JP2000227056A - 内燃機関における急速燃焼方法とこれに用いられる磁気曝射装置。 - Google Patents

内燃機関における急速燃焼方法とこれに用いられる磁気曝射装置。

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JP2000227056A
JP2000227056A JP11029000A JP2900099A JP2000227056A JP 2000227056 A JP2000227056 A JP 2000227056A JP 11029000 A JP11029000 A JP 11029000A JP 2900099 A JP2900099 A JP 2900099A JP 2000227056 A JP2000227056 A JP 2000227056A
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Yoshihiro Miyagawa
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Abstract

(57)【要約】 【課題】簡単かつ低廉な方法で補助的に急速燃焼を図る
ことのできる方法とこれに用いられる装置を提供する。 【解決手段】内燃機関のエンジン燃焼室内に磁場を形成
して急速燃焼を行う。エンジン冷却水に磁気を曝射する
ことで、燃焼室内に磁場が形成される。また、併せて燃
焼用空気に磁気を曝射し、この改質された燃焼用空気を
併用して磁気影響下の燃焼室内で燃焼を行うようにして
も良い。エンジン冷却水に磁気を曝射するには、内燃機
関の冷却水インレット側のホースとヒータホースとバイ
パスホースの3つの管路を流れる冷却水に行うのが最も
効果的である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、内燃機関の急速燃
焼方法とこれに用いられる装置に関するものである。
【0002】
【従来技術】内燃機関は、急速燃焼を行うことで燃焼時
の時間損失が低減され、熱効率が高められる。急速燃焼
を図るには、従来、燃焼室のコンパクト化や、中央点
火、スキッシュエリアを設けることによるガス流動促
進、あるいは燃料の微粒化などの技術が採用されてい
る。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、燃焼室
のコンパクト化、中央点火、あるいはガス流動促進の手
法は、バルブの挟み角を狭くしたり、燃焼室そのものの
構造やS(表面積)/V(容積)比を改良あるいは改善
するものであるため、コスト高となるばかりでなく製作
に高精度が要求される。また、その反面で促進の程度に
技術的な限界を有する。燃料を微粒化する場合、微粒化
された燃料が燃焼室内で十分に拡散しない限り、急速燃
焼を達成することはできない。
【0004】本発明の目的は、簡単かつ低廉な方法で補
助的に急速燃焼を図ることのできる方法とこれに用いら
れる装置を提供することにある。
【0005】
【課題を達成するための手段】本発明は上記した目的を
達成するために次の構成を備える点に特徴を有する。す
なわち、この発明は、内燃機関のエンジン燃焼室内に磁
場を形成して急速燃焼を行うものである。エンジン冷却
水に磁気を曝射することで、燃焼室内に磁場が形成され
る。また、併せて燃焼用空気に磁気を曝射し、この改質
された燃焼用空気を併用して磁気影響下の燃焼室内で燃
焼を行うようにしても良い。エンジン冷却水に磁気を曝
射するには、内燃機関の冷却水インレット側のホースと
ヒータホースとバイパスホースの3つの管路を流れる冷
却水に行うのが最も効果的である。また、燃焼用空気に
磁気を曝射する場合、非磁性材から成る供給管路内を流
れる燃焼用空気に対して行う。
【0006】上記方法に用いられる磁気曝射装置の一例
として、請求項6に記載の装置がある。この装置は、永
久磁石と第一ヨークと第二ヨークとを備える。第一ヨー
クは、その一側端部が永久磁石の一方の磁極に当接さ
れ、第二ヨークは、その一側端部が上記第一ヨークと接
触することなく永久磁石の他方の磁極に当接されてい
る。そして、永久磁石外方に互いに対向して延びる第一
ヨークと第二ヨークの他側端部には、前記冷却水あるい
は燃焼用空気の流れる非磁性材から成る管路を抱持する
抱持部が屈曲形成されており、この抱持部は、第一ヨー
クと第二ヨークの他側端部の先端を互いに接近させなが
らも僅かに離間させた間隙部を有している。第一ヨーク
と第二ヨークの上記した一側端部を永久磁石の後端部に
周り込ませ、両ヨークの末端を非磁性材から成るヒンジ
によって連結し、このヒンジを介して前記抱持部の間隙
部を拡開するようにすれば、上記ホースや管路への着脱
が容易となる。
【0007】また、他の装置として、請求項7に記載の
磁気曝射装置がある。本装置は、間隔をおいて配設した
第一及び第二の2つの永久磁石と第一ヨークと第二ヨー
クとを備える。第一の永久磁石の一方の磁極に第一ヨー
クの一側端部を当接させ、この第一の永久磁石の他方の
磁極に第一ヨークの一側端部と接触することなく第二ヨ
ークの一側端部を当接させてある。また、第一の永久磁
石外方に延びる第一ヨークの他側端部を第二の永久磁石
の上記一方の磁極と同じ磁極に当接させ、この第二の永
久磁石の他方の磁極に、第一ヨークの他側端部と接触さ
せることなく第二ヨークの他側端部を当接させてある。
そして、第一ヨークと第二ヨークの一側端部から他側端
部にかけての互いに対向する中間部に、前記冷却水ある
いは燃焼用空気の流れる非磁性材から成る管路を抱持す
る抱持部が屈曲形成されている。
【0008】
【実施の最良の形態】以下、本発明を図示した実施例に
基づいて詳説する。図1は本発明方法が適用されたエン
ジン冷却系統の概略構成図である。図中符号1はエンジ
ンのシリンダブロック、2はシリンダヘッド、3はラジ
エータ、4はウオータポンプ、5はヒータである。この
冷却系統は、エンジンの一般的な冷却システムを採用し
ている。すなわち、ラジエータ3によって冷やされた冷
却水は、ウオータポンプ4によってインレット側のホー
ス6からシリンダブロック1内に侵入し、シリンダヘッ
ド2を循環してアウトレット側のホース7からラジエー
タ3へと戻される。また、一部の冷却水は、ヒータホー
ス8を介してヒータ5の暖気運転に利用される。通常
は、冷却水の温度を一定に保つためにサーモスタット9
が設けられ、冷却水温度が高くない場合にはアウトレッ
ト側のホース7の管路を閉じ、冷却水をバイパスホース
10を介してエンジンに戻すようにしてある。
【0009】図中符号11は、磁気曝射装置で、冷却水
が通過する管路に取付けられて管路内の冷却水に磁気を
曝射する。この装置は、具体的には、冷却水の通過する
管路のうち、インレット側のホース6と、上流側のヒー
タホース8と、バイパスホース10とに取付けられる。
磁気曝射装置の一例を図2から図5を参照しつつ説明す
る。
【0010】本装置は、直方体状をしたフェライトの永
久磁石12とその左右の磁極面を覆うようにしてそれぞ
れ磁着された第一ヨーク13と第二ヨーク14とを備え
ている。第一ヨーク13と第二ヨーク14は、磁性材プ
レートを屈曲させて成り、第一ヨーク13は、一側端部
13aが永久磁石12のN極面に当接されている(図5
参照)。また、第二ヨーク14は、一側端部14aが第
一ヨーク13とは接触することなく永久磁石12のS極
面に当接されている。そして、永久磁石12の磁極面は
前方端を除いてこれらのヨーク13,14の一側端部1
3a,14aによって閉ざされた状態にある。第一ヨー
ク13と第二ヨーク14の他側端部13b,14bは、
それぞれ互いに対向するようにして永久磁石12の外方
に延びている。これらの他側端部13b,14bは、そ
れぞれ外方に弧状に湾曲することで、上記した冷却水の
流れる管路を抱持するための抱持部15を形成してい
る。抱持部15は、第一ヨーク13と第二ヨーク14の
他側端部13b,14bの先端が互いに接近しながらも
僅かに離れた位置にある。図中符号16はこれら先端間
の間隙部を示す。抱持部15の内径は、取付けられるホ
ースHの外径に合わせて設定される。
【0011】第一ヨーク13と第二ヨーク14は、永久
磁石12に磁着されている一側端部13a,14aの末
端を非磁性材から成るヒンジ17によって相互に連結し
てある。このヒンジ17によって、前記抱持部15は、
間隙部16が拡開する。なお、例えば第二ヨーク14の
一側端部14aを永久磁石12のS極面に固定させるよ
うにしてあっても良い。したがって、本装置11は、図
3に示すように間隙部16を一旦拡開し、所定のホース
Hの外周を一方のヨーク13あるいは14の他側端部1
3bあるいは14bに受けさせ、他方のヨークの他側端
部をホース外周に被せて間隙部16を元の位置に戻すこ
とにより、抱持部15がホースHを抱持して取付けられ
る。
【0012】本装置から発せられる磁力線を図5に模式
的に示す。第一ヨーク13と第二ヨーク14は、末端と
先端が近接しつつも互いに接触してはいないので、第一
ヨーク13はその全体がN極に磁化され、第二ヨーク1
4は逆のS極に磁化される。そして、永久磁石12の両
磁極面が各ヨーク13,14によって遮蔽されるため、
装置外に洩れ出る磁力線は少ない。この結果、殆どの磁
力線が両ヨーク13,14によって囲まれた両域、つま
り抱持部15内に集中する。しかも、抱持部内におい
て、永久磁石12の内側端近傍と上記間隙部近傍で磁力
線は若干密な状態にあるものの、抱持部15の径方向
(図5の平面方向)では全体としてほぼ均一な密度で表
れる。したがって、抱持部15によって抱持されたホー
ス内を通過する冷却水は、上記均一な磁力線にさらさ
れ、磁場の影響力を受ける。また、第一ヨーク13と第
二ヨーク14の働きによって、抱持部15の長さ方向
(図7A参照)では、図7Bに見られるようにヨークの
長さ方向両端に強く磁力線が作用するので、抱持部15
を通過する流体は、入るときと出るときに強い磁力線を
横切ることになる。
【0013】抱持部15を通過する冷却水へのこうした
磁力線の影響力がどのようなものであるか実験した結果
を、次に示す。測定車として、平成1年式のトヨタマス
ターエース、2Lディーゼルターボの13万km走行車
を用いた。磁気曝射装置は、上記図2から4に記載のも
のをインレット側のホース6と上流側のヒータホース8
とバイパスホース10とに取付けた。なお、永久磁石1
2は、フェライト磁石で一般に入手可能な磁力のものを
用いた。
【0014】実験例1 先ず、夜間12時間運転停止後の冷間始動時における冷
却水温と排気温度とF.アイドル回転数を、装着時と未
着時に分けて測定した。結果は表1に示す通りである。
なお、測定値は、平成10年9月01日から同年9月3
0日までの期間の選定した10日間の平均値である。ま
た、排気温度はタービン直後に測定した。
【表1】 この表から、装着時には、冷却水温と排気ガス温度とが
それぞれ7%以上低下し、ファーストアイドル回転数が
10%以上向上しているのが解かる。
【0015】実験例2と3 次いで、上記測定車を平坦路(実験例2)と坂路(実験例
3)で実走(全負荷加速)させたときの冷却水温と排気温
度と最大過給圧と2速から3速へのシフト点の回転数と
を、磁気曝射装置が装着されたものと未着のものとに分
けてそれぞれ測定した。試走条件は、40km/h(4
速)で等速走行し、各温度が安定したときにアクセル全
開にて全力加速(このとき、2速にシフトダウン)して3
速にシフトアップするまでとした。平坦路での測定は平
成10年11月27日に行った。その結果を表2に示
す。また、坂路での測定は平成10年11月30日に行
った。平均勾配は約7〜8%であった。その結果を表3
に示す。
【表2】
【表3】
【0016】両表から明らかなように、平坦路と坂路と
もに、装着した場合の方が、冷却水温の上昇が抑えら
れ、排気温度のピークが低下し、最大過給圧が向上し、
そして、シフト点が低下している。
【0017】ところで、冷間始動時にエンジンの燃焼速
度が速くなると、発生した熱はガスの急速な膨張に費や
され、回転数が上がる。そして、ガス膨張に熱が消費さ
れる結果、排気温度は低下し、燃焼室壁面からの熱伝導
も低下して冷却水の水温が低下する。このため、同一エ
ンジンで冷間始動時に燃焼速度が上昇したかどうかは、
水温上昇率の低下と、ファーストアイドル回転数の上昇
と、排気温度の低下となって表れる。上記した実験例で
は、表1から同じ現象が見られる。したがって、磁気曝
射装置を取り付けることで、冷間始動時にエンジン中で
混合気が急速燃焼していることが理解できる。
【0018】また、加速時あるいは全負荷時に燃焼速度
が速くなると、上記したと同じ理由から、冷却水温と排
気温度が低下する。そして、ガスの急速膨張に熱が消費
されることから、燃焼室温度が低くなり、燃焼室の残圧
力が低下して混合気あるいは空気の充填効率が向上し、
その結果としてトルクあるいはパワーと燃費の向上を促
す。上記した実験例では、表2と表3から同じ現象が見
られる。したがって、磁気曝射装置を取り付けること
で、加速時あるいは全負荷時にも混合気が急速燃焼して
いることが理解できる。
【0019】実験例4 前記した測定車の排出ガス中に含まれるCOとHCとN
OXとスモークの濃度を、磁気曝射装置を取り付けて冷
却水に磁気曝射を行った場合と未着の場合とに分けて測
定した結果を、表4に示す。なお、ガス中の各種物質の
測定には、北川式検知管を用いた。
【表4】
【0020】この表から明らかなように、磁気曝射を行
った場合には、COで40.9%、HCで71.4%、
NOXで22.2%、またスモークで35.8%の低減
が見られ、有害ガス発生の低減に著しい効果を発揮して
いるのが判明した。
【0021】実験例5 図6は、平成1年式のホンダアクティー550ccキャ
ブ式手動5速のガソリンエンジン車を用い、図2から5
に記載の磁気曝射装置を前記実験例1及び2と同様なホ
ースに取り付けて冷却水に磁気曝射を行った場合と、そ
うでない未着の場合とについて、加速試験を行った結果
をグラフで示したものである。試験は、3速ギア、20
00rpmで等速走行し、安定したときにアクセル全開
で7000rpmまで加速し、回転数が1000回転増
加するに至るまでの時間を計測した。いずれの時点にお
いても、磁気曝射を行っている方が、所定回転数に達す
る時間が僅かに早い。また、その時間差は、燃焼時間に
余裕のない高回転域、特に6500rpmのときに最も
大きくなっている。このことは、磁気曝射を行っている
場合に、急速燃焼が行われていることを示すものであ
る。
【0022】ディーゼルエンジン車(実験例1から4)と
ガソリンエンジン車(実験例5)において、冷却水に磁気
曝射を行った場合に急速燃焼を生じていることを示す結
果が表れたのは、次の理由によるものと思われる。水溶
液に磁気を曝射すると、「構造変化をきたして凝集体が
孤立安定化し、溶液中に巨大な分子集団が存在すると、
その分子集団の磁化率は非常に大きなものとなる」こと
が知られている(化学工業第58巻第6号《199
4》)。冷却水は、エチレングリコールを主体とするク
ーラント剤を30から40%濃度で使用される溶液であ
る。したがって、磁気を曝射された冷却水は、それ自体
が磁化されるわけではないが、分子集団には磁化された
ものが存在すると考えられる。この磁化された分子集団
は、冷却水がエンジンの外周域を全面的に均一に経巡る
ことによって、燃焼室を外部から僅かに二次的に磁化さ
せ、あるいは燃焼室内に磁力線を通過させて、燃焼室を
磁場の影響下におく。前記図2ら図5に示した磁気曝射
装置を冷却水の循環ホースに取り付けて、シリンダヘッ
ド等の燃焼室壁面の磁力を計測したところ、取付ける前
が0か1ガウスであったものが8から10ガウス(計測
には、マグナ社製model MG-401 ガウスメータ《可能
測定レンジ0〜15000G》を用いた)に変化してい
た。
【0023】ところで、高圧下にある燃焼室内で混合気
を燃焼させると、炎の周囲では燃焼により高温のCO2
や水が発生するが、密度対流が生じないために、炎の外
側にある酸素が供給されなくなり、燃焼継続ができなく
なる。このため、エンジンでは混合気に渦流を与えて燃
焼を継続するようにしている。ところが、燃焼域に磁場
を作用させると、酸素流体が磁場内に引き寄せられる一
方、CO2やその他の反磁性体の性質を持つ気体は磁場
外へと排斥される力を受ける。したがって、酸素を含む
混合気が燃焼室内に供給されると、上記磁場の作用によ
って炎の周辺に酸素が引き付けられ、燃焼速度が結果的
に早められる。
【0024】冷却水に磁気を曝射することによって急速
燃焼が達成される理由は、上記したことに由来するもの
と思われる。このことは、結果的には、燃焼室内に磁場
を形成することによって同様な効果が達成されることを
意味している。したがって、本発明法では、燃焼室に露
出する部位を有する部材、例えば点火プラグあるいは給
排気バルブを磁化することで燃焼室に磁場を形成するも
のであっても良い。磁化するにあたっては、永久磁石に
限らず、例えばウオーターポンプ近傍に電磁石を配置し
て、この電磁石によって冷却水に磁気を曝射するように
しても良い。
【0025】図8と図9は、磁気曝射装置の変形例を示
している。これらの装置では、第一ヨーク23,33と
第二ヨーク24,34は、その一側端部のうち末端部だ
けが永久磁石22,32の後端部に当接され、永久磁石
の両側面と両ヨークとの間に離間部27,37が形成さ
れている。両ヨークの対向して延びる他側端部は、湾曲
し、その先端が互いに接近して図5の場合と同様な間隙
部26,36を有している。この装置の場合、抱持部2
5,35に第一ヨーク23,33から第二ヨーク24,
34に向かう均一な磁力線が形成されるが、離間部2
7,37で反発磁場を生じるため、その分の磁力線が無
駄になり、抱持部内での磁力線は図5の場合よりも若干
疎になる。しかしながら、この曝射装置であっても、永
久磁石22,32を両ヨーク23と24,33と34が
形成する空間内に閉じ込めるようにしてあり、必要な磁
気を抱持部25,35において冷却水に曝射することが
できる。離間部27,37の距離調整によって管路への
磁力線の強弱が調整される。なお、本発明の磁気曝射装
置において、抱持部の形状は、円弧状に限定されるもの
ではなく、管路の断面形状に合わせて角状あるいは異形
形状にすることができる。
【0026】図10は、比較的大きな径の管路に使用さ
れる磁気曝射装置を示す。この装置では、永久磁石が2
個用いられる。第一及び第二の2つの永久磁石42,4
2'は、間隔をおいて配設され、第一ヨーク43と第二
ヨーク44によって連結されている。第一の永久磁石4
2のN極と第二の永久磁石42'のN極には、第一ヨー
ク43の一側端部43aと他側端部43bが当接されて
いる。第一の永久磁石42のS極と第二の永久磁石4
2'のS極には、第二ヨーク44の一側端部44aと他
側端部44bとが当接されている。両ヨーク43,44
の側端部は、それぞれ永久磁石42,42'の側面から
外端部にかけて周り込んでおり、先端同士あるいは末端
同士が接触しないように間隙部46,46'が設けられ
ている。両ヨーク43,44の一側端部43a,44a
から他側端部43b,44bにかけての中間部には、磁
気が曝射される流体の管路Hを抱持する抱持部45が屈
曲形成されている。この曝射装置は、2つの永久磁石4
2,42'が同極同士を対向させた位置に配置されてい
るが、第一ヨーク43と第二ヨーク44が両磁石の同極
同士を連結する結果、抱持部45においては反発磁場は
形成されない。図10に示すようにむしろ2つの永久磁
石42,42'の磁力線が第一ヨーク43と第二ヨーク
44によって囲まれた抱持部内部空間に集中するので、
図5の単一の磁石の場合に比べて更に密の磁力線を生じ
させる。
【0027】図11と図12は、2つの永久磁石を用い
た磁気曝射装置の変形例を示す。前記した単一の永久磁
石を用いた磁気曝射装置の変形例である図8と図9の例
に対応させたものである。両装置は、第一ヨークの両側
端部と永久磁石の間及び第二ヨークと永久磁石の間とに
離間部57と57',67と67'が形成されている。
【0028】本発明方法は、燃焼室に磁場を形成すると
ともに燃焼用空気に磁気を曝射し、磁場の影響下で磁気
曝射された燃焼用空気を燃焼する方法を採ることもでき
る。。燃焼用空気に磁気曝射を行う場合、前記した図1
0から12に示した磁気曝射装置をエアダクトに取付け
る。燃焼用空気に磁気曝射を行うと、空気自体が改質さ
れて燃焼促進効果が期待できる。冷却水に磁気曝射を行
うと共に燃焼用空気に磁気曝射を行った場合、燃焼促進
がどのように変化したかを、平成1年型のホンダアクテ
ィーストリート、排気量550cc、max rpm7500r
pmを用いて実験を行った。
【0029】磁気曝射装置を取り付けない状態での5速
の最大回転数は6500rpm、冷却水の水温は92.6
度Cであった。図1に示す3箇所の冷却水ホースに図2
〜4の磁気曝射装置を取付け、また燃焼用空気のエアク
リーナ下流に位置するエアダクトに図8に示す磁気曝射
装置を取付けて、走行したところ、5速での最大回転数
は6700rpm、冷却水温は81.5度Cであった。冷却
水温が約11度C下がり、その分、燃焼速度が速まって
回転数が200rpm上昇している。同一車両で、エアダ
クトの磁気曝射装置を取外し、冷却水への磁気曝射装置
のみを取付けた状態で走行したところ、5速での最大回
転数が7300rpm、冷却水温が76.8度Cであった。
燃焼用空気への磁気曝射装置を併用した場合に比べて、
回転数で500rpm上回り、冷却水温で約5度C低下して
おり、より燃焼速度が早まっている
【0030】冷却水への磁気曝射を行うと、場合によっ
ては燃焼速度が設定速度より速くなりすぎて排気温が低
下し、ターボの回転が上がらなくなる恐れがある。燃焼
用空気への磁気曝射を併用することでそれを程よい値に
修正することができる。燃焼用空気への磁気曝射は、燃
焼速度を適切な早い速度に維持して、低中速トルクのコ
ントロール作用をも果たす。冷却水への磁気曝射による
燃焼速度の制御は、磁束密度の増減やヨークの板厚など
によっても調整されるが、実際のところは困難を伴な
う。例えば、永久磁石の磁束密度に比例して最大回転数
が上昇するわけではなく、また冷却水温が磁束密度に反
比例して低下するわけではない。したがって、燃焼用空
気への磁気曝射を併用することで、その調整を比較的楽
に行うのが良い。
【0031】燃焼室内の磁場形成は、前記した水冷式エ
ンジンの場合には一例として冷却水への磁気曝射によっ
て行われる。空冷式エンジンの場合には冷却用空気への
磁気曝射を行うことで、燃焼室内の磁場形成を行うこと
ができると考えられる。
【0032】
【発明の効果】本発明方法によれば、燃焼室内に磁場を
形成し、磁力線の影響下で燃焼を行うようにしたので、
燃焼用空気中の酸素が磁力線の作用によって燃焼域に引
きずり込まれ、確実な急速燃焼を補助的な手法により簡
単に行うことができる。燃焼室に磁場を形成するだけで
済むので、簡単かつ低廉に急速燃焼を行うことができ
る。エンジンの冷却水に磁気曝射して燃焼室に磁場を形
成する発明によれば、エンジン燃焼室の周囲を均一に磁
場の影響下に置くことができ、無理のない急速燃焼を行
わせることができる。本発明装置は、永久磁石の磁界を
ヨークによって流体管路の抱持部に集中させるようにし
てあるので、磁束密度の小さな磁石であってもより強力
な磁場を管路内の流体に曝射することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例に係る方法を適用したエンジ
ン冷却系統の概略構成図
【図2】本発明の一実施例に係る磁気曝射装置の斜視
図。
【図3】図2の磁気曝射装置の抱持部を開放した状態を
示す斜視図。
【図4】図2の磁気曝射装置の抱持部が開状態から閉状
態に移行する中途の状態を示す斜視図。
【図5】図2の磁気曝射装置の磁力線の流れを示す説明
図。
【図6】ガソリンエンジン車に磁気曝射装置を取り付け
て冷却水に磁気曝射を行った場合とそうでない場合につ
いての、加速試験の結果を示すグラフ。
【図7A】図2の磁気曝射装置の側面図。
【図7B】図7Aの抱持部の長さ方向での磁力線の強弱
を示す説明図。
【図8】小径管路用の磁気曝射装置の変形例を示す説明
図。
【図9】図8とは異なる磁気曝射装置の変形例を示す説
明図。
【図10】大径管路用の磁気曝射装置の一例を示す説明
図。
【図11】図10の磁気曝射装置の変形例を示す説明
図。
【図12】図11とは異なる磁気曝射装置の変形例を示
す説明図。
【符号の説明】
1 シリンダブロック 2 シリンダヘッド 3 ラジエータ 5 ヒータ 6 インレット側のホース 7 アウトレット側のホース 8 ヒータホース 11 磁気曝射装置 12,22,32,42 永久磁石 13,23,33,43 第一ヨーク 14,24,34,44 第二ヨーク 13a,23a,33a,43a 第一ヨークの一側端
部 14a,24a,34a,44a 第二ヨークの一側端
部 13b,23b,33b,43b 第一ヨークの他側端
部 14b,24b,34b,44b 第二ヨークの他側端
部 15,25,35 抱持部 16,26,36,46 間隙部

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】内燃機関の燃焼室内に磁場を形成し、磁場
    の影響下で燃焼を行う、 ことを特徴とする内燃機関における急速燃焼方法。
  2. 【請求項2】内燃機関の燃焼室内に磁場を形成する一
    方、燃焼用空気に磁気を曝射して燃焼用空気を改質し、 磁場の影響下で上記燃焼用空気を用いて燃焼を行う、 ことを特徴とする内燃機関における急速燃焼方法。
  3. 【請求項3】内燃機関のエンジン冷却水に磁気を曝射し
    て燃焼室内に磁場を形成する、 請求項1もしくは2記載の急速燃焼方法。
  4. 【請求項4】内燃機関の冷却水インレット側のホースと
    ヒータホースとバイパスホースの3つの管路を流れる冷
    却水に、それぞれ磁気を曝射する、 請求項3記載の急速燃焼方法。
  5. 【請求項5】内燃機関への冷却水インレット側のホース
    とヒータホースとバイパスホースとの3つの管路を流れ
    る冷却水と、燃焼用空気の供給ホース内を流れる燃焼用
    空気とに、それぞれ磁気を曝射する、 請求項2記載の急速燃焼方法。
  6. 【請求項6】請求項1から5のいずれかに記載の急速燃
    焼方法に用いられる磁気曝射装置であって、 永久磁石と第一ヨークと第二ヨークとを備え、 第一ヨークは、その一側端部が永久磁石の一方の磁極に
    当接され、 第二ヨークは、その一側端部が上記第一ヨークと接触す
    ることなく永久磁石の他方の磁極に当接され、 永久磁石外方に互いに対向して延びる第一ヨークと第二
    ヨークの他側端部には、前記冷却水あるいは燃焼用空気
    の流れる非磁性材から成る管路を抱持する抱持部が屈曲
    形成され、 この抱持部は、第一ヨークと第二ヨークの他側端部の先
    端を互いに接近させながらも僅かに離間させた間隙部を
    有している、 ことを特徴とする、磁気曝射装置。
  7. 【請求項7】請求項1から4のいずれかに記載の急速燃
    焼方法に用いられる磁気曝射装置であって、 間隔をおいて配設した第一及び第二の2つの永久磁石と
    第一ヨークと第二ヨークとを備え、 第一の永久磁石の一方の磁極に第一ヨークの一側端部を
    当接させ、 この第一の永久磁石の他方の磁極に第一ヨークの一側端
    部と接触することなく第二ヨークの一側端部を当接さ
    せ、 また、第一の永久磁石外方に延びる第一ヨークの他側端
    部を第二の永久磁石の上記一方の磁極と同じ磁極に当接
    させ、 この第二の永久磁石の他方の磁極に、第一ヨークの他側
    端部と接触させることなく第二ヨークの他側端部を当接
    させ、 第一ヨークと第二ヨークの一側端部から他側端部にかけ
    ての互いに対向する中間部に、前記冷却水あるいは燃焼
    用空気の流れる非磁性材から成る管路を抱持する抱持部
    を屈曲形成した、 ことを特徴とする、磁気曝射装置。
  8. 【請求項8】前記第一ヨークと第二ヨークの一側端部が
    前記磁石の後端部に周り込み、 両ヨークの末端部が非磁性材から成るヒンジによって連
    結され、 このヒンジを介して前記抱持部の間隙部が拡開する、 請求項6記載の磁気曝射装置。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2007069435A1 (ja) * 2005-12-13 2007-06-21 Toshikuni Takashi ラジエータ用添加剤
JP2014513762A (ja) * 2011-04-19 2014-06-05 チタノ エッセ・エレ・エレ 内燃機関の最適化方法
CN113667510A (zh) * 2021-08-24 2021-11-19 金沃(苏州)能源科技有限公司 一种用于流体燃料的磁电离装置

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