JP2000233513A - 記録装置、該記録装置を用いたファクシミリ装置および記録装置のインクの有無の判定方法 - Google Patents

記録装置、該記録装置を用いたファクシミリ装置および記録装置のインクの有無の判定方法

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JP2000233513A
JP2000233513A JP3787399A JP3787399A JP2000233513A JP 2000233513 A JP2000233513 A JP 2000233513A JP 3787399 A JP3787399 A JP 3787399A JP 3787399 A JP3787399 A JP 3787399A JP 2000233513 A JP2000233513 A JP 2000233513A
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Yukio Nohata
之雄 野畠
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 インク残量が少なくなった場合においても正
確なインク有無判定を行うことができる記録装置を提供
する。 【解決手段】 記録ヘッドを所定の開始位置から所定の
終了位置まで移動させながら連続して予備吐出を行わ
せ、開始位置と終了位置の間の終了位置に近い位置で、
吐出されたインク滴を検出したか否かに応じてインクの
有無を判定する。従って、たとえ予備吐出で一時的にイ
ンク滴が吐出されても、一定量以上連続してインク吐出
が行えない場合にはインクなしと判定されるので、イン
ク残量が少なくなって記録ヘッドからのインク滴の吐出
が不安定となった場合にはインクなしと判定される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は記録装置および該記
録装置を用いたファクシミリ装置に関し、特に、インク
ジェット方式に従って記録媒体上に画像を記録する記録
装置、該記録装置を用いたファクシミリ装置および記録
装置のインクの有無の判定方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来より、複数のノズルを備えた記録ヘ
ッドを用い、そのノズルよりインク滴を記録媒体に吐出
して画像を記録するインクジェットプリンタが知られて
いる。近年ではこの様なインクジェットプリンタを記録
部に用いたファクシミリ装置も現れている。
【0003】また、このような装置の記録ヘッドとし
て、ブラックインクのみを用いて白黒画像の記録を行う
モノクロ用記録ヘッドの他に、イエロー、マゼンタ、シ
アン、ブラックの4色のインクを供給して、各々の色に
割り当てられたノズルよりインクを吐出してカラー記録
を行うカラー用記録ヘッドも提供されている。
【0004】このようなインクジェットプリンタを記録
部に用いたファクシミリ装置では、受信したデータに対
応した画像の記録中にインクが無くなって、画像の記録
が欠落してしまう恐れがある。これを解決するために、
従来は、1頁分の画像データの記録終了後に、記録ヘッ
ドに供給するインクを収容するインクタンク内のインク
の有無を判定し、インクがあると判定された場合には記
録した画像に対応するデータを画像メモリから消去する
ように制御されている。
【0005】このインク有無の判定のため、記録部には
LEDなどからなる発光部と、フォトトランジスタなど
からなる受光とを備えたフォトインタラプタ(フォトセ
ンサ)が備えられ、その発光部から照射された光を遮る
ようにインクを吐出させ(予備吐出)、受光部で受光す
る光量の変化をモニタしてインク滴が光学的に検出され
たか否かによって、インクタンク内のインクの有無を判
定している。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来例の装置では、画像記録中にインク残量が少なくな
り、吐出が不安定となると、記録画像の一部が欠落し、
画像の判読が不可能となるが、このようなときでも、イ
ンクの予備吐出時にインクの吐出が一時的に復活してし
まう場合がある。
【0007】インクジェットプリンタで、このような一
部が欠落した画像を1頁分記録した後の予備吐出におい
て、インク吐出が一時的に復活した場合、実際にはもは
や正しい記録ができないにもかかわらず、インク有りと
判定される。従って、インクタンクの交換が必要である
とユーザに通知されないので、インクタンクを交換せず
に更に記録を行うこととなり、記録媒体および記録時間
の無駄となる。
【0008】また、インクジェットプリンタを記録部に
用いたファクシミリ装置で、上記のような一部が欠落し
た画像を1頁分記録した後の予備吐出において、インク
吐出が一時的に復活した場合、吐出されたインクが検出
されるとインクありと判定され、その頁の画像データを
画像メモリから消去してしまう。従って、受信したファ
クシミリ画像が正しく記録されずに失われるという問題
が生じる。
【0009】本発明はこのような従来の問題点に鑑みて
なされたものであり、インク残量が少なくなった場合に
おいても正確なインク有無判定を行うことができる記録
装置、該記録装置を用いたファクシミリ装置および記録
装置のインクの有無の判定方法を提供することを目的と
する。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に本発明の記録装置は、インクを吐出して記録媒体上に
記録を行う記録ヘッドと、前記記録ヘッドに供給するイ
ンクを収容するインクタンクと、記録位置とは異なる位
置で前記記録ヘッドからインクを吐出させる、予備吐出
動作を行わせる予備吐出制御手段と、前記予備吐出動作
で前記記録ヘッドから吐出されるインク滴を検出する検
出手段と、前記検出手段の検出結果に基づいて前記イン
クタンク内のインクの有無を判定する判定手段とを備
え、前記予備吐出制御手段が、所定の開始位置から所定
の終了位置まで前記記録ヘッドを移動させながら前記予
備吐出を行うように制御し、前記検出手段が、前記開始
位置と前記終了位置との間の前記終了位置に近い位置で
前記記録ヘッドから吐出された前記インク滴を検出する
ように構成されている。
【0011】また、本発明のファクシミリ装置は、通信
回線を介して受信した画像情報を、前記記録装置によっ
て記録媒体上に記録するファクシミリ装置であって、前
記予備吐出制御手段は、前記画像情報を1頁記録する毎
に、前記予備吐出を行うように制御する。
【0012】上記目的を達成する本発明のインクの有無
の判定方法は、インクを吐出して記録媒体上に記録を行
う記録ヘッドを有する記録装置のインクタンク内のイン
クの有無を判定する判定方法であって、記録位置とは異
なる位置で前記記録ヘッドからインクを吐出させる予備
吐出動作を、所定の開始位置から所定の終了位置まで前
記記録ヘッドを移動させながら行わせ、前記開始位置と
前記終了位置との間の前記終了位置に近い位置で前記予
備吐出動作によって前記記録ヘッドから吐出されたイン
ク滴を検出し、前記検出の結果に基づいて前記インクタ
ンク内のインクの有無を判定する。
【0013】すなわち、従来は、インクタンク内のイン
クの有無を判定する場合、特定の位置で記録ヘッドを静
止させた状態で予備吐出させ、吐出されたインク滴を検
出できたか否かに応じて、インクの有無を判定していた
が、本発明では、記録ヘッドを所定の開始位置から所定
の終了位置まで移動させながら連続して予備吐出を行わ
せ、開始位置と終了位置の間の終了位置に近い位置で、
吐出されたインク滴を検出したか否かに応じてインクの
有無を判定する。
【0014】このようにすると、たとえ予備吐出で一時
的にインク滴が吐出されても、一定量以上連続してイン
ク吐出が行えない場合にはインクなしと判定されるの
で、インク残量が少なくなって記録ヘッドからのインク
滴の吐出が不安定となった場合にはインクなしと判定さ
れる。
【0015】従って、インク残量がわずかとなりインク
の吐出が不安定となったにもかかわらずインク有と判定
されることがなくなり、記録媒体や記録時間を無駄に消
費することが防止される。
【0016】これは特に、受信したデータを自動的に記
録するファクシミリ装置で、各頁を記録した後に予備吐
出を行ってインク滴が検出されたら正しい記録ができた
と判定して対応する画像を消去するように構成されてい
るときには、正しい記録が行えなかったにもかかわら
ず、予備吐出で一時的にインク滴が吐出されて正しく記
録されなかった頁の画像情報を消去してしまうことが防
止されるので、非常に有効である。
【0017】さらに、記録ヘッドを移動させながら予備
吐出を行わせるので、予備吐出の際の記録ヘッドと検出
手段との相対位置のズレによって検出精度が低下するこ
とを防止できるという効果がある。
【0018】
【発明の実施の形態】以下、添付図面を参照して本発明
の好適な実施形態を詳細に説明する。
【0019】はじめに、図5を参照して、本発明の代表
的な実施形態であるインクジェット方式に従った記録ヘ
ッドによって記録を行う記録部を備えたファクシミリ装
置の概略構成について説明する。
【0020】このファクシミリ装置は、公衆電話回線を
介して伝送されたデータを受信して対応する画像記録を
行なうファクシミリとしての機能に加え、光学的に読み
取った原稿画像に対応する画像記録を行なうコピー機
能、および外部コンピュータからの記録命令や記録デー
タを受信して記録を行なうプリンタ機能も備えている。
【0021】図5において、Aは原稿を光学的に読み取
る読取部、Bはインクジェット方式に従って記録を行う
記録部、Cは給紙カセットに積載された記録紙P等の記
録媒体を1枚ずつ分離して記録部Bに供給する給紙部で
ある。
【0022】まず、記録紙Pの流れについて説明する。
記録紙Pの搬送経路は矢印Gで示す通りである。即ち、
給紙部Cの給紙カセット1に積載された記録紙Pは、給
紙ローラ2及びリタードローラ3によりピックアップさ
れ、給紙ローラ2によって記録部Bに送り込まれる。記
録部Bでは記録ヘッド5により記録紙Pにインクを吐出
して記録を行いつつ、その記録に合わせて記録紙Pを搬
送する。そして、記録が終了すると、排紙ローラ6によ
って記録紙Pを排紙スタッカ7に排出積載する。
【0023】次に、給紙部Cの具体的な構成について説
明する。
【0024】図5において、記録紙Pを複数枚積載収納
する給紙カセット1には記録紙Pを積載する中板4を備
えている。中板4は給送ローラ2と対向配置されている
中板バネ10により裏面より上方に付勢されている。ま
た、中板4は給紙待機時においてはカムなどにより下方
へ押圧され記録紙Pが少なくなったり無くなった時には
容易に継ぎ足し補給可能な構造になっている。
【0025】一方、記録信号を検出し、給紙動作を開始
するときは、カム等による中板4の下方押圧が解除さ
れ、記録紙Pは給紙ローラ2によってピックアップされ
る。リタードローラ3は給紙ローラ2と対向する位置に
あり中板4と連動して記録紙Pの位置を変える。給紙動
作を行うときは、中板4によって付勢され、給紙ローラ
2でピックアップされた記録紙PをJ部で給紙ローラ2
との協働作用によって最上側の一枚のみを分離給送す
る。分離給送された記録紙Pは給送ローラ2に十分巻き
付くように挟持されながら記録部Bに搬送される。
【0026】さらに、記録部Bで記録された記録紙Pの
排出機構を説明する。
【0027】排紙ローラ6で排出された記録紙Pは、排
紙スタッカ7に排紙積載される。排紙スタッカ7には、
ヒンジK部を回転中心とする排紙補助トレイ9が設けら
れており、使用する記録紙Pが長尺である場合に回転さ
せて、排紙スタッカを記録紙排紙方向へ長くすることが
できる。さらに、排紙スタッカ7は、給紙カセット1の
カバーを兼ねる構造になっている。なお、排紙スタッカ
7と排紙補助トレイ9には複数のリブ(不図示)が設け
られており、記録がなされた記録紙Pはそれらの複数の
リブを摺動し、順次積載される。
【0028】さらに、読み取りを行なう際の画像原稿S
の流れについて説明する。
【0029】原稿搬送路は図5に矢印Fで示す通りであ
る。図5において、原稿画像Sはその画像面を下側にし
て原稿積載トレイ41に積載される。原稿積載トレイ4
1に積載された画像原稿Sはその幅方向に移動可能なス
ライダ42によって位置決めが行われる。画像原稿Sが
原稿積載トレイ41に積載されるとその原稿は予備搬送
押圧片43と上方から予備搬送バネ44によって押圧さ
れ、分離ローラ46との協働作用により予備搬送され
る。
【0030】次に、予備搬送された画像原稿Sは、分離
片45と上方からASFバネ47によって押圧された分
離ローラ46との協働作用により、下側から1枚ずつ分
離搬送される。さらに、分離ローラ46は分離された画
像原稿Sを読み取り位置に搬送させる役割を兼ねてい
る。
【0031】このようにして分離ローラ46で読取位置
まで分離搬送された画像原稿Sに描かれた画像は、光電
変換センサ48に読み取られる。さて、CSローラ49
はその上方よりCS押圧バネ50により、光電変換セン
サ48の読取ラインにそって付勢されており、分離搬送
された画像原稿Sの副走査方向(画像原稿の搬送方向)
の読み取り速度を決めるとともに、読取を終了した画像
原稿Sを排出する役割を兼ねている。最後に、排出され
た画像原稿Sは原稿排紙トレイ51に排紙積載される。
なお、原稿排紙トレイ51は装置本体に着脱可能な構造
になっている。次に、このファクシミリ装置の制御構成
について、図6を参照して説明する。
【0032】図6は、図5に示すファクシミリ装置の制
御構成を示すブロック図である。この図において、24
は装置全体を制御するための制御部であり、制御部24
はCPU25と、CPU25が実行する制御プログラム
や各種データや、後述するインク有無判定に用いるいく
つかのしきい値を記憶しているROM26と、CPU2
5が種々の処理を実行するにあたり作業領域として使用
したり、各種データを一時的に保存するためのRAM2
7等を有している。
【0033】記録ヘッド5は、フレキシブルケーブル1
9を介して制御部24に接続されており、このフレキシ
ブルケーブル19には、制御部24から記録ヘッド5に
対する制御信号線、画像信号線、装着された記録ヘッド
5がモノクロ記録専用の記録ヘッドであるか或いはカラ
ー記録用の記録ヘッドであるかを識別する信号を出力す
る信号線が含まれている。
【0034】また、記録ヘッド5のノズルから吐出され
るインク滴の有無を光学的に検出するフォトセンサ8の
出力は、A/D変換回路28により数値化され、CPU
25にて解析可能な構成になっている。キャリッジモー
タ30はモータ駆動回路32から出力されるパルス数
(ステップ数)によって回転角度を制御可能なモータで
ある。さらに、制御部24はモータ駆動回路33を介し
キャリッジモータ30を、モータ駆動回路32を介し搬
送モータ31を、モータ駆動回路53を介し読み取りモ
ータ52を制御し、キャリッジホームセンサ21からの
出力を入力している。
【0035】さらにまた、制御部24には、読取センサ
48、外部コンピュータ56からの記録命令や記録デー
タを受信するプリンタインターフェイス54、公衆電話
回線57からの受信データを受け付ける回線制御回路5
5などの画像データの入力部が接続されており、ファク
シミリ送受信およびコピー、外部コンピュータのプリン
タとして動作する際に、制御部24は各部を制御可能に
構成されている。さらにまた、制御部24には装置利用
者が種々の操作や指示を行う操作パネル58が接続され
ており、操作パネル58にはメッセージ表示を行うため
のLCD59が設けられている。
【0036】ここで図2を参照して、図5の記録部Bの
構成を詳細に説明する。
【0037】インクを吐出して記録を行なう記録ヘッド
5は、インクタンクを内蔵し、インクが無くなったとき
に記録ヘッドごと新品と交換し得るカートリッジ式の記
録ヘッドである。このカートリッジには、記録ヘッド5
にはモノクロ記録専用の記録ヘッドを備えたモノクロ記
録専用のカートリッジと、カラー記録用の記録ヘッドを
備えたカラー記録用のカートリッジの2種類があり、ど
ちらにも適宜交換可能である。
【0038】なお、このように、インクタンクと記録ヘ
ッド5とが一体的に形成されて一括して交換可能なイン
クカートリッジを構成しても良いが、インクタンクと記
録ヘッド5とを分離可能に構成して、インクがなくなっ
たときにインクタンクだけを交換できるようにしても良
い。
【0039】図2において、キャリッジ15は記録ヘッ
ド5を精度良く保持しながら、記録紙Pの搬送方向(副
走査方向、矢印G方向)と直交する方向(主走査方向、
矢印H方向)に往復運動させる。また、キャリッジ15
は、ガイド棒16と突き当て部15aにより摺動自在に
保持されている。キャリッジ15の往復運動は、キャリ
ッジモータ30(不図示)によって駆動されるプーリ1
7およびタイミングベルト18によって行われ、この時
に記録ヘッド5に与えられる記録信号や電力は、フレキ
シブルケーブル19によって装置本体の電気回路より供
給されている。
【0040】記録ヘッド5とフレキシブルケーブル19
とは互いの接点を圧接して接続されており、記録ヘッド
5の特定の接点間の開放/接続を検出することで、モノ
クロ記録専用のカートリッジが装着されているか或いは
カラー記録用のカートリッジが装着されているかを後述
するCPU25が認識可能な構成となっている。
【0041】また、記録部Bのキャリッジ15のホーム
ポジションには、キャップ20が設けられ、インク受け
手段として機能する。キャップ20は必要に応じて上下
し、上昇時には記録ヘッド5に密着しそのノズル部を覆
い、インクの蒸発やゴミの付着を防止する。
【0042】この装置では、記録ヘッド5とキャップ2
0とが相対的に対向した位置となるように位置決めする
ために、装置本体に設けられたキャリッジホームセンサ
21とキャリッジ15に設けられた遮光板15bが用い
られている。キャリッジホームセンサ21には透過型の
フォトインタラプタが用いられ、キャリッジ15が待機
位置まで移動した時に、キャリッジホームセンサ21の
一部から照射された光が遮光板15bによって遮られる
ことを利用して、記録ヘッド5とキャップ20とが相対
的に対向した位置にあることを検出する。
【0043】記録紙Pは図中下側より上方へ給紙され、
給紙ローラ2および紙ガイド22によって水平方向に曲
げられて、矢印G方向(副走査方向)に搬送される。給
送ローラ2および排紙ローラ6は、各々記録モータ(不
図示)によって駆動され、必要に応じてキャリッジ15
の往復運動と連動して高精度に記録紙Pを副走査方向に
搬送する。
【0044】また、副走査方向には撥水性の高い材料で
つくられ、その刃状の円周部のみで記録紙Pに接触する
拍車23が設けられる。拍車23は排紙ローラ6に対向
する位置で、軸受部材23aにより主走査方向に所定長
離間して複数箇所に配設されており、記録直後の記録紙
上の未定着画像に接触しても画像に影響を与えずに記録
紙Pをガイドし搬送するようになっている。
【0045】図3は、図2に示した記録ヘッド5のイン
クを吐出するノズルの配列を示す図である。図3(a)
は、64個のブラックインク吐出用のノズルと、イエロ
ー、マゼンタ、シアンの各色インク吐出用に24個ずつ
のノズルを持ち、360dpiの解像度で記録可能なカ
ラー記録ヘッドのノズルの配列を示し、図3(b)は、
1列に配された128個のノズルを持ち、360dpi
の解像度で記録可能なブラックインク専用のモノクロ記
録ヘッドのノズルの配列を示している。
【0046】図3(a)に示したカラー記録ヘッドで
は、これらのノズルは1列に配列された構造となってい
る。また、各ノズルから吐出するインクの色は決ってお
り、ヒートパルスを与えるノズルを選択することにより
吐出するインクの色を選択できる。この2種類の記録ヘ
ッドを使い分けることにより、ハイスピードのモノクロ
記録と高精細なフルカラー記録の2通りの記録を行うこ
とができる。
【0047】本実施形態のファクシミリ装置では、コピ
ーを行なう際あるいはプリンタとして使用する際にはカ
ラー記録が可能であるが、ファクシミリとして使用する
際には常にモノクロで画像記録を行なう。従って、カラ
ー記録ヘッドが装着されているときにファクシミリ画像
を受信した場合には、その受信画像の記録にはブラック
インク吐出用に用いられる64個のノズルを利用して記
録動作を行う。
【0048】インク吐出原理は以下に述べるが、モノク
ロ記録専用の記録ヘッドもカラー記録用の記録ヘッドも
同じである。また、カラー記録用の記録ヘッドは、ブラ
ックインク用とカラーインク用の2つのインクタンクを
持ち、それぞれ独立してインクタンクを交換することが
可能な構成になっている。
【0049】ここで、記録ヘッドからインクを吐出させ
る原理について説明する。
【0050】記録ヘッド部は、一般に微細な液体吐出口
(オリフィス)、液路およびこの液路の一部に設けられ
るエネルギー作用部にある液体に作用させる液滴形成エ
ネルギーを発生するエネルギー発生部とを備えている。
【0051】このエネルギー発生部としては、ピエゾ素
子等の電気機械変換体を用いたもの、レーザー等の電磁
波を照射して、そこにある液体に吸収させ発熱させて、
その発熱による作用で液滴を吐出、飛翔させるようにし
たもの、あるいは電気熱変換体によって液体を加熱して
液体を吐出させるようにしたもの等がある。その中でも
熱エネルギーによって液体を吐出させる方式を用いた記
録ヘッドは、記録用の液滴を吐出して飛翔用液滴を形成
するための液体吐出口(オリフィス)を高密度に配列す
ることができるために高解像度で記録を行うことが可能
である。
【0052】また、電気熱変換体をエネルギー発生部と
して用いた記録ヘッドは、全体的な小型化も容易で、か
つ、最近の半導体分野における技術の進歩と信頼性の向
上が著しいIC技術やマイクロ加工技術の長所を十二分
に化通用でき、長尺化および面状化(2次元化)が容易
であること等から、マルチノズル化、高密度実装化が容
易で、しかも大量生産が可能で、製造コストも安価にす
ることが可能である。
【0053】このように、エネルギー発生部に電気熱変
換体を用い、半導体製造プロセスを経て製造された記録
ヘッドは、一般には各インク吐出口に対応した液路を設
け、その液路ごとに液路を満たす液体に熱エネルギーを
作用させて、対応するインク吐出口から液体を吐出して
飛翔用液滴を形成する手段としての電気熱変換体が設け
られ、各液路には、各液路に連通されている共通液室か
ら液体が供給される構造となっている。
【0054】以下、インクタンク内のインクの有無を判
定する構成について、図4を参照して説明する。
【0055】記録ヘッド5に供給するインクを収容する
インクタンク内のインクの有無の判定は、図4に模式的
に示すように、キャップ20と記録紙Pの紙端との間に
記録ヘッド5が移動した時に、ノズル列5cに対向した
位置にフォトセンサ8を配置して、記録ヘッド5のノズ
ルから吐出されるインク滴の有無を光学的に検出するこ
とによって行われる。
【0056】このフォトセンサ8は、発光素子と受光素
子の間を通過するインク滴を直接検出する透過型フォト
インタラプタである。ここで用いているフォトセンサ8
は、発光素子に赤外線LEDを用い、LED発光面には
レンズを一体整形し、受光素子に向けておおよそ平行に
光を投射できる。受光素子にはフォトトランジスタが用
いられ、受光素子の受光面にはモールド部材により0.
7mm×0.7mmの穴が光軸上に形成され、受光素子
と発光素子との間全域において検出範囲を高さ方向には
0.7mm、幅方向は0.7mmに絞り込んでいる。
【0057】また、発光素子と受光素子は、両者を結ぶ
光軸が記録ヘッド5のノズル列5cと平行になるように
配置され、発光素子と受光素子の間隔は、記録ヘッド5
のノズル列5cよりも広く、記録ヘッド5の各ノズルか
ら吐出されるインク滴は全て発光素子と受光素子の間の
検出範囲を通過可能な構成になっている。その検出範囲
をインク滴が通過すると、発光素子からの光はインク滴
によって遮られ、受光素子が受光する光量が減少して、
受光素子であるフォトトランジスタの出力が変化する。
【0058】記録ヘッド5のノズル列5cとフォトセン
サ8とを相対的に対向した位置となるように位置決めす
るために、キャップ20との位置決めと同様に、装置本
体に設けられたキャリッジホームセンサ21を用いる。
【0059】この実施形態では、図4に示すようにホー
ムポジション(HP)にある記録ヘッド5のノズル列5
cが、吐出されたインクがフォトセンサ8の光軸を通過
する検出位置まで移動する距離(L)を、キャリッジ1
5を駆動するモータのステップ数に換算し、記録動作を
実行させる制御プログラムに予め定数として設定されて
いる。このようにして、ホームポジションを検出した
後、一定量キャリッジを移動させることにより、記録ヘ
ッド5のノズル列の位置とフォトセンサ8の光軸とを、
相対的に対向した位置に正確に位置決めすることができ
る。
【0060】図7は、フォトセンサ8の電気的構成を示
すブロック図である。
【0061】図7において、81は発光素子である赤外
線LED、82はその赤外光を受光する受光素子である
フォトトランジスタ、83はフォトトランジスタ82の
出力を所定の基準電圧(Vref)と比較するコンパレ
ータ、84はコンパレータ83から出力されるパルスの
継続時間(パルス幅)を計数するパルス幅計数部であ
る。
【0062】パルス幅計数部84は入力されるクロック
(基準クロック)のパルス幅を基準パルス幅とし、コン
パレータ83から出力されるパルスの継続時間がその基
準クロックの何サイクル分であるかをカウントし、その
カウント値をパルス幅計数部33の内部レジスタに出力
するような構造となっている。
【0063】記録ヘッドの各ノズルからインクが吐出さ
れていない場合には、発光素子である赤外線LED81
からの赤外光を遮るものがないので、コンパレータ83
には受光素子であるフォトトランジスタ82からハイ
(H)レベルの信号が入力される。これに対して、記録
ヘッドのノズルからインクの吐出が行われると、その吐
出されたインク滴が赤外線LED81からの赤外光を遮
る位置に達すると、フォトトランジスタ82からの出力
レベルがだんだんと降下する。
【0064】図9は、吐出されたインク滴が赤外線LE
D81からの赤外光を遮る様子を示した図である。図示
されたように、記録ヘッド5のノズルから吐出されたイ
ンク滴が発光素子81と受光素子であるフォトトランジ
スタ82を結ぶ光軸を横切るように通過すると、フォト
トランジスタの受光量が減少して出力レベルが降下す
る。
【0065】そして、その出力レベルがコンパレータ8
3に入力される基準電圧(Vref)を下回ると、コン
パレータ83からパルス幅計数部33への出力が反転す
る。その後、記録ヘッドのノズルからのインクの吐出が
終了すると、再び、フォトトランジスタ8からの出力は
ハイ(H)レベルとなり、コンパレータ83に入力され
ている基準電圧(Vref)を上回ると、コンパレータ
83からパルス幅計数部33への出力が再び反転する。
【0066】このようにして、パルス幅計数部33に
は、吐出されたインク滴をフォトセンサ8が検出してい
る時間に対応したパルス幅を有するパルスが入力され
る。上述のように、このパルス幅は、基準クロックのパ
ルス幅で除算された商を示すカウント値に換算され、パ
ルス幅計数部33の内部レジスタに格納される。このカ
ウント値は、予備吐出終了後に制御部24のCPU25
によって読み出され、このカウント値がROM26に記
憶されている所定のしきい値以上であるか否かによっ
て、インクの有無が判定される。
【0067】さて、図3に示した各記録ヘッドのノズル
の配置から分かるように、カラー記録ヘッドのブラック
インクを吐出するノズル数(64)は、モノクロ記録ヘ
ッドのノズル数(128)の半分である。従って、カラ
ー記録ヘッドを用いてブラックインクを吐出した場合
は、モノクロ記録ヘッドによるインク吐出時に比べて、
フォトトランジスタ82からの出力レベルはあまり降下
しない。そのため、パルス幅計数部84がカウントする
パルス幅も、カラー記録ヘッドで吐出したブラックイン
クを検出する場合には短くなる。
【0068】従って、ROM26には、インク有無の判
定に用いられるしきい値として、カラー記録ヘッドに対
応した値とモノクロ記録ヘッドに対応した値とが記憶さ
れており、装着されている記録ヘッドに対応したいずれ
かのしきい値を用いてインクの有無が判定される。
【0069】また、この代わりに、パルス幅計数部84
がカウントするパルス幅がカラー記録ヘッドとモノクロ
記録ヘッドの両方の記録ヘッドでほぼ等しくなるよう
に、装着された記録ヘッドに対応して記録ヘッドの移動
速度を変化させてもよい。
【0070】図1は、本実施形態における予備吐出を説
明する図である。
【0071】1ページの記録動作開始前或いは終了後に
予備吐出を行なう場合、記録ヘッド5をフォトセンサ8
と相対的に対向した位置に移動させ、記録ヘッド5を予
備吐出開始位置(550ステップ)から予備吐出終了位置
(560ステップ)まで数mm移動させながらインクを吐
出させる。この予備吐出の開始位置と終了位置は、記録
ヘッド5から吐出されたインク滴が、予備吐出の後半の
終了位置に近い位置で、発光素子81と受光素子82と
の光軸を横切るように設定されている。
【0072】このように、本実施形態の予備吐出では、
記録ヘッドを移動させながら連続した時間吐出動作を行
なわせ、記録ヘッドのインク有無の判定は、予備吐出の
後半部分の終了位置に近い位置で記録ヘッドから吐出さ
れたインク滴がフォトセンサ8の光軸を通過したか否か
によって判定する。
【0073】このようにすると、予備吐出の前半部分で
インクの吐出が一時的に復活したとしても、インク残量
が極わずかな場合には予備吐出の途中でインクがなくな
り、予備吐出の後半部分ではフォトセンサ8によってイ
ンク滴が検出されなくなる。
【0074】従って、実際には画像記録が正しく行われ
なかったにも係わらず、予備吐出でインク有りと判定さ
れることを防止できる。すなわち、インク残量がごくわ
ずかとなり画像記録中に吐出が不安定となったが、予備
吐出では一時的にインク滴が吐出されるような場合にお
いても、より正確なインク有無の判定を行うことができ
る。
【0075】さらに、記録ヘッド5を微小距離移動させ
ながら連続してインクを吐出させることにより、フォト
センサ8と記録ヘッド5のノズル列との相対位置のズレ
によって検出精度が低下することを防止できる。
【0076】このインク有無判定のための予備吐出で、
連続してインクを吐出させる連続吐出区間あるいは連続
吐出時間は、記録ヘッドのノズル数やノズルの配置に応
じて設定される。また、インク有無を判定する基準とな
るカウント値のしきい値も、記録ヘッドのノズル数やノ
ズルの配置に応じて設定される。
【0077】本実施形態では、上記2種類の記録ヘッド
に対応して設定した連続吐出時間およびしきい値に基づ
いて、予備吐出の後半部分においてインクの吐出が行わ
れたか否かを判定し、インクの有無を判定する。
【0078】次に、上記構成のファクシミリ装置におけ
るインク有無の判定方法について、図8のフローチャー
トと図1を参照して説明する。ここでは、このファクシ
ミリ装置が、ファクシミリ画像データを公衆電話回線5
7を通して受信し、その受信データに基づき記録用紙1
頁分の画像を記録した度毎に以下の処理を実行するもの
とする。
【0079】まず、ステップS1ではフォトセンサ8を
ONにして、赤外光LEDを発光させる。
【0080】ステップS2で記録ヘッド5をホームポジ
ションからフォトセンサ8に向かって移動させる。この
ときの記録ヘッド5の移動量は、モータの移動ステップ
数によってカウントされ、記録ヘッドの現在の位置はC
PU25により把握されている。
【0081】ステップS3で移動開始から550ステッ
プの位置に到達したかどうかの判断を行い、この位置に
到達したならば、ステップS4で記録ヘッド5よりイン
クの予備吐出を開始する。このインクの予備吐出中も記
録ヘッド5は移動を続けており、このインクの予備吐出
は記録ヘッド5が移動開始地点であるホームポジション
から560ステップの位置に到達するまで行われる。
【0082】この550ステップから560ステップま
での10ステップの区間でインクの吐出を行うわけであ
るが、図1に示したように、この10ステップ分の移動
の後半部分に光軸を横切るようにフォトセンサ8が配置
されている。
【0083】ステップS5で記録ヘッド5が560ステ
ップ地点まで到達したか否かを判定し、到達した場合に
は、ステップS6に進みインク残量検出のためのインク
吐出を終了し、記録ヘッド5の移動を停止する。
【0084】ステップS7でCPU25はステップS8
でパルス幅計数部84の内部レジスタに格納されている
予備吐出で検出されたインクに対応したカウント値を読
み出し、ステップS8でカウント値とROM26に記憶
されているインク有無判定のためのしきい値とを比較し
て、カウント値がしきい値以上であればインク有りと判
定する。
【0085】ステップS8でインクありと判定されたな
らばステップS9に進み、正常に受信画像の記録が行わ
れたと判断して、画像メモリ内のこの頁の画像データを
消去する。
【0086】一方、ステップS8でインク無しと判断さ
れたならば、ステップS11に進み、受信画像の記録が
正常に行われなかったと判断して、この頁の画像データ
を画像メモリ内に格納したままでインク無しを示すメッ
セージを表示部に表示する。
【0087】最後にステップS10に進み、フォトセン
サ8の発光を停止して予備吐出を終了する。
【0088】なお、上記の実施形態では、インク有無判
定のための予備吐出の後半部分で吐出されたインク滴を
フォトセンサ8が検出するように、記録ヘッド5の最後
の10ステップ分の移動区間で吐出されたインク滴を検
出するようにしているが、インク有無判定のために消費
するインク量を節約するために、予備吐出を行う区間を
短くしてもよい。
【0089】例えば、記録ヘッド5またはインクタンク
が新品に交換されてから所定期間経過するまで、または
記録枚数が所定数に達するまではインクが十部あると判
断して、インク有無判定の予備吐出の開始位置を上記の
550ステップ地点ではなく、555ステップ地点とし
てフォトセンサ8の光軸により近い位置からインクの吐
出を開始する。この場合にはインク有無判定に消費する
インク量が半分に節約できる。
【0090】そして、記録ヘッドまたはインクタンクの
交換後から所定期間経過後、または記録枚数が所定数に
達した後は、インク残量が少ないと判断して予備吐出の
開始位置を550ステップ地点とするように制御する
と、より正確なインク有無の判定ができる。
【0091】以上説明した本実施形態のファクシミリ装
置によれば、以下のような効果がある。
【0092】インク残量がわずかとなりインクの吐出が
不安定となったにもかかわらずインク有と判定されるこ
とがなくなり、記録媒体や記録時間を無駄に消費するこ
とが防止される。
【0093】正しい記録が行えなかったにもかかわら
ず、予備吐出で一時的にインク滴が吐出されて正しく記
録されなかった頁の画像情報を消去してしまうことが防
止される。
【0094】記録ヘッドを移動させながら予備吐出を行
わせるので、予備吐出の際の記録ヘッドと検出手段との
相対位置のズレによって検出精度が低下することを防止
できる。
【0095】以上の実施形態では、特にインクジェット
記録方式の中でも、インク吐出を行わせるために利用さ
れるエネルギーとして熱エネルギーを発生する手段(例
えば電気熱変換体やレーザー光等)を備え、前記熱エネ
ルギーによりインクの状態変化を生起させる方式を用い
たものについて説明した。
【0096】その代表的な構成や原理については、例え
ば、米国特許第4723129号明細書、同第4740
796号明細書に開示されている基本的な原理を用いて
行うものが好ましい。この方式はいわゆるオンデマンド
型、コンティニュアス型のいずれにも適用可能である
が、特に、オンデマンド型の場合には、液体(インク)
が保持されているシートや液路に対応して配置されてい
る電気熱変換体に、記録情報に対応していて膜沸騰を超
える急速な温度上昇を与える少なくとも1つの駆動信号
を印加することによって、電気熱変換体に熱エネルギー
を発生せしめ、記録ヘッドの熱作用面に膜沸騰を生じさ
せて、結果的にこの駆動信号に1対1で対応した液体
(インク)内の気泡を形成できるので有効である。この
気泡の成長、収縮により吐出用開口を介して液体(イン
ク)を吐出させて、少なくとも1つの液滴を形成する。
この駆動信号をパルス形状とすると、即時適切に気泡の
成長収縮が行われるので、特に応答性に優れた液体(イ
ンク)の吐出が達成でき、より好ましい。
【0097】このパス売る形状の駆動信号としては、米
国特許第4463359号明細書、同第4345262
号明細書に記載されているようなものが適している。な
お、上記熱作用面の温度上昇率に関する発明の米国特許
第5313124号明細書に記載されている条件を採用
すると、さらに優れた記録を行うことができる。
【0098】記録ヘッドの構成としては、上述の各明細
書に開示されているような吐出口、液路、電気熱変換体
の組み合わせ構成(直線状液路または直角液流路)の他
に熱作用面が屈曲する領域に配置されている構成を開示
する米国特許第4558333号明細書、同第4459
600号明細書を用いた構成も本発明に含まれるもので
ある。加えて、複数の電気熱変換体に対して、共通する
スロットを電気熱変換体の吐出部とする構成を開示する
特開昭59−123670号公報や熱エネルギーの圧力
波を吸収する開口を吐出部に対応させる構成を開示する
特開昭59−138461号公報に基づいた構成として
も良い。
【0099】さらに、記録装置が記録できる最大記録媒
体の幅に対応した長さを有するフルラインタイプの記録
ヘッドとしては、上述した明細書に開示されているよう
な複数記録ヘッドの組み合わせによってその長さを満た
す構成や、一体的に形成された1個の記録ヘッドとして
の構成のいずれでもよい。
【0100】加えて、上記の実施形態で説明した記録ヘ
ッド自体に一体的にインクタンクが設けられたカートリ
ッジタイプの記録ヘッドのみならず、装置本体に装着さ
れることで、装置本体との電気的な接続や装置本体から
のインクの供給が可能になる交換自在のチップタイプの
記録ヘッドを用いてもよい。
【0101】また、以上説明した記録装置の構成に、記
録ヘッドに対する回復手段、予備的な手段を付加するこ
とは記録動作を一層安定にできるので好ましい。これら
を具体的に挙げれば、記録ヘッドに対してのキャッピン
グ手段、クリーニング手段、加圧あるいは吸引手段、電
気熱変換体あるいはこれとは別の加熱素子あるいはこれ
らの組み合わせによる予備加熱手段などがある。また、
記録とは別の吐出を行う予備吐出モードを備えることも
安定した記録を行うために有効である。
【0102】以上説明した実施の形態においては、イン
クが液体であることを前提として説明しているが、室温
やそれ以下で固化するインクであっても、室温で軟化も
しくは液化するものを用いても良く、あるいはインクジ
ェット方式ではインク自体を30℃以上70℃以下の範
囲内で温度調整を行ってインクの粘性を安定吐出範囲に
あるように温度制御するものが一般的であるから、使用
記録信号付与時にインクが液状をなすものであれば良
い。
【0103】加えて、積極的に熱エネルギーによる昇温
をインクの固形状態から液体状態への状態変化のエネル
ギーとして使用せしめることで積極的に防止するため、
またはインクの蒸発を防止するため、放置状態で固化し
加熱によって液化するインクを用いても良い。いずれに
しても熱エネルギーの記録信号に応じた付与によってイ
ンクが液化し、液状インクが吐出されるものや、記録媒
体に到達する時点では既に固化し始めるもの等のよう
な、熱エネルギーの付与によって初めて液化する性質の
インクを使用する場合も本発明は適用可能である。この
ような場合インクは、特開昭54−56847号公報あ
るいは特開昭60−71260号公報に記載されるよう
な、多孔質シート凹部または貫通孔に液状または固形物
として保持された状態で、電気熱変換体に対して対向す
るような形態としても良い。本発明においては、上述し
た各インクに対して最も有効なものは、上述した膜沸騰
方式を実行するのもである。
【0104】さらに加えて、本発明に係る記録装置の形
態としては、コンピュータ等の情報処理機器の画像出力
端末として一体または別体に設けられるものの他、リー
ダ等と組み合わせた複写装置の形態をとるものであって
も良い。
【0105】また、本発明は、複数の機器から構成され
るシステムに適用しても良いし、1つの機器からなる装
置に適用しても良い。また、本発明はシステム或いは装
置にプログラムを供給することによって実施される場合
にも適用できることは言うまでもない。この場合、本発
明に係るプログラムを格納した記憶媒体が本発明を構成
することになる。そして、該記憶装置からそのプログラ
ムをシステム或いは装置に読み出すことによって、その
システム或いは装置が、予め定められた仕方で動作す
る。
【0106】また、本発明の目的は、前述した実施形態
の機能を実現するソフトウェアのプログラムコードを記
録した記憶媒体を、システムあるいは装置に供給し、そ
のシステムあるいは装置のコンピュータ(またはCPU
やMPU)が記憶媒体に格納されたプログラムコードを
読出し実行することによっても、達成されることは言う
までもない。
【0107】この場合、記憶媒体から読出されたプログ
ラムコード自体が前述した実施形態の機能を実現するこ
とになり、そのプログラムコードを記憶した記憶媒体は
本発明を構成することになる。
【0108】プログラムコードを供給するための記憶媒
体としては、例えば、フロッピディスク,ハードディス
ク,光ディスク,光磁気ディスク,CD−ROM,CD
−R,磁気テープ,不揮発性のメモリカード,ROMな
どを用いることができる。
【0109】また、コンピュータが読出したプログラム
コードを実行することにより、前述した実施形態の機能
が実現されるだけでなく、そのプログラムコードの指示
に基づき、コンピュータ上で稼働しているOS(オペレ
ーティングシステム)などが実際の処理の一部または全
部を行い、その処理によって前述した実施形態の機能が
実現される場合も含まれることは言うまでもない。
【0110】さらに、記憶媒体から読出されたプログラ
ムコードが、コンピュータに挿入された機能拡張ボード
やコンピュータに接続された機能拡張ユニットに備わる
メモリに書込まれた後、そのプログラムコードの指示に
基づき、その機能拡張ボードや機能拡張ユニットに備わ
るCPUなどが実際の処理の一部または全部を行い、そ
の処理によって前述した実施形態の機能が実現される場
合も含まれることは言うまでもない。
【0111】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
インク残量がわずかとなりインクの吐出が不安定となっ
たにもかかわらずインク有と判定されることがなくな
り、記録媒体や記録時間を無駄に消費することが防止さ
れる。
【0112】さらに、記録ヘッドを移動させながら予備
吐出を行わせるので、予備吐出の際の記録ヘッドと検出
手段との相対位置のズレによって検出精度が低下するこ
とを防止できるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による予備吐出動作を説明する図であ
る。
【図2】図5に示す装置の記録部Bの詳細な構成を示す
立体斜視図である。
【図3】カラー記録ヘッドとモノクロ記録ヘッドのノズ
ル構成を示す図である。
【図4】記録部Bのフォトセンサ8の動作を説明する図
である。
【図5】本発明の代表的な実施形態であるインクジェッ
ト方式に従った記録ヘッドによって記録を行う記録部を
備えたファクシミリ装置の構成を示す側断面図である。
【図6】図5に示すファクシミリ装置の制御構成を示す
ブロック図である。
【図7】フォトセンサ8の電気的構成を示すブロック図
である。
【図8】インク有無判定動作のフローチャートである。
【図9】吐出されたインク滴が赤外光を遮る様子を示し
た図である。
【符号の説明】
A 読取部 B 記録部 C 給紙部 1 給紙カセット 5 記録ヘッド 8 フォトセンサ 15 キャリッジ 20 キャップ 21 キャリッジホームセンサ 24 制御部 25 CPU 26 ROM 27 RAM 58 操作パネル 59 LCD 81 発光素子 82 受光素子 83 コンパレータ 84 パルス幅計数部

Claims (15)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 インクを吐出して記録媒体上に記録を行
    う記録ヘッドと、 前記記録ヘッドに供給するインクを収容するインクタン
    クと、 記録位置とは異なる位置で前記記録ヘッドからインクを
    吐出させる、予備吐出動作を行わせる予備吐出制御手段
    と、 前記予備吐出動作で前記記録ヘッドから吐出されるイン
    ク滴を検出する検出手段と、 前記検出手段の検出結果に基づいて前記インクタンク内
    のインクの有無を判定する判定手段とを備え、 前記予備吐出制御手段が、所定の開始位置から所定の終
    了位置まで前記記録ヘッドを移動させながら前記予備吐
    出を行うように制御し、 前記検出手段が、前記開始位置と前記終了位置との間の
    前記終了位置に近い位置で前記記録ヘッドから吐出され
    た前記インク滴を検出するように構成されていることを
    特徴とする記録装置。
  2. 【請求項2】 前記判定手段により前記インクタンク内
    にインクがないと判定されたときに、前記インクタンク
    の交換が必要であることを表示する表示手段を更に備え
    ることを特徴とする請求項1に記載の記録装置。
  3. 【請求項3】 前記検出手段が、所定の波長の光を発光
    する発光素子と、前記光を受光する受光手段と、前記記
    録ヘッドから吐出された前記インク滴によって前記光が
    遮断された時間を計測する計時手段とを含むことを特徴
    とする請求項1または2に記載の記録装置。
  4. 【請求項4】 前記記録ヘッドとしてモノクロ記録用の
    記録ヘッドまたはカラー記録用の記録ヘッドのいずれか
    一方を選択的に装着可能であり、前記判定手段がどちら
    の記録ヘッドが装着されているかに応じて判定基準を変
    更することを特徴とする請求項1から3のいずれか1項
    に記載の記録装置。
  5. 【請求項5】 前記予備吐出制御手段が、前記インクタ
    ンクが交換された後に記録された記録媒体の頁数に応じ
    て前記予備吐出の前記開始位置を変更可能であることを
    特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載の記録
    装置。
  6. 【請求項6】 前記予備吐出制御手段が、前記インクタ
    ンクが交換されてからの期間に応じて前記予備吐出の前
    記開始位置を変更可能であることを特徴とする請求項1
    から4のいずれか1項に記載の記録装置。
  7. 【請求項7】 前記記録ヘッドは、熱エネルギーを利用
    してインクを吐出する記録ヘッドであって、インクに与
    える熱エネルギーを発生するための熱エネルギー変換体
    を備えていることを特徴とする請求項1から6のいずれ
    か1項に記載の記録装置。
  8. 【請求項8】 通信回線を介して受信した画像情報を、
    請求項1から7のいずれか1項に記載の記録装置によっ
    て記録媒体上に記録するファクシミリ装置であって、 前記予備吐出制御手段は、前記画像情報を1頁記録する
    毎に、前記予備吐出を行うように制御することを特徴と
    するファクシミリ装置。
  9. 【請求項9】 前記受信した画像情報を頁毎に格納する
    記憶手段と、前記予備吐出に対応して前記判定手段によ
    りインクが有ると判定されたときに、記録した1頁の画
    像情報を前記記憶手段から消去する記憶制御手段とを更
    に備えることを特徴とする請求項8に記載のファクシミ
    リ装置。
  10. 【請求項10】 インクを吐出して記録媒体上に記録を
    行う記録ヘッドを有する記録装置のインクタンク内のイ
    ンクの有無を判定する判定方法であって、 記録位置とは異なる位置で前記記録ヘッドからインクを
    吐出させる予備吐出動作を、所定の開始位置から所定の
    終了位置まで前記記録ヘッドを移動させながら行わせ、 前記開始位置と前記終了位置との間の前記終了位置に近
    い位置で前記予備吐出動作によって前記記録ヘッドから
    吐出されたインク滴を検出し、 前記検出の結果に基づいて前記インクタンク内のインク
    の有無を判定することを特徴とする判定方法。
  11. 【請求項11】 前記インクタンク内にインクがないと
    判定されたときに、前記インクタンクの交換が必要であ
    ることを表示することを特徴とする請求項10に記載の
    判定方法。
  12. 【請求項12】 所定の波長の光を発光し、前記記録ヘ
    ッドから吐出された前記インク滴によって前記光が遮断
    された時間を計測してインク滴を検出することを特徴と
    する請求項10または11に記載の判定方法。
  13. 【請求項13】 前記記録ヘッドとしてモノクロ記録用
    の記録ヘッドまたはカラー記録用の記録ヘッドのいずれ
    か一方を選択的に装着可能であり、どちらの記録ヘッド
    が装着されているかに応じて判定基準を変更することを
    特徴とする請求項10から12のいずれか1項に記載の
    判定方法。
  14. 【請求項14】 前記インクタンクが交換された後に記
    録された記録媒体の頁数に応じて前記予備吐出の前記開
    始位置を変更することを特徴とする請求項10から13
    のいずれか1項に記載の判定方法。
  15. 【請求項15】 前記インクタンクが交換されてからの
    期間に応じて前記予備吐出の前記開始位置を変更するこ
    とを特徴とする請求項10から13のいずれか1項に記
    載の判定方法。
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