JP2000250391A - 物理量演算装置、及び記憶媒体 - Google Patents

物理量演算装置、及び記憶媒体

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JP2000250391A
JP2000250391A JP11054556A JP5455699A JP2000250391A JP 2000250391 A JP2000250391 A JP 2000250391A JP 11054556 A JP11054556 A JP 11054556A JP 5455699 A JP5455699 A JP 5455699A JP 2000250391 A JP2000250391 A JP 2000250391A
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Tomohiro Sudo
智浩 須藤
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Casio Computer Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明の課題は、物体に作用する力の設定や
物体に関するパラメータの演算を容易な操作で実現し、
物理学の学習に役立つような物理量演算装置、及び記憶
媒体を提供することである。 【解決手段】 物体Oに作用する力を示す物理量キーK
1〜K6を表示し、前記物理量キーK1〜K6のいずれ
かをカーソルキーの移動操作又はタブレット4を介して
入力ペンを用いて直接指示して指定することにより力が
入力されると、CPU2は、この入力された力が物体O
に作用した際の当該物体Oに関するパラメータa1を算
出するための演算を実行する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、物理量の演算及び
描画に関し、詳細には、入力された力の情報に応じた物
理量の演算を行い、また、物体の運動の様子等を描画す
る物理量演算装置、及び記憶媒体に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、例えば、学習の分野で使用される
電子計算装置としては、通常の四則演算機能の他に、関
数計算や統計計算機能、プログラミングによる計算機
能、そして計算式や計算結果データに応じたグラフを描
画表示するグラフ表示機能等を備えたものが実用されて
いる。
【0003】このような電子計算装置におけるグラフ表
示機能は、数式を入力するとその入力された数式に応じ
たグラフを描画する。従って、数式について知識のない
学生にも数式に対応するグラフを容易に認識させること
ができ、グラフの性質自体をより深く学習することがで
きることから、グラフの学習における効果が大きく、授
業等にも積極的に使用されるようになっている。
【0004】一方、物理学の学習においては、物体には
たらく力を理解させた上で、物体の運動の様子や様々な
パラメータを求めることが一つの学習の課題となってい
る。したがって、物体にはたらく力や物体の位置、速
度、運動の様子等を計算により求めたり、グラフや図に
よって各物理量を表現することで様々な力についての理
解を深める学習が行われる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述の
電子計算装置を用いて、自然界に存在する実際のパラメ
ータ等を利用して物体にはたらく力に関する演算を行う
場合や、教科書などの例題を解く場合には、単に数値や
数式を入力して物理量を演算により求めても、どのよう
な力がどのように物体に働いているのかを視覚的に確認
できないため、物理学の学習には不向きである。
【0006】また、物体にはたらく力に応じてパラメー
タを算出するための数式は、その立式が容易でなく、物
理学をまだ学習していない者にとっては容易にグラフ描
画等をさせることができなかった。
【0007】本発明の課題は、上述の問題に鑑み、物体
に作用する力の設定や物体に関するパラメータの演算を
容易な操作で実現し、物理学の学習に役立つような描画
を行う物理量演算装置、及び記憶媒体を提供することで
ある。
【0008】
【課題を解決するための手段】請求項1記載の発明は、
演算対象となる物体を示す物体シンボル(図5(b)の
O)と前記物体に作用する力を示す複数種類のオブジェ
クト(図5(a)のK1〜K6)とを表示する表示制御
手段(図1の2;図4のS101)と、前記表示制御手
段の制御により表示された複数種類のオブジェクトの中
の少なくとも一つのオブジェクトを指定することにより
当該オブジェクトに対応した前記力の情報を入力する入
力手段(図1の3;図4のS103)と、この入力手段
により入力された力の情報に応じた力が物体に作用した
際の当該物体に関するパラメータを算出するための演算
を実行する演算手段(図1の2;図4のS109)と、
を備えたことを特徴としている。
【0009】この請求項1記載の発明の物理量演算装置
によれば、演算対象となる物体を示す物体シンボルと前
記物体に作用する力を示す複数種類のオブジェクトとを
表示し、前記表示中の複数種類のオブジェクトの中から
少なくとも一つのオブジェクトを指定することにより当
該オブジェクトに対応した前記力の情報が入力される
と、この入力された力の情報に応じた力が物体に作用し
た際の当該物体に関するパラメータを算出するための演
算を実行する。ここでオブジェクトとしては、物体に作
用する力を示すものとして、重力、静電気力、摩擦力、
誘導起電力、浮力、万有引力などの自然界に存在する力
を示した物理量キーがあり、この物理量キーはアイコン
により各種力をイメージ化して表示するものであるほ
か、上記力の種類を文字や記号で表示するもの等があ
る。
【0010】したがって、演算対象となる物体シンボル
と自然界に存在する様々な力を示すオブジェクトとして
複数種類の物理量キーとを表示し、この表示された物理
量キーの中から少なくとも一つの物理量キーを指定する
ことにより前記物体に作用する力の情報を入力すること
ができるので物体に作用する力の情報の設定が容易であ
る。また数式を入力をしなくても入力された力の情報に
応じて物体に関するパラメータを算出することができる
ので、物理学の学習をしていない者でも物体に作用する
力と算出されたパラメータとの関係を学ぶことが可能と
なる。その結果、物理学の直感的な理解を促すことがで
き、物理学の学習に有用である。
【0011】請求項2記載の発明は、演算対象となる物
体を示す物体シンボル(図7(a)のO)と前記物体に
作用する力を示す複数種類のオブジェクト(図7(a)
のK1〜K6)とを表示する表示制御手段(図1の2;
図6のS201、図8のS301)と、前記表示制御手
段の制御により表示された複数種類のオブジェクトの中
の少なくとも一つのオブジェクトを指定することにより
当該オブジェクトに対応した前記力の情報を入力する入
力手段(図1の3;図6のS203、図8のS303)
と、この入力手段により入力された力の情報に応じた力
が物体に作用した際の当該物体の運動の様子を描画する
運動描画手段(図1の2;図6のS211;図7(c)
のg1)と、を備えたことを特徴としている。
【0012】この請求項2記載の発明の物理量演算装置
によれば、演算対象となる物体を示す物体シンボルと前
記物体に作用する力を示す複数種類のオブジェクトとを
表示し、前記表示中の複数種類のオブジェクトの中から
少なくとも一つのオブジェクトを指定することにより当
該オブジェクトに対応した前記力の情報が入力される
と、この入力された力の情報に応じた力が物体に作用し
た際の当該物体の運動の様子を描画する。
【0013】したがって、演算対象となる物体を示す物
体シンボルと自然界に存在する様々な力を示すオブジェ
クトとして複数種類の物理量キーとを表示し、この表示
された物理量キーの中から少なくとも一つの物理量キー
を指定することにより物体に作用する力の情報を入力す
ることができるので、物体に作用する力の設定が容易と
なるとともに、数式を入力しなくても、入力された力の
情報に応じて物体の運動の様子を描画するので、容易な
操作で物体の運動について学習することができる。特
に、惑星間の物体の軌道や素粒子力学などの分野におけ
る容易には確かめることのできない物体の運動について
も表示画面上で確認することができ、その結果様々な物
体に作用する力やその運動の仕方について理解を深める
ことができる。
【0014】また、請求項3記載の発明のように、請求
項2記載の発明の物理量演算装置において、前記運動描
画手段は、前記物体の運動の経時変化を描画する(図1
の2;図8のS312;図9のO0〜O5)ことが有効で
ある。
【0015】この請求項3記載の発明によれば、物体の
運動を時間を追ってシミュレーション表示することがで
きるので、等速運動を行うか加速度運動を行うか等をそ
の表示された様子から判断する力を養うことが可能とな
り、物体の運動についてより具体的に理解させることが
できる。
【0016】請求項4記載の発明は、演算対象となる物
体を示す物体シンボル(図12(a)のO)と前記物体
に作用する力を示す複数種類のオブジェクト(図12
(a)のK1〜K6)とを表示する表示制御手段(図1
の2;図11のS401)と、前記表示制御手段の制御
により表示された複数種類のオブジェクトの中の少なく
とも一つのオブジェクトを指定することにより当該オブ
ジェクトに対応した前記力の情報を入力する入力手段
(図1の3;図11のS403)と、この入力手段によ
り入力された力の情報を示すベクトルを物体に対して表
示するベクトル表示制御手段(図1の2;図11のS4
07;図12(b)のV1,V5,V6)と、を備えた
ことを特徴としている。
【0017】この請求項4記載の発明の物理量演算装置
によれば、演算対象となる物体を示す物体シンボルと前
記物体に作用する力を示す複数種類のオブジェクトとを
表示し、前記表示中の複数種類のオブジェクトの中から
少なくとも一つのオブジェクトを指定することにより当
該オブジェクトに対応した前記力の情報が入力される
と、この入力された力の情報を示すベクトルを物体に対
して表示する。
【0018】したがって、演算対象となる物体を示す物
体シンボルと自然界に存在する様々な力を示すオブジェ
クトとして複数種類の物理量キーを表示し、この表示さ
れた物理量キーの中から少なくとも一つの物理量キーを
指定することにより物体に作用する力の情報を入力する
ことができるので、物体に作用する力の設定が容易とな
るとともに入力された力の情報に応じて、物体に対して
どのような方向に力がはたらくかを、ベクトルにより表
示することができるので、力のつりあいの関係を視覚的
に把握させることが可能となり、力学を効率よく理解さ
せることができる。
【0019】請求項5記載の発明は、演算対象となる物
体を示す物体シンボル(図14(a)のO)と前記物体
に作用する力を示す複数種類のオブジェクト(図14
(a)のK1〜K6)とを表示する表示制御手段(図1
の2;図13のS501)と、前記表示制御手段の制御
により表示された複数種類のオブジェクトの中の少なく
とも一つのオブジェクトを指定することにより当該オブ
ジェクトに対応した前記力の情報を入力する入力手段
(図1の3;図13のS503)と、物体に関するパラ
メータを指定するパラメータ指定手段(図1の3;図1
3のS507;図14(b))と、前記入力手段により
入力された力の情報に応じた力が物体に作用した際の、
前記パラメータ指定手段により指定されたパラメータに
ついてのグラフを描画するグラフ描画手段(図1の2;
図13のS510,S512;図14(c)のg10)
と、を備えたことを特徴としている。
【0020】この請求項5記載の発明の物理量演算装置
によれば、演算対象となる物体を示す物体シンボルと前
記物体に作用する力を示す複数種類のオブジェクトとを
表示し、前記表示中の複数種類のオブジェクトの中から
少なくとも一つのオブジェクトを指定することにより当
該オブジェクトに対応した前記力の情報が入力され、物
体に関するパラメータが指定されると、入力された力の
情報に応じた力が物体に作用した際の、指定されたパラ
メータについてのグラフを描画する。
【0021】したがって、演算対象となる物体を示す物
体シンボルと自然界に存在する様々な力を示すオブジェ
クトとして複数種類の物理量キーとを表示し、この表示
された物理量キーの中から少なくとも一つの物理量キー
を指定することにより物体に作用する力の情報を入力
し、またパラメータを指定してそのパラメータの変化を
示すグラフを描画することができるので、数式の入力に
よらなくても物体に力が作用した際のパラメータの変化
を示すグラフを認識することができる。その結果、物理
学の知識のない者も、表示されるグラフから容易に物体
に関するパラメータの変化を学習することができる。ま
た、パラメータをユーザー側で指定できるので、様々な
視点から物体に力が作用した際のパラメータの変化を解
析することができる。
【0022】
【発明の実施の形態】以下、図1〜図14を参照して本
発明に係る物理量演算装置1の実施の形態を詳細に説明
する。
【0023】[第1の実施の形態]まず、図1〜図5を
参照して、本発明を適用した物理量演算装置1の第1の
実施の形態を詳細に説明する。
【0024】まず構成を説明する。図1は、物理量演算
装置1の構成を示すブロック図である。この図1におい
て、物理量演算装置1は、CPU(Central Processin
g Unit)2、入力部3、タブレット4、位置検出回路
5、表示部6、表示駆動回路7、RAM(RandomAccess
Memory)8、ROM(Read Only Memory)9、記憶
装置10及び記憶媒体11によって構成されている。
【0025】CPU2は、入力部3から入力される入力
データやタブレット4から位置検出回路5を介して入力
される入力ペンによるタッチ位置データに応じて、RO
M9または記憶装置10から所定のプログラムを読み出
してRAM8に一時格納し、当該プログラムに基づく各
種処理を実行して物理量演算装置1の各部を集中制御す
る。すなわち、CPU2は、前記読み出した所定プログ
ラムに基づいて各種処理を実行し、その処理結果をRA
M8内に格納するともに、表示駆動回路7を介して表示
部6に表示させる。また、入力部3又はタブレット4を
介して入力される指示に基づいて、前記処理結果を記憶
装置10を介して記憶媒体11に保存させる。
【0026】また、CPU2は、物理量演算装置1の有
する種々の動作モード、例えば、物理量演算モード、運
動描画モード、ベクトル描画モード、グラフ描画モード
等の選択された設定モードに従って、各種動作モードに
おける処理を実行する。例えば第1の実施の形態におい
て、図示しないモード選択画面において、物理量演算モ
ードが選択設定されると、ROM9或いは記憶媒体11
に記憶された物理量演算処理プログラムを読み出し、当
該物理量演算処理プログラムに従って、後述する物理量
演算処理(図4参照)を実行する。
【0027】後述する物理量演算処理において、CPU
2は、ROM9に格納されている物理量キーの表示デー
タに従って、物体Oに作用する力を示すオブジェクトで
ある物理量キーを表示する。そして物体Oを配置する位
置を指定するためのポインタPを表示して、入力部3の
カーソルキー3eの操作やタブレット4を介して入力ペ
ンにより当該ポインタPを直接指示して移動させること
により物体Oを任意の位置に配置させて表示する。
【0028】また、前記表示されている物理量キーの中
から少なくとも一つの物理量キーを、カーソルキー3e
の操作やタブレット4を介して入力ペンにより直接指示
して指定することにより物体Oに作用する力が入力され
ると、CPU2は入力された力に関する演算に必要なパ
ラメータの入力欄を表示する。その入力欄に対して既知
のパラメータが入力され、演算対象パラメータが指定さ
れると、物体Oに働く力に関する運動方程式を生成して
指定された演算対象パラメータを求めるための演算を実
行し、求められた演算対象パラメータの値を表示部6に
表示する。
【0029】入力部3には、テンキー、アルファベット
キー、演算記号キー、関数キー等の文字・記号キー群か
らなるデータ入力キー3aが備えられるとともに、入力
された物理量キーの示す力に応じて未知のパラメータを
求めるための物理量演算モード、物体Oの運動の軌跡を
描画したり物体Oの経時変化をシミュレーション表示す
る運動描画モード、物体Oに作用する力を示すベクトル
を描画するベクトル描画モード、指定されたパラメータ
の変化を示す物理量変化グラフを描画するグラフ描画モ
ード等の各種動作モードを選択設定する際に操作される
「モード」キー3b、選択されたデータの確定や機能の
実行を指示する際に操作される「実行」キー3c、入力
されているデータにおける処理を中止して、元の動作モ
ードに移行する際に操作される「EXIT」キー3d、
ポインタPやトレースポインタTPの移動操作、表示さ
れたデータの選択、送り操作、物理量キーK1〜K6の
移動操作、物体Oに作用する力の向きの設定を行う際に
操作される上下左右のカーソルキー3e等が備えられ、
押下されたキーの押下信号をCPU2に出力する。
【0030】タブレット4は、入力ペンなどの座標を指
示する装置と指示した座標を感知する板状の装置を組み
合わせた入力機器であり、位置検出回路5によって、電
磁誘導方式、磁気歪式、感圧式等の座標読み取り原理で
入力ペンによって指示された位置座標が検出される。こ
のタブレット4は、後述する表示部6と一体となってお
り、表示部6によって表示される物理量キーK1〜K
6、ポインタP、又はトレースポインタTP等を入力ペ
ンによって直接指示して入力操作を行うことができる。
【0031】表示部6は、LCD(Liquid Crystal D
isplay)等により構成され、表示駆動回路7から入力さ
れる駆動信号に基づく各種表示を行う。表示駆動回路7
は、CPU2から入力される表示データに基づく駆動信
号を生成して、表示部6の表示制御を行う。
【0032】図2は、RAM8に設定されるメモリ領域
の構成を示す図である。RAM8は、表示データメモリ
8a、モードデータメモリ8b、ポインタ位置データメ
モリ8c、設定物理量キーデータメモリ8d、物体パラ
メータメモリ8e、力学的パラメータメモリ8f、トレ
ースポインタ位置データメモリ8g、運動方程式データ
メモリ8h、演算データメモリ8i、運動描画データメ
モリ8j、シミュレーションデータメモリ8k、ベクト
ル描画データメモリ8l、軸データメモリ8m、ウィン
ドウ値データメモリ8n、グラフ描画データメモリ8
o、ワークメモリ8w等から構成される。
【0033】表示データメモリ8aには、表示部6に表
示すべきデータがビットマップのパターンデータとして
記憶される。
【0034】モードデータメモリ8bには、設定された
動作モードを示すモード設定データが記憶される。
【0035】ポインタ位置データメモリ8cには、入力
部3或いはタブレット4により指定されるポインタPの
位置データが記憶される。
【0036】設定物理量キーデータメモリ8dには、設
定された物理量キーの設定データが記憶される。
【0037】物体パラメータメモリ8eには、物体Oの
質量、初速度、高さ等の物体Oに関するパラメータであ
る物体パラメータBPが記憶される。
【0038】力学的パラメータデータメモリ8fには、
入力された物理量キーの示す力に応じて物理量演算に必
要なパラメータである力学的パラメータRPが記憶され
る。
【0039】トレースポインタ位置データメモリ8gに
は、入力部3或いはタブレット4により指定されるトレ
ースポインタTPの位置データが記憶される。
【0040】運動方程式データメモリ8hには、物体パ
ラメータBP、力学的パラメータRP等に基いて、物体
Oに働く力のつりあいに関する運動方程式が格納され
る。
【0041】演算データメモリ8iには、運動方程式を
解くことにより算出される演算対象パラメータの値等が
記憶される。
【0042】運動描画データメモリ8jには、物体Oの
運動の軌跡の描画データが記憶される。
【0043】シミュレーションデータメモリ8kには、
物体Oの運動の経時変化を示すシミュレーションの描画
データが記憶される。
【0044】ベクトル描画データメモリ8lには、物体
Oに働く力の向きや大きさを示すベクトルの描画データ
が記憶される。
【0045】軸データメモリ8mには、物理量変化を示
すグラフを描画する座標系のX軸、Y軸、Z軸に設定す
るパラメータの設定データが記憶される。
【0046】ウィンドウ値データメモリ8nには、グラ
フ表示画面30の表示範囲を設定する際に、表示する座
標の範囲やその範囲に応じて計算される座標1目盛りに
対応するドット数等を設定したデータであるウィンドウ
値が記憶される。
【0047】グラフ描画データメモリ8oには、変化す
るパラメータについてその変化の様子を示す物理量変化
グラフの描画データが記憶される。
【0048】ワークメモリ8wには、各種動作モードの
制御処理に伴いCPU2により入出力されるデータや、
指定されたアプリケーションプログラム、入力指示、入
力データ及び処理結果等が一時格納される。
【0049】ROM9は、物理量演算装置1に対応する
基本プログラムを格納する。すなわち、物理量演算装置
1に対応する基本プログラムとしては、物理量演算装置
1の電源がON状態にされた際に実行する全体処理プロ
グラム、モード選択画面表示プログラム、各種処理プロ
グラム等の書き換え不要な基本プログラムを格納してい
る。
【0050】さらにROM9は、各種物理量キーの表示
データや、物理量演算に使用される公式データ、物理量
を算出する際の基本的な公式データに基く解法プログラ
ムを記憶している。
【0051】図3(a)は、物理量演算装置1において
使用される各種物理量キーの表示データを示す図であ
る。物理量キーは、重力キーK1、静電気力キーK2、
摩擦力キーK3、誘導起電力キーK4、浮力キーK5、
特殊空間キーK6等の物体Oに働く力を設定するための
オブジェクトが記憶されており、各物理量キーK1〜K
6に対応した表示データが記憶されている。
【0052】物理量キーK1〜K6は、演算対象パラメ
ータとして指定されたパラメータを求めるための演算を
行う際に必要な公式にそれぞれ対応付けられて記憶され
ている。必要な公式としては、図3(b)に示すよう
に、例えば、重力の公式「F=mg」、運動方程式「F
=ma」、時間t秒後の速度vを求める式「v=v0
at」、時間t秒後の位置rを求める式「r=v0t+
at2/2」、摩擦力を求める式「F=μN」、静電気
力を求める式「F=kq12/r2」、点電荷より位置
rの点における電位を求める式「V=kq/r」、…等
が記憶されている。他にはインダクタンスを求める式
「L=μAN2/l」、万有引力を求める式「F=GM
m/r2」等が記憶されている。また、これらの公式に
使用される電子の電荷量、万有引力定数等の定数の値も
記憶されている。
【0053】更にROM9には各種物理量を算出するた
めの演算プログラムが記憶されており、CPU2は演算
対象パラメータが指定され、演算に必要な既知のパラメ
ータが入力されると、物体Oにはたらく力のつりあいか
ら運動方程式を生成し、生成された運動方程式を演算対
象パラメータについて解くための演算プログラムを読み
出し、当該演算プログラムに基いて演算を実行して、演
算対象パラメータの解を求める。
【0054】記憶装置10は、プログラムやデータ等を
記憶する記憶媒体11を有しており、この記憶媒体11
は磁気的、光学的記憶媒体、若しくは半導体メモリで構
成されている。この記憶媒体11は記憶装置10に固定
的に設けたもの、若しくは着脱自在に装着するものであ
り、この記憶媒体11には当該物理量演算装置1に対応
する各種処理プログラム及び各処理プログラムで処理さ
れたデータ等を記憶する。
【0055】次に動作を説明する。図4は、物理量演算
装置1の実行する物理量演算処理の流れを示すフローチ
ャートであり、図5は、物理量演算処理の各段階の表示
例を示す図である。
【0056】はじめに、電源がONにされると、CPU
2はROM9からモード選択画面表示プログラムを読み
出し、このモード選択画面表示プログラムに従って、物
理量演算装置1において実行可能なモードを一覧表示し
たモード選択画面(図示せず)を表示する。ここで、モ
ード選択画面には上述の物理量演算モード、運動描画モ
ード、ベクトル描画モード、グラフ描画モード等の各種
モードが一覧表示されており、入力部3のモードキー3
b操作や、タブレット4に対する入力ペンによる指示操
作に応じて、任意の動作モードが選択可能である。所望
の動作モードが選択されると、CPU2は選択されたモ
ードデータをRAM8のモードデータメモリ8bに設定
し、また、設定された動作モードに対応する処理プログ
ラムをROM9から読み出して、当該処理プログラムに
従って、以後の処理を実行する。
【0057】第1の実施の形態では、まず上述のモード
選択画面において物理量演算モードが選択設定され、R
AM8のモードデータメモリ8bには物理量演算モード
のモード設定データが記憶され、さらにCPU2により
ROM9から物理量演算処理プログラムが読み出されて
RAM8のワークメモリ8wに展開された状態となる。
【0058】物理量演算処理において、まずCPU2
は、ROM9に記憶されている物理量キーの表示データ
を読み出して各種物理量キーを表示部6に表示する(ス
テップS101;図5(a)参照)。ここで表示される
物理量キーは例えば、図5(a)に示すように、重力キ
ーK1、静電気力キーK2、摩擦力キーK3、誘導起電
力キーK4、浮力キーK5、特殊空間キーK6等の自然
界に存在する様々な力を示すものである。なお、表示さ
れる物理量キーK1〜K6は図5(a)に示すようなア
イコンを表示する場合の他、各キー名称を文字により明
記して一覧表示してもよい。
【0059】次いでCPU2は表示部6に物体Oを配置
する位置を指定するためのポインタPを表示する(ステ
ップS102)。このポインタPは、カーソルキー3e
の操作により上下左右の移動操作により移動されるもの
の他、タブレット4に対して直接入力ペンにより位置を
指示して移動させるものでもよい。
【0060】入力部3のカーソルキー3eの操作やタブ
レット4に対する入力ペンによる指示操作により、上記
ポインタPが所望の位置に移動されると、CPU2は当
該移動されたポインタPの位置データをRAM8のポイ
ンタ位置データメモリ8cに格納するとともに、ポイン
タPの位置に物体Oを表示させる。
【0061】さらにカーソルキー3eの操作やタブレッ
ト4に対する入力ペンの指示操作により表示されている
物理量キーK1〜K6のうち物体Oに作用させる力が物
理量キーを指定することにより入力されると(ステップ
S103)、CPU2は入力された物理量キーの設定デ
ータをRAM8の設定物理量キーデータメモリ8dに記
憶する。そしてCPU2は設定された物理量キーに対応
付けられて記憶されている公式やその公式に含まれるパ
ラメータ、定数等のデータをROM9から読み出して、
ワークメモリ8wに格納する。
【0062】物理量キーの入力の際は、入力部3に各物
理量キーを指定するための特殊なキーを設け、当該特殊
キーを操作することにより物理量キーK1〜K6を入力
するようにしてもよい。
【0063】CPU2は読み出した公式に含まれるパラ
メータであって物理量演算に必要なものである力学的パ
ラメータRPや、物体Oに関する情報である物体パラメ
ータBP等の各パラメータの入力欄を表示部6に表示し
て各パラメータの入力を待機する。ここで力学的パラメ
ータRPとは、各物理量キーに対応付けられている力
(重力、静電気力、摩擦力、誘導起電力、浮力、惑星間
の万有引力等)に関するパラメータであって、物体Oに
作用する際の状態や位置等を示すものであり、物体パラ
メータBPとは物体Oそのものの質量や状態(速度、加
速度等)、位置を表すパラメータである。
【0064】例えば、図5(a)に示すように、ポイン
タPにより表示画面中央に物体Oの配置位置が指定され
ると、CPU2は当該指定された位置に物体Oを表示す
る。その後、重力キーK1が入力された場合は、重力に
関する公式「F=mg」や運動方程式「F=ma」等を
読み出して、これらの公式に使用されるパラメータの入
力欄を表示する。
【0065】即ち、図5(b)に示すように、物体パラ
メータBP1として物体Oの質量の入力欄「m= 」、
物体パラメータBP2として物体Oの配置される位置の
高さの入力欄「h= 」、物体パラメータBP3として
物体Oの初速度の入力欄「v0= 」、物体パラメータ
BP4として物体Oの加速度の入力欄「a= 」が表示
される。そして、各物体パラメータBP1〜BP4に対
して、「m=2.5」、「h=18」、「v0=0」、
「a=solve」が入力される(ステップS104;
図5(b)参照)と、CPU2は入力された各物体パラ
メータBP1〜BP4の数値等を物体パラメータメモリ
8eに格納する。ここで、「a=solve」は、物体
Oの加速度「a」を演算対象パラメータとして指定する
指示である。演算対象パラメータは演算により値を求め
る対象となるパラメータである。
【0066】重力キーK1以外の物理量キーが選択され
た場合の力学的パラメータRPや物体パラメータBPの
入力欄について説明する。静電気力キーK2については
力学的パラメータRPとして各物体O(電荷)間の距離
等があり、各力学的パラメータRPの入力欄として「r
= 」等が表示される。また、物体パラメータBPとし
て、物体Oの電荷等があり、物体パラメータBPの入力
欄として「q= 」等が表示される。
【0067】また、摩擦力キーK3の場合は、必要な力
学的パラメータRPとして摩擦係数等があり、その入力
欄として「μ=」等が表示される。物体パラメータBP
として、物体Oの質量等があり、物体パラメータBPの
入力欄として「M= 」が表示される。
【0068】また、誘導起電力キーK4の場合は、必要
な力学的パラメータRPとして、コイルの巻数、電流の
強さ、コイルの長さ等があり、各力学的パラメータRP
の入力欄としてそれぞれ「n= 」、「i= 」、「l
= 」等が表示される。
【0069】浮力キーK5の場合は、必要な力学的パラ
メータRPとして、水深、液体の密度等があり、各力学
的パラメータRPの入力欄としてそれぞれ「h= 」、
「ρ 0= 」等が表示される。また、物体パラメータB
Pとして、物体Oの質量、密度、体積等があり、各物体
パラメータBPの入力欄として「M= 」、「ρ=」、
「V= 」が表示される。
【0070】特殊空間キーK6の場合は、必要な力学的
パラメータRPとして、特殊空間に配置される物体O
(惑星)の質量、特殊空間の位置、万有引力定数があ
り、各力学的パラメータRPの入力欄としてそれぞれ
「M= 」、「r= 」、「k=」等が表示される。ま
た、物体パラメータBPとして、物体Oの質量、初速度
等があり、物体パラメータBPの入力欄として「M=
」、「v0=」が表示される。
【0071】各パラメータの入力欄に対して必要なパラ
メータが入力された後、CPU2は演算対象パラメータ
の指定があるか否かを判断する(ステップS105)。
即ち、例えばいずれかの入力欄に対する「solve」
等の入力により演算対象パラメータの指定指示が入力さ
れているか否かを判断する。演算対象パラメータの指定
がされていない場合は(ステップS105;No)、再
度ステップS103の物理量キーK1〜K6の入力処理
に戻り、入力された物理量キーに応じた力学的パラメー
タRPや物体パラメータBPが入力されると入力された
各パラメータをRAM8の物体パラメータメモリ8e、
又は力学的パラメータメモリ8fに確保する。
【0072】演算対象パラメータの指定がされた場合は
(ステップS105;Yes)、次にCPU2はトレー
スポインタTPを表示部6に表示する。トレースポイン
タTPは入力部3のカーソルキー3eの操作により移動
されて力の作用点を指定するポインタである。トレース
ポインタTPの移動操作後、所望の位置で確定キー3g
が操作されると、このトレースポインタTPの位置が力
の作用点として確定され、CPU2は確定されたトレー
スポインタTPの位置データをRAM8のトレースポイ
ンタ位置データメモリ8gに格納する(ステップS10
6)。
【0073】さらにカーソルキー3eの上下左右いずれ
かの押下操作により、トレースポインタTP位置におけ
る力の働く方向が指定され(ステップS107;図5
(c)参照)、その後入力部3の実行キー3cが押下操
作されると(ステップS108)、CPU2はRAM8
の力学的パラメータメモリ8fや物体パラメータメモリ
8eに格納されている各パラメータを取得し、取得した
各パラメータ及び物理量キーに応じた公式に基く運動方
程式を生成して運動方程式データメモリ8hに格納し、
その後生成された運動方程式を演算対象パラメータにつ
いて解くための演算を実行し、演算対象パラメータの値
を求めて(ステップS109)、求められた演算対象パ
ラメータの値を演算データとして演算データメモリ8i
に格納するとともに、表示部6に解として表示する(ス
テップS110;図5(d)参照)。
【0074】即ち、図5(c)のように物体O上にトレ
ースポインタTPが移動され、物体Oの重心を力の作用
点とし、さらに下向きに力の向きが指定されると、この
トレースポインタTP位置から下向きの矢印とともに重
力を示す記号「mg」が表示される。その後実行キー3
cが押下操作されると、入力されたパラメータ及び重力
キーK1に対応する公式「F=mg」とから物体Oに働
く力のつりあいに関する運動方程式が生成されて、この
運動方程式を演算対象パラメータ「a」について解くた
めの演算が実行されて、算出された演算対象パラメータ
の値a1「a=9.8」が図5(d)に示すように解と
して表示される。
【0075】以上説明したように、第1の実施の形態に
おいて、物理量演算装置1は、重力、静電気力、摩擦
力、誘導起電力、浮力、万有引力等の各種力を示す物理
量キーを表示し、これらの表示された物理量キーの中か
ら少なくとも一つの物理量キーを指定することにより物
体Oに対して指定された物理量キーに対応する力が入力
され、演算対象パラメータが指定されると、CPU2は
物体Oにはたらく力に関する運動方程式を生成して、当
該運動方程式を演算対象パラメータについて解くための
演算を実行して演算対象パラメータの数値を求める。
【0076】従って、力学の演算を行う際に、表示され
る物理量キーの中から少なくとも一つの物理量キーを指
定することにより物体Oにはたらく力当該物理量キーに
対応する力を設定した際は、物体Oに関して運動方程式
が自動的に生成され、指定された演算対象パラメータに
ついて演算が実行されるので、物理量演算を容易な操作
で行うことができる。また、物体Oにはたらく力を物理
量キーK1〜K6の中から選択して入力すると必要なパ
ラメータの入力欄が表示されるので、物理量演算装置1
における物理量の演算におけるパラメータ等の入力の設
定が容易となる。
【0077】また、物体Oには、入力された物理量キー
に応じて、物体Oにはたらく力のベクトルが表示される
ので、力の向きや物体Oにはたらく力のつりあいを視覚
的に確認することができる。
【0078】なお、上述の物理量演算では力の作用点を
物体Oの位置に指定した場合の物体Oに働く力のつりあ
いから運動方程式を生成して物体Oの加速度「a」を演
算により求める例を示したが、この例の他、物体Oから
離れた位置にトレースポインタTPにより力の作用点を
指定して、その作用点から物体Oに及ぼされる力につい
ての物理量を求めることもできる。
【0079】また、表示された物理量キーの中から物体
Oに作用する2種以上の物理量キーを指定してもよく、
2種以上の物理量キーを指定する場合は、物体Oに対し
て当該指定された物理量キーに対応する2種以上の力が
働いているものとして、当該物体Oに働く力のつりあい
から運動方程式を生成して演算を行う。
【0080】[第2の実施の形態]次に図6〜図9を参
照して、本発明を適用した物理量演算装置1の第2の実
施の形態を詳細に説明する。
【0081】この第2の実施の形態の物理量演算装置1
において、上述の第1の実施の形態における物理量演算
装置1の構成と同様の各部は同一の符号を付して以下、
構成、及び動作を説明する。
【0082】第2の実施の形態において、CPU2は、
ROM9又は記憶媒体11に記憶されている運動描画処
理プログラムを読み出して、当該運動描画処理プログラ
ムに従って後述する運動描画処理(図6参照)を実行す
る。
【0083】後述する運動描画処理において、CPU2
は、物体Oを表示するとともに、物体Oに作用する力を
示す物理量キーK1〜K6を表示し、この表示された物
理量キーK1〜K6の中から少なくとも一つの物理量キ
ーを指定することにより、当該物理量キーに対応する力
が入力され、また指定された物理量キーに応じた力学的
パラメータRPや物体パラメータBPが入力され、演算
対象パラメータが指定され、さらにトレースポインタT
Pにより力の作用点や向きが入力されると、この作用点
における力のつりあいから運動方程式を生成し、当該運
動方程式を前記演算対象パラメータについて時刻tの関
数として解くための演算を行って、時刻tをパラメータ
とした演算対象パラメータの軌跡のグラフを描画する。
【0084】次に図6のフローチャート、及び図7を参
照して、第2の実施の形態における物理量演算装置1の
動作を説明する。図6は、運動描画処理の流れを示すフ
ローチャートである。図7は、運動描画処理の各段階に
おける表示例を示す図である。
【0085】まず、第1の実施の形態と同様に、はじめ
に、電源がONにされると、CPU2はROM9からモ
ード選択画面表示プログラムを読み出し、このモード選
択画面表示プログラムに従って、物理量演算装置1にお
いて実行可能なモードを一覧表示したモード選択画面
(図示せず)を表示する。
【0086】第2の実施の形態では、まずモード選択画
面において運動描画モードが選択設定され、RAM8の
モードデータメモリ8bには運動描画モードのモードデ
ータが設定記憶され、さらにCPU2によりROM9か
ら運動描画処理プログラムが読み出されてRAM8のワ
ークメモリ8wに展開された状態となる。
【0087】CPU2は、第1の実施の形態において詳
述した物理量演算処理(図4参照)と同様にROM9に
記憶されている物理量キーの表示データを読み出して重
力キーK1、静電気力キーK2、摩擦力キーK3、誘導
起電力キーK4、浮力キーK5、特殊空間キーK6等の
各種物理量キーK1〜K6を表示部6に表示する(ステ
ップS201;図5(a)参照)。
【0088】次いでCPU2は表示部6に物体Oを配置
する座標を入力するためのポインタPを表示する(ステ
ップS202)。入力部3のカーソルキー3eの操作や
タブレット4に対する入力ペンによる指示操作により上
記ポインタPを所望の位置に配置すると、CPU2はポ
インタPの位置データをRAM8のポインタ位置データ
メモリ8cに格納するとともに、ポインタPの位置に物
体Oを表示させる。
【0089】さらにカーソルキー3eの操作やタブレッ
ト4に対する入力ペンの指示操作により表示されている
物理量キーK1〜K6のうち物体Oに作用する力として
対応する物理量キーが指定されて入力されると(ステッ
プS203)、CPU2は入力された物理量キーデータ
をRAM8の設定物理量キーデータメモリ8dに記憶す
る。そしてCPU2は入力された物理量キーに対応付け
られて記憶されている公式やその公式に含まれるパラメ
ータ、定数等のデータをROM9から読み出して、ワー
クメモリ8wに格納する。
【0090】ポインタPにより位置が指定されて物理量
キーが指定されることにより力が入力された場合は、指
定された位置データを入力された物理量キーとともに設
定物理量キーデータメモリ8dに記憶する。
【0091】そして、CPU2は入力された物理量キー
を示すマークMを物体O上、または指定された位置に表
示するとともに、公式に含まれる力学的パラメータRP
や、物体Oに関する情報である物体パラメータBP等の
各パラメータの入力欄を表示して各パラメータの入力を
待機する。
【0092】各パラメータの入力欄に対して必要なパラ
メータが入力された後(ステップS204;図7(a)
参照)、CPU2は演算対象パラメータの指定があるか
否かを判断する(ステップS205)。即ち、いずれか
の入力欄に対して「solve」等の演算対象パラメー
タの指定指示が入力されているか否かを判断する。演算
対象パラメータの指定がされていない場合は(ステップ
S205;No)、再度ステップS203の物理量キー
K1〜K6の指定による力の入力処理に戻り、物理量キ
ーが再度入力されるとその物理量キーに応じた力学的パ
ラメータRPや物体パラメータBPの入力欄を表示し、
また上述のように物理量キーに対応する力の位置が指定
される場合は、指定された位置に物理量キーを示すマー
ク及び必要なパラメータの入力欄を表示し、パラメータ
の各入力欄に対して数値が入力されると入力されたパラ
メータの数値をRAM8の力学的パラメータ8eや物体
パラメータ8fに格納する(図7(b)参照)。
【0093】その後、演算対象パラメータが指定され
(ステップS205;Yes)、トレースポインタTP
により力の作用点の指定がされると(ステップS20
6)、CPU2は指定されたトレースポインタTP位置
をRAM8のトレースポインタ位置データメモリ8gに
格納する。そして指定された演算対象パラメータの力の
向きの指定が必要な場合(ステップS207;Yes)
は、その向きをトレースポインタTPにより指定する。
例えば、演算対象パラメータが速度や加速度や力である
場合は、その向きの指定が必要であるが、時刻tにおけ
る物体Oの位置が演算対象パラメータとなっているよう
な場合には、その向きの指定は必要ではない。
【0094】向きの指定が必要な場合は、トレースポイ
ンタTPにより力の働く向きを指定した後に(ステップ
S208)、また、向きの指定が必要でない場合は(ス
テップS207;No)、向きを指定せずにそのまま実
行キー3cが押下操作されると(ステップS209)、
CPU2はRAM8の力学的パラメータメモリ8fや物
体パラメータメモリ8eに格納されている各パラメータ
を取得し、取得した各パラメータ、及び物理量キーに応
じた公式に基く運動方程式を生成して運動方程式データ
メモリ8hに格納し、その後生成された運動方程式につ
いて時刻tを変数として演算対象パラメータについて解
き(ステップS210)、算出される演算データを演算
データメモリ8iに格納する。
【0095】その後、CPU2は演算対象パラメータの
時間tに関する変化を示すグラフの描画データを生成
し、表示部6に描画する(ステップS211;図7
(c)参照)。
【0096】例えば、図7(a)に示すように、ポイン
タPにより表示画面上部に物体Oを配置する座標が指定
されると、CPU2は指定された座標に物体Oを表示す
る。その後、ポインタPにより位置が指定されて特殊空
間キーK6が指定された場合は、指定された位置に特殊
空間マークMを表示する。そしてCPU2は特殊空間キ
ーK6に対応する万有引力の公式や演算プログラム等を
読み出して、これらの公式に使用されるパラメータの入
力欄を表示する。
【0097】即ち、物体Oには特殊空間キーK6の示す
力である惑星による万有引力が働いていると仮定して、
物体Oについて物体パラメータBPや特殊空間における
力学的パラメータRPの入力欄を表示する。
【0098】図7(a)に示すように、物体パラメータ
BP1として物体Oの質量の入力欄「m= 」、物体パ
ラメータBP2として物体Oの初速度の入力欄「v0=
」が表示される。また力学的パラメータRP1として
特殊空間の惑星の質量の入力欄「M= 」、力学的パラ
メータRP2として万有引力定数の入力欄「k= 」、
力学的パラメータRP3として物体Oからの距離の入力
欄「r0= 」が表示される。
【0099】そして、各物体パラメータBP1〜BP2
に対して、「m=2.5」、「v0=0」が入力され、
また各力学的パラメータRP1〜RP3に対して、「M
=1.5E8」、「k=6.69E8」、「r0=25
00」が入力されると、CPU2は入力された各物体パ
ラメータBP1〜BP2の数値等を物体パラメータメモ
リ8eに格納し、各力学的パラメータRP1〜RP3の
数値等を力学的パラメータメモリ8fに格納する。
【0100】同様に、表示画面右下部に位置がポインタ
Pにより位置が指定されて特殊空間キーK6が入力され
ると、図7(b)に示すように指定された位置に特殊空
間マークM及び力学的パラメータRP4〜RP6の入力
欄を表示する。各入力欄に対して力学的パラメータRP
4「M=2.2E8」、「k=6.69E8」、「r0
=4200」が入力されると、CPU2は入力された各
力学的パラメータRP4〜RP6の数値等を力学的パラ
メータメモリ8fに追加記憶する。
【0101】そして、物体Oの位置を示すパラメータ
「r」が演算対象パラメータと指定され、トレースポイ
ンタTPを物体O上に移動して力の働く点とした場合
は、その後の実行キー3cの押下操作により、CPU2
は入力されたパラメータとトレースポインタTP位置
(物体O)に及ぼされる特殊空間(惑星)からの万有引
力のつりあいにより運動方程式を生成する。その後、C
PU2は生成された運動方程式を時刻tをパラメータと
する物体Oの位置rについて解き、時刻tと物体Oの位
置rとの関係を求める。そして、この求められた時刻t
と物体Oの位置rとの関係から、物体Oの運動の軌跡の
グラフの描画データを算出し、運動描画データメモリ8
jに格納するとともに図7(c)に示すように物体Oの
運動の軌跡のグラフg1を描画する。
【0102】以上説明したように、第2の実施の形態に
おいて、物理量演算装置1は、物体Oを表示するととも
に、各種力を示す物理量キーを表示し、前記物体Oに対
して作用する力が、表示されている物理量キーの中から
少なくとも一つ以上の物理量キーが指定されることによ
り入力され、演算対象パラメータが指定されると、指定
された演算対象パラメータを時刻tを変数として解くた
めの演算を実行して物体の運動の軌跡等のグラフを表示
する。
【0103】従って、物体に作用する力による物体の運
動の軌跡を表示するので、惑星間の物体の運動や素粒子
の力学などを表示画面上で視覚的に認識することでき、
物体に作用する力に関する理解を深めることができる。
【0104】なお、上述の例のように運動の軌跡のグラ
フを表示する他、物体Oの運動の経時変化をシミュレー
ション表示することも可能である。以下図8及び図9を
参照して、物体Oの運動の経時変化をシミュレーション
表示する場合の処理の詳細な流れを説明する。図8は、
シミュレーション表示処理の流れを示すフローチャート
であり、図9は物体Oの位置の経時変化をシミュレーシ
ョン表示した場合の表示例を示す図である。
【0105】このシミュレーション表示処理において
は、上述の運動描画処理(図6参照)における物体Oの
座標指定、物理量キーの入力、パラメータの入力、トレ
ースポインタTPによる力の働く点、向きの指定、運動
方程式の生成、演算等の処理(ステップS201〜ステ
ップS210)は同様である。
【0106】即ち、CPU2は、ROM9に記憶されて
いる物理量キーの表示データを読み出して重力キーK
1、静電気力キーK2、摩擦力キーK3、誘導起電力キ
ーK4、浮力キーK5、特殊空間キーK6等の各種物理
量キーK1〜K6を表示部6に表示する(ステップS3
01;図5(a)参照)。
【0107】次いでCPU2は表示部6に物体Oを配置
する座標を入力するためのポインタPを表示する(ステ
ップS302)。入力部3のカーソルキー3eの操作や
タブレット4に対する入力ペンによる指示操作により上
記ポインタPを所望の位置に配置すると、CPU2はポ
インタPの位置データをRAM8のポインタ位置データ
メモリ8cに格納するとともに、ポインタPの位置に物
体Oを表示させる。
【0108】さらにカーソルキー3eの操作やタブレッ
ト4に対する入力ペンの指示操作により表示されている
物理量キーK1〜K6のうち物体Oに作用する力として
対応する物理量キーが指定されて入力されると(ステッ
プS303)、CPU2は入力された物理量キーデータ
をRAM8の設定物理量キーデータメモリ8dに記憶す
る。そしてCPU2は入力された物理量キーに対応付け
られて記憶されている公式やその公式に含まれるパラメ
ータ、定数等のデータをROM9から読み出して、ワー
クメモリ8wに格納する。
【0109】ポインタPにより位置が指定されて物理量
キーが入力された場合は、指定された位置データを入力
された物理量キーとともに設定物理量キーデータメモリ
8dに記憶する。
【0110】そして、CPU2は物理量キーを指定する
ことにより入力された力を示すマークを物体O上、また
は指定された位置に表示するとともに、公式に含まれる
力学的パラメータRPや、物体Oに関する情報である物
体パラメータBP等の各パラメータの入力欄を表示して
各パラメータの入力を待機する。
【0111】各パラメータの入力欄に対して必要なパラ
メータが入力された後(ステップS304;図7(a)
参照)、CPU2は演算対象パラメータの指定があるか
否かを判断する(ステップS305)。即ち、いずれか
の入力欄に対して「solve」等の演算対象パラメー
タの指定指示が入力されているか否かを判断する。演算
対象パラメータの指定がされていない場合は(ステップ
S305;No)、再度ステップS303の物理量キー
K1〜K6の入力処理に戻り、物理量キーが再度入力さ
れるとその物理量キーに応じた力学的パラメータRPや
物体パラメータBPの入力欄を表示し、また上述のよう
に物理量キーに対応する力の位置が指定される場合は、
指定された位置に物理量キーを示すマーク及び必要なパ
ラメータの入力欄を表示し、パラメータの各入力欄に対
して数値が入力されると入力されたパラメータの数値を
RAM8の力学的パラメータ8eや物体パラメータ8f
に格納する(図7(b)参照)。
【0112】その後、演算対象パラメータが指定され
(ステップS305;Yes)、トレースポインタTP
により力の作用点の指定がされると(ステップS30
6)、CPU2は指定されたトレースポインタTP位置
をRAM8のトレースポインタ位置データメモリ8gに
格納する。そして指定された演算対象パラメータの力の
向きの指定が必要な場合(ステップS307;Yes)
は、その向きをトレースポインタTPにより指定する。
例えば、演算対象パラメータが速度や加速度や力である
場合は、その向きの指定が必要であるが、時刻tにおけ
る物体Oの位置が演算対象パラメータとなっているよう
な場合には、その向きの指定は必要ではない。
【0113】向きの指定が必要な場合は、トレースポイ
ンタTPにより力の働く向きを指定した後に(ステップ
S308)、また、向きの指定が必要でない場合は(ス
テップS307;No)、向きを指定せずにそのまま実
行キー3cが押下操作されると(ステップS309)、
CPU2はRAM8の力学的パラメータメモリ8fや物
体パラメータメモリ8eに格納されている各パラメータ
を取得し、取得した各パラメータ、及び物理量キーに応
じた公式に基く運動方程式を生成して運動方程式データ
メモリ8hに格納し、その後生成された運動方程式につ
いて時刻tを変数として演算対象パラメータについて解
き(ステップS310)、算出された演算データを演算
データメモリ8iに格納する。
【0114】その後、CPU2は、t=1,2,3,…
のように一定の時間間隔における演算対象パラメータの
値を求め、求められらた各演算対象パラメータの値を演
算データメモリ8iに格納する(ステップS311)。
また一定の時間間隔をおいた演算対象パラメータの断続
的な表示データを生成して、シミュレーションデータメ
モリ8kに格納するとともに、表示部6に表示する(ス
テップS312:図9参照)。
【0115】例えば、図7(a)、図7(b)に示すよ
うに表示画面左上部、及び右下部にそれぞれ特殊空間キ
ーK6が入力され、必要な物体パラメータBP、力学的
パラメータRP等が入力され、物体Oの位置を演算対象
パラメータとした場合は、CPU2は物体Oについての
特殊空間(惑星)から及ぼされる力のつりあいについて
の運動方程式が生成されて、この運動方程式を時刻tを
パラメータとして物体Oの位置について解き、さらに、
t=1,2,3,…などの一定間隔の時刻についての物
体Oの位置を求めて、図9に示すように、求められた時
刻tにおける物体Oの位置、即ち時刻t=0における物
体O0,時刻t=1におけるO1,時刻t=2におけるO
2,時刻t=3におけるO3,時刻t=4におけるO4
時刻t=5におけるO5を表示する。物体O0〜O5に対
して時刻を表す「t=0」、「t=1」、「t=2」、
「t=3」、「t=4」、「t=5」を表示してもよ
い。
【0116】このように、物体Oの時刻tにおける位置
をシミュレーション表示することにより、物体Oの運動
の様子をより具体的に表示することができる。またシミ
ュレーション表示された様子から、物体Oが等速運動を
行うか加速度運動を行うか等が把握でき、物体の運動を
より深く学習することができる。また彗星の時刻tにお
ける位置の予測などの学習をすることができる。
【0117】[第3の実施の形態]次に図10〜図12
を参照して、本発明を適用した物理量演算装置1の第3
の実施の形態を詳細に説明する。
【0118】この第3の実施の形態の物理量演算装置1
において、上述の第1又は第2の実施の形態における物
理量演算装置1の構成と同様の各部は同一の符号を付し
て以下、構成、及び動作を説明する。
【0119】第3の実施の形態において、CPU2は、
ROM9又は記憶媒体11に記憶されているベクトル描
画処理プログラムを読み出して、当該ベクトル描画処理
プログラムに従って後述するベクトル描画処理(図11
参照)を実行する。
【0120】後述するベクトル描画処理において、CP
U2は、物体Oを表示するとともに、物体Oに作用する
力を示す複数種類の物理量キーを表示し、前記物体Oに
対して、少なくとも一つの物理量キーが指定されて物体
に作用する力が入力された後に、入力部3からベクトル
表示指示が入力されると、物体Oに対して当該物体Oに
働く力の向きを示すベクトルを表示し、また、各ベクト
ルに対してそのベクトルの示す力を示す記号を表示す
る。
【0121】また、第3の実施の形態において、ROM
9又は記憶媒体11には、各物理量キーとベクトル描画
データと力を示す記号とが対応付けて設定されている物
理量テーブルTが記憶されている。CPU2はこの物理
量テーブルTに記憶されているベクトル描画データや力
を示す記号に従って、入力された物理量キーに対応する
ベクトルや力を示す記号を物体Oに対して描画する。
【0122】図10は、物理量テーブルTに記憶されて
いるベクトル描画データ及び力を示す記号の例を示す図
である。この図10に示すように、各物理量キーK1〜
K6に対して、物体Oに働く力の向きを定義したベクト
ル描画データが記憶されている。例えば、重力キーK1
に対しては物体Oの重心から下向きのベクトルV1の描
画データが設定されている。また、静電気力キーK2に
対しては各物体O、O’の電荷が同種の場合は互いに引
き合う向きのベクトルV2、V2’の描画データ、各物
体O、O’の電荷が異種の場合は互いに反発する方向の
ベクトルV3、V3’の描画データが設定されている。
摩擦力キーK3に対しては物体Oと面との接面に沿った
向きにベクトルV4の描画データが設定されている。誘
導起電力キーK4に対しては、物体Oの重心から横向き
のベクトルV5の描画データが設定されている。浮力キ
ーK5に対しては物体Oの重心から上向きのベクトルV
6の描画データが設定されている。特殊空間キーK6に
対しては各物体O、O’に互いに対向するベクトルV
7、V7’の描画データが設定されている。
【0123】次に図11のフローチャート、及び図12
を参照して、第3の実施の形態における物理量演算装置
1の動作を説明する。図11は、ベクトル描画処理の流
れを示すフローチャートである。図12は、ベクトル描
画処理の各段階における表示例を示す図である。
【0124】まず電源がONにされると、CPU2はR
OM9からモード選択画面表示プログラムを読み出し、
このモード選択画面表示プログラムに従って、物理量演
算装置1において実行可能なモードを一覧表示したモー
ド選択画面(図示せず)を表示する。所望のモードが選
択されると、CPU2は選択されたモードデータをRA
M8のモードデータメモリ8bに設定し、また、設定さ
れたモードに対応する処理プログラムをROM9から読
み出して、当該処理プログラムに従って、以後の処理を
実行する。
【0125】第3の実施の形態では、まずモード選択画
面においてベクトル描画モードが選択設定され、RAM
8のモードデータメモリ8bにはベクトル描画モードの
モードデータが設定記憶されており、さらにCPU2は
ROM9からベクトル描画処理プログラムを読み出して
RAM8のワークメモリ8wに展開した状態となる。
【0126】ベクトル描画処理において、まずCPU2
は、第1の実施の形態において詳述した物理量演算処理
(図4参照)と同様にROM9に記憶されている物理量
キーの表示データを読み出して重力キーK1、静電気力
キーK2、摩擦力キーK3、誘導起電力キーK4、浮力
キーK5、特殊空間キーK6等の各種物理量キーK1〜
K6を表示部6に表示する(ステップS401;図5
(a)参照)。
【0127】次いでCPU2は表示部6に物体Oを配置
する座標を入力するためのポインタPを表示する(ステ
ップS402)。入力部3のカーソルキー3eの操作や
タブレット4に対する入力ペンによる指示操作により上
記ポインタPを移動させて所望の位置に配置すると、C
PU2は当該指定されたポインタPの位置データをRA
M8のポインタ位置データメモリ8cに格納するととも
に、指定されたポインタPの位置に物体Oを表示させ
る。
【0128】さらにカーソルキー3eの操作やタブレッ
ト4に対する入力ペンの指示操作により表示されている
物理量キーK1〜K6のうち物体Oに作用する力として
対応する物理量キーが指定されて入力されると(ステッ
プS403;図12(a)参照)、CPU2は入力され
た物理量キーデータをRAM8の設定物理量キーデータ
メモリ8dに記憶する。
【0129】例えば、図12(a)に示すように、ポイ
ンタPにより表示画面中央に物体Oを配置する座標が指
定されると、CPU2は当該指定された座標に物体Oを
表示する。その後、表示されている物理量キーK1〜K
6の中から表示されている物体Oに働く力を設定するた
めに浮力キーK5、誘導起電力キーK4、及び重力キー
K1が指定されると、その指定された浮力キーK5、誘
導起電力キーK4、重力キーK1にそれぞれ対応するマ
ークM1、M2、M3を表示画面内に表示する。
【0130】物理量キーの指定による力の入力が終了し
た後、CPU2は入力部3の実行キー3cが押下操作さ
れたことを検出すると(ステップS404)、さらに物
理量ベクトルの表示設定の有無を確認する(ステップS
405)。即ち、入力部3にベクトル表示キーなどの特
別のキーが設けられている場合は、そのベクトル表示キ
ーの押下操作や、図示しないベクトル表示設定画面を表
示させる場合は、このベクトル表示設定画面においてベ
クトル表示指示を入力することにより物理量ベクトルの
表示設定をすることができる。
【0131】物理量ベクトルの表示設定がされない場合
は(ステップS405;No)、他の処理、例えば指定
された物理量キーに対応する力が物体に作用した際の物
体のパラメータを演算する物理量演算処理や、物体の運
動を描画する運動描画処理、任意のパラメータを指定し
てグラフを描画するグラフ描画処理等の他の処理へ移行
する。
【0132】物理量ベクトルの表示設定がされた場合は
(ステップS405;Yes)、入力された物理量キー
について、ROM9に記憶されている物理量テーブルT
を検索し(ステップS406)、この物理量テーブルT
において各物理量キーK1〜K6にそれぞれ対応付けて
記憶されているベクトル描画データを読み出してRAM
8のベクトル描画データメモリ8lに格納するととも
に、このベクトル描画データに基いて物体Oに対してベ
クトルを描画する(ステップS407;図12(b)参
照)。そして表示された各ベクトルに対して力を示す記
号を表示する(ステップS408)。
【0133】図12(a)に示すように、浮力キーK
5、誘導起電力キーK4、重力キーK1が入力され、実
行キー3cが押下操作されてさらに物理量ベクトル表示
設定が行われた場合は、図12(b)に示すように、浮
力キーK5、誘導起電力キーK4、重力キーK1にそれ
ぞれ対応付けて物理量テーブルTに記憶されているベク
トル描画データに基いて、各力を示すベクトルV6、V
5、V1が物体Oに対して描画される。この例の場合
は、浮力キーK5に対応する力のベクトルV6が物体O
から上向きに描画され、誘導起電力キーK4に対応する
力のベクトルV5が物体Oから横向きに描画され、重力
キーK1に対応する力のベクトルV1が物体Oから下向
きに描画される。
【0134】さらに、各ベクトルV1,V5,V6に対
して各力を示す記号S1,S4,S5が表示される。即
ち、浮力を示すベクトルV6に対して、浮力を示す記号
S5「F」が表示され、誘導起電力を示すベクトルV5
に対して、インダクタンスの記号S4「L」が表示さ
れ、重力を示すベクトルV1に対して、重力を示す記号
S1「mg」が表示される。
【0135】以上説明したように、第3の実施の形態に
おいて、物理量演算装置1は、物体Oを表示するととも
に各種力を示す物理量キーを表示し、少なくとも一つの
物理量キーを指定することにより物体に作用する力が入
力されて、ベクトル表示設定がされると、入力された物
理量キーに対応するベクトル描画データや、その力を示
す記号等のデータを物理量テーブルTから読み出して、
RAM8のベクトル描画データメモリに記憶すると共
に、ベクトル描画データに基いてベクトルを描画し、ま
た力を示す記号をベクトルに対して表示する。
【0136】従って、物理量キーを指定することにより
物体Oに作用する力を入力することができるとともに、
入力された力に応じて、物体Oに対してどのような方向
に力が働いているのかを、ベクトル表示により確認する
ことができるので、力のつりあいの関係を視覚的に把握
することができ、力学の学習を効率よく行うことができ
る。
【0137】なお、上述の例のように、物理量キーの指
定により任意の力を入力して、向きを示すベクトルを表
示させるのみならず、上述の第1、第2の実施の形態に
おいて示すように、物理量キーに応じたパラメータ入力
欄を表示して、当該入力欄に入力されたパラメータに応
じて力の大きさを求め、その力の大きさに応じたベクト
ルの長さを算出して変更表示させてもよく、またベクト
ルに対しては力を示す記号のみならず、パラメータに応
じた物理量演算により算出された力の値を表示させても
良い。
【0138】入力されたパラメータにより求められる力
の大きさをその方向と合わせてベクトル表示する場合
は、力のつりあいをベクトルの長さを比較して解析する
ことができ、さらに効率よく力学の学習を行うことがで
きる。
【0139】[第4の実施の形態]次に図13〜図14
を参照して、本発明を適用した物理量演算装置1の第4
の実施の形態を詳細に説明する。
【0140】この第4の実施の形態の物理量演算装置1
において、上述の第1〜第3の実施の形態における物理
量演算装置1の構成と同様の各部は同一の符号を付して
以下、構成、及び動作を説明する。
【0141】第4の実施の形態において、CPU2は、
ROM9又は記憶媒体11に記憶されているグラフ描画
処理プログラムを読み出して、当該グラフ描画処理プロ
グラムに従って後述するグラフ描画処理(図13参照)
を実行する。
【0142】後述するグラフ描画処理において、CPU
2は、物体Oを表示するとともに、前記物体に作用する
力を示す複数種類の物理量キーを表示し、前記物体Oに
対して、表示された物理量キーの中から少なくとも一つ
の物理量キーを指定することにより物体に作用する力が
入力された後に、入力部3から物理量変化グラフの表示
指示が入力されると、軸指定画面を表示する。この軸指
定画面において任意のパラメータが座標軸に指定される
と座標軸に指定されたパラメータに関する演算を行って
運動方程式を解き、指定されたパラメータの変化を示す
物理量変化グラフを描画する。
【0143】次に図13のフローチャート、及び図14
を参照して、第4の実施の形態における物理量演算装置
1の動作を説明する。図13は、グラフ描画処理の流れ
を示すフローチャートである。図14は、グラフ描画処
理の各段階における表示例を示す図である。
【0144】まず電源がONにされると、CPU2はR
OM9からモード選択画面表示プログラムを読み出し、
このモード選択画面表示プログラムに従って、物理量演
算装置1において実行可能なモードを一覧表示したモー
ド選択画面(図示せず)を表示する。所望のモードが選
択されると、CPU2は選択されたモードデータをRA
M8のモードデータメモリ8bに設定し、また、設定さ
れたモードに対応する処理プログラムをROM9から読
み出して、当該処理プログラムに従って、以後の処理を
実行する。
【0145】第4の実施の形態では、まずモード選択画
面においてグラフ描画モードが選択設定され、RAM8
のモードデータメモリ8bにはグラフ描画モードのモー
ドデータが設定記憶されており、さらにCPU2により
ROM9からグラフ描画処理プログラムが読み出されて
RAM8のワークメモリ8wに展開された状態となる。
【0146】グラフ描画処理において、まずCPU2
は、第1の実施の形態において詳述した物理量演算処理
(図4参照)と同様にROM9に記憶されている物理量
キーの表示データを読み出して重力キーK1、静電気力
キーK2、摩擦力キーK3、誘導起電力キーK4、浮力
キーK5、特殊空間キーK6等の各種物理量キーK1〜
K6を表示部6に表示する(ステップS501;図5
(a)参照)。
【0147】次いでCPU2は表示部6に物体Oを配置
する座標を入力するためのポインタPを表示する(ステ
ップS502)。入力部3のカーソルキー3eの操作や
タブレット4に対する入力ペンによる指示操作により上
記ポインタPを移動させて所望の位置に配置すると、C
PU2は当該指定されたポインタPの位置データをRA
M8のポインタ位置データメモリ8cに格納するととも
に、指定されたポインタPの位置に物体Oを表示させ
る。
【0148】さらにカーソルキー3eの操作やタブレッ
ト4に対する入力ペンの指示操作により表示されている
物理量キーを指定することにより物体Oに作用する力が
入力されると(ステップS503;図14(a)参
照)、CPU2は入力された物理量キーデータをRAM
8の設定物理量キーデータメモリ8dに記憶する。ポイ
ンタPにより物理量キーを入力する座標が指定された場
合はその指定された座標に対して入力された物理量キー
に対応するマークを表示する。
【0149】第1、又は第2の実施の形態と同様に物理
量キーが入力された際に、CPU2は、入力された物理
量キーに対応する公式データをROM9から取得して、
公式に含まれるパラメータのうち物理量演算に必要なパ
ラメータの入力欄を表示してもよい。
【0150】例えば、図14(a)に示すように、ポイ
ンタPにより表示画面上部に物体Oを配置する座標が指
定されると、CPU2は当該指定された座標に物体Oを
表示する。さらにポインタPにより座標が指定されて特
殊空間キーK6が入力されると、特殊空間マークM4、
M5をポインタP位置に表示する。また、物体Oに関す
る物体パラメータBPの入力欄や特殊空間M4、M5に
関する力学的パラメータRPの入力欄を表示する。
【0151】図14(a)の例では、物体パラメータB
Pとして物体Oの速度の入力欄「v0= 」が表示さ
れ、この入力欄に対して「v0=150m/s」が入力
されて表示され、また表示画面左上部に入力された特殊
空間キーK6に関しては特殊空間マークM4が表示され
るとともに、力学的パラメータRP1の入力欄として特
殊空間M4に存在する惑星の質量「M= 」、力学的パ
ラメータRP2の入力欄として物体Oからの距離「r1
0= 」が表示され、各入力欄に対して「M=1.5E
8」、「r10=1.5E6」が入力されている。表示
画面右下部に入力された特殊空間キーK6に関しても同
様に、特殊空間マークM5を表示するとともに、力学的
パラメータRP3の入力欄として特殊空間M5に存在す
る惑星の質量「M= 」、力学的パラメータRP4の入
力欄として物体Oからの距離「r2 0= 」が表示さ
れ、各入力欄に対して「M=1.2E9」、「r20
2.5E6」が入力されている。
【0152】このように、物体Oの座標の指定や、物理
量キーの入力、必要なパラメータの入力が終了した後に
CPU2は入力部3の実行キー3cが押下操作されたこ
とを検出すると(ステップS504)、さらに物理量変
化グラフの表示指定の有無を確認する(ステップS50
5)。即ち、入力部3に物理量変化グラフ表示キーなど
の特別のキーが設けられている場合は、その物理量変化
グラフ表示キーの押下操作、又は図示しない物理量変化
グラフ表示設定画面を表示させ、この物理量変化グラフ
表示設定画面において物理量変化グラフの表示指示を入
力することにより物理量変化グラフの表示指定をするこ
とができる。
【0153】物理量変化グラフの表示指定がされない場
合は(ステップS505;No)、他の処理、例えば物
理量キーの指定により入力された力に関するパラメータ
を演算する物理量演算処理や運動描画処理、ベクトル描
画処理等の他の処理へ移行する。
【0154】物理量変化グラフの表示指定がされた場合
は(ステップS505;Yes)、CPU2は次に軸指
定画面20を表示する(ステップS506;図14
(b)参照)。この軸指定画面20は、2次元または3
次元の座標系の各座標軸に対して任意のパラメータを指
定することができる画面である。2次元または3次元の
各座標軸に対して任意のパラメータが指定されると(ス
テップS507)、CPU2は各座標軸について指定さ
れたパラメータをRAM8の軸データメモリ8mに格納
する。
【0155】図14(b)は、軸指定画面20の例を示
す図である。この軸指定画面には、X軸、Y軸、Z軸に
対するパラメータの指定欄として、それぞれ「Axes
X:」、「AxesY: 」、「AxesZ: 」が表
示されている。2次元の物理量変化グラフを表示する場
合は、X軸に対するパラメータの指定欄P1「Axes
X: 」、Y軸とするパラメータの指定欄P2「Axe
sY: 」、Z軸とするパラメータの指定欄P3「Ax
esZ: 」のうちいずれか二つのパラメータ指定欄に
対して指定するパラメータを入力する。3次元の物理量
変化グラフを表示する場合は、各パラメータ指定欄P1
〜P3に対して、それぞれ指定するパラメータを入力す
る。
【0156】図14(b)の例では、「AxesX:r
1」、「AxesY:r2」、「AxesZ:t」が入
力されている。したがって、X軸はパラメータ「r
1」、Y軸はパラメータ「r2」、Z軸はパラメータ
「t」を表す物理量変化グラフが描画されることとな
る。
【0157】各座標軸に対して任意のパラメータが入力
された後、CPU2は、軸指定画面20において指定さ
れたパラメータが3つあるか否かを判断する(ステップ
S508)。パラメータが3つである場合は(ステップ
S508;Yes)、3次元の物理量変化グラフを描画
するための演算を実行する。即ち、上述の図14(b)
に示すように各座標軸に対してパラメータr1,r2,
tを指定した場合は、物体Oと表示画面左上に入力され
た特殊空間M4に存在する惑星との距離r1と、物体O
と表示画面右下に入力された特殊空間M5に存在する惑
星との距離r2と、時刻tとの関係を示す関数を生成す
る。
【0158】その後グラフ表示画面30の表示設定とし
てウィンドウ値が指定されると(ステップS509)、
CPU2は指定されたウィンドウ値をRAM8のウィン
ドウ値データメモリ8nに格納する。
【0159】ここでウィンドウ値とは、表示画面全体に
対するグラフ表示画面30の表示範囲やグラフ表示画面
30に表示する座標の範囲を指定する値であり、例えば
ウィンドウ値として「−15≦X≦15」が入力される
と、CPU2により座標Xとグラフ表示画面30のドッ
ト数との対応が計算されて、「−15≦X≦15」の範
囲全部がグラフ表示画面30に対して適当な大きさでグ
ラフ表示画面30内に表示される。
【0160】そして、CPU2は指定されたウィンドウ
値に従って座標軸や座標の描画データを生成し、グラフ
表示画面30に座標軸X,Y,Z及び座標の目盛り等を
描画する。
【0161】その後、CPU2は描画された座標軸X,
Y,Zに対して、パラメータr1とr2との時刻tにつ
いての変化を示す物理量変化グラフg10を描画する
(ステップS510;図14(c)参照)。
【0162】図14(c)に示すようにグラフ表示画面
30内の座標のX軸に「r1」、Y軸に「r2」、Z軸
に「t」が表示され、この3次元の座標系に対して各パ
ラメータ「r1」、「r2」、「t」の関係を示す3次
元の物理量変化グラフg10が表示される。
【0163】軸指定画面20において、2つの軸に対し
て任意のパラメータが指定された場合は(ステップS5
08;No)、CPU2は2次元の物理量変化グラフを
描画するための物理量演算を実行する。
【0164】その後CPU2は、グラフ表示画面30の
表示範囲であるウィンドウ値が指定されると(ステップ
S511)、この指定されたウィンドウ値をRAM8の
ウィンドウ値データメモリ8nに格納する。
【0165】そして、CPU2は指定されたウィンドウ
値に従って2次元の座標軸や座標の描画データを生成
し、グラフ表示画面30に2次元の座標軸及び座標の目
盛りを適当な大きさで描画する。
【0166】その後、CPU2は描画された2次元座標
に対して、軸に指定されたパラメータの変化を示す物理
量変化グラフを描画する(ステップS512;図示せ
ず)。
【0167】以上説明したように、第4の実施の形態に
おいて、物理量演算装置1は、物体Oを表示するととも
に、各種力を示す物理量キーK1〜K6を表示し、物体
Oに対して、表示されている物理量キーK1〜K6の中
から指定されることにより当該物理量キーに対応する力
が入力されて、物理量変化グラフの表示指定がされる
と、軸指定画面20において指定されたパラメータを座
標軸とする物理量変化グラフを描画する。
【0168】従って、物理量キーを指定することにより
物体に作用する力を入力し、またパラメータを指定して
そのパラメータの変化を示す物理量変化グラフを描画す
ることができるので、数式の入力によらなくても物体に
力が作用した際の物理量の変化を示すグラフを認識する
ことができる。その結果、物理学の知識のない者も、グ
ラフから容易に物体に作用する力の変化を学習すること
ができる。また、変化する物理量を示す座標軸をユーザ
ー側で指定できるので、様々な角度から物理量の変化を
解析することができる。
【0169】
【発明の効果】請求項1及び6記載の発明によれば、演
算対象となる物体シンボルと自然界に存在する各様々な
力を示すオブジェクトとして複数種類の物理量キーが表
示され、この表示された物理量キーの中から少なくとも
一つの物理量キーを指定することにより前記物体に作用
する力の情報を入力することができるので物体に作用す
る力の情報の設定が容易である。また数式を入力をしな
くても入力された力の情報に応じて物体に関するパラメ
ータを算出することができるので、物理学の学習をして
いない者でも物体に作用する力と算出されたパラメータ
との関係を学ぶことが可能となる。その結果、物理学の
直感的な理解を促すことができ、物理学の学習に有用で
ある。
【0170】請求項2及び7記載の発明によれば、演算
対象となる物体を示す物体シンボルと自然界に存在する
様々な力を示すオブジェクトとして複数種類の物理量キ
ーとを表示し、この表示された物理量キーの中から少な
くとも一つの物理量キーを指定することにより物体に作
用する力の情報を入力することができるので、物体に作
用する力の設定が容易となるとともに、数式を入力しな
くても、入力された力の情報に応じて物体の運動の様子
を描画するので、容易な操作で物体の運動について学習
することができる。特に、惑星間の物体の軌道や素粒子
力学などの分野における容易には確かめることのできな
い物体の運動についても表示画面上で確認することがで
き、その結果様々な物体に作用する力やその運動の仕方
について理解を深めることができる。
【0171】請求項3記載の発明によれば、物体の運動
を時間を追ってシミュレーション表示することができる
ので、等速運動を行うか加速度運動を行うか等をその表
示された様子から判断する力を養うことが可能となり、
物体の運動についてより具体的に理解させることができ
る。
【0172】請求項4及び8記載の発明によれば、演算
対象となる物体を示す物体シンボルと自然界に存在する
様々な力を示すオブジェクトとして複数種類の物理量キ
ーとを表示し、この表示された物理量キーの中から少な
くとも一つの物理量キーを指定することにより物体に作
用する力の情報を入力することができるので、物体に作
用する力の設定が容易となるとともに入力された力の情
報に応じて、物体に対してどのような方向に力がはたら
くかを、ベクトルにより表示することができるので、力
のつりあいの関係を視覚的に把握させることが可能とな
り、力学を効率よく理解させることができる。
【0173】請求項5及び9記載の発明によれば、演算
対象となる物体を示す物体シンボルと自然界に存在する
様々な力を示すオブジェクトとして複数種類の物理量キ
ーとを表示し、この表示された物理量キーの中から少な
くとも一つの物理量キーを指定することにより物体に作
用する力の情報を入力し、またパラメータを指定してそ
のパラメータの変化を示すグラフを描画することができ
るので、数式の入力によらなくても物体に力が作用した
際のパラメータの変化を示すグラフを認識することがで
きる。その結果、物理学の知識のない者も、表示される
グラフから容易に物体に関するパラメータの変化を学習
することができる。また、パラメータをユーザー側で指
定できるので、様々な視点から物体に力が作用した際の
パラメータの変化を解析することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の物理量演算装置1の構成を示すブロッ
ク図である。
【図2】RAM8に設定されるメモリ領域の構成を示す
図である。
【図3】ROM9に記憶されている(a)物理量キーの
表示データ、(b)公式データの一例を示す図である。
【図4】物理量演算処理の流れを示すフローチャートで
ある。
【図5】物理量演算処理の各段階の表示状態を示す図で
ある。
【図6】運動描画処理の流れを示すフローチャートであ
る。
【図7】運動描画処理の各段階における表示状態を示す
図である。
【図8】運動描画処理において、物体Oの運動をシミュ
レーション表示する場合の処理の流れを示すフローチャ
ートである。
【図9】物体Oの運動をシミュレーション表示した場合
の表示例を示す図である。
【図10】ROM9に記憶されている物理量テーブルT
の例を示す図である。
【図11】ベクトル描画処理の流れを示すフローチャー
トである。
【図12】ベクトル描画処理の各段階における表示状態
を示す図である。
【図13】グラフ描画処理の流れを示すフローチャート
である。
【図14】グラフ描画処理の各段階における表示状態を
示す図である。
【符号の説明】
1 計算装置 2 CPU 3 入力部 3a データ入力キー 3b モードキー 3c 実行キー 3d EXITキー 3e カーソルキー 4 タブレット 5 位置検出回路 6 表示部 7 表示駆動回路 8 RAM 8a 表示データメモリ 8b モードデータメモリ 8c ポインタ位置データメモリ 8d 設定物理量キーデータメモリ 8e 物体パラメータメモリ 8f 力学的パラメータメモリ 8g トレースポインタ位置データメモリ 8h 運動方程式データメモリ 8i 演算データメモリ 8j 運動描画データメモリ 8k シミュレーションデータメモリ 8l ベクトル描画データメモリ 8m 軸データメモリ 8n ウィンドウ値データメモリ 8o グラフ描画データメモリ 8w ワークメモリ 9 ROM T 物理量テーブル 10 記憶装置 11 記憶媒体 20 軸指定画面 30 グラフ表示画面 O 物体 P ポインタ TP トレースポインタ K1〜K6 物理量キー BP 物体パラメータ RP 力学的パラメータ a1 解 g1 グラフ g10 物理量変化グラフ V1〜V7 ベクトル S1〜S6 記号 P1〜P3 パラメータ指定欄

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】演算対象となる物体を示す物体シンボルと
    前記物体に作用する力を示す複数種類のオブジェクトと
    を表示する表示制御手段と、 前記表示制御手段の制御により表示された複数種類のオ
    ブジェクトの中の少なくとも一つのオブジェクトを指定
    することにより当該オブジェクトに対応した前記力の情
    報を入力する入力手段と、 この入力手段により入力された力の情報に応じた力が物
    体に作用した際の当該物体に関するパラメータを算出す
    るための演算を実行する演算手段と、 を備えたことを特徴とする物理量演算装置。
  2. 【請求項2】演算対象となる物体を示す物体シンボルと
    前記物体に作用する力を示す複数種類のオブジェクトと
    を表示する表示制御手段と、 前記表示制御手段の制御により表示された複数種類のオ
    ブジェクトの中の少なくとも一つのオブジェクトを指定
    することにより当該オブジェクトに対応した前記力の情
    報を入力する入力手段と、 この入力手段により入力された力の情報に応じた力が物
    体に作用した際の当該物体の運動の様子を描画する運動
    描画手段と、 を備えたことを特徴とする物理量演算装置。
  3. 【請求項3】前記運動描画手段は、前記物体の運動の経
    時変化を描画することを特徴とする請求項2記載の物理
    量演算装置。
  4. 【請求項4】演算対象となる物体を示す物体シンボルと
    前記物体に作用する力を示す複数種類のオブジェクトと
    を表示する表示制御手段と、 前記表示制御手段の制御により表示された複数種類のオ
    ブジェクトの中の少なくとも一つのオブジェクトを指定
    することにより当該オブジェクトに対応した前記力の情
    報を入力する入力手段と、 この入力手段により入力された力の情報を示すベクトル
    を物体に対して表示するベクトル表示制御手段と、 を備えたことを特徴とする物理量演算装置。
  5. 【請求項5】演算対象となる物体を示す物体シンボルと
    前記物体に作用する力を示す複数種類のオブジェクトと
    を表示する表示制御手段と、 前記表示制御手段の制御により表示された複数種類のオ
    ブジェクトの中の少なくとも一つのオブジェクトを指定
    することにより当該オブジェクトに対応した前記力の情
    報を入力する入力手段と、 物体に関するパラメータを指定するパラメータ指定手段
    と、 前記入力手段により入力された力の情報に応じた力が物
    体に作用した際の、前記パラメータ指定手段により指定
    されたパラメータについてのグラフを描画するグラフ描
    画手段と、 を備えたことを特徴とする物理量演算装置。
  6. 【請求項6】コンピュータが実行可能なプログラムを格
    納した記憶媒体であって、 演算対象となる物体を示す物体シンボルと前記物体に作
    用する力を示す複数種類のオブジェクトとを表示させる
    ためのコンピュータが実行可能なプログラムコードと、 表示された複数種類のオブジェクトの中の少なくとも一
    つのオブジェクトを指定することにより当該オブジェク
    トに対応した前記力の情報を入力するためのコンピュー
    タが実行可能なプログラムコードと、 この入力された力の情報に応じた力が物体に作用した際
    の当該物体に関するパラメータを算出するための演算を
    実行するためのコンピュータが実行可能なプログラムコ
    ードと、 を含むプログラムを格納したことを特徴とする記憶媒
    体。
  7. 【請求項7】コンピュータが実行可能なプログラムを格
    納した記憶媒体であって、 演算対象となる物体を示す物体シンボルと前記物体に作
    用する力を示す複数種類のオブジェクトとを表示させる
    ためのコンピュータが実行可能なプログラムコードと、 表示された複数種類のオブジェクトの中の少なくとも一
    つのオブジェクトを指定することにより当該オブジェク
    トに対応した前記力の情報を入力するためのコンピュー
    タが実行可能なプログラムコードと、 この入力された力の情報に応じた力が物体に作用した際
    の当該物体の運動の様子を描画するためのコンピュータ
    が実行可能なプログラムコードと、 を含むプログラムを格納したことを特徴とする記憶媒
    体。
  8. 【請求項8】コンピュータが実行可能なプログラムを格
    納した記憶媒体であって、 演算対象となる物体を示す物体シンボルと前記物体に作
    用する力を示す複数種類のオブジェクトとを表示させる
    ためのコンピュータが実行可能なプログラムコードと、 表示された複数種類のオブジェクトの中から少なくとも
    一つのオブジェクトを指定することにより当該オブジェ
    クトに対応した前記力の情報を入力するためのコンピュ
    ータが実行可能なプログラムコードと、 この入力された力の情報を示すベクトルを物体に対して
    表示するためのコンピュータが実行可能なプログラムコ
    ードと、 を含むプログラムを格納したことを特徴とする記憶媒
    体。
  9. 【請求項9】コンピュータが実行可能なプログラムを格
    納した記憶媒体であって、 演算対象となる物体を示す物体シンボルと前記物体に作
    用する力を示す複数種類のオブジェクトとを表示させる
    ためのコンピュータが実行可能なプログラムコードと、 表示された複数種類のオブジェクトの中の少なくとも一
    つのオブジェクトを指定することにより当該オブジェク
    トに対応した前記力の情報を入力するためのコンピュー
    タが実行可能なプログラムコードと、 物体に関するパラメータを指定するためのコンピュータ
    が実行可能なプログラムコードと、 入力された力の情報に応じた力が物体に作用した際の、
    指定されたパラメータについてのグラフを描画するため
    のコンピュータが実行可能なプログラムコードと、 を含むプログラムを格納したことを特徴とする記憶媒
    体。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US10394927B2 (en) 2017-03-22 2019-08-27 Casio Computer Co., Ltd. Electronic apparatus, electronic apparatus system, graphing method, and non-transitory computer-readable recording medium

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