JP2000241203A - 環境測定装置および環境測定システム - Google Patents

環境測定装置および環境測定システム

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JP2000241203A
JP2000241203A JP11048087A JP4808799A JP2000241203A JP 2000241203 A JP2000241203 A JP 2000241203A JP 11048087 A JP11048087 A JP 11048087A JP 4808799 A JP4808799 A JP 4808799A JP 2000241203 A JP2000241203 A JP 2000241203A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】本発明は、建築二次部材を損傷することなく配
備でき、コンピュータ装置などの機能設備への悪影響が
ないとともに、環境を高精度で測定する環境測定装置
と、環境測定システムを提供する。 【解決手段】コンピュータ装置など機能設備Aを収容し
た被測定室Rの室温を測定する装置として、被測定室に
配置される台座部1と、この台座部に立設される支柱部
2と、この支柱部の上部から垂下される紐状体3a,3
bと、この紐状体に取付けられ環境を測定する室温セン
サ4と、この室温センサに電気的に接続され、かつ紐状
体と室温センサを台座部に緊張状態にして固定する導線
5とを具備した。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、たとえば複数台の
コンピュータ装置もしくは交換機などの通信機械を配置
する室内の温度測定をなし、空気調和運転の制御条件と
して提供する環境測定装置および環境測定システムに関
する。
【0002】
【従来の技術】たとえば複数台のコンピュータもしくは
交換機などの通信機械を配置するコンピュータ室もしく
は通信機械室においては、コンピュータ装置や通信機械
からの発熱量が極めて大である。
【0003】そのまま放置すれば、室内の温度が上昇し
て高温化し、その熱影響によりコンピュータ装置や通信
機械などに誤動作が生じる恐れがある。そこで、空気調
和装置を用いて、室内が所定温度を越えた場合に冷房
し、室温を常に一定範囲内に保持するようにしている。
【0004】このような空気調和運転をなし、かつ運転
状況を正確に把握し評価するためには、コンピュータ装
置や通信機械などを配置した室内の温度を室温センサに
よって常時測定し、その検知信号を空気調和装置に送信
する必要がある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】したがって、上記室温
センサを被測定室にセットしなければならない。普通、
室内の壁面や天井面などに取付けボルトなどを介して支
持金具を取付け固定し、ここに室温センサを支持するこ
とになる。
【0006】上記支持金具の取付けにあたっては、本
来、作業性の問題から電動工具が用いられるが、この電
動工具の運転周波数が稼働中のコンピュータ装置や通信
機械の運転に何らかの影響を及ぼすことが考えられる。
したがって、可能な限り電動工具の使用は避け、手作業
で行うことの要望が大である。
【0007】また、たとえ手作業で行うことに限定して
も、支持金具を取付けるためには室内の壁面や天井面あ
るいは床面などの建築二次部材に対して孔明け加工しな
ければならない。
【0008】その結果、建築二次部材を損傷することに
なり、かつ加工にともなって切り屑(切り粉)の発生が
ある。高い測定精度を得るためには多点測定が必要であ
り、そのため取付けるべき室温センサが多数となる。
【0009】このことから、建築二次部材に対する孔明
け加工が極めて多くなって損傷度合いが無視できないも
のとなり、切り屑の発生が大量になってコンピュータ装
置などへ悪影響を与える。
【0010】さらに、各室温センサには少なくとも1本
の導線が接続されており、たとえば100ヶ所の多点測
定をなすために100個の室温センサを室内に配置した
場合には、少なくとも100本の伝送線が室内に配線さ
れることになる。
【0011】多数の室温センサを取付けると、室内に多
数の伝送線が複雑に交錯することになり、通行障害が生
じ易く、管理が困難となる。そのため、適宜、複数本づ
つ伝送線を束ねて振れ止めをなす必要があり、手間がか
かる。
【0012】本発明は、上記事情にもとづいてなされた
ものであり、その第1の目的とするところは、建築二次
部材を損傷することなく配備でき、しかも稼働中のコン
ピュータ装置や通信機械などの機能設備へ悪影響を与え
ずにすむとともに、環境を高精度で測定する環境測定装
置を提供しようとするものである。
【0013】第2の目的とするところは、測定部位が多
点である場合における伝送ライン構造を簡素化して、配
線作業性の向上を得られ、かつ通行障害などの不具合を
除去した環境測定システムを提供しようとするものであ
る。
【0014】
【課題を解決するための手段】上記第1の目的を達成す
るため本発明の環境測定装置は、請求項1として、被測
定場所に配置される台座手段と、この台座手段に立設さ
れる支柱手段と、この支柱手段の上部から垂下される垂
下手段と、この垂下手段に取付けられ環境を測定する測
定手段と、この測定手段を上記垂下手段とともに上記台
座手段に緊張固定する緊張手段とを具備したことを特徴
とする。
【0015】上記第1の目的を達成するため本発明の環
境測定装置は、請求項2として、コンピュータ装置など
機能設備を収容した被測定室の環境を測定する環境測定
装置において、被測定室に配置される台座部と、この台
座部に立設される支柱部と、この支柱部の上部から垂下
される紐状体と、この紐状体に取付けられ環境を測定す
る測定子と、この測定子に電気的に接続され、かつ上記
紐状体と測定子を上記台座部に緊張状態にして固定する
導線とを具備したことを特徴とする。
【0016】請求項3として、請求項1記載の環境測定
装置において上記台座部は、被測定室の床面上に配置さ
れ、その内部に重量物を収容して上記支柱部に対する重
心となすとともに、この高さ寸法を上記機能設備の袴部
の高さ寸法よりも大に設定した箱体であることを特徴と
する。
【0017】請求項4として、請求項2記載および請求
項3のいずれかに記載の環境測定装置において上記台座
部は、非導電性であって、かつ上記機能設備よりも柔ら
かい素材からなることを特徴とする。
【0018】請求項5として、請求項2ないし請求項4
のいずれかに記載の環境測定装置において上記台座部
は、上面部が開口する箱本体と、この箱本体の上面開口
部を開閉自在な上蓋とから構成され、少なくとも上記測
定子と上記導線および紐状体を収納可能であることを特
徴とする。
【0019】請求項6として、請求項2記載の環境測定
装置において上記支柱部は、複数段の伸縮自在なロッド
と、このロッドの最上端部に取付けられ上記紐状体を垂
下する頂部プレートとからなり、ロッドおよび頂部プレ
ートとも非導電性材から形成されることを特徴とする。
【0020】請求項7として、請求項6記載の環境測定
装置において上記頂部プレートは、上記ロッドの最上端
に取付け固定されるとともに、機能設備の袴部の高さ寸
法よりも大きい径に形成され、かつ上記機能設備よりも
柔らかい素材からなることを特徴とする。
【0021】請求項8として、請求項2記載の環境測定
装置において上記測定子は、複数備えられ、上記紐状体
は、各測定子を互いに高さ位置を異ならせて吊持するこ
とを特徴とする。
【0022】請求項9として、請求項2ないし請求項8
のいずれかに記載の環境測定装置において、上記測定子
は、室温、湿度、電力量、もしくは風量などの環境を測
定することを特徴とする。
【0023】上記第2の目的を達成するため本発明の環
境測定システムは、請求項10として、上記請求項1記
載の環境測定装置に、測定手段の出力信号をデジタル信
号に変換する変換手段を備え、これら環境測定装置を複
数台用意して複数の被測定場所にセットし、これら環境
測定装置の変換手段と、これら変換手段から送られてく
る信号を受けて各種の処理をなす中央処理手段とを、単
一の伝送ラインで連結したことを特徴とする。
【0024】このような課題を解決する手段を備えるこ
とにより、環境測定装置においては、建築二次部材を損
傷することなく配備でき、しかも稼働中のコンピュータ
装置や通信機械などの機能設備への悪影響がなく、環境
を高精度で測定できる。
【0025】環境測定システムにおいては、測定部位が
多点である場合における伝送ライン構造を簡素化して、
配線作業性の向上を得られ、かつ通行障害などの不具合
を除去する。
【0026】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
にもとづいて説明する。
【0027】図1に、環境測定装置である室温測定装置
Sの全体構成を示す。この室温測定装置は、たとえば複
数台のコンピュータ装置や交換機などの通信機械などの
機能設備Aが収容されるコンピュータ室もしくは通信機
械室である被測定室の室温を測定するものであって、こ
こでは図示しない空気調和装置の運転制御条件を設定す
る。
【0028】この室温測定装置Sは、被測定室Rに配置
される台座手段である台座部1と、この台座部1に立設
される支柱手段である支柱部2と、この支柱部2の上部
から垂下される垂下手段である紐状体3a,3bと、こ
の紐状体3a,3bに取付けられる測定手段である測定
子、すなわち室温センサ4,4と、この室温センサ4,
4を上記紐状体3a,3bとともに上記台座部1に緊張
して固定する緊張手段である導線5,5とから構成され
る。
【0029】上記台座部1は、室内の床面に載置される
箱体であり、この台座部1から上記支柱部2が立設され
る。この支柱部2は天井面Ra付近まで延出されるロッ
ド6と、このロッド6の上端部に取付けられる頂部プレ
ート7からなる。
【0030】この頂部プレート7から、ここでは長さの
異なる2本の上記紐状体3a,3bが垂下され、それぞ
れの紐状体3a,3bの下端部に上記室温センサ4が取
付け吊持される。それぞれの室温センサ4に接続される
上記導線5は上記台座部1に後述するようにして取付け
られ、よって紐状体3a,3bと室温センサ4,4およ
び導線5,5自体が緊張状態となってる。
【0031】上記台座部1は、図2(A)(B)に示す
ように構成される。すなわち、台座部1は、たとえば合
成樹脂製であり、したがって、金属架からなる機能設備
Aよりも柔らかい素材である。幅寸法が300mm、奥
行き寸法が300mm、高さ寸法が150mmの箱体で
あり、上面が開口する箱本体1Aと、この箱本体1Aの
上面開口部を開閉する上蓋1Bとからなる。
【0032】組立てられた台座部1の高さ寸法は、上記
機能設備Aの下端部に形成される袴部aの高さ寸法(約
100mm)よりも大に形成されていて、たとえその位
置が変動するようなことがあっても、少なくとも台座部
1が袴部a内に入り込むことがない。
【0033】そして、たとえ何らかの理由によって台座
部1が転倒するようなことがあっても、上蓋1Bが箱本
体1Aから容易には外れないよう、たとえば板ばね材を
上蓋に取付けて箱本体に弾性的に掛合するようなロック
機構8を備えている。
【0034】上蓋1Bの中央部には、上記支柱部2を構
成するロッド6が挿通する孔筒部9が設けられる。この
孔筒部9の左右両側には、後述する電源線の入力用端子
10と、伝送線の出力用端子11が取付けられる。さら
に上記孔筒部9と同列位置に室温センサ4に接続する導
線が挿通するための案内孔12が開口している。
【0035】また、台座部1を構成する箱本体1Aの底
部には、後述する環境測定システムを構築するための入
出力ユニット(I/Oユニットとも呼ばれる)13が収
容固定される。
【0036】この入出力ユニット13はある程度の重量
があり、支柱部2を立設した状態で台座部1の重心をな
す。そして、入出力ユニット13の上面部で、かつ上蓋
1Bに設けられる孔筒部9と対向する位置に上記ロッド
6が着脱自在に嵌め込まれる支持用カップ14が設けら
れる。
【0037】さらに、上記入出力ユニット13の上面部
には導線固定金具15が取付けられていて、上記案内孔
12を介して挿通する室温センサ導線5を着脱自在に取
付け固定するようになっている。
【0038】上蓋1Bに設けられる電源線の入力用端子
10および伝送線の出力用端子11と、入出力ユニット
13に設けられる端子部16,16とは、接続線17を
介して接続されている。この状態は、箱本体1Aから上
蓋1Bを開放しても保持される。
【0039】また、同図では図示しないが、入出力ユニ
ット13の所定部位には導線接続端子が設けられてい
て、導線固定金具15を介して延出される導線5端部に
設けられる端子と電気的に接続するようになっている。
【0040】図3(A)は、箱本体1Aに上蓋1Bを被
せ、かつ支柱部ロッド6を取付けて組立てられた台座部
1を示す。すなわち、ロッド6の基端部は上蓋1Bの孔
筒部9から挿入され、対向する支持用カップ14に嵌め
込まれて、台座部1から立設される。
【0041】箱本体1Aに設けられるロック機構8は、
上蓋1Bを確実に押さえて容易には取り外しできないよ
うになっている。室温センサ導線5は上蓋1Bに開口さ
れた上記案内孔12を介して台座部1内に挿入され、そ
の中途部は導線固定金具15に取付け固定される。
【0042】このことにより、導線5自体はもちろんの
こと、上記室温センサ4を介して紐状体3a,3bが緊
張状態となっている。また、導線5端部に設けられる端
子は入出力ユニット13に設けられる導線接続端子に接
続されることは、先に述べたとおりである。
【0043】図3(B)は、室温測定装置S自体を被測
定場所に運搬する状態での、台座部1の構成である。箱
本体1Aの入出力ユニット13上面には、保護管4Aに
嵌め込まれ保護された2本の室温センサ4,4と、これ
ら室温センサ4に接続され、かつ互いに束ねられた導線
5,5と、紐状体3a,3bを取付けた頂部プレート7
および後述するように頂部プレート7をロッド6に取付
けるための樹脂製ボルト18とナット19が、それぞれ
適宜な手段を介して着脱自在に取付けられる。
【0044】また、上記ロッド6は伸縮自在であるが、
最も短縮した状態でも台座部1からはみ出る長さであり
ここには収容できない。そこで、台座部1外面にロッド
6を掛止する何らかの掛止手段を備えることにより、室
温測定装置S一式を所定の場所にまとめて運搬できるこ
とになる。また、台座部1の所定部位に把手部を設けれ
ば、さらに運搬性がよくなる。
【0045】図4(B)に示すように、上記ロッド6
は、非導電性材であるたとえばグラスファイバ材から形
成され、ここでは上中下3段の伸縮自在な中空状のロッ
ド6a,6b,6cからなる。
【0046】全てのロッド6a,6b,6cを最大限引
き出した状態の最大伸張長さが約2700mmあり、下
段ロッド6aが上記台座部1に着脱自在に取付けられる
ことは先に説明したとおりである。
【0047】たとえば釣り竿と同様、中段と上段のロッ
ド6b,6cは最大限まで引き出した状態で固定され、
これらにある程度の力を入れないともとの状態に押し込
むことができない。長さの途中で引き出しを止めれば、
自重でもとの状態に戻る。
【0048】この室温測定装置Sをセットする室内Rの
天井面Ra高さは一定しないので、上段ロッド6cは最
大限引き出すまでに至らない場合もある。そのため、上
段ロッド6cには最大限引き出さない状態の天井高さに
合せた長さを設定する固定具20が取付けられる。
【0049】図4(A)に拡大して示すように、この固
定具20は、少なくとも上段ロッド6cよりも大きな曲
率半径の湾曲部20aと、この湾曲部20aの両端縁に
一体に設けられ離間対向する一対の鍔部20b,20b
を備えるとともに、これら鍔部に挿通されるボルト20
cおよびナット20dからなる。
【0050】上記固定具20は、ボルト20cに対する
ナット20dの締付けにより上段ロッド6cに強固に取
付けられ、上段ロッド6cを中途引き出しの状態で中段
ロッド6b上端に掛止して上段ロッド6cの位置を設定
保持する。
【0051】図5(A)(B)に示すように、上記頂部
プレート7は、たとえば厚さ2〜5mm程度で、直径約
150mmの円盤状をなし、アクリル樹脂材が用いられ
る。したがって、金属架からなる機能設備Aよりも柔ら
かい素材である。
【0052】この中心部には、たとえばねじ径が6mm
程度の上記樹脂製ボルト18が挿入されていて、このボ
ルト18の頭部18aが頂部プレート7上面に掛止した
状態でねじ部18bにナット19が嵌め込まれる。
【0053】すなわち、頂部プレート7を介在してプラ
スチック製ボルト18とナット19が取付けられてお
り、ボルト18のねじ部18bはナット19より所定長
さ、たとえば50mm程度は突出している。
【0054】さらに、頂部プレート7のボルト18取付
け部周囲には4ヶ所の紐接続用孔部21…が設けられて
いる。長さの異なる紐状体3a,3bのそれぞれ両端部
が隣接する紐接続用孔部21の下部側から上部側へ挿入
され、かつこの上部側においてコブ状に結ばれている。
【0055】結局、頂部プレート7には2本の紐状体3
a,3bが下端部を折り返しした状態で垂下され、ある
程度の力で引張っても頂部プレート7からは容易に抜け
出ないことは勿論である。
【0056】このような頂部プレート7のナット19か
ら突出するボルトねじ部18bを、所定長さにセットさ
れた支柱部上段ロッド6cの上端部に圧入する、もしく
はロッド6cの内周面にめねじ部を備えて、上記ボルト
ねじ部18bをねじ込むようにしてもよい。したがっ
て、頂部プレート7のロッド6に対する取付けがなさ
れ、かつ支柱部2が構成される。
【0057】そして、頂部プレート7から垂下される紐
状体3a,3bのそれぞれに室温センサ4が取付けられ
る。たとえば室温センサ4を保護する保護管4Aにフッ
ク部bを備えることにより、このフック部bを紐状体3
a,3bの折り返し部に掛止すれば室温センサ4が容易
に取付けられる。
【0058】あるいは、フック部bを備えない場合は、
紐状体3a,3bを室温センサ4の保護管4Aに縛り付
けて固定するようにしてもよい。このようにすれば手間
がかかる反面、コストの低減が得られる。
【0059】再び図1に示すように、一方の室温センサ
4は床面Rbから約1.5Mの位置にセットされ、他方
の室温センサ4は床面Rbから約2Mのほとんど天井面
Ra付近の位置にセットされることになる。
【0060】各室温センサ4と接続導線5は、支柱部2
のロッド6に沿うよう紐状体3a,3bに吊持される。
そして、先に説明したように、導線5は台座部1に設け
られる案内孔12を介して内部に2本まとめて挿入さ
れ、導線固定金具15に接続されて緊張状態となってい
る。
【0061】このような室温測定装置Sをコンピュータ
装置などの機能設備Aを収容する被測定室Rの所定部位
にセットするまでの手順は、以下に述べるようになる。
【0062】1) 最も短縮化した支柱部ロッド6を台
座部1の掛止具に掛止し、かつ導線5を接続した2個の
室温センサ4、頂部プレート6およびプラスチック製ボ
ルト18とナット19などを収納した台座部1である室
温測定装置S一式を指定位置に搬入する。
【0063】なおこの状態で、頂部プレート7には長さ
の異なる2本の紐状体3a,3bが取付けられ、かつ上
蓋1Bの入力端子10と出力端子11は入出力ユニット
13に接続線17を介して電気的に接続されている。
【0064】2) 指定位置に搬入したら、台座部1か
らロッド6を取外し、ロック機構8を解除して上蓋1B
を箱本体1Aから開放し、箱本体1A内から導線5を接
続した室温センサ4と紐状体3a,3bを取付けた頂部
プレート7を取出す。
【0065】3) 一旦、箱本体1A開口部に上蓋1B
を嵌め込んで台座部1を元の形態に戻し、下段ロッド6
cを台座部上蓋1Bの孔筒部9に挿入するとともに、箱
本体1A側の支持用カップ14に嵌め込む。
【0066】4) この状態から、上段ロッド6cのみ
を天井高さに合せて引き出し、必要であれば所定位置に
固定具20を取付け固定する。そして、頂部プレート7
に樹脂製ボルト18とナット19を取付け、このボルト
18の突出ねじ部18bを上段ロッド6cの先端に取付
ける。
【0067】5) 頂部プレート7を上段ロッド6cに
取付けてから、下段ロッド6aが台座部1から抜け出な
いように押さえて、中段ロッド6bを最大限引き出す。
すなわち、支柱部ロッド6を天井面Ra高さに合せて伸
張することになる。
【0068】6) 頂部プレート7は天井面Raとある
程度の間隙(1〜2cm)を存するようセットされる。
そして、頂部プレート7から垂れ下がる紐状体3a,3
bそれぞれに室温センサ4を取付ける。
【0069】7) それぞれの室温センサ4に接続され
る導線5を上蓋1Bの案内孔12に挿通してから一旦、
上蓋1Bを箱本体1Aから外す。なお、このときロッド
6の状態は変わらない。
【0070】8) 導線5と紐状体3a,3bを引張り
緊張させた上で、上蓋1Bと箱本体1Aとの間に工具を
差し込んで導線5を導線固定金具15に取付け、さらに
導線5端部の端子を入出力ユニット13の端子に接続す
る。
【0071】このようにして、単体としての室温測定装
置Sの配置が終了する。既に稼働中のコンピュータ装置
や通信機械などの機能設備Aを収容する室内Rに、後か
ら室温測定装置Sをセットする場合でも、電動工具を使
用することなく、また壁面など建築二次部材を損傷する
ことなく行え、切り屑の発生もない。
【0072】そのため、機能設備Aに対する悪影響がな
いとともに、室内環境の劣化と建築二次部材の損傷を招
かずにすむ。室温測定装置Sの組立および設置作業が簡
単ですみ、作業性の向上を得られる。
【0073】室温センサ4を高さの異なる位置に備えた
から、条件の異なる複数の部位の室内温度を測定するこ
とができ、測定精度の向上を図れ、より効率の高い空気
調和運転に繋げられる。
【0074】導線5により紐状体3a,3bを緊張させ
て室温センサ4を吊持するようにしたから、図6に示す
ように、室温センサ4は台座部1から頂部プレート7に
亘る投影範囲Dからはみ出ることがない。したがって、
この装置Sの側を通行するにあたって室温センサ4が邪
魔することがない。
【0075】台座部1自体が300×300mm程度の
大きさなので、通行障害になることがなく、たとえ極め
て強い地震が発生したり、作業者などが誤って室温測定
装置Sに衝突するようなことがあっても、台座部1内に
入出力ユニット13のような重量物を収容してあるの
で、容易には転倒しない。
【0076】図7に示すように、何らかの事情によって
台座部1に変化のない代わりに支柱部ロッド6が撓むよ
うなことがあっても、頂部プレート7と天井面Raとの
隙間(1〜2cm)を存しているとともに、頂部プレー
ト7自体所定の直径(150mm)に形成されているの
で、頂部プレート7の一部が天井面Raに接触してロッ
ド6のそれ以上の変形を規制する。
【0077】図8に示すように、仮に、室温測定装置S
が転倒するようなことがあっても、紐状体3a,3bと
導線5を緊張させて頂部プレート7と台座部1との投影
範囲D内に室温センサ4を支持しているので、室温セン
サ4が床面Rbに接触することがない。
【0078】すなわち、室温測定装置Sが転倒しても室
温センサ4が一次的に床面Rbに接触することがなく、
そのときの衝撃を受けずにすむ。したがって、室温セン
サ4の損傷を防止して信頼性を確保する。
【0079】図9(A)に示すように、直径約150m
mの頂部プレート7を備えたから、たとえ室温測定装置
Sが転倒するようなことがあっても、機能設備Aの袴部
(床面から高さ約100mm)aに頂部プレート7が入
り込まない。
【0080】図9(B)に示すように、平面300×3
00mmの台座部1を備えたから、たとえ室温測定装置
Sが転倒するようなことがあっても、機能設備Aの袴部
aに台座部1が入り込まない。
【0081】たとえば地震時など装置Sが転倒した状態
で、頂部プレート7や台座部1が機能設備Aに衝突を繰
り返すようなことがあっても、これら頂部プレート7や
台座部1は合成樹脂材から形成しているので、金属架か
らなる機能設備Aに対して装置が損傷を与えることはな
い。
【0082】なお、上記室温測定装置Sの電気回路は、
以下に述べるように構成される。図10に示すように、
室温センサ4として、室温を検知して抵抗値に換えるサ
ーミスタが用いられる。このサーミスタへは入出力ユニ
ット13に備えられる電源回路30から動作電流が供給
されるようになっている。
【0083】また、入出力ユニット13には変換手段と
してのA/D変換回路40が備えられていて、上記サー
ミスタである室温センサ4が検出した室温(抵抗値)を
アナログ信号として受け取り、これをデジタル信号とし
て出力する。
【0084】図3(A)に示すように、台座部1の上蓋
1Bに設けられる入力用端子10は、この入出力ユニッ
ト13の電源回路30と接続されており、かつここには
外部から電源線31が接続される。また、出力用端子1
1には入出力ユニット13のA/D変換回路40と接続
されており、かつここには外部から伝送線41が接続さ
れる。
【0085】再び図10に示すように、電源線31と伝
送線41は1本の同軸ケーブル50にまとめられて他の
室温測定装置Sに接続され、室温測定システムが構築さ
れている。
【0086】具体的には、図11に示すように、単体と
して構成される室温測定装置Sをたとえば10ユニット
用意して、上述したようにコンピュータ室もしくは通信
機械室Rの所定位置にセットする。
【0087】コンピュータ室もしくは通信機械室の室内
面積と、収容されるコンピュータ装置と通信機械などの
機能設備Aの規模にもよるが、上述した室温測定装置S
を最大250ユニットまでセット可能にシステムを構築
できるようになっている。
【0088】そして、各室温測定装置S相互を伝送線3
1と電源線41をまとめた1本の同軸ケーブル線50で
接続する。この接続にあたって、コンピュータ装置や通
信機械に接続する同軸ケーブルと同様、床面上に沿って
配線するとたとえ保護カバーで覆っても、ある程度は通
行や掃除、配線工事などの障害になる。
【0089】そこで、コンピュータ室や通信機械室の床
面は二重床として、これら上下部床間に同軸ケーブル5
0を配線し、適宜これらの接続端子を設けておく。室温
測定装置Sを配置した周辺部の上部床を取外して、装置
から延出される同軸ケーブル50先端の端子を上記接続
端子に接続することにより、極めて容易に配線作業が完
了する。
【0090】接続される複数の室温測定装置Sは、別途
用意される通信ユニット60に接続されている。上記通
信ユニット60は、各コンピュータ室や通信機械室ご
と、もしくは各フロアごとに配置されていて、それぞれ
上述のように複数の室温測定装置Sが接続されている。
【0091】通信ユニット60の全ては相互に接続され
ていて、たとえば中央管理室に備えられる中央処理手段
としてのパソコン70に対してLANを構築している。
上記中央管理室のパソコン70は最大10台の通信ユニ
ット60を管理するようになっている。
【0092】このパソコン70には各室の室温計測と監
視用のソフトウエアが入力され、システムとして制御す
る。すなわち、各室温測定装置Sが測定した室温をデー
タとして取込み、これを表示し、かつ記録する。そし
て、監視し、必要に応じて警報発生などの処置をなす。
【0093】さらに、パソコン70にはCADソフトウ
エアが入力されていて、上記室温測定装置Sの測定デー
タにもとづいて室温分布図をリアルタイムに表示し、収
容される機能設備Aと室温センサ4との対応の表示をな
す。
【0094】中央管理室のパソコン70は、電話回線8
0を介して外部に設けられる終日監視センタなどのパソ
コン90に接続されている。この終日監視センタのパソ
コン90には、他の場所に構築される室温測定システム
にも接続されていて、全て集中した監視と、記録および
データ収集がなされている。
【0095】以上の室温測定システムの構築から、各室
内Rにおける室温を多点で、かつ連続して計測され、室
温状況が正確に把握される。そして、この測定結果を空
気調和装置にフィードバックして、より効率が高くかつ
省エネルギ化をなす空気調和運転に繋げられ、地域ごと
に極めて効率のよい集中管理が行える。
【0096】測定部位が多点に亘るシステムでありなが
ら、各装置SにA/D変換回路40を備えたから、単一
の伝送ライン(同軸ケーブル50)ですみ、配線量が低
減して配線作業の簡単化を得られ、通行障害がない。
【0097】なお、上述の実施の形態においては室温測
定をなすこととして説明したが、これに限定されること
はなく、湿度、電力量、もしくは風量などの環境を測定
する装置と、測定システムの構築に適用できる。
【0098】
【発明の効果】以上説明したように本発明の環境測定装
置によれば、建築二次部材を損傷することなく配備で
き、たとえば稼働中のコンピュータ装置や通信機械など
の機能設備への悪影響がないとともに、環境を高精度で
測定するなどの効果を奏する。
【0099】また、本発明の環境測定システムによれ
ば、測定部位が多点である場合における配線構造を簡素
化して、配線作業性の向上を得られ、かつ通行障害など
の不具合を除去できるなどの効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態を示す、コンピュータ室
にセットされた室温測定装置の正面図。
【図2】同実施の形態を示す、台座部の平面図と、台座
部を分解した断面図。
【図3】同実施の形態を示す、組立てられた状態の台座
部と、運搬状態にある台座部内部の平面図。
【図4】同実施の形態を示す、固定具を取付けた支柱部
ロッドの平面図と正面図。
【図5】同実施の形態を示す、支柱部頂部プレートの平
面図と正面図。
【図6】同実施の形態を示す、室温センサが頂部プレー
トと台座部との投影面積内にある状態を説明する図。
【図7】同実施の形態を示す、支柱部に撓み変形を生じ
た状態を説明する図。
【図8】同実施の形態を示す、室温測定装置が転倒した
状態を説明する図。
【図9】同実施の形態を示す、室温測定装置が転倒した
状態の頂部プレートと袴部との関係および台座部と袴部
との関係を説明する図。
【図10】同実施の形態を示す、室温測定装置の電気回
路の概略図。
【図11】同実施の形態を示す、室温測定システムの構
築図。
【符号の説明】
1…台座手段(台座部)、 2…支柱手段(支柱部)、 3a,3b…垂下手段(紐状体)、 4…測定手段(測定子)、 5…緊張手段、 A…機能設備、 a…(機能設備の)袴部、 1A…箱本体、 1B…上蓋、 6…ロッド、 7…頂部プレート、 40…変換手段(A/D変換回路) 50…伝送ライン(同軸ケーブル)、 70…中央処理手段(パソコン)。

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】被測定場所に配置される台座手段と、この
    台座手段に立設される支柱手段と、 この支柱手段の上部から垂下される垂下手段と、この垂
    下手段に取付けられ環境を測定する測定手段と、この測
    定手段を上記垂下手段とともに上記台座手段に緊張固定
    する緊張手段と、を具備したことを特徴とする環境測定
    装置。
  2. 【請求項2】コンピュータ装置など機能設備を収容した
    被測定室の環境を測定する環境測定装置において、 被測定室に配置される台座部と、この台座部に立設され
    る支柱部と、この支柱部の上部から垂下される紐状体
    と、この紐状体に取付けられ環境を測定する測定子と、
    この測定子に電気的に接続され、かつ上記紐状体と測定
    子を上記台座部に緊張状態にして固定する導線と、を具
    備したことを特徴とする環境測定装置。
  3. 【請求項3】上記台座部は、被測定室の床面上に配置さ
    れ、その内部に重量物を収容して上記支柱部に対する重
    心となすとともに、この高さ寸法を上記機能設備の袴部
    の高さ寸法よりも大に設定した箱体であることを特徴と
    する請求項1記載の環境測定装置。
  4. 【請求項4】上記台座部は、非導電性であって、かつ上
    記機能設備よりも柔らかい素材からなることを特徴とす
    る請求項2記載および請求項3のいずれかに記載の環境
    測定装置。
  5. 【請求項5】上記台座部は、上面部が開口する箱本体
    と、この箱本体の上面開口部を開閉自在な上蓋とから構
    成され、少なくとも上記測定子と上記導線および紐状体
    を収納可能であることを特徴とする請求項2ないし請求
    項4のいずれかに記載の環境測定装置。
  6. 【請求項6】上記支柱部は、複数段の伸縮自在なロッド
    と、このロッドの最上端部に取付けられ上記紐状体を垂
    下する頂部プレートとからなり、ロッドおよび頂部プレ
    ートとも非導電性材から形成されることを特徴とする請
    求項2記載の環境測定装置。
  7. 【請求項7】上記頂部プレートは、上記ロッドの最上端
    に取付け固定されるとともに、機能設備の袴部の高さ寸
    法よりも大きい径に形成され、かつ上記機能設備よりも
    柔らかい素材からなることを特徴とする請求項6記載の
    環境測定装置。
  8. 【請求項8】上記測定子は、複数備えられ、 上記紐状体は、各測定子を互いに高さ位置を異ならせて
    吊持することを特徴とする請求項2記載の環境測定装
    置。
  9. 【請求項9】上記測定子は、室温、湿度、電力量、もし
    くは風量などの環境を測定することを特徴とする請求項
    2ないし請求項8のいずれかに記載の環境測定装置。
  10. 【請求項10】上記請求項1記載の環境測定装置に、測
    定手段の出力信号をデジタル信号に変換する変換手段を
    備え、これら環境測定装置を複数台用意して複数の被測
    定場所にセットし、 これら環境測定装置の変換手段と、これら変換手段から
    送られてくる信号を受けて各種の処理をなす中央処理手
    段とを、単一の伝送ラインで連結したことを特徴とする
    環境測定システム。
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