JP2000209259A - 送受信ファイル選択方法及びその装置 - Google Patents

送受信ファイル選択方法及びその装置

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JP2000209259A
JP2000209259A JP11008878A JP887899A JP2000209259A JP 2000209259 A JP2000209259 A JP 2000209259A JP 11008878 A JP11008878 A JP 11008878A JP 887899 A JP887899 A JP 887899A JP 2000209259 A JP2000209259 A JP 2000209259A
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cost
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JP11008878A
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English (en)
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Hiroshi Narasaki
博司 楢崎
Takashi Fukushima
高司 福島
Eiji Takahashi
英二 高橋
Naoki Tamura
直樹 田村
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Kobe Steel Ltd
Original Assignee
Kobe Steel Ltd
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 無線によるファイル送受信において予め決め
られた順序や優先度に基づいて送受信ファイルの選択を
行うことは無駄が多い。 【解決手段】 コスト優先度算出部1において決められ
る優先度と,納期優先度算出部2において算出された優
先度とを用いて,より高い優先度をその送信ファイルの
優先度とし,ファイル選択部3において,全送信待ちフ
ァイルのうちで最も優先度の高いものを次の送信ファイ
ルとする。この場合,納期に余裕がある間はコストを優
先したファイル選択が,納期が迫ってくると納期を優先
したファイル選択が行われ,コストと納期の両方の優先
度を両立した送信ファイルの選択が可能となる。これに
より,コストを優先するあまり納期遅れなどの不具合が
発生することはない。また,特定のファイルが取り残さ
れていつまでたっても送信されないような事態を防止で
きる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は,無線電話等を用い
た無線データ通信において,送信(若しくは受信)すべ
き複数のファイルの中から,次の接続時に送信(若しく
は受信)するファイルを選択する送受信ファイル選択方
法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】2つの装置間でデータファイルを相互に
送受信するデータ通信において,スプールに登録された
複数の送信(若しくは受信)待ちファイルの中から次に
送信するファイルを選択する方法としては,従来から,
原則としてスプールに登録された順序で選択を行うと共
に,各ファイルには「特急」,「急行」,「普通」など
の優先度を付加し,例外的に優先度の高いファイルを低
いファイルよりも先に実行するといった方法が一般的に
よく用いられている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところで,ディジタル
携帯電話(PDC),簡易型携帯電話(PHS)などを
用いた無線によるデータ通信では,有線によるデータ通
信と比べて通信品質が不安定であるから,一度回線を接
続してもその接続状態が長く継続するという保証はな
い。従って,このような無線通信において上記従来のよ
うな予め決められた順序や優先度に基づく送受信ファイ
ル選択を行うことは次のような点で問題がある。例え
ば,通信品質が不安定な状態の時にサイズの大きなファ
イルが送受信ファイルとして選択されてしまった場合,
そのファイルの送信に要する時間だけ回線の接続状態が
継続されなければ,それ以降の送信待ちファイルはたと
えサイズが小さくても長時間待たされることになり,そ
れらのファイルの転送完了後の処理は待ち状態となり,
全体としての処理効率が極めて悪くなる。また,同じフ
ァイルの同一部分を重複して繰り返し送信することにな
るため,通信効率だけでなくコスト的にも無駄が多い。
尚,上記のような無線通信においては,不安定な通信環
境に対処するために,データ送受信中に電波状態が悪化
して回線が切断されたとしても,次回接続時に上記回線
切断時の続きから送受信を再開する,いわゆるレジュー
ム機能が用いられるようになってきた。このレジューム
機能により,通信の無駄を抑えたデータ通信が可能とな
ったが,これによって上記従来のファイル選択方法を用
いた場合の問題点が全て解決されるものではない。即
ち,レジューム機能を用いる場合でも,回線切断後の再
接続時には上記切断時に送信途中であったフレーム(フ
ァイル送信時にはそのファイルは複数のフレームに分割
され,そのフレーム単位で送信される)は再度送信され
るため,レジュームを繰り返すほどその再送信による無
駄は大きくなり,コストは上昇する。また,レジューム
機能を用いても,通信に先立って行われる同期やネゴシ
エーションなどに要する通信は再接続の都度必要であ
り,その点でも回線の切断/再接続を繰り返すことによ
って無駄は大きくなり,コストは上昇する。以上のよう
に,無線通信においては,スプールに登録された順序や
予め設定された優先度に基づくファイル選択方法では通
信の無駄が多く,コスト高となる可能性があった。但
し,通信効率のみを最優先してその他の優先度を無視し
てしまうと,例えば納期遅れなどの他の不具合が生じる
可能性もある。本発明は上記事情に鑑みてなされたもの
であり,その目的とするところは,無線通信によるファ
イル送受信において通信効率を高く維持することがで
き,更にそれによる納期遅れなどの二次的な不具合を防
止できる送受信ファイル選択方法及びその装置を提供す
ることである。
【0004】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に,本発明の方法は,無線通信によって送信若しくは受
信すべき複数のファイルの中から,次の接続時に送信若
しくは受信するファイルを選択する送受信ファイル選択
方法において,上記各ファイルの送信若しくは受信に要
するコストによって決められる優先度に基づいて上記フ
ァイルの選択を行うことを特徴とする送受信ファイル選
択方法として構成されている。上記コストによって決め
られる優先度は,コストが小さいものほど優先されると
いう考え方に基づいて決められる優先度であり,例えば
ファイルの送受信に要する時間が短いほど高く設定する
ことができる。尚,上記コストによって決められる優先
度は,次の接続における予測接続時間に基づいて,例え
ばファイルのサイズを上記予測接続時間で割った値とし
て設定することも可能である。また,上記コストによっ
て決められる優先度と,その他の所定の優先度とを同時
に考慮して上記ファイルの選択を行うようにすれば,コ
ストを最優先するあまり他の優先度を無視して二次的な
不具合を引き起こすことが防止できる。その場合の一つ
の方法としては,上記複数の優先度を所定の値で規格化
すると共に,上記各ファイルについて上記規格化された
複数の優先度の値に基づく新たな優先度を求め,それら
新たな優先度に基づいて上記ファイルの選択を行うこと
が考えられる。ここで,上記新たな優先度の求め方とし
ては,例えば上記規格化された複数の優先度の最小値を
採用したり,或いは上記規格化された複数の優先度に所
定の重み係数を考慮して求めることが考えられる。ま
た,上記コストによって決められる優先度と同時に考慮
する上記所定の優先度を,時間と共に変化させるように
すれば,所定のファイルが取り残されていつまでも送受
信されないような事態が防止できる。上記時間と共に変
化させる優先度としては,例えばファイルの送信若しく
は受信の完了期限(納期)までの時間に関する優先度な
どが考えられる。もちろん,上記所定の優先度として,
対象とするファイルに任意に設定された優先度を用いる
ことも可能である。
【0005】また,上記目的を達成するために,本発明
の装置は,無線通信によって送信若しくは受信すべき複
数のファイルの中から,次の接続時に送信若しくは受信
するファイルを選択する送受信ファイル選択装置におい
て,上記各ファイルの送信若しくは受信に要するコスト
によって決められる優先度を設定するコスト優先度設定
手段と,上記コスト優先度設定手段で設定された上記コ
ストによって決められる優先度に基づいて上記ファイル
の選択を行うファイル選択手段とを具備してなることを
特徴とする送受信ファイル選択装置として構成されてい
る。上述した送受信ファイル選択方法は,全てこの送受
信ファイル選択装置を用いて実施可能である。
【0006】
【発明の実施の形態】以下,添付図面を参照して本発明
の実施の形態及び実施例につき説明し,本発明の理解に
供する。尚,以下の実施の形態及び実施例は,本発明を
具体化した一例であって,本発明の技術的範囲を限定す
る性格のものではない。ここに,図1は本発明の実施の
形態に係る送信ファイル選択装置0を含む無線電話装置
A1の概略構成を示すブロック図,図2は上記送信ファ
イル選択装置0による送信ファイル選択処理手順の一例
を示すフローチャート,図3はコスト優先度関数を決定
するコスト指数Cの一例を示す図,図4は納期優先度関
数を決定する納期余裕指数PrFの一例を示す図,図5
は納期余裕指数PrFとコスト指数Cと予測部12の概
略構成を示すブロック図,図7は上記接続時間予測部1
2による処理手順の一例を示すフローチャート,図8は
基地局IDの変化周期に基づく移動状態推定テーブル
と,電界強度の平均,分散に基づく接続時間予測テーブ
ル,及びその対応関係の一例を示す図,図9は電界強度
の平均,分散に基づく接続時間予測テーブルの一例を示
す図である。本実施の形態に係る送信ファイル選択装置
0は,本発明に係る送受信ファイル選択装置の一例であ
り,図1に示すように,簡易型携帯電話(PHS)等を
用いてファイルの送受信を行う無線電話装置A1内に搭
載され,接続時間予測部12,スプール11,及び通信
制御部13に接続されている。ここで,上記スプール1
1には,各送信待ちファイルとそれらの属性情報(ファ
イルサイズ,納期時刻(送信完了期限)等)が格納され
ている。また,上記接続時間予測部12では,今接続を
行った場合にその接続状態が継続される時間(以下,予
測継続時間という)が予測される。また,上記通信制御
部13では,実際のファイル送受信に関する制御が行わ
れる。尚,上記接続時間予測部12の具体例については
後の実施例において詳述する。
【0007】上記送信ファイル選択装置0は,更にコス
ト優先度算出部1(コスト優先度設定手段の一例)と,
納期優先度算出部2と,ファイル選択部3(ファイル選
択手段に相当)とを具備して構成されている。上記コス
ト優先度算出部1では,上記接続時間予測部12から得
られた予測接続時間(sec)と,上記スプール11か
ら得られた各送信待ちファイルのファイルサイズ(by
te)と,送信速度(bps)と,更に予め設定された
コスト優先度関数(後述する)とに基づいて,コストに
よって決められる優先度が全送信待ちファイルについて
算出される。上記納期優先度算出部2では,上記スプー
ル11から得られた各送信待ちファイルの納期時刻と,
現在時刻と,予め設定された納期優先度関数(後述す
る)とに基づいて,納期までの時間に関する優先度が全
送信待ちファイルについて算出される。上記ファイル選
択部3では,上記コスト優先度算出部1で算出されたコ
ストによって決められる優先度と,上記納期優先度算出
部2で算出された納期までの時間に関する優先度とに基
づいて,最終判断に用いる優先度を全送信待ちファイル
について求め,該優先度に基づいて送信ファイルを選択
し,その情報を上記通信制御部13に出力する。
【0008】続いて,上記送信ファイル選択装置0によ
る送信ファイル選択処理の手順を,図2に示すフローチ
ャートに従って説明する。まず,上記コスト優先度算出
部1において,上記接続時間予測部12から得られた予
測接続時間Ct(sec)と,ファイルの送信に要する
時間T(sec)とに基づいて,各送信ファイルにおけ
るコストP(=T/Ct)が求められる(ステップS
1)。ここで,上記ファイルの送信に要する時間Tは,
上記スプール11から取得される各送信ファイルのサイ
ズFsize(byte)を送信速度B(bps)で割るこ
とにより得られる。即ち,T=Fsize/Bである。尚,
ここでは接続が確立されている間,上記送信速度Bは一
定であるとする。上記コストPは,そのファイルの送信
を完了するために要する接続回数を表している。1回の
接続でファイルの送信が完了する場合と比べて,送信完
了までに複数回の回線切断/再接続を繰り返すほうがそ
れだけ無駄が多く,コストが高くなることは明らかであ
る。ここでは,通信効率を高めるための一つの考え方と
して,上記コストPが小さいファイル(即ちサイズの小
さいファイル)ほどコストによって決められる優先度を
高くする。次に,予め設定されているコスト優先度関数
と上記コストPとを用いて,各送信ファイルにおけるコ
スト指数Cが求められる(ステップS2)。図3に,横
軸に上記コストPを,縦軸に上記コスト指数Cをとった
上記コスト優先度関数の一例を示す。図3に示すコスト
優先度関数では,範囲h2 においてコストPが小さいほ
どコスト指数Cが[0,1]の範囲内で小さくなり,そ
の前後の範囲h1 ,h3 ではコスト指数Cは一定値(0
及び1)となるように設定されている。即ち,上記コス
ト優先度関数によって,上記コストPは[0,1]の範
囲で規格化されたコスト指数Cに変換される。ここで,
上記コスト指数Cが小さい程,コストによって決められ
る優先度は高くなる。
【0009】また,上記ステップS1,S2の処理と並
行して,上記納期優先度算出部2において,上記スプー
ル11から取得される各送信ファイルの納期時刻t2と
現在時刻t1とから納期余裕Ts(=t2−t1)が求
められる(ステップS3)。上記納期余裕Tsの値は,
納期が近づくほど小さくなり,納期を過ぎると負の値と
なる。従って,納期に関する優先度は上記納期余裕Ts
が小さいほど高くなる。次に,予め設定されている納期
優先度関数と上記納期余裕Tsとを用いて,各送信ファ
イルにおける納期余裕指数PrFが求められる(ステッ
プS4)。図4に,横軸に上記納期余裕Tsを,縦軸に
上記納期余裕指数PrFをとった上記納期優先度関数の
一例を示す。図4に示す納期優先度関数では,範囲h5
において納期余裕Tsが小さいほど納期余裕指数PrF
が[0,1]の範囲内で小さくなり,その前後の範囲h
4 ,h6 では納期余裕指数PrFは一定値(0及び1)
となるように設定されている。即ち,上記納期優先度関
数によって,上記納期余裕Tsは[0,1]の範囲で規
格化された納期余裕指数PrFに変換される。ここで,
上記納期余裕指数PrFが小さい程,納期に関する優先
度は高くなる。
【0010】続いて,上記ファイル選択部3において,
上記ステップS2で求められたコスト指数Cと,上記ス
テップS4で求められた納期余裕指数PrFとを用い
て,各送信ファイルについて優先度指数V=Min
(C,PrF)が求められる。即ち,上記コスト指数C
と上記納期余裕指数PrFの小さい方の値をその送信フ
ァイルの優先度指数Vとする。ここで,当然ながら上記
優先度指数Vが小さいほど優先度(請求項5,14にお
ける新たな優先度に相当)は高い。そして,全送信ファ
イルの中から,上記優先度指数Vが最小となるファイル
が次の送信ファイルとして選択され,その結果が上記通
信制御部13に出力される(ステップS5)。上記送信
ファイル選択装置0による送信ファイル選択処理は以上
のような手順で行われる。
【0011】続いて,上記説明したような送信ファイル
選択処理の時間的経過に対する特性を具体例を挙げて説
明する。例えば,2つの送信待ちファイルF1とF2が
あるとする。また,それぞれのファイルのサイズを|F
1|,|F2|で表し,|F1|<|F2|であるとす
る。この場合,上記ステップS2で求められるコスト指
数(F1,F2のコスト指数をそれぞれC1,C2とす
る)は,予測接続時間Ctに関わらず,C1≦C2とな
る。従ってコストによって決められる優先度はF1の方
が高い。ここでは仮に,C1=0.5,C2=0.8で
あるとする。一方,上記ファイルF1,F2の納期時刻
をそれぞれL1,L2,現在時刻をL0とし,L2<L
1とする。即ち,F2のほうがF1よりも納期が近いも
のとする。ここで,L0<L2<L1であって,いずれ
の納期時刻に対しても十分に余裕がある場合(両ファイ
ル共,納期余裕が図4のh6 の範囲にある場合)には,
ファイルF1,F2の納期余裕指数Ts1,Ts2は共
に1.0となる。従って,ファイルF1,F2の優先度
指数V1,V2はそれぞれ, V1=Min(0.5,1.0)=0.5 V2=Min(0.8,1.0)=0.8 となり,この時点(現在時刻L0)ではファイルF1が
選択される。即ち,両ファイル共納期までにはまだ余裕
があるため,この時点ではコストを優先したファイル選
択が行われる。ところが,上記時刻L0から時間が経過
して現在時刻がL0′となり,ファイルF2の納期余裕
のみが図4のh5 の範囲内となり,納期余裕指数Ts
1,Ts2がそれぞれ0.3,1.0となったとする。
この場合,ファイルF1,F2の優先度指数V1,V2
はそれぞれ, V1=Min(0.5,1.0)=0.5 V2=Min(0.8,0.3)=0.3 となり,この時点(現在時刻L0′)ではファイルF2
が選択される。即ち,ファイルF2の納期が迫ってきた
ため,この時点ではコストよりも納期を優先したファイ
ル選択が行われる。
【0012】以上のような時間経過によるファイル選択
結果の変化の様子を図5を用いて説明する。図5は,納
期余裕指数PrFとコスト指数Cと優先度指数V(=M
in(C,PrF))との関係を示したものである。送
信待ちファイルは,計算されたコスト指数Cと納期余裕
指数PrFとによって図5中のいずれかの位置にプロッ
トされる。例えば,C=0.4,PrF=0.35であ
れば○1の位置に,C=0.35,PrF=0.7であ
れば○2の位置にそれぞれプロットされる。ここで,図
5に示す関係図においては,図中の実線で示したような
L字型の線上では常に優先度指数Vは一定である。例え
ば,上述した○1,○2は同じL字型線上にあるが,○
1ではV=Min(0.4,0.35)=0.35,○
2ではV=Min(0.35,0.7)=0.35とな
り,Vは等しくなる。また,異なるL字型線上にある2
つのファイルは,より原点に近い側のL字型線上にある
ファイルの方がVは小さくなり,優先度は高い。ここ
で,例えばある時点で○3の位置にあるファイルは,○
1や○2の位置にあるファイルよりも優先度は低い。と
ころが,時間が経過して上記○3の位置にあったファイ
ルの納期余裕指数PrFが小さくなり,○4の位置に移
動したとすると,この時点ではこのファイルは○1や○
2の位置にあるファイルよりも優先度が高くなる。この
ように,本実施の形態に係る送信ファイル選択方法で
は,納期に関する優先度が時間と共に変化する。従っ
て,納期に余裕がある間はコストを優先したファイル選
択が行われ,納期が迫ってくると納期を優先したファイ
ル選択が行われるため,コストと納期の両方の優先度を
両立した送信ファイルの選択が可能となる。これによ
り,コストを優先するあまり納期遅れなどの不具合が発
生することはない。
【0013】以上説明したように,本実施の形態に係る
送信ファイル選択装置0及びそれを用いた送信ファイル
選択方法では,コストによって決められる優先度に基づ
いてファイル選択が行われるため,無線通信によるファ
イル送受信において通信効率を高く維持することができ
る。また,上記コストによって決められる優先度に,更
に時間と共に変化する納期に関する優先度を同時に考慮
しているため,納期に余裕がある間はコストを優先した
ファイル選択が,納期が迫ってくると納期を優先したフ
ァイル選択が行われ,コストと納期の両方の優先度を両
立した送信ファイルの選択が可能となる。これにより,
コストを優先するあまり納期遅れなどの不具合が発生す
ることはない。また,この納期に関する優先度は時間と
共に変化し,最終的な判断に用いられる優先度(優先度
指数V)も時間と共に変化するため,特定のファイルが
取り残されていつまでたっても送信されないような事態
を防止できる。また,上記コストによって決められる優
先度(コスト指数C)と納期に関する優先度(納期余裕
指数PrF)とを同じ値で規格化して新たな優先度(優
先度指数V)を算出しているため,コスト,納期に関す
る両優先度を平等に考慮した判断が可能である。
【0014】
【実施例】上記実施の形態では,ファイル送信時におけ
る送信ファイル選択方法及び装置について説明したが,
ファイル受信時における受信ファイル選択方法及び装置
についても考え方は全く同様である。ファイル受信時に
おける受信ファイル選択は,受信側主導でファイル送受
信を行う場合(例えばメールサーバから所望のメールフ
ァイルをダウンロードするような場合)に適用できる。
【0015】また,上記実施の形態では,上記ステップ
S5において,コスト指数Cと納期余裕指数PrFの小
さい(優先度の高い)方を優先度指数Vとして用いた
が,上記優先度指数Vの設定方法はこれに限られるもの
ではない。例えば,コスト指数Cと納期余裕指数PrF
に所定の重み係数を付加して優先度指数Vを算出するよ
うにしてもよい。この場合の優先度指数Vの算出式は,
例えば次のようになる。 V=a×C+(1−a)×PrF 但し,aは[0,1]の範囲の任意の実数
【0016】また,上記実施の形態では,コストPが小
さいファイル(即ちサイズの小さいファイル)ほどコス
トによって決められる優先度を高くすることとしたが,
例えば,コストP(=T/Ct)の値が1.0以下の範
囲では,コストPが1.0に近いほど優先度を高くする
などの考え方を用いてもよい。これにより,無駄のない
ファイル送信が行える範囲でサイズが最も大きいファイ
ルが優先されるため,通信状況に応じて最適なファイル
を選択することが可能となる。
【0017】また,上記コスト,納期に関する優先度以
外の優先度を考慮することも勿論可能である。例えば,
ユーザが[0,1]の範囲で任意に設定したユーザ優先
度を考慮することもできる。この場合,例えば上記ユー
ザ優先度指数PrUと上記ステップS4で求められた納
期余裕指数PrFとを用いて優先度指数Prを求め,こ
の優先度指数Prと上記コスト指数Cとを用いて優先度
指数Vを求めるようにすることが考えられる。ここで,
上記優先度指数Prの算出方法としては,例えば次のよ
うなものが考えられる。 Pr=Min(PrU,PrF) Pr=Max(PrU,PrF) Pr=b×PrU+(1−b)×PrF 但し,bは[0,1]の範囲の任意の実数 勿論,上記コスト指数C,納期余裕指数PrF,及びユ
ーザ優先度指数PrUを同等に考え,例えばこれら3つ
の最小値を優先度指数Vとしてもよい。
【0018】最後に,上記コストPの算出に用いる予測
接続時間の算出方法及びその装置についての具体例を紹
介する。図6に,図1に示した接続時間予測部12の概
略構成例を示す。同図に示すように,上記接続時間予測
部12は,基地局ID検出部21,電界強度検出部2
2,移動状態推定部23,及び接続時間算出部24とを
具備して構成されている。上記基地局ID検出部21と
上記電界強度検出部22は,図示しないPHS等の電話
機に接続されている。上記電話機は,従来からの一般的
な通信機能の他に,上記基地局ID検出部21や電界強
度検出部22からの問い合わせに対し,基地局から受信
した制御信号の電界強度や,上記制御信号中に含まれる
上記基地局のID情報を返答する機能を有している。上
記基地局ID検出部21は,上記電話機に対して基地局
IDの要求信号を出力し,その返答として出力される上
記基地局IDを受け取って所定時間分蓄積する。上記電
界強度検出部22は,上記電話機に対して電界強度の要
求信号を出力し,その返答として出力される上記電界強
度を受け取って所定時間分蓄積する。移動状態推定部2
3は,上記基地局ID検出部21から上記基地局IDを
受け取って蓄積し,これに基づいて移動速度を推定す
る。上記接続時間算出部24は,上記電界強度検出部2
2から上記電界強度の情報を受け取って蓄積し,これと
上記移動状態推定部23で推定された移動速度とに基づ
いて,今基地局との間で接続を行った場合にその接続が
継続できる時間を予測する。
【0019】続いて,以上のような構成を有する接続時
間予測部12による接続時間予測処理の手順を,図7に
示すフローチャートに従って説明する。まず,基地局I
D検出部21と電界強度検出部22は,上記電話機から
それぞれ基地局IDと電界強度の情報を逐次受け取り,
蓄積する(ステップS21)。上記基地局IDと上記電
界強度とが所定時間分(例えば,基地局IDで60秒
間,電界強度で10秒間程度)継続して蓄積されると,
続いて,移動状態推定部23により,上記基地局ID検
出部21に蓄積された所定時間分の基地局IDの変化周
期ωi (iは現在時刻)が例えば次式により計算される
(ステップS22→S23)。
【数1】 そして,得られた変化周期と,予め用意された基地局I
Dの変化周期と移動速度の対応テーブルとを用いて,現
在の移動速度が推定される(ステップS24)。Tを6
0(秒)としたときの上記対応テーブルの一例を図8
(上図)に示す。同テーブルに示すように,基地局ID
の変化周期が短いほど,即ち短い周期で次々と相手の基
地局が切り替わるほど,移動速度が速いと推定できる。
また,上記ステップS23,S24と並行して,接続時
間算出部24により,上記電界強度検出部22に蓄積さ
れた所定時間分の電界強度の平均mi と分散σ i (iは
現在時刻)とが次式により計算される(ステップS2
5)。
【数2】 続いて,上記接続時間算出部24において,上記移動状
態推定部23で推定された移動速度に基づいて接続時間
予測用のテーブルが選択され(ステップS26),この
テーブルと上記算出された電界強度の平均,分散とに基
づいて接続時間が予測される(ステップS27)。上記
移動速度毎に用意された上記各テーブルは,例えば図9
に示すような電界強度の平均,分散の2軸グラフであ
り,この2次元空間が,{接続時間0秒,10秒,20
秒,30秒}の4領域に分けられており,上記電界強度
の平均,分散と接続時間とを対応付けるものとなってい
る。このように,接続時間予測に電界強度の平均と分散
を用いるのは,例えば平均が同じでも分散が小さい方が
通信状態が安定していると考えられ,両者を考慮するこ
とによってより正確な接続時間予測が可能となるからで
ある。また,電界強度の平均と分散が同じであっても,
移動速度が異なれば予測される接続時間も異なると考え
られるため,上記のように移動速度毎に異なるテーブル
を用いることによって更に正確な接続時間予測が可能と
なる。
【0020】
【発明の効果】以上説明したように,本発明は,無線通
信によって送信若しくは受信すべき複数のファイルの中
から,次の接続時に送信若しくは受信するファイルを選
択する送受信ファイル選択方法において,上記各ファイ
ルの送信若しくは受信に要するコストによって決められ
る優先度に基づいて上記ファイルの選択を行うことを特
徴とする送受信ファイル選択方法として構成されている
ため,無線通信によるファイル送受信において通信効率
を高く維持することができる。更に,上記コストによっ
て決められる優先度と,その他の所定の優先度とを同時
に考慮して上記ファイルの選択を行うようにすれば,コ
ストを最優先するあまり他の優先度を無視して二次的な
不具合を引き起こすことが防止できる。また,上記コス
トによって決められる優先度と同時に考慮する上記所定
の優先度を,時間と共に変化させるようにすれば(例え
ば送受信の完了期限(納期)に関する優先度),所定の
ファイルが取り残されていつまでも送受信されないよう
な事態が防止できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施の形態に係る送信ファイル選択
装置0を含む無線電話装置A1の概略構成を示すブロッ
ク図。
【図2】 上記送信ファイル選択装置0による送信ファ
イル選択処理手順の一例を示すフローチャート。
【図3】 コスト優先度関数を決定するコスト指数Cの
一例を示す図。
【図4】 納期優先度関数を決定する納期余裕指数Pr
Fの一例を示す図。
【図5】 納期余裕指数PrFとコスト指数Cと優先度
指数Vとの関係を示す図。
【図6】 接続時間予測部12の概略構成を示すブロッ
ク図。
【図7】 上記接続時間予測部12による処理手順の一
例を示すフローチャート。
【図8】 基地局IDの変化周期に基づく移動状態推定
テーブルと,電界強度の平均,分散に基づく接続時間予
測テーブル,及びその対応関係の一例を示す図。
【図9】 電界強度の平均,分散に基づく接続時間予測
テーブルの一例を示す図。
【符号の説明】
0…送信ファイル選択装置(送受信ファイル選択装置の
一例) 1…コスト優先度算出部(コスト優先度設定手段の一
例) 2…納期優先度算出部 3…ファイル選択部(ファイル選択手段に相当) 11…スプール 12…接続時間予測部 13…通信制御部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 高橋 英二 兵庫県神戸市西区高塚台1丁目5番5号 株式会社神戸製鋼所神戸総合技術研究所内 (72)発明者 田村 直樹 兵庫県神戸市西区高塚台1丁目5番5号 株式会社神戸製鋼所神戸総合技術研究所内

Claims (20)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 無線通信によって送信若しくは受信すべ
    き複数のファイルの中から,次の接続時に送信若しくは
    受信するファイルを選択する送受信ファイル選択方法に
    おいて,上記各ファイルの送信若しくは受信に要するコ
    ストによって決められる優先度に基づいて上記ファイル
    の選択を行うことを特徴とする送受信ファイル選択方
    法。
  2. 【請求項2】 上記コストによって決められる優先度
    が,ファイルの送受信に要する時間が短いほど高く設定
    される請求項1記載の送受信ファイル選択方法。
  3. 【請求項3】 上記コストによって決められる優先度
    が,次の接続における予測接続時間に基づいて設定され
    る請求項1又は2記載の送受信ファイル選択方法。
  4. 【請求項4】 上記コストによって決められる優先度と
    その他の所定の優先度とを同時に考慮して上記ファイル
    の選択を行う請求項1〜3のいずれかに記載の送受信フ
    ァイル選択方法。
  5. 【請求項5】 上記複数の優先度を所定の値で規格化す
    ると共に,上記各ファイルについて上記規格化された複
    数の優先度の値に基づく新たな優先度を求め,それら新
    たな優先度に基づいて上記ファイルの選択を行う請求項
    4記載の送受信ファイル選択方法。
  6. 【請求項6】 上記規格化された複数の優先度の最小値
    を上記新たな優先度とする請求項5記載の送受信ファイ
    ル選択方法。
  7. 【請求項7】 上記新たな優先度が,上記規格化された
    複数の優先度に所定の重み係数を考慮して求められる請
    求項5記載の送受信ファイル選択方法。
  8. 【請求項8】 上記所定の優先度を,時間と共に変化さ
    せる請求項4〜7のいずれかに記載の送受信ファイル選
    択方法。
  9. 【請求項9】 上記所定の優先度が,対象とするファイ
    ルの送信若しくは受信の完了期限までの時間に関する優
    先度を含む請求項4〜8のいずれかに記載の送受信ファ
    イル選択方法。
  10. 【請求項10】 上記所定の優先度が,対象とするファ
    イルに任意に設定された優先度を含む請求項4〜9のい
    ずれかに記載の送受信ファイル選択方法。
  11. 【請求項11】 無線通信によって送信若しくは受信す
    べき複数のファイルの中から,次の接続時に送信若しく
    は受信するファイルを選択する送受信ファイル選択装置
    において,上記各ファイルの送信若しくは受信に要する
    コストによって決められる優先度を設定するコスト優先
    度設定手段と,上記コスト優先度設定手段で設定された
    上記コストによって決められる優先度に基づいて上記フ
    ァイルの選択を行うファイル選択手段とを具備してなる
    ことを特徴とする送受信ファイル選択装置。
  12. 【請求項12】 上記コストによって決められる優先度
    が,ファイルの送受信に要する時間が短いほど高く設定
    される請求項11記載の送受信ファイル選択装置。
  13. 【請求項13】 上記コスト優先度設定手段において,
    上記コストによって決められる優先度が,次の接続にお
    ける予測接続時間に基づいて設定される請求項11又は
    12記載の送受信ファイル選択装置。
  14. 【請求項14】 上記ファイル選択手段において,上記
    コストによって決められる優先度とその他の所定の優先
    度とを同時に考慮して上記ファイルの選択が行われる請
    求項11〜13のいずれかに記載の送受信ファイル選択
    装置。
  15. 【請求項15】 上記ファイル選択手段が,上記各ファ
    イルについて上記規格化された複数の優先度の値に基づ
    く新たな優先度を求め,それら新たな優先度に基づいて
    上記ファイルの選択を行う請求項14記載の送受信ファ
    イル選択装置。
  16. 【請求項16】 上記規格化された複数の優先度の最小
    値を上記新たな優先度とする請求項15記載の送受信フ
    ァイル選択装置。
  17. 【請求項17】 上記新たな優先度が,上記規格化され
    た複数の優先度に所定の重み係数を考慮して求められる
    請求項15記載の送受信ファイル選択装置。
  18. 【請求項18】 上記所定の優先度を,時間と共に変化
    させる請求項14〜17のいずれかに記載の送受信ファ
    イル選択装置。
  19. 【請求項19】 上記所定の優先度が,対象とするファ
    イルの送信若しくは受信の完了期限までの時間に関する
    優先度を含む請求項14〜18のいずれかに記載の送受
    信ファイル選択装置。
  20. 【請求項20】 上記所定の優先度が,対象とするファ
    イルに任意に設定された優先度を含む請求項14〜19
    のいずれかに記載の送受信ファイル選択装置。
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