JP2000262888A - Co2固定システム、co2固定量算出方法、co2固定量算出システム、養魚システムおよびプログラム記録媒体 - Google Patents
Co2固定システム、co2固定量算出方法、co2固定量算出システム、養魚システムおよびプログラム記録媒体Info
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- Physical Or Chemical Processes And Apparatus (AREA)
Abstract
がある。 【解決手段】 太陽電池パネル4からの電力をポンプ1
および噴射ノズル3に供給しポンプ1および配管2を用
いて深層の海水を噴射ノズル3まで汲み上げる海水汲み
上げステップと、噴射ノズル3を用いて汲み上げられた
海水を空中から海面に散布する海水散布ステップと、海
水中CO2含有率測定装置6aを用いて汲み上げられた
海水に含まれているCO2量を測定する汲み上げ海水中
CO2量測定ステップと、海水中CO2含有率測定装置6
bを用いて散布された海水に含まれているCO2量を測
定する散布海水中CO2量測定ステップと、吸収CO2量
算出センター8を用いて、汲み上げられた海水に含まれ
ているCO2量から、散布した海水に含まれているCO2
量を差し引いて、海水中に取り込まれるCO2の量を算
出する吸収CO2量算出ステップとを備える。
Description
に汲み上げて暴気し、そのさいに海水に吸着または吸収
されて海水中に取り込まれるCO2を固定するシステム
やその量を算出する吸収CO2量算出方法と、海水中に
取り込まれるCO2を利用して魚を養殖する養魚システ
ムと、プログラム記録媒体とに関するものである。
炭、石油、天然ガス等の化石燃料の燃焼により大量の二
酸化炭素(CO2)が大気中に放出されている。例え
ば、火力発電所から放出される燃焼ガス中の二酸化炭素
量は、化石燃料として天然ガスを用いて50万kWの電
力を出力する場合、約5000t/日という膨大な量で
あり、石炭、石油を燃焼して電力を生み出す場合では二
酸化炭素の排出量は更に増大する。このように放出され
た二酸化炭素が大気中に増加すると、地球が温暖化する
など地球環境が悪化し、干ばつ、大雨、洪水などの自然
災害が多発するとともに、自然災害の多発にともなって
農作物にも多大な被害が発生し、人類社会にも大きな影
響が生じる。
ば、化石燃料等の燃焼により、大気中に人為的に排出さ
れた二酸化炭素は、大気中に残留するばかりではなく、
海洋に多量に吸収されることがわかってきている。そこ
で、近年、大気中の二酸化炭素を海洋に処分するという
ことが検討されている。その二酸化炭素の海洋処分とし
て、大きく分けて中層放流と海底貯留の2つの方法が考
えられている。中層放流は、例えば一定の深度の海底
に、陸地で液化処理した二酸化炭素を放流し、海水に溶
解させるというものであり、他方、海底貯留は、海底の
盆地(海盆)や海溝などの窪地にシャーベット状にした
二酸化炭素を隔離するというものである。その他に効率
はともかく、植林して固定する方法もある。
京都において、大気中の二酸化炭素等の温暖化ガスを国
際的に削減することを目的とする地球温暖化防止京都会
議が開催された。その地球温暖化防止京都会議では、各
国に対して、排出することができる二酸化炭素量(CO
2排出権のこと)に上限を設けることが決定された。し
たがって、各国は、国内での二酸化炭素排出許容枠を遵
守する必要性が生じ、国内各企業に対して、排出するこ
とができる二酸化炭素の量に上限を設けなければならな
くなる。しかしながら、変動する経済状況の影響等によ
って、各企業があらかじめ決められた二酸化炭素排出許
容枠を遵守することができなくなることも予想される。
その場合、国内において二酸化炭素排出許容枠を遵守す
るために、二酸化炭素排出許容枠を超えて二酸化炭素を
排出しようとするまたは排出した企業が、二酸化炭素排
出許容枠内で二酸化炭素を排出している企業から、必要
量または所定量の二酸化炭素を排出することができる権
利を購入することができるようにするなどの措置をとる
必要が出てくる。ただしその場合、必要量または所定量
の二酸化炭素を排出することができる権利を譲渡した企
業は、あらかじめ決められた二酸化炭素排出許容枠から
譲渡した分を差し引いた範囲内でしか二酸化炭素を排出
することができなくなる。このように、各国は、二酸化
炭素排出許容枠を遵守しなければならないが、他方、国
自身も二酸化炭素排出許容枠を遵守することができなく
なることも予想される。この場合、地球規模で二酸化炭
素排出許容枠を遵守するために、国内企業間における二
酸化炭素を排出することができる権利を売買するよう
に、国同士でも二酸化炭素を排出することができる権利
を売買することができるようにするなどの措置をとる必
要が出てくる。そこで、上述した地球温暖化防止京都会
議では、国同士で二酸化炭素排出許容枠を売買する二酸
化炭素排出権取引を導入することが決まった。
が国だけではなく、地球規模で、大気中の二酸化炭素等
の温暖化ガスを削減する必要がある。しかしながら、上
述した海洋処分では、二酸化炭素を液化またはシャーベ
ット状にするための処理に高額のコストがかかるという
ことや、大規模な設備投資をする必要があるなどの問題
点がある。また、海底貯留では、シャーベット状にした
二酸化炭素の貯留能力、適正な貯留場所や生態系への影
響等をあらかじめ調査する必要もある。また、海洋には
自然の状態でも多量の二酸化炭素が吸収されることがわ
かってきている。
あたって、大気中の二酸化炭素を海洋に処分するさい
に、その海洋処分によって、国または企業が排出するこ
とができる二酸化炭素量(CO2排出権の大きさ)を算
出する必要も生じてくる。
化炭素量を低コストで削減をする必要があるという課題
を考慮し、海洋を効率的に利用して、大気中の二酸化炭
素量を削減し、その削減した二酸化炭素量を算出するC
O2固定量算出方法を提供することを目的とするもので
ある。
海面に広げ、又は空中から散布し、その散布海水に大気
中の二酸化炭素を吸着および/または吸収させて、海水
中に大気中の二酸化炭素を取り込むことにより削減され
る大気中の二酸化炭素量を算出するCO2固定システム
やその算出方法を提供することを目的とするものであ
る。
に対応)は、少なくとも太陽光または風力を利用して得
た電力を用いて、深層の海水を、少なくとも海面付近ま
で汲み上げる海水汲み上げステップと、前記電力を用い
て、前記海水汲み上げステップにおいて汲み上げられた
海水に空気を接触させる吸収ステップ例えば、海面に散
布する海水散布ステップと、前記海水汲み上げステップ
において汲み上げられた海水に含まれているCO2量を
測定する汲み上げ海水中CO2量測定ステップと、前記
海水散布ステップにおいて散布した海水に含まれている
CO2量を測定する散布海水中CO2量測定ステップと、
前記汲み上げ海水中CO2量測定ステップにおいて測定
された前記汲み上げられた海水に含まれているCO2量
から、前記散布海水中CO2量測定ステップにおいて測
定された前記散布した海水に含まれているCO2量を差
し引いて、前記海水散布ステップにおいて散布された海
水に吸収され、海水中に取り込まれるCO 2の量を算出
する吸収CO2量算出ステップとを備えたことを特徴と
するCO2固定システムである。
くとも太陽光または風力を利用して得た電力を用いて、
深層の海水を、少なくとも海面付近まで汲み上げる海水
汲み上げステップと、前記電力を用いて、前記海水汲み
上げステップにおいて汲み上げられた海水を海面に散布
する海水散布ステップと、少なくとも前記海水汲み上げ
ステップにおいて汲み上げられた海水の量または前記海
水散布ステップにおける海水の散布の仕方に基づいて、
前記海水散布ステップにおいて散布された海水に吸収さ
れ、海水中に取り込まれるCO2の量を算出する吸収C
O2量算出ステップとを備えたことを特徴とするCO2固
定量算出方法である。
層から汲み上げる海水の量と、前記汲み上げる海水を海
面に散布するさいの散布の仕方と、の双方または一方を
入力する入力手段と、前記入力手段によって入力され
た、少なくとも前記海水の量または前記散布の仕方に基
づいて、前記海面に散布される海水に吸着および/また
は吸収され、海水中に取り込まれるCO2の量を算出す
る吸収CO2量算出手段と、前記吸収CO2量算出手段に
よって算出された結果を出力する出力手段とを備えたこ
とを特徴とするCO2固定量算出システムである。
および12に記載したCO2排出権の大きさは、海水中
に取り込まれるCO2の量に基づいて排出することがで
きるCO2の量であるとする。
面を参照して説明する。
形態1のCO2固定システムを述べる。
2固定システムを説明するための、海洋深層水散布シス
テムの構成図を示す。図1に示すように、その海洋深層
水散布システムは、ポンプ1と、配管2と、噴射ノズル
3と、太陽電池パネル4と、電力配線5と、海水中CO
2含有率測定装置6aおよび6bと、必要に応じて散布
海水採取器7と、吸収CO2量算出センター8と、情報
送信ケーブル9とから構成される。
約5メートルの位置に設置され、海洋深層水を海面上に
設けられている噴射ノズル3まで汲み上げる手段であ
る。
深海100メートル以上の海底に滞留する海水を意味
し、海面付近の表層水にはない低温性や、細菌などが繁
殖しにくい清浄性、さらに無機栄養塩類などが豊富に含
まれ、高い栄養性を持つものである。海洋深層水は、年
中低温であるために、一般に気体をよく溶かす特徴があ
る。
る海水を噴射ノズル3まで導くための手段であって、一
方の先端部が海面から約200メートルの海洋深層に位
置し、他方の先端部が噴射ノズル3に接続されるように
設置されるものである。
は、海面に浮かぶ所定のフロート上に設置され、ポンプ
1によって汲み上げられ配管2によって導かれる海水
を、空中から海面に散布する手段である。
置されるものであって、太陽光を利用して発電し、ポン
プ1および噴射ノズル3に電力を供給する手段である。
発電された電力を、ポンプ1および噴射ノズル3に導く
ための手段である。
bは、海水に含まれているCO2の含有率を測定する手
段であって、海水中CO2含有率測定装置6aは、ポン
プ1および配管2を用いて汲み上げる海水の流路の、海
面から約1m下の配管2の内側に設置され、海水中CO
2含有率測定装置6bは、散布海水採取器7のなかに設
置される。
されているフロートに設置され、噴射ノズル3から散布
される海水の一部を採取する手段である。
置されてもよく、噴射ノズル3からの散布海水に吸収さ
れて海水中に取り込まれるCO2の量を算出するととも
に、CO2排出権の大きさを算出する手段である。な
お、CO2排出権の大きさとは、海水中に新たに取り込
まれ固定されたCO2の量である。
位時間当たりの海水汲み上げ量の情報と、海水中CO2
含有率測定装置6aおよび6bからの海水に含まれてい
るCO2の含有率の情報とを吸収CO2量算出センター8
に送信するための手段である。
システムを述べる。
プ1および噴射ノズル3に供給し、ポンプ1および配管
2を用いて、海面から約200メートルの海洋深層水を
噴射ノズル3まで汲み上げる。吸収手段として噴射ノズ
ル3を用いて空中から海面に散布する。このように空中
から海水海面に散布するさい、その海水が空気を吸収す
るので、その空気中のCO2の一部を海水中に取り込む
ことができる。
1が単位時間当たりに汲み上げる海水量の情報を、情報
送信ケーブル9を介して吸収CO2量算出センター8に
入力する。さらに、海水中CO2含有率測定装置6aか
ら、その海水中CO2含有率測定装置6aによって測定
された、ポンプ1および配管2によって汲み上げられ、
流動している海水中のCO2の含有率の情報を情報送信
ケーブル9を介して吸収CO2量算出センター8に入力
する。同様に、海水中CO2含有率測定装置6bから、
その海水中CO2含有率測定装置6bによって測定され
た、噴射ノズル3から散布され散布海水採取器7によっ
て採取された海水中のCO2の含有率の情報を情報送信
ケーブル9を介して吸収CO2量算出センター8に入力
する。なお、散布海水採取器7によって採取する海水の
量は、例えば100cc程度あれば十分であり、限定さ
れない。数カ所の測定値を平均化することも一手法であ
る。
いて、ポンプ1および配管2を用いて噴射ノズル3まで
汲み上げた海水の量を、海水汲み上げに要した時間と、
単位時間当たりの海水汲み上げ量から算出する。次に、
その汲み上げ海水量を用いて、海水中CO2含有率測定
装置6aからの汲み上げ海水中のCO2の含有率と、海
水中CO2含有率測定装置6bからの散布海水中のCO2
の含有率とから、汲み上げられた全海水に含まれている
CO2の量と、散布された全海水に含まれているCO2の
量とを算出する。最後に、散布された全海水中のCO2
の量から、汲み上げられた全海水中のCO2の量を、差
し引くことによって海水中に取り込まれたCO2の量を
算出する。さらに、CO2排出権の大きさを算出する。
さの、1kWの電力を発電することができる太陽電池パ
ネル4を1個用意し、その太陽電池パネル4を地球上の
中緯度以下の洋上に配置するとともに、実質上常に太陽
に向くように、太陽を追尾させて発電させると、年間平
均で1日当たり1個の太陽電池パネル4から約6kWH
の電力を得ることができる。そして、その太陽電池パネ
ル4からの電力の例えば半分を海水汲み上げのために使
用すると、年間平均で1日当たり2000klの海水を
汲み上げることができ、100m×100mの範囲に海
水を散布することができる。このようにして深層水を汲
み上げて散布すると、1年間にゆうに20〜50tのC
O2が海洋に取り込まれる。
システムを用いて海面に散布される海水(海洋深層水)
は、上述したように無機栄養塩類などが豊富に含まれ、
高い栄養性を持つものであり、また、海面への散布のさ
いに、海水中には、CO2とともにO2等も取り込まれれ
るので、海面付近の海水中には植物性プランクトン等が
繁殖する。そして、海水中に取り込まれた大気中のCO
2は、繁殖した植物性プランクトン等の光合成によって
利用され、その植物性プランクトン等を食べる魚によっ
て海洋中に固定されることになる。このようにして、1
個の太陽電池パネル4からの電力を利用し、深層水を空
気中から散布すると、1年間にゆうに50tのCO2が
海洋に固定される。この場合には、CO2排出権の大き
さは年間50tとなる。
さの太陽電池パネル4を50万個用意するとともに、各
太陽電池パネル4に対応して、上述したようにして海水
の汲み上げと散布とをするための、ポンプ1、配管2お
よび噴射ノズル3をそれぞれ50万個用意して深層水を
汲み上げ、そして散布すると、最大で1年間に2500
万tのCO2を海洋に固定することができる。その25
00万tのCO2は、日本全体が1年間に排出規制され
ているCO2量の約2%に該当する。
算出した海水中に取り込まれるCO2の量の情報、およ
び/またはCO2排出権の大きさの情報を、光や電磁波
を用いて、例えば内陸部に設けられた管理センターに送
信する。このことによって遠い海上から離れた地区で常
時吸収・固定状態を監視できる。
1および噴射ノズル3に供給する電力は太陽電池パネル
4からの電力であるとしたが、ポンプ1および噴射ノズ
ル3に供給する電力は、風力を利用して発電する風力発
電手段からの電力であるとしてもよい。または、ポンプ
1および噴射ノズル3に供給する電力は、太陽電池パネ
ル4からの電力と、風力発電手段からの電力とを組み合
わせたものであるとしてもよい。風力発電手段を利用す
る場合、その風力発電手段は、海面に浮くことができる
筏等に設置されたものであってもよいし、陸地に設置さ
れたものであってもよい。
する電力は、上述した発電するさいにCO2を発生しな
い発電手段からの電力ではなく、火力発電等の発電する
さいにCO2を発生する発電手段からの電力であっても
よい。その場合、排出することができるCO2の量を算
出するさい、海水中に取り込まれた大気中のCO2の量
から、CO2を発生する発電手段が発生したCO2の量を
差し引かなければならない。
は、汲み上げた海水(深層水)を散布するさい噴射ノズ
ル3を利用するとしたが、空気中のCO2の一部を海水
中に取り込むために噴射ノズル3を利用して海水を散布
しなくてもよい。その散布の替わりに、図2に示すよう
に、上面が所定の傾斜を有するすのこ状の台10を多数
浮かべておき、汲み上げた海水を、すのこ状の台10の
上に幅が広く浅い川を造るように流し、すのこ状の台1
0の隙間等から海水面に少しづつ落下する海水粒に、空
気つまり空気中のCO2の一部を吸収させ、海水中にC
O2を取り込むとしてもよい。要するに、汲み上げた海
水(深層水)を空気中から海面に戻しさえすればよい。
なお、図2は、配管2の海面付近の一部と、すのこ状の
台10が海面上に浮かべられている状況を説明する図で
ある。
1は海面から約5メートルの位置に設置されるとした
が、ポンプ1の設置場所は海面から約5メートルの位置
に限定されることはない。例えばポンプ1を海面から3
0cm下方の位置に設け、配管2を、その一方の先端が
深層に位置し、他方の先端が噴射ノズル3に接続される
ように設置するとしてもよい。また、例えばポンプ1
を、海面から約200メートルの海洋深層に設置すると
してもよい。さらに、噴射ノズル3も、海面に浮かぶ所
定のフロート上に設置されるとしたが、噴射ノズル3の
設置場所は、海中等であってもよく、限定されることは
ない。ただし、噴射ノズル3は、ポンプ1および配管2
によって汲み上げられた海水を、空中から海面に散布す
ることができる場所に、例えば海面下30cmの位置に
設置しなければならない。
1および配管2を用いて、海面から約200メートルの
海洋深層水を噴射ノズル3まで汲み上げるとしたが、ポ
ンプ1および配管2を用いて汲み上げる海洋深層水は、
海面から約200メートルの位置にある海洋深層水に限
るものではない。例えば海面から100メートルの位置
にある海洋深層水であってもよい。
層水を汲み上げるさい、ポンプ1を用いるとしたが、図
3に示すように、ポンプ1を用いない方法を採用しても
よい。その方法とは、先ず、配管2の例えば海面から5
m下方の位置に配管11を接続し、その配管11の配管
2との接続部とは反対側の先端部が海上の大気中にさら
されるようにしておき、ポンプ1とは別のポンプ12を
利用するなどして大気中の空気を配管2内部に吹き込
み、その吹き込まれた空気の気泡が配管2を上昇するさ
い、深層水を汲み上げるというものである。なお、配管
2内部に、配管11を介して空気を吹き込むさい、配管
2の海面から5m下方の位置に空気を吹き込みものと限
定することはない。深層付近の位置に空気を吹き込むと
してもよい。要するに、深層水汲み上げのために、配管
2内部に空気を吹き込みさえすればよい。また、空気吹
き込みのための電力は、太陽電池パネル4や風力発電手
段によって得られた電力を利用してもよい。なお、図3
は、配管2の海面付近の一部と、配管2の海面から5m
下方の位置に配管11が接続されている状況を説明する
図である。
1と同様に、ポンプ1および配管2を用いて汲み上げる
海水の流路に、海水中CO2含有率測定装置6aを設置
しておき、その汲み上げ海水中のCO2の含有率を測定
し、表層の海水中のCO2の含有率を海水中CO2含有率
測定装置6bまたは、それと同じ機能を有する手段で測
定して、その測定値を、汲み上げ海水中のCO2の含有
率として用いてもよい。
するさい、噴射ノズル3から散布された海水の一部を散
布海水採取器7で採取し、そのCO2含有率を測定し代
表値とする方法を示したが海面に浮かばせたCO2含有
率測定装置の上に落下してくる海水を利用して、散布さ
れた表層海水のCO2の含有率を測定し代表値とする方
法や、複数測定値を平均化する方法などがある。
散布することによって空気中のCO 2を海水に取り込む
としたが、太陽電池パネル4および/または風力発電手
段が発電する電力の一部を用いて、大気中の空気を気泡
にし、それを配管を用いて海中に吹き込むことによっ
て、空気中のCO2を海水に取り込むとしてもよい。な
お、大気中の空気を気泡にして海中に吹き込むさいに用
いる配管は、図3の配管11とは別のものである。この
ように、大気中の空気を気泡にして海中に吹き込む方法
を、海水を散布する方法と併用すると、効率向上によ
り、1個の太陽電池パネル4からの電力によって、1年
間に約200tのCO2を海洋に固定することができ
る。これは、海水を散布する方法のみで海洋に固定する
ことができるCO2の量の約4倍に相当する。
無機栄養塩類などが豊富に含まれているので、本発明の
実施の形態1のCO2固定量算出方法では、太陽電池パ
ネル4および/または風力発電手段が発電する電力の一
部を用いて、ポンプ1および配管2を用いて汲み上げた
海水の少なくとも一部から、その海水中に含まれている
Na、MgをはじめLi、Au、U等の有効成分を抽出
するとしてもよい。
U等の有効成分を抽出する方法として以下に示す方法を
用いてもよい。上述した図2のすのこ状の台10のすの
こ状の部分をキトサン誘導体を用いて形成し、海水中の
有効成分がすのこ状の部分に付着したさい、上述したキ
トサン誘導体で、有効成分を抽出するというものであ
る。
O2量算出センター8は、陸上に設置されるとしたが、
海上の船に設置されるとしてもよい。
m×100mの範囲に海水(海洋深層水)を散布する
と、1年間に20〜50tのCO2が海洋に取り込まれ
るとしたが、散布するさいの水滴の大きさを細かくした
り、散布する水滴が大気中に存在する時間を長くするな
ど、水滴が吸収するCO2を増加させるための効率を上
げると、1年間に海洋に取り込まれるCO2の量は10
0〜200tに増加する。
て海水中にCO2が取り込まれるが、そのさい海水中に
は、CO2とともにO2等も取り込まれれるので、海面付
近の海水中には植物性をはじめ動物性プランクトン等が
繁殖する。そこで、繁殖する植物性プランクトンと、海
水中に取り込まれるO2と、さらに海水に含まれる無機
塩類とを利用して魚を養殖する養魚システムを構築する
ことができる。
られる、海水中に取り込まれるCO2の量を算出する手
段、排出することができるCO2の量を算出する手段、
およびCO2排出権の大きさを算出する手段の全部また
は一部を、それぞれ専用のハードウェアを用いて構成し
てもよいし、そのハードウェアの該当する機能と同じ機
能を有するソフトウェアに置き換えてもよい。
態2のCO2固定量算出方法を述べる。
方法と、本発明の実施の形態1のCO2固定量算出方法
との相違点は、海水散布によって海水中に取り込まれた
CO2の量を算出する算出方法のみであるので、実施の
形態2では、その相違する算出方法のみについて説明す
る。
よび散布海水のCO2の含有率に着目し、汲み上げ海水
量と散布海水量とに基づいて、汲み上げた全海水のCO
2量と散布全海水のCO2量との差を算出することによっ
て、海水中に取り込まれたCO2の量を算出するとした
が、実施の形態2では、以下に述べる方法によって、海
水中に取り込まれたCO2の量を算出する。
いて汲み上げた海水の量と、噴射ノズル3で海水を散布
するさいの散布の仕方と、の2つのパラメータを利用し
て、散布された海水の各粒に吸収され海水中に取り込ま
れた空気の量を算出し、海水を散布したときの空気中の
CO2の割合から、海水散布によって海水中に取り込ま
れたCO2の量を算出するというものである。なお、所
定の散布方法で海水を散布するさい、各海水粒に吸収さ
れる空気量を、あらかじめまたはその散布の最初に例え
ば30分間、測定しておく必要がある。
散布するさいの散布の仕方を変えて散布するとは、例え
ば噴射ノズル3に多数設けられている一つ々々のノズル
の大きさを変えて海水を散布するということを意味す
る。例えば一つ々々のノズルの大きさを、1mm2とす
る場合と、5mm2とする場合とでは、散布の仕方が異
なるということである。また、散布された各海水粒の大
気中における滞在時間を変えて海水を散布するというこ
とも散布の仕方を変えることの一つに該当する。
げられた海水の量と、海水の散布の仕方と、の双方に基
づいて、海水中に取り込まれるCO2の量を算出すると
したが、海水中に取り込まれるCO2の量を、汲み上げ
られた海水の量と、海水の散布の仕方と、の一方に基づ
いて算出してもよい。また、一般に、気体が液体に溶解
するさい、その溶解量は液体の温度に依存するので、汲
み上げられた海水の温度を調べておき、海水中に取り込
まれるCO2の量を、その海水の温度情報を考慮して算
出するとしてもよい。さらに、海水を散布するさいの気
象条件等をも考慮して、海水中に取り込まれるCO2の
量を算出するとしてもよい。
施の形態1または2の各構成手段の全部または一部の各
機能をコンピュータに実行させるためのプログラムを格
納したことを特徴とするプログラム記録媒体である。
態3のCO2固定量算出システムの構成を、その動作と
ともに、図4を用いて説明する。
定量算出システムの構成を示すブロック図であり、その
図4に示すように、本発明の実施の形態3のCO2固定
量算出システムは、入力手段13と、吸収CO2量算出
手段14と、排出CO2量算出手段15と、出力手段1
6と、ディスプレイ17とから構成される。
る海水の量と、その汲み上げる海水を空中から海面に散
布するさいの散布の仕方と、の双方の情報を入力する。
なお、海水の散布の仕方の情報とは、散布した後の一滴
々々の海水粒の表面積および体積や、散布した海水の大
気中の滞在時間の情報等である。
力手段13によって入力された海水の量と、散布の仕方
との双方の情報に基づいて、海面に散布される海水に吸
収され、海水中に取り込まれる空気の量を算出し、さら
に空気中のCO2の割合から、海水散布によって海水中
に取り込まれるCO2の量を算出する。
CO2量算出手段14によって算出された海水中に取り
込まれるCO2の量全てが海水中に固定されるものとみ
なして、その海水中に取り込まれるCO2の量を、国ま
たは企業が排出することができるCO2の量、つまりC
O2排出権の大きさとして、出力手段16に出力する。
出手段14および排出CO2量算出手段15によって算
出された結果を、ディスプレイ17に出力して表示させ
る。
O2量算出手段14は、海水の量と、散布の仕方と、の
双方の情報を用いて海水中に取り込まれるCO2の量を
算出するとしたが、一般に、気体が液体に溶解するさ
い、その溶解量は液体の温度に依存するので、入力手段
13に海水の温度情報をも入力し、吸収CO2量算出手
段14は、その温度情報をも利用して海水中に取り込ま
れるCO2の量を算出するとしてもよい。
固定量算出システムの、入力手段13、吸収CO2量算
出手段14、排出CO2量算出手段15および出力手段
16は、ハードウェアであるとして述べてきたが、入力
手段13、吸収CO2量算出手段14、排出CO2量算出
手段15および出力手段16の全部または一部を、上述
のハードウェアの該当する機能と同じ機能を有するソフ
トウェアに置き換えることも可能である。
実施の形態3のCO2固定量算出システムの各構成手段
の全部または一部の各機能をコンピュータに実行させる
ためのプログラムを格納したことを特徴とするプログラ
ム記録媒体である。
に、本発明は、海洋を利用して、大気中の二酸化炭素量
を削減し、その削減した二酸化炭素量を算出するCO2
固定量算出方法を提供することができる。
海面に広げ、又は空中から散布し、その散布海水に大気
中の二酸化炭素を吸着および/または吸収させて、海水
中に大気中の二酸化炭素を取り込むことにより削減され
る大気中の二酸化炭素量を算出するCO2固定システム
やその算出方法を提供することができる。
説明するための、海洋深層水散布システムの構成図
る海水散布方法を説明するための図
る海水汲み上げ方法を説明するための図
テムの構成を示すブロック図
Claims (15)
- 【請求項1】 少なくとも太陽光または風力を利用して
得た電力を用いて、深層の海水を、少なくとも海面付近
まで汲み上げる海水汲み上げ手段と、 汲み上げられた海水と空気を接触させる吸収手段と、 前記吸収手段によって海水に吸収され、海水中に取り込
まれるCO2の量を算出する吸収CO2量算出手段とを備
えたことを特徴とするCO2固定システム。 - 【請求項2】 少なくとも太陽光または風力を利用して
得た電力を用いて、深層の海水を、少なくとも海面付近
まで汲み上げる海水汲み上げステップと、 汲み上げられた海水と空気を接触させる吸収ステップ
と、 前記海水汲み上げステップにおいて汲み上げられた海水
に含まれているCO2量を測定する汲み上げ海水中CO2
量測定ステップと、 前記吸収ステップにおいて海水に含まれているCO2量
を測定するCO2量測定ステップと、 その差から、海水中に取り込まれるCO2の量を算出す
る吸収CO2量算出ステップとを備えたことを特徴とす
るCO2固定量算出方法。 - 【請求項3】 少なくとも太陽光または風力を利用して
得た電力を用いて、深層の海水を、少なくとも海面付近
まで汲み上げる海水汲み上げステップと、 前記海水汲み上げステップにおいて汲み上げられた海水
と空気を接触させる吸収ステップと、 少なくとも前記海水汲み上げステップにおいて汲み上げ
られた海水の量または前記吸収ステップにおける接触方
法に基づいて、海水中に取り込まれるCO2の量を算出
する吸収CO2量算出ステップとを備えたことを特徴と
するCO2固定量算出方法。 - 【請求項4】 前記海水汲み上げ手段によって汲み上げ
られた海水の少なくとも一部を用いて、海水中の有効成
分を抽出する海水中有効成分抽出手段を備えたことを特
徴とする請求項1記載のCO2固定システム。 - 【請求項5】 前記吸収CO2量算出ステップにおいて
算出された前記海水中に取り込まれるCO2の量に基づ
いて、CO2排出権の大きさを算出するCO2排出権算出
ステップを備えたことを特徴とする請求項2または3記
載のCO2固定量算出方法。 - 【請求項6】 前記吸収CO2量算出手段によって算出
された前記海水中に取り込まれるCO2の量に基づい
て、CO2排出権の大きさを算出するCO2排出権算出手
段を備えたことを特徴とする請求項1記載のCO2固定
システム。 - 【請求項7】 前記海水汲み上げステップにおける前記
深層の海水の汲み上げ、および/または前記吸収ステッ
プにおける海水と空気との接触に、発電するさいにCO
2を発生する発電手段からの電力をも用い、 前記CO2排出権算出ステップにおいて算出されるCO2
排出権の大きさは、前記吸収CO2量算出ステップにお
いて算出された前記海水中に取り込まれるCO2の量か
ら、前記発電手段が前記電力を生み出すさいに発生する
CO2の量を差し引いた量に基づいた権利の大きさであ
ることを特徴とする請求項5記載のCO2固定量算出方
法。 - 【請求項8】 前記吸収CO2量算出手段によって算出
された海水中に取り込まれるCO2の量の情報、および
/または前記CO2排出権算出手段によって算出された
CO2排出権の大きさの情報を送信する情報送信手段を
備えたことを特徴とする請求項1、4、6のいずれかに
記載のCO2固定システム。 - 【請求項9】 空気を海中に吹き込む空気吹き込み手段
を備え、 前記海水汲み上げ手段は、前記海水の汲み上げに、前記
空気吹き込み手段を用いることを特徴とする請求項1、
4、6、8のいずれかに記載のCO2固定システム。 - 【請求項10】 前記電力の一部を用いて、空気を気泡
にして海中に吹き込む気泡吹き込の第2の吸収手段をさ
らに備え、 前記吸収CO2量算出手段は、前記第2の吸収手段によ
って海水に吸収され海水中に取り込まれるCO2の量を
も算出し、そのCO2の量と、前記吸収手段によって海
水中に取り込まれるCO2の量とを加算して、その加算
したCO2の量を海水中に取り込まれるCO2の量とする
ことを特徴とする請求項1、4、6、8、9のいずれか
に記載のCO2固定システム。 - 【請求項11】 深層から汲み上げる海水の量と、前記
汲み上げる海水を海面に散布するさいの散布の仕方と、
の双方または一方を入力する入力手段と、 前記入力手段によって入力された、少なくとも前記海水
の量または前記散布の仕方に基づいて、前記海面に散布
される海水に吸着および/または吸収され、海水中に取
り込まれるCO2の量を算出する吸収CO2量算出手段
と、 前記吸収CO2量算出手段によって算出された結果を出
力する出力手段とを備えたことを特徴とするCO2固定
量算出システム。 - 【請求項12】 前記吸収CO2量算出手段によって算
出された前記海水中に取り込まれるCO2の量に基づい
て、CO2排出権の大きさを算出するCO2排出権算出手
段を備え、 前記出力手段は、前記CO2排出権算出手段によって算
出された結果を出力することを特徴とする請求項11記
載のCO2固定量算出システム。 - 【請求項13】 請求項1、4、6、8から10のいず
れかに記載のCO2固定システムの前記吸収手段および
/または前記第2の吸収手段によって海水中に取り込ま
れるCO2と、そのCO2とともに前記海水中に取り込ま
れるO2と、さらに前記吸収手段によって海水中に戻さ
れる海水に含まれる無機塩類と、の全部または一部を利
用して魚を養殖することを特徴とする養魚システム。 - 【請求項14】 請求項1、4、6、8から10のいず
れかに記載のCO2固定システムの各構成手段の全部ま
たは一部の各機能をコンピュータに実行させるためのプ
ログラムを格納したことを特徴とするプログラム記録媒
体。 - 【請求項15】 請求項11または12記載のCO2固
定量算出システムの各構成手段の全部または一部の各機
能をコンピュータに実行させるためのプログラムを格納
したことを特徴とするプログラム記録媒体。
Priority Applications (1)
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---|---|---|---|
JP07072899A JP3587715B2 (ja) | 1999-03-16 | 1999-03-16 | Co2固定システム、co2固定量算出方法、co2固定量算出システム |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP07072899A JP3587715B2 (ja) | 1999-03-16 | 1999-03-16 | Co2固定システム、co2固定量算出方法、co2固定量算出システム |
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Publication Number | Publication Date |
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JP2000262888A true JP2000262888A (ja) | 2000-09-26 |
JP3587715B2 JP3587715B2 (ja) | 2004-11-10 |
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---|---|---|---|
JP07072899A Expired - Fee Related JP3587715B2 (ja) | 1999-03-16 | 1999-03-16 | Co2固定システム、co2固定量算出方法、co2固定量算出システム |
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JP (1) | JP3587715B2 (ja) |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR101160299B1 (ko) * | 2009-12-28 | 2012-06-28 | 재단법인 포항산업과학연구원 | 해조류를 이용한 해조장 및 이에 의한 이산화탄소 및 총무기탄소 제거량 산정방법 |
JP2019524424A (ja) * | 2016-06-11 | 2019-09-05 | 彭斯干 | 海洋炭素の回収及び貯留方法並びに設備 |
WO2023002544A1 (ja) * | 2021-07-19 | 2023-01-26 | 株式会社ジェイテクト | 炭酸ガス隔離装置および炭酸ガス隔離方法 |
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---|---|---|---|---|
US8126780B2 (en) | 2006-12-26 | 2012-02-28 | Katsumi Iwai | Method for cultured sea algae |
-
1999
- 1999-03-16 JP JP07072899A patent/JP3587715B2/ja not_active Expired - Fee Related
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