JP2000217327A - 有限回転電動機およびその駆動制御方法 - Google Patents

有限回転電動機およびその駆動制御方法

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JP2000217327A JP11010820A JP1082099A JP2000217327A JP 2000217327 A JP2000217327 A JP 2000217327A JP 11010820 A JP11010820 A JP 11010820A JP 1082099 A JP1082099 A JP 1082099A JP 2000217327 A JP2000217327 A JP 2000217327A
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Atsushi Ueda
淳 上田
Masaharu Moriyasu
雅治 森安
Yoshimizu Takeno
祥瑞 竹野
Mitsuki Kurosawa
満樹 黒澤
Atsuhiko Kawamura
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Toshiyuki Hokodate
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Yasuhiko Iwai
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 この発明にかかわる有限回転電動機は、磁気
吸引力によりトルクを生じさせて、トルクとロータ慣性
比を大きくでき、ロータに巻線や磁石を用いることなく
磁性体金属のみで堅牢に構成して固有振動数を高めて角
度制御帯域幅を広くできる有限回転電動機を得るもので
ある。 【解決手段】 駆動用の固定子磁極を構成し巻線を巻回
したステータと、磁極を構成するロータ2の各々に突起
状にティース3〜6を設け、ティース3〜6の側面を周
方向にギャップを設けて対向させて配置し、ステータの
巻線による発生磁界で前記ギャップに磁束を生じさせて
ステータのティース3〜6とロータ2のティースの側面
に磁気吸引力を生じさせることでトルクを発生し、所定
の有限回転角度の範囲内でロータ2を回転させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、電機機械的変換
器に関し、特に光ビームを走査するミラーを回転制御す
る有限回転電動機およびその駆動制御方法に関するもの
である。
【0002】
【従来の技術】従来の技術例1.図17は例えば特公昭
57−56304号公報に示されている有限回転電動機
の構成図である。図17において、22はロータ、24
はステータ、52,54,56,58はステータ24に
設けられ、ロータ22と対向するステータティース、6
0はステータティース52,54,56,58の端面で
ある。72はステータティース52,54,56,58
と一体形成されたヨーク、74,76はこのヨーク72
に巻かれた巻線、68、70は永久磁石、42はロータ
22に設けられた弓形面である。永久磁石70は図示し
ないがロータ22を介して永久磁石68と対向した位置
に設けられている。
【0003】永久磁石68、70によりバイアス磁束F
1,F2が形成されている。、巻線74,76に電流を
流すとステータティース52,58の磁束は強められ、
他方、ステータティース54,56の磁束は弱められ
る。磁性体のロータ22はステータティース52,58
に近づく、このときのトルクの発生メカニズムはいわゆ
るレラクタンストルクである。
【0004】図18は総合電子出版社1979年発行の
「ステッピング・モータの基礎と応用」(著者:見城尚
志、新村佳久)の24頁に記載されたレラクタンストル
クの説明図である。磁力線は鉄心内をできるだけ均一に
流れようとする。このため、ロータ22がステータ24
と対向した位置から図18のように少し回転した位置で
は、ステータ24とロータ22が対向しない空隙部分に
おいて磁力線が図示のように曲がることになる。
【0005】そして、磁力線ができるだけ短く、まっす
ぐになろうとして、マックスウェル応力がロータ22に
作用する。すなわち、磁力線の主として曲がり部分で接
線方向の力が加わり、トルクを発生する。このように、
レラクタンストルクには磁力線の曲がり部分のみが寄与
し、ロータ22とステータ24が対向した部分の磁力線
は主に半径方向の磁気吸引力として作用する。図のよう
なレラクタンストルクを発生する構造において、トルク
に寄与する磁束と磁気吸引力に寄与する磁束の比は1:
10程度となる。
【0006】従来の技術2.図19、図20はジェネラ
ルスキャニングジャパン(株)の川蒲孝和氏の文献「可
動マグネット型ガルバノメータスキャナ」光新技術(1
992)で公表されている有限回転電動機の構成図であ
り、ジェネラルスキャニングIncもしくはCombr
idge Technology Inc.が製造した
光走査駆動装置と同様のものである。
【0007】図19において、永久磁石70のN極を出
た磁束は右側の空隙を通って、中央コア90に入り、さ
らに左側の空隙を通って永久磁石68のS極に入る。永
久磁石70のN極から出た磁束はステータ24を通って
永久磁石70のS極に戻る。このような磁路を破線で示
している。空隙には、ロータ22の半径方向に磁束が形
成されており、この磁束と直角に可動巻線を配置して、
この可動巻線をロータ22とする。可動巻線に電流を流
せばローレンツカが可動巻線に作用し、可動巻線を回転
させるトルクを生じる。
【0008】中央コア90は静止しており、永久磁石6
8,70との間で空隙をつくる。磁気抵抗を減らして磁
束密度を上げるためには空隙を狭くする必要があり、可
動巻線のみが空隙内に配置される。従って、ロータ22
は可動巻線のみで形成されることになり、剛性が低く、
ロータ22の固有振動数は低くならざるを得ない。ま
た、図20において、55は静電容量式角度検出器の回
転部分であるが、バタフライ形状であって半径方向の長
さが必要であるため慣性モーメントが大きい。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】従来の技術1は、レラ
クタンストルクを用いるため、磁束の1/10程度しか
トルクに利用できず、トルクとロータ慣性の比が十分大
きく取れないという問題点があった。また、従来の技術
2は、空芯コイルを用いるため、コイルの剛性が低く、
固有振動数が低下して、角度制御帯域幅を広く取れない
という問題点があった。
【0010】この発明は上記のような問題点を解決する
ためになされたもので、磁気吸引力によってトルクを発
生させ、トルクとロータ慣性の比を大きくでき、また、
ロータを堅牢な構造として機械共振周波数を高め、角度
制御帯域幅を広くできる有限回転電動機およびその駆動
制御方法を得ることを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】請求項1の発明に係る有
限回転電動機は、駆動用の固定子磁極を構成し巻線を巻
回したステータと、磁極を構成するロータの各々に突起
状にティースを設け、これらのティースの側面を周方向
にギャップを設けて対向させて配置し、前記ステータの
巻線による発生磁界で前記ギャップに磁束を生じさせて
ステータのティースとロータのティースの側面に磁気吸
引力を生じさせることでトルクを発生し、所定の有限回
転角度の範囲内でロータを回転させると共に、有限回転
角度の範囲の限界付近では、前記ステータのティースと
ロータのティースの側面のギャップを小さくすることに
よって磁束密度を増してトルクを増大させ、前記有限回
転角度の範囲を越えると前記ステータのティースとロー
タのティースの側面を当接させる。
【0012】請求項2の発明に係る有限回転電動機は、
ステータのティースと対向するロータのティースの両側
面部分を所定の傾斜角で切削したテーパ状とし、前記テ
ィースの断面形状を菱形とする。
【0013】請求項3の発明に係る有限回転電動機は、
発光素子をロータの端部から軸方向に延びるシャフトに
備え、この発光素子から照射される光束を光検出器の受
光面で受け、受光面上の光束位置を光検出器で検出する
ことによってシャフトの回転角度を検出し、この角度検
出値が角度検出指令値に追従するように巻線に流れる電
流を制御する。
【0014】請求項4の発明に係る有限回転電動機は、
ロータの端部から軸方向に延びるシャフトの軸芯に対し
て平行な溝を、前記シャフトの周方向に沿って多数所定
間隔で形成し、この溝に光束を照射した際にシャフト回
転に伴う反射光束の変化を検出することでシャフトの回
転角度を検出し、この角度検出値が角度検出指令値に追
従するように巻線電流を制御する。
【0015】請求項5の発明に係る有限回転電動機は、
ロータの端部から軸方向に延びるシャフトの端面に径方
向に向けた複数の溝を所定間隔で周方向に形成し、この
溝に光束を照射した際にシャフト回転に伴う反射光束の
変化を検出してシャフトの回転角度を検出し、この角度
検出値が角度検出指令値に追従するように巻線電流を制
御する。
【0016】請求項6の発明に係る有限回転電動機の駆
動制御方法は、ステータに励磁用の巻線を巻回した4個
のティースを設けると共にロータに2個のティースを設
け、このロータを介して斜方向に対向する各ステータテ
ィースを一対とし、これらステータティースに電流を流
したときに一方のステータティースから出た磁束がロー
タティースを通して対を成す他方のステータティースに
入り、各ステータティースを外側から連結するコアバッ
クを経て前記一方のステータティースに戻るように磁気
回路を構成してトルクを発生させて前記ロータを回転さ
せる。
【0017】請求項7の発明に係る有限回転電動機の駆
動制御方法は、一対のステータティースを励磁する巻線
の電流を一つのパワー素子でオン制御し、他の一対のス
テータティースを励磁する巻線の電流を他のパワー素子
をオフ制御する。
【0018】請求項8の発明に係る有限回転電動機の駆
動制御方法は、各パワー素子のオンにより各巻線に電流
を流して各一対のステータティースを励磁することで、
各一対のステータティースとロータティース間に互いに
逆方向のトルクを発生させる。
【0019】請求項9の発明に係る有限回転電動機の駆
動制御方法は、巻線印加電圧の変動周波数を巻線の抵抗
RとインダクタンスLで与えられる巻線電流の周波数特
性の折点周波数R/(2πL)よりも高くした。
【0020】
【発明の実施の形態】実施の形態1.図1はこの発明の
実施の形態1における有限回転電動機の構造の説明図で
ある。同図の(a)は軸に垂直な断面図であり、同図の
(b)は軸方向の構造説明図である。同図(a)におい
て、1はシャフト、2はロータ、3,4,5,6はステ
ータティース、7,8,9,10は巻線、11はコアバ
ックである。同図(b)において、12,13はシャフ
ト1をコアバック11に対して、回転自由に保持する軸
受、14はシャフト1に保持されたミラー、15,16
はシャフト1の周囲に対向するように固定された発光素
子、17,18は発光素子15,16の光束を検出する
光検出器である。
【0021】図2はこの発明の実施の形態1における有
限回転電動機の駆動回路図である。図2において、21
〜28は巻線7〜10に供給する電流をオンオフ制御す
るFETであり,FET21〜24で第1のH型ブリッ
ジ回路を、そしてFET25〜28で第2のH型ブリッ
ジ回路を構成している。また、各FET25〜28に逆
並列接続されたダイオード29はフライホイールダイオ
ードである。30は直流電源であり、この直流電源30
は各H型ブリッジ回路の両端に印加され各FETのオン
オフ動作に応じて巻線7〜10に電流を流す。
【0022】図1と図2に従い本実施の形態の動作につ
いて説明する。図2のFET25,28を図示しない公
知の駆動回路によりオンとし、巻線8,10に直流電源
30により電流を流す。このとき、ティース4のロータ
2との対向面がN極、ティース6のロータ2との対向面
がS極となるように巻線8,10の巻方向を設定してい
る。ティース4,6、ロータ2、シャフト1、コアバッ
ク11は鉄などの磁性体であり、巻線8,10の起磁力
によって図1(a)の破線のように磁束が流れる。
【0023】ロータ2とティース4,6の間の空隙の磁
束密度をBg、真空透磁率をμ0(=4π×10−7
/m)とすれば、ロータ2とティース4,6の間には、
次式(1)で表される単位面積当たりの磁気吸引力Pが
発生する。
【0024】 2P=Bg/(2μ) ・・・・(1)
【0025】ロータ2とシャフト1は軸受12,13に
よって回転自由に支持されおり、式(1)の磁気吸引力
により、ロータ2はティース4,6に磁気吸引力で引き
寄せられて反時計方向に回転する。この回転によりシャ
フト1に取り付けられたミラー14が回転して光ビーム
を走査できる。
【0026】また、図2のFET21,24をオンとす
れば、ティース3、ロータ2、ティース5、コアバック
11に磁束が流れ、ロータ2はティース3,5に磁気吸
引力で引き寄せられて時計方向に回転する。つまり、巻
線7,9を励磁すれば、逆方向のトルクを発生させるこ
とができる。巻線8,10と巻線7,9の電流のバラン
スを制御することによってロータ2を正逆回転できる.
【0027】シャフト1が回転すると、図1(b)の発
光素子15,16の照射する光束が光検出器17,18
上を移動し、後述するような動作によって、光検出器1
7の出力電流から角度を検出することができる。この角
度検出値に基づいて、巻線8,10と巻線7,9の電流
のバランスを制御することによって、シャフト1ならび
にミラー14を所望の角度に回転制御できる。
【0028】図3はロータ2の角度位置による磁路の変
化を示した断面図である。図3(a)はロータ2が反時
計回りに回転した角度位置であり、ロータ2の左下のテ
ィース側面とステータティース4が接近しており、ま
た、ロータ2の右上のティース側面とステータティース
6が接近している。巻線8の起磁力で生じた磁束は、破
線で示すようにステータティース4からロータ2の左側
に入り、ロータ2の右側からステータティース6に入
り、巻線10の起磁力でさらに磁束密度を高め、コアバ
ック11を経て、ステータティース4の外側に戻る。ス
テータティース4とロータ2の空隙が短く、ステータテ
ィース3とロータ2の空隙は長いため、ステータティー
ス3を通る磁束は少ない。
【0029】同様に、ステータティース6とロータ2の
空隙が短く、ステータティース5とロータ2の空隙は長
いため、ステータティース5を通る磁束は少ない。した
がって、ロータ2はステータティース4とステータティ
ース6によって吸引されて反時計回りのトルクが得られ
る。
【0030】図3(b)はロータ2が時計回りに回転し
た角度位置であり、ロータ2の左上のティース側面とス
テータティース3が接近しており、また、ロータ2の右
下のティース側面とステータティース5が接近してい
る。巻線8の起磁力で生じた磁束は、破線で示すように
主に2つの磁路をたどる。一方は、ステータティース4
からロータ2の左側に入り、ロータ2から接近している
ステータティース3に入り、コアバック11を経てステ
ータティース4の外側に戻る磁路である。もう一方は、
ステータティース4からロータ2に入り、もう一方の接
近しているステータティース5に入った後、コアバック
11を経てステータティース4の外側に戻る磁路であ
る。
【0031】同様に、巻線6の起磁力で生じた磁束も破
線で示すような主に2つの磁路をたどる。一方は、ステ
ータティース6からコアバック11を左に進み、ステー
タティース3を経て、ロータ2の左側に入り、ステータ
ティース6の内側に戻る磁路である。もう一方は、ステ
ータティース6からコアバック11の下に進み、ステー
タティース5を経て、ロータ2の右側に入り、ステータ
ティース6の内側に戻る磁路である。
【0032】このような磁路において、ティース3およ
びステータティース5を通る二つの磁路を通る磁束は方
向が逆であるため、打ち消し合うことになる。したがっ
て、主に、ロータ2に作用する磁気吸引力はステータテ
ィース3およびステータティース5を通る磁束で生じる
ため、反時計回りのトルクが得られる。
【0033】次に、本実施の形態における発生トルクを
定量的に述べる。ロータ2のテーパ面まわりの寸法を図
4に示す。磁束方向の空隙長をg、ロータ2とティース
1個分の対向面積をS=bw、磁気抵抗をReとすれ
ば、磁気抵抗Reは次式(2)で表される。
【0034】 Re=g(μS) ・・・・(2)
【0035】ステータティース1個分の巻数をn、電流
をiとすれば、ステータ1個分の起磁力はKmである。
磁性体部の磁気抵抗は式(2)で表される空隙の磁気抵
抗Reに比べて十分小さいので無視できる。したがっ
て、図1の破線で示した磁気回路の磁束をφとすれば、
起磁力としてティース2個分が作用し、磁気抵抗とし
て、ロータ2とステータ4ならびにロータ2とステータ
6の2箇所が影響するので磁束φは次式で表される。
【0036】 φ=(2ni)/(2Re)=nj/Re ・・・・(3)
【0037】式(3)に式(2)を代入すれば、次式が
得られる。
【0038】 φ=μSni/g ・・・・(4)
【0039】磁束密度をBgとすれば、Bg=φ/Sで
あるから、式(4)より次のように表せる。
【0040】 Bg=φ/S=μni/g ・・・・(5)
【0041】一つのティースに作用する磁気吸引力を
F、また、ロータ2のテーパ面の幅をb、ロータ2の軸
方向長さをwとすれば、式(1)より次の関係が得られ
る。
【0042】 F=bw=bwBg/(2μ) ・・・・(6)
【0043】ロータテーパ面の中央部の半径をr、テー
パ面の傾斜角をα、発生トルクをTとすれば、発生トル
クTは次式で近似できる。
【0044】 T=2Frcosα ・・・・(7)
【0045】また図2に示す駆動回路で巻線7,8,
9、10にう電流を流すとき、各巻線7,8,9、10
の1個分のインダクタンスをLとすれば、巻数がn、磁
気抵抗が図1のような磁気回路に含まれる空隙2個分の
和であるから、インダクタンスをLは次式で表される。
【0046】 L=n/(2Re)=μSn/(2g)=μbwn/(2g) ・・・・(8)
【0047】式(2)〜(8)に基づいて設計したスキ
ャナーの具体的諸元の一例を図21における表1に示
す。ロータ2の回転角度範囲を±8度とし、テーパ面の
中央とティースの距離すなわち代表空隙長gを0.3m
mから1.43mmまで変化させる。同一の起磁力ni
に対しては、空隙長gと磁束密度Bgは反比例するの
で、空隙長gに比例した電流を流せば、発生トルクは一
定の値に制御できる。
【0048】巻線抵抗は次のようにして求めた。ここ
で、Lcは巻線の全長(m)、Aは巻線の断面積(mm
)である。ティース1個の巻数を50とし、巻線の一
周が(25mm+11mm)*2=72mmより巻線の
全長Lcは3.6mである。巻線導体線径を1.0mm
とし、20℃において抵抗R=23.33×10−3
Lcとすれば、巻線抵抗R=0.084Ωとなる。
【0049】空隙長g=0.3mm〜1.43mmに対
して空隙磁束密度を1.2Tとするには、式(2)よ
り、電流iは5.7A〜27.3Aを流せばよいことが
わかる。ここで、空隙磁束密度を1.2Tと高い値に設
定しているのは、永久磁石を用いておらず、磁気回路の
磁気抵抗を小さくできるためである。
【0050】インダクタンスLは、式(8)より、空隙
長gが1.43mmのとき0.13mH、空隙長gが
0.3mmのとき0.64mHとなる。図21に示す表
1の諸元と式(2)〜(4)からスキャナーの特性の概
略を算出すると、発生トルク0.49Nm、慣性1.4
×10−7Kgcm、角加速度35.0×10ra
d/s、消費電力5.4W〜125Wが得られる。
【0051】図5は、本実施の形態1によるロータの斜
視図である。ロータ2は鉄などの磁性体の塊状としてお
り、図20に示した従来の技術2のような空芯巻線で構
成されたロータに比べて、剛性を高くでき、ロータ系の
ねじりや曲げの固有振動数を大幅に高めて角度制御周波
数帯域幅を広げ、高速・高精度に走査することができ
る。
【0052】次に、テーパ面の作用について述べる。ロ
ータ2にテーパ面を設けずに、矩形断面とした例を図6
に示す。ロータ2の最大直径は14mm、シャフト1の
直径は6mm、ティース3,4,5,6の幅は6m、巻
線7,8,9,10の線径と巻数は1.0mmと50、
ロータ2の回転角度範囲は±8度であり、図4と等し
い。破線は使用角度範囲で最もロータ2とティース4,
6の空隙が狭まった状態を示しており、空隙長は0.3
mmである。
【0053】図7は菱形断面形状のロータにおける磁路
の発生状況の説明図である。図8は矩形型断面形状のロ
ータにおける磁路の発生状況の説明図である。図7にお
いて、巻線8,10に電流を流しており、ティース4か
らロータ2およびシャフト1を経てティース6に磁束が
流れる。ティース4,6の幅は6mm、シャフト1の直
径は6mmにそろえており、磁束密度はおおよそ均一に
なる。このように、ロータ2の断面を菱形状にした場合
は、磁束が向きを変えるテーパ面のところで、ハッチン
グの部分だけ磁路が狭まっており、その分10%程度磁
気飽和を生じやすい。しかし、むだな磁性体部分が少な
い。
【0054】しかし、図8に示すようにロータ2が矩形
断面形状の場合は、ロータ2の角のハッチング部分に
は、磁束があまり流れず、この部分はトルクに寄与しな
い。しかも、このハッチング部分は回転中心からの距離
が大きいため、慣性を大きくする悪影響がある。
【0055】発生トルクを比較すると以下のようであ
る。テーパ面付菱形ロータの実施の形態1の発生トルク
は、図7のハッチング部分による磁束密度の低下を10
%と見積もれば、表1に示した0.49Nmの0.9倍
すなわち0.44Nmとなる。慣性は表1の値のままで
あり、角加速度は31.4×10rad/sにな
る。
【0056】矩形断面ロータにおいても、実施の形態1
と同様な電流を各巻線に与えて、空隙磁束密度を1.1
5Tとすれば、ロータ2の空隙磁束発生面中央と回転中
心の半径rが5.14mm、α=36度である。ロータ
の空隙磁束発生面の幅bとロータ軸方向長さwを表1と
同じ6mm、20mmとすれば、式(4)から発生トル
クは0.58Nmとなる。しかし、ロータ慣性は、テー
パがないために矩形断面の角部の影響が大きく、2.9
5×10−7Kgmとなる。したがって、角加速度は
19.7×105rad/sとなり、本実施の形態1
の角加速度31.4×10rad/Sの0.63倍
に留まる。
【0057】次に、本実施の形態1における印加電圧の
周波数特性について述べる。式(5)、(6)を式
(7)に代入して整理すればトルクTと電流iの関係が
次の(9)式のように得られる。
【0058】 T=(bw/μ)・(μni/g)・rcosα ・・・・(9 )
【0059】一方、巻線印加電圧をVとすれば、Vから
電流iまでの伝達関数はおおよそ次式で表される。
【0060】 i/V=1/(Ls+R) ・・・・(10) ここで、Sはラプラス演算子である。
【0061】トルクの直流成分を考える。式(10)に
おいてs=0とし、電流の直流成分をidcとすれば、
次式が成り立つ。
【0062】 idc=Vdc/R ・・・・(11)
【0063】式(11)を式(9)の電流iに代入し、
トルクの直流成分をTdcとすれば、トルクの直流成分
Tdcは次式が得られる。
【0064】 Tdc=μbwnVdcrcosα/(g) ・・・・(12)
【0065】式(12)から、トルクの直流成分Tdc
は巻数nの二乗、ロータとステータの対向面積bw、印
加電圧Vdcの二乗に比例し、空隙長gの二乗、巻線抵
抗Rの二乗に反比例する。これに対し、トルクの角周波
数ω(rad/s)の高周波成分を考える。式(10)
においてs=jωとし、LjωがRより十分大きいとし
て、Rを無視すれば、電流の高周波成分iacと印加電
圧の高周波成分Vacの関係は次式で表される。
【0066】 iac=Vac/(jωL) ・・・・(13) ここで、jは虚数である。
【0067】式(8)を式(13)に代入すれば次式が
得られる。
【0068】 iac=2gVac/(jωμ0bwn2) ・・・(14)
【0069】式(14)を式(9)の電流iに代入し、
トルクの直流成分をTacとすれば次式が得られる。
【0070】 Tac=4Vac2rcosα/(μ0ω2bwn2) (15)
【0071】式(15)から、トルクの高周波成分Ta
cは空隙長gに依存しないことがわかる。式(9)にお
いて、トルクは空隙長gの二乗に反比例するが、空隙長
gが大きくなるとインダクタンスが減るため式(14)
の電流の高周波成分iacは空隙長gに比例する。式
(9)においてトルクは電流の二乗に比例するため、式
(14)を式(9)に代入すると空隙長gが分子分母で
相殺され、その結果トルクの高周波成分Tacに対して
空隙長gは関係しないことになる。
【0072】また、式(15)から、トルクの高周波成
分Tacは印加電圧Vacの二乗に比例し、トルクの周
波数ωの二乗、ロータ2とティースの対向面積bw、巻
線の巻数nの二乗に反比例することがわかる。印加電圧
を上げればトルクが増すのは、直流成分と同じである。
しかし、直流成分とは逆にロータとティースの対向面積
bwと巻線の巻数nは小さくしなければならない。これ
は、インダクタンスを小さくして電流の高周波成分を確
保するためである。
【0073】例えば、表1の諸元において、巻線電流の
周波数特性の折点周波数R/(2πL)は20.9Hz
〜102.8Hzである。走査パターンとして、1kH
z程度の位置決め動作を繰り返すときには、トルク変動
の周波数も1kHz以上となり、インダクタンスの影響
が大きくなるが、最大トルク0.49Nmを発生させる
のに必要な印加電圧は、式(15)から35Vであり、
十分に実現可能な値である。すなわち、電流の変動周波
数が1kHz以上となるような。短時間の急峻な加減速
動作においても、巻線のインダクタンスによる電流の遅
れ分を見込んで、高い電圧を加えることにより、所要の
トルクを発生させて、高速に動作させることができる。
【0074】図9は本実施の形態1における角度センサ
の構成を示す斜視図である。シャフト1の先端に形成し
た各テーパ部分に発光素子15,16を対向するように
取り付け、発光素子15,16からシャフトの半径方向
外側に光束19,20を照射する。光束19,20は分
割フォトディテクタ17,18に入射する。
【0075】図10は本実施の形態1における角度セン
サの動作を説明する模式的なブロック図である。図10
の左側の模式図は分割フォトディテクタを正面から見た
図であり、白い円が光束19,20の照射部分である。
上側の分割フォトディテクタ17は受光素子21aと受
光素子21bから成り、下側の分割フォトディテクタ1
8は受光素子22aと受光素子22bから成る。この白
い円が分割フォトディテクタ17,18の分割線からず
れているのは、シャフト1が回転して光束19,20が
分割フォトディテクタ17,18上で移動した様子を示
している。
【0076】受光素子21a,21b,22a,22b
は受光量に比例した電流を生じ、この電流を各々電流電
圧変換器23a,23b,24a,24bで電圧に変換
する。この変換された電圧は演算アンプ25により、角
度信号に変換される。すなわち、シャフト1の図10紙
面上時計回りの回転は受光素子21bと22aの光量を
増やし、受光素子21aと22bの光量を減らす。した
がって、電流電圧変換器23a,24bの出力は符号を
変えずそのままに、電流電圧変換器23b,24aの出
力は符号を反転して演算アンプ25で加算することによ
り、演算アンプ25は角度信号を出力できる。
【0077】また、光量は演算アンプ26によって検出
される。すなわち、受光素子21a,21b,22a,
22bの光量の総和をとることにより、シャフト1の角
度には依存することなく、発光素子15,16からの照
射光量の和を検出する。演算アンプ25の出力を演算ア
ンプ26の出力で除して光量補正した角度信号が得られ
る。なお、シャフト1が軸の曲げにより左右に振動する
ときには、光束19;20は。分割フォトディテクタ1
7,18上で同じ方向に移動するため、演算アンプ25
の処理により相殺されて角度信号には重畳せず、角度信
号を劣化させることはない。
【0078】なお、本実施の形態1では、分割フォトデ
ィテクタを用いた例を述べたが、分割フォトディテクタ
の換わりに、PSD(Position Sensit
ive Detector)を用い、発光素子15,1
6からの光ビームをPSDの受光面に当て、受光面内の
光ビームスポット位置をPSDで検出しても同様の動作
と効果が得られる。
【0079】実施の形態2.次に、本実施の形態2にお
ける角度センサについて述べる。図11は角度センサの
構成を示す斜視図であり、図において、1は側面にグル
ープ・ランド領域37を形成したシャフト、32はレー
ザビームを出射するレーザダイオード、33は出射され
たレーザビームを3つのビームに分割する回折格子、3
4は分割されたレーザビ−ムを透過すると共に、反射し
てきたレーザビ−ムを90°方向に反射させるビームス
プリッタ、35は分割された一方のレーザビ−ムを検出
するフォトダイオード、36は分割された他方のレーザ
ビ−ムをグループ・ランド領域37に集光するレンズで
ある。
【0080】次に、本実施の形態の動作について説明す
る。レーザダイオード32でレーザビームを出射し、こ
のレーザビームを回折格子33で3つのビームに分割す
る。3つのビームはビームスプリッタ34を透過した
後、レンズ36で集光され、グルーブ・ランド領域37
上に3つのスポットを形成する。3つのビームはグルー
ブ・ランド領域37で反射された後にビームスプリッタ
34で反射されてフォトダイオード35に入射する。な
お、図示していないが、フォトダイオード35を微視的
に見れば、3つの受光領域に分かれており、各々3つの
スポットに対応する。
【0081】図12(a)はグルーブ・ランド領域37
上のスポットの模式図であり、図12(b)はグルーブ
・ランド領域37の断面とビーム光路の模式図である。
図12(a)と図12(b)は上面図と断面正面図の関
係にある。図12(a)において、41,42,43は
ビームスポット、39はグルーブ、40はランドであ
る。グルーブ39はシャフト1と平行であり、シャフト
1の回転によってグルーブ39は図12(a)の紙面に
おいて左右方向に移動する。正方形開口の絞りによりビ
ームスポットは正方形に成形されている。
【0082】グルーブ39の間隔をxpとすれば、スポ
ットの幅はxp/2、ビームスポット41の中心とビー
ムスポット42の中心の移動方向の距離はxp/4、ビ
ームスポット42とビームスポット43の移動方向の距
離はxp/4である。
【0083】図12(b)に示すように、ビームがラン
ド40に入射すると、入射方向に反射され、図11に示
したように、ビームスプリッタ34を介して、フォトダ
イオード35に到達する。図示していないが、ビームス
ポット41,42,43に対応するフォトダイオード3
5の分割部分を44,45,46とする。ビームがグル
ーブ39に入射すると斜面で反射され、入射方向とは大
きく異なる方向に反射し、フォトダイオード35には到
達しない。
【0084】ビームスポット41,42,43のランド
40による反射光は、フォトダイオード分割部分44,
45,46に到達するため、例えば図12(a)の状態
では、ビームスポット42の反射光量が小さく、対応す
るフォトダイオード分割部分45の出力が小さくなる。
そして、シャフト1が回転してグループ39が右に移動
すると、ビームスポット41とグルーブ39が重なる面
積が増えてビームスポット41の反射光量が減り、ビー
ムスポット43とグルーブ39が重なる面積が減ってビ
ームスポット43の反射光量が増える。
【0085】図13は、フォトダイオード分割部分4
4,45,46への入射光強度とシャフト1の回転角度
の関係を示すグラフである。I1,I2,I3はビーム
スポット41に対応するフォトダイオード分割部分4
4,45,46への入射光強度である。入射光強度I
1,I2,I3の回転角度に対する変動周期はグルーブ
39の間隔xpに対応する角度であり、ランド・グルー
ブ領域37のシャフト回転半径をrsとすれば、xp/
rsとなる。回転角度に対する入射光強度I1,I2,
I3の変動の位相は90度ずれている。
【0086】入射光強度I1とI2の和I1+I2と入
射光強度I2とI3の和I2+I3とは、図13に示し
ているように位相が90度ずれている。したがって、入
射光強度I1+I2とI2+I3の大小関係により、イ
ンクリメントのロータリ光エンコーダと同様にして、x
p/4rsの分解能で角度を検出することができる。ま
た、I1+I2とI2+I3の和は、この分解能xp/
4rs内で直線上に変化するため、この直線から角度を
内挿し、検出分解能をさらに高めることができる。
【0087】たとえば、xpを10μm,rl=3mm
とし、10ビットのA/D変換器で(I1+I2)十
(I2+I3)に対応する電圧を検出して内挿演算する
とき、得られる分解能は0.01/(4*3*2^9)
=1.6μrad=0.34角度秒となる。図14は角
度検出光学系とシャフト1の配置の構成図である。図に
おいて、47は角度検出光学系であり、レーザダイオー
ド32、回折格子33、ビームスプリッタ34、フォト
ダイオード35、レンズ36を含んでいる。2つの角度
検出光学系47をシャフト直径上の対向する位置に配置
し、各々の角度検出信号の差の1/2を角度検出値とす
るように、信号処理系で処理する。このように信号処理
することにより、シャフト1が並進移動成分を除去し
て、回転成分を取り出すことができる。
【0088】図15は、ランド・グルーブ領域37をシ
ャフト1の先端面に設けた場合の角度検出光学系の構成
図である。角度検出光学系47およびランド・グルーブ
領域37は図11〜図13で述べた例と同様であり、同
様の動作を得ることができる。ランド・グルーブ領域3
7をシャフト1の端面に設けることにより、ランド40
の平面度を高め、検出信号のS/N比を高めることがで
きる。
【0089】実施の形態3.次に、実施の形態3による
有限回転電動機の駆動制御方法について述べる。図16
は、実施の形態3による駆動回路図であり、図におい
て、7,8,9,10は実施の形態1に示した巻線であ
り、巻線7,9を励磁したときのトルクと巻線8,10
を励磁したときのトルクは逆方向に作用する。50,5
2は外部抵抗、51,53はダイオードである。
【0090】巻線7,9は並列接続され、この並列回路
に外部抵抗50とダイオード51の直列回路が並列接続
される。また、巻線8,10は並列接続され、この並列
回路に外部抵抗52とダイオード53の直列回路が並列
接続される。これら並列回路の両端にはFET21,2
5を介して直流電源30が印加される。
【0091】次に、本実施の形態の動作を説明する。F
ET21をターンオン、ターンオフし、オン時間、オフ
時間のデューティー比によって巻線7,9に流れる電流
の大きさを制御する。ターンオフした直後には、巻線
7,9の電流がダイオード51を介して環流するが、こ
の環流を速やかに減衰させるために外部抵抗50を設け
ている。環流電流が外部抵抗50のジュール熱として消
費されて減衰する。
【0092】しかしながら、ターンオフでの電流の減少
はターンオンでの電流の増加に比べて、時定数が大きい
ので、ここでは、次のようにしてトルク制御の応答速度
を高めている。FET21のターンオフと同時にFET
25をターンオンして対向する巻線8,10に電流を流
し、トルクを逆向きに作用させている。ターンオンの電
流の時定数はターンオフに比べて短いので、トルク制御
の応答速度を高められる。本実施の形態3の駆動回路は
FETを2個のみで構成できており、安価に応答速度の
大きい装置を得られる利点がある。
【0093】
【発明の効果】請求項1の発明によれば、駆動用の固定
子磁極を構成し巻線を巻回したステータと、磁極を構成
するロータの各々に突起状にティースを設け、これらの
ティースの側面を周方向にギャップを設けて対向させて
配置し、前記ステータの巻線による発生磁界で前記ギャ
ップに磁束を生じさせてステータのティースとロータの
ティースの側面に磁気吸引力を生じさせることでトルク
を発生し、所定の有限回転角度の範囲内でロータを回転
させると共に、有限回転角度の範囲の限界付近では、前
記ステータのティースとロータのティースの側面のギャ
ップを小さくすることによって磁束密度を増してトルク
を増大させ、前記有限回転角度の範囲を越えると前記ス
テータのティースとロータのティースの側面を当接させ
ることで、ステータティースとロータティース側面の磁
気吸引力により直接トルクを生じさせるため、大きなト
ルクが得られるという効果がある。更に、トルクとロー
タ慣性比を大きくでき、ロータに巻線や磁石を用いるこ
となく磁性体金属のみで堅牢に構成して固有振動数を高
めて角度制御帯域幅を広くできるという効果がある。
【0094】請求項2の発明によれば、ステータのティ
ースと対向するロータのティースの両側面部分を所定の
傾斜角で切削したテーパ状とし、前記ティースの断面形
状を菱形とすることで、ステータのティースの磁束密度
を均一にすることができるという効果がある。
【0095】請求項3の発明によれば、発光素子をロー
タの端部から軸方向に延びるシャフトに備え、この発光
素子から照射される光束を光検出器の受光面で受け、受
光面上の光束位置を光検出器で検出することによってシ
ャフトの回転角度を検出し、この角度検出値が角度検出
指令値に追従するように巻線に流れる電流を制御するこ
とで、軽量な光学素子もしくは反射面をシャフトに設け
て角度検出行うことができるため、回転部の慣性モーメ
ントを小さくでき、しかも高速の駆動装置が得られると
いう効果がある。
【0096】請求項4の発明によれば、ロータの端部か
ら軸方向に延びるシャフトの軸芯に対して平行な溝を、
前記シャフトの周方向に沿って多数所定間隔で形成し、
この溝に光束を照射した際にシャフト回転に伴う反射光
束の変化を検出することでシャフトの回転角度を検出
し、この角度検出値が角度検出指令値に追従するように
巻線電流を制御することで、軽量な光学素子もしくは反
射面をシャフトに設けて角度検出を行うことがができる
ため、回転部の慣性モーメントを小さくでき、しかも、
高速の駆動装置が得られるという効果がある。
【0097】請求項5の発明によれば、ロータの端部か
ら軸方向に延びるシャフトの端面に径方向に向けた複数
の溝を所定間隔で周方向に形成し、この溝に光束を照射
した際にシャフト回転に伴う反射光束の変化を検出して
シャフトの回転角度を検出し、この角度検出値が角度検
出指令値に追従するように巻線電流を制御することで、
軽量な光学素子もしくは反射面をシャフトの端面に設け
て角度検出を行うことができるため、回転部の慣性モー
メントを小さくでき、しかも、高速の駆動装置が得られ
るという効果がある。
【0098】請求項6の発明によれば、ステータに励磁
用の巻線を巻回した4個のティースを設けると共にロー
タに2個のティースを設け、このロータを介して斜方向
に対向する各ステータティースを一対とし、これらステ
ータティースに電流を流したときに一方のステータティ
ースから出た磁束がロータティースを通して対を成す他
方のステータティースに入り、各ステータティースを外
側から連結するコアバックを経て前記一方のステータテ
ィースに戻るように磁気回路を構成してトルクを発生さ
せて前記ロータを回転させることで、ステータティース
とロータティース側面の磁気吸引力により直接トルクを
生じさせるため、大きなトルクが得られるという効果が
ある。
【0099】請求項7の発明によれば、一対のステータ
ティースを励磁する巻線の電流を一つのパワー素子でオ
ン制御し、他の一対のステータティースを励磁する巻線
の電流を他のパワー素子をオフ制御することで、安価に
応答速度の大きい装置が得られるという効果がある。
【0100】請求項8の発明によれば、各パワー素子の
オンにより各巻線に電流を流して各一対のステータティ
ースを励磁することで、各一対のステータティースとロ
ータティース間に互いに逆方向のトルクを発生させるこ
とで、回転角度を精度高く調整できるという効果があ
る。
【0101】請求項9の発明によれば、巻線印加電圧の
変動周波数を巻線の抵抗RとインダクタンスLで与えら
れる巻線電流の周波数特性の折点周波数R/(2πL)
よりも高くしたので、短時間の急峻な加減速動作におい
ても、巻線のインダクタンスによる電流の遅れ分を見込
んで、高い電圧を加えることにより所要のトルクを発生
させて高速に動作させることができるという効果があ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明の実施の形態1に係わる有限回転電
動機の断面図である。
【図2】 この発明の実施の形態1に係わる有限回転電
動機の駆動制御方法の駆動回路図である。
【図3】 この発明の実施の形態1に係わる有限回転電
動機のロータ角度による磁路の変化を説明する断面図で
ある。
【図4】 この発明の実施の形態1に係わる有限回転電
動機のロータ付近の断面図である。
【図5】 この発明の実施の形態1に係わる有限回転電
動機のロータとシャフトの斜視図である。
【図6】 この発明の実施の形態1に係わる矩形ロータ
の有限回転電動機の断面図である。
【図7】 この発明の実施の形態1に係わる菱形ロータ
の有限回転電動機の磁路の説明図である。
【図8】 この発明の実施の形態1に係わる矩形ロータ
の有限回転電動機の磁路の説明図である。
【図9】 この発明の実施の形態1に係わる有限回転電
動機の角度検出光学系の斜視図である。
【図10】 この発明の実施の形態1に係わる有限回転
電動機の角度検出光学系の模式図とその信号処理系のブ
ロック図である。
【図11】 この発明の実施の形態2に係わる有限回転
電動機の角度検出光学系の斜視図である。
【図12】 この発明の実施の形態2に係わる有限回転
電動機の角度検出光学系のランド・グルーブおよび光束
の上面図と正面図である。
【図13】 この発明の実施の形態2に係わる有限回転
電動機の角度検出光学系におけ光強度と回転角度のグラ
フである。
【図14】 この発明の実施の形態2に係わる有限回転
電動機の角度検出光学系の構成因である。
【図15】 この発明の実施の形態2に係わる有限回転
電動機の角度検出光学系の斜射図ある。
【図16】 この発明の実施の形態3に係わる有限回転
電動機の駆動回路図ある。
【図17】 従来技術1に係わる有限回転電動機の断面
図である。
【図18】 従来技術1に係わる電動機の断面図であ
る。
【図19】 従来技術2に係わる有限回転電動機の断面
図である。
【図20】従来技術2に係わる有限回転電動機のロータ
・シャフト系の斜視図である。
【図21】 スキャナの具体的諸元の一例を示した表で
ある。
【符号の説明】
1 シャフト、2 ロータ、3〜6 ステータティー
ス、7〜10 巻線、11 コアバック、12,13
軸受、14 ミラー、15,16 発光素子、17,1
8 光検出器、21〜28 FET、29 ダイオー
ド、30 直流電源、37 ランド・グルーブ領域、3
9 グルーブ、40 ランド、41,42,43 ビー
ムスポットP、50,51,52,53 外部抵抗ダイ
オード。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 山崎 芳昭 東京都千代田区丸の内二丁目2番3号 三 菱電機株式会社内 (72)発明者 上田 淳 東京都千代田区丸の内二丁目2番3号 三 菱電機株式会社内 (72)発明者 森安 雅治 東京都千代田区丸の内二丁目2番3号 三 菱電機株式会社内 (72)発明者 竹野 祥瑞 東京都千代田区丸の内二丁目2番3号 三 菱電機株式会社内 (72)発明者 黒澤 満樹 東京都千代田区丸の内二丁目2番3号 三 菱電機株式会社内 (72)発明者 川村 敦彦 東京都千代田区丸の内二丁目2番3号 三 菱電機株式会社内 (72)発明者 鉾館 俊之 東京都千代田区丸の内二丁目2番3号 三 菱電機株式会社内 (72)発明者 祝 靖彦 東京都千代田区丸の内二丁目2番3号 三 菱電機株式会社内 Fターム(参考) 2F065 AA39 BB05 BB06 BB16 BB18 CC00 DD03 DD04 FF17 FF23 FF44 GG06 GG13 HH04 HH12 HH13 HH14 JJ01 JJ05 JJ09 JJ16 JJ18 JJ22 JJ23 LL04 LL42 LL46 QQ34 5H633 BB07 GG02 GG04 GG09 GG13 HH15 HH20 HH24 JA08 JB05

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 駆動用の固定子磁極を構成し巻線を巻回
    したステータと、磁極を構成するロータの各々に突起状
    にティースを設け、これらのティースの側面を周方向に
    ギャップを設けて対向させて配置し、 前記ステータの巻線による発生磁界で前記ギャップに磁
    束を生じさせてステータのティースとロータのティース
    の側面に磁気吸引力を生じさせることでトルクを発生
    し、所定の有限回転角度の範囲内でロータを回転させる
    と共に、有限回転角度の範囲の限界付近では、前記ステ
    ータのティースとロータのティースの側面のギャップを
    小さくすることによって磁束密度を増してトルクを増大
    させ、前記有限回転角度の範囲を越えると前記ステータ
    のティースとロータのティースの側面を当接させること
    を特徴とする有限回転電動機。
  2. 【請求項2】 ステータのティースと対向するロータの
    ティースの両側面部分を所定の傾斜角で切削したテーパ
    状とし、前記ティースの断面形状を菱形としたことを特
    徴とする請求項1に記載の有限回転電動機。
  3. 【請求項3】 発光素子をロータの端部から軸方向に延
    びるシャフトに備え、この発光素子から照射される光束
    を光検出器の受光面で受け、受光面上の光束位置を光検
    出器で検出することによってシャフトの回転角度を検出
    し、この角度検出値が角度検出指令値に追従するように
    巻線に流れる電流を制御することを特徴とする請求項1
    に記載の有限回転電動機。
  4. 【請求項4】 ロータの端部から軸方向に延びるシャフ
    トの軸芯に対して平行な溝を、前記シャフトの周方向に
    沿って多数所定間隔で形成し、この溝に光束を照射した
    際にシャフト回転に伴う反射光束の変化を検出すること
    でシャフトの回転角度を検出し、この角度検出値が角度
    検出指令値に追従するように巻線電流を制御することを
    特徴とする請求項1に記載の有限回転電動機。
  5. 【請求項5】 ロータの端部から軸方向に延びるシャフ
    トの端面に径方向に向けた複数の溝を所定間隔で周方向
    に形成し、この溝に光束を照射した際にシャフト回転に
    伴う反射光束の変化を検出してシャフトの回転角度を検
    出し、この角度検出値が角度検出指令値に追従するよう
    に巻線電流を制御することを特徴とする請求項1に記載
    の有限回転電動機。
  6. 【請求項6】 ステータに励磁用の巻線を巻回した4個
    のティースを設けると共にロータに2個のティースを設
    け、このロータを介して斜方向に対向する各ステータテ
    ィースを一対とし、これらステータティースに電流を流
    したときに一方のステータティースから出た磁束がロー
    タティースを通して対を成す他方のステータティースに
    入り、各ステータティースを外側から連結するコアバッ
    クを経て前記一方のステータティースに戻るように磁気
    回路を構成してトルクを発生させて前記ロータを回転さ
    せることを特徴とする有限回転電動機の駆動制御方法。
  7. 【請求項7】 一対のステータティースを励磁する巻線
    の電流を一つのパワー素子でオン制御し、他の一対のス
    テータティースを励磁する巻線の電流を他のパワー素子
    をオフ制御することを特徴とする請求項6に記載の有限
    回転電動機の駆動制御方法。
  8. 【請求項8】 各パワー素子のオンにより各巻線に電流
    を流して各一対のステータティースを励磁することで、
    各一対のステータティースとロータティース間に互いに
    逆方向のトルクを発生させるようにしたことを特徴とす
    る請求項6に記載の有限回転電動機の駆動制御方法。
  9. 【請求項9】 巻線印加電圧の変動周波数を巻線の抵抗
    RとインダクタンスLで与えられる巻線電流の周波数特
    性の折点周波数R/(2πL)よりも高くしたことを特
    徴とする請求項6に記載の有限回転電動機の駆動制御方
    法。
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