JP2000261215A - マイクロ波・ミリ波導波路およびそれを用いた集積回路 - Google Patents

マイクロ波・ミリ波導波路およびそれを用いた集積回路

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JP2000261215A
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microwave
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hole
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Yukimichi Shibata
随道 柴田
Koji Ban
弘司 伴
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 伝搬エネルギーの空間内の閉じ込めが確実
で、他の配線構造と整合が容易な導波路、およびそれを
用いた集積回路を提供することである。 【解決手段】 誘電体基板1の両面に導電性膜2,3が
形成され、その板状構造を一方の面から見たときに一定
の幅をもつ帯状領域の両側に周期的に格子状に配置され
た4穴が誘電体基板1を貫通して形成されており、その
穴4の内部側面に導電性の部材が形成されたスル−ホ−
ル4により電性膜2,3が格子状の各点で電気的に接続
されている構成を特徴としている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、マイクロ波帯やミ
リ波帯で動作するハイブリッド集積回路、およびモノリ
シック集積回路の回路要素の一部として構成される導波
路や受動回路の構造に関するものである。
【0002】
【従来の技術】マイクロ波、ミリ波帯の電気信号や電力
を伝送する線路として、金属導波管は古くから知られて
いる。導波路が完全に金属で覆われ、伝搬エネルギーが
管内に閉じ込められた導波管は、外部との干渉がなく、
周波数の高い領域で低損失な導波路を実現できるため、
今日でもミリ波帯のシステムに広く利用されている。し
かしながら、製造に機械的な加工が必要なことが金属導
波管の大きな欠点の一つとしてあげられ、プリント基板
回路やモノリシック集積回路の製造に用いられるフォト
リソグラフィーによる製造技術とも整合が取れず、大量
生産、低廉化に難があるという問題を抱えている。近
年、フォトリソグラフィー技術を援用したマイクロマシ
ニング技術による導波管製造の例(例えば、IEEEマ
イクロ波理論と技術ソサイエティー主催1997年国際
マイクロ波会議の論文、C.E.Collins等によ
る「W−band measurements of
100μm height micro−machin
ed air−filledrectangular
Waveguides」論文番号TH3D−1)がある
が、マイクロマシニング技術が量産技術として一般に普
及するには未だ時間がかかる見通しであり、現状では高
価な技術と言わざるを得ない。
【0003】一方、これに対して、フォトリソグラフィ
ー技術に整合した導波路形態としてマイクロストリップ
線路やコプレーナ導波路がある。これらは主にマイクロ
波帯で広く普及している。プリント基板や集積回路の一
般的な配線プロセスで容易に製造でき、表面実装回路や
モノリシック集積回路の能動素子等の回路素子との結線
も容易である。動作周波数も広帯域で使いやすい。ただ
し、導波路が完全にシールドされていないオープンな構
造であるため外部との寄生結合による干渉を生じたり、
不要な放射損失を生じたりしやすい。特に高周波領域で
は、高次の伝搬モードを生じさせないために断面寸法を
小さくする必要があり、導体損失も無視できなくなる。
このように考慮すべき問題も多く、マイクロ波帯の高周
波側からミリ波帯以降の領域では、充分な性能を得るの
が一般には難しい。
【0004】この他にも、同軸線路,非放射形誘電体線
路(NRDガイド),シールド形のストリップ線路など
が知られているが、同軸線路やNRDガイドは金属導波
管に類似の問題を、シールド形のストリップ線路はマイ
クロストリップ線路やコプレーナ導波路に類似の導体損
失の問題を、それぞれ有している。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】以上、従来のマイクロ
波、ミリ波回路構造に用いられている伝送線路構造を概
観して判る通り、それぞれの導波路形態には一長一短が
ある。もし、上記の特徴的な複数の導波路形態が一つの
技術をベースに製造可能であれば、用途に応じて部分的
な使い分けが可能となり、設計の自由度が上がり、価格
・性能特性が向上すると期待できるが、既に述べたよう
に導波管の部類の導波路の製造技術は、マイクロストリ
ップ線路やコプレーナ線路の類の製造技術と整合せず、
これらの導波路間の接続にも特殊な技術を要するといっ
た難点がある。
【0006】本発明の目的は、上述した金属導波管のよ
うに伝搬エネルギーの空間内の閉じ込めが確実で、周辺
回路との寄生的な干渉が少なく、高周波領域で優れた特
性を維持し、かつマイクロストリップ線路やコプレーナ
導波路のようにプリント基板回路やモノリシック集積回
路の配線構造と整合が取れ、製造が容易で、他の回路素
子やマイクロストリップ線路、コプレーナ線路等と結線
の容易な新たな導波路、回路構造を提供することにあ
る。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明にかかるマイクロ
波・ミリ波導波路(請求項1に対応)は、誘電体基板の
両面に導電性膜が形成されており、その板状構造を一方
の面から見たときに、導波路幅にあたる一定の幅をもつ
帯状領域の両側に周期的に格子状に配置された穴が前記
の誘電体基板を貫通して形成されており、その穴の内部
側面に導電性の部材が形成されているか、あるいは前記
穴を導電性の物質が貫通していることにより、前記両面
の導電性膜が前記帯状領域両側の格子状の各点で電気的
に接続されているものである。
【0008】また、本発明にかかるマイクロ波・ミリ波
集積回路(請求項2に対応)は、単板の誘電体基板、も
しくはN(N=1,2,3・・・)層からなる多層誘電
体基板の任意の連続するn(n=1,2,3・・・)層
(nはN以下)からなる部分を請求項1に記載の誘電体
基板とみなして構成された請求項1に記載のマイクロ波
・ミリ波導波路を少なくとも一部に含むものである。
【0009】また、本発明にかかるモノリシック集積回
路は、半導体基板上に一体形成される多層配線層部分を
用いて、配線層の層間絶縁膜を請求項1に記載の誘電体
基板とみなして構成された請求項1に記載のマイクロ波
・ミリ波導波路を少なくとも一部に含むものである。
【0010】
【発明の実施の形態】〔第1実施形態〕図1は、本発明
の基本となるマイクロ波・ミリ波導波路の構造(請求項
1に対応)を図示するものである。図1(イ)は、板状
の誘電体材料からなる誘電体基板1の一方の面を上から
見た図、図1(ロ)は、誘電体基板1の側面図である。
誘電体基板1の両面に導電性膜2,3が形成されてお
り、その面上には、図1(イ)にあるように、誘電体基
板1の両面の導電性膜2,3を接続するスルーホール4
の格子が中央部分に幅Aの間を隔てて上下に各々周期的
に設けられている。スルーホール4の構成は、誘電体基
板1を貫通して穴が形成され、その穴の内部側面に導電
性部材を形成するか、あるいは前記穴を導電性の物質を
貫通させるかしたものである。なお、誘電体基板1の誘
電体材料にはガラスフッ素樹脂(テフロン(登録商標)
とガラス繊維のコンパウンド)や、セラミックがある。
前者の比誘電率εrは2.6程度(実施形態の計算で使
用)、後者の比誘電率εr は10程度である。また、導
電性膜2,3には、たとえば金、銅や、アルミニウムが
ある。この構造は、幅Aを導波路の凡その幅とする図面
横方向(マイクロ波・ミリ波の伝搬方向)に延びる伝送
線路として機能する。その動作原理を図2に示す従来の
方形導波管と比較して以下に説明する。
【0011】図2は、従来の方形導波管とその基本伝搬
モードの電磁界成分を示す図で、5は天井導体面、6は
底導体面、7は側導体面を示す。
【0012】方形導波管の基本伝搬モードであるTE1
0モードは、導波管の高さ方向(図2中のx方向)の成
分を持つ電界Eと、幅方向(y方向)および波の進行方
向(z方向)の成分を持つ磁界Hからなっているが、本
発明の導波路構造を伝搬する波の基本モードもこれに類
似の電磁界成分を有する。即ち、図1において、誘電体
基板1の厚さ方向(同図(イ)の紙面に垂直な方向)を
向く電界と基板面内方向(同図(イ)の紙面内方向)成
分を持つ磁界からなるモードが伝搬し得ることを後に具
体的数値を入れた解析例によって示すが、ここでは、方
形導波管との構造上の類似点を定性的に述べつつ、本発
明の特徴を説明する。
【0013】図2に示す方形導波管を伝搬するTEモー
ドの調和振動電磁界分布は、無限に広がる2枚の導体板
をx方向に間隔Bを隔てて配した平行平板(導波管の高
さ方向の天井導体面5と底導体面6を広げて、両方の側
導体面7を取り去った構造)を伝搬するTE波のうち、
yz面内でz方向に対して一定の角度傾いた2方向に伝
搬する二つの平面波を適当に重ね合わせた結果として表
現できる。このような二つの平面波を重ね合わせると、
y方向に一定の間隔を置いて常に電磁界強度が零となる
線が生ずるが、これらのストライプ状の線の内の二つの
線上に側導体面7を設けたものが方形導波管である。こ
のような解釈をさらに進めると、平行平板をyz面内の
任意の方向に伝搬する波を二つの側導体面7の間に閉じ
込めたものが方形導波管であり、伝搬エネルギーは二つ
の側導体面7の間をジグザグに反射しながら伝搬してい
くという光線近似的な描象が得られる。このような描象
は従来普通に用いられてきたものであり、例えば、小西
良弘著「マイクロ波回路の基礎とその応用」総合電子出
版社発行にそのような記述がある。
【0014】以上のような描象に基づいて本発明の導波
路の動作原理の説明を試みる。図1の構造において、誘
電体基板1の両面に形成された導電性膜2,3が,図2
の方形導波管における天井導体面5,底導体面6と同様
の役割を果たすと考える。そして、方形導波管の側導体
面7が上記の説明において平行平板面内方向で波動を管
内に閉じ込める役割を果たしたのと同じ作用を図1の構
造ではスルーホール格子の周期構造が果たすのである。
スルーホール格子の周期構造が平行平板面内の如何なる
方向への波動の伝搬をも阻止して図1における幅Aの領
域内にエネルギーを閉じ込める作用を持つことは必ずし
も明白ではない。これを示すためには詳しい計算を行う
必要がある。ここでは、図3に示す計算結果を用いてこ
れを説明する。
【0015】図3(イ)は、図1の構造のスルーホール
格子部分の一部を抜き出して描いた図であるが、この周
期構造自体の特性を調べるために、ここでは両面に導電
性膜2,3を張った誘電体基板1が無限の広がりを持
ち、この誘導体基板1上に形成されたスルーホール4も
方形格子状に際限なく続く無限周期構造であると考え
る。便宜上、方形格子の周期(長さ)をa、スルーホー
ルの半径(長さ)をrと置く。そして既に述べたよう
に、この誘電体基板1中を紙面に垂直な電界成分と紙面
内の磁界成分を持ち、紙面内の任意の方向に一定の波数
で伝搬するTE波を考え、その波が周期構造から帰結す
る然るべき周期的境界条件を満たして存在し得る周波数
を計算する。このような計算を繰り返すことによって、
図3(ロ)に示すようなTE波の分散特性を描くことが
できる。ここに示した計算例は、誘導体基板1の比誘電
率をεr =2.6、寸法比r/a=0.25とした時の
ものである。分散特性図の横軸は、該波数空間における
座標を結晶工学でよく用いられる表記法に従って表し
た。縦軸は、正規化した周波数を右軸に、また具体的な
数値例としてa=15.0mmとしたときの実際の周波
数を左軸に示している。なお、Μ,Χ,Γは分散特性の
図中に示す波数空間での単位構造図の座標、○,□,△
はそれぞれ最低次,2次,3次の分散曲線を示してい
る。
【0016】この図から、周波数7.6〜9.4GHz
(正規化周波数0.38〜0.47)、および周波数1
1.7GHz(正規化周波数0.59)以上の領域では
この周期構造中を伝搬する波が存在する可能性がある
が、7.6GHz(正規化周波数0.38)以下、およ
び9.4〜11.7GHz(正規化周波数0.47〜
0.59)の周波数帯では、如何なる方向への波の伝搬
も禁止されることが判る。然るに、図1に示した導波路
構造において、幅Aを適当に選んで導波路の基本伝搬モ
ードが図3の周波数7.6GHz(正規化周波数0.3
8)以下の周波数帯で伝搬するように設計すれば、導波
路となる幅Aの領域を伝搬する波動は、方形格子状のス
ルーホール列よりなる側導体面7側の如何なる方向へも
漏洩することができず、幅Aの領域内に完全に閉じ込め
られることになる。
【0017】以上の説明から解るように、本発明のマイ
クロ波・ミリ波の導波路の構造は、板状の誘電体材料か
らなる誘導体基板1の両面に張られた導電性膜2,3が
構成する平行平板導波路の平板面内方向に関する波動の
閉じ込めを周期構造が示す分散特性の波動伝搬不能周波
数帯域を利用して行なったものであり、その周期構造と
して、両面の導電性膜2,3を電気的に接続するスルー
ホール4を格子状に配置することにより実現した点に最
大の特徴がある。周期的な構造が上記のような分散特性
を示すことは古くから知られており、マイクロ波帯のフ
イルタ回路などに応用されている。また、複数の誘電体
材料を組み合わせた周期構造により誘電体導波路を構成
するアイデアなどは、例えばJ.D.Joannopo
ulos等による「Photonic Crystal
s」Princeton University Pr
essに提案されているが、プリント基板回路やモノリ
シック集積回路の配線構造に従来から使用されているス
ルーホール構造を利用して周期構造を作る点が、本発明
の従来技術と異なる重要な点である。スルーホール構造
自体は、ごくありふれた構造であり、技術として成熟し
た製造工程を通して確実に実現できる。
【0018】〔実施データ〕図4は、図1に記載の導波
路の分散特性計算結果である。同図(イ)は、図1の構
造のスルーホール格子の周期をaとしてA=2aとした
時の導波路の分散特性を基本モードから2次のものま
で、(ロ)は、A=3aとした時の導波路の分散特性を
基本モードから3次のものまで示した図である。誘電体
基板1の比誘電率は2.6とし、横軸に導波路の伝搬方
向の波数を、縦軸には、図3と同様に右軸に正規化周波
数を、左軸にはa=15.0mmとした時の実際の周波
数を採っている。これらの特性の計算には、誘電体基板
1の厚さ方向を向く電界と基板面内方向成分を持つ磁界
からなるTEモードを仮定しており、確かに該伝搬モー
ドが存在すること、基本モードの伝搬帯域が図3で述べ
たスルーホール格子の周期構造の波動伝搬禁止域である
周波数7.6 GHz(正規化周波数0.38)以下に
設計できることが判る。
【0019】〔第2実施形態〕図5は、図1に記載の導
波路を組み合わせて構成した回路構造例であり、導波路
分岐を示す実施形態例である。この図で、(イ)は平面
図、(ロ)は側面図、(ハ)は等価回路図である。図5
において、11は誘電体基板、12,13は導電性膜、
14はスルーホール、15は伝送線路を示す。この実施
形態の場合は、方形導波管のH面T分岐に相当する分岐
機能が実現される。
【0020】〔第3実施形態〕図6は、他の回路構造の
一例であり、本発明のマイクロ波・ミリ波導波路とマイ
クロストリップ線路との接続形態を示すものである。こ
の図で、(イ)は一部を破断して示した斜視図、(ロ)
は等価回路図である。16は下層誘電体基板、または絶
縁膜層,17は上層誘電体基板、または絶縁膜層、18
は下層誘電体基板、または絶縁膜層の両面導体膜を接続
するスルーホール、19は2つの誘電体基板層または絶
縁膜層を貫通して下層誘電体基板、または絶縁膜層の下
面導体膜と上層誘電体基板、または絶縁膜層の上面導体
膜を接続するスルーホール、20は上層誘電体基板、ま
たは絶縁膜層に形成されるマイクロストリップ線路導
体、21は伝送線路(本発明によるマイクロ波・ミリ波
導波路)、22はマイクロストリップ伝送線路である。
この例では、多層基板、あるいは多層配線構造のうちの
二つの誘電体基板層、あるいは層間絶縁膜層を利用し、
下層の誘電体基板、あるいは絶縁膜を図1の導波路を構
成する誘電体材料として使用し、上層の誘電体基板、あ
るいは絶縁膜をマイクロストリップ線路の基板として使
用したものである。これを一般的に表現すると、単板の
誘電体基板、もしくはN(N=1,2,3・・・)層か
らなる多層誘電体基板の任意の連続するn(n=1,
2,3・・・)層(nはN以下)からなる部分を誘電体
基板とみなして構成された請求項1に記載のマイクロ波
・ミリ波導波路を少なくとも一部に含む。この例に見ら
れるように本発明の導波路構造は、従来からプリント基
板や集積回路の配線に使用されているプレーナ形の伝送
線路との接続が容易であり、マイクロストリップ線路や
コプレーナ導波路の製造技術に整合したものである。
【0021】
【発明の効果】以上、述べたように、本発明の基本とな
るマイクロ波・ミリ波導波路は、誘電体基板の両面に導
電性膜が形成されており、その板状構造を一方の面から
見たときに、一定の幅をもつ帯状領域の両側に周期的に
格子状に配置された穴が前記の誘電体基板を貫通して形
成されており、その穴の内部側面に導電性の部材が形成
されているか、あるいは前記穴を導電性の物質が貫通し
ていることにより、前記両面の導電性膜が前記帯状領域
の両側の格子状の各点で電気的に接続されているので金
属導波管のように伝搬エネルギーの空間内の閉じ込めが
確実で、周辺回路との寄生的な干渉が少なく、高周波領
域で優れた特性を維持し、かつマイクロストリップ線路
やコプレーナ導波路のようにプリント基板回路やモノリ
シック集積回路の配線構造と整合が取れ、製造が容易
で、他の回路素子やマイクロストリップ線路、コプレー
ナ線路等と結線の容易な新たな導波路、回路構造を実現
することができる。そのためマイクロ波・ミリ波の回路
構造,実装基板に容易に適用することができる。したが
って、このような回路構造をマイクロ波、ミリ波帯の様
々な応用に適用することで、設計自由度が向上し、かつ
低コストで高性能な 回路を実現できるものであり、産
業に与えるその効果は甚大である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のマイクロ波・ミリ波導波路構造の実施
形態を示す図で、(イ)は、該板状の誘電体材料(誘電
体基板)の一方の面上から見た図、(ロ)は、側面図で
ある。
【図2】従来の方形導波管の構成と基本伝搬モードの電
磁界成分を示す図である。
【図3】誘電体基板の両面に形成した導電性膜からなる
平行平板に正方格子状にスルーホールを配置した周期構
造と、その構造を伝搬する波の分散特性を示す図で、
(イ)は、該構造の基板を上から見た図、(ロ)は分散
特性図である。
【図4】図1に示した導波路の分散特性データを示す図
で、(イ)は、スルーホール格子の周期をaとしてA=
2aの場合、(ロ)は、A=3aの場合の特性である。
【図5】本発明のマイクロ波・ミリ波導波路の分岐構造
の実施形態例であり、マイクロ波・ミリ波の回路構造、
もしくは回路基板の一部となり得るもので、(イ)は、
基板を上から見た図、(ロ)は側面図、(ハ)は等価回
路図である。
【図6】マイクロ波・ミリ波の回路構造、回路基板、モ
ノリシック集積回路、または集積回路基板の一部を示す
実施形態例であり、同図(イ)は構造図、(ロ)は等価
回路図である。
【符号の説明】
1,11 誘電体基板 2,12 導電性膜 3,13 導電性膜 4,14 スルーホール 5 天井導体面 6 底導体面 7 側導体面 15 伝送線路 16 下層誘電体基板、または絶縁膜層 17 上層誘電体基板、または絶縁膜層 18 下層誘電体基板、または絶縁膜層の両面導体膜を
接続するスルーホール 19 下層誘電体基板、または絶縁膜層の下面導体膜と
上層誘電体基板、または絶縁膜層の上面導体膜を接続す
るスルーホール 20 上層誘電体基板、または絶縁膜層に形成されるマ
イクロストリップ線路導体 21 伝送線路(本発明によるマイクロ波・ミリ波導波
路) 22 マイクロストリップ伝送線路

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 誘電体基板の両面に導電性膜が形成され
    ており、その板状構造を一方の面から見たときに、一定
    の幅をもつ帯状領域の両側に周期的に格子状に配置され
    た穴が前記誘電体基板を貫通して形成されており、その
    穴の内部側面に導電性の部材が形成されているか、ある
    いは前記穴を導電性の物質が貫通していることにより、
    前記両面の導電性膜が前記帯状領域の両側の格子状の各
    点で電気的に接続されていることを特徴とするマイクロ
    波・ミリ波導波路。
  2. 【請求項2】 単板の誘電体基板、もしくはN(N=
    1,2,3・・・)層からなる多層誘電体基板の任意の
    連続するn(n=1,2,3・・・)層(nはN以下)
    からなる部分を誘電体基板とみなして構成された請求項
    1に記載のマイクロ波・ミリ波導波路を少なくとも一部
    に含むことを特徴とするマイクロ波・ミリ波集積回路。
  3. 【請求項3】 モノリシック集積回路の多層配線構造の
    N(N=1,2,3・・・)層からなる層間絶縁膜の任
    意の連続するn(n=1,2,3・・・)層(nはN以
    下)からなる部分を誘電体基板とみなして構成された請
    求項1に記載のマイクロ波・ミリ波導波路を少なくとも
    一部に含むことを特徴とするモノリシック集積回路。
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