JP2000241091A - 蓄熱装置 - Google Patents

蓄熱装置

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JP2000241091A
JP2000241091A JP11045099A JP4509999A JP2000241091A JP 2000241091 A JP2000241091 A JP 2000241091A JP 11045099 A JP11045099 A JP 11045099A JP 4509999 A JP4509999 A JP 4509999A JP 2000241091 A JP2000241091 A JP 2000241091A
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Satoshi Hirano
平野  聡
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 外部への熱損失の小さい蓄熱装置を提供す
る。 【解決手段】 外部から与えられた熱を貯蔵する蓄熱材
1を充填した蓄熱槽2と、上記蓄熱材と熱媒体との熱交
換により蓄熱槽内と外部との間で熱の注入・抽出を行う
熱交換器3とを備える。熱交換器3は、蓄熱槽2の中心
部分2aと外部との間で熱交換を行うように配管し、蓄
熱槽2の周囲部分2bに高分子吸液性物質5を分散させ
るなどして、その周囲部分における蓄熱材の自然対流を
抑制する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、熱を一時的に貯蔵
する蓄熱装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来の蓄熱装置の基本的な構造を、図1
1乃至図13に断面図で示す。図11の蓄熱装置は、蓄
熱槽32に熱を貯蔵する蓄熱材31を充填し、蓄熱槽3
2に外部との間の熱交換を行う熱交換器33を設けたも
のである。蓄熱材31には、水が用いられることが多
い。蓄熱槽32の形状は、直方体や円柱など種々のもの
があるが、蓄熱装置としての動作は同じである。例え
ば、温度がTxの熱を貯蔵するには外部から熱交換器3
3に温度がTx以上の熱を加え、蓄熱材31の温度をT
xに高める。熱の注入が完了すると、蓄熱装置は静置さ
れる。時間が経過し、外部で熱が必要になれば、熱交換
器33を利用して蓄熱材31から温度がTxの熱が外部
へ抽出される。パラフィンのような熱の注入・抽出過程
で融解・凝固する物質を蓄熱材31に利用する場合で
も、蓄熱装置の基本的な動作は上記と同様である。
【0003】図12の蓄熱装置は、熱を貯蔵する蓄熱材
を兼ねた熱媒体47が充填される蓄熱槽42a,42b
を備え、蓄熱槽42aにはそれと外部との間を接続する
連通管44aを設け、蓄熱槽42aと蓄熱槽42bとの
間は連通管44bにより接続し、蓄熱槽42bにはそれ
と外部との間を接続する連通管44cを設けている。外
部との間の熱輸送を行う熱媒体と蓄熱材を兼ねた熱媒体
47には、水が利用されることが多い。蓄熱槽42aと
蓄熱槽42bは適宜形状に形成される。また、ここで
は、蓄熱槽が2槽で構成される場合を示しているが、蓄
熱槽が1槽でも、3槽以上の多槽であっても、基本的な
動作は以下の2槽の場合と同様である。
【0004】この蓄熱装置の動作において、例えば温度
がTxの熱を貯蔵するには、連通管44cから熱媒体4
7を吸い出し、外部で熱媒体47に熱を加えて温度をT
x以上に高め、連通管44aから蓄熱槽42aへ注入す
る。この注入によって蓄熱槽42aから排除される熱媒
体47は、連通管44bを通過して蓄熱槽42bに至
り、やがて連通管44cから吸い出されて、外部との間
で熱輸送を行い、再び連通管44aを通して蓄熱槽42
aに戻るという循環が達せられる。蓄熱槽への熱の注入
が完了すると、蓄熱装置は静置される。時間が経過し、
外部で熱が必要になれば、熱の注入過程とは逆の方向、
すなわち連通管44aから熱媒体47を吸い出し、外部
で熱を吸収、利用し、それによって温度の低下した熱媒
体47は、連通管44cから蓄熱槽42bへ戻される。
この戻りにより蓄熱槽42bから排除される熱媒体47
は、連通管44bを通過して蓄熱槽42aに流れ込むこ
とで、熱媒体47の循環が達せられる。
【0005】このように、蓄熱槽を適当に分割する理由
は、蓄熱槽内部に流れの滞りやすい死水域ができること
を抑制し、熱の注入・抽出時の熱媒体47の循環を蓄熱
槽内部全体を使って均一に行われるようにするためであ
る。また、室温よりも低温の熱を貯蔵する場合には、熱
の注入・抽出過程における熱媒体47の流れの方向が逆
になるが、基本的な動作は上記と同様である。
【0006】一方、図13の蓄熱装置では、主に転移熱
利用の蓄熱材51を小容器56に充填して、その小容器
56を蓄熱槽52に収容し、蓄熱槽52にそれを外部と
連通させる連通管55a,55bを設けて、それらの連
通管55a,55b及び蓄熱槽を通して循環する熱媒体
57により、外部と熱交換を行うための熱交換手段を構
成させている。この場合に、熱の貯蔵は主として転移熱
利用の蓄熱材51が行い、熱媒体57は熱の輸送手段と
して機能するが、熱の貯蔵に全く関与しないわけではな
い。なお、上記小容器56の形状は、球体が多い。
【0007】この蓄熱装置においては、例えば温度がT
xの熱を貯蔵するには、連通管55aを通して温度がT
x以上にある熱媒体57を外部から蓄熱槽52へ注入す
る。蓄熱材51は、小容器56の壁を介して、熱媒体5
7の放出する熱により加熱される。注入された熱媒体5
7は連通管55bを通過して外部へ戻り、再びTx以上
の温度に加熱されて同様の循環を繰り返す。熱の注入が
完了すると、蓄熱装置は静置される。外部で熱が必要に
なれば、熱の注入過程とは逆の方向、すなわち連通管5
5bから蓄熱槽52へ外部から熱媒体57を注入する。
注入された熱媒体57は、小容器56の壁を介して、蓄
熱材51の放出する熱により加熱される。加熱された熱
媒体57は連通管55aを通過して外部へ戻り、外部で
利用されてTxより低い温度になり、再び連通管55b
に注入されて同様の循環を繰り返す。
【0008】室温よりも低温の熱を貯蔵する場合には、
熱の注入・抽出過程において外部から注入される熱媒体
57の流れの方向が逆になるが、基本的な動作は上記と
同様である。 この構成例では、外部から注入・抽出さ
れる熱媒体57が小容器56同士の間隙を通過するた
め、蓄熱材51に対する伝熱面積が大きくなり、また蓄
熱材51の取扱が容易になるため、パラフィンを蓄熱材
51とするような転移熱を利用する蓄熱装置に使われる
ことが多い。
【0009】上記図11乃至13の蓄熱装置では、熱の
貯蔵状態において、蓄熱材31,51及び蓄熱材を兼ね
る熱媒体47と蓄熱槽32,42,52を取り囲む外部
の環境との間に温度差があれば、蓄熱槽32,42,5
2の壁面を通じて外部環境との間で常に熱移動が発生す
る。熱輻射の影響は通常小さいため無視すれば、蓄熱材
やそれを兼ねる熱媒体(以下、これらを蓄熱材とい
う。)の熱損失量Qは、
【数1】 で表される。
【0010】ここで、kは蓄熱槽の材質、構造、周囲風
速等により定まる熱通過率、Aは蓄熱槽と周囲流体(例
えば空気)との接触面積である。Toは蓄熱装置の外部
の環境の温度、Tx′は蓄熱材が蓄熱槽に接する面(蓄
熱材の表面)での温度である。tは経過時間である。k
とAは、通常は時間にかかわらず一定とみなすことがで
きるため、式(1)は次のように近似することができ
る。
【数2】
【0011】蓄熱方式には、図11及び図12に示す場
合のように、主に蓄熱材31や熱媒体47の顕熱を利用
するものと、図13に示す場合のように、主に蓄熱材5
1の転移熱を利用するものとがあるが、顕熱及び転移熱
のいずれを利用する場合でも、例えば温度Txの熱を貯
蔵するには、蓄熱材の表面の温度Tx′をTx以上の温
度に保持する必要がある。しかしながら、蓄熱材の表面
の温度Tx′と外部の環境温度Toとの温度差が大きい
ほど、また貯蔵時間が長くなるほど、式(2)で表され
る熱損失は増大し、蓄熱効率の著しい低下の原因とな
る。したがって、式(2)において蓄熱槽からの熱損失
を小さくするには、熱通過率kや表面積Aを小さくし、
時間tを短くし、あるいは蓄熱材の表面温度Tx′と環
境温度Toとの差を小さくする必要がある。熱通過率k
を小さくする方法としては、蓄熱槽の周囲に断熱材を取
り付けることが試みられている。表面積を小さくする方
法としては、蓄熱槽を立方体や球のような単位体積当た
りの表面積の小さい形状にすることが試みられている。
また、時間tを小さくする方法としては、熱を再抽出し
た後の熱利用系のシステム制御を最適化することが試み
られているが、時間項と温度項とは蓄熱本来の目的であ
って、大幅に変更できる性質のものではない。
【0012】一方、図11及び図12に示す例におい
て、蓄熱材の温度は、蓄熱槽32,42の壁面により近
い部分から徐々に外部環境の温度に近づくため、蓄熱材
内に温度差が発生する。通常、物質は温度が変化すると
膨張あるいは収縮するため、蓄熱材内に温度差ができれ
ば、そこに密度差が生じて、重力差が発生することにな
り、この結果、蓄熱材内においては自然対流と呼ばれる
運動が誘発される。したがって、外部環境との温度差の
最も大きい蓄熱槽32,42の壁面付近、即ち蓄熱材の
外側から自然対流が発生して、それが蓄熱材全体に広が
るため、蓄熱材の内側部分には、貯蔵した熱よりも外部
環境温度に近づいた該蓄熱材が表面側から流れ込むと同
時に、蓄熱材の表面へ貯蔵した熱が移動し、これによ
り、外部環境との間では蓄熱槽の壁面を通して常に熱移
動が行われるため、蓄熱材には大きな熱損失が生じてし
まう。
【0013】また、上記図13の蓄熱装置は、熱の保存
過程において、蓄熱槽52内における蓄熱材51の自然
対流は小容器56によって抑制されるものの、蓄熱槽5
2内に滞留している熱媒体57に自然対流が発生するた
め、該熱媒体57については上記図11及び図12の蓄
熱装置の蓄熱材31,41と同様のことがいえる。この
ように、蓄熱槽の壁面により近い部分にある蓄熱材から
その温度が外部環境に近い温度へと変化するため、熱移
動の過程で蓄熱材内の外側と内側(蓄熱槽が球体の場合
には半径方向)との間に温度差が生じ、これにより、蓄
熱材内で自然対流が発生するため、蓄熱材と外部環境と
の間では蓄熱槽の壁面を通して常に熱移動が行われ、蓄
熱材は熱損失を生じることになる。
【0014】上記図11〜13に示す従来の蓄熱装置で
は、いずれにしても蓄熱材が流動しやすいため、熱の保
存過程はもとより、特に熱の注入・抽出過程では熱交換
による温度差を原因として蓄熱材全体におよぶ自然対流
が起きやすく、結果的に、式(2)の熱通過率kが大き
くなり、蓄熱材から外部への熱損失が増大し、熱回収率
を低下さる要因の一つとなっていた。
【0015】蓄熱材の内部のある位置における熱収支
は、次のような式で表されることが知られている。
【数3】 ここでx、y、zは直角座標、tは時間、u、v、wは
速度のそれぞれx、y、z方向成分、eは蓄熱材の内部
エネルギー、λは蓄熱材の熱伝導率、pは蓄熱材の圧
力、qiは蓄熱材の内部発熱、ρは蓄熱材の密度、ηは
蓄熱材の粘性関数である。
【0016】式(3)は、単位時間・体積当たりの蓄熱
材の内部エネルギーの変化が、蓄熱材の運動で周囲から
流れ込む熱と、蓄熱材の熱伝導で周囲から流れ込む熱
と、蓄熱材自身の発熱と、蓄熱材の圧力変化で発生する
熱と、蓄熱材の粘性摩擦で発生する熱との和であること
を示している。一般的には熱伝導等による熱の移動より
も、自然対流を原因とする熱の移動の方が激しいことが
知られていることから、自然対流によって蓄熱材内部の
運動が激しくなれば、それだけ蓄熱材内部の熱移動も激
しくなることになる。したがって、蓄熱装置において
は、蓄熱材の熱損失を抑えるため、蓄熱材の表面と外部
環境との温度差、及び、少なくともその蓄熱材の表面
と、外部と熱の注入・抽出を行う蓄熱材の内側部分との
間での熱移動の抑制について考慮する必要がある。
【0017】
【発明が解決しようとする課題】 本発明は、上述のよ
うな蓄熱材からの熱損失を改善するためになされたもの
であり、蓄熱材の表面と外部環境との温度差を小さく
し、且つ、その蓄熱材の表面と、外部と熱の注入・抽出
を行う蓄熱材の内側部分との間での熱移動を抑制するこ
とにより、外部環境が蓄熱槽の内側部分に与える影響を
小さくして、外部への熱損失を抑えることができる蓄熱
装置を提供することを課題とするものである。
【0018】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
の本発明の第1の蓄熱装置は、外部から与えられた熱を
貯蔵する蓄熱材を充填した蓄熱槽と、上記蓄熱材と熱媒
体との熱交換により蓄熱槽内と外部との間で熱の注入・
抽出を行う熱交換手段とを備え、上記熱交換手段は、上
記蓄熱槽の中心部分と外部との間で熱交換を行うよう
に、あるいは、上記蓄熱槽の中心部分と周囲部分に対し
て順次外部との間で熱交換を行うか、個別に熱交換を行
うように配設し、蓄熱槽の周囲部分に蓄熱材の自然対流
を抑制する抑制手段を備えたことを特徴とするものであ
る。また、上記課題を解決するための本発明の第2の蓄
熱装置は、外部から与えられた熱を貯蔵する蓄熱材を兼
ねた熱媒体が充填される蓄熱槽と、上記熱媒体の流出入
により、蓄熱槽内と外部との間で熱の注入・抽出を行う
熱輸送手段とを備え、上記熱輸送手段は、上記蓄熱槽の
中心部分と外部との間で熱輸送を行うように配設し、蓄
熱槽の周囲部分に熱媒体の自然対流を抑制する抑制手段
を備えたことを特徴とするものである。
【0019】上記蓄熱装置においては、抑制手段を、蓄
熱槽の周囲部分における蓄熱材または熱媒体中に吸液性
物質を分散させることにより構成することができる。ま
た、上記抑制手段は、蓄熱槽の周囲部分における蓄熱材
または熱媒体に、電圧の印加により粘性を増す性質を持
たせるとともに、蓄熱槽の周囲部分を挟むように電極を
対向配置し、それらの電極間に通電する手段を備えたも
のとし、あるいは、蓄熱槽の周囲部分における蓄熱材ま
たは熱媒体に、磁力によって粘性が増す性質を持たせる
とともに、蓄熱槽の周囲部分に磁力を作用させる磁石を
設けたものとし、さらに、蓄熱槽の周囲部分に蓄熱材ま
たは熱媒体の自然対流を妨げる障壁を設けたものとする
こともできる。また、上記蓄熱装置においては、蓄熱槽
内の中心部分と周囲部分との間に、熱の移動を促進させ
る手段を設けることもできる。
【0020】上記構成を有する蓄熱装置においては、蓄
熱槽の中心部分と熱交換する熱交換手段、またはその中
心部分に熱輸送する熱輸送手段により、熱抽出時に必要
な温度以上の熱を蓄熱槽に注入し、主に蓄熱槽の周囲部
分に収容された蓄熱材または熱媒体に熱が伝達貯蔵、保
存され、必要に応じて、貯蔵した熱を蓄熱槽の中心部分
から抽出するものである。熱を注入・抽出する場合に
は、主として対流の容易な蓄熱槽の中心部分で熱交換が
行われるため、熱伝導による熱移動に、自然対流熱伝達
による大きな熱移動が加わり、外部との熱交換は効率よ
く行われる。また、熱を保存する場合には、通常、蓄熱
槽の周囲部分と外部の環境との間で熱移動が生じるた
め、蓄熱材または熱媒体の温度は、蓄熱槽により近い位
置のものから徐々に外部の環境の温度に近づこうとす
る。そのため、この蓄熱槽内では、熱移動による温度差
が生じ、蓄熱槽により近い位置の蓄熱材または熱媒体か
ら自然対流が発生しようとする。
【0021】このとき、上記自然対流は、その運動を蓄
熱槽の周囲部分全体及び中心部分に位置する蓄熱材にま
で拡大して大きな熱の移動を生じさせようとするが、上
記蓄熱装置では、蓄熱槽の周囲部分に設けた自然対流を
抑制する抑制手段により自然対流による周囲部分の大き
な熱移動を困難にする。
【0022】上記式(2)に示すように、蓄熱材の熱損
失量Qは、蓄熱材表面の温度と蓄熱槽を取り囲む外部の
環境の温度との差(Tx′−To)が大きいほど、また
熱通過率(k)が大きいほど大きくなる。上述のよう
に、本発明においては、蓄熱槽の周囲部分で自然対流が
抑制され、蓄熱槽の周囲部分の蓄熱材の表面で発生した
自然対流が、蓄熱槽の周囲部分の蓄熱材内全体に拡大す
るのが妨げられるため、蓄熱槽の周囲部分と外部環境と
の間での対流による熱伝達及び熱通過率(k)が小さく
なり、しかも、蓄熱槽の周囲部分の蓄熱材内の熱が該蓄
熱材の表面に移動するのが抑えられるため、該周囲部分
の蓄熱材内に大きな温度勾配が形成され、蓄熱材の表面
と外部の環境との間の温度差が徐々に小さくなる。した
がって、蓄熱槽内部の温度をほぼ保ったままで、蓄熱槽
内から外部の環境への熱損失を小さく抑えることができ
る。
【0023】本発明においては、自然対流の抑制手段
を、蓄熱槽の周囲部分における蓄熱材または熱媒体中に
吸液性物質を分散させることにより構成することができ
るが、この場合、上記吸液性物質は、蓄熱材または熱媒
体の一部を吸収して膨張することにより、蓄熱槽の周囲
部分に立体的な網の目状に滞留する。すなわち、蓄熱材
等は、吸液性物質の間隙に充満する状態となってその移
動が困難となるため、上記周囲部分の蓄熱材の自然対流
が抑制され、その結果、蓄熱槽の内部から外部への熱損
失を小さくすることができる。
【0024】上記抑制手段として、蓄熱槽の周囲部分に
おける蓄熱材または熱媒体に、電圧の印加により粘性を
増す性質を持たせるとともに、蓄熱槽の周囲部分を挟む
ように電極を対向配置し、それらの電極間に通電する手
段を備えた場合には、電極に電圧を印加すると周囲部分
に電場が発生し、蓄熱材の粘性が増すので、これによ
り、蓄熱材の自由な移動が妨げられ、周囲部分の自然対
流を抑制することができる。また、上記抑制手段とし
て、蓄熱槽の周囲部分における蓄熱材または熱媒体に、
磁力によって粘性が増す性質を持たせるとともに、蓄熱
槽の周囲部分に磁力を作用させる磁石を設けた場合に
は、その磁石による磁場の作用により、蓄熱材または熱
媒体の粘性が増し、これにより、蓄熱材の自由な移動が
妨げられるので、周囲部分の自然対流を抑制することが
できる。
【0025】さらに、上記抑制手段は、蓄熱槽の周囲部
分に設けた蓄熱材または熱媒体の自然対流を妨げる障壁
とすることができ、この場合には、上記障壁により蓄熱
材または熱媒体の移動を物理的に妨げることができるの
で、この障壁を適確に配置すれば、蓄熱材の移動速度を
障害物がない場合よりも格段に遅くすることができ、結
果的に自然対流を抑制することができる。また、本発明
においては、上記蓄熱槽内の中心部分と周囲部分との間
に、熱の移動を促進させる手段を設け、蓄熱槽に対する
迅速な熱の注入または抽出が求められる場合等に、中心
部分と、自然対流の抑制手段によって該中心部分からの
熱移動が困難な周囲部分との間での熱移動を迅速に行う
ことができる。
【0026】本発明における熱交換手段は、蓄熱槽の中
心部分と周囲部分に対して順次外部との間で熱交換を行
うように配設することができ、この構成により、熱の注
入時には、蓄熱槽の中心部分を加熱または冷却した後の
余熱で、周囲部分をさらに加熱または冷却することがで
き、逆に熱の抽出時には、熱交換手段を蓄熱槽の周囲部
分で予熱または予冷した後に、中心部分でさらに加熱ま
たは冷却することができ、そのため、蓄熱装置と外部の
環境との熱のやり取りを迅速に且つ効率的に行うことが
できる。また、熱交換手段を、蓄熱槽の中心部分と周囲
部分に対して個別に外部との間で熱交換を行うように配
設することもでき、この構成により、熱の注入時には外
部から蓄熱槽へ注入する熱の温度に応じて、中心部分と
周囲部分のどちらか適当な方を加熱または冷却し、逆に
熱の抽出時には外部から要求される熱の温度に応じて、
蓄熱槽の中心部分または周囲部分のどちらか適当な方で
熱交換することができる。これにより、蓄熱装置と外部
との熱のやり取りをより広い範囲で効率良く行うことが
可能になる。
【0027】
【発明の実施の形態】[実施例1]図1は、本発明に係
る蓄熱装置の断面図の一例である。この蓄熱装置は、蓄
熱槽2に熱を貯蔵する蓄熱材1を収容し、蓄熱槽2に外
部との間の熱交換を行うための手段として、熱交換器3
を設けている。蓄熱材1としては、必要とする蓄熱温度
に応じて種々の物質を用いることができ、熱の注入・抽
出過程において相変化する物質であってもかまわない。
図面では、蓄熱槽2を直方体状に表現しているが、蓄熱
槽2は蓄熱材1に対して安定性のあるものであれば材質
や形状は限定されず、円柱体や球体など、種々の形状に
することが可能である。また、この蓄熱槽2は、内部の
空間を網4によって中心部分2aとその周囲の周囲部分
2bに二分割しており、すなわち、蓄熱槽2の内部で
は、中心部分2aと周囲部分2bとの境界に網4を張り
巡らし、その網4を介して中心部分2aが周囲部分2b
に取り囲まれている。そして、周囲部分2bにある蓄熱
材1中のみに高分子吸液性物質5を分散させている。
【0028】上記網4は、蓄熱材1および吸液性物質5
に対して安定性があり、かつ吸液性物質5が中心部分2
aへ混入するのを阻止するものであれば、材質や構造は
限定されない。例えば、周囲部分2bに分散させる吸液
性物質5の直径が0.5mmよりも大きい場合には、そ
れよりも目の間隔の細かい網、すなわち50〜100メ
ッシュ程度以上の網を用いればよく、それにより吸液性
物質5が中心部分2aに入り込まないように維持するこ
とが可能である。熱交換器3は、蓄熱装置の外部と中心
部分2aにある蓄熱材1との間で熱交換を行う手段とし
て設けたものであり、蓄熱材1に対して安定性のあるも
のであれば、材質や構造は限定されない。また、吸液性
物質5は、蓄熱槽2と網4に対して化学的、熱的に安定
であり、周囲部分2bにある蓄熱材1の粘性を高め、そ
れによって自然対流の抑制手段を構成できるものであれ
ば、材質や形状は限定されない。例えば、澱粉−アクリ
ロニトリルグラフト重合体加水分解物のような高吸水性
の高分子材料粒子や、脱脂綿のような繊維など、種々の
物質が適用可能である。
【0029】次に、蓄熱装置の外部の環境よりも高い温
度を貯蔵する場合について、図1の蓄熱装置の動作を説
明する。熱の注入過程では、熱交換器3を利用して蓄熱
槽2に充填された蓄熱材1のうち、中心部分2aにある
ものを加熱し、温度を上昇させる。中心部分2aにある
蓄熱材1の温度が上昇すると、中心部分2aと周囲部分
2bとの温度差が大きくなるため、中心部分2aから周
囲部分2bに向かって熱が移動し、周囲部分2bにある
蓄熱材1は徐々に加熱されて行く。熱の注入・抽出過程
においても、周囲部分2bから蓄熱槽2の壁を通して、
蓄熱槽2を取り囲む外部環境へ熱が移動するが、説明を
単純にするために、外部への熱損失については次の保存
過程についてのみ説明する。
【0030】熱の保存過程では、中心部分2aから周囲
部分2bおよび蓄熱槽2を通して、蓄熱槽2を取り囲む
外部環境へ熱が移動するため、蓄熱材1の温度は徐々に
低下する。前述のように蓄熱材1の温度は蓄熱槽2によ
り近い周辺部分から変化していくため、熱移動の過程
で、蓄熱材1の内部には中心から周囲へ向かう方向に温
度差が発生し、蓄熱材1が自由に流動するものである場
合には、蓄熱材1の内部に自然対流が誘発される。この
自然対流の強さは、次の式で定義されるグラスホフ数
(Grashof number)Grに支配されることがよく知られ
ている。
【0031】
【数4】 lは代表的な長さ(例えば蓄熱槽2の鉛直壁面の高さ) gは重力加速度 βは蓄熱材1の体膨張係数 ΔTは蓄熱材1内にできた温度差 νは蓄熱材1の動粘性係数
【0032】また、蓄熱材1内に物質の移動がなけれ
ば、蓄熱材1と蓄熱槽2との間の熱移動は、蓄熱材1と
蓄熱槽2において個々に隣り合う構成分子/原子同士の
直接的な熱移動、すなわち熱伝導のみに依存するが、蓄
熱材1内に上記のような自然対流がある場合には、熱伝
導の他に、自然対流すなわち物質の移動による速く大き
な熱移動(熱伝達)が存在し、自由で活発な熱移動が起
きる。この流体と固体壁面との間の熱伝達の強さは、次
の式で定義されるヌセルト数(Nusselt number)Nuに
支配されることがよく知られている。
【0033】
【数5】 hは蓄熱材1と蓄熱槽2の間の熱伝達率 xは蓄熱槽2の鉛直壁面下からの距離 λは蓄熱材1の熱伝導率 Prは蓄熱材1のプラントル数でPr=ν/α(αは蓄
熱材1の熱拡散率) C、mは壁面の状態により定まる定数
【0034】式(5)の右辺は、ヌセルト数Nuがプラ
ントル数Prとグラスホフ数Grの関数であることを表
している。式(4)および(5)より、蓄熱材1と蓄熱
槽2との間の熱伝達率は、
【数6】 で表されることがわかる。
【0035】式(6)は、蓄熱材1の熱伝導率や体膨張
係数、蓄熱槽2の鉛直方向の長さ、あるいは蓄熱材1と
蓄熱槽2の温度差が大きくなるほど、熱伝達率hの大き
さ、すなわち蓄熱材1と蓄熱槽2との間の熱移動が大き
くなり、逆に蓄熱材1の熱拡散率や動粘性係数が大きく
なるほど、蓄熱材1と蓄熱槽2との間の熱移動は小さく
なることを示している。蓄熱材1から外部への熱移動量
は式(2)に従うが、蓄熱材1と蓄熱槽2との間の熱伝
達率hが大きくなるほど、熱通過率kは鋭敏に反応して
大きくなるため、それだけ蓄熱材1から外部環境への熱
損失は大きくなる。
【0036】この実施例の蓄熱装置では、周囲部分2b
に分散した高分子吸液性物質5によって、周囲部分2b
にある蓄熱材1は、その粘性νが高められるのと同様の
作用を受け、式(4)で示されるように自然対流が困難
になり、また、その結果として、式(6)に示されるよ
うに周囲部分2bにある蓄熱材1と蓄熱槽2との間の熱
伝達が減少し、したがって外部への熱損失も小さくな
る。
【0037】熱の抽出過程においては、熱交換器3を利
用して、蓄熱槽2から蓄熱材1の温度に対応した熱を抽
出することができる。熱の抽出にともなって中心部分2
aにある蓄熱材1の温度が下降すると、中心部分2aと
周囲部分2bとの温度差が大きくなるため、周囲部分2
bから中心部分2aに向かって熱が移動し、周囲部分2
bにある蓄熱材1は徐々に冷却されて行く。蓄熱装置の
外部環境よりも低い温度の熱を貯蔵する場合について
も、温度の高低と熱の流れる方向が逆になるだけで、基
本的な動作は上記と同様である。
【0038】[実施例2]図2は、本発明に係る蓄熱装
置の他の実施例の断面図である。この蓄熱装置は、蓄熱
槽2に熱を貯蔵する蓄熱材1を収容しているが、図1の
場合とは異なり、蓄熱槽2の網4により取り囲まれた中
心部分2aと蓄熱装置の外部との間を、蓄熱材を兼ねた
熱媒体8を流出入させる二つの連通管6a,6bにより
連通させている。これらの連通管6a,6bは、熱媒体
8に対して安定性のあるものであれば、材質や構造は限
定されない。なお、その他の構成は図1の実施例の場合
と同様である。
【0039】次に、上記図2の蓄熱装置に外部の環境よ
りも高い温度を貯蔵する場合の動作について説明する。
熱の注入過程では、連通管6bから熱媒体8を吸い出
し、外部の熱源で加熱する。外部で加熱された熱媒体8
は、連通管6aを利用して蓄熱槽2に戻される。このよ
うな蓄熱槽2と蓄熱装置外部との間の熱媒体8の循環が
必要に応じて繰り返されることにより、中心部分2aに
ある熱媒体8の温度は上昇し、すなわち蓄熱槽2に熱が
注入されることになる。中心部分2aにある熱媒体8の
温度が上昇すると、中心部分2aと周囲部分2bとの間
の温度差が大きくなるため、中心部分2aから周囲部分
2bに向かって熱が移動し、周囲部分2bにある熱媒体
8は徐々に加熱されて行く。なお、熱の注入・抽出過程
においても、周囲部分2bから蓄熱槽2の壁を通して、
蓄熱槽2を取り囲む外部環境へ熱が移動するが、説明を
単純にするために、外部への熱損失については次の保存
過程についてのみ説明する。
【0040】熱の保存過程では、中心部分2aから周囲
部分2bおよび蓄熱槽2を通して、蓄熱槽2を取り囲む
外部環境へ熱が移動するため、熱媒体8の温度は徐々に
低下する。しかし、図1の動作と同様に、周囲部分2b
に分散させた高分子吸液性物質5によって、周囲部分2
bにある熱媒体8は粘性νが高められるのと同様の作用
を受け、式(4)で示されるように自然対流が困難にな
り、その結果として、式(6)に示されるように、周囲
部分2bにある熱媒体8と蓄熱槽2との間の熱伝達が減
少し、したがって外部への熱損失も小さくなる。
【0041】熱の抽出過程では、連通管6aを通して蓄
熱槽2に収容されている熱媒体8を吸い出し、外部で熱
媒体8の温度にある熱源として利用する。熱利用により
外部で冷却された熱媒体8は、連通管6bを通して蓄熱
槽2に戻される。熱の抽出にともなって中心部分2aに
ある熱媒体8の温度が下降すると、中心部分2aと周囲
部分2bとの温度差が大きくなるため、周囲部分2bか
ら中心部分2aに向かって熱が移動し、周囲部分2bに
ある熱媒体8は徐々に冷却される。なお、蓄熱装置の外
部の環境よりも低い温度の熱を貯蔵する場合について
も、温度の高低と熱の流れ、熱媒体8を抽出・注入する
方向が逆になるだけで、基本的な動作は上記と同様であ
る。
【0042】[実施例3]図3は、本発明に係る蓄熱装
置の他の実施例の断面図である。この蓄熱装置では、図
2の実施例と同様な構成の蓄熱槽2において、網4によ
り取り囲まれた蓄熱槽2の中心部分2aと蓄熱装置の外
部との間を、二つの連通管6a,6bにより連通させて
いるが、蓄熱槽2の中心部分2aと周囲部分2bに収容
する蓄熱材1a,1bをそれぞれ小容器7a,7bに収
容し、中心部分2aにおけるそれらの小容器7aの間と
蓄熱装置の外部との間において、連通管6a,6bによ
り熱媒体8を循環させるようにして、蓄熱材と外部との
間の熱交換手段を構成させている。蓄熱材1a,1bと
しては、必要とする蓄熱温度に応じて種々の物質を用い
ることができ、熱の注入・抽出過程において相変化する
物質であっても構わない。また、蓄熱槽2の中心部分2
aと周囲部分2bの蓄熱材1a,1bは、互いに同一の
物質であっても、あるいは異なる物質であっても構わな
い。
【0043】なお、図面では本実施例の小容器7a,7
bを球形に表わしているが、蓄熱材1a、1b及び熱媒
体8に対して安定性のあるものであれば、材質や形状は
限定されず、また中心部分2aと周囲部分2bとで小容
器の寸法が異なっていても、同じであっても構わない。
熱媒体8も、使用する温度範囲において安定性のあるも
のであれば、その材質は限定されない。
【0044】次に、図3の蓄熱装置において、その蓄熱
装置に外部の環境よりも高い温度を貯蔵する場合の動作
について説明する。熱の注入過程では、まず連通管6b
を通して蓄熱槽2に滞留する熱媒体8を吸い出し、外部
の熱源で加熱する。外部で加熱された熱媒体8は、連通
管6aを通して蓄熱槽2に戻される。このような蓄熱槽
2と外部環境との間の熱媒体8の循環を必要に応じて繰
り返すことにより、蓄熱槽2の中心部分2aに収容され
た各小容器7aの壁を通して熱媒体8から蓄熱材1aへ
熱が移動し、蓄熱材1aの温度が上昇する。すなわち、
蓄熱槽2に熱が注入される。
【0045】中心部分2aにある蓄熱材1aの温度が上
昇すると、中心部分2aと周囲部分2bとの温度差が大
きくなるため、中心部分2aから周囲部分2bに向かっ
て熱が移動し、周囲部分2bにある蓄熱材1bは徐々に
加熱される。熱の注入・抽出過程においても、周囲部分
2bから蓄熱槽2の壁を通して、蓄熱槽2を取り囲む外
部環境へ熱が移動するが、説明を単純にするために、外
部への熱損失については次の保存過程についてのみ説明
する。
【0046】熱の保存過程では、中心部分2aから周囲
部分2bおよび蓄熱槽2を通して蓄熱槽2を取り囲む外
部環境へ熱が移動するため、蓄熱材1a,1bの温度は
徐々に低下する。しかし、図1の動作と同様に、周囲部
分2bに分散された高分子吸液性物質5によって、周囲
部分2bにある熱媒体8は粘性νが高められるのと同様
の作用を受け、式(4)で示されるように自然対流が困
難になり、また、その結果として、式(6)に示される
ように、周囲部分2bにある熱媒体8と蓄熱槽2との間
の熱伝達が減少し、したがって外部への熱損失も小さく
なる。
【0047】熱の抽出過程では、連通管6aを利用して
蓄熱槽2に収容されている熱媒体8を吸い出し、外部に
おいて蓄熱材1aの温度にある熱源として利用し、熱利
用により外部で冷却された熱媒体8は、連通管6bを通
して蓄熱槽2に戻される。熱の抽出にともなって、中心
部分2aにある蓄熱材1aの温度が下降すると、中心部
分2aと周囲部分2bとの温度差が大きくなるため、周
囲部分2bから中心部分2aに向かって熱が移動し、周
囲部分2bにある蓄熱材1bは徐々に冷却される。な
お、蓄熱装置の外部環境よりも低い温度の熱を貯蔵する
場合についても、温度の高低と熱の流れの方向が逆にな
るだけで、基本的な動作は上記と同様である。
【0048】[実施例4]図4は、本発明に係る蓄熱装
置の他の実施例の断面図である。この蓄熱装置は、図1
の実施例と実質的に同じ構成を備え、その蓄熱槽2の外
側に断熱層9を設けている。この断熱層9は、内表面が
蓄熱槽2に対して、また外表面が外部環境に対して安定
性のあるものであれば、材質や構造は限定されない。な
お、図1の実施例との共通部分については、図4中に同
一の符号を付してそれらの説明を省略する。
【0049】次に、図4の蓄熱装置において、その蓄熱
装置に外部の環境よりも高い温度を貯蔵する場合の動作
について説明する。熱の注入過程の動作は、基本的に実
施例1と同様である。熱の保存過程では、中心部分2a
から周囲部分2bおよび蓄熱槽2を通して、蓄熱槽2を
取り囲む外部環境へ熱が移動するため、蓄熱材1の温度
は徐々に低下する。しかし、図1の動作と同様に周囲部
分2bに分散させた高分子によって、周囲部分2bにあ
る熱媒体8は粘性νが高められるのと同様の作用を受
け、式(4)で示されるように自然対流が困難になり、
また、その結果として式(6)に示されるように周囲部
分2bにある蓄熱材1と蓄熱槽2との間の熱伝達が減少
し、したがって外部への熱損失も小さくなる。その際、
断熱層9の熱伝導率は蓄熱槽2に比べて小さいため、式
(2)における熱通過率kを小さくすることができ、さ
らに熱損失の小さい蓄熱装置を提供することができる。
【0050】熱の抽出過程の動作も、基本的に実施例1
と同様である。蓄熱装置の外部の環境よりも低い温度の
熱を貯蔵する場合についても、温度の高低と熱の流れる
方向が逆になるだけで、基本的な動作は上記と同様であ
る。また、本実施例では蓄熱槽等が実施例1と同様の場
合を示しているが、実施例2や3に挙げるような構造に
対しても、同様に適用することが可能である。
【0051】[実施例5]図5は、本発明に係る蓄熱装
置の他の実施例の断面図である。この蓄熱装置は、図1
の実施例と同様の蓄熱槽2、熱交換器3を備えるもので
あるが、蓄熱槽2の中心部分2aと周囲部分2bとの境
界に張り巡らされた網4に代えて電極4aを設けてい
る。すなわち、中心部分2aと周囲部分2bとが空間的
に分離されるように、電極4aが設けられている。ま
た、蓄熱槽2の内表面近傍に電極4bを張り巡らしてい
る。これらの電極4a,4bは、周囲部分2bを挟むよ
うに対向配置してそれぞれ電源11に接続し、蓄熱槽2
の内部には、蓄熱材の働きをする電気粘性流体10を充
填している。この電気粘性流体10は、電圧が印加され
ることにより粘性が増加する性質を持つものである。
【0052】電極4a,4bは、電源11への電圧の印
加によって、周囲部分2bに均一な電場を発生できるも
のであれば、材質や構造は限定されず、例えば、網状の
ものでもよい。電気粘性流体10は、蓄熱槽2や熱交換
器3、電極4a,4bに対して安定なものであれば、材
質や組成は限定されない。例えば、炭素粉末を懸濁させ
た液体など、必要とする蓄熱温度に応じて種々の物質を
適用することができる。
【0053】次に、図5の蓄熱装置において、蓄熱装置
の外部の環境よりも高い温度を貯蔵する場合の動作につ
いて説明する。熱の注入過程では、熱交換器3により蓄
熱槽2に収容された電気粘性流体10のうち、中心部分
2aにあるものを加熱し、温度を上昇させる。中心部分
2aにある電気粘性流体(蓄熱材)10の温度が上昇す
ると、中心部分2aと周囲部分2bとの温度差が大きく
なるため、中心部分2aから周囲部分2bに向かって熱
が移動し、周囲部分2bにある電気粘性流体10は徐々
に加熱されて行く。
【0054】外部から蓄熱装置へ供給される熱量が、中
心部分2aから周囲部分2bへ拡散する熱量以下の場合
には、電源11によって電極4a,4b間に電圧を印加
する。この電圧が印加されると、電極4a,4b間に電
場が発生し、電極4a,4bに挟まれた周囲部分2bに
ある電気粘性流体10の粘性が増加するので、周囲部分
2bにおいて式(4)で示されるように自然対流が困難
になり、その結果として、式(6)に示されるように周
囲部分2bにある電気粘性流体10と蓄熱槽2との間の
熱伝達が減少し、したがって外部への熱損失も小さくな
る。外部から蓄熱装置へ供給される熱量が、中心部分2
aから周囲部分2bへ拡散する熱量よりも大きい場合に
は、電極4a,4b間に電圧を印加しないことにより、
周囲部分2bの粘性を小さくし、中心部分2aから周囲
部分2bへの熱移動を自由に行わせて、外部から注入さ
れる熱を効率良く蓄熱槽2に吸収させることも可能であ
る。
【0055】熱の保存過程では、電源11によって電極
4a及び4bに電圧を印加する。電圧の印加により、上
述の理由で蓄熱装置から外部への熱損失が小さくなる。
熱の抽出過程においては、熱交換器3を通して蓄熱槽2
から電気粘性流体10の温度に対応した熱を抽出するこ
とができる。熱の抽出にともなって中心部分2aにある
電気粘性流体10の温度が下降すると、中心部分2aと
周囲部分2bとの温度差が大きくなるため、周囲部分2
bから中心部分2aに向かって熱が移動し、周囲部分2
bにある電気粘性流体10は徐々に冷却されて行く。
【0056】外部から蓄熱装置に求められる熱量が、中
心部分2aに保存された熱で足りる場合には、電源11
によって電極4a,4b間に電圧を印加する。電圧の印
加により、上述の理由で蓄熱装置から外部への熱損失が
小さくなる。外部から蓄熱装置に求められる熱量が、中
心部分2aに保存された熱だけでは不足する場合には、
電極4a,4b間に電圧を印加しないことにより、周囲
部分2bの粘性を小さくし、周囲部分2bから中心部分
2aへの熱移動を自由に行わせて、外部で必要とされる
熱を効率良く蓄熱槽2から抽出させることも可能であ
る。蓄熱装置の外部の環境よりも低い温度の熱を貯蔵す
る場合についても、温度の高低と熱の流れる方向が逆に
なるだけで、基本的な動作は上記と同様である。また、
実施例4のように蓄熱槽2の外面を断熱層9で覆うこと
により、より熱損失の小さい蓄熱装置とすることも可能
である。
【0057】[実施例6]図6は、本発明に係る蓄熱装
置の他の実施例の断面図である。この蓄熱装置は、図1
の実施例と同様の蓄熱槽2、熱交換器3を備えるもので
あるが、蓄熱槽2内には蓄熱材の働きをする磁性流体1
2を充填している。この磁性流体は、磁場が印加される
ことにより粘性が増加する性質を持つものである。蓄熱
槽2内における中心部分2aと周囲部分2bとの境界、
及び蓄熱槽2の外側には、外部の電源11からの電圧の
印加によって磁力を発生させる多数の電磁石13a,1
3bを配設している。それらの数は任意に設定すること
ができる。なお、図では電磁石13a,13bと電源1
1との間の配線については省略している。
【0058】電磁石13aは、磁極が中心部分2aに背
を向けるように設けられ、電磁石13bは、逆に磁極が
蓄熱装置の外部に背を向けるように設けられている。電
磁石13a,13bは、周囲部分2bにのみ磁場を発生
させることができれば、材質や構造は限定されない。例
えば、電磁石13a,13bに代えて永久磁石を用いる
ことも可能であり、その場合も基本的な働きは変わらな
い。磁性流体12は、蓄熱槽2や熱交換器3、電磁石1
3a,13bに対して安定なものであれば、材質や組成
は限定されない。例えば、フェライト粉末を懸濁させた
液体など、必要とする蓄熱温度に応じて種々の物質を用
いることができる。
【0059】次に、図6の蓄熱装置において、蓄熱装置
の外部の環境よりも高い温度を貯蔵する場合の動作につ
いて説明する。熱の注入過程では、熱交換器3を用いて
蓄熱槽2に充填された磁性流体12のうち、中心部分2
aにあるものを加熱し、温度を上昇させる。中心部分2
aにある磁性流体12の温度が上昇すると、中心部分2
aと周囲部分2bとの温度差が大きくなるため、中心部
分2aから周囲部分2bに向かって熱が移動し、周囲部
分2bにある磁性流体12は徐々に加熱される。
【0060】外部から蓄熱装置へ供給される熱量が、中
心部分2aから周囲部分2bへ拡散する熱量以下の場合
には、電源11によって電磁石13a,13bに通電す
る。この通電により、電磁石13a,13bは、磁極が
周囲部分2bに向かうように配置されているため、磁極
が背を向けている中心部分2aには磁場が作用せず、電
磁石13a,13bに挟まれた周囲部分2bに磁場が発
生する。したがって、中心部分2aにある磁性流体12
は磁場の影響を受けないが、周囲部分2bにある磁性流
体12は磁場の作用を受けて、見掛けの粘性が増加す
る。粘性の増加により、周囲部分2bにおいて式(4)
で示されるように自然対流が困難になり、その結果とし
て、式(6)に示されるように周囲部分2bにある磁性
流体12と蓄熱槽2との間の熱伝達が減少し、したがっ
て外部への熱損失も小さくなる。
【0061】外部から蓄熱装置へ供給される熱量が、中
心部分2aから周囲部分2bへ拡散する熱量よりも大き
い場合には、電磁石13a,13bへの通電を断つこと
により、周囲部分2bの粘性を小さくし、中心部分2a
から周囲部分2bへの熱移動を自由に行わせて、外部か
ら注入される熱を効率良く蓄熱槽2に吸収させることも
可能である。
【0062】熱の保存過程では、電源11から電磁石1
3a,13bに通電することにより、上述の理由で蓄熱
装置から外部への熱損失を小さくすることができる。熱
の抽出過程においては、熱交換器3により蓄熱槽2から
磁性流体12の温度に対応した熱を抽出することができ
る。熱の抽出にともなって中心部分2aにある磁性流体
12の温度が下降すると、中心部分2aと周囲部分2b
との温度差が大きくなるため、周囲部分2bから中心部
分2aに向かって熱が移動し、周囲部分2bにある磁性
流体12は徐々に冷却される。外部から蓄熱装置に求め
られる熱量が、中心部分2aに保存された熱で足りる場
合には、電源11によって電磁石13a,13bに通電
し、この通電により、上述と同様の理由で蓄熱装置から
外部への熱損失が小さくなる。外部から蓄熱装置に求め
られる熱量が、中心部分2aに保存された熱だけでは不
足する場合には、電磁石13a,13bへの通電を断つ
ことにより、周囲部分2bの粘性を小さくし、周囲部分
2bから中心部分2aへの熱移動を自由に行わせて、外
部で必要とされる熱を効率良く蓄熱槽2から抽出するこ
とも可能である。
【0063】電磁石13a,13bが永久磁石で代替さ
れる場合の動作は、電磁石13a,13bに通電してい
る場合と同様である。蓄熱装置の外部の環境よりも低い
温度の熱を貯蔵する場合についても、温度の高低と熱の
流れる方向が逆になるだけで、基本的な動作は上記と同
様である。また、実施例4のように蓄熱槽2の外面を断
熱層9で覆うことにより、より熱損失の小さい蓄熱装置
とすることも可能である。
【0064】[実施例7]図7は、本発明に係る蓄熱装
置の他の実施例の断面図である。この蓄熱装置は、図1
の実施例と同様に、蓄熱槽2に熱を貯蔵する蓄熱材1を
収容し、蓄熱槽2に外部との間の熱交換を行う熱交換器
3を設けているが、蓄熱槽2内における網4で区画され
た周囲部分2bに多数の障壁14を設けている。この障
壁14は、蓄熱材1に対して安定であり、蓄熱材1の直
進的な移動を妨げるようなものであれば、材質や構造は
限定されない。例えば、網状のものでも利用可能であ
る。なお、この実施例では、図1の実施例において用い
ている吸液性物質5は用いていないが、それを使用して
も差し支えない。その他の構成は図1の実施例と変わる
ところがないので、それらの説明を省略する。
【0065】次に、図7の蓄熱装置において、蓄熱装置
の外部の環境よりも高い温度を貯蔵する場合の動作につ
いて説明する。熱の注入過程の動作は、基本的に実施例
1と同様である。熱の保存過程では、中心部分2aから
周囲部分2bおよび蓄熱槽2を通して、蓄熱槽2を取り
囲む外部環境へ熱が移動するため、蓄熱材1の温度は徐
々に低下する。しかし、周囲部分2bには細かく入り組
んだ障壁14があり、周囲部分2bにある蓄熱材1が中
心部分2a側に移動しようとしても、直進し続けること
できず、障壁14で衝突を繰り返すことになる。これに
より、蓄熱材1の移動速度は障壁14がない場合よりも
小さくなって、見掛け上は周囲部分2bにある蓄熱材1
の粘性νが高められるのと同様の作用を受け、式(4)
で示されるように自然対流が困難になり、その結果とし
て、式(6)に示されるように周囲部分2bにある蓄熱
材1と蓄熱槽2との間の熱伝達が減少し、したがって外
部への熱損失も小さくなる。
【0066】熱の抽出過程の動作も、基本的に実施例1
と同様である。蓄熱装置の外部の環境よりも低い温度の
熱を貯蔵する場合についても、温度の高低と熱の流れる
方向が逆になるだけで、基本的な動作は上記と同様であ
る。また、実施例4のように蓄熱槽2の外面を断熱層9
で覆うことにより、より熱損失の小さい蓄熱装置とする
ことも可能である。
【0067】[実施例8]図8は、本発明に係る蓄熱装
置の他の実施例の断面図である。この蓄熱装置は、図1
の実施例と同様に、蓄熱槽2に熱を貯蔵する蓄熱材1を
収容し、蓄熱槽2に外部との間の熱交換を行う熱交換器
3を設けている。また、蓄熱槽2内における網4で区画
された周囲部分2bにおいて、蓄熱材1中に高分子吸液
性物質5を分散させている。そして、蓄熱槽内の中心部
分2aと周囲部分2bとの間に、熱の移動を任意に促進
させることができる伝熱素子15を配設している。伝熱
素子15は、蓄熱材1に対して安定性のあるものであれ
ば、材質や構造、機構等は限定されない。例えば、熱電
素子のように外部から電圧を印加することによって、任
意の方向に任意の量の熱を輸送することができるもので
あっても、ヒートパイプのように温度によって伝熱抵抗
が著しく変化するものであっても良い。
【0068】次に、図8の蓄熱装置において、蓄熱装置
の外部の環境よりも高い温度を貯蔵する場合の動作につ
いて説明する。熱の注入過程の動作は、基本的に実施例
1と同様である。ただし、外部から蓄熱装置へ供給され
る熱量が中心部分2aにある蓄熱材1を加熱して余りあ
る場合には、実施例1の手順に加えて、伝熱素子15に
より中心部分2aから周囲部分2bへの熱移動を促進
し、中心部分2aに余剰にある熱を周囲部分2bへ移動
させることで、外部から供給される熱を可能な限り余す
ところ無く速やかに蓄熱装置へ貯蔵することができる。
熱の保存過程での動作も、実施例1と同様であり、蓄熱
装置からの熱損失は従来例よりも小さくなる。熱の抽出
過程の動作も、基本的に実施例1と同様である。ただ
し、外部から蓄熱装置へ要求される熱量が、中心部分2
aにある蓄熱材1に貯蔵された熱を利用するだけでは不
足する場合に、実施例1の手順に加えて、伝熱素子15
により周囲部分2bから中心部分2aへの熱移動を促進
し、中心部分2aで不足する熱を周囲部分2bから移動
させることで、外部から要求される熱を可能な限り不足
無く速やかに蓄熱装置から抽出することができる。蓄熱
装置の外部の環境よりも低い温度の熱を貯蔵する場合に
ついても、温度の高低と熱の流れる方向が逆になるだけ
で、基本的な動作は上記と同様である。また、本実施例
では、蓄熱槽等が実施例1と同様の場合を示している
が、実施例2〜7に挙げるような構造を有する場合にお
いても、同様の動作を得ることが可能である。
【0069】[実施例9]図9は、本発明に係る蓄熱装
置の他の実施例の断面図である。この蓄熱装置は、図1
の実施例と同様に、蓄熱槽2に熱を貯蔵する蓄熱材1を
収容し、蓄熱槽2に外部との間の熱交換を行う熱交換器
16を設けている。また、蓄熱槽2内の網4で区画され
た周囲部分2bにおいて、蓄熱材1中に高分子吸液性物
質5を分散させている。熱交換器16は、中心部分2a
と周囲部分2bとを順次に通過するように配置されたも
ので、蓄熱材1に対して安定性のあるものであれば、材
質や断面形状、フィンの有無などの構造は限定されな
い。
【0070】次に、図9の蓄熱装置において、蓄熱装置
の外部の環境よりも高い温度を貯蔵する場合等の各過程
の動作について説明する。各過程における動作は、基本
的に実施例1と同様である。熱の注入過程では、熱交換
器16を用いて、まず蓄熱槽2に充填された蓄熱材1の
中心部分2aにあるものを加熱し、温度を上昇させる。
次に、その余熱で周囲部分2bにある蓄熱材1を加熱す
る。実施例1では、周囲部分2bにある蓄熱材1は、中
心部分2aにある蓄熱材1の温度上昇による熱移動で徐
々に加熱されるが、周囲部分2bは実施例1の説明のよ
うに見掛けの粘性が大きく、熱移動が困難であるため、
熱交換器16を利用することで、実施例1よりも迅速に
熱の注入を行わせることが可能になる。
【0071】熱の保存過程では、実施例1と同様に、周
囲部分2bにある蓄熱材1の見掛けの粘性が大きいた
め、周囲部分2bにある蓄熱材1と蓄熱槽2との間の熱
伝達が減少し、したがって外部への熱損失も小さくな
る。熱の抽出過程では、熱交換器16によりまず蓄熱槽
2に充填された蓄熱材1のうち周囲部分2bにある熱
で、外部との熱のやり取りをする熱媒体を加熱し、熱媒
体の温度を予熱させる。次に、中心部分2aにある蓄熱
材1の熱で熱媒体を加熱する。実施例1では、周囲部分
2bにある蓄熱材1は、中心部分2aにある蓄熱材1の
温度降下による熱移動で、徐々に冷却される。この実施
例でも周囲部分2bは見掛けの粘性が大きく、熱移動が
困難であるが、熱交換器16を用いることで、実施例1
よりも迅速に熱の抽出を行わせることが可能になる。蓄
熱装置の外部の環境よりも低い温度の熱を貯蔵する場合
についても、温度の高低と熱の流れる方向が逆になるだ
けで、基本的な動作は上記と同様である。また、本実施
例では、蓄熱槽等が実施例1と同様の場合を示している
が、実施例2〜8に挙げるような構造に対して適用して
も、同様の動作を得ることが可能である。
【0072】[実施例10]図10は、本発明に係る蓄
熱装置の他の実施例の断面図である。この蓄熱装置は、
図9の実施例における熱交換器16に代えて、蓄熱槽2
の中心部分2aと周囲部分2bとをそれぞれ別々に加熱
あるいは冷却できるような熱交換器17a,17bを配
設している。熱交換器17a,17bは、蓄熱材1に対
して安定性のあるものであれば、材質や断面形状、フィ
ンの有無などの構造は限定されない。なお、その他の構
成は図9の実施例と変わるところがないので、それらの
説明を省略する。
【0073】次に、図9の蓄熱装置において、蓄熱装置
の外部の環境よりも高い温度を貯蔵する場合等の動作に
ついて説明する。各過程における動作は、基本的に実施
例1と同様である。熱の注入過程では、以下の3種類の
場合で手順が異なる。第一の手順は、外部からの熱源の
温度が中心部分2aにある蓄熱材1の温度よりも高く、
かつ中心部分2aを加熱して有り余る十分な熱量がある
場合に採られるものである。この時、外部との熱のやり
取りをする熱媒体は、熱源からまず熱交換器17aに送
られ、中心部分2aにある蓄熱材1を加熱し、外部へ戻
されるが、この戻された熱媒体の温度は周囲部分2bに
ある蓄熱材1の温度よりも高いため、熱媒体は次に熱交
換器17bへ送られ、周囲部分2bにある蓄熱材1を加
熱してから熱源へ戻される。この熱交換器17aから戻
される熱媒体を熱交換器17bに送り込むことによっ
て、周囲部分2bにある蓄熱材1を迅速に加熱すること
ができるとともに、熱源における熱交換の効率を向上さ
せることも可能になる。なぜならば、中心部分2aにあ
る蓄熱材1のみを加熱する場合よりも熱源から送られる
熱媒体の温度は低下して熱源へ送り返されるため、熱源
における熱交換温度差が増加するためである。
【0074】熱の注入過程における第二の手順は、外部
からの熱源の温度が中心部分2aにある蓄熱材1の温度
よりも高いが、中心部分2aを加熱するだけの熱量しか
無い場合に採られる。この時、熱源からの熱媒体は熱交
換器17aに送られ、中心部分2aにある蓄熱材1を加
熱し、再び熱源へ戻される。熱交換器17aから戻って
きた熱媒体の温度は、周囲部分2bにある蓄熱材1の温
度よりも高いが、第一の手順のようにさらに熱媒体を熱
交換器17bへ送ることはできない。なぜならば、この
場合は熱源の熱量が十分にないため、熱交換器17bを
利用することで温度のさらに低下した熱媒体を、熱源で
再び中心部分2aにある蓄熱材1よりも高温に加熱する
ことはできず、熱源から熱交換器17a及び熱交換器1
7bを経て熱源に戻る循環が、熱的に成り立たないため
である。
【0075】熱の注入過程における第三の手順は、外部
からの熱源の温度が中心部分2aにある蓄熱材1よりも
低く、かつ周囲部分2bにある蓄熱材1の温度よりも高
い場合に採られる。この場合は、熱源からの熱媒体を熱
交換器17aへ送り込むと、中心部分2aにある蓄熱材
1の温度を低下させてしまうので、熱媒体は熱交換器1
7bに送られ、周囲部分2bにある蓄熱材1を加熱し、
再び熱源へ戻される。周囲部分2bの温度は、中心部分
2aの温度と蓄熱装置外部の環境の温度との間にあるた
め、熱交換器17bを単独で利用することで、たとえ熱
源の温度が十分に高くなくても、熱源のエネルギーを効
果的に蓄熱装置へ貯蔵させることが可能になる。熱の保
存過程では、実施例1と同様に、周囲部分2bにある蓄
熱材1の見掛けの粘性が大きいため、周囲部分2bにあ
る蓄熱材1と蓄熱槽2との間の熱伝達が減少し、したが
って外部への熱損失も小さくなる。
【0076】熱の抽出過程でも、以下の3種類の場合で
手順が異なる。第一の手順は、外部で必要な熱の温度が
中心部分2aにある蓄熱材1の温度に近く、かつ中心部
分2aの熱だけでは不足する場合に採られる。この時、
外部との熱のやり取りをする熱媒体は、熱源からまず熱
交換器17bに送られ、周囲部分2bにある蓄熱材1で
予熱されて一旦外部へ戻される。熱交換器17bから戻
された熱媒体の温度は中心部分2aにある蓄熱材1の温
度よりも低いため、熱媒体は次に熱交換器17aへ送ら
れ、中心部分2aにある蓄熱材1で加熱されてから外部
へ戻される。熱交換器17aで熱媒体を加熱する前に、
熱交換器17bで熱媒体を予熱することによって、周囲
部分2bにある蓄熱材1の熱を迅速に抽出することがで
きるとともに、外部からの大きな負荷による中心部分2
aの急激な温度下降を抑制することも可能になる。
【0077】熱の抽出過程における第二の手順は、外部
で必要な熱の温度が中心部分2aにある蓄熱材1の温度
に近く、かつ中心部分2aから抽出される量で足りる場
合に採られる。この時、外部からの熱媒体は熱交換器1
7aに送られ、中心部分2aにある蓄熱材1で加熱さ
れ、再び外部へ戻されて利用される。
【0078】熱の抽出過程における第三の手順は、外部
で必要な熱の温度が中心部分2aにある蓄熱材1よりも
低いが、周囲部分2bにある蓄熱材1の温度よりも高い
場合に採られる。この場合、外部からの熱媒体は熱交換
器17bで加熱され、外部へ戻されて利用される。もし
も外部からからの熱媒体を熱交換器17aへ送り込んで
しまうと、蓄熱装置から外部へ取り出す熱量が同一であ
っても、周囲部分2bよりも高い温度にある中心部分2
aの蓄熱材1の温度を低下させて、蓄熱装置の持つ有効
エネルギー(エクセルギー)がより低下してしまうので
良くない。
【0079】例えば、かりに中心部分2aにある蓄熱材
1の平均温度が60℃で、周囲部分2bにある蓄熱材1
の平均温度が50℃であり、外部にある熱媒体の温度が
30℃であり、必要とされる熱の温度が40℃である場
合を考える。また、熱交換器17bを用いて、30℃の
熱媒体を周囲部分2bにある蓄熱材1の熱で加熱して4
0℃にするとき、周囲部分2bの平均温度が42℃にな
るとする。同じく熱交換器17aを用いて30℃の熱媒
体を中心部分2aにある蓄熱材1の熱で加熱して40℃
にするとき、中心部分2aの平均温度が56℃になるも
のとする。この場合、一見して熱交換器17aを用いる
方が温度の低下が小さいために有効であるように見える
が、例えば、次に58℃の熱が必要になったとき、前者
では蓄熱材1の周囲部分2bの温度は42℃に低下して
しまっているが、中心部分の温度は60℃のままなの
で、今度は熱交換器17aを用いて中心部分2aにある
蓄熱材1の熱で熱媒体を加熱し、58℃の熱を取り出す
ことができる。他方、後者では周囲部分2bにある蓄熱
材1の温度が50℃のままであるが、中心部分2aの温
度は56℃に低下してしまっているため、58℃の熱を
取り出すことは不可能である。すなわち、蓄熱装置の有
効性が低下していることになる。
【0080】このように第三の手順は、外部から必要と
される熱の温度に対応した、蓄熱材1の適当な部分から
熱を抽出することで、蓄熱装置の有効性を可能な限り低
下させないようにするものである。これにより、熱の供
給量や需要量の広い変動幅に対して、効率良く動作する
蓄熱装置を提供することができる。蓄熱装置の外部の環
境よりも低い温度の熱を貯蔵する場合についても、温度
の高低と熱の流れる方向が逆になるだけで、基本的な動
作は上記と同様である。また、本実施例では、蓄熱槽等
が実施例1と同様の場合を示しているが、実施例2〜8
に挙げるような構造に対しても、同様の動作を得ること
が可能である。
【0081】
【発明の効果】上述した本発明に係る蓄熱装置によれ
ば、蓄熱槽の内部において移動可能な蓄熱材あるいは熱
媒体の対流のしやすさが部分的に異なり、蓄熱材への外
部からの熱の注入と抽出操作は、対流の起きやすい中心
部分に対して行われ、熱の貯蔵は主に対流の起きにくい
周囲部分において行われるため、熱の保存過程はもとよ
り、熱の注入・抽出過程においても、外部との熱交換で
生じる温度差に起因して蓄熱材の内部に生じる自然対流
は、蓄熱槽の中心部分において発生し、周囲部分ではほ
とんど起きない状態におかれ、式(2)の熱通過率kは
従来よりも小さなものとなる。したがって、蓄熱材から
外部への熱損失の小さい蓄熱装置を提供することが可能
になる。
【0082】また、電場あるいは磁場を形成する機構を
設け、電場あるいは磁場の強度により粘性が増減する流
体を蓄熱材とすることで、蓄熱槽内の対流状態を制御で
きるので、熱の需要と供給に応じた効率的な蓄熱槽の運
用を行いながら、上述のような熱損失の小さい蓄熱装置
を提供することが可能になる。さらに、中心部分と周囲
部分に伝熱素子を設けることにより、基本的に熱移動の
小さい周囲部分と中心部分との間の熱移動を必要に応じ
て一時的に促進させることができるので、熱の需要と供
給にに応じた効率的な蓄熱槽の運用を行いながら、上述
のような熱損失の小さい蓄熱装置を提供することが可能
になる。
【0083】さらにまた、熱交換器を、蓄熱槽の中心部
分と周囲部分とを一巡するように配置することで、基本
的に熱移動の小さい周囲部分と直接熱交換を行わせるこ
とができ、また中心部分と周囲部分とに熱を順々に注入
あるいは抽出することができるので、蓄熱装置と外部と
の熱のやり取りを迅速にかつ大量に行いながら、上述の
ように外部への熱損失の小さい蓄熱装置を提供すること
が可能になる。蓄熱槽の中心部分と周囲部分とにそれぞ
れ別々に熱交換器を配置することによっても、異なる温
度にある中心部分と周囲部分、あるいはその両者を選択
的に利用することができるので、蓄熱装置と外部との熱
のやり取りを熱の需要と供給に応じて効率的に行いなが
ら、上述のように外部への熱損失の小さい蓄熱装置を提
供することが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明における蓄熱装置の一実施例の断面図で
ある。
【図2】本発明における蓄熱装置の他の実施例の断面図
である。
【図3】本発明における蓄熱装置の他の実施例の断面図
である。
【図4】本発明における蓄熱装置の他の実施例の断面図
である。
【図5】本発明における蓄熱装置の他の実施例の断面図
である。
【図6】本発明における蓄熱装置の他の実施例の断面図
である。
【図7】本発明における蓄熱装置の他の実施例の断面図
である。
【図8】本発明における蓄熱装置の他の実施例の断面図
である。
【図9】本発明における蓄熱装置の他の実施例の断面図
である。
【図10】本発明における蓄熱装置の他の実施例の断面
図である。
【図11】従来の蓄熱装置の一例を示す断面図である。
【図12】従来の蓄熱装置の他の一例を示す断面図であ
る。
【図13】従来の蓄熱装置の他の一例を示す断面図であ
る。
【符号の説明】
1,1a,1b 蓄熱材 2 蓄熱槽 2a 中心部分 2b 周囲部分 3 熱交換器 4a,4b 電極 4 網 5 高分子吸液性物質 6a,6b 連通管 7a,7b 小容器 8 熱媒体 9 断熱層 10 電気粘性流体 11 電源 12 磁性流体 13a,13b 電磁石 14 障壁 15 伝熱素子 16,17a,17b 熱交換器
【手続補正書】
【提出日】平成11年12月17日(1999.12.
17)
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0073
【補正方法】変更
【補正内容】
【0073】次に、図10の蓄熱装置において、蓄熱装
置の外部の環境よりも高い温度を貯蔵する場合等の動作
について説明する。各過程における動作は、基本的に実
施例1と同様である。熱の注入過程では、以下の3種類
の場合で手順が異なる。第一の手順は、外部からの熱源
の温度が中心部分2aにある蓄熱材1の温度よりも高
く、かつ中心部部2aを加熱して有り余る十分な熱量が
ある場合に採られるものである。この時、外部との熱の
やり取りをする熱媒体は、熱源からまず熱交換器17a
に送られ、中心部分2aにある蓄熱材1を加熱し、外部
へ戻されるが、この戻された熱媒体の温度は周囲部分2
bにある蓄熱材1の温度よりも高いため、熱媒体は次に
熱交換器17bへ送られ、周囲部分2bにある蓄熱材1
を加熱してから熱源へ戻される。この熱交換器17aか
ら戻される熱媒体を熱交換器17bに送り込むことによ
って、周囲部分2bにある蓄熱材1を迅速に加熱するこ
とができるとともに、熱源における熱交換の効率を向上
させることも可能になる。なぜならば、中心部分2aに
ある蓄熱材1のみを加熱する場合よりも熱源から送られ
る熱媒体の温度は低下して熱源へ送り返されるため、熱
源における熱交換温度差が増加するためである。

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】外部から与えられた熱を貯蔵する蓄熱材を
    充填した蓄熱槽と、上記蓄熱材と熱媒体との熱交換によ
    り蓄熱槽内と外部との間で熱の注入・抽出を行う熱交換
    手段とを備え、上記熱交換手段は、上記蓄熱槽の中心部
    分と外部との間で熱交換を行うように配設し、蓄熱槽の
    周囲部分に蓄熱材の自然対流を抑制する抑制手段を備え
    た、ことを特徴とする蓄熱装置。
  2. 【請求項2】外部から与えられた熱を貯蔵する蓄熱材を
    充填した蓄熱槽と、上記蓄熱材と熱媒体との熱交換によ
    り蓄熱槽内と外部との間で熱の注入・抽出を行う熱交換
    手段とを備え、上記熱交換手段は、上記蓄熱槽の中心部
    分と周囲部分に対して順次外部との間で熱交換を行うよ
    うに配設し、蓄熱槽の周囲部分に蓄熱材の自然対流を抑
    制する抑制手段を備えた、ことを特徴とする蓄熱装置。
  3. 【請求項3】外部から与えられた熱を貯蔵する蓄熱材を
    充填した蓄熱槽と、上記蓄熱材と熱媒体との熱交換によ
    り蓄熱槽内と外部との間で熱の注入・抽出を行う熱交換
    手段とを備え、上記熱交換手段は、上記蓄熱槽の中心部
    分と周囲部分に対して個別に外部との間で熱交換を行う
    ように配設し、蓄熱槽の周囲部分に蓄熱材の自然対流を
    抑制する抑制手段を備えた、ことを特徴とする蓄熱装
    置。
  4. 【請求項4】外部から与えられた熱を貯蔵する蓄熱材を
    兼ねた熱媒体が充填される蓄熱槽と、上記熱媒体の流出
    入により、蓄熱槽内と外部との間で熱の注入・抽出を行
    う熱輸送手段とを備え、上記熱輸送手段は、上記蓄熱槽
    の中心部分と外部との間で熱輸送を行うように配設し、
    蓄熱槽の周囲部分に熱媒体の自然対流を抑制する抑制手
    段を備えた、ことを特徴とする蓄熱装置。
  5. 【請求項5】請求項1乃至4のいずれかに記載の蓄熱装
    置において、抑制手段を、蓄熱槽の周囲部分における蓄
    熱材または熱媒体中に吸液性物質を分散させることによ
    り構成したことを特徴とする蓄熱装置。
  6. 【請求項6】請求項1乃至5のいずれかに記載の蓄熱装
    置において、抑制手段として、蓄熱槽の周囲部分におけ
    る蓄熱材または熱媒体に、電圧の印加により粘性を増す
    性質を持たせるとともに、蓄熱槽の周囲部分を挟むよう
    に電極を対向配置し、それらの電極間に通電する手段を
    備えたことを特徴とする蓄熱装置。
  7. 【請求項7】請求項1乃至5のいずれかに記載の蓄熱装
    置において、抑制手段として、蓄熱槽の周囲部分におけ
    る蓄熱材または熱媒体に、磁力によって粘性が増す性質
    を持たせるとともに、蓄熱槽の周囲部分に磁力を作用さ
    せる磁石を設けたことを特徴とする蓄熱装置。
  8. 【請求項8】請求項1乃至7のいずれかに記載の蓄熱装
    置において、抑制手段として、蓄熱槽の周囲部分に蓄熱
    材または熱媒体の自然対流を妨げる障壁を設けたことを
    特徴とする蓄熱装置。
  9. 【請求項9】請求項1乃至8のいずれかに記載の蓄熱装
    置において、蓄熱槽内の中心部分と周囲部分との間に、
    熱の移動を促進させる手段を設けたことを特徴とする蓄
    熱装置。
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