JP2000263073A - ホルモン様活性を有する化学物質を含む水の処理方法 - Google Patents
ホルモン様活性を有する化学物質を含む水の処理方法Info
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Abstract
用を効率的に低減あるいは不活性化することができる方
法を提供する。 【解決手段】 水中に含まれるホルモン様活性を有する
化学物質をオゾンを用いた酸化法により酸化処理するに
当たり、被処理水中へのオゾン注入量又は被処理水中で
のオゾン消費量を、被処理水のTOC濃度に対して8g
O3/gTOC未満、好ましくは0.05〜4gO3/g
TOCに制御する。オゾンを用いた酸化法としては、被
処理水にオゾンを添加する方法、被処理水にアルカリ性
条件下でオゾンを添加する方法、被処理水にオゾンを添
加するとともに、オゾンを添加した被処理水に紫外線を
照射する方法、被処理水にオゾン及び過酸化水素を添加
する方法などが挙げられる。
Description
よって内分泌系を攪乱するおそれのある化学物質を含む
水を処理して上記化学物質のホルモン様活性作用を低減
あるいは不活性化する方法に関する。上述の化学物質
は、正式には外因性内分泌攪乱化学物質、通称では環境
ホルモンと呼ばれるもので、本明細書では、このホルモ
ン様活性を有するために内分泌系を攪乱するおそれのあ
る化学物質を環境ホルモンと称する。本発明に係る処理
方法は、特に限定されないが、例えば下水、浸出汚水、
産業給水・排水、浄水の工程で使用される水、河川水と
いった、環境ホルモン、環境ホルモンであると疑われる
化学物質、環境ホルモンと類似したホルモン様活性を有
する化学物質を含む水の処理に使用される。
によって内分泌系を攪乱すること、すなわち環境ホルモ
ンとして作用することが明らかになってきている。現状
では、環境ホルモンに関する研究は、動物に対する影響
の実態把握、検出法の研究が中心になっている。
オキシン、ノニルフェノール、ビスフェノールA、フタ
ル酸類、スチレン類等を代表として極めて多数あり、個
々にはこれらを発生させない方法や、発生した化学物質
を分解処理する方法についての研究はなされている。し
かし、環境ホルモンのホルモン様活性を低減あるいは不
活性化する手段についてはこれまで検討されておらず、
ある化学物質を分解処理した場合に分解生成物がホルモ
ン様活性を呈することがあり、また分解処理することで
逆に活性が高まってしまう可能性もあるという問題が指
摘されている。
る化学物質の確認や検出方法については、これまで種々
提案されているが、ホルモン様活性を有する化学物質を
完全分解させる方法以外には、この活性作用を低減した
り、不活化したりする方法についての提案は未だない。
そして、環境ホルモンの大きな問題は、これが環境水や
排ガス中に極めて低濃度で含まれていることが多いため
に、その完全分解を行う有効な方法がないというところ
にある。
るダイオキシンは、有機塩素系化学物質の不完全な焼却
処理の過程で発生するため、焼却排ガスや煤塵に含まれ
て広範囲に拡散するという問題がある。プラスチックに
配合される可塑剤であるフタル酸類等も環境ホルモンで
あることが指摘されており、これらの化学物質は極めて
希釈された状態で水やガス中に含まれることになるた
め、その除去は技術的にも設備コスト的にも容易でな
い。
活性作用を失わせて無害化する汎用的な技術については
現在までのところ提案がない。さらに、ホルモン様活性
作用が未だ知られていない化学物質がホルモン様活性作
用を有する場合も考えられ、これが実際の環境水や排ガ
スに含まれている可能性も否定できない。
分解を行っており、ホルモン様活性作用の低減や不活性
化については検討されていない。したがって、ホルモン
様活性作用を有する分解生成物や、未知のホルモン様活
性を有する化学物質が含まれている可能性のある実際の
環境水、排ガスの処理技術は確立されていなかった。
数十ppbないしそれ以下と濃度が非常に希薄である
が、環境ホルモンはそのような希薄濃度であっても生体
の内分泌を攪乱する活性作用を示すという問題もある。
もので、ホルモン様活性を有する種々の化学物質を含む
実際の環境水(下水、浸出汚水、産業給水・排水、浄
水、河川水等)を処理して、上記化学物質のホルモン様
活性作用を効率的に低減あるいは不活性化することが可
能な方法を提供することを目的とする。
達成するために、環境ホルモンを完全分解しなくてもそ
の活性作用を失わせることができれば、環境ホルモンと
しての生体への影響を解消できるという観点から鋭意研
究を進めたところ、ホルモン様活性作用を有する多くの
化学物質がベンゼン環を基本骨格として有しており、こ
の化学物質を酸化してベンゼン環を開裂すれば、その完
全分解(CO2までの分解)まで行うことなく、上記化
学物質のホルモン様活性作用を低減あるいは不活性化で
きることを見出した。
結果、ホルモン様活性を有する化学物質を酸化するため
の手段として、ベンゼン環を開裂する能力の高いオゾン
を用いた酸化法を使用するとともに、被処理水中でのオ
ゾン消費量を、被処理水のTOC(全有機態炭素)濃度
に対して特定の範囲となるように制御した場合、上記化
学物質のホルモン様活性作用を効率的に低減あるいは不
活性化できることを知見した。
被処理水中に含まれるホルモン様活性を有する化学物質
を完全分解するのに必要な理論オゾン量は8gO3/g
TOCであるが、本発明者らは、上記理論オゾン量未満
の少ないオゾン注入量で、化学物質のホルモン様活性作
用を効率的に低減あるいは不活性化できることを見出し
たものである。
もので、水中に含まれるホルモン様活性を有する化学物
質をオゾンを用いた酸化法により酸化処理するに当た
り、被処理水中でのオゾン消費量を、被処理水のTOC
濃度に対して8gO3/gTOC未満に制御することを
特徴とするホルモン様活性を有する化学物質を含む水の
処理方法を提供する。
る。本発明において、「ホルモン様活性を有する化学物
質」とは、環境ホルモン、環境ホルモンであると疑われ
る化学物質、環境ホルモンと類似したホルモン様活性を
有する化学物質等の正常なホルモン作用を攪乱する疑い
のある物質を全て包含する。このような化学物質として
は、例えば、本来のホルモンが結合すべき生体内のレセ
プターに結合することによって、遺伝子が誤った指令を
受けてホルモン作用がもたらされるもの(PCB、DD
T、ノニルフェノール、ビスフェノールA、フタル酸エ
ステル類等)、レセプターに結合することによって、本
来のホルモンのレセプターへの結合を阻害するもの(D
DE、ビンクロリゾン等)、直接蛋白合成遺伝子に作用
して異常な蛋白を合成させるもの(ダイオキシン等)な
どが挙げられる。
性を有する化学物質を、オゾンを用いた酸化法で酸化す
ることにより、そのホルモン様活性作用を低減あるいは
不活性化する。この場合、オゾンを用いた酸化法として
は、必ずしも限定されないが、(a)被処理水にオゾン
を添加する方法、(b)被処理水にアルカリ性条件下で
オゾンを添加する方法、(c)被処理水にオゾンを添加
するとともに、オゾンを添加した被処理水に紫外線を照
射する方法、又は、(d)被処理水にオゾン及び過酸化
水素を添加する方法を好適に採用することができる。酸
化法(a)は、ホルモン様活性を有する化学物質をオゾ
ンに接触させて酸化するものである。酸化法(b)〜
(d)は、ホルモン様活性を有する化学物質を、オゾン
とアルカリとの反応、オゾンと紫外線との反応又はオゾ
ンと過酸化水素との反応によって生じるヒドロキシラジ
カルに接触させて酸化するものである。
pHが10〜12のアルカリ性条件下で被処理水にオゾ
ンを添加することが適当である。また、酸化法(b)で
は、被処理水のpH調整を行った後に被処理水へのオゾ
ン添加を行ってもよく、被処理水へのオゾン添加を行っ
た後に被処理水のpH調整を行ってもよく、被処理水の
pH調整と被処理水へのオゾン添加とを同時に行っても
よい。
した被処理水に紫外線を照射する紫外線照射機構として
は、特に限定されず、高圧紫外線ランプを備えたもの、
低圧紫外線ランプを備えたもののいずれでも用いること
ができるが、主に365nm付近の波長の紫外線を発生
する高圧紫外線ランプを備えたものを用いることがより
適当である。
の過酸化水素の添加量を0.5〜10mg/Lとするこ
とが好ましい。また、酸化法(d)では、被処理水ヘの
過酸化水素の添加を行った後にオゾン添加を行ってもよ
く、被処理水へのオゾン添加を行った後に過酸化水素の
添加を行ってもよく、被処理水にオゾン及び過酸化水素
を同時に添加してもよい。
法による処理を行うに当たり、被処理水中でのオゾン消
費量を、被処理水のTOC濃度に対して8gO3/gT
OC未満に制御する。上記オゾン消費量を8gO3/g
TOC以上としても、化学物質のホルモン様活性作用の
低減あるいは不活性化はそれ以上進行せず、オゾンを無
駄に消費することになる。上記オゾン消費量のより好ま
しい範囲は、0.05〜4gO3/gTOCである。こ
れにより、ホルモン様活性を有する化学物質を完全分解
するのに必要な理論オゾン量(8gO3/gTOC)の
1/160〜1/2という少ないオゾン量で、上記化学
物質のホルモン様活性を効率的に低減あるいは不活性化
することができる。オゾン消費量は、例えばオゾン発生
装置の下流及び排オゾン装置(オゾン分解装置)の上流
にオゾンガス濃度計を取り付け、以下の式で求めること
ができる。 オゾン消費量=[発生オゾン量(mg/L)−未反応オ
ゾン量(mg/L)]×酸化反応時間のガス総量(L)
(溶解したオゾン)のほとんど(90%以上)は酸化処
理のために消費されるので、その場合はオゾン注入量と
オゾン消費量とは実質的にほぼ等価であるため、上記計
算式を用いることなく必要なオゾン消費分を注入するの
でも構わない。
を低減あるいは不活性化する方法としては、オゾンを用
いた酸化法の他に、下記に示すホルモン様活性作用の
低減あるいは不活性化方法や、下記〜に示す水中に
含まれるホルモン様活性を有する化学物質の濃度低減方
法がある。したがって、本発明処理方法と下記〜の
方法とを併用することにより、ホルモン様活性を有する
化学物質をさらに効率的に不活性化することが可能とな
る。
化学物質に紫外線を照射することで、該化学物質のホル
モン様活性作用を低減あるいは不活性化する方法。 ホルモン様活性を有する化学物質が含まれる水を吸着
剤に接触させて該化学物質を吸着分離することで、水中
に含まれる前記化学物質の濃度を低減させる方法。 ホルモン様活性を有する化学物質が含まれる水を膜処
理装置に通して該化学物質を濃縮分離することで、水中
に含まれる前記化学物質の濃度を低減させる方法。 ホルモン様活性を有する化学物質が含まれる水を生物
処理して該化学物質を汚泥側に濃縮することで、水中に
含まれる前記化学物質の濃度を低減させる方法。
前述したのと同様のものを用いることができる。
モンは疎水性のものが多いことから疎水性吸着剤又は活
性炭が好ましく用いられる。疎水性吸着剤としては、例
えば合成吸着剤アンバーライトXAD−4(ロームアン
ドハース社製)を好ましいものとして例示することがで
き、この使用により疎水性物質である環境ホルモンを効
率よく吸着できる。また、活性炭の使用は処理コストを
低減できるという点で有効である。
モン様活性を有する化学物質を非透過側に分離濃縮する
ために、限外濾過膜(UF膜)、逆浸透膜(RO膜)等
の除去しようとするホルモン様活性を有する化学物質の
分子量に応じて選択したものを分離膜として用いること
ができる。
には、下水、産業排水等を生物学的に処理するいわゆる
活性汚泥法を挙げることができる。
る処理対象は、方法又はによる前処理工程によって
ホルモン様活性を有する化学物質の濃度が低減した後の
水、あるいは該化学物質が濃縮された水のいずれか一方
又は双方である。この場合、ホルモン様活性を有する化
学物質が濃縮された側の水を対象とする場合には、処理
水量を少なくすることができるという利点が得られる。
また、化学物質の濃度が低減した側の水を対象とする場
合には、この水中に含まれる前記化学物質の絶対量を低
減できるので、ホルモン様活性作用を低減あるいは不活
化するために使用する薬剤(オゾン、アルカリ、過酸化
水素等)の量を低減できるという利点が得られる。
法の実施に用いる処理装置の第1実施形態を示すフロー
図であり、本装置はオゾンを用いた酸化法として被処理
水にオゾンを添加する方法(a)を使用したものであ
る。本装置において、2は原水タンク、4は処理槽、6
は原水タンク2と処理槽4との間に設けられた主流路、
8は主流路6に連結されたTOC測定用分岐流路、10
は分岐流路8に設置されたTOC計を示す。分岐流路8
には主流路6を流れる原水の一部が分流し、原水のTO
C濃度がTOC計10で測定される。また、図中12は
オゾン発生装置、14は処理槽4の底部に設置された散
気板、16はオゾン発生装置12と散気板14とを接続
するオゾン注入管を示す。TOC計10とオゾン発生装
置12とは計装的に接続されており、TOC計10で測
定した原水のTOC濃度に対応する信号18がTOC計
10からオゾン発生装置12に送られ、その信号に応じ
てオゾン発生装置12におけるオゾン発生量が制御され
る。さらに、図中20は処理槽4に連結された処理水流
出管、22は処理槽4に連結された排オゾンガス流出
管、24は排オゾンガス流出管22に介装されたオゾン
分解装置を示す。
学物質を含有する水を処理する場合、原水タンク2に貯
留した被処理水を主流路6及び分岐流路8を通して処理
槽4内に導入するとともに、オゾン発生装置12で発生
させたオゾンをオゾン注入管16を通して散気板14か
ら処理槽4内の被処理水に添加する。このとき、TOC
計10からオゾン発生装置12に送られるTOC濃度に
対応する信号18に基づいて、被処理水中へのオゾン注
入量が上記TOC濃度に対して8gO3/gTOC未
満、好ましくは0.05〜4gO3/gTOCとなるよ
うに、オゾン発生装置12におけるオゾン発生量が制御
される。これにより、処理槽4においてホルモン様活性
を有する化学物質がオゾンによって酸化され、不活性化
する。なお、処理槽4内の処理水は処理水流出管20か
ら流出する。また、排オゾンガスは排オゾンガス流出管
22から流出し、オゾン分解装置24で分解される。
に用いる処理装置の第2実施形態を示すフロー図であ
り、本装置はオゾンを用いた酸化法として被処理水にア
ルカリ性条件下でオゾンを添加する方法(b)を使用し
たものである。本装置は、第1実施形態の装置におい
て、主流路6にpH調整槽30を介装し、このpH調整
槽30において被処理水にアルカリ32を注入ポンプ3
4によって添加するようにしたこと、及び、処理水流出
管20にpH調整槽36を介装し、このpH調整槽36
において処理水に酸38を注入ポンプ40によって添加
するようにしたこと以外は、第1実施形態の装置と同じ
である。したがって、図2において図1の装置と同一の
部分には、同一の参照符号を付してその説明を省略す
る。
理水にアルカリ(NaOH等)32が添加され、被処理
水のpHが10〜12(例えばpH11)に調整され
る。その後、被処理水は処理槽4内に導入される。そし
て、処理槽4においてホルモン様活性を有する化学物質
がオゾンとアルカリとの反応によって生じたヒドロキシ
ラジカルによって酸化され、不活性化する。なお、オゾ
ン注入量の制御に関しては実施形態1と同様である。ま
た、処理水流出管20から流出した処理水にはpH調整
槽36において酸(HCl等)38が添加され、処理水
のpHが中性付近に調整される。
に用いる処理装置の第3実施形態を示すフロー図であ
り、本装置はオゾンを用いた酸化法として被処理水にオ
ゾンを添加するとともに、オゾンを添加した被処理水に
紫外線を照射する方法(c)を使用したものである。本
装置は、第1実施形態の装置において、オゾン発生装置
12で発生させたオゾンを気液攪拌混合装置42(例え
ばラインミキサーやオゾン溶解ポンプ)を用いて主流路
6を流れる被処理水に添加するようにしたこと、及び、
処理槽として紫外線照射機構44を備えた紫外線照射槽
46を用いたこと以外は、第1実施形態の装置と同じで
ある。したがって、図3において図1の装置と同一の部
分には、同一の参照符号を付してその説明を省略する。
て被処理水にオゾンが添加される。その後、被処理水は
紫外線照射槽46内に導入される。そして、紫外線照射
槽46においてホルモン様活性を有する化学物質がオゾ
ンと紫外線との反応によって生じたヒドロキシラジカル
によって酸化され、不活性化する。なお、オゾン注入量
の制御に関しては実施形態1と同様である。
に用いる処理装置の第4実施形態を示すフロー図であ
り、本装置はオゾンを用いた酸化法として被処理水にオ
ゾン及び過酸化水素を添加する方法(d)を使用したも
のである。本装置は、第1実施形態の装置において、主
流路6で被処理水に過酸化水素48を注入ポンプ50に
よって添加するようにしたこと以外は、第1実施形態の
装置と同じである。したがって、図4において図1の装
置と同一の部分には、同一の参照符号を付してその説明
を省略する。
過酸化水素50が添加される。被処理水中の過酸化水素
濃度は、通常、0.5〜10mg/L(例えば5mg/
L)に制御される。その後、被処理水は処理槽4内に導
入される。そして、処理槽4においてホルモン様活性を
有する化学物質がオゾンと過酸化水素との反応によって
生じたヒドロキシラジカルによって酸化され、不活性化
する。なお、オゾン注入量の制御に関しては実施形態1
と同様である。
を有する環境ホルモンの酸化処理前後における活性作用
は次のようにして測定した。染色体に、hER(human
estrogen receptor)と、ERE(estrogen responsive
sequence)及びレポータ遺伝子としてlac−z(β
−ガラクトシダーゼをコードする遺伝子)を組み込んだ
プラスミドを挿入した酵母を用い(「Environmental To
xicology and Chemistry」:Vol.15, pp.241-248, 199
6)の方法に準拠して、以下のようにβ−ガラクトシダ
ーゼ活性値を測定算出した後、代表的な生体内ホルモン
である17−β−エストラジオールに等量換算して評価
した。
ムを使用して100倍濃縮後、適当な濃度に段階希釈し
たサンプルを、各々10μLずつ96穴マイクロタイタ
プレートに注入し、これらの各穴に培地を含む上記酵母
とβ−ガラクトシダーゼの基質となるCPRG(Chloro
phenol red-β-D-galactopyranoside)の混合溶液を2
00μL注入する。次いでタイタプレートシェーカーで
5分間攪拌後、30℃で3日間インキュベートする。イ
ンキュベート後、マイクロプレートリーダーを用いて5
40nmで吸光度を測定し、このときポジティブコント
ロールとして、代表的な生体内ホルモンである17−β
−エストラジオールを一緒に測定しておき、サンプルの
17−β−エストラジオール等量値を算出し、活性を評
価する。
と考えられているビスフェノールA、ノニルフェノー
ル、β−エストラジオールの標準試薬をそれぞれ添加し
たサンプル水を調製した。サンプル水中のビスフェノー
ルAの濃度は100mg/L、ノニルフェノールの濃度
は10mg/L、β−エストラジオールの濃度は10n
g/Lとした。そして、各サンプル水に図1に示した装
置を用いてオゾンを添加することにより各化学物質の酸
化処理を行い、そのときの原水及び処理水のホルモン活
性並びにTOC濃度を所定時間毎に測定した。図5に結
果を示す。図5の縦軸はサンプル水のオゾン酸化処理後
におけるホルモン活性(ngエストラジオール等量/
L)、横軸(Log目盛)は原水のTOC濃度に対する
オゾン注入量(gO3/gTOC)を示す。
を有する化学物質をオゾンによって酸化処理するに当た
り、被処理水へのオゾン注入量を被処理水中のTOC濃
度に対して8gO3/gTOC以下、特に0.1〜4g
O3/gTOCとすることにより、被処理水を最適なオ
ゾン注入量で処理できることが確認された。また、被処
理水へのオゾン注入量を処理対象のTOC濃度に応じて
制御することにより、種々の被処理水を最適なオゾン注
入量で処理できることがわかった。
を添加したサンプル水を実施例1と同様に処理するとと
もに、オゾン酸化処理前後におけるサンプル水のIRス
ペクトルを調べた。この場合、サンプル水中のビスフェ
ノールAの濃度は100mg/Lとした。また、サンプ
ル水へのオゾン注入量はサンプル水のTOC濃度に対し
て4gO3/gTOCとし、処理後にビスフェノールA
のホルモン活性(ngエストラジオール等量/L)がほ
ぼゼロになるようにした。
酸化処理前のIRスペクトル、図7はオゾン酸化処理後
のIRスペクトルである。図6、図7より、オゾン酸化
処理によってベンゼン環類の代表的な波数1600、1
250、850cm-1付近においてピークが消失してい
ることから、ベンゼン環がオゾン酸化処理によって開裂
して消失し、その結果ホルモン様活性作用が不活性化し
たと考えられる。
有する化学物質を完全分解するのに必要な理論オゾン量
より少ないオゾン注入量で、化学物質のホルモン様活性
作用を効率的に低減あるいは不活性化できる。また、各
原水毎にそのTOC濃度に応じて前記オゾン消費量を求
めておくことにより、原水の変動に対応した最適な処理
を行うことが可能となる。したがって、本発明によれ
ば、既知の特定のホルモン様活性物質だけでなく、未知
のホルモン様活性物質を含む実際の環境水、例えば下
水、浸出汚水、産業給水・排水、浄水の工程で使用され
る水、河川水等を処理して、水中に存在する種々のホル
モン様活性物質のホルモン様活性作用を低減あるいは不
活化することが可能である。
形態を示すフロー図である。
形態を示すフロー図である。
形態を示すフロー図である。
形態を示すフロー図である。
質をオゾンによって酸化処理した場合における被処理水
のTOC濃度に対するオゾン注入量と上記化学物質のホ
ルモン活性との関係を示すグラフである。
ペクトルである。
ペクトルである。
Claims (4)
- 【請求項1】 水中に含まれるホルモン様活性を有する
化学物質をオゾンを用いた酸化法により酸化処理するに
当たり、被処理水中でのオゾン消費量を、被処理水のT
OC濃度に対して8gO3/gTOC未満に制御するこ
とを特徴とするホルモン様活性を有する化学物質を含む
水の処理方法。 - 【請求項2】 オゾンを用いた酸化法が、(a)被処理
水にオゾンを添加する方法、(b)被処理水にアルカリ
性条件下でオゾンを添加する方法、(c)被処理水にオ
ゾンを添加するとともに、オゾンを添加した被処理水に
紫外線を照射する方法、又は、(d)被処理水にオゾン
及び過酸化水素を添加する方法である請求項1に記載の
ホルモン様活性を有する化学物質を含む水の処理方法。 - 【請求項3】 被処理水中でのオゾン消費量を、被処理
水のTOC濃度に対して0.05〜4gO3/gTOC
に制御する請求項1又は2に記載のホルモン様活性を有
する化学物質を含む水の処理方法。 - 【請求項4】 被処理水のTOC濃度を測定し、その測
定値に基づいて被処理水中でのオゾン消費量を制御する
請求項1〜3のいずれか1項に記載のホルモン様活性を
有する化学物質を含む水の処理方法。
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP11068447A JP2000263073A (ja) | 1999-03-15 | 1999-03-15 | ホルモン様活性を有する化学物質を含む水の処理方法 |
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---|---|---|---|
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Publications (1)
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---|---|
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Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2001198584A (ja) * | 1999-11-08 | 2001-07-24 | Kanagawa Acad Of Sci & Technol | ステロイド骨格をもつ物質の除去方法および装置 |
-
1999
- 1999-03-15 JP JP11068447A patent/JP2000263073A/ja active Pending
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2001198584A (ja) * | 1999-11-08 | 2001-07-24 | Kanagawa Acad Of Sci & Technol | ステロイド骨格をもつ物質の除去方法および装置 |
JP4588175B2 (ja) * | 1999-11-08 | 2010-11-24 | 財団法人神奈川科学技術アカデミー | ステロイド骨格をもつ女性ホルモン類のホルモン活性失活方法 |
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