JP2000210311A - 移植片パッケ―ジ、滅菌置換靭帯および移植片パッケ―ジの製造方法 - Google Patents

移植片パッケ―ジ、滅菌置換靭帯および移植片パッケ―ジの製造方法

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JP2000210311A JP11363275A JP36327599A JP2000210311A JP 2000210311 A JP2000210311 A JP 2000210311A JP 11363275 A JP11363275 A JP 11363275A JP 36327599 A JP36327599 A JP 36327599A JP 2000210311 A JP2000210311 A JP 2000210311A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 使用できる状態でパッケージに入った滅菌移
植片を提供する。 【解決手段】 近位端４５と遠位端４６のある移植片物
質１２ａ，１２ｂを含む置換靱帯１０をパッケージに入
れて使用準備できた状態で提供する。これは損傷した靱
帯の治療のために用いられる。第一の縫糸セット３０，
３４，３５が近位端４５に、第二の縫糸セット３０，３
１，３３，３８，３９が遠位端４６に取り付けられる。
置換靱帯１０は一端又は両端に骨プラグ２０，２２があ
ってもよい。第一の縫糸セット３４，３５が骨プラグ２
０を移植片物質１２に縫い付け、第二の縫糸セット３
１，３３が骨プラグ２２を移植片物質１２に縫い付け
る。長い縫糸３０は置換靱帯１０を患者の膝に挿入する
のを助ける。また、パッケージ内に固定器具を入れてキ
ットを形成してもよい。

Description

【発明の詳細な説明】
【０００１】
【発明の属する技術分野】この発明は、便利にパッケー
ジされた靱帯移植片に関し、特に使用できる状態で滅菌
して保存（preserved）されている靱帯移植片に関し、
さらに、十字靱帯を置き換えるために便利に使用できる
状態で滅菌して保存されている靱帯移植片に関する。ま
た、本発明はその製造方法及び用途に関する。
【０００２】
【従来の技術および発明が解決しようとする課題】従来
技術において十字靱帯置換の例はたくさんある。前後十
字靱帯を置き換えるとき、標準的技術は、しばしば頸骨
と大腿骨に骨トンネルをドリルで開け、置換靱帯を骨ト
ンネルに挿入し、端を固定することを含む。例えば、米
国特許第５，３５４，３００号を参照されたい（参考と
して取り込む）。また、従来技術には、一端又は両端に
骨プラグのある置換靱帯の例がある。骨プラグを含む置
換靱帯は、骨プラグが準備した骨トンネルに融合し速や
かに癒着し置換靱帯を確実に接続するので、特に有用で
ある。置換靱帯は、インターフェアランスネジ、クロス
ピン、ダブループアンカー、ネジとワッシャ又は他の様
々な手段により、骨トンネル内に固定できる。例えば、
米国特許第５，５６２，６７１号、同第４，９５０，２
７０号を参照されたい（参考としてここに取り込む）。
【０００３】従来技術の置換靱帯はしばしば自己移植片
を含み、これに適した物質は患者の体の他の場所から採
取する。膝蓋腱は、両端に骨プラグを付けて採取できる
ので、移植片物質として幅広く使用されている。しか
し、この腱を採取した後患者は提供した部位にしばしば
強い痛みを感じる。さらに、自己移植片膝蓋腱は常に使
用できるとは限らない、特に、修正手術ではそうであ
る。膝蓋腱に代る自己移植片には半腱様腱、薄膝腱、中
央四頭筋腱、筋膜がある。例えば、Charles H. Brown J
r. とJoseph H. Sklarの「移植片選択、非膝蓋代替物獲
得の傾向」、BioMechanics、１９９８年６月、２１；Jo
hn P. FulkersonとRolf Langeland、「十字再構築移植
片代替物：中央四頭筋腱」、Arthroscopy：The Journal
of Arthroscopic and Related Surgery、１９９５年６
月、２５２を参照されたい（全てを参考として取り込
む）。しかし、これらの置換靱帯は両端に骨プラグを付
けて採取できない。従って、この種の置換靱帯を使用す
るときは、骨トンネルへ挿入する前に、しばしば移植片
物質を骨プラグに縫い付ける。手術中に置換靱帯を組み
立てるのに手術室でかなり時間がかかり、このような手
術の費用が非常に高くなる。
【０００４】同種移植片を置換靱帯として使用すること
ができる。しかし、同種移植片膝蓋腱の供給は限られて
いる。膝蓋腱が入手可能のときですら、使用前に追加の
準備がしばしば必要である。同種移植片と同様に、入手
可能な異種移植片、半腱様腱、薄筋腱、四頭筋腱、アキ
レス腱及び屈筋と伸筋の腱（通常は足から採取する）も
使用前にかなりの追加の準備が必要である。
【０００５】
【課題を解決するための手段】本発明によれば、移植片
物質が使用に便利なようにパッケージされる。パッケー
ジされ滅菌された使用準備のできた置換移植片が、様々
な長さで、挿入を容易にするために予め縫糸を取り付け
て提供される。さらに、これは１個又は２個の骨プラグ
に予め縫い付けられていてもよい。従って、外科医は、
再構築手術の間に、適当な形、長さ、サイズの移植片を
選択して使用でき、移植片を採取及び／又は構築するた
めに従来費やしていた手術時間がなくなる。
【０００６】一実施形態では、置換靱帯には１つの骨プ
ラグがある。他の実施形態では、置換靱帯には各端に２
つの骨プラグがある。このような予め取り付けられた骨
プラグは軟組織が骨トンネルに取り込まれる速度を改善
し、その結果治癒速度を改善する。挿入を容易にするた
めに、縫糸の長いストランドを一端又は両端に取り付け
ることができる。置換靱帯物質の例として、半腱様腱、
薄腱又は四頭筋腱又は他の同種移植片又は異種移植片物
質が挙げられる。小腸粘膜下組織（ＳＩＳ）、コラーゲ
ン骨格又は合成物質等の他の有機物質も使用できる。例
えば、米国特許第４，９０２，５０８号および同第５，
７１１，９６９号を参照されたい（参考として取り込
む）。
【０００７】本発明の他の実施形態によれば、置換靱帯
は骨プラグがなくてもよい。この実施形態では、移植片
物質を適当な長さと幅に切り、ループにして縫うことが
できる。この実施形態は、骨プラグを使用しない固定技
術を用いる用途に特に適している。例えば、ループした
置換靱帯を掴むのにクロスピンを使用する手術状況等で
ある。
【０００８】本発明のさらに他の実施形態は置換移植片
パッケージの製造方法であり、この方法は、移植片物質
を採取し、それを切って形付け、置換靱帯を組み立て、
保存し、パッケージする工程を含む。
【０００９】本発明に使用する骨と組織はバージニア
州、バージニア・ビーチのLifeNet等の組織銀行から得
ることができる。パッケージ及び手術時に再構築する前
に、製品を凍結乾燥して保存できる。水又は塩水溶液を
再構築のために使用できる。さもなければ、置換靱帯を
乾燥しないで凍結してもよく、使用直前に解凍する。
【００１０】本発明の他の実施形態では、置換靱帯を損
傷した十字靱帯を治療するために使用する。適当なサイ
ズの滅菌移植片を選択し、予めドリルで開けた大腿骨と
頸骨の穴へ挿入する。挿入後、インターフェアランスネ
ジ、クロスピン、ダブループアンカー及びネジとワッシ
ャ等の固定器具を用いて、移植片を膝の中へ固定でき
る。
【００１１】最後の実施形態は、本発明の予め縫糸を取
り付けてパッケージされた靱帯及びネジ、クロスピン、
ダブループアンカー及びネジとワッシャ等の移植片固定
器具又は他の固定器具を含む、損傷した靱帯を治療する
ためのキットである。
【００１２】本発明を膝の十字靱帯の再構築の用途につ
いて説明するが、本発明は、他の軟組織の置換、特に他
の靱帯の置換等他のやり方でも実施できる。
【００１３】
【発明の実施の形態】図１は本発明に使用する置換靱帯
１０の概要を示す図である。この実施形態では、置換靱
帯１０は移植片物質１２と骨プラグ２０，２２のセット
を有する。さらに、本発明の置換靱帯１０は、骨プラグ
を所定の位置に固定する内側縫糸３２のセットと置換靱
帯１０を患者に挿入するのに使用する端縫糸３６のセッ
トを有する。移植片物質１２は置換靱帯に適度な柔軟性
と強度を付与し、骨プラグ２０，２２は骨の内方成長の
ために設けられている。
【００１４】同じく図１に示すように、端縫糸３６は移
植片物質１２の端を所定の位置に固定するために使用で
き、内側縫糸３２は移植片物質１２の部分を一緒に合わ
せて固定し骨プラグ２０，２２を受けるポケットを形成
する。追加して、長いストランド縫糸３０を置換靱帯の
一端は両端に固定してもよい。このような追加の長いス
トランド縫糸３０は、患者の膝に準備した骨トンネルに
置換靱帯１０を挿入するのを助けるために、後で使用で
きる。
【００１５】図２は図１の置換靱帯１０を構築する方法
を示す図である。移植片物質１２ａを表すラインが示す
ように、移植片物質１２は第一の骨プラグ２０の周りを
包んで第二の骨プラグ２２へ延びる。次に、移植片物質
１２ｂは第二の骨プラグ２２の周りを回ってループを形
成して第一の骨プラグ２０へ戻る。最後に、移植片物質
１２ｃが第一の骨プラグ２０の周りを包んで第二の骨プ
ラグ２２に戻ってさらに骨プラグ２２を超えて延びる。
従って、この例示する実施形態では移植片物質は三重の
ストランドになっている。
【００１６】図３は、骨プラグ２０の周りにおける移植
片物質１２ａ，１２ｂ，１２ｃの可能な配置を示す図１
の断面図である。図１，図３に示すように、骨プラグ２
０，２２は周囲の約３分の１だけが露出している。しか
し、他の実施形態では、もっと多くの骨プラグの表面積
が露出していてもよい。このためには、図４乃至図７に
示すように、置換靱帯１２を３回ではなく２回巻けばよ
い。
【００１７】図４は、骨表面積がさらに広い本発明の他
の実施形態を示す図である。この実施形態では、置換靱
帯１０には２つの骨プラグ２０，２２がある。移植片物
質１２は二重のストランドである。第一のストランドで
ある移植片物質１２ａは骨プラグ２２のサイド６３に沿
って位置し、骨プラグ２０まで延び、骨プラグ２０のサ
イド６２に沿って位置する。次に、移植片物質１２は骨
プラグ２０の近位端４５の周りで回り、第二のストラン
ドである移植片物質１２ｂは骨プラグ２０のサイド６１
に沿って位置し、その後骨プラグ２２のサイド６０まで
延びる。図示するように、次に、縫糸セット３４，３５
を用いて骨プラグ２０を移植片物質１２に固定する。縫
糸３４は骨プラグ２０のサイド６２から延び、サイド６
１まで骨プラグ２０を完全に通り抜け、任意にここでス
テッチ４８を形成する。次に、縫糸３４はサイド６２へ
戻る。図示するように、縫糸３５を反対方向に供給し、
骨プラグ２０のサイド６１から延びサイド６２まで完全
に通り抜ける。次に、縫糸３５は骨プラグ２０を通って
サイド６１まで戻り、ここで結び目２６を形成する。ま
た、上述したように、移植片物質１２は骨プラグ２２の
周りを包む。その後、縫糸３４，３５と同様に骨プラグ
２２を完全に通り抜けた縫糸３１，３３を用いて、骨プ
ラグ２２を置換靱帯１２に固定する。好ましくは端止め
ステッチ３９のある縫糸束３８のセットを、移植片物質
１２の端２４，２５を骨プラグ２２を超えて置換靱帯１
０の遠位端４６に固定するのに使用する。追加の長いス
トランド縫糸３０を置換靱帯１０の近位端と遠位端４
５，４６に固定できる。便宜上近位及び遠位の用語を用
いるが、これらは前十字靱帯の治療に使用する置換靱帯
１０の好ましい向きを表わす。特別の用途や外科医の好
みにより他の移植片の向きが求められる場合もある。
【００１８】図５，図６は、図４の骨プラグ２０に縫い
付けられた移植片物質１２の構成を示す図である。図５
が最も良く示すように、縫糸３４は初めに骨プラグ２０
を通ってサイド６２からサイド６１へ進み、骨プラグ２
０を２回完全に通り抜ける。好ましくは、サイド６１に
ステッチ４８を形成する。次に、縫糸は骨プラグ２０を
通ってサイド６２まで戻る。そこで、縫糸３４の端を結
んで結び目２６を作り、移植片物質１２の対向するスト
ランド１２ａ，１２ｂを固定する。図４乃至図６の実施
形態では、好ましくは、全ての移植片物質１２のストラ
ンドを骨プラグ２０に固定する。しかし、用途によって
は外科医は骨プラグを移植片物質に堅固に固定するより
ポケットに入れるような置換靱帯を好む場合がある。
【００１９】幾つかの固定方法では、図４乃至図６に示
すように、骨を移植片の両サイドに露出するのが好まし
い。他の固定方法では、図７に示すように、１つのサイ
ドに骨プラグ２０の可能な限り大きな表面積があるのが
好ましい。図７は、移植片ストランド１２ａ，１２ｂが
骨プラグ２０の片側にあり、縫糸３４により固定されて
いる他の実施形態を示す図である。また、置換靱帯は一
重の長さで、全くループを形成しないで骨プラグに縫い
付けてもよい。最後に、置換靱帯の幅に対する骨プラグ
のサイズを変えて、置換靱帯に必要な強度を損なうこと
なく骨プラグの周囲をより大きく露出できる。
【００２０】図８に他の実施形態を示す。この実施形態
では、置換靱帯１０には骨プラグがない。移植片物質１
２は一重のストランドでも多重のストランドでもよい。
図示するように移植片物質１２が多重ストランドなら、
この多重ストランドは、個々のストランドを束ねたり、
１つのストランドを折り返したり又は両方を組み合わせ
て形成できる。図９は図８の断面図であり、多重ストラ
ンドが個々のストランド１４，１６を折り返して縫糸束
３８で固定することにより形成されているのを示す図で
ある。
【００２１】同じく図８に示すように、多重ストランド
の置換靱帯移植片の遠位端４６を縫糸束３８で固定して
もよく、好ましくは端止めステッチ３９内にある。図示
するように、近位端４５と遠位端４６の両方で、ストラ
ンド１４ａ，１４ｂ，１６ａ，１６ｂを縫糸束３８で端
止めステッチ３９に固定する。図示するように、長いス
トランド縫糸３０が独立した縫糸として設けられる。ま
た、長いストランド縫糸３０は縫糸束３８の端として設
けてもよい。幾つかの用途では、長いストランド縫糸３
０は省略できる。図８，図９に例示する実施形態では、
置換靱帯１０は２つの個々のストランド１４，１６から
なり、これらストランド１４，１６は近位端４５で折り
返して四重ストランド移植片を形成する。しかし、本発
明の範囲内で他のストランドの構成も可能である。
【００２２】図１０は図８で示す実施形態と同様の実施
形態を示す図である。しかし、近位端４５で、縫糸半束
セット４０が移植片物質１２を一部だけ束ねていて、ル
ープ４２を形成している。ループ４２はクロスピンを使
用する固定方法に特に有用である。また、ループ４２は
自己移植片骨プラグが好ましい用途に使用することがで
きる。同様のループを遠位端４６に設けてもよい。
【００２３】図１１は図８に示す実施形態と同様にして
形成した本発明の実施形態を示す図であるが、１つの骨
プラグ２０しか含まない。この例示する実施形態では、
骨プラグ２０は置換靱帯１０の遠位端４６にある縫糸束
３８の端止めステッチ３９内にある。縫糸束３８の端止
めステッチ３９は骨プラグを十分に支持して所定の位置
に保持する。また適度な接続強度を得るために、図５と
同様の骨プラグ縫糸が必要な場合がある。骨プラグ２０
の他の構成も本発明は範囲内で可能である。また、この
実施形態の近位端４５は図１０の様にループしていても
よいし、図８の様に閉じていてもよい。
【００２４】図１１の断面図である図１２は、置換靱帯
１４，１６の骨プラグ２０の周りにおける可能な配置を
示す図である。縫糸束３８の端止めステッチ３９が、置
換靱帯ストランド１４ａ，１４ｂ，１６ａ，１６ｂ内に
骨プラグ２０を固定する。図１３は図１２とは異なる構
成の断面を示し、靱帯１４，１６の４本のストランド全
てが骨プラグ２０の片側にある。縫糸束のステッチは図
示されてない。また、靱帯１４，１６は図７と同様に縫
糸で固定できる。
【００２５】図１１乃至図１３に示すように、移植片物
質は図８のような四重ストランド構成である。しかし、
他の多重ストランド構成でも好適である。
【００２６】図１４は図１１と同様な別の実施形態を示
し、この実施形態では、置換靱帯１４，１６が近位端４
５でループを形成し、骨プラグ２２が縫糸束３８の端止
めステッチ３９内に取り込まれる。図１４に示す実施形
態では、骨プラグ２０，２２が両端に設けられている。
この実施形態では、近位端４５の置換靱帯１４，１６が
縫糸束セット４１により保持されている。図示するよう
に、同じ縫糸４１を使用して骨プラグ２０を縫い付け
る。この実施形態では、患者の膝へ挿入する間骨プラグ
２２は確実に動かない。骨プラグ２０を固定する他の方
法も可能である。
【００２７】他の実施形態によれば、同種移植片置換靱
帯を、骨プラグと共に採取する膝蓋腱（図示せず）を用
いて製造できる。このような置換靱帯の製造では、縫糸
を予め取り付け後に続く挿入を容易にする。縫糸は吸収
可能又は非吸収可能縫糸物質から製造できる。置換靱帯
のサイズは様々であり、使用に便利なようにパッケージ
に詰め滅菌する。パッケージは移植片固定器具を含んで
もよい。
【００２８】本発明の構築方法では、移植片物質は同種
移植片、異種移植片又は合成物質を含む様々な起源から
得ることができる。同種移植片又は異種移植片物質を使
用する場合は、外に付着した組織を除き、物質を適当な
サイズに切り、上述したような使用準備できた状態の形
に組み立てて製造できる。骨プラグがある場合は、それ
らを適当なサイズに切り、組み立てる際縫い付けを容易
にするためにスロットを形成してもよい。骨プラグは同
種移植片又は異種移植片骨物質でもよく、又はヒドロキ
シアパタイト、リン酸三カルシウム等の骨代替物から製
造してもよい。
【００２９】組み立てる前に、置換靱帯物質について一
連の洗浄を行う。このような洗浄に、ＡＬＬＯＷＡＳＨ
（商標）溶液、滅菌水、イソプロピルアルコール、抗生
溶液及び滅菌水による最後の濯ぎ液を含めることができ
る。ＡＬＬＯＷＡＳＨは米国特許第５，８２０，５８１
号に記載された以下の３つの洗剤を含む溶液である、す
なわち（１）化学式Ｃ9 Ｈ19（ＯＣＨ2 ＣＨ2 ）4 ＯＨ
のポリオキシエチレン−４−ラウリルエーテル、（２）
オクチルフェノール−エチレンオキシド、（３）ポリ
（エチレングリコール）ｐ−ノニル−フェノール−エー
テルである。この米国特許第５，８２０，５８１号は参
考としてここに取り込む。米国特許第５，８２０，５８
１号は、本発明の実施に使用できる様々な他の洗剤溶液
と洗浄プロトコールを開示している。抗生溶液の例は、
抗生物質、抗ウィルス剤、過酸化水素、浸透促進剤、有
機酸又は強酸の希釈溶液を含む、エンドトキシンフリー
脱イオン／蒸留水又はエタノールである。好ましくは、
抗生溶液は、滅菌水中のバシトラシンとポリミキシンの
混合物を含む。米国特許５，７９７，８７１号（参考と
してここに取り込む）は同種骨移植片骨を洗浄する他の
方法を示している。同種移植片組織を洗浄するこれらの
技術及び他の技術は本発明の範囲内にある。
【００３０】組み立てたら、移植片物質を緊張下配置し
てもよい。例えば、張力スプリングを使用する。この緊
張により後に続く保存とパッケージの間置換靱帯は適切
な配置に留まる。パッケージする前又は使用の直前にス
プリング又は他の張力器具を取り除いてもよい。
【００３１】同種移植片又は移植移植片置換靱帯を洗浄
した後、保存する。移植片物質製造の好ましい一実施形
態では、例えば５日間続く凍結乾燥周期により保存す
る。好ましくは、凍結乾燥前に置換靱帯を滅菌ガーゼに
入れて滅菌ボトル内に置き、凍結乾燥の後に真空下栓を
してパッケージを終了する。使用時には、滅菌水又は塩
水内で置換靱帯を再構築でき、このような再構築は真空
下約１時間かかる場合がある。真空下でボトルに詰めた
移植片は、滅菌針を用いて水又は塩水をボトル内に入れ
るだけで再構築できる。好ましくは、針は真空を破壊し
ないで栓を刺す。
【００３２】また、洗浄に続いて、置換靱帯を新たに凍
結して保存してもよい。この保存方法では、好ましく
は、置換靱帯を剥離可能ソフトパッケージに入れる。吸
引して空気をパッケージから除き、さらにパッケージを
熱封止してもよい。第二の少し大きなソフトパッケージ
を用いて移植片物質を追加して保護してもよい。さらに
滅菌するために、置換靱帯をこの技術分野で知られてい
るように照射してもよい（例えばガンマ線照射）。最後
に、置換靱帯を凍結貯蔵（例えば、約−７０℃乃至約−
８０℃）する。ドライアイスの上に置換靱帯を分布させ
てもよい。必要時に、凍結移植片を好ましくは滅菌塩水
の中で解凍する。新たに凍結した置換靱帯は十分に乾燥
してないので、凍結乾燥した移植片に必要な再構築工程
は省略できる。
【００３３】インターフェアランスネジ、クロスピン、
ダブループアンカー、ネジ・アンド・ワッシャ固定具を
含む様々な固定器具を置換靱帯と共にパッケージしてよ
く、これにより外科医に損傷した靱帯を置き換えるため
のキットが供給される。
【００３４】本発明に合成物質も使用できる。移植片物
質及び／又は骨プラグを合成物質から製造してもよく、
置換靱帯を同様の様々な技術を用いて構築できる。この
実施形態の置換靱帯はその後に使用した物質に応じて滅
菌しパッケージする。同種移植片又は異種移植片置換靱
帯と同様に、合成置換靱帯も移植片固定器具と共に又は
それなしでパッケージできる。
【００３５】本発明の置換靱帯の長さは様々であり、様
々なサイズの骨プラグを伴っても伴ってなくてもよい。
ＡＣＬ又はＰＣＬの治療用には、長さが６０ｍｍ乃至１
５０ｍｍ、好ましくは９０ｍｍ乃至１００ｍｍで、好ま
しくは直径が６ｍｍ乃至１０ｍｍの骨プラグが付いたも
のが使用できる。しかし、特定のＰＣＬ技術ではより長
い移植片が必要とされ、個々の患者又は他の固定技術に
よってはサイズがより大きい移植片又は小さい移植片が
必要とされる場合がある。また、他の靱帯又は他の軟組
織の置換に使用する移植片はより大きいことも小さいこ
ともある。従って、本発明の説明中にサイズが示されて
いても、これらのサイズは十字靱帯の治療に必要な典型
的なサイズにすぎない。他のサイズの移植片も本発明の
範囲内である。
【００３６】使用の例では、本発明の置換靱帯１０は前
十字靱帯の治療に使用できる。図１５は、患者に挿入し
た後の本発明の移植片を示す図である。好ましくは、置
換靱帯移植片１０を再構築又は解凍しながら、この技術
分野で知られているように（例えば、米国特許第５，６
７１，６９５号（参考としてここに取り込む））、手術
部位、頸骨トンネル７２、大腿骨トンネル７０をドリル
で開ける。頸骨トンネル７２と大腿骨トンネル７０をそ
れぞれドリルで開けた後、スロットガイドピン（図示せ
ず）を頸骨トンネル７２を通って大腿骨トンネル７０の
中へ入れることができる。膝を過屈曲すると、ガイドピ
ンは前外側大腿骨皮質から外へ出ることができ、そこで
皮膚に存在する。
【００３７】置換靱帯１０の遠位端にある長いストラン
ド縫糸２９はスロットされたガイドピン小穴（図示せ
ず）を通ってループを形成し、関節を通って引かれ、前
外側大腿骨に存在する。DePuyピン引き具（カタログ番
号2972-96-000）等のピン引き具は、関節を通って縫糸
を引く助けとなる。移植片を静かに頸骨トンネル７２内
へ引く。ガイドワイヤを、大腿骨壁に沿って配置しなが
ら、頸骨高平部レベルで膝蓋腱の中央に形成した刺し傷
に通して大腿骨トンネル７０内に入れる。この時点で膝
は、ガイドワイヤ位置を形成するために大腿骨トンネル
７０をドリルで開けるのに用いた屈曲角度に１５度乃至
２０度を加えて屈曲する。ネジのDePuy Phantom SofThr
ead 等の固定器具６６を使用して置換靱帯１０を大腿骨
トンネル７０内へ固定できる。
【００３８】ガイドワイヤを大腿骨トンネル７０の近位
面と係合させた後DePuy小槌（カタログ番号2972-23-00
0）等の小槌で大腿骨８０内へ打ち込み、ガイドワイヤ
と固定具の回転を防ぐ。次に第二のガイドワイヤを移植
片１０の前に頸骨トンネル７２に通す。これは、移植片
１０を頸骨トンネル７２から引き戻して頸骨ワイヤを導
入するのに有用である。
【００３９】両方のワイヤを所定の位置に配置した後、
移植片を頸骨トンネル７２の上方へ引き大腿骨トンネル
７０内へ入れる。近位の長いストランド縫糸３０を使用
して移植片１０の大腿骨トンネル７０内での完全な座り
を決める。移植片を遠位及び近位の両方で引っ張った
ら、固定器具６６を前中央刺し傷を通して挿入する。
【００４０】次に、固定器具６６を、ヘッド全体が大腿
骨トンネル７０内に入り、好ましくは大腿骨トンネル７
０の端の下に埋まるまで、前進させる。次に、膝を約２
０度乃至３０度屈曲させる。頸骨トンネル７２に存在す
る長いストランド縫糸３０を引いて２０回移植片１０に
９．０６ｋｇ（２０ｌｂｓ）の負荷をかける。約６．７
９５ｋｇ（１５ｌｂｓ）の前負荷をかけて、頸骨ネジ６
７等の頸骨固定器具を、完全に頸骨トンネル７２内に入
るまで、前方移植片面に沿って挿入しドライバー７８と
共に前進させる。
【００４１】膝の動きと安定性をチェックして、許容で
きれば、近位縫糸３０を皮膚を通して引いて取り除く。
縫糸と過剰の移植片物質は頸骨トンネル７２と同一面に
横に切るべきである。しかし、移植片を保持する縫糸を
切らないように注意しなければならない。次に、標準的
方法で傷を閉じる。上述した手術技術は本発明の置換靱
帯を用いた手術技術の例示である。他の手術技術も本発
明の範囲内にある。
【００４２】本発明を特定の好ましい実施形態を参照し
て説明してきたが、本発明の範囲内において、様々な変
更が可能である。
【００４３】好適な実施態様を以下に示す。 （１）前記移植片物質が同種移植片、異種移植片及び合
成物質から選択される請求項１に記載の移植片パッケー
ジ。 （２）前記移植片物質が同種移植片であり、膝蓋腱、半
腱様腱、薄腱、四頭筋腱、アキレス腱、屈筋腱、伸筋腱
又は筋膜から選択される実地態様（１）に記載の移植片
パッケージ。 （３）前記移植片物質はストランド束を含み、前記第一
の縫糸セットが共に前近位端を固定し、前記第二の縫糸
セットが共に前記遠位端を固定する請求項１に記載の移
植片パッケージ。 （４）後で前記移植片を患者に配置するのを助けるため
に、前記第一の縫糸セット及び第二の縫糸セットが長い
ストランド縫糸を有する請求項１に記載の移植片パッケ
ージ。 （５）前記第一の縫糸セット及び第二の縫糸セットが、
各々、端止めステッチ縫糸、縫糸束及び長いストランド
縫糸を有する請求項１に記載の移植片パッケージ。
【００４４】（６）前記移植片に、前記近位端に固定さ
れた骨プラグが設けられている請求項１に記載の移植片
パッケージ。 （７）前記第一の縫糸セットが前記骨プラグを前記近位
端に固定する実施態様（６）に記載の移植片パッケー
ジ。 （８）前記第一の縫糸セットの一部が前記骨プラグを完
全に通り抜けて前記骨プラグを前記移植片物質に固定す
る実施態様（７）に記載の移植片パッケージ。 （９）さらに、前記置換靱帯の遠位端に固定された第二
の骨プラグを有する実施態様（６）に記載の移植片パッ
ケージ。 （１０）前記骨プラグが同種移植片、異種移植片及び合
成物質から選択される実施態様（９）に記載の移植片パ
ッケージ。
【００４５】（１１）前記束は少なくとも１本のストラ
ンドをループに折り返して形成される請求項２に記載の
置換靱帯。 （１２）前記移植片を凍結して保存する請求項２に記載
の置換靱帯。 （１３）前記移植片を凍結乾燥して保存する請求項２に
記載の置換靱帯。 （１４）前記組み立て工程は、さらに、第一の骨プラグ
を前記移植片物質片の近位端に取り付けることを含む請
求項３に記載の方法。 （１５）前記組み立て工程は、さらに、第二の骨プラグ
を前記移植片物質片の遠位端に取り付けることを含む実
施態様（１４）に記載の方法。
【００４６】（１６）前記切削及び形付け工程は、さら
に、前記移植片物質片をループに折り返すことを含む請
求項３に記載の方法。 （１７）前記洗浄工程はＡＬＬＯＷＡＳＨ（商標）溶
液、イソプロピルアルコール及び抗生溶液を含む溶液を
使用することを含む請求項３に記載の方法。 （１８）前記抗生溶液は、抗生物質、抗ウイルス剤、過
酸化水素、浸透促進剤、有機酸及び強酸の希釈溶液の少
なくとも１つを含む実施態様（１７）に記載の溶液。 （１９）前記抗生溶液はバシトラシンとポリミキシンの
混合物を含む実施態様（１７）に記載の溶液。 （２０）前記パッケージ工程は前記移植片をボトルに入
れることを含み、前記保存工程は凍結乾燥を含み、前記
移植片は凍結乾燥前にボトルに入れる請求項３に記載の
方法。
【００４７】（２１）前記パッケージ工程は、さらに、
凍結乾燥に続いて真空下前記ボトルの栓を閉めることを
含む実施態様（２０）に記載の方法。 （２２）前記保存工程は凍結を含み、前記パッケージ工
程は前記移植片を剥離可能ソフトパッケージに入れ、吸
引して空気を除き、前記パッケージを熱封止し、前記パ
ッケージを凍結することを含む請求項３に記載の方法。 （２３）前記パッケージ工程は、さらに、前記剥離可能
ソフトパッケージを第二のより大きなパッケージに入れ
ることを含む実施態様（２２）に記載の方法。 （２４）前記パッケージは凍結する前に照射する実施態
様（２２）に記載の方法。 （２５）さらに、前記保存工程の前に、前記移植片を緊
張下配置する工程を含む請求項３に記載の方法。
【００４８】（２６）頸骨トンネルと大腿骨トンネルを
ドリルで開け、十字靱帯置換移植片を受けるために患者
の膝を準備し、適当なサイズの準備した移植片を選んで
滅菌パッケージに入れ、前記移植片を前記パッケージか
ら取り出し、前記移植片を前記準備した大腿骨と頸骨ト
ンネルに挿入し、前記移植片を前記大腿骨トンネルに固
定し、前記移植片を前記頸骨トンネルに固定する工程を
含み、前記準備した移植片は近位端と遠位端を有する移
植片物質の長さを有し、第一の縫糸セットは前記近位端
に取り付けられ第二の縫糸セットは前記遠位端に取り付
けられる損傷した十字靱帯の治療方法。 （２７）前記取り出し工程は挿入前に前記置換靱帯を解
凍することを含む実施態様（２６）に記載の方法。 （２８）前記取り出し工程は挿入前に前記置換靱帯を再
構築することを含む実施態様（２６）に記載の方法。 （２９）前記移植片はさらに近位骨プラグを含む実施態
様（２６）に記載の方法。 （３０）前記移植片はさらに遠位骨プラグを含む実施態
様（２９）に記載の方法。
【００４９】（３１）前記固定工程は、インターフェア
ランスネジ、クロスピン、ダブループアンカー及びネジ
とワッシャから選択される固定器具を使用することを含
む実施態様（２６）に記載の方法。 （３２）前記固定器具は、インターフェアランスネジ、
クロスピン、ダブループアンカー及びネジとワッシャか
ら選択される請求項４に記載のキット。
【００５０】
【発明の効果】以上述べたように、本発明によれば、使
用できる状態でパッケージに入った滅菌移植片を提供で
きる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図１】本発明に使用する置換靱帯の斜視図であり、１
つの移植片物質が一対の骨プラグの周りを３回ループし
ている図である。
【図２】ループの方向を示す図であり、ラインは移植片
物質を表わすことを除いて図１と同様の図である。
【図３】図１のライン３−３に沿った断面図である。
【図４】本発明に使用する他の置換靱帯の斜視図であ
り、１本のストランドからなる移植片物質が各骨プラグ
の周りを２回ループしていることを除いて図１と同様で
ある図である。
【図５】図４の置換靱帯の一端の斜視図であり、縫糸が
骨プラグを貫いて延びているのを示す図である。
【図６】図５のライン６−６に沿った断面図である。
【図７】他の移植片物質の配置を示すことを除いて図６
と同様の断面図である。
【図８】本発明に使用する他の置換靱帯の斜視図であ
り、骨プラグのない置換靱帯を示す図である。
【図９】図８のライン９−９に沿った断面図である。
【図１０】本発明に使用する他の置換靱帯の斜視図であ
り、置換靱帯がループ端を有することを除いて図８と同
様の図である。
【図１１】本発明に使用する他の置換靱帯の斜視図であ
り、置換靱帯が１つの骨プラグを有することを除いて図
８と同様の図である。
【図１２】図１１のライン１２−１２に沿った断面図で
ある。
【図１３】他の移植片物質の配置を示すことを除いて図
１２と同様の断面図である。
【図１４】本発明に使用する他の置換靱帯の斜視図であ
り、置換靱帯が両端に骨プラグを有することを除いて図
１１と同様の図である。
【図１５】患者の膝に挿入して固定した図８の移植片を
示す図である。
【符号の説明】
１０ 置換靱帯（移植片） １２ 移植片物質 ３０ 長いストランド縫糸（第一の縫糸セット及び第二
の縫糸セット） ３０，３２，３３，３４，３５，３６ 縫糸（第一の縫
糸セット及び第二の縫糸セット） ３８ 縫糸束（第一の縫糸セット及び第二の縫糸セッ
ト） ３９ 端止めステッチ（第一の縫糸セット及び第二の縫
糸セット） ４５ 近位端 ４６ 遠位端 ６６，６７ 固定器具
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (71)出願人 599134034 700 Ｏｒｔｈｏｐａｅｄｉｃ Ｄｒｉｖ ｅ， Ｗａｒｓａｗ， ＩＮ 46581， Ｕ．Ｓ．Ａ. (72)発明者 ロバート−ジャン・エンザーリンク アメリカ合衆国、95616 カリフォルニア 州、デービス、ディアボロ・アベニュー 220 (72)発明者 ピーター・ウェーリー アメリカ合衆国、94513 カリフォルニア 州、ブレントウッド、ガーランド・ウェイ 535

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項１】 第一の縫糸セットが取り付けられた近位
    端と第二の縫糸セットが取り付けられた遠位端を有する
    移植片物質を含む移植片を備え、 前記移植片は保存され滅菌パッケージに入れて提供され
    る損傷した靱帯の治療のための置換パッケージ。
  2. 【請求項２】 移植片物質ストランドの束を含む移植片
    を有し、 前記束は近位端と遠位端を有し、 第一の縫糸セットは第一の骨プラグを前記近位端に固定
    し、 第二の縫糸セットは第二の骨プラグを前記遠位端に固定
    し、 前記移植片は保存され滅菌パッケージに入れて提供され
    る予めパッケージされた滅菌置換靱帯。
  3. 【請求項３】 移植片物質片を採取して外に付着した組
    織を除き、 前記採取した移植片物質片を洗浄し、 前記移植片物質片を適当なサイズに切って形付け、近位
    端と遠位端を形成し、 第一の縫糸セットを前記近位端に取り付け第二の縫糸セ
    ットを前記遠位端に取り付けて、置換移植片を組み立
    て、 前記置換移植片を保存し、 前記置換移植片を滅菌コンテナにパッケージする工程を
    含む、損傷した靱帯を治療するのに使用する置換移植片
    パッケージの製造方法。
  4. 【請求項４】 患者への挿入を助けるために予め縫糸を
    取り付けたパッケージに入った滅菌置換靱帯と、 移植片固定器具とを含む、患者の損傷した靱帯を置き換
    えるためのキット。
JP36327599A 1998-12-22 1999-12-21 移植片パッケージ、滅菌置換靭帯および移植片パッケージの製造方法 Expired - Lifetime JP4322381B2 (ja)

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