JP2000252213A - 結晶成長装置および結晶成長方法 - Google Patents
結晶成長装置および結晶成長方法Info
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Abstract
ることの可能な結晶成長装置および結晶成長方法を提供
する。 【解決手段】 超高真空に排気可能な成長室1と、この
成長室1内に配置され、成長基板3を保持するための基
板ホルダ2と、成長室1内に配置され、蒸発源となる板
状原料6の表面を所定の角度に設定するための角度設定
手段を具備した坩堝41と、成長室1内の坩堝41の近
傍に配置された坩堝41を加熱するための加熱ヒータ5
とを少なくとも備え、成長基板3の表面と板状原料6の
表面のなす角θが22度以内なるように構成されてい
る。
Description
ル成長(MBE)等の超高真空下における結晶成長技術
に係り、特にエピタキシャル成長層に不純物元素を分子
線としてドーピングする際に好適な結晶成長装置および
結晶成長方法に関するものである。
e)等のIV族元素はIII−V族間化合物半導体(以下に
おいて「III−V族化合物半導体」と略記する)中ではI
II族元素置換位置でドナー、V族元素置換位置でアクセ
プタとなり得るいわゆる両性不純物元素である。GaA
sのMBE成長においては(211)A面の成長におい
てSiがp型不純物となることが報告されてはいるが、
(100)面等他の面での成長ではSiはn型不純物と
してふるまうことが知られている。またSiのGaAs
への付着係数は1で活性化率が高く、GaAsのMBE
成長ではSiがドーパントとして一般的に用いられてい
る。
エピタキシャル成長層にSiを不純物元素としてドーピ
ングする際には、Si原料を坩堝(ルツボ)内に収納
し、Siの融点(1415℃)以下の一定温度に加熱す
ることによりSiの分子線(分子ビーム)を生成する。
即ち、このSiの分子線を成長中のエピタキシャル成長
層に構成元素(母体の構成元素)の分子線と共に照射
し、ドーピングを行う。このIII−V族化合物半導体の
ドーピングに用いるSi原料セルは、Si原料を棒状ま
たは板状を細片にして坩堝内に収納して構成していた。
導体の成長には構成元素として2種類の分子線が必要で
ある。3元系の化合物半導体の成長には構成元素として
3種類の分子線が必要である。さらに、p型、n型ドー
パント用の分子線として少なくとも2種類の分子線が必
要である。このため、超高真空に排気可能な成長室(チ
ャンバー)の内部には、これら種々の分子線を供給する
ための蒸発源を収納する複数の坩堝が配置されている。
限られた容積内に、複数の坩堝を格納するために、通常
これらの複数の坩堝はそれぞれの中心線が基板方向を向
いて、傾斜して配置されている。
下の温度で加熱して、分子線を生成する場合、上述した
ような従来技術においてはエピタキシャル成長層の面内
均一性が悪く、品質の良いエピタキシャル成長層を得る
のが困難であった。例えば、Si原料セルを使用してII
I−V族化合物半導体のエピタキシャル成長層にSiを
ドーピングした場合、エピタキシャル成長層のドーピン
グ濃度の面内の均一性が悪いという問題があった。
であるため、この坩堝の内部に固体の蒸発源を収納する
際には、それぞれの固体蒸発源の形状、収納方法等によ
り生成される分子線の均一性や指向性がまちまちであ
り、均一なエピタキシャル成長層を得るのが困難であっ
た。
を融点以下の温度で加熱して、分子線を生成し、成長基
板の表面にその分子線を照射する結晶成長装置におい
て、成長基板の表面におけるその分子線の均一性が良好
で、面内均一性の高いエピタキシャル成長層を得ること
が可能な結晶成長装置を提供するものである。
めの坩堝内に板状原料を収納する場合、板状原料の表面
を所定の角度に設定し、成長基板の表面における分子線
の均一性を良好にすることのできる結晶成長装置を提供
するものである。
を融点以下の温度で加熱して、分子線を生成し、成長基
板の表面にその分子線を照射する結晶成長方法におい
て、成長基板の表面に到達する分子線の均一性が良好
で、面内均一性の高いエピタキシャル成長層を得ること
が可能な結晶成長方法を提供するものである。
め、本発明の結晶成長装置は、超高真空に排気可能な成
長室と、この成長室内に配置され、成長基板を保持する
ための基板ホルダと、成長室内に配置され、蒸発源とな
る板状原料の表面を所定の角度に設定するための角度設
定手段を具備した坩堝と、成長室内の坩堝の近傍に配置
された坩堝を加熱するための加熱ヒータとを少なくとも
備え、成長基板の表面と板状原料の表面のなす角(許容
角度)θを22度以内とすることを特徴とする。ここで
「板状原料」とは、Siウェハのような互いに平行に対
向する2つの主表面、すなわち表面と裏面とを持つ蒸発
源(分子線原料)の意である。また、「板状原料の表
面」とは、この板状原料の面積が最も大きい主表面(す
なわち表面若しくは裏面)のことである。また、「加熱
ヒータ」は抵抗加熱ヒータでも高周波誘導(RF)加熱
ヒータでもかまわない。
料を坩堝内に収納しているので、蒸発源となる原料を細
片にして坩堝内に収納する場合よりも、原料の表面温度
の均一性が向上する。このため、板状原料の表面から均
一に分子線が発生する。
なす角(許容角度)θを22度以下、特には0度(平
行)としているので、成長基板の表面に照射される分子
線強度が均一となる領域が広がる。この許容角度θ<2
2度は本発明者により、初めて実験的に見いだされた角
度である。超高真空下では分子線の平均自由行程が大き
く、分子線は一定の指向性と拡がりを有したビームとし
て存在する。しかし、従来の超高真空下の成長において
は、成長基板の表面と板状原料の表面のなす角である許
容角度θと分子線の拡がりの均一性との関係、さらには
許容角度θとエピタキシャル成長層の面内均一性との関
係は全く考慮されていなかった。
ようであった。例えば、板状原料をドーピング材料とす
れば、許容角度θを22度以下、特には0度(平行)に
することにより、エピタキシャル成長層内のドーピング
濃度の面内均一性を向上させることができるということ
が実験的に確認されたのである。この許容角度θが22
度を超えてしまうと、エピタキシャル成長層内のドーピ
ング濃度の面内の均一性が著しく悪くなる。一方、許容
角度θを10度以内、更には0度(平行)とするとエピ
タキシャル成長層内のドーピング濃度の面内の均一性が
なお良くなることが実験的に確認されたのである。ま
た、同様に、SiのMBEのように母体のエピタキシャ
ル成長の成長原料として板状原料(SiのMBEにおい
ては単結晶Si板)を用いれば、成長膜厚の面内均一性
や、電気的特性の面内均一性や、結晶性の面内均一性が
向上することが実験的に確認されたのである。
を所定の角度に設定するための角度設定手段を具備して
いるので、坩堝に板状原料を収納する場合、許容角度θ
を22度以下、特には0度(平行)にすることが容易で
ある。
された坩堝の内部に、板状原料の表面を所定の角度に設
定して収納する工程と、この成長室内を超高真空に排気
する工程と、成長室内に、成長基板を保持する工程と、
超高真空状態で、板状原料を加熱することにより分子線
を生成し、この分子線を成長基板の表面に照射する工程
とから少なくともなり、成長基板の表面と前記板状原料
の表面のなす角(許容角度)θを22度以内とすること
を特徴とする。成長室内に、成長基板を保持する工程の
後で、成長室内を超高真空に排気する工程を行っても良
いが、ロードロック機構を用いれば、成長室内を超高真
空に排気する工程を先に行い、超高真空状態の成長室内
に、成長基板を挿入し保持させることが出来る。
料を坩堝内に収納しているので、原料の表面温度の均一
性が向上する。このため、板状原料の表面から均一に分
子線を発生させることが可能である。さらに成長基板の
表面と板状原料の表面のなす角(許容角度)θを22度
以下としているので、成長基板の表面に照射される分子
線強度が均一となる領域が広がる。このため、例えば、
板状原料をドーピング材料とすれば、エピタキシャル成
長層内のドーピング濃度の面内均一性を向上させた結晶
成長方法を提供することができる。また、母体のエピタ
キシャル成長の成長原料として板状原料を用いれば、成
長膜厚、電気的特性、或いは結晶性の面内均一性を向上
させた結晶成長方法を提供することができる。
施の形態を説明する。図1は本発明の実施の形態に係る
結晶成長装置としてのIII−V族化合物半導体のMBE
装置の模式図である。図1に示すように本発明のMBE
装置は超高真空に排気可能な成長室(チャンバー)1
と、この成長室1内に配置され、成長基板3を保持する
ための基板ホルダ2と、成長室1内に配置され、蒸発源
となる板状原料6の表面を所定の角度に設定するための
角度設定手段を具備した坩堝41と、成長室1内の坩堝
41の近傍に配置された坩堝41を加熱するための加熱
ヒータ5とを少なくとも備え、成長基板3の表面と板状
原料6の表面のなす角が22度以内なるように構成され
ている。
のn型ドーピング材料となる板状原料6を収納してい
る。つまり、板状原料6は、III−V族化合物半導体に
n型のドーピング元素を供給する単結晶の板状シリコン
(Si)6である。さらに、図1に示すように、坩堝4
1の周囲には、種々の分子線の蒸発源を構成する複数の
坩堝42,・・・・・,45が配置されている。すなわち、
坩堝41に隣接して、p型ドーパントとしてのベリリウ
ム(Be)用坩堝42、GaAsを成長するためのガリ
ウム(Ga)用坩堝44及び砒素(As2)用坩堝4
3、さらには予備坩堝45が配置されている。坩堝4
1,42,・・・・・,45の上方に配置された基板ホルダ
2はモリブデン(Mo)、タンタル(Ta)等の耐熱性
金属で構成されている。そして、本発明の実施の形態に
おいては、この基板ホルダ2には成長基板3として、ガ
リウム砒素(GaAs)基板が固定されている。基板ホ
ルダ2の内部には図示を省略した加熱ヒータが内蔵さ
れ、成長基板3を所定の温度に加熱出来るように構成さ
れている。
ンバー)1の内部に配置された、予備坩堝45は、たと
えば、AlGaAsをを成長する場合にはアルミニウム
(Al)を収納すればよい。InGaAsを成長するに
は、他の予備坩堝を用意して、この予備坩堝はインジウ
ム(In)を入れればよい。
N:特に熱分解法で形成されたPBN)等の耐熱材料に
より構成され、この各坩堝41〜45にはそれぞれ加熱
ヒータ5が巻回され、それぞれ所定の温度に成長原料も
しくはドーピング材料となる原料(蒸発源)を加熱でき
るようになっている。加熱ヒータ5による坩堝41〜4
5の加熱は、それぞれの坩堝41〜45に取りつけられ
た熱電対(図示省略)でモニタされ、それぞれ±1℃以
内に制御される。これらの各種の成長原料もしくはドー
ピング材料は成長室1の底部に設けられた蒸発源ポート
51〜55により充填や交換ができる。成長室1には真
空排気管(真空排気ポート)15が接続され、図示を省
略した真空ポンプに、同じく図示を省略したゲートバル
ブを介して接続されている。真空排気管15に接続され
る真空ポンプはクライオポンプ、ターボ分子ポンプ、イ
オンポンプ等を用いればよく、さらにこれらを組み合わ
せて使用してもよい。真空ポンプにより成長室は10
−7Pa乃至10−10Paに真空排気可能である。ま
た各坩堝41〜45の周辺には液体窒素シュラウド11
が設けられ、蒸発源加熱時の坩堝や加熱ヒータ等からの
脱ガス(放出ガス)の影響を避けることが出来るように
なっている。また成長室1の内壁近傍にも液体窒素シュ
ラウド11が設けられ、超高真空下において残留する水
分(H2O)や炭化水素(CH3,C2H6,・・・)を
除去し、高純度な結晶成長ができるようになっている。
さらに成長室1には成長室1の内部の圧力を測定するイ
オンゲージ等の真空ゲージ14や表面分析用の高速電子
線回折(HEED)用のHEED銃12およびHEED
蛍光板スクリーン13が設けられている。HEED装置
としては、反射高速電子線回折(RHEED)装置が好
適である。これらのHEED(RHEED)銃12やH
EED(RHEED)蛍光板スクリーンは結晶成長前の
表面状態や結晶成長時の表面状態をモニタするものであ
り、場合によっては省略可能である。さらに図示を省略
しているが、成長室1にはゲートバルブを介して真空準
備室が接続され、これによりロードロック機構を設けて
いる。つまり、真空準備室にエピタキシャル成長用の成
長基板3を格納後、この準備室を所定の圧力まで、真空
排気してから、成長室1との境界のゲートバルブを開
け、所定の真空搬送機構を用いて成長基板3を成長室1
に移動することが出来るように構成されている。このよ
うなロードロック機構により、成長室1の内部を短時間
で所定の到達圧力まで排気できる。また図示を省略して
いるが、各坩堝41〜45の上部の近傍にはそれぞれシ
ャッターが設けられ、必要に応じて開閉できるようにな
っている。
に着目した本発明の実施の形態に係るIII−V族化合物
半導体のMBE装置の模式図である。図2においては、
成長基板3の表面と板状原料6の表面のなす角θを明示
している。上述したように、本発明においては、成長基
板3の表面と板状原料6の表面のなす角θは22度以内
に設定するのが好ましいのである。前述したように、
「板状原料6の表面」とは、板状原料6の面積が最も大
きい主表面のことである。板状原料6は、たとえば厚さ
300μm乃至1mmの単結晶Siウェーハを坩堝41
の内部に収納できるサイズにダイヤモンドブレード等に
よって切断して形成すればよい。板状原料6のサイズ
は、本発明においては特に規定しないが、板状原料6の
全体が均一温度になるサイズであり、セルの加熱構造や
坩堝41の形状およびサイズによって異なる。板状原料
6の全体が均一温度であるか否かはパイロメータ等で表
面温度をモニタすれば判断できる。また成長基板3の表
面と板状原料6の表面のなす角θが22度以下であれば
よく、板状原料6の縦方向、横方向および回転方向の向
きは問わない。
V族化合物半導体のMBE装置において、成長基板3の
表面と板状原料6の表面のなす角θを所定の角度に設定
するための角度設定手段を示す模式的な断面図である。
表面の角度を調整し、固定するための治具21を坩堝4
1内に備えた場合の構造である。この治具21は高純度
PBN等の高純度耐熱材料で作成すればよい。一方、図
3(b)は、坩堝41内の板状原料6の表面の角度を調
整し、固定するための段差部22を設けて、この段差部
22の構造により板状原料6を固定する場合の構造例で
ある。また、段差部22の代わりに、図3(c)に示す
ような突起物23,24を設けて、この突起物23,2
4により板状原料6を固定しても良い。突起物23,2
4は坩堝41と同一の高純度耐熱材料で一体で構成して
も良く、別体で構成し高純度耐熱材料のネジ等の固定具
で坩堝41に固定しても良い。
2,23,24)を具備することにより、坩堝41が種
々の角度で図1に示す成長室1内に設置された場合であ
っても、簡単に、本発明の許容角度θを22度以下にす
ることができる。
方法について説明する。
室1の蒸発源ポート51を開け、成長室1内に配置され
る坩堝41の内部に、板状原料6としての板状Siを、
その表面が所定の角度になるように設定して収納する。
この角度の設定は、図3に示すような角度設定手段(2
1,22,23,24)を用いて、坩堝41の傾斜角を
考慮して行えばよい。必要に応じて他の坩堝42,・・・・
・,45にも所定の蒸発源を充填又は補充する。
長室内を超高真空、例えば、10− 5Pa乃至10−7
Pa程度の圧力(到達真空度)まで真空排気する。
板ホルダ2に成長基板3として、ガリウム砒素(GaA
s)基板を固定する。これは、成長基板3を、図示を省
略したロードロック機構を用いて成長室1内に搬送し、
基板ホルダ2にインジウム(In)を用いて固定すれば
よい。インジウム(In)は、基板ホルダ2と成長基板
3との熱接触抵抗を下げ、均一に成長基板3を加熱する
ために用いている。
10−9Pa程度まで真空排気し、液体窒素シュラウド
11に液体窒素を充填し、さらに、成長室内を10−7
Pa乃至10−10Paの到達真空度まで真空排気す
る。到達真空度まで排気されたら、成長温度よりも高め
の650℃〜800℃に成長基板3を短時間加熱して、
成長基板3の表面の自然酸化膜を蒸発させてクリーニン
グする。この際、紫外(UV)線を照射して成長基板3
の表面をクリーニングしても良い。また、プラズマ発生
源やイオンビーム発生源を成長室1内に内蔵し、プラズ
マやイオンビームで成長基板3の表面をクリーニングし
ても良い。また各坩堝41〜45の上部のシャッターを
閉じた状態で加熱ヒータ5によりそれぞれの蒸発源を加
熱し、分子線の用意をする。例えば、板状原料(板状S
i)6はSiの融点(1415℃)より低い1000〜
1100℃程度に加熱する。
れたら、成長基板3を成長温度の500〜600℃に下
げ、坩堝43および44の上のシャッターを開けAs2
分子線およびGa分子線を放出させ、成長基板の表面に
照射するる。さらに坩堝41の上のシャッターを開け、
成長基板3の表面と板状原料6の表面のなす角θが22
度以内に設定された板状原料(板状Si)6の表面から
Si分子線を放出させ、成長基板の表面に照射する。
それぞれのシャッターを閉じ、更に、成長基板3を室温
まで下げ、成長室1より取り出す。これは、図示を省略
したロードロック機構を用いて成長室1内から、成長室
1内の真空を破らないようにして搬出すればよい。
長方法が終了するが、この後、n型のGaAsエピタキ
シャル成長層の表面にショットキー電極を形成し、ショ
ットキー・ダイオードを構成する。そしてこのショット
キー・ダイオードをC−V測定し、C−V曲線からドー
ピング濃度を算出する。
長方法によって成長したGaAsエピタキシャル成長層
のドーピング濃度の面内均一性と、成長基板の表面と板
状原料の表面のなす角(許容角度)θとの関係を示す図
である。図4に示すGaAsエピタキシャル成長層は、
図1に示すMBE装置を用いて、4インチの半絶縁性ガ
リウム砒素(GaAs)基板上に、成長温度1080℃
で、60分間成長し、厚さ1μm成長した試料について
の測定結果である。C−V測定によるドーピング濃度は
3×1017〜3×1018cm−3であった。C−V
測定は面内の19点について行ない、GaAsの成長速
度の分布を考慮してドーピング濃度の面内均一性を評価
した。均一性は(最大値−最小値)/平均値/2×10
0(%)とした。図4には比較のため従来技術に係る細
片状のSi原料を用いた場合の面内均一性も黒塗りの3
角形で示した。
θを22°以下にすることにより、面内均一性は2.2
%以下になることがわかる。さらに許容角度θを10°
以下にすると面内均一性は1.5%以下に改善されるこ
とがわかる。
発明は上記実施の形態によって記載したが、この開示の
一部をなす論述及び図面はこの発明を限定するものであ
ると理解すべきではない。この開示から当業者には様々
な代替実施の形態、実施例及び運用技術が明らかとなろ
う。
よび結晶成長方法は、面内均一性が改善される特徴を有
するが、厚さ方向については積極的に不均一となるよう
な種々のドーピングに応用することも可能である。たと
えばAlInAs/GaInAsヘテロ接合界面でドー
ピング濃度を変化させるような変調ドーピング、短周期
AlAs/GaAs超格子のGaAs層の中央部分にの
みSiをドーピングする超ドーピング、あるいは坩堝4
1の上のシャッターの開閉により特定の原子面にSiを
デルタ(δ)ドープする原子的プレーナドーピングにも
適用可能である。
を用いた結晶成長装置で示したが、本発明はガスソース
を使ったMBEにおいて、ドーパントの分子線を単結晶
板を用いる場合にも適用可能である。たとえばGaAs
の成長の場合はアルシン(AsH3)とトリメチルガリ
ウム(TMG)等をクラッキングソースで分解してAs
2やGaの分子線を形成し、板状原料をドーパントの蒸
発源に用いればよい。
エピタキシー(MLE)のように化合物半導体の構成元
素を交互に成長基板3の表面に供給し、表面吸着反応に
より1サイクルで1分子層成長する場合にも適用可能で
ある。たとえば、シャッターの開閉を制御して、As2
(もしくはAs4)分子線の導入、真空排気、Ga分子
線の導入、真空排気というサイクルを繰り返すことによ
り、表面吸着反応で成長可能である。即ち、上記の1サ
イクルでGaAsの1分子層が自己停止的に成長する
(このようなAs2分子、As4分子を表面に吸着させ
る場合はMLEと呼ぶのが適当である。)のでサイクル
数でエピタキシャル成長層の膜厚が決定できる。この際
ドーパントのSi分子線はAs2(もしくはAs4)分
子線導入時、Ga分子線導入時、真空排気時のいずれか
のタイミングで行うことが可能である。これは目的とす
るドーピングの仕様(導電型やドーピングレベル等)に
応じて選択すればよい。
原料6として、板状Siを用いる場合について説明した
が、板状Siの代わりに板状ゲルマニウム(Ge)を用
いても良い。板状Geの場合は、坩堝内で、Geの融点
(937℃)より低い800〜880℃程度に加熱すれ
ば良い。
−V族化合物半導体のMBEについて説明したが、本発
明は超高真空下においてII−VI族化合物半導体のエピ
タキシャル成長層にSiをドーピングする場合や、超高
真空下においてGeのエピタキシャル成長層にSiをド
ーピングする場合にも適用可能出る。
クスケール若しくはメゾスコピックスケールの半導体装
置に用いる数原子層レベルの極めて薄いSiやGeのエ
ピタキシャル成長にも適用可能である。均一な分子線が
成長基板の表面に供給されるので、成長膜厚の面内均一
性や、移動度等の電気的特性の面内均一性や、結晶欠陥
等の結晶性の面内均一性も向上する。
ない様々な実施の形態等を含むことは勿論である。した
がって、本発明の技術的範囲は上記の説明から妥当な特
許請求の範囲に係る発明特定事項によってのみ定められ
るものである。
タキシャル成長において、エピタキシャル成長層のドー
ピング濃度の均一性が向上する。
キシャル成長において、成長膜厚の面内均一性や、電気
的特性の面内均一性や、結晶性の面内均一性が向上す
る。
る坩堝は、板状原料の表面を所定の角度に設定するため
の角度設定手段を具備しているので、坩堝に板状原料を
収納する場合、許容角度θを22度以下にすることが容
易である。
導体のMBE装置の模式図である。
本発明の実施の形態に係るIII−V族化合物半導体のM
BE装置の模式図である。
導体のMBE装置において、成長基板3の表面と板状原
料6の表面のなす角θを所定の角度に設定するための角
度設定手段を示す模式的な断面図である。
て成長したGaAsエピタキシャル成長層のドーピング
濃度の面内均一性と、成長基板の表面と板状原料の表面
のなす角θとの関係を示す図である。
Claims (2)
- 【請求項1】 超高真空に排気可能な成長室と、 前記成長室内に配置され、成長基板を保持するための基
板ホルダと、 前記成長室内に配置され、蒸発源となる板状原料の表面
を所定の角度に設定するための角度設定手段を具備した
坩堝と、 前記成長室内の前記坩堝の近傍に配置された前記坩堝を
加熱するための加熱ヒータとを少なくとも備え、前記成
長基板の表面と前記板状原料の表面のなす角を22度以
内とすることを特徴とする結晶成長装置。 - 【請求項2】 成長室内に配置された坩堝の内部に、板
状原料の表面を所定の角度に設定して収納する工程と、 前記成長室内を超高真空に排気する工程と、 前記成長室内に、成長基板を保持する工程と、 超高真空状態で、前記板状原料を加熱することにより分
子線を生成し、該分子線を前記成長基板の表面に照射す
る工程とから少なくともなり、前記成長基板の表面と前
記板状原料の表面のなす角を22度以内とすることを特
徴とする結晶成長方法。
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---|---|---|---|
JP05429999A JP3385228B2 (ja) | 1999-03-02 | 1999-03-02 | 結晶成長装置および結晶成長方法 |
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Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2002114595A (ja) * | 2000-10-02 | 2002-04-16 | Anelva Corp | 分子線エピタキシ用試料及び蒸発源 |
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1999
- 1999-03-02 JP JP05429999A patent/JP3385228B2/ja not_active Expired - Fee Related
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JP2002114595A (ja) * | 2000-10-02 | 2002-04-16 | Anelva Corp | 分子線エピタキシ用試料及び蒸発源 |
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