JP2000231099A

JP2000231099A - 電子機器

Info

Publication number: JP2000231099A
Application number: JP11032946A
Authority: JP
Inventors: Satoshi Chiba; 悟志千葉
Original assignee: Seiko Epson Corp
Current assignee: Seiko Epson Corp
Priority date: 1999-02-10
Filing date: 1999-02-10
Publication date: 2000-08-22

Abstract

(57)【要約】【課題】液晶パネルなどのような表示を行う方式の電
子機器において、金属調の表示を可能にする。【解決手段】光を散乱させる光散乱層１７と、ある一
方向を向く直線偏光成分を透過させ、それ以外の偏光を
反射する偏光分離フィルム１１と、透過する偏光の偏光
軸を変化させる状態とそれを変化させない状態とのいず
れかを選択できる液晶パネル８と、液晶パネル８を挟ん
で偏光分離フィルム１１の反対側に配置された偏光板１
２ａと、偏光板を挟んで液晶パネル８の反対側に配置さ
れた反射板１８とを含んで電子機器を構成する。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、置き時計、腕時
計、ストップウオッチ等のように、表示パネルを有する
電子機器に関する。

【０００２】

【従来の技術】従来より、液晶表示装置等といったフラ
ットディスプレイ装置を用いて数字、文字その他の情報
を表示するようにした電子機器は広く知られている。
今、液晶表示装置を用いた電子機器を考えれば、その電
子機器は、例えば図７に示すように、液晶パネル５ｌを
挟んでその両側に一対の偏光板５ａ及び５ｂを配置し、
さらに、一方の偏光板５ｂの裏側に反射板５を配置する
ことによって構成される。一対の偏光板５ａ及び５ｂ
は、それらの方位角が互いに直角を成すように配置され
る。

【０００３】この従来の電子機器では、外部光を用いて
背景地を表示（液晶パネル５ｌをＯＦＦ）するときに
は、矢印Ｐで示すように、外部光すなわち自然光のうち
紙面に対して平行方向の直線偏光が偏光板５ａを透過
し、ＯＦＦ状態の液晶パネル５ｌによって偏光方向が９
０゜捻られて紙面に対して垂直方向の直線偏光となる。
この直線偏光は偏光板５ｂを透過した後に反射板５の表
面で反射し、そしてその反射光は、偏光板５ｂ、液晶パ
ネル５ｌ及び偏光板５ａを順次に透過した後に外部に表
示され、これにより、該部分が白色の背景地として認識
される。

【０００４】また、外部光を用いて数字等の情報を表示
（液晶パネル５ｌをＯＮ）するときには、矢印Ｑで示す
ように、偏光板５ａによって外部光のうちから紙面平行
方向の直線偏光が取り出され、その直線偏光が液晶パネ
ル５ｌを透過する。このとき液晶パネル５ｌはＯＮ状態
にあるから直線偏光の偏光方向は捻られることなく紙面
平行方向を維持し、よって、この直線偏光は偏光板５ｂ
によって吸収される。この結果、この部分は外部から
は"黒"として認識される。

【０００５】以上により、外部光を用いて表示を行うと
きには、白の背景地の上に黒の数字等が時刻表示その他
の情報表示として表示される。

【０００６】

【発明が解決しようとする課題】以上の説明から明らか
なように、上記従来の電子機器においては、液晶パネル
の上面に配置された偏向板で１方向の光偏光成分が吸収
されてしまうため、白表示といってもグレー表示にしか
ならず、金属の外装と合わせて金属調のｏｆｆ表示を行
うことはできなかった。

【０００７】本発明は、上記の問題点に鑑みて成された
ものであって、金属調の光沢を持つ表示パネルを提供す
ることを目的とする。

【０００８】

【課題を解決するための手段】（１）上記の目的を達成
するため、請求項１に係る本発明の表示パネルを有する
電子機器は、（ａ）ある一方向の直線偏光成分を透過さ
せ、それに対して直角方向の直線偏光成分を反射する第
１偏光分離手段と、（ｂ）その第１偏光分離手段から出
た直線偏光成分を受ける位置に配置され、透過する偏光
成分の偏光軸を変化させる状態と変化させない状態との
いずれかを選択できる透過偏光軸可変手段と、（ｃ）そ
の透過偏光軸可変手段を挟んで前記第１偏光分離手段と
相対する側に配置され、ある一方向の直線偏光成分を透
過させ、それ以外の偏光成分を吸収する第２偏光分離手
段と、（ｄ）第２偏光分離手段を挟んで上記透過偏光軸
可変手段と相対する側に配置され、全ての直線偏光成分
の光を反射する反射板とを有することを特徴とする。

【０００９】上記第１偏光分離手段は、国際公開され
た国際出願（国際公開番号ＷＯ９５／１７６９２又はＷ
Ｏ９５／２７９１９）に開示されたように薄膜を多数枚
積層した構造の偏光分離フィルムや、コレステリック
液晶層の両側又は片側に（１／４）λ板を配設した構造
の偏光分離板や、ブリュースターの角度を利用して反
射偏光と透過偏光とに分離する構造の偏光分離部材（Ｓ
ＩＤ９２ＤＩＧＥＳＴ第４２７頁から第４２９
頁）や、あるいは、ホログラムを利用した偏光分離部
材等を用いて構成できる。

【００１０】上記透過偏光軸可変手段は、例えば、液晶
パネルを用いて構成できる。液晶としては、ＴＮ（Twis
ted Nematic）液晶、ＳＴＮ（Super-Twisted Nematic）
液晶、ＥＣＢ（ Electrically Controlled Birefringen
ce）液晶等といった各種液晶を用いることができる。な
お、ＳＴＮ液晶の中には、Ｆ−ＳＴＮ（Film Compensat
ed Super-Nematic）液晶等といった色補償用光学異方体
を用いるＳＴＮ液晶も含まれる。

【００１１】上記構成において、第２偏光分離手段は通
常の偏光板によって構成できる。通常の偏光板というの
は、自然光の入射に対してある一方向の直線偏光を出射
する機能を有するフィルム状部材であり、例えば、偏光
層をＴＡＣ（三酢酸セルロース）の保護層で挟むことに
よって形成できる。

【００１２】この電子機器において特徴となる点は、従
来の電子機器において透過偏光軸可変手段の表示を認識
する側に用いていた偏光板の代わりに、上記構成要件
（ａ）に記載した第１偏光分離手段を設けたことであ
る。一般的な偏光板が、ある一方向を向く直線偏光を透
過させると共にそれ以外の偏光を吸収等によって透過さ
せないという機能を奏するのに対し、この第１偏光分離
手段は、ある一方向の直線偏光を透過させると共にそれ
に対して直角方向の直線偏光を反射するという機能を奏
するものである。従って、この第１偏光分離手段を用い
たときには、自然光を用いて表示を行う際に、２枚の偏
光板を用いて表示を行うようにした従来の電子機器に比
べて、表面で吸収していた光を反射する分、光沢のある
金属調の表示パネルにすることができる。

【００１３】（２）さらに、請求項２に係る表示パネル
を有する電子機器は、請求項１記載の電子機器におい
て、第２偏光分離手段として第1偏光分離手段と同様に
にある一方向の直線偏光成分を透過させ、それに対して
直角方向の直線偏光を反射する偏光分離手段を用いて、
反射板を取り除いたことを特徴とする。

【００１４】つまり、第2偏光分離手段として上記構成
要件（ａ）のように、ある一方向の直線偏光成分を透過
させると共にそれに対して直角方向の直線偏光成分を反
射する構造の第１偏光分離手段を用いるようにすれば、
従来であれば偏光板によって吸収又は分散されていた光
を反射によって表示に寄与させることができるので、電
子機器の背景を明るく表示でき、その結果、数字等の情
報のコントラストを高めることができる。このことは、
視覚能力の弱い老人等に関して好都合である。

【００１５】（３）さらに、請求項３に係る表示パネル
を有する電子機器は、請求項１または２記載の電子機器
において、第１偏光分離手段の透過偏光軸可変手段と相
対する側に光を散乱する光散乱層を有することを特徴と
する。

【００１６】この構成により、ミラー状の金属面から表
面を荒らした金属面にすることができ、デザインの幅が
広げることができる。

【００１７】（４）また、請求項４に係る表示パネルを
有する電子機器は、請求項１から３のうち少なくともい
ずれか１項記載の電子機器において、第１偏光分離手段
と透過偏光軸可変手段の間にある波長領域を吸収し着色
光とするカラーフィルタを有することを特徴とする。

【００１８】この構成により、銀色の金属調だけでな
く、カラーフィルタの吸収する波長を変えることで様々
な色の金属調の表示パネルにすることができ、デザイン
の幅が広げることができる。

【００１９】（５）また、請求項５に係る表示パネルを
有する電子機器は、請求項１から４のうち少なくともい
ずれか１項記載の電子機器において、第２偏光分離手段
の透過偏光軸可変手段と相対する側にある波長領域を吸
収し着色光とするカラーフィルタを有することを特徴と
する。

【００２０】この構成により、表示する数字等の情報を
黒表示だけではなく、様々な色で表示することができ、
デザインの幅が広げることができる。

【００２１】（６）また、請求項６に係る表示パネルを
有する電子機器は、請求項１から請求項５のうちの少な
くともいずれか１項記載の電子機器において、前記記第
１、２偏光分離手段は、２種類の層を交互に積層して形
成される複数層構造を有し、それらの複数層のうち互い
に隣り合う２層間において、ある一方向の屈折率はそれ
ら２層間で等しく、それと直角方向の屈折率はそれら２
層間で異なり、そして個々の層は厚さが異なることを特
徴とする。

【００２２】上記第１偏光分離手段が種々の偏光分離要
素によって構成できることは既述の通りであるが、望ま
しくは、国際公開された国際出願（国際公開番号ＷＯ９
５／１７６９２又はＷＯ９５／２７９１９）に開示され
た構造の偏光分離フィルムを用いてその第２偏光分離手
段を構成する。この偏光分離フィルムは、例えば図２に
示すように、２種類の層Ａ，Ｂを交互に積層して形成さ
れる複数層構造を有し、そして、それらの複数層Ａ，Ｂ
のうち互いに隣り合う２層間において、ある一方向の屈
折率はそれら２層間で等しく、それと直角方向の屈折率
はそれら２層間で異なるように設定し、さらに、個々の
層の層厚に変化を持たせている。

【００２３】図２において、ＸＹＺの直交３軸方向を考
えるとき、Ａ，Ｂの２層は例えば押出し成形によって多
層状態に形成され、さらに、一方向（例えばＸ方向）に
沿って引き延ばされ、他の一方向（すなわちＹ方向）に
は引き延ばされない。すなわち、Ｘ軸方向が延伸方向で
あり、Ｙ軸方向がそれに対する横方向である。Ｂ材料は
屈折率ｎB （例えばｎB ＝１．６４）を有し、これは延
伸処理によっても実質的に変化しない。一方、Ａ材料は
延伸処理によって屈折率が変化する特性を有する。例え
ば、Ａ材料から成るシートを一軸方向に延伸処理する
と、延伸方向（すなわちＸ方向）に一つの屈折率ｎAX
（例えばｎAX＝１．８８）を有し、横方向（Ｙ方向）に
は異なる屈折率ｎAY（例えばｎAY＝１．６４）を有する
ようになる。Ａ，Ｂ材料から成る図２の積層構造をＸ方
向へ延伸すれば、その延伸方向に関して大きな屈折率差
Δｎ＝１．８８−１．６４＝０．２４が発生する。その
一方、それと直角なＹ方向に関しては、Ａ，Ｂ各層間の
屈折率差Δｎ＝１．６４−１．６４＝０であり、屈折率
に差は生じない。このような光学特性のため、本偏光分
離フィルム１２に光が入射すると、その入射光のうち透
過軸Ｅ方向の偏光成分（ａ）は偏光分離フィルム１２を
透過する。他方、入射光のうちの吸光軸Ｆ方向の偏光成
分（ｂ）は屈折率差Δｎに直面することになり、それ
故、その部分で反射する。

【００２４】さらに、Ａ，Ｂ各層間の層厚ｔ1，ｔ2，ｔ
3，… … … は少しずつ寸法に変化が加えられ、それ
故、図３に示すように各層の境界面で波長の異なった光
（ｂ−１）、（ｂ−２）… … を反射できるようになっ
ている。つまり、層厚を異ならせたＡ，Ｂ２種類の多層
構造により、あらゆる種類の波長を含む光を効率良く反
射することが可能となる。

【００２５】（７）請求項７に係る表示パネルを有する
電子機器は、請求項１から請求項６のうちの少なくとも
いずれか１項記載の電子機器において、電子機器の外装
ケースに防水構造を有することを特徴とする。これによ
り電子機器の信頼性が高くなる。

【００２６】（８）請求項８に係る表示パネルを有する
電子機器は、請求項１から請求項７のうちの少なくとも
いずれか１項記載の電子機器において、電子機器のケー
スに携帯するためのベルトを付けたことを特徴とする。
これにより電子機器の携帯性が良くなる。

【００２７】

【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
に基づいて説明する。

【００２８】図４は、本発明に係る電子機器の一実施形
態である電子腕時計の断面構造を示している。

【００２９】この腕時計は、例えばプラスチック製のケ
ース１と、そのケース１の内部に格納されたムーブメン
ト２と、ケース１に固定されていてムーブメント２の上
に位置するガラス板３と、そして、ムーブメント２を固
定する裏ぶた４とを含んで構成される。符号６は、腕バ
ンドを示している。

【００３０】ムーブメント２は、図６に示すように、パ
ネル枠７と、そのパネル枠７に支持された透過偏光軸可
変手段としての液晶パネル８と、その液晶パネル８の外
側表面（図の上側表面）に貼着された第１偏光分離手段
としての偏光分離フィルム１１と、偏光分離フィルムの
外側表面（図の上側表面）に貼着された光散乱層１７
と、液晶パネル８を挟んで偏光分離フィルム１１の反対
側に配置された第２偏光分離手段としての偏光板１２ａ
と、偏光板１２ａを挟んで液晶パネル８の反対側に配置
された反射板１８と、液晶パネル８を駆動するために必
要な素子類とと液晶パネル８に表示させる表示データを
演算処理するために必要な素子類を実装した基板９と、
そして電池１０とを有する。

【００３１】偏光分離フィルム１１は、図２に示すよう
に多数の薄膜を積層した構造の偏光分離フィルムによっ
て構成する。既述の通り、この偏光分離フィルム１１
は、ある一方向の直線偏光を透過させ、それに対して直
角方向の直線偏光を吸収等ではなくて反射するように作
用する。また、偏光板１２ａは、ある一方向を向く直線
偏光成分を透過させ、それ以外の偏光成分を吸収、分散
等して透過させないように作用する。

【００３２】液晶パネル８は、互いに対向する一対の透
明ガラス基板１３ａ及び１３ｂを有し、それらのガラス
基板の間に形成された間隙、いわゆるセルギャップ内に
液晶、例えばＴＮ液晶Ｌが封入される。ガラス基板１３
ａ及び１３ｂには、図５に示すように数字、文字等の情
報を表示するための複数の透明電極１４が形成される。
本実施形態では、１桁の数字を表示するための透明電極
として７セグメントに分割された透明電極を用いてい
る。

【００３３】一対のガラス基板１３ａ及び１３ｂのそれ
ぞれに形成されていて、互いに対向する透明電極対１４
の間には所定の電圧を印加でき、そのように電圧を印加
（ＯＮ）するか、あるいは電圧を印加しない（ＯＦＦ）
かによって、液晶Ｌの配向を２つの状態のうちのいずれ
かに設定できる。本実施形態の液晶は、それがＯＮ状態
のときに直線偏光の偏光軸を変化させず、一方、それが
ＯＦＦ状態のときに直線偏光の偏光軸を９０゜だけ捻る
ように設定される。

【００３４】以下、上記構成より成る電子腕時計につい
てその動作を説明する。この腕時計は、腕時計の表示面
を白の背景色のままに維持したい場合にはその領域の液
晶パネル８をＯＦＦ状態とし、表示面に数字等といった
情報を表示する場合にはその領域の液晶パネル８をＯＮ
状態とする。以下、これら各状態の場合を個別に説明す
る。

【００３５】（白の背景色を表示する場合）白の背景色
を表示する場合には、まず、図１において液晶パネル８
をＯＦＦ状態にする。すると、同図の矢印Ｐで示すよう
に、外部光すなわち自然光のうち紙面に対して垂直方向
の直線偏光成分は反射される。そして、平行方向の直線
偏光成分が偏光分離フィルム１１を透過し、ＯＦＦ状態
にある液晶パネル８によって偏光方向が９０゜捻られて
紙面に対して垂直方向の直線偏光成分となる。この直線
偏光は波長に応じて偏光板１２ａをそのまま透過し、そ
の下の反射板１３によりそのままの直線偏光を保ったま
ま反射し、そしてその反射光は、液晶パネル８及び偏光
板１１を順次に透過した後に外部に表示される。観察者
に届く光はすべて光散乱板１７を通るため、表面はミラ
ー状にはならず観察者への背景の映り込みを防ぐことが
できる。これにより、腕時計の表示面内に金属調の"白"
の背景色が表示される。

【００３６】（数字等の情報を表示する場合）数字等の
情報を表示する場合には、液晶パネル８をＯＮ状態にす
る。すると、矢印Ｑで示すように、偏光分離フィルム１
１によって外部光のうち紙面垂直方向の偏光成分はその
まま反射されるが、紙面平行方向の直線偏光が取り出さ
れ、その直線偏光が液晶パネル８を透過する。このとき
液晶パネル８はＯＮ状態にあるから直線偏光の偏光方向
は捻られることなく紙面平行方向を維持しする。よっ
て、この直線偏光成分は偏光板１２ａにより吸収され黒
表示となる。

【００３７】さらに、図７に示した従来装置では、矢印
Ｐで示すように、外部光に基づいて白色背景地を表示す
るときに、その外部光の１方向の偏光成分を吸収してし
まうため白色の輝度が低下するので腕時計の表示状態が
暗くなる。これに対して本実施形態の腕時計によれば、
図１で示すように外部自然光の1方向の偏光成分は直接
反射され、それに直行する偏光成分は、偏光板１２ａの
下の反射板１３で反射するため、吸収される偏光成分が
ほとんど無く白色背景地を表示しており、白色背景地を
明るく表示できる。また数字等を表示する場合には、1
方向の偏光成分は反射してしまうが、それに直行する偏
光成分の光は吸収されてしまうため、数字を認識するの
に十分なコントラスト比を確保でき、全体として金属調
の明るい表示パネルを提供できる。

【００３８】図８は、本発明に係る電子機器のさらに他
の実施形態の要部を示している。この実施形態が図１に
示した先の実施形態と異なる点は、液晶パネル８と偏光
分離フィルム１１との間とにカラーフィルタ１６ａを配
設したことと、偏光板１２ａの代わりに偏光分離フィル
ム１１と同じ特性を持った偏光分離フィルム１２ｂを配
設し偏光分離フィルム１２ｂの液晶パネル８と相対する
側にカラーフィルタ１６ｂを配設したことと、偏光分離
フィルム１１のカラーフィルタ１６ａと相対する側に配
設した光散乱板１７を取り除いたことである。この実施
形態によれば、背景色は、カラーフィルタ１６ａ金属色
を発し、数字等の情報はカラーフィルタ１６ｂにより着
色された着色光として認識される。また、光散乱板１７
を取り除いたことでミラー状の光沢面にすることがで
き、デザインの幅を広げることのできる表示パネルを提
供できる。

【００３９】以上、好ましい実施形態を挙げて本発明を
説明したが、本発明はそれらの実施形態に限定されるも
のではなく、請求の範囲に記載した発明の範囲内で種々
に改変できる。

【００４０】例えば、上記実施形態では、腕時計に関し
て本発明を適用した場合を例示したが、ストップウオッ
チ等といったその他の電子機器に対しても本発明を適用
できる。

【００４１】また、上記実施形態では、透過する偏光の
偏光軸を変化させる状態と変化させない状態とのいずれ
かを選択できる透過偏光軸可変手段として、ＴＮ液晶を
使った液晶パネルを用いたが、これに代えて、ＳＴＮ液
晶やＥＣＢ液晶を使った液晶パネルを用いることもでき
る。

【００４２】また、ある一方向の直線偏光を透過させ、
それに対して直角方向の直線偏光を反射する作用を奏す
る第１偏光分離手段として、図２のような複数の薄膜を
積層した多層構造を採用したが、これに代えて、コレ
ステリック液晶層の両側又は片側に（１／４）λ板を配
設した構造の偏光分離板や、ブリュースターの角度を
利用して反射偏光と透過偏光とに分離する構造の偏光分
離部材（ＳＩＤ９２ＤＩＧＥＳＴ第４２７頁から第
４２９頁）や、あるいは、ホログラムを利用した偏光
分離部材等を用いることもできる。

【００４３】

【発明の効果】請求項１記載の電子機器によれば、従来
のように偏光板を透過した光によって白色背景地を形成
する場合に比べて、偏光分離フィルムにより１方向の偏
光成分を反射し、それに直交する偏光成分も液晶パネル
８及び偏光板１２ａを透過した後、反射板１３により反
射するため、光の損失がほとんど無く、明るい金属調の
背景地を得ることができる。

【００４４】請求項２記載の電子機器によれば、偏光板
１２ａでの光の損失が無くなるため更に明るい背景色を
得ることができる。

【００４５】請求項３記載の電子機器によれば、偏光分
離フィルム１１の液晶パネル８と相対する側に光散乱フ
ィルム１４により、表面の光の反射を散乱させるため観
察者への背景の映り込みを防ぐことができる。

【００４６】請求項４記載の電子機器によれば、カラー
フィルタにより背景色を着色することができる。

【００４７】請求項５記載の電子機器によれば、カラー
フィルタにより数字等の情報に着色することができる。

【００４８】請求項６記載の電子機器は、偏光板として
複数の薄膜を積層して形成した薄膜積層構造の偏光分離
フィルムを用いる場合を想定している。この構造の偏光
分離フィルムは、きわめて薄い厚さで形成でき、しかも
可撓性を付与することもできるので、電子機器の全体的
な厚さを薄くでき、しかも、その製造工程を簡単にする
ことができる。

【００４９】請求項７記載の電子機器は、外装ケースに
防水構造を持たせることで、高い信頼性の電子機器を得
ることができる。

【００５０】請求項８記載の電子機器は、外装ケースに
携帯するためのベルトを付けることで携帯性の良い電子
機器を得ることができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明に係る電子機器の一実施形態の要部を模
式的に示す図である。

【図２】図１に示す構造の要部として用いられる偏光分
離フィルムの内部構造を模式的に示す斜視図である。

【図３】図２に示す偏光分離フィルムの作用を模式的に
示す図である。

【図４】本発明に係る電子機器の一実施形態である電子
腕時計の一実施形態の断面構造を示す断面図である。

【図５】図４の電子腕時計で用いられるムーブメントを
示す平面図である。

【図６】図５のムーブメントの断面図である。

【図７】従来の電子機器の一例の要部を模式的に示す図
である。

【図８】本発明に係る電子機器のさらに他の実施形態の
要部を模式的に示す図である。

【符号の説明】

１ケース２ムーブメント３ガラス板４裏ぶた５反射板５ａ、５ｂ偏光板５ｌ液晶パネル６腕バンド７パネル枠８液晶パネル（透過偏光軸可変手段）９基板１０電池１１偏光分離フィルム（第１偏光分離手段）１２ａ偏光板（第２偏光分離手段）１２ｂ偏光分離フィルム（第２偏光分離手段）１３ａ、１３ｂガラス基板１４透明電極１６ａ、１６ｂカラーフィルム１７光散乱層１８反射板Ａ，Ｂ異種類の薄膜層Ｅ透過軸Ｆ吸光軸Ｌ液晶Ｐ，Ｑ外部光光路

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.⁷ 識別記号ＦＩテーマコート゛(参考）Ｇ０９Ｆ 9/35 ３２１Ｇ０９Ｆ 9/35 ３２１Ｆターム(参考） 2H049 BA02 BA05 BA07 BA43 BB03 BB63 BC22 CA01 CA05 CA11 CA22 2H091 FA02X FA02Z FA08X FA08Z FA12Z FA16Z FA32Z FD08 HA07 HA09 HA10 LA15 LA20 5C094 AA02 AA15 BA43 CA14 CA23 DA12 EA05 EB02 ED02 ED11 ED13 ED14 FA02 HA02 HA03

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】表示用のパネルを有する電子機器であっ
て、ある一方向の直線偏光成分を透過させ、それに対して直
角方向の直線偏光成分を反射する第１偏光分離手段と、その第１偏光分離手段から出た直線偏光成分を受ける位
置に配置され、透過する偏光成分の偏光軸を変化させる
状態と変化させない状態とのいずれかを選択できる透過
偏光軸可変手段と、その透過偏光軸可変手段を挟んで上記第１偏光分離手段
と相対する側に配置され、ある一方向の直線偏光成分を
透過させ、それに対して直角方向の直線偏光を吸収する
第２偏光分離手段と、第２偏光分離手段を挟んで上記透過偏光軸可変手段と相
対する側に配置され、全ての直線偏光成分の光を反射す
る反射板とを有することを特徴とする電子機器。
【請求項２】請求項１記載の電子機器において、第２偏光分離手段として第1偏光分離手段と同様ににあ
る一方向の直線偏光成分を透過させ、それに対して直角
方向の直線偏光を反射する偏光分離手段を用いたことを
特徴とする電子機器。
【請求項３】請求項１または２記載の電子機器におい
て、第１偏光分離手段の透過偏光軸可変手段と相対する側に
光を散乱する光散乱層を有することを特徴とする電子機
器。
【請求項４】請求項１から３のうち少なくともいずれ
か１項記載の電子機器において、第１偏光分離手段と透過偏光軸可変手段の間にある波長
領域を吸収し着色光とするカラーフィルタを有すること
を特徴とする電子機器。
【請求項５】請求項１から４のうち少なくともいずれ
か１項記載の電子機器において、第２偏光分離手段の透過偏光軸可変手段と相対する側に
ある波長領域を吸収し着色光とするカラーフィルタを有
することを特徴とする電子機器。
【請求項６】請求項１から請求項５のうちの少なくと
もいずれか１項記載の電子機器において、前記第１、２偏光分離手段は、２種類の層を交互に積層
して形成される複数層構造を有し、それらの複数層のうち互いに隣り合う２層間において、
ある一方向の屈折率はそれら２層間で等しく、それと直
角方向の屈折率はそれら２層間で異なり、そして個々の層は厚さが異なることを特徴とする電子機
器。
【請求項７】請求項１から請求項６のうちの少なくと
もいずれか１項記載の電子機器において、電子機器の外装ケースに防水構造を有することを特徴と
する電子機器。
【請求項８】請求項１から請求項７のうちの少なくと
もいずれか１項記載の電子機器において、電子機器のケースに携帯するためのベルトを付けたこと
を特徴とする電子機器。