JP2000263125A - 耐孔食銅又は銅合金管 - Google Patents

耐孔食銅又は銅合金管

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JP2000263125A
JP2000263125A JP11064071A JP6407199A JP2000263125A JP 2000263125 A JP2000263125 A JP 2000263125A JP 11064071 A JP11064071 A JP 11064071A JP 6407199 A JP6407199 A JP 6407199A JP 2000263125 A JP2000263125 A JP 2000263125A
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alcohol
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Akinori Tsuchiya
昭則 土屋
Chikara Saeki
主税 佐伯
Kozo Saeki
公三 佐伯
Tsuyoki Otsuka
剛樹 大塚
Tetsuo Hosoki
哲郎 細木
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Kobe Steel Ltd
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Kobe Steel Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 大型設備の導入間又は抽伸工程の変更が不要
であると共に、ランニングコストが低く、銅管内の残留
炭素による腐食トラブルを未然に防止することができる
低炭素付着量の耐孔食銅又は銅合金管を提供する。 【解決手段】 抽伸工程の1部又は全工程において、4
0℃における動粘度が150以上10000cSt未満
であって、赤外全反射吸収法による赤外線吸収光度を
[I]とするとき、−(CH2)n−基に基づく波数が
740cm-1における[I]が0.00119未満であ
るポリブテンを含有する潤滑油を使用して抽伸加工し、
誘導加熱により連続焼鈍した後に管内に残留している炭
素量が0.05mg/dm2以下である。更に、潤滑油
は炭素数が6乃至13のアルコールを30%未満添加さ
れ、このアルコールは、オクチルアルコール及びノニル
アルコールからなる群から選択された少なくとも1種以
上のアルコールである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、耐孔食銅又は銅合
金管に関し、特に、給水配管、給湯配管及び伝熱媒体と
して、管内に水を通す熱交換器用伝熱管に使用される銅
及び銅合金の製造時に、管内に通水する水により発生す
る孔食に対して、銅又は銅合金管の孔食感受性に悪影響
を及ぼす炭素量を低減し、孔食感受性の低下させた耐孔
食銅又は銅合金管に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、給水配管、給湯配管、伝熱媒体と
して管内に水を通す熱交換器用伝熱管及び管内にフロン
を冷媒とした空気熱交換器用伝熱管として、加工性、伝
熱性、施工性及び耐食性の観点から銅又は銅合金管(以
下、銅又は銅合金管を総称して銅管という。)が使用さ
れている。
【0003】しかし、銅管内には、抽伸加工時に使用し
た内面潤滑油が付着しており、この潤滑油が銅管の焼鈍
時の温度サイクル(加熱及び冷却サイクル)又は銅管内
の雰囲気ガス組成によっては、油分のまま残留したり、
炭化して皮膜状又は粒状の炭素として付着することが多
い。
【0004】上述の内面潤滑油が炭素として、銅管の管
内に付着した場合には、孔食を発生させる虞があり、短
期間で銅管を短期間でリークさせる事故が発生してい
た。この原因としては、管内の残留炭素皮膜が孔食感受
性に悪影響を及ぼすとされてきた。
【0005】一方、上述の潤滑油が油分のまま残留した
場合には、通水時に、耐食性に有効な管内の酸化被膜が
不均一に生成し、被膜欠陥部における耐食性が低下する
虞がある。
【0006】このため、管内に残留した炭素を低減又は
除去及び油分を除去する種々の方法が提案されている。
【0007】炭素皮膜の低減又は除去及び銅管の初期皮
膜の生成という観点から、緻密で厚い酸化膜を生成させ
る目的で、酸素を多く添加したガスを管内に連続的に吹
き込む方法(特公平1−15586号公報、特開平2−
61054号公報及びUKGB 204183)があ
る。
【0008】また、コイル状に巻かれた銅管において、
抽伸潤滑油の粘度を低下させ、更に酸素を多く添加した
ガスをコイル内に密封し、焼鈍する方法(特開平5−2
39677号公報)がある。
【0009】一方、油分の除去を目的とした方法として
は、コイル状に巻かれた銅管を焼鈍するときに、管加熱
時に、管内に不活性ガス又は還元性ガスを連続的に吹き
込むか、又は吸引することにより熱によりガス化した潤
滑油を管外に排出する方法(特開昭54−48618号
公報、特開昭54−48619号公報、特開昭54−4
8620号公報、特開平5−57263号公報、特開平
6−279860号公報等)等がある。
【0010】更に、焼鈍後にサンドブラスト等により機
械的に除去する方法がある。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】しかし、半硬質銅管製
造時等に使用される誘導加熱炉においては、秒単位の昇
温と急激な冷却により、コイル状銅管の焼鈍に比べ、管
内の油分及び炭素量が多いという問題点がある。
【0012】また、管内に残留した炭素の低減又は除去
及び油分の除去に関しては、上述の従来技術においては
以下に示す問題点を有する。
【0013】銅管内に酸化性のガスを熱処理中に通しな
がら、管内のガス化した潤滑油を完全燃焼させて、緻密
で厚い酸化膜を形成する方法(特公平1−15586号
公報、特開平2−61054号公報及びUK GB 2
04183)では、潤滑油を完全に除去することはでき
るが、緻密な厚い酸化膜を生成させると、内面の酸化皮
膜が厚くなる。ファンコイルユニット等の小型の空調機
器を製造する場合、管内部にマンドレルをいれ、ヘアピ
ン状に曲げ加工を施すので、内面酸化皮膜が厚いと、管
壁と工具との間の潤滑不良が生じ、銅管が破断する虞が
ある。また、ろう付け不良も生じやすくなる。更に、連
続的にガスを管内に供給しているため、ガス供給装置又
は吸引装置の設置が必要となり、設備投資が必要であ
り、ランニングコストがかかるという問題点がある。
【0014】また、低粘度の抽伸潤滑油を使用して銅管
を抽伸し、酸素混合ガスを管内にいれ密封し、焼鈍する
方法(特開平5−239677号公報)では、長尺管の
抽伸はブルブロックにより、10m/sec以上の高速
で抽伸加工がされており、製造コスト削減のために、よ
り高速で高加工率の抽伸加工程が検討されている。そこ
で、使用される抽伸内面油は比較的抽伸加工性を考慮し
て、粘度の高いものが選定されてきた。潤滑油の粘度と
分解気化温度の関係は、明確でないが、粘度を低下させ
ることにより、気化温度は低下する傾向にある。しか
し、粘度の低下により、抽伸時の工具の焼付きによる工
具寿命の低下が懸念される。このため、抽伸速度の低下
又は抽伸工程での抽伸加工率の低下等生産性に悪影響を
及ぼすという問題点がある。
【0015】特に、誘導加熱炉を使用する場合、急激な
昇温と、冷却工程であるため、従来から使用されている
内面油はポリブテン系のものでは、低粘度化を図って
も、熱分解による残留炭素量化の抑制又は低残油化を図
ることが難しいという問題点がある。
【0016】一方、油分の除去を目的として、コイル状
に巻かれた銅管を焼鈍するときに、管加熱時に、管内に
不活性ガス又は還元性ガスを連続的に吹き込むか、又は
吸引することにより熱によりガス化した潤滑油を管外に
排出する方法(特開昭54−48618号公報、特開昭
54−48619号公報、特開昭54−48620号公
報、特開平5−57263号公報、特開平6−2798
60号公報等)では、ガス供給装置等の設備が必要とな
り、多大な焼鈍炉改造費用が必要になると共に、銅管内
へ連続的にガスを供給するために、ランニングコストが
かかるという問題点がある。
【0017】更に、焼鈍後の炭素皮膜をサンドブラスト
等により機械的に除去する方法では、アルミナ等の微細
な粉末を高速及び高圧力で管内面に噴出させ、機械的に
除去を行っている。しかし、長尺コイルの処理を行うこ
とができないと共に、大型の設備が必要であるため、多
大な設備投資が必要になるという問題点がある。
【0018】本発明はかかる問題点に鑑みてなされたも
のであって、大型設備の導入間又は抽伸工程の変更が不
要であると共に、ランニングコストが低く、銅管内の残
留炭素による腐食トラブルを未然に防止することができ
る低炭素付着量の耐孔食銅又は銅合金管を提供すること
を目的とする。
【0019】
【課題を解決するための手段】本発明に係る耐孔食銅又
は銅合金管は、抽伸工程の1部又は全工程において、4
0℃における動粘度が150以上10000cSt未満
であって、赤外全反射吸収法による赤外線吸収光度を
[I]とするとき、−(CH2)n−基に基づく波数が
740cm-1における前記[I]が0.00119未満
であるポリブテンを含有する潤滑油を使用して抽伸加工
し、誘導加熱により連続焼鈍した後に管内に残留してい
る炭素量が0.05mg/dm2以下であることを特徴
とする。
【0020】本発明においては、前記潤滑油は炭素数が
6乃至13のアルコールを30%未満添加されているこ
とが好ましい。
【0021】また、本発明においては、前記アルコール
は、オクチルアルコール及びノニルアルコールからなる
群から選択された少なくとも1種以上のアルコールであ
ることが好ましい。
【0022】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施例に係る耐孔
食銅又は銅合金管について詳細に説明する。本願発明者
等は鋭意研究の結果、抽伸工程の1部又は全工程におい
て、40℃における動粘度が150以上10000cS
t未満であって、赤外全反射吸収法による赤外全反射吸
収光度を[I]とするとき、−(CH2)n−基に基づ
く波数が740cm-1における[I]が0.00119
未満であるポリブテンを70重量%以上含有する潤滑油
を使用して抽伸加工し、誘導加熱炉で焼鈍することによ
り管内に残留する炭素及び油分を低減することができる
ことを見出した。
【0023】また、ポリブテンの粘度調整剤としては、
脂肪酸エステル又はイソパラフィンを使用していたが、
これらを単体で熱分解した結果、通常の焼鈍条件におい
ては、十分に熱分解させることができない。更に、これ
らの成分は単体では蒸気圧が不足するため、焼鈍後には
管内で凝縮し残油として残存してしまう。このことか
ら、粘度調整剤としてパラフィン、イソパラフィン又は
オレフィン類の使用を試みたが、いずれも熱分解性が低
いので、管内残油の原因となることがわかった。従っ
て、ポリブテンの粘度調整剤として、石油系の溶剤を使
用することは困難である。これらの知見に基づいて潤滑
油に炭素数6乃至13のアルコールを30重量%未満添
加することにより、潤滑油の油性がより一層向上し、工
具の焼付き防止効果が更に高まることを見出した。な
お、この場合、焼鈍時の銅管の形態は、直管状又はコイ
ル状(数百m乃至数千m)では差が生じない。
【0024】以下、本発明に係る耐孔食銅又は銅合金管
の抽伸加工に使用される潤滑油の限定理由について説明
する。
【0025】ポリブテンを含有する潤滑油 ポリブテンは高速かつ高加工率で銅管を加工する場合、
粘度を上げやすいと共に、他の油剤と比較して、銅管内
に残渣を残しにくい。
【0026】ポリブテンの40℃における動粘度:15
0以上10000cSt未満 抽伸工程での1伸あたりの加工率(減面率)を20%以
上、抽伸速度を10m/sec以上としてブルブロックを
使用し、工具としてはダイスとフローティングプラグを
使用して抽伸加工をした場合、ポリブテン単体では、ポ
リブテンの40℃における動粘度が150cSt未満の
ときに、フローティングプラグ表面と管内面との焼付き
が著しく発生する。このため、最悪の場合には、フロー
ティングプラグと被抽伸材との間の摩擦抵抗が増加し、
抽伸破断を引き起こすことがあり、製造歩留が低下す
る。一方、ポリブテンの40℃における動粘度を100
00cSt以上にすると、管内面に付着する油膜が厚く
なり、焼鈍後に残留する炭素量が増加する。従って、ポ
リブテンの40℃における動粘度は150以上1000
0cSt未満とする。
【0027】波数が740cm-1 におけるポリブテンの
赤外線吸収光度[I]:0.0019未満 本発明においては、潤滑油の原材料として使用するポリ
ブテンの熱分解性を高くするため、分子構造中のn−ブ
テンの比率を低くする。ポリブテン中のn−ブテン比率
は赤外全反射吸収測定法を使用して赤外線吸収光度を測
定することにより、判断することができる。即ち、n−
ブテンを原料とするポリブテンは分子構造中に−(CH
2)n−基に由来する波数が740cm-1におけるポリ
ブテンの赤外線吸収光度が大きい値であるほど、ポリブ
テン中のn−ブテンの量が多いことを示している。
【0028】波数が740cm-1におけるポリブテンの
赤外線吸収光度が0.0019以上であると、ポリブテ
ン分子中のn−ブテンが多いものとなり、主鎖と主鎖に
隣接する炭素原子との間の結合エネルギが高くなる。そ
の結果、ポリブテンの熱分解性が低下し、管内の残油の
原因となる。従って、波数が740cm-1におけるポリ
ブテンの赤外線吸収光度は0.0019未満とする。
【0029】ポリブテン中のn−ブテン比率を規定する
ために波数が740cm-1における赤外線吸収光度は、
試料として結晶長さが70cm、結晶厚さが3mmのZ
eSe製の液体測定用結晶を使用し、水平状全反射吸収
測定装置にMCT検出器を備えた日本電子(株)製FT
−IRを使用して、入射角が60°、分解能が4cm -1
で、積算回数が1000回の条件で測定する。この条件
では、反射回数が6から7回に相当する赤外線スペクト
ルを得ることができるため、波数が740cm -1におけ
るポリブテンの赤外線吸収光度を波数が734cm-1
至743cm-1に現われる−(CH2)n−基の反射1
回当たりの赤外吸収強度の絶対値として求めることがで
きる。
【0030】なお、−(CH2)n−基に基づく、赤外
線吸収光度のピークは740cm-1に現われるが、この
ピークが現われる位置は場合により、わずかにずれるこ
とがある。このため、本発明においては、波数が734
cm-1乃至743cm-1の範囲に現われる最も高いピー
クの高さを赤外線吸収光度としている。また、得られた
赤外スペクトルから赤外線吸収光度を求めるには、波数
が800cm-1乃至810cm-1の範囲に生じるスペク
トルの谷と、波数が680cm-1との間に引いた線をベ
ースラインとする。
【0031】アルコールの炭素数:6乃至13 アルコールの炭素数が6未満であると、油性効果がな
く、単にベース油の粘度を低下させるだけに過ぎない。
また、潤滑油の引火点を低下させてしまう。一方、アル
コールの炭素数が13を超えると、常温においても固形
化しやすくなり、低音で粘度が変わり取り扱いにくくな
る。従って、油性及び粘度を調整する調整剤のアルコー
ルの炭素数は6乃至13とする。このようなアルコール
のうち、炭素数が8のオクチルアルコール及び炭素数が
9のノニルアルコールが安全性、粘度調整及び油性の観
点から最適である。
【0032】銅又は銅合金管内の残留炭素量:0.05
mg/dm2 以下 銅又は銅合金管の冷水型孔食(TypeI型)の発生要
因の1つとして、管内の残留炭素がある。この管内の残
留炭素量を0.05mg/dm2以下にする。これによ
り、孔食感受性が著しく低減される(特開平1−155
86号公報、特開平5−239677号公報及びUK
GB 204183)。従って、管内の残留炭素量は
0.05mg/dm2以下とする。
【0033】
【実施例】以下、本発明の範囲に入る耐孔食銅又は銅合
金管の実施例について、その特性を比較例と比較して具
体的に説明する。
【0034】リン脱酸銅の鋳塊を熱間押出し、冷間圧延
後、ブルブロックにより、表1に示す種類の異なる潤滑
油を使用して直径が9.52mm、肉厚が0.41mm
の管を抽伸し、工具(プラグ)の焼付きの有無を調査し
た。焼付きの評価は、問題なく管を抽伸加工することが
できたものを○とし、工具の焼付き又は抽伸破断が発生
したものを×とした。
【0035】更に、長さが2000mmのコイル状に巻
き取った後、管焼鈍時に20リットル/minの流量で窒素ガ
スを管内に30分間供給してパージを行った。その後、
光輝焼鈍炉にて焼鈍を行った。
【0036】管内の残留炭素はコイル状の管から、長さ
を50mmに切断したものを15点採取して、四塩化炭
素を使用して、内外面を洗浄し、両端間を密栓し、管を
濃硝酸に浸漬し、水洗、乾燥後、栓をとり、酸素雰囲気
中で温度700℃に加熱し、炭素をCO及びCO2とし
て赤外線吸収法により、炭素の定量測定を行った。
【0037】比較的TypeI型孔食が発生しやすい地
域の給水配管をして、期間1年間のフィールドテストを
実施した。期間経過後に管を半割し、内面の腐食発生の
有無を観察した。評価は、腐食の深さが0.01mm以
下の孔食が発生したものを○とし、腐食深さが0.01
mmを超える孔食が発生したものを×とした。これらの
結果を表1に示す。なお、表1中の潤滑油動粘度は温度
が40℃における動粘度を示す。
【0038】
【表1】
【0039】上記表1に示すように、本発明の範囲にあ
る実施例No.1乃至6は工具の焼付きは発生せず、焼鈍
後の最大残留炭素量は0.05mg/dm2以下であ
り、フィールド試験において腐食の発生が認められなか
った。
【0040】なお、実施例No.1乃至4はポリブテンの
動粘度を変えて銅管を製作したが、工具の焼付きは発生
せず、最大残留炭素量も0.05mg/dm2以下であ
り、フィールド試験において腐食の発生が認められなか
った。
【0041】実施例No.5及び6はポリブテンにアルコ
ールを添加して、動粘度を変えて銅管を製作したが、工
具の焼付きは発生せず、最大残留炭素量も0.05mg
/dm2以下であり、フィールド試験において腐食の発
生が認められなかった。
【0042】一方、比較例No.7乃至12はいずれも工
具の焼付き、焼鈍後の最大残留炭素量及びフィールド試
験における腐食について良好な結果を得ることができな
かった。比較例No.7及び8はポリブテンの赤外線吸収
光度が0.00119を超えているため、熱処理後の管
内の最大炭素残留濃度が0.05mg/dm2を超え、
管内に腐食が発生し、孔食性が劣った。
【0043】比較例No.9及び10は石油系の添加剤を
添加したが、夫々の添加剤の炭素量が本発明の範囲から
外れるため、添加剤の熱分解性が悪く、最大炭素残留量
が0.05mg/dm2を超え、管内に腐食が発生し、
孔食性が劣った。
【0044】比較例No.11はポリブテンの40℃にお
ける動粘度が12300cStと本発明の範囲を超えて
おり、高粘度であるため、抽伸後付着する油膜の厚さが
厚くなり、焼鈍後に残留する炭素量が増加し、最大炭素
残留量が最大炭素残留量が0.05mg/dm2を超え
た。
【0045】比較例No.12はポリブテンの40℃にお
ける動粘度が105cStと本発明の範囲未満であり、
低粘度であるため、抽伸時に工具の焼付きが発生した。
【0046】
【発明の効果】以上詳述したように本発明においては、
潤滑油に含有されるポリブテンの動粘度及びポリブテン
中の−(CH2)n−基の量を制限し、管内の炭素量を
低減することにより、大型設備の導入間又は連続のガス
流入によるコスト増加がなく、抽伸工程の変更が不要で
あると共に、工具の焼付きがなく、耐孔食性に優れた耐
孔食銅又は銅合金管を得ることができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C10N 40:20 (72)発明者 佐伯 公三 兵庫県神戸市西区高塚台1丁目5番5号 株式会社神戸製鋼所神戸総合技術研究所内 (72)発明者 大塚 剛樹 兵庫県神戸市西区高塚台1丁目5番5号 株式会社神戸製鋼所神戸総合技術研究所内 (72)発明者 細木 哲郎 神奈川県秦野市平沢65番地 株式会社神戸 製鋼所秦野工場内 Fターム(参考) 4E096 EA04 GA02 HA12 JA08 KA15 4H104 BB02C CA04A EA01A EA02A LA06 PA33 4K042 AA06 BA06 CA05 DA03 DB01

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 抽伸工程の1部又は全工程において、4
    0℃における動粘度が150以上10000cSt未満
    であって、赤外全反射吸収法による赤外線吸収光度を
    [I]とするとき、−(CH2)n−基に基づく波数が
    740cm-1における前記[I]が0.00119未満
    であるポリブテンを含有する潤滑油を使用して抽伸加工
    し、誘導加熱により連続焼鈍した後に管内に残留してい
    る炭素量が0.05mg/dm2以下であることを特徴
    とする耐孔食銅又は銅合金管。
  2. 【請求項2】 前記潤滑油は炭素数が6乃至13のアル
    コールを30%未満添加されていることを特徴とする請
    求項1に記載の耐孔食銅又は銅合金管。
  3. 【請求項3】 前記アルコールは、オクチルアルコール
    及びノニルアルコールからなる群から選択された少なく
    とも1種以上のアルコールであることを特徴とする請求
    項2に記載の耐孔食銅又は銅合金管。
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