JP2000212145A - Nε―アシル―4―オキサリジンおよびその製造用中間体 - Google Patents

Nε―アシル―4―オキサリジンおよびその製造用中間体

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JP2000212145A
JP2000212145A JP11014568A JP1456899A JP2000212145A JP 2000212145 A JP2000212145 A JP 2000212145A JP 11014568 A JP11014568 A JP 11014568A JP 1456899 A JP1456899 A JP 1456899A JP 2000212145 A JP2000212145 A JP 2000212145A
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acyl
oxalidine
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Satoshi Kondo
智 近藤
Takeshi Tamamura
健 玉村
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Hokko Chemical Industry Co Ltd
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Hokko Chemical Industry Co Ltd
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  • Acyclic And Carbocyclic Compounds In Medicinal Compositions (AREA)
  • Organic Low-Molecular-Weight Compounds And Preparation Thereof (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 各種の機能剤として従来使用されたNε-長鎖
アシル塩基性アミノ酸よりもすぐれた機能性を有する新
規なアミノ酸誘導体あるいは薬剤を提供する。 【解決手段】 一般式(I) 〔式中、RCO-は炭素数8〜22の直鎖または分岐鎖状の飽
和または不飽和脂肪族カルボン酸残基であるアシル基を
示す〕で表されるNε-アシル-4-オキサリジンが新規化
合物として合成され、すぐれた種々の機能性を有すると
認められる。 また、一般式(I)の化合物の製造用の中
間体として、新規化合物であるビス-またはトリス-4-オ
キサリジン-金属錯化合物の塩、ビス- またはトリス-N
ε-アシル-4-オキサリジン-金属錯化合物および4-オキ
サリジンの脂肪族カルボン酸付加塩も合成された。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、有用な新規化合物
として、酸化防止作用、撥水性、滑沢性および殺菌消毒
作用ならびにその他の有用な機能性を有するNε-アシル
-4-オキサリジンに関する。また、本発明は前記のNε-
アシル-4-オキサリジンよりなる酸化防止剤、撥水剤、
または滑沢剤に関する。
【0002】さらに、本発明は、前記のNε-アシル-4-
オキサリジンの製造法に用いられる中間体として、新規
な化合物であるビス-またはトリス-4-オキサリジン-金
属錯化合物の塩およびビス-またはトリス-Nε-アシル-4
-オキサリジン-金属錯化合物ならびに4-オキサリジンの
脂肪酸付加塩にも関する。
【0003】
【従来の技術】リジン、オルニチン、2,4-ジアミノ酪酸
のような、Nα,Nω-ジアミノモノカルボン酸である塩
基性アミノ酸の末端アミノ基を長鎖脂肪族カルボン酸で
アシル化して生成されたNε-長鎖アシル化塩基性アミノ
酸は、両性界面活性剤の原料として有用であり、また一
般の洗浄剤はもとより、殺菌消毒剤、繊維柔軟剤、防錆
剤、浮遊選鉱剤、接着剤、清澄剤、染料固着剤、帯電防
止剤、乳化剤、化粧品用界面活性剤、化粧用粉体、金属
キレート剤などの広範な用途に適する機能を有すること
が知られている(特開昭47-41912号公報および特公昭51-
28610号公報)。
【0004】さらに、塗料、樹脂、医薬、農薬、化粧
品、セラミックスなどに種々の目的で配合されるタル
ク、硫酸バリウム、二酸化チタン、酸化亜鉛、炭酸カル
シウム、フェライト、金属粉、金属繊維などの無機質固
体の表面は、本質的に親水性であるために水に濡れやす
く、水をよく吸収する。またこれら無機質固体は有機溶
媒や油脂などの非極性物質中に分散させる際にも一般に
分散性が劣る。さらにこれら無機質固体は表面活性が強
く、油脂と混合した場合、油脂中の成分の酸化を促進
し、過酸化物を生成する作用を有するから、油脂成分や
その他の混合される有効成分の変質、酸敗を招くなど、
無機質固体を配合された製剤の安定性や、安全性の面に
問題を生ずる。
【0005】このような無機質固体の濡れ性を改善し、
分散性を向上させ、またその表面活性を抑制するため、
無機質の表面改質法の1つとしてNε-アシル-L-リジン
またはその類似化合物を無機質表面に吸着させる方法が
提案されている(特開昭63-3078号公報参照)。
【0006】しかしながら、上記の用途で用いられた既
知のNω-長鎖アシル化塩基性アミノ酸は、油脂成分であ
る、例えばオレイン酸に対する酸化防止作用、あるいは
無機質のタルクに対する撥水性付与作用またはその他の
機能性の点で必らずしも十分に満足できるほど高い作用
を示さないことが従来、認められている。
【0007】他方、次式(A) で示される2-アミノ-3-(β-アミノエトキシ)-プロピオ
ン酸は、 4-オキサリジン(4-oxalysine)として知られ、
4-オキサリジンは各種細菌に対して静菌作用を有するこ
とが知られ、さらにそれの製造方法が ジャーナル・オ
ブ・アメリカン・ケミカル・ソサイアティー(J. Am. Ch
em. Soc.)79巻、5693〜5695頁(1957年11月号)に記載さ
れる。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、無機
質の表面改質剤としてまたはその他の用途に従来用いら
れた既知のNω-長鎖アシル化塩基性アミノ酸に比べて、
酸化防止作用、撥水性付与作用および(または)滑沢作用
などの機能性がより優れた新規な化合物または薬剤を提
供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記の目
的を達成するために多くの化合物を合成し、またそれら
化合物の酸化防止作用、撥水性付与作用、滑沢性などの
機能性を検討した。その結果、後記の一般式(I)で総括
的に表されるNε-長鎖アシル-4-オキサリジンが新規化
合物であって、しかも油脂中のリノレン酸成分に対して
優れた酸化防止作用をもち、またタルクのような無機材
料に表面処理剤として配合した場合に優れた撥水作用を
示し、また滑沢剤としても有用であることが見出され
た。
【0010】従って、第1の本発明においては、次の一
般式(I) 〔式中、RCO- は炭素数8〜22の直鎖または分岐鎖状の
飽和または不飽和脂肪族カルボン酸残基であるアシル基
を示す〕で表されるNε-アシル-4-オキサリジンが提供
される。
【0011】上記の一般式(I)で表されるNε-アシル-4
-オキサリジンの骨格を構成する4-オキサリジンは、D
体あるいはL体の光学活性体であってもよく、またラセ
ミ体であってもよい。一般式(I)のNε-アシル-4-オキ
サリジンの側鎖を構成する長鎖アシル基RCO- として
は、炭素数8〜22の直鎖あるいは分岐鎖状の飽和または
不飽和脂肪族アシル基が挙げられ、これらは単一物であ
っても混合物であってもよい。
【0012】上記のアシル基RCO- は、具体的には、2-
エチルヘキサノイル基、カプロイル基、ラウロイル基、
ミリストイル基、パルミトイル基、ステアロイル基、イ
ソステアロイル基、オレオイル基、ベヘノイル基、ココ
イル基、あるいはヤシ油脂肪酸アシル基、牛脂肪酸アシ
ル基または硬化牛脂肪酸アシル基が挙げられる。上記の
アシル基は、4-オキサリジンのε位のアミノ基に結合し
ている。
【0013】一般式(I)のNε-アシル-4-オキサリジン
の化合物例を表1にまとめて示す。
【0014】
【0015】表1に示した化合物番号は、後述する実施
例および試験例でも参照される。
【0016】一般式(I)の Nε-アシル-4-オキサリジン
は特公昭51-28610号公報 または「薬学雑誌」89巻531頁
(1969)に記載される従来より公知の方法に準じて製造で
きる。
【0017】第1の製造方法 次に、一般式(I)のNε-アシル-4-オキサリジンを製造
する第1の方法について説明する。すなわち、この第1
の製造方法は、前記の式(A)の4-オキサリジン、または
これの末端アミノ基における酸の付加塩を熱水中で銅、
亜鉛、マンガン、鉄、マグネシウム、ニッケル、パラジ
ウム、プラチナまたは鉛である2価金属、あるいはアル
ミニウムまたはコバルトである3価の金属、もしくはこ
れら金属の酸化物(例えば亜酸化物)、水酸化物または
塩(例えば塩化物、炭酸塩、硫酸塩)と反応させて次の
一般式(II) 〔式中、Mは2価の金属原子として銅、亜鉛、マンガ
ン、鉄、マグネシウム、ニッケル、パラジウム、プラチ
ナまたは鉛の原子を、あるいは3価の金属原子としてア
ルミニウムまたはコバルトの原子を示し、Mが2価の金
属原子を示す時にはnは2の整数であり、またMが3価
の金属原子を示す時には nは3の整数であり、さらに
Xは、存在しないか、あるいは無機酸、有機酸、脂肪酸
またはアニオン界面活性剤化合物を示す〕で表されるビ
ス-またはトリス-4-オキサリジン-金属錯化合物または
その酸付加塩を生成する第1工程と、次に一般式(II)の
金属錯化合物またはその酸付加塩を有機溶媒、例えばジ
オキサン中で脱酸剤として作用する塩基の存在下に式RC
OCl(式中、RCO-は炭素数8〜22の直鎖または分岐鎖状の
飽和または不飽和脂肪族カルボン酸残基であるアシル基
である)のアシルクロリドと反応させて式(II)の化合物
のε位アミノ基をアシル化し、これにより次の一般式(I
II) 〔式中、RCO-は炭素数8〜22の直鎖または分岐鎖状の飽
和または不飽和脂肪族カルボン酸残基であるアシル基を
示し、またMは2価の金属原子として銅、亜鉛、マンガ
ン、鉄、マグネシウム、ニッケル、パラジウム、プラチ
ナまたは鉛の原子を、あるいは3価の金属原子としてア
ルミニウムまたはコバルトの原子を示し、Mが2価の金
属原子を示すときにはnは2の整数であり、またMが3
価の金属原子を示すときにはnは3の整数である〕で表
されるビス-またはトリス-Nε-アシル-4-オキサリジン-
金属錯化合物を生成する第2工程と、さらに一般式(II
I)の金属錯化合物を酸性の水溶液中でEDTAまたは硫化水
素と反応させて式(III)の金属錯化合物から錯形成の金
属原子Mを脱離させ、これにより目的の一般式(I)のN
ε-アシル-4-オキサリジンを生成する第3工程から成
る。
【0018】上記の第1の製造方法は、次の反応式(1)
により例示できる。
【0019】なお、上記の第1方法の第1工程において
は、酸が付加していない遊離の形の式(A)の4-オキサリ
ジンを出発化合物として用いて、これに金属、金属酸化
物または金属水酸化物を反応させる場合には、生成され
た式(II)の金属錯化合物は酸(X)が付加されてない遊離
の形で生成される。また、4-オキサリジンの酸付加塩を
出発化合物として用いて、これに金属、金属酸化物また
は金属塩(例えば炭酸塩)を反応させる場合、あるいは遊
離の4-オキサリジンを用いてこれに金属塩を反応させる
場合には、生成された式(II)の金属錯化合物は酸(X)が
付加された塩の形で生成される。また、前記の一般式(I
I)の金属錯化合物においては、Xは、無機酸、有機酸、
脂肪酸 またはアニオン性界面活性剤化合物であること
ができる。ここでXである無機酸としては、塩酸、臭化
水素酸、沃化水素酸、硫酸、硝酸、リン酸、炭酸等が挙
げられる。また有機酸としては酢酸、安息香酸、ソルビ
ン酸、グリコール酸、乳酸、グリセリン酸、酒石酸、蓚
酸等が挙げられる。 また、脂肪酸としては、カプリル
酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステア
リン酸、オレイン酸、ヤシ油脂肪酸、牛脂脂肪酸等があ
げられる。さらにアニオン界面活性剤化合物としてはラ
ウリル硫酸エステル、ラウリルエーテル硫酸エステル、
ドデシルベンゼンスルホン酸等が挙げられる。
【0020】さらに、一般式(III)の金属錯化合物にお
けるアシル基RCO-は2-エチルヘキサノイル基、カプロイ
ル基、ラウロイル基、ミリストイル基、パルミトイル
基、ステアロイル基、イソステアロイル基、オレオイル
基、ベヘノイル基またはココイル基、あるいはヤシ油脂
肪酸アシル基、牛脂肪酸アシル基または硬化牛脂肪酸ア
シル基であることができる。
【0021】前記の第1の製造方法は、出発原料として
4-オキサリジンを用い且つ金属化合物として銅化合物を
用いると好適に実施できる。この好適な実施法は次のよ
うに行うことができる。すなわち4-オキサリジン・1塩
酸塩の水溶液中に塩基性炭酸銅を4-オキサリジンに対し
て銅として1/2当量になるように加えて、必要に応じて
加熱反応させることにより、ビス-4-オキサリジン-銅錯
化合物の塩酸塩を生成できる。なお、上記塩基性炭酸銅
に代えて、亜酸化銅、硫酸銅、塩化銅、水酸化銅、塩基
性塩化銅あるいは塩基性硫酸銅を用いてもよい。
【0022】次いで、得られたビス-4-オキサリジン-銅
錯化合物塩酸塩の水溶液中に炭酸水素カリウムとジオキ
サンを加え、0℃に冷却する。アシルクロリドと水酸化
カリウムを10分間隔で加えるショッテンバウマン法でε
位のアミノ基をアシル化することにより、ビス-Nε-ア
シル-4-オキサリジン-銅錯化合物を生成できる。
【0023】さらに、得られたビス-Nε-アシル-4-オキ
サリジン-銅錯化合物を酸性条件下、EDTAを処理すること
により銅を脱離できる。あるいは前記の銅錯化合物を希
硫酸に懸濁溶解させ、この中に硫化水素ガスを通気させ
ることにより、硫化銅として銅を脱離して沈殿させ、次
いで硫化銅を除去後、溶液を中和する。こうしてNε-ア
シル-4-オキサリジンを好適に製造し得る。
【0024】上記の好適な実施法は下記の反応式(1A)で
例示できる。
【0025】第2の製造方法 さらに、一般式(I)のNε-アシル-4-オキサリジンを製
造する第2の方法について説明する。この第2の製造方
法は、特開昭49-1513号公報に記載の方法に準じて行わ
れるものであり、4-オキサリジンの末端アミノ基に長鎖
脂肪族カルボン酸RCOOHを作用させて次の一般式(IV) 〔式中、RC(=O)-O- は炭素数8〜22の直鎖または分岐鎖
状の飽和または不飽和脂肪族カルボン酸のカルボキシル
基から水素原子を解離して誘導されるアシルオキシ基型
のアニオンを示す〕で表される4-オキサリジンの脂肪酸
付加塩を生成する工程と、次いでこれを溶剤の不存在下
に溶融状態で、あるいは無水の有機溶剤中で加熱下に脱
水反応にかける工程から成る方法である。
【0026】上記の一般式(IV)の化合物におけるアニオ
ン RC(=O)-O- は2-エチルヘキサン酸、カプリル酸、ラ
ウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン
酸、イソステアリン酸、オレイン酸またはベへン酸ある
いはヤシ油脂肪酸、牛脂脂肪酸または硬化牛脂脂肪酸か
ら誘導されるアシルオキシ基型のアニオンであることが
できる。
【0027】この第2の製造方法は下記の反応式(2)で
例示できる。
【0028】上記の一般式(II)、一般式(III)および一
般式(IV)で表わされる化合物は、すべて新規化合物であ
って、いずれも一般式(I)のNε-アシル-4-オキサリジ
ンの合成用の中間体として有用である。
【0029】一般式(II)で表わされる4-オキサリジン-
金属錯化合物あるいはその塩並びに一般式(III)で表わ
されるNε-アシル-4-オキサリジン-金属錯化合物および
一般式(IV)で表わされる4-オキサリジン脂肪酸塩を構成
する4-オキサリジンは、D体あるいはL体の光学活性体
であってもよく、またラセミ体であってもよい。
【0030】従って、第2の本発明においては、次の一
般式(II) 〔式中、Mは2価の金属原子として銅、亜鉛、マンガ
ン、鉄、マグネシウム、ニッケル、パラジウム、プラチ
ナまたは鉛の原子を、あるいは3価の金属原子としてア
ルミニウムまたはコバルトの原子を示し、Mが2価の金
属原子を示す時にはnは2の整数であり、またMが3価
の金属原子を示す時には nは3の整数であり、さらに
Xは、存在しないか、あるいは無機酸、有機酸、脂肪酸
またはアニオン界面活性剤化合物を示す〕で表されるビ
ス-またはトリス-4-オキサリジン-金属錯化合物または
その酸付加塩が提供される。
【0031】一般式(II)で表わされる4-オキサリジン-
金属錯化合物またはその酸付加塩の化合物の例を表2に
示す。
【0032】さらに、第3の本発明においては、次の一
般式(III) 〔式中、RCO-は炭素数8〜22の直鎖または分岐鎖状の飽
和または不飽和脂肪族カルボン酸残基であるアシル基を
示し、またMは2価の金属原子として銅、亜鉛、マンガ
ン、鉄、マグネシウム、ニッケル、パラジウム、プラチ
ナまたは鉛の原子を、あるいは3価の金属原子としてア
ルミニウムまたはコバルトの原子を示し、Mが2価の金
属原子を示す時にはnは2の整数であり、またMが3価
の金属原子を示す時にはnは3の整数である〕で表され
るビス- またはトリス-Nε-アシル-4-オキサリジン-金
属錯化合物が提供される。
【0033】一般式(III)で表わされるNε-アシル-4-オ
キサリジン-金属錯化合物の具体例を次の表3にまとめ
て示す。
【0034】さらに、第4の本発明においては、次の一
般式(IV) 〔式中、RC(=O)-O- は炭素数8〜22の直鎖または分岐鎖
状の飽和または不飽和脂肪族カルボン酸のカルボキシル
基から水素原子を解離して誘導されるアシルオキシ基型
のアニオンを示す〕で表される4-オキサリジンの脂肪族
カルボン酸付加塩が提供される。
【0035】一般式(IV)で表わされる4-オキサリジンの
脂肪族カルボン酸付加塩の具体例を次の表4にまとめて
示す。
【0036】さらに、第1の本発明による一般式(I)の
Nε-アシル-4-オキサリジンの機能性について説明す
る。一般式(I)の化合物はそのままで酸化防止剤として
用いることができる。例えば、一般式(I)のNε-アシル
-4-オキサリジンを油脂または化粧料などに混合した場
合、油脂あるいは化粧料に含有される有効成分、例えば
リノレン酸の保存性を高めることができる。
【0037】本発明による一般式(I)のNε-アシル-4-
オキサリジンは水にも油にもほとんど溶解せず、撥水性
および滑沢性に優れた粉体であり、その使用感触、特に
平滑感の優れた化合物であることから、固体潤滑剤、機
能性粉体、表面改質剤または両性界面活性剤としても有
用である。さらに、一般式(I)のNε-アシル-4-オキサ
リジンは、減圧下に190℃附近の温度で昇華できる性質
を有し、また塩化カルシウムを溶解、含有する含水エタ
ノールには溶解できる性質を有する。これらの性質を利
用して、酸化チタン、タルクのような無機質、あるいは
有機顔料の表面に昇華蒸着法、乾式混合法あるいは湿式
法により一般式(I)のNε-アシル-4-オキサリジンを撥
水剤および(または)滑沢剤あるいは表面改質剤として付
着させることができる。また、一般式(I)の Nε-アシ
ル-4-オキサリジンの粉体を、無機質顔料粉末 または有
機顔料粉末と乾式で混和して得られた粉末混合物におい
ては、油脂によく分散できるように顔料粒子の表面が改
質されていることが認められた。
【0038】従って、第5の本発明においては、上記の
一般式(I)のNε-アシル-4-オキサリジンよりなる酸化
防止剤が提供される。
【0039】また、第6の本発明においては、一般式
(I)のNε-アシル-4-オキサリジンよりなる撥水剤が提
供される。
【0040】さらに、第7の本発明においては、一般式
(I)のNε-アシル-4-オキサリジンよりなる滑沢剤が提
供される。
【0041】
【発明の実施の形態】次に、実施例および試験例を挙げ
て本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれらに
限定されるものではない。
【0042】なお、後記の実施例1〜3は、前記の第1
の製造方法によって第1の本発明化合物を製造する例で
あり、また後記の実施例4は、前記の第2の製造方法に
よって第1の本発明化合物を製造する例である。
【0043】実施例1 Nε-ラウロイル-L-4-オキサリ
ジン(表1の化合物No.2)の製造 (1) L-4-オキサリジン-銅錯化合物・1塩酸塩(表2の化
合物No.8)の生成 L-4-オキサリジン・1塩酸塩、5 g(27.08 mmol)を熱水
50 mlに溶かし、その溶液に塩基性炭酸銅、3.34 g(14 m
mol)を突沸させないように少しずつ加えた。得られた混
合物を10分間煮沸し、ろ過した。不溶物を熱水、2 ml
で洗い、ろ液と合わせた。そのろ液を半固体状態まで減
圧濃縮した。その濃縮溶液にメタノールを10 ml加え、6
0℃で加熱溶解させた。得られた溶液を室温で放置する
と直ちに結晶が析出した。 この結晶をろ取し、減圧乾
燥することにより、表題のビス-L-4-オキサリジン-銅錯
化合物・1塩酸塩の6.07 g(収率96%)得た。 IRスペクトル(KBr拡散反射法):3431, 3240, 3085, 301
8, 2937, 1649,1585, 1514, 1373, 1336, 1136, 1110,
1093, 1049cm-1
【0044】(2) ビス-Nε-ラウロイル-L-4-オキサリジ
ン-銅錯化合物(表3の化合物No.16)の生成 前項(1)で得られたビス-L-4-オキサリジン-銅錯化合物
・1塩酸塩を水50 mlに溶かし、得られた溶液に2M炭酸
水素カリウム水溶液(12 ml)とジオキサン(30 ml)を加え
た。得られた混合物を入れたフラスコを氷水浴につけて
0℃に冷却した。激しく攪拌しながらラウロイルクロラ
イドのジオキサン溶液(5g/12ml)の1 mlと4M水酸化カ
リウムの0.48 mlを0℃で加えた。10分間隔でこの操作
を11回繰り返す。添加後さらに反応混合物を10時間激し
く攪拌し、生成した沈殿物をろ取した。ろ取した沈澱物
を水、次いでエタノールで洗うことにより表題のビス-N
ε-ラウロイル-L-4-オキサリジン-銅錯化合物の9.27 g
(収率91%)を得た。 IRスペクトル(KBr拡散反射法):3307, 3234, 2926, 284
5, 1639, 1624,1531, 1406, 1136, 1114cm-1
【0045】(3) Nε-ラウロイル-L-4-オキサリジン(表
1の化合物No.2)の生成 前項(2)で得られたビス-Nε-ラウロイル-L-4-オキサリ
ジン銅錯化合物を EDTA(4.5 g、15 mmol)の0.33M塩酸懸
濁液(180 ml)中に激しく攪拌しながら少しずつ加えた。
さらに反応混合物を1時間攪拌した後、pHを5に調整
し、生じた白色沈殿物をろ取した。この沈殿物を1M塩
酸、50 mlに溶解させた後、2M水酸化ナトリウムでpHを
5.0に調整し、生成した沈殿物をろ取した。これを水お
よび95%エタノールで順次洗浄し、減圧乾燥することに
よりNε-ラウロイル-L-4-オキサリジンの6.98 g(トータ
ル収率78%)を得た。 融点:201〜202℃ IRスペクトル(KBr拡散反射法):3321, 2918, 2846, 163
7, 1581, 1544,1496, 1413, 1332, 1249, 1132, 1076,
1022cm-1
【0046】実施例2 Nε-ミリストイル-L-4-オキサ
リジン(表1の化合物No.3)の製造 (1) L-4-オキサリジン-銅錯化合物・1塩酸塩(表2の化
合物No.8)の生成 L-4-オキサリジン・1塩酸塩、5 g(27.08 mmol)を熱
水、50mlに溶かし、その溶液に亜酸化銅0.97 g(6.77 mm
ol)を加えた。この混合物を60℃で12時間加熱攪拌した
後、ろ過した。不溶物を熱水5mlで洗い、この洗液とろ
液を一緒にした。そのろ液を半固体状態まで減圧濃縮
し、得られた濃縮溶液にメタノールを10 ml加え、60℃
で加熱溶解させた。得られた溶液を室温で放置すると直
ちに結晶が析出した。この結晶をろ取し、減圧乾燥する
ことにより、ビス-L-4-オキサリジン-銅錯化合物・1塩
酸塩の6.20 g(収率98%)を得た。
【0047】(2) ビス-Nε-ミリストイル-L-4-オキサリ
ジン-銅錯化合物(表3の化合物 No.17)の生成 前項(1)で得られたビス-L-4-オキサリジン-銅錯化合物
・1塩酸塩を水50 mlに溶解した。得られた溶液に2M炭
酸水素カリウム水溶液(12 ml)とジオキサン(30ml)を加
えた。その混合物を入れたフラスコを氷水浴につけて0
℃に冷却した。激しく攪拌しながらミリストイルクロラ
イドのジオキサン溶液(7 g/36 ml)の3mlと4M水酸化カ
リウムの0.48 mlを0℃で加えた。10分間隔でこの操作
を11回繰り返す。添加後さらに反応混合物を10時間激し
く攪拌し、生成した沈殿物をろ取した。
【0048】ろ取した沈澱物を水、次いでエタノールで
洗うことにより、表題のビス-Nε-ミリストイル-L-4-オ
キサリジン-銅錯化合物の8.68 g(収率85%)を得た。 IRスペクトル(KBr拡散反射法) : 3313, 3232, 2914, 28
50, 1703, 1639,1622, 1464, 1408, 1286, 1117, 939cm
-1
【0049】(3) Nε-ミリストイル-L-4-オキサリジン
(表1の化合物No.3)の生成 前項(2)で得たビス-Nε-ミリストイル-L-4-オキサリジ
ン銅錯化合物を EDTA(4.5 g、15 mmol)の0.33M塩酸懸濁
液(180 ml)中に激しく攪拌しながら少しずつ加えた。さ
らに1時間攪拌した後、pHを5に調整し、生じた白色沈
殿物をろ取した。この沈殿物を1M塩酸、50 mlに溶解さ
せた後、2M水酸化ナトリウムでpHを5.0に調整し、生成
した沈殿物をろ取した。これを水および95%エタノール
で順次洗浄し、減圧乾燥することによりNε-ミリストイ
ル-L-4-オキサリジンの5.73 g(トータル収率59%)を得
た。 融点 : 214℃ IRスペクトル(KBr拡散反射法) : 3321,2918, 2849, 163
9, 1551, 1501,1466, 1410, 1333, 1119, 962cm-1
【0050】実施例3 Nε-ステアロイル-L-4-オキサ
リジン(表1の化合物No.5)の製造 (1) L-4-オキサリジン-コバルト錯化合物・1塩酸塩(表
2の化合物No.13)の生成 遊離のL-4-オキサリジン、5 g(33.8 mmol)を水、50 ml
に溶かし、その溶液に塩化コバルト4.02 g(16.9 mmol)
を少しずつ加えた。その混合物を10分間煮沸した。得ら
れた溶液を半固体状態まで減圧濃縮し、メタノールを10
ml加え、60℃で加熱溶解させた。得られた溶液を室温
で放置すると直ちに結晶が析出した。この結晶をろ取
し、減圧乾燥することにより、表題のビス-L-4-オキサ
リジン-コバルト-錯化合物・1塩酸塩の6.61 g(収率92
%)を得た。 IRスペクトル(KBr拡散反射法) : 3040, 1583, 1504, 14
04, 1356, 1111,1026cm-1
【0051】(2) ビス-Nε-ステアロイル-L-4-オキサリ
ジン-コバルト錯化合物の生成 前項(1)で得られたビス-L-4-オキサリジン-コバルト錯
化合物・1塩酸塩を水50 mlに溶かし、得られた溶液に2
M炭酸水素カリウム水溶液(12 ml)とジオキサン(30 ml)
を加えた。混合物を入れたフラスコを氷水浴につけて0
℃に冷却した。激しく攪拌しながらステアロイルクロラ
イドのジオキサン溶液(8.6 g/36 ml)の3 mlと4M水酸化
カリウムの0.48 mlを0℃で加えた。10分間隔でこの操
作を11回繰り返す。添加後さらに反応混合物を10時間激
しく攪拌し、生成した沈殿物をろ取した。この沈澱物
は、表題のビス-Nε-ステアロイル-L-4-オキサリジン-
コバルト錯化合物(表3の化合物No.19)である。
【0052】(3) Nε-ステアロイル-L-4-オキサリジン
(表1の化合物No.5)の生成 前項(2)で得られた沈殿物をEDTA(4.5g、15 mmol)の0.33
M塩酸懸濁液(180 ml)のなかに激しく攪拌しながら少し
ずつ加える。さらに1時間攪拌した後、pHを5に調整
し、生じた白色沈殿物をろ取した。この沈殿物を1M塩
酸、50 mlに溶解させた後、2M水酸化ナトリウムでpHを
5.0に調整し、生成した沈殿物をろ取した。これを水お
よび95%エタノールで順次洗浄し、減圧乾燥することに
よりNε-ステアロイル-L-4-オキサリジンの8.87g(収率7
9%)を得た。 融点 : 185〜186℃ IRスペクトル(KBr拡散反射法): 3330, 2918, 2850, 169
1, 1643, 1543,1485, 1472, 1356, 1256, 1132, 1003,
719cm-1
【0053】実施例4 Nε-パルミトイル-L-4-オキサ
リジン(表1の化合物No.4)の製造 (1) L-4-オキサリジン・パルミチン酸塩(表4の化合物N
o.24)の生成 遊離のL-4-オキサリジン、5g(33.78 mmol)をメタノー
ル20 mlに溶かし、その溶液に対して、パルミチン酸、
8.663 g(33.78 mmol)をエタノール30 mlに加熱下溶解し
て得た溶液を加え、よく混合した。その混合物を5℃で
一夜放置し、析出した結晶をろ別した。この結晶をエタ
ノール20 mlで洗浄し、乾燥することにより、L-4-オキ
サリジン・パルミチン酸塩(表4の化合物No.24)の12.5
6 g(収率92%)を得た。 IRスペクトル(KBr拡散反射法) : 2920, 2848, 1581, 15
60, 1508, 1469,1398, 1340cm-1
【0054】(2) Nε-パルミトイル-L-4-オキサリジン
(表1の化合物No.4)の生成 前項(1)で得たオキサリジン・パルミチン酸塩5 g(12.3
6 mmol)をキシレン50ml中に懸濁した。得られた懸濁液
をオイルバス中で加熱し、共沸により、生成した水を除
去した。5時間反応後、得られた反応溶液を冷却し、50
%エタノール水100 mlを加えて析出した結晶をろ別し
た。この結晶をメタノール50 mlで洗浄することによりN
ε-パルミトイル-L-4-オキサリジン(表1の化合物No.4)
の2.977 g(収率62.4%)を得た。 IRスペクトル(KBr拡散反射法):3327, 2918, 2850, 163
9, 1581, 1546,1498, 1413, 1332cm-1
【0055】試験例1 リノレン酸に対する酸化防止性
試験 Nε-ラウロイル-L-4-オキサリジン(本発明の化合物No.
2)と既知のNε-ラウロイル-L-リジンの酸化防止活性を
比較試験した。酸化防止活性試験は鉄チオシアネート法
〔アグリカルチュアル アンド バイオロジカル ケミス
トリー(Agric.Biol. Chem.)47巻、3号、521頁〜528
頁、1983年参照)に準じて行った。すなわち、99.5%エ
タノールに溶解した0.1%または0.02%濃度の供試化合
物溶液1 mlと、99.5%エタノールに溶解した2.51%リ
ノレン酸溶液1 mlと、0.05Mのリン酸緩衝液(pH7.0)2 m
lと、蒸留水1 mlとをスクリューキャップ付きのバイア
ルビン(直径24 mm,高さ40 mm)に入れ、暗黒下に60℃の
インキュベータ中に置いてリノレン酸の酸化反応を進行
させた。一定の日数の時間が経過後、その反応溶液0.1m
lを試験管に採り、75%エタノールの5 mlと30%チオシ
アン酸アンモニウム溶液の0.0 5mlを加え、よく混和し
た。3分後、得られた溶液に2×10-2M塩化第一鉄3.5%
塩酸溶液を0.1 ml加え、よく混和すると赤色に発色し
た。発色した赤色溶液の吸光度を500 nmの紫外線で測定
し、測定した吸光度をリノレン酸の酸化度とみなした。
その結果を酸化度の経時変化曲線として添付図面の図1
に示した。
【0056】図1において、吸光度の測定値が高いほ
ど、リノレン酸の酸化度、すなわち酸化の進行度が大き
いことを意味する。供試化合物として本発明によるNε-
ラウロイル-4-オキサリジンを0.1%または0.02%濃度で
含む溶液を用いた試験での酸化度の経時変化曲線は、比
較供試化合物であるNε-ラウロイル-L-リジンを同濃度
で含む溶液を用いた試験での同曲線よりも相当に低い位
置にあることが認められる。従って、リノレン酸に対し
てNε-ラウロイル-4-オキサリジンは、Nε-ラウロイル-
L-リジンよりも顕著に高い酸化防止作用を有することが
明らかである。
【0057】試験例2 本例では処理粉体に対する水滴の接触角の変化を調べ
た。すなわち、本発明によるNε-ラウロイル-L-4-オキ
サリジンで処理したタルク粉体の撥水性を水滴との接触
角の測定により調べた。まず、製造タルク粉末をNε-ラ
ウロイル-L-4-オキサリジン粉末と一緒にメノウ乳鉢で
乾式混合して処理し、このようにNε-ラウロイル-L-4-
オキサリジンで表面処理されたタルクを赤外線吸収スペ
クトル用錠剤成形器で錠剤化した。この錠剤をゴニオメ
ーター式接触角測定器に装填し、マイクロシリンジを用
いて蒸留水、5μlの水滴を錠剤表面に滴下した。滴下
後、30秒および60秒経過後の水滴と錠剤表面との間の接
触角の値を読み取った。タルクに対してNε-ラウロイル
-L-4-オキサリジンを0.4、0.8、1.2または2.0%の割合
で添加した場合の錠剤と水滴との間の接触角を測定して
得られた関係曲線を添付図面の図2に示した。
【0058】また、比較の目的で、既知化合物のNε-ラ
ウロイル-L-リジンを同様にタルクに表面処理して同様
に試験した。この比較試験の結果も図2に示した。
【0059】図2から明らかなように、Nε-ラウロイル
-4-オキサリジンとタルクとの混合物の錠剤上での水滴
の接触角は、比較のNε-ラウロイル-L-リジンを含む錠
剤上での水滴の接触角より大きいと認められる。従っ
て、前者化合物のタルクに対する撥水性付与作用は、後
者化合物のそれよりも大きいことが明らかである。
【0060】試験例3 本発明のNε-ラウロイル-4-オキサリジンの滑沢性を、
静摩擦係数の測定により調べた。 この静摩擦係数の測
定は鮫島の装置を用いて行った(実験化学講座7、界面
化学333頁、1956年)。この装置用の平板にはガラス板
を用い、球面には時計皿(直径90 mm)を用いた。ガラス
板上に測定試料としてNε-ラウロイル-4-オキサリジン
の200 mgを載せ、名刺を用いて均一に試料を広げた。得
られた試料層の上に、底に試料をつけた時計皿を置い
た。その時計皿をのせたガラス板を、天秤の左側に置い
た。次に天秤の右の皿へ水を少しずつ滴下し、指針が右
に振れた時、すなわち時計皿が滑り始めた時の皿の中の
水の重量を計った。測定は5回行った。 その水の重量
平均値から以下の計算式により静摩擦係数μsを算出し
た。 計算式 μs=F0/W 但し、F0=Sl1/1、S=水の重量、l1=指針の長
さ、l=天秤の皿と中心までの長さ、W=時計皿と分銅
の重量。
【0061】得られた結果を次の表2に示す。
【図面の簡単な説明】
【図1】は、試験例1で試料について測定されたリノレ
ン酸の酸化度(吸光度)と試料の放置の経過日数との関係
曲線を示す。
【図2】は、試験例2でタルクと供試化合物との混合物
を固縮した錠剤の表面上に滴下された水滴の滴下30また
は60秒後の水滴の接触角(度)と供試化合物の使用配合量
(重量%)との関係曲線を示す。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C07F 1/08 C07F 1/08 3/02 3/02 3/06 3/06 7/24 7/24 13/00 13/00 15/00 15/00 15/02 15/02 15/04 15/04 // A61K 31/195 603 A61K 31/195 603 Fターム(参考) 4C206 AA03 FA53 MA01 MA04 ZB35 4H006 AA01 AA03 AB60 AB68 AB80 BP10 BS10 BU32 BV22 BV34 NB11 4H048 AA01 AA03 AB60 AB68 AB80 VA20 VA30 VA56 VA60 VA66 VB10 4H049 VN04 VP01 VQ25 VQ35 VR41 VR51 VU26 VU28 VU31 VW02 4H050 AB60 AB68 AB80 WB13 WB14 WB21

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一般式(I) 〔式中、RCO-は炭素数8〜22の直鎖または分岐鎖状の飽
    和または不飽和脂肪族カルボン酸残基であるアシル基を
    示す〕で表されるNε-アシル-4-オキサリジン。
  2. 【請求項2】 一般式(I)におけるアシル基RCO-が2-エ
    チルヘキサノイル基、カプロイル基、ラウロイル基、ミ
    リストイル基、パルミトイル基、ステアロイル基、イソ
    ステアロイル基、オレオイル基、ベヘノイル基またはコ
    コイル基、あるいはヤシ油脂肪酸アシル基、牛脂肪酸ア
    シル基または硬化牛脂肪酸アシル基である場合のNε-ア
    シル-4-オキサリジンである請求項1に記載の化合物。
  3. 【請求項3】 請求項1に示された一般式(I)のNε-ア
    シル-4-オキサリジンよりなる酸化防止剤。
  4. 【請求項4】 請求項1に示された一般式(I)のNε-ア
    シル-4-オキサリジンよりなる撥水剤。
  5. 【請求項5】 請求項1に示された一般式(I)のNε-ア
    シル-4-オキサリジンよりなる滑沢剤。
  6. 【請求項6】 次の一般式(II) 〔式中、Mは2価の金属原子として銅、亜鉛、マンガ
    ン、鉄、マグネシウム、ニッケル、パラジウム、プラチ
    ナまたは鉛の原子を、あるいは3価の金属原子としてア
    ルミニウムまたはコバルトの原子を示し、Mが2価の金
    属原子を示す時にはnは2の整数であり、またMが3価
    の金属原子を示す時には nは3の整数であり、さらに
    Xは、存在しないか、あるいは無機酸、有機酸、脂肪酸
    またはアニオン界面活性剤化合物を示す〕で表されるビ
    ス-またはトリス-4-オキサリジン-金属錯化合物または
    その塩。
  7. 【請求項7】 一般式(II)の金属錯化合物の塩におい
    て、 Xは無機酸としては、塩酸、臭化水素酸、沃化水
    素酸、硫酸、硝酸、リン酸または炭酸を示し、また有機
    酸としては酢酸、安息香酸、ソルビン酸、グルコール
    酸、乳酸、グリセリン酸、酒石酸、または蓚酸等を示
    し、また脂肪酸としては、カプリル酸、ラウリン酸、ミ
    リスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、オレイン
    酸、ヤシ油脂肪酸または牛脂脂肪酸を示し、またアニオ
    ン界面活性剤化合物としてはラウリル硫酸エステル、ラ
    ウリルエーテル硫酸エステルまたはドデシルベンゼンス
    ルホン酸を示す請求項6に記載の金属錯化合物の塩。
  8. 【請求項8】 次の一般式(III) 〔式中、RCO- は炭素数8〜22の直鎖または分岐鎖状の
    飽和または不飽和脂肪族カルボン酸残基であるアシル基
    を示し、また Mは2価の金属原子として銅、亜鉛、マ
    ンガン、鉄、マグネシウム、ニッケル、パラジウム、プ
    ラチナまたは鉛の原子を、あるいは3価の金属原子とし
    てアルミニウムまたはコバルトの原子を示し、Mが2価
    の金属原子を示す時にはnは2の整数であり、またMが
    3価の金属原子を示す時にはnは3の整数である〕で表
    されるビス- またはトリス-Nε-アシル-4-オキサリジン
    -金属錯化合物。
  9. 【請求項9】 一般式(III)におけるアシル基 RCO- が2
    -エチルヘキサノイル基、カプロイル基、ラウロイル
    基、ミリストイル基、パルミトイル基、ステアロイル
    基、イソステアロイル基、オレオイル基、ベヘノイル基
    またはココイル基、あるいはヤシ油脂肪酸、牛脂脂肪酸
    アシル基または硬化牛脂脂肪酸アシル基である場合の請
    求項8に記載の金属錯化合物。
  10. 【請求項10】 次の一般式(IV) 〔式中、RC(=O)-O- は炭素数8〜22の直鎖または分岐鎖
    状の飽和または不飽和脂肪族カルボン酸のカルボキシル
    基から水素原子を解離して誘導されるアシルオキシ基型
    のアニオンを示す〕で表される 4-オキサリジンの脂肪
    族カルボン酸付加塩。
  11. 【請求項11】 一般式(IV)におけるアニオンRC(=O)-O
    -は2-エチルヘキサン酸、カプリル酸、ラウリン酸、ミ
    リスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、イソステア
    リン酸、オレイン酸またはベへン酸あるいはヤシ油脂肪
    酸、牛脂脂肪酸または硬化牛脂脂肪酸から誘導されるア
    シルオキシ基型のアニオンである場合の請求項10に記載
    の4-オキサリジンの脂肪族カルボン酸付加塩。
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