサイズのものを、要求物性に応じて配合する。
【0038】本発明の不定形耐火物の配合割合は、施工
場所によって適宜決定すべきものであり、特に限定され
るものではないが、アルミナセメント組成物と耐火骨材
の合計100重量部に対して、耐火骨材99.5〜50重量部で
あることが好ましく、耐食性と強度発現性の面から、ア
ルミナセメント組成物と耐火骨材の合計100重量部に対
して、耐火骨材98〜85重量部の配合がより好ましい。耐
火骨材の粒度調整は、不定形耐火物の要求物性によっ
て、適宜決定されるもので、特に限定されるものではな
い。
【0039】本発明では、不定形耐火物に配合した際、
流動性が確保でき、高強度を有する面から超微粉を併用
することが好ましい。本発明で使用する超微粉とは、粒
径10μm以下の粒子が80重量%以上占める耐火性微粉末
であって、Dp50が1μm以下で、BET比表面積が10m2
/g以上のものである。具体的には、シリカフューム、コ
ロイダルシリカ、易焼結アルミナ、非晶質シリカ、ジル
コン、炭化珪素、窒化珪素、酸化クロム、及び酸化チタ
ン等の無機微粉が使用可能であり、このうち、シリカフ
ューム、コロイダルシリカ、及び易焼結アルミナの使用
が好ましい。超微粉の配合割合は、不定形耐火物の要求
特性によって適宜決定されるもので、特に限定されるも
のではないが、耐火骨材と超微粉の合計100重量部中、2
0〜50重量部が好ましい。
【0040】本発明の不定形耐火物の製造方法は、特に
限定されるものではなく、通常の不定形耐火物の製造方
法に準じ、各材料を所定の割合になるように配合し、V
型ブレンダー、コーンブレンダー、ナウタミキサー、パ
ン型ミキサー、及びオムニミキサー等の混合機を用いて
均一混合するか、あるいは、所定の割合で混練り施工す
る際、混練り機に直接秤込むことも可能である。
【0041】また、本発明の不定形耐火物に、アルカリ
水と反応し水素ガスを発生する金属アルミニウムや金属
マグネシウムなどの発泡材や、ビニロンファイバー、ポ
リプロピレンファィバー、及び塩化ビニールファイバー
等の有機繊維、窒素ガス発生分解繊維、乳酸アルミニウ
ム等の塩基性コロイド、並びに、フミン酸類等の爆裂防
止材を必要に応じて、硬化体乾燥時の爆裂防止の目的
で、配合することも可能である。
【0042】また、従来からセメントの流動性、可使時
間、硬化時間、及び強度発現性等の性状を改善する目的
で使用されている、メラミン類、ナフタレンスルホン酸
類、ポリカルボン酸類、及びホルムアルデヒドの縮合物
等の界面活性剤、並びに、AE減水剤等を必要に応じて
配合することも可能である。
【0043】
【実施例】以下、実験例に基づき本発明をさらに説明す
る。
【0044】実験例1 Al2O3源として仮焼アルミナを、CaO源として石灰石粉
を、所定の割合で配合した原料につき、ロータリーキル
ンにて1,600〜1,700℃で焼成後、放冷、粉砕してカルシ
ウムアルミネート〜を製造した。その鉱物組成を表
1に示した。カルシウムアルミネート10重量部、焼結ア
ルミナ80重量部、超微粉10重量部、及び水7.5重量部を
配合し、モルタルミキサーで3分間混練りして不定形耐
火物を得た。この不定形耐火物について、流動性、可使
時間、硬化時間、圧縮強度、及び耐食性を測定した。結
果を表1に併記する。なお、材料の混練から養生は20℃
恒温室内で行った。
【0045】<使用材料> Al2O3源 :仮焼アルミナ、Dp50 50μm CaO源 :石灰石粉、100メッシュ下、CaCO3純度98% 焼結アルミナ:焼結アルミナ、5〜1mm20重量部、1
〜0mm25重量部、48F20重量部、325F15重量部 超微粉 :易焼結アルミナ、Dp50 1.0μm
【0046】<物性の測定方法> 鉱物組成 :理学社製X線回折装置「RADIIB」によ
る回折強度比d値、CA2=4.45Å、CA=4.67Åの回折線
の強度を用いてZevin法により算出 流動性 :3分混練り後、30分放置した混練り物を用
いて、フローテーブルにより15回タップした後の広がり
径を、JIS R 2521に準じて測定 BET :BET比表面積、ユアサアイオニクス社製
カンターソーブで測定 Dp50 :島津製作所製レーザー回折式粒度分布測定
装置で測定 可使時間 :作製した不定形耐火物をビニール袋に移し
取り、流動性が無くなるまでにかかった時間 硬化時間 :作製した不定形耐火物500gをポリビーカ
ーに移し取り、白金測温抵抗体と打点記録計で測定した
注水から水和発熱のピークまでにかかった時間 養生強度 :作製した不定形耐火物を4×4×16cmの型枠
に突き棒でスタンピングしながら打設し、表面をセメン
トナイフで平に整えた後、24時間養生後の圧縮強度を油
圧測定機にて測定 乾燥強度 :養生後の硬化体試片を110℃で24時間乾燥
後、室温まで放冷し、圧縮強度を油圧測定機にて測定 焼成強度 :乾燥後の硬化体試片をシリコニット電気炉
に入れ、1,000℃までは10℃/分の昇温速度、1,000℃以
上は5℃/分で1,500℃まで昇温後、3時間保持し、室温
まで放冷し、圧縮強度を油圧測定機にて測定 耐食性 :作製した不定形耐火物を4×4×16cmの型枠
に流し込み、24時間養生した硬化体を110℃で24時間乾
燥後、1,500℃で3時間焼成した供試体をCaO/SiO2=1.
0、全Feが10重量%のスラグ500gが入った1,550℃の高周
波炉内に3時間浸漬させた後の、深さ方向の溶損寸法を
測定。溶損寸法が3.0mm以上になると耐火物として使用
不可となる。
【0047】
【表1】
【0048】表1に示すように、本発明のカルシウムア
ルミネートを配合した不定形耐火物は、比較例に比べて
流動性が良好で、可使時間が確保でき、適度な硬化時間
と高強度発現性、及び高耐食性が得られた。
【0049】実験例2 CA270重量部、CA30重量部を含有する表2に示すカルシ
ウムアルミネートと表2に示すα−アルミナを配合し、
アルミナセメントを製造した。製造したアルミナセメン
ト10重量部、焼結アルミナ80重量部、超微粉α10重量
部、及び水7.5重量部を配合したこと以外は実験例1と
同様に行った。結果を表2に併記する。
【0050】<使用材料> α−アルミナ:BET比表面積2.7m2/g、Dp50 3.9μm
【0051】
【表2】
【0052】表2に示すように、本発明のアルミナセメ
ントを配合した不定形耐火物は、比較例に比べて流動性
が良好で、可使時間が確保でき、適度な硬化時間と高強
度発現性、及び高耐食性が得られた。
【0053】実験例3 カルシウムアルミネート80重量部に対して表3に示す
α−アルミナ20重量部を配合し、アルミナセメントを製
造した。このアルミナセメントを配合したこと以外は実
験例2と同様に行った。結果を表3に併記する。
【0054】
【表3】
【0055】表3に示すように、本発明のアルミナセメ
ントを配合した不定形耐火物は、比較例に比べて流動性
が良好で、可使時間が確保でき、適度な硬化時間と高強
度発現性、及び高耐食性が得られた。
【0056】実験例4 実験例3で作製したBET比表面積3.9m2/g、Dp50 2.7
μmのα−アルミナを配合したアルミナセメント組成物
100重量部に対して、表4に示す添加剤を配合し、アル
ミナセメント組成物を製造した。製造したアルミナセメ
ント組成物10重量部、焼結アルミナ80重量部、及び超微
粉α10重量部を配合し、水量は3分フロー値が170〜180
mmになるように調整したこと以外は実験例2と同様に行
った。結果を表4に併記する。
【0057】<使用材料> 添加剤a :ケイフッ化ナトリウム、市販品 添加剤b :トリポリリン酸ナトリウム、市販品 添加剤c :ホウ酸、市販品 添加剤d :炭酸ナトリウム、市販品 添加剤e :クエン酸カリウム 添加剤f :ポリアクリル酸ナトリウム、市販品 添加剤g :ポリメタクリル酸ナトリウム、市販品 添加剤h :アクリル酸・メタクリル酸共重合体のナト
リウム塩、アクリル酸ナトリウム/メタクリル酸ナトリ
ウム(重量比7/3)、市販品 添加剤i :ポリイタコン酸ナトリウム、市販品 添加剤j :メトキシポリエチレングリコールビニルエ
ーテル−マレイン酸共重合体のカルシウム塩、市販品 添加剤k :ポリオキシエチレン・アルキルアリルエー
テル、市販品 添加剤l :デキストリン、市販品
【0058】
【表4】
【0059】表4に示すように、本発明のアルミナセメ
ント組成物を配合した不定形耐火物は、流動性が良好
で、可使時間が確保でき、適度な硬化時間と、高強度発
現性、及び高耐食性が得られた。
【0060】実験例5 表5に示す添加剤を使用したこと以外は実験例4と同様
に行った。結果を表5に併記する。
【0061】
【表5】
【0062】表4に示すように、本発明のアルミナセメ
ント組成物を配合した不定形耐火物は、流動性が良好
で、可使時間が確保でき、適度な硬化時間と、高強度発
現性、及び高耐食性が得られた。
【0063】実験例6 実験No.1- 4のカルシウムアルミネート、実験No.2- 4と
実験No.3- 3のアルミナセメント、及び実験No.4- 6と実
験No.5- 4のアルミナセメントと、表6に示す硬化促進
剤を使用してアルミナセメント組成物を製造した。製造
したアルミナセメント組成物を用いて、3分フロー値が
170〜180mmになるように、水の量を調整し、材料の混練
から養生を10℃の恒温室内で行ったこと以外は実験例1
と同様に行った。結果を表6に併記する。
【0064】<使用材料> 硬化促進剤α:炭酸リチウム、市販品 硬化促進剤β:アルミン酸ナトリウム、市販品 硬化促進剤γ:ケイ酸ナトリウム、市販品 硬化促進剤δ:消石灰、市販品
【0065】
【表6】
【0066】表6に示すように、本発明のアルミナセメ
ント組成物を配合した不定形耐火物は、流動性きち良好
で、可使時間が確保でき、適度な硬化時間と、高強度発
現性、及び高耐食性が得られた。
【0067】
【発明の効果】本発明のアルミナセメント組成物及びそ
れを用いた不定形耐火物は、従来品に無い高強度、高流
動性、及び高耐食性を有するものである。そして、この
カルシウムアルミネート、アルミナセメント、アルミナ
セメント組成物、及びこれらを用いた不定形耐火物を耐
火物分野に使用した場合、強度発現性が良く、流動性、
耐食性が向上する効果を奏する。また、耐火物分野のみ
ならず、高強度発現性、高流動性、及び耐食性が要求さ
れる化学プラントのライニング材料や耐食材料としても
使用可能である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C04B 22:16 22:08 22:10 24:06 24:26 24:32 24:10) Fターム(参考) 4G012 PB03 PB05 PB06 PB08 PB09 PB13 PB16 PB17 PB19 PB31 PB36 PC03 PC04 PC05 PC12 PC13 PC15 4G033 AA01 AA02 AA24 AB01 AB02 AB03 AB04 AB21 AB23 BA01 BA06

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 CaO・2Al2O390〜50重量部とCaO・Al2O31
    0〜50重量部とを含有してなるカルシウムアルミネー
    ト。
  2. 【請求項2】 請求項1記載のカルシウムアルミネート
    50〜100重量部と、α−アルミナ50〜0重量部とを含有し
    てなるアルミナセメント。
  3. 【請求項3】 α−アルミナのBET比表面積が1〜5m2
    /gで、平均粒子径が1〜5μmであることを特徴とする請
    求項2記載のアルミナセメント。
  4. 【請求項4】 請求項2又は3のアルミナセメントと、
    必要に応じ添加剤とを含有してなるアルミナセメント組
    成物。
  5. 【請求項5】 添加剤が、ケイフッ化物、リン酸類、ホ
    ウ酸類、炭酸塩、ヒドロキシカルボン酸類、ポリアクリ
    ル酸類、ポリメタクリル酸類、アクリル酸類・メタクリ
    ル酸類共重合体、ポリイタコン酸類、コハク酸型共重合
    体、ポリオキシアルキレン類、及び糖類からなる群より
    選ばれた一種又は二種以上であることを特徴とする請求
    項4記載のアルミナセメント組成物。
  6. 【請求項6】 添加剤が、アルミナセメント100重量部
    に対して0.1〜5重量部であることを特徴とする請求項
    4又は5記載のアルミナセメント組成物。
  7. 【請求項7】 さらに、硬化促進剤を含有してなる請求
    項4〜6のうちの1項記載のアルミナセメント組成物。
  8. 【請求項8】 硬化促進剤が、リチウム化合物、アルミ
    ン酸塩、ケイ酸塩、及び石灰類からなる群より選ばれた
    一種又は二種以上であることを特徴とする請求項7記載
    のアルミナセメント組成物。
  9. 【請求項9】 硬化促進剤が、アルミナセメント100重
    量部に対して0.001〜5重量部であることを特徴とする
    請求項7又は8記載のアルミナセメント組成物。
  10. 【請求項10】 請求項4〜9のうちの1項記載のアル
    ミナセメント組成物と耐火骨材とを配合してなる不定形
    耐火物。
  11. 【請求項11】 さらに、超微粉を含有してなる請求項
    10記載の不定形耐火物。
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