JP2000229226A - 液体用膜分離装置 - Google Patents

液体用膜分離装置

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JP2000229226A
JP2000229226A JP11029954A JP2995499A JP2000229226A JP 2000229226 A JP2000229226 A JP 2000229226A JP 11029954 A JP11029954 A JP 11029954A JP 2995499 A JP2995499 A JP 2995499A JP 2000229226 A JP2000229226 A JP 2000229226A
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liquid
electric field
piezoelectric
permeable membrane
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Hiroshi Inoue
洋 井上
Koji Yamanaka
弘次 山中
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Organo Corp
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Organo Corp
Japan Organo Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 薬剤を使用することなく、且つ運転を継続し
たままで透過膜の目詰まりや汚染物の付着を防止するこ
とができ、更に、透過液の液質を変化させることがな
く、安定した分離操作が行える液体用膜分離装置を提供
すること。 【解決手段】 透過膜及び該透過膜に接する部材のう
ち、少なくとも一部が圧電特性を有する材料で構成され
ている膜分離手段と、該膜分離手段を電場中に保持する
電場保持手段とを有し、上記電場を生じさせる電極が液
体と非接触の状態で設置される液体用膜分離装置。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、膜分離システムに
おける透過膜の目詰まりや透過膜面への汚染物の付着を
防止する液体用膜分離装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、透過膜を用いた分離・精製技術は
急速な発展を遂げており、その応用範囲の広さと環境負
荷の低さを特徴に、工業的な応用範囲を拡大している。
【0003】透過膜は、液体を対象とした精密濾過膜、
限外濾過膜、逆浸透膜などの液体用透過膜と気体を対象
とした気体用透過膜とに大別される。このうち、特に液
体を取扱う精密濾過膜、限外濾過膜、逆浸透膜において
は、液体中の異物による膜の目詰まりの問題や、鉄やア
ルミニウムなどの金属水酸化物、微生物スライムによる
ファウリングや炭酸カルシウム、シリカなどのスケール
付着による膜表面の汚染が問題となる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】従来、これらの問題を
解決する方法として、一定期間運転した後、空気や水に
より逆洗して、膜面上の付着物を除去する方法や酸、ア
ルカリ、界面活性剤、キレート剤、酸化剤、還元剤、酵
素などの薬剤で膜面上の付着物を洗浄する方法などが採
られてきた。しかし、このような方法は、定期的に運転
を停止せざるを得ないため、システム全体の生産性低下
を招くのみならず、洗浄薬剤によって膜の劣化が促進さ
れるといった欠点を有していた。一方、特開昭58−1
59811号公報には、圧電性を付与した高分子材料の
透過膜の両面に通水可能な電極を設け、上記透過膜を高
周波電圧の課電により圧電振動させて膜付着物質を除去
する方法が開示されている。しかし、この方法では電極
が水と接触しているため、この状態で数V〜数十Vの電
圧を課電すると水の電気分解が起こり、安定した分離操
作は困難である。また、水の電気分解によって発生した
酸素や水素が濾過水中に混入してしまうため、望ましく
ない水質の変化が生じ、濾過水中の有効成分が劣化した
り、装置の腐食が促進されるといった問題を有してい
た。
【0005】従って、本発明の目的は、薬剤を使用する
ことなく、且つ運転を継続したままで透過膜の目詰まり
や汚染物の付着を防止することができ、更に、透過液の
液質を変化させることがなく、安定した分離操作が行え
る液体用膜分離装置を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】かかる実情において、本
発明者らは鋭意検討を行った結果、透過膜及び該透過膜
に接する部材のうち、少なくとも一部が圧電特性を有す
る材料で構成されている膜分離手段と、該膜分離手段を
電場中に保持する電場保持手段を有し、上記電場を生じ
させる電極が液体と非接触の状態で設置するようにした
液体用膜分離装置を用い、圧電特性を有する材料を高周
波電圧の架電により圧電振動させて膜面に付着した物質
を除去すれば、薬剤を使用することなく、且つ運転を継
続したままで透過膜の目詰まりや汚染物の付着を防止す
ることができ、更に、水の電気分解が起こることがない
ため、透過液の液質に影響することなく、安定した分離
操作が行えることなどを見出し、本発明を完成するに至
った。
【0007】すなわち、本発明は、透過膜及び該透過膜
に接する部材のうち、少なくとも一部が圧電特性を有す
る材料で構成されている膜分離手段と、該膜分離手段を
電場中に保持する電場保持手段とを有し、上記電場を生
じさせる電極が液体と非接触の状態で設置されることを
特徴とする液体用膜分離装置を提供するものである。
【0008】また、本発明は、ハウジング内に少なくと
も一部が圧電特性を有する材料で構成される2枚の隔板
を有し、該隔板間に中空糸状膜を配置した膜分離手段
と、前記隔板を電場中に保持する電場保持手段とを有
し、上記電場を生じさせる電極が前記ハウジングの外側
に設置されることを特徴とする液体用膜分離装置を提供
するものである。
【0009】また、本発明は、一対の電極と、中心部に
位置して内管壁が内側ハウジングとなる二重管状の集水
管と、透過液スペーサーを内部に有する袋状透過膜と、
原液スペーサーと、外側ハウジングとを有し、前記集水
管周りに集水管と連通する袋状透過膜を螺旋断面が形成
されるように巻回し、袋の外側に位置する原液流通室と
袋の内側に位置する透過液流通室をその螺旋巻に沿って
包囲し、一方の電極は前記内側ハウジングの外の中心側
に、他方の電極は外側ハウジングの外側に設置されたス
パイラル状液体用膜分離装置において、前記集水管、前
記透過液スペーサー、前記原液スペーサー及び前記袋状
透過膜のうち、少なくとも一部が圧電特性を有する材料
で構成されていることを特徴とする液体用膜分離装置を
提供するものである。
【0010】
【発明の実施の形態】本発明において、膜分離手段を構
成する透過膜は、液体用透過膜であり、公知の濾過膜や
透過膜が使用され、具体的には精密濾過膜、限外濾過
膜、逆浸透膜、イオン交換膜、ナノ分離膜、モザイク荷
電膜が挙げられる。また、透過膜の形態としては、特に
制限はなく、例えばプリーツ型を含む平膜、管状膜、中
空糸状膜、スパイラル状膜が挙げられる。
【0011】また、膜分離手段を構成する透過膜に接す
る部材としては、膜モジュールを構成する部材で透過膜
と接する部材及び透過膜を固定している構成部材が挙げ
られる。部材が透過膜と接する形態としては、後述する
ように、部材の圧電振動に連れて透過膜も振動又は変形
するのであればよく、化学的接着、物理的な密着及び単
に物理的に一部が触れている状態などの全てが含まれ
る。膜分離手段を構成する透過膜に接する部材の具体例
としては、透過膜が平膜(プリーツ型を含む)の場合、
サポート材及び一次側フィルターなどが挙げられ、透過
膜が管状膜や中空糸状膜の場合、O−リング材、サポー
ト材及び接着材などが挙げられ、透過膜がスパイラル状
膜の場合には、集水管、透過液スペーサー、原液スぺー
サー及び接着シール材などが挙げられる。
【0012】本発明の膜分離手段においては、透過膜及
び該透過膜に接する部材のうち、少なくとも一部が圧電
特性を有する材料で構成されていればよい。すなわち、
透過膜の一部又は全部、あるいは透過膜に接する部材の
一部又は全部が圧電特性を有する材料で構成される。
【0013】圧電特性を有する材料(以下、「圧電材
料」とも言う)としては、それ自身が圧電効果を発現す
る材料または分極処理が施されることにより圧電効果を
発現する材料であればよく、前者の例としては、例えば
水晶、ニオブ酸リチウム等の単結晶材料が挙げられ、後
者の例としては、チタン酸ジルコン酸鉛、チタン酸バリ
ウムなどの無機系材料;ポリ乳酸、ポリ(γ−ベンジル
−L−グルタメート)、シアノエチルセルロース、アイ
ソタクチックポリプロピレンオキサイド、コラーゲン、
フッ化ビニリデン/三フッ化エチレン共重合体、フッ化
ビニリデン/四フッ化エチレン共重合体、ポリフッ化ビ
ニリデン、ポリフッ化ビニル、ポリ塩化ビニル、ポリア
クリロニトリル、シアン化ビニリデン/酢酸ビニル共重
合体、シアン化ビニリデン/プロピオン酸ビニル共重合
体、シアン化ビニリデン/ピバリン酸ビニル共重合体、
シアン化ビニリデン/安息香酸ビニル共重合体、シアン
化ビニリデン/メタクリル酸メチル共重合体、シアン化
ビニリデン/スチレン共重合体、ナイロン3、ナイロン
7、ナイロン11、ポリパラフェニレンテレフタラミ
ド、芳香族ポリ尿素、ポリメチルメタクリレート、ポリ
カーボネートなどの高分子系材料;チタン酸ジルコン酸
鉛/ポリフッ化ビニリデン複合体、チタン酸ジルコン酸
鉛/クロロプレンゴム複合体、チタン酸ジルコン酸鉛/
エポキシ樹脂複合体、チタン酸ジルコン酸鉛/発泡ウレ
タン複合体、チタン酸ジルコン酸鉛/ポリオキシメチレ
ン複合体、チタン酸ジルコン酸鉛/シリコーン樹脂複合
体などの無機/高分子複合系材料が挙げられる。当該圧
電効果とは、外力を加えると誘電分極が生じ、外部から
電場を加えると変形又は振動を生じる現象を言う。
【0014】上記圧電材料のうち、水晶、ニオブ酸リチ
ウム等の単結晶材料を除く他の材料は、そのままでは圧
電効果を発現しないため、前述の如く材料中の自発分極
の向きを揃える分極処理を行う必要がある。この分極処
理としては、(1)材料を延伸し、配向体を調製する方
法、(2)材料に抗電界以上の直流高電界を印加して、
分子の双極子を強制的に配向させる方法(以下、「ポー
リング処理」と言う)、(3)材料を延伸した後、ポー
リング処理を行う方法、(4)モノマーの熱重合と同時
にポーリング処理を行う方法等が挙げられ、圧電材料の
種類に応じて適宜適切な方法が選択される。
【0015】上記(1)の方法により圧電効果が付与さ
れる材料としては、光学活性高分子材料が挙げられ、そ
の具体例としては、ポリ乳酸、ポリ(γ−ベンジル−L
−グルタメート)、アイソタクチックポリプロピレンオ
キサイド等が挙げられる。また、上記(2)の方法によ
り圧電効果が付与される材料としては、自発分極型材料
が挙げられ、その具体例としては、チタン酸ジルコン酸
鉛、チタン酸バリウムなどのセラミックス材料;フッ化
ビニリデン/三フッ化エチレン共重合体、フッ化ビニリ
デン/四フッ化エチレン共重合体、ナイロン3、ナイロ
ン7、ナイロン11等の高分子材料;チタン酸ジルコン
酸鉛/ポリフッ化ビニリデン複合体、チタン酸ジルコン
酸鉛/クロロプレンゴム複合体、チタン酸ジルコン酸鉛
/エポキシ樹脂複合体、チタン酸ジルコン酸鉛/発泡ウ
レタン複合体、チタン酸ジルコン酸鉛/ポリオキシメチ
レン複合体、チタン酸ジルコン酸鉛/シリコーン樹脂複
合体などの無機/高分子複合系材料が例示される。ま
た、上記(3)の方法により圧電効果が付与される材料
の具体例としては、ポリフッ化ビニリデン、シアン化ビ
ニリデン/酢酸ビニル共重合体、シアン化ビニリデン/
プロピオン酸ビニル共重合体、シアン化ビニリデン/ピ
バリン酸ビニル共重合体、シアン化ビニリデン/安息香
酸ビニル共重合体、シアン化ビニリデン/メタクリル酸
メチル共重合体、シアン化ビニリデン/スチレン共重合
体、ポリパラフェニレンテレフタラミド等の高分子材料
が挙げられる。また、上記(4)の方法により圧電効果
が付与される材料の具体例としては、芳香族ポリ尿素が
挙げられる。このように、単結晶材料以外の圧電材料
は、分極処理を施さなければ圧電効果は発現しない。し
たがって、材料に外部から電場を加えても圧電効果が発
現しない材料は、上記材料と同一のものであっても本発
明の対象外である。
【0016】本発明において、透過膜の少なくとも一部
が圧電材料で構成される形態としては、透過膜全体が
圧電材料で形成されている場合、透過膜が圧電材料と
非圧電材料からなり、両者が積層されている場合、透
過膜が圧電材料と非圧電材料からなり、両者がブレンド
され圧電材料がマトリックスを形成し、非圧電材料がド
メインを形成する場合、透過膜が圧電材料と非圧電材
料からなり、両者がブレンドされ圧電材料がドメインを
形成し、非圧電材料がマトリックスを形成する場合、
透過膜が圧電材料と非圧電材料からなり、両者が均一な
相溶系を形成する場合、透過膜が圧電材料と非圧電材
料からなり、両者が相互連続相を形成する場合等が挙げ
られる。上記、、、の場合、圧電材料と非圧電
材料の界面を安定化させるため、圧電材料と非圧電材料
双方に親和性を有する第三成分を添加したり、圧電材料
および/または非圧電材料を修飾して親和性を改善する
こともできる。また、上記圧電材料および/または非圧
電材料は単独成分又は2種類以上の成分を併用すること
も可能である。
【0017】また、上記の非圧電材料としては、通常、
透過膜に用いられている公知の材料が使用可能である。
例えば、透過膜が精密濾過膜や限外濾過膜の場合、非圧
電材料としては、酢酸セルロース等のセルロース類、ポ
リカーボネート(ポーリング処理なし)、ナイロン6,
ナイロン66等のポリアミド、ポリエステル、ポリスル
ホン、スルホン化ポリスルホン、ポリエーテルスルホ
ン、スルホン化ポリエーテルスルホン、ポリフェニレン
エーテル、芳香族ポリアミド、ポリイミド、ポリエチレ
ン,ポリプロピレン等のポリオレフィン、ポリ塩化ビニ
ル(ポーリング処理なし)、アクリル系重合体(ポーリ
ング処理なし)、ポリフッ化ビニリデン(ポーリング処
理なし)、スルホン化ポリフッ化ビニリデン(ポーリン
グ処理なし)、ポリ四フッ化エチレン等の有機高分子系
材料や、アルミナ、ガラス、シリカ、炭化ケイ素等の無
機系材料が挙げられる。また、分離膜が逆浸透膜の場
合、非圧電材料としては酢酸セルロース等のセルロース
系、ポリアミド系、ポリエチレンイミン系、ポリエチレ
ンオキシド系、ポリベンズイミダゾール等の複素環ポリ
マー系、高分子電解質架橋系、エチレン−ビニルアルコ
ール共重合体等の材料が挙げられる。
【0018】本発明において、透過膜全体に上記圧電材
料を用いる場合、好適な材料としては、高分子系材料と
無機/高分子複合系材料が挙げられる。さらに、透過膜
が精密濾過膜、限外濾過膜、逆浸透膜として用いられる
場合、これらの膜は水系で使用されることが多いため、
親水性圧電材料が好ましい。親水性圧電材料としては、
それ自身が親水性を有する材料、疎水性材料であっても
親水性材料と組み合わせて使用される材料、疎水性材料
が親水化処理された材料等が挙げられる。それ自身が親
水性を有する材料としては、ポリ乳酸、ポリ(γ−ベン
ジル−L−グルタメート)、シアノエチルセルロース、
アイソタクチックポリプロピレンオキサイド、ナイロン
3、ナイロン7、ナイロン11、芳香族ポリ尿素、ポリ
メチルメタクリレート等が例示される。また、疎水性材
料と親水性材料の組み合わせは、例えば、逆浸透膜の場
合、フッ化ビニリデン/三フッ化エチレン共重合体、フ
ッ化ビニリデン/四フッ化エチレン共重合体、ポリフッ
化ビニリデン等の疎水性材料を支持層に用い、ポリエー
テル系ポリマー、ポリアミド系ポリマー、ポリビニルア
ルコール等の親水性材料を支持層に支持されるスキン層
に用いる様な使用形態である。また、親水化処理された
疎水性材料は、疎水性材料がスルホン化または親水性ポ
リマーのグラフト共重合化により親水性を付与されたも
のである。
【0019】透過膜の製造方法としては、特に制限され
ず、公知の方法を用いることができる。例えば逆浸透膜
であれば、公知の方法により非対称膜や複合膜を作成し
た後、ポーリング処理により圧電性を付与する方法や、
複合膜であればあらかじめ圧電性を付与したスキン層お
よび/または支持層を作成し、その後両者を複合化する
方法等が採用できる。
【0020】一方、圧電材料を透過膜に接している部材
に用いる場合には、上記で例示した全ての圧電材料、す
なわち、単結晶材料、無機系材料、高分子系材料及び無
機/高分子複合系材料が使用される。
【0021】本発明の液体用膜分離装置は、前述の如
く、透過膜及び該透過膜に接する部材のうち、少なくと
も一部が圧電特性を有する材料で構成される膜分離手段
と、該膜分離手段を電場中に保持する電場保持手段とを
有し、電場を生じさせる電極が液体と非接触の状態で設
置される。電極が液体と非接触の状態で設置される形態
としては、特に制限されず、例えば電極を膜分離手段の
ハウジング等の外側に設置する方法又は電極をハウジン
グ等の内側であっても、原液あるいは透過液の液体と隔
離された状態で設置する方法などが挙げられる。このよ
うに、液体と非接触の状態に設置された電極に電源を通
じれば、圧電材料で構成された透過膜又は該透過膜に接
する部材が交流電場又はパルス電場中に保持され、透過
膜の振動又は変形が生じ、膜の目詰まりやファウリング
やスケール生成などの汚染が防止される。また、液体と
非接触であるため、液体の電気分解による液質の変化も
起こらない。
【0022】以下に、本発明の液体用膜分離装置を図1
を参照して説明する。図1は本発明の液体用膜分離装置
の原理図である。液体用膜分離装置10は、流路形成セ
ル5中に、供給側と透過側を仕切る少なくともその一部
が圧電材料で構成される液体用透過膜3を備える膜分離
手段10aと、流路形成セル5の外側に、液体用透過膜
3を電場中に保持する電場保持手段10bを備えてい
る。電場保持手段10bは、一対の電極1、2と、電極
1、2に接続される電源4とを有する。
【0023】図中、分離したい液体は供給側から供給さ
れ、透過膜3を透過することにより精製されて透過側へ
移動する。この時、電極1、2には電源4から交流電圧
がかけられており、透過膜3は電場中に保持される。電
場におかれた透過膜3は、透過膜3を構成する圧電材料
の圧電効果により、変形又は振動を起こす。そのため、
透過膜の目詰まりや膜表面の汚染は、膜が静止した状態
で膜分離を行う従来法に比べると格段に抑制される。
【0024】本発明において使用される電極としては、
特に制限はなく、公知の電極を用いることができる。電
場は交流電場又はパルス電場とする。これにより、電場
中に保持された透過膜は、変形又は振動を受ける。特
に、透過膜を高周波中に保持すると透過膜自体が超音波
発振子となるため、膜の目詰まりや汚染を格段に低減す
ることができる。
【0025】また、電場の印加により透過膜を変形又は
振動させる時期としては、特に制限はなく、膜分離処理
中、運転を継続しながら連続的又は間欠的に行っても良
く、運転が停止され、洗浄工程中の逆洗処理や薬品洗浄
処理と同時に行っても良い。
【0026】また、本発明の液体用膜分離装置で分離さ
れる液体としては、比誘電率の高い液体であれば特に制
限されない。液体の比誘電率が低い場合には、電極間で
発生させた電場が比誘電率の低い液体によって遮蔽さ
れ、透過膜などの圧電材料の振動が起こらなくなる。当
該液体の比誘電率の下限値は、電極間の電圧や電極と圧
電材料の距離によって圧電材料にかかる電場の強度が異
なるため一概には決定できないが、おおよそ50程度で
ある。したがって、本発明で用いることのできる液体の
比誘電率は50以上が好ましく、特に好ましくは60以
上であり、具体的な液体として好ましいのは水である。
【0027】本発明の膜分離装置を適用することができ
る用途としては、例えば、従来の膜を適用した場合に、
その目詰まりと再生操作が特に問題となるような用途を
例示することができ、例えば、純水製造装置における精
密濾過/限外濾過/逆浸透濾過装置、海水淡水化装置、
発電所等における復水濾過装置、浄水場などの上水/工
業用水製造工程における精密濾過/限外濾過装置、排水
処理設備などにおける汚泥濃縮装置、メンブレンバイオ
リアクターなどのような微生物代謝生成物質と菌体の分
離装置、半導体製造工程におけるCMP(Chemical Mechani
cal Polishing)スラリーのような有価スラリー及び水な
どの縣濁溶媒の回収装置、ジュース/乳飲料/酒類など
の飲料の濾過装置、糖液の濾過装置及び膜脱気装置など
が挙げられる。
【0028】次に、本発明の第1の実施の形態における
液体用膜分離装置について図2及び図3を参照して説明
する。図2は中空糸状膜を配置した膜分離装置の断面の
模式図、図3は図2のA−A線に沿って見た図である。
図中、膜分離装置20は原液流入口7a、透過液流出口
7b、濃縮液流出口7cを有するハウジング7内に、圧
電材料で構成される上部隔板9a及び下部隔板9bと、
上部隔板9aと下部隔板9b間に図中、上下方向に配さ
れる中空糸状膜8とを備え、ハウジング7の外側に上部
隔板9a及び下部隔板9bを電場中に保持する電場保持
手段20aを備える。電場保持手段20aは、上部隔板
9aの周りに一対の鍔状の半割り体の電極11a、11
b及び下部隔板9bの周りに一対の鍔状の半割り体の電
極12a、12bと、両電極11a、11b及び両電極
12a、12bに接続される電源13aとを有する。図
中、原液は、原液流入口7aから流入し、中空糸状膜8
の中空部を通って中空糸状膜8を透過する。透過側に移
動した透過液は透過液流出口7bから流出される。一
方、中空糸状膜8の中空部を通った濃縮液は濃縮液流出
口7cから排出される。この場合、電源13aをオンと
して、上部隔板9aと下部隔板9bを交流電場中に保持
すれば、電極間に挟まれる上部隔板9aと下部隔板9b
が振動する。従って、上部隔板9aと上端部で接合さ
れ、下部隔板9bと下端部で接合される中空糸状膜8は
この振動に連れて振動又は変形するため、膜の目詰まり
や膜面への汚染物の付着を防止するか、又は膜面に付着
している汚染物を除去することができる。
【0029】本第1の実施の形態例では、圧電材料を使
用する部材は、上下2枚の隔板9a、9bであるが、こ
れに限定されず、例えば、中空糸状膜8又は中空糸状膜
8と隔板9a、9bの双方とすることもできる。この場
合、中空糸状膜8又は中空糸状膜8と隔板9a、9bの
双方を電場中に保持する必要がある。
【0030】次に、本発明の第2の実施の形態における
液体用膜分離装置について、図4及び図5を参照して説
明する。図4はスパイラル状透過膜を使用した一部が展
開された逆浸透膜装置の概略斜視図、図5は図4の逆浸
透膜装置の縦断面の模式図である。図中、逆浸透膜装置
の膜分離手段30aは、中心に位置する内管壁が内側ハ
ウジング22となる二重管状の集水管19と、透過液ス
ペーサー17を内部に有する少なくともその一部が圧電
材料で構成されたスパイラル状透過膜18と、原液スペ
ーサー15と、外側ハウジング23(図4では省略)を
備え、逆浸透膜装置30は、集水管19周りに集水管1
9と連通する袋状透過膜を螺旋断面が形成されるように
巻回し、袋の外側に位置する原液流通室24と袋の内側
に位置する透過液流通室25をその螺旋巻に沿って包囲
し、一方の棒状電極21a(図4では省略)は集水管1
9の内管壁の内側ハウジング22の外で中心側に、他方
の管状電極21b(図4では省略)は外側ハウジング2
3の外側にそれぞれ設置して、スパイラル状透過膜18
を挟み込むような構成としている。また、両電極21
a、21bは図では省略する電源に接続されている。図
中、透過液は集水管の内管壁22と外管壁19aで囲ま
れる管状筒内を流通する。また、スパイラル状透過膜1
8はシート状の透過膜を接着シール材16で接着するこ
とにより袋状に形成されたものである。図4及び図5の
逆浸透膜装置30において、図では省略する電源をオン
として、スパイラル状透過膜18を交流電場中に保持す
れば、電極間に挟まれるスパイラル状透過膜18が振動
して、膜の目詰まりや膜面への汚染物の付着を防止する
か、または膜面に付着している汚染物を除去することが
できる。
【0031】本第2の実施の形態例では、圧電材料を使
用する部材は、スパイラル状透過膜18であるが、これ
に限定されず、例えば、集水管19、透過液スペーサー
17、接着シール材16及び原液スペーサー15のう
ち、少なくとも一部の部材とすればよい。この場合、集
水管19、透過液スペーサー17、接着シール材16及
び原液スペーサー15のうち少なくとも一部の部材、す
なわち、圧電材料を電場中に保持する必要がある。
【0032】なお、本発明の目的、効果を逸脱しない範
囲であれば、本膜分離装置にイオン交換設備や濃縮装置
など各種の付帯設備を付加することも可能である。ま
た、本発明の効果を更に高める目的で、殺菌剤、スケー
ル防止剤等の薬剤を必要最小限添加することも可能であ
る。
【0033】
【発明の効果】本発明において、圧電特性を有する透過
膜又は該透過膜に接する部材を交流電場又はパルス電場
中に保持すれば、透過膜の変形や振動が生じ、膜の目詰
まりや膜面にファウリングやスケールが付着することを
防止できる。その結果、運転は停止することなく継続で
きるため、システム全体の生産性を低下させることがな
い。また、透過膜の薬剤洗浄をなしとするか、または使
用薬剤量を極力減らすことができるため、透過膜の劣化
が抑制されて長期間の使用が可能となる。また、薬剤の
使用量が減り、コストが削減できると共に環境負荷を低
減できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の液体用膜分離装置の作動原理を示す図
である。
【図2】本発明における第1の実施の形態における液体
用膜分離装置の概略断面図である。
【図3】図2のA−A線に沿って見た図である。
【図4】本発明における第2の実施の形態における逆浸
透膜装置の一部を展開した斜視図である。
【図5】本発明の第2の実施の形態における逆浸透膜装
置の縦断面の模式図である。
【符号の説明】
1、2、11a、11b、12a、12b、21a、2
1b 電極 3 液体用透過膜 4、13a 電源 5 流路形成セル 7 ハウジング 7a 原液流入口 7b 透過液流出口 7c 濃縮液排出口 8 中空糸状膜 9a 上部隔板 9b 下部隔板 10、20、30 液体用膜分離装置 10a、30a 膜分離手段 10b、20a 電場保持手段 15 原液スペーサー 16 接着シール材 17 透過液スペーサー 18 スパイラル状透過膜 19 集水管 22 内側ハウジング 23 外側ハウジング 24 原液流通室 25 透過液流通室
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) B01D 63/16 B01D 63/16 65/00 65/00 Fターム(参考) 4D006 GA03 GA06 GA07 HA02 HA16 HA18 HA61 JA02C JA05C JA06C JA07C JA12C JA19C JA22C JA23C JA51A KA31 KA41 KA48 KB01 MA01 MA02 MA03 MA06 MA25 MB17 MC19 MC23 MC28 MC29 MC30 MC33 MC37 MC45 MC52 MC54 MC55 MC84 MC85 PA01 PA02 PB02 PB08 PC01 PC02 PC11 PC32 PC64 PC67 PC69

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 透過膜及び該透過膜に接する部材のう
    ち、少なくとも一部が圧電特性を有する材料で構成され
    ている膜分離手段と、該膜分離手段を電場中に保持する
    電場保持手段とを有し、上記電場を生じさせる電極が液
    体と非接触の状態で設置されることを特徴とする液体用
    膜分離装置。
  2. 【請求項2】 ハウジング内に少なくとも一部が圧電特
    性を有する材料で構成される2枚の隔板を有し、該隔板
    間に中空糸状膜を配置した膜分離手段と、前記隔板を電
    場中に保持する電場保持手段とを有し、上記電場を生じ
    させる電極が前記ハウジングの外側に設置されることを
    特徴とする液体用膜分離装置。
  3. 【請求項3】 一対の電極と、中心部に位置して内管壁
    が内側ハウジングとなる二重管状の集水管と、透過液ス
    ペーサーを内部に有する袋状透過膜と、原液スペーサー
    と、外側ハウジングとを有し、前記集水管周りに集水管
    と連通する袋状透過膜を螺旋断面が形成されるように巻
    回し、袋の外側に位置する原液流通室と袋の内側に位置
    する透過液流通室をその螺旋巻に沿って包囲し、一方の
    電極は前記内側ハウジングの外の中心側に、他方の電極
    は外側ハウジングの外側に設置されたスパイラル状液体
    用膜分離装置において、前記集水管、前記透過液スペー
    サー、前記原液スペーサー及び前記袋状透過膜のうち、
    少なくとも一部が圧電特性を有する材料で構成されてい
    ることを特徴とする液体用膜分離装置。
  4. 【請求項4】 前記袋状透過膜がシート状透過膜を接着
    シール材で接着することにより形成されたものであっ
    て、前記集水管、前記透過流通液スペーサー、前記原水
    流通液スペーサー、前記接着シール材及び前記袋状分離
    膜のうち、少なくとも一部が圧電特性を有する材料で構
    成されていることを特徴とする請求項3記載の液体用膜
    分離装置。
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