JP2000211349A - 車両用空調装置 - Google Patents

車両用空調装置

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JP2000211349A
JP2000211349A JP11018890A JP1889099A JP2000211349A JP 2000211349 A JP2000211349 A JP 2000211349A JP 11018890 A JP11018890 A JP 11018890A JP 1889099 A JP1889099 A JP 1889099A JP 2000211349 A JP2000211349 A JP 2000211349A
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JP
Japan
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compressor
heat exchange
exchange medium
pressure
heat
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JP11018890A
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English (en)
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Tomonori Zenbou
友紀 前坊
Hiroshi Hamamoto
浩 濱本
Hajime Yamamoto
肇 山本
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Japan Climate Systems Corp
Original Assignee
Japan Climate Systems Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 車内側熱交換器で暖房する場合であっても、
熱交換媒体の総流量を確実に検出してコンプレッサの焼
損を防止する。 【解決手段】 圧力検出手段20で検出される吐出圧力
に基づいて、熱交換媒体の総流量が不足していると判断
すれば、コンプレッサ13の駆動を停止する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は車両用空調装置、特
に補助暖房機能を備えた車両用空調装置に関するもので
ある。
【0002】
【従来の技術】一般に、車両用空調装置では、コンプレ
ッサから吐出させた熱交換媒体を、車外側熱交換器で放
熱させた後、車内側熱交換器で吸熱するように循環させ
る熱交換媒体流路が設けられている。
【0003】前記冷房サイクル内の熱交換媒体は構造上
漏れ出ることが避けられないが、熱交換媒体の総流量が
減少すると、コンプレッサ内に十分なオイルが還流せ
ず、焼き付く恐れがある。そこで、この焼き付きを防止
するため、熱交換媒体の圧力を検出する圧力スイッチが
設けられている。すなわち、圧力スイッチで検出される
圧力が設定圧力(例えば、−2.5℃での熱交換媒体の
飽和圧力である0.17MPaG)よりも低下すれば、
コンプレッサが焼き付く恐れがあると判断し、その駆動
を禁止するようにしている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前述の
一般的な車両用空調装置では、圧力スイッチが車外側熱
交換器に設けられている。このため、車内側熱交換器を
暖房用として使用するために、熱交換媒体の循環方向を
逆方向とした場合、外気温度が設定圧力を決定するため
に想定した温度(−2.5℃)よりも低いと、車内を暖
房する必要があるにも拘わらず、圧力スイッチによって
コンプレッサが停止されるという不具合がある。この場
合、圧力スイッチでの設定圧力を低い外気温度に対応し
た値に変更することも考えられるが、熱交換媒体が減少
した場合の検出圧力と、外気温度の低下に伴う飽和圧力
との差は僅かなものとなる(例えば、−20℃での熱交
換媒体の検出圧力と飽和圧力との差は約0.045MP
aG)。したがって、検出精度の低い圧力スイッチによ
る熱交換媒体の減少判別は非常に困難となる。
【0005】そこで、本発明は、車内側熱交換器で暖房
する場合であっても、熱交換媒体の総流量を確実に検出
してコンプレッサの焼損を防止することのできる車両用
空調装置を提供することを課題とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、前記課題を解
決するための手段として、コンプレッサの駆動により熱
交換媒体が循環する熱交換媒体路に設けた車内側熱交換
器と、エンジン冷却水が循環するエンジン冷却水路に設
けたヒータコアとを車内側空調ユニット内に配設してな
る車両用空調装置において、前記コンプレッサから吐出
される熱交換媒体の圧力を検出する圧力検出手段と、該
圧力検出手段で検出される吐出圧力に基づいて、循環す
る熱交換媒体の総流量が不足していると判断すれば、コ
ンプレッサの駆動を停止する制御手段とを設けたもので
ある。
【0007】この構成により、車内側熱交換器を暖房用
として利用することにより、車外側熱交換器が低温の外
気にさらされた場合であっても、確実に熱交換媒体の流
量減少を検出することができる。
【0008】前記制御手段により、熱交換媒体が適正量
である場合の吐出圧力と、前記圧力検出手段で検出され
る吐出圧力との差が所定値以上となることにより、熱交
換媒体の総流量が不足していると判断すれば、熱交換媒
体の減少を短時間で簡単に検出可能となる。
【0009】この場合、前記制御手段により、コンプレ
ッサから吐出される熱交換媒体の圧力変化を、適正量の
熱交換媒体を循環させた場合と、適正量よりも少ない各
不適正量の熱交換媒体を循環させた場合とで比較し、コ
ンプレッサの駆動開始から両吐出圧力の差が所定値以上
となる比較時期を求め、当該比較時期毎に、前記圧力検
出手段で検出される吐出圧力に基づいて総流量が不足し
ているか否かを判断すれよい。
【0010】そして、前記ヒータコア水路のエンジン冷
却水温度を検出する温度検出手段を設け、該温度検出手
段での検出温度に基づいて、コンプレッサの駆動開始か
ら吐出圧力を比較するまでの所定時間を補正すると、熱
交換媒体の減少をより一層短時間で検出できる点で好ま
しい。
【0011】また、前記エンジン冷却水路に配設され、
ラジエータを有するラジエータ水路、及び、該ラジエー
タ水路に並列接続されたヒータコアを有するヒータコア
水路に並列接続される冷却水用バイパス水路と、前記熱
交換媒体流路を流動する熱交換媒体と、前記冷却水用バ
イパス水路を流動するエンジン冷却水との間の熱交換を
行う補助熱交換器と、前記制御手段によるコンプレッサ
の停止時、冷却水用バイパス水路への通水を阻止する水
路切替手段とを設けるようにしてもよい。
【0012】これにより、熱交換媒体の総流量が適切な
場合には、補助熱交換器によりエンジン冷却水から吸熱
して熱交換媒体を加熱し、車内側熱交換器による暖房性
能を高め、熱交換媒体の総流量が減少した場合には、エ
ンジン冷却水をヒータコアのみに通水してヒータコアに
よる暖房性能を高めることが可能となる。
【0013】
【発明の実施の形態】以下、本発明に係る実施形態を添
付図面に従って説明する。
【0014】図1に示す車両用空調装置は、冷暖房サイ
クルAと、エンジン冷却サイクルBの途中に配設された
ヒータコア11と、冷暖房サイクルAとエンジン冷却サ
イクルBの両方に設けられた補助熱交換器12とを備え
ている。
【0015】冷暖房サイクルAは、熱交換媒体流路aの
途中に、コンプレッサ13、車外側熱交換器14及び車
内側熱交換器15を設け、四方弁16を介して2方向に
熱交換媒体が循環できるようにしたものである。車外側
熱交換器14と四方弁16との間には前記補助熱交換器
12が設けられている。この補助熱交換器12は、二重
管式、シェルアンドコイル式、プレート式等のいずれの
方式を採用してもよく、要は冷暖房サイクルAを循環す
る熱交換媒体と、下記するエンジン冷却サイクルBを循
環するエンジン冷却水との間で熱交換できるものであれ
ばよい。
【0016】また、熱交換媒体流路aの途中には、車外
側熱交換器14と並列にバイパス流路a1が設けられて
いる。車外側熱交換器14から延びる流路a2及びa3
には、第1電磁開閉弁17及び逆止弁18がそれぞれ設
けられ、補助熱交換器12から車外側熱交換器14への
熱交換媒体の流入を阻止可能となっている。また、バイ
パス流路a1には、車内側熱交換器15から補助熱交換
器12へのみ熱交換媒体を流動可能とする逆止弁19が
設けられている。また、コンプレッサ13から吐出され
た熱交換媒体の圧力は圧力検出センサ20によって検出
されるようになっている。
【0017】なお、21は熱交換媒体の膨張手段で、キ
ャピラリーチューブ、温度膨張弁、伝導膨張弁等のいず
れの方式を採用してもよく、通過する熱交換媒体を気化
しやすい状態とする。また、22は気液分離用のアキュ
ムレータである。
【0018】エンジン冷却サイクルBは、エンジン23
から延びるエンジン冷却水路bの途中に、並列でラジエ
ータ24及びヒータコア11を設けたものである。ラジ
エータ24には、水路切替部材25を介して第1冷却水
バイパス流路b1が並列接続されている。また、ヒータ
コア11には、第2冷却水バイパス流路b2が並列接続
されている。第2冷却水用バイパス流路b2の途中に
は、エンジン冷却水の温度を検出する水温検出センサ4
1と、前記補助熱交換器12とが設けられている。水路
切替部材25は、エンジン冷却水の温度が第1設定温度
(本実施形態では80℃)を越えるまでは、ラジエータ
24へのエンジン冷却水の供給を遮断し、越えた後は許
容するように切り替わるようになっている。また、ヒー
タコア11と補助熱交換器12の上流側には第2電磁開
閉弁26と第3電磁開閉弁27がそれぞれ設けられてい
る。
【0019】前記車内側熱交換器15及びヒータコア1
1は、図2に示すように、車内前方部に設けた送風ユニ
ット28内に配設されている。送風ユニット28内に
は、上流側から順にブロア29、前記車内側熱交換器1
5、エアミックスダンパ30が設けられ、エアミックス
ダンパ30によって分割された流路の一方に前記ヒータ
コア11が配設されている。
【0020】前記圧力検出センサ20での検出圧力は、
制御装置31に入力されるようになっている。制御装置
31は、この検出圧力に基づいて、後述するようにして
第1、第2及び第3電磁開閉弁17、26及び27等を
駆動制御するようになっている。
【0021】次に、前記車両用空調装置の動作を説明す
る。
【0022】まず、エンジン冷却サイクルBでの動作を
説明する。
【0023】エンジン19を始動すると、エンジン冷却
水がエンジン冷却水路bを流動する。このとき、エンジ
ン冷却水の温度が80℃を越えていなければ、水路切替
部材25が切り替わり、ラジエータ24への通水を阻止
する。これにより、エンジン冷却水がエンジン始動直後
等でそれ程暖まっていない場合に、ラジエータ24で冷
却されることはない。
【0024】また、冷房運転時、又は、暖房運転時にエ
ンジン冷却水の温度が70℃を超えていない場合、第2
電磁開閉弁26を閉じ、ヒータコア11への通水を阻止
する。これにより、ヒータコア11による加熱を阻止
し、又は、所望の加熱性能を得られないヒータコア11
の使用を中止することができる。
【0025】一方、エンジン冷却水の温度が80℃を越
えていれば、水路切替部材25が切り替わり、冷却水用
バイパス通路26への通水が阻止される。これにより、
エンジン冷却水はラジエータ24を流動して外気に放熱
され、温度が低下する。
【0026】ところで、前記暖房運転時、車内側熱交換
器15による暖房性能を向上させて行くと、逆に熱交換
媒体の温度が上昇し過ぎる結果、コンプレッサ13に於
ける熱交換媒体の吸入及び吐出圧力が増大し、駆動条件
を満足しなくなることがある。この場合、前記圧力検出
センサ20での検出圧力に基づいて、コンプレッサ13
が損傷する前に強制的にその駆動を停止していたので
は、車内暖房に寄与していた車内側熱交換器13による
加熱が突然停止されることになり、送風温度が大きく変
動するため好ましくない。そこで、本実施形態では、前
記圧力検出センサ20での検出圧力がコンプレッサ13
の駆動を停止させる値に至る前に、前記エンジン冷却サ
イクルBの第3電磁開閉弁27を徐々に閉じ、補助熱交
換器12でのエンジン冷却水の流量を減少させている。
これにより、エンジン冷却水から熱交換媒体に伝達され
る熱量が減少し、コンプレッサ13での熱交換媒体の吸
入及び吐出圧力が抑制されるので、コンプレッサ13が
停止に至ることはない。
【0027】また、エンジン冷却水の温度上昇度合いに
応じて第2電磁開閉弁26を徐々に開放し、ヒータコア
11への通水量を増大させる。これにより、補助熱交換
器12での交換熱量の抑制に伴う車内側熱交換器15で
の暖房能力の低下を補うように、徐々にヒータコア11
による暖房能力が増大する。そして、エンジン冷却水温
度が十分に上昇し(本実施形態では、約70℃)、ヒー
タコア11のみによって車内暖房を十分に行える状態と
なれば、コンプレッサ13の駆動を停止し、エンジン2
3への負荷を軽減する。また、第3電磁開閉弁27によ
り、エンジン冷却水の補助熱交換器12への通水を遮断
し、ヒータコア11へのエンジン冷却水の通水量を増大
させる。このように、エンジン冷却水の温度上昇度合い
に応じて、車内側熱交換器15による暖房から、ヒータ
コア11による暖房にスムーズに切り替えることができ
るので、送風温度の変動が抑えられ、乗員が不快感を受
けることもない。
【0028】次に、冷暖房サイクルAの動作について説
明する。
【0029】暖房の場合、すなわち、図示しないヒート
ポンプスイッチが操作された場合、四方弁16は実線で
示すように切り替わり、いわゆるヒートポンプサイクル
が形成される。このとき、第1電磁開閉弁17により車
外側熱交換器14への熱交換媒体の流入が阻止される。
これにより、コンプレッサ13から吐出された熱交換媒
体は、車内側熱交換器15、膨張弁21、補助熱交換器
12及びアキュムレータ18からコンプレッサ13に戻
って循環する。この場合、熱交換媒体が補助熱交換器1
2を通過することにより流動抵抗が増大することになる
が、前記第1電磁開閉弁17の閉動作により、熱交換媒
体が車外側熱交換器14を循環しないので、コンプレッ
サ13への負荷が増大することはない。熱交換媒体は車
内側熱交換器15で送風ユニット25内を通過する空気
を加熱し、補助熱交換器12でエンジン冷却水から吸熱
する。したがって、熱交換媒体は熱容量を増大させた状
態でコンプレッサ13に戻ってくる。このため、本実施
形態では、コンプレッサ13での吐出圧力を約2.6MP
a、凝縮温度を約80℃とすることができ、非常に高い
暖房能力を発揮させることが可能となる。
【0030】図3は、前記第1実施形態と従来例におけ
る暖房時の送風温度の比較結果をグラフで表したもので
ある。このグラフからも明らかなように、第1実施形態
に係る車両用空調装置によれば、暖房開始の初期段階で
送風温度を迅速に上昇させることが可能である。
【0031】また、このように、エンジン冷却水から吸
熱可能な前記ヒートポンプサイクルを利用することによ
り、ヒータコア11に比べて大容量の車内側熱交換器1
5で送風温度を上昇させることができる。このため、所
望の送風量を確保しつつ所望温度の空気を車内に供給可
能となる。しかも、エンジン冷却水の温度が高温(本実
施形態では70℃以上)となれば、補助熱交換器12へ
の通水が遮断されるので、熱交換媒体が必要以上に加熱
されてヒートポンプサイクル内の熱交換媒体が異常に高
圧となることもない。
【0032】ところで、前記車両用空調装置では、長期
に亘る使用により、熱交換媒体流路a内の熱交換媒体の
総流量が徐々に減少してくる。そして、この流量がある
値よりも少なくなると、コンプレッサ13内に十分な熱
交換媒体が流入せず、焼損する恐れが生じる。そこで、
前記圧力検出センサ20での検出圧力に基づいて熱交換
媒体の総流量がコンプレッサ13の駆動に適さない不十
分な値(臨界量)まで減少したか否かを判断し、不十分
であると判断すれば、コンプレッサ13の駆動を停止す
る。
【0033】前記圧力検出センサ20での検出圧力に基
づくコンプレッサ13の駆動を停止するか否かの判断時
期(比較時期)は、次のようにして決定する。
【0034】すなわち、コンプレッサ13から吐出され
る熱交換媒体の圧力変化を、例えば、図4のグラフに示
すように、適正量(本実施形態では、800g)の熱交
換媒体を循環させた場合と、適正量よりも少ない不適正
量(本実施形態では、100g及び400g)の熱交換
媒体を循環させた場合とで比較する。そして、コンプレ
ッサ13の駆動開始から両吐出圧力の差が所定値(約
2.5kgf/cm2G)以上となる時期を求める。ここで
は、コンプレッサ13の駆動開始から、総流量が100
gの場合、350秒で、総流量が400gの場合、55
0秒で、それぞれ吐出圧力の差が所定値以上となってい
る。
【0035】そこで、コンプレッサ13の駆動開始から
350秒及び550秒経過した時点を、適正量での吐出
圧力と、圧力検出センサ20で検出される吐出圧力とを
比較する時期に決定する。
【0036】そして、コンプレッサ13の駆動開始から
350秒経過し、両吐出圧力を比較した結果、所定値以
上の差が生じていた場合には、熱交換媒体の総流量が減
少し、コンプレッサ13の焼損の恐れがあると判断し
て、その駆動を停止する。また、コンプレッサ13の駆
動開始から550秒経過し、両吐出圧力を比較した結
果、所定値以上の差が生じていた場合にも、同様にコン
プレッサ13の駆動を停止する。
【0037】このように、適正量と比較する不適正量を
2つとし、比較時期を各不適正量に応じた時期に決定し
たので、判断方法が簡略化し、プログラムの作成が容易
となると共に、熱交換媒体の臨界量からの減少量が大き
ければ大きい程、早期に不具合を判定することができ、
コンプレッサ13の焼損等をより確実に防止することが
可能となる。
【0038】ところで、前述のようにして決定した吐出
圧力の比較時期は、さらに水温検出センサ41で検出さ
れるエンジン冷却水温度に基づいて次のようにして補正
するようにしてもよい。
【0039】すなわち、図5のグラフに示すように、エ
ンジン冷却水の初期温度(エンジン23の始動前の温
度)が、0、−20、−10℃の場合、補助熱交換器1
2での伝熱量が異なるため、冷暖房サイクルAに於ける
コンプレッサ13からの熱交換媒体の吐出圧力の変化が
相違し、0℃に比べて−10℃、−20℃の順で吐出圧
力が上昇しにくくなっている。そこで、次式に従って前
記比較時間の補正を行う。なお、定数A,Bの値は、外
気温度等の違いにより任意に決定される。
【0040】
【数1】Tset=A・Tw+B Tset:所定時間(比較時期) Tw:エンジン冷却水温度 A,B:定数
【0041】これにより、コンプレッサ13の駆動開始
から、より一層短時間で熱交換媒体の減少状態を検出す
ることが可能となる。
【0042】なお、前記図4の説明では、対比する熱交
換媒体の不適正量を2つとしたが、さらに増やしてもよ
く、適正量での吐出圧力の変化に対する検出吐出圧力の
差が所定値となれば、コンプレッサ13を停止するよう
にしてもよい。
【0043】冷房の場合、すなわち、図示しないエアコ
ン(A/C)スイッチが操作された場合、四方弁16
は、点線で示すように切り替わり、いわゆる冷凍サイク
ルが形成される。そして、コンプレッサ13から吐出さ
れた熱交換媒体は、補助熱交換器12、車外側熱交換器
14、膨張手段21、車内側熱交換器15及びアキュム
レータ18からコンプレッサ13に戻って循環する。熱
交換媒体は、高温・高圧のガス状態で補助熱交換器12
を通過する。このとき、エンジン冷却水の温度が70℃
未満であれば、前述のように、第3電磁開閉弁27によ
りエンジン冷却水は補助熱交換器12を通過するので、
熱交換媒体からエンジン冷却水に放熱可能となる。ま
た、熱交換媒体は、車外側熱交換器14でも外気に放熱
される。したがって、膨張手段21を通過して減圧さ
れ、車内側熱交換器15で気化する熱交換媒体の量が増
大し、送風ユニット25内を通過する空気を効果的に冷
却することが可能となる。
【0044】図6は、前記第1実施形態と従来例におけ
る冷房時の送風温度の比較結果をグラフで表したもので
ある。このグラフからも明らかなように、第1実施形態
に係る車両用空調装置によれば、冷房開始の初期段階で
送風温度を迅速に降下させることが可能である。
【0045】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、本発明
に係る車両用空調装置によれば、圧力検出手段で検出さ
れる吐出圧力に基づいて、熱交換媒体の総流量が不足し
ていると判断すれば、コンプレッサの駆動を停止するよ
うにしたので、車内側熱交換器を暖房用として利用した
場合であっても、車内側熱交換器を暖房に使用する場合
等であっても、その使用条件や環境条件の違いに拘わら
ず、確実に熱交換媒体の減少度合いを検出することがで
き、コンプレッサの焼損を防止可能である。
【0046】また、熱交換媒体が適正量である場合の吐
出圧力と、圧力検出手段で検出される吐出圧力との差が
所定値以上となることにより、熱交換媒体の総流量が不
足していると判断するようにしたので、熱交換媒体の減
少を短時間で簡単に検出することが可能となる。
【0047】そして、コンプレッサから吐出される熱交
換媒体の圧力変化を、適正量の熱交換媒体を循環させた
場合と、適正量よりも少量の少なくとも1以上の異なる
総流量の熱交換媒体を循環させた場合とで比較し、コン
プレッサの駆動開始から両吐出圧力の差が所定値以上と
なる時期を求め、当該時期毎に、前記圧力検出手段で検
出される吐出圧力に基づいて総流量が不足しているか否
かを判断するようにしたので、判断時期を必要最小限に
抑え、効率的な制御が可能となる。
【0048】また、温度検出手段での検出温度に基づい
て、コンプレッサの駆動開始から吐出圧力を比較するま
での所定時間を補正したので、熱交換媒体の減少をより
一層短時間で検出できる。
【0049】さらに、熱交換媒体流路を流動する熱交換
媒体と、前記冷却水用バイパス水路を流動するエンジン
冷却水との間の熱交換を行う補助熱交換器と、コンプレ
ッサの停止時、冷却水用バイパス水路への通水を阻止す
る水路切替手段とを設けるようにしたので、熱交換媒体
の総流量が適切な場合には、補助熱交換器によりエンジ
ン冷却水から吸熱して熱交換媒体を加熱することによ
り、車内側熱交換器による暖房性能を高め、熱交換媒体
の総流量が減少した場合には、エンジン冷却水をヒータ
コアのみに通水してヒータコアによる暖房性能を高める
ことが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 第1実施形態に係る車両用空調装置の概略図
である。
【図2】 図1の車内側熱交換器とヒータコアとを配設
する送風ユニットの断面図である。
【図3】 図1の車両用空調装置と従来例に係るものと
で、暖房時の送風温度を比較したグラフである。
【図4】 熱交換媒体の残量の違いによる吐出圧力の変
化を示すグラフである。
【図5】 エンジン冷却水温度の違いによる吐出圧力の
変化を示すグラフである。
【図6】 図1の車両用空調装置と従来例に係るものと
で、冷房時の送風温度を比較したグラフである。
【符号の説明】
11 ヒータコア 12 補助熱交換器 13 コンプレッサ 14 車外側熱交換器 15 車内側熱交換器 20 圧力検出センサ(圧力検出手段)
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成11年2月24日(1999.2.2
4)
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0017
【補正方法】変更
【補正内容】
【0017】なお、21は熱交換媒体の膨張手段で、キ
ャピラリーチューブ、温度膨張弁、電動膨張弁等のいず
れの方式を採用してもよく、通過する熱交換媒体を気化
しやすい状態とする。また、22は気液分離用のアキュ
ムレータである。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0029
【補正方法】変更
【補正内容】
【0029】暖房の場合、すなわち、図示しないヒート
ポンプスイッチが操作された場合、四方弁16は実線で
示すように切り替わり、いわゆるヒートポンプサイクル
が形成される。このとき、第1電磁開閉弁17により車
外側熱交換器14への熱交換媒体の流入が阻止される。
これにより、コンプレッサ13から吐出された熱交換媒
体は、車内側熱交換器15、膨張手段21、補助熱交換
器12及びアキュムレータ18からコンプレッサ13に
戻って循環する。この場合、熱交換媒体が補助熱交換器
12を通過することにより流動抵抗が増大することにな
るが、前記第1電磁開閉弁17の閉動作により、熱交換
媒体が車外側熱交換器14を循環しないので、コンプレ
ッサ13への負荷が増大することはない。熱交換媒体は
車内側熱交換器15で送風ユニット25内を通過する空
気を加熱し、補助熱交換器12でエンジン冷却水から吸
熱する。したがって、熱交換媒体は熱容量を増大させた
状態でコンプレッサ13に戻ってくる。このため、本実
施形態では、コンプレッサ13での吐出圧力を約2.6M
Pa、凝縮温度を約80℃とすることができ、非常に高い
暖房能力を発揮させることが可能となる。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0034
【補正方法】変更
【補正内容】
【0034】すなわち、コンプレッサ13から吐出され
る熱交換媒体の圧力変化を、例えば、図4のグラフに示
すように、適正量(本実施形態では、800g)の熱交
換媒体を循環させた場合と、適正量よりも少ない不適正
量(本実施形態では、100g及び400g)の熱交換
媒体を循環させた場合とで比較する。そして、コンプレ
ッサ13の駆動開始から両吐出圧力の差が所定値(約
0.5MPaG)以上となる時期を求める。ここでは、コン
プレッサ13の駆動開始から、総流量が100gの場
合、350秒で、総流量が400gの場合、550秒
で、それぞれ吐出圧力の差が所定値以上となっている。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 コンプレッサの駆動により熱交換媒体が
    循環する熱交換媒体路に設けた車内側熱交換器と、エン
    ジン冷却水が循環するエンジン冷却水路に設けたヒータ
    コアとを車内側空調ユニット内に配設してなる車両用空
    調装置において、 前記コンプレッサから吐出される熱交換媒体の圧力を検
    出する圧力検出手段と、 該圧力検出手段で検出される吐出圧力に基づいて、循環
    する熱交換媒体の総流量が不足していると判断すれば、
    コンプレッサの駆動を停止する制御手段とを設けたこと
    を特徴とする車両用空調装置。
  2. 【請求項2】 前記制御手段は、熱交換媒体が適正量で
    ある場合の吐出圧力と、前記圧力検出手段で検出される
    吐出圧力との差が所定値以上となることにより、熱交換
    媒体の総流量が不足していると判断することを特徴とす
    る請求項1に記載の車両用空調装置。
  3. 【請求項3】 前記制御手段は、コンプレッサから吐出
    される熱交換媒体の圧力変化を、適正量の熱交換媒体を
    循環させた場合と、適正量よりも少ない各不適正量の熱
    交換媒体を循環させた場合とで比較し、コンプレッサの
    駆動開始から両吐出圧力の差が所定値以上となる比較時
    期を求め、当該比較時期毎に、前記圧力検出手段で検出
    される吐出圧力に基づいて総流量が不足しているか否か
    を判断することを特徴とすることを特徴とする請求項2
    に記載の車両用空調装置。
  4. 【請求項4】 前記ヒータコア水路のエンジン冷却水温
    度を検出する温度検出手段を設け、 該温度検出手段での検出温度に基づいて、コンプレッサ
    の駆動開始から吐出圧力を比較するまでの所定時間を補
    正したことを特徴とする請求項3に記載の車両用空調装
    置。
  5. 【請求項5】 前記エンジン冷却水路に配設され、ラジ
    エータを有するラジエータ水路、及び、該ラジエータ水
    路に並列接続されたヒータコアを有するヒータコア水路
    に並列接続される冷却水用バイパス水路と、 前記熱交換媒体流路を流動する熱交換媒体と、前記冷却
    水用バイパス水路を流動するエンジン冷却水との間の熱
    交換を行う補助熱交換器と、 前記制御手段によるコンプレッサの停止時、冷却水用バ
    イパス水路への通水を阻止する水路切替手段とを設けた
    ことを特徴とする請求項1ないし4のいずれか1項に記
    載の車両用空調装置。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US20160001634A1 (en) * 2013-03-06 2016-01-07 Panasonic intellectual property Management co., Ltd Vehicle air conditioning device
CN107639992A (zh) * 2016-07-21 2018-01-30 杭州三花研究院有限公司 一种热管理系统

Cited By (3)

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US20160001634A1 (en) * 2013-03-06 2016-01-07 Panasonic intellectual property Management co., Ltd Vehicle air conditioning device
CN107639992A (zh) * 2016-07-21 2018-01-30 杭州三花研究院有限公司 一种热管理系统
CN107639992B (zh) * 2016-07-21 2022-05-20 杭州三花研究院有限公司 一种热管理系统

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