JP2000225458A - 不合格スラブ材の再利用方法と、その方法による保持部材及びバランサ - Google Patents

不合格スラブ材の再利用方法と、その方法による保持部材及びバランサ

Info

Publication number
JP2000225458A
JP2000225458A JP11026770A JP2677099A JP2000225458A JP 2000225458 A JP2000225458 A JP 2000225458A JP 11026770 A JP11026770 A JP 11026770A JP 2677099 A JP2677099 A JP 2677099A JP 2000225458 A JP2000225458 A JP 2000225458A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
rejected
cutting
slab
slab material
balancer
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP11026770A
Other languages
English (en)
Other versions
JP3554837B2 (ja
Inventor
Nobuyoshi Okumura
信義 奥村
Hironao Kita
博直 北
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Komatsu Ltd
Komatsu Shearing Co Ltd
Original Assignee
Komatsu Ltd
Komatsu Shearing Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Komatsu Ltd, Komatsu Shearing Co Ltd filed Critical Komatsu Ltd
Priority to JP02677099A priority Critical patent/JP3554837B2/ja
Publication of JP2000225458A publication Critical patent/JP2000225458A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3554837B2 publication Critical patent/JP3554837B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Jib Cranes (AREA)
  • Forklifts And Lifting Vehicles (AREA)
  • Processing Of Solid Wastes (AREA)
  • Continuous Casting (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 バランサ及びその保持部材を安価に製作す
る。 【解決手段】 連続鋳造法や造塊法等の鋳造法により圧
延鋼材の製造工程の中間に製造されるスラブ材の内、組
成成分検査により所定の規格外とされた不合格スラブ材
を条状に切断した後、機械的強度を必要としない部材と
して再利用する。不合格スラブ材を条状に切断したフラ
ットバー状板材を所望の寸法及び形状に加工し、保持部
品とバランサを製作する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、連続鋳造法や造塊
法等により製造する圧延鋼材の製造工程の中間に製造さ
れるスラブ材の内、成分保証されない不合格スラブ材を
再利用する不合格スラブ材の再利用方法と、その方法に
よる保持部材及びバランサに関する。
【0002】
【従来の技術】従来、産業機械においては、運転中に機
械内部の構造物の回転又は移動によるアンバランスの発
生を防止するためにバランサが装着され、また作業車両
においては、作業機により重量物等を持ち上げたり、移
動したりする場合にバランスをとって安定して作業でき
るようにするために、作業機と反対側の機械本体内部に
鋼材を装着するカウンタウエイトが装着されることが多
い。そして、このようなカウンタウェイトやバランサ
(以後、これらを総称してバランサと呼ぶ)等の部材
は、圧延鋼材からの加工、あるいは鋳造品からの加工に
より製造されるのが一般的である。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
従来の製造方法には次のような問題がある。 (1)産業機械や作業車両等のバランサ及びこのバラン
サを保持する保持部材の素材は、機械的強度や耐久性を
必要とするものではなく、材料の密度がほぼ一定範囲内
にあって、実際の重量とその外形寸法から算出した計算
重量値との差異が少なければ、使用することが可能であ
る。ところが、市場で販売されている圧延鋼材は、機械
の構造や性能上機械的強度や耐久性を必要とする機械構
造部材として使用できるものである。したがって、バラ
ンサ及びその保持部材の素材として圧延鋼材を使用する
場合には、品質過剰の素材を使用することになり、この
ため材料費が高いので製造コストが高いという問題があ
る。また、所望の目的や仕様に合った板厚の圧延鋼材を
購入する場合は、通常、注文生産により発注することに
なるので、購入コストと安定生産のための在庫の確保と
を考慮して所定数以上を購入しなければならず、このた
め設計変更の度に無駄な在庫が増える、あるいは納入納
期が長い等の問題もあり、設計変更への対応が非常に困
難である。 (2)また、上記カウンタウエイト、バランサ又はその
保持部材を鋳造品から加工する方法は、鋳造する型費用
が高いので製造コストが高く、また製作納期が長いとい
う問題がある。また、設計変更する場合には、素材の板
厚や形状を変更する必要があり、このために型を再設計
しなければならず、製作コストと製作納期がかかるので
設計変更への柔軟性に欠けるという問題もある。
【0004】本発明は、上記従来技術の問題点に着目
し、バランサ及びその保持部材を安価に製作できるよう
にすることを目的としており、詳細には、圧延鋼材の製
造工程の中間で生まれる不合格スラブ材の再利用方法
と、その方法による保持部材及びバランサを提供するこ
とを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段、作用および効果】連続鋳
造法や造塊法等により製造する圧延鋼材の製造工程の中
間に製造されるスラブ材の内、組成成分の検査等により
成分保証されない不合格スラブ材が、成分保証される合
格品に対して通常1〜2%程度の割合で発生する。この
ような若干の不合格スラブ材は、一般的には屑としてし
か評価されておらず、溶鉱炉に再投入され、そして再溶
解して利用する場合が多い。あるいは、その一部は鋳片
屑として、前記成分保証された圧延鋼材の価格に対して
かなり安い価格、例えば圧延鋼材の価格の3〜5割程度
の価格で販売される場合もある。上記不合格スラブ材
は、圧延鋼材の製造工程の中間に製造されるスラブ材が
成分検査により不合格品と判定されたものであり、形状
検査には合格し、また比重は合格品と略同等の7.80
近傍であるが、組成成分検査にて成分の一部が所定の規
格範囲を外れているため、不合格品として区別されたも
のである。したがって、この不合格スラブ材は、機械的
強度及び耐久性を必要とする機械構造部材としては使用
することはできないが、これを必要とせずに所定の重量
や重り保持機能があれば良いだけの部材の素材としては
使用可能である。本発明は、上記目的を達成するため
に、この不合格スラブ材を建設機械及び産業機械の例え
ばカウンタウエイト、バランサ及びその保持部材等の素
材として再利用するものであり、これにより、低コスト
で製作でき、しかも設計変更にも容易に対応可能なカウ
ンタウエイト、バランサ及びその保持部材を提供するこ
とができる。
【0006】上記目的を達成するため、第1の発明は、
連続鋳造法や造塊法等の鋳造法により圧延鋼材の製造工
程の中間に製造されるスラブ材の内、組成成分検査によ
り所定の規格外とされた不合格スラブ材の再利用方法で
あって、不合格スラブ材を条状に切断した後、機械的強
度を必要としない部材として再利用する方法としてい
る。
【0007】第1の発明によると、前記不合格スラブ材
を所定厚さの条状に切断した後、強度を必要としない部
材、例えば建設機械及び産業機械のカウンタウエイト、
バランサ及びその保持部材として再利用する。不合格ス
ラブ材を条状に切断するには、一般的に広く使用されて
いるアイトレーサやNCガス切断装置等のガス切断機を
使用することができる。この条状に切断した板材をその
まま使用するか、あるいは所望の寸法及び形状にガス切
断等により加工することによって、目的の部材が容易に
得られる。したがって、強度を必要としない部材を、圧
延鋼材や鋳造品を加工して製作するのに比べて非常に安
価に製作でき、しかも設計変更に対してもコストをかけ
ずに容易に対応可能となる。
【0008】この不合格スラブ材の再利用方法につい
て、概要を説明する。先ず、不合格スラブ材を、アイト
レーサまたはNCガス切断等のガス切断機により、不合
格スラブ材の幅方向あるいは長手方向に条切りし、フラ
ットバー状板材を製作する。この切断に使用するトーチ
の本数はN1(N1≧2)とし、トーチ間隔を製作するフ
ラットバー状板材の板厚にセットする。この第1回目の
切断により、(N1−1)個のフラットバー状板材を製
作する。次に、第2回目の切断で、このフラットバー状
板材をガス切断機の切断ライナー上にN2個(N2≧2)
配置し、N2本のトーチでN2個のフラットバー状板材を
同時に切断する。このようにして第1回目の切断により
(N1−1)個のフラットバー状板材を製作し、つぎに
第2回目のトーチ本数n2本による切断によりN2個の素
材を同時に切断して要求する部材を製作する方法を、以
後2回切断法と呼ぶ。
【0009】一般的に、厚板を切断するのは、切断時間
が長くなり、製造コストが高くなる。しかしながら、一
回の切断により2個以上の素材(フラットバー状板材)
及び製品とする部材を製作して部材一個当たりの製作時
間が短縮することと、素材とする不合格スラブ材の購入
価格が非常に安価なこととから、従来の圧延鋼材を加工
する方法、又は鋳造品から製作する方法に比較して製造
コストを低減できる。また、製作する部材の設計変更の
ために素材の板厚を変更する必要がある場合、不合格ス
ラブ材の第1回目の切断を行う時、トーチ間隔を製作す
る部材の板厚にセットして不合格スラブ材の幅方向ある
いは長手方向に条切りすることにより、容易に対応でき
る。
【0010】第2の発明は、作業車両や産業機械等の構
造物に取り付けて重量物を保持する保持部材であって、
請求項1記載の不合格スラブ材の再利用方法を用いる過
程で、不合格スラブ材を条状に切断した板材を所望の寸
法及び形状に加工された保持部材である。
【0011】第2の発明によると、構造物に取り付けて
重量物を保持する保持部材を、不合格スラブ材の再利用
方法を用いて不合格スラブ材を条状に切断した板材を所
望の寸法及び形状に加工して製作する。保持部材は、保
持部材の上部にカウンタウエイトあるいはバランサを保
持しても変形しない部材であればよく、特に強度を必要
としない。したがって、不合格スラブ材の特性である低
価格性と形状寸法安定性とを活用して、不合格スラブ材
の再利用方法により保持部材を非常に安価に製作でき
る。
【0012】第3の発明は、作業車両や産業機械等の構
造物に取り付けるバランサであって、請求項1記載の不
合格スラブ材の再利用方法を用いる過程で、不合格スラ
ブ材を条状に切断した板材を所望の寸法及び形状に加工
されたバランサである。
【0013】請求項3記載の発明によると、構造物に取
り付けるバランサを、不合格スラブ材の再利用方法を用
いて不合格スラブ材を条状に切断した板材を所望の寸法
及び形状に加工して製作する。車体構造物が重量物を移
動または運搬する時に車体構造物自体の重量のバランス
をとる目的で設置するバランサは、特に機械的な強度を
必要とせず、重量が重ければよいので、比重の大きい値
の材質が適材となる。したがって、不合格スラブ材の特
性である低価格性と形状寸法安定性と比重安定性(比重
が7.80近傍である)とを活用して、不合格スラブ材
の再利用方法によりバランサを非常に安価に製作でき
る。
【0014】
【発明の実施の形態】以下に、本発明に係る実施形態に
ついて図1〜11を参照して説明する。先ず、本発明に
係る不合格スラブ材の再利用方法の基本的な手順につい
て図1〜6により説明する。図1は、標準圧延鋼材の製
造工程例と本発明に係る不合格スラブ材の発生過程の説
明図であり、ここで製造工程番号はSを付して表されて
いる。まず、溶鉱炉に鉄鉱石、石灰石及びコークス等を
装入して熔銑を作る(S1)。熔銑を混銑車で転炉に移
送し、転炉にて精錬して熔鋼にする(S2)。この熔鋼
を連続鋳造設備に装入し(S3)、スラブ材を製造する
(S4)。あるいは、転炉にて精錬した熔鋼を上広下注
鋼塊設備にて造塊し、均熱炉経由分塊ロール圧延を経過
し(S5)、スラブ材を製造する(S4)場合もある。
このスラブ材を成分、形状検査して合格品と不合格品に
選別する。形状検査に合格し、そして比重は7.80近
傍であるが、組成成分検査にて成分の一部が規格範囲を
外れているため不合格品に区別されたスラブ材を、不合
格スラブ材とする(S6)。そして、この検査工程で合
格したスラブ材は、粗圧延及び仕上圧延の工程を経て熱
処理され、さらに成品切断後、材質試験、機械的性質及
び外観等の検査合格後に、鋼材の製品として出荷される
(S7)。
【0015】不合格スラブ材は、通常は大部分が屑とし
て評価され、溶鉱炉に再投入され再溶解して利用され、
あるいは一部が鋳片屑として圧延鋼材の製品価格の3〜
5割で販売されている。本発明においては、このような
スラブ材の中で、成分検査で不合格品と判定された不合
格スラブ材が低価格性であること、形状寸法が安定して
いること及び比重が7.80近傍で安定していることに
着目し、建設機械及び産業機械での強度を必要としない
部材に再利用している。
【0016】図2に、不合格スラブ材の形状寸法の一例
を示す。ここで、この不合格スラブ材の寸法は、板厚T
1 ;245mm、長さL;1500mm、幅B;1600mm
とする。図3に、特に不合格スラブ材を使用しても支障
のないような、強度を必要としない部材W(カウンタウ
エイト等)の一例を示しており、この部材Wの寸法を、
板厚t1 ;75mm、長さL1;1545mm、幅b;22
5mmとする。
【0017】つぎに、第1実施形態として、図2に示す
不合格スラブ材から図3に示す部材Wを製作する方法
を、図4、図5により説明する。図4に示す第1回目の
切断では、所定本数(例えば、3本)のトーチJ1、J
2、J3を使用し、各トーチの間隔Dを製作する部材W
の板厚t1 (ここでは、75mm)にセットする。この3
本のトーチJ1、J2、J3を図示の矢印の方向に平行
に条切りする。この条切りにより、板厚t1;75mm、
長さL1;1600mm、幅b;245mmのフラットバー
状の素材が2個同時に製作される。ここで、図4に示す
捨て材Pは切断後捨てるものであり、その捨て材幅は所
定幅(ここでは、20mm)がとられる。通常この捨て材
幅部分(端面部分)は材料の組織が均一でないことがあ
り、条切り切断後、捨て材幅部分を含むフラットバー状
の素材に曲がり又はねじれ等の変形が発生する原因にな
ることがある。このため、部材Wとして使用するフラッ
トバー状の素材に端面部分を含まないようにして、素材
の変形を防止するものである。また、トーチの切断切り
代となるカーフ幅を見込む必要があり、通常はNCガス
切断機の場合、カーフ幅は2mm程度見込めばよい。な
お、図4の実施形態では、条切りのトーチの本数を3本
としたが、トーチの本数を増すほどフラットバー状の素
材の生産性は上がり、第1回目の切断の製造コストを低
減できる。
【0018】次に、図5により、フラットバー状の素材
Qから、建設機械及び産業機械の強度を必要としない部
材Wを製作する第2回目の切断について説明する。第1
回目の切断により製作したフラットバー状の素材Qを所
定個数(ここでは、例えば4個)、ガス切断機の切断ラ
イナー上に配置する。第2回目の切断においては、トー
チ本数を同時切断可能な所定本数(ここでは、4本)で
素材を同時に切断する。図5において、トーチの移動軌
跡はNC制御器にプログラムされており、トーチは切断
開始位置K1から例えば図中の一点鎖線上を所定の切断
方向(例えば図中矢印の方向)に切断しながら移動す
る。これにより、板厚t1;75mm、長さL1;154
5mm、幅b;225mmの矩形の部材を4個同時に製作で
きる。部材の外形寸法を前記の寸法通りにするために、
トーチの切断切り代となるカーフ幅を配慮して、トーチ
の移動軌跡を設定することは当然である。
【0019】次に、第2実施形態を図6に基づいて説明
する。本実施形態は、図2に示す不合格スラブ材を用い
てフラットバー状の素材を製作し、この一個の素材か
ら、矩形に限らず異形の、2個以上の部材を製作する方
法を説明する。第1回目の切断により製作したフラット
バー状の素材を3個、ガス切断機の切断ライナー上に配
置する。第2回目の切断は、トーチ本数3本で3個の素
材を同時に切断する。図6において、NC制御器のプロ
グラムにより、トーチは切断開始位置K2から一点鎖線
上を所定方向(例えば、図中の矢印方向)に切断しなが
ら移動する。ここでは、1個のフラットバー状の素材か
ら2個の部材を製作するようにしており、したがって例
えば矩形状の部材1と異形部材2を同時に3個製作する
ことができる。
【0020】本発明に係る不合格スラブ材の再利用方法
は、このように不合格スラブ材をNCガス切断機等によ
る2回切断法により機械的強度が要求されない部材を製
作する方法を提供するものである。一般的に、厚板の切
断は、切断時間が長くかかり、製造コストが高くなる。
本発明の第1、第2実施形態にて示したように、一回の
切断で素材及び製品とする部材を2個以上製作すること
により部材一個当たりの製作時間が短縮されることと、
素材とする不合格スラブ材の購入価格が安価なことか
ら、従来の圧延鋼材から加工する方法、または鋳造品か
ら製作する方法に比較して製造コストを低減できる。こ
のように、2回切断法による、不合格スラブ材の再利用
方法により、当初に仕入れた不合格スラブ材に対して、
製作された部材の材料歩留まりは低下し、また2回の切
断により切断時間も長くなるので、若干の製造コストの
増加はあるが、これらの増加分を加味しても、従来の圧
延鋼材又は鋳造品より製作する方法に比較して製造コス
トは大幅な(例えば15〜25%程度の)低減が期待で
きる。
【0021】次に、第3実施形態として、構造物に取り
付ける重量物を保持する保持部材について図7〜9によ
り説明する。図7は、建設機械のカウンタウエイトの要
部平面図であり、また図8は図7のX−X断面図であ
る。図8に示すように、車体構造物3の外枠4の下部と
車体構造物3の底部の一部を形成する下部板5との間に
部材6を溶接等により固着する。この部材6の上部に部
材7を配設し、部材6の下面からボルト8等により締着
してある。
【0022】部材6はその上面で部材7(ここでは、カ
ウンタウエイト)を保持するものであり、部材7を保持
しても変形しない材質であればよく、特に強度を必要と
しない。また、車体構造物3の外枠4及び下部板5に機
械構造用鋼板を使用している場合には、部材6は外枠4
及び下部板5に溶接等により固着されて一体構造物に形
成される。あるいは、外枠4に強化プラスチック板材を
使用する場合には、部材6は強化プラスチック板材を締
着するためのタップ及びボルト8用の孔を加工される。
本発明の第3実施形態は、部材7を保持する部材6を不
合格スラブ材の再利用方法により製作するものであり、
この部材を保持部材Hとする。
【0023】図9は、P部に固着される保持部材Hの形
状と寸法を示す。この保持部材Hは、先ず不合格スラブ
材の再利用方法の第1回目の切断により、図示しない板
厚t1 ;180mm、長さL1;1600mm、幅b;24
5mmのフラットバー状の素材を製作する。つぎに、第2
回目の切断により、図9に示す形状と寸法の保持部材H
を製作する。このようにして、保持部材Hは、不合格ス
ラブ材の特性である低価格性、形状寸法安定性を活用し
て製作される。不合格スラブ材の再利用方法により製作
した保持部材Hは、比重が7.80近傍であることより
外形寸法と比重により保持部材Hの重量を計算で算出で
きる。算出した値と実物の重量との差異は小さく、必要
とする車体構造物自体のバランス材の一部として使用で
きる。しかも、不合格スラブ材はタップ加工及びボルト
8用の孔を容易に加工できる材質であり、車体構造物3
の外枠4と下部板5の機械構造用鋼板とを溶接により固
着することも簡単にできる。これらにより、製造コスト
を低減でき、不合格スラブ材を有効に利用できる。
【0024】つぎに、第4実施形態について説明する。
本実施形態は、前記部材6の上面に配設する部材7を不
合格スラブ材の再利用方法により製作する例であり、こ
の部材7は、車体構造物が重量物を移動または運搬する
時、車体構造物自体の重量のバランスをとるバランサG
である。このため、部材7は、特に機械的な強度を必要
とせず、重量が重ければよいので、比重の大きい値の材
質が適材となる。
【0025】図10は図7のP部詳細図であり、前記保
持部材Hの上面に配設した5個のバランサGを示す平面
図である。図11は、図10のバランサGの切断形状と
寸法を示す。これらの図に示すように、バランサGの製
作は、不合格スラブ材の再利用方法の第1回目の切断に
より、板厚t1 が200mm、長さL1 が1600mm、幅
bが245mmのフラットバー状の素材を製作する。つぎ
に、第2回目の切断により、図11に示す矩形形状また
は台形形状の、指示寸法のそれぞれのバランサGを製作
する。このとき、車体構造物3の2台分のバランサGを
一個のフラットバー状の素材から切断する。また、図1
1に示す第2回目の切断時には、トーチの切断切り代と
なるカーフ幅の約2mmを配慮して、トーチの位置を設定
することは当然である。
【0026】このようにして製作するバランサGは、不
合格スラブ材の特性である低価格であること、形状寸法
が安定していること及び比重が7.80近傍であること
を活用している。したがって、バランサGの製造コスト
を低減し、バランサとしての重量物に必要な材質の均一
性と比重が7.80近傍であることより、製作するバラ
ンサGの外形寸法と比重を用いて、個々のバランサGの
重量を計算で算出できる。算出した値と実物の重量との
差異は小さく、必要とする車体構造物自体の重量のバラ
ンスを正確に得ることができる。
【0027】以上説明したように、本発明によると、ス
ラブ材の成分検査により、規格範囲外となった不合格ス
ラブ材を、作業車両や産業機械の機械的強度に係わる材
質は問わないようなカウンタウエイト、バランサ等の重
量物及びその保持部材として再利用可能となる。このと
き、不合格スラブ材を条状に切断して所望の板厚のフラ
ットバー状板材を製作し、必要ならばこのフラットバー
状板材をさらに所定寸法及び形状の部材に切断するの
で、非常に簡単な加工工程によりカウンタウエイト、バ
ランサ等の重量物及びその保持部材を製作できる。した
がって、不合格スラブ材の低価格性とにより、カウンタ
ウエイト、バランサ等の重量物及びその保持部材を製作
できる。しかも、板厚等の設計変更がある場合には、条
状に切断時の切断間隔を変更するだけであり、容易に対
応可能であるため、従来のような鋳造型の変更や板材指
定の注文発注等を行うことに比較して大幅に製造コスト
を低減できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】標準圧延鋼材の製造工程例と不合格スラブ材の
発生過程の説明図である。
【図2】不合格スラブ材の形状寸法の一例を示す。
【図3】不合格スラブ材を使用しても支障のない部材の
一例を示す。
【図4】本発明の第1実施形態に係る第1回目の切断の
説明図である。
【図5】本発明の第1実施形態に係る第2回目の切断の
説明図である。
【図6】本発明の第2実施形態に係る異形で、2個以上
の部材を製作する方法の説明図である。
【図7】車体構造物の要部平面図である。
【図8】図7のX−X断面図である。
【図9】保持部材Hの形状と寸法を示す。
【図10】図7のP部詳細図である。
【図11】バランサGの形状と寸法を示す。
【符号の説明】
1…矩形状の部材、2…異形部材、3…車体構造物、4
…外枠、5…下部板、6、7…部材、8…ボルト、S1
…熔銑、S2…熔鋼、S3…連続鋳造、S4…スラブ
材、S5…上広下注鋼塊、S6…不合格スラブ材、S7
…鋼材、H…保持部材、G…バランサ。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) B66F 9/075 B62D 49/08 A // B62D 49/08 B09B 5/00 C

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 連続鋳造法や造塊法等の鋳造法により圧
    延鋼材の製造工程の中間に製造されるスラブ材の内、組
    成成分検査により所定の規格外とされた不合格スラブ材
    の再利用方法であって、 不合格スラブ材を条状に切断した後、機械的強度を必要
    としない部材として再利用することを特徴とする不合格
    スラブ材の再利用方法。
  2. 【請求項2】 作業車両や産業機械等の構造物に取り付
    けて重量物を保持する保持部材であって、 請求項1記載の不合格スラブ材の再利用方法を用いる過
    程で、不合格スラブ材を条状に切断した板材を所望の寸
    法及び形状に加工されたことを特徴とする保持部材。
  3. 【請求項3】 作業車両や産業機械等の構造物に取り付
    けるバランサであって、 請求項1記載の不合格スラブ材の再利用方法を用いる過
    程で、不合格スラブ材を条状に切断した板材を所望の寸
    法及び形状に加工されたことを特徴とするバランサ。
JP02677099A 1999-02-03 1999-02-03 不合格スラブ材の再利用方法と、その方法による保持部材及びバランサ Expired - Fee Related JP3554837B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP02677099A JP3554837B2 (ja) 1999-02-03 1999-02-03 不合格スラブ材の再利用方法と、その方法による保持部材及びバランサ

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP02677099A JP3554837B2 (ja) 1999-02-03 1999-02-03 不合格スラブ材の再利用方法と、その方法による保持部材及びバランサ

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2000225458A true JP2000225458A (ja) 2000-08-15
JP3554837B2 JP3554837B2 (ja) 2004-08-18

Family

ID=12202539

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP02677099A Expired - Fee Related JP3554837B2 (ja) 1999-02-03 1999-02-03 不合格スラブ材の再利用方法と、その方法による保持部材及びバランサ

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3554837B2 (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7147250B2 (en) 2003-02-04 2006-12-12 Komatsu Ltd. Counter weight
WO2021234944A1 (ja) * 2020-05-22 2021-11-25 東芝三菱電機産業システム株式会社 切断位置制御装置
CN114178492A (zh) * 2021-12-13 2022-03-15 昆明理工大学 一种将废弃材料放入连铸中间包再利用的方法

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7147250B2 (en) 2003-02-04 2006-12-12 Komatsu Ltd. Counter weight
WO2021234944A1 (ja) * 2020-05-22 2021-11-25 東芝三菱電機産業システム株式会社 切断位置制御装置
JPWO2021234944A1 (ja) * 2020-05-22 2021-11-25
JP7246574B2 (ja) 2020-05-22 2023-03-27 東芝三菱電機産業システム株式会社 切断位置制御装置
CN114178492A (zh) * 2021-12-13 2022-03-15 昆明理工大学 一种将废弃材料放入连铸中间包再利用的方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP3554837B2 (ja) 2004-08-18

Similar Documents

Publication Publication Date Title
CN110541113A (zh) 一种高强钢筋及其生产方法
JPH06270810A (ja) 鉄道車両用台車枠溶接部の疲労強度向上方法
JP3554837B2 (ja) 不合格スラブ材の再利用方法と、その方法による保持部材及びバランサ
CN103468914B (zh) 剃齿刀热处理工艺
US20120117780A1 (en) Refractory metal pots
EP1114871B1 (en) Process for the production of material of metals and alloys having fine microstructure or fine nonmetallic inclusions and having less segregation of alloying elements.
KR20210132158A (ko) 블랭크 및 구조 부재
JP2009020807A (ja) 鉄鋼製品の製造ロットの編成方法、編成装置及びそのためのコンピュータプログラム
Singh et al. Influence of steel-making processes on the quality of reinforcement.
CN110947888B (zh) 一种箱式货车锁座锻造工艺及锻造设备
RU2421312C2 (ru) Способ изготовления плакированного металлического листа
JP2003019533A (ja) アルミニウム合金製鍛造部品の製造方法及び製造装置
Leng et al. Brief Introduction to The application of Laser Blanking Line on Automobile Sheets
JPH1029032A (ja) クランク軸鍛造用金型及びクランク軸の製造方法
Lahoti et al. Flat, bar, and shape rolling
JP2018089670A (ja) 鋼帯のノッチング方法、冷間圧延方法および冷延鋼帯の製造方法
JP6780207B2 (ja) 製鋼工程における溶鋼鍋の使用本数の決定方法
JP2004083927A (ja) 金属板切断面の疲労強度向上方法とそれを用いた高張力鋼板成形品
Lahiri et al. Production and working of metals and alloys
JPS6195764A (ja) 鋳バリ除去方法
JP2003105512A (ja) 車体パネル用亜鉛鋼板の製造方法
KR101812110B1 (ko) 수직 밀용 분쇄롤러의 제조방법
JPS62101337A (ja) 大径長尺の被加工リング材の熱間穴拡げ鍛造方法
JP2024002404A (ja) 鋳造設備及び鋳造方法
JP3006552U (ja) アイボルト

Legal Events

Date Code Title Description
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20040203

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20040225

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20040419

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090521

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090521

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100521

Year of fee payment: 6

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees