JP2000230143A - 高分散安定顔料インクの製造方法 - Google Patents

高分散安定顔料インクの製造方法

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JP2000230143A
JP2000230143A JP3153399A JP3153399A JP2000230143A JP 2000230143 A JP2000230143 A JP 2000230143A JP 3153399 A JP3153399 A JP 3153399A JP 3153399 A JP3153399 A JP 3153399A JP 2000230143 A JP2000230143 A JP 2000230143A
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勲 木村
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 分散安定性の極めて高いインクを比較的簡単
な装置により容易に製造可能な顔料インクの製造方法を
提供する。 【解決手段】 分散剤により分散工程を経た顔料分散液
において、隙間なく充填物を内蔵した容器に該顔料分散
液を満たし、該分散液の沸点以下に加温熟成して、容器
中の分散液から加温熟成前の顔料分散液の平均粒径より
小さな平均粒径を示す分散液成分を分取してインク化す
ることを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、筆記具、プリンタ
ーなどの記録器具、記録装置に適した顔料インクの製造
方法に関し、特にインクジェット記録用に好適な高分散
安定顔料インクの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、顔料のインク化、すなわち分散体
製造方法に関しては多くの技術解説があり、顔料の分散
とは、湿潤(Wetting)−分散(Dispersion)−安定化(St
abilization)の3工程を含めて定義されている。(総説
としては、(株)技術情報協会「最新顔料分散技術」、
1993年1月16日発行;がある。) 各種の顔料分散(練磨)方法についての理論的扱いに関
しては、Temple C.Pattopn: “ Paint Flow & Pigment
Dsipersion 2nd Ed.”John Wiley & Sons (1979)に詳述
されている。
【0003】また、環境保護の観点から、顔料インクに
限ったことではないが、記録用または塗装用液体として
水性インクが主流であり、水ベースのインクにいかにし
て顔料の分散安定を図るかが技術開発の主要目的となっ
ている。
【0004】近年普及が目覚ましいインクジェットプリ
ンタ用にも顔料インクの使用例が増加しつつあり、特開
平1−204979号公報には、分散メディアを用いた
分散工程が開示されている。同様にインクジェット記録
用顔料の製造方法に関して、米国特許USP−5,02
6,427に、顔料と分散剤との混合物をミリングし、
混合液を複数のノズルを有する液体ジェット相互作用機
(liquid jet interaction chamber)に、1,000ps
i以上の圧力下で通過させる;いわゆるジェットミリン
グによりアグロメレーション(agglomeration) の少ない
均一な粒径の顔料分散インクを得る方法が示されてい
る。
【0005】米国特許USP−5,085,698に
は、親水性セグメントと顔料に結合するセグメントとを
有する、ABまたはBABブロックコポリマーを用いて
貯蔵安定性を確保する手段が示されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】従来の分散方法で製造
された顔料インクは、顔料が元々は大きな粒子であった
ものを破砕して微粒子化し水中に分散したものであるか
ら、インクのpH変化や容器からの溶出物などにより、
分散剤が化学的な作用を受けて、顔料粒子同志のアグロ
メレーション(agglomeration)が起こり、その結果イン
クの一部分または全体が沈降することがある。沈降した
顔料粒子は筆記具ではペン先詰まりを引き起こし使用に
耐えられなくなる。微小ノズルを有するインクジェット
プリンタではノズル詰まりを引き起こし画像の一部が欠
けたりする問題がある。これらの問題は米国特許USP
−5,085,698によっても完全に解決されたとは
言えず、分散安定性として、70℃4時間における粒径
増が少ないことのみ確認されたにすぎない。現実の物流
環境を考慮すれば炎天下長時間インク製品の滞留は起こ
り得ることであり、上記技術をもってしても、まだまだ
分散安定性の確保は十分とは言えない。
【0007】沈降を抑制するためには、顔料の粒径を小
さくする(例えば0.1μm以下)にすることも有効で
あるが、小さな粒径を得るために分散時間が長くなり、
分散メディア成分(多くはガラスビーズ)のインクへの
コンタミネーションや分散容器壁成分(この場合はステ
ンレス鋼が汎用される。)のインク中へのコンタミネー
ションが避けられない。インク中に電荷をもった成分が
混入すると、分散粒子表面の電荷二重層がイオン作用を
受け、顔料粒子の析出が起こる問題がある。
【0008】液体に熱を作用させ発生した泡でインク滴
を吐出して記録するサーマルインクジェットプリンタで
はヒータ表面にコンタミネーション成分を核として顔料
のKogetion(こげ付き)が生じ、正常な発泡を維持でき
なくなる問題がある。
【0009】本発明の目的は、顔料インクの分散安定性
を様々な物流環境、使用環境、保存環境に対して長期間
にわたって問題ないレベルに維持し、しかも技術的に簡
易な方法で実現する高分散安定顔料インクの製造方法を
提供するものである。さらにインクジェットプリンタ用
顔料インクとしても十分な記録性能を有し、長期間にわ
たって分散安定性を確保する製造方法を提供することに
ある。
【0010】
【課題を解決するための手段】前記の目的は以下の手段
によって達成される。
【0011】すなわち、本発明は分散剤により分散工程
を経た顔料分散液において、隙間なく充填物を内蔵した
容器に該顔料分散液を満たし、該分散液の沸点以下に加
温熟成して、容器中の分散液層別成分を分取してインク
化する顔料インクの製造方法である。上記容器は、その
内部が多段階に仕切られ、各階層が連通した構造であ
り、各階層から外部に液体を分取できる構造であること
が好ましい。
【0012】さらに、容器内部の充填物は、ウレタンフ
ォームスポンジなどの多孔質発泡体、ポリプロピレン繊
維、不織布、グラスウール、キャピラリチューブなどの
繊維状材料、細管状材料であって、容器内壁に隙間なく
充填可能な材料であれば特に制限はないが、充填材料が
インクと接触することにより、インクの分散安定性に悪
影響を及ぼすような溶出物、特にイオン性のものが溶出
しないほうが好ましい。特にインクジェットプリンタ用
インクでは、Fe,Si,Alなどの金属イオンの存在
はKogetion生成に関係するからできるだけ含まないこと
が望ましい。また、Caのような溶出物はインク中に存
在すると空気と接触して炭酸カルシウムを生成し、筆記
具のペン先、インクジェットプリントヘッドの微小ノズ
ルの目詰まりを引き起こすので材料の選択は注意を要す
る。
【0013】次に、汎用されるアルカリ可溶型分散剤
(例えば、アクリル酸−スチレン共重合ポリマー)によ
り分散工程を経た顔料分散液においては、該分散液のp
Hを顔料が析出しない程度に下げてから、隙間なく充填
物を内蔵した容器に該分散液を満たし、該分散液の沸点
以下に加温熟成して、容器中の分散液層別成分を分取し
た後、該分取液のpHの元の顔料分散液と同等以上のp
Hに戻すことによりインク化すると高分散安定な顔料イ
ンクが得られる。この場合、インクのpHは分散液状体
でpH=8〜11、析出しないpHとしてpH=7〜9
が推奨される。
【0014】次に、上記発明によってなぜ高い分散安定
性が得られるかを以下に述べる。
【0015】顔料インクは各種の分散方法により得るこ
とができるが、どのような分散方法を用いても、分散前
の顔料は粗大粒子の結晶であり粒子サイズもある程度の
分布をもっている。それらの粒子の破砕工程では全て一
様に破砕、微粒子化できるわけではないから、必ず粒子
サイズに分布ができてしまう。そのような粒径分布をも
つ粒子群に分散剤を吸着させ、分散安定性を図るわけで
あるが、粒子1個1個が様々な結晶表面をもっていて、
分散剤の吸着サイトの数もまた一様ではない。このこと
が分散剤の顔料への吸着状態に色々な状況を作ってしま
う原因であり、効果的に分散剤を吸着した粒子もあれ
ば、吸着分散剤の乏しい粒子も存在する。冨分散粒子は
極めて高い分散安定性を示すだろうし、貧分散粒子は沈
降に対して抵抗力がない。このような性質は少なくとも
本発明で対象とする1μm以下の微粒子では分散粒子径
の大小には関係が少なく、単に沈降速度をシュミレート
したときに粒径の小さな粒子が粒径の大きな粒子より有
利であるにすぎない。沈降速度はviは、Stokesの法則
にしたがい、球状粒子が液体中を一定速度で沈降する場
合、
【0016】
【数1】 式(1)は、個々の粒子の分散作用を考慮していないの
で、(分散が作用していると鉛直方向とは逆向きの抵抗
力が働くはずである。)、分散力をfi とすると、
【0017】
【数2】 と表すことができる。
【0018】1個の粒子ri に着目し、ri がni 個存
在するとする。ni 個の中には先に述べたように冨分散
粒子と貧分散粒子が存在し、冨分散粒子は式(2)にお
いて、分散力fi が十分大きく、貧分散粒子は分散力f
i がかなり小さいはずである。
【0019】シアン顔料分散液を内部にポリウレタンフ
ォーム(ブリヂストン(株)製XL−3;密度0.04
g/cm3 、セルサイズ40μm、通気度200cc/
cm 2 /s)を隙間なく充填した高さ5cmの円筒容器
Aと何も充填しない円筒容器Bに入れ、70℃に加温し
た状態で1日静置する。2つの容器を取り出して分散液
の様子を観察すると容器Aも容器Bも均一な液体状態を
保っていた。次にそれぞれの容器から上端1cmの層、
および底から1cmの層の分散液を分取し、吸光度と粒
径分布(粒径分布測定器;大塚電子(株)製ELS−8
00)を測定したところ表1の結果を得た。(表中、a
bs.は吸光度を、R(nm)は平均粒径を表す。)な
お、実験に用いたシアン顔料分散液の吸光度、平均粒径
の初期値はそれぞれ、1.12、109nmである。
【0020】
【表1】 表1から、ウレタンフォームを入れた容器Aのほうは吸
光度、平均粒径ともに上下で異なっていて、上部は底部
に比べ、吸光度、平均粒径ともに小さくなっていた。粒
径分布を図2に示す。図2によると、容器Aの上下、容
器Bの上下、容器ABの上部、底部それぞれは粒径分布
に大きな変化がないが、容器Aの上部成分の平均粒径
(101nm)は元々の顔料分散液の平均粒径(109
nm)より小さくなっていることがわかる。また、実験
に用いたポリウレタンフォームを容器から取り出し水で
洗浄し観察すると、白色のウレタンフォームがシアン色
に染まっていた。容器Aおよび容器Bの底には沈殿物は
認められなかった。
【0021】次に70℃7日間連続で加温熟成し、吸光
度および平均粒径を測定したが、表1の値と変りなかっ
た。その後、容器AおよびBを室温で1週間静置してお
くと、いずれも容器底部に少量のシアン顔料の沈殿物が
見られ、沈殿物の量は容器Aのほうが多かった。容器A
の上部層の分散液は吸光度、平均粒径ともに変化がなか
った。
【0022】以上の事実を分析すると、容器Aでは上部
と下部で平均粒径が異なっており、確かに式(1)また
は式(2)で示される沈降が起きていると考えられる
が、底部に全部沈殿するほどではないこと、上部と底部
で粒径分布に大きな変化がないため、大き目の平均粒径
をもつ顔料粒子の集団が一様に沈降して下部に集まり、
小さ目の平均粒径をもつ顔料粒子の集団が沈降の影響を
受けずに上部に留まった結果と考えられる。すなわち、
一様に分散されていると思われた分散液には式(2)に
おいて、粒径r0 〜rn 粒子群のうち、平均粒径が小さ
目で分散力の高い(fi が大きい)集団と、平均粒径が
大き目で分散力の低い(fi が小さい)集団が存在して
いると考えられる。これらの現象のメカニズムを図1に
示す。
【0023】図1(b)のように隔壁の存在しない容器
Bでは、対流が起きて攪拌されているため沈降が起こら
ないと考えられるが70℃1週間もの熱ストレスを受け
ると分散安定性が損なわれ一部沈降してしまう。
【0024】図1(a)のように、容器Aにおいては、
分散力の高い粒子群と分散力の低い粒子群に分離するの
は、マクロに見れば対流は起きていないが、ウレタンフ
ォームの小セル中では対流が起きていて、セル壁にかな
りの頻度で顔料粒子が衝突している(図1(a)右側の
拡大図参照)。そのため、セル壁表面では、分散剤また
は顔料粒子が吸着、脱着を繰り返しているうち、顔料粒
子に対する吸着力が壁面への吸着力を下回る粒子はセル
壁面にトラップされるか、分散力を失って沈降していく
と考えられる。逆に、顔料粒子に対する吸着力が壁面へ
の吸着力より高い粒子は安定に分散液中に存在できるの
である。元々式(2)で見積もられるように、粒径の大
きな粒子は重力による沈降速度が小さな粒径の粒子より
大きいため(例えば、粒径が2倍になると、沈降速度は
8倍に大きくなる。)、時間経過でより下層へ移動する
性質を持っているが、その性質が微小壁面との衝突で加
速されるものと考えられる。
【0025】容器Bでは壁面の表面積がウレタンフォー
ムのセル表面積に比べはるかに小さいため前述の現象が
認められないのである。
【0026】以上の考察から、充填物を使って加温熟成
することにより、分散安定性の極めて高い顔料分散液
(顔料インク)を製造する方法として発明するに至り、
実施例によって以下、具体的に説明する。
【0027】
【実施例】(実施例1)図3に本発明の高分散安定顔料
インクの製造容器の一例(断面図)を示す。図3におい
て、100は分散液熟成容器本体で材質はステンレス鋼
であり、101は充填物で、先述のポリウレタンフォー
ムを用いた。102は大気連通管であり、インクを回収
するときに容器内を大気開放させる。104は高分散安
定顔料インクの回収管、103は顔料分散液のローディ
ング管、105は残余インクのドレイン管、107,1
08,109,110はメカニカルなバルブである。
【0028】106は回収管の鉛直方向のインクレベル
を規定する距離であり、要求するインクの分散安定性に
応じて位置を調節すればよい。距離106が小さいほど
インクの分散安定性が高くなるが、その分収率が下が
る。本発明では容器全高111の30%以内に設定する
ことが望ましい。
【0029】本実施例における容器100の形状は円筒
形であり、容器高さ;100cm、容器直径120c
m、回収管距離106は30cmであり、内容積は約
1.13m3 である。
【0030】 [顔料分散液の調製] カーボンブラック(三菱化成(株)製、MA−100) 5部 スチレン−アクリル酸共重合体(分子量7,000、酸価175)2部 水酸化カリウム 2部 グリセリン 10部 ジエチレングリコール 10部 ポリエチレングリコール#400 5部 純水 66部 上記成分をまず、分散剤と水とKOHで溶解し、攪拌し
ながら顔料微粉体を添加する。ジエチレングリコールを
添加して混合し、横型サンドミル(浅田鉄工(株)製GR
AIN MILL NM-G5M)を用いて残部を混合した後、以下の条
件で分散処理を行った。
【0031】 粉砕メディア ジルコニウム 粉砕メディアのサイズ 1.0mm 粉砕メディアの充填率 65% 周速度 12.5m/sec さらに遠心分離処理(20,000rpm、15分間)
により粗大粒子を除去してブラック顔料分散液を得た。
【0032】[加温熟成処理]バルブ109を閉じ、上
記の顔料分散液を送液ポンプによる図3の容器にドレイ
ン管105から負圧にて吸引しつつローディングしバル
ブ110を閉じ、次にバルブ107,108を閉じて、
容器外周に備えられた加熱ヒータ(不図示)に電力を供
給して分散液温度70℃に昇温させた。70℃を24時
間保持した後、放冷して室温に戻し、バルブ107を開
き回収管104からブラック顔料分散液を回収した。こ
の分散液を、3μmフィルターで濾過し、ブラック顔料
インクKO1とした。
【0033】(実施例2)図3の容器100への充填物
を通気度が250cc/cm2 /sの(株)イノアック
製熱溶着ポリプロピレン繊維とし、実施例1に示した顔
料分散液を充填し70℃24時間加温熟成し、以下実施
例1と同様の操作でブラック顔料インクKO2を回収し
た。
【0034】(実施例3)図3の容器100への充填物
をグラスウールとし、通気度が300cc/cm 2 /s
となるように緊密に充填した。その後、実施例1に示し
た顔料分散液を充填して70℃24時間加温熟成し、以
下実施例1と同様の操作でブラック顔料インクKO3を
回収した。
【0035】(実施例4)実施例1で調製したブラック
顔料分散液のpH(初期値は9.5)を酢酸を用いてp
H=8.2に調製した後、バルブ109を閉じ、上記の
顔料分散液を送液ポンプにより図3の容器にドレイン管
105から負圧にて吸引しつつローディングしバルブ1
10を閉じ、次にバルブ107,108を閉じて、容器
外周に備えられた加熱ヒータ(不図示)に電力を供給し
て分散液温度70℃に昇温させた。70℃を24時間保
持した後、放冷して室温に戻し、バルブ107を開き回
収管104からブラック顔料インクを回収した。さらに
回収液を水酸化カリウムを用いて、pH=9.5となる
ように調節してブラック顔料インクKO4とした。ここ
で一端分散液のpHを下げる操作は、分散液の分散安定
性をやや不安定側にシフトさせ、加温熟成効果を高める
働きを促すものである。
【0036】 (実施例5) [シアン顔料分散液の調製] C.I. Pigment Blue 15:3(BASF社製、ヘリオゲンR ブルー L6901F) 5部 スチレン−アクリル酸共重合体(分子量7,000、酸価175)2部 水酸化カリウム 2部 グリセリン 10部 ジエチレングリコール 10部 ポリエチレングリコール#400 5部 純水 66部 上記成分をまず、分散剤を水とKOHで溶解し、攪拌し
ながら顔料微粉体を添加する。ジエチレングリコールを
添加して混合し、横型サンドミル(浅田鉄工(株)製GR
AIN MILL NM-G5M)を用いて残部を混合した後、以下の条
件で分散処理を行った。
【0037】 粉砕メディア ジルコニウム 粉砕メディアのサイズ 1.0mm 粉砕メディアの充填率 65% 周速度 12.5m/sec さらに遠心分離処理(20,000rpm、20分間)
により粗大粒子を除去してシアン顔料分散液を得た。
【0038】[加温熟成処理]バルブ109を閉じ、上
記の顔料分散液を送液ポンプによる図3の容器にドレイ
ン管105から負圧で吸引しつつローディングしバルブ
110を閉じ、次にバルブ107,108を閉じて、容
器外周に備えられた加熱ヒータ(不図示)に電力を供給
して分散液温度70℃に昇温させた。70℃を24時間
保持した後、放冷して室温に戻し、バルブ107を開き
回収管104から分散液を回収し、3μmフィルターで
濾過してシアン顔料インクCO1を得た。
【0039】 (実施例6) [マゼンタ顔料分散液の調製] C.I. Pigment Red 122(Mobay Chem.社製、クインドR マゼンタ) 5部 スチレン−アクリル酸共重合体(分子量7,000、酸価175)2部 水酸化カリウム 2部 グリセリン 10部 ジエチレングリコール 10部 ポリエチレングリコール#400 5部 純水 66部 上記成分をまず、分散剤を水とKOHで溶解し、攪拌し
ながら顔料微粉体を添加する。ジエチレングリコールを
添加して混合し、横型サンドミル(浅田鉄工(株)製GR
AIN MILL NM-G5M)を用いて残部を混合した後、以下の条
件で分散処理を行った。 粉砕メディア ジルコニウム 粉砕メディアのサイズ 1.0mm 粉砕メディアの充填率 65% 周速度 12.5m/sec さらに遠心分離処理(20,000rpm、20分間)
により粗大粒子を除去してマゼンタ顔料分散液を得た。
【0040】[加温熟成処理]バルブ109を閉じ、上
記の顔料分散液を送液ポンプによる図3の容器にドレイ
ン管105から負圧にて吸引しつつローディングしバル
ブ110を閉じ、次にバルブ107,108を閉じて、
容器外周に備えられた加熱ヒータ(不図示)に電力を供
給して分散液温度70℃に昇温させた。70℃を24時
間保持した後、放冷して室温に戻し、バルブ107を開
き回収管104から分散液を回収し、3μmフィルター
で濾過してマゼンタ顔料インクMO1を得た。
【0041】 (実施例7) [イエロー顔料分散液の調製] C.I. Pigment Yellow 93(Ciba-Geigy 社製、クロモフタルR イエロー) 5部 スチレン−アクリル酸共重合体(分子量7,000、酸価175)2部 水酸化カリウム 2部 グリセリン 10部 ジエチレングリコール 10部 ポリエチレングリコール#400 5部 純水 66部 上記成分をまず、分散剤を水とKOHで溶解し、攪拌し
ながら顔料微粉体を添加する。ジエチレングリコールを
添加して混合し、横型サンドミル(浅田鉄工(株)製GR
AIN MILL NM-G5M)を用いて残部を混合した後、以下の条
件で分散処理を行った。
【0042】 粉砕メディア ジルコニウム 粉砕メディアのサイズ 1.0mm 粉砕メディアの充填率 65% 周速度 12.5m/sec さらに遠心分離処理(20,000rpm、20分間)
により粗大粒子を除去してイエロー顔料分散液を得た。
【0043】[加温熟成処理]バルブ109を閉じ、上
記の顔料分散液を送液ポンプによる図3の容器にドレイ
ン管105から負圧で吸引しつつローディングしバルブ
110を閉じ、次にバルブ107,108を閉じて、容
器外周に備えられた加熱ヒータ(不図示)に電力を供給
して分散液温度70℃に昇温させた。70℃を24時間
保持した後、放冷して室温に戻し、バルブ107を開き
回収管104から分散液を回収し、3μmフィルターで
濾過してイエロー顔料インクYO1を得た。 (比較例1)実施例1において加温熟成処理を行わない
以外は実施例1と同じ処理を行い、顔料分散液をそのま
ま比較例1としてのブラック顔料インクKCO1とし
た。 (比較例2)実施例5において加温熟成処理を行わない
以外は実施例1と同じ処理を行い、顔料分散液をそのま
ま比較例2としてのシアン顔料インクCCO1とした。 (比較例3)実施例6において加温熟成処理を行わない
以外は実施例1と同じ処理を行い、顔料分散液をそのま
ま比較例3としてのマゼンタ顔料インクMCO1とし
た。 (比較例4)実施例7において加温熟成処理を行わない
以外は実施例1と同じ処理を行い、顔料分散液をそのま
ま比較例4としてのイエロー顔料インクYCO1とし
た。
【0044】上記実施例では顔料の分散方法(分散機)
は特に限定されることなく、ボールミル、ロールミル、
サンドミル、ジェットミル、などが適用できる。
【0045】本発明は顔料種に依存しないため、従来公
知の有機顔料が使用できる。例えばアゾレーキ、不溶性
アゾ顔料、縮合アゾ顔料、フタロシアニン顔料、ペリレ
ンおよびペリノン顔料、アントラキノン顔料、キナクリ
ドン顔料、ジオキサジン顔料、チオインジゴ顔料、イソ
インドリン顔料、キノフタロニ顔料、カーボンブラック
などが挙げられる。
【0046】また、用いる溶剤などは顔料粒子の湿潤お
よび顔料インクの水分蒸発抑制、記録特性の調節などの
作用を行う成分であり、アルコール類、グリコール類、
グリコールエーテル類、ジオール類、グリセリンなどの
公知の材料が使用できる。必要に応じて界面活性剤を使
用してもよい。
【0047】次に本発明の顔料インクおよび比較例の顔
料インクの分散安定性の評価を行った。
【0048】各々のインクをガラス製の容器に入れ密閉
して70℃の恒温槽に静置保管する。1日毎に各インク
の少量をサンプリングし、pH、粘度、平均粒径、沈殿
の有無を測定する。これを7日連続して行い、得られた
結果を表2に示した。また、実施例および比較例のシア
ンインク(CO1、CC01)をキャノン(株)製イン
クジェットカートリッジBC−20にそれぞれ各46g
充填し、キャップを取り付け、70℃の恒温槽にプリン
トヘッドが鉛直上向きになるようにして7日静置保管し
た後、キャノン(株)製インクジェットプリンタBJC
−430Jを用いて、単色矩形状パターンをキャノン
(株)製のインクジェット用紙HR−101に記録す
る。この操作をカートリッジ中のインクを使い切るまで
行い、一枚目と最終枚の記録物の色度変化を分光測色計
(ミノルタ(株)製CM−503i)で測定し、色相、
彩度をL*** 表色系で表示するする。また、加温
保存していないインクを基準例として比較例4のシアン
インクをBC−20に充填直後に単色矩形パターンを記
録して同様に表した。結果を表3に示した
【0049】
【表2】 表2中、沈殿の有無はガラス容器の底を目視観察し、底
面に薄く沈殿物が見られるが、底面を通して外界が透視
できる場合を「少量あり」とした。
【0050】本発明の各実施例はいずれも物性変化が極
小であり、高い分散安定性を示した。
【0051】
【表3】 表3から、本発明のインクはインクジェットプリンタ用
としても安定した記録性能を示すことが明らかである。
比較例のインクは画像上は書き出しが明るいシアン色
で、記録枚数を重ねる毎に色が濃くなっていく様子を表
している。これは、インクカートリッジは内部がスポン
ジで充たされているため、本発明の製造方法と同じ原理
がカートリッジ内で起こり、インク中の分散安定性の悪
い成分が沈降のより、カートリッジの下のほうに移動し
て濃度が濃くなり、プリントヘッド部のインクは相対的
に濃度が薄くなり、濃度分布が生じて著しい色味変化を
起こしたものと考察できる。
【0052】
【発明の効果】本発明によれば、充填物を用いて加温熟
成し、顔料分散液を作製することにより、分散安定性の
極めて高いインクを比較的簡略な装置にて容易に製造す
ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1(a),(b)は、本発明の顔料インク製
造方法の原理を示す模式図である。
【図2】図2(a)は充填物を用いた顔料インクの粒径
分布を示すグラフであり、図2(b)は、対流を起こす
容器で加温した顔料インクの粒径分布を示すグラフであ
る。
【図3】本発明の顔料インク製造用の加温熟成容器の一
例を示す断面図である。
【符号の説明】
100 熟成容器本体 101 充填物 102 大気連通管 103 顔料分散液のローディング管 104 顔料インクの回収管 105 残余インクの排出管 106 回収管のインク液面レベル寸法 107,108,109,110 メカニカルバルブ 111 容器本体全高寸法

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 分散剤により分散工程を経た顔料分散液
    において、隙間なく充填物を内蔵した容器に該顔料分散
    液を満たし、該分散液の沸点以下に加温熟成して、容器
    中の分散液から加温熟成前の顔料分散液の平均粒径より
    小さな平均粒径を示す分散液成分を分取してインク化す
    ることを特徴とする顔料インクの製造方法。
  2. 【請求項2】 前記容器が容器内の特定の液面レベルか
    ら外部に液体を分取できる構造である請求項1記載の顔
    料インクの製造方法。
  3. 【請求項3】 前記容器内部の充填物が、多孔質発泡
    体、繊維状材料、細管状材料のうちのいずれかである請
    求項1記載の顔料インクの製造方法。
  4. 【請求項4】 前記多孔質発泡体が、ウレタンフォーム
    スポンジである請求項3に記載の顔料インクの製造方
    法。
  5. 【請求項5】 前記繊維状材料がポリプロピレン繊維、
    不織布、グラスウールである請求項3に記載の残量イン
    クの製造方法。
  6. 【請求項6】 前記細管状材料がキャピラリチューブで
    ある請求項3に記載の顔料インクの製造方法。
  7. 【請求項7】 アルカリ可溶型分散剤により分散工程を
    経た顔料分散液において、該分散液のpHを顔料が析出
    しない程度に下げてから、隙間なく充填物を内蔵した容
    器に該分散液を満たし、該分散液の沸点以下に加温熟成
    して、容器中の分散液から加温熟成前の顔料分散液の平
    均粒径より小さな平均粒径を示す成分を分取した後、該
    分取液のpHを元の顔料分散液と同等以上のpHに戻す
    ことによりインク化することを特徴とする顔料インクの
    製造方法。
  8. 【請求項8】 前記容器が容器内の特定の液面レベルか
    ら外部に液体を分取できる構造である請求項7記載の顔
    料インクの製造方法。
  9. 【請求項9】 前記容器内部の充填物が多孔質発泡体、
    繊維状材料、細管状材料のうちのいずれかである請求項
    8に記載の顔料インクの製造方法。
  10. 【請求項10】 前記多孔質発泡体がウレタンフォーム
    スポンジである請求項9に記載の顔料インクの製造方
    法。
  11. 【請求項11】 前記繊維状材料がポリプロピレン繊
    維、不織布、グラスウールである請求項9に記載の顔料
    インクの製造方法。
  12. 【請求項12】 前記細管状材料がキャピラリチューブ
    である請求項9に記載の顔料インクの製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2005263982A (ja) * 2004-03-18 2005-09-29 Mitsubishi Pencil Co Ltd 模型用塗装液、模型用塗装液塗布具及び模型用塗装液描線調整液

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