JP2000245824A - 人工括約筋 - Google Patents

人工括約筋

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JP2000245824A
JP2000245824A JP11055910A JP5591099A JP2000245824A JP 2000245824 A JP2000245824 A JP 2000245824A JP 11055910 A JP11055910 A JP 11055910A JP 5591099 A JP5591099 A JP 5591099A JP 2000245824 A JP2000245824 A JP 2000245824A
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JP
Japan
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cuff
artificial
urethra
sphincter
polymer gel
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Application number
JP11055910A
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Jotaro Yokoyama
穣太郎 横山
Bon Matsufuji
凡 松藤
Yoshihito Osada
義仁 長田
Chenpin Gun
チェンピン グン
Tatsuo Kaneko
達雄 金子
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Keio University
Original Assignee
Keio University
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Abstract

(57)【要約】 【課題】本発明は尿道や肛門などに配置される人工括約
筋を提供することを目的とする。 【解決手段】温度変化により急激に弾性率が変化する高
分子ゲルよりなる人工括約筋である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は尿道や肛門などの周
囲に留置される人工括約筋に関する。
【0002】
【従来技術】人体を構成する筋肉のうち、括約筋は尿道
或いは肛門等の特定の器官の出口を輪状にとりまいて走
る筋肉で、収縮によって、その出口を閉鎖し、また反対
に弛緩によって開口する。この筋肉或いはこの筋肉を有
する器官に何らかの障害を有する多くの患者が存在する
が、これらの患者に、この筋肉或いは器官を人工の筋肉
若しくは器官によって置き換えることが試みられてい
る。しかし、人工の筋肉または器官は未だ限られたもの
しか存在せず、また、満足すべきのもがない。例えば人
工肛門は、肛門がなんらかの原因で排泄口としての役割
を果たさなくなったとき、大腸の一部を体外に出して設
置されるものである。人工肛門は括約筋が存在しないた
め排便回数が多いことや周囲の皮膚のただれ、においな
ど多くの問題が存在している。
【0003】現在使用されている人工筋肉には人工尿道
括約筋として開発されたAMS800システムがある。
これは尿道の周囲に巻き付けるカフと体内の別の部分に
埋め込まれたリザバーからなっており、カフとリザバー
間を液体が移動することでカフの厚み(内径)と内圧を
変化させて尿道を締め付けたり、緩めたりする仕組みで
ある。この状態を図3に示す。図3において、カフ1は
尿道2の周りに巻き付けられており、カフ1はポンプ3
を経てリザバー4に連がっている。この経路内には一定
の水量が充填されている。このようなシステムにおい
て、常時カフ1内の水圧によってカフ1は膨張し尿道内
腔は閉鎖され膀胱4内に蓄尿される(a図)。膀胱内に
或る程度、蓄尿されるとポンプ3が作動し、カフ1内の
液体はリザバー4に移動し、カフ1は平坦化し、その内
径は拡大する。その結果排尿が可能となる(b図)。カ
フ1が平坦化したのち、2〜3分の排尿時間が経過する
と自動的に液体はリザバー4から、ポンプ3を経てカフ
1に戻り、カフ1は膨張し、再び尿道内腔が閉鎖し排尿
が終了する(c図)。このシステムのカフの部分を直腸
肛門に巻き付けるようにして人工肛門括約筋の作用を行
うように改良されたものがある。更に、マグネティック
リングを利用した人工肛門がある。この模式図を図4に
示す。図4において、磁石を内蔵したリング5をストー
マ(人工肛門、腸瘻)の周囲に埋め込み、また、ストー
マは磁石を埋設した人工肛門栓6でクッション材を介し
て閉鎖している。そして、排便時には栓を抜いて排泄を
行うものである。AMS800システムに代表される人
工括約筋はカフ内の液体量を変化させることでカフの内
径を変化させ、尿道や直腸を締め付けたり緩ませたりし
て尿や便の通過性をコントロールしようとするものであ
り、この点においては先の人工肛門の場合に比して優れ
てはいるが、カフと一定水圧の液体を供給するリザバー
及び液体の流れる方向を調節するバルブ及びこれらを連
結するチューブを体内に長期間留置するため種々の合併
症の原因と成り、更に、生体の1個所に高圧をかけ続け
ることから同部位の血行障害や粘膜障害などが生じる等
問題が多い。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】そこで、本発明者は、
このような欠点を解決すべく種々検討した結果、本発明
を完成したもので、本発明の目的は長期間体内に留置し
ても合併症を生ずることなく、また、体内に容易に留置
できる人工括約筋を提供することである。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明の要旨は、温度変
化により弾性率が急激に変化する高分子ゲルよりなる人
工括約筋である。すなわち、本発明は器官の一部を温度
変化により弾性率が変化する高分子ゲルよりなる人工括
約筋で包囲しているため、温度が上昇し、弾性率が小と
なり伸展性が増加し、外力より内径が容易に増大し、外
力が除かれると直ちに元の形状に復する。即ち、この高
分子ゲルは、外力が除かれると直ちに元の形状に復する
ので、形状記憶ゲルということができる。また、温度が
低下したとき高分子ゲルの弾性率が増加し伸展性が減少
し変形しにくくなる。この挙動は括約筋と類似の変化で
あり、この高分子ゲルで包囲された器官は温度上昇によ
り排泄が行なわれ、温度低下により貯留が行なわれる。
【0006】
【発明の実施の形態】本願における人工括約筋は温度変
化により急激に弾性率(storage moduls)が変化する形
状記憶性を有する高分子ゲルよりなる。このような形状
記憶高分子ゲルとしては、(メタ)アクリル酸、エステ
ル基を異にする2種以上の(メタ)アクリル酸エステル
等の2種若しくは3種以上の単量体より成る共重合体ゲ
ル若しくはこれらの単量体と他の官能基を有する単量体
との共重合体ゲルを挙げることが出来る。しかして、ゲ
ルの弾性率が急激に変化する温度を転移温度Tmとい
う。Tmの測定方法は、試料として長さ30mm、幅1
5mm、厚さ1mmよりなる板状の高分子ゲル2枚を使
用し、この2枚の板状高分子ゲルに間に10gの荷重を
載せ高分子ゲルを加熱し、荷重が落下するときの温度を
Tmとする。Tmは高分子ゲルを構成するモノマー成分
及びその組成によって異なる。好ましい高分子ゲルの成
分としては、アクリル酸メチルエステルとアクリル酸ス
テアリルエステルとを含有する共重合体ゲルであり、そ
の組成としては、アクリル酸メチルとアクリル酸ステア
リルとの組成比が、約5:1〜2:1のものが温度約3
8℃近辺で急激に弾性率が変化するので好ましい。アク
リル酸メチルとアクリル酸ステアリルとの合計量に対す
るアクリル酸ステアリルの割合(F値)が0.25であ
る共重合体ゲルの温度に対する弾性率(storage modul
s)を図1に示す。
【0007】この共重合体は常法によって製造すること
が出来る。溶剤中に所定量のアクリル酸メチルエステル
とアクリル酸ステアリルエステルを採り、例えばαα’
−アゾビスイソブチルニトリルなどの開始剤及びNN’
−メチレンビスアクリルアミドなどの架橋剤の存在下室
温〜80℃、好適には約60℃程度に加温して重合させ
ることによって容易に得ることができる。本発明にかか
る人工括約筋の形状としてはチューブ状、コイル状、プ
レート状、或いは漏斗状何れの形状でも良く、その寸法
としては適用する器官によって異なるが、肛門に適用す
るチューブ状の人工括約筋の一例として内径2.5m
m、外径2.7mm、高さ2.0mmの円柱状のチュー
ブがある。これらの人工括約筋の適用できる器官として
は、括約筋によって組織されている肛門、尿道を始めと
して、食道括約筋ならびにストーマ(人工肛門、腸瘻、
膀胱瘻、尿道瘻)等がある。本発明にかかる人工括約筋
を肛門に取付け、排泄の状態の模式図を図2に示す。な
お、プレート状の場合は肛門の内腔中に挿入し、他の形
状の場合はその外周を人工括約筋で包囲するように取付
ける。なお、図においてTmは弾性率が急激に変化する
転移温度を示す。例えば、便意を感ずることが可能な場
合は、ウオシュレット便座を用いて直接肛門周囲に温水
をかけることによって高分子ゲルの温度を上昇させるこ
とが可能である。便意に対する知覚障害が存在する場合
は、結腸に装着したストレインゲ−ジで排便時に特徴的
な大蠕動を感知し、高分子ゲルを直接加温するか、また
は高分子ゲルを収めた陽気ないの水を加温システム起動
させてゲルの温度を上昇させ、これによって弾性率を低
下させて目的を達成することが出来る。
【0008】
【実施例】次に実施例をもって本発明を具体的に説明す
る。 実施例 1 アクリル酸メチルとアクリル酸ステアリルとの共重合体
から成るチューブ状の人工括約筋を麻酔下成犬の遠位結
腸切断端に通した。ストレンゲージで腸の収縮運動をモ
ニターしながらネオスチグミンにて、自然排便時に見ら
れる巨大蠕動波(または収縮)と同等の収縮力の蠕動波
を躍起し、低温(35℃)での便の保持力と高温(40
℃)での便の通過性を検討した。その結果、低温では腸
内容はゲル部を通過せず、その口側に貯溜した。高温で
は、蠕動による腸内容の移動によりゲルは開大し、便は
排泄され、便が無くなるとゲルはもとの形状に復した。
降温によりゲルは弾性を失い、便は再び保持された。こ
のことからゲルは、高温では排便を躍起する巨大蠕動に
より便は容易に排泄されることが判明した。このゲルの
動きは本来の括約筋と類似の動きであった。実際には肛
門括約筋機能が低下した症例では、その外側にゲルを埋
め込み、直腸癌手術や先天性に肛門括約筋欠損する(鎖
肛など)症例では腸の周囲に直接ゲルを埋め込む。人体
などの生体に長期に用いる際には、ゲルをシリコン皮膜
で覆うか、或いはシリコン袋内にゲルを入れてこれを埋
め込むなどの方法が取られる。
【0009】
【発明の効果】以上述べたように、本発明は、温度変化
により急激に弾性率が変化する形状記憶高分子ゲルより
なる人工括約筋であって、該人工括約筋を肛門或いは尿
道に適用することによって本来の括約筋と類似の特性を
示し、例えば従来の人工肛門のような括約筋のないもの
に比して排便をコントロールすることが出来、また、A
MS800システムの場合に比して、容易に長期間体内
に留置することが出来ると共に合併症を生ずるおそれが
ない等の効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】アクリル酸メチルとアクリル酸ステアリルとの
共重合体の温度に対する弾性率(storage modul)を示
す図。
【図2】本発明に係る種々の形状の人工括約筋の適用例
を示した模式図。
【図3】従来のAMS800システムの説明図。
【図4】従来のマグネチックリングを利用した人工肛門
の模式図。
【符号の説明】
1 カフ 2 尿道 3 ポンプ 4 リ
ザバー 5 マグネチックリング 6 人工肛門栓 7
クッション材
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 長田 義仁 北海道札幌市北区北10条西8丁目 北海道 大学大学院理学研究科内 (72)発明者 グン チェンピン 北海道札幌市北区北10条西8丁目 北海道 大学大学院理学研究科内 (72)発明者 金子 達雄 北海道札幌市北区北10条西8丁目 北海道 大学大学院理学研究科内 Fターム(参考) 4C081 AB16 AB18 AB25 AC03 BB03 BB07 CA081 CC01 CC05 DA01 DA02 DA03 DA12 DC03 EA02 4C097 AA21 AA30 BB01 BB05 BB09 CC04 CC13 CC14 DD02 DD04 EE03 FF01

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 温度変化により急激に弾性率が変化する
    高分子ゲルよりなる人工括約筋。
  2. 【請求項2】 温度変化により急激に弾性率が変化する
    高分子ゲルがアクリル酸メチルエステルとアクリル酸ス
    テアリルエステルとの共重合体である請求項1記載の人
    工括約筋。
JP11055910A 1999-03-03 1999-03-03 人工括約筋 Pending JP2000245824A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007532146A (ja) * 2004-01-02 2007-11-15 ヅィヴ、イヒエル 消化管装置

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