JP2000221613A - フィルムユニット、並びに、フィルムユニットの安全なカスタマイズ化を可能とする方法及びシステム - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 フィルムユニットデータの安全な遠隔の記憶
を可能とするフィルムユニット、並びに、フィルムユニ
ットの安全なカスタマイズ化を可能とする方法及びシス
テムを提供することを目的とする。 【解決手段】 写真システムは、複数のフィルムユニッ
ト及び遠隔にアクセスされるルックアップテーブルを含
む。フィルムユニットは夫々、フィルム片又はディジタ
ル画像記憶に独立にアクセスされうるアクセスコードを
有する。ルックアップテーブルは、各フィルムユニット
に割当てられた読出し・書込み論理メモリユニットを有
する。論理メモリユニットは夫々、夫々のアクセスコー
ドによって保護されるアクセス権を有する。方法におい
て、アクセスコードが発生され、論理ユニットはフィル
ムユニットに割り当てられ、フィルムユニットは販売さ
れるか又は譲渡される。フィルムユニットはそのフィル
ムユニット用のアクセスコードを伴う。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は写真技術に関連し、
更に特定的にはフィルムユニット、並びに、フィルムユ
ニットの安全なカスタマイズ化を可能とする方法及びシ
ステムに関する。

【０００２】

【従来の技術】長年にわたり、写真技術における大きな
満足のうちの１つは、捕捉された画像から多くの異なる
種類の最終画像を形成する可能性であった。一方で、必
要とされる手作業及び含まれる費用の多さのため、概し
て多くの人々にとっては写真特性は少数の標準的なもの
に制限されてきた。時間が経つにつれ、容易且つ安価に
使用可能な特性の数は徐々に増加してきた。写真仕上げ
は元々各段階における手作業での入力を必要としたが、
自動化により、例えば最初にソートのために機械読取り
可能なコード化された印からフィルムの種類を検出する
ことのような、幾らかの効果が徐々に与えられてきた。

【０００３】ズーミング及びクロッピングといった特性
を与えるためのコード化された印の使用は、既に、例え
ば米国特許第４，６５０，３０４号、第４，５８３，８
３１号、第５，０５９，９９３号、第５，６１９，７３
８号、及び、第５，１３２，７１５号に開示されてい
る。アドバンスドフォトシステム^TM（ＡＤＶＡＮＣＥＤ
ＰＨＯＴＯ ＳＹＳＴＥＭ^TM）は、異なるフォーマット
及び倍率で自動的に画像を印刷するため、フィルム上に
様々な露光に関連する情報を印刷するため、及び、露光
時における照明条件のための調整をするためにフィルム
上にコード化された印を使用することを実施してきた。

【０００４】コード化された印の他の用途もまた示され
た。米国特許第５，７５８，２１６号は、一回使用型カ
メラ又はフィルムユニットが特殊なプロモーションの外
部印を有し、含まれるフィルムが対応する磁気コード化
された印を有する、写真システム、フィルムユニット、
及びカメラを開示する。開示された特殊なプロモーショ
ンは、予め露光された又はディジタル式に重ね合わされ
た漫画のキャラクター及び他の記号、超飽和カラー処理
及びより強調されたサイズのプリントを用いたフォトモ
ンタージュ（複合画像）を含む。米国特許第５，７２
６，７３７号は、一回使用型カメラ又はフィルムユニッ
トがアクションショット、シーンショット、クローズア
ップ等といった好みの主題の外部印を有し、囲まれるフ
ィルムが対応する磁気コード化された印を有する、写真
システム、フィルムユニット、及び、カメラを開示す
る。米国特許第５，７５８，２１６号及び米国特許第
５，７２６，７３７号は、超飽和プリント及び好みの主
題を夫々与えるための画像全体の変更を開示する。米国
特許第５，４６１，４４０号は、フィルム上のコード化
された印を使用し、特定の画像品質劣化を補正する画像
変更を開示する。米国特許第５，３２３，２０４号は、
アスペクト比の変化を与えるためのコード化された印の
使用を開示し、コード化された印がフィルム又はカメラ
に基づく限界、アーチファクト、又は誤差を補償するた
めにネガの質を越える画質の向上を可能としうることを
示す。画質の向上の例は、雑音抑制、鮮鋭度向上、及び
トーンスケール変更である。

【０００５】コード化された印自体、即ち使用される媒
体及びその媒体の変化、の性質は大きく変わった。特定
のフィルムの種類に対して変化されないコード化された
印は、一般的にフィルム又はフィルム容器又はその両方
の恒久的な特性として与えられる。例えば、タイプ１３
５フィルムキャニスタは、導電体のパターン及び非導電
体のパッチを有する。変わりうる特性についてのコード
化された印は、他の方法で与えられねばならない。米国
特許第４，６７８，３００号は、フィルム容器の外側上
の刻み目の形状のコード化された印を教示する。アドバ
ンスドフォトシステム^TMでは、コード化された印はフィ
ルム上の露光されたスポット又は磁性層上の記録といっ
たものである。米国特許第４，５００，１８３号は、磁
気ディスク、又はフィルムカセットの一部、又はフィル
ムカセットの中に含まれるランダムアクセス半導体メモ
リ（「ＲＡＭ」）上に「フラグデータ」及び他の情報を
記憶することを開示する。米国特許第５，０３６，３４
４号は、半導体メモリ、マイクロコンピュータ等を含む
「ＩＣカード」を有するフィルムカメラの使用を開示す
る。カードは、情報への連続的なアクセスを与える。

【０００６】上述の様々なコード化された印の媒体は、
容器に刻み目を付ける場合を除き、全てフィルムユニッ
トに費用を追加する。費用は記憶容量の増加と共に増加
する傾向があり、これは記憶容量が使用されてもされな
くとも、全てのユニットに適用される。米国特許第５，
７９９，２１９号は、写真仕上げのための写真フィルム
上に記録された画像データ及び他のデータの遠隔通信を
開示する。注文番号が使用される。欧州公開特許出願第
ＥＰ０８６０９８０Ａ２号は、ユーザによる印刷注文フ
ァイルの準備及びその後に写真仕上げのために印刷注文
ファイルを送信することを教示する。米国特許第５，６
０６，３６５号は、使用されたカメラに特定的な補正マ
ップを使用する処理のために、画像情報をカメラ識別コ
ードと共にネットワーク化されたコンピュータシステム
へ送信するディジタルカメラを教示する。米国特許第
５，７６５，０４２号は、外側にフィルムユニット識別
番号が印刷された一回使用型カメラを教示する。

【０００７】

【発明が解決しようとする課題】従って、フィルムユニ
ットデータの安全な遠隔の記憶を可能とするフィルムユ
ニット、並びに、フィルムユニットの安全なカスタマイ
ズ化を可能とする方法及びシステムを提供することが望
ましい。

【０００８】

【課題を解決するための手段】本発明は請求項によって
定義されている。本発明は広義には、複数のフィルムユ
ニット及び遠隔にアクセスされるルックアップテーブル
を含む写真システムを提供する。フィルムユニットは夫
々、フィルム片又はディジタル画像記憶に独立にアクセ
スされうるアクセスコードを有する。ルックアップテー
ブルは、各フィルムユニットに割当てられた読出し・書
込み論理メモリユニットを有する。論理メモリユニット
は夫々、夫々のアクセスコードによって保護されるアク
セス権を有する。方法において、アクセスコードが発生
され、論理ユニットはフィルムユニットに割り当てら
れ、フィルムユニットは販売されるか又は譲渡される。
フィルムユニットはそのフィルムユニット用のアクセス
コードを伴う。

【０００９】

【発明の実施の形態】本発明の上述及び他の特徴及び目
的、並びにそれらを達成する方法は、以下添付の図面に
示される本発明の実施例の説明より明らかとなろう。図
１を参照するに、写真システム２５０は、複数のフィル
ムユニット１０、ルックアップテーブル１２，及び１つ
以上の写真仕上げユニット１４を含む。（ここに開示さ
れるシステム、方法、及び装置は夫々、明細書から明ら
かとされるように特定の特徴が組み合わせられない場合
を除いて、ここに記載される特徴の一部又は全てを含み
うる。従って、概して各実施例に関連して参照がなされ
るべきである。）システムは望ましくは１つ以上の入力
装置１６を含む。ルックアップテーブル１２は１つ以上
の計算装置１８の中のメモリの一部分として設けられ
る。ルックアップテーブル１２の中の論理メモリユニッ
ト２０は、各フィルムユニット１０のためのデータを保
持するよう当該のフィルムユニット１０に割り当てられ
る。ルックアップテーブル１２は、入力装置１６及び写
真仕上げユニット１４を介してアクセス可能である。

【００１０】フィルムユニット１０は、ルックアップテ
ーブル１２に遠隔にアクセスし、夫々の論理メモリユニ
ット２０の中のデータを変化させることによってカスタ
マイズされる。カスタマイズ化は、結果として得られる
写真仕上げ物２２を変化させるためにフィルムユニット
１０の写真仕上げ動作を変更する。カスタマイズ化は、
多様な異なる組み合わせを与えるよう１つ以上の特性を
付加し、除去し、又は変化させうる。カスタマイズされ
た特性は写真仕上げの後にのみ明らかとなるため、フィ
ルムユニット１０自体は間接的に変更されるのみであ
る。

【００１１】本願において、「写真仕上げ」という用語
は、印刷又は表示された画像又は印刷可能又は表示可能
なディジタル画像である「最終画像」を生成するよう画
像を視覚化し、印刷し、又は変更するために使用される
１つ以上の物理的、化学的、光学的、及びディジタル式
の技術を示すものとする。従って写真仕上げは、化学的
な現像、及びディジタル式の画像の変更及び印刷といっ
た技術を含む。写真仕上げは、１つのフィルムユニット
に対して繰り返し行われうるが、この繰返しは同じ技術
を繰り返すものであっても、なくてもよい。例えば、写
真フィルムタイプのフィルムユニットの最初の写真仕上
げは、化学的な現像を含む。同一のフィルムユニットの
後続の写真仕上げは化学的な現像を含まない。「写真仕
上げユニット」は、写真仕上げ機能を与える装置又は１
組の装置である。

【００１２】「フィルムユニット」という用語は、ここ
では、媒体の変更有り、又は、無しに、アーカイバル目
的のためにデータを記憶しうる媒体、及び、媒体の使用
を支持する物理的に関連付けられた特徴を示すものとす
る。各フィルムユニット１０は、複数のアーカイバル画
像を記憶するか又は記憶しうる。フィルムタイプのフィ
ルムユニット１０では、媒体は写真フィルム片３６であ
る。フィルムタイプのフィルムユニット１０の支持構造
は、フィルム片３６が巻き付けられうるスプールと、フ
ィルム片３６及びスプールを包囲するキャニスター３８
とを含みうる。支持構造はまた一回使用型カメラ２４の
特徴を含みうる。

【００１３】「一回使用型カメラ」という用語はここで
は、予め装填された形式で消費者に提供され、カメラの
分解、部品の交換、又は特殊な用具を使用すること等を
しなければ消費者によって再び装填されえないカメラを
示すものとする。一回使用型のフィルムカメラは現時点
において広く入手可能である。図５は一回使用型カメラ
２４を示す図である。各カメラ２４は、カメラ本体２６
と、本例では撮影されるべき被写体３０を像平面３２上
に撮像する撮影レンズ２８を含む撮像系とを有する。撮
像系は、写真フィルム片３６を、フレーム毎に像平面３
２を通過して移送するフィルム移送装置３４（図中、図
式的に円柱として示される）を含む。フィルム片３６
は、フィルムの夫々のフレーム上に光画像を潜像として
捕捉し記憶する。ディジタルフィルムユニット１０で
は、画像はディジタル形式に、メモリカード又はフロッ
ピーディスク又は他の磁気、電気、光学又は他のメモリ
装置の中に記憶される。ディジタル式一回使用型カメラ
は、現時点においては、費用面の理由により、カメラの
貸し出しの場合のように使用済みカメラが再装填のため
にディーラー又は製造者へ戻されることが確実とされう
る制御された状況においての使用に限られている。

【００１４】本発明は、概してここでは一回使用型写真
フィルムカメラ２４であるフィルムユニット１０につい
て説明される。他のタイプのフィルムユニットに対して
同等の考察が適用されることが理解されよう。フィルム
ユニット１０はまた、概してここでは、アーカイバル画
像情報の捕捉及び記憶の両方に同じ媒体が使用される場
合について説明される。記憶された画像は、或る場合に
は、１回以上、代わりの媒体又はフィルムユニット１０
へ移されうる。支持特徴は、フィルムユニットの寿命に
亘って変化しうる。例えば、フィルムユニット１０は、
最初はアドバンスドフォトシステム式の一回使用型写真
フィルムカメラ２４の特徴を有しうる。フィルム露光
後、カメラ本体２６は除去され、フィルム片３６はその
キャニスター３８から取り外されて現像され、後にフィ
ルムキャニスター３８へ戻される。フィルムユニット１
０はすると現像されたフィルムのカセット４０として保
持され、フィルム片３６は必要に応じて写真印画又は他
の最終画像の準備のために一時的に引き出される。

【００１５】記憶された画像はここでは概して、撮像さ
れる被写体の現実的な画像として、また潜像、後には現
像された画像と同じ情報内容を有するものとして扱われ
る。これは説明のために便宜上与えられる簡単化であ
り、当業者によって周知のように記憶された画像は現実
とは異なることが理解されよう。例えば、記憶された画
像は撮像系及び媒体の制限を受けるため、記憶された画
像は元の光画像とは必ず異なる。フィルム画像は、粒子
寸法といった制限を受ける。ディジタル画像は、必ず画
素化されねばならず、一般的に近傍画素から部分的に外
挿された色値を有する。ディジタル画像はまた、例えば
センサの欠陥によって質が低下した画素についての値を
外挿するため、捕捉と記憶との間で質を高めるための変
更を受けうる。フィルム上の潜像は、処理の化学的及び
物理的な影響を受ける。画像は概して画像を見ることが
できるようにするための変更を必要とする非現実的な形
式で記憶される。例えば、写真プリントフィルムは、画
像を陰画として記憶する。ディジタル画像は、表示され
るか又は印刷されねばならず、解読又は特定の表示装置
のための変更といった他の変更を必要としうる。捕捉さ
れた画像はまた、捕捉の時点におけるユーザの故意の変
更を受けうる。例えば、画像は色フィルタの使用によっ
て変更されうる。

【００１６】各フィルムユニット１０は、固有の識別子
４２（図２乃至４中、文字「Ｘ」、「Ｙ」、及び「Ｚ」
によって示す）を有する。識別子４２は、特定のフィル
ムユニット１０と関連づけられた論理メモリユニット２
０を配置するために使用される。識別子４２は、人間が
読取り可能、又は例えば標準的な一次元又は二次元バー
コードといった標準的なコード化スキームを使用する機
械読取り可能であってもなくともよい、数字又は他の英
数字又は非英数字シーケンスである。特定の識別子４２
は、特定のシーケンス又は配置及びそれと同等の識別情
報である。同等の識別情報は、シーケンス又は配置に対
して適用された暗号化又は解読関数又は他の変換といっ
た数学的関数の生成物である。フィルムユニット１０
は、シーケンス又は配置及び任意の同等の識別情報の多
数の複製を有しうる。「識別子４２」という用語はかか
る多数の複製を含むが、識別子４２は多数の複製の夫々
を読む必要なしに読み出されうる。

【００１７】識別子４２は、人間が読取り可能な形式４
４、又は一般的に使用可能な標準化された機械読取り可
能な形式４６でフィルムユニット１０の外部に記録され
うる。識別子４２は、一般的でない機械読取り可能な形
式４６でフィルムユニット１０に記録されうる。識別子
４２は、１つの部分が１つの方法で記録され、他の部分
が他の方法で記録された多数の部分を有しうる。フィル
ムユニット１０が、例えば現在フィルムカセット４０を
インデックスプリントと関連付けるためにシリアル番号
が使用されている方法と同様に使用されうる容易に読取
り可能な印（以下「ラベル番号」とも称される）を、外
部に有することは便利である。ラベル番号は識別子４２
として使用されうる。これは、以下詳述される入力装置
１６において、ユーザによる識別子４２のキー入力が必
要とされる場合に便利である。

【００１８】一回使用型カメラ２４では、識別子４２は
カセット４０及びカメラ本体２６に付される。フィルム
カセット４０内のフィルム片３６もまた識別子４２を付
されてもよい。ここでいう識別子４２は完全に固有であ
り、即ち各識別子４２は繰り返されず、各識別子４２は
単一のフィルムユニット１０及び単一の関連する論理メ
モリユニット２０に限られることが非常に望ましい。固
有の識別子４２は、番号又は符号の繰り返しのないシー
ケンスを使用することによって容易に与えられうる。異
なる販売者が同じ番号を使用しそうな場合は、固有であ
ることを確実とするために、識別子４２の中に製造者識
別番号も含まれることが望ましい。

【００１９】識別子４２は、フィルムユニット１０上に
印刷されるか、又は磁気又は光学記録媒体の領域上にデ
ィジタル記録するといった他の方法で記録されうる。識
別子４２は、画像の露光前には、人間が読取り可能、機
械読取り可能、又は人間及び機械の両方によって読取り
可能である。フィルムユニット１０への損傷の危険性、
又は識別子４２が読取られたときにフィルムユニット１
０の捕捉された画像情報又は担持容量の損失を減少する
ため、識別子４２は、画像情報の記憶とは独立に記録さ
れることが望ましい。例えば、識別子４２は内部のフィ
ルム片３６とは独立に読取られうるため、識別子４２を
フィルムカセット４０の外部に印刷することが望まし
い。識別子４２を、潜像としてのみカセット４０内のフ
ィルム片３６の前縁に設けることは望ましくない。論理
的には、識別子４２の読み取りを可能とするようフィル
ム片３６の前縁はフィルム露光の前に別に現像されうる
が、その場合はフィルムユニット１０の品質低下があり
うる。

【００２０】画像の露光の前後に読取り可能な識別子４
２が望ましい。例えば、タイプ１３５フィルムカセット
は外部に印刷された識別子４２を有してもよく、タイプ
１２０フィルムロールは、裏紙の前縁及び後縁上に印刷
された識別子４２を有しうる。両方の識別子４２は、フ
ィルム露光の前又は後に読み取られうる。幾つかのタイ
プのフィルムユニット１０では、識別子４２はフィルム
露光の前又は後に読取り可能であり、画像の露光中もま
た読取り可能である。単純な例は、カセットの外部に印
刷された識別子を有するアドバンスドフォトシステム^TM
カセットである。ロールの途中でフィルムが交換されう
る機能を有する適当なカメラでは、フィルムカセットは
任意の時点において取り出され、再装填されうる。

【００２１】フィルムユニット１０が一回使用型カメラ
２４であれば、フィルム現像前に、識別子４２がカメラ
本体２６の外部からアクセス可能であること、及びフィ
ルム現像後にフィルムカセット４０の外部からアクセス
可能であることが非常に望ましい。また再装填された一
回使用型カメラ本体２６上に誤った識別子４２が保持さ
れないよう、識別子４２はフィルムの現像時点で破壊さ
れることが望ましい。このために、フィルムカセット４
０及びカメラ本体２６上に識別子４２の別々の複製が記
録される。カメラ本体２６上の複製は、米国特許第５，
７６５，０４２号に開示されるように、露光されたフィ
ルムカセット４０がカメラ本体２６から除去されたとき
に破壊されるよう記録されうる。一回使用型カメラ本体
２６が再装填されたとき、処理は繰り返され、カメラ本
体２６上に新しい識別子４２の複製が配置される。

【００２２】図８を参照するに、識別子はフィルムユニ
ット１０上に記録される（２０２）。論理メモリユニッ
ト２０は、本明細書中の各所に記載されるように識別子
４２に関連づけられる（２０４）。フィルムユニット１
０はカメラ本体２６の中に装填され（２０６）、識別子
４２はカメラ本体２６上に記録される（２０８）。カメ
ラ２４は包装５０の中に入れられ（２１０）、識別子４
２は包装５０の上に記録される（２１２）。写真仕上げ
パラメータ５２は論理メモリユニット２０に書込まれ
（２１４）、画像は捕捉され（２１６）、画像はパラメ
ータ５２に従って本明細書に開示される１つ以上の方法
のように処理される（２１８）。カメラ本体２６はする
と新しいフィルムユニットと共に再利用されうる（２２
０）。再利用の一部として、元の識別子４２は、例えば
識別子を含むカバーパネル（別個には図示せず）を研磨
することによってカメラ本体２６上で破棄され、本体の
残る部分はカバーパネルなしで再利用される。

【００２３】識別子４２は、フィルムユニット１０を包
装５０から取り出すことなくフィルムユニットがカスタ
マイズされることを可能とするよう、フィルムユニット
１０と包装５０の外側の両方に設けられる。「ルックア
ップテーブル」という用語は、１つ以上の計算装置１８
の論理メモリの補足物及び論理メモリへのアクセスを制
御し与えるための必要な機器及びソフトウエアの両方を
意味する。

【００２４】「論理メモリユニット」という用語は、個
々のフィルムユニット１０の中に割り当てられた論理メ
モリの一部を意味し、「ルックアップテーブル」と同様
にハードウエア及びソフトウエアを含むものである。識
別子４２は、対応する論理メモリユニット２０を識別す
るためにルックアップテーブル１２の中で使用される。
識別子４２とルックアップテーブル１２中の関連する論
理メモリユニット２０との間の関係は直接的でありえ、
例えば、論理メモリユニット２０は、圧縮された又は圧
縮されていないディジタル形式で、関連するフィルムユ
ニット１０のための識別子４２を有してもよく、又は識
別子４２は論理メモリユニット２０へのポインタ又はア
ドレスでありうる。識別子４２と関連する論理メモリユ
ニット２０との間の関係は間接的であり得る。識別子４
２は、データベースの構造によって又はメモリアドレス
パスによって区別されえ、又は識別子４２の一部と論理
メモリユニット２０との間の関係は分配されうる。例え
ば、論理メモリユニット２０は、特定のハードディスク
アレイを識別するために数字３を、ハードディスクを識
別するために６を、論理アレイ、データ構造又はファイ
ル構造等を識別するために９を有しうる。他の例とし
て、識別子４２はデータベース要素を指し、その要素は
他のデータベースの要素を指しうる。特定の実施例で
は、ルックアップテーブル１２は、順次識別子４２を順
次テーブル要素と関連づけるような構造とされる。これ
らのアプローチは組み合わされることができ、個々の要
素は同じ物理的構成要素の中にあってもよく、又は１つ
以上のネットワークによって多様な場所にある多数の構
成要素が使用されうる。

【００２５】論理メモリユニット２０の割当ては、フィ
ルムユニット１０のためのデータを収容するために十分
な使用可能なメモリを取っておくために制限されうる。
取っておいたメモリは、最初はフィルムユニット１０に
関する情報を含む必要はない。しかしながら、論理メモ
リユニット２０を個々のファイル又はエントリの形式で
形成することによって論理メモリユニット２０が割り当
てられることが望ましい。更に、論理メモリユニット２
０が割り当てられたとき、識別子４２が夫々のフィルム
ユニット１０のための論理メモリユニット２０に書き込
まれること、又はルックアップテーブル１２が夫々の論
理メモリユニット２０のための識別子４２を示すような
構造とされることが望ましい。必要時に識別子４２が書
き込まれるか又は後にルックアップテーブル１２が再構
築されうるが、これはあまり制御可能でなく、従って誤
ったエントリ又は誤った割当ての危険性を増加しがちで
ある。

【００２６】論理メモリユニット２０の割当て中の識別
子４２の書込みは、各フィルムユニット１０が全ての時
点においてルックアップテーブル１２の中に少なくとも
１つの写真仕上げパラメータ５２を有することを確実と
する。フィルムユニット１０に対する損傷による識別子
４２の誤った読出しといった不規則性があるかどうかを
決定するために、フィルムユニット１０上の識別子４２
は、ルックアップテーブル１２中の識別子４２と比較さ
れうる。論理メモリユニット２０が、フィルムユニット
１０上の識別子４２の記録としっかりと結びついて夫々
のフィルムユニット１０と関連づけられれば便利であ
る。これは、割当て又は識別子４２の印刷等の失敗があ
ったときに、それに関与する論理メモリユニット２０が
容易に識別されうることを確実とする。

【００２７】個々のフィルムユニット１０に対するメモ
リ割当ては、これらのフィルムユニット１０が形成され
ると同時に又はその前に形成されえ、又は夫々の論理メ
モリユニット２０の形成はフィルムユニット１０が最初
にカスタマイズされるときまで遅延されうる。論理メモ
リユニット２０は固定の大きさの物理メモリの部分とし
て与えられうるが、これは資源の無駄である。多くのフ
ィルムユニット１０はカスタマイズされないかもしれ
ず、従ってメモリ割当て中の多くの空間が全く使用され
なくなる。必要に応じて論理メモリユニット２０の大き
さを調整することが望ましい。多くのコンピュータのオ
ペレーティングシステムは、このようにファイルの大き
さを調整するファイル割当てテーブルといったファイル
システムを含む。ルックアップテーブル１２はかかるオ
ペレーティングシステムを使用し、各メモリ割当てを別
個のファイルとして与えることができる。このアプロー
チは動作可能であるが、アクセス時間、メモリ使用、セ
キュリティの点からは最適ではない。メモリ割当てはデ
ータベース管理ソフトウエアによって扱われることが望
ましい。データベースへのアクセスは、データベース管
理システム又はＳＱＬ（構造化照会言語）といった一般
化された照会言語を通じて与えられうる。

【００２８】論理メモリユニット２０は、設定された時
間に亘って又は無期限に維持される。ルックアップテー
ブル１２中で論理メモリユニット２０に必要とされる空
間は、記録された写真仕上げパラメータ５２の範囲をデ
フォルト値からの逸脱に制限することである。換言すれ
ば、特定の処理パラメータについて論理メモリユニット
２０中のエントリが存在しないということは、そのパラ
メータについてのデフォルト値を意味する。フィルムユ
ニット１０が多数ある場合は、多くのフィルムユニット
１０は全くカスタマイズされることがなく、カスタマイ
ズされたフィルムユニット１０のための多くの写真仕上
げパラメータ５２はデフォルト値のままとされるため、
節約される空間は非常に大きい可能性が高い。

【００２９】ルックアップテーブル１２は、フィルムユ
ニット１０の使用中はフィルムユニット１０から遠隔で
ある。従って、ルックアップテーブル１２の物理的構成
要素はフィルムユニット１０の内部になく、フィルムユ
ニット１０と共に移動可能でない。ルックアップテーブ
ル１２は、写真仕上げユニット１４のうちの１つに直接
接続可能、又はその一部でありうるが、ルックアップテ
ーブル１２はまた写真仕上げユニット１４から遠隔であ
ることが望ましい。ルックアップテーブル１２は望まし
くはネットワーク接続されたコンピュータ又は計算及び
情報記憶装置のシステムである。簡単化のため、ルック
アップテーブル１２はここでは概して単一のネットワー
ク接続されたコンピュータを指すものとする。

【００３０】フィルムユニット１０のためのルックアッ
プテーブル１２への遠隔アクセスは、入力装置１６によ
って与えられる。写真仕上げユニット１４はまた、ルッ
クアップテーブル１２へ遠隔にアクセスしうる。入力装
置１６及びフィルムユニット１０は、夫々の論理メモリ
ユニット２０へ書き込むことができ、望ましくは論理メ
モリユニット２０から読み出すことができる。

【００３１】写真仕上げユニット１４は、特定のフィル
ムユニット１０のために論理メモリユニット２０から読
み出すことができ、望ましくはフィルムユニット１０が
処理されていることを示すパラメータといった幾つかの
情報を論理メモリユニット２０へ書き込むことができ
る。論理メモリユニット２０は入力装置１６及び写真仕
上げユニット１４によって繰り返し書込み可能であるこ
とが望ましい。論理メモリユニット２０に書き込まれた
全ての情報は恒久的に記録されえ、又は論理メモリユニ
ット２０中の幾つか又は全ての情報は消去可能とされう
る。現時点では、入力装置１６によって書き込まれた情
報は写真仕上げユニット１４によって消去可能でないこ
と、またその逆が望ましい。ルックアップテーブル１２
は、公益事業によって提供されるサービスと同様、略連
続的にアクセス可能であることが望ましい。換言すれ
ば、サービスは常に利用可能であるか、又は少なくとも
規則的なスケジュールで利用可能であり、天災及び他の
災難といった不可避の緊急事態のみを免れない。

【００３２】入力装置１６は、夫々の論理メモリユニッ
ト２０中のデータを変化させることによってフィルムユ
ニット１０をカスタマイズするために使用される。入力
装置１６は、夫々の識別子４２及び所望のカスタマイズ
化をルックアップテーブル１２へ伝える。（通信は図中
はシヌソイド波として象徴的に示される）。入力装置１
６は、ディスプレイ４３及びキーボード又は他の入力手
段４５を有するマイクロプロセッサ等を有する制御器３
９を含む端末に制限されうる。この場合、識別子４２は
手で入力される。

【００３３】図６を参照するに、入力装置１６はまた、
フィルムユニット１０を受容するためのステーション９
２と、フィルムユニット１０から識別子４２を読み出す
ためにステーション９２の中に配置される検出器６２と
を含む。これは、写真仕上げパラメータ５２が正しいフ
ィルムユニット１０に対して与えられることを確実とす
ることを支援する。情報は入力装置１６へ手で供給され
るか、又はスマートカードといった携帯型情報記憶装置
にアクセスすることによって与えられ得る。携帯型情報
記憶装置を用いる場合、入力装置１６は記憶装置用の適
当なインタフェースを有さねばならない。ユーザはま
た、データベースにアクセスするために顧客番号等を入
力することによって情報を与えうる。データベースは入
力装置１６の中にあってもよく、遠隔であってもよい。
携帯型情報記憶装置によって与えられる情報は、顧客の
名前、住所、アカウントデータに限られてもよく、又は
１つ以上の他の写真仕上げパラメータ５２についてのユ
ーザの好みを含みうる。入力装置１６は専用装置であっ
てもよく、又は適当に適合されたパーソナルコンピュー
タ及び周辺機器でありうる。

【００３４】ステーション９２及び検出器６２の細部
は、識別子４２が記録される方法に依存する。例えば、
図６に示されるように、識別子４２が可視のバーコード
６４としてカセット４０の外側に設けられれば、検出器
６２は手持ち式バーコードリーダ６６でありえ、ステー
ション９２の残る部分は望ましくはフィルムユニット１
０を入れるよう、即ちにフィルムユニット１０を所定の
位置に受容し保持するよう適合された、支持面でありう
る。バーコードリーダ６６は、発光ダイオードのアレイ
といった光源６８と、２次元の電荷結合装置７４上に結
像するレンズ系７２といった検出ユニット７０とを有す
る。入力装置１６はまた、フィルムユニット１０又はス
テッカー７８等の上に写真仕上げパラメータ５２に関す
る情報を印刷するためのプリンタ７６を含む。入力装置
１６は写真仕上げ封筒を印刷することができ、又は写真
仕上げ封筒の必要性をなくすこともできる。少なくとも
写真仕上げ封筒が使用されない場合には、入力装置１６
がフィルムユニット１０の状態を記載したレシート８０
を供給することが望ましい。

【００３５】入力装置１６とルックアップテーブル１２
との間の通信のインタフェース及び方法は重要ではな
い。例えば入力装置１６は、ダイアルアップモデムを組
み込みこれを通じて通信してもよく、又は専用通信リン
ク又はインターネットを使用して通信してもよい。入力
装置１６は遠隔制御によってルックアップテーブル１２
を操作しうるが、安全上及び利便性のため、入力装置１
６はネットワークに接続された遠隔ノードとして作動す
ることが非常に望ましい。

【００３６】通信は、入力装置１６からルックアップテ
ーブル１２へ一方向（半二重）又は双方向（全二重）で
ありえ、ルックアップテーブル１２をすぐに変化させる
ことができ、又はテーブルを遅延して変化させることが
できる。一方向通信は、通信問題、装置故障等による誤
りの危険性を示す。遅延された通信は誤りを解決するこ
とができるが、単一のカスタマイズ化のために多数のア
クセスを必要とする。通信は双方向であり、それにより
入力装置１６中の全てのエントリがすぐに受信されたと
確認され、ルックアップテーブル１２によって入力され
ることが非常に望ましい。

【００３７】ここで特に図７を参照するに、写真仕上げ
ユニット１４は、受容ステーション９２、プロセッサ８
２、及び出力ユニット９６を有する。プロセッサ８２
は、現像機器８４、ディジタル入力装置８６、通信装置
８８、及び画像プロセッサ９０を含む。様々な構成要素
は通信路によって制御器９４に接続される。受容ステー
ション９２は、個々のフィルムユニット１０を順次に受
容するよう適合される。検出器６２又はリーダは、夫々
の識別子４２を読取る位置に受容ステーション９２の中
に配置される。検出器６２は、識別子４２の値を制御器
９４へ出力する。制御器９４は、識別子４２の値を通信
装置８８（モデムとして図示）を通じてルックアップテ
ーブル１２へ伝送する。通信装置８８は識別子４２の値
を受け取り、識別子信号をルックアップテーブル１２へ
伝送し、夫々の識別子４２に対応する写真仕上げパラメ
ータ５２のためにルックアップテーブル１２をポーリン
グするために、ルックアップテーブル１２とインタフェ
ースで接続する。すると適当な写真仕上げパラメータ５
２が制御器９４へダウンロードされる。受容ステーショ
ン９２及び通信装置８８の特徴は、上述の入力装置１６
と同様でありうる。

【００３８】制御器９４は、ルックアップテーブル１２
から通信装置８８を通じて写真仕上げパラメータ５２を
受信する。制御器９４は、フィルムユニット１０を処理
するために写真仕上げパラメータ５２に従って現像機器
８４、ディジタル入力装置８６、画像プロセッサ９０及
び出力ユニット９６を制御する。「処理」及び「処理す
る」という用語はここで同様に使用され、フィルム画像
又はディジタル画像からの印画又は他の可視の画像の準
備を広く意味するものであり、特に示されない限り印刷
を含むものである。

【００３９】「写真仕上げパラメータ」という用語はこ
こでは、処理の選択可能な面についての値を意味する。
「写真仕上げパラメータ」は、２進数、リスト、データ
構造、レコードといったデータの要素、又は１単位のソ
フトウエア、テキストファイル、又は画像といったソフ
トウエアオブジェクトである。写真仕上げパラメータは
それ自体が情報を含んでもよく、又はすべての場所で、
例えば同一のコンピュータ内又はインターネットといっ
た網を通じて、使用可能な情報の源へのポインタであり
うる。使用可能な特定のパラメータ及びそれらの値は、
処理に使用される機器及びソフトウエアの可能性に依存
する。写真仕上げパラメータ５２は、望ましくは自動化
された機器の設定を変化させることによって、プロセッ
サ８２の動作を制御する。写真仕上げパラメータ５２は
人間の介在を必要とする手順のために要求を送信するた
めに使用されうるが、これは恒久的な費用及び人間によ
る誤りの危険性を加えるため、例外的な手順のために使
用される以外は望ましくない。カスタマイズ可能な特定
の写真仕上げパラメータ５２及び使用可能なカスタマイ
ズは使用される処理装置の機能である。

【００４０】図７に示される実施例では、フィルムは現
像機器８４の中で化学的に処理され、ディジタル入力装
置８６によってディジタル化され、ディジタル画像プロ
セッサ９０によって変更され、変更後、ディジタル出力
ユニット９６によって印刷される。各構成要素８４，８
６，９０，９２及び９６はカスタマイズ可能なオプショ
ンを提供しうる。例えば、現像機器８４は、関連するＡ
ＳＡ／ＩＳＯによってフィルムを処理することができ、
又は任意にプッシュ又はプル処理を与えうる。ディジタ
ル入力装置８６は異なる解像度で走査しうる。ディジタ
ル出力ユニット９６は様々なサイズ又は仕上げ又は重さ
の幾つかの異なるタイプの任意の媒体上に印刷しうる。

【００４１】画像プロセッサは、通常の処理の一部とし
て捕捉された画像に適用されるディジタル画像変更、例
えばカラーフィルム陰画からのディジタル印刷の一部と
しての色のディジタル反転に加え、殆ど無限の様々なカ
スタマイズ可能なオプションを提供しうる。これらのオ
プションは、おおまかに２つのカテゴリ、即ち補修努力
及び修正に分けられる。補修努力は、元の情報内容を保
持するが、画像の知覚される品質を改善するために行わ
れる。修正は、画像の元の情報内容のうちの幾らかを故
意に変更することである。

【００４２】図２乃至４は、上述のシステムに基づいて
フィルムユニット１０のための写真仕上げカスタマイズ
化データを扱う方法を示す図である。フィルムユニット
１０が与えられ、論理メモリユニット２０はフィルムユ
ニット１０に割り当てられる。フィルムユニット１０
は、処理の連続的な部分として製造されうるか、又は別
々に製造されうる。図２乃至４に示される実施例では、
フィルムユニット１０は最初はフィルムカセット４０と
して与えられ、フィルムカセット４０を一回使用カメラ
本体２６（別個には図示せず）の中へ組み付けることに
よって一回使用カメラ２４へ変形される。

【００４３】特定のフィルムユニット１０のための論理
メモリユニット２０は、フィルムユニット１０の製造の
任意の段階においてフィルムユニット１０に割り当てら
れ得る。割り当ては、メモリの範囲を取っておくことに
限られうるが、各フィルムユニット１０のために個々の
論理メモリユニット２０を設定し、識別子４２を夫々の
論理メモリユニット２０の中に記録すること、又は識別
子４２とそれらの論理メモリユニット２０との間の関連
を示すテーブルを構成することのいずれかによって、識
別子４２を夫々のフィルムユニット１０と関連づけるこ
とが望ましい。特定のフィルムユニット１０のための論
理メモリユニット２０は製造後に、製造者によって、又
は流通者又は他の小売業者（以下集合的に「ディーラ
ー」と称する）によって、フィルムユニット１０に割り
当てられ得る。特定のフィルムユニット１０のための論
理メモリユニット２０はまた、ユーザへの販売後に（図
２中、買物袋２７によって象徴的に示される）、フィル
ムユニット１０に割り当てられ得る。「販売」という用
語は、ここでは販売、小売り、贈答、交換、又は、１人
の人物又は機構から他の人物又は機構へのフィルムユニ
ット１０の所有権及び／又は管理の任意の他の譲渡を意
味するものとして使用される。

【００４４】フィルムユニットのカスタマイズ化、即
ち、ルックアップテーブル１２へ写真仕上げパラメータ
５２の変化を書き込むことは、製造者、ディーラー、及
びユーザのうちの１つ又はそれ以上によって行われう
る。「ディーラー」と同様、「ユーザ」はここでは集合
的な用語として使用される。フィルムユニット１０、特
に一回使用型カメラ２４は一般的に贈答品として与えら
れ、写真撮影のために次々と手渡しされ、さもなければ
１人以上の人物によって使用される。以下の制限がなけ
れば、フィルムユニット１０は、フィルムユニット１０
の保持者によって任意の時点においてカスタマイズされ
うる。

【００４５】フィルムユニット１０は、製造者による組
付け処理の一部としてカスタマイズされうる。これは、
多数の全く同様にカスタマイズされたフィルムユニット
１０が必要とされるときに便利である。例えば、多数の
全く同じにカスタマイズされたフィルムユニット１０
は、特定の流通者又は主なスポーツイベントのために提
供されうる。フィルムユニット１０は、ディーラーによ
る流通中にカスタマイズされうる。これは、適当な数又
は少ない数のフィルムユニット１０のカスタマイズのた
めに便利である。例えば、全く同様に、又は全く同様で
なくカスタマイズされたフィルムユニット１０は、結婚
式といった特定のイベントのために提供されうる。フィ
ルムユニット１０は、最終ユーザへ渡された後にもカス
タマイズされうる。これは、１つの一回使用カメラ２４
又は少数のカメラをカスタマイズするために実際的であ
る。更なる利便性のため、カメラ２４は使用前、使用
中、使用後にカスタマイズされえ、フィルムユニット１
０が処理されたフィルムの容器として戻されたとき、フ
ィルムユニット１０は焼増し又は他の最終画像のために
カスタマイズされうる。

【００４６】ここで一般的に述べられるカスタマイズ
は、１つのフィルムユニット１０及びその関連する論理
メモリユニット２０に関するものであるが、所望であれ
ば多数のフィルムユニット１０もまた一括してカスタマ
イズされうることが理解されよう。例えば、入力装置１
６は提出されたリスト中の全てのフィルムユニット１０
に対するパラメータ変更を繰り返しうる。多数のフィル
ムユニット１０は、異なる特性を有するフィルムユニッ
ト１０のグループを与えるよう異なる方法で同時にカス
タマイズされうる。例えば、結婚式用グループは、カラ
ーカメラ及び白黒カメラを組み合わせうる。カスタマイ
ズは、段階ごとに行われうる。例えば、製造者は流通者
又はユーザへ、幾つかのカスタマイズ化を有していると
共に更なるカスタマイズを提案する説明書又は適当なソ
フトウエアを有するカメラを供給しうる。このアプロー
チは、使用可能な写真仕上げパラメータ５２の組が非常
に大きく、経験のない人物にとって厄介であるようなと
きに所望であり得る。

【００４７】可能なカスタマイズ化の組は、時間と共に
変化し、可能な写真仕上げパラメータについて改善及び
修正がなされる。ユーザが追加的な写真仕上げが要求さ
れるときにパラメータを変化させうるためシステムはこ
の種類の変化に順応する。フィルムユニット１０がカス
タマイズされると、識別子４２は、フィルムユニット１
０のための写真仕上げパラメータ５２の少なくとも１つ
の所望の変化と共にルックアップテーブル１２へ伝えら
れる。ルックアップテーブル１２は情報を受信し、識別
子４２及びフィルムユニット１０に関連づけられる論理
メモリユニット２０へ変化を書き込む。図２乃至４中、
フィルムカセット４０の形状のフィルムユニット１０は
一回使用型カメラ２４の本体の中に組み入れられ、論理
メモリユニット２０はフィルムユニット１０と関連づけ
られる。識別子４２の複製は、完成された一回使用型カ
メラ２４の外側に印刷される。一回使用型カメラ２４は
包装される。識別子４２の複製は、包装５０を除去する
ことなくフィルムユニット１０のカスタマイズを可能と
するよう、必要であれば包装５０上に印刷されうる。

【００４８】フィルムユニット１０はまずこの時点でカ
スタマイズされる。これは図２乃至４中、フィルムユニ
ット１０のための論理メモリユニット２０への写真仕上
げパラメータ「Ａ」９８の追加として図示される。包装
５０は、カスタマイズを購入者へ伝える大きな文字
「Ａ」で示される印１００を与えられる。所望であれ
ば、カスタマイズ情報は任意のカスタマイズ中に、包装
５０、フィルムユニットの外側、及び付属物に書き込ま
れうる。フィルムユニット１０は販売され、ユーザによ
ってカスタマイズされる。これは図２乃至４中、フィル
ムユニット１０のための論理メモリユニット２０への写
真仕上げパラメータ「Ｂ」１０２の追加として図示され
る。一連の画像が捕捉され、フィルムユニット１０は再
びカスタマイズされる。これは図２乃至４中、写真仕上
げパラメータ「Ａ」９８を写真仕上げパラメータ「Ａ
１」１０４へ変化させることとして図示される。

【００４９】フィルムユニット１０は写真仕上げのため
に提出され、一回使用型カメラ本体２６は除去される。
写真仕上げユニット１４はフィルムユニット１０上の識
別子４２を読み出し、フィルムユニット１０のための写
真仕上げパラメータ５２を決定するためにルックアップ
テーブル１２と通信する。ルックアップテーブル１２は
写真仕上げパラメータ５２を報告（検索）し、フィルム
はこれらのパラメータに従って処理される。写真仕上げ
ユニット１４はまたフィルムユニット１０をカスタマイ
ズする。これは図２乃至４中、フィルムユニット１０の
ための論理メモリユニット２０への写真仕上げパラメー
タ「Ｃ」１０６の追加として図示される。フィルムユニ
ット１０は、最終画像（別個には図示せず）と共にユー
ザへ返却される。フィルムユニット１０は再びカスタマ
イズされ、追加的な写真仕上げのために戻される。これ
は図２乃至４中、写真仕上げパラメータ「Ｄ」１０８の
追加、及び、写真仕上げパラメータ「Ａ１」１０４を写
真仕上げパラメータ「Ａ２」１１０へ変化させること、
及び、写真仕上げパラメータ「Ｂ」１０２を写真仕上げ
パラメータ「Ｂ２」１１２へ変化させること、として図
示される。

【００５０】パラメータ５２は、詳細な例を与えるため
に特定の手順に関連されうる。図２乃至４を参照する
に、最初のカスタマイズ化は製造者によるものであり、
写真仕上げパラメータ「Ａ」９８は、疑似パノラマ形式
（以下「パン」印画）の縁なし写真印画を示しうる。次
のカスタマイズ化はユーザによるものであり、写真仕上
げパラメータ「Ｂ」１０２は、ユーザが写真仕上げ生成
物２２を郵送で返却することを望んでいることを示し、
郵送用の住所等を供給する。次のカスタマイズ化もまた
ユーザによるものであり、特定の縁を有するパン印画を
示す。次のカスタマイズ化は写真仕上げ者によるもので
ある。

【００５１】写真仕上げパラメータ「Ｃ」１０６は、フ
ィルムユニット１０が現像されており、全ての将来の処
理にはフィルム現像が含まれないことを示す。次のカス
タマイズ化は再びユーザによるものである。写真仕上げ
パラメータ「Ａ２」１１０は、異なる縁を有するパン印
画を示す。写真仕上げパラメータ「Ｂ２」は、ユーザの
ための新しい返却用住所である。写真仕上げパラメータ
「Ｄ」１０８は、更なる印画が要求されている陰画をリ
ストする。この例より、写真仕上げパラメータ５２は、
特定のフィルムユニット１０のための全ての写真仕上げ
サービスを関連づけうることが明らかとなろう。そのフ
ィルムユニット１０の写真仕上げに関連づけられない他
のサービス又は生成物もまた提供されうるが、これはサ
ービス又は生成物がフィルムユニット１０の中で捕捉さ
れる画像と幾らかの関係を有さないかぎり、限られた効
用のものでありうる。

【００５２】ここでいうカスタマイズ化とは、露光と独
立の情報、即ち画像捕捉の時点における様々なカメラ及
び／又はシーン係数と独立の情報に限られる。ここでは
捕捉装置によって記録された情報と称されるこれらの係
数は、一般的には画像露光の時点において捕捉される。
例えば、幾つかのアドバンスドフォトシステム^TMカメラ
は、かかる露光のためのシャッター速度、フラッシュ使
用、及びカメラ被写体間距離を記録する。ここで図２４
を参照するに、フィルムユニット１０は、捕捉装置によ
って記録された情報の記憶のための局部データメモリ１
１４を含みうる。局部データメモリ１１４の形状は重要
ではない。例えば、局部データメモリ１１４は、写真フ
ィルム片３６上の磁気的に記録可能な層であってもよ
く、又はフィルムカセット４０又は一回使用型カメラ２
４の本体の中に設置される電子メモリ部品であってもよ
い。図２２は、フィルムユニット１０と、局部データメ
モリ１１４を使用するのに必要な部品とを示す図であ
る。この場合、局部データメモリ１１４は、フィルムカ
セットの中又は上に含まれる電子メモリユニット又は磁
気的に記録可能な領域である。局部データメモリ１１４
を使用するのに必要な部品、例えば制御器１２１及び読
み書き装置１２２は、フィルムユニット１０の中に供給
されてもよく、又は入力装置１６又はカメラ又は他の装
置によって供給されてもよい。

【００５３】アドバンスドフォトシステム^TMの場合のよ
うに、局部データメモリ１１４は、フィルム片全体にユ
ーザの名前及びユーザの肩書きといった露光と独立の情
報を与える写真仕上げパラメータを担持するために使用
されうる。カメラは、自動的に、又はユーザのオプショ
ンによって、写真仕上げパラメータを局部データメモリ
１１４に書き込む。

【００５４】図１０は、フィルムユニットに関連した捕
捉装置によって記録され露光と独立の情報を記憶する方
法の実施例を示す図である。論理メモリユニット２０
は、フィルムユニット１０に割り当てられる（６０
４）。露光と独立の情報を与える写真仕上げパラメータ
は、画像捕捉（２１６）の前、又は後（８０６）、又は
前後に、上述のように論理メモリユニット２０へ書き込
まれる（２１４）。捕捉装置によって記録された情報を
与える写真仕上げパラメータは、各画像捕捉（８１２）
のための局部データメモリ１１４に書き込まれる（８１
０）か、又はその逆が行われる。捕捉装置によって記録
された情報は、写真仕上げ中に適当な機器によって読み
出され（８１９）、論理メモリユニットの中の露光に独
立の情報及び任意の他の写真仕上げパラメータが検索さ
れる（８１５）。フィルムユニットは次に、論理メモリ
ユニットの中の捕捉装置によって記録された情報、露光
に独立の情報、及び任意の他の写真仕上げパラメータに
従って処理される（８２１）。２つの情報源の間の競合
は、一般的ではなく、所定の優先規則によって扱うこと
ができる。写真仕上げ中に局部データメモリ１１４が読
み出されるときに情報が適当に扱われることを確実にす
るために、フィルムユニット１０のための識別子４２は
局部データメモリ１１４の中に記録されることが望まし
い。

【００５５】図１１、２７及び２８を参照するに、処理
の時点において、露光に独立の情報は（既に検索されて
いないかぎり）論理メモリユニットから検索されえ（８
１４）、局部データメモリ１１４の中に記録されうる
（８１６）。図２７中、識別子「Ｘ」（参照番号１０
１）は予め記録された写真仕上げパラメータ「Ｂ」（参
照番号１０２）及び「Ｅ」（参照番号１２６）と共に局
部データメモリ及び論理メモリユニットの中に現れる。
画像は捕捉され、フィルムユニットは最初に写真仕上げ
される。未来の写真仕上げにおいて有用でないデータは
論理メモリユニットから削除される。

【００５６】図２７及び２８中、「Ｅ」が削除され、フ
ィルムが処理されていることを示すパラメータである
「Ｃ」が記入される。所望であれば、フィルムユニット
が入力装置の中に配置され論理メモリユニットがアクセ
スされたときに、露光に独立の情報もまた読み出され、
局部データメモリへ記録されうる（８１６）。局部デー
タメモリの中への記録は、論理メモリユニット２０のた
めのバックアップを与える。論理メモリユニットは露光
情報が局部データメモリの中にアーカイブされているこ
とを示すためフラグ付けされえ（８１７）、これは図２
７及び２８において文字「Ｆ」（参照番号１２４）によ
って示される。論理メモリは、幾らかの所定の時間期間
に亘って維持されうる（８２３）。「フラグ」は維持期
間を示しうる。局部データメモリの中に記録された写真
仕上げパラメータは、ルックアップテーブル１２の中の
論理メモリユニットから除去されてもよく（８２５）、
又はフィルムユニットのための論理メモリユニットはフ
ィルムユニットと分離されてもよく、即ち削除されても
よく（８１８）、又は両方が順に行われうる。

【００５７】論理メモリユニットが保持されれば、含ま
れる情報は、記入された識別子と、図２７及び２８中の
写真仕上げパラメータがアーカイブされ削除されている
こと又は単に削除されていることを示すフラグ「Ｇ」
（参照番号１２５）とに限られうる。写真仕上げユニッ
トは、夫々のフィルムユニットの局部メモリユニットの
実際の読み出しを作動するためにフラグ「Ｇ」を使用し
うる。これはルックアップテーブルの中のかなりの空間
を節約しうる。後にフィルムユニットが更なる写真仕上
げのために提出されれば、削除された論理メモリユニッ
トを置き換えるために新しい論理メモリユニットが割り
当てられてもよく、また、局部データメモリ中のパラメ
ータは代わりの局部メモリユニットへ記入されうる（８
２２）。図２７及び２８中、新しい維持期間を有するフ
ラグ「Ｆ１」（参照番号１２３）は以前のフラグ「Ｆ」
を置き換える。

【００５８】露光に独立の情報を使用するフィルムユニ
ット１０のカスタマイズ化は、最低でも、特定のフィル
ムユニット１０のための論理メモリユニット２０が、写
真仕上げパラメータ５２が適当な写真仕上げユニット１
４へ報告されるまで維持されねばならないことを必要と
する。論理メモリユニット２０は、最初の写真仕上げの
前及び後の繰り返されるカスタマイズのためにアクセス
可能であり、写真仕上げユニット１４への繰り返される
報告のためにアクセス可能であるままとされることが望
ましい。最も簡単な解法は、ルックアップテーブル１２
が全ての論理メモリユニット２０の中に全てのパラメー
タを恒久的に保持することである。必要とされる記憶空
間は、フィルムユニット１０の数が非常に多くとも１つ
のユニット当たりに記憶される全情報が小さい、又は、
幾つかの情報を削除することにより小さくされうるた
め、管理可能である。

【００５９】論理メモリユニット２０はまた、所定の時
間期間、例えば販売日から５年間又は最も最近の写真仕
上げイベントから５年間に亘って維持されうる。識別子
は固有のものでありつづけるため、削除された論理メモ
リユニット２０は、フィルムユニット１０が入力装置１
６又は写真仕上げユニットの中に配置され、ルックアッ
プテーブルがアクセスされたときは、自動的に再割当て
されうる。写真仕上げパラメータ５２は、その時点に再
形成されるか、又は局部データメモリ１１４中の値から
復元されうる。

【００６０】カスタマイズ化は、論理メモリユニット２
０の維持に加え、写真仕上げユニット１４が論理メモリ
ユニット２０にアクセスし、記録された写真仕上げパラ
メータ５２に従って写真仕上げを行うことを必要とす
る。ここで図７及び９を参照するに、一連のフィルムユ
ニット１０は、自動化された材料処理機器によって又は
手動で受容ステーション９２の中へ供給される。受容ス
テーション９２は一回に１つのフィルムユニット１０を
受容する（３０２）。（所望であれば、多数の受容ステ
ーション９２は縦列にして使用されうる）。

【００６１】フィルムユニット１０は識別子４２によっ
てソートされうるか、又は幾つかの他の方法で予め配置
されうるが、通常は、フィルムユニット１０は識別子に
よってランダムな順とされる混合体である。フィルムユ
ニット１０の混合体は、識別子４２が損傷又は欠如して
いるフィルムユニット１０を含みうる。混合体は、識別
子４２が誤り、又は損傷、又は故意の偽造によって読取
り不可能又は偽物であるフィルムユニット１０を含みう
る。混合体は更に、異なる状態にあるフィルムユニット
１０を含みうる。例えば、フィルムユニット１０のうち
の幾つかは捕捉された潜像を有する現像されていないフ
ィルムを含みうるが、一方でその他のフィルムユニット
１０は捕捉された現像された画像を有し、更なる写真仕
上げのために戻された以前に現像されたフィルムを含み
うる。混合体はまた、異なる現像処理を必要とする現像
されていないフィルムユニット１０を含みうる。

【００６２】フィルムユニット１０は、いったん受容ス
テーション９２の中に入ると、読取り可能な識別子４２
の存在についてチェックされる（３０４）。リーダはフ
ィルムユニット１０に向けられ、識別子４２が読出され
るか、又は読出し可能でないことが見いだされる。この
段階は自動化されることが望ましく、従って識別子４２
の容易且つ正確な読出しを確実とするようフィルムユニ
ット１０が識別子４２の形状及び位置について標準化さ
れることが望ましい。特定のフィルムユニット１０の識
別子が読出し不可能であることが見出されれば、そのフ
ィルムユニット１０は選り除けられる（３０６）。選り
除けられたフィルムユニット１０は次に特別な扱いを受
ける。例えば、フィルムユニット１０は個々に処理され
てもよく、又は提出者へ戻されてもよく、又はフィルム
ユニット１０上に新しい識別子４２が配置されてもよ
く、するとフィルムユニット１０は受容ステーション９
２へ再び提出されうる。識別子４２の情報が全く得られ
ない場合、又は情報が明らかに間違っているとき、識別
子４２は読取り不可能である。例えば、識別子４２は、
それが間違っていれば識別子４２を読取り不可能にする
チェックサム又は他の誤りチェック符号を含みうる。

【００６３】識別子４２を読み取った後、写真仕上げユ
ニット１４はルックアップテーブル１２にアクセスし
（３０８）、識別子４２がリストされているかを決定す
るためにルックアップテーブル１２をポーリングする
（３１０）。識別子４２がリストされていないか又は識
別されていなければフィルムユニット１０は選り除けら
れ（３０６）、上述されたように別個に扱われる。写真
仕上げユニット１４は、ルックアップテーブル１２から
リストされた識別子４２を有する各フィルムユニット１
０のための写真仕上げパラメータ５２の報告を受信し
（３１４）、夫々の写真仕上げパラメータ５２に従って
フィルムユニット１０を処理する（３１６）。写真仕上
げパラメータは、フィルムが処置されていたことを示す
ようルックアップテーブルの中で変化され（２１４）、
所望であれば処理についての他の情報を記録する。処理
は同じフィルムユニットの追加的な写真仕上げのために
繰り返されうる（３２０）。

【００６４】写真仕上げパラメータ５２は、必要に応じ
てフィルムユニット１０の処理の直前にルックアップテ
ーブル１２から獲得されてもよく、又はより早くに獲得
され必要とされるまで写真仕上げユニット１４の制御器
９４の中に記憶されうる。処理は、写真仕上げパラメー
タ５２に依存して変わる。ディジタルフィルムユニット
又は以前に現像されたフィルム式のフィルムユニット１
０では、写真仕上げパラメータ５２は現在の写真仕上げ
にはフィルム現像が含まれないことを示す。フィルムユ
ニット１０が最初に現像されていれば、フィルムが現像
されていたことを示すために、ルックアップテーブル１
２の夫々の論理メモリユニット２０の中の写真仕上げパ
ラメータ５２へ変化が書き込まれうる。他の変化は、所
望に応じて、処理の記録特性へ書き込まれうる。現像さ
れていないフィルムユニット１０では、写真仕上げパラ
メータ５２は、フィルム１０を異なる処理へソートする
ためのソート機器を制御するパラメータと、これらの処
理を与える自動化された現像機器８４のための設定パラ
メータとを含みうる。印刷のための写真仕上げパラメー
タ５２は、画像のディジタル修正、ハードコピー即ちデ
ィジタルコピー用の媒体の選択、特定のプロモーション
の選択等を含みうる。表１は、写真仕上げパラメータ５
２のカテゴリの幾つかの例を列挙する。

【００６５】

【表１】

【００６６】写真仕上げパラメータ５２は、自動化され
た写真仕上げ機器等を制御するために詳細な命令として
テーブル中に記憶されうるか、又はこれらの命令を含む
データベースへのポインタとして記録されうる。データ
ベースは機器から遠隔であってもよく、又は個々の装置
又は写真仕上げユニット１４のグループの中に組み込ま
れうる。望ましい実施例では、識別子４２は連続した番
号である。ルックアップテーブル１２は、そのルックア
ップテーブル１２の各論理メモリユニット２０が一連の
識別子４２のただ一つのメンバに対応するよう割り当て
られる。ルックアップテーブル１２は、他のデータレコ
ードへのポインタのみを含む。初期的には、ポインタは
全て「データ無し」を示す同一の値に設定される。写真
仕上げデータが物理的なフィルムユニット１０に対応す
る論理メモリユニット２０へ付加されると、当該のデー
タを含むレコードへのポインタが「データ無し」ポイン
タを置き換える。フィルムユニット１０が製造されると
きにフィルム特性が指されれば、フィルムユニット１０
のためのデータの続く有効な要求は「データ無し」メッ
セージを決して与えない。

【００６７】ルックアップテーブル１２は、簡単にうっ
かりとした又は悪意のある損傷の危険性にさらされては
ならない重要な情報を含む。セキュリティ手段は、その
連続番号を有するフィルムユニット１０のための論理メ
モリユニット２０へのアクセスのために提出されねばな
らないアクセスコード１２８の使用によって与えられ得
る。アクセスコード１２８は、識別子４２の一部であっ
てもよく、又は識別子４２に対して補助的なものであっ
てもよい。（人間が読取り可能なラベル番号の暗号化さ
れた同等の識別情報の形状のアクセスコード１２８につ
いては以下説明する。）アクセスコード１２８は夫々の
論理メモリユニット２０の中に記録されるか、又は代わ
りに論理メモリユニット２０へのアクセスを制限するゲ
ートキーパー１３０、即ちルックアップテーブル１２の
物理的又は論理的な部分の中に記録される。特定の論理
メモリユニット２０へのアクセスがされるためには識別
子４２及びアクセスコード１２８の両方が提出され一致
されねばならない。アクセスコード１２８の使用は、ル
ックアップテーブル１２の誤った使用を防止する。正し
い識別子４２によって提出された正しくないアクセスコ
ード１２８は同様にアクセスを阻止する。有用であるた
めに、アクセスコード１２８は特定のフィルムユニット
１０に対して個々に与えられ、カスタマイズ化が所望と
されるときにカメラの保持者によって使用可能でなくて
はならない。

【００６８】ここで特に図１２及び１３を参照するに、
特定の論理メモリユニット２０のためのアクセスコード
１２８は夫々のフィルムユニット１０と共に譲渡され
る。論理メモリユニット２０はアクセスコード１２８に
よって保護されたアクセス権を有する。アクセスコード
がセキュリティを与える方法は多様である。例えば、別
個のコンピュータファイルである論理メモリユニット２
０では、アクセスコードは読出し又は書込み又は何らか
の方法でそのファイルにアクセスする前に供給されねば
ならないパスワードでありうる。アクセス権は読出しの
みに制限されるか、又は何らかの他の方法で制限される
うるが、論理メモリユニット２０から繰り返して読出し
及び書込みができる権利を含むことが望ましい。フィル
ムユニット１０の保持者は従って、論理メモリユニット
２０によって与えられる写真仕上げパラメータ選択を制
御しうる。

【００６９】特に図１２を参照するに、フィルムユニッ
トが準備され、アクセスコードが発生される（４０
４）。アクセスコードによって保護されたアクセス権を
有する論理メモリユニットは、フィルムユニットへ割り
当てられる（６０４）。この割当ては、上述のように識
別子を使用しうる。アクセスコードは、フィルムユニッ
トに含まれるよう記録される（４１２）。この記録は、
フィルムユニット上、フィルムユニット用の包装上、紙
片又は他の付属物の上に、又はフィルムユニットのユー
ザへアクセスを与える他の方法で与えられるが、これら
以外では秘密状態を維持する。フィルムユニットは販売
されるか又は譲渡される（４０６）。写真仕上げパラメ
ータは販売（４０６）の前又は後、又は前後に論理メモ
リユニットへ書込まれうる（２１４）。アクセスコード
はフィルムユニットと共に譲渡される（４１４）。フィ
ルムユニットは画像を捕捉するため（２１６）に使用さ
れ、画像は後に写真仕上げの時点に夫々の論理メモリユ
ニットの中にある写真仕上げパラメータに従って写真仕
上げされる（２１８）。アクセスコードは譲渡後はフィ
ルムユニットの購入者即ち譲受人によってのみ使用可能
であり、アクセスコードによって制御される書込みアク
セス権がフィルムユニット及びフィルムの譲渡の後は製
造者によっては保持されないことが非常に望ましい。

【００７０】アクセスコード１２８とフィルムユニット
１０とが不注意によって離されることを防ぐため、アク
セスコード１２８は画像記憶とは独立に、即ちフィルム
と独立に、又はディジタルユニットではディジタル記憶
領域とは独立に、フィルムユニット１０上に記録される
ことが望ましい。アクセスコード１２８は、ルックアッ
プテーブル１２がアクセスされたときにキーとされる一
連の英数文字といった、人間が読取り可能なパスワード
１３２でありうる。この場合、アクセスコード１２８
は、識別子４２と同様にフィルムユニット１０上に記録
されうる。このアプローチの利点は、入力装置１６とし
て通常のパーソナルコンピュータが使用されうることで
ある。このアプローチの欠点は、パスワードを、フィル
ムユニット１０の保持者によって容易に使用可能であり
同時に他人には使用可能でないように記録することが困
難なことである。アクセスコード１２８は、フィルムユ
ニット１０と共に供給される紙片１３４等の上に与えら
れ得るが、これは時間を経ると、アクセスコード１２８
がユーザによって失われてしまうという危険性を有す
る。

【００７１】アクセスコード１２８及び識別子４２は共
に、人間又は機械が読取り可能な形状でフィルムユニッ
ト１０又はフィルムユニット１０用の容器上に記録され
うる。ユーザが追加的な支払いを負うようになるような
パラメータの変化に対しては、他の形式の識別、例えば
クレジットカードが必要とされてもよい。アクセスコー
ド１２８は、一般的でない機械読取り可能な形式でフィ
ルムユニット１０上に記録されうる。識別子４２もまた
機械読取り可能であることが望ましい。識別子４２が更
に、人間が読取り可能なものであれば便利である。

【００７２】機械読取り可能なアクセスコード１２８を
読むには、適当な検出器６２を有する入力装置１６の使
用が必要とされる。またアクセスコード１２８がフィル
ムユニット１０の中に埋設され、即ちフィルムユニット
１０に損傷を与えなくては修正できないように記録され
ることが望ましい。例えば、埋設されたアクセスコード
１２８は、クレジットカード上に磁気ストライプが通常
与えられるのと同様に、修正可能でない磁気ストライプ
１３６がフィルムユニット１０の外側に与えられ得る。
埋設されたアクセスコード１２８は、同様に、フィルム
ユニット１０の外側に取り付けられた、又はフィルムユ
ニット１０の内側に据え付けられた電子メモリ部品又は
他の局部データメモリ１１４の中に与えられ、電気接続
を通じてアクセス可能でありうる。

【００７３】図１３中、フィルムユニット１０は、カメ
ラ本体２６の外側に磁気ストライプ１３６を有する一回
使用型カメラ２４である。カメラ本体２６は、やはり磁
気ストライプ１３６を有するフィルムカセット４０を図
示するために切截されて示されている。両方の磁気スト
ライプ１３６は、同じ論理メモリユニット２０のための
アクセスコード１２８を有する。カメラ本体２６及びフ
ィルムカセット４０は夫々識別子４２及びフィルムカセ
ット４０がアクセスコード１２８を有することを示す印
１００を有する。図１３中、印１３は「アクセスコード
付き」の文字によって示されている。

【００７４】アクセスコード１２８は、識別子４２と同
様の方法で、フィルムユニット１０及び包装５０の両方
の上に設けられうるが、これは包装５０が捨てられたと
きにアクセスコード１２８の秘密性が失われるという危
険性を与える。フィルムユニット１０及びその論理メモ
リユニット２０は、アクセスコード１２８が発生されフ
ィルムユニット１０及びルックアップテーブル１２に記
録されねばならず、ルックアップテーブル１２へのアク
セスのためにアクセスコード１２８が認識されねばなら
ないことを除き、上述のように使用される。

【００７５】特定のフィルムユニット１０用のアクセス
コード１２８は、論理メモリユニット２０をフィルムユ
ニット１０へ割り当てる前又は後に発生されうる。フィ
ルムユニット１０の製造中に、埋設されたアクセスコー
ド１２８が発生されフィルムユニット１０の中に記録さ
れることが望ましい。また製造中に、識別子４２が発生
され論理メモリユニット２０が割り当てられることが望
ましい。

【００７６】ラベル番号、アクセスコード、及び識別子
は、全て互いに別々でありうる。或いは、単一の英数ス
トリング等がラベル番号、識別子、及びアクセスコード
として作用しうる。中間の状態もまた同様に共に可能で
あり実際的である。説明のため、図中、アクセスコード
は概して識別子から離れ、ラベル番号もまた離れてい
る。

【００７７】図１７を参照するに、アクセスコード１２
８は、２つのセグメント或いは部分を有するようにし、
その一方は他方を暗号化したものとすることができる。
フィルムユニット１０の識別子４２は、一つ又は両方の
セグメントを含みうる。ルックアップテーブル１２は、
提出された第１のセグメントを解読することによって得
られたコード値が第２のセグメントに一致すれば、フィ
ルムユニット１０のユーザ又は他の保持者に対してのみ
ルックアップテーブル１２の中に遠隔に記憶されたデー
タへのアクセスを許す。ルックアップテーブル１２へア
クセスするとき、フィルムユニット１０が位置合わせさ
れ、アクセスコード１２８の暗号化された第１のセグメ
ントが検出される。位置合わせは、望ましくは識別子４
２を読み出すために、フィルムユニット１０を入力装置
１６の中へドッキングし（１３８）、第１のセグメント
を読むこと（１４０）を含む。すると維持されたキーが
アクセスされる（１４２）。次に第１のセグメントが解
読され（１４４）、第２のセグメントとの一致について
調べられる（１４６）。一致すれば、夫々のフィルムユ
ニット１０のための論理メモリユニット２０へのアクセ
スが許される（１４８）。一致しなければ、アクセスは
拒否される（１５０）。写真仕上げユニット１４の受容
ステーション９２へのドッキングのために同じ段階が行
われる。写真仕上げユニット１４の中で、アクセスが拒
否されれば（１５０）、フィルムユニット１０は選り除
けられ、フィルムユニット１０は別に扱われる。

【００７８】アクセスコード１２８の異なるセグメント
の場所及び使用は、異なる実施例で様々である。幾つか
の実施例では、アクセスコード１２８の第１及び第２の
セグメントは両方ともフィルムユニット１０上にある。
ここで特に図１３乃至１７を参照するに、アクセスコー
ド１２８の第２のセグメントは識別子４２のラベル番号
であり、人間が読取り可能且つ機械読取り可能な形状で
フィルムユニット１０の外側に記録される。アクセスコ
ード１２８の暗号化された第１のセグメントは、機械読
取り可能な形状でのみフィルムユニット１０の外側に記
録される。セグメントはまた他の方法でフィルムユニッ
ト１０上に記録されうる。例えば、第１のセグメントは
人間が読取り可能な形状４４で記録されうる。第１のセ
グメント及び第２のセグメントの使用は逆であってもよ
く、即ち、第１のセグメントはラベル番号としてフィル
ムユニット１０上に記録されうる。このアプローチは、
暗号化された第１のセグメントの中で使用される暗号文
が通常の英数文字に限られるときにのみ所望である。

【００７９】特定の実施例では、アクセスコード１２８
の暗号化された第１のセグメントを解読するために使用
されるキー１５２は、フィルムユニット１０上には記録
されない。図１４乃至１６を参照するに、キー１５２は
入力又は写真仕上げユニット１４によって維持され供給
されうる。再び図１４乃至１６を参照するに、キー１５
２は或いはゲートキーパー１３０、即ちルックアップテ
ーブル１２のうち論理メモリユニット２０へのアクセス
を制御する部分、によって維持され供給されうる。解読
は、ルックアップテーブル１２の中で実行されるか、或
いは、入力装置１６及び写真仕上げユニット１４の中で
実行されうる。解読は、キーを供給するのと同じ部品の
中で実行されれば便利である。いずれの場合も、解読の
際、第１のセグメントは、第２のセグメントと一致する
かどうか調べられる。第２のセグメントは、一致を調べ
る直前又は幾らか早くに、フィルムユニット１０から読
み出される。一致すれば、直接ゲートキーパー１３０に
よって又はルックアップテーブルの主部分へ送信される
許可信号によって、夫々の論理メモリユニット２０への
アクセスが認められる。

【００８０】暗号化された第１のセグメントのためのキ
ー１５２は、暗号化及び解読のために同じキー１５２が
使用される対称暗号化・解読アルゴリズムに基づくもの
であってもよく、又は暗号化及び解読のために異なるキ
ー１５２が必要とされる非対称暗号化・解読アルゴリズ
ムに基づくものであってもよい。暗号化キー１５２が厳
重に保持されうるため、非対称暗号化・解読アルゴリズ
ムが望ましい。これは、暗号化キー１５２が不正に使用
され、ルックアップテーブル１２の中の論理メモリユニ
ット２０の中の有効な情報を害しうる偽造フィルムユニ
ット１０を生成するために使用されるという危険性を減
少する。キー１５２はまた、コードブック、即ち同種の
識別情報であってもなくてもよい夫々の第１及び第２の
セグメントを連結するテーブル、の形を取りうる。

【００８１】ここで図１９及び２０を参照するに、幾つ
かの実施例では、フィルムユニット１０は暗号化された
第１のセグメントのみを有する。第２のセグメントはル
ックアップテーブル１２の中にのみ存在する。フィルム
ユニット１０は、暗号化又は解読によってアクセスコー
ド１２８に関連しないシリアル番号又はラベル番号を含
みうる。図１７及び１８及び２０を参照するに、第１の
セグメントは、ゲートキーパー１３０、入力装置１６、
又は写真仕上げユニット１４の中に保持されるキー１５
２によって解読されうる。解読によって生成されるコー
ド値は、次にルックアップテーブル１２の主部分へ伝送
され、ルックアップテーブル１２の中にある第２のセグ
メントと一致するかどうか調べられる。

【００８２】図１のシステムにおいて、ルックアップテ
ーブル１２の中の各フィルムユニット１０のためのエン
トリは、識別子４２を含み、更なる情報又はデフォルト
の写真仕上げパラメータ５２からの１つ以上の変化を含
まない。サブユニットへ分割されたルックアップテーブ
ルを有する他のシステムでは、ルックアップテーブル１
２の中の各論理メモリユニット２０は、夫々が異なるク
ラスの情報を有する２つ以上のサブユニットを含む。サ
ブユニットは論理的又は物理的な区画であってもよく、
論理メモリユニット２０と同様に相互に異なってもよ
い。別々のユーザ及び製造者サブユニットが便利だが、
この目的のために任意の数のサブユニットが設けられ得
る。便宜上、本システム及び方法はここでは一般的にユ
ーザ及び製造者サブユニットという用語を用いて説明さ
れるが、これらの用語は記述的であり、制限を課すもの
ではないと理解されよう。

【００８３】図１４，１５及び１８を参照するに、フィ
ルムユニットが製造され、ユーザアクセスコード１５１
及び製造者アクセスコード１５３が発生され（９０２）
（９０４）、フィルムユニットに対してユーザ及び製造
者サブユニットを有する論理メモリユニットが割り当て
られる（９０６）。写真仕上げパラメータは上述される
ように指示され（９０８）、フィルムユニットは販売又
は譲渡される（４０６）。ユーザアクセスコードはサブ
ユニットと共に譲渡され（９１２）、フィルムユニット
は画像を捕捉するために使用される（２１６）。論理メ
モリユニットは維持され（９１５）、アクセスコードを
用いたアクセスが達成された後（９１９）、パラメータ
の変化はユーザから論理メモリユニット（９１７）へ記
入されうる。フィルムユニットは処理のために提出さ
れ、写真仕上げパラメータは写真仕上げユニットへ報告
され（３１４）、フィルムユニットはパラメータに従っ
て処理される（９１６）。処理の完了の前に、製造者ア
クセスコードは写真仕上げユニットへ与えられる（９１
４）。

【００８４】アクセスコードは、フィルムユニットの中
にありえ、例えば現像されていないフィルム片に光学的
に記録され現像後に読み取られるようなものである。製
造者アクセスコードもまた別に供給されうる。写真仕上
げユニットは一般的にはアクセスコードのリストを与え
られ、共通のコードは一連のフィルムユニットのために
使用されえ、又はアクセスコードは必要に応じて個々に
送信されうる。写真仕上げ装置は、代わりに、特定のコ
ードなしに製造者サブユニットへ読出しアクセスを許し
うる。所望であれば、写真仕上げユニットは、論理メモ
リユニットの別の写真仕上げサブユニットに対して、写
真仕上げ及び現像又はその他の写真仕上げをされたフィ
ルムユニットの状態に関する情報のみを書き込むことが
許されうる。

【００８５】ユーザサブユニット１５６は、ここでは
「ユーザデータ１６０」と称される情報のクラスを有
し、これは上述のようにデフォルトの写真仕上げパラメ
ータ５２からのユーザによって修正可能な変化を含む。
製造者サブユニット１５８は、ここでは「製造者データ
１６２」と称される第２の情報のクラスを有し、これは
製造者又は製造者の指名者によってのみ変更を受けう
る。このクラスは、フィルムの種類及び画像の数といっ
た標準的な処理データ、補修的な画像のカスタマイズ
化、及びフィルム製造の日付及び最初のユーザカスタマ
イズ化の日付といった市場調査のために有用な履歴情報
を含む。

【００８６】

【表２】

【００８７】表２は、ユーザサブユニット１５６及び製
造者サブユニット１５８の中に記憶されうるデータの種
類の例を示す。製造者サブユニット１５８はユーザサブ
ユニット１５６と同様にルックアップテーブル１２の中
に記憶されうるが、異なる方法でアクセスされてもよ
く、或いは他のサイト又はメモリ装置等の中に物理的に
離されてもよい。いずれの場合も、ユーザデータ１６０
及び製造者データ１６２は共に、ルックアップテーブル
１２がアクセスされたときに処理装置に与えられる。ユ
ーザデータ１６０と製造者データ１６２との間の競合の
可能性が防止されることが望ましい。これは、ユーザカ
スタマイズの時点における利用可能なオプションを、予
め記録された製造者データ１６２に従って制限すること
によって行われる。この機能のための適当なソフトウエ
アは、ルックアップテーブル１２のコンピュータの一部
して、又は入力装置１６の中に与えられ得る。

【００８８】ユーザデータ１６０と製造者データ１６２
との間に競合の可能性があれば、適当な状況下でユーザ
データ１６０又は製造者データ１６２が支配することを
許すような選択規則が与えられ得る。２つ以上の情報の
クラスが与えられ得る。例えば、ユーザは、情報を細分
化し、他人に対して制限されたアクセスを与えることが
可能である。別個のサブユニット及び情報のクラス、例
えば利用可能なプロモーションは、流通者のために与え
られ得る。別個のサブユニット及び情報のクラスは修正
不可能な情報のために与えられ得る。これは、例えば、
フィルムユニット１０が処理されていたことを記録する
ために使用されうる。この修正不可能なサブユニットは
またフィルムユニット１０の恒久的なカスタマイズ、例
えばそのフィルムユニット１０からの全ての将来的な焼
増しに対する予め支払われたダブルプリントを含みう
る。

【００８９】特定のフィルムユニット１０のための論理
メモリユニット２０の２つのサブユニットは、書込みの
ため、又は書込み及び読出しの両方のための、別々のア
クセス権を有することが望ましい。上述のような別個の
アクセスコード１２８は、各サブユニットのために供給
されうる。ユーザデータ１６０のためのアクセスコード
１２８は上述のようにフィルムユニット１０と共に譲渡
されうるが、製造者データ１６２のためのアクセスコー
ド１２８は製造者又は指名者によって保持される。製造
者アクセスコード１２８、又は他のサブユニットのため
のアクセスコード１２８は、写真仕上げ情報又は流通デ
ータ等の記録を可能とするため、写真仕上げ者又は流通
者等へ供給されうる。製造者アクセスコード１２８及び
全ての追加的な非ユーザアクセスコード１２８は、フィ
ルムユニット１０とは独立に譲渡される。製造者アクセ
スコード１２８は任意の論理メモリユニット２０と共に
使用可能な「マスタキー」でありうるが、データが害さ
れることを防止するために、全てのアクセスコード１２
８が単一の論理メモリユニット２０及び単一のフィルム
ユニット１０に対して１対１の関係を有することが望ま
しい。

【００９０】製造者データ１６２は、フィルム型のフィ
ルムユニット１０を認証し、フィルムユニット１０上の
識別子４２の誤った重複を防止する。メモリ割当ては多
数回アクセスされうるが、フィルムユニット１０の中の
フィルム片３６は一回だけ現像される。現像は認証イベ
ントとして使用されうる。後にサービスを要求する第２
の全く同様に指示されたフィルムユニット１０は、調査
及び措置が必要な誤った条件にフラグを付すことができ
る。これは通信誤りに対して、また偽造フィルムユニッ
トを作る者に対しての保護を与える。第２のアーカイブ
はなお現像されうるが、識別子４２が補正されないかぎ
り、又はフィルムユニット１０が重複していないと指示
されないかぎり、ルックアップテーブル情報による利益
を受けない。現像以外のイベントが認証イベントとして
使用されうる。例えば、初期のユーザカスタマイズ化が
使用されうる。ディジタルフィルムユニット１０は現像
を必要としないため、明らかにかかる現像以外の認証イ
ベントを必要とする。

【００９１】再び表２を参照するに、フィルムユニット
１０は、適当なディジタル画像変更を使用することによ
って、一回使用型カメラ２４の中の予測可能なレンズ欠
陥といった画像捕捉システムの中の製造欠陥を補償する
ためにカスタマイズされうる。欠陥の補償又は矯正は、
問題を完全に解決しうるが、一般的には補償又は矯正は
不完全である。矯正は、夫々の論理メモリユニット２０
の製造者サブユニット１５８の中の「反作用的な」写真
仕上げパラメータ５２として与えられうる。ユーザサブ
ユニット１５６はまた上述のようにフィルムユニット１
０の他のカスタマイズ化を可能とするために与えられう
る。

【００９２】図１９を参照するに、フィルムユニットは
「矯正可能な」欠陥を有して製造される（６０２）。本
願の各所に記載されるように、論理メモリユニットが割
当てられ（６０４）、フィルムユニットが販売され（４
０６）、画像が捕捉され（６０８）、写真仕上げパラメ
ータが論理メモリユニットへ書込まれ（２１４）写真仕
上げユニットへ報告され（５１２）、論理メモリユニッ
トが維持され（６１０）、フィルムユニットが写真仕上
げされる（２１８）。異なる点は、フィルムユニットの
中の欠陥に対して反作用的なディジタル補償を含む写真
仕上げパラメータが、論理メモリユニットへ（望ましく
は販売（４０６）の前に）書込まれることである（６１
６）。

【００９３】「反作用的」という用語は、直接的な補償
によって又は欠陥損失をあまり目立たなくすることによ
って間接的に、部分的又は完全に欠陥を克服する手順を
意味する。反作用的な写真仕上げパラメータ５２は、上
述された全ての他の写真仕上げパラメータ５２と同様、
写真仕上げ機器のパラメータを直接修正してもよく、又
は所望に応じて写真仕上げ機器又は手順を自動的又は手
動で修正するために使用される外部データベースを指し
てもよい。写真仕上げパラメータ５２は、写真仕上げ機
器及び手順に対して最終的な制御を与えるために参照さ
れる一連のデータベース及びアルゴリズムを指しうる。
例えば、論理メモリユニット２０は、写真仕上げ機器
が、写真仕上げ機器のための設定値を示すカメラ補正情
報データベースを参照するようにさせるカメラ識別を与
えうる。

【００９４】「画像品質欠陥」という用語及び同様の用
語は、ここでは表現的画像の捕捉に不利なフィルムユニ
ット１０の１つ以上の損傷を意味するものとする。画像
品質欠陥は、欠陥が無いときに得られるであろう画像と
比較したときに、捕捉された画像の品質に１つ以上の測
定可能な劣化を生ずる。画像品質欠陥は撮像システムに
正味の利益を与えるよう選択される。例えば、ピクチャ
準備の費用及びカメラの重さは、簡単且つ軽量であるが
光学的に欠陥のあるレンズを使用することによって減少
されうる。各カメラ中の欠陥は、所定の公称欠陥の所定
の公差内である。カメラのための識別子４２に関連づけ
られたメモリ割当ては、公称欠陥を克服、又は少なくと
も軽減するディジタル補償を指示する処理パラメータを
夫々含む。「画像品質欠陥」は、全ての写真処理に画像
劣化を直接生じさせないが、適当な対策が取られなけれ
ば幾つかの装置において画像劣化を生じさせうる欠陥を
含む。「画像品質欠陥」はまた、カメラ使用の或る条件
下でのみ生ずる断続的な又は変動する欠陥、例えばカメ
ラレンズに近すぎるフラッシュユニットの存在による赤
目現象を含む。

【００９５】「品質劣化」という用語及び同様の用語
は、ここでは捕捉された画像の品質に関する測定可能な
パラメータにおける有害な変化を意味するものとする。
これらのパラメータは、鮮鋭度、空間周波数変調応答、
比色マッチング、及び色消しグレースケールマッチング
を定量化する。各品質劣化パラメータは、様々な方法で
測定されうる。鮮鋭度は概してアキュータンスとして表
わされる。「アキュータンス」は、画像中のエッジの見
かけの鮮鋭さの尺度であり、特定のエッジについて、平
均のエッジ全体に亘る濃度の変化率の平方を、エッジの
１つの側からエッジの他の側への全体濃度差によって割
り算したものとして定義される。空間周波数変調応答
は、概して１つ以上の定義された周波数における変調伝
達関数として表わされる。比色マッチングは、標準を参
照することによってわかる。輝度は特定の角度及び照明
条件下で測定された印画から反射される光の放射強度と
して表わされる。

【００９６】品質劣化は、全体として捕捉された画像の
特性であるが、画像全体について均一でありえ、又は画
像の２つの次元に亘って幾何学的に異なりうる。劣化
は、点劣化、空間劣化、色劣化、及びそれらの組み合わ
せの劣化に分類されうる。「点劣化」という用語は、こ
こでは捕捉された画像中の点が、捕捉された画像中の他
の点の変更とは独立の、１つ以上の変更を受けるような
画像情報の修正を意味するものとする。点劣化のカテゴ
リは、情報が１つの点から他の点へ再配置される幾何学
的座標変形と、１つの点における情報の数値が増加又は
減少される加算的及び乗算的効果とを含む。主に点劣化
である劣化を引き起こしうる露光系及び捕捉系の特性
は、例えば、フィルム粒子及びレンズチューブシェーデ
ィングである。

【００９７】「空間劣化」という用語は、ここでは捕捉
された画像中の１つの点が、捕捉された画像の他の点の
変更に依存する、画像情報の修正を意味すると理解され
る。これらの修正はまた、積分又は空間スミアリングと
称される。空間劣化のカテゴリは、回折制限された光学
系、１次、２次、及びより高次の光学系収差、焦点ず
れ、及び対物フィルム面像運動ぼけを含む。

【００９８】「色劣化」という用語は、捕捉された画像
中の点が比色空間の軸のうちの１つ以上の数値の１つ以
上の変更を受けるような画像情報の修正を意味すると理
解される。画像品質欠陥は、内在的であり、カメラの製
造前に予め計画されている。画像品質を改善するために
カメラの部品を近い公差で製造することは、当業者によ
って周知である。本発明では、製造処理は厳しく制御さ
れ、それにより同族のカメラでは、各カメラは同じ画像
品質欠陥、即ち公称画像品質欠陥の近い公差におさま
り、同様の近い公差の中で画像品質劣化を生ずる欠陥を
有する。画像品質欠陥及び結果としての画像品質劣化は
このように知られておりカメラが製造されるときに各カ
メラの中で同定され、欠陥及び画像品質劣化はこのよう
に同族のカメラ全体で一定である。

【００９９】公称画像品質欠陥は、フィルムユニット１
０の記憶容量を表わす画像の数の露光に続いて与えられ
る処理に含まれる、ここでは「ディジタル補償」とも称
される特定のディジタル画像操作手順の一部として完全
に、又は少なくとも部分的に矯正可能であるよう選択さ
れる。以下「応答的ディジタル操作」及び「編集的操
作」と称される他のディジタル画像操作手順は、露光後
処理の一部として与えられてもよい。応答的ディジタル
操作では、画像は、捕捉された画像の内容又は画像捕捉
の条件の知識に基づいて、知覚的に改善される。これは
画像品質欠陥と共に予め計画されるディジタル補償とは
対照的である。編集的操作では、捕捉された画像は光学
的品質を参照することなく変更される。例えば、捕捉さ
れた画像はクロッピングされ、異なる画像形式及び拡大
複写を与えるよう部分を拡大しうる。同様に、画像は、
もはや最初に捕捉された光画像を表わすものでなくなる
よう変化されうる。例えば、色画像はグレースケール画
像へ再マッピングされてもよく、画像特性は特定の芸術
的な基準に合うよう変更され、再整理され、又は置換さ
れる。殆どの場合、応答的ディジタル操作及び編集的操
作はディジタル補償の後に実行されることが望ましい。
例外なのは、捕捉された画像の一部がクロッピングされ
ていた場合である。

【０１００】「矯正可能」及び「矯正」等の用語は、こ
こでは画像中の知覚される改善を与えるディジタル補償
の効果を意味するものとする。ディジタル補償は劣化の
効果を完全に逆にすることができ、即ちディジタル補償
は欠陥によって生じた画像劣化の逆でありうる。或い
は、ディジタル補償は劣化を部分的にのみ逆にし、また
は欠陥の知覚を減少するのみでありうる。例えば、ディ
ジタル補償は、大きく不規則な寸法とされたフィルム粒
子によって生じた可視の「粒状性」を減少するために写
真フィルム上に捕捉された画像をぼかしうる。カメラ中
の多画像品質欠陥によって生じた劣化を調整するため
に、異なるディジタル補償手順が組み合わされうる。こ
こで使用される「画像品質欠陥」等の用語は、文脈にお
いて単一の欠陥が示されないかぎり、多数の欠陥を含む
ものとする。

【０１０１】ディジタル補償手順は例えば、パラメータ
の表調整、パラメータの範囲の伸長又は収縮、ヒストグ
ラム均等化、モザイク画像の組立及び平衡化、アスペク
ト比補正、ひずみ除去、及び位置合わせ（ラバーシート
ストレッチング）を含む。位置合わせは、捕捉系の公称
平均のための所定の点劣化変換関数と合同に値を再マッ
ピングすることによる幾何学的座標変換の補正である。
幾何学的座標変換は、回転、並進、及び異方性縮尺の変
化を含む。

【０１０２】応答的ディジタル操作の例は、ディジタル
エッジ強調、平滑化及びぶれ、並びに、人間の仲介又は
自動画像内容応答アルゴリズムを通じて反復的に与えら
れる鮮鋭化手順を含む。処理パラメータはカメラの中の
実際の欠陥を示さないが、実際の欠陥を特定の公称欠陥
として同じディジタル補償によって矯正を受けたものと
して分類する。処理パラメータは従って、特定の公称画
像品質欠陥及びその公称欠陥に対する適当なディジタル
補償と関連付ける。関連付けは、直接的又は間接的であ
りうる。処理パラメータは特定の公称画像品質欠陥に対
する標準化された指示でありうる。これは、ディジタル
プロセッサ８２に対する夫々の特定の公称画像品質欠陥
に対してインデックス付けされた一組のディジタル補償
サブルーチンの利用可能性を必要とする。処理パラメー
タは、対応する欠陥ではなく、その代わりに、ディジタ
ル補償サブルーチンのための標準化された指示でありう
る。処理パラメータはかかる指示の変更でありうる。例
えば、処理パラメータは標準化された指示をディジタル
圧縮した生成物でありうる。処理パラメータは、特定の
欠陥のための適当なディジタル補償サブルーチンであっ
てもよく、又は適当なディジタル補償サブルーチンを発
生するためのディジタルプロセッサ８２への一組の命令
であってもよい。

【０１０３】ディジタル画像修正は、おおまかにオルソ
スコピックと非オルソスコピックとに分類されうる。オ
ルソスコピック修正では、最終画像は元の光画像の全部
又は一部を表現するものとして維持される。元の光画像
は、最終画像の出力の前にズーミング、クロッピング、
回転、又はこれらの手順の組み合わせによってのみ修正
される。異なる印刷フォーマット又は他のズーミング及
びクロッピング機能のために設けることが所望であれ
ば、複数の変更的でない画像変更状態が含まれうる。非
オルソスコピック修正では、画像の変更があり、即ち、
画像は最終画像の出力の前に非オルソスコピックに修正
される。オルソスコピック画像変更はまた、非オルソス
コピック変更を含みうる。利用可能な非オルソスコピッ
ク画像変更状態の性質は、ユーザの選好及び印刷機器の
実際上の制限、例えば色域の問題として決定されること
が多い。１つの主な選好は、緻密でなく（しばしば滑稽
又はユーモラスであり）同時にユーザによって元々捕捉
された被写体がすぐに認識されることを可能にするよう
捕捉された画像から十分な情報内容を保持するような修
正であるトランスモグリフィケーションのためであるこ
とが予期される。他の選好は、絵画及び他の美術形式に
使用される情報内容のスタイリスティックな変化に似た
変更である「芸術的効果」と称されうるもののためであ
ることが予期される。

【０１０４】表２及び図２０を参照するに、システム
は、写真フィルムの経年変化又は劣化を補正するために
写真仕上げパラメータ５２を変更するために使用されう
る。論理メモリユニットは、フィルムユニットへ割り当
てられる（６０４）。写真仕上げパラメータが指示され
（７０６）、フィルムユニットの中で使用されるフィル
ムのカテゴリのための経年変化パラメータが最初に書き
込まれる。「経年変化パラメータ」は便宜上単一のもの
として称される。経年変化補償のために必要な情報は、
膨大であることが予期される。「経年変化パラメータ」
は、別々に記憶された情報への単一のポインタ又は一連
のポインタであるか、又は論理メモリユニットの中に直
接書き込まれうる必要な情報でありうる。最初に書き込
まれた経年変化パラメータは、論理メモリユニット２０
の中の空のレコードがデフォルト経年変化パラメータの
記録であるよう、デフォルトでありうる。論理メモリユ
ニットは、入力装置による書込み及び写真仕上げユニッ
トへの報告が可能であるよう維持される（７１０）。

【０１０５】フィルムカテゴリのサンプルは、使用時の
模擬的な予期される経年変化の制御された条件下で製造
者によって保存される（７０８）。経年変化は、現像さ
れたフィルム及び現像されていないフィルムについて別
々に測定されうる。フィルムサンプルの経年変化中の間
隔において、観測された経年変化の影響を打ち消しうる
経年変化パラメータの中の調整が決定される（７１
２）。夫々の論理メモリユニット２０の製造者サブユニ
ット１５８の中の経年変化パラメータは、次に現在の経
年変化パラメータを示すよう更新される（７１４）。他
の写真仕上げパラメータは、上述のようにフィルムユニ
ットの販売前及び販売後に論理メモリユニットへ書き込
まれる。フィルムユニットが販売され使用される。画像
が捕捉され（２１６）、パラメータが写真仕上げユニッ
トへ報告され（５１２）、フィルムは経年変化パラメー
タを含む写真仕上げパラメータに従って写真仕上げされ
る（２１８）。経年変化パラメータはまた、現像後のフ
ィルムの経年変化を打ち消すために、続く写真仕上げ
（２１８）において使用されうる。

【０１０６】この経年変化を打ち消すためのアプローチ
は、環境的な条件が経年変化に影響を与え、フィルムの
使用及び保管の実際の条件は未知であるため、必ず不正
確である。一方で、フィルムの幾らかの経年変化は回避
不可能である。この経年変化は全ての場合に補償されう
る。経年変化は、所望であれば、予想される平均的な消
費者又はフィルムユニットの専門的な使用のために与え
られ得る。更なる経年変化補修は、ユーザによって選択
された写真仕上げパラメータ５２として与えられ得る。

【０１０７】フィルムの経年変化を補償する方法の特定
の実施例では、経年変化中に幾つかのフィルムサンプル
が間隔をあけて引き出され、標準化された露出で露光さ
れ、露光されていないフィルムユニット、露光され現像
されていないフィルムユニット、及び現像されたフィル
ムユニットのために様々な時間間隔において、個々の経
年変化特徴を与えるよう経年変化中の更なる間隔におい
て現像される。経年変化特徴は、予期される使用条件下
で観察された経年変化の影響を打ち消すための写真仕上
げパラメータの調整である。フィルムユニットは、露光
日付が各捕捉された画像のために露光の日付を捕捉しう
るカメラの中の論理データメモリ１１４の中に記録され
る（７２０）ことを除き、上述と同様に販売され使用さ
れる。かかるカメラからのフィルムユニットが現像さ
れ、論理データメモリから画像露光データが読み出され
る（７２２）。

【０１０８】写真仕上げユニットは、夫々の論理メモリ
ユニットにアクセスし、経年変化パラメータを獲得す
る。対抗策はルックアップテーブルによって個々に割り
当てられ得るが、個々の対抗策は写真仕上げユニットに
よって夫々の画像に割り当てられ適用されることが望ま
しい。別々の対抗策は、夫々の画像露光データに基づい
て個々の画像に対して適用される。対抗策は３ヶ月毎、
又はより長い時間期間に基づいて割り当てられ得る。従
って、論理データメモリの中に記録された画像露光日付
は、所望であれば同様に制限されうる。例えば、月日の
うちの日を記録しないままにしておくことができる。写
真仕上げユニットは、論理メモリユニットに経年変化に
対する対抗策が使用されたことを書き込みうる。使用さ
れた対抗策に関する特定の情報は、ユーザが未来の写真
仕上げに関する意思決定を行うのを支援するためにルッ
クアップテーブルの中に保持されうる。

【０１０９】システムは、フィルムユニットのための状
態データを追跡するために使用されうる。例えば、製造
者はフィルムユニットのための製造情報のレコードをル
ックアップテーブルの中に保持し、次にフィルムユニッ
トの流通及び使用に関する情報をそのレコードに付加し
うる。異なるフィルムユニットからの情報は収集され、
実際の製品使用により一致するよう未来のフィルムユニ
ット製造を適合させるために使用される。一回使用型カ
メラでは、情報はまた、未来の再使用のために使用可能
となる使用済みのカメラ本体の細目によりよくアクセス
するために使用可能である。

【０１１０】フィルムユニットが製造され、フィルムユ
ニットに対して論理メモリユニットが割り当てられる
（６０４）。初期状態データは論理メモリユニットへ書
き込まれる（５０４）。このデータは、日付、時間、製
造場所、流通の日付等を含むことが多い。初期写真仕上
げデータもまた指示される（２１４）。論理メモリユニ
ットは、上述のように多数のサブユニットを有しうる。
識別子、アクセスコード、及びフィルムユニットの他の
特徴は、上述のように与えられる。販売後（４０６）、
フィルムユニットは上述のように使用される。写真仕上
げパラメータは、上述のように、ユーザによって入力又
は変更され、ルックアップテーブルによって受信され
（５１０）、後に写真仕上げユニットへ報告される（５
１２）。ルックアップテーブルが入力装置によってアク
セスされると、ルックアップテーブルによって追加的な
状態データが受信され（５１６）、論理メモリユニット
の中に記録される（５１７）。例えば、入力装置は、論
理メモリユニットがアクセスされた日付及び時間、並び
に入力装置のための予め記録された「信用証明」、例え
ば場所、シリアル番号等を通信しうる。所望であれば、
状態データの受信は、論理メモリユニットの中の写真仕
上げパラメータの更新（２１４）のための必須前提条件
とされうる。写真仕上げパラメータの変化の受信、記
録、状態データの受信、更新、及び報告段階は、論理メ
モリユニットが入力装置又は入力装置及び写真仕上げ装
置によってアクセスされるたびに繰り返されうる。論理
メモリユニットの中の状態データは、製造者によって都
合がよいときにいつでも収集され、維持され、消去され
る等されうる。

【０１１１】

【発明の効果】本発明の実施例の有利な効果は、フィル
ムユニットデータの安全な遠隔の記憶を可能とするフィ
ルムユニット、並びに、フィルムユニットの安全なカス
タマイズ化を可能とする方法及びシステムが提供される
ことである。以上の説明に関して、更に以下の項を開示
する。

【０１１２】（１） フィルムユニットのカスタマイズ
された写真仕上げを可能とする方法であって、アクセス
コードを発生する段階と、該フィルムユニットに対し
て、該フィルムユニットから物理的に遠隔であり該アク
セスコードによって保護されたアクセス権を有する論理
メモリユニットを割当てる段階と、該フィルムユニット
を販売する段階と、該アクセスコードを該フィルムユニ
ットと共に譲渡する段階とを含む方法。

【０１１３】（２） 該アクセス権は、該フィルムユニ
ットのための少なくとも１つの写真仕上げパラメータ該
論理メモリユニットへを書込む権限を含む、第１項記載
の方法。 （３） 該割当て段階は該販売段階の前に行われる、第
１項記載の方法。 （４） 該アクセスコードを該フィルムユニットの中に
記録する段階を更に含む、第１項記載の方法。

【０１１４】（５） 該論理メモリユニットは写真仕
上げユニットによって遠隔に読出し可能である、第１項
記載の方法。 （６） 少なくとも１つの写真仕上げパラメータを該論
理メモリユニットへ記入する段階を更に含む、第１項記
載の方法。 （７） 該記入段階は該販売段階の前に行われる、第６
項記載の方法。

【０１１５】（８） 該記入段階は該販売段階の後に行
われる、第６項記載の方法。 （９） 該記入段階は、該販売段階の前に第１の写真仕
上げパラメータを該論理メモリユニットへ記入する段階
と、該販売段階の後に第２の写真仕上げパラメータを該
論理メモリユニットへ記入する段階とを更に含む、第６
項記載の方法。 （１０） 該フィルムユニットの中に複数の画像を捕捉
する段階と、該画像を該写真仕上げパラメータに従って
処理する段階とを更に含む、第６項記載の方法。

【０１１６】（１１） 該論理メモリユニットはネット
ワーク接続されたコンピュータの中にある、第１項記載
の方法。 （１２） 該フィルムユニットは一回使用型カメラであ
る、第１項記載の方法。 （１３） フィルム片と、内側部分及び外側部分を有し
該外側部分から読取り可能なアクセスコードを有する該
フィルム片のための耐光性容器とを有するフィルムユニ
ット。

【０１１７】（１４）該容器は該アクセスコードの存在
を示す印を有する、第１３項記載のフィルムユニット。 （１５） 該耐光性容器は、該外側部分上に記録された
識別子を有する、第１３項記載のフィルムユニット。 （１６） 該アクセスコードは機械読取り可能である、
第１３項記載のフィルムユニット。

【０１１８】（１７） 露光ユニットとフィルム移送装
置とを更に含む、第１３項記載のフィルムユニット。 （１８） 画像記憶及び該画像記憶に独立にアクセス可
能なアクセスコードを夫々有する複数のフィルムユニッ
トと、該フィルムユニットの夫々に割り当てられ、個々
に書込み可能且つ読取り可能であり、夫々のアクセスコ
ードによって保護されたアクセス権を有する論理メモリ
ユニットを有する遠隔にアクセス可能なルックアップテ
ーブルとを含む、写真システム。

【０１１９】（１９） 該論理メモリユニットは夫々繰
り返し書込み可能且つ読取り可能である、第１８項記載
のシステム。 （２０） 該容器は該アクセスコードの存在を示す印を
有する、第１８項記載のフィルムユニット。 （２１） 該容器は該外側部分上に記録された識別子を
有する、第２０項記載のフィルムユニット。

【０１２０】（２２） 夫々が固有の識別子及びアクセ
スコードを付された複数のフィルムユニットと、該識別
子を夫々含み、夫々の該フィルムユニットに割り当てら
れ、個々に書込み可能且つ読出し可能であり、夫々のア
クセスコードによって保護されたアクセス権を夫々有す
る複数の論理メモリユニットを有するルックアップテー
ブルと、該ルックアップテーブルと遠隔に接続され、該
フィルムユニットを受容するよう構成されたステーショ
ンと夫々の該識別子及びアクセスコードを読取るよう該
ステーションの中に配置される検出器とを有する入力装
置とを含む、写真システム。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明のシステムの１つの実施例を示す概略図
である。

【図２】写真仕上げカスタマイズデータを扱う方法の１
つの実施例の最初の部分を示す図である。

【図３】写真仕上げカスタマイズデータを扱う方法の１
つの実施例の中間の部分を示す図である。

【図４】写真仕上げカスタマイズデータを扱う方法の１
つの実施例の最後の部分を示す図である。

【図５】木を撮影するために使用される場合の図１のシ
ステムの一回使用型カメラの１つの実施例を示す概略図
である。

【図６】図１のシステムの入力装置の１つの実施例を示
す概略図である。

【図７】図１のシステムの写真仕上げユニットの１つの
実施例を示す概略図である。

【図８】フィルムユニットと一回使用型カメラとを関連
づけるための方法の１つの実施例を示す図である。

【図９】写真仕上げ方法を示す図である。

【図１０】フィルムユニットに関連する捕捉装置によっ
て記録され露光と独立の情報を記憶し、論理メモリユニ
ットをアーカイブするための方法を含む１つの実施例の
前半を示す図である。

【図１１】フィルムユニットに関連する捕捉装置によっ
て記録され露光と独立の情報を記憶し、論理メモリユニ
ットをアーカイブするための方法を含む１つの実施例の
後半を示す図である。

【図１２】フィルムユニットの確実なカスタマイズのた
めの方法を示す図である。

【図１３】一回使用型カメラ本体上とカメラ内に含まれ
るフィルムカセット上の両方にアクセスコード及び識別
子を有するフィルムユニットを示す部分的に切截された
斜視図である。

【図１４】論理メモリユニットのためのユーザ及び製造
者サブユニットのためにアクセスコードが付されたフィ
ルムユニットを含むシステムを示す図である。

【図１５】論理メモリユニットのためのユーザ及び製造
者サブユニットのためにアクセスコードが付されたフィ
ルムユニットを含むシステムを示す図である。

【図１６】論理メモリユニットのためのユーザ及び製造
者サブユニットのためにアクセスコードが付されたフィ
ルムユニットを含むシステムを示す図である。

【図１７】図１４乃至１６のアクセスを達成する段階を
含む安全なデータベースアクセス方法を示す図である。

【図１８】ユーザ及び製造者カスタマイズデータを扱う
方法の１つの実施例を示す図である。

【図１９】フィルムユニット欠陥を補償する方法の１つ
の実施例を示す図である。

【図２０】写真フィルムを現在に維持し寿命を延長する
ための方法の実施例を示す図である。

【図２１】フィルムユニットのライフサイクルを追跡す
る方法の実施例を示す図である。

【図２２】局部データメモリ及びこのメモリを使用する
ために必要な構成要素を含むフィルムユニットの１つの
実施例を示す概略図である。

【図２３】局部データメモリを含むフィルムユニットの
１つの実施例を示す概略図である。

【図２４】局部データメモリを含むフィルムユニットの
他の実施例を示す概略図である。

【図２５】アクセスコードが付されたフィルムユニット
を示す概略図である。

【図２６】図２５のアクセスコードが付されたフィルム
ユニットを含むシステムを示す概略図である。

【図２７】フィルムユニットをアーカイブするための方
法の１つの実施例の前半を示す図である。

【図２８】フィルムユニットをアーカイブするための方
法の１つの実施例の後半を示す図である。

【符号の説明】

１０ フィルムユニット １２ ルックアップテーブル １４ 写真仕上げユニット １６ 入力装置 ２０ 論理メモリユニット ２２ 写真仕上げ物 ２４ 一回使用型カメラ ２６ カメラ本体 ２７ ユーザへの販売 ２８ 撮影レンズ ３０ 被写体 ３２ 像平面 ３４ フィルム移送装置 ３６ フィルム片 ３８ キャニスター ３９ 制御器 ４０ フィルムカセット ４２ 識別子 ４３ ディスプレイ ４４ 人間が読取り可能な形式 ４５ 入力手段 ４６ 機械読取り可能な形式 ６２ 検出器 ６６ バーコードリーダ ６８ 光源 ７２ レンズ系 ７４ 電荷結合装置 ７６ プリンタ ７８ ステッカー ８０ レシート ８２ プロセッサ ８４ 現像機器 ８６ ディジタル入力装置 ８８ 通信装置 ９０ 画像プロセッサ ９２ 受容ステーション ９４ 制御器 ９６ 出力ユニット ５０ 包装 ５２，９８，１０１，１０２，１０４，１０６，１０
８，１２３，１２４，１２５，１２６ 写真仕上げパラ
メータ １００ 印 １１４ 局部データメモリ １２２ 読み書き装置 １２８ アクセスコード １３４ 紙片 １３６ 磁気ストライプ １５１ ユーザアクセスコード １５２ キー １５３ 製造者アクセスコード １５６ ユーザサブユニット １５８ 製造者サブユニット １６０ ユーザデータ １６２ 製造者データ ２５０ 写真システム

Claims (3)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 フィルムユニットのカスタマイズされた
   写真仕上げを可能とする方法であって、 アクセスコードを発生する段階と、 該フィルムユニットに対して、該フィルムユニットから
   物理的に遠隔であり該アクセスコードによって保護され
   たアクセス権を有する論理メモリユニットを割当てる段
   階と、 該フィルムユニットを販売する段階と、 該アクセスコードを該フィルムユニットと共に譲渡する
   段階とを含む方法。
2. 【請求項２】 フィルム片と、内側部分及び外側部分を
   有し該外側部分から読取り可能なアクセスコードを有す
   る該フィルム片のための耐光性容器とを有するフィルム
   ユニット。
3. 【請求項３】 画像記憶及び該画像記憶に独立にアクセ
   ス可能なアクセスコードを夫々有する複数のフィルムユ
   ニットと、 該フィルムユニットの夫々に割り当てられ、個々に書込
   み可能且つ読取り可能であり、夫々のアクセスコードに
   よって保護されたアクセス権を有する論理メモリユニッ
   トを有する遠隔にアクセス可能なルックアップテーブル
   とを含む、写真システム。