JP2000229130A - 光化学治療器 - Google Patents

光化学治療器

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JP2000229130A
JP2000229130A JP11032615A JP3261599A JP2000229130A JP 2000229130 A JP2000229130 A JP 2000229130A JP 11032615 A JP11032615 A JP 11032615A JP 3261599 A JP3261599 A JP 3261599A JP 2000229130 A JP2000229130 A JP 2000229130A
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JP
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cylinder
light
light transmitting
cooling medium
photochemotherapy
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JP11032615A
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English (en)
Inventor
Akihide Tominaga
晃英 富永
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Suzuki Motor Corp
Original Assignee
Suzuki Motor Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 エネルギー密度の高い光を効率良く連続して
患部に照射できる光化学治療器を提供する。 【解決手段】 光化学治療器であって、患部50に差し
込まれる第一の円筒1と、この第一の円筒1の内部に挿
入される第二の円筒2と、この第二の円筒2の内部に光
を供給する光源3とを備えている。そして、前述した第
二の円筒2の内部に光通路2Cを形成する共に、この第
二の円筒2の外壁面2Dに光透過孔2Eを設け、さら
に、前述した第二の円筒2の一端部2Aに、前述した第
一の円筒1に対して前述した第二の円筒2を回転させる
円筒用回転手段4を装備するという構成を採っている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、光化学治療器に関
する。
【0002】
【従来の技術】近年、癌治療として、患者への副作用が
少なく、かつ癌組織だけを選択的に破壊もしくは死滅さ
せる光化学治療が知られている。この光化学治療は、癌
組織と親和性のある光増感剤とレーザ光によって引き起
こされる光化学反応を利用した治療法であり、癌組織中
に活性酸素を生成させ、この活性酸素により、癌組織を
壊死させる治療である。このため、光化学治療は、ま
ず、治療時に光増感剤を静脈注射する。注射後、光増感
剤は癌組織に選択的に集積される。次に、癌組織にレー
ザ光を照射すると、光増感剤が励起され、癌組織中の酸
素にエネルギーを移譲し、活性酸素を生成する。この活
性酸素により、癌組織を選択的に壊死させている。そし
て、癌組織にレーザ光を照射する手段として光化学治療
器が用いられている。この光化学治療器は、特開平9−
38220号公報に開示されており、図10(A)に示
すように、患部に挿入する透明なチューブ100と、こ
のチューブ100に挿入される光ファイバ101と、こ
の光ファイバ101に接続されるレーザ光源102と、
光ファイバ101を回転/反転、前進/後退させる光フ
ァイバ駆動装置103とを備えて構成されている。そし
て、患部にチューブ100を差し込み、このチューブ1
00の内部で光ファイバ駆動装置103により、光ファ
イバ101を回転/反転、前進/後退することにより患
部にレーザ光を照射することで癌組織だけを選択的に破
壊している。一方、患部が熱で炭化すると患部内部にレ
ーザ光が通りにくくなるため、チューブに冷却手段を有
する光化学治療器が、特開平7−308393号公報に
開示されている。これによれば、図10(B)に示すよ
うに、上記光化学治療器の他、前述したチューブ104
に、冷却媒体を供給するための分岐管105を設けてい
る。この分岐管105から供給された冷却媒体は、チュ
ーブ104及びチューブ104に接する患部110を冷
却した後、チューブ104の先端部106から回収され
る。また、他の冷却手段の例として、チューブ106の
先端部近傍にペルチェ素子を設け、ペルチェ効果によ
り、レーザ光出射部近傍の冷却媒体を局所的に冷却する
ことで、冷却媒体の熱伝導でチューブ104と患部11
0を冷却するものがある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、特開平
9−38220号公報に開示され光化学治療器では、光
ファイバを光ファイバ駆動手段に固定し、回転/反転、
前進/後退させるため、光ファイバがせん断又は座屈荷
重を受け、破損し易いという不都合を生じている。ま
た、チューブに冷却手段が装備されていないため、チュ
ーブと患部との接触面が炭化し易くなり、エネルギー密
度の高いレーザ光を連続して患部に照射できないという
不都合を生じている。さらに、レーザ光出射部が光ファ
イバ先端部に制限されており、広範囲にわたりレーザ光
を同時に照射することが困難となり、治療に長時間を要
するという不都合が生じている。一方、特開平7−30
8393号公報に開示された光化学治療器によれば、冷
却媒体をチューブの先端部から回収しているため、冷却
媒体の漏出の原因となることが考えられる。また、ペル
チェ素子により冷却される部位が光ファイバ先端部近傍
に限定されているため、冷却の効果がその近傍に限ら
れ、光ファイバ先端部近傍以外は高温となり、チューブ
と患部との接触面が炭化し易くなり、エネルギー密度の
高いレーザ光を連続して照射できないという不都合を生
じている。
【0004】
【発明の目的】本発明は、上記従来の課題を解決するた
めになされたものであり、エネルギー密度の高い光を効
率良く連続して患部に照射できる光化学治療器を提供す
ることをその目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記した目的を達成する
ために、請求項1記載の発明は、光化学治療器であっ
て、患部に差し込まれる第一の円筒と、この第一の円筒
の内部に挿入される第二の円筒と、この第二の円筒内部
に光を供給する光源とを備えている。そして、前述した
第二の円筒の内部に光通路を形成すると共に、この第二
の円筒の壁面に光透過孔を設け、さらに、前述した第二
の円筒の一端部に、前述した第一の円筒に対して前述し
た第二の円筒を回転させる円筒用回転手段を装備すると
いう構成を採っている。
【0006】このように構成したことで、第一の円筒を
患部に挿入し、光源から第二の円筒に光を供給すると、
この光が光通路を通り、光透過孔から患部を照射する。
これと共に、円筒用回転手段で第二の円筒を第一の円筒
に対して回転させることにより、この第二の円筒の外壁
面に設けられた光透過孔が患部内部を回転する。これに
より、エネルギー密度の高い光を効率良く連続して患部
に照射できる。
【0007】請求項2記載の発明では、前述した請求項
1記載の光化学治療器であって、前述した光透過孔を前
述した第二の円筒の壁面に複数設けると共に、前述した
光源側の光透過孔を光源から離隔した側の光透過孔より
小さく形成した。
【0008】このように構成しても請求項1記載の光化
学治療器と同等に機能する他、更に、光透過孔の数を調
整することにより、患部に照射する光の照射量を調節で
き、さらに、光源に近い光透過孔だけが光のエネルギー
密度が大きくなることがなくなり、均一な照射量の光を
患部に照射できる。
【0009】請求項3記載の発明は、前述した請求項1
または2に記載の光化学治療器であって、前述した第二
の円筒の内壁面を鏡面状に形成した。
【0010】このように構成しても請求項1または2に
記載の光化学治療器と同等に機能する他、更に、第二の
円筒内部の光通路で光が反射され、光が光通路で吸収さ
れなくなり、エネルギー密度の高い光が患部に照射され
る。
【0011】請求項4記載の発明は、前述した請求項
1,2または3記載の光化学治療器であって、前述した
光源と第二の円筒の一端部との間に前述した光源から第
二の円筒方向への光を透過させる一方向光透過手段を設
けた。
【0012】このように構成しても請求項1,2または
3記載の光化学治療器と同等に機能する他、更に、光源
から光透過手段を介して第二の円筒に供給された光が第
二の円筒の光通路で反射し、第二の円筒の一端部から外
部に漏れ出ることがなくなるため、光のエネルギー密度
を落とすことなく患部を照射することが可能となる。
【0013】請求項5記載の発明は、前述した請求項4
記載の光化学治療器であって、前述した光源と前述した
一方向光透過手段との間に集光手段を設けた。
【0014】このように構成しても請求項4記載の光化
学治療器と同等に機能する他、更に、光源から照射され
た光が集光手段で集光されて第二の円筒に供給されてい
るため、第二の円筒の外部に光が漏れることがなくな
り、光のエネルギー密度を落とすことなく、患部を照射
することが可能となる。
【0015】請求項6記載の発明は、前述した請求項
1,2,3,4,5記載の光化学治療器であって、前述
した第一の円筒の内部に冷却媒体を充填すると共に、前
述した第二の円筒の端部近傍に前述した冷却媒体を冷却
する媒体冷却手段を設けた。
【0016】このように構成しても、請求項1,2,
3,4,5記載の光化学治療器と同等に機能する他、更
に、冷却媒体で第一の円筒及び患部を冷却すると共に、
冷却媒体を媒体冷却手段で冷却することで、第一の円筒
及び患部が常に冷却されるため、患部が炭化することが
なくなり、エネルギー密度の高い光を連続して患部に照
射できる。さらに、第一の円筒に外部から冷却媒体を供
給し、この冷却媒体を外部に排出する必要がなくなり、
第一の円筒を密閉したまま、第一の円筒及び患部を冷却
することが可能となるため、冷却媒体の漏れがなくな
る。
【0017】請求項7記載の発明は、前述した請求項6
記載の光化学治療器であって、前述した第二の円筒を熱
伝導材料で形成した。
【0018】このように構成しても請求項7記載の光化
学治療器と同等に機能する他、更に、患部及び第一の円
筒を冷却した冷却媒体の熱が第二の円筒を伝搬し、媒体
冷却手段により外部に効率良く放出される。
【0019】請求項8記載の発明は、前述した請求項6
または7記載の光化学治療器であって、前述した光透過
孔に冷却媒体攪拌手段を設けた。
【0020】このように構成しても請求項6または7記
載の光化学治療器と同等に機能する他、更に、攪拌手段
により冷却媒体が対流・循環し、効率良く冷却媒体の熱
が媒体冷却手段により外部に放出される。
【0021】請求項9記載の発明は、前述した前述した
請求項6,7または8記載の光化学治療器であって、相
隣り合う前述した光透過孔を前述した第二の円筒の中心
軸周りに所定角度変位させて形成した。
【0022】このように構成しても請求項6,7または
8記載の発明と同等に機能する他、更に、第二の円筒を
円筒用回転手段により所定角度で揺動させることで、冷
却媒体を対流・循環できるため、短時間で効率良く冷却
媒体の冷却が行える。
【0023】請求項10記載の発明は、前述した請求項
8または9記載の光化学治療器であって、前述した光透
過孔を前述した円筒の壁面に複数設けると共に、相隣り
合う光透過孔に設けられた前記冷却媒体攪拌手段を相互
に逆向きに屈曲させて形成した。
【0024】このように構成しても前述した請求項8ま
たは9記載の発明と同等に機能する他、更に、第二の円
筒を円筒用回転手段により回転させることで、光透過孔
から第二の円筒内部に流入した冷却媒体は、冷却媒体が
流入した光透過孔と相隣合う光透過孔から排出される。
これを順次繰り返すことにより冷却媒体の対流・循環が
スムーズに行われる。
【0025】
【発明の実施の形態】[光化学治療器の概要]本発明に
係る光化学治療器は、図1及び図2に示すように、患部
50に差し込まれる第一の円筒1と、この第一の円筒1
の内部に挿入される第二の円筒2と、この第二の円筒2
に光を供給する光源3と、前記第二の円筒2の端部2A
に接続された円筒用回転手段4とを備えて構成されてい
る。さらに、光化学治療器は、前述した第一の円筒1内
部に充填された冷却媒体5と、この冷却媒体5を冷却す
る媒体冷却手段6とを備えている。さらに、光化学治療
器は、前述した光源3と第二の円筒2の端部2Aとの間
に設けられた一方向光透過手段7と、前述した一方向光
透過手段7と前述した第二の円筒2の端部2Aとの間に
設けられた集光手段8とを備えている。さらに、光化学
治療器は、第一の円筒1と第二の円筒2との間に設けら
れて冷却媒体5の漏れを防止する第一のシール手段11
と、第二の円筒2と一方向光透過手段7との間に設けら
れて冷却媒体5の漏れを防止する第二のシール手段12
とを備えている。ここで、円筒用回転手段4近傍は、図
1に示すように、ケーシング15内部に格納されてい
る。
【0026】[第一の円筒]第一の円筒1は、図1に示
すように、一端部1Aが開口し、他端部1Bが閉口する
ように形成されている。この第一の円筒1の外径及び内
径は、適宜変更されるが、外径が略3mm程度とされ、
内径が略2.5mm程度とされている。また第一の円筒
1は、患部50に合わせて適宜長さが変更される。第一
の円筒1は、光源3より発せられた光が透過可能な透明
又は半透明とされている。第一の円筒1は、適度な剛性
を有する樹脂製とされており、例えば、ポリアセタール
樹脂等が使用される。この第一の円筒1は、治療毎に交
換される場合が多いが、樹脂性とされているため、焼却
処分が容易である。第一の円筒1の一端部1A側には、
突起(キー)1Cが設けられている。この突起1Cは、
後述するモータ接合手段4Bを介して円筒用回転手段4
に結合されている。
【0027】[第二の円筒]第二の円筒2は、図1に示
すように、一端部2Aが開口し、他端部2Bが閉口する
ように形成されている。この第二の円筒2の一端部2A
の外周面には、突起2H(キー)が設けられており、後
述する円筒用回転手段の大歯車4Dに設けられたキー溝
に挿入される。第二の円筒2は、高熱伝導性の金属が使
用されている。例えばアルミニウムや銅等である。第二
の円筒2の内部には、光通路2Cが形成され、第二の円
筒2の外壁面2Dに光透過孔2Eが形成されている。第
二の円筒2の内壁面は、光が吸収されるのを防止するた
めに、鏡面状に加工が施されている。また、光反射効率
の高い金属を蒸着させても良い。蒸着させる金属として
は、例えば、金等である。
【0028】光透過孔2Eは、図3に示すように、第二
の円筒2の壁面2Dに複数設けられている。光源3より
供給された光51は、光通路2Cで反射されながら進
み、光透過孔2Eより患部50に照射される。ここで、
第二の円筒2の長さLと光透過孔2Eの数を調整するこ
とにより、患部50に照射する光51の光のエネルギー
密度と照射量が決定される。第二の円筒2の長さLを長
くすれば、光源3より離れた側の光51のエネルギー密
度の減衰が大きくなる。また、光透過孔2Eの数を増加
させれば、患部50に照射される光51の照射量は大き
くなる。
【0029】光透過孔2Eを図4及び図5に基づいてさ
らに詳細に説明する。光透過孔2Eは、略長方形状とさ
れ、2E〜2Eの6個形成されている。この光透過
孔2Eの内、光源3近傍側の光透過孔2Eが、光源3
から離隔した側の光透過孔2Eより小さくなるように
形成されている。このように、光透過孔2Eが小さく
絞られていることにより、光源3近傍側の光51のエネ
ルギー密度は高いが、患部50に照射される光50の照
射量は制限される。これに対して、光透過孔2Eが大
きく開口しているため、光源3より離隔した光透過孔2
では光のエネルギー密度は減衰しているが、患部5
0に照射される光50の照射量は光透過孔2Eと同一
となる。
【0030】また、相隣り合う光透過孔2E(例えば2
と2E)は、図4及び図5に示すように、第二の
円筒2の中心軸周りに所定角度変位させて設けられてい
る.ここで、所定角度は、例えば、180度である。
【0031】さらに、相隣り合う光透過孔2Eには、図
4及び図5に示すように、冷却媒体攪拌手段2F,2G
が設けられている。また、相隣り合う光透過孔2Eの冷
却媒体攪拌手段2F,2Gは相互に逆向きに屈曲させて
設けられている。冷却媒体攪拌手段2F,2Gは、一方
の冷却媒体攪拌手段2Fと他方の冷却媒体攪拌手段2G
とにより形成されている。一方の冷却媒体攪拌手段2F
は、第二の円筒2の内部に緩やかに折り曲げられてい
る。また、他方の冷却媒体攪拌手段2Gは、第二の円筒
2の内部の中心方向に略直角に折り込んで形成されてい
る。
【0032】[光源]第二の円筒2に入射する光は、レ
ーザ光に限らず、ランプ光、LED光でも可能である
が、本発明の実施形態ではレーザ光とする。光源3は、
活性化光として使用される波長のレーザ光を発生する。
光源3には、光ファイバ3Aを介して第二の円筒2に接
続されている。そして、光源3で発せられたレーザ光
は、光ファイバ3Aの内部を伝搬し、集光手段8及び一
方向光透過手段7を介して第二の円筒2に入射される。
また、光源3は、図示しない制御装置により設定したレ
ーザ光が発せられる。制御装置はレーザ光の波長及び光
出力を設定できるようにされている。
【0033】[円筒用回転手段]円筒用回転手段4は、
図1及び図2に示すように、第一の円筒1に円筒回転用
モータ4Aを接合するモータ接合手段4Bと、円筒回転
モータ4Aの回転動力を第二の円筒2に伝達する一対の
歯車4C,4Dとで構成されている。この内、円筒回転
用モータ4Aは、順回転及び逆回転が可能に形成されて
いる。さらに、円筒回転用モータ4Aには、円筒温度・
円筒回転制御手段10が接続されている。この円筒温度
・円筒回転制御手段10により、第二の円筒2の揺動回
転、すなわち、順回転/逆回転が制御される。また、順
回転/逆回転のスピード及び角度も制御される。モータ
接合手段4Bは、第一の円筒1が嵌合される円筒嵌合部
と、円筒回転用モータ4Aが嵌合されるモータ嵌合部
と、円筒嵌合部とモータ嵌合部を連結する棒状の連結部
とが一体に形成されている。そして、円筒嵌合部には、
キー溝が設けられ、このキー溝に第一の円筒に設けられ
た突起1C(キー)が挿入されている。小歯車4Cに
は、円筒回転用モータ4Aの出力軸が接合されており、
小歯車4Cは大歯車4Dと噛合されている。大歯車4D
の中央には、第二の円筒2が嵌合される嵌合孔が設けら
れている。この嵌合孔には、キー溝が第二の円筒2の接
合部側の反対側面から所定深さで穿設されている。この
キー溝には、第二の円筒に設けられた突起2H(キー)
が、第二の円筒2の接合部側の反対側面から挿入され
る。そして、円筒用回転手段4の円筒回転モータ4Aの
駆動力は、この円筒回転用モータ4Aが嵌合された小歯
車4C、この小歯車4Cと噛合する大歯車4D、この大
歯車4Dに接合された第二の円筒2と順次伝達され、第
二の円筒2が第一の円筒1に対して回転する。また、大
歯車4Dの第二の円筒2が嵌合される嵌合孔の外周に
は、円形状の溝が設けられており、後述する第二のシー
ル手段12が嵌合されている。さらに、大歯車4Dは高
熱伝導材料で形成されており、第二の円筒2の内部の冷
却媒体5の熱は第二の円筒2及び大歯車4Dを介して後
述する媒体冷却手段6に伝達される。第二の円筒2と大
歯車4Dとの間の熱伝導率の能力を向上させるために、
大歯車4Dの中央に設けられた第二の円筒2が嵌合され
る嵌合孔と第二の円筒2との間に熱伝導グリスを塗布し
てもよい。
【0034】[冷却媒体]冷却媒体5は、レーザ光が透
過可能に、透明または、半透明で熱伝導率の高い液体や
気体が用いられる。例えば、水である。
【0035】[冷媒冷却手段]冷媒冷却手段6は、図1
及び図2に示すように、円筒用回転手段4の第二の円筒
2が接合された側面の反対側面に複数個設けられてい
る。冷媒温度制御手段6の個数は必要とする冷却能力に
応じて適宜変更される。冷媒温度制御手段6は、例えば
ペルチェ素子6Aが使用される。このペルチェ素子6A
は、少なくとも異種の金属で構成されており、異種の金
属の接触面を通じて弱い電流が流れたとき、熱が発生し
たり吸収されたりするペルチェ効果を使用したものであ
る。ペルチェ素子6Aには、放熱用のフィン6Bが設け
られている。このフィン6Bにより冷却効率が上昇す
る。さらに、フィン6Bは、大歯車4Dを揺動させるこ
とで、冷却効率がさらに上昇する。また、ペルチェ素子
6Aには円筒温度・円筒回転制御手段10が接続されて
いる。この円筒温度・円筒回転制御手段10により、こ
のペルチェ素子6Aの冷却能力が制御される。
【0036】[一方向光透過手段]一方向光透過手段7
は、図1に示すように、集光手段8を介して入射された
光を集光手段8から第二の円筒2方向には通過させる
が、第二の円筒2から集光手段8側には通過させないよ
うに形成されている。この集光手段8は、例えばアイソ
レータ等が使用される。このアイソレータにより第二の
円筒2内部の光通路12Cを光が反射して集光手段8側
に戻ることがなくなり、光のエネルギー密度が落ちない
ようにされている。
【0037】[集光手段]集光手段8は、図1に示すよ
うに、一組の両凸レンズで形成されている。この集光手
段8により光ファイバ3Aから所定角度で供給されたレ
ーザ光が集光されて、外部に漏れることなく、第二の円
筒2に供給される。
【0038】[保持手段]この集光手段8及び前述した
光透過手段7は、図1及び図2に示すように、保持手段
9により円筒用回転手段4の大歯車4Dに保持されてい
る。この保持手段9は、略円筒形状であり、一端9Aが
開口し、他端9Bが閉口する形状とされている。一端9
A側に小径の第一の座ぐりと、大径の第二の座ぐりが設
けられている。第一の座ぐりに集光手段8がリング状部
材で固定されている。また、第二の座ぐりに一方向光透
過手段7が嵌合されている。一方、保持手段9の他端9
Bの略中央には、第三の座ぐりを有する孔が穿設されて
おり、この第三の座ぐりに光ファイバ3Aのコネクタが
接続されている。
【0039】[第一及び第二のシール手段]第一のシー
ル手段11は、図1及び図2に示すように、短円筒形状
であり、第一の円筒1と第二の円筒2との間の円筒用回
転手段4近傍に設けられている。この第一のシール手段
11により、第一の円筒1と第二の円筒2との間から冷
却媒体5が漏出しないように密閉されている。第一のシ
ール手段11は、水を漏らさないように、柔軟性に富む
材質、例えば、ゴム等が使用される。この第一のシール
手段11は、図6に示すように、第一の円筒1の先端部
を内側に折り込み、第二の円筒2との嵌合部を形成した
構造としてもよい。この場合に、嵌合部と第二の円筒2
との間にグリースを塗布することにより油膜を形成し、
冷却媒体5の漏出が防止されている。さらに、第二のシ
ール手段12は、大歯車4Dと一方向光透過手段7との
間に設けられている。この第二のシール手段12は、例
えば、オーリング等が使用される。そして、大歯車4D
に対して保持手段9で一方向光透過手段7を押しつける
ことにより、第二の円筒2の内部の冷却媒体5が、漏出
することが防止される。
【0040】本発明の実施形態に係る作用を順を追って
説明する。まず、図3に示すように、患部50に第一の
円筒1を挿入する。この患部50の癌組織には、光増感
剤を静脈注射することにより、光増感剤が選択的に集積
されている。次に、光源3から光を照射する。集光手段
8により集光された光は、光透過手段7を通過し、第二
の円筒2に供給される。光は第二の円筒2内部の光通路
2Cを通り、光透過孔2Eより患部50に照射される
(図7(A)(B)(C)参照)。これと共に、第二の
円筒2が円筒用回転手段4により所定角度で揺動されて
いるので、図7(D)に示すように、患部に隙間なく光
51の照射が行われる。これにより、癌組織に選択的に
集積された光増感剤が励起され、癌組織中の酸素にエネ
ルギーを移譲し、活性酸素を生成する。この活性酸素に
より、癌組織を選択的に壊死させる。
【0041】また、第二の円筒2が円筒用回転手段4に
より所定角度で揺動されることにより、冷却媒体5が第
一の円筒1の内部で循環・対流している。これは、第二
の円筒2を順回転させた場合は、図8に示すように、光
透過孔2E(図8(B)参照)が光透過孔2E(図
8(C)参照)より、第二の円筒2の外側の冷却媒体5
に対して実開口面積が大きくなることによる。これによ
り、冷却媒体5は、光透過孔2Eより取り込まれ、第
二の光透過孔2Eより排出される。このような循環を
光透過孔2Eと光透過孔2Eの間、さらに、光透過
孔2Eと光透過孔2Eの間で繰り返し行うことによ
り、光透過孔2E側の高温の冷却媒体5が光透過孔2
側に対流することとなる。
【0042】また、第二の円筒2の回転を逆回転とする
と、図9に示すように、光透過孔2E(図9(C)参
照)が光透過孔2E(図9(B)参照)より、第二の
円筒2の外側の冷却媒体5に対して実開口面積が大きく
なる。これにより、冷却媒体5は、光透過孔2Eより
取り込まれ、光透過孔2Eから排出される。このよう
な対流が光透過孔2Eと光透過孔2Eの間、さら
に、光透過孔2Eと光透過孔2E間で繰り返し行わ
れ、媒体冷却手段6で冷却された光透過孔2E近傍の
冷却媒体5は、媒体冷却手段6より離れた光透過孔2E
近傍に対流する。
【0043】そして、第一の円筒1の内部を冷却媒体5
が循環し、第一の円筒1は冷却されるため、第一の円筒
の外部から冷却媒体5を供給、排出することなく、第一
の円筒1内部を冷却することができる。このため、第一
の円筒1の内部及び患部50が常に冷却されているた
め、患部50が炭化することがなく、光源3の光のエネ
ルギー密度を上昇させることができるため、効率良く患
部50の癌組織を死滅させることができる。
【0044】
【発明の効果】本発明によれば、以上のように構成され
機能するので、第二の円筒の光透過孔から患部を照射す
ると共に、円筒用回転手段で第二の円筒を第一の円筒に
対して回転させることにより、この第二の円筒の壁面に
設けられた光透過孔が患部内部を回転する。これによ
り、エネルギー密度の高い光を効率良く連続して患部に
照射できる。
【0045】また、本発明によれば、第一の円筒内部に
冷却媒体を充填すると共に、第二の円筒の端部近傍に冷
却媒体を冷却する媒体冷却手段を設けたことから、冷却
媒体で第一の円筒及び患部が冷却されるため、患部が炭
化することがなくなり、エネルギー密度の高い光を連続
して患部に照射できる。さらに、第一の円筒に外部から
冷却媒体を供給し、この冷却媒体を外部に排出する必要
がなくなり、第一の円筒を密閉したまま、第一の円筒及
び患部を冷却することが可能となるため、冷却媒体の漏
れがなくなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る光化学治療器の縦断側面図を示
す。
【図2】図1のA−A断面図を示す。
【図3】図1の光化学治療器の光透過孔から光を照射し
ている状態を示す図である。
【図4】図1の光化学治療器の第一の円筒及び第二の円
筒の詳細を示す斜視図である。
【図5】図1の光化学治療器の第二の円筒の詳細を示す
図で、図5(A)は図4の上面図、図5(B)は図5
(A)のB−B断面図、図5(C)は図5(A)のC−
C断面図である。
【図6】図1の光化学治療器の第一のシール部材の変形
例を示す図である。
【図7】図4の第二の円筒の光透過孔から光を照射して
いる状態を示す図で、図7(A)は斜視図、図7(B)
は図7(A)のD−D断面図、図7(C)は図7(A)
のE−E断面図、図7(D)は図7(A)の第二の円筒
を揺動させた時の光の照射図である。
【図8】図4の第二の円筒を順回転させた場合の冷却媒
体の対流する状態を示す図で、図8(A)は第一の円筒
の縦断側面図、図8(B)は図8(A)のF−F断面
図、図8(C)は図8(A)のG−G断面図である。
【図9】図4の第二の円筒を逆回転させた場合の冷却媒
体の対流する状態を示す図で、図9(A)は第一の円筒
の縦断側面図、図9(B)は図9(A)のH−H断面
図、図9(C)は図9(A)のJ−J断面図である。
【図10】従来例に係る光化学治療器の図で、図10
(A)は光ファイバを回転させる光化学治療器の図、図
10(B)は図10(A)の光化学治療器に冷却手段を
設けた光化学治療器の図である。
【符号の説明】
1 第一の円筒 2 第二の円筒 3 光源 4 円筒用回転手段 5 冷却媒体 6 媒体冷却手段 7 一方向光透過手段 8 集光手段

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 患部に差し込まれる第一の円筒と、この
    第一の円筒の内部に挿入される第二の円筒と、この第二
    の円筒の内部に光を供給する光源とを備え、 前記第二の円筒の内部に光通路を形成すると共に、この
    第二の円筒の壁面に光透過孔を設け、 前記第二の円筒の一端部に、前記第一の円筒に対して前
    記第二の円筒を回転させる円筒用回転手段を装備したこ
    とを特徴とする光化学治療器。
  2. 【請求項2】 前記光透過孔を前記第二の円筒の壁面に
    複数設けると共に、前記光源側の光透過孔を光源から離
    隔した側の光透過孔より小さく形成したことを特徴とす
    る請求項1記載の光化学治療器。
  3. 【請求項3】 前記第二の円筒の内壁面を、鏡面状に形
    成したことを特徴とする請求項1または2記載の光化学
    治療器。
  4. 【請求項4】 前記光源と第二の円筒の一端部との間に
    前記光源から前記第二の円筒方向への光を透過させる一
    方向光透過手段を設けたことを特徴とする請求項1,2
    または3記載の光化学治療器。
  5. 【請求項5】 前記光源と前記一方向光透過手段との間
    に集光手段を設けたことを特徴とする請求項4記載の光
    化学治療器。
  6. 【請求項6】 前記第一の円筒の内部に冷却媒体を充填
    すると共に、前記第二の円筒の一端部近傍に前記冷却媒
    体を冷却する媒体冷却手段を設けたことを特徴とする請
    求項1,2,3,4または5記載の光化学治療器。
  7. 【請求項7】 前記第二の円筒を熱伝導材料で形成した
    ことを特徴とする請求項6記載の光化学治療器。
  8. 【請求項8】 前記光透過孔に冷却媒体攪拌手段を設け
    たことを特徴とする請求項6または7記載の光化学治療
    器。
  9. 【請求項9】 相隣り合う前記光透過孔を、前記第二の
    円筒の中心軸周りに所定角度変位させて形成したことを
    特徴とする請求項6,7または8記載の光化学治療器。
  10. 【請求項10】 相隣り合う前記光透過孔に設けられた
    前記冷却媒体攪拌手段を相互に逆向きに屈曲させて形成
    したことを特徴とする請求項8または9記載の光化学治
    療器。
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