JP2000241277A - 静電容量型マイクロフローセンサ - Google Patents

静電容量型マイクロフローセンサ

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JP2000241277A
JP2000241277A JP11046082A JP4608299A JP2000241277A JP 2000241277 A JP2000241277 A JP 2000241277A JP 11046082 A JP11046082 A JP 11046082A JP 4608299 A JP4608299 A JP 4608299A JP 2000241277 A JP2000241277 A JP 2000241277A
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electrode
guard ring
detection electrode
detection
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JP11046082A
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English (en)
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Yoshitaka Kanai
義隆 金井
Jun Mizuno
潤 水野
Berberich Oliver
ベルベリッヒ オリバー
Nottmayer Kai
ノットマイヤー カイ
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Bosch Corp
Original Assignee
Zexel Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 センサ内部における流体中の気泡の停滞を回
避できるようにする。 【解決手段】 第1の基板1には、検出電極16が設け
られる一方、第2の基板2においては、検出電極16と
対向する部位にボス部4が設けられ、ボス部4の周囲に
は、計測凹部3が凹設されている。さらに、第2の基板
2には、計測凹部3と外部とを連通する連通路6a,6
bが形成され、連通路6a,6bを介して計測凹部3へ
流体が流入されるようになっている一方、連通路6a,
6bが設けられた部位と略反対側の部位には、計測凹部
3に連通する気泡排出用通路10a,10bが形成され
ており、計測凹部3内に生じた気泡が気泡排出用通路1
0a,10bを介して外部へ排出できるようになってい
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、液体等の流体の速
度を検出するセンサに係り、特に、流速を静電容量の変
化として検出可能とした半導体技術を用いてなる静電容
量型マイクロフローセンサの改良に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、いわゆる流体センサとしては、例
えば、流体中に半導体部材からなる感知作動部を流体の
流れに対して正対するように配設し、この感知作動部の
流速に応じた撓みに起因して生ずる抵抗値の変化を検出
することで、流速の測定を可能としたものや、また、熱
線を用いてなるもの等種々の形態のものが提案されてい
る(特開平8−114617号公報、特開平7−181
067号公報等参照)。
【0003】しかしながら、例えば、特開平8−114
617号公報に示されたセンサに代表されるような流体
中における半導体の撓みに起因する抵抗素子の抵抗値変
化によって、流速検出を行うように構成されたものにあ
っては、その半導体部分を流速を測定しようとする流体
の流れに直接晒すような構造であるため、半導体中に大
きな応力が生じる。そのため、破断の可能性が高いた
め、強度対策を施す必要があるが、そのような強度対策
は、逆にセンサの感度を低下させる畏れがあり、要求さ
れる感度と強度との妥協点を見出さなければならないと
いう問題がある。また、上述したような従来のセンサ
は、その検出原理等に起因して、検出可能な流体の方向
は、一方向に限定されるものが殆どであり、二方向の流
速検出を可能とするものではない。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】そこで、本願出願人
は、かかる従来センサの問題点を解決すべく、半導体部
材によるダイヤフラム構造を有してなる静電容量型マイ
クロフローセンサを既に提案したが(特願平9−262
924号)、その後、さらなる検討、実験等を行い、従
来センサの問題点を解決すると共に、本願出願人の提案
に係る上述の発明をより改良した発明をするに至った。
すなわち、本発明は、検出感度が良好で、信頼性の高い
静電容量型マイクロフローセンサを提供するものであ
る。本発明の他の目的は、センサ内部における流体中の
気泡の停滞が少なく、計測精度の高い静電容量型マイク
ロフローセンサを提供することにある。本発明の他の目
的は、寄生容量の少ない静電容量型マイクロフローセン
サを提供することにある。本発明の他の目的は、比較的
簡素な構成でニ方向の流体の検出が可能な静電容量型マ
イクロフローセンサを提供することにある。本発明の他
の目的は、製造工程が比較的簡素な静電容量型マイクロ
フローセンサを提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】上述の目的を達成するた
め、本発明に係る静電容量型マイクロフローセンサは、
絶縁性部材からなる第1の基板と、半導体部材からなる
第2の基板とが接合されてなり、前記第1の基板の前記
第2の基板との接合面側には、導電性部材からなる検出
電極が配設される一方、前記第2の基板の前記第1の基
板との接合面側には、前記検出電極と所定間隙を介して
対向するボス部が設けられると共に、前記ボス部の周囲
には、底部がダイヤフラムとなるように凹部が形成さ
れ、当該凹部と外部とを連通する連通路が形成されてな
り、前記検出電極と前記ボス部とにより構成される検出
用コンデンサの静電容量の、前記凹部における圧力と外
部との圧力差に応じて生ずる変化が検出可能に構成され
てなる静電容量型マイクロフローセンサであって、前記
第2の基板には前記凹部と外部とを連通せしめる気泡排
出用通路が、前記連通路が設けられた部位と略反対側の
部位に形成され、前記凹部の周囲の平面部分の一部に
は、前記第1の基板との間に所定の間隙が生ずるよう対
向用段部が形成されてなる一方、当該対向用段部に対向
する前記第1の基板の部位には、前記検出電極と同一面
積を有してなる参照電極が配設されると共に、前記参照
電極と並行するようにして前記対向用段部に対向する前
記第1の基板の部位に、ガードリング電極が配設され、
前記第1の基板には、一端が前記検出電極に接続され、
前記検出電極を第1の基板端部で外部回路と接続可能と
するための導電性部材からなる検出電極用引出配線と、
一端が前記参照電極に接続され、前記参照電極を第1の
基板端部で外部回路と接続可能とするための導電性部材
からなる参照電極用引出配線と、一端が前記ガードリン
グ電極に接続され、前記ガードリング電極を第1の基板
端部で外部回路と接続可能とするための導電性部材から
なるガードリング電極用引出配線とが、それぞれ配設さ
れ、これら検出電極用引出配線、参照電極用引出配線及
びガードリング電極用引出配線は、少なくともその一部
が前記第1の基板の縁近傍において、当該縁に沿って直
線状に配設され、前記第2の基板には、前記検出電極用
引出配線、参照電極用引出配線及びガードリング電極用
引出配線が前記第1の基板の縁に沿って直線状に配設さ
れた部位に対向する部位に前記第1の基板と所定の間隙
を生ずるよう容量抑圧用段部が形成されてなるものであ
る。
【0006】かかる構成においては、特に、凹部に連通
する気泡排出用通路が、連通路が設けられた位置と略対
向する位置に設けられたことで、凹部に流体が流れ込ん
で気泡が生じても、気泡排出用通路から外部へ排出され
ることとなるため、流速計測への影響を極力抑圧するこ
とが可能となるものである。また、容量抑圧用段部の形
成により、第1の基板に配設された検出電極用引出配
線、参照電極用引出配線及びガードリング電極用引出配
線と第2の基板との間に間隙を設けることができるの
で、これら検出電極用引出配線、参照電極用引出配線及
びガードリング電極用引出配線と第2の基板との間に生
ずる寄生容量を極力小さくすることが可能となる。
【0007】また、上記発明の目的を達成するため、静
電容量型マイクロフローセンサは、絶縁性部材からなる
第1の基板と、半導体部材からなる第2及び第3の基板
とを具備し、前記第1の基板を中央にして、前記第2及
び第3の基板により前記第1の基板が挟持されるように
これら第1乃至第3の基板が相互に接合されてなり、前
記第1及び第2の基板により請求項1記載の静電容量型
マイクロフローセンサが、前記第1及び第3の基板によ
り請求項1記載の静電容量型マイクロフローセンサが、
それぞれ形成されてなり、前記第2の基板に形成された
第1の連通路と、前記第3の基板に形成された第2の連
通路とは、互いに逆方向を望むように設けられてなるも
のであってもよい。
【0008】かかる構成における静電容量型マイクロフ
ローセンサは、先の発明に係る静電容量型マイクロフロ
ーセンサを積層状に2組設けたもので、しかも、連通路
が互いに逆方向を向いたものとなっているために、二方
向の流速計測が可能となるものである。
【0009】さらに、上記発明の目的を達成するため、
静電容量型マイクロフローセンサは、絶縁性部材からな
る第1の基板と、半導体部材からなる第2の基板とが接
合されてなり、前記第1の基板の前記第2の基板との接
合面側には、導電性部材からなる第1及び第2の検出電
極が離間してそれぞれ配設される一方、前記第2の基板
の前記第1の基板との接合面側には、前記第1の検出電
極と所定間隙を介して対向する第1のボス部と、前記第
2の検出電極と所定間隙を介して対向する第2のボス部
とが、それぞれ設けられると共に、前記第1のボス部の
周囲には、底部がダイヤフラムとなるよう第1の凹部
が、前記第2のボス部の周囲には、底部がダイヤフラム
となるよう第2の凹部が、それぞれ形成され、前記第2
の基板には、前記第1の凹部と外部とを連通する第1の
連通路及び前記第2の凹部と外部とを連通する第2の連
通路が、それぞれ形成されてなり、前記第1の検出電極
と前記第1のボス部とにより構成される第1の検出用コ
ンデンサの静電容量の、前記第1の凹部における圧力と
外部との圧力差に応じて生ずる変化と、前記第2の検出
電極と前記第2のボス部とにより構成される第2の検出
用コンデンサの静電容量の、前記第2の凹部における圧
力と外部との圧力差に応じて生ずる変化が、それぞれ検
出可能とされてなる静電容量型マイクロフローセンサで
あって、前記第2の基板には前記第1の凹部と外部とを
連通せしめる第1の気泡排出用通路が、前記第1の連通
路が設けられた部位と略反対側の部位に形成されると共
に、前記第2の凹部と外部とを連通せしめる第2の気泡
排出用通路が、前記第2の連通路が設けられた部位と略
反対側の部位に形成され、前記第1の凹部の周囲の平面
部分の一部には、前記第1の基板との間に所定の間隙が
生ずるよう第1の対向用段部が形成されてなる一方、当
該第1の対向用段部に対向する前記第1の基板の部位に
は、前記第1の検出電極と同一面積を有してなる第1の
参照電極が配設されると共に、前記第1の参照電極と並
行するようにして前記第1の対向用段部に対向する前記
第1の基板の部位に、第1のガードリング電極が配設さ
れ、前記第2の凹部の周囲の平面部分の一部には、前記
第1の基板との間に所定の間隙が生ずるよう第2の対向
用段部が形成されてなる一方、当該第2の対向用段部に
対向する前記第1の基板の部位には、前記第2の検出電
極と同一面積を有してなる第2の参照電極が配設される
と共に、前記第2の参照電極と並行するようにして前記
第2の対向用段部に対向する前記第1の基板の部位に、
第2のガードリング電極が配設され、前記第1の基板に
は、一端が前記第1の検出電極に接続され、前記第1の
検出電極を第1の基板端部で外部回路と接続可能とする
ための導電性部材からなる第1の検出電極用引出配線
と、一端が前記第1の参照電極に接続され、前記第1の
参照電極を第1の基板端部で外部回路と接続可能とする
ための導電性部材からなる第1の参照電極用引出配線
と、一端が前記第1のガードリング電極に接続され、前
記第1のガードリング電極を第1の基板端部で外部回路
と接続可能とするための導電性部材からなる第1のガー
ドリング電極用引出配線と、一端が前記第2の検出電極
に接続され、前記第2の検出電極を第1の基板端部で外
部回路と接続可能とするための導電性部材からなる第2
の検出電極用引出配線と、一端が前記第2の参照電極に
接続され、前記第2の参照電極を第1の基板端部で外部
回路と接続可能とするための導電性部材からなる第2の
参照電極用引出配線と、一端が前記第2のガードリング
電極に接続され、前記第2のガードリング電極を第1の
基板端部で外部回路と接続可能とするための導電性部材
からなる第2のガードリング電極用引出配線とが、それ
ぞれ配設され、これら第1の検出電極用引出配線、第1
の参照電極用引出配線及び第1のガードリング電極用引
出配線並びに第2の検出電極用引出配線、第2の参照電
極用引出配線及び第2のガードリング電極用引出配線
は、少なくともその一部が前記第1の基板の縁近傍にお
いて、当該縁に沿って直線状に配設され、前記第2の基
板には、前記第1の検出電極用引出配線、第1の参照電
極用引出配線及び第1のガードリング電極用引出配線が
前記第1の基板の縁に沿って直線状に配設された部位に
対向する部位に前記第1の基板と所定の間隙を生ずるよ
う第1の容量抑圧用段部が形成されると共に、前記第2
の検出電極用引出配線、第2の参照電極用引出配線及び
第2のガードリング電極用引出配線が前記第1の基板の
縁に沿って直線状に配設された部位に対向する部位に前
記第1の基板と所定の間隙を生ずるよう第2の容量抑圧
用段部が形成されてなるよう構成されたものであっても
よい。
【0010】かかる構成における静電容量型マイクロフ
ローセンサは、同一平面内に静電容量型マイクロフロー
センサを2組設けたもので、しかも、連通路が互いに逆
方向を向いたものとなっているために、二方向の流速計
測が可能となるものである。
【0011】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て、図1乃至図6を参照しつつ説明する。なお、以下に
説明する部材、配置等は本発明を限定するものではな
く、本発明の趣旨の範囲内で種々改変することができる
ものである。最初に第1の発明の実施の形態における静
電容量型マイクロフローセンサS1について図1を参照
しつつ説明する。まず、図1に示された静電容量型マイ
クロフローセンサS1は、一方向の流速計測に適するも
のである。この静電容量型マイクロフローセンサS1
は、絶縁性部材、例えばガラスからなる第1の基板1
と、半導体部材、例えばシリコンからなる第2の基板2
とが接合されて構成されたものとなっている。なお、説
明の便宜上、図1に示されたように、X,Y,Zの互い
に直交する3軸による3次元座標を定義することとす
る。ここで、X軸は、第1及び第2の基板1,2の短手
軸方向に沿い、Y軸は、第1及び第2の基板1,2の長
手軸方向に沿い、Z軸は、第1及び第2の基板1,2の
厚み方向(紙面上下方向)に沿うものとする。
【0012】まず、第2の基板2は、その全体外形形状
が略矩形状に形成されてなり、その略中央付近に次述す
る計測凹部3等が形成されたものとなっているものであ
る。すなわち、第2の基板2には、第1の基板1との接
合面側において、その略中央には、XY平面における外
周形状が枠状の計測凹部3が凹設され、この計測凹部3
に囲まれるようにしてボス部4が形成されている。計測
凹部3は、この第2の基板2がシリコンを用いてなる場
合には、シリコンエッチングを施すことで形成されるも
のである。そして、この計測凹部3の底部は、そのエッ
チングによる形成の際に、所定の膜厚を有する薄膜に形
成されてダイヤフラム5となっている。
【0013】さらに、この枠状に形成された計測凹部3
のX軸方向の一方の端部と、第2の基板2の端面との間
には、2つの連通路6a,6bが凹設されている。すな
わち、2つの連通路6a,6bは、それぞれ、計測凹部
3のX軸方向に沿うそれぞれの側路3a,3bの一方の
端部から延設されて、第2の基板2の長手軸方向(Y軸
方向)の一方の端面にそれぞれ開口するように形成され
たものとなっている。そのため、第2の基板2の端面に
位置するそれぞれの連通路6a,6bの開口部分から、
計測凹部3を望んだ場合、その途中において開口部の形
状と異なる部位がなく、X軸方向に直線状に連通路6
a,6bと計測凹部3の側路3a,3bとが連続する状
態となる。
【0014】一方、ボス部4は、そのXY平面形状が矩
形状に形成されたものとなっており、しかも、そのZ軸
方向の厚みは、第1の基板1と第2の基板2とが接合さ
れた状態において、後述する第1の基板1の検出電極1
6と所定の間隙を介して対向するように設定されたもの
となっている。そして、ボス部4と検出電極16とによ
り検出用コンデンサ8が構成されるようになっている。
なお、所定の間隙は、例えば数十ミクロン程度の大きさ
である。また、このボス部4の平面部分、すなわち、検
出電極16と対向する対向面の面積と検出電極16の面
積とは略同一に設定されている。
【0015】また一方、計測凹部3の周囲において、連
通路6a,6bが形成される側を除く周囲三方には、い
わゆる「コ」字状に対向用段部7が形成されており、第
1及び第2の基板1,2が接合された状態において、こ
の対向用段部7と、後述する第1の基板1の参照電極1
7及びガードリング電極18との間に所定の間隙が生ず
るようになっている。対向用段部7の周辺の平面部分A
は、第1の基板1との接合面となっており、その表面に
は、酸化シリコン膜(図示せず)が形成されて絶縁処理
が施されたものとなっている。
【0016】また、対向用段部7の周囲の平面部分Aの
内、先の連通路6a,6bが形成された部位と反対側の
部位においては、対向用段部7に連通するように2つの
気泡排出用通路10a,10bがY軸方向で適宜な間隔
を隔てて凹設されており、これら2つの気泡排出用通路
10a,10bの他端側(対向用段部7に連通する側と
反対側の端部)は、外部に開口するものとなっている。
このため、計測凹部3は、この気泡排出用通路10a,
10bを介して外部と連通するようになっている。さら
に、連通路6a,6bが設けられた側の第2の基板2の
縁付近においては、一方の連通路6aの側部に隣接して
Y軸方向の一方の端部近傍まで容量抑圧用段部11がY
軸方向に沿って形成されると共に、他方の連通路6bの
側部にも隣接してY軸方向の一方の端部まで、均衡用段
部15が形成されている。そして、容量抑圧用段部11
は、後述する第2の基板2の検出電極用引出配線19、
参照電極用引出配線20及びガードリング電極用引出配
線21が第1の基板1のY軸方向に沿って直線状に配設
される部位と所定間隙を介して対向するようになってい
る。また、均衡用段部15も同様に、同一の所定間隙を
介して第1の基板1と対向するようになっている。
【0017】またさらに、第2の基板2には、Y軸方向
の一方の端部近傍が切り欠かれて外部接続用切り欠き部
12が形成されている。また、第2の基板2の裏面、す
なわち、第1の基板1との接合面と反対側の面において
は、丁度先のボス部4の略中央部分に対応する位置に導
電性部材からなる矩形状のボス部用電極13が形成され
る一方、外部接続部用切り欠き部12の近傍の部位に
は、導電性部材からなる矩形状の第4の外部接続用電極
25が形成されている。そして、このボス部用電極13
と第4の外部接続用電極25との間は、両者の間に適宜
に配設された導電性部材からなるボス部用引出配線14
により接続されており、ボス部4が外部回路と接続でき
るようになっている。
【0018】一方、第1の基板1は、ガラス基板を用い
て、その全体外形形状が矩形状に形成されてなり、第2
の基板2との接合面側には、導電性部材、例えば、IT
O(Indium Tin Oxide)からなる検出電極16が、第2の
基板2のボス部4の平面部分に対応する位置に形成され
ている。また、検出電極16が配設された第1の基板1
の平面部分には、検出電極16を外部回路と接続可能に
するために、導電性部材、例えばアルミニウムからなる
短冊状の検出電極用引出配線19が形成されており、そ
の一端は、検出電極16と接続され、他端は、第1の基
板1の一方の側部に形成された導電性部材からなる第1
の外部接続用電極22に接続されたものとなっている。
【0019】この例の場合、検出電極用引出配線19
は、その一端が検出電極16の一つの角に接合されてお
り、この角から直線状に引き出されて、直近の長手軸方
向(Y軸方向)に沿う一方の縁まで延びて、そこで第1
乃至第3の外部接続用電極22〜24が位置する短手軸
方向に沿う一方の縁へ向かって直角に折曲されている。
そして、検出電極用引出配線19は、その直角に折曲さ
れた部位から直線状に延び、短手軸方向に沿う一方の縁
のやや手前側で再び内側へ直角に折曲されて、第1の外
部接続用電極22の近傍まで直線状に配設されている。
そして、検出電極用引出配線19は、第1の外部接続用
電極22の近傍で第1の外部接続用電極22側へ直角に
折曲されて、その一端が第1の外部接続用電極22に接
合されたものとなっている。
【0020】また、第1の基板1には、第2の基板2と
の接合面側において、先の第2の基板2の外部接続用切
り欠き部12に対応する部位に、導電性部材からなり、
そのXY平面形状が矩形状に形成されてなる第1乃至第
3の外部接続用電極22〜24がX軸方向で適宜な間隔
を隔てて配設されている。一方、検出電極16の周囲、
より具体的には、連通路6a,6b側に位置する部位を
除く周囲三方には、導電性部材からなる参照電極17と
ガードリング電極18が、先の第2の基板2の対向用段
部7に対向する部位に相互に適宜な間隔を隔てて配設さ
れている。この発明の実施の形態においては、参照電極
17が検出電極16側に、ガードリング電極18が参照
電極17の外側となるように配設されており、ガードリ
ング電極18は、参照電極17と並行するように設けら
れている。
【0021】ここで、参照電極17は、対向用段部7と
対向するその合計面積が、検出電極16の面積と同一と
なるように、その幅、長さ等が設定されている。すなわ
ち、参照電極17と対向用段部7の平面部分とにより参
照用コンデンサ9が形成されるようになっており、しか
も、その静電容量CREFは、検出電極16とボス部4
とで形成される検出用コンデンサ8の静電容量CDET
と同一となるようにしてある。なお、参照用コンデンサ
9の静電容量をこのように設定するのは、後述するよう
に外部の検出回路による流速検出精度の向上を図るため
である。また、ガードリング電極18は、参照電極17
の外側に、参照電極17と略同様な配置形状に配設され
たものとなっている。このガードリング電極18は、参
照電極17の端部における電気力線の分布に起因するい
わゆる浮遊容量の発生を抑圧するためのものとなってい
る。
【0022】すなわち、このガードリング電極18は、
図示されない外部回路へ接続され、所定の電圧が印加さ
れるようになっており、それにより、参照電極17と対
向用段部7との間に生ずる電気力線を直線状とし、従来
のように参照電極17の端部で、電気力線が外部へ湾曲
して、外部との間でいわゆる浮遊容量が発生することに
より、静電容量値が不安定となるようなことが抑圧され
るようになっている。
【0023】そして、参照電極17は、参照電極用引出
配線20を介して第2の外部接続用電極23へ、ガード
リング電極18は、ガードリング電極用引出配線21を
介して第3の外部接続用電極24へ、それぞれ接続され
ている。すなわち、導電性部材からなる参照電極用引出
配線20は、その一端が、検出電極16と検出電極用引
出配線19とが接続された部位近傍に位置する参照電極
17の一端側と接続されており、他端が、第2の外部接
続用電極23に接続されている。そして、参照電極用引
出配線20は、先の検出電極用引出配線19と同様に配
置されたものとなっている。すなわち、参照電極用引出
配線20のXY平面におけるその配置形状は、先の検出
電極用引出配線19のそれと略相似形となっている。
【0024】また、導電性部材からなるガードリング電
極用引出配線21は、その一端が、検出電極16と検出
電極用引出配線19とが接続された部位近傍に位置する
ガードリング電極18の一端側と接続されており、他端
が、第3の外部接続用電極24に接続されている。そし
て、ガードリング電極用引出配線21は、先の検出電極
用引出配線19と同様に配置されたものとなっている。
すなわち、ガードリング電極用引出配線21のXY平面
におけるその配置形状は、先の検出電極用引出配線19
のそれと略相似形となっている。なお、この発明の実施
の形態においては、先の検出電極用引出配線19が第1
の基板1のY軸方向に沿う一方の縁に最も近く配設さ
れ、次に、参照電極用引出配線20が、次に、ガードリ
ング電極用引出配線21が、それぞれ順に第1の基板1
のY軸方向に沿う一方の縁近傍に配設されたものとなっ
ている。
【0025】ここで、検出電極用引出配線19、参照電
極用引出配線20及びガードリング電極用引出配線21
が、第1の基板1の長手軸方向(Y軸方向)に沿って直
線状に配設された部位は、既に述べたように第2の基板
2に形成された容量抑圧用段部11と所定間隙を介して
対向している。このため、容量抑圧用段部11がなく、
検出電極用引出配線19、参照電極用引出配線20及び
ガードリング電極用引出配線21が、第2の基板2の平
面部分に当接される(但し、この場合、第2の基板2の
表面には、シリコン酸化膜が形成されて電気的な絶縁が
施される)場合に比して、これら検出電極用引出配線1
9、参照電極用引出配線20及びガードリング電極用引
出配線21と第2の基板2との間に生ずる寄生容量が極
めて小さなものとなる。したがって、検出用コンデンサ
8及び参照用コンデンサ9の実際の静電容量が設計値か
ら大きくずれることが回避されることとなる。
【0026】なお、容量抑圧用段部11は、上述のよう
な目的で設けられたものであり、この目的のみを考える
のであれば、均衡用段部15は、特に必要とされない。
しかしながら、容量抑圧用段部11を設けたことによ
り、連通路6a,6bの開口付近を望んだ場合、連通路
6a側における流体の流れの状態と、連通路6b側にお
ける流体の流れの状態とでは、仮に、均衡用段部15が
設けられていないとすると、それぞれ同様ではなく、流
体の流れに乱れが生ずると予想され、これを抑圧するた
め、均衡用段部15が設けられたものとなっている。
【0027】上記構成を有してなる静電型マイクロフロ
ーセンサS1の製造は、半導体製造技術と機械加工技術
との融合であるいわゆるマイクロマシニング技術を用い
て行うことができるものである。第1の基板1と第2の
基板2は、それぞれ別個にマイクロマシニング技術によ
り製造し、最後に相互の接合を行う。この第1の基板1
と第2の基板2との接合は、例えばいわゆる陽極接合法
を用いて行うことができる。
【0028】次に、上記構成における静電型マイクロフ
ローセンサS1の使用方法、動作等について説明する。
まず、この静電容量型マイクロフローセンサS1は、流
体の流れに対して連通路6a,6bの外部への開口部分
が正対するように配置して用いられる。その結果、連通
路6a,6bの開口近傍には、いわゆるよどみ点が生
じ、この点の圧力は、いわゆる全圧Ptotとなる。同時
に、計測凹部3内の圧力も同じく全圧Ptotとなる一
方、この静電容量型マイクロフローセンサS1の外部で
は、ダイヤフラム5の付近で、静圧Pstatが生ずること
となる。
【0029】そのため、ダイヤフラム5には、全圧Pto
tと静圧Pstatとの差である差圧Pdynが作用し、ダイヤ
フラム5は、計測凹部3の内側から外部へ向かって差圧
Pdynの大きさに応じて撓むこととなる。このダイヤフ
ラム5の撓みにより、ボス部4がZ軸方向で変位するこ
ととなり、その変位は、差圧Pdynに応じたものである
ため、ボス部4の変位に伴う静電容量CDET変化は、
差圧Pdynに応じたものとなる。換言すれば、差圧Pdyn
が静電容量CDETの変化として検出されることとな
る。
【0030】ここで、計測凹部3には、流体の流れ込み
により気泡が生じる場合がある。計測凹部3におけるこ
のような気泡の発生は、計測凹部3内の圧力に影響を及
ぼし、結局、計測誤差の原因となるため、極力取り除か
れる必要がある。この発明の実施の形態における静電型
マイクロフローセンサS1においては、気泡排出用通路
10a,10bが、計測凹部3に連通するように設けら
れているため、内部に生じた気泡は、気泡排出用通路1
0a,10bを介して外部へ排出されるため、気泡によ
る計測誤差の発生が抑圧されるようになっている。
【0031】ところで、差圧Pdyn(=Ptot−Pstat)
と流速Vfとの間には、Vf=α×(Ptot−Pstat)
1/2という公知・周知の関係が成立することから、予
め流速Vf、差圧Pdyn及び静電容量CDETの関係を調
べておくことで静電容量CDE の大きさから流速Vf
を知ることができる。ここで、検出用コンデンサ8の静
電容量CDETは、実際には、図5に示されたような検
出回路によって、電圧に変換されて、静電容量CDET
の変化は、電圧変化として検出されることとなるので、
結局、その電圧値から流速を知ることができることとな
る。
【0032】次に、上述した静電容量型マイクロフロー
センサS1の静電容量による流速検出に用いられる検出
回路例について図5を参照しつつ説明する。この検出回
路は、第1乃至第4のダイオード31a〜31dによる
いわゆるダイオードブリッジ30を有しており、このダ
イオードブリッジ30に対して静電容量型マイクロフロ
ーセンサS1における検出用コンデンサ8及び参照用コ
ンデンサ9並びに外部第1及び第2のコンデンサ32
a,32bによる静電容量を介して交流信号(Esinω
t)が印加されるようになっている。すなわち、図5に
おいて二点鎖線で囲まれた部分は、静電容量型マイクロ
フローセンサS1による検出用コンデンサ8及び参照用
コンデンサ9の部分であり、まず、検出用コンデンサ8
の一端、すなわち、第1の外部接続用電極22は、第1
及び第2のダイオード31a,31bの接続点に、ま
た、他端、すなわち、第4の外部接続用電極25は、ア
ースに接続されている。一方、参照用コンデンサ9の一
端、すなわち、第2の外部接続用電極23は、第3及び
第4のダイオード31c,31dの接続点に接続されて
いる。
【0033】また、外部第1及び外部第2のコンデンサ
32a,32bが直列接続されて、第1及び第2のダイ
オード31a,31bに対して並列接続されると共に、
外部第1のコンデンサ32aと外部第2のコンデンサ3
2bの接続点とアースとの間に交流信号(Esinωt)が
印加されるようになっている。そして、ダイオードブリ
ッジ30の後段側には、演算増幅器34を中心に構成さ
れたいわゆる差動増幅回路33が設けられており、後述
するようにダイオードブリッジ30を介した静電容量型
マイクロフローセンサS1の静電容量CDETと静電容
量CREFとの比に応じた電圧信号が差動増幅されて出
力されるようになっている。
【0034】すなわち、第3のダイオード31cのカソ
ードは、第5及び第1の抵抗器35e,35aを介して
演算増幅器34の反転入力端子に、第4のダイオード3
1dのアノードは、第6及び第3の抵抗器35f,35
cを介して演算増幅器34の非反転入力端子に、それぞ
れ接続されている。なお、第5及び第1の抵抗器35
e,35aの相互の接続点とアース間並びに第6及び第
3の抵抗器35f,35cの相互の接続点とアース間に
は、いわゆるノイズ除去のための第1のノイズ除去用コ
ンデンサ36a,第2のノイズ除去用コンデンサ36b
がそれぞれ接続されている。そして、演算増幅器34の
出力端子と反転入力端子との間には、いわゆる帰還抵抗
器としての第2の抵抗器35bが接続されており、ま
た、演算増幅器34の非反転入力端子とアースとの間に
は、第4の抵抗器35dが接続されている。
【0035】次に、かかる構成における動作を説明すれ
ば、まず、参照用コンデンサ9の静電容量値C
REFは、流速が零の場合の検出用コンデンサ8の静電
容量値CDE と等しく設定されているとする。また、
第1及び第3の抵抗器35a,35cの抵抗値は共に等
しく、さらに、第2及び第4の抵抗器35b,35dの
抵抗値は共に等しいとする。またさらに、ガードリング
電極18には、第3の外部接続用電極24を介して、外
部から所定の直流電圧が印加されているものとする。か
かる前提条件の下、流速が零の場合には、第3のダイオ
ード31cのカソード側の電圧と、第4のダイオード3
1dのアノード側の電圧とが等しくなるため、演算増幅
器34からの差動出力は零となる。
【0036】一方、ある大きさの流速が生ずると、静電
容量CDETは、その流速の大きさに応じた値に変化す
るため、静電容量CREFとの比が変化することとな
る。そのため、第3のダイオード31cのカソードと第
4のダイオード31dのアノード間の電圧が変化し、演
算増幅器34により所定増幅度で差動増幅される結果、
演算増幅器34からは、流速の大きさに応じた差動出力
電圧が得られることとなる。したがって、予め流速と演
算増幅器34の出力電圧との関係を調べておけば、演算
増幅器34の出力電圧を基に、静電容量型マイクロフロ
ーセンサS1により検出された流速を直ちに知ることが
可能となる。
【0037】ここで、参照用コンデンサ9は、演算増幅
器34により得られる出力電圧、換言すれば流速の計測
精度を向上させる働きをなしている。すなわち、従来
は、静電容量型マイクロフローセンサに形成された参照
用コンデンサ9ではなく、上述した検出回路側に設けら
れた、通常、電子回路で用いられるコンデンサであっ
た。したがって、その電気的特性は、当然の事ながら、
検出用コンデンサ8の電気的特性と異なるものであり、
そのため、温度等によりその値が変動した場合、その検
出回路に設けられたコンデンサの静電容量の変動の仕方
と、検出用コンデンサ8の静電容量CDETのそれとは
異なるものであった。そのため、それら二つの静電容量
比が変化することとなり、差圧Pdynに対応した本来の
出力電圧が演算増幅器34から得られなくなり、測定結
果としての流速値の精度が低下するという欠点があっ
た。
【0038】このため、流速の所望の測定精度を確保す
るには、上述のような2つの静電容量の比の変化に起因
する出力電圧の誤差を補償するようないわゆる補償回路
を必要とするものであった。ところが、参照用コンデン
サ9は、検出用コンデンサ8と基本的に同一の電気的特
性を有するものであるため、その容量値の変動も静電容
量CDETのそれと略同一となり、例え温度等により検
出用コンデンサ8及び参照用コンデンサ9の静電容量の
温度変化が生じても、両者の比は略一定となり、上述し
たような欠点が解消されることとなる。
【0039】一方、ガードリング電極18には、外部か
らの所定の電圧を印加することによって、参照電極17
の端部での電気力線の外側への漏洩をなくし、いわゆる
浮遊容量の発生を抑圧して参照用コンデンサ9の容量値
が所定値に保持されるようになっている。
【0040】次に、第2の発明の実施の形態における静
電容量型マイクロフローセンサS2について図2及び図
3を参照しつつ説明する。この静電容量型マイクロフロ
ーセンサS2は、ニ方向の流速、流量の計測を可能とし
たもので、基本的には、先の図1に示された構成をZ軸
方向で2組設けるようにしてなるものである。以下、具
体的に説明すれば、まず、この静電容量型マイクロフロ
ーセンサS2は、板状の3枚の部材を積層したいわゆる
三層構造を有するものとなっている。なお、説明の便宜
上、図2に示されたように、X,Y,Zの互いに直交す
る3軸による3次元座標を定義することとする。ここ
で、X軸は、第1乃至第3の基板1A,2A,2Bの短
手軸方向に沿い、Y軸は、第1乃至第3の基板1A,2
A,2Bの長手軸方向に沿い、Z軸は、第1乃至第3の
基板1A,2A,2Bの厚み方向(紙面上下方向)に沿
うものとする。
【0041】すなわち、この静電容量型マイクロフロー
センサS2は、半導体部材、例えばシリコンからなる第
2及び第3の基板2A,2Bによって、絶縁性部材、例
えばガラスからなる第1の基板1Aが挟持されるように
して相互に接合されて、三層に積層されたものとなって
いるものである(図2参照)。そして、第1及び第2の
基板1A,2Aにより第1のセンサ部41が、第1及び
第3の基板1A,2Bにより第2のセンサ部42が、そ
れぞれ構成されたものとなっている。
【0042】第2及び第3の基板2A,2Bは、以下、
述べるように基本的には、先の第2の基板2の構成と略
同一の構成を有するものとなっている。まず、第2の基
板2Aは、一部の構成を除いて先の図1に示された第2
の基板2の構成と、基本的に同一のものである。すなわ
ち、この例における第2の基板2Aが、先の第2の基板
2の構成と異なる点は、均衡用段部15(図1参照)が
設けられていない点にある。なお、他の構成部分につい
ては、先の第2の基板2と同一であるので、図1におい
て示された符号と同一の符号を付してその詳細な説明は
省略することとする。また、第3の基板2Bは、第1の
基板1Aに対する位置が、第2の基板2Aと異なること
に起因して、図2に示されたように第1の基板1Aと接
合される面側で見た場合に、外部接続用切り欠き部12
A等の各々の部位の位置が、先の図1に示された第2の
基板2における対応する各々の部位に対していわゆる線
対称となっている点、及び均衡用段部15が設けられて
いない点が異なるだけで、基本的な構成は第2の基板2
と変わるところがないものである。すなわち、第3の基
板2Bの各々の部位の位置は、例えば図1に示された第
2の基板2の中心を通り、X軸方向に沿う仮想的な中心
線を想定した場合、その仮想的な中心線に対して第2の
基板2の各々の部位を線対称の位置に移した位置に設け
られたものとなっている。
【0043】第3の基板2Bは、その全体外形形状が略
矩形状に形成されてなり、その略中央付近に次述する計
測凹部3A等が形成されたものとなっているものである
(図3参照)。すなわち、第3の基板2Bには、第1の
基板1Aとの接合面側において、その略中央には、XY
平面における外周形状が枠状の計測凹部3Aが凹設さ
れ、この計測凹部3Aに囲まれるようにしてボス部4A
が形成されている(図3参照)。計測凹部3Aは、この
第3の基板2Bがシリコンを用いてなる場合には、シリ
コンエッチングを施すことで形成されるものである。そ
して、この計測凹部3Aの底部は、そのエッチングによ
る形成の際に、所定の膜厚を有する薄膜に形成されてダ
イヤフラム5Aとなっている。
【0044】さらに、この枠状に形成された計測凹部3
AのX軸方向の一方の端部と、第3の基板2Bの端面と
の間には、2つの連通路6c,6dが凹設されている。
すなわち、2つの連通路6c,6dは、それぞれ、計測
凹部3AのX軸方向に沿うそれぞれの側路3c,3dの
一方の端部から延設されて、第3の基板2Bの長手軸方
向(Y軸方向)の一方の端面にそれぞれ開口するように
形成されたものとなっている。そのため、第3の基板2
Bの端面に位置するそれぞれの連通路6c,6dの開口
部分から、計測凹部3Aを望んだ場合、その途中におい
て開口部の形状と異なる部位がなく、X軸方向に直線状
に連通路6c,6dと計測凹部3Aの側路3c,3dと
が連続する状態となる。
【0045】一方、ボス部4Aは、そのXY平面形状が
矩形状に形成されたものとなっており、しかも、そのZ
軸方向の厚みは、第1の基板1Aと第3の基板2Bとが
接合された状態において、後述する第1の基板1Aの第
3の基板用検出電極16Aと所定の間隙を介して対向す
るように設定されたものとなっている。そして、ボス部
4Aと第3の基板用検出電極16Aとにより第3の基板
側検出用コンデンサ8Aが構成されるようになってい
る。なお、所定の間隙は、例えば数十ミクロン程度の大
きさである。また、このボス部4Aの平面部分、すなわ
ち、第3の基板用検出電極16Aと対向する対向面の面
積と第3の基板用検出電極16Aの面積とは略同一に設
定されている。
【0046】また一方、計測凹部3Aの周囲において、
連通路6c,6dが形成される側を除く周囲三方には、
いわゆる「コ」字状に対向用段部7Aが形成されてお
り、第1及び第3の基板1A,2Bが接合された状態に
おいて、この対向用段部7Aと、後述する第1の基板1
Aの第3の基板用参照電極17A及び第3の基板用ガー
ドリング電極18Aとの間に所定の間隙が生ずるように
なっている。そして、この対向用段部7Aと第3の基板
用参照電極17Aとにより第3の基板側参照用コンデン
サ9Aが構成されるようになっている。対向用段部7A
の周辺の平面部分Aは、第1の基板1Aとの接合面とな
っており、その表面には、酸化シリコン膜(図示せず)
が形成されて絶縁処理が施されたものとなっている。
【0047】また、対向用段部7Aの周囲の平面部分A
の内、先の連通路6c,6dが形成された部位と反対側
の部位においては、対向用段部7Aに連通するように2
つの気泡排出用通路10c,10dがY軸方向で適宜な
間隔を隔てて凹設されており、これら2つの気泡排出用
通路10c,10dの他端側(対向用段部7Aに連通す
る側と反対側の端部)は、外部に開口するものとなって
いる。このため、計測凹部3Aは、この気泡排出用通路
10c,10dを介して外部と連通するようになってい
る。さらに、連通路6c,6dが設けられた側の縁付近
においては、一方の連通路6dの側部に隣接してY軸方
向の一方の端部近傍まで容量抑圧用段部11AがY軸方
向に沿って形成されている。そして、この容量抑圧用段
部11Aは、後述する第1の基板1Aの第3の基板側検
出電極用引出配線19A、第3の基板側参照電極用引出
配線20A及び第3の基板側ガードリング電極用引出配
線21Aが第1の基板1AのY軸方向に沿って直線状に
配設される部位と所定間隙を介して対向するようになっ
ている。
【0048】またさらに、第3の基板2Bには、Y軸方
向の一方の端部近傍が切り欠かれて外部接続用切り欠き
部12Aが形成されている。また、第3の基板2Bの裏
面、すなわち、第1の基板1Aとの接合面と反対側の面
においては、丁度先のボス部4Aの略中央部分に対応す
る位置に導電性部材からなる矩形状の第3の基板側ボス
部用電極13Aが形成される一方、外部接続部用切り欠
き部12Aの近傍の部位には、導電性部材からなる矩形
状の第3の基板側第4の外部接続用電極25Aが形成さ
れている。そして、この第3の基板側ボス部用電極13
Aと第3の基板側第4の外部接続用電極25Aとの間
は、両者の間に適宜に配設された導電性部材からなる第
3の基板側ボス部用引出配線14Aにより接続されてお
り、ボス部4Aが外部回路と接続できるようになってい
る。かかる構成を有してなる第3の基板2Bは、その連
通路6c,6dが、第2の基板2Aの連通路6a,6d
と、X軸方向において、丁度正対するようにして第1の
基板1Aと接合されるものとなっている(図2参照)。
【0049】一方、第1の基板1Aは、ガラス基板を用
いて、その全体外形形状が矩形状に形成されてなり、第
2の基板2Aとの接合面側と、第3の基板2Bとの接合
面側のそれぞれにおいて、先の図1に示された第1の基
板1の第2の基板2との接合面側の構成と同一となって
いるものである(図2参照)。なお、図2においては、
第1の基板1Aがガラス基板であるため、本来は、第2
の基板2Aとの接合面側に配置される検出電極等が、図
示されたような位置からも視認できるが、ここでは、図
を見易くする観点から、第2の基板2Aと接合される第
1の基板1Aの平面部分の各種電極等の配置は省略して
ある。第2の基板2Aと接合される第1の基板1Aの平
面部分に配設される各種の電極等の配置等は、図1に示
されたと同一であるので、以下の説明においては、必要
がある場合には、図1に示された符号を引用することと
し、その詳細な説明は省略することとする。
【0050】第1の基板1Aの第3の基板2Bとの接合
面側における構成も基本的には図1に示された第1の基
板1のそれと同様である。すなわち、第1の基板1Aに
おいて、第3の基板2Bとの接合面側には、導電性部
材、例えば、ITO(Indium Tin Oxide)からなる第3の
基板用検出電極16Aが、第3の基板2Bのボス部4の
平面部分に対応する位置に形成されている(図2参
照)。また、第3の基板用検出電極16Aが配設された
第1の基板1Aの平面部分には、第3の基板用検出電極
16Aを外部回路と接続可能にするために、導電性部
材、例えばアルミニウムからなる短冊状の第3の基板側
検出電極用引出配線19Aが形成されており、その一端
は、第3の基板用検出電極16Aと接続され、他端は、
第1の基板1Aの一方の側部に形成された導電性部材か
らなる第3の基板側第1の外部接続用電極22Aに接続
されたものとなっている。
【0051】この例の場合、第3の基板側検出電極用引
出配線19Aは、その一端が第3の基板用検出電極16
Aの一つの角に接合されており、この角から直線状に引
き出されて、直近の長手軸方向(Y軸方向)に沿う一方
の縁まで延びて、そこで第3の基板側第1乃至第3の外
部接続用電極22A〜24Aが位置する短手軸方向に沿
う一方の縁へ向かって直角に折曲されている。そして、
第3の基板側検出電極用引出配線19Aは、その直角に
折曲された部位から直線状に延び、短手軸方向に沿う一
方の縁のやや手前側で再び内側へ直角に折曲されて、第
3の基板側第1の外部接続用電極22Aの近傍まで直線
状に配設されている。そして、第3の基板側検出電極用
引出配線19Aは、第3の基板側第1の外部接続用電極
22Aの近傍で第3の基板側第1の外部接続用電極22
A側へ直角に折曲されて、その一端が第3の基板側第1
の外部接続用電極22Aに接合されたものとなってい
る。
【0052】また、第1の基板1Aには、第3の基板2
Bとの接合面側において、先の第3の基板2Bの外部接
続用切り欠き部12Aに対応する部位に、導電性部材か
らなり、そのXY平面形状が矩形状に形成されてなる第
3の基板側第1乃至第3の外部接続用電極22A〜24
AがX軸方向で適宜な間隔を隔てて配設されている。一
方、第3の基板用検出電極16Aの周囲、より具体的に
は、連通路6c,6d側に位置する部位を除く周囲三方
には、導電性部材からなる第3の基板用参照電極17A
と第3の基板用ガードリング電極18Aが、先の第3の
基板2Bの対向用段部7Aに対向する部位に相互に適宜
な間隔を隔てて配設されている。この発明の実施の形態
においては、第3の基板用参照電極17Aが第3の基板
用検出電極16A側に、第3の基板用ガードリング電極
18Aが第3の基板用参照電極17Aの外側となるよう
に配設されており、第3の基板用ガードリング電極18
Aは、第3の基板用参照電極17Aと並行するように設
けられている。
【0053】ここで、第3の基板用参照電極17Aは、
対向用段部7Aと対向するその合計面積が、第3の基板
用検出電極16Aの面積と同一となるように、その幅、
長さ等が設定されている。すなわち、第3の基板用参照
電極17Aと対向用段部7Aの平面部分とにより第3の
基板側参照用コンデンサ9Aが形成されるようになって
おり、しかも、その静電容量CREFは、第3の基板用
検出電極16Aとボス部4Aとで形成される第3の基板
側検出用コンデンサ8Aの静電容量CDETと同一とな
るようにしてある。なお、第3の基板側参照用コンデン
サ9Aの静電容量をこのように設定するのは、図5の説
明で述べたと同様に外部の検出回路による流速検出精度
の向上を図るためである。また、第3の基板用ガードリ
ング電極18Aは、第3の基板用参照電極17Aの外側
に、第3の基板用参照電極17Aと略同様な配置形状に
配設されたものとなっている。この第3の基板用ガード
リング電極18Aは、第3の基板用参照電極17Aの端
部における電気力線の分布に起因するいわゆる浮遊容量
の発生を抑圧するためのものとなっている。
【0054】すなわち、この第3の基板用ガードリング
電極18Aは、図示されない外部回路へ接続され、所定
の電圧が印加されるようになっており、それにより、第
3の基板用参照電極17Aと対向用段部7Aとの間に生
ずる電気力線を直線状とし、従来のように第3の基板用
参照電極17Aの端部で、電気力線が外部へ湾曲して、
外部との間でいわゆる浮遊容量が発生することにより、
静電容量値が不安定となるようなことが抑圧されるよう
になっている。
【0055】そして、第3の基板用参照電極17Aは、
第3の基板側参照電極用引出配線20Aを介して第3の
基板側第2の外部接続用電極23Aへ、第3の基板用ガ
ードリング電極18Aは、第3の基板側ガードリング電
極用引出配線21Aを介して第3の基板側第3の外部接
続用電極24Aへ、それぞれ接続されている。すなわ
ち、導電性部材からなる第3の基板側参照電極用引出配
線20Aは、その一端が、第3の基板用検出電極16A
と第3の基板側検出電極用引出配線19Aとが接続され
た部位近傍に位置する第3の基板用参照電極17Aの一
端側と接続されており、他端が、第3の基板側第2の外
部接続用電極23Aに接続されている。そして、第3の
基板側参照電極用引出配線20Aは、先の第3の基板側
検出電極用引出配線19Aと同様に配置されたものとな
っている。すなわち、第3の基板側参照電極用引出配線
20AのXY平面におけるその配置形状は、先の第3の
基板側検出電極用引出配線19Aのそれと略相似形とな
っている。
【0056】また、導電性部材からなる第3の基板側ガ
ードリング電極用引出配線21Aは、その一端が、第3
の基板用検出電極16Aと第3の基板側検出電極用引出
配線19Aとが接続された部位近傍に位置する第3の基
板用ガードリング電極18Aの一端側と接続されてお
り、他端が、第3の基板側第3の外部接続用電極24A
に接続されている。そして、第3の基板側ガードリング
電極用引出配線21Aは、先の第3の基板側検出電極用
引出配線19Aと同様に配置されたものとなっている。
すなわち、第3の基板側ガードリング電極用引出配線2
1AのXY平面におけるその配置形状は、先の第3の基
板側検出電極用引出配線19Aのそれと略相似形となっ
ている。なお、この発明の実施の形態においては、先の
第3の基板側検出電極用引出配線19Aが第1の基板1
AのY軸方向に沿う一方の縁に最も近く配設され、次
に、第3の基板側参照電極用引出配線20Aが、次に、
第3の基板側ガードリング電極用引出配線21Aが、そ
れぞれ順に第1の基板1AのY軸方向に沿う一方の縁近
傍に配設されたものとなっている。
【0057】ここで、第3の基板側検出電極用引出配線
19A、第3の基板側参照電極用引出配線20A及び第
3の基板側ガードリング電極用引出配線21Aが、第1
の基板1Aの長手軸方向(Y軸方向)に沿って直線状に
配設された部位は、既に述べたように第3の基板2Bに
形成された容量抑圧用段部11Aと所定間隙を介して対
向している。このため、容量抑圧用段部11Aがなく、
第3の基板側検出電極用引出配線19A、第3の基板側
参照電極用引出配線20A及び第3の基板側ガードリン
グ電極用引出配線21Aが、第3の基板2Bの平面部分
に当接される(但し、この場合、第3の基板2Bの表面
には、シリコン酸化膜が形成されて電気的な絶縁が施さ
れる)場合に比して、これら第3の基板側検出電極用引
出配線19A、第3の基板側参照電極用引出配線20A
及び第3の基板側ガードリング電極用引出配線21Aと
第3の基板2Bとの間に生ずる寄生容量が極めて小さな
ものとなる。したがって、第3の基板側検出用コンデン
サ8A及び第3の基板側参照用コンデンサ9Aの実際の
静電容量が設計値から大きくずれることが回避されるこ
ととなる。
【0058】次に、上述した静電容量型マイクロフロー
センサS2の使用法、動作等について説明する。まず、
この静電容量型マイクロフローセンサS2を用いる際に
は、先に図5に例示された検出回路は、第1のセンサ部
41に対するものと、第2のセンサ部42に対するもの
と、2組必要となる。それぞれのセンサ部41,42
と、検出回路との接続は、先の図5において説明したも
のと基本的に同様であるので、ここでの再度の詳細な説
明は省略する。また、流体の流れが仮にX軸方向にある
とすると、第1のセンサ部41の連通路6a,6b及び
第2のセンサ部42の連通路6c,6dが、X軸方向に
沿うようにして、静電容量型マイクロフローセンサS2
を流体中に配置する。そして、流体の流れが、例えば、
図2において実線矢印X1で示された方向である場合に
は、第1のセンサ部41により、また、流体の流れが図
2において実線矢印X2で示された方向である場合に
は、第2のセンサ部42により、それぞれ流速の計測が
可能となる。なお、第1及び第2のセンサ部41,42
のそれぞれにおける流速計測の際の動作原理は、先に図
1に示された静電容量型マイクロフローセンサS1で説
明したのと同様であるので、ここでの再度の詳細な説明
は省略することとする。
【0059】次に、第3の発明の実施の形態における静
電容量型マイクロフローセンサS3について、図4を参
照しつつ説明する。この静電容量型マイクロフローセン
サS3は、同一平面内に基本的に先の図1に示された構
成を有してなる2つのセンサ部43,44が設けられ、
しかも、互いに逆方向の流速計測を可能としてなるもの
である。この静電容量型マイクロフローセンサS3は、
絶縁性部材、例えばガラスからなる第1の基板1Bと、
半導体部材、例えばシリコンからなる第2の基板2Cと
が接合されて構成されたものとなっている。なお、説明
の便宜上、図4に示されたように、X,Y,Zの互いに
直交する3軸による3次元座標を定義することとする。
ここで、X軸は、第1及び第2の基板1B,2Cの短手
軸方向に沿い、Y軸は、第1及び第2の基板1B,2C
の長手軸方向に沿い、Z軸は、第1及び第2の基板1
B,2Cの厚み方向(紙面上下方向)に沿うものとす
る。
【0060】まず、第2の基板2Cは、その全体外形形
状が略矩形状に形成されてなり、次述するように第1及
び第2の計測凹部3B,3C等が形成されたものとなっ
ている。すなわち、第2の基板2Cの長手軸方向(Y軸
方向)において、その中央部分を境として、一方側が第
1の基板1Bとの対応部分とで第1のセンサ部43を形
成し、他方側が第1の基板1Bとの対応部分とで第2の
センサ部44を形成するものとなっている。第2の基板
2Cの中央部分を境として、第2の基板2Cの一方側
(図4において第2の基板2Cの長手軸方向奥側)にお
いて、その略中央部分には、XY平面における外周形状
が枠状の第1の計測凹部3Bが凹設され、この第1の計
測凹部3Bに囲まれるようにして第1のボス部4Bが形
成されている。
【0061】第1の計測凹部3Bは、この第2の基板2
Cがシリコンを用いてなる場合には、シリコンエッチン
グを施すことで形成されるものである。そして、この第
1の計測凹部3Bの底部は、そのエッチングによる形成
の際に、所定の膜厚を有する薄膜に形成されて第1のダ
イヤフラム5Bとなっている。
【0062】さらに、この枠状に形成された第1の計測
凹部3BのX軸方向の一方の端部と、第2の基板2Cの
端面との間には、2つの第1の連通路6e,6fが凹設
されている。すなわち、2つの第1の連通路6e,6f
は、それぞれ、第1の計測凹部3BのX軸方向に沿うそ
れぞれの側路3e,3fの一方の端部から延設されて、
第2の基板2Cの長手軸方向(Y軸方向)の一方の端面
にそれぞれ開口するように形成されたものとなってい
る。そのため、第2の基板2Cの端面に位置するそれぞ
れの第1の連通路6e,6fの開口部から、第1の計測
凹部3Bを望んだ場合、その途中において開口部の形状
と異なる部位がなく、X軸方向に直線状に第1の連通路
6e,6fと第1の計測凹部3Bの側路3e,3fとが
連続する状態となる。
【0063】一方、第1のボス部4Bは、そのXY平面
形状が矩形状に形成されたものとなっており、しかも、
そのZ軸方向の厚みは、第1の基板1Bと第2の基板2
Cとが接合された状態において、後述する第1の基板1
Bの第1の検出電極16Bと所定の間隙を介して対向す
るように設定されたものとなっている。そして、第1の
ボス部4Bと第1の検出電極16Bとにより第1の検出
用コンデンサ8Bが構成されるようになっている。な
お、所定の間隙は、例えば数十ミクロン程度の大きさで
ある。また、この第1のボス部4Bの平面部分、すなわ
ち、第1の検出電極16Bと対向する対向面の面積と第
1の検出電極16Bの面積とは略同一に設定されてい
る。
【0064】また一方、第1の計測凹部3Bの周囲にお
いて、第1の連通路6e,6fが形成される側を除く周
囲三方には、いわゆる「コ」字状に第1の対向用段部7
Bが形成されており、第1及び第2の基板1B,2Cが
接合された状態において、この第1の対向用段部7B
と、後述する第1の基板1Bの第1の参照電極17B及
び第1のガードリング電極18Bとの間に所定の間隙が
生ずるようになっている。第1の対向用段部7Bの周辺
の平面部分Aは、第1の基板1Bとの接合面となってお
り、その表面には、酸化シリコン膜(図示せず)が形成
されて絶縁処理が施されたものとなっている。
【0065】また、第1の対向用段部7Bの周囲の平面
部分Aの内、先の第1の連通路6e,6fが形成された
部位と反対側の部位においては、第1の対向用段部7B
に連通するように2つの第1の気泡排出用通路10e,
10fがY軸方向で適宜な間隔を隔てて凹設されてお
り、第1の気泡排出用通路10e,10fの他端側(第
1の対向用段部7Bに連通する側と反対側の端部)は、
外部に開口するものとなっている。このため、第1の計
測凹部3Bは、この第1の気泡排出用通路10e,10
fを介して外部と連通するようになっている。さらに、
第1の連通路6e,6fが設けられた側の第2の基板2
Cの縁付近においては、一方の第1の連通路6eの側部
に隣接してY軸方向の一方の端部近傍まで第1の容量抑
圧用段部11BがY軸方向に沿って形成されている。そ
して、第1の容量抑圧用段部11Bは、後述する第1の
検出電極用引出配線19B、第1の参照電極用引出配線
20B及び第1のガードリング電極用引出配線21Bが
第1の基板1BのY軸方向に沿って直線状に配設される
部位と所定間隙を介して対向するようになっている。
【0066】またさらに、第2の基板2Cには、Y軸方
向の一方の端部近傍が切り欠かれて第1の外部接続用切
り欠き部12Bが形成されている。また、第2の基板2
Cの裏面、すなわち、第1の基板1Bとの接合面と反対
側の面においては、丁度先の第1のボス部4Bの略中央
部分に対応する位置に導電性部材からなる矩形状の第1
のボス部用電極13Bが形成される一方、第1の外部接
続部用切り欠き部12Bの近傍の部位には、導電性部材
からなる矩形状の第4の外部接続用電極25Bが形成さ
れている。そして、この第1のボス部用電極13Bと第
4の外部接続用電極25Bとの間は、両者の間に適宜に
配設された導電性部材からなる第1のボス部用引出配線
14Bにより接続されており、第1のボス部4Bが外部
回路と接続できるようになっている。
【0067】一方、第2の基板2Cの中央部を境とし
て、第2の基板2Cの他方側(図4において第2の基板
2Cの長手軸方向手前側)において、その略中央部分に
は、XY平面における外周形状が枠状の第2の計測凹部
3Cが凹設され、この第2の計測凹部3Cに囲まれるよ
うにして第2のボス部4Cが形成されている。第2の計
測凹部3Cは、この第2の基板2Cがシリコンを用いて
なる場合には、シリコンエッチングを施すことで形成さ
れるものである。そして、この第2の計測凹部3Cの底
部は、そのエッチングによる形成の際に、所定の膜厚を
有する薄膜に形成されて第2のダイヤフラム5Cとなっ
ている。
【0068】さらに、この枠状に形成された第2の計測
凹部3CのX軸方向の一方の端部と、第2の基板2Cの
端面との間には、2つの第2の連通路6g,6hが凹設
されている。すなわち、2つの第2の連通路6g,6h
は、それぞれ、第2の計測凹部3CのX軸方向に沿うそ
れぞれの側路3g,3hの一方の端部から延設されて、
第2の基板2Cの長手軸方向(Y軸方向)の一方の端面
にそれぞれ開口するように形成されたものとなってい
る。そのため、第2の基板2Cの端面に位置するそれぞ
れの第2の連通路6g,6hの開口部から、第2の計測
凹部3Cを望んだ場合、その途中において開口部の形状
と異なる部位がなく、X軸方向に直線状に第2の連通路
6g,6hと第2の計測凹部3Cの側路3g,3hとが
連続する状態となる。
【0069】一方、第2のボス部4Cは、そのXY平面
形状が矩形状に形成されたものとなっており、しかも、
そのZ軸方向の厚みは、第1の基板1Bと第2の基板2
Cとが接合された状態において、後述する第1の基板1
Bの第2の検出電極16Cと所定の間隙を介して対向す
るように設定されたものとなっている。そして、第2の
ボス部4Cと第2の検出電極16Cとにより第2の検出
用コンデンサ8Cが構成されるようになっている。な
お、所定の間隙は、例えば数十ミクロン程度の大きさで
ある。また、この第2のボス部4Cの平面部分、すなわ
ち、第2の検出電極16Cと対向する対向面の面積と第
2の検出電極16Cの面積とは略同一に設定されてい
る。
【0070】また一方、第2の計測凹部3Cの周囲にお
いて、第2の連通路6g,6hが形成される側を除く周
囲三方には、いわゆる「コ」字状に第2の対向用段部7
Cが形成されており、第1及び第2の基板1B,2Cが
接合された状態において、この第2の対向用段部7C
と、後述する第1の基板1Bの第2の参照電極17C及
び第2のガードリング電極18Cとの間に所定の間隙が
生ずるようになっている。第2の対向用段部7Cの周辺
の平面部分Aは、第1の基板1Bとの接合面となってお
り、その表面には、酸化シリコン膜(図示せず)が形成
されて絶縁処理が施されたものとなっている。
【0071】また、第2の対向用段部7Cの周囲の平面
部分Aの内、先の第2の連通路6g,6hが形成された
部位と反対側の部位においては、第2の対向用段部7C
に連通するように2つの第2の気泡排出用通路10g,
10hがY軸方向で適宜な間隔を隔てて凹設されてお
り、第2の気泡排出用通路10g,10hの他端側(第
2の対向用段部7Cに連通する側と反対側の端部)は、
外部に開口するものとなっている。このため、第2の計
測凹部3Cは、第2の気泡排出用通路10g,10hを
介して外部と連通するようになっている。さらに、第2
の連通路6g,6hが設けられた側の第2の基板2Cの
縁付近においては、一方の第2の連通路6gの側部に隣
接してY軸方向の一方の端部近傍まで第2の容量抑圧用
段部11CがY軸方向に沿って形成されている。そし
て、第2の容量抑圧用段部11Cは、後述する第2の検
出電極用引出配線19C、第2の参照電極用引出配線2
0C及び第2のガードリング電極用引出配線21Cが第
1の基板1BのY軸方向に沿って直線状に配設される部
位と所定間隙を介して対向するようになっている。
【0072】またさらに、第2の基板2Cには、Y軸方
向の一方の端部近傍が切り欠かれて第2の外部接続用切
り欠き部12Cが形成されている。また、第2の基板2
Cの裏面、すなわち、第1の基板1Bとの接合面と反対
側の面においては、丁度先の第2のボス部4Cの略中央
部分に対応する位置に導電性部材からなる矩形状の第2
のボス部用電極13Cが形成される一方、第2の外部接
続部用切り欠き部12Cの近傍の部位には、導電性部材
からなる矩形状の第4の外部接続用電極25Cが形成さ
れている。そして、この第2のボス部用電極13Cと第
4の外部接続用電極25Cとの間は、両者の間に適宜に
配設された導電性部材からなる第2のボス部用引出配線
14Cにより接続されており、第2のボス部4Cが外部
回路と接続できるようになっている。
【0073】一方、第1の基板1Bは、ガラス基板を用
いて、その全体外形形状が矩形状に形成されてなり、第
2の基板2Cとの接合面側には、先の図1に示された第
1の基板1と基本的に同様にして、検出電極16B,1
6C等がそれぞれ2組ずつ設けられている。すなわち、
まず、第1の基板1Bの長手軸方向(Y軸方向)の中央
部を境にして、一方の側(図4において第1の基板1B
の長手軸方向奥側)においては、導電性部材、例えば、
ITO(Indium Tin Oxide)からなる第1の検出電極16
Bが、第2の基板2Cの第1のボス部4Bの平面部分に
対応する位置に形成されている。また、第1の検出電極
16Bが配設された第1の基板1Bの平面部分には、第
1の検出電極16Bを外部回路と接続可能にするため
に、導電性部材、例えばアルミニウムからなる短冊状の
第1の検出電極用引出配線19Bが形成されており、そ
の一端は、第1の検出電極16Bと接続され、他端は、
第1の基板1Bの一方の側部に形成された導電性部材か
らなる第1の外部接続用電極22Bに接続されたものと
なっている。
【0074】この例の場合、第1の検出電極用引出配線
19Bは、その一端が第1の検出電極16Bの一つの角
に接合されており、この角から直線状に引き出されて、
直近の長手軸方向(Y軸方向)に沿う一方の縁まで延び
て、そこで第1乃至第3の外部接続用電極22B,23
B,24Bが位置する短手軸方向に沿う一方の縁へ向か
って直角に折曲されている。そして、第1の検出電極用
引出配線19Bは、その直角に折曲された部位から直線
状に延び、短手軸方向に沿う一方の縁のやや手前側で再
び内側へ直角に折曲されて、第1の外部接続用電極22
Bの近傍まで直線状に配設されている。そして、第1の
検出電極用引出配線19Bは、第1の外部接続用電極2
2Bの近傍で第1の外部接続用電極22B側へ直角に折
曲されて、その一端が第1の外部接続用電極22Bに接
合されたものとなっている。
【0075】また、第1の基板1Bには、第2の基板2
Cとの接合面側において、先の第2の基板2Bの第1の
外部接続用切り欠き部12Bに対応する部位に、導電性
部材からなり、そのXY平面形状が矩形状に形成されて
なる第1乃至第3の外部接続用電極22B,23B,2
4BがX軸方向で適宜な間隔を隔てて配設されている。
一方、第1の検出電極16Bの周囲、より具体的には、
第1の連通路6e,6f側に位置する部位を除く周囲三
方には、導電性部材からなる第1の参照電極17Bと第
1のガードリング電極18Bが、先の第2の基板2Cの
第1の対向用段部7Bに対向する部位に相互に適宜な間
隔を隔てて配設されている。この発明の実施の形態にお
いては、第1の参照電極17Bが第1の検出電極16B
側に、第1のガードリング電極18Bが第1の参照電極
17Bの外側となるように配設されており、第1のガー
ドリング電極18Bは、第1の参照電極17Bと並行す
るように設けられている。
【0076】ここで、第1の参照電極17Bは、第1の
対向用段部7Bと対向するその合計面積が、第1の検出
電極16Bの面積と同一となるように、その幅、長さ等
が設定されている。すなわち、第1の参照電極17Bと
第1の対向用段部7Bの平面部分とにより第1の参照用
コンデンサ9Bが形成されるようになっており、しか
も、その静電容量CREFは、第1の検出電極16Bと
第1のボス部4Bとで形成される第1の検出用コンデン
サ8Bの静電容量CDETと同一となるようにしてあ
る。なお、第1の参照用コンデンサ9Bの静電容量をこ
のように設定するのは、既に、図5の説明で述べたと同
様に外部の検出回路による流速検出精度の向上を図るた
めである。また、第1のガードリング電極18Bは、第
1の参照電極17Bの外側に、第1の参照電極17Bと
略同様な配置形状に配設されたものとなっている。この
第1のガードリング電極18Bは、第1の参照電極17
Bの端部における電気力線の分布に起因するいわゆる浮
遊容量の発生を抑圧するためのものとなっている。
【0077】すなわち、この第1のガードリング電極1
8Bは、図示されない外部回路へ接続され、所定の電圧
が印加されるようになっており、それにより、第1の参
照電極17Bと第1の対向用段部7Bとの間に生ずる電
気力線を直線状とし、従来のように第1の参照電極17
Bの端部で、電気力線が外部へ湾曲して、外部との間で
いわゆる浮遊容量が発生することにより、静電容量値が
不安定となるようなことが抑圧されるようになってい
る。
【0078】そして、第1の参照電極17Bは、第1の
参照電極用引出配線20Bを介して第2の外部接続用電
極23Bへ、第1のガードリング電極18Bは、第1の
ガードリング電極用引出配線21Bを介して第3の外部
接続用電極24Bへ、それぞれ接続されている。すなわ
ち、導電性部材からなる第1の参照電極用引出配線20
Bは、その一端が、第1の検出電極16Bと第1の検出
電極用引出配線19Bとが接続された部位近傍に位置す
る第1の参照電極17Bの一端側と接続されており、他
端が、第2の外部接続用電極23Bに接続されている。
そして、第1の参照電極用引出配線20Bは、先の第1
の検出電極用引出配線19Bと同様に配置されたものと
なっている。すなわち、第1の参照電極用引出配線20
BのXY平面におけるその配置形状は、先の第1の検出
電極用引出配線19Bのそれと略相似形となっている。
【0079】また、導電性部材からなる第1のガードリ
ング電極用引出配線21Bは、その一端が、第1の検出
電極16Bと第1の検出電極用引出配線19Bとが接続
された部位近傍に位置する第1のガードリング電極18
Bの一端側と接続されており、他端が、第3の外部接続
用電極24Bに接続されている。そして、第1のガード
リング電極用引出配線21Bは、先の第1の検出電極用
引出配線19Bと同様に配置されたものとなっている。
すなわち、第1のガードリング電極用引出配線21Bの
XY平面におけるその配置形状は、先の第1の検出電極
用引出配線19Bのそれと略相似形となっている。な
お、この発明の実施の形態においては、先の第1の検出
電極用引出配線19Bが第1の基板1BのY軸方向に沿
う一方の縁に最も近く配設され、次に、第1の参照電極
用引出配線20Bが、次に、第1のガードリング電極用
引出配線21Bが、それぞれ順に第1の基板1BのY軸
方向に沿う一方の縁近傍に配設されたものとなってい
る。
【0080】ここで、第1の検出電極用引出配線19
B、第1の参照電極用引出配線20B及び第1のガード
リング電極用引出配線21Bが、第1の基板1Bの長手
軸方向(Y軸方向)に沿って直線状に配設された部位
は、既に述べたように第2の基板2Cに形成された第1
の容量抑圧用段部11Bと所定間隙を介して対向してい
る。このため、第1の容量抑圧用段部11Bがなく、第
1の検出電極用引出配線19B、第1の参照電極用引出
配線20B及び第1のガードリング電極用引出配線21
Bが、第2の基板2Cの平面部分に当接される(但し、
この場合、第2の基板2Cの表面には、シリコン酸化膜
が形成されて電気的な絶縁が施される)場合に比して、
これら第1の検出電極用引出配線19B、第1の参照電
極用引出配線20B及び第1のガードリング電極用引出
配線21Bと第2の基板2Cとの間に生ずる寄生容量が
極めて小さなものとなる。したがって、第1の検出用コ
ンデンサ8B及び第1の参照用コンデンサ9Bの実際の
静電容量が設計値から大きくずれることが回避されるこ
ととなる。
【0081】一方、第1の基板1Bの長手軸方向(Y軸
方向)の中央部を境にして、他方の側(図4において第
1の基板1Bの長手軸方向手前側)においては、導電性
部材、例えば、ITO(Indium Tin Oxide)からなる第2
の検出電極16Cが、第2の基板2Cの第2のボス部4
Cの平面部分に対応する位置に形成されている。また、
第2の検出電極16Cが配設された第1の基板1Bの平
面部分には、第2の検出電極16Cを外部回路と接続可
能にするために、導電性部材、例えばアルミニウムから
なる短冊状の第2の検出電極用引出配線19Cが形成さ
れており、その一端は、第2の検出電極16Cと接続さ
れ、他端は、第1の基板1Bの一方の側部に形成された
導電性部材からなる第1の外部接続用電極22Cに接続
されたものとなっている。
【0082】この例の場合、第2の検出電極用引出配線
19Cは、その一端が第2の検出電極16Cの一つの角
に接合されており、この角から直線状に引き出されて、
直近の長手軸方向(Y軸方向)に沿う一方の縁まで延び
て、そこで第1乃至第3の外部接続用電極22C,23
C,24Cが位置する短手軸方向に沿う一方の縁へ向か
って直角に折曲されている。そして、第2の検出電極用
引出配線19Cは、その直角に折曲された部位から直線
状に延び、短手軸方向に沿う一方の縁のやや手前側で再
び内側へ直角に折曲されて、第1の外部接続用電極22
Cの近傍まで直線状に配設されている。そして、第2の
検出電極用引出配線19Cは、第1の外部接続用電極2
2Cの近傍で第1の外部接続用電極22C側へ直角に折
曲されて、その一端が第1の外部接続用電極22Cに接
合されたものとなっている。
【0083】また、第1の基板1Bには、第2の基板2
Cとの接合面側において、先の第2の基板2Cの第2の
外部接続用切り欠き部12Cに対応する部位に、導電性
部材からなり、そのXY平面形状が矩形状に形成されて
なる第1乃至第3の外部接続用電極22C,23C,2
4CがX軸方向で適宜な間隔を隔てて配設されている。
一方、第2の検出電極16Cの周囲、より具体的には、
第2の連通路6g,6h側に位置する部位を除く周囲三
方には、導電性部材からなる第2の参照電極17Cと第
1のガードリング電極18Bが、先の第2の基板2Cの
第1の対向用段部7Bに対向する部位に相互に適宜な間
隔を隔てて配設されている。この発明の実施の形態にお
いては、第2の参照電極17Cが第2の検出電極16C
側に、第2のガードリング電極18Cが第2の参照電極
17Cの外側となるように配設されており、第2のガー
ドリング電極18Cは、第2の参照電極17Cと並行す
るように設けられている。
【0084】ここで、第2の参照電極17Cは、第2の
対向用段部7Cと対向するその合計面積が、第2の検出
電極16Cの面積と同一となるように、その幅、長さ等
が設定されている。すなわち、第2の参照電極17Cと
第2の対向用段部7Cの平面部分とにより第2の参照用
コンデンサ9Cが形成されるようになっており、しか
も、その静電容量CREFは、第2の検出電極16Cと
第2のボス部4Cとで形成される第2の検出用コンデン
サ8Cの静電容量CDETと同一となるようにしてあ
る。なお、第2の参照用コンデンサ9Cの静電容量をこ
のように設定するのは、既に、図1に示された例で述べ
たと同様に外部の検出回路による流速検出精度の向上を
図るためである。また、第2のガードリング電極18C
は、第2の参照電極17Cの外側に、第2の参照電極1
7Cと略同様な配置形状に配設されたものとなってい
る。この第2のガードリング電極18Cは、第2の参照
電極17Cの端部における電気力線の分布に起因するい
わゆる浮遊容量の発生を抑圧するためのものとなってい
る。
【0085】すなわち、この第2のガードリング電極1
8Cは、図示されない外部回路へ接続され、所定の電圧
が印加されるようになっており、それにより、第2の参
照電極17Cと第2の対向用段部7Cとの間に生ずる電
気力線を直線状とし、従来のように第2の参照電極17
Cの端部で、電気力線が外部へ湾曲して、外部との間で
いわゆる浮遊容量が発生することにより、静電容量値が
不安定となるようなことが抑圧されるようになってい
る。
【0086】そして、第2の参照電極17Cは、第2の
参照電極用引出配線20Cを介して第2の外部接続用電
極23Cへ、第2のガードリング電極18Cは、第2の
ガードリング電極用引出配線21Cを介して第3の外部
接続用電極24Cへ、それぞれ接続されている。すなわ
ち、導電性部材からなる第2の参照電極用引出配線20
Cは、その一端が、第2の検出電極16Cと第2の検出
電極用引出配線19Cとが接続された部位近傍に位置す
る第2の参照電極17Cの一端側と接続されており、他
端が、第2の外部接続用電極23Cに接続されている。
そして、第2の参照電極用引出配線20Cは、先の第2
の検出電極用引出配線19Cと同様に配置されたものと
なっている。すなわち、第2の参照電極用引出配線20
CのXY平面におけるその配置形状は、先の第2の検出
電極用引出配線19Cのそれと略相似形となっている。
【0087】また、導電性部材からなる第2のガードリ
ング電極用引出配線21Cは、その一端が、第2の検出
電極16Cと第2の検出電極用引出配線19Cとが接続
された部位近傍に位置する第2のガードリング電極18
Cの一端側と接続されており、他端が、第3の外部接続
用電極24Cに接続されている。そして、第2のガード
リング電極用引出配線21Cは、先の第2の検出電極用
引出配線19Cと同様に配置されたものとなっている。
すなわち、第2のガードリング電極用引出配線21Cの
XY平面におけるその配置形状は、先の第2の検出電極
用引出配線19Cのそれと略相似形となっている。な
お、この発明の実施の形態においては、先の第2の検出
電極用引出配線19Cが第1の基板1BのY軸方向に沿
う一方の縁に最も近く配設され、次に、第2の参照電極
用引出配線20Cが、次に、第2のガードリング電極用
引出配線21Cが、それぞれ順に第1の基板1BのY軸
方向に沿う一方の縁近傍に配設されたものとなってい
る。
【0088】ここで、第2の検出電極用引出配線19
C、第2の参照電極用引出配線20C及び第2のガード
リング電極用引出配線21Cが、第1の基板1Bの長手
軸方向(Y軸方向)に沿って直線状に配設された部位
は、既に述べたように第2の基板2Cに形成された第2
の容量抑圧用段部11Cと所定間隙を介して対向してい
る。このため、第2の容量抑圧用段部11Cがなく、第
2の検出電極用引出配線19C、第2の参照電極用引出
配線20C及び第2のガードリング電極用引出配線21
Cが、第2の基板2Cの平面部分に当接される(但し、
この場合、第2の基板2Cの表面には、シリコン酸化膜
が形成されて電気的な絶縁が施される)場合に比して、
これら第2の検出電極用引出配線19C、第2の参照電
極用引出配線20C及び第2のガードリング電極用引出
配線21Cと第2の基板2Cとの間に生ずる寄生容量が
極めて小さなものとなる。したがって、第2の検出用コ
ンデンサ8C及び第2の参照用コンデンサ9Cの実際の
静電容量が設計値から大きくずれることが回避されるこ
ととなる。
【0089】次に、上述した構成を有してなる静電容量
型マイクロフローセンサS3の使用法、動作等について
説明する。まず、この静電容量型マイクロフローセンサ
S3を用いる際には、先に図5に例示された検出回路
は、第1のセンサ部43に対するものと、第2のセンサ
部44に対するものと、2組必要となる。それぞれのセ
ンサ部43,44と、検出回路との接続は、先の図5に
おいて説明したものと基本的に同様であるので、ここで
の再度の詳細な説明は省略する。また、流体の流れが仮
にX軸方向にあるとすると、第1のセンサ部43の第1
の連通路6e,6f及び第2のセンサ部44の第2の連
通路6g,6hが、X軸方向に沿うようにして、静電容
量型マイクロフローセンサS3を流体中に配置する。そ
して、流体の流れが、例えば、図4において実線矢印X
1で示された方向である場合には、第1のセンサ部43
により、また、流体の流れが図4において実線矢印X2
で示された方向である場合には、第2のセンサ部44に
より、それぞれ流速の計測が可能となる。なお、第1及
び第2のセンサ部43,44のそれぞれにおける流速計
測の際の動作原理は、先に図1に示された静電容量型マ
イクロフローセンサS1で説明したのと同様であるの
で、ここでの再度の詳細な説明は省略することとする。
【0090】次に、上述したような構成を有してなる静
電容量型マイクロフローセンサの応用例について図6を
参照しつつ説明する。この応用例は、計測対象の流体が
流通する流体通路51内に複数の静電容量型マイクロフ
ローセンサを配するようにした例である。すなわち、ま
ず、中空円筒状に形成されてなる流体通路51内は、図
6において実線矢印X1又はX2で示された方向、換言す
れば、流体通路51の長手軸方向に沿って流体(図示せ
ず)が流通するようになっている。そして、この流体通
路51内の適宜な位置において、複数のセンサ複合体5
0が、流体通路51の長手軸に対して直交する方向にお
いて適宜な間隔を隔てて配設されている。
【0091】センサ複合体50は、複数の静電容量型マ
イクロフローセンサが形成されてなるものである。すな
わち、少なくとも2つの静電容量型マイクロフローセン
サが形成されてなり、少なくも一つの静電容量型マイク
ロフローセンサにより実線矢印X1方向の流速の計測
が、少なくとも一つの静電容量型マイクロフローセンサ
により実線矢印X2方向の流速の計測が、それぞれ可能
となるようにされてなるものである。このようなセンサ
複合体50のより具体的な構成としては、例えば図4に
示されたような構成のものが好適である。なお、より好
適なセンサ複合体50の構成としては、図4に示された
構成を基本として、2つ以上の静電容量型マイクロフロ
ーセンサが設けられた構成としたものが望ましい。この
ようにして、流体の流れ方向に直行する面に複数の静電
容量型マイクロフローセンサを配することで、流体通路
51の経方向の断面における個々の点での流速分布を詳
細に計測することが可能となる。
【0092】
【発明の効果】以上、述べたように、本発明によれば、
流体の流れ込みによりセンサ内部に生ずる気泡を排出で
きるような構成とすることで、動圧の計測値に影響を与
える気泡を外部へ排出することができるので、従来に比
してより精度の高い計測が可能となり、信頼性の高いセ
ンサを提供することができる。また、第1の基板に配さ
れる電極とシリコンからなる第2の基板との間に間隔を
設けるようにしたので、第2の基板の表面に形成された
絶縁膜を介して第1の基板の電極が当接する場合に比し
て寄生容量の発生を抑圧でき、製造後の電気的特性と設
計値とのずれが極めて小さなセンサを提供することがで
きる。さらに、流体を計測凹部へ導くための連通路が計
測凹部へ直線状に連続するように設けられることで、シ
リコンエッチングのためのパターン形成が比較的簡素な
ものとなり、製造が容易となり、ひいては比較的安価な
センサを提供することができる。またさらに、2組のセ
ンサを、それそれの連通路が互いに逆方向を向くように
して積層状に又は同一平面内に設けることで、二方向の
流速計測が可能とすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態における静電容量型
マイクロフローセンサS1の分解状態における全体斜視
図である。
【図2】本発明の第2の実施の形態における静電容量型
マイクロフローセンサS2の分解状態における全体斜視
図である。
【図3】図2に示された静電容量型マイクロフローセン
サS2における第3の基板の第1の基板との接合面側を
示す全体斜視図である。
【図4】本発明の第3の実施の形態における静電容量型
マイクロフローセンサS3の分解状態における全体斜視
図である。
【図5】検出回路の一回路構成例を示す回路図である。
【図6】流体通路内に複数の静電容量型マイクロフロー
センサを配設する場合の配設例を示す一部断面を有する
全体斜視図である。
【符号の説明】
1…第1の基板(第1の実施の形態) 2…第2の基板(第1の実施の形態) 3…計測凹部(第1の実施の形態) 4…ボス部(第1の実施の形態) 6a,6b…連通路(第1の実施の形態) 7…対向用段部(第1の実施の形態) 10a,10b…気泡排出用通路(第1の実施の形態) 11…容量抑圧用段部(第1の実施の形態) 15…均衡用段部(第1の実施の形態) 16…検出電極(第1の実施の形態) 17…参照電極(第1の実施の形態) 18…ガードリング電極(第1の実施の形態)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 オリバー ベルベリッヒ ドイツ国 ハノーヴァー 30449 イーメ パッサーゲ 4 ゼクセルコーポレーショ ン内 (72)発明者 カイ ノットマイヤー ドイツ国 ハノーヴァー 30449 イーメ パッサーゲ 4 ゼクセルコーポレーショ ン内 Fターム(参考) 2F055 AA39 BB05 CC02 DD05 EE25 FF01 FF11 FF43 FF49 GG11 GG12 GG32 GG44 HH05

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 絶縁性部材からなる第1の基板と、半導
    体部材からなる第2の基板とが接合されてなり、 前記第1の基板の前記第2の基板との接合面側には、導
    電性部材からなる検出電極が配設される一方、 前記第2の基板の前記第1の基板との接合面側には、前
    記検出電極と所定間隙を介して対向するボス部が設けら
    れると共に、 前記ボス部の周囲には、底部がダイヤフラムとなるよう
    に凹部が形成され、当該凹部と外部とを連通する連通路
    が形成されてなり、 前記検出電極と前記ボス部とにより構成される検出用コ
    ンデンサの静電容量の、前記凹部における圧力と外部と
    の圧力差に応じて生ずる変化が検出可能に構成されてな
    る静電容量型マイクロフローセンサであって、 前記第2の基板には前記凹部と外部とを連通せしめる気
    泡排出用通路が、前記連通路が設けられた部位と略反対
    側の部位に形成され、 前記凹部の周囲の平面部分の一部には、前記第1の基板
    との間に所定の間隙が生ずるよう対向用段部が形成され
    てなる一方、当該対向用段部に対向する前記第1の基板
    の部位には、前記検出電極と同一面積を有してなる参照
    電極が配設されると共に、前記参照電極と並行するよう
    にして前記対向用段部に対向する前記第1の基板の部位
    に、ガードリング電極が配設され、 前記第1の基板には、一端が前記検出電極に接続され、
    前記検出電極を第1の基板端部で外部回路と接続可能と
    するための導電性部材からなる検出電極用引出配線と、
    一端が前記参照電極に接続され、前記参照電極を第1の
    基板端部で外部回路と接続可能とするための導電性部材
    からなる参照電極用引出配線と、一端が前記ガードリン
    グ電極に接続され、前記ガードリング電極を第1の基板
    端部で外部回路と接続可能とするための導電性部材から
    なるガードリング電極用引出配線とが、それぞれ配設さ
    れ、 これら検出電極用引出配線、参照電極用引出配線及びガ
    ードリング電極用引出配線は、少なくともその一部が前
    記第1の基板の縁近傍において、当該縁に沿って直線状
    に配設され、 前記第2の基板には、前記検出電極用引出配線、参照電
    極用引出配線及びガードリング電極用引出配線が前記第
    1の基板の縁に沿って直線状に配設された部位に対向す
    る部位に前記第1の基板と所定の間隙を生ずるよう容量
    抑圧用段部が形成されてなることを特徴とする静電容量
    型マイクロフローセンサ。
  2. 【請求項2】 連通路は、第2の基板に形成された凹部
    の直線状に形成された部位と直線状に連続するように形
    成されてなることを特徴とする請求項1記載の静電容量
    型マイクロフローセンサ。
  3. 【請求項3】 第2の基板において、容量抑圧用段部と
    略同一の形状寸法を有してなる段部を、前記容量抑圧用
    段部と線対称となる位置に設けてなることを特徴とする
    請求項1または請求項2記載の静電容量型マイクロフロ
    ーセンサ。
  4. 【請求項4】 絶縁性部材からなる第1の基板と、半導
    体部材からなる第2及び第3の基板とを具備し、 前記第1の基板を中央にして、前記第2及び第3の基板
    により前記第1の基板が挟持されるようにこれら第1乃
    至第3の基板が相互に接合されてなり、 前記第1及び第2の基板により請求項1記載の静電容量
    型マイクロフローセンサが、 前記第1及び第3の基板により請求項1記載の静電容量
    型マイクロフローセンサが、それぞれ形成されてなり、 前記第2の基板に形成された第1の連通路と、前記第3
    の基板に形成された第2の連通路とは、互いに逆方向を
    望むように設けられてなることを特徴とする静電容量型
    マイクロフローセンサ。
  5. 【請求項5】絶縁性部材からなる第1の基板と、半導体
    部材からなる第2及び第3の基板とを具備し、 前記第1の基板を中央にして、前記第2及び第3の基板
    により前記第1の基板が挟持されるようにこれら第1乃
    至第3の基板が相互に接合されてなり、 前記第1の基板の前記第2の基板との接合面側には、導
    電性部材からなる検出電極が配設される一方、 前記第2の基板の前記第1の基板との接合面側には、前
    記検出電極と所定間隙を介して対向するボス部が設けら
    れると共に、 前記ボス部の周囲には、底部がダイヤフラムとなるよう
    に凹部が形成され、当該凹部と外部とを連通する連通路
    が形成されてなり、 前記検出電極と前記ボス部とにより構成される検出用コ
    ンデンサの静電容量の、前記凹部における圧力と外部と
    の圧力差に応じて生ずる変化が検出可能とされ、 前記第2の基板には前記凹部と外部とを連通せしめる気
    泡排出用通路が、前記連通路が設けられた位置と略反対
    側の位置に形成され、 前記凹部の周囲の平面部分の一部には、前記第1の基板
    との間に所定の間隙が生ずるよう対向用段部が形成され
    てなる一方、当該対向用段部に対向する前記第1の基板
    の部位には、前記検出電極と同一面積を有してなる参照
    電極が配設されると共に、前記参照電極と並行するよう
    にして前記対向用段部に対向する前記第1の基板の部位
    に、ガードリング電極が配設され、 前記第1の基板には、一端が前記検出電極に接続され、
    前記検出電極を第1の基板端部で外部回路と接続可能と
    するための導電性部材からなる検出電極用引出配線と、
    一端が前記参照電極に接続され、前記参照電極を第1の
    基板端部で外部回路と接続可能とするための導電性部材
    からなる参照電極用引出配線と、一端が前記ガードリン
    グ電極に接続され、前記ガードリング電極を第1の基板
    端部で外部回路と接続可能とするための導電性部材から
    なるガードリング電極用引出配線とが、それぞれ配設さ
    れ、 これら検出電極用引出配線、参照電極用引出配線及びガ
    ードリング電極用引出配線は、少なくともその一部が前
    記第1の基板の縁近傍において、当該縁に沿って直線状
    に配設され、 前記第2の基板には、前記検出電極用引出配線、参照電
    極用引出配線及びガードリング電極用引出配線が前記第
    1の基板の縁に沿って直線状に配設された部位に対向す
    る部位に前記第1の基板と所定の間隙を生ずるよう容量
    抑圧用段部が形成されてなる一方、 前記第1の基板の前記第3の基板との接合面側には、導
    電性部材からなる第3の基板用検出電極が配設される一
    方、 前記第3の基板の前記第1の基板との接合面側には、前
    記第3の基板用検出電極と所定間隙を介して対向するボ
    ス部が設けられると共に、 前記ボス部の周囲には、底部がダイヤフラムとなるよう
    に凹部が形成され、当該凹部と外部とを連通する連通路
    が形成されてなり、 前記第3の基板用検出電極と前記ボス部とにより構成さ
    れる検出用コンデンサの静電容量の、前記凹部における
    圧力と外部との圧力差に応じて生ずる変化が検出可能と
    され、 前記第3の基板には前記凹部と外部とを連通せしめる気
    泡排出用通路が、前記連通路が設けられた位置と略反対
    側の位置に形成され、 前記凹部の周囲の平面部分の一部には、前記第1の基板
    との間に所定の間隙が生ずるよう対向用段部が形成され
    てなる一方、当該対向用段部に対向する前記第1の基板
    の部位には、前記第3の基板用検出電極と同一面積を有
    してなる第3の基板用参照電極が配設されると共に、前
    記第3の基板用参照電極と並行するようにして前記対向
    用段部に対向する前記第1の基板の部位に、第3の基板
    用ガードリング電極が配設され、 前記第1の基板には、一端が前記第3の基板用検出電極
    に接続され、前記第3の基板用検出電極を第1の基板端
    部で外部回路と接続可能とするための導電性部材からな
    る第3の基板側検出電極用引出配線と、一端が前記第3
    の基板用参照電極に接続され、前記第3の基板用参照電
    極を第1の基板端部で外部回路と接続可能とするための
    導電性部材からなる第3の基板側参照電極用引出配線
    と、一端が前記第3の基板用ガードリング電極に接続さ
    れ、前記第3の基板用ガードリング電極を第1の基板端
    部で外部回路と接続可能とするための導電性部材からな
    る第3の基板側ガードリング電極用引出配線とが、それ
    ぞれ配設され、 これら第3の基板側検出電極用引出配線、第3の基板側
    参照電極用引出配線及び第3の基板側ガードリング電極
    用引出配線は、少なくともその一部が前記第1の基板の
    縁近傍において、当該縁に沿って直線状に配設され、 前記第3の基板には、前記第3の基板側検出電極用引出
    配線、第3の基板側参照電極用引出配線及び第3の基板
    側ガードリング電極用引出配線が前記第1の基板の縁に
    沿って直線状に配設された部位に対向する部位に前記第
    1の基板と所定の間隙を生ずるよう容量抑圧用段部が形
    成されてなることを特徴とする静電容量型マイクロフロ
    ーセンサ。
  6. 【請求項6】 第2の基板に形成された連通路は、前記
    第2の基板に形成された凹部の直線状に形成された部位
    と直線状に連続するように形成されてなり、 第3の基板に形成された連通路は、前記第3の基板に形
    成された凹部の直線状に形成された部位と直線状に連続
    するように形成されてなることを特徴とする請求項1記
    載の静電容量型マイクロフローセンサ。
  7. 【請求項7】 絶縁性部材からなる第1の基板と、半導
    体部材からなる第2の基板とが接合されてなり、 前記第1の基板の前記第2の基板との接合面側には、導
    電性部材からなる第1及び第2の検出電極が離間してそ
    れぞれ配設される一方、 前記第2の基板の前記第1の基板との接合面側には、前
    記第1の検出電極と所定間隙を介して対向する第1のボ
    ス部と、前記第2の検出電極と所定間隙を介して対向す
    る第2のボス部とが、それぞれ設けられると共に、 前記第1のボス部の周囲には、底部がダイヤフラムとな
    るよう第1の凹部が、前記第2のボス部の周囲には、底
    部がダイヤフラムとなるよう第2の凹部が、それぞれ形
    成され、 前記第2の基板には、前記第1の凹部と外部とを連通す
    る第1の連通路及び前記第2の凹部と外部とを連通する
    第2の連通路が、それぞれ形成されてなり、 前記第1の検出電極と前記第1のボス部とにより構成さ
    れる第1の検出用コンデンサの静電容量の、前記第1の
    凹部における圧力と外部との圧力差に応じて生ずる変化
    と、前記第2の検出電極と前記第2のボス部とにより構
    成される第2の検出用コンデンサの静電容量の、前記第
    2の凹部における圧力と外部との圧力差に応じて生ずる
    変化が、それぞれ検出可能とされてなる静電容量型マイ
    クロフローセンサであって、 前記第2の基板には前記第1の凹部と外部とを連通せし
    める第1の気泡排出用通路が、前記第1の連通路が設け
    られた部位と略反対側の部位に形成されると共に、前記
    第2の凹部と外部とを連通せしめる第2の気泡排出用通
    路が、前記第2の連通路が設けられた部位と略反対側の
    部位に形成され、 前記第1の凹部の周囲の平面部分の一部には、前記第1
    の基板との間に所定の間隙が生ずるよう第1の対向用段
    部が形成されてなる一方、当該第1の対向用段部に対向
    する前記第1の基板の部位には、前記第1の検出電極と
    同一面積を有してなる第1の参照電極が配設されると共
    に、前記第1の参照電極と並行するようにして前記第1
    の対向用段部に対向する前記第1の基板の部位に、第1
    のガードリング電極が配設され、 前記第2の凹部の周囲の平面部分の一部には、前記第1
    の基板との間に所定の間隙が生ずるよう第2の対向用段
    部が形成されてなる一方、当該第2の対向用段部に対向
    する前記第1の基板の部位には、前記第2の検出電極と
    同一面積を有してなる第2の参照電極が配設されると共
    に、前記第2の参照電極と並行するようにして前記第2
    の対向用段部に対向する前記第1の基板の部位に、第2
    のガードリング電極が配設され、 前記第1の基板には、一端が前記第1の検出電極に接続
    され、前記第1の検出電極を第1の基板端部で外部回路
    と接続可能とするための導電性部材からなる第1の検出
    電極用引出配線と、一端が前記第1の参照電極に接続さ
    れ、前記第1の参照電極を第1の基板端部で外部回路と
    接続可能とするための導電性部材からなる第1の参照電
    極用引出配線と、一端が前記第1のガードリング電極に
    接続され、前記第1のガードリング電極を第1の基板端
    部で外部回路と接続可能とするための導電性部材からな
    る第1のガードリング電極用引出配線と、一端が前記第
    2の検出電極に接続され、前記第2の検出電極を第1の
    基板端部で外部回路と接続可能とするための導電性部材
    からなる第2の検出電極用引出配線と、一端が前記第2
    の参照電極に接続され、前記第2の参照電極を第1の基
    板端部で外部回路と接続可能とするための導電性部材か
    らなる第2の参照電極用引出配線と、一端が前記第2の
    ガードリング電極に接続され、前記第2のガードリング
    電極を第1の基板端部で外部回路と接続可能とするため
    の導電性部材からなる第2のガードリング電極用引出配
    線とが、それぞれ配設され、 これら第1の検出電極用引出配線、第1の参照電極用引
    出配線及び第1のガードリング電極用引出配線並びに第
    2の検出電極用引出配線、第2の参照電極用引出配線及
    び第2のガードリング電極用引出配線は、少なくともそ
    の一部が前記第1の基板の縁近傍において、当該縁に沿
    って直線状に配設され、 前記第2の基板には、前記第1の検出電極用引出配線、
    第1の参照電極用引出配線及び第1のガードリング電極
    用引出配線が前記第1の基板の縁に沿って直線状に配設
    された部位に対向する部位に前記第1の基板と所定の間
    隙を生ずるよう第1の容量抑圧用段部が形成されると共
    に、前記第2の検出電極用引出配線、第2の参照電極用
    引出配線及び第2のガードリング電極用引出配線が前記
    第1の基板の縁に沿って直線状に配設された部位に対向
    する部位に前記第1の基板と所定の間隙を生ずるよう第
    2の容量抑圧用段部が形成されてなることを特徴とする
    静電容量型マイクロフローセンサ。
  8. 【請求項8】 第1の連通路は、第1の凹部の直線状に
    形成された部位と直線状に連続するように形成されてな
    り、第2の連通路は、第2の凹部の直線状に形成された
    部位と直線状に連続するように形成されてなることを特
    徴とする請求項7記載の静電容量型マイクロフローセン
    サ。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008026177A (ja) * 2006-07-21 2008-02-07 Toyota Motor Corp 容量型検出回路

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