JP2000248323A - 高電導高力黄銅鋳物とその鋳造方法 - Google Patents
高電導高力黄銅鋳物とその鋳造方法Info
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- JP2000248323A JP2000248323A JP5233799A JP5233799A JP2000248323A JP 2000248323 A JP2000248323 A JP 2000248323A JP 5233799 A JP5233799 A JP 5233799A JP 5233799 A JP5233799 A JP 5233799A JP 2000248323 A JP2000248323 A JP 2000248323A
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Abstract
(57)【要約】 (修正有)
【課題】 溶接用ガンアームの素材等、高電導率を要求
される一方で機械的性質、硬度も要求される部材の素材
に適用する高電導高力黄銅鋳物と特定用途に使用する場
合の成分調整方法。 【解決手段】 化学成分比を、亜鉛40〜46%、アルミニ
ウム1.50〜2.2%、マンガン0.10〜0.2%、ニッケル0.02
〜0.05%、チタン0.01 〜0.08%、ジルコン0.02 〜0.06
%、残部を銅として構成した、高電導高力黄銅鋳物。
される一方で機械的性質、硬度も要求される部材の素材
に適用する高電導高力黄銅鋳物と特定用途に使用する場
合の成分調整方法。 【解決手段】 化学成分比を、亜鉛40〜46%、アルミニ
ウム1.50〜2.2%、マンガン0.10〜0.2%、ニッケル0.02
〜0.05%、チタン0.01 〜0.08%、ジルコン0.02 〜0.06
%、残部を銅として構成した、高電導高力黄銅鋳物。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、溶接用ガンアームの素
材等、高電導率を要求される一方で機械的性質、硬度も
要求される部材の素材に適用する高電導高力黄銅鋳物と
特定用途に使用する場合の成分調整方法に関する。
材等、高電導率を要求される一方で機械的性質、硬度も
要求される部材の素材に適用する高電導高力黄銅鋳物と
特定用途に使用する場合の成分調整方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、高力黄銅鋳物としては、JIS規
格のCAC302が使用されているが、そこに示される
化学成分では具体的な用途において機械的性質、硬度、
導電性、等が不充分な場合が多く、用途的に限定されて
きている。
格のCAC302が使用されているが、そこに示される
化学成分では具体的な用途において機械的性質、硬度、
導電性、等が不充分な場合が多く、用途的に限定されて
きている。
【0003】すなわち、JIS規格のCAC302配合
に示される亜鉛(Zn)当量値は、通常は46%程度であ
り、高電導高力黄銅鋳物の用途から必要とされる硬度の
目安とされるβ相の析出が得られる硬度は亜鉛当量値と
して48.5%〜52%となっているので、JIS規格のCA
C302配合に示される亜鉛当量値ではβ相の析出を得
るだけの硬度を得ることができない。
に示される亜鉛(Zn)当量値は、通常は46%程度であ
り、高電導高力黄銅鋳物の用途から必要とされる硬度の
目安とされるβ相の析出が得られる硬度は亜鉛当量値と
して48.5%〜52%となっているので、JIS規格のCA
C302配合に示される亜鉛当量値ではβ相の析出を得
るだけの硬度を得ることができない。
【0004】しかし、JIS規格のCAC302配合を
基準として48.5%〜52%といった高亜鉛当量の配合を行
った場合、一般にはγ相が析出して機械的性質が劣化し
て極めて脆い性質の高硬度鋳物となってしまう問題を含
んでいる。
基準として48.5%〜52%といった高亜鉛当量の配合を行
った場合、一般にはγ相が析出して機械的性質が劣化し
て極めて脆い性質の高硬度鋳物となってしまう問題を含
んでいる。
【0005】そのため、β相を得るだけの硬度と電導性
を必要とする場合には、CAC302では条件が満たさ
れず、銅にBe(ベリリューム銅)、Cr(クローム銅)等
を添加した合金に依存し、一部には更に溶体化処理をし
て仕様を満たしていった状況にある。
を必要とする場合には、CAC302では条件が満たさ
れず、銅にBe(ベリリューム銅)、Cr(クローム銅)等
を添加した合金に依存し、一部には更に溶体化処理をし
て仕様を満たしていった状況にある。
【0006】しかしながら、Be、Cr等はコスト的に極め
て高く、しかも、環境に対して有害な金属成分であり、
欧米ではその使用が禁止されている状況にある。
て高く、しかも、環境に対して有害な金属成分であり、
欧米ではその使用が禁止されている状況にある。
【0007】更に、JIS規格のCAC302配合に
は、鋳造組織を微細化させる目的で鉄(Fe)を0.5%〜2.
0%を添加して含有させるため導電性の低下があり、高導
電性を要求される高力黄銅鋳物としては使用することが
できない。
は、鋳造組織を微細化させる目的で鉄(Fe)を0.5%〜2.
0%を添加して含有させるため導電性の低下があり、高導
電性を要求される高力黄銅鋳物としては使用することが
できない。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明が解決しようと
する課題は、導電率25%以上、引張強度560N/mm以
上、硬度HB200以上、伸びが40%以上で仕様目的に
応じて調節可能な直鋳方式を採用して得られる銅合金鋳
物を提供することにある。
する課題は、導電率25%以上、引張強度560N/mm以
上、硬度HB200以上、伸びが40%以上で仕様目的に
応じて調節可能な直鋳方式を採用して得られる銅合金鋳
物を提供することにある。
【0009】また、従来、配合金属をそれぞれインゴッ
ト化したうえで、溶解炉に一括投入し摂氏1050度程
度の溶解温度で鋳造しているが、この方法によると粒界
不純物の発生が避けがたく、配合成分の特性を充分に引
き出せない問題がある。
ト化したうえで、溶解炉に一括投入し摂氏1050度程
度の溶解温度で鋳造しているが、この方法によると粒界
不純物の発生が避けがたく、配合成分の特性を充分に引
き出せない問題がある。
【0010】更に、高電導高力黄銅鋳物の用途は多岐に
渡るが、用途によって合金に求められる特性が異なり、
その都度、試作によって確認を行わなければならない煩
わしさがあった。
渡るが、用途によって合金に求められる特性が異なり、
その都度、試作によって確認を行わなければならない煩
わしさがあった。
【0011】本発明の目的は、これらの問題に対応し、
配合金属を融点を加味して溶解脱ガスが行え、鉄添加な
しでチタン(Ti)による微細化を行うことにより、粒界
不純物の少ない溶湯をインゴット化しないで直接鋳型に
注湯できる高電導高力黄銅鋳物の提供にもある。
配合金属を融点を加味して溶解脱ガスが行え、鉄添加な
しでチタン(Ti)による微細化を行うことにより、粒界
不純物の少ない溶湯をインゴット化しないで直接鋳型に
注湯できる高電導高力黄銅鋳物の提供にもある。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明は、一般には鋳造
組織を微細化させる目的で添加され、導電性の低下を招
くことになる鉄(Fe)の0.5%〜2.0%の添加の代わりに、
チタン(Ti)0.01%〜0.08%の添加によりチタンの特性
で鋳造組織の微細化と強度(引張強度と伸び)を向上さ
せることにより、γ相の析出による機械的性質の劣化を
阻止させて鉄の含有をなくし、更に、ジルコン(Zr)0.
02%〜0.06%の添加組合せで、機械的性質と導電率の向
上をはかったものである。
組織を微細化させる目的で添加され、導電性の低下を招
くことになる鉄(Fe)の0.5%〜2.0%の添加の代わりに、
チタン(Ti)0.01%〜0.08%の添加によりチタンの特性
で鋳造組織の微細化と強度(引張強度と伸び)を向上さ
せることにより、γ相の析出による機械的性質の劣化を
阻止させて鉄の含有をなくし、更に、ジルコン(Zr)0.
02%〜0.06%の添加組合せで、機械的性質と導電率の向
上をはかったものである。
【0013】その結果、基礎的な配合比として化学成分
比は、亜鉛40%〜46%、アルミニウム1.50%〜2.2%、マ
ンガン0.10%〜0.2%、ニッケル0.02% 〜0.05%、チタン
0.01% 〜0.08%、ジルコン0.02% 〜0.06%、残部が銅と
して構成される。
比は、亜鉛40%〜46%、アルミニウム1.50%〜2.2%、マ
ンガン0.10%〜0.2%、ニッケル0.02% 〜0.05%、チタン
0.01% 〜0.08%、ジルコン0.02% 〜0.06%、残部が銅と
して構成される。
【0014】また、前記化学成分比による合金を、溶融
温度範囲を摂氏1200度から摂氏1040度とし、添
加成分の内、融点の最も高い成分を先ず溶融し、溶融を
確認したうえで、次に融点の高い成分から順次融点の低
い成分に至る順番で、それぞれ成分を添加して各溶融確
認をし、全成分の溶融を確認した後、合金反応時間を含
め混合、脱滓、脱ガス、沈静作業を30分〜45分の間
に行って鋳造することにより、鋳造組織の微細化が促進
され、α相の析出が殆ど無い高電導高力黄銅鋳物の鋳造
を行うことができた。
温度範囲を摂氏1200度から摂氏1040度とし、添
加成分の内、融点の最も高い成分を先ず溶融し、溶融を
確認したうえで、次に融点の高い成分から順次融点の低
い成分に至る順番で、それぞれ成分を添加して各溶融確
認をし、全成分の溶融を確認した後、合金反応時間を含
め混合、脱滓、脱ガス、沈静作業を30分〜45分の間
に行って鋳造することにより、鋳造組織の微細化が促進
され、α相の析出が殆ど無い高電導高力黄銅鋳物の鋳造
を行うことができた。
【0015】また、用途に応じて合金の特性を変化させ
るため特性に結びつく添加金属の配合量を、Guillet の
亜鉛換算係数によって亜鉛当量として算出し、その比率
にしたがって他の成分調整を行うことによって、特定の
用途に対応する高電導高力黄銅鋳物の鋳造を可能とした
ものである。
るため特性に結びつく添加金属の配合量を、Guillet の
亜鉛換算係数によって亜鉛当量として算出し、その比率
にしたがって他の成分調整を行うことによって、特定の
用途に対応する高電導高力黄銅鋳物の鋳造を可能とした
ものである。
【0016】
【実施例】日本工業規格-JIS-CAC302合金の成分比は、
銅55.0%〜60.0%、亜鉛30.0%〜42.0%、鉄 0.5%〜
2.0%、アルミニウム 0.5%〜 2.0%、マンガン 0.1%
〜 1.5%となっており、ほかに残余成分として 1.0%程
度の錫、 0.4%程度の鉛、1.0%程度のニッケル、0.1%
程度のケイ素の配合が予定されている。
銅55.0%〜60.0%、亜鉛30.0%〜42.0%、鉄 0.5%〜
2.0%、アルミニウム 0.5%〜 2.0%、マンガン 0.1%
〜 1.5%となっており、ほかに残余成分として 1.0%程
度の錫、 0.4%程度の鉛、1.0%程度のニッケル、0.1%
程度のケイ素の配合が予定されている。
【0017】本発明は、上記の日本工業規格-JIS-CAC30
2合金の中で電気抵抗に影響して導電性の低下させる鉄
を排除し、鉄の作用とされる鋳造組織の微細化をチタン
の添加によって行うようにするものである。
2合金の中で電気抵抗に影響して導電性の低下させる鉄
を排除し、鉄の作用とされる鋳造組織の微細化をチタン
の添加によって行うようにするものである。
【0018】また、高電導高力黄銅鋳物として適切な硬
度を得るための亜鉛当量は48.5%〜52%となっており、
このような高亜鉛当量による機械的性質の劣化を、チタ
ンの特性による鋳造組織の微細化と合金の伸びを向上さ
せることにより阻止するようにした。
度を得るための亜鉛当量は48.5%〜52%となっており、
このような高亜鉛当量による機械的性質の劣化を、チタ
ンの特性による鋳造組織の微細化と合金の伸びを向上さ
せることにより阻止するようにした。
【0019】そこで、亜鉛(Zn)の含有率を変化させな
がら、他の添加金属を亜鉛当量換算によって調整して添
加したないしの試料を、インゴット化しないで直接
溶解する方式で、溶融温度範囲を摂氏1200度から摂
氏1040度とし、添加成分の内、融点の最も高い成分
を先ず溶融し、溶融を確認したうえで、次に融点の高い
成分から順次融点の低い成分に至る順番で、それぞれ成
分を添加して各溶融確認をし、全成分の溶融を確認した
後、合金反応時間を含め混合、脱滓、脱ガス、沈静作業
を30分〜45分の間に行って直接鋳型に注湯する方式
によって鋳造し、各試料につき、導電率、引張強度、伸
び、硬度の試験を出願人において行った結果は表1のと
おりであった。なお、溶解炉は可傾式ガス炉・黒鉛ルツ
ボ300#LPガスである。
がら、他の添加金属を亜鉛当量換算によって調整して添
加したないしの試料を、インゴット化しないで直接
溶解する方式で、溶融温度範囲を摂氏1200度から摂
氏1040度とし、添加成分の内、融点の最も高い成分
を先ず溶融し、溶融を確認したうえで、次に融点の高い
成分から順次融点の低い成分に至る順番で、それぞれ成
分を添加して各溶融確認をし、全成分の溶融を確認した
後、合金反応時間を含め混合、脱滓、脱ガス、沈静作業
を30分〜45分の間に行って直接鋳型に注湯する方式
によって鋳造し、各試料につき、導電率、引張強度、伸
び、硬度の試験を出願人において行った結果は表1のと
おりであった。なお、溶解炉は可傾式ガス炉・黒鉛ルツ
ボ300#LPガスである。
【表1】
【0020】これによると、鉄(Fe)0.5%を添加した試
料は導電率23%であるのに対し、鉄の添加をしない試
料は導電率24.3%と向上し、更に、ジルコン(Zr)を
添加した試料、は導電率27%代に向上している。
料は導電率23%であるのに対し、鉄の添加をしない試
料は導電率24.3%と向上し、更に、ジルコン(Zr)を
添加した試料、は導電率27%代に向上している。
【0021】また、銅(Cu)とアルミニウム(Al)を増
量した試料、は引張強度が向上しており、アルミニ
ュウム(Al)の配合の多い試料は硬度が高いといった
それぞれの特性が現れている。
量した試料、は引張強度が向上しており、アルミニ
ュウム(Al)の配合の多い試料は硬度が高いといった
それぞれの特性が現れている。
【0022】Guillet の式は、合金中の銅分析値(%)
をA、合金中の亜鉛分析値(%)をB、銅、亜鉛以外の
添加元素の分析値(%)をq、添加元素の亜鉛当量をt
として、B+ΣqtをA+B+Σqtで除し、100を乗じ
たものを亜鉛当量(%)としており、各種添加金属の各
々についての係数を定めている。
をA、合金中の亜鉛分析値(%)をB、銅、亜鉛以外の
添加元素の分析値(%)をq、添加元素の亜鉛当量をt
として、B+ΣqtをA+B+Σqtで除し、100を乗じ
たものを亜鉛当量(%)としており、各種添加金属の各
々についての係数を定めている。
【0023】各成分の亜鉛当量は、例えば、Alは6.0 、
Feは0.9 、Mnは0.5 、Niは-1.3等となつており、前記Gu
illet の式によって合金の亜鉛当量を48.5%〜52%の範
囲で成分調整するものである。
Feは0.9 、Mnは0.5 、Niは-1.3等となつており、前記Gu
illet の式によって合金の亜鉛当量を48.5%〜52%の範
囲で成分調整するものである。
【0024】これにより、用途に対応する特性を有する
添加金属を選定し、添加量の調整を行うことにより、必
要とする性質を備えた特定用途高電導高力黄銅鋳物の合
金を鋳造することができるものである。
添加金属を選定し、添加量の調整を行うことにより、必
要とする性質を備えた特定用途高電導高力黄銅鋳物の合
金を鋳造することができるものである。
【0025】更に、以上の合金が高電導高力黄銅鋳物の
用途的特性を備えていることは、いずれもGuillet の式
による銅当量値が53.25%程度で、α%が0〜10%程度に
抑えられてによって確認された。
用途的特性を備えていることは、いずれもGuillet の式
による銅当量値が53.25%程度で、α%が0〜10%程度に
抑えられてによって確認された。
【0026】本発明は従来の高力黄銅鋳物の添加成分か
ら鉄を除外し、チタン或いはチタンとジルコンを添加す
ることにより、従来はγ相が析出して機械的性質が劣化
する48.5%〜52%といった高亜鉛当量の配合を可能と
し、硬度的な向上がはかられることが確認されたもので
ある。
ら鉄を除外し、チタン或いはチタンとジルコンを添加す
ることにより、従来はγ相が析出して機械的性質が劣化
する48.5%〜52%といった高亜鉛当量の配合を可能と
し、硬度的な向上がはかられることが確認されたもので
ある。
【0027】本発明の実施品と従来品の機械的性質を比
較確認するため、合金曲げ限界試験を行った結果、従来
のJISHBsC2相当品については、図1に示すような曲げ限
界を示し、本発明の実施品に鉄(Fe)を添加した表1の
試料については、図2に示すように限界R:20R−
60mm、本発明の実施品である表1の試料〜につい
ては、図3に示すように限界R:13R−20mmの曲げ
限界を示している。
較確認するため、合金曲げ限界試験を行った結果、従来
のJISHBsC2相当品については、図1に示すような曲げ限
界を示し、本発明の実施品に鉄(Fe)を添加した表1の
試料については、図2に示すように限界R:20R−
60mm、本発明の実施品である表1の試料〜につい
ては、図3に示すように限界R:13R−20mmの曲げ
限界を示している。
【0028】
【図1】従来のJISHBsC2相当品について合金曲げ限界試
験を行った結果の曲げ限界状態における合金試料の全体
斜視図である。
験を行った結果の曲げ限界状態における合金試料の全体
斜視図である。
【図2】本発明の実施例に鉄(Fe)を添加した表1の合
金試料について合金曲げ限界試験を行った結果の曲げ
限界状態における合金試料の全体斜視図である。
金試料について合金曲げ限界試験を行った結果の曲げ
限界状態における合金試料の全体斜視図である。
【図3】本発明の実施例による表1の合金試料〜に
ついて合金曲げ限界試験を行った結果の曲げ限界状態に
おける合金試料の全体斜視図である。
ついて合金曲げ限界試験を行った結果の曲げ限界状態に
おける合金試料の全体斜視図である。
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成11年11月25日(1999.11.
25)
25)
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】特許請求の範囲
【補正方法】変更
【補正内容】
【特許請求の範囲】
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0012
【補正方法】変更
【補正内容】
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明は、一般には鋳造
組織を微細化させる目的で添加され、導電性の低下を招
くことになる鉄(Fe)の0.5%〜2.0%の添加の代わりに、
チタン(Ti)0.01%〜0.08%の添加によりチタンの特性
で鋳造組織の微細化と強度(引張強度と伸び)を向上さ
せることにより、γ相の析出による機械的性質の劣化を
阻止させて鉄の含有をなくし、更に、ジルコニウム(Z
r)0.02%〜0.06%の添加組合せで、機械的性質と導電
率の向上をはかったものである。
組織を微細化させる目的で添加され、導電性の低下を招
くことになる鉄(Fe)の0.5%〜2.0%の添加の代わりに、
チタン(Ti)0.01%〜0.08%の添加によりチタンの特性
で鋳造組織の微細化と強度(引張強度と伸び)を向上さ
せることにより、γ相の析出による機械的性質の劣化を
阻止させて鉄の含有をなくし、更に、ジルコニウム(Z
r)0.02%〜0.06%の添加組合せで、機械的性質と導電
率の向上をはかったものである。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0013
【補正方法】変更
【補正内容】
【0013】その結果、基礎的な配合比として化学成分
比は、重量比によって亜鉛40%〜46%、アルミニウム1.
50%〜2.2%、マンガン0.10%〜0.2%、ニッケル0.02% 〜
0.05%、チタン0.01% 〜0.08%、ジルコニウム0.02% 〜
0.06%、残部が銅として構成される。
比は、重量比によって亜鉛40%〜46%、アルミニウム1.
50%〜2.2%、マンガン0.10%〜0.2%、ニッケル0.02% 〜
0.05%、チタン0.01% 〜0.08%、ジルコニウム0.02% 〜
0.06%、残部が銅として構成される。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0014
【補正方法】変更
【補正内容】
【0014】また、前記化学成分比による合金を、溶融
温度範囲を摂氏1200度から摂氏1040度とし、添
加成分の内、融点の最も高い成分を先ず溶融し、溶融を
確認したうえで、次に融点の高い成分から順次融点の低
い成分に至る順番で、それぞれ成分を添加して各溶融確
認をし、全成分の溶融を確認した後、合金反応時間を含
め混合、脱滓、脱ガス、沈静作業を30分〜45分の間
に行って鋳造することにより、鋳造組織の微細化が促進
され、α相の析出が殆ど無い高電導高力黄銅鋳物の鋳造
を行うことができた。すなわち、全成分の溶融確認後、
最後に融点の低い亜鉛を添加することによって脱ガス現
象と合金反応を生じさせ、脱ガス昇温と亜鉛添加による
降温の調整により、亜鉛40%〜46%の条件でα相析出の
最低温度である摂氏1200度とγ相析出の最高温度で
ある摂氏1040度の間に保持しながら、チタンによる
鋳造組織の微細化とジルコニウムによる粒界侵入型の金
属間化合物の形成が活発に作用する30分〜45分の間
に沈静作業までを行ってしまうようにしたものである。
温度範囲を摂氏1200度から摂氏1040度とし、添
加成分の内、融点の最も高い成分を先ず溶融し、溶融を
確認したうえで、次に融点の高い成分から順次融点の低
い成分に至る順番で、それぞれ成分を添加して各溶融確
認をし、全成分の溶融を確認した後、合金反応時間を含
め混合、脱滓、脱ガス、沈静作業を30分〜45分の間
に行って鋳造することにより、鋳造組織の微細化が促進
され、α相の析出が殆ど無い高電導高力黄銅鋳物の鋳造
を行うことができた。すなわち、全成分の溶融確認後、
最後に融点の低い亜鉛を添加することによって脱ガス現
象と合金反応を生じさせ、脱ガス昇温と亜鉛添加による
降温の調整により、亜鉛40%〜46%の条件でα相析出の
最低温度である摂氏1200度とγ相析出の最高温度で
ある摂氏1040度の間に保持しながら、チタンによる
鋳造組織の微細化とジルコニウムによる粒界侵入型の金
属間化合物の形成が活発に作用する30分〜45分の間
に沈静作業までを行ってしまうようにしたものである。
【手続補正5】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0020
【補正方法】変更
【補正内容】
【0020】これによると、鉄(Fe)0.5%を添加した試
料は導電率23%であるのに対し、鉄の添加をしない試
料は導電率24.3%と向上し、更に、ジルコニウム(Z
r)を添加した試料、は導電率27%代に向上してい
る。
料は導電率23%であるのに対し、鉄の添加をしない試
料は導電率24.3%と向上し、更に、ジルコニウム(Z
r)を添加した試料、は導電率27%代に向上してい
る。
【手続補正6】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0026
【補正方法】変更
【補正内容】
【0026】本発明は従来の高力黄銅鋳物の添加成分か
ら鉄を除外し、チタン或いはチタンとジルコニウムを添
加することにより、従来はγ相が析出して機械的性質が
劣化する48.5%〜52%といった高亜鉛当量の配合を可能
とし、硬度的な向上がはかられることが確認されたもの
である。
ら鉄を除外し、チタン或いはチタンとジルコニウムを添
加することにより、従来はγ相が析出して機械的性質が
劣化する48.5%〜52%といった高亜鉛当量の配合を可能
とし、硬度的な向上がはかられることが確認されたもの
である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 相良 信好 山梨県中巨摩郡昭和町築地新居1648−5株 式会社電溶工業内
Claims (3)
- 【請求項1】化学成分比を、亜鉛40%〜46%、アルミニ
ウム1.50%〜2.2%、マンガン0.10%〜0.2%、ニッケル0.
02% 〜0.05%、チタン0.01% 〜0.08%、ジルコン0.02%
〜0.06%、残部を銅として構成したことを特徴とする高
電導高力黄銅鋳物 - 【請求項2】請求項1記載の高電導高力黄銅鋳物の鋳造
において、溶融温度範囲を摂氏1200度から摂氏10
40度とし、添加成分の内、融点の最も高い成分を先ず
溶融し、溶融を確認したうえで、次に融点の高い成分か
ら順次融点の低い成分に至る順番で、それぞれ成分を添
加して各溶融確認をし、全成分の溶融を確認した後、合
金反応時間を含め混合、脱滓、脱ガス、沈静作業を30
分〜45分の間に行うことを特徴とする高電導高力黄銅
鋳物の鋳造方法 - 【請求項3】請求項1記載の高電導高力黄銅鋳物の添加
成分の比について、使用目的に対応した特性の添加成分
の増減を行うと共に、他の添加成分の比をGuillet の亜
鉛当量係数によって当量換算した比率にしたがって亜鉛
当量を48.5%〜52%の範囲で成分調整するようにして特
定用途高電導高力黄銅鋳物の鋳造を行うことを特徴とす
る請求項2記載の高電導高力黄銅鋳物の鋳造方法
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP5233799A JP2000248323A (ja) | 1999-03-01 | 1999-03-01 | 高電導高力黄銅鋳物とその鋳造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP5233799A JP2000248323A (ja) | 1999-03-01 | 1999-03-01 | 高電導高力黄銅鋳物とその鋳造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2000248323A true JP2000248323A (ja) | 2000-09-12 |
Family
ID=12911997
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP5233799A Pending JP2000248323A (ja) | 1999-03-01 | 1999-03-01 | 高電導高力黄銅鋳物とその鋳造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2000248323A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2005290475A (ja) * | 2004-03-31 | 2005-10-20 | Dowa Mining Co Ltd | 黄銅およびその製造方法ならびにこれを用いた部品 |
-
1999
- 1999-03-01 JP JP5233799A patent/JP2000248323A/ja active Pending
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2005290475A (ja) * | 2004-03-31 | 2005-10-20 | Dowa Mining Co Ltd | 黄銅およびその製造方法ならびにこれを用いた部品 |
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