JP2000241339A - 耐候性鋼材の錆安定度評価方法 - Google Patents

耐候性鋼材の錆安定度評価方法

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JP2000241339A
JP2000241339A JP11047465A JP4746599A JP2000241339A JP 2000241339 A JP2000241339 A JP 2000241339A JP 11047465 A JP11047465 A JP 11047465A JP 4746599 A JP4746599 A JP 4746599A JP 2000241339 A JP2000241339 A JP 2000241339A
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健治 森田
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馨 佐藤
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 耐候性鋼材の錆層の安定化度を的確に評価で
き、しかも構築された構造物の錆安定度合を調査して安
定錆が順調に生成されているかどうか、安定錆が種々の
理由により破壊されていないかを早期に発見する方法を
提供する。 【解決手段】 耐候性鋼材の表面に形成された錆層の断
面の顕微鏡解析を行って、耐候性鋼材の前記錆層の安定
度を評価するステップを備えている耐候性鋼材の錆安定
度評価方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、耐候性鋼材の錆の
安定化の評価方法に係り、特に、大気腐食環境に対する
保護作用を示す安定錆層の安定化度合いを的確に評価す
る方法に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、鋼にP、Cu、Cr、Ni等の元素を
添加することにより、大気中における耐食性を向上させ
ることができる。これら特定の元素が添加された低合金
鋼は、耐候性鋼と呼ばれており、屋外において数年から
数十年間大気に暴露すると腐食に対して保護性のある錆
(以下、「安定錆」という)が形成され、安定錆が形成
された後は、塗装等の防食処理作業が不要であるいわゆ
るメンテナンスフリー鋼である。
【0003】しかし、耐候性鋼においては、安定錆が形
成されるまでに長期間を要するとともに、環境条件によ
って錆の安定化までに必要な期間が大きく異なる。さら
に、環境条件によっては安定錆が形成されない場合もあ
る。すなわち、耐候性鋼を構造物等に使用した場合に
は、個々の使用環境により、構造物に安定錆が形成され
るまでに要する時間が異なる。しかしながら、安定錆が
形成されるまでに要する時間を把握することは、防食処
理を行う時期を適切にするという観点から重要であるも
のの、著しい困難性を伴う。
【0004】ところで、大気腐食によって生じた錆層が
安定化して安定錆となるまでの期間中には、赤錆や黄錆
等の浮き錆や流れ錆を生じてしまい、外見的に好ましく
ないばかりでなく、周囲環境の汚染の原因にもなるの
で、その対策を構じるためにも、錆層の安定化度を的確
に把握する必要がある。
【0005】一方、錆層の安定化度を評価する従来の評
価方法として、素地鋼材の重量減少から腐食量の纏侍的
変化を測定して、錆層の安定化度を評価する方法が開示
されている(日本鋼管技報、No.46、250(1969))
(以下、「従来技術1」という)。
【0006】また、生成した錆層の評価方法としては、
建設省土木研究所、(社)鋼材倶楽部、(社)日本橋梁
建設協会等による「耐候性鋼材の橋梁への適用に関する
研究報告書(11)」(昭和59年3月)に、外観による
評価方法が開示されている(以下、「従来技術2」とい
う)。すなわち、この方法は、フエロキシル試験を用い
て、錆層のピンホールを通して地鉄との反応により生じ
る青色斑点を用いて、錆層を評価する方法である。しか
しながら、この方法においては、主観的な評点付けとな
り、定量評価が困難であるという欠点がある。
【0007】また、現場で非破壊かつ比較的定量的に錆
層の有する鋼材保護性能を評価する方法として、「Corr
osion」45巻347頁(1989)に、錆の鋼材保護能テスター
(RST)を用いる方法が開示されている(以下、「従来
技術3」という)。この評価方法は、錆層中のイオン透
過抵抗を測定する原理に基づく評価方法であり、迅速性
に優れた評価方法である。
【0008】さらに、特開平6−241982には、構
造物から100mg程度の極微量の錆を直接採取し、錆の
特定の結晶成分の比率をX線回折法により測定するとと
もに、透過型電子顕微鏡により錆粒子の平均結晶粒径を
測定する方法が開示されている(以下、「従来技術4」
という)。さらに、特開平8−278245には、表面
に錆が形成された耐候性鋼構造物に鋭利な刃物によって
けがき線を付け、傷部に有機フィルムを張り付けて剥離
し、転写した錆の粒子径を電子顕微鏡などで測定して、
錆の安定度を評価する方法が開示されている(以下、
「従来技術5」という)。
【0009】上述したように、安定錆を適切に評価する
方法があれば、耐候性鋼を使用した構造物の維持管理費
を最適化し、かつ低減していくことができるため、この
視点から錆安定度評価方法の実現が強く要望されてい
る。
【0010】
【発明が解決しょうとする課題】従来技術1、即ち、日
本鋼管技報、No.46,250(1969)に開示さ
れた方法によると、素地鋼材の重量減少から腐食量の経
時的変化を測定して評価する。しかしながら、測定用試
験片を準備していない一旦構築された構造物の場合にお
いては、その重量減少を実測することは実質的に不可能
であるという問題点がある。一方、測定用試験片が準備
されている場合には、従来技術1は、構造物の腐食状況
をモニタするための直接的な評価方法であると考えられ
る。しかしながら、重量変化を精密に測定するために
は、重量を精密に測定することができる測定用試験片の
設置方法や、飛来・付着物による重量変化に及ぼす影響
等を考慮する必要があり、重量変化を高精度で測定する
ためには、解決しなければならない問題が多々ある。
【0011】さらに、従来技術2の方法においては、上
述したように、主観的な評点付けとなり、定量評価が困
難であるという欠点がある。また、従来技術3、即ち、
鋼材保護能テスター(RST)を用いる方法においては、
過酷な環境下では十分な精度が得られないという問題点
がある。近年のより過酷な環境下でも適用され始めた耐
候性鋼の特性評価を的確に行うためには、さらに精度を
高めた視点の違う評価方法が必要とされる。
【0012】従来技術4、即ち、特開平6−24198
2に開示された方法によると、錆中における特定の結晶
が安定度に利く点に関しては、鉄鋼協会136回秋季講
演集(材料とプロセス Volume.11,No.6,P.263,Fi
g.3)の記載されている様に、必ずしも結晶成分比率と
錆の安定度に明確な相関が無く、安定度評価精度につい
て非常に優れた方法とは言い難いという問題点がある。
【0013】また、電子顕微鏡を用いて錆結晶粒径を測
定する上述した従来技術4、即ち特開平6−24198
2に開示された方法、および、従来技術5、即ち、特開
平8−278245に開示された方法によると、結晶粒
径を正確に測定することは困難である。その理由は、大
気暴露環境で耐候性鋼に生成した錆にはかなりの割合で
非晶質が含まれており、また、採取方法によって粒の大
きさが変わることや、1μm以上の比較的大きな粒は通常
の透過型電子顕微鏡で測定することは困難であるので、
大きな粒子を見逃す可能性が高いからである。
【0014】上述したように、近年のより過酷な環境下
でも適用され始めた耐候性鋼の特性評価を的確に行うた
めには、さらに精度を高めた視点の違う評価方法の検討
が必要である。したがって、本発明の目的は、耐候性鋼
材の錆層の安定化度を可能な限り的確に評価でき、しか
も構築された構造物の錆安定度合を調査して安定錆が順
調に生成されているかどうか、安定錆が種々の理由によ
り破壊されていないかを早期に発見する方法を提供しよ
うとするものである。
【0015】
【課題を解決するための手段】この発明の耐候性鋼材の
錆安定度評価方法の第1の態様は、耐候性鋼材の表面に
生成した錆層の断面の顕微鏡解析を行って、耐候性鋼材
の前記錆層の安定度を評価するステップを備えているこ
とを特徴とするものである。
【0016】この発明の耐候性鋼材の錆安定度評価方法
の第2の態様は、耐候性鋼材の表面に生成した錆層の断
面の光学顕微鏡像を得、このようにして得た光学顕微鏡
像によって、錆層中に存在するクラック部を抽出し、抽
出したクラック部のクラック密度を定量して、耐候性鋼
材の前記錆層の安定度を評価するステップを備えている
ことを特徴とするものである。
【0017】この発明の耐候性鋼材の錆安定度評価方法
の第3の態様は、耐候性鋼材の表面に生成した錆層の断
面の光学顕微鏡像を得、このようにして得た光学顕微鏡
像によって、錆層中に存在する消光部を定量して、前記
錆層の安定度を評価するステップを備えていることを特
徴とするものである。
【0018】この発明の耐候性鋼材の錆安定度評価方法
の第4の態様は、耐候性鋼を素材とした構造物に、構造
物と同一鋼材成分および組織を有する既知の形状の試験
体を1箇所以上設置し、前記試験体表面に生成した地鉄
に密着している錆層の安定度を評価する、上記第1〜3
の態様の何れか1つの態様の耐候性鋼材の錆安定度評価
方法である。
【0019】
【発明の実施の形態】この発明の耐候性鋼材の錆安定度
評価方法においては、耐候性鋼材の表面に生成した錆層
の断面の顕微鏡解析を行って、耐候性鋼材の錆層の安定
度を評価する。更に、この発明の耐候性鋼材の錆安定度
評価方法においては、耐候性鋼材の表面に生成した錆層
の断面の光学顕微鏡像を得、このようにして得た光学顕
微鏡像によって、錆層中に存在するクラック部を抽出
し、抽出したクラック部のクラック密度を定量して、耐
候性鋼材の錆層の安定度を評価する。更に、この発明の
耐候性鋼材の錆安定度評価方法においては、耐候性鋼材
の表面に生成した錆層の断面の光学顕微鏡像を得、この
ようにして得た光学顕微鏡像によって、錆層中に存在す
る消光部を定量して、錆層の安定度を評価する。更に、
この発明の耐候性鋼材の錆安定度評価方法においては、
耐候性鋼を素材とした構造物に、構造物と同一鋼材成分
および組織を有する既知の形状の試験体を1箇所以上設
置し、試験体表面に生成した地鉄に密着している錆層の
安定度を評価する。
【0020】以下に、この発明の実施の形態について、
詳述する。一般に、低合金耐食鋼において、錆構造を直
接測定して錆の安定度を評価することは困難であり、錆
安定度評価において、確実に錆の安定度を評価できる方
法を検討した。即ち、錆構造から錆の安定度すなわち錆
による鋼材の防食性能を明らかにすることができるか否
かを、詳細に検討した。
【0021】その結果、例え、αFeOOH、γFeOOH等の錆
層を構成する結晶性主構成分、あるいは電気抵抗、ある
いは錆結晶粒径がいかなるものであったとしても、それ
等によって腐食が進行するのではなく、錆そのものに欠
陥が存在すると腐食が進行することが判明した。即ち、
最も安定な錆は、欠陥が少ない錆であり、且つ、従来か
ら言われている、偏光一消光2層安定錆(岡田ら鉄と鋼5
5、355、(1969))である。更に、鋼材に生成した錆に
ついて、錆の欠陥、および、錆が偏光一消光2層錆であ
ることを定量する方法、すなわち、精密な錆安定度診断
方法を考察した。
【0022】しかし、この方法は、錆の生成した鋼材を
地鉄から切断して観察する破壊分析であるために、実構
造物に対して直接適用することができない。従って、本
発明においては、構造物と同一鋼材成分および組織を有
する既知の形状の試験体を1箇所以上設置して、前記試
験体表面に形成された地鉄に密着している錆層の断面を
研磨し、欠陥および偏光一消光2層錆を定量することに
よって、最も確実に錆安定度を診断することができる。
【0023】以下に、更に詳細に説明する。図1は、飛
来塩分量の少ない環境において長期間大気暴露を行い、
一年当たリ20μm以下の鋼材肉厚減少となった耐候性鋼
に生成した安定錆の断面構造の明視野光学顕微鏡写真で
ある。即ち、図1の最上部に明視野光学顕微鏡像を示
す。スケールとして100μmの長さを図中に示す。図
1の中間部に錆層を抽出した図を示す。図中黒で示す部
分が錆層である。図1の最下部にクラックを抽出した図
を示す。図中、黒線等で示した部分がクラックである。
【0024】図2は、比較的飛来塩分量の多い海岸環境
で暴露試験を行い、一年当たり約50μmの鋼材肉厚減少
となった耐候性鋼に生成した錆の断面構造の明視野光学
顕微鏡写真である。即ち、図2の最上部に明視野光学顕
微鏡像を示す。スケールとして100μmの長さを図中
に示す。図2の中間部に錆層を抽出した図を示す。図中
黒で示す部分が錆層である。図2の最下部にクラックを
抽出した図を示す。図中、黒線等で示した部分がクラッ
クである。
【0025】図1と図2を比較すると、クラックを抽出し
た図から明らかなように、図2は錆中のクラックが多い
ことがわかる。即ち、肉厚減少量の差は主にこのクラッ
クに影響しているものと考えられる。このように、本発
明の方法においては、錆の安定度を評価するために、断
面から観察される錆中に存在するクラックの程度を評価
する。具体的な定量方法として、例えば、鋼材を切断・
研磨して撮影した断面光学顕微鏡写真上における、鋼材
上に付着する錆の断面積当たりに存在するクラックの長
さを測定すれば良い。
【0026】次に、図3は、飛来塩分量の少ない環境で
長期間大気暴露を行い、一年当たリ20μm以下の鋼材肉
厚減少となった耐候性鋼に形成された安定錆の断面の暗
視野光学顕微鏡写真である。スケールとして100μm
の長さを図中に示す。図3は、典型的な偏光一消光2層錆
の構造を示している。図中、錆層の白い部分が偏光部で
あり、錆層の暗部が消光部である。偏光一消光2層錆は
従来から安定であると言われており、図3の鋼材におい
ても、一年当たリ20μm以下の鋼材肉厚減少であり、比
較的安定な錆を有していることがわかる。
【0027】図4は、図3と同じ試料の別の場所において
観察された断面の暗視野光学顕微鏡写真である。スケー
ルとして100μmの長さを図中に示す。図中、錆層の
白い部分が偏光部であり、錆層の暗部が消光部である。
図4おいては、錆の組織が地鉄から消光層一偏光層一消
光層一偏光層となっており、典型的な2層ではないが、
鋼材肉厚減少量的には図3と同様に、安定部である。こ
れらの多くの錆を観察した結果、地鉄直上の錆が消光層
であれば、偏光一消光2層錆と同様に鋼材肉厚減少量の
少ない安定錆的効果が得られることが判明した。従っ
て、錆の安定度を評価するためには、断面から偏光顕微
鏡あるいは暗視野顕微鏡で見られる錆層の暗部いわゆる
消光部を定量することによって、錆の安定度が評価でき
る。具体的な定量方法として、例えば、測定した錆層と
地鉄の界面長さに占める界面における光学顕微鏡的に消
光する錆が存在する長さの割合を定量すれば良い。
【0028】なお、本発明における腐食減量の測定は、
構造物と同じ鋼材成分及び組織を有する既知形状の試験
体を設置し、試験体の断面観察から鋼材の肉厚減少量を
測定したものである。
【0029】本発明による評価方法は、特に耐候性鋼の
種類に限定するところの技術ではないが、種々の耐候性
鋼試験片による錆の断面光学顕微鏡写真を画像処理する
ことによって、第一にクラックが少なく、次に地鉄と錆
の界面の錆側を消光層の錆が覆っているときに、最も安
定であることを定量することによって錆の安定度を評価
することができる。
【0030】この錆安定度評価方法は、鋼材に生成した
錆の欠陥や組織を直接観察するために、他の方法と比較
すると、精密な安定度の測定が可能であると考えられる
が、鋼材の断面も必要とするために、破壊分析である。
したがって、そのままでは実構造物を直接観察して安定
度診断を行うことができない。そこで、本発明において
は、構造物と同一鋼材成分および組織を有する既知の形
状の試験体を構造物の着目すべき1箇所以上に設置し
て、実構造物に代わり前記試験体表面に生成された地鉄
に密着している錆層の断面を研磨・光学顕微鏡撮影・画
像処理することによって、錆層の安定度、即ち、構造物
の安定度を評価する。
【0031】このようにして、施工されている耐候性鋼
に上述した試験体を設置して、本発明を適用することに
より、構造物を破壊することなく錆安定度を評価するこ
とができる。本発明の方法によって、例えば、劣化の開
始が見つけられた場合にも、劣化が開始した個所に早急
に部分塗装などの処置を施すことにより、建造物として
の致命的な被害をきたすことを防ぐことができる。
【0032】
【実施例】表1に田園地帯と海浜地帯に暴露した耐候性
鋼の腐食度等を調べた結果を示す。
【0033】 表1 No. 暴露環境 腐食度 クラック密度 界面消光錆占有率 (mm/mm2) (%) 1 田園1年 ○ 48 22.5 2 田園2年 ◎ 42 35.5 3 田園4年 ◎ 40 53.1 4 田園20年 ◎ 31 38.2 5 海浜1年 ○ 55 20.1 6 海浜5年 × 61 13.2
【0034】即ち、耐候性鋼の材料に予め設置した、既
知形状の試験体を1cm×1cm×鋼材厚さに切断し、
断面研磨し、研磨した1cm長さの断面のうち中央の0.
5mm(測定した錆面積およそ0.5mm2)につい
て、断面における鋼材の腐食による腐食度と、画像処理
によって測定した錆中に存在するクラックの密度及び界
面消光錆占有率を測定した結果を示した。
【0035】腐食度は、一年当たりの肉厚減少量を示
す。クラックの密度は、鋼材を切断・研磨して撮影した
断面光学顕微鏡写真上の鋼材上に付着する錆の断面積当
たりに存在するクラックの長さを示す。界面消光錆占有
率は、測定した錆層と地鉄の界面長さに占める界面にお
ける光学顕微鏡的に消光する錆が存在する長さの割合を
示す。ただし、肉厚減少量については、腐食減量が20μ
m/年以下のものを◎、20μm以上150μm未満のものを
○、150μm以上のものを×とした。
【0036】表1より明らかなように、クラック密度が6
0mm/mm2以上のものは不安定であり(No.6参照)、
クラック密度が60mm/mm2未満であり、且つ、界面消光
錆占有率が30%以上のものは非常に安定していることが
わかる(No.2、3、4参照)。ここで示した基準は
一つの評価基準例であり、鋼材や使用環境に応じて基準
値は設定されるものである。
【0037】
【発明の効果】上述したように、この発明の方法による
と、耐候性鋼材の錆層の安定化度を的確に評価でき、し
かも構築された構造物の錆安定度合を調査して安定錆が
順調に生成されているかどうか、安定錆が種々の理由に
より破壊されていないかを早期に発見する方法を提供す
ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は飛来塩分量の少ない環境で長期間大気暴
露を行い、一年当たリ20μm以下の鋼材肉厚減少となっ
た耐候性鋼に生成した安定錆の断面構造の明視野光学顕
微鏡写真である。
【図2】図2は、比較的飛来塩分量の多い海岸環境で暴
露試験を行い、一年当たり約50μmの鋼材肉厚減少とな
った耐候性鋼に生成した錆の断面構造の明視野光学顕微
鏡写真である。
【図3】図3は、飛来塩分量の少ない環境で長期間大気
暴露を行い、一年当たリ20μm以下の鋼材肉厚減少とな
った耐候性鋼に生成した安定錆の断面の暗視野光学顕微
鏡写真である。
【図4】図4は、図3と同じ試料の別の場所において観
察された断面の暗視野光学顕微鏡写真である。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 耐候性鋼材の表面に形成された錆層の断
    面の顕微鏡解析を行って、耐候性鋼材の前記錆層の安定
    度を評価するステップを備えていることを特徴とする、
    耐候性鋼材の錆安定度評価方法。
  2. 【請求項2】 耐候性鋼材の表面に形成された錆層の断
    面の光学顕微鏡像を得、このようにして得た光学顕微鏡
    像によって、錆層中に存在するクラック部を抽出し、抽
    出したクラック部のクラック密度を定量して、耐候性鋼
    材の前記錆層の安定度を評価するステップを備えている
    ことを特徴とする、耐候性鋼材の錆安定度評価方法。
  3. 【請求項3】 耐候性鋼材の表面に形成された錆層の断
    面の光学顕微鏡像を得、このようにして得た光学顕微鏡
    像によって、錆層中に存在する消光部を定量して、前記
    錆層の安定度を評価するステップを備えていることを特
    徴とする、耐候性鋼材の錆安定度評価方法。
  4. 【請求項4】 耐候性鋼を素材とした構造物に、構造物
    と同一鋼材成分および組織を有する既知の形状の試験体
    を1箇所以上設置し、前記試験体表面に形成された地鉄
    に密着している錆層の安定度を評価する、請求項1〜3
    の何れか1項に記載の耐候性鋼材の錆安定度評価方法。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2013503330A (ja) * 2009-08-28 2013-01-31 スネクマ α相およびβ相を有する2相タイプのチタニウム合金の汚染を検出する方法
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CN112903678A (zh) * 2021-01-25 2021-06-04 广西柳钢华创科技研发有限公司 一种钢铁表面锈层致密度的定量评价方法

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