JP2000241331A - 水分張力の測定方法および水分張力測定センサ調整装置 - Google Patents

水分張力の測定方法および水分張力測定センサ調整装置

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JP2000241331A
JP2000241331A JP11047502A JP4750299A JP2000241331A JP 2000241331 A JP2000241331 A JP 2000241331A JP 11047502 A JP11047502 A JP 11047502A JP 4750299 A JP4750299 A JP 4750299A JP 2000241331 A JP2000241331 A JP 2000241331A
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tension
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JP11047502A
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Masayoshi Sugino
正芳 杉野
Yutaka Suzuki
豊 鈴木
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Toyota Motor Corp
Soken Inc
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Nippon Soken Inc
Toyota Motor Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 測定対象物と接触する多孔質吸湿体の電気抵
抗で水分張力(pF)を検出するpF測定センサを用い
たpF測定方法において測定時間を短縮する。 【解決手段】 pF測定センサ1を測定に供するに先立
ち、pF測定センサ1を密閉容器体20に格納し、水3
を加熱し密閉容器体20内の水蒸気圧を上昇せしめて水
蒸気をpF測定センサ1内に拡散せしめ、pF測定セン
サ1内に強制浸入した水分によりpF測定センサ1に予
め初期pFを与えておくことにより、測定開始時におけ
る測定対象物のpFとの差を小さくしておき、pF測定
センサ1内外の水分移動が速やかに平衡状態に達するよ
うにする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は水分張力(以下、p
F)測定センサの測定方法およびpF測定センサ調整装
置に関する。
【0002】
【従来の技術】土壌環境は、そこに生育する植物や微生
物にとって重要である。特に植物は土壌中の水分が不足
すると生育不良や枯死などを引き起こすため、農業など
において、土壌中の水分管理は極めて重要な課題であ
り、多くの研究がなされてきた。その中で、植物にとっ
て有効な水分を判断する指標として水ポテンシャルつま
りpFの概念が整理され、利用されている。
【0003】特開平9−271276号公報には、pF
測定技術を圃場における土壌の乾燥の程度によって灌水
を指示する土壌灌水指示装置に応用したものがある。図
7は上記特開平9−271276号公報記載の土壌灌水
指示装置を示すもので、土壌灌水指示装置は電池67、
定電圧回路68を備え、圃場に単独で設置可能である。
pF測定センサ61は測定対象物である土壌7中に埋設
され、pF測定センサ61の多孔質吸湿体611を土壌
7と接触せしめると、土壌粒子間の間隙水はpF測定セ
ンサ61に移動し、毛細管現象によりpF測定センサ6
1の多孔質吸湿体611に吸い上げられる。多孔質吸湿
体611には電極612を介して発振回路62より交流
電圧が印加される。そして電極612から土壌7のpF
値に応じて出力される検出信号とpF可変設定器63か
らの基準pF値信号とがスイッチ回路64に入力し、土
壌7のpF値が基準pF値を上回るとスイッチ回路64
は発振点滅回路65を作動せしめて表示灯66を点灯
し、これにより土壌の乾燥が進んでいること、すなわち
灌水すべきであることを知らせる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところで、pF測定セ
ンサでは、pF測定センサの内と外の間の水分移動が平
衡状態に達して初めて正確なpFを知ることができる。
しかしながら、土壌中の水分の移動速度は遅く平衡状態
に達するまでに時間を要する。圃場における土壌管理の
ように、pF測定センサが常時同一場所に埋設される場
合には問題ないが、土壌汚染の多点調査やセラミック材
料調合時の水分管理等のように、測定を短時間で済ませ
る必要のある用途には必ずしも満足できるものではな
い。
【0005】本発明は上記実情に鑑みなされたもので、
測定を短時間で済ませることができるpFの測定方法お
よびpF測定センサ調整装置を提供することを目的とす
る。
【0006】
【課題を解決するための手段】請求項1記載の発明で
は、pF測定センサを測定対象物のpFの測定に供する
に先立ち、多孔質吸湿体に水分を強制浸入せしめてpF
測定センサに予め初期pFを与えておく。
【0007】測定開始時に既に初期pFが与えられてい
るので、測定対象物のpFとの差が小さく、pF測定セ
ンサ内外の水分移動は速やかに平衡状態に達し、測定を
短時間で済ませることができる。
【0008】請求項2記載の発明では、複数のpF測定
センサを互いに異なる初期pFに調整しておき、調整さ
れた上記複数のpF測定センサにより同時に同一測定対
象物の測定を開始し、検出信号の変化速度の遅いpF測
定センサによりpFの測定値を得る。
【0009】pF測定センサの測定信号は、測定対象物
のpFに収束していくほど、変化速度が遅くなる。した
がって、上記複数のpF測定センサのうち、測定対象物
のpFに近い初期pFに調整されているpF測定センサ
の測定信号の変化速度は最も遅く、このpF測定センサ
の検出信号から速やかに測定対象物のpF測定値を得る
ことができる。
【0010】請求項3記載の発明では、pF測定センサ
を格納する密閉容器体と、密閉容器体内に加湿空気を供
給する加湿空気供給手段と、上記pF測定センサの検出
信号が入力しこの検出信号に基づいて上記加湿空気供給
手段を制御する制御手段とを具備している。かつ、上記
制御手段を、上記pF測定センサにより検出されたpF
が予め設定した基準値になるまで上記加湿空気供給手段
を作動せしめるように設定する。
【0011】pF測定センサが加湿空気雰囲気におかれ
ることで、多量の水蒸気がpF測定センサ内に拡散す
る。この水蒸気の拡散による強制浸入は、液状の水分が
pF測定センサに浸入するよりもスムーズであるから、
短時間でpF測定センサに上記基準値の初期pFを与え
ることができる。
【0012】請求項4記載の発明では、上記密閉容器体
内を冷却する冷却手段を具備せしめ、上記制御手段を、
上記冷却手段を制御する構成とするとともに、上記pF
測定センサにより検出されたpFが上記基準値になると
上記冷却手段により上記密閉容器体内を冷却するように
設定する。
【0013】pF測定センサに上記基準値の初期pFが
与えられると、pF測定センサへの加湿空気の供給が停
止するとともに、冷却手段により密閉容器体内が冷却さ
れてpF測定センサ内の水蒸気は液滴化して定着する。
これにより、pF測定センサを初期pFが与えられた状
態で安定化することができる。
【0014】
【発明の実施の形態】(第1実施形態)図1に本発明の
pF測定センサの調整方法を実施する本発明のpF測定
センサ調整装置の構成を示す。pF測定センサ調整装置
2は調整しようとするpF測定センサ1を格納する密閉
容器体20を備えており、密閉容器体20はステンレス
スティールで構成された槽201とこれを覆う蓋202
とで密閉空間を形成する。
【0015】槽201の底面よりもやや上方に槽201
内を上下に区画する防護板203が設けてある。防護板
203は細穴を多数形成したパンチングメタルでなり、
防護板203の上方と下方とで空気等の流通が可能であ
る。また、槽201の底部には、pF測定センサ1の調
整前に、予め水3を水位がこの防護板203を越えない
ようにはっておく。水3には純水を用いるのが望まし
い。防護板203を設けることで、例えば本pF測定セ
ンサ調整装置2を車両に搭載したときに、後述するpF
測定センサ1が車両の振動により水を被るのを防止して
いる。
【0016】蓋202には、調整前のpF測定センサ1
を取り付けるための貫通穴202aが形成されている。
pF測定センサ1は、貫通穴202aに挿入されて基部
を残して密閉容器体内に突出し、pF測定センサ1の下
端が防護板203に達する前の状態で、蓋201に保持
される。
【0017】pF測定センサ1は基部側に出力リード1
2を設けた細長のもので、内部は、例えば図2に示すよ
うに、細孔の大きさの異なる複数の棒状の多孔質吸湿体
101,102,103,104を備えており、各多孔
質吸湿体101〜104の端部1aに電極111,11
2,113,114を形成したものである。電極111
〜114形成端部1aとは反対側の端部1bは、測定対
象物と接触して測定対象物からの水分を吸い込むように
なっている。多孔質吸湿体101〜104は硫酸カルシ
ウム等のセラミック材料が用いられ、水分吸着により電
気抵抗値が敏感に変化する。多孔質吸湿体101〜10
4は、多孔質吸湿体101が最も細孔が小さく水分の吸
い込みも強く、多孔質吸湿体102、多孔質吸湿体10
3、多孔質吸湿体104の順に細孔が大きくなり吸い込
みは小さくなる。
【0018】各電極111〜114は、例えば基部が共
通のくし歯型のものが用いられ、出力リード12と導通
する。また電極111〜114と対をなす電極111〜
114と同様の図略の電極が設けられており、すべての
多孔質吸湿体101〜104が電気的に並列接続され
る。この例では、細孔の大きさの異なる複数の多孔質吸
湿体101〜104を設けることで、土壌等の測定対象
物において、吸い込みの強い細孔の小さい多孔質吸湿体
101からpF値に応じて水分を吸い上げていき、並列
接続された多孔質吸湿体101〜104の抵抗値が低p
Fから高pFまでの広い範囲で感度よく減少する。な
お、勿論、測定の目的等によっては単一の多孔質吸湿体
からなるpF測定センサであってもよい。
【0019】pF測定センサ1の出力リード12はアン
プ部26と接続される。このアンプ部26はpF測定セ
ンサの電極111〜114に通電するととともに、pF
測定センサ1の並列接続された多孔質吸湿体101〜1
04の抵抗値に応じた電流を増幅しA/D変換器27に
出力するようになっている。A/D変換器27において
A/D変換されたpF測定センサ1の検出信号はシーケ
ンサ25に入力する。
【0020】密閉容器体20の下側半部の外周をバンド
ルヒータ21が覆っており、温調器231からの通電に
より密閉容器体20を介して水3を加熱するようになっ
ている。また、密閉容器体20の下方には、密閉容器体
20の底面に密着して冷却手段たる電子冷却素子22が
設けてある。電子冷却素子22はペルチェ素子等で構成
され、温調器232からの通電により密閉容器体20の
底壁を介して水3を冷却するようになっている。
【0021】密閉容器体20の蓋202からは棒状の測
温抵抗体241,242が垂下せしめてある。測温抵抗
体241,242の先端検出部は水3中に浸漬し、水3
の温度すなわち密閉容器体20内の温度を検出するよう
になっている。測温抵抗体241は、水3をはった槽2
01、バンドルヒータ21、温調器231とともに加湿
空気供給手段2aを構成し、測温抵抗体241の検出信
号が温調器231に入力し、検出温度が予め設定した所
定温度(例えば45°C)になるように温調器231が
バンドルヒータ21への通電を制御する。測温抵抗体2
42は、電子冷却素子22、温調器232とともに冷却
手段2bを構成し、測温抵抗体242の検出信号が温調
器232に入力し、検出温度が予め設定した所定温度
(例えば5°C)になるように温調器232が電子冷却
素子22への通電を制御する。
【0022】各温調器231,232の作動および停止
は、アンプ部26、A/D変換器27とともに制御手段
2cを構成するシーケンサ25により、pF測定センサ
1の検出信号に基づいてコントロールされている。
【0023】シーケンサ25にはまた、pF値設定器2
8から初期pF値の設定信号が入力している。pF値設
定器28はテンキー等のマン−マシンインターフェース
を備えており、ユーザーがこれにより密閉容器体20に
取り付けたpF測定センサ1の初期pF値となる基準値
を設定する。
【0024】シーケンサ25における温調器231,2
32の制御を説明する。シーケンサ25は、先ず、バン
ドルヒータ用の温調器231に作動を指令し、バンドル
ヒータ21により密閉容器体20壁を介して水3を加熱
する。この加熱により水3の蒸発量が多くなり、密閉容
器体20内の水蒸気圧が上昇し防護板203を通りpF
測定センサ1の多孔質吸湿体101〜104中に水蒸気
が拡散する。pF測定センサ1へ水が水蒸気として浸入
することから、pF測定センサ1への水分の強制浸入は
スムーズに行われ、pF測定センサ1から出力されるp
F値が速やかに低下する。
【0025】シーケンサ25は、pF測定センサ1の出
力pF値がpF値設定器28により設定された上記基準
値になると、バンドルヒータ用の温調器231に作動停
止を指令するとともに、電子冷却素子用の温調器232
に作動を指令し、電子冷却素子22により密閉容器体2
0壁を介して、はった水3および密閉容器体20内を所
定温度になるまで冷却する。
【0026】図3はpF測定センサ調整装置2にセット
後のpF測定センサ1の出力pF値の経時変化を示すも
のである。出力pF値が上記基準値(設定した初期pF
値)になると、温調がバンドルヒータ21による加熱か
ら電子冷却素子22による冷却に変わり、はった水3の
蒸発を抑えpF測定センサ1内に水蒸気がこれ以上浸入
しないようにしてpF値の低下を止めるとともに、pF
測定センサ1内の水蒸気を液滴化して水分がpF測定セ
ンサ1内から外部へ拡散しないようにpF測定センサ内
に定着せしめてpF値の再上昇を止める。これにより、
図より知られるように、冷却開始後(温度低下後)、p
F測定センサ1の出力pF値は略一定値をとり安定す
る。しかして、いつでも、所定の初期pF値が与えられ
たpF測定センサ1を密閉容器体20から取り出し、測
定に供することができる。
【0027】図4は、測定対象物中にpF測定センサを
埋設しpF測定センサが出力するpF値の経時変化を示
すもので、本pF測定センサ調整装置2により水を強制
浸入せしめて初期pF値(2.7)を与えたpF測定セ
ンサと、初期pF値を与えないpF測定センサとの両方
を併せ示している。初期pF値を与えないpF測定セン
サでは、埋設後24時間経過しても出力pF値が収束し
ないのに対し、初期pF値を与えたpF測定センサで
は、略3時間で最終的な収束値に対して0.1しか違わ
ない出力pF値が得られ、測定時間は3時間もとれば十
分であることが分かる。このように、pF測定センサを
測定対象物のpFの測定に供するに先立ち、水分を強制
浸入せしめてpF測定センサに予め初期pFを与えてお
くことで、測定時間を短縮することができる。
【0028】また、pF測定センサへの水分の強制浸入
を本pF測定センサ調整装置2により行うことで、pF
測定センサに容易に所望の初期pFを与えることができ
る。
【0029】なお、本pF測定センサ調整装置2では、
pF測定センサ1の出力pF値が基準値になった後、電
子冷却素子22を作動せしめるようにして初期pF値を
安定化しているが、要求される初期pF値の安定度等に
よっては、必ずしも電子冷却素子22を設ける必要はな
く、pF測定センサ調整装置の構成を簡単にすることが
できる。
【0030】また、加熱用、冷却用の手段は、上記バン
ドルヒータや電子冷却素子に限られるものではなく、ま
た、加熱と冷却とを電子冷却素子に用いるペルチェ素子
等で兼用としてもよい。
【0031】また、pF測定センサ調整装置は、密閉容
器体の底部に水をはりこれを加熱することで、密閉容器
体の蓋部から垂下するpF測定センサに加湿空気を供給
する構成としているが、pF測定センサに加湿空気を供
給できるものであればよい。たとえばpF測定センサを
格納する密閉容器体に、これとは別体の加湿空気供給手
段から加湿空気を供給する構成でもよい。
【0032】また、シーケンサにおける温調器の制御
を、pF測定センサの出力に基づいて行うのではなく、
温度センサとともに湿度センサを設けて、その検出温度
および検出湿度から式(*)によりpF値を算出し、こ
の算出pF値に基づいて行うように構成してもよい。な
お式中、p/p0 は相対湿度(%)、Mは水の分子量
(18g/mol)、gは重力加速度(980cm/s
ec 2)、Rは気体定数(8.31×107 erg/K
・mol)である。 Δμ=(RT/Mg)×ln (p/p0 ) pF=log(−Δμ)・・・(*)
【0033】(第2実施形態)本実施形態では、4本の
pF測定センサを用意し、測定場所に埋設する前に、そ
れぞれ、上記第1実施形態のpF測定センサ調整装置等
により初期pFを与えておく。与える初期pF値は、p
F測定センサで異なる値に設定する。例えば第1のpF
測定センサを初期pF値3.5、第2のpF測定センサ
を初期pF値3.0、第3のpF測定センサを初期pF
値2.5、第4のpF測定センサを初期pF値2.0と
する。なお初期pF値の設定は、第1実施形態で説明し
たpF測定センサ調整装置2を使えば、pF値設定器2
8(図1参照)を操作して簡単に行うことができる。
【0034】次いで、図5に示すように、この4本のp
F測定センサ1A,1B,1C,1Dを、測定しようと
する土壌等の測定対象物5の同一場所に埋設する。埋設
は同時に行う。各pF測定センサ1A〜1Dの検出信号
は、パーソナルコンピュータ等のデータ記録装置4によ
り記録する。
【0035】なお、pF測定センサ1A〜1Dの埋設場
所は、測定対象物5のpF値が同じとみなし得る実質的
に同一場所であればよい。また、4本のpF測定センサ
1A〜1Dの埋設タイミングは、pF測定センサ1A〜
1Dの、出力pF値が与えた初期pF値とみなし得る実
質的な同時であればよい。
【0036】図6はpF測定センサ埋設後の出力pF値
の経時変化を示すもので、各pF測定センサ1A〜1D
は、第1実施形態のごとく、初期pF値から漸次減少し
測定対象物のpF値(図例では2.3)に収束してい
く。いずれのpF測定センサ1A〜1Dの出力pF値
も、pF測定センサ内外、すなわち多孔質吸湿体側と測
定対象物側とでpF値に差がある初期の段階では変化速
度が速く、収束してくるとpF測定センサの内外pF値
の差が小さくなって変化速度は遅くなる。したがって与
えられた初期pF値が異なるpF測定センサ間でも出力
pF値変化速度は異なる。すなわち、与えられた初期p
F値が測定対象物のpF値に近いpF測定センサほど出
力pF値の変化速度は遅くなる。
【0037】図例では、第3pF測定センサ1Cの初期
pF値(2.5)が最も測定対象物5のpF値(2.
3)に近く、次いで第4pF測定センサ1D(初期pF
値2.0)、第2pF測定センサ1B(初期pF値3.
0)、第1pF測定センサ1A(初期pF値3.5)と
続く。4本のpF測定センサ1A〜1Dのうち、第3p
F測定センサ1Cが最も出力pF値の変化速度が遅くな
る。したがって、第3pF測定センサ1Cの出力pF値
の変化速度が所定値、例えば時間あたり0.05となっ
た時点で測定対象物5のpF値が得られたものとして測
定を終了することができる。例えばデータ記録装置4
を、いずれかのpF測定センサ1A〜1Dの出力pF値
の変化速度が所定値となった時点で記録を終了するとと
もにユーザーに電子音等で測定終了を報知する構成とす
るのもよい。
【0038】また、測定対象物5のpF値が別のpF測
定センサ1A,1B,1Dの初期pF値に最も近けれ
ば、そのpF測定センサ1A,1B,1Dの出力pF値
の変化速度が最も遅くなり、そのpF測定センサ1A,
1B,1Dの出力pF値の変化速度が所定値となった時
点で測定対象物5のpF値が得られたものとして測定を
終了する。
【0039】このように本実施形態では、初期pF値の
異なるpF測定センサを複数用いることにより、各pF
測定センサがその初期pF値を中心とする測定レンジを
うけもちさらに短時間で高精度な測定を行うことができ
る。
【0040】なお、複数のpF測定センサに初期pF値
を与えるのに用いるpF測定センサ調整装置は、pF測
定センサの数だけ密閉容器体を有し、各密閉容器体に対
応して温調系を備えた構成のものが、一度にすべてのp
F測定センサに初期pF値を与えることができ、しかも
そのpF値で安定した状態のまま測定開始まで保持する
ことができるので、望ましい。
【0041】また、pF測定センサに初期pF値を与え
る方法は、例えば、予めpF測定センサ内に過剰な水分
を強制浸入しておき、しかる後、遠心分離機により、p
F測定センサ内の水分量を、遠心力と水分張力とが釣り
合う量に調整することで、初期pF値を与えることがで
きる。この場合、遠心分離機の回転数(速度)を調整す
ることで、pF測定センサに所望の初期pF値を与える
ことができる。
【0042】また、本発明は、複数の多孔質吸湿体を備
えたpF測定センサだけはなく、単一の多孔質吸湿体し
か備えていないpF測定センサ等、測定対象物と接触す
る多孔質吸湿体の電気抵抗でpFを検出するpF測定セ
ンサを用いたpFの測定方法に適用することができる
し、pF測定センサに交流電圧を印加するpFの測定方
法(図7参照)にも適用することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の水分張力の測定方法を実施するための
本発明の水分張力測定センサ調整装置の構成図である。
【図2】水分張力測定センサの図である。
【図3】上記水分張力測定センサ調整装置の作動を説明
するグラフである。
【図4】本発明の水分張力の測定方法を従来の測定方法
と比較するグラフである。
【図5】本発明の別の水分張力の測定方法を説明する図
である。
【図6】上記水分張力の測定方法を説明するグラフであ
る。
【図7】従来の水分張力の測定方法を実施する測定装置
の代表例の構成図である。
【符号の説明】 1,1A,1B,1C,1D 水分張力測定センサ 101,102,103,104 多孔質吸湿体 111,112,113,114 電極 12 リード 2 水分張力測定センサ調整装置 20 密閉容器体 201 槽 202 蓋 21 バンドルヒータ 22 電子冷却素子 231,232 温調器 241,242 温度センサ 25 シーケンサ(制御手段) 26 アンプ部 27 A/D変換器 28 水分張力設定器 2a 加湿空気供給手段 2b 冷却手段 2c 制御手段 3 水
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 鈴木 豊 愛知県西尾市下羽角町岩谷14番地 株式会 社日本自動車部品総合研究所内 Fターム(参考) 2G046 AA09 AA32 BE06 DB05 DD02 DE03 EB09 FB02 FE07 2G060 AA20 AC01 AE40 AF03 AG03 CA01 CD08 EA06 EB04 FA02 FA15 HA02 HA08 HB06 HC13 HD05 HE02 KA05

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 測定対象物と接触する多孔質吸湿体の電
    気抵抗で水分張力を検出する水分張力測定センサを用い
    た水分張力の測定方法であって、水分張力測定センサを
    測定対象物の水分張力の測定に供するに先立ち、上記多
    孔質吸湿体に水分を強制浸入せしめて水分張力測定セン
    サに予め初期水分張力を与えておくことを特徴とする水
    分張力の測定方法。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の水分張力の測定方法にお
    いて、複数の水分張力測定センサを互いに異なる初期水
    分張力に調整し、調整された上記複数の水分張力測定セ
    ンサにより同時に同一測定対象物の測定を開始し、測定
    信号の変化速度の遅い水分張力測定センサにより水分張
    力の測定値を得る水分張力の測定方法。
  3. 【請求項3】 測定対象物と接触する多孔質吸湿体の電
    気抵抗で水分張力を検出する水分張力測定センサの調整
    装置であって、水分張力測定センサを格納する密閉容器
    体と、密閉容器体内に加湿空気を供給する加湿空気供給
    手段と、上記水分張力測定センサの検出信号が入力しこ
    の検出信号に基づいて上記加湿空気供給手段を制御する
    制御手段とを具備し、上記制御手段を、上記水分張力測
    定センサにより検出された水分張力が予め設定した基準
    値になるまで上記加湿空気供給手段を作動せしめるよう
    に設定したことを特徴とする水分張力測定センサの調整
    装置。
  4. 【請求項4】 請求項3記載の水分張力測定センサの調
    整装置において、上記密閉容器体内を冷却する冷却手段
    を具備せしめ、上記制御手段を、上記冷却手段を制御す
    る構成とするとともに、上記水分張力測定センサにより
    検出された水分張力が上記基準値になると上記冷却手段
    により上記密閉容器体内を冷却するように設定した水分
    張力測定センサの調整装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN105123447A (zh) * 2015-07-01 2015-12-09 西安理工大学 一种基于田间水分平衡关系的灌溉决策系统

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