JP2000264602A - 水素吸蔵材料、その製造方法及びその使用方法 - Google Patents

水素吸蔵材料、その製造方法及びその使用方法

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JP2000264602A
JP2000264602A JP11075244A JP7524499A JP2000264602A JP 2000264602 A JP2000264602 A JP 2000264602A JP 11075244 A JP11075244 A JP 11075244A JP 7524499 A JP7524499 A JP 7524499A JP 2000264602 A JP2000264602 A JP 2000264602A
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hydrogen
hydrogen storage
storage material
carbon fiber
carbon
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English (en)
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Seiji Motojima
栖二 元島
Hiroshi Iwanaga
浩 岩永
Hisazumi Oshima
大島  久純
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CMC Technology Development Co Ltd
Original Assignee
CMC Technology Development Co Ltd
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  • Inorganic Fibers (AREA)
  • Fuel Cell (AREA)
  • Hydrogen, Water And Hydrids (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 活性の高いグラファイト層を有し、多量の水
素を吸蔵することができる水素吸蔵材料、その製造方法
及びその使用方法を提供する。 【解決手段】 非晶質部分を含むコイル状炭素繊維の非
晶質部分をグラファイト化し、さらにグラファイト化に
より得られる水素吸蔵材料を活性化処理することによ
り、水素を多量に吸蔵することができる水素吸蔵材料を
得ることができる。グラファイト化はコイル状炭素繊維
を1500〜3500℃の温度範囲内で0.01〜10
00時間高温熱処理して行われ、コイル状炭素繊維の非
晶質部分が全てグラファイト化する。活性化処理として
は酸化処理又は水素処理が挙げられる。酸化処理は処理
温度が2000〜3100℃の範囲内で、処理時間が
0.01〜500時間の範囲内で行われる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、燃料エネルギー
等として利用される水素を吸蔵する水素吸蔵材料、その
製造方法及びその使用方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年の環境汚染問題や、化石燃料の枯渇
化等の問題により、燃焼後に二酸化炭素を排出する化石
燃料等の代わりに代替エネルギーが使用されるようにな
ってきている。この代替エネルギーとしては太陽光、風
力、地熱、海洋エネルギー、メタノール、水素等が使用
されている。
【0003】最近、これらの中でも、燃焼時に地球温暖
化の原因となる二酸化炭素を排出しないため環境汚染が
なく、また、強力で制御可能なエネルギーとして水素が
重要視されるようになってきている。水素エネルギーの
使用例としては、水素を用いた直接発電用の水素燃料電
池、メタノールを水素に改質して使用するメタノール燃
料電池、自動車の燃料、飛行機の燃料等が挙げられる。
【0004】ところが、水素を貯蔵するには、水素を圧
縮して圧縮水素にしたり、液体にして液体水素にしたり
しなければならない。圧縮水素とした場合には、圧縮水
素を高圧ガスボンベに貯蔵しなければならず、その高圧
ガスボンベが重いという難点があった。液体水素とした
場合には、水素を常に−252℃に冷却して保存しなけ
ればならず、貯蔵容器が大きくなるという難点があっ
た。
【0005】そこで、近年は、貯蔵状態が小さく、軽量
である水素吸蔵材料が開発されている。例えば、水素吸
蔵合金が挙げられ、水素吸蔵合金は水素を金属水素化物
として貯蔵するものである。ところが、水素吸蔵合金に
使用される金属の単位重量当たりの水素の吸蔵量が小さ
く、多量の水素を吸蔵させるとその重量が嵩む。また、
水素の吸蔵、放出を行う際は、水素吸蔵合金を高温、高
圧条件下に曝さなければならず、その繰り返しによる水
素吸蔵合金の劣化、さらには、使用される金属が希少金
属である場合にはその資源確保が必要となるとともに、
製造コストが上昇する等の問題がある。
【0006】このような背景の中で、軽量で多量の水素
を吸蔵することができるとともに、製造コストを低減で
きる水素吸蔵材料として、炭素が極めて微細な繊維状の
形態を有したカーボンナノファイバーが提案されてい
る。このカーボンナノファイバーは繊維径が10〜数1
00nm、長さが数μmのもので、エチレンや一酸化炭
素等を適切な条件下で熱分解すると、鉄やコバルト等の
金属触媒の結晶面から成長する。そして、得られたカー
ボンナノファイバーを使用して水素吸蔵試験を行うと、
試料1g当たり23.3リットルの水素が吸蔵される。
【0007】カーボンナノファイバーは金属触媒の結晶
面から成長する際、炭素が結晶化したグラファイト層を
形成しながら成長する。得られるカーボンナノファイバ
ーの組織は、複数のグラファイト層が、それらの層間に
隙間を有するとともに、カーボンナノファイバーの繊維
軸に対して垂直又は傾斜した状態になっている。その結
果、カーボンナノファイバーに水素を吸蔵させた場合、
グラファイト層間の隙間に水素が吸着される。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】ところが、カーボンナ
ノファイバーは金属触媒の結晶面から成長する際、炭素
が結晶化したグラファイト層を形成しながら成長する。
しかし、グラファイト層は炭素原子が結晶化して形成さ
れているため、水素吸蔵に対する活性が低くなってい
る。その結果、グラファイト層間の隙間に水素が入りに
くいとともに、一定量の水素を吸着すると、それ以上の
水素を吸着することができなくなり、少量の水素しか吸
蔵することができないという問題があった。
【0009】この発明は、このような従来技術に存在す
る問題点に着目してなされたものである。その目的とす
るところは、活性の高いグラファイト層を有し、多量の
水素を吸蔵することができる水素吸蔵材料、その製造方
法及びその使用方法を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに、請求項1に記載の発明の水素吸蔵材料は、非晶質
部分を有する炭素繊維の非晶質部分をグラファイト化し
て形成された複数のグラファイト層の端縁が炭素繊維の
表面に位置しているものである。
【0011】請求項2に記載の発明の水素吸蔵材料は、
請求項1に記載の発明において、前記グラファイト層は
炭素繊維の中心軸に対してそれぞれ一定の角度を有する
ように形成されているものである。
【0012】請求項3に記載の発明の水素吸蔵材料は、
請求項1又は請求項2に記載の発明において、前記角度
は0度より大きく90度以下であるものである。請求項
4に記載の発明の水素吸蔵材料は、請求項1〜3のいず
れかに記載の発明において、前記炭素繊維はコイル状に
形成されているものである。
【0013】請求項5に記載の発明の水素吸蔵材料の製
造方法は、非晶質部分を有する炭素繊維を加熱処理して
非晶質部分をグラファイト化するものである。請求項6
に記載の発明の水素吸蔵材料の製造方法は、請求項5に
記載の発明において、前記炭素繊維の成長の場である金
属触媒の各結晶面から析出した微細な非晶質の炭素粒よ
りなる析出面を加熱処理し、グラファイト化してグラフ
ァイト層を形成するものである。
【0014】請求項7に記載の発明の水素吸蔵材料の製
造方法は、請求項5又は請求項6に記載の水素吸蔵材料
を活性化処理するものである。請求項8に記載の発明の
水素吸蔵材料の製造方法は、請求項5〜7のいずれかに
記載の発明において、前記金属触媒はその結晶面に異方
性を有するものが使用されるものである。
【0015】請求項9に記載の発明の水素吸蔵材料の使
用方法は、前記請求項1〜4のいずれかに記載の水素吸
蔵材料へ電磁波を照射し、水素の吸蔵又は放出を行うも
のである。
【0016】
【発明の実施の形態】以下、この発明の実施形態を詳細
に説明する。水素吸蔵材料は、非晶質部分を有する炭素
繊維の非晶質部分を加熱処理してグラファイト化したも
の又はグラファイト化した後、さらに活性化処理を施し
たもので、炭素繊維によりコイル状に形成されている。
その繊維の直径が0.01〜5μm、コイルの直径が
0.1〜2000μm、コイルのピッチが0〜50μm
及びコイルの長さが1〜3000μmであり、右巻きの
二重螺旋構造を有するものと、左巻きの二重螺旋構造を
有するものとを含有している。
【0017】水素吸蔵量を増加させるために、繊維の直
径は0.05〜1.0μmが好ましく、0.1〜0.5
μmがより好ましい。そして、0.2〜0.5μmが最
も好ましい。コイルの直径は0.1〜50μmが好まし
く、0.1〜20μmがより好ましい。そして、0.2
〜10μmが最も好ましい。
【0018】コイルのピッチは0.1〜10μmが好ま
しく、0.2〜2μmがより好ましい。そして、0.2
〜0.5μmが最も好ましい。また、コイルの長さは1
〜1000μmが好ましく、1〜100μmがより好ま
しい。そして、1〜20μmが最も好ましい。
【0019】水素吸蔵材料の組織構造は、非晶質の炭素
粒が結晶化(グラファイト化)して形成された複数のグ
ラファイト層が魚の骨のように、それらの間に隙間を有
するとともに、炭素繊維の中心軸つまり軸線方向に対し
てそれぞれが0度より大きく90度以下の角度で積層し
ている。これらのなかでも炭素繊維の中心軸に対してグ
ラファイト層が約45度の角度で積層したヘリングボー
ン構造を有するものが好ましい。
【0020】水素吸蔵材料において、水素吸蔵量を増加
させるために、非晶質の炭素粒のグラファイト化の度合
いは、炭素粒全体に対して5〜100%の炭素粒がグラ
ファイト化しているが好ましく、50〜100%の炭素
粒がグラファイト化しているのがより好ましい。また、
75〜100%の炭素粒がグラファイト化しているのが
特に好ましく、100%の炭素粒がグラファイト化して
いるのが最も好ましい。
【0021】グラファイト化により得られる水素吸蔵材
料は、隣接するグラファイト層の端縁間は炭素により形
成されるキャップにより閉鎖されている。そして、グラ
ファイト化した後、活性化処理を施すことによりそのキ
ャップを除去することができる。その結果、活性化処理
を施して得られる水素吸蔵材料は複数のグラファイト層
の端縁が水素吸蔵材料の表面に位置し、それらの端縁の
間に微小な孔隙(ナノポアー)が存在するようになって
いる。
【0022】非晶質の炭素繊維は、炭素粒がランダムに
析出して配置されているため、水素を吸蔵させたとき、
水素は炭素粒と炭素粒との間にしか入り込むことができ
ない。それに対し、グラファイト化を行うと、炭素粒が
規則正しく配列してグラファイト層が形成される。その
ため、非晶質の場合よりも水素が入り込むことができる
空間が大きくなり、水素吸蔵量を増加させることができ
る。
【0023】グラファイト層の層間距離は、水素がグラ
ファイト層間に入り込むことができるように水素の動的
半径r=2.89オングストローム(Å)より大きくな
るように設定される。そして、水素が効率良くグラファ
イト層間に入り込むことができるようにグラファイト層
の層間距離d=3.35〜6.7Åの範囲内になるのが
好ましく、d=3.35〜3.89Åの範囲内になるの
が特に好ましい。また、d=3.35Åが最も好まし
い。
【0024】グラファイト層幅は30〜500Åとなっ
ている。グラファイト層間の結合力は弱くなっている。
そのため、ナノポアーからグラファイト層間に水素分子
を容易に取り込むことができ、また、吸蔵された水素分
子の吸着表面での表面拡散律速とならず、水素分子の吸
蔵、放出に最適な構造となっている。
【0025】また、ナノポアー内での吸着分子とグラフ
ァイト層又は吸着分子同士が強い相互作用を有する結
果、相転移が生じ、引き続きグラファイト層内で水素分
子が毛管凝縮を起こし、同時にグラファイト層の間隔が
拡がることにより多分子吸着が起こると考えられる。
【0026】まず、非晶質のコイル状の炭素繊維につい
て説明する。非晶質のコイル状炭素繊維は、触媒活性化
CVD(化学気相成長)法等により得ることができる。
例えば、横型熱化学気相合成装置内に金属触媒を担持さ
せた基材を配置し、周期律表の第15族又は第16族の
化合物よりなる触媒ガス、水素ガス及びシールガスを注
入し、さらに、熱分解して炭素を生成する原料ガスを注
入して所定温度で加熱分解したとき、金属触媒の結晶面
から成長するものである。
【0027】水素吸蔵材料が成長する場所としての基材
を構成する基板は、グラファイト又はニッケルの焼結体
により四角板状に形成されている。この基板の表面に
は、金属粉末よりなる触媒が塗布されることにより担持
されている。
【0028】前記金属触媒は、遷移金属の酸化物、炭化
物、硫化物、リン化物、炭酸化物及び炭硫化物から選択
される少なくとも一種の化合物であり、好ましくは、ニ
ッケル、チタン、タングステン等の金属又はそれらの酸
素との固溶体、酸化物、炭化物、硫化物、リン化物、炭
酸化物又は炭硫化物である。金属触媒の形態は、粉末、
金属板、粉末の焼結板のいずれでも良く、好ましくは平
均粒径が5μm程度の微粉末又は焼結板である。
【0029】また、コイル状炭素繊維のコイル径、コイ
ルピッチ及びコイル長さは、金属触媒の各結晶面での触
媒活性の異方性や粒径に依存している。そのため、静電
場の電圧や水素ガス等により各結晶面での触媒活性の異
方性が変化すると、コイル径、コイルピッチ及びコイル
長さも変化する。例えば、金属触媒の粒径が小さくなる
とコイル径は小さくなる。微粉末金属触媒の場合は、基
板上へ散布又は塗布しても良い。これらの金属触媒は、
あらかじめ固溶体或いは化合物となったもののほか、金
属粉末或いは板材を反応前に所定条件で酸化、炭化、リ
ン化、炭酸化及び炭硫化処理して得られたものでも使用
される。
【0030】前記原料ガスは、熱分解して炭素を生成す
るアセチレン、メタン、プロパン等の炭素元素を含むガ
ス又は一酸化炭素ガスが使用される。炭素繊維をコイル
状に形成するために各結晶面での触媒活性の異方性から
アセチレンが好ましい。
【0031】触媒ガスは、周期律表の第15族及び第1
6族元素を含むガスで、硫黄、チオフェン、メチルメル
カプタン、硫化水素等の硫黄原子を含む化合物又は、リ
ン、3塩化リン等のリン原子を含む化合物が使用され
る。これらのうち、コイル状炭素繊維の収率を向上させ
ることができるという点から、好ましくはチオフェン又
は硫化水素である。
【0032】なお、コイル状炭素繊維の製造時に、反応
系に静電場を印加しても良い。静電場は、静電場発生装
置により発生する無変動静電場又は変動静電場である。
そして、無変動または変動静電場を基板に形成すること
により、基板がマイナス又はマイナスとプラスの交互に
帯電するとともに、原料ガスの熱分解を促進させること
ができる。
【0033】さらに、熱分解によりイオン化され、プラ
スの電荷を帯びた反応種が基板上の金属触媒に効率良く
誘導されるとともに、反応種の分子運動が活性化され、
炭素繊維の成長が促進される。従って、その反応速度を
向上させることができるとともに、収率を向上させるこ
とができる。また、金属触媒の結晶面での異方性を大き
くすることにより、コイル径の小さいコイル状炭素繊維
が得られ、異方性を小さくすることにより、コイル径の
大きいコイル状炭素繊維が得られる。このため、コイル
状炭素繊維のコイル径の大きさを制御することができ
る。
【0034】前記シールガスは窒素ガス、ヘリウムガス
等の化学的に不活性で、系の物質と反応しない不活性ガ
ス又は水素ガスが使用される。シールガスが横型熱化学
気相合成装置内に注入されると、酸素ガス等により余分
な、あるいは有害な影響が反応系に加えられるのを防止
できるようになっている。
【0035】加熱温度は、600〜950℃の範囲内に
設定されるのが好ましく、コイル状炭素繊維の収率の向
上の観点から700〜850℃の範囲内に設定されるの
がさらに好ましい。
【0036】コイル状炭素繊維の製造時には、ニッケ
ル、炭素、水素、少量の硫黄又はリン及び微量の酸素の
5元系からなる反応の場において、ニッケルによりアセ
チレンが接触的な触媒作用により熱分解され、炭化ニッ
ケルの単結晶{炭化ニッケル(Ni3C)に少量の硫黄
原子(S)と微量の酸素原子(O)が含まれるもの}が
形成される。
【0037】さらに、炭化ニッケル単結晶がニッケルと
炭素に分解され、各結晶面において粒内及び粒界拡散が
生じ、基板上に非晶質の炭素粒よりなる炭素繊維が形成
される。この際、触媒は、ほとんど六面体状をなしてい
るため、その触媒粒の一つの頂点、つまり、三つの結晶
面で囲まれた三角錐の頂点は、炭素繊維の中心軸方向を
向いている。そのため、各結晶面から析出する炭素粒
は、結晶面に沿った方向に析出するとともに、炭素繊維
の中心軸に対して所定角度を有するように配列する。
【0038】この場合、ニッケル各結晶面での触媒活性
の異方性より、触媒活性の大きい結晶面から成長した炭
素繊維は成長が大きく、触媒活性の小さい結晶面から成
長した炭素繊維の外側になるようにカールしながら成長
する。このとき、2つの炭素繊維はコイルを形成しなが
ら成長する。その結果、へリングボーン構造のコイル状
炭素繊維を得ることができるとともに、そのほとんどが
非晶質の炭素粒により形成されている。
【0039】次に、コイル状炭素繊維を使用した水素吸
蔵材料の製造方法を説明する。まず、上記コイル状炭素
繊維の非晶質部分をグラファイト化する。コイル状炭素
繊維を製造した横型熱化学気相合成装置内を所定の雰囲
気下に調整し、コイル状炭素繊維を1500〜3500
℃の温度範囲内で0.01〜1000時間高温熱処理を
行うことにより、コイル状炭素繊維の非晶質部分が全て
グラファイト化されるとともに、グラファイト層が形成
され、水素吸蔵材料を得ることができる。
【0040】つまり、コイル状炭素繊維の成長時に、各
結晶面に沿った方向に析出するとともに、炭素繊維の中
心軸に対して所定角度を有するように配列して析出した
全ての炭素粒が、高温熱処理により規則正しく配列して
グラファイト化し、複数のグラファイト層が積層して形
成される。このとき、隣接するグラファイト層の端縁同
士間に構成されるナノポアーは炭素により形成されるキ
ャップにより閉鎖されている。
【0041】処理雰囲気を形成するために、横型熱化学
気相合成装置内に混合されるガスとしては一酸化炭素と
二酸化炭素を混合したガス(CO+CO2)、アルゴン
(Ar)、ヘリウム(He)及び窒素ガス(N2)から
選ばれる少なくとも1種が使用される。
【0042】コイル状炭素繊維の非晶質部分を効率良く
グラファイト化するために、処理温度は2000〜31
00℃が好ましく、2500〜3100℃がより好まし
い。さらに、2800〜3000℃で処理するのが最も
好ましい。処理時間は0.01〜500時間が好まし
く、0.5〜100時間がより好ましい。さらに、1〜
10時間で処理するのが最も好ましい。その結果、非晶
質部分が全てグラファイト化される。
【0043】続いて、隣接するグラファイト層の端縁同
士間を閉鎖するキャップを除去するために、グラファイ
ト層の活性化処理を行う。まず、上記方法により非晶質
部分が全てグラファイト化されたヘリングボーン型のコ
イル状炭素繊維を横型熱化学気相合成装置内に配置され
た円筒形のカプセル内に収容する。そして、そのカプセ
ルを回転させながらコイル状炭素繊維の活性化処理を行
う。活性化処理としては酸化処理又は水素処理が挙げら
れ、酸化処理としては気相高温酸化又は液相酸化が採用
される。
【0044】気相高温酸化は、横型熱化学気相合成装置
内に空気、水蒸気、酸素ガス、一酸化窒素ガス、二酸化
窒素ガスから選ばれる少なくとも1種を注入し、その反
応系を高温熱処理する処理方法である。液相酸化は別体
の反応容器内にコイル状炭素繊維を収容するとともに、
硝酸、過酸化水素等を注入し放置する。すると、コイル
状炭素繊維のキャップを構成する炭素が酸化して除去さ
れる。
【0045】気相高温酸化の場合、横型熱化学気相合成
装置内には一酸化炭素と二酸化炭素を混合したガス(C
O+CO2)、アルゴン(Ar)、ヘリウム(He)及
び窒素ガス(N2)から選ばれる少なくとも1種が注入
される。キャップを効率良く除去するために、処理時間
は2000〜3100℃が好ましく、2500〜310
0℃がより好ましい。さらに、2800〜3000℃で
処理するのが最も好ましい。処理時間は0.01〜50
0時間が好ましく、0.5〜100時間がより好まし
い。さらに、1〜10時間で処理するのが最も好まし
い。
【0046】水素処理はコイル状炭素繊維を収容した別
体の反応容器又は横型熱化学気相合成装置内に水素ガス
を注入することにより、キャップを構成する炭素と水素
が反応してメタン(CH4)を生成して、キャップが除
去される。キャップを効率良く除去するために、処理温
度は500〜3000℃が好ましく、800〜3000
℃がより好ましい。さらに、1200〜3000℃で処
理するのが最も好ましい。処理時間は0.01〜500
時間が好ましく、0.5〜100時間がより好ましい。
さらに、1〜10時間で処理するのが最も好ましい。
【0047】上記方法により活性化処理を施すと、隣接
するグラファイト層間を閉鎖するキャップが除去され
る。その結果、コイル状炭素繊維の表面にグラファイト
層の端縁が露出するとともに、ナノポアーが開放され
る。従って、ナノポアーからグラファイト層間に水素を
より効率良く吸蔵することができる水素吸蔵材料を得る
ことができる。また、グラファイト層は非晶質の炭素粒
を高温熱処理してグラファイト化することにより得られ
るため、はじめからグラファイト化している場合と比較
して、グラファイト層の水素吸蔵に対する活性が高くな
っている。従って、多量の水素を吸蔵することができ
る。
【0048】上記方法により得られた水素吸蔵材料は、
コイル状をなすとともに、非晶質部分が全てグラファイ
ト化た複数のグラファイト層が、隣接するグラファイト
層間に隙間を有する。また、各グラファイト層は、繊維
の中心軸に対して一定の角度を有するように配列したヘ
リングボーン構造を有している。そのため、水素吸蔵材
料に電磁波を照射することにより、水素の吸蔵又は放出
を制御することができる。従って、従来の水素吸蔵合金
のように高温、高圧処理を行う場合と比較して、水素の
吸蔵、放出作業を容易に行うことができる。
【0049】前記の実施形態によって発揮される効果に
ついて、以下に記載する。 ・ 非晶質部分を有するコイル状炭素繊維の非晶質部分
を全てグラファイト化して得られる水素吸蔵材料は全て
グラファイト層により形成されている。そのため、最初
からグラファイト化したグラファイト層を有する水素吸
蔵材料と比較してグラファイト層の水素吸蔵に対する活
性が高く、多量の水素を吸蔵することができる。
【0050】・ 各グラファイト層は水素吸蔵材料の中
心軸に対して、0度より大きく90度以下の範囲内で一
定の角度を有するようにそれぞれ形成されている。その
ため、隣接するグラファイト層間に隙間を形成すること
ができるとともに、グラファイト層の端縁間にナノポア
ーを形成することができる。その結果、ナノポアーから
隙間に水素を吸蔵することができる。
【0051】・ 水素吸蔵材料はほとんど非晶質なコイ
ル状炭素繊維から得られ、そのコイル状炭素繊維は容易
かつ大量に製造することができるため、水素吸蔵材料も
容易かつ大量に製造することができる。
【0052】・ コイル状炭素繊維を高温熱処理するこ
とにより、ランダムに析出した炭素粒がグラファイト化
し、グラファイト層が形成される。その結果、非晶質の
場合と比較して炭素繊維内に水素を吸蔵することができ
る空間を大きくすることができる。従って、水素吸蔵量
を増加させることができる。
【0053】・ グラファイト化により得られる水素吸
蔵材料を活性化処理することにより、隣接するグラファ
イト層の端縁間を閉鎖するキャップを除去し、ナノポア
ーを開放することができる。従って、ナノポアーからグ
ラファイト層間に水素を入り込み易くすることができ
る。
【0054】・ 炭素繊維は結晶面に触媒活性に異方性
を有する触媒から成長する。そのため、触媒活性の大き
さの違いにより炭素繊維をコイル状に成長させることが
でき、水素吸蔵材料もコイル状に製造することができ
る。そのため、グラファイト層が水素吸蔵材料の中心軸
に対して一定の角度を有するように形成させることがで
きる。
【0055】・ 水素吸蔵材料はコイル状に形成されて
いるため、電磁波を照射することにより水素の吸蔵又は
放出を制御することができる。従って、従来の水素吸蔵
合金のように高温、高圧処理を行う場合と比較して、水
素の吸蔵又は放出作業を容易に行うことができる。
【0056】・ 非晶質のコイル状炭素繊維をグラファ
イト化するための処理温度は2000〜3100℃に設
定され、処理時間は0.01〜500時間に設定されて
いる。そのため、コイル状炭素繊維の非晶質部分を効率
良くグラファイト化することができる。
【0057】・ コイル状炭素繊維をグラファイト化し
て得られる水素吸蔵材料を活性化するために、酸化処理
としては気相高温酸化又は液相酸化若しくは水素処理が
行われる。気相高温酸化の場合、処理時間は2000〜
3100℃に設定され、処理時間は0.01〜500時
間に設定される。水素処理の場合は処理温度は500〜
3000℃に設定され、処理時間は0.01〜500時
間に設定される。従って、隣接するグラファイト層の端
縁間を閉鎖するキャップを効率良く除去して、ナノポア
ーを開放することができる。
【0058】
【実施例】以下、実施例及び比較例を挙げ、前記実施形
態をさらに具体的に説明する。 (実施例1〜実施例6)実施例1〜実施例6では、活性
化処理として酸化処理を行い、その酸化温度及び酸化時
間を変更して水素吸蔵材料を製造し、キャップの除去状
況を測定した。
【0059】実施例1において、まず、コイル状炭素繊
維を製造する。半径60mm、長さ1000mmの透明
石英管からなる横型熱化学気相合成装置の中央部に平均
粒径5μmのニッケル粉末を塗布した基板をセットし
た。そして、横型熱化学気相合成装置の中央上部の流入
口からアセチレン、チオフェン及び水素ガスを流入さ
せ、横型熱化学気相合成装置の両側端の注入口からシー
ルガスとして窒素ガスを導入した。そして、750℃で
2時間反応を行った。反応中基板に5000Vの静電圧
を印加した。
【0060】その結果、ほとんど非晶質な炭素粒により
形成されたコイル状炭素繊維が得られた。そして、その
コイル状炭素繊維を高温熱処理する。前記横型熱化学気
相合成装置内をアルゴン雰囲気とし、2000〜280
0℃で1時間熱処理した。その結果、非晶質部分が全て
グラファイト化した。炭素繊維のコイル状は完全に保持
されていた。
【0061】次に、グラファイト化により得られた水素
吸蔵材料を約0.5g採取し、それを横型熱化学気相合
成装置内に配置されたカプセルに入れ、毎秒1〜2回、
回転させながら、800℃で15分間空気酸化を行い、
水素吸蔵材料を製造した。そして、そのキャップの除去
状況を測定した。なお、実施例2〜実施例6ではグラフ
ァイト化までは実施例1と同様の方法で水素吸蔵材料を
製造し、酸化温度及び酸化時間を変更して水素吸蔵材料
を製造し、それらのキャップの除去状況を測定した。そ
の結果を表1に示す。
【0062】
【表1】 表1に示すように、キャップが除去された水素吸蔵材料
を得ることができた。このとき、酸化温度を1000℃
で、15分間処理することにより、キャップを完全に除
去することができることが示された。
【0063】(実施例7〜実施例10及び比較例1)実
施例7と実施例8では、グラファイト化により得られる
水素吸蔵材料を使用して、その水素吸蔵量を測定し、実
施例9と実施例10では、空気酸化処理を施した水素吸
蔵材料を使用して、その水素吸蔵量を測定した。なお、
実施例7ではコイル状炭素繊維を2500℃で10時間
高温熱処理を行い、実施例8ではコイル状炭素繊維を3
000℃で10時間高温熱処理を行ってグラファイト化
した。
【0064】実施例9ではグラファイト化により得られ
た水素吸蔵材料を800℃で10分間酸化処理を行い、
実施例10ではグラファイト化により得られた水素吸蔵
材料を1000℃で10分間酸化処理を行った。比較例
1ではグラファイト化する前の非晶質のコイル状炭素繊
維を使用して、その水素吸蔵量を測定した。水素吸蔵量
の単位は[リットル(NTP)−H2/g]で表し、標準温
度、標準圧力における水素1g当たりの水素吸蔵量を示
した。以下の実施例及び比較例において、水素吸蔵量の
単位も同様に示す。
【0065】水素吸蔵量の測定は、まず、サンプル約
0.5gを容量20mlの耐圧容器内に収容し、10〜
3Torrの圧力下で200℃まで耐圧容器内を昇温さ
せ、10時間保持してサンプルを乾燥させた。その後、
水素貯蔵タンクから耐圧容器内へ水素を導入する。そし
て、耐圧容器内の初期水素圧力120気圧からの水素圧
力の減少量を測定して水素吸蔵量を算出した。その結果
を表2に示す。
【0066】
【表2】 表2に示すように、グラファイト化により得られる水素
吸蔵材料と比較して、酸化処理を施して得られる水素吸
蔵材料の方が多量の水素を吸蔵することができることが
示された。また、酸化処理温度は800℃で行うより1
000℃で行う方が好ましいことが示された。
【0067】(実施例11〜実施例14)実施例11〜
実施例14では、実施例10で使用された水素吸蔵材料
を使用し、耐圧容器内の反応温度を25℃に設定し、耐
圧容器内の初期水素圧力を変化させて10時間後の水素
吸蔵量を測定した。その結果を表3に示す。
【0068】
【表3】 表3に示すように、初期水素圧力が高ければ高いほど、
水素吸蔵量が増加することが示された。
【0069】(実施例15〜実施例19)実施例15〜
実施例19では、実施例10で使用された水素吸蔵材料
を使用し、耐圧容器内の初期水素圧力を120気圧に設
定し、水素吸蔵時における温度を変化させて10時間後
の水素吸蔵量を測定した。その結果を表4に示す。
【0070】
【表4】 表4に示すように、水素吸蔵時の温度が200℃のと
き、水素吸蔵量が最も多くなることが示された。
【0071】(実施例20〜実施例24)実施例20〜
実施例24では、実施例10で使用された水素吸蔵材料
を使用し、耐圧容器内の初期水素圧力を30気圧、反応
温度を25℃に設定し、電磁波の周波数を変更して照射
し、さらに吸蔵させる時間を変化させてその水素吸蔵量
を測定した。その結果を表5に示す。
【0072】
【表5】 表5に示すように、電磁波の周波数が1000kHzの
とき、水素吸蔵量が最も多くなることが示された。ま
た、吸蔵させる時間が長いほど多量の水素を吸蔵するこ
とが示された。従って、電磁波の周波数とその照射時間
を制御することにより、水素吸蔵量を制御することがで
きると考えられる。また、同様に水素の放出量も制御す
ることができると考えられる。
【0073】なお、本実施形態は、次のように変更して
具体化することも可能である。 ・ 非晶質部分を有するコイル状炭素繊維の非晶質部分
をグラファイト化して得られる水素吸蔵材料を使用して
水素吸蔵を行っても良い。このように構成した場合も、
水素吸蔵合金等と比較して水素吸蔵量を増加させること
ができる。
【0074】・ 直線状、枝分かれ状、ねじれ状、スパ
イラル状、ヘリカル状、リボン状等をなし、非晶質部分
を有する炭素繊維の非晶質部分をグラファイト化して又
はグラファイト化さらに活性化処理して水素吸蔵材料を
製造しても良い。このように構成した場合も、水素吸蔵
合金等と比較して水素吸蔵量を増加させることができ
る。
【0075】・ 非晶質な炭素粒及びグラファイト層を
含む炭素繊維をグラファイト化して又はグラファイト化
さらに活性化処理して水素吸蔵材料を製造しても良い。
このように構成した場合も、水素吸蔵合金等と比較して
水素吸蔵量を増加させることができる。
【0076】さらに、前記実施形態より把握できる技術
的思想について以下に記載する。 (1) 前記非晶質部分を有する炭素繊維の非晶質部分
をグラファイト化するための加熱処理は、処理温度が1
500〜3500℃の範囲内で行われ、処理時間は0.
01〜1000時間の範囲内で行われる請求項5〜8の
いずれかに記載の水素吸蔵材料の製造方法。
【0077】このように構成した場合、非晶質部分を有
する炭素繊維の非晶質部分を効率良くグラファイト化す
ることができる。 (2) 前記活性化処理は酸化処理又は水素処理により
行われ、酸化処理は液相酸化又は気相高温酸化により行
われる請求項7に記載の水素吸蔵材料の製造方法。
【0078】このように構成した場合、隣接するグラフ
ァイト層の端縁間を閉鎖する炭素を除去することがで
き、水素を容易に吸蔵させることができる。 (3) 前記気相高温酸化は処理温度が2000〜31
00℃の範囲内で行われ、処理時間は0.01〜500
時間の範囲内で行われ、水素処理は処理温度が500〜
3000℃の範囲内で行われ、処理時間は0.01〜5
00時間の範囲内で行われる前記(2)に記載の水素吸
蔵材料の製造方法。
【0079】このように構成した場合、隣接するグラフ
ァイト層の端縁間を閉鎖する炭素を効率良く除去するこ
とができる。
【0080】
【発明の効果】以上詳述したように、この発明によれ
ば、次のような効果を奏する。請求項1に記載の発明の
水素吸蔵材料によれば、活性の高いグラファイト層を有
し、多量の水素を吸蔵することができる。
【0081】請求項2に記載の発明の水素吸蔵材料によ
れば、請求項1に記載の発明の効果に加えて、隣接する
グラファイト層間に隙間が形成されるため、非晶質部分
を有する炭素繊維と比較して水素吸蔵量を増加させるこ
とができる。
【0082】請求項3に記載の発明の水素吸蔵材料によ
れば、請求項1又は請求項2に記載の発明の効果に加え
て、隣接するグラファイト層間に隙間が形成されるた
め、非晶質部分を有する炭素繊維と比較して水素吸蔵量
を増加させることができる。
【0083】請求項4に記載の発明の水素吸蔵材料によ
れば、請求項1〜請求項3のいずれかに記載の発明の効
果に加えて、水素吸蔵材料を大量かつ容易に製造するこ
とができる。
【0084】請求項5に記載の発明の水素吸蔵材料の製
造方法によれば、活性の高いグラファイト層を有し、多
量の水素を吸蔵することができる水素吸蔵材料を容易に
製造することができる。
【0085】請求項6に記載の発明の水素吸蔵材料の製
造方法によれば、請求項5に記載の発明の効果に加え
て、非晶質部分を有する炭素繊維を効率良くグラファイ
ト化することができる。
【0086】請求項7に記載の発明の水素吸蔵材料の製
造方法によれば、請求項5又は請求項6に記載の発明の
効果に加えて、隣接するグラファイト層の端縁間を閉鎖
する炭素を効率良く除去することができ、水素を容易に
吸蔵させることができる。
【0087】請求項8に記載の発明の水素吸蔵材料の製
造方法によれば、請求項5〜7のいずれかに記載の発明
の効果に加えて、コイル状をなす炭素繊維を効率良く製
造することができるため、コイル状をなす水素吸蔵材料
を効率良く製造することができる。
【0088】請求項9に記載の発明の水素吸蔵材料の使
用方法によれば、水素の吸蔵又は放出を容易に行うこと
ができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 岩永 浩 長崎市三川町924−6 (72)発明者 大島 久純 愛知県刈谷市昭和町1丁目1番地 株式会 社デンソー内 Fターム(参考) 4G040 AA01 AA02 AA33 AA36 4L037 AT01 CS03 CS04 FA03 FA05 PA06 PA07 PA12 PA28 PG04 UA20 5H027 AA02 BA13

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 非晶質部分を有する炭素繊維の非晶質部
    分をグラファイト化して形成された複数のグラファイト
    層の端縁が炭素繊維の表面に位置している水素吸蔵材
    料。
  2. 【請求項2】 前記グラファイト層は炭素繊維の中心軸
    に対してそれぞれ一定の角度を有するように形成されて
    いる請求項1に記載の水素吸蔵材料。
  3. 【請求項3】 前記角度は0度より大きく90度以下で
    ある請求項1又は請求項2に記載の水素吸蔵材料。
  4. 【請求項4】 前記炭素繊維はコイル状に形成されてい
    る請求項1〜3のいずれかに記載の水素吸蔵材料。
  5. 【請求項5】 非晶質部分を有する炭素繊維を加熱処理
    して非晶質部分をグラファイト化する水素吸蔵材料の製
    造方法。
  6. 【請求項6】 前記炭素繊維の成長の場である金属触媒
    の各結晶面から析出した微細な非晶質の炭素粒よりなる
    析出面を加熱処理し、グラファイト化してグラファイト
    層を形成する請求項5に記載の水素吸蔵材料の製造方
    法。
  7. 【請求項7】 請求項5又は請求項6に記載の水素吸蔵
    材料を活性化処理する水素吸蔵材料の製造方法。
  8. 【請求項8】 前記金属触媒はその結晶面に異方性を有
    するものが使用される請求項5〜7のいずれかに記載の
    水素吸蔵材料の製造方法。
  9. 【請求項9】 前記請求項1〜4のいずれかに記載の水
    素吸蔵材料へ電磁波を照射し、水素の吸蔵又は放出を行
    う水素吸蔵材料の使用方法。
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