JP2000244917A - 画像復号装置及び画像復号方法 - Google Patents

画像復号装置及び画像復号方法

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JP2000244917A
JP2000244917A JP4373599A JP4373599A JP2000244917A JP 2000244917 A JP2000244917 A JP 2000244917A JP 4373599 A JP4373599 A JP 4373599A JP 4373599 A JP4373599 A JP 4373599A JP 2000244917 A JP2000244917 A JP 2000244917A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 動き補償の際の画素の位相ずれをなくし、動
き補償に起因する画質の劣化を防止し、動き補償の際の
処理を簡略化したMPEGダウンデコーダを提供する。 【解決手段】 高解像度画像のMPEGデータに対し
て、4×4の縮小IDCTを行い、標準解像度画像デー
タがフレームメモリ17に格納される。動き補償装置1
8は、フレームメモリ17が記憶している参照画像デー
タのマクロブロックの各画素に対して補間をして、1/
4画素精度の画素から構成されるマクロブロックを生成
する。このとき、動き補償装置18は、垂直方向及び水
平方向の画素補間を同時に行う2次元フィルタ係数を、
メモリ23から読み出し、補間を行う。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、8×8画素からな
る直交変換ブロック単位で直交変換することによる圧縮
符号化をした第1の解像度の圧縮画像データを復号する
画像復号装置及び画像復号方法に関し、特に、第1の解
像度の圧縮画像データを復号して、この第1の解像度よ
りも低い第2の解像度の動画像データに縮小する画像復
号装置及び画像復号方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】MPEG2(Moving Picture Experts G
roup phase2)等の画像圧縮方式を用いたデジタルテレ
ビジョン放送の規格化が進められている。デジタルテレ
ビジョン放送の規格には、標準解像度画像(例えば垂直
方向の有効ライン数が576本)に対応した規格、高解
像度画像(例えば垂直方向の有効ライン数が1152
本)に対応した規格等がある。そのため、近年、高解像
度画像の圧縮画像データを復号するとともにこの圧縮画
像データを1/2の解像度に縮小することにより、標準
解像度画像の画像データを生成して、この画像データを
標準解像度に対応したテレビジョンモニタに表示するダ
ウンデコーダが求められている。
【0003】高解像度画像に対して動き予測による予測
符号化及び離散コサイン変換による圧縮符号化をしたM
PEG2等のビットストリームを、復号するとともに標
準解像度画像にダウンサンプリングするダウンデコーダ
が、文献「低域ドリフトのないスケーラブル・デコー
ダ」(岩橋・神林・貴家:信学技報 CS94-186,DSP94-10
8,1995-01)に提案されている(以下、この文献を文献
1と呼ぶ。)。この文献1には、以下の第1から第3の
ダウンデコーダが示されている。
【0004】第1のダウンデコーダは、図8に示すよう
に、高解像度画像のビットストリームに対して8(水平
方向のDC成分から数えた係数の数)×8(垂直方向の
DC成分から数えた係数の数)の逆離散コサイン変換を
する逆離散コサイン変換装置101と、離散コサイン変
換がされた高解像度画像と動き補償がされた参照画像と
を加算する加算装置102と、参照画像を一時記憶する
フレームメモリ103と、フレームメモリ103が記憶
した参照画像に1/2画素精度で動き補償をする動き補
償装置104と、フレームメモリ103が記憶した参照
画像を標準解像度の画像に変換するダウンサンプリング
装置105とを備えている。
【0005】この第1のダウンデコーダでは、逆離散コ
サイン変換を行い高解像度画像として復号した出力画像
を、ダウンサンプリング装置105で縮小して標準解像
度の画像データを出力する。
【0006】第2のダウンデコーダは、図9に示すよう
に、高解像度画像のビットストリームのDCT(Discre
te Cosine Transform)ブロックの高周波成分の係数を
0に置き換えて8×8の逆離散コサイン変換をする逆離
散コサイン変換装置111と、離散コサイン変換がされ
た高解像度画像と動き補償がされた参照画像とを加算す
る加算装置112と、参照画像を一時記憶するフレーム
メモリ113と、フレームメモリ113が記憶した参照
画像に1/2画素精度で動き補償をする動き補償装置1
14と、フレームメモリ113が記憶した参照画像を標
準解像度の画像に変換するダウンサンプリング装置11
5とを備えている。
【0007】この第2のダウンデコーダでは、DCTブ
ロックの全ての係数のうち高周波成分の係数を0に置き
換えて逆離散コサイン変換を行い高解像度画像として復
号した出力画像を、ダウンサンプリング装置105で縮
小して標準解像度の画像データを出力する。
【0008】第3のダウンデコーダは、図10に示すよ
うに、高解像度画像のビットストリームのDCTブロッ
クの低周波成分の係数のみを用いて例えば4×4の逆離
散コサイン変換をして標準解像度画像に復号する縮小逆
離散コサイン変換装置121と、縮小逆離散コサイン変
換がされた標準解像度画像と動き補償がされた参照画像
とを加算する加算装置122と、参照画像を一時記憶す
るフレームメモリ123と、フレームメモリ123が記
憶した参照画像に1/4画素精度で動き補償をする動き
補償装置124とを備えている。
【0009】この第3のダウンデコーダでは、DCTブ
ロックの全ての係数のうち低周波成分の係数のみを用い
て逆離散コサイン変換を行い、高解像度画像から標準解
像度画像として復号する。
【0010】ここで、上記第1のダウンデコーダでは、
DCTブロック内の全ての係数に対して逆離散コサイン
変換を行い高解像度画像を復号しているため、高い演算
処理能力の逆離散コサイン変換装置101と高容量のフ
レームメモリ103とが必要となる。また、上記第2の
ダウンデコーダでは、DCTブロック内の係数のうち高
周波成分を0として離散コサイン変換を行い高解像度画
像を復号しているため、逆離散コサイン変換装置111
の演算処理能力は低くて良いが、やはり高容量のフレー
ムメモリ113が必要となる。これら第1及び第2のダ
ウンデコーダに対し、第3のダウンデコーダでは、DC
Tブロック内の全ての係数うち低周波成分の係数のみを
用いて逆離散コサイン変換をしているため逆離散コサイ
ン変換装置121の演算処理能力が低くてよく、さら
に、標準解像度画像の参照画像を復号しているのでフレ
ームメモリ123の容量も少なくすることができる。
【0011】ところで、テレビジョン放送等の動画像の
表示方式には、順次走査方式と飛び越し走査方式とがあ
る。順次走査方式は、フレーム内の全ての画素を同じタ
イミングでサンプリングした画像を、順次表示する表示
方式である。飛び越し走査方式は、フレーム内の画素を
水平方向の1ライン毎に異なるタイミングでサンプリン
グした画像を、交互に表示する表示方式である。
【0012】この飛び越し走査方式では、フレーム内の
画素を1ライン毎に異なるタイミングでサンプリングし
た画像のうちの一方を、トップフィールド(第1フィー
ルドともいう。)といい、他方をボトムフィールド(第
2のフィールドともいう。)という。フレームの水平方
向の先頭ラインが含まれる画像がトップフィールドとな
り、フレームの水平方向の2番目のラインが含まれる画
像がボトムフィールドとなる。従って、飛び越し走査方
式では、1つのフレームが2つのフィールドから構成さ
れることとなる。
【0013】MEPG2では、飛び越し走査方式に対応
した動画像信号を効率良く圧縮するため、画面の圧縮単
位であるピクチャにフレームを割り当てて符号化するだ
けでなく、ピクチャにフィールドを割り当てて符号化す
ることもできる。
【0014】MPEG2では、ピクチャにフィールドが
割り当てられた場合には、そのビットストリームの構造
をフィールド構造と呼び、ピクチャにフレームが割り当
てられた場合には、そのビットストリームの構造をフレ
ーム構造と呼ぶ。また、フィールド構造では、フィール
ド内の画素からDCTブロックが形成され、フィールド
単位で離散コサイン変換がされる。このフィールド単位
で離散コサイン変換を行う処理モードのことをフィール
ドDCTモードと呼ぶ。また、フレーム構造では、フレ
ーム内の画素からDCTブロックが形成され、フレーム
単位で離散コサイン変換がされる。このフレーム単位で
離散コサイン変換を行う処理モードのことをフレームD
CTモードと呼ぶ。さらに、フィールド構造では、フィ
ールド内の画素からマクロブロックが形成され、フィー
ルド単位で動き予測がされる。このフィールド単位で動
き予測を行う処理モードのことをフィールド動き予測モ
ードと呼ぶ。また、フレーム構造では、フレーム内の画
素からマクロブロックが形成され、フレーム単位で動き
予測がされる。フレーム単位で動き予測を行う処理モー
ドのことをフレーム動き予測モードと呼ぶ。
【0015】ところで、上記文献1に示された第3のダ
ウンデコーダを利用して、飛び越し走査方式に対応した
圧縮画像データを復号する画像復号装置が、例えば文献
「ACompensation Method of Drift Errors in Scalabil
ity」(N.OBIKANE,K.TAHARAand J.YONEMITSU,HDTV Work
Shop'93)に提案されている(以下、この文献を文献2
と呼ぶ)。
【0016】この文献2に示された従来の画像復号装置
は、図11に示すように、高解像度画像をMPEG2で
圧縮したビットストリームが供給され、このビットスト
リームを解析するビットストリーム解析装置131と、
データの発生頻度に応じた符号長を割り当てる可変長符
号化がされたビットストリームを復号する可変長符号復
号装置132と、DCTブロックの各係数に量子化ステ
ップを掛ける逆量子化装置2033と、DCTブロック
の全ての係数のうち低周波成分の係数のみを用いて例え
ば4×4の逆離散コサイン変換をして標準解像度画像を
復号する縮小逆離散コサイン変換装置134と、縮小逆
離散コサイン変換がされた標準解像度画像と動き補償が
された参照画像とを加算する加算装置135と、参照画
像を一時記憶するフレームメモリ136と、フレームメ
モリ136が記憶した参照画像に1/4画素精度で動き
補償をする動き補償装置137とを備えている。
【0017】この文献2に示された従来の画像復号装置
の縮小逆離散コサイン変換装置134は、DCTブロッ
ク内の全ての係数のうち低周波成分の係数のみを用いて
逆離散コサイン変換をするが、フレームDCTモードと
フィールドDCTモードとで、逆離散コサイン変換を行
う係数の位置が異なっている。
【0018】具体的には、縮小逆離散コサイン変換装置
134は、フィールドDCTモードの場合には、図12
に示すように、DCTブロック内の8×8個のうち、低
域の4×4個の係数のみに逆離散コサイン変換を行う。
それに対し、縮小逆離散コサイン変換装置134は、フ
レームDCTモードの場合には、図13に示すように、
DCTブロック内の8×8個の係数のうち、4×2個+
4×2個の係数のみに逆離散コサイン変換を行う。
【0019】また、この文献2に示された従来の画像復
号装置の動き補償装置137は、高解像度画像に対して
行われた動き予測の情報(動きベクトル)に基づき、フ
ィールド動き予測モード及びフレーム動き予測モードの
それぞれに対応した1/4画素精度の動き補償を行う。
すなわち、通常MPEG2では1/2画素精度で動き補
償が行われることが定められているが、高解像度画像か
ら標準解像度画像を復号する場合には、ピクチャ内の画
素数が1/2に間引かれるため、動き補償装置137で
は動き補償の画素精度を1/4画素精度として動き補償
を行っている。
【0020】従って、動き補償装置137では、高解像
度画像に対応した動き補償を行うため、標準解像度の画
像としてフレームメモリ136に格納された参照画像の
画素に対して線形補間して、1/4画素精度の画素を生
成している。
【0021】具体的に、フィールド動き予測モード及び
フレーム動き予測モードの場合の垂直方向の画素の線形
補間処理を、図14及び図15を用いて説明する。な
お、図面中には、縦方向に垂直方向の画素の位相を示
し、表示画像の各画素が位置する位相を整数で示してい
る。
【0022】まず、フィールド動き予測モードで動き予
測がされた画像の補間処理について、図14を用いて説
明する。高解像度画像(上位レイヤー)に対しては、図
14(a)に示すように、各フィールドそれぞれ独立
に、1/2画素精度で動き補償がされる。これに対し、
標準解像度画像(下位レイヤー)に対しては、図14
(b)に示すように、整数精度の画素に基づきフィール
ド内で線形補間をして、垂直方向に1/4画素、1/2
画素、3/4画素分の位相がずれた画素を生成し、動き
補償がされる。すなわち、標準解像度画像(下位レイヤ
ー)では、トップフィールドの整数精度の各画素に基づ
きトップフィールドの1/4画素精度の各画素が線形補
間により生成され、ボトムフィールドの整数精度の各画
素に基づきボトムフィールドの1/4画素精度の各画素
が線形補間により生成される。例えば、垂直方向の位相
が0の位置にあるトップフィールドの画素の値をa、垂
直方向の位相が1の位置にあるトップフィールドの画素
の値をbとする。この場合、垂直方向の位相が1/4の
位置にあるトップフィールドの画素は(3a+b)/4
となり、垂直方向の位相が1/2の位置にあるトップフ
ィールドの画素は(a+b)/2となり、垂直方向の位
相が3/4の位置にあるトップフィールドの画素は(a
+3b)/4となる。
【0023】続いて、フレーム動き予測モードで動き予
測がされた画像の補間処理について、図15を用いて説
明する。高解像度画像(上位レイヤー)に対しては、図
15(a)に示すように、各フィールド間で補間処理が
され、すなわち、ボトムフィールドとトップフィールド
との間で補間処理がされ、1/2画素精度で動き補償が
される。標準解像度画像(下位レイヤー)に対しては、
図15(b)に示すように、トップフィールド及びボト
ムフィールドの2つのフィールドの整数精度の各画素に
基づき、垂直方向に1/4画素、1/2画素、3/4画
素分の位相がずれた画素が線形補間により生成され、動
き補償がされる。例えば、垂直方向の位相が−1の位置
にあるボトムフィールドの画素の値をa、垂直方向の位
相が0の位置にあるトップフィールドの画素の値をb、
垂直方向の位相が1の位置にあるボトムフィールドの画
素の値をc、垂直方向の位相が2の位置にあるトップフ
ィールドの画素の値をd、垂直方向の位相が3の位置に
あるボトムフィールドの画素の値をeとする。この場
合、垂直方向の位相が0〜2の間にある1/4画素精度
の各画素は、以下のように求められる。
【0024】垂直方向の位相が1/4の位置にある画素
は(a+4b+3c)/8となる。垂直方向の位相が1
/2の位置にある画素は(a+3c)/4となる。垂直
方向の位相が3/4の位置にある画素は(a+2b+3
c+2d)/8となる。垂直方向の位相が5/4の位置
にある画素は(2b+3c+2d+e)/8となる。垂
直方向の位相が3/2の位置にある画素は(3c+e)
/4となる。垂直方向の位相が7/4の位置にある画素
は(3c+4d+e)/8となる。
【0025】以上のように上記文献2に示された従来の
画像復号装置は、飛び越し走査方式に対応した高解像度
画像の圧縮画像データを、標準解像度画像データに復号
することができる。
【0026】しかしながら、上記文献2に示された従来
の画像復号装置では、フィールドDCTモードで得られ
る標準解像度画像の各画素と、フレームDCTモードで
得られる標準解像度の各画素との位相がずれる。具体的
には、フィールドDCTモードでは、図16に示すよう
に、下位レイヤーのトップフィールドの各画素の垂直方
向の位相が1/2、5/2・・・となり、下位レイヤー
のボトムフィールドの各画素の垂直方向の位相が1、3
・・・となる。それに対して、フレームDCTモードで
は、図17に示すように、下位レイヤーのトップフィー
ルドの各画素の垂直方向の位相が0、2・・・となり、
下位レイヤーのボトムフィールドの各画素の垂直方向の
位相が1、3・・・となる。そのため、位相が異なる画
像がフレームメモリ136に混在し、出力する画像の画
質が劣化する。
【0027】また、上記文献2に示された従来の画像復
号装置では、フィールド動き予測モードとフレーム動き
予測モードとで位相ずれの補正がされていない。そのた
め、出力する画像の画質が劣化する。
【0028】
【発明が解決しようとする課題】このような問題を解決
するための画像復号装置が、特願平10−208385
号により提案されている。
【0029】つぎに、特願平10−208385で提案
された画像復号装置について説明する。
【0030】図18に示す特願平10−208385号
で提案した画像復号装置200は、垂直方向の有効ライ
ン数が例えば1152本の高解像度画像をMPEG2で
画像圧縮したビットストリームが入力され、この入力さ
れたビットストリームを復号するとともに1/2の解像
度に縮小して、垂直方向の有効ライン数が例えば576
本の標準解像度画像を出力する装置である。
【0031】なお、以下、高解像度画像のことを上位レ
イヤーとも呼び、標準解像度画像のことを下位レイヤー
とも呼ぶものとする。また、通常、8×8の離散コサイ
ン係数を有するDCTブロックを逆離散コサイン変換し
た場合8×8の画素から構成される復号データを得るこ
とができるが、例えば、8×8の離散コサイン係数を復
号して4×4の画素から構成される復号データを得るよ
うな、逆離散コサイン変換をするとともに解像度を縮小
する処理を、縮小逆離散コサイン変換という。
【0032】この画像復号装置200は、圧縮された高
解像度画像のビットストリームが供給され、このビット
ストリームを解析するビットストリーム解析装置201
と、データの発生頻度に応じた符号長を割り当てる可変
長符号化がされた上記ビットストリームを復号する可変
長符号復号装置202と、DCTブロックの各係数に量
子化ステップを掛ける逆量子化装置203と、フィール
ドDCTモードで離散コサイン変換がされたDCTブロ
ックに対して縮小逆離散コサイン変換をして標準解像度
画像を生成するフィールドモード用縮小逆離散コサイン
変換装置204と、フレームDCTモードで離散コサイ
ン変換がされたDCTブロックに対して縮小逆離散コサ
イン変換をして標準解像度画像を生成するフレームモー
ド用縮小逆離散コサイン変換装置205と、縮小逆離散
コサイン変換がされた標準解像度画像と動き補償がされ
た参照画像とを加算する加算装置206と、参照画像を
一時記憶するフレームメモリ207と、フレームメモリ
207が記憶した参照画像にフィールド動き予測モード
に対応した動き補償をするフィールドモード用動き補償
装置208と、フレームメモリ207が記憶した参照画
像にフレーム動き予測モードに対応した動き補償をする
フレームモード用動き補償装置209と、フレームメモ
リ207が記憶した画像に対してポストフィルタリング
をすることにより、画枠変換をするとともに画素の位相
ずれを補正してテレビジョンモニタ等に表示するための
標準解像度の画像データを出力する画枠変換・位相ずれ
補正装置210とを備えている。
【0033】フィールドモード用縮小逆離散コサイン変
換装置204は、入力されたビットストリームのマクロ
ブロックが、フィールドDCTモードで離散コサイン変
換されている場合に用いられる。フィールドモード用縮
小逆離散コサイン変換装置204は、フィールドDCT
モードで離散コサイン変換がされたマクロブロック内の
8×8個の係数が示されたDCTブロックに対して、図
12で示したような、低域の4×4の係数のみに逆離散
コサイン変換を行う。すなわち、水平方向及び垂直方向
の低域の4点の離散コサイン係数に基づき縮小逆離散コ
サイン変換を行う。このフィールドモード用縮小逆離散
コサイン変換装置204では、以上のような縮小逆離散
コサイン変換を行うことにより、1つのDCTブロック
が4×4の画素から構成される標準解像度画像を復号す
ることができる。この復号された画像データの各画素の
位相は、図19に示すように、トップフィールドの各画
素の垂直方向の位相が1/2、5/2・・・となり、ボ
トムフィールドの各画素の垂直方向の位相が1、3・・
・となる。すなわち、復号された下位レイヤーのトップ
フィールドでは、先頭画素(位相が1/2の画素)の位
相が上位レイヤーのトップフィールドの先頭から1番目
と2番目の画素(位相が0と2の画素)の中間位相とな
り、先頭から2番目の画素(位相が5/2の画素)の位
相が上位レイヤーのトップフィールドの先頭から3番目
と4番目の画素(位相が4と6の画素)の中間位相とな
る。また、復号された下位レイヤーのボトムフィールド
では、先頭画素(位相が1の画素)の位相が上位レイヤ
ーのボトムフィールドの先頭から1番目と2番目の画素
(位相が1と3の画素)の中間位相となり、先頭から2
番目の画素(位相が3の画素)の位相が上位レイヤーの
ボトムフィールドの先頭から3番目と4番目の画素(位
相が5と7の画素)の中間位相となる。
【0034】フレームモード用縮小逆離散コサイン変換
装置205は、入力されたビットストリームのマクロブ
ロックが、フレームDCTモードで離散コサイン変換さ
れている場合に用いられる。フレームモード用縮小逆離
散コサイン変換装置205は、フレームDCTモードで
離散コサイン変換がされたマクロブロック内の8×8個
の係数が示されたDCTブロックに対して、縮小逆離散
コサイン変換を行う。そして、フレームモード用縮小逆
離散コサイン変換装置205では、1つのDCTブロッ
クが4×4の画素から構成される解像度画像を復号する
とともに、フィールドモード用縮小逆離散コサイン変換
装置204で生成した標準解像度画像の画素の位相と同
位相の画像を生成する。すなわち、フレームモード用縮
小逆離散コサイン変換装置205で復号された画像デー
タの各画素の位相は、図19に示すように、トップフィ
ールドの各画素の垂直方向の位相が1/2、5/2・・
・となり、ボトムフィールドの各画素の垂直方向の位相
が1、3・・・となる。
【0035】なお、このフレームモード用縮小逆離散コ
サイン変換装置205の処理については、その詳細を後
述する。
【0036】加算装置206は、フィールドモード用縮
小逆離散コサイン変換装置204又はフレームモード用
縮小逆離散コサイン変換装置205により縮小逆離散コ
サイン変換されたマクロブロックがイントラ画像の場合
には、そのイントラ画像をそのままフレームメモリ20
7に格納する。また、加算装置206は、フィールドモ
ード用縮小逆離散コサイン変換装置204又はフレーム
モード用縮小逆離散コサイン変換装置205により縮小
逆離散コサイン変換されたマクロブロックがインター画
像である場合には、そのインター画像に、フィールドモ
ード用動き補償装置208或いはフレームモード用動き
補償装置209により動き補償がされた参照画像を合成
して、フレームメモリ207に格納する。
【0037】フィールドモード用動き補償装置208
は、マクロブロックの動き予測モードがフィールド動き
予測モードの場合に用いられる。フィールドモード用動
き補償装置208は、フレームメモリ207に記憶され
ている標準解像度画像の参照画像に対して、トップフィ
ールドとボトムフィールドとの間の位相ずれ成分を考慮
した形で1/4画素精度で補間処理を行い、フィールド
動き予測モードに対応した動き補償をする。このフィー
ルドモード用動き補償装置208により動き補償がされ
た参照画像は、加算装置206に供給され、インター画
像に合成される。
【0038】フレームモード用動き補償装置209は、
マクロブロックの動き予測モードがフレーム動き予測モ
ードの場合に用いられる。フレームモード用動き補償装
置209は、フレームメモリ207に記憶されている標
準解像度画像の参照画像に対して、トップフィールドと
ボトムフィールドとの間の位相ずれ成分を考慮した形で
1/4画素精度で補間処理を行い、フレーム動き予測モ
ードに対応した動き補償をする。このフレームモード用
動き補償装置209により動き補償がされた参照画像
は、加算装置206に供給され、インター画像に合成さ
れる。
【0039】画枠変換・位相ずれ補正装置210は、フ
レームメモリ207が記憶した標準解像度の参照画像或
いは加算装置206が合成した画像が供給され、この画
像をポストフィルタリングにより、トップフィールドと
ボトムフィールドとの間の位相ずれ成分を補正するとと
もに画枠を標準解像度のテレビジョンの規格に合致する
ように変換する。すなわち、画枠変換・位相ずれ補正装
置210は、トップフィールドの各画素の垂直方向の位
相が1/2、5/2・・・となり、ボトムフィールドの
各画素の垂直方向の位相が1、3・・・となる標準解像
度画像を、例えば、トップフィールドの各画素の垂直方
向の位相が0、2、4・・・となり、ボトムフィールド
の各画素の垂直方向の位相が1、3、5・・・となるよ
うに補正する。また、画枠変換・位相ずれ補正装置21
0は、高解像度のテレビジョン規格の画枠を、1/4に
縮小して標準解像度のテレビジョン規格の画枠に変換す
る。
【0040】特願平10−208385で提案した画像
復号装置200では、以上のような構成を有することに
より、高解像度画像をMPEG2で画像圧縮したビット
ストリームを、復号するとともに解像度を1/2に縮小
して、標準解像度画像を出力することができる。
【0041】つぎに、上記フレームモード用縮小逆離散
コサイン変換装置205の処理内容について、さらに詳
細に説明する。
【0042】フレームモード用縮小逆離散コサイン変換
装置205には、図20に示すように、高解像度画像を
圧縮符号化したビットストリームが、1つのDCTブロ
ック単位で入力される。
【0043】まず、ステップS1において、この1つの
DCTブロックの離散コサイン係数y(DCTブロック
の全ての離散コサイン係数のうち垂直方向の係数をy1
〜y8として図中に示す。)に対して、8×8の逆離散
コサイン変換(IDCT8×8)を行う。逆離散コサイ
ン変換をすることにより、8×8の復号された画素デー
タx(DCTブロックの全ての画素データのうち垂直方
向の画素データをx1〜x8として図中に示す。)を得る
ことができる。
【0044】続いて、ステップS2において、この8×
8の画素データxを、垂直方向に1ライン毎交互に取り
出して、飛び越し走査に対応した4×4のトップフィー
ルドの画素ブロックと、飛び越し走査に対応した4×4
のボトムフィールドの画素ブロックの2つの画素ブロッ
クに分離する。すなわち、垂直方向に1ライン目の画素
データx1と、3ライン目の画素データx3と、5ライン
目の画素データx5と、7ライン目の画素データx7とを
取り出して、トップフィールドに対応した画素ブロック
を生成する。また、垂直方向に2ライン目の画素データ
2と、4ライン目の画素データx4と、6ライン目の画
素データx6と、8ライン目の画素データx8とを取り出
して、ボトムフィールドに対応した画素ブロックを生成
する。なお、DCTブロックの各画素を飛び越し走査に
対応した2つの画素ブロックに分離する処理を、以下フ
ィールド分離という。
【0045】続いて、ステップS3において、フィール
ド分離した2つの画素ブロックそれぞれに対して4×4
の離散コサイン変換(DCT4×4)をする。
【0046】続いて、ステップS4において、4×4の
離散コサイン変換をして得られたトップフィールドに対
応する画素ブロックの離散コサイン係数z(トップフィ
ールドに対応する画素ブロックの全ての係数のうち垂直
方向の離散コサイン係数をz1,z3,z5,z7として図
中に示す。)の高域成分を間引き、2×2の離散コサイ
ン係数から構成される画素ブロックとする。また、4×
4の離散コサイン変換をして得られたボトムフィールド
に対応する画素ブロックの離散コサイン係数z(ボトム
フィールドに対応する画素ブロックの全ての係数のうち
垂直方向の離散コサイン係数をz2,z4,z6,z8とし
て図中に示す。)の高域成分を間引き、2×2の離散コ
サイン係数から構成される画素ブロックとする。
【0047】続いて、ステップS5において、高域成分
の離散コサイン係数を間引いた画素ブロックに対して、
2×2の逆離散コサイン変換(IDCT2×2)を行
う。2×2の逆離散コサイン変換をすることにより、2
×2の復号された画素データx′(トップフィールドの
画素ブロックの全ての画素データのうち垂直方向の画素
データをx′1,x′3として図中に示し、また、ボトム
フィールドに対応する画素ブロックの全ての画素データ
のうち垂直方向の画素データをx′2,x′4として図中
に示す。)を得ることができる。
【0048】続いて、ステップS6において、トップフ
ィールドに対応する画素ブロックの画素データと、ボト
ムフィールドに対応する画素ブロックの画素データと
を、垂直方向に1ラインずつ交互に合成して、4×4の
画素データから構成される縮小逆離散コサイン変換をし
たDCTブロックを生成する。なお、トップフィールド
とボトムフィールドに対応した2つの画素ブロックの各
画素を垂直方向に交互に合成する処理を、以下フレーム
合成という。
【0049】以上のステップS1からステップS6を行
うことにより、フレームモード用縮小逆離散コサイン変
換装15では、図19で示したような、フィールドモー
ド用縮小逆離散コサイン変換装置204で生成した標準
解像度画像の画素の位相と同位相の画素から構成される
4×4のDCTブロックを生成することができる。
【0050】つぎに、フィールドモード用動き補償装置
208及びフレームモード用動き補償装置209につい
て、さらに詳細に説明する。
【0051】まず、フィールドモード用動き補償装置2
08が行う補間処理について説明する。このフィールド
モード用動き補償装置208では、以下に説明するよう
に、高解像度画像の1/2画素精度の動き補償に対応す
るように、フレームメモリ207に記憶されている標準
解像度画像の画素を補間して、1/4画素精度の画素を
生成する。
【0052】水平方向の画素に対しては、整数精度の画
素をフレームメモリ207からとりだして2つの画素を
線形補間し、1/2画素精度の画素、及び、1/4精度
の画素を生成する。
【0053】垂直方向の画素に対しては、まず、図21
(a)に示すように、トップフィールドの各画素の垂直
方向の位相が1/2、5/2・・・となり、ボトムフィ
ールドの各画素の垂直方向の位相が1、3・・・となる
ような、トップフィールドとボトムフィールドとのフィ
ールド間で位相ずれを含む標準解像度画像の整数精度の
画素を、フレームメモリ207から取り出す。
【0054】続いて、垂直方向の画素に対しては、図2
1(b)に示すように、線形補間フィルタを用いて、フ
ィールド内で、フレームメモリ207から取り出した整
数精度の画素から1/2画素精度の画素を生成する。す
なわち、トップフィールドの整数精度の画素に基づきト
ップフィールドの1/2画素精度の画素を生成し、ボト
ムフィールドの整数精度の画素に基づきボトムフィール
ドの1/2画素精度の画素を生成する。例えば、この図
21(b)に示すように、垂直方向の位相が7/2の位
置にあるトップフィールドの画素は、5/2,9/2の
位置にあるトップフィールドの画素から線形補間をされ
て生成される。また、垂直方向の位相が4の位置にある
ボトムフィールドの画素は、3,5の位置にあるボトム
フィールドの画素から線形補間をされて生成される。な
お、この1/2画素精度の画素の生成は、線形補間フィ
ルタではなく、ハーフバンドフィルタのような2倍補間
フィルタを用いても良い。
【0055】続いて、垂直方向の画素に対しては、図2
1(c)に示すように、線形補間フィルタを用いて、フ
ィールド内で、1/2画素精度の画素から1/4画素精
度の画素を生成する。すなわち、トップフィールドの1
/2画素精度の画素に基づきトップフィールドの1/4
画素精度の画素を生成し、ボトムフィールドの1/2画
素精度の画素に基づきボトムフィールドの1/4画素精
度の画素を生成する。例えば、この図21(c)に示す
ように、垂直方向の位相が9/4の位置にあるトップフ
ィールドの画素は、2,5/2の位置にあるトップフィ
ールドの画素から線形補間をされて生成される。また、
垂直方向の位相が10/4の位置にあるボトムフィール
ドの画素は、9/4,11/4の位置にあるボトムフィ
ールドの画素から線形補間をされて生成される。
【0056】なお、2段階で線形補間を行わずに、4倍
の線形補間フィルタを用いて整数精度の画素から直接1
/4精度の画素を生成しても良い。
【0057】つぎに、フレームモード用動き補償装置2
09が行う補間処理について説明する。このフレームモ
ード用動き補償装置209では、以下に説明するよう
に、高解像度画像の1/2画素精度の動き補償に対応す
るように、フレームメモリ207に記憶されている標準
解像度画像の画素を補間して、1/4画素精度の画素を
生成する。
【0058】水平方向の画素に対しては、上述したフィ
ールドモード用動き補償装置208と同様に、整数精度
の画素をフレームメモリ207からとりだして2つの画
素を線形補間し、1/2画素精度の画素、及び、1/4
精度の画素を生成する。
【0059】垂直方向の画素に対しては、まず、図22
(a)に示すように、トップフィールドの各画素の垂直
方向の位相が1/2、5/2・・・となり、ボトムフィ
ールドの各画素の垂直方向の位相が1、3・・・となる
ような、トップフィールドとボトムフィールドとのフィ
ールド間で位相ずれを含む標準解像度画像の整数精度の
画素を、フレームメモリ207から取り出す。
【0060】続いて、垂直方向の画素に対しては、図2
2(b)に示すように、線形補間フィルタを用いて、フ
ィールド内で、フレームメモリ207から取り出した整
数精度の画素から1/2画素精度の画素を生成する。す
なわち、トップフィールドの整数精度の画素に基づきト
ップフィールドの1/2画素精度の画素を生成し、ボト
ムフィールドの整数精度の画素に基づきボトムフィール
ドの1/2画素精度の画素を生成する。例えば、この図
22(b)に示すように、垂直方向の位相が7/2の位
置にあるトップフィールドの画素は、5/2,9/2の
位置にあるトップフィールドの画素から線形補間をされ
て生成される。また、垂直方向の位相が4の位置にある
ボトムフィールドの画素は、3,5の位置にあるボトム
フィールドの画素から線形補間をされて生成される。
【0061】続いて、垂直方向の画素に対しては、図2
2(c)に示すように、線形補間フィルタを用いて、ト
ップフィールドとボトムフィールドの2つのフィールド
間で、1/2画素精度の画素から1/4画素精度の画素
を生成する。例えば、この図22(c)に示すように、
垂直方向の位相が1/4の位置にある画素は、0の位置
にあるトップフィールドの画素と、1/2の位置にある
ボトムフィールドの画素から線形補間をされて生成され
る。また、垂直方向の位相が3/4の位置にある画素
は、1/2の位置にあるボトムフィールドの画素と1の
位置にあるトップフィールドの画素から線形補間をされ
て生成される。
【0062】以上のような処理を行うフィールドモード
用動き補償装置208及びフレームモード用動き補償装
置209のブロック構成を図23に示す。
【0063】フィールドモード用動き補償装置208及
びフレームモード用動き補償装置209は、この図23
に示すように、アドレス生成装置222と、入力メモリ
223と、垂直方向補間処理部224と、垂直方向フィ
ルタ係数格納メモリ225と、中間メモリ226と、水
平方向補間処理部227と、水平方向フィルタ係数格納
メモリ228とを備えている。
【0064】アドレス生成部222には、動きベクトル
情報が入力される。アドレス生成部222は、この動き
ベクトル情報に基づき、補間する画素の垂直方向及び水
平方向の位置を示すアドレス情報を生成する。アドレス
生成部222は、生成したアドレス情報に基づき、標準
解像度画像の整数精度の画素をフレームメモリ207か
ら取り出し、入力メモリ223に送る。
【0065】また、アドレス生成部222は、入力され
た動きベクトル情報を垂直方向フィルタ係数格納メモリ
225及び水平方向フィルタ係数格納メモリ228に送
る。
【0066】垂直方向フィルタ係数格納メモリ225に
は、フィールドモード用動き補償装置208の場合4通
りの1次元フィルタ係数がされ、フレームモード用動き
補償装置209の場合4通りの1次元フィルタ係数が格
納されている。これは、本装置では、フィールド動き予
測モードの場合には図21(c)に示したように参照画
像に対して位相が0,0.25,0.5,0.75とな
る画素を生成し、1/4画素精度の動き補償を行い、フ
レーム動き予測モードの場合には図22(c)に示した
ように参照画像に対して位相が0,0.25,0.5,
0.75,1,1.25,1.5,1.75となる画素
を生成し、1/4画素精度の動き補償を行うためであ
る。
【0067】水平方向フィルタ係数格納メモリ228に
は、フィールドモード用動き補償装置208とフレーム
モード用動き補償装置209との違いに拘わらず、4通
りの1次元フィルタ係数が格納されている。
【0068】垂直方向フィルタ係数格納メモリ225及
び水平方向フィルタ係数格納メモリ228は、送られた
動きベクトル情報に応じたフィルタ係数を垂直方向補間
処理部224及び水平方向補間処理部227に送る。
【0069】垂直方向補間処理部224は、入力メモリ
223に格納された整数精度の画素データ(参照画像の
マクロブロック)に対して、送られたフィルタ係数を用
いて、垂直方向の1次元の画素補間を行う。垂直方向の
画素補間が行われた参照画像のマクロブロックは、中間
メモリ226に格納される。
【0070】水平方向補間処理部227は、中間メモリ
226に格納された垂直方向の画素補間が行われた画素
データに対して、送られたフィルタ係数を用いて、水平
方向の1次元の画素補間を行う。水平方向の画素補間が
行われた参照画像のマクロブロックは、動き補償がされ
た参照画像として加算装置206に送られ、縮小逆離散
コサイン変換がされた圧縮画像データの加算がされる。
【0071】以上のような特願平10−208385で
提案された画像復号装置200では、水平方向及び垂直
方向に対して1/4画素精度で動き補償を行うことによ
り、トップフィールドとボトムフィールドとの間で位相
ずれが生じず、いわゆるフィールド反転やフィールドミ
ックスを防ぐことができ、動き補償に伴う画質の劣化を
防止することができる。
【0072】ところで、以上のような特願平10−20
8385号で提案した画像復号装置200では、以下の
ような問題があった。
【0073】この画像復号装置200では、動き補償を
行う場合、垂直方向の画素補間と水平方向の画素補間と
を分けて行っている。そのため、この画像復号装置20
0では、中間結果をメモリに格納して再び読み出さなく
てはならなく、余分なメモリ領域が必要となってしま
い、さらに、メモリへのアクセス量が増え処理時間が増
加してしまっていた。
【0074】本発明は、このような実情を鑑みてなされ
たものであり、飛び越し走査画像が有するインタレース
性を損なうことなくフィールド直交変換モードとフレー
ム直交変換モードとによる画素の位相ずれをなくすこと
が可能な、高解像度画像の圧縮画像データから標準解像
度の画像データを復号する画像復号装置及び画像復号方
法であって、動き補償の際に簡易な構成で処理を簡略化
した画像復号装置及び画像復号方法を提供することを目
的とする。
【0075】
【課題を解決するための手段】本発明にかかる画像復号
装置は、所定の画素ブロック(マクロブロック)単位で
動き予測をすることによる予測符号化、及び、所定の画
素ブロック(直交変換ブロック)単位で直交変換をする
ことによる圧縮符号化をした第1の解像度の圧縮画像デ
ータから、上記第1の解像度より低い第2の解像度の動
画像データを復号する画像復号装置であって、飛び越し
走査に対応した直交変換方式(フィールド直交変換モー
ド)により直交変換がされた上記圧縮画像データの直交
変換ブロックに対して、逆直交変換をする第1の逆直交
変換手段と、順次走査に対応した直交変換方式(フレー
ム直交変換モード)により直交変換がされた上記圧縮画
像データの直交変換ブロックに対して、逆直交変換をす
る第2の逆直交変換手段と、上記第1の逆直交変換手段
又は上記第2の逆直交変換手段により逆直交変換がされ
た圧縮画像データと動き補償がされた参照画像データと
を加算して、第2の解像度の動画像データを出力する加
算手段と、上記加算手段から出力される動画像データを
参照画像データとして記憶する記憶手段と、上記記憶手
段が記憶している参照画像データのマクロブロックの垂
直方向及び水平方向に対して1/4画素精度の動き補償
をする動き補償手段とを備え、上記第1の逆直交変換手
段は、上記直交変換ブロックの各係数のうち低周波成分
の係数に対して逆直交変換をし、上記第2の逆直交変換
手段は、上記直交変換ブロックの全周波数成分の係数に
対して逆直交変換をし、逆直交変換をした直交変換ブロ
ックの各画素を飛び越し走査に対応した2つの画素ブロ
ックに分離し、分離した2つの画素ブロックに対してそ
れぞれ直交変換をし、直交変換をした2つの画素ブロッ
クの各係数のうち低周波成分の係数に対して逆直交変換
をし、逆直交変換をした2つの画素ブロックを合成して
直交変換ブロックを生成し、上記動き補償手段は、飛び
越し走査に対応した動き予測方式(フィールド動き予測
モード)により動き予測がされた参照画像データのマク
ロブロックに対して垂直方向及び水平方向の1/4画素
精度の画素補間をするフィールド用2次元フィルタ係数
群、及び、順次走査に対応した動き予測方式(フレーム
動き予測モード)により動き予測がされた参照画像デー
タのマクロブロックに対して垂直方向及び水平方向の1
/4画素精度の画素補間をするフレーム用2次元フィル
タ係数群を格納するフィルタ格納部を有し、上記第1の
逆直交変換手段又は上記第2の逆直交変換手段により逆
直交変換がされた圧縮画像データの動きベクトルに基づ
き上記フィルタ格納部に格納された所定の2次元フィル
タ係数を指定し、指定された2次元フィルタ係数を用い
て上記記憶手段が記憶している参照画像データのマクロ
ブロックを補間することを特徴とする。
【0076】また、本発明にかかる画像復号装置では、
上記フレーム用2次元フィルタ係数群は、上記記憶手段
が記憶している参照画像データのマクロブロックの水平
方向の各画素に対して、1つのフィールド内で4倍補間
を行い、上記記憶手段が記憶している参照画像データの
マクロブロックの垂直方向の各画素に対して、1つのフ
ィールド内で2倍補間を行い、1つのフィールド内で2
倍補間をした各画素に対してトップフィールドとボトム
フィールドとの間で線形補間をする複数のフィルタ係数
からなり、上記フィールド用2次元フィルタ係数群は、
上記記憶手段が記憶している参照画像データのマクロブ
ロックの水平方向の各画素に対して、1つのフィールド
内で4倍補間を行い、上記記憶手段が記憶している参照
画像データのマクロブロックの垂直方向の各画素に対し
て、1つのフィールド内で2倍補間をし、1つのフィー
ルド内で2倍補間をした各画素に対して線形補間をする
複数のフィルタ係数からなることを特徴とする。
【0077】例えば、上記フレーム用2次元フィルタ係
数群は、同一のフィルタ係数が共通化されて用いられ
る。また、上記動き補償手段は、上記フレーム用2次元
フィルタ係数群を垂直方向の係数の対象性及び0係数を
用いてグループ化し、補間処理を行う。
【0078】本発明にかかる画像復号方法は、所定の画
素ブロック(マクロブロック)単位で動き予測をするこ
とによる予測符号化、及び、所定の画素ブロック(直交
変換ブロック)単位で直交変換をすることによる圧縮符
号化をした第1の解像度の圧縮画像データから、上記第
1の解像度より低い第2の解像度の動画像データを復号
する画像復号方法であって、飛び越し走査に対応した直
交変換方式(フィールド直交変換モード)により直交変
換がされた上記圧縮画像データの直交変換ブロックに対
して、逆直交変換をする第1の逆直交変換工程と、順次
走査に対応した直交変換方式(フレーム直交変換モー
ド)により直交変換がされた上記圧縮画像データの直交
変換ブロックに対して、逆直交変換をする第2の逆直交
変換工程と、上記第1の逆直交変換工程又は上記第2の
逆直交変換工程により逆直交変換がされた圧縮画像デー
タと動き補償がされた参照画像データとを加算して、第
2の解像度の動画像データを出力する加算工程と、上記
加算工程で出力される動画像データを参照画像データと
して記憶する記憶工程と、上記記憶工程で記憶している
参照画像データのマクロブロックの垂直方向及び水平方
向に対して1/4画素精度の動き補償をする動き補償工
程とを備え、上記第1の逆直交変換工程では、上記直交
変換ブロックの各係数のうち低周波成分の係数に対して
逆直交変換をし、上記第2の逆直交変換工程では、上記
直交変換ブロックの全周波数成分の係数に対して逆直交
変換をし、逆直交変換をした直交変換ブロックの各画素
を飛び越し走査に対応した2つの画素ブロックに分離
し、分離した2つの画素ブロックに対してそれぞれ直交
変換をし、直交変換をした2つの画素ブロックの各係数
のうち低周波成分の係数に対して逆直交変換をし、逆直
交変換をした2つの画素ブロックを合成して直交変換ブ
ロックを生成し、上記動き補償工程では、飛び越し走査
に対応した動き予測方式(フィールド動き予測モード)
により動き予測がされた参照画像データのマクロブロッ
クに対して垂直方向及び水平方向の1/4画素精度の画
素補間をするフィールド用2次元フィルタ係数群、及
び、順次走査に対応した動き予測方式(フレーム動き予
測モード)により動き予測がされた参照画像データのマ
クロブロックに対して垂直方向及び水平方向の1/4画
素精度の画素補間をするフレーム用2次元フィルタ係数
群を格納したフィルタ格納部の中から、上記第1の逆直
交変換工程又は上記第2の逆直交変換工程により逆直交
変換がされた圧縮画像データの動きベクトルに基づき格
納された所定の2次元フィルタ係数を指定し、指定され
た2次元フィルタ係数を用いて記憶している参照画像デ
ータのマクロブロックを補間することを特徴とする。
【0079】本発明にかかる画像復号方法では、上記フ
レーム用2次元フィルタ係数群は、上記記憶工程で記憶
している参照画像データのマクロブロックの水平方向の
各画素に対して、1つのフィールド内で4倍補間を行
い、上記記憶工程で記憶している参照画像データのマク
ロブロックの垂直方向の各画素に対して、1つのフィー
ルド内で2倍補間を行い、1つのフィールド内で2倍補
間をした各画素に対してトップフィールドとボトムフィ
ールドとの間で線形補間をする複数のフィルタ係数から
なり、上記フィールド用2次元フィルタ係数群は、上記
記憶工程で記憶している参照画像データのマクロブロッ
クの水平方向の各画素に対して、1つのフィールド内で
4倍補間を行い、上記記憶工程で記憶している参照画像
データのマクロブロックの垂直方向の各画素に対して、
1つのフィールド内で2倍補間をし、1つのフィールド
内で2倍補間をした各画素に対して線形補間をする複数
のフィルタ係数からなることを特徴とする。
【0080】例えば、上記フレーム用2次元フィルタ係
数群は、同一のフィルタ係数が共通化されて用いられ
る。また、上記動き補償工程では、上記フレーム用2次
元フィルタ係数群を垂直方向の係数の対象性及び0係数
を用いてグループ化し、補間処理を行う。
【0081】以上のような本発明では、1/4画素精度
の画素補間をする際に、垂直方向及び水平方向の画素補
間を2次元フィルタにより一括して行う。そして、フレ
ーム動き予測モードに用いる複数の2次元フィルタのう
ち、同一のマトリクスとなるフィルタを共通化してもち
いる。さらに、垂直方向の係数の対象性及び0係数を用
いてグループ化し、処理を簡略化する。
【0082】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て、図面を参照しながら説明する。
【0083】図1に本発明の実施の形態の画像復号装置
のブロック構成図を示す。
【0084】図1に示す画像復号装置10は、垂直方向
の有効ライン数が例えば1152本の高解像度画像をM
PEG2で画像圧縮したビットストリームが入力され、
この入力されたビットストリームを復号するとともに1
/2の解像度に縮小して、垂直方向の有効ライン数が例
えば576本の標準解像度画像を出力する装置である。
【0085】この画像復号装置10は、圧縮された高解
像度画像のビットストリームが供給され、このビットス
トリームを解析するビットストリーム解析装置11と、
データの発生頻度に応じた符号長を割り当てる可変長符
号化がされた上記ビットストリームを復号する可変長符
号復号装置12と、DCTブロックの各係数に量子化ス
テップを掛ける逆量子化装置13と、フィールドDCT
モードで離散コサイン変換がされたDCTブロックに対
して縮小逆離散コサイン変換をして標準解像度画像を生
成するフィールドモード用縮小逆離散コサイン変換装置
14と、フレームDCTモードで離散コサイン変換がさ
れたDCTブロックに対して縮小逆離散コサイン変換を
して標準解像度画像を生成するフレームモード用縮小逆
離散コサイン変換装置15と、縮小逆離散コサイン変換
がされた標準解像度画像と動き補償がされた参照画像と
を加算する加算装置16と、参照画像を一時記憶するフ
レームメモリ17と、フレームメモリ17が記憶した参
照画像に動き補償をする動き補償装置18と、フレーム
メモリ17が記憶した画像に対してポストフィルタリン
グをすることにより、画枠変換をするとともに画素の位
相ずれを補正してテレビジョンモニタ等に表示するため
の標準解像度の画像データを出力する画枠変換・位相ず
れ補正装置20とを備えている。
【0086】フィールドモード用縮小逆離散コサイン変
換装置14は、入力されたビットストリームのマクロブ
ロックが、フィールドDCTモードで離散コサイン変換
されている場合に用いられる。フィールドモード用縮小
逆離散コサイン変換装置14は、フィールドDCTモー
ドで離散コサイン変換がされたマクロブロック内の8×
8個の係数が示されたDCTブロックに対して、図12
で示したような、低域の4×4の係数のみに逆離散コサ
イン変換を行う。すなわち、水平方向及び垂直方向の低
域の4点の離散コサイン係数に基づき縮小逆離散コサイ
ン変換を行う。このフィールドモード用縮小逆離散コサ
イン変換装置14では、以上のような縮小逆離散コサイ
ン変換を行うことにより、1つのDCTブロックが4×
4の画素から構成される標準解像度画像を復号すること
ができる。この復号された画像データの各画素の位相
は、図19に示すように、トップフィールドの各画素の
垂直方向の位相が1/2、5/2・・・となり、ボトム
フィールドの各画素の垂直方向の位相が1、3・・・と
なる。すなわち、復号された下位レイヤーのトップフィ
ールドでは、先頭画素(位相が1/2の画素)の位相が
上位レイヤーのトップフィールドの先頭から1番目と2
番目の画素(位相が0と2の画素)の中間位相となり、
先頭から2番目の画素(位相が5/2の画素)の位相が
上位レイヤーのトップフィールドの先頭から3番目と4
番目の画素(位相が4と6の画素)の中間位相となる。
また、復号された下位レイヤーのボトムフィールドで
は、先頭画素(位相が1の画素)の位相が上位レイヤー
のボトムフィールドの先頭から1番目と2番目の画素
(位相が1と3の画素)の中間位相となり、先頭から2
番目の画素(位相が3の画素)の位相が上位レイヤーの
ボトムフィールドの先頭から3番目と4番目の画素(位
相が5と7の画素)の中間位相となる。
【0087】フレームモード用縮小逆離散コサイン変換
装置15は、入力されたビットストリームのマクロブロ
ックが、フレームDCTモードで離散コサイン変換され
ている場合に用いられる。フレームモード用縮小逆離散
コサイン変換装置15は、フレームDCTモードで離散
コサイン変換がされたマクロブロック内の8×8個の係
数が示されたDCTブロックに対して、縮小逆離散コサ
イン変換を行う。そして、フレームモード用縮小逆離散
コサイン変換装置15では、1つのDCTブロックが4
×4の画素から構成される解像度画像を復号するととも
に、フィールドモード用縮小逆離散コサイン変換装置1
4で生成した標準解像度画像の画素の位相と同位相の画
像を生成する。すなわち、フレームモード用縮小逆離散
コサイン変換装置15で復号された画像データの各画素
の位相は、図19に示すように、トップフィールドの各
画素の垂直方向の位相が1/2、5/2・・・となり、
ボトムフィールドの各画素の垂直方向の位相が1、3・
・・となる。
【0088】なお、このフレームモード用縮小逆離散コ
サイン変換装置15の処理内容は、上述した特願平10
−208385号で提案した画像復号装置200のフレ
ームモード用縮小逆離散コサイン変換装置205と同一
であるので、その詳細は省略する。
【0089】加算装置16は、フィールドモード用縮小
逆離散コサイン変換装置14又はフレームモード用縮小
逆離散コサイン変換装置15により縮小逆離散コサイン
変換されたマクロブロックがイントラ画像の場合には、
そのイントラ画像をそのままフレームメモリ17に格納
する。また、加算装置16は、フィールドモード用縮小
逆離散コサイン変換装置14又はフレームモード用縮小
逆離散コサイン変換装置15により縮小逆離散コサイン
変換されたマクロブロックがインター画像である場合に
は、そのインター画像に、動き補償装置18により動き
補償がされた参照画像を合成して、フレームメモリ17
に格納する。
【0090】動き補償装置18は、フレームメモリ17
に記憶されている標準解像度画像の参照画像に対して、
トップフィールドとボトムフィールドとの間の位相ずれ
成分を考慮した形で1/4画素精度で補間処理を行い、
フィールド動き予測モードに対応した動き補償をする。
この動き補償装置18により動き補償がされた参照画像
は、加算装置16に供給され、インター画像に合成され
る。この動き補償装置18の処理については、その詳細
を後述する。
【0091】画枠変換・位相ずれ補正装置20は、フレ
ームメモリ17が記憶した標準解像度の参照画像或いは
加算装置16が合成した画像が供給され、この画像をポ
ストフィルタリングにより、トップフィールドとボトム
フィールドとの間の位相ずれ成分を補正するとともに画
枠を標準解像度のテレビジョンの規格に合致するように
変換する。すなわち、画枠変換・位相ずれ補正装置20
は、トップフィールドの各画素の垂直方向の位相が1/
2、5/2・・・となり、ボトムフィールドの各画素の
垂直方向の位相が1、3・・・となる標準解像度画像
を、例えば、トップフィールドの各画素の垂直方向の位
相が0、2、4・・・となり、ボトムフィールドの各画
素の垂直方向の位相が1、3、5・・・となるように補
正する。また、画枠変換・位相ずれ補正装置20は、高
解像度のテレビジョン規格の画枠を、1/4に縮小して
標準解像度のテレビジョン規格の画枠に変換する。
【0092】画像復号装置10では、以上のような構成
を有することにより、高解像度画像をMPEG2で画像
圧縮したビットストリームを、復号するとともに解像度
を1/2に縮小して、標準解像度画像を出力することが
できる。
【0093】つぎに、動き補償装置18について、さら
に詳細に説明する。
【0094】この動き補償装置18では、以下に説明す
るように、高解像度画像の1/2画素精度の動き補償に
対応するように、フレームメモリ17に記憶されている
標準解像度画像の画素を補間して、1/4画素精度の画
素を生成する。
【0095】この動き補償装置18は、垂直方向の画素
補間と水平方向の画素補間とを、1つの2次元フィルタ
係数を用いて処理を行っている。もっとも、この動き補
償装置18の処理結果生成された画素の位相、すなわ
ち、この動き補償装置18によりフィルタリングした結
果生成された画素の位相は、上述した特願平10−20
8385で提案された画像復号装置200の動き補償装
置で処理した結果と同一となる。
【0096】すなわち、この動き補償装置18では、フ
ィールド動き予測モードの場合には、以下のように処理
を行う。
【0097】水平方向の画素に対しては、整数精度の2
つの画素を線形補間し、1/2画素精度の画素、及び、
1/4精度の画素を生成する。
【0098】垂直方向の画素に対しては、まず、トップ
フィールドの各画素の垂直方向の位相が1/2、5/2
・・・となり、ボトムフィールドの各画素の垂直方向の
位相が1、3・・・となるような、トップフィールドと
ボトムフィールドとのフィールド間で位相ずれを含む標
準解像度画像の整数精度の画素を、フレームメモリ17
から取り出す。
【0099】続いて、垂直方向の画素に対して、フィー
ルド内で、フレームメモリ17から取り出した整数精度
の画素から1/2画素精度の画素を生成する。すなわ
ち、トップフィールドの整数精度の画素に基づきトップ
フィールドの1/2画素精度の画素を生成し、ボトムフ
ィールドの整数精度の画素に基づきボトムフィールドの
1/2画素精度の画素を生成する。
【0100】続いて、垂直方向の画素に対して、フィー
ルド内で、1/2画素精度の画素から1/4画素精度の
画素を生成する。すなわち、トップフィールドの1/2
画素精度の画素に基づきトップフィールドの1/4画素
精度の画素を生成し、ボトムフィールドの1/2画素精
度の画素に基づきボトムフィールドの1/4画素精度の
画素を生成する。
【0101】以上のようなフィールド動き予測モードの
場合の1/4画素精度の画素補間を図面に表すと、図2
に示すようになる。この図2において、●はトップフィ
ールドの整数画素精度の画素の位相位置を示し、▲はト
ップフィールドの1/2画素精度の画素の位相位置を示
し、■はトップフィールドの1/4画素精度の画素の位
相位置を示している。また、○はボトムフィールドの整
数画素精度の画素の位相位置を示し、△はトップフィー
ルドの1/2画素精度の画素の位相位置を示し、□はト
ップフィールドの1/4画素精度の画素の位相位置を示
している。
【0102】動き補償装置18は、以上のようなフィー
ルド動き予測モードにおける画素補間処理を、1つの2
次元補間フィルタを用いて行い、整数精度の画素から直
接1/4精度の画素を生成するまた、この動き補償装置
18では、フレーム動き予測モードの場合には、以下の
ように処理を行う。
【0103】水平方向の画素に対しては、整数精度の画
素の2つの画素を線形補間し、1/2画素精度の画素、
及び、1/4精度の画素を生成する。
【0104】垂直方向の画素に対しては、まず、トップ
フィールドの各画素の垂直方向の位相が1/2、5/2
・・・となり、ボトムフィールドの各画素の垂直方向の
位相が1、3・・・となるような、トップフィールドと
ボトムフィールドとのフィールド間で位相ずれを含む標
準解像度画像の整数精度の画素を、フレームメモリ17
から取り出す。
【0105】続いて、垂直方向の画素に対して、フィー
ルド内で、フレームメモリ17から取り出した整数精度
の画素から1/2画素精度の画素を生成する。すなわ
ち、トップフィールドの整数精度の画素に基づきトップ
フィールドの1/2画素精度の画素を生成し、ボトムフ
ィールドの整数精度の画素に基づきボトムフィールドの
1/2画素精度の画素を生成する。
【0106】続いて、垂直方向の画素に対して、トップ
フィールドとボトムフィールドの2つのフィールド間
で、1/2画素精度の画素から1/4画素精度の画素を
生成する。例えば、垂直方向の位相が1/4の位置にあ
る画素は、0の位置にあるトップフィールドの画素と、
1/2の位置にあるボトムフィールドの画素から線形補
間をされて生成される。また、垂直方向の位相が3/4
の位置にある画素は、1/2の位置にあるボトムフィー
ルドの画素と1の位置にあるトップフィールドの画素か
ら線形補間をされて生成される。
【0107】以上のようなフレーム動き予測モードの場
合の1/4画素精度の画素補間を図面に表すと、図3に
示すようになる。この図3において、●はトップフィー
ルドの整数画素精度の画素の位相位置を示し、▲はトッ
プフィールドの1/2画素精度の画素の位相位置を示
し、■はトップフィールドの1/4画素精度の画素の位
相位置を示している。また、○はボトムフィールドの整
数画素精度の画素の位相位置を示し、△はトップフィー
ルドの1/2画素精度の画素の位相位置を示し、□はト
ップフィールドの1/4画素精度の画素の位相位置を示
している。
【0108】動き補償装置18は、以上のようなフレー
ム動き予測モードにおける画素補間処理を、1つの2次
元補間フィルタを用いて行い、整数精度の画素から直接
1/4精度の画素を生成する。
【0109】つぎに、動き補償装置18のブロック構成
を図4に示し、この動き補償装置18の回路構成及び画
素補間の為のフィルタリング処理内容について、具体的
に説明する。
【0110】動き補償装置18は、この図4に示すよう
に、アドレス生成装置21と、入力メモリ22と、フィ
ルタ係数格納メモリ23と、2次元補間処理部24とを
備えている。
【0111】アドレス生成部21には、動きベクトル情
報及びモード情報が入力される。モード情報とは、マク
ロブロックの動き補償のモードがフィールド動き予測モ
ードであるか、フレーム動き予測モードであるかを示す
情報である。
【0112】アドレス生成部21は、この動きベクトル
情報に基づき、補間する画素の垂直方向及び水平方向の
位置を示すアドレス情報を生成する。アドレス生成部2
1は、生成したアドレス情報に基づき、標準解像度画像
の整数精度の画素をマクロブロック単位でフレームメモ
リ17から取り出し、入力メモリ22に送る。
【0113】また、アドレス生成部21は、入力された
動きベクトル情報及びモード情報をフィルタ係数格納メ
モリ23に送る。
【0114】フィルタ係数格納メモリ23は、フィール
ド動き予測モードに対応した複数の2次元フィルタ係数
を格納している。図5に、線形フィルタを用いた場合の
16通りの2次元フィルタ係数を示す。図5に示す各フ
ィルタ係数は、垂直方向(V)の位相0,0.25,
0.5,0.75と、水平方向(H)の位相0,0.2
5,0.5,0.75との組み合わせの数だけ存在す
る。すなわち、フィールド動き予測モードに対応した、
垂直方向4係数×水平方向4係数の合計16個のマトリ
クス係数を格納している。
【0115】また、フィルタ係数格納メモリ23は、フ
レーム動き予測モードに対応した複数の2次元フィルタ
係数も格納している。ここで、フレーム動き予測モード
の場合、垂直方向(V)の位相0,0.25,0.5,
0.75,1,1.25,1.5,1.75と、水平方
向(H)の位相0,0.25,0.5,0.75との組
み合わせの数だけ、すなわち、垂直方向8係数×水平方
向4係数の合計32個のフィルタ係数が通常であれば存
在することとなる。しかしながら、このフィルタ係数格
納メモリ23には、マトリクスが同一となるフィルタ係
数は共通化して用い、メモリ容量の効率化を図ってい
る。
【0116】具体的には、以下のように共通化して、フ
レーム動き予測モードに対応したフィルタ係数の削減を
図っている。
【0117】フレーム動き予測モードに対応したフィル
タ係数は、図6に示すように、垂直方向の位相が0のト
ップフィールド、垂直方向の位相が0のボトムフィール
ド、垂直方向の位相が0.5のトップフィールド、垂直
方向の位相が1.5のボトムフィールドは、全て同一の
フィルタ係数となる(グループ1)。垂直方向の位相が
0.25のトップフィールド、垂直方向の位相が1.7
5のボトムフィールドは、全て同一のフィルタ係数とな
る(グループ2)。垂直方向の位相が0.5のボトムフ
ィールド、垂直方向の位相が1のトップフィールド、垂
直方向の位相が1のボトムフィールド、垂直方向の位相
が1.5のトップフィールドは、全て同一のフィルタ係
数となる(グループ3)。垂直方向の位相が0.25の
ボトムフィールド、垂直方向の位相が0.75のトップ
フィールド、垂直方向の位相が1.25のボトムフィー
ルド、垂直方向の位相が1.75のトップフィールド
は、全て同一のフィルタ係数となる(グループ4)。垂
直方向の位相が0.75のボトムフィールド、垂直方向
の位相が1.25のトップフィールドは、全て同一のフ
ィルタ係数となる(グループ5)。そして、このような
同一のフィルタ係数をグループ化して共通化して画素補
間に用いる。
【0118】このようにフィルタ係数を共通化して用い
ることによって、本来であれば、8×4の32通りのフ
ィルタ係数となるところを、5×4の20通りのフィル
タ係数に縮小している。
【0119】図7に、線形フィルタを用いたフレーム動
き予測モード用の2次元フィルタ係数を示す。図7に示
す各フィルタ係数は、図6に示したグループ1からグル
ープ5の5個のグループと、水平方向(H)の位相0,
0.25,0.5,0.75との組み合わせの数、すな
わち、5グループ×水平方向の4係数=20通りの存在
する。
【0120】フィルタ係数格納メモリ23は、送られた
動きベクトル情報及びモード情報に応じて、図5に示し
た16通りのフィルタ係数、又は、図7に示した20通
りのフィルタ係数のうち、1つのフィルタ係数を2次元
補間処理部24に送る。
【0121】2次元補間処理部24は、フィールド動き
予測モードの場合、送られたフィルタ係数を用いて、以
下の式1の内積演算を行いマクロブロックに対して画素
補間を行う。
【0122】
【数1】
【0123】この式1において、cは、図5に示したフ
ィルタ係数(2次元マトリクス)である。xは、入力さ
れたマクロブロックの画素データである。
【0124】そして、この式1により内積演算がされた
結果(y)が、1/4画素精度で動き補償がされた画素
データとして、図1に示す加算装置16に供給される。
【0125】また、2次元補間処理部24は、フレーム
動き予測モードの場合、送られたフィルタ係数を用い
て、以下の式2の内積演算を行いマクロブロックに対し
て画素補間を行う。
【0126】
【数2】
【0127】ここで、グループ1に含まれるフィルタ係
数は、入力データのサンプル点に一致するデータを出力
する演算を行うものである。グループ2は、異なるフィ
ールドの同一ライン間で補間されたデータを出力する演
算を行うものである。グループ3は、同一のフィールド
の2ライン間で補間されたデータを出力する演算を行う
ものである。グループ4は、あるフィールドの2ライン
間で補間されたデータと他のフィールドの1ラインのデ
ータとの間で補間されたデータを出力する演算を行うも
のである。グループ5は、あるフィールドの2ライン間
で補間されたデータと、他のフィールドの2ライン間で
補間されたデータとの間で補間されたデータを出力する
演算を行うものである。
【0128】ところで、フレーム動き予測モードにおい
て、フィールド動き予測モードと同様に式1を用いて内
積演算を行うことも可能であるが、上記式2に示すよう
に演算を行うことにより、垂直方向の係数の対象性や0
係数の並びによるグループ化して、乗算の数を少なくす
ることができる。この式2に示す内積演算式は、予め垂
直方向に必要なライン数を加算し、水平方向のみに乗算
を行い内積演算を行う。
【0129】このことにより、グループ2とグループ3
とは、2ラインが0係数なので、垂直方向の2ラインの
加算のみを行えばよい。このグループ2とグループ3
は、演算するラインが異なるが、アドレス生成回路21
が演算するラインを指定することにより、同一のフィル
タ係数を用いることができる。また、グループ4は、第
1ラインと第3ラインが第2ラインの1/2の係数とな
っており、この対象性を利用して、2×c×xという演
算を、c×(x+x)というように分解して演算するこ
とが可能である。すなわち、垂直方向の係数の加算結果
は、グループ4とグループ5とで同一となる。このよう
に分解することにより、グループ4とグループ5とで同
一のフィルタ係数を用いることができる。
【0130】以上のように本発明の実施の形態の画像復
号装置10では、水平方向及び垂直方向に対して1/4
画素精度で動き補償を行うことにより、トップフィール
ドとボトムフィールドとの間で位相ずれが生じず、いわ
ゆるフィールド反転やフィールドミックスを防ぐことが
でき、動き補償に伴う画質の劣化を防止することができ
る。
【0131】さらに、この画像復号装置10では、1/
4画素精度の動き補償の際に2次元のフィルタ演算をす
るので、中間結果を格納するためのメモリを削減するこ
とができる。また、この画像復号装置10では、1/4
画素精度の動き補償の際にメモリへのアクセス量を減ら
すことができ、処理時間が短縮する。また、この画像復
号装置10では、フレーム動き予測モードの際のフィル
タ係数をグループ化することにより、フレーム予測の際
のコードサイズを最小限に抑え、キャッシュミス等を防
止することができる。
【0132】なお、本発明の実施の形態の画像復号装置
10では、動き補償を2次元の線形補間フィルタを用い
て行った例を示したが、例えば、フィルタのタップ数を
増やしたハーフバンドフィルタ等の他のフィルタを用い
てもよい。
【0133】
【発明の効果】本発明にかかる画像復号装置及び画像復
号方法では、フレーム直交変換モードにより直交変換が
された直交変換ブロックの全周波数成分の係数に対して
逆直交変換をして飛び越し走査に対応した2つの画素ブ
ロックに分離し、分離した2つの画素ブロックに対して
それぞれ直交変換をして低周波成分の係数に対して逆直
交変換をし、逆直交変換をした2つの画素ブロックを合
成する。また、本発明では、記憶している参照画像デー
タのマクロブロックの各画素に対して補間をして、1/
4画素精度の画素から構成されるマクロブロックを生成
する。そして、この画像復号方法では、第1の解像度よ
り低い第2の解像度の動画像データを出力する。
【0134】このことにより、本発明では、復号に必要
な演算量及び記憶容量を少なくすることができ、フィー
ルド動き予測モードとフレーム動き予測モードとによる
動き補償の際の画素の位相ずれをなくし、動き補償に起
因する画質の劣化を防止することができる。
【0135】さらに本発明では、1/4画素精度の画素
補間をする際に、垂直方向及び水平方向の画素補間を2
次元フィルタにより一括して行う。そして、フレーム動
き予測モードに用いる複数の2次元フィルタのうち、同
一のマトリクスとなるフィルタを共通化してもちいる。
さらに、垂直方向の係数の対象性及び0係数を用いてグ
ループ化し、処理を簡略化する。
【0136】このことにより、本発明では、1/4画素
精度の動き補償の際の中間結果を格納するためのメモリ
を削減することができる。また、本発明では、1/4画
素精度の動き補償の際にメモリへのアクセス量を減らす
ことができ、処理時間が短縮する。また、本発明では、
フレーム予測の際のコードサイズを最小限に抑え、キャ
ッシュミス等を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態の画像復号装置のブロック
図である。
【図2】フィールド動き予測モードの場合の1/4画素
精度の画素補間を説明するための図である。
【図3】フィールド動き予測モードの場合の1/4画素
精度の画素補間を説明するための図である。
【図4】上記画像復号装置の動き補償装置のブロック図
である。
【図5】フィールド動き予測モードに対応した2次元フ
ィルタ係数の一例を示す図である。
【図6】フレーム動き予測モードに対応した2次元フィ
ルタ係数のグループ分けを説明するための図である。
【図7】フレーム動き予測モードに対応した2次元フィ
ルタ係数の一例を示す図である。
【図8】従来の第1のダウンデコーダを示すブロック図
である。
【図9】従来の第2のダウンデコーダを示すブロック図
である。
【図10】従来の第3のダウンデコーダを示すブロック
図である。
【図11】従来の画像復号装置のブロック図である。
【図12】上記従来の画像復号装置のフィールドDCT
モードにおける縮小逆離散コサイン変換処理を説明する
ための図である。
【図13】上記従来の画像復号装置のフィールドDCT
モードにおける縮小逆離散コサイン変換処理を説明する
ための図である。
【図14】上記従来の画像復号装置のフィールド動き予
測モードにおける線形補間処理を説明するための図であ
る。
【図15】上記従来の画像復号装置のフレーム動き予測
モードにおける線形補間処理を説明するための図であ
る。
【図16】上記従来の画像復号装置のフィールドDCT
モードの結果得られる画素の位相を説明するための図で
ある。
【図17】上記従来の画像復号装置のフレームDCTモ
ードの結果得られる画素の位相を説明するための図であ
る。
【図18】特願平10−208385で提案された画像
復号装置のブロック図である。
【図19】上記特願平10−208385で提案された
画像復号装置のフレームメモリに格納される参照画像の
垂直方向の画素の位相を説明するための図である。
【図20】上記特願平10−208385で提案された
画像復号装置のフレームモード用縮小逆離散コサイン変
換装置の1ブロック処理の内容を説明するための図であ
る。
【図21】上記特願平10−208385で提案された
画像復号装置のフィールド動き予測モードの際の1/4
画素補間処理を説明するための図である。
【図22】上記特願平10−208385で提案された
画像復号装置のフレーム動き予測モードの際の1/4画
素補間処理を説明するための図である。
【図23】上記特願平10−208385で提案された
画像復号装置の動き補償装置の部ルック図である。
【符号の説明】
10 画像復号装置、14 縮小逆離散コサイン変換装
置、15 フレームモード用縮小逆離散コサイン変換装
置、17 フレームメモリ、18 動き補償装置、21
アドレス生成部、22 入力メモリ、23 フィルタ
係数格納メモリ、24 2次元補間処理部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 鍋迫 英輝 東京都品川区北品川6丁目7番35号 ソニ ー株式会社内 Fターム(参考) 5C059 KK01 KK08 LB12 MA03 MA05 MA23 UA05 5C063 AA11 CA01

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 所定の画素ブロック(マクロブロック)
    単位で動き予測をすることによる予測符号化、及び、所
    定の画素ブロック(直交変換ブロック)単位で直交変換
    をすることによる圧縮符号化をした第1の解像度の圧縮
    画像データから、上記第1の解像度より低い第2の解像
    度の動画像データを復号する画像復号装置において、 飛び越し走査に対応した直交変換方式(フィールド直交
    変換モード)により直交変換がされた上記圧縮画像デー
    タの直交変換ブロックに対して、逆直交変換をする第1
    の逆直交変換手段と、 順次走査に対応した直交変換方式(フレーム直交変換モ
    ード)により直交変換がされた上記圧縮画像データの直
    交変換ブロックに対して、逆直交変換をする第2の逆直
    交変換手段と、 上記第1の逆直交変換手段又は上記第2の逆直交変換手
    段により逆直交変換がされた圧縮画像データと動き補償
    がされた参照画像データとを加算して、第2の解像度の
    動画像データを出力する加算手段と、 上記加算手段から出力される動画像データを参照画像デ
    ータとして記憶する記憶手段と、 上記記憶手段が記憶している参照画像データのマクロブ
    ロックの垂直方向及び水平方向に対して1/4画素精度
    の動き補償をする動き補償手段とを備え、 上記第1の逆直交変換手段は、上記直交変換ブロックの
    各係数のうち低周波成分の係数に対して逆直交変換を
    し、 上記第2の逆直交変換手段は、上記直交変換ブロックの
    全周波数成分の係数に対して逆直交変換をし、逆直交変
    換をした直交変換ブロックの各画素を飛び越し走査に対
    応した2つの画素ブロックに分離し、分離した2つの画
    素ブロックに対してそれぞれ直交変換をし、直交変換を
    した2つの画素ブロックの各係数のうち低周波成分の係
    数に対して逆直交変換をし、逆直交変換をした2つの画
    素ブロックを合成して直交変換ブロックを生成し、 上記動き補償手段は、飛び越し走査に対応した動き予測
    方式(フィールド動き予測モード)により動き予測がさ
    れた参照画像データのマクロブロックに対して垂直方向
    及び水平方向の1/4画素精度の画素補間をするフィー
    ルド用2次元フィルタ係数群、及び、順次走査に対応し
    た動き予測方式(フレーム動き予測モード)により動き
    予測がされた参照画像データのマクロブロックに対して
    垂直方向及び水平方向の1/4画素精度の画素補間をす
    るフレーム用2次元フィルタ係数群を格納するフィルタ
    格納部を有し、上記第1の逆直交変換手段又は上記第2
    の逆直交変換手段により逆直交変換がされた圧縮画像デ
    ータの動きベクトルに基づき上記フィルタ格納部に格納
    された所定の2次元フィルタ係数を指定し、指定された
    2次元フィルタ係数を用いて上記記憶手段が記憶してい
    る参照画像データのマクロブロックを補間することを特
    徴とする画像復号装置。
  2. 【請求項2】 上記フレーム用2次元フィルタ係数群
    は、上記記憶手段が記憶している参照画像データのマク
    ロブロックの水平方向の各画素に対して、1つのフィー
    ルド内で4倍補間を行い、上記記憶手段が記憶している
    参照画像データのマクロブロックの垂直方向の各画素に
    対して、1つのフィールド内で2倍補間を行い、1つの
    フィールド内で2倍補間をした各画素に対してトップフ
    ィールドとボトムフィールドとの間で線形補間をする複
    数のフィルタ係数からなり、 上記フィールド用2次元フィルタ係数群は、上記記憶手
    段が記憶している参照画像データのマクロブロックの水
    平方向の各画素に対して、1つのフィールド内で4倍補
    間を行い、上記記憶手段が記憶している参照画像データ
    のマクロブロックの垂直方向の各画素に対して、1つの
    フィールド内で2倍補間をし、1つのフィールド内で2
    倍補間をした各画素に対して線形補間をする複数のフィ
    ルタ係数からなることを特徴とする請求項1に記載の画
    像復号装置。
  3. 【請求項3】 上記フレーム用2次元フィルタ係数群
    は、同一のフィルタ係数が共通化されて用いられること
    を特徴とする請求項2に記載の画像復号装置。
  4. 【請求項4】 上記動き補償手段は、上記フレーム用2
    次元フィルタ係数群を垂直方向の係数の対象性及び0係
    数を用いてグループ化し、補間処理を行うことを特徴と
    する請求項3に記載の画像復号装置。
  5. 【請求項5】 所定の画素ブロック(マクロブロック)
    単位で動き予測をすることによる予測符号化、及び、所
    定の画素ブロック(直交変換ブロック)単位で直交変換
    をすることによる圧縮符号化をした第1の解像度の圧縮
    画像データから、上記第1の解像度より低い第2の解像
    度の動画像データを復号する画像復号方法において、 飛び越し走査に対応した直交変換方式(フィールド直交
    変換モード)により直交変換がされた上記圧縮画像デー
    タの直交変換ブロックに対して、逆直交変換をする第1
    の逆直交変換工程と、 順次走査に対応した直交変換方式(フレーム直交変換モ
    ード)により直交変換がされた上記圧縮画像データの直
    交変換ブロックに対して、逆直交変換をする第2の逆直
    交変換工程と、 上記第1の逆直交変換工程又は上記第2の逆直交変換工
    程により逆直交変換がされた圧縮画像データと動き補償
    がされた参照画像データとを加算して、第2の解像度の
    動画像データを出力する加算工程と、 上記加算工程で出力される動画像データを参照画像デー
    タとして記憶する記憶工程と、 上記記憶工程で記憶している参照画像データのマクロブ
    ロックの垂直方向及び水平方向に対して1/4画素精度
    の動き補償をする動き補償工程とを備え、 上記第1の逆直交変換工程では、上記直交変換ブロック
    の各係数のうち低周波成分の係数に対して逆直交変換を
    し、 上記第2の逆直交変換工程では、上記直交変換ブロック
    の全周波数成分の係数に対して逆直交変換をし、逆直交
    変換をした直交変換ブロックの各画素を飛び越し走査に
    対応した2つの画素ブロックに分離し、分離した2つの
    画素ブロックに対してそれぞれ直交変換をし、直交変換
    をした2つの画素ブロックの各係数のうち低周波成分の
    係数に対して逆直交変換をし、逆直交変換をした2つの
    画素ブロックを合成して直交変換ブロックを生成し、 上記動き補償工程では、飛び越し走査に対応した動き予
    測方式(フィールド動き予測モード)により動き予測が
    された参照画像データのマクロブロックに対して垂直方
    向及び水平方向の1/4画素精度の画素補間をするフィ
    ールド用2次元フィルタ係数群、及び、順次走査に対応
    した動き予測方式(フレーム動き予測モード)により動
    き予測がされた参照画像データのマクロブロックに対し
    て垂直方向及び水平方向の1/4画素精度の画素補間を
    するフレーム用2次元フィルタ係数群を格納したフィル
    タ格納部の中から、上記第1の逆直交変換工程又は上記
    第2の逆直交変換工程により逆直交変換がされた圧縮画
    像データの動きベクトルに基づき格納された所定の2次
    元フィルタ係数を指定し、指定された2次元フィルタ係
    数を用いて記憶している参照画像データのマクロブロッ
    クを補間することを特徴とする画像復号方法。
  6. 【請求項6】 上記フレーム用2次元フィルタ係数群
    は、上記記憶工程で記憶している参照画像データのマク
    ロブロックの水平方向の各画素に対して、1つのフィー
    ルド内で4倍補間を行い、上記記憶工程で記憶している
    参照画像データのマクロブロックの垂直方向の各画素に
    対して、1つのフィールド内で2倍補間を行い、1つの
    フィールド内で2倍補間をした各画素に対してトップフ
    ィールドとボトムフィールドとの間で線形補間をする複
    数のフィルタ係数からなり、 上記フィールド用2次元フィルタ係数群は、上記記憶工
    程で記憶している参照画像データのマクロブロックの水
    平方向の各画素に対して、1つのフィールド内で4倍補
    間を行い、上記記憶工程で記憶している参照画像データ
    のマクロブロックの垂直方向の各画素に対して、1つの
    フィールド内で2倍補間をし、1つのフィールド内で2
    倍補間をした各画素に対して線形補間をする複数のフィ
    ルタ係数からなることを特徴とする請求項5に記載の画
    像復号方法。
  7. 【請求項7】 上記フレーム用2次元フィルタ係数群
    は、同一のフィルタ係数が共通化されて用いられること
    を特徴とする請求項6に記載の画像復号方法。
  8. 【請求項8】 上記動き補償工程では、上記フレーム用
    2次元フィルタ係数群を垂直方向の係数の対象性及び0
    係数を用いてグループ化し、補間処理を行うことを特徴
    とする請求項7に記載の画像復号方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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US7876976B2 (en) 2006-02-23 2011-01-25 Seoul National University Industry Foundation Method and apparatus for resizing images using discrete cosine transform
CN113784121A (zh) * 2016-02-25 2021-12-10 联发科技股份有限公司 视频编解码的方法与装置

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