JP2000247128A - 計測制御方法及び空調制御方法並びに空調制御装置 - Google Patents

計測制御方法及び空調制御方法並びに空調制御装置

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JP2000247128A
JP2000247128A JP11046726A JP4672699A JP2000247128A JP 2000247128 A JP2000247128 A JP 2000247128A JP 11046726 A JP11046726 A JP 11046726A JP 4672699 A JP4672699 A JP 4672699A JP 2000247128 A JP2000247128 A JP 2000247128A
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sensors
input
air
control
signals
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JP11046726A
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Keiichi Watanuki
啓一 綿貫
Hidemasa Otaki
英征 大滝
Kazutada Kojima
一恭 小島
Yoshinobu Ito
榮信 伊藤
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Bosch Corp
Original Assignee
Zexel Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 個々の乗員の快適性を考慮した空調制御がで
きるようにする。 【解決手段】 個々の乗員の位置positon1〜nにおい
て、それぞれ空調制御に必要な複数のセンサ1〜nが設
けられた構成にあって、その計測システムを、時間的要
素を考慮したペトリネットで表現し、それに基づく制御
シーケンスを実行するようにし、しかも、ペトリネット
におけるトランジッションの発火の条件として個々の乗
員の快適性を示す所定の指標を用いるようにして、posi
ton1〜nにおけるセンサ1〜nの信号を、限られた入力
チャンネルを介して取得でき、個々の乗員の快適性を満
足するように空調機器を制御できるようにしたものであ
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、センサによる種々
の計測を行い、そのセンサ信号を用いて所定の機器等の
制御を行うよう構成された装置に係り、特に、計測制御
における効率化、信頼性の向上等を図ったものに関す
る。
【0002】
【従来の技術】センサによる種々の計測を行い、そのセ
ンサ信号を用いて所定の機器等の制御を行うよう構成さ
れた装置の一つとして、例えば、車両用空調装置を挙げ
ることができる。従来、この種の車両用空調装置におい
ては、車室内の快適な空調状態を実現する観点から種々
の制御方法やそのような制御方法による装置が種々提案
されている。ことに近年は、個々の乗員の快適性が重視
される傾向にあり、そのため、これまでの車室内の一律
な空調状態の実現よりも、あらゆる環境下において、個
々の乗員のそれぞれの快適性を充足できる空調状態を実
現することのできるものが所望されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】このような要求を実現
できるようにするために、具体的には、各々の乗員の位
置におけるいわゆる独立空調制御が必要となる。一方、
ここで従来の空調制御装置は、いわゆる集中管理型の制
御機構を基本とするものであるから、あくまでこのよう
な従来の構成を基に各々の乗員の快適性を考慮した独立
空調制御を行おうとした場合、装置の構成が複雑、大規
模化し、現実的ではなくなる。さらに、そのような構成
では、システムの変更に対して柔軟性に欠けるものとな
り、部分的な故障に対して的確な対応ができないものと
なるという問題が生ずる。また、仮に、従来の集中管理
型の制御機構を基本として独立空調を行うようなものを
実現するとしても、実際には、制御機器等に対するコス
ト面での制約があり、その妥協点での実現となるため
に、結果的には、システムとしてのさほどの高性能化は
望めないという問題がある。
【0004】本発明は、上記実状に鑑みてなされたもの
で、比較的簡易な構成で、極力従来の機器をそのまま活
用することができ、しかも各々の乗員の快適性を考慮
し、いわゆる独立空調を行うことのできる空調制御方法
及び空調制御装置を提供するものである。また、本発明
の他の目的は、システムの変更に柔軟に対応することの
できる空調制御方法及び空調制御装置を提供することに
ある。さらに、本発明の他の目的は、少ないデータバス
ラインを介して比較的短時間で種々のセンサからの信号
を効率良く取得することができ、信頼性が高い計測制御
方法を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に本発明に係る計測制御方法は、複数の計測箇所におい
て、それぞれ複数のセンサを設け、これら複数の計測箇
所における複数のセンサからの信号を、前記複数のセン
サからの信号を選択して所定の後段の回路へ出力する入
力手段と、前記入力手段の動作を制御する入力制御手段
とにより収集するための計測制御方法であって、前記入
力制御手段による前記入力手段の制御には、前記複数の
センサからの信号を選択的に収集するシステム構造を時
間的要素を考慮したペトリネットによる自律分散型離散
事象システムとして表現し、前記ペトリネットにおける
トランジションの発火の条件を所定の条件に設定し、当
該所定の条件が満たされた場合に、該当するセンサから
の信号を前記入力手段に選択せしめるようにしてなる制
御シーケンスを適用し、前記入力手段を介して前記複数
のセンサの信号を、競合することなく短時間で収集でき
るように構成されてなるものである。
【0006】かかる構成においては、複数の計測箇所に
おいて、それぞれ複数のセンサが設けられた構成にあっ
て、時間的要素を考慮したペトリネットに基づく制御シ
ーケンスを適用することで、これらの複数のセンサから
の信号を、限られた入力チャンネル(データバスライ
ン)を介して、可能な限り短時間で収集することができ
ることとなるものである。
【0007】また、上述の課題を達成するため、本発明
に係る空調制御方法は、車室内の複数の乗員のそれぞれ
の位置に、複数のセンサを設け、当該複数のセンサから
の信号を、前記複数のセンサからの信号を選択して所定
の後段の回路へ出力する入力手段と、前記入力手段の動
作を制御する入力制御手段とにより収集し、前記入力手
段を介して入力された信号に基づいて所定の条件の下、
空調機器の動作を制御し、前記車室内の空調状態を前記
複数の乗員のそれぞれの快適性を満足する状態とするた
めの空調制御方法であって、前記入力制御手段による前
記入力手段の制御には、前記複数のセンサからの信号を
選択的に収集するシステム構造を時間的要素を考慮した
ペトリネットによる自律分散型離散事象システムとして
表現し、個々の乗員における空調状態に対する快適性の
指標としての平均予測温熱申告値が所定の基準値を満た
さなくなった場合に、前記ペトリネットにおけるトラン
ジションの発火とし、該当するペトリネットにおける複
数のセンサからの信号を前記入力手段に選択せしめるよ
うにしてなる制御シーケンスを適用し、前記制御シーケ
ンスの実行により前記入力手段を介して収集せしめられ
た信号に基づいて、空調機器の動作を制御するよう構成
されてなるものである。
【0008】かかる構成においては、個々の乗員の位置
において、それぞれ複数のセンサが設けられた構成にあ
って、時間的要素を考慮したペトリネットに基づく制御
シーケンスを適用し、しかも、個々の乗員の空調状態に
対する快適性を表す所定の基準を用いて各々のペトリネ
ットにおけるトランジションの発火の条件としたので、
個々の乗員の位置における複数のセンサからの信号を、
限られた入力チャンネル(データバスライン)を介し
て、可能な限り短時間で収集することができ、そのよう
にして収集された信号に基づく空調機器の動作を制御す
ることで、個々の乗員の快適性を満たす空調状態の実現
が図られることとなるものである。
【0009】また、上述の課題を達成するため、本発明
に係る空調制御装置は、車室内の複数の乗員のそれぞれ
の位置に、それぞれ設けられた複数のセンサからの信号
に基づいて、前記複数の乗員のそれぞれの快適性が満た
されるように空調機器の動作を制御する空調制御装置で
あって、前記複数のセンサからの信号を外部からの制御
に応じて選択的に入力し、所定の後段の回路へ出力する
入力手段と、前記入力手段の動作を制御する入力制御手
段と、前記入力手段により入力された前記複数のセンサ
からの信号を基に空調機器の動作を制御する機器制御手
段と、を具備してなり、前記入力制御手段は、前記複数
のセンサからの信号を選択的に収集するシステム構造を
時間的要素を考慮したペトリネットによる自律分散型離
散事象システムとして表現し、個々の乗員における空調
状態に対する快適性の指標としての平均予測温熱申告値
が所定の基準値を満たさなくなった場合に、前記ペトリ
ネットにおけるトランジションの発火とし、該当するペ
トリネットにおける複数のセンサからの信号を前記入力
手段に選択せしめるようにしてなる制御シーケンスを実
行し、前記機器制御手段は、前記入力制御手段の制御に
より前記入力手段を介して前記複数のセンサからの信号
が入力された場合に、当該入力された信号に基づいて空
調機器の動作を制御するよう構成されてなるものであ
る。かかる構成は、先の空調制御方法の実行に適するも
ので、入力制御手段や機器制御手段は、例えば、いわゆ
るマイクロコンピュータとソフトウェアにより実現され
得るものである。
【0010】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て、図1乃至図3を参照しつつ説明する。まず、本発明
に係る空調制御方法が提供される空調制御装置の基本的
な構成例が図1に示されており、以下、同図を参照しつ
つその構成について説明する。本発明に係る空調制御方
法は、各々の乗員の快適性を確保することができるいわ
ば自律分散型空調制御を実現するもので、そのため、各
々の乗員の位置(position 1、position 2・・・posi
tion m)において、従来の空調制御において用いられ
ていたと同様な各種のセンサS1〜Snが設けられる必
要がある(図1参照)。ここで、各種のセンサはここで
は具体的に限定しないが、例を挙げれば、車室内温度セ
ンサ、車外温度センサ、日射センサ等である。また、乗
員数m、換言すれば、計測場所数mは、特定の数に限定
される必要はないので、ここでは具体的な数値を特定し
ないこととする。
【0011】各々の乗員の位置、すなわち、各々のposi
tion 1〜mにおける各種センサS1〜Snは、マルチ
プレクサ(図1においては「MPX」と表記)1に接続
されるようになっている。マルチプレクサ1は、CPU
(Central Processing Unit)3からの制御を受けて、複
数の入力の中から一つの信号を選択的に出力するように
なっており、その出力段は、第1のインターフェイス回
路(図1においては「I/F」と表記)2に接続されて
いる。第1のインターフェイス回路2は、マルチプレク
サ1を介して入力された信号をCPU3の入力条件に合
致した形式に変換して出力するようになっているもので
ある。
【0012】一方、CPU3からは、空調機器としての
第1乃至第nのアクチュエータAC1〜ACnへ対する制御
信号が出力されるようになっており、その制御信号は、
第2のインターフェイス回路(図1においては「I/
F」と表記)4を介して第1乃至第nのアクチュエータ
AC1〜ACnへ入力されるようになっている。ここで、第
1乃至第nのアクチュエータAC1〜ACnは、具体的な特
定はしないが、例を挙げればブロアモータやいわゆるエ
アミックスドアの駆動用のモータアクチュエータ等であ
る。なお、CPU3は、いわゆるIC化されたマイクロ
プロセッサに限らず、高速演算処理に適するDSP(Dig
ital Signal Processor)等であってもよいものである。
かかる構成においては、マルチプレクサ1及び第1のイ
ンターフェイス回路2により入力手段が、CPU3によ
り入力制御手段が、CPU3及び第2のインターフェイ
ス回路4により機器制御手段が、それぞれ実現されたも
のとなっている。
【0013】本発明は、上述のようにセンシングの箇所
が複数に分散しており、しかも、各々の箇所において種
々のセンシングを行う必要のあるものにおいて、複数の
センシンサ出力をCPU3へ入力する信号線、すなわち
バスを従来に比して増やすことなく、効率よく可能な限
り短時間でCPU3へ入力できるようにし、個々の乗員
の快適性を充足するように第1乃至第nのアクチュエー
タAC1〜ACnの動作制御を行おうとするものである。こ
のため、まず、センシングが行われ、そのセンシング結
果に応じて必要に応じてアクチュエータAC1〜ACnの制
御が行われるまでの計測及び制御シーケンスは、ペトリ
ネットに基づくものとなっている。
【0014】すなわち、この発明においては、ペトリネ
ットによる制御部分には、特に、本願発明者が提案する
エージェントベース・ペトリネットが用いられている。
図2には、先の図1に示された構成についてペトリネッ
トで表現した例が示されている。さらに、この発明にお
いては、空調制御装置を組織レベル(Organization Leve
l)、協調レベル(Coordination Level)、実行レベル(Exe
cution Level)の3つの概念で区分している(図2参
照)。組織レベル及び協調レベルは、いわゆるソフトウ
ェアにより動作制御される部分に対する概念であり、実
行レベルは、具体的なハードウェア(例えば第1乃至第
nのアクチュエータAC1〜ACn及びアクチュエータ駆動
回路)に対する概念である。そして、組織レベルは、後
述するように遺伝的アルゴリズムの適用によりシステム
動作の最適化を図る部分に対する概念であり、協調レベ
ルは、エージェントベース・ペトリネットにより動作制
御される部分に対する概念である。なお、第1乃至第n
のアクチュエータAC1〜ACnの制御については、従来の
ようにいわゆるフィードバック制御を適用するのが好適
である。
【0015】次に、エージェントベース・ペトリネット
について説明する。エージェントベース・ペトリネット
(APN)の静的な構造は、次の数式1によって表され
るものである。
【0016】
【数1】
【0017】このエージェントベース・ペトリネットが
従来のペトリネットと特徴的に異なる点は、動作時間の
曖昧性を考慮した時間的な要素を導入したことである。
すなわち、先の数式1の定義において示されたようにフ
ァジィ遅延を導入した点に特徴を有するもので、これに
より、複数のposition 1〜mのそれぞれにおいて設けら
れたそれぞれ動作の時定数が異なる複数のセンサS1〜
Snによるセンシング信号を、少ないデータバスを介し
て効率よく短時間で取得することを可能としている。
【0018】このエージェントベース・ペトリネット
は、次のような定義式が設定される。
【0019】
【数2】
【0020】
【数3】
【0021】
【数4】
【0022】
【数5】
【0023】
【数6】
【0024】以上、述べたような定義及び式により、ペ
トリネットによる自律分散型の空調制御が可能となるも
のであるが、次に、個々の乗員の快適性を考慮した空調
を行うための快適性の評価方法について説明する。本発
明においては、個々の乗員の快適性を評価する指標とし
ては、(a)温度Ta、(b)放射温度Tr、(c)気流速Vair、
(d)湿度RH、(e)代謝量Met、(f)着衣量Iclの温度環境
因子を考慮するものとした。ここで、(a)〜(d)は、車室
内の環境因子であり、(e)及び(f)は、個々の乗員の状態
に依存する因子である。そして、快適性については、P.
O.Fangerらが提唱し、ISO(International Organizat
ion For Standardization)規格となっている平均予測温
熱申告PMVを用いて推定することとしてある。このP
MV値は、上述の六つの温熱環境因子を用いて次のよう
な数式7によって表されるものである。
【0025】
【数7】
【0026】そして、PMV値は、人間の温熱感覚を−
3(非常に寒い)から+3(非常に暑い)までの温熱感覚を
定量化したものである。PMV値が0については無感を
表し、消極的な意味での快適を表す。しかしながら、P
MV=0でも、すべての人が満足と感じる訳ではないの
で、この発明の実施の形態においては、下記する数式8
のように予想不満率PPDを算出することとし、このP
PDが10%以下の場合を快適であるとしている。
【0027】
【数8】
【0028】この発明の実施の形態においては、PPD
値10%をエージェントベース・ペトリネットの発火条
件としている。すなわち、PPD値が10%を越えたか
否かを適宜な時間間隔で判定するようにし、10%を越
えたと判定された場合に、上述したエージェントベース
・ペトリネットにおける発火が生ずるようにしてあり、
該当するペトリネットによる計測制御のシーケンスが開
始されるようになっている。なお、上述のPMV値を確
定する各因子は、必ずしも実測値を用いる必要はなく、
現実的には、予め実験やシミュレーション等により求め
た値を用いるようにしてもよい。例えば、代謝量Metや
着衣量Iclなどは、気温や季節等に応じた代表的な値が
求められており、このような代表値を用いるようにして
もよいものである。
【0029】次に、このようなエージェントベース・ペ
トリネットにより計測制御シーケンスを求める方法につ
いて説明する。まず、ある場所で個々のデータを収集す
るのに要する時間をμ(τ)とすると、これらのデータか
らPMVを算出する事象を次のように定義して、トラン
ジションが発火する可能性は下記する数式10のように
求められる。
【0030】
【数9】
【0031】
【数10】
【0032】また、m個のセンサ群からのデータを制御
機器に送出する事象eiについて、この事象eiが生起す
る時間o(τ)は、下記する数式11にて求められる。
【0033】
【数11】
【0034】そして、事象eによって生ずるトークン
の存在分布μtp(τ)は、その出力プレースに到達した
トークンの存在分布であり、下記する数式12により表
される。
【0035】
【数12】
【0036】また、発火系列σi(τ)は、次の数式13
のようになる。
【0037】
【数13】
【0038】各々のエージェントベース・ペトリネット
の実行には、シングルスレッドのPN?Threadクラスから
派生するクラスを定義し、PN?Threadの実行に関するメ
ソッドをオーバライドして定義し、そこにスレッドとし
て実行する処理を記述することにより行う。次に、先の
PMV値は、極力それぞれの乗員近傍で求められたもの
であることが望ましく、そのためには、センサ配置及び
計測シーケンスを最適なものとする必要がある。この発
明の実施の形態においては、そのための、ペトリネット
におけるトランジションの発火を公知・周知の遺伝的ア
ルゴリズムを用いて最適発火系列を決定するようにして
ある。
【0039】この場合、遺伝子表現としては、m個のセ
ンサ設定場所において、それぞれn種類のセンサがある
場合、合計(m×n)個で構成する。そして、交叉は、2
点交叉を用い、その2点交叉対象区間を除いて、親の情
報が子に承継されるようにする。また、突然変異は、適
当な2箇所の遺伝子を入れ替え、致死遺伝子を発生させ
ないようにする。これらの処理を行うことで、最適な計
測を行うためのトランジション最適発火系列が算定さ
れ、計測及び制御の最適化が図られるようになってい
る。
【0040】図3には、上述したような制御により複数
の箇所でそれぞれ複数のセンサにより計測を行う場合の
シミュレーション結果の一例が示されている。すなわ
ち、このシミュレーションは、4人乗り用自動車を想定
し、それぞれの乗員近傍にPMV値の算出に必要な計測
用センサ(温度、放射温度、湿度、風速センサ)と、日
射センサとを配設し、車室内環境の計測を行おうとした
場合のものである。但し、乗員の代謝量及び着衣量は所
定の値を用いることとした。また、このシミュレーショ
ンにおいては、4箇所の温度、放射温度、湿度、風速セ
ンサからのデータ及び日射センサからのデータを収集す
ることとし、そのデータを収集処理するためのデータ処
理用のボードには、各種センサ毎に1チャンネルの入力
ポートしか割り当てられないとして、各々のセンサにつ
いての計測シーケンスを上述したような手法により求め
て実行した場合のものとなっている。
【0041】図3に示されたシミュレーション結果につ
いて説明すれば、まず、同図において、S,S,S
及びSは、それぞれ動作の時定数が異なる4つのセ
ンサを意味し、position 1〜position 4は、4人の乗員
のそれぞれの位置を意味する。そして、この図3のシミ
ュレーション結果においては、position 4におけるセン
サS〜S4によるデータ収集が、他の3つのposition
に先駆けて最初に終了し、その4つのデータ収集が終了
した直後に、position 4におけるPMV値の算出がなさ
れることが示されている(図3において「PMV」と表
記された箇所参照)。また、このシミュレーション結果
においては、position 4に続いて、position2における
4つのセンサS〜S4によるデータ収集が終了し、次
いで、position 1における4つのセンサS〜S4によ
るデータ収集が終了し、最後に、position 3における4
つのセンサS〜S4によるデータ収集が終了し、それ
ぞれのデータ収集完了の直後に、それぞれの位置におけ
るPMV値が算出され、最後に各々のPMV値の算出結
果に対応して、必要なアクチュエータの駆動(図2にお
いて「actuator」と表記された箇所参照)が行われるこ
とが示されている。
【0042】上述の説明においては、車両用の空調制御
装置のセンシングにおいて、本願発明者の提案に係るエ
ージェントベース・ペトリネットによる制御を適用し、
各々の乗員の位置における各種センサによるデータを可
能な限り短時間で、しかも、少ないデータバスライン
(データ入力チャンネル)を用いてデータ入力の競合が
生ずることがないようにしてデータ収集を行えるように
し、その結果、各々の乗員の快適性を損なうことのない
空調制御が行われる場合を例に採り説明したが、本願発
明者の提案に係るエージェントベース・ペトリネットに
よる制御は、空調制御装置にのみ適用されるものではな
いことは勿論である。すなわち、複数の箇所において、
それぞれ複数のセンサが設けられ、しかもその複数のセ
ンサは、それぞれ動作の時定数が異なるような場合にお
いて、これら複数のセンサからの信号を、極力少ないデ
ータバスラインを介して短時間で取得し、その結果に基
づいて何らかのアクチュエータを駆動する必要があるも
のであれば、上述した本発明の実施の形態におけると基
本的に同様にして本願発明者の提案に係るエージェント
ベース・ペトリネットによる制御を適用することができ
るものである。そして、この場合、すなわち、空調制御
装置以外の装置にあっては、ペトリネットによる制御開
始の基準、換言すれば発火の条件を、先の空調制御装置
の制御におけるPMV値に代えて、その装置の制御対象
に応じて適切なものを選定すればよい。
【0043】
【発明の効果】以上、述べたように、本発明によれば、
複数の計測箇所において、それぞれ複数のセンサが設け
られた構成にあって、これらの複数のセンサからの信号
を、限られた入力チャンネル(データバスライン)を介
して、効率の良いデータの取得が可能となるような構成
とすることにより、少ないデータバスラインを介して比
較的短時間で種々のセンサからの信号を競合することな
く効率良く取得することができ、データの更新が比較的
短時間で繰り返し行うことが可能となるために、従来に
比してより信頼性の向上を図ることができる。特に、ペ
トリネットのトランジションの発火の条件として個々の
乗員の空調状態に対する快適性を表す指標を用いること
で、個々の乗員の快適性を満足するように空調制御が可
能となり、従来のいわゆる集中管理型の制御機構では容
易に実現され得なかった自律分散型の空調制御が可能と
なるものである。個々の計測箇所における複数のセンサ
による計測回路の部分に、それぞれペトリネットによる
制御シーケンスが適用されることにより、従来の集中管
理型の制御機構と異なり、いわゆるシステムの変更に対
して柔軟に対応でき、利便性の高い装置を提供すること
ができるという効果を奏するものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態における空調制御方法が適
用される空調制御装置の構成例を示す構成図である。
【図2】本発明の実施の形態におけるエージェントベー
ス・ペトリネットにより図1に示された空調制御装置を
表した説明図である。
【図3】エージェントベース・ペトリネットによる計測
制御のシミュレーションの一例を示すタイミング図であ
る。
【符号の説明】
1…マルチプレクサ 2…第1のインターフェイス回路 3…CPU 4…第2のインターフェイス回路
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 大滝 英征 埼玉県吉川市保514−12 (72)発明者 小島 一恭 埼玉県東松山市箭弓町3−13−26 株式会 社ゼクセル東松山工場内 (72)発明者 伊藤 榮信 埼玉県東松山市箭弓町3−13−26 株式会 社ゼクセル東松山工場内

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 複数の計測箇所において、それぞれ複数
    のセンサを設け、これら複数の計測箇所における複数の
    センサからの信号を、 前記複数のセンサからの信号を選択して所定の後段の回
    路へ出力する入力手段と、前記入力手段の動作を制御す
    る入力制御手段とにより収集するための計測制御方法で
    あって、 前記入力制御手段による前記入力手段の制御には、前記
    複数のセンサからの信号を選択的に収集するシステム構
    造を時間的要素を考慮したペトリネットによる自律分散
    型離散事象システムとして表現し、前記ペトリネットに
    おけるトランジションの発火の条件を所定の条件に設定
    し、当該所定の条件が満たされた場合に、該当するセン
    サからの信号を前記入力手段に選択せしめるようにして
    なる制御シーケンスを適用し、 前記入力手段を介して前記複数のセンサの信号を、競合
    することなく短時間で収集できるようにしたことを特徴
    とする計測制御方法。
  2. 【請求項2】 時間的要素を考慮したペトリネットは、 【数1】 と表されるものであることを特徴とする請求項1記載の
    計測制御方法。
  3. 【請求項3】 車室内の複数の乗員のそれぞれの位置
    に、複数のセンサを設け、当該複数のセンサからの信号
    を、 前記複数のセンサからの信号を選択して所定の後段の回
    路へ出力する入力手段と、 前記入力手段の動作を制御する入力制御手段とにより収
    集し、 前記入力手段を介して入力された信号に基づいて所定の
    条件の下、空調機器の動作を制御し、前記車室内の空調
    状態を前記複数の乗員のそれぞれの快適性を満足する状
    態とするための空調制御方法であって、 前記入力制御手段による前記入力手段の制御には、前記
    複数のセンサからの信号を選択的に収集するシステム構
    造を時間的要素を考慮したペトリネットによる自律分散
    型離散事象システムとして表現し、個々の乗員における
    空調状態に対する快適性の指標としての平均予測温熱申
    告値が所定の基準値を満たさなくなった場合に、前記ペ
    トリネットにおけるトランジションの発火とし、該当す
    るペトリネットにおける複数のセンサからの信号を前記
    入力手段に選択せしめるようにしてなる制御シーケンス
    を適用し、 前記制御シーケンスの実行により前記入力手段を介して
    収集せしめられた信号に基づいて、空調機器の動作を制
    御することを特徴とする空調制御方法。
  4. 【請求項4】 トランジションの発火においては、遺伝
    的アルゴリズムを用いて算定した最適発火系列を用い、 前記最適発火系列の算定においては、 m個のセンサ設定場所において、それぞれn種類のセン
    サがあるとした場合、合計(m×n)個で遺伝子を構成
    し、その遺伝子の交叉には2点交叉を用い、その2点交
    叉対象区間を除いて、親の情報が子に承継されるように
    する一方、前記遺伝子の突然変異は、適宜な選択された
    2箇所の遺伝子を入れ替え、致死遺伝子を発生させない
    ようにすることを特徴とする請求項3記載の空調制御方
    法。
  5. 【請求項5】 時間的要素を考慮したペトリネットは、 【数1】 と表されるものであることを特徴とする請求項3または
    請求項4記載の空調制御方法。
  6. 【請求項6】 車室内の複数の乗員のそれぞれの位置
    に、それぞれ設けられた複数のセンサからの信号に基づ
    いて、前記複数の乗員のそれぞれの快適性が満たされる
    ように空調機器の動作を制御する空調制御装置であっ
    て、 前記複数のセンサからの信号を外部からの制御に応じて
    選択的に入力し、所定の後段の回路へ出力する入力手段
    と、 前記入力手段の動作を制御する入力制御手段と、 前記入力手段により入力された前記複数のセンサからの
    信号を基に空調機器の動作を制御する機器制御手段と、 を具備してなり、 前記入力制御手段は、前記複数のセンサからの信号を選
    択的に収集するシステム構造を時間的要素を考慮したペ
    トリネットによる自律分散型離散事象システムとして表
    現し、個々の乗員における空調状態に対する快適性の指
    標としての平均予測温熱申告値が所定の基準値を満たさ
    なくなった場合に、前記ペトリネットにおけるトランジ
    ションの発火とし、該当するペトリネットにおける複数
    のセンサからの信号を前記入力手段に選択せしめるよう
    にしてなる制御シーケンスを実行し、 前記機器制御手段は、前記入力制御手段の制御により前
    記入力手段を介して前記複数のセンサからの信号が入力
    された場合に、当該入力された信号に基づいて空調機器
    の動作を制御することを特徴とする空調制御装置。
  7. 【請求項7】 トランジションの発火においては、遺伝
    的アルゴリズムを用いて算定した最適発火系列を用い、 前記最適発火系列の算定においては、 m個のセンサ設定場所において、それぞれn種類のセン
    サがあるとした場合、合計(m×n)個で遺伝子を構成
    し、その遺伝子の交叉に2点交叉を用い、その2点交叉
    対象区間を除いて、親の情報が子に承継されるようにす
    る一方、前記遺伝子の突然変異は、適宜な選択された2
    箇所の遺伝子を入れ替え、致死遺伝子を発生させないよ
    うにすることを特徴とする請求項6記載の空調制御装
    置。
  8. 【請求項8】 時間的要素を考慮したペトリネットは、 【数1】 と表されるものであることを特徴とする請求項6または
    請求項7記載の空調制御装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN106681142A (zh) * 2016-12-26 2017-05-17 中国航空工业集团公司西安飞机设计研究所 一种产品故障触发及传递方法
US11989494B2 (en) 2019-04-18 2024-05-21 ASCon Systems Holding GmbH Process control with digital twins

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