JP2000255495A - メインロータ用ブレード - Google Patents

メインロータ用ブレード

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JP2000255495A
JP2000255495A JP11057455A JP5745599A JP2000255495A JP 2000255495 A JP2000255495 A JP 2000255495A JP 11057455 A JP11057455 A JP 11057455A JP 5745599 A JP5745599 A JP 5745599A JP 2000255495 A JP2000255495 A JP 2000255495A
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JP
Japan
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blade
flap
actuator
main rotor
trailing edge
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JP11057455A
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Tetsuya Takasaki
徹也 高崎
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Mitsubishi Heavy Industries Ltd
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Mitsubishi Heavy Industries Ltd
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  • General Electrical Machinery Utilizing Piezoelectricity, Electrostriction Or Magnetostriction (AREA)

Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 ヘリコプタ用ブレードのIBC制御、HHC
制御を、圧電材料若しくは磁歪材料の歪みを利用して行
えるようにしたメインロータ用ブレードに関し、従来の
ブレードの制御装置の欠点を解消して実機適用性を高く
し、ヘリコプタの高性能化を図ることのできるメインロ
ータブレードを提供する。 【解決手段】 メインロータ用ブレードに、ブレードの
後縁部から少なくとも鉛直下向きに開口して、翼幅方向
に所定幅にわたって穿設されたスリットを通ってブレー
ド後縁部の外面の少なくとも鉛直下向きに、下端部分が
自在に出し入れできるフラップ材を設ける。これによ
り、フラップ材がブレードの後縁部の外面から鉛直下向
きに出されたときには、フラップ付ブレードと同様の空
力特性がブレードに発生し、ブレードの揚力係数Clお
よび抗力係数Cdを大きくできる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ヘリコプタを空中
に浮揚させるとともに、飛行に必要とする推進力を発生
させるメインロータ用ブレードに係わり、特に、ブレー
ドの回転により、発生する揚力(空気力)を制御するた
めに、ブレード後縁部の翼幅方向へ少なくとも下方向に
向けて開口させたスリット又は後縁よりも後方を、ブレ
ード後縁部の外面上と略直交する方向に移動するフラッ
プ材又はフラップを設けたメインロータ用ブレードに関
する。
【0002】
【従来の技術】近年、ヘリコプタは、ペイロードの増大
化、飛行速度の高速化とともに、振動低減、騒音低減、
失速緩和を図り、しかも冗長性の実現が容易で、駆動の
ために必要とするパワーを小さくし、重量増加を小さく
したメインロータ用ブレードの制御装置が要求されてい
る。
【0003】すなわち、図4(a)に示すように、ヘリ
コプタ01の飛行においては、胴体03の上方に2枚以
上からなる、例えば、図5に示す横断面形状の翼型にさ
れた複数枚のブレード02を設け、胴体03に設置した
エンジンから伝達される駆動力によって回転させ、ブレ
ード02に発生する揚力Lによって、ヘリコプタ01を
空中に浮揚させるとともに、飛行に必要とする推力を発
生させるようにしている。また、このブレード02は、
図に示すように通常平面視において反時計回りに回転さ
せるようにしており、このため、ヘリコプタ01の進行
方向右側を前進して回転するブレード02では、ブレー
ド02の回転速度Rに伴う前進速度成分に飛行時のヘリ
コプタ01の前進速度Fが加わったものが、対気速度V
となるため、ブレード02は大きな速度となる。
【0004】逆に、進行方向左側を後退して回転するブ
レード02は、ブレード02の回転速度Rに伴う後進速
度成分を飛行時のヘリコプタ01の前進速度Fから減じ
たものが、対気速度Vとなるため、ブレード02は小さ
な速度となる。従って、このようなブレード02では、
左右を回転する各ブレード02の迎角αに差異を設け
て、対気速度Vの2乗に比例して発生する揚力Lをバラ
ンスさせ、ヘリコプタ01の水平を維持させて飛行させ
る必要がある。
【0005】すなわち、ヘリコプタ01の左右を回転す
る各ブレード02に発生する揚力Lのアンバランスを打
消し、ヘリコプタ01の水平姿勢を維持するためには、
ヘリコプタ01の進行方向右側で回転するブレード02
の揚力Lを小さくするため、図4(b)に示すように、
迎角αを小さくし、しかも、前進速度F方向と直交する
位置を回転するときのブレード02では、対気速度Vが
最も大きくなるために、この位置で迎角αが最も小さく
なるように、ブレード02の回転位相角に対応して迎角
αを変え、さらに、進行方向左側で回転し、対気速度V
が小さくなるブレード02の揚力Lを大きくするため、
図4(c)に示すように、左側で回転するブレード02
では迎角αを大きくし、しかも、飛行方向と直交する位
置では、対気速度Vが最も小さくなるために、迎角αが
最も大きくなるように回転位相角に対応して迎角αを変
える必要がある。
【0006】この様に、各ブレード02の1回転中にお
ける迎角αを、各ブレード02の回転位相角に応じて個
別にサイクリックに変化させる制御が必要となり、図6
に示すスワッシュブレード09と呼ばれる機構によりこ
れを実現している。
【0007】しかしながら、ブレード02は、一様な流
れの大気中を作動することはなく、先行し既に通過した
ブレード02の後流の攪乱の生じている大気中で作動す
るため、上記1ロータ1回転1周期の迎角α変化に加
え、1回転に2周期以上の高次の迎角α変化を受ける。
その結果ブレード02にはロータ回転周波数の整数倍の
高次振動が発生し、胴体03には、その高次振動の内、
主にロータ回転周波数にブレード枚数を乗じた周波数の
振動がブレード02から伝達する。
【0008】例えばロータ回転数が5Hzでブレード0
2を4枚持っているヘリコプタ01では、主に20Hz
の高次周波数の振動がブレード02から胴体03へ伝達
する。このために、胴体03に伝達した高次周波数の振
動を低減させる制御(以下HHC:Higher Ha
rmonic Controlという)が必要となり、
このためのHHC制御装置が試作されている。このHH
Cは騒音低減にも効果が確認されている。また、HHC
制御を包括し、さらに自由度の多い制御により胴体03
の振動の主要因となっているブレード02の高次周波数
の迎角α変動を打ち消し振動を低減させたり、ブレード
02が失速している位相角近傍で局所的に迎角を小さく
し失速を緩和させる等の制御(以下IBC:Indiv
idual Blade Controlという)も研
究されており、このためのIBC制御装置も試作されて
いる。
【0009】次に、ブレードのIBC制御、およびHH
C制御に使用されている従来の制御装置について説明す
る。図6は、ブレード02の制御を行うためのIBC制
御装置、およびHHC制御装置を示す斜視図である。
【0010】図において、06は胴体03の上方に略鉛
直状に立設され、胴体03内に設置された、図示省略し
たエンジンからの出力がギヤボックスを介して伝達さ
れ、回動する回転軸、07は回転軸06の上端に設置さ
れ、図示省略したブレード02の回転面の水平面からの
角度を変えるためのフラッピング軸、回転軸06まわり
のブレード02の回転角度を変えるためのリードラグ軸
まわりにブレード02を回動させるヒンジが設けられる
とともに、フェザリング軸まわりにブレード02を回動
させ、ピッチ作動PAを行わせるヒンジ08を設けたロ
ータハブである。なお、ブレード02は、この例ではロ
ータハブ07の外周に4枚設けるようにしているが、図
においてはそのうちの1枚だけを示すようにしている。
【0011】09はスワシュプレートで、回転軸06が
中心部に間隙を設けて貫通し、回転軸06の外周辺の構
造体に等ピッチに配置され、立設されたロッド010と
アクチュエータ011を介して連結され、任意のアクチ
ュエータ011の伸縮により傾斜方向を変動させるよう
にした下部スワシュプレート09bと、回転軸06が中
心部に設けた滑らかに上下位置変更および傾き位置変更
が可能な軸受けを貫通し、軸受けを貫通している回転軸
06とシザー015によって連結され、底面が傾斜した
下部スワシュプレート09b上面と摺動しながら、回転
軸06とともに、下部スワシュプレート09bに形成さ
れた傾斜面に沿って回転する上部スワシュプレート09
aとからなる。
【0012】012は、メインロータ用ブレード02の
配設された方位の上部スワシュプレート09aの上方に
立設されたプッシュロッド012で、途中にIBC制御
用のアクチュエータ013を介装してメインロータ用ブ
レード02の前縁翼根部から回転方向側へ突出されたピ
ッチリンク014にその上端部が連結されている。
【0013】本制御装置は、上述のように構成されて、
ヘリコプタ01のトリムおよびHHC制御を行うための
アクチュエータ011の動きは、固定系の下部スワッシ
ュプレート09bから回転系の上部スワッシュプレート
09aに伝達され、上部スワッシュプレート09aの上
面に立設されたプッシュロッド012の上下運動に変換
され、さらにピッチリンク014を介し、ブレード02
がピッチ作動PAをするように伝達される。このブレー
ド02のピッチ作動PAにより、ブレード02に作用す
る空気力が変わる。
【0014】HHC制御では、このアクチュエータ01
1を、メインロータ用ブレード02の1回転を1次とす
る高次のハーモニクスで動かして制御を行い、IBC制
御では、プッシュロッド012に介装されたアクチュエ
ータ013をブレード02毎に任意に動かし、しかも、
高周波でピッチ作動PAさせることで、ブレード02に
作用する空気力の大きさを細く変化させることができ
る。なお、HHC制御装置およびIBC制御装置は、両
装置を同時に装備することはないが、図において概念説
明のため両装置同時に示すようにしている。
【0015】しかしながら、本制御装置によるHHC制
御、IBC制御では、ブレード02やスワッシュプレー
ト09等のマスが大きく、またヘリコプタ01の重量が
大きくなるとともに、ブレード02に作用する空気力の
負荷も大きくなるので、これを高周波でピッチ動作させ
るためには、大きな制御パワーを必要とし、そのためシ
ステムが大規模となることで重量増加も大きくなり、ヘ
リコプタ01全体としてのパワー損失が大きくなるとい
う不具合がある。
【0016】すなわち、下部スワッシュプレート09b
を駆動して、その傾斜角度を変えるようにした、ロッド
010に介装されたアクチュエータ011には、1個当
り数百kg〜1tonの力で20Hz程度の伸縮運動が
実現できるパワーを必要とすることがある等、パワー損
失は大きなものとなる。さらに、本制御装置では必須と
なるHHC制御およびIBC制御を、上述した制御装置
のほかのシステムで行えるようにした、バックアップ機
能を持たせる、いわゆる、冗長性を持たすのが困難であ
るという不具合もある。
【0017】このような不具合を解消するため、従来の
一体成形型のブレード02に代えて、従来の固定翼機の
主翼等に採用されているフラップと同様のフラップをブ
レード02の後縁翼端部に設けるようにしたものも、従
来から採用されている。
【0018】図7は、HHC制御やIBC制御を小さい
パワーで実現するために採用されているフラップ付ブレ
ードを示す図である。これは、ブレード02全体をピッ
チ作動PAさせる代りに、後縁翼端部に翼幅方向に所定
長さのフラップ017を枢着して、このフラップ017
の枢着軸まわりの作動によって、特に、回転速度Rが大
きく、HHC制御又はIBC制御の為に、大きな揚力の
発生量を変化させることのできる、フラップ付ブレード
016の翼端部に作用する空気力を変えるようにしたも
のである。
【0019】本制御装置を採用するようにした場合、フ
ラップ017のマスが小さい分だけ、その作動に要する
パワー損失が少く、特に、高次の操舵が小さいパワーに
より行える等、高次の操舵に適している利点が前述した
制御装置に比較してある反面、前述した制御装置におけ
るブレード02に発生すると同等の空気力変化をフラッ
プ付ブレード016に発生させるためには、フラップ0
17の振幅が±40°程度にもなる、大きなフラップ舵
角Fδ変化をさせる必要があり、このためにフラップ0
17には大きな空気力による復元力FRが働き、構造強
度とともに、フラップ017をHHC制御又はIBC制
御に必要とするフラップ舵角Fδ変化をさせるために
は、大きなパワーを必要とする不具合がある。
【0020】また、固定翼機の主翼等と異なり、回転す
るフラップ付ブレード016の、しかも翼端部に設ける
フラップ017を動かすために、フラップ付ブレード0
16寸法、質量バランス等の制約に伴う技術的困難が伴
うとともに、フラップ017の駆動機構上技術的困難が
あるという不具合もある。すなわち、図8はこのような
フラップ付ブレード016に装着されるフラップ017
を駆動するための装置の一例を示すもので、フラップ付
ブレード016の内部にトルクチューブ018を通し、
上部スワッシュプレート09aの上面に立設したフラッ
プロッド019の上下動により、フラップ017に一端
が連結されたトルクチューブ018をその軸心まわりに
回動させ、1サイクル/1回転の操舵を行うようにした
フラップ017により、操縦を行うようにしたものであ
る。
【0021】図から判断できるように、図8に示すもの
では、前述した不具合があるとともに、構造的に複雑に
なるとともに、±40°程度の操舵量を維持するために
は、トルクチューブ018、フラップロッド019の剛
性を大きなものにする必要があり、重量が増大するとい
う不具合がある。さらには、前述したメインロータ用ブ
レード02の制御と同様に、冗長性を持たせることが困
難であるばかりでなく、1サイクル/1回転の操舵を行
うようにしているために、フラップ017制御の特徴で
ある高次の操舵ができず、フラップ制御特有の特徴がな
くなり、20Hzもの高調波で振動するHHC制御装置
として採用することは、到底困難である。
【0022】また、フラップ017を動かすためのアク
チュエータとして、圧電効果等を利用した小型のアクチ
ュエータも候補として、現時点では考慮されている。す
なわち、ジルコン酸チタン酸鉛派生系セラミックPZT
(Pb,Zr,Ti)等の圧電材料、又はTelfen
ol−D等の磁歪材料のように、電圧を印加すると、圧
電効果、電歪(磁歪)効果、又は分域反転により10-3
オーダの歪みを発生する素材を使用し、このような素材
に電圧印加によって発生する歪みを利用して、フラップ
017を作動させるようにしたアクチュエータが最近研
究開発されている。
【0023】このような圧電材料、磁歪材料を使用した
アクチュエータを使用してフラップ017を作動させる
ことができるようにすることができれば、制御システム
として軽量化が図れ、冗長性が向上すると共に、省エネ
ルギーが達成できて、実機適用性の向上が図れるととも
に、制御面においても振動低減、BVIノイズ低減、高
速巡航性能向上ができ、ヘリコプタの高性能化を図るこ
とができる。
【0024】しかしながら、現段階ではこのような圧電
材料、磁歪材料等に発生する歪みによりフラップを作動
させるようにしたアクチュエータは、±40°程度にも
なるフラップ017振幅にできる歪み量と、±40°程
度になっているフラップ017の舵面FAを維持できる
だけの力を、同時に満足させることのできる材料がない
ために、これらの材料を使用したフラップ017のアク
チュエータは実現していないのが現状である。
【0025】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、メインロー
タ用ブレードに発生させる揚力を制御する、前述した従
来の制御装置の不具合を解消するため、システム重量増
加が小さく、制御振幅要求と制御のための操舵力を小さ
くすることでアクチュエータに必要とするパワーが少な
く、また、冗長性の実現が容易で、しかも、ブレードの
スパン方向の空力分布の制御を可能にして、制御システ
ムとしての実機適用性を高くし、また、振動低減、騒音
低減によって乗り心地を良くし、失速緩和によって機体
の釣り合いを良好にするとともに、さらには、応答性が
良く、ヘリコプタの高性能化を図ることのできるメイン
ロータ用ブレードの提供を課題とする。
【0026】
【課題を解決するための手段】このため、第1番目の本
発明のメインロータ用ブレードは、次の手段とした。
【0027】(1)ブレードの後縁部から少なくとも鉛
直下向きに開口して、翼幅方向に所定幅にわたって穿設
されたスリットを設けた。なお、スリットはブレードの
翼端部分に設けるようにして、鉛直上向きに開口するよ
うにしたものを設けるようにしても良い。
【0028】(2)スリットを通ってブレード後縁部の
外面の少なくとも鉛直下向きに、下端部分が自在に出し
入れできるフラップ材、いわゆる、ガーニー(Gurn
ey)フラップを設けたものにすることが好ましい。な
お、ブレード後縁部の外面から鉛直方向に自在に出し入
れできるフラップ材の出入量は、メインロータ用ブレー
ドの翼弦長の2〜4%程度の長さにすることが好まし
い。また、スリットからフラップ材を出し入れする機構
は、機械的な機構を使用することなく、圧電材料又は磁
歪材料等のスマート材料を使用して、電圧印加により生
じる材料の歪量を利用してフラップの出し入れを行うよ
うにし、応答性が良く、小型軽量にでき、冗長性の実現
が容易なものにすることが好ましい。
【0029】(a)本発明のメインロータ用ブレード
は、上述(1)、(2)の手段により、フラップ材がブ
レードの後縁部の外面から鉛直下向きに出されたときに
は、フラップ付ブレードにおいてフラップを下方に降ろ
したときと同様の空力特性をブレードに発生させること
ができる。すなわち、ブレード後縁部の外面から鉛直下
向きにフラップ材を突出させることにより、ブレード回
りの空気の流れは、フラップ付ブレードにおいてフラッ
プを下方に降ろしたときと同様にブレードの後縁部に急
激に下降する空気の流れを発生させることができ、ブレ
ードの揚力係数Clを大きくできるとともに、抗力係数
Cdも増加する。
【0030】従って、ブレード後縁部の外面から鉛直下
向きに突出させるフラップ材の突出量を、メインロータ
用ブレードの制御に必要な突出量に能動的にコントロー
ルすることにより、メインロータ用ブレードのIBC制
御が可能になる。また、フラップ材の突出量は、メイン
ロータ用ブレードの翼弦長の2〜4%程度の長さである
ので、作動振幅を小さくでき、しかも、軽量にできると
ともに、フラップに働く空気力によるフラップ材の動き
は、スリットの開口側面で規制され、さらに、フラップ
材突出に伴う、フラップ材に作用する空気力はフラップ
材の突出方向には殆んど作用しないので、フラップ材に
作用する空力的な復元力を小さくすることができる。
【0031】これにより、フラップ付ブレードのフラッ
プを作動させて操舵し、操舵角を維持させるためには、
振幅の大きさや、保持力上問題のある既存の圧電材料を
使用するようにしたアクチュエータにおいても、実用上
なんら問題なくメインロータ用ブレードのIBC制御が
できるようになる。
【0032】なお、本発明は、メインロータ用ブレード
のブレード後縁部から鉛直上向きにも開口させ、翼幅方
向に所定幅穿設されたスリットを設け、このスリットを
通ってブレード後縁部の外面の鉛直上向きにもフラップ
材を出し入れできるようにもすることができるが、この
ようにしてフラップ材をブレード後縁部から鉛直上向き
に突出させるようにした場合には、フラップ材を突出さ
せることにより、通常固定翼機における主翼に設けられ
るスポイラーと同等の作用が得られ、ブレードの揚力係
数Clを小さくできるとともに、抗力係数Cdも増加さ
せることができるようになる。
【0033】このように、フラップ付ブレードのフラッ
プを作動させて操舵し、設定された操舵角を維持させる
ためには、振幅や保持力上問題のある既存の圧電材料等
のスマート材料を使用するようにしたアクチュエータに
おいても、実用上なんら問題なく、メインロータ用ブレ
ードのIBC制御、HHC制御ができるようになる。ま
た、第2番目の本発明のメインロータ用ブレードは、上
述(1)、(2)の手段に加え、次の手段とした。
【0034】(3)フラップが、先端部がブレード内部
の翼幅(スパン)方向に配設された桁材に固着されてブ
レード内を翼弦(コード)方向に配置されたスマート材
料からなる伸縮部材と、伸縮部材の後端からスリットの
開口方向に向けて折り曲げられたフラップ材とからな
り、負荷される電圧により変形する伸縮部材の変形によ
り、フラップ材をスリットから後縁部の外面へ鉛直方向
に出し入れさせるものとした。
【0035】また、第3番目の本発明のメインロータ用
ブレードは、上述(3)の手段に加え、次の手段とし
た。
【0036】(4)印加される電圧により変形する前記
伸縮部材は、ジルコン酸チタン酸鉛派生系セラミックか
らなる板状の圧電材料を銅板の両側に張り付けて構成さ
れるバイモルフ型アクチュエータ、若しくは前記圧電材
料を前記銅板の両側にそれぞれ複数枚重ねて張り付けて
構成されるマルチモルフ型アクチュエータ、若しくは前
記圧電材料を複数枚直列に重ねて形成した積層形アクチ
ュエータのうちの少くとも1つからなるものとした。
【0037】(b)本発明のメインロータ用ブレード
は、上述(a)に加え、上述(3)の手段により、通
常、最大厚みの10倍程度の長さにされる、ブレードの
翼弦方向のブレード内空間が有効に活用することがで
き、電圧負荷、単位長さ当りの歪み量の小さいスマート
材料によっても、スリットから後縁部の外面へ突出させ
るフラップ材の突出量を大きくでき、より効果的なメイ
ンロータ用ブレードのIBC制御ができる。
【0038】すなわち、上述(3)の手段に加え、上述
(4)の手段にしたことにより、例えば、圧電材料であ
るPZT板を通常のCu等材料で形成された側の両側に
張り付け、両側のPZT板の伸縮により撓み変位量は大
きくできるが、変位を保持する力、いわゆる、発生力は
大きくできないバイモルフ型アクチュエータに代えて、
バイモルフ型アクチュエータに更にPZT板を積層する
ことにより、撓み変位が小さくなってしまうものの、発
生力を大きくできるマルチモルフ型アクチュエータが使
用できるようになり、フラップ材を大きな力で、しか
も、大きく、例えばメインロータ用ブレードの翼弦長の
2〜4%程度突出させることができるようになるととも
に、フラップ材に空力的な復元力が作用することがあっ
ても、制御するために必要とされる突出量を維持するこ
とがより確実にできるようになる。
【0039】また、第4番目の本発明のメインロータ用
ブレードは、次の手段とした。 (5)ブレード内を翼幅方向に配設され、ブレードを補
強する桁材に設けられ、駆動力を発生させることのでき
るアクチュエータを設けた。なお、アクチュエータは、
箱型に形成される桁材の後端面に設置することが好まし
く、駆動力の発生も機械的な機構によるものではなく、
前述した圧電材料又は磁歪材料等のスマート材料を使用
し、電圧印加等により動力を発生させるようにしたもの
にすることが好ましい。
【0040】(6)ブレード後縁部を翼幅方向に所定間
隔ごとに小翼幅切り欠いて設けられた切欠部を複数設け
た。なお、切欠部を設ける小翼幅は、リンク機構が作動
できる最小限の翼幅とし、ブレードの空力特性に影響の
少ないものにすることが好ましい。
【0041】(7)ブレードの後縁部内に設けられた構
造部材に一端が連結され、4辺の端部がそれぞれ枢着さ
れ、アクチュエータから連結部材等で伝達される駆動力
で、縦方向に配置された辺方向を一定にして、形状をそ
れぞれ変形させて切欠部内を上下動するリンク機構を設
けた。なお、連結部材は単なるワイヤ,ロッド等により
形成するようにしても良いが、前述したスマート材料を
使って、連結部材自体にもアクチュエータ機能を持たせ
るようにすることもできる。
【0042】(8)リンク機構の後端に配置され、リン
ク機構による作動時において鉛直方向に作動するリンク
機構の1辺に側面が貼着され、鉛直状態にして配置され
て、ブレード後縁部の翼幅方向に設けた切欠部の設置位
置全幅域に亘って設けられ、リンク機構の作動によりブ
レード後縁部の外面上と直交する略鉛直方向に、ブレー
ド後縁部の後方で上下動するフラップを設けた。
【0043】また、第5番目の本発明のメインロータ用
ブレードは、上述(5)〜(8)の手段に加え、次の手
段とした。
【0044】(9)上述(5)の手段の前記アクチュエ
ータは、ジルコン酸チタン酸鉛派生系セラミックからな
る板状の圧電材料を銅板の両側に張り付けて構成される
バイモルフ型アクチュエータ、若しくは前記圧電材料を
前記銅板の両側にそれぞれ複数枚重ねて張り付けて構成
されるマルチモルフ型アクチュエータ、若しくは前記板
状の圧電材料を複数枚直列に重ねて形成した積層形アク
チュエータ、若しくは磁歪材料により形成した伸縮部材
のうちの少くとも1つからなるものとした。
【0045】(c)本発明のメインロータ用ブレード
は、上述(5)〜(8)の手段により上述(a)と同様
の作用、効果が得られるのに加え、通常最大厚みの10
倍程度の長さにされるブレードの翼弦方向のブレード内
空間が、リンク機構の設置空間にして有効に活用するこ
とができ、電圧負荷当りの歪み量の小さいスマート材料
によっても、リンク機構の作動拡大機構によりスリット
から後縁部の外面へ突出させるフラップ材の突出量を大
きくでき、より効果的なメインロータブレードのIBC
制御ができるようになる。
【0046】すなわち、上述(5)〜(8)の手段に加
え、上述(9)の手段にしたことにより、変位が小さく
なってしまうが、発生力を大きくできる積層型アクチュ
エータを上述(5)の手段の桁材に設けるアクチュエー
タとして採用して、このアクチュエータリンク機構とを
連結するようにすれば、リンク機構の拡大機構により、
フラップ材をより大きな力で、より大きく突出させるこ
とができるようになるとともに、フラップ材より大きな
空力的な復元力が作用することがあっても、制御された
突出量を維持することがより確実にできるようになる。
【0047】
【発明の実施の形態】以下、本発明のメインロータ用ブ
レードの実施の一形態を図面に基づき説明する。図1
は、本発明のメインロータ用ブレードの実施の第1形態
を示す図で、図1(a)はブレードの後縁部から下向き
に設けたスリットからガーニフラップと呼ばれるフラッ
プ材を垂直に出している状態を示す図、図1(b)は図
1(a)に示す矢視A−Aにおける断面図でフラップ材
をブレード内に収納した状態を示す図、図1(c)は図
1(a)に示す矢視A−Aにおける断面図で、フラップ
材をスリットから垂直に出している状態を示す図であ
る。
【0048】図に示すように、ブレード1の翼弦方向中
央部より前方には、ブレード1の翼幅方向にブレード1
の構造材としての、アルミ製の桁材(スパー)2が配設
されている。この桁材2の後辺には、片持ち状態にされ
て、Pb,Zr,Tiを成分とするジルコン酸チタン酸
鉛派生系セラミックからなる圧電材料(以下圧電材料P
ZT)を板状に成形した圧電材料PZT板3を通常の銅
板4の両側に接着材で張り付けて、図2に示すように、
電圧の負荷により撓み変形するバイモルフ型アクチュエ
ータと呼称される伸縮部材5の先端が固着されて、後方
に向けてブレード1内を延設されている。
【0049】このバイモルフ型アクチュエータを構成す
る圧電材料PZT板3は、その成分であるPbの含有率
により異なる挙動を示すとともに、図2(a)に示すよ
うに銅板4の両面にそれぞれ重ねて接着したバイモルフ
型の伸縮部材5では、電圧印加による撓み変位は大きく
なるものの、変位する強度は小さい。しかしながら、更
に複数枚圧電材料を重ねて接着したマルチモルフ型の伸
縮部材にすることにより、撓み変位は小さくなるもの
の、変位する強度をある程度大きくすることができる。
これに対して、図2(b)に示すように、圧電材料PZ
T板3を何枚も直列に重ねて形成した積層型の伸縮部材
5では、電圧印加による変位は小さくなるものの、変位
強度を大きくすることができる。
【0050】なお、伸縮部材5は、このような圧電材料
PZT板3で貼着し構成したアクチュエータで形成する
ほかに、Terluiem,Ferrous、およびD
ysprosiumからなる磁歪材料Terfeuol
Dで形成されたロッドの外周にコイルを巻回し、このコ
イルに電流を流すことにより発生する磁界により磁気歪
みを生じさせ、変形させるようにした磁歪材料によって
も形成することができる。
【0051】このような磁歪材料を伸縮部材5として使
用した場合、(1)変位量を大きくできる,(2)材種
により正磁歪、逆磁歪を示すものにできる,(3)高温
での使用が可能になる,(4)低電圧駆動が可能にな
る,(電極がなく、非接触駆動可)(5)発生応力を大
きくできる,(6)ヒステリシス特性が小さくできる,
(7)等方的駆動が可能になり、また任意設計形状が可
能になり、さらには構造がシンプルになる,(8)応答
速度を速くできる,等の利点が得られる。
【0052】このように、ブレード1内に翼弦方向に配
設される伸縮部材5の圧電材料PZT板3には、電圧を
印加するため電気入力装置6の端子がそれぞれ接続され
ている。またブレード1の後縁部には、鉛直下方に開口
するスリット7がブレード1の翼幅方向に所定の幅、例
えばフラップ付ブレード016に装着されるフラップ0
17と同じ幅にわたって設けられるようにしている。さ
らに、伸縮部材5の後端、換言すればスリット7を開口
させた翼弦方向位置での伸縮部材5の後端には、伸縮部
材5と直交するように折り曲げられたフラップ材8が連
結されている。
【0053】本実施の形態のメインロータ用ブレード
は、上述の構成にされているので電気的入力装置6によ
る電圧印加により、アクチュエータを構成する伸縮部材
5がたわむと、それまで図1(b)に示すようにブレー
ド1内に収納されていたフラップ材5(Gurney
Flap)は、ブレード1後縁部の鉛直下方に向けて穿
設されたスリット7から図1(c)に示すように、後縁
部外方の外表面から略外表面と直交する方向に突出す
る。このようにして、フラップ材8がブレード1の後縁
部の外面から鉛直下向きに出されたときには、前述した
フラップ付ブレード016において、フラップ017を
下方に降ろしたときと同様の空力特性をブレード1に発
生させることができる。
【0054】すなわち、ブレード1の後縁部の外面から
鉛直下向きにフラップ材5を突出させたことにより、ブ
レード1回りの空気の流れは、フラップ付ブレードにお
いてフラップを下方に降ろしたときと同様に後縁部では
急激に下降する流れとなり、ブレード1の揚力係数Cl
を大きくできるとともに、抗力係数Cdも増加するとと
もに、フラップ材5の突出量を制御することにより、揚
力係数Cl、抗力係数Cdの大きさを制御できる。
【0055】従って、後縁部の外面から鉛直下向きに突
出させるフラップ材8の突出量をメインロータ用ブレー
ドの制御に必要な突出量に能動的にコントロールするこ
とにより、各ブレード1のIBC制御ができるようにな
る。また、このフラップ材8の突出量は、電気入力装置
6から印加される電圧の大きさに応じメインロータ用ブ
レードの翼弦長の2〜4%程度の長さであり、作動振幅
を小さくでき、しかも軽量にできるとともに、フラップ
材8に働く空気力によるフラップ材8の動きは、スリッ
ト7の開口側面で規制され、また突出に伴うフラップ材
8に作用する空気力はフラップの突出方向には作用しな
いのでフラップ材8に作用する空力的な復元力も小さく
することができる。
【0056】これにより、フラップ付ブレードのフラッ
プを作動させて操舵し、操舵角を維持させるためには、
振幅の大きさや保持力上問題のあった既存の圧電材料を
使用するようにしたアクチュエータにおいても、実用上
なんら問題なくメインロータ用ブレードのIBC制御が
容易にできるようになる。
【0057】さらに、通常最大厚みの10倍程度の長さ
にされるブレード1の翼弦方向のブレード内空間が伸縮
部材5の設置空間として有効に活用することができ、長
い伸縮部材5が設置できるので電圧負荷当りの歪み量は
小さいが変位強度を大きくできるマルチモルフ型や積層
型の伸縮部材5も使用できるようになり、スリット7か
ら後縁部の外面へ突出させるフラップ材8の突出量を大
きくでき、しかも大きな力で支持できるようになり、よ
り効果的なメインロータブレードのIBC制御ができる
ようになる。
【0058】次に、図3は、本発明のメインロータ用ブ
レードの実施の第2形態を示す図で、図3(a)はブレ
ードの後縁部から上,下向きに設けたスリットから突出
させたリンク機構により、ガーニフラップと呼ばれるフ
ラップを垂直状態にブレードの後縁よりも後方に配置し
た図、図3(b)は図3(a)に示す矢視B−Bにおけ
る後縁部の断面図でフラップを中立位置状態にしたとき
の部分断面図、図3(c)は図3(b)に示す状態から
フラップ板を上方に上げたときを示す図、図3(d)は
図3(b)に示す状態から、フラップを下方に下げたと
きを示す図である。
【0059】本実施の形態においては、ブレード1内に
設けた桁材2の後端面に前述した伸縮部材5を構成する
バイモルフ型またはマルチモルフ型の圧電材料、より好
ましくは図2(b)に示すように、圧電材料PZT板3
を何枚も直列に重ねて形成し、伸縮変位を利用した積層
型の圧電材料で形成されたアクチュエータ10を設け
た。また、ブレード1の後縁部には、上方および下方に
開口するスリット11a,11bが、ブレード1の翼幅
方向に所定の幅にわたって設けられるようにしている。
この上,下にそれぞれ穿設されたスリット11a,11
bには、リンク機構12を形成する支持材13が設置さ
れている。
【0060】すなわち、支持材13の先端部は、ブレー
ド1内の構造部材に枢着ピン14で枢支されるととも
に、後端部は端板15に同様に枢着ピン14で枢支さ
れ、端板15を鉛直方向に作動できるようにした、平行
四辺形のリンク機構12を形成するようにしている。ま
た、上方の支持材13の先端の枢着部には突起16が一
体にして設けられており、この突起16の枢着側と反対
側の端部には、前述したアクチュエータ10に前端が連
結されたワイヤ(またはロッド等)17が繋着されてい
る。さらに、端板15の後背面にはフラップ18が設け
られるとともに、端板15とブレード1の後縁との間に
はシール材19が張設されている。
【0061】本実施の形態のメインロータ用ブレード
は、上述の構成にしたことにより、フラップ18が後縁
部の後方で後縁外面から鉛直下向きに出されたときに
は、フラップ付ブレードにおいてフラップ017を下方
に降ろしたときと同様の空力特性がブレードに発生す
る。すなわち、ブレード後縁部の後方で後縁外面から鉛
直下向きにフラップ18を突出させることにより、フラ
ップ付ブレード016のフラップ07を下方に降ろした
ときと同様な流れとなり、ブレードの揚力係数Clを大
きくできるとともに、抗力係数Cdも増加する。
【0062】従って、ブレード後縁部の後方から鉛直下
向きに突出させるフラップ18の突出量を能動的にコン
トロールすることにより、メインロータ用ブレードのI
BC制御が可能になる。また、フラップ18の突出量
は、メインロータ用ブレードの翼弦長の2〜4%程度の
長さであるので、作動振幅は小さく、しかも、軽量にで
きるとともに、フラップ18に働く空力的な復元力も小
さくすることができる。
【0063】これにより、フラップ付ブレードのフラッ
プを作動させて操舵し、操舵角を維持させるためには、
振幅や保持力上問題のある既存の圧電材料を使用するよ
うにした、アクチュエータにおいても、実用上なんら問
題なくメインロータ用ブレードのIBC制御ができる。
【0064】なお、本発明は、ブレード後縁部の後方で
鉛直上向きにもフラップ18を出し入れできることによ
りブレードの揚力係数Clを小さくできるとともに、抗
力係数Cdも増加させることができ、同様にフラップ付
ブレードのフラップを作動させて操舵し、操舵角を維持
させるためには、振幅や保持力上問題のある既存の圧電
材料を使用するようにした、アクチュエータにおいて
も、実用上なんら問題なくメインロータ用ブレードのI
BC制御ができる。
【0065】さらに、ブレード1の翼弦方向のブレード
内空間が、リンク機構の設置空間として有効に活用する
ことができ、電圧負荷当りの歪み量の小さいスマート材
料によっても、リンク機構12の作動拡大機構によりス
リットから後縁部の外面へ突出させるフラップ材の突出
量を大きくでき、より効果的なメインロータブレードの
IBC制御ができるようになる。
【0066】また、撓み変位が小さくなってしまうが、
発生力を大きくできるマルチモルフ型や積層型アクチュ
エータを桁材に設けるアクチュエータとして採用して、
このアクチュエータリンク機構とを連結するようにすれ
ば、リンク機構の拡大機構により、フラップをより大き
な力で、より大きく突出させることができるようになる
とともに、フラップ材により大きな空力的な復元力が作
用することがあっても、制御された突出量を維持するこ
とがより確実にできるようになる。
【0067】
【発明の効果】以上説明したように、本発明のメインロ
ータ用ブレードによれば、ブレードの後縁部から少なく
とも鉛直下向きに開口して、翼幅方向に所定幅にわたっ
て穿設されたスリット、スリットを通ってブレード後縁
部の外面の少なくとも鉛直下向きに、下端部分が自在に
出し入れできるフラップ材、いわゆる、ガーニー(Gu
rney)フラップを設けるものとした。
【0068】これにより、フラップがブレードの後縁部
の外面から鉛直下向きに出されたときには、フラップ付
ブレードにおいて、フラップ材を下方に降ろしたときと
同様の空力特性がブレードに発生し、ブレードの揚力係
数Clを大きくできるとともに、抗力係数Cdも増加さ
せることができる。
【0069】また、ブレード後縁部の外面から鉛直下向
きに突出させるフラップ材の突出量を、メインロータ用
ブレードの制御に必要な突出量に能動的にコントロール
することにより、メインロータ用ブレードのIBC制御
が可能になる。また、フラップ材の突出量は、メインロ
ータ用ブレードの翼弦長の2〜4%程度の長さであるの
で、作動振幅を小さくでき、しかも軽量にできるととも
に、フラップに働く空気力によるフラップの動きは、ス
リットの開口側面で規制される、フラップ材突出に伴う
とともに、フラップに作用する空気力はフラップの突出
方向には作用しないので、空力的な復元力も小さくする
ことができる。
【0070】これにより、フラップ付ブレードのフラッ
プを作動させて操舵し、操舵角を維持させるためには、
振幅の大きさや保持力上問題のある既存の圧電材料を使
用するようにしたアクチュエータにおいても、実用上な
んら問題なくメインロータ用ブレードのIBC制御がで
きるようになる。
【0071】また、本発明のメインロータ用ブレードに
よれば、フラップ材が、先端部がブレード内部の翼幅
(スパン)方向に配設された桁材に固着されてブレード
内を、翼弦(コード)方向に配置されたスマート材料か
らなる伸縮部材と伸縮部材の後端からスリットの開口方
向に折り曲げられたフラップ材とからなり、印加される
電圧により変形する伸縮部材の伸縮により、フラップ材
をスリットから後縁部の外面へ鉛直方向に出し入れさせ
るものとした。
【0072】さらに、本発明のメインロータ用ブレード
によれば前述の伸縮部材は、ジルコン酸チタン酸鉛派生
系セラミックからなる板状の圧電材料を銅板の両側に張
り付けで構成されるバイモルフ型アクチュエータ、若し
くは前記圧電材料を前記銅板の両側にそれそれ複数枚重
ねて張り付けて構成されるマルチモルフ型アクチュエー
タ、若しくは前記圧電材料を複数枚直列に重ねて形成し
た積層形アクチュエータのうちの少くとも1つからなる
ものとした。
【0073】これにより、通常最大厚みの10倍程度の
長さにされるブレードの翼弦方向のブレード内空間が有
効に活用することができ、電圧負荷当りの歪み量の小さ
いスマート材料によっても、スリットから後縁部の外面
へ突出させるフラップ材の突出量を大きくでき、より効
果的なメインロータブレードのIBC制御ができる。
【0074】また、本発明のメインロータ用ブレードに
よれば、ブレード内を翼幅方向に配設され、ブレードを
補強する桁材に設けられ、駆動力を発生させることので
きるアクチュエータ、ブレード後縁部を翼幅方向に所定
間隔ごとに小翼幅切り欠いて設けられた切欠部、ブレー
ドの後縁部内に設けられた構造部材に一端が連結され、
4辺の端部がそれぞれ枢着され、アクチュエータから連
結部材等で伝達される駆動力で、縦方向に配置された辺
方向を一定にして、形状をそれぞれ変形させて切欠部内
を上下動するリンク機構を設け、リンク機構の後端に配
置される1辺に側面が鉛直状態になるようにして配置さ
れて、ブレード後縁部の翼幅方向に設けた切欠部の設置
位置に渡って設けられ、リンク機構の作動によりブレー
ド後縁部の外面上と直交する略鉛直方向にブレード後縁
部の後方で上下動するフラップを設けるものとした。
【0075】さらに、本発明のメインロータ用ブレード
によれば、前述のアクチュエータは、ジルコン酸チタン
酸鉛派生系セラミックからなる板状の圧電材料を銅板の
両側に張り付けて構成されるバイモルフ型アクチュエー
タ、若しくは前記圧電材料を前記銅板の両側にそれそれ
複数枚重ねて張り付けて構成されるマルチモルフ型アク
チュエータ、若しくは前記板状の圧電材料を複数枚直列
に重ねて形成した積層形アクチュエータ、若しくは磁歪
材料により形成した伸縮部材のうちの少くとも1つから
選択されるものとした。
【0076】これにより、ブレードの翼弦方向のブレー
ド内空間がリンク機構の設置空間にして有効に活用する
ことができ、電圧負荷当りの歪み量の小さいスマート材
料によっても、リンク機構の作動拡大機構によりスリッ
トから後縁部の外面へ突出させるフラップの突出量を大
きくでき、また、上下面両方に突出することができ、よ
り効果的なメインロータブレードのIBC制御ができる
ようになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のメインロータ用ブレードの実施の第1
形態を示す図で、図1(a)はブレードの後縁部から下
向きに設けたスリットからガーニフラップと呼ばれるフ
ラップ板を垂直に出ている状態を示す図、図1(b)は
図1(a)に示す矢視A−Aにおける断面図でフラップ
材をブレード内に収納した状態を示す図、図1(c)は
図1(a)に示す矢視A−Aにおける断面図で、フラッ
プ材をスリットから垂直に出している状態を示す図、
【図2】圧電材料PZT板を銅板の両面にそれぞれ重ね
て接着した伸縮部材を示す図で、図2(a)は圧電材料
を銅板の両面に1枚づつ接着し、それぞれの圧電材料に
異なる符号の電圧を印加することで、片方は伸び、他方
は縮むことで撓み変形をするバイモルフ型伸縮部材の斜
視図、図2(b)は圧電材料を複数層接着して形成し、
全ての圧電材料に同じ方向で電圧を印加することで、バ
イモルフ型伸縮部材よりも変位量が小さくなるが、変形
強度が大きい、伸縮変位をする積層型伸縮部材の斜視
図、
【図3】本発明のメインロータ用ブレードの実施の第2
形態を示す図で、図3(a)はブレードの後縁部から
上,下向きに設けたスリットから突出させたリンク機構
により、ガーニフラップと呼ばれるフラップを垂直状態
にブレードの後縁よりも後方に配置した図、図3(b)
は図3(a)に示す矢視B−Bにおける後縁部の断面図
でフラップ板を中立位置状態にしたときの部分断面図、
図3(c)は図3(b)に示す状態からフラップを上方
に上げたときを示す図、図3(d)は図3(b)に示す
状態から、フラップを下方に下げたときを示す図、
【図4】ヘリコプタの前進飛行時のブレードの作動を示
す図で、図4(a)は全体平面図、図4(b)は図4
(a)の右側を通過するブレードの迎角を示す図、図4
(c)は図4(a)の左側を通過するブレードの迎角を
示す図、
【図5】従来のブレードの翼型の一例を示す断面図およ
びブレードに働く空気力を示す図、
【図6】従来のIBC制御装置およびHHC制御装置を
示す斜視図、
【図7】HHC制御やIBC制御を小さいパワーで実現
するために採用されているフラップ付ブレードを示す斜
視図、
【図8】図7に示すフラップ付ブレードに装着されたフ
ラップを駆動するための従来の駆動装置を示す斜視図で
ある。
【符号の説明】
1 ブレード 2 桁 3 圧電材料PZT板 4 銅板 5 伸縮部材 6 電気入力装置 7 スリット 8 フラップ材 10 アクチュエータ 11a 上スリット 11b 下スリット 12 リンク機構 13 支持材 14 枢着ピン 15 端板 16 突起 17 ワイヤ 18 フラップ 19 シール材 01 ヘリコプタ 02 ブレード 03 胴体 04 前縁 05 後縁 06 回転軸 07 ロータハブ 08 ヒンジ(ピッチ作動用) 09 スワッシュプレート 09a 上部スワッシュプレート 09b 下部スワッシュプレート 010 ロッド 011 アクチュエータ 012 プッシュロッド 013 アクチュエータ 014 ピッチリンク 015 シザー 016 フラップ付ブレード 017 フラップ 018 トルクチューブ 019 フラップロッド

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ヘリコプタの上方に設けられ、回転によ
    り発生する揚力によりヘリコプタを空中に浮揚させると
    ともに、飛行に必要とする推進力を発生させるメインロ
    ータ用ブレードにおいて、ブレードの後縁部から少なく
    とも下向きに開口させて、翼幅方向に所定幅設けられた
    スリットと、前記スリットを通って一部分が後縁部の外
    面へ鉛直方向に出入するフラップ材とを設けたことを特
    徴とするメインロータ用ブレード。
  2. 【請求項2】 前記フラップ材が、先端部が翼幅方向に
    配設された桁材に固着され、ブレード内を翼弦方向に配
    設されたスマート材料からなる伸縮部材の後端から前記
    スリットの開口方向に折り曲げられて形成され、印加さ
    れる電圧により変形する前記伸縮部材の伸縮により、部
    分的に前記スリットから後縁部の外面へ鉛直方向に出入
    させるものであることを特徴とする請求項1のメインロ
    ータ用ブレード。
  3. 【請求項3】 印加される電圧により変形する前記伸縮
    部材は、ジルコン酸チタン酸鉛派生系セラミックからな
    る板状の圧電材料を銅板の両側に張り付けて構成される
    バイモルフ型アクチュエータ、若しくは前記圧電材料を
    前記銅板の両側にそれぞれ複数枚重ねて張り付けて構成
    されるマルチモルフ型アクチュエータ、若しくは前記圧
    電材料を複数枚直列に重ねて形成した積層形アクチュエ
    ータのうちの少くとも1つからなるものであることを特
    徴とする請求項2のメインロータ用ブレード。
  4. 【請求項4】 ヘリコプタの上方に設けられ、回転によ
    り発生する揚力によりヘリコプタを空中に浮揚させると
    ともに、飛行に必要とする推進力を発生させるメインロ
    ータ用ブレードにおいて、ブレード内を翼幅方向に配設
    された桁材に設けられたアクチュエータと、ブレード後
    縁部が翼幅方向に所定間隔を設けて所定幅切りかかれて
    設けられた複数の切欠部と、前記ブレード後縁部内に一
    端が連結され、前記アクチュエータから伝達される駆動
    力で前記切欠部内を上下動するリンク機構と、前記リン
    ク機構の後端に鉛直にして配置されて、前記ブレード後
    縁部の翼幅方向に設けられ、前記リンク機構の作動によ
    り前記ブレード後縁の後方を、外面と鉛直方向に上下動
    するフラップとを設けたことを特徴とするメインロータ
    用ブレード。
  5. 【請求項5】 前記アクチュエータは、ジルコン酸チタ
    ン酸鉛派生系セラミックからなる板状の圧電材料を銅板
    の両側に張り付けて構成されるバイモルフ型アクチュエ
    ータ、若しくは前記圧電材料を前記銅板の両側にそれそ
    れ複数枚重ねて張り付けて構成されるマルチモルフ型ア
    クチュエータ、若しくは前記板状の圧電材料を複数枚直
    列に重ねて形成した積層形アクチュエータ、若しくは磁
    歪材料により形成した伸縮部材のうちの少くとも1つか
    らなるものであることを特徴とする請求項4のメインロ
    ータ用ブレード。
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