JP2000227470A - 電波散乱界計算装置および記録媒体 - Google Patents

電波散乱界計算装置および記録媒体

Info

Publication number
JP2000227470A
JP2000227470A JP11029446A JP2944699A JP2000227470A JP 2000227470 A JP2000227470 A JP 2000227470A JP 11029446 A JP11029446 A JP 11029446A JP 2944699 A JP2944699 A JP 2944699A JP 2000227470 A JP2000227470 A JP 2000227470A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
scattered
radio wave
field
target object
coordinate data
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP11029446A
Other languages
English (en)
Inventor
Koichi Kobayashi
弘一 小林
Kohei Hongo
廣平 本郷
Iwao Tanaka
五輪男 田中
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Fujitsu Ltd
Original Assignee
Fujitsu Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Fujitsu Ltd filed Critical Fujitsu Ltd
Priority to JP11029446A priority Critical patent/JP2000227470A/ja
Publication of JP2000227470A publication Critical patent/JP2000227470A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02TCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES RELATED TO TRANSPORTATION
    • Y02T10/00Road transport of goods or passengers
    • Y02T10/80Technologies aiming to reduce greenhouse gasses emissions common to all road transportation technologies
    • Y02T10/82Elements for improving aerodynamics

Landscapes

  • Radar Systems Or Details Thereof (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 電波散乱界計算装置において、計算精度を低
下させることなく、処理速度を向上させる。 【解決手段】 座標データ入力手段10aに入力された
対象物体の3次元座標データは、領域分割手段10bに
供給され、そこで複数の領域(パッチ)に分割される。
曲面近似手段10cは、生成された各パッチを2次曲面
によって近似し、得られた結果を散乱界算出手段10e
に供給する。陰影処理手段10dは、対象物体表面にお
いて、電波が照射される照射領域を算定し、この領域に
含まれているパッチを特定して散乱界算出手段10eに
通知する。散乱界算出手段10eは、照射領域に含まれ
ている各パッチの散乱界を計算する。散乱界合成手段1
0fは、各パッチ毎の散乱界を合成することにより、対
象物体全体の散乱界を算出する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電波散乱界計算装
置および記録媒体に関し、特に、対象となる物体の電波
散乱界を計算する電波散乱界計算装置およびそのような
計算をコンピュータに実行させるプログラムを記録した
コンピュータ読み取り可能な記録媒体に関する。
【0002】
【従来の技術】例えば、自動車衝突防止用レーダ等のI
TS(Intelligent Traffic System)や、電波障害の評
価システム等では、電波の散乱界を求める計算は欠くこ
とができない重要な技術である。
【0003】このような散乱界を求める方法としては、
(A)モーメント法、有限要素法、および、FDTD
(Finite Difference Time Domain )法等のように数値
的に厳密な解析方法である数値解法と、(B)物体の大
きさが電波の波長に対して比較的大きい場合に用いられ
る物理光学法および幾何光学法等の高周波近似法の2種
類が知られている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところで、前者の数値
解法では、ある程度の計算精度を確保するためには、対
象となる物体(以下、対象物体と適宜呼ぶ)を電波の波
長の1/10以下に分割する必要がある。一般に、解析
の対象となるものは、例えば、車、航空機、または、建
築物のように100波長以上となることが多いので、こ
のような方法では分割数が膨大となり、その結果、計算
に多大の時間を要するという問題点があった。また、対
象物体に応じて定式化を行う必要があることから、対象
が変わる度に定式化を繰り返す必要があるため煩雑であ
るという問題点もあった。
【0005】一方、後者の高周波近似法では、対象物体
を複数の平面領域に分割し、各領域毎に求めた散乱界を
合計することにより、対象物体全体の散乱界を求めてい
た。しかしながら、対象物体が曲面を有する場合には、
計算結果が誤差を有することになるので、分割数を増加
させる必要が生じ、その結果、計算時間の増大を招くと
いう問題点が合った。
【0006】本発明はこのような点に鑑みてなされたも
のであり、散乱界の解析を簡便にしかも高速に実行する
ことが可能な電波散乱界計算装置を提供することを目的
とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明では上記課題を解
決するために、図2に示す、対象となる物体の電波散乱
界を計算する電波散乱界計算装置10において、前記対
象となる物体の3次元座標データを入力する座標データ
入力手段10aと、前記3次元座標データによって表さ
れる前記対象となる物体の表面を複数の領域に分割する
領域分割手段10bと、前記各領域を2次曲面によって
近似する曲面近似手段10cと、前記2次曲面によって
近似された各領域に対して所定の方向から電波の入射が
あった場合の散乱界を算出する散乱界算出手段10e
と、前記各領域の散乱界を合成し、前記対象となる物体
全体の散乱界を算出する散乱界合成手段10fとを有す
ることを特徴とする電波散乱界計算装置が提供される。
【0008】ここで、座標データ入力手段10aは、対
象となる物体の3次元座標データを入力する。領域分割
手段10bは、3次元座標データによって表される対象
となる物体の表面を複数の領域に分割する。曲面近似手
段10cは、各領域を2次曲面によって近似する。散乱
界算出手段10eは、2次曲面によって近似された各領
域に対して所定の方向から電波の入射があった場合の散
乱界を算出する。散乱界合成手段10fは、各領域の散
乱界を合成し、対象となる物体全体の散乱界を算出す
る。
【0009】
【発明の実施の形態】以下では、本発明の動作原理につ
いて説明した後、実施の形態について説明する。
【0010】本発明に係る電波散乱界計算装置では、先
ず、対象となる物体を複数の領域(パッチ)に分割す
る。そして、各パッチを2次曲面によって近似した後、
それぞれのパッチからの散乱界を放射積分を解析的に解
くことにより算出し、得られた各パッチからの散乱界を
合成することにより、物体全体に係る散乱界を求めてい
る。
【0011】先ず、2次曲面を対象として散乱界を求め
る基本式を以下に導出する。薄膜導体の表面に電流JS
が誘起されたときの放射界は、以下のベクトルポテン
シャルを利用して求めることができる。
【0012】
【数1】
【0013】ここで、r’はJS (r’)が分布して
いる点の変位ベクトルであり、r=|r−r’|は、
r’と観測点の間の距離である。A(r)を用いると、
散乱波の電界は、以下の式によって表すことができる。
【0014】
【数2】
【0015】ところで、遠方領域であれば、式(1)の
右辺の分子は、以下のように近似することができる。
【0016】
【数3】
【0017】従って、式(2)は以下のように表すこと
ができる。
【0018】
【数4】
【0019】ここで、Rは物体の中に任意に選んだ原点
から観測点までの距離であり、また、iR は、観測点
方向を表す単位ベクトルであり、これはkS と同じ方
向となる。入射波の磁界Hi に対して式(4)の表面電
流JS は以下の式で表すことができる。
【0020】
【数5】
【0021】このとき、散乱界ES (r)は次のように
表すことができる。
【0022】
【数6】
【0023】ここで、P(θ,φ)は以下の式により表
すことができる。
【0024】
【数7】
【0025】また、P(θ,φ)の主偏波成分と副偏波
成分は、それぞれ式(8),(9)によって表すことが
できる。
【0026】
【数8】
【0027】
【数9】
【0028】ここで、nは面に対しての外向き法線ベク
トルを示し、iH は入射波の磁界の向きを表す単位ベ
クトルを、ki ,ks はそれぞれ入射波、散乱波の
波数ベクトルを、(R,θ,φ)は、観測点の球座標を
示している。また、式(6)〜(9)を得る際には、以
下の関係を用いている。
【0029】
【数10】
【0030】次に、曲面近似の方法について説明する。
図1に示すように、適当な原点を選び、対象とする所定
のパッチ上の点までの変位ベクトルをr’とする。この
とき、パッチの中心点Pを原点とする局所座標(s,
t)を導入し、点Pの近傍の曲面を以下の式により表
す。
【0031】
【数11】
【0032】ここで、p0 〜p5 は、局所座標と対
象物体の3次元座標データとを対比して決定する。い
ま、各点を図1を参照して以下のように決定する。
【0033】
【数12】
【0034】このとき、p0 〜p5 は以下の式によ
って表すことができる。
【0035】
【数13】
【0036】曲面上の単位法線ベクトルnおよび面要素
dSは、以下に示す式(14),(15)によってそれ
ぞれ表すことができる。
【0037】
【数14】
【0038】
【数15】
【0039】ここで、rs ’,rt ’は、それぞれ
rのsおよびtに関する微分係数である。式(14),
(15)を式(8),(9)に代入すると、以下の式を
得る。
【0040】
【数16】
【0041】
【数17】
【0042】ここで、S0 はパッチをs−t平面に投
影した場合の面積である。rS ’×rt ’をpを用
いて表すと以下の式を得る。
【0043】
【数18】
【0044】式(14)〜(18)より放射積分で2次
位相項を級数展開し、振幅に対してs,tの2次多項式
で近似すると、閉じた形となって以下の式を得る。
【0045】
【数19】
【0046】
【数20】
【0047】ここで、関数Kn はsinc関数で与え
られる漸化式であり、以下の式(21),(22)によ
って表すことができる。また、定数a,b,q,U,V
は、以下の式(23)〜(26)によって定義される。
【0048】
【数21】
【0049】
【数22】
【0050】
【数23】
【0051】
【数24】
【0052】
【数25】
【0053】
【数26】
【0054】一方、指数部を直接級数展開せずに、双1
次項に関してマクローリン(Maclaurin )展開し、指数
部の外に出して2次位相まで考慮すると、以下の式を得
る。
【0055】
【数27】
【0056】
【数28】
【0057】ここで、Hn (q,u)は、フレネル
(Fresnel )積分を含んだ漸化式であり、以下の式によ
り表すことができる。
【0058】
【数29】
【0059】また、H0 (q,u)は、以下の式によ
って表すことができる。
【0060】
【数30】
【0061】ここで、δ,T1 ,T2 ,F(x),
C(x),S(x)は、以下の式によって表すことがで
きる。なお、sgn()は、括弧内の値の符号を抽出す
る関数である。
【0062】
【数31】
【0063】更に、H1 (q,u)は、以下の式によ
って表すことができる。
【0064】
【数32】
【0065】本発明では、対象となる物体を複数のパッ
チに分割し、各パッチを2次曲面によって近似し、上述
した式(27)および式(28)を用いて各パッチ(2
次曲面)からの散乱界を求め、これらを合成することに
より物体全体での散乱界を求める。
【0066】次に、図2を参照して本発明の実施の形態
について説明する。図2は、本発明の実施の形態の構成
例を示すブロック図である。この図に示すように、本発
明に係る電波散乱界計算装置10は、座標データ入力手
段10a、領域分割手段10b、曲面近似手段10c、
陰影処理手段10d、散乱界算出手段10e、および、
散乱界合成手段10fによって構成されている。
【0067】座標データ入力手段10aは、対象となる
物体の3次元座標データを入力する。領域分割手段10
bは、3次元座標データによって表される物体を複数の
領域(パッチ)に分割する。
【0068】曲面近似手段10cは、各パッチを2次曲
面によって近似する。陰影処理手段10dは、領域分割
手段10bによって生成されたパッチのうち、電波が照
射される部分に含まれるパッチを特定する。
【0069】散乱界算出手段10eは、2次曲面によっ
て近似されたパッチのうち、陰影処理手段10dによっ
て電波が照射されることが特定された部分に含まれてい
るパッチの散乱界を算出する。
【0070】散乱界合成手段10fは、各パッチ毎に求
めた散乱界を合成し、対象となる物体全体の散乱界を算
出する。次に、以上の実施の形態の動作について説明す
る。
【0071】いま、図2に示す電波散乱界計算装置10
に対して対象物体の3次元座標データが入力されたとす
ると、その座標データは座標入力手段10aによって受
け付けられ、領域分割手段10bに供給される。
【0072】領域分割手段10bは、入力された座標デ
ータを参照して、対象物体を複数のパッチに分割する。
なお、この分割数を多く設定すると、計算の精度は向上
するが、計算時間を要するため、目的に応じて適宜設定
する必要がある。しかし、従来のパッチを平板によって
近似する場合に比較すると、分割数が少ない場合におい
ても高精度で結果を得ることができるので、同一の精度
で結果を得ようとする場合には、パッチの分割数を減少
させることができ、その結果、演算に必要な時間を短縮
することができる。
【0073】例えば、図3に示す、底面の長軸方向の半
径がaであり、短方向の半径がbであり、また、高さが
hである楕円錐の3次元座標データが対象物体として入
力されたとすると、領域分割手段10bは、この楕円錐
を図4に示すように、複数のパッチに分割する。
【0074】曲面近似手段10cは、このようにして生
成された各パッチに対して、パッチの中心点を原点Pと
する局所座標(s,t)を設定し、原点P近傍のパッチ
の曲面を前述の式(11)により近似する。ここで、式
(11)に含まれているp0〜p5 は対象物体の3次
元座標データを式(13)に代入することにより求める
ことができる。なお、このような方法は点整合法と呼ば
れている。
【0075】以上のようにして得られた各パッチに対す
る係数p0 〜p5 およびその他のデータは、散乱界
算出手段10eに供給される。このとき、陰影処理手段
10dは、対象物体の表面において電波が照射されない
陰の部分を特定する。即ち、図5に示すように、楕円錘
の底面の中心を原点とするx−y座標系を想定した場合
において、図の右斜め上方向から電波を照射した場合に
は、ハッチングを施した部分に対して電波が照射される
ので、この部分が照射領域になる。一方、その他の部分
には電波は照射されないことから、その部分が陰の部分
となる。
【0076】なお、陰影処理手段10dが陰の部分を実
際に特定する方法としては、物体表面に対する法線ベク
トルを求め、この法線ベクトルと電波の入射ベクトルと
の内積が“0”となる点を連結してこれを境界線として
陰の部分を特定する。そして、陰影処理手段10dは、
照射領域に含まれているパッチを特定し、散乱界算出手
段10eに通知する。
【0077】散乱界算出手段10eは、曲面近似手段1
0cによって曲面近似されたパッチのうち、陰影処理手
段10dによって照射領域に含まれると判定されたパッ
チのみに対して散乱界を求める処理を実行する。
【0078】即ち、散乱界算出手段10eは、照射領域
に含まれているパッチに対応する曲面の係数p0 〜p
5 を取得し、これを前述の式(23)〜(26)に代
入することにより定数a,b,q,U,Vを得る。
【0079】続いて、散乱界算出手段10eは、式(2
9)〜式(32)を用いてフレネル積分を含む漸化式H
n (q,u),H0 (q,u),H1 (q,u)
を求め、定数a,b,q,U,Vとともに式(27)お
よび式(28)に代入し、散乱界を得る。
【0080】なお、式(27)および式(28)では、
級数のNの範囲は、“0”〜“無限大”とされている
が、実際には対象となるパッチの曲率に応じてその計算
範囲を設定する。即ち、パッチの曲率が大きい場合に
は、計算範囲を広く設定し、パッチの曲率が小さい場合
には、計算範囲を狭く設定する。
【0081】一例として、パッチの曲率に関する係数で
あるq3 の値が“0.0001”よりも小さい場合に
は、曲率が充分に小さいとして計算範囲を“0”から
“2”までに設定する。また、それ以外の場合には演算
範囲を“0”〜“20”に設定する。
【0082】散乱界算出手段10eは、照射領域に含ま
れている各パッチに対して同様の処理を繰り返す。そし
て、照射領域に含まれている全てのパッチに対する処理
が終了した場合には、得られた結果を散乱界合成手段1
0fに供給する。
【0083】散乱界合成手段10fは、散乱界算出手段
10eから供給された各パッチ毎の散乱界の計算結果を
合成し、対象物体全体としての散乱界を求める。即ち、
散乱界算出手段10eから供給される各パッチの散乱界
は、複素数として表現されているので、各パッチの散乱
界の計算結果を実部と虚部とに分けて合計し、得られた
結果を求めるべき値として出力する。
【0084】図6は、以上に示す本実施の形態によって
図3に示す楕円錘の散乱界を求めた場合の結果である。
この例では、図3に示す楕円錘の側面から10GHzの
電波を入射し、θ=90度、φ=0度とした場合におけ
るθ偏波に係る散乱波の特性を示す図である。なお、こ
の図の横軸はθの角度を示し、縦軸は散乱波の相対電力
を示す。
【0085】この図において、実線によって示される曲
線は、本実施の形態によって算出された計算結果であ
り、この場合のパッチの分割数は“12”とされてい
る。また、破線は、従来の平板近似を用いた場合であっ
て分割数を“72”としたときの計算結果を示してい
る。更に、点線は従来の平板近似を用いた場合であって
分割数を“120”としたときの計算結果を示してい
る。
【0086】この図から分かるように、メインローブ付
近においては、これら3つの計算結果はよく一致してい
るが、サブローブ付近においては、120分割の平板近
似と本実施の形態による計算結果とはほぼ一致している
ものの、72分割の平板近似による結果は大きなずれを
有している。
【0087】平板近似による方法では、分割数が多いほ
ど精度の高い結果が得られることを考慮すると、120
分割の平板近似の方がより真実に近い結果を示している
と推定できる。従って、平板近似による方法では、分割
数が小さい場合には、サブローブ付近において誤差を生
ずることになるが、本実施の形態の場合では、それより
もはるかに小さい分割数であっても誤差の発生は僅少で
あるということができる。
【0088】計算時間に関しては、分割数が同一であれ
ば、平板近似による方法と、本実施の形態による方法と
は、ほぼ同一の計算時間を要することから、同一の精度
で計算する場合には、本実施の形態では計算時間を約1
/10に短縮することが可能となる。
【0089】次に、数値的に厳密な数値解析法である有
限要素法を用いた場合と、本実施の形態を用いた場合と
で計算精度を比較検討する。図7は、楕円筒を対象物体
とした場合において、楕円筒の側面から10GHzの電
波を入射し、θ=90度、φ=45度とした場合におけ
るθ偏波に係る散乱波の特性を有限要素法を用いて解析
した結果を示す図である。なお、この図において、円周
方向に付してある数値はθの角度を示し、また、半径方
向に付してある数値は散乱波の相対電力を示す。この例
では、θ=225度付近がメインローブ域となっている
ことが分かる。
【0090】図8は、本実施の形態を用いた場合の演算
結果を示す。この例では、分割数は“9”に設定されて
いる。図7との比較から分かるように、本実施の形態に
よる計算では、有限要素法(高精度な計算結果が得られ
ることを特徴とする計算方法)の計算結果とも高い精度
で一致していることが分かる。
【0091】図9は、分割数を“5”に設定した場合に
おける本実施の形態の演算結果を示す。このように、分
割数が小さい場合においても、図7に示す有限要素法に
よる計算結果と高い精度で一致していることが分かる。
【0092】最後に、以上の実施の形態において実行さ
れる処理の詳細を図10に示すフローチャートを参照し
て説明する。このフローチャートが開始されると、以下
の処理が実行される。 [S10]座標データ入力手段10aは、対象物体の3
次元座標データを入力する。 [S11]座標データ入力手段10aは、対象物体への
電波の入射角を入力する。 [S12]座標データ入力手段10aは、対象物体への
電波の観測角を入力する。 [S13]領域分割手段10bは、入力された対象物体
の3次元座標データを、所定の個数のパッチに分割し、
得られたパッチに関するデータを曲面近似手段10cに
供給する。 [S14]曲面近似手段10cは、各パッチの座標デー
タを式(13)に代入することにより、式(11)に示
す2次曲面の係数を決定する。 [S15]陰影処理手段10dは、電波の入射角を参照
し、照射領域を特定する。 [S16]陰影処理手段10dは、ステップS14で求
めた照射領域に含まれているパッチを特定し、散乱界算
出手段10eに通知する。 [S17]散乱界算出手段10eは、照射領域に含まれ
ている所定のパッチを1つ選択する。 [S18]散乱界算出手段10eは、式(25)により
得られたq3 の値(パッチの曲率に係る値)が“0.
0001”より小さい場合には、ステップS19に進
み、それ以外の場合にはステップS20に進む。 [S19]散乱界算出手段10eは、級数のNの上限を
“2”に設定し(計算範囲を“0”〜“2”として)、
式(27)および式(28)に示す計算を実行し、対象
となるパッチの散乱界を算出する。 [S20]散乱界算出手段10eは、級数のNの上限を
“20”に設定し(計算範囲を“0”〜“20”とし
て)、式(27)および式(28)に示す計算を実行
し、対象となるパッチの散乱界を算出する。 [S21]散乱界算出手段10eは、計算結果を図示せ
ぬメモリ等に格納する。 [S22]散乱界算出手段10eは、未処理のパッチが
存在しているか判定し、存在している場合にはステップ
S17に進み、それ以外の場合にはステップS23に進
む。 [S23]散乱界合成手段10fは、散乱界算出手段1
0eから計算結果である各パッチの散乱界の供給を受
け、これらを合成して対象物体全体の散乱界を算出す
る。 [S24]散乱界合成手段10fは、合成の結果得られ
た散乱界を出力する。
【0093】以上に説明したように、本実施の形態によ
れば、対象物体を構成する各パッチを2次曲面によって
近似するようにしたので、複雑な対象物体の散乱界を精
度よくしかも高速に算出することが可能となる。
【0094】また、各パッチの曲率に応じて、式(2
7)および式(28)の計算範囲を適宜変化させるよう
にしたので、精度を低下させることなく演算速度を向上
させることが可能となる。
【0095】なお、本発明は、例えば、周波数選択表面
(Frequency Selective Surface)の評価、反射鏡アン
テナの解析、レーダ散乱断面の解析、および、電波障害
の評価等の種々の適用分野が考えられる。
【0096】ところで、以上の実施の形態では、領域分
割によって得られたパッチのうち、照射範囲に含まれて
いるパッチのみを対象として、散乱界を算出するように
したが、例えば、照射領域を最初に特定し、この照射領
域を領域分割して得られたパッチを対象として散乱界を
算出するようにしてもよい。
【0097】最後に、上記の処理機能は、コンピュータ
によって実現することができる。その場合、電波散乱界
計算装置が有すべき機能の処理内容は、コンピュータで
読み取り可能な記録媒体に記録されたプログラムに記述
されており、このプログラムをコンピュータで実行する
ことにより、上記処理がコンピュータで実現される。コ
ンピュータで読み取り可能な記録媒体としては、磁気記
録装置や半導体メモリ等がある。
【0098】市場に流通させる場合には、CD−ROM
(Compact Disk Read Only Memory)やフロッピーディス
ク等の可搬型記録媒体にプログラムを格納して流通させ
たり、ネットワークを介して接続されたコンピュータの
記憶装置に格納しておき、ネットワークを通じて他のコ
ンピュータに転送することもできる。コンピュータで実
行する際には、コンピュータ内のハードディスク装置等
にプログラムを格納しておき、メインメモリにロードし
て実行するようにすればよい。
【0099】
【発明の効果】以上説明したように本発明では、対象と
なる物体の電波散乱界を計算する電波散乱界計算装置に
おいて、対象となる物体の3次元座標データを入力する
座標データ入力手段と、3次元座標データによって表さ
れる対象となる物体の表面を複数の領域に分割する領域
分割手段と、各領域を2次曲面によって近似する曲面近
似手段と、2次曲面によって近似された各領域に対して
所定の方向から電波の入射があった場合の散乱界を算出
する散乱界算出手段と、各領域の散乱界を合成し、対象
となる物体全体の散乱界を算出する散乱界合成手段とを
有するようにしたので、計算精度を低下させることな
く、散乱界を高速に求めることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】パッチとその局所座標との関係を説明するため
の図である。
【図2】本発明の実施の形態の構成例を示すブロック図
である。
【図3】図2に示す実施の形態が計算の対象とする対象
物体の一例を示す図である。
【図4】図3に示す対象物体を複数の領域に分割した場
合の分割の一態様を示す図である。
【図5】照射領域を説明するための図である。
【図6】本実施の形態による計算結果と、従来の平板近
似による計算結果とを比較するための図である。
【図7】従来の有限要素法を用いて、楕円筒に関する散
乱界を計算した場合の結果を示す図である。
【図8】本実施の形態により、楕円筒に関する散乱界を
計算した場合の結果を示す図である。
【図9】本実施の形態により、楕円筒に関する散乱界を
計算した場合の他の結果を示す図である。
【図10】図2に示す実施の形態において実行される処
理の一例を説明するフローチャートである。
【符号の説明】
10 散乱界計算装置 10a 座標データ入力手段 10b 領域分割手段 10c 曲面近似手段 10d 陰影処理手段 10e 散乱界算出手段 10f 散乱界合成手段
フロントページの続き (72)発明者 田中 五輪男 神奈川県川崎市中原区上小田中4丁目1番 1号 株式会社富士通システム統合研究所 内

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 対象となる物体の電波散乱界を計算する
    電波散乱界計算装置において、 前記対象となる物体の3次元座標データを入力する座標
    データ入力手段と、 前記3次元座標データによって表される前記対象となる
    物体の表面を複数の領域に分割する領域分割手段と、 前記各領域を2次曲面によって近似する曲面近似手段
    と、 前記2次曲面によって近似された各領域に対して所定の
    方向から電波の入射があった場合の散乱界を算出する散
    乱界算出手段と、 前記各領域の散乱界を合成し、前記対象となる物体全体
    の散乱界を算出する散乱界合成手段と、 を有することを特徴とする電波散乱界計算装置。
  2. 【請求項2】 前記曲面近似手段は、各領域の中心を原
    点とする局所座標を想定し、想定した局所座標を用い
    て、前記3次元座標データから2次曲面の方程式の係数
    を点整合法によって決定することを特徴とする請求項1
    記載の電波散乱界計算装置。
  3. 【請求項3】 前記散乱界算出手段は、2次位相まで考
    慮した物理光学積分を、フレネル積分を含む多項式で近
    似し、前記各領域の散乱界を算出することを特徴とする
    請求項1記載の電波散乱界計算装置。
  4. 【請求項4】 前記散乱界算出手段は、前記各領域の曲
    率に応じて、前記フレネル積分を含む多項式の計算範囲
    を適宜設定することを特徴とする請求項3記載の電波散
    乱界計算装置。
  5. 【請求項5】 前記対象となる物体において、前記電波
    が照射される部分を特定する陰影処理を行う陰影処理手
    段を更に有し、 前記散乱界算出手段は、前記陰影処理手段によって電波
    が照射されることが特定された部分に含まれる領域のみ
    を対象として散乱界を算出することを特徴とする請求項
    1記載の電波散乱界計算装置。
  6. 【請求項6】 対象となる物体の電波散乱界をコンピュ
    ータに計算させるプログラムを記録したコンピュータ読
    み取り可能な記録媒体において、 コンピュータを、 前記対象となる物体の3次元座標データを入力する座標
    データ入力手段、 前記3次元座標データによって表される前記対象となる
    物体の表面を複数の領域に分割する領域分割手段、 前記各領域を2次曲面によって近似する曲面近似手段、 前記2次曲面によって近似された各領域に対して所定の
    方向から電波の入射があった場合の散乱界を算出する散
    乱界算出手段、 前記各領域の散乱界を合成し、前記対象となる物体全体
    の散乱界を算出する散乱界合成手段、 として機能させることを特徴とするコンピュータ読み取
    り可能な記録媒体。
JP11029446A 1999-02-08 1999-02-08 電波散乱界計算装置および記録媒体 Pending JP2000227470A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP11029446A JP2000227470A (ja) 1999-02-08 1999-02-08 電波散乱界計算装置および記録媒体

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP11029446A JP2000227470A (ja) 1999-02-08 1999-02-08 電波散乱界計算装置および記録媒体

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2000227470A true JP2000227470A (ja) 2000-08-15

Family

ID=12276359

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP11029446A Pending JP2000227470A (ja) 1999-02-08 1999-02-08 電波散乱界計算装置および記録媒体

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2000227470A (ja)

Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005181153A (ja) * 2003-12-19 2005-07-07 Fujitsu Ltd レーダ反射断面積の計算方法
US7089130B2 (en) 2004-02-24 2006-08-08 Fujitsu Limited Electric/magnetic field analysis method using finite difference time domain, material descriptive method in electric/magnetic analysis, electric/magnetic analysis device, analysis data generation device and storage medium
KR101315569B1 (ko) * 2012-02-17 2013-10-08 홍익대학교 산학협력단 전자파 수치해석 방법 및 장치
US8887115B1 (en) 2013-04-17 2014-11-11 Fujitsu Limited Assigning method, recording medium, information processing apparatus, and analysis system
KR102070287B1 (ko) * 2018-07-18 2020-01-28 국방과학연구소 항공기의 rcs를 획득하는 장치 및 방법
CN116106637A (zh) * 2023-01-13 2023-05-12 东莘电磁科技(成都)有限公司 一种时域电磁散射分析的有限冲激偶序列表征方法

Cited By (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005181153A (ja) * 2003-12-19 2005-07-07 Fujitsu Ltd レーダ反射断面積の計算方法
US7089130B2 (en) 2004-02-24 2006-08-08 Fujitsu Limited Electric/magnetic field analysis method using finite difference time domain, material descriptive method in electric/magnetic analysis, electric/magnetic analysis device, analysis data generation device and storage medium
KR101315569B1 (ko) * 2012-02-17 2013-10-08 홍익대학교 산학협력단 전자파 수치해석 방법 및 장치
US8887115B1 (en) 2013-04-17 2014-11-11 Fujitsu Limited Assigning method, recording medium, information processing apparatus, and analysis system
KR102070287B1 (ko) * 2018-07-18 2020-01-28 국방과학연구소 항공기의 rcs를 획득하는 장치 및 방법
CN116106637A (zh) * 2023-01-13 2023-05-12 东莘电磁科技(成都)有限公司 一种时域电磁散射分析的有限冲激偶序列表征方法
CN116106637B (zh) * 2023-01-13 2023-09-26 东莘电磁科技(成都)有限公司 一种时域电磁散射分析的有限冲激偶序列表征方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US8983130B2 (en) Positioning information forming device, detection device, and positioning information forming method
Li et al. Refinement of LiDAR point clouds using a super voxel based approach
JP2015529800A (ja) オートフォーカスデータから導き出されるナビゲーション解を使用するワイドビームsar焦点合わせ方法
CN110208769B (zh) 基于nurbs曲面的射线追踪方法及系统
Pérez et al. Analysis of antennas on board arbitrary structures modeled by NURBS surfaces
US10921441B2 (en) Synthetic aperture radar signal processing device
US20210350044A1 (en) Rough Surface Model for Shooting and Bouncing Rays
Zhang et al. A fast ellipse extended target PHD filter using box-particle implementation
Naujoks et al. Fast 3D extended target tracking using NURBS surfaces
US5488373A (en) Signal processing apparatus for synthetic aperture radar
CN114740469A (zh) Isar回波实时精细模拟生成方法、装置和存储介质
CN115267718A (zh) 基于点云拼接的环视雷达360°探测实现方法
JP2000227470A (ja) 電波散乱界計算装置および記録媒体
CN117849721A (zh) 卫星选择方法及装置
Li et al. Inverse-mapping filtering polar formation algorithm for high-maneuverability SAR with time-variant acceleration
JP2019100772A (ja) 推定プログラム、推定装置および推定方法
Shevgunov et al. Heuristic global optimization algorithm for estimating a radio source location by a passive radar system
Franceschetti et al. Recent developments in the analysis of reflector antennas. A review
JP2010066131A (ja) 画像レーダ装置および画像レーダシステム
JPH10270930A (ja) 曲面アレイのアンテナパターン合成法
Churchill et al. Sub-aperture SAR imaging with uncertainty quantification
Koziel et al. On improved-reliability design optimization of high-frequency structures using local search algorithms
CN113670253A (zh) 空间目标姿态反演方法、装置、计算设备及存储介质
CN108957454B (zh) 机载干涉合成孔径雷达的干涉相位仿真方法
Yang et al. Sparse Bayesian Learning-based Multichannel Radar Forward-Looking Superresolution Imaging Considering Grid Mismatch

Legal Events

Date Code Title Description
A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20040511