JP2000203308A - 車両用表示装置 - Google Patents

車両用表示装置

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JP2000203308A
JP2000203308A JP11007964A JP796499A JP2000203308A JP 2000203308 A JP2000203308 A JP 2000203308A JP 11007964 A JP11007964 A JP 11007964A JP 796499 A JP796499 A JP 796499A JP 2000203308 A JP2000203308 A JP 2000203308A
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obstacle
vehicle
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indication
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JP11007964A
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Satoru Hirose
悟 広瀬
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 前方障害物とその位置を指示する表示像にず
れがある場合に、視認位置がずれていることを視認させ
ることができる車両用表示装置を提供することにある。 【解決手段】 スキャニングレーザーレーダ1で検出さ
れた車両前方にある障害物との距離及び方向に基づい
て、この障害物を指示対象とする表示位置を表示制御部
3で算出しておく。ここで、表示部5に複数の異なる表
示像を有する表示パターンを複数記録し、この表示位置
に応じていずれか1つの表示パターンを表示し、表示さ
れた表示パターン内のそれぞれの表示像毎に異なる指向
性を光指向性制御部7を透過させて付与することで、車
両のフロントガラス13上の当該障害物方向に表示パタ
ーンを虚像として投影し、視認位置毎に異なる表示像1
5を呈示している。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、車両前方にある障
害物の位置を指示可能な車両用表示装置に関し、特に、
障害物との接近をドライバに報知する接近警報システム
や、先行車と所定の車間距離を保って追従走行する追従
走行システム等に適用可能な車両用表示装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来の車両用表示装置としては、例えば
特願平10−223264号記載の「車両用情報呈示装
置」が出願されている。これは、例えば追従走行システ
ムにおいて、自車両前方を走行している追従走行対象と
なる先行車の位置を指示するマークを前方視野上の該当
位置にヘッドアップディスプレイを用いて投影すること
で、指示対象となる車両を容易に視認可能に表示するも
のである。
【0003】特に、ドライバが前方車両を視認したま
ま、この前方車両を指示対象とするマークを視認した場
合でも、両眼視差に起因して生じる違和感がなく、安定
して走行することができるという効果を有するものであ
る。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
車両用表示装置にあっては、ドライバの頭部が移動する
ことに伴って視点が左右に動いた場合、実際の前方車両
の位置と、この前方車両を指示対象とするマーク(HU
D表示)の位置とにずれを生じるので、両者が最適な位
置で重畳されず、極端な場合には前方車両とは異なる他
の車両をこのマークが指示しているような錯覚を与える
ことが考えられる。
【0005】本発明は、上記に鑑みてなされたもので、
その目的としては、前方障害物とその位置を指示する表
示像にずれがある場合に、視認位置がずれていることを
視認させることができる車両用表示装置を提供すること
にある。
【0006】
【課題を解決するための手段】請求項1記載の発明は、
上記課題を解決するため、車両前方にある障害物との距
離及び方向を検出する障害物検出手段と、この障害物と
の距離及び方向に基づいて、この障害物を指示対象とす
る表示位置を算出する表示位置算出手段と、複数の異な
る表示像を有する表示パターンを複数記録し、この表示
位置に応じていずれか1つの表示パターンを表示する表
示手段と、表示された表示パターン内のそれぞれの表示
像毎に異なる指向性を付与する光指向性付与手段とを備
え、車両のフロントガラス上の当該障害物方向に表示パ
ターンを虚像として投影し、視認位置毎に異なる表示像
を呈示することを要旨とする。
【0007】請求項2記載の発明は、上記課題を解決す
るため、前記表示手段の表示パターンは、前記障害物を
指示する表示像を1つ記録するとともに、左方向及び/
又は右方向を指示する表示像を記録することを要旨とす
る。
【0008】請求項3記載の発明は、上記課題を解決す
るため、前記光指向性付与手段は、表示された複数の表
示像のうち中央に位置する1つの表示像には他の表示像
よりも広範囲な指向性を付与することを要旨とする。
【0009】請求項4記載の発明は、上記課題を解決す
るため、表示された画像情報をコンバイナに反射させ、
この画像情報を呈示するヘッドアップ型表示装置を備
え、前記光指向性付与手段からコンバイナの底部に表示
像を照射し、コンバイナの内部を透過させ、コンバイナ
の上端部から出射される表示像を呈示することを要旨と
する。
【0010】
【発明の効果】請求項1記載の本発明によれば、車両前
方にある障害物との距離及び方向に基づいて、この障害
物を指示対象とする表示位置を算出しておき、複数の異
なる表示像を有する表示パターンを複数記録し、この表
示位置に応じていずれか1つの表示パターンを表示し、
表示された表示パターン内のそれぞれの表示像毎に異な
る指向性を付与することで、車両のフロントガラス上の
当該障害物方向に表示パターンを虚像として投影し、視
認位置毎に異なる表示像を呈示しているので、観察者の
視認位置により異なる表示を視認できる。この結果、前
方障害物とその位置を指示する表示像にずれがある場合
には、観察者は視認位置がずれていることを認識するこ
とができる。
【0011】また、請求項2記載の本発明によれば、表
示パターンとして、障害物を指示する表示像を1つ記録
するとともに、左方向及び/又は右方向を指示する表示
像を記録することで、前方障害物とその位置を指示する
表示像が一致している場合には、障害物を指示する表示
像を1つ視認することができる。また、前方障害物とそ
の位置を指示する表示像にずれがある場合には、左方向
及び/又は右方向を指示する表示像を視認することがで
きる。
【0012】また、請求項3記載の本発明によれば、表
示された複数の表示像のうち中央に位置する1つの表示
像には他の表示像よりも広範囲な指向性を付与すること
で、視認位置がずれている場合でも、左方向又は右方向
を指示する表示像に重畳された障害物を指示する広範囲
な表示像を視認することができる。
【0013】また、請求項4記載の本発明によれば、コ
ンバイナの底部に表示像を照射し、コンバイナの内部を
透過させ、コンバイナの上端部から出射される表示像を
呈示することで、前方障害物とその位置を指示する表示
像にずれがある場合に、視認位置がずれていることを視
認させることができる。
【0014】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
を参照して説明する。 (第1の実施の形態)図1は、本発明の第1の実施の形
態に係る車両用表示装置の基本構成を示すブロック図で
ある。スキャニングレーザーレーダ1は、レーザー光を
発光する発光部と、反射光を受光する受光部、レーザー
光を所定の照射範囲内でスキャンするスキャニング部を
内蔵しており、レーザー光を車両前方に向けて、所定の
照射範囲内でスキャンしながら照射し、前方車両の車体
やリフレクタによって反射された反射光を受光部で検出
し、その出射時間から到達時間までの遅延時間に基づい
て車間距離を測定し、そのレーザー光のスキャン方向か
ら車両方向を検出するものである。例えば、図2に示す
ように、スキャニンクレーザーレーダ1は、自車両に対
して左前方を走行している先行車両Bとの車間距離LB
及び方向θを検出する。
【0015】表示制御部3は、スキャニングレーザーレ
ーダ1からの測距信号に基づいて、前方車両を指示対象
とする表示像の表示位置を計算し、表示部5へ表示位置
信号を出力する。表示部5は、例えば複数のLEDが配
置されたLED基板からなり、表示制御部3からの表示
位置信号に応じて、表示像を発光するものである。表示
部5として、砲弾形状のLEDや半導体レーザーダイオ
ード等を用いた場合、図3に示すような角度特性となる
ので、光指向性制御部7を省略することができ、また、
各表示像の光強度の角度特性をより狭くすれば、単眼の
みに光が入るようになり、両眼視差の影響を低減するこ
とができる。
【0016】また、表示部5は、ドライバ正面のインス
ツルメントパネル内、或いはドライバの視界を妨げなけ
れば、インスツルメントパネルの上に設置しても良く、
表示部5からフロントガラス上に投影された表示像がド
ライバアイポイント(視点)に向かうような位置と角度
に設置されている。表示部5の車幅方向の幅は、表示像
13の表示位置及びスキャニングレーザーレーダ1の左
右の計測範囲に応じて設定すると良い。すなわち、表示
像と自車両前方の車両とが重なってドライバに見えるよ
うにするために、レーザーレーダ1によって測距できる
計測範囲内を視野とし、表示像を投影できれば良い。
【0017】光指向性制御部7は、例えばレンチキュラ
ーレンズ、ルーバーフィルターからなり、表示部5から
照射されたそれぞれの表示像毎に異なる指向性を付与す
るように指向性を制御する。なお、レンチキュラーレン
ズを用いた場合、表示に設けられている表示素子が照射
した表示像に対して、図3に示すような光強度と角度特
性(指向性)を得ることができる。
【0018】光指向性制御部7としては、図4に示すレ
ンチキュラーレンズやルーバーフィルター以外に、プリ
ズム群やフライアイレンズを用いてもよく、それらの光
学特性を記録したホログラムを用いてもよい。また、光
指向性制御部7としては、液晶(LCD)、音響光学素
子(AOM)、バリアングルプリズム、バリアングルミ
ラー、可変焦点レンズ、マイクロマシーニングにより製
造された可動可能な微小ミラー群(DMD)などを用い
て、表示位置信号によって光学特性を変化させることが
可能となる。さらに、光指向性制御部7としては、ホロ
グラムのような回折格子、光分散の大きな透明材料を用
いたプリズムやレンズなどを用いて、波長の角度依存性
を制御することができる。
【0019】アイポイント9は、観察者であるドライバ
の視点位置である。アイレンジ11は、観察者の視点位
置移動範囲で、例えば95%タイル領域である。表示像
15は、障害物を指示する表示像であり、表示部5によ
り表示された表示像が光指向性制御部7を介して指向性
が与えられてフロントガラス13で反射されアイポイン
ト9に投影された虚像である。
【0020】次に、図1に示す車両用表示装置の動作を
説明する。まず、スキャニングレーザーレーダ1からレ
ーザー光を出射し、その反射光の戻り時間とその時の角
度が測距信号として表示制御部3に入力される。
【0021】すなわち、スキャニングレーザーレーダ1
が作動すると、図5に示すように、自車両21前方の障
害物23の方向θと車間距離Lが検出される。検出結果
は測距信号として表示制御部3に送られる。表示制御部
3では、自車両21前方の指示対象となる障害物23と
の角度θと車間距離Lに基づいて、ドライバ25から見
た場合の障害物23の角度φ(反時計周りを正とする)
を求める。
【0022】角度φは、ドライバ25の視点からスキャ
ニングレーザーレーダ1までの前方距離a、ドライバ2
5の視点からスキャニングレーザーレーダ1までの右方
向距離mから、
【数1】 φ=tan-1{(L・tanθ+a)/(m+L)} (1) となる。
【0023】この角度φの方向に、表示像をドライバ2
5が視認できるように、表示部5から表示像を光指向性
制御部7となる例えばレンチキュラーレンズに照射す
る。表示部5から照射された表示像が光指向性制御部7
を介して指向性が与えられてフロントガラス13で反射
されアイポイント9方向に虚像として投影される。
【0024】ここで、角度φに対して、両眼間隔d(一
般的には約6.5cm)、視点から表示像までの距離z
が、
【数2】 φ<tan -1{d/(2×z)} (2) という関係になる。特に、光指向性制御部7にルーバー
フィルターを用いると、光強度の角度特性がより矩形に
近い特性となり、図4に示すように、ある特定の範囲の
みで表示像が見えるような光強度の角度特性(指向性)
を有する表示となる。
【0025】次に、図6に視点位置に対応する表示像の
表示状態を示す。表示部5に表示パターンとして像1〜
像5を印刷して記録しておき、表示位置信号に応じて像
1〜像5を全て表示位置方向に表示しておく。そして、
図3に示す指向性をこれらの表示像に付与することで、
図6に示すように、中央、右5cm、右10cm、左5cm、
左10cm等の視点位置に応じて視認可能な表示状態が異
なるように呈示することができる。
【0026】また、表示像15の大きさは、表示位置ま
での距離が0.5〜1mの場合、数mm程度の表示像の
大きさがあれば観察者に視認可能になる。また、例えば
5つの表示像が1つの表示像として見えるように各表示
像を1/5に縮小して表示してもよい。
【0027】障害物とそれを指示する表示像の空間位置
i(中心からの表示位置)のずれは、視点移動距離s、
視点から障害物までの距離(L+a)、視点から表示像
までの距離z、障害物までの距離Lに基づいて、
【数3】 i=s×(L+a−z)/L …(3) となる。
【0028】従って、式(3)を逆変換して表示すれば
空間位置iのずれを補正することができる。
【0029】例えば、視点から表示像までの距離zが1
m、障害物までの距離L+aが10mの場合に、視点移
動距離sとして視点が右側に10cmずれたときには、
表示像の空間位置iとして表示像を9cm右側に表示す
ればよい。つまり、ほぼ視点位置と同じ位置までずらし
て表示すれば、おおよそ障害物とそれを指示する表示像
が重なるようになる。このような表示は、障害物の1つ
の検出角度に対応するものである。
【0030】そこで、スキャニングレーザーレーダ1に
よる検出角度が例えば5段階に分かれている場合は、図
7に示すような表示パターンを表示部5の表面に印刷し
て記録しておき、検出角度に応じていずれか1つのパタ
ーンを表示すればよい。図7に示すように、表示像5ケ
が横並びになっている一番上の1段目は、障害物(また
は、追従する車両)が車両の中心軸に対して±1度の範
囲に存在している場合に点灯される。上から2段目は左
右それぞれで1〜3度の範囲、3段目は左右それぞれ3
〜5度の範囲である。スキャニングレーザーレーダ1か
らのそれぞれの検出角度に対応して、表示像1〜5の全
てが点灯される。
【0031】また、表示像ごとに波長(色)を変えてお
く。例えば、中央は緑とし、視線移動量が大きくなるほ
ど、像2または像4を黄色、像1または像5をオレンジ
と変える。また、図8に示すように、図7に示す表示像
が一列に並ぶように、各表示像を「いりこ」状態に混在
させている。
【0032】図6乃至図8に示す表示パターンのよう
に、障害物を指示する表示像を1つ記録するとともに、
左方向及び/又は右方向を指示する表示像を記録するこ
とで、前方障害物とその位置を指示する表示像が一致し
ている場合には、障害物を指示する表示像を1つ視認す
ることができる。また、前方障害物とその位置を指示す
る表示像にずれがある場合には、左方向及び/又は右方
向を指示する表示像を視認することができる。
【0033】さらに、図9に示すように、5ケの表示像
の中心である「像3」が全ての視線移動範囲で観察でき
るように光指向性制御部7の角度特性(指向性)を広範
囲にしておくことで、中央に位置する像3の表示が常時
視認可能になり、像3のみが視認されるように頭部を移
動すればよい。この結果、表示像に対する安心感の向上
に寄与することができる。
【0034】このときの角度条件(角度φ)は、最大視
点移動距離smax 、視点から表示像までの距離zに基づ
いて、
【数4】 φ>tan -1{smax /(2×z)} (4) となる。また、図9に示すように、像3の周辺にある像
の光強度を多少下げたり、任意に光強度分布を変えるこ
とで、観察者による見え方を工夫することも容易にでき
る。
【0035】このように、スキャニングレーザーレーダ
1で検出された車両前方にある障害物との距離及び方向
に基づいて、この障害物を指示対象とする表示位置を表
示制御部3で算出しておく。ここで、表示部5に複数の
異なる表示像を有する表示パターンを複数記録し、この
表示位置に応じていずれか1つの表示パターンを表示
し、表示された表示パターン内のそれぞれの表示像毎に
異なる指向性を光指向性制御部7を透過させて付与する
ことで、車両のフロントガラス13上の当該障害物方向
に表示パターンを虚像として投影し、視認位置毎に異な
る表示像15を呈示しているので、観察者の視認位置に
より異なる表示を視認できる。この結果、前方障害物と
その位置を指示する表示像にずれがある場合には、観察
者は視認位置がずれていることを認識することができ
る。
【0036】(第2の実施の形態)図10は、本発明の
第2の実施の形態に係る車両用表示装置が組み込まれた
ヘッドアップ型表示装置の車室内での配置を示す図であ
る。図11は、本発明の第2の実施の形態に係る車両用
表示装置の基本構成を示すブロック図である。
【0037】車室内のインスツルメントパネル上部に
は、図10に示すように、ヘッドアップ型表示装置51
が備えられており、別体となっているコンバイナ53が
取り付けられている。このヘッドアップ型表示装置で
は、例えば経路誘導時の方向を表す図形や距離などの文
字を表示している。
【0038】詳しくは、図11に示すように、ヘッドア
ップ型表示装置51の上面に設けられている液晶表示板
や蛍光表示管等の表示素子から表示像となる画像情報を
コンバイナ53に対して照射し、コンバイナ53を介し
て反射又は回折された表示光55が観察者方向に偏向さ
れ、この表示光55が観察者に表示像として視認される
ようになっている。
【0039】また、このようなヘッドアップ型表示装置
51とコンバイナ53との間には、図11に示すよう
に、本実施の形態に係わる表示部57が取り付けられて
いる。この表示部57にはスキャニングレーザーレーダ
1が接続された表示制御部3からの表示位置信号が入力
されており、この表示位置信号に応じた表示像を表示部
57からコンバイナ53の底部に照射し、透明部材から
なるコンバイナ53の内部を透過してコンバイナ53の
上端部から表示光59が出射される。さらに、この表示
光59が観察者に表示像として視認されるようになって
いる。
【0040】図12は、ヘッドアップ型表示装置51と
コンバイナ53及び表示部55の配置関係を示す前面図
である。図12に示すように、コンバイナ53の反射面
には例えば経路誘導時の方向を表す図形や距離などの文
字が表示され、表示部55から照射された表示光59が
コンバイナ53の上端部から出射される。
【0041】図13は、表示部55及びコンバイナ53
の詳細な構成を示す透視図(a)と側面断面図(b)で
ある。図13に示すように、表示部55はLED61及
び光偏向素子63から構成されている。
【0042】このLED61は、例えば複数のLEDが
配置されたLED基板からなり、表示制御部3からの表
示位置信号に応じて、表示像を発光するものである。ま
た、このLED61を構成する各LEDの上部には、例
えばルーバーフィルターのような光学素子が一体成形さ
れている。この光学素子は、光強度の角度特性(指向
性)または波長の角度依存性またはその両方を制御する
ための素子である。
【0043】光偏向素子63は、例えばバリアングルプ
リズムからなる光偏向素子群であり、表示制御部3から
の表示位置信号に応じてプリズムの頂角の角度を変化さ
せて光の進行方向を制御可能な素子である。コンバイナ
53は、光偏向素子63を介して照射された表示光59
を上端部の端面に反射させて観測者方向に出射する。
【0044】次に、図11に示す車両用表示装置の動作
を説明する。まず、スキャニングレーザーレーダ1から
レーザー光を出射し、その反射光の戻り時間とその時の
角度が測距信号として表示制御部3に入力される。表示
制御部3では、自車両の前方の障害物となる車両や物体
までの距離および角度が算出され、その値に応じて該当
表示位置に表示像を投影するように表示部57へ表示位
置信号を出力する。
【0045】表示部57を構成するLED61から照射
された光は、LED61の上部に設けられているルーバ
ーフィルターを介して光強度の角度特性(指向性)また
は波長の角度依存性またはその両方が制御される。そし
て、ルーバーフィルターから光偏向素子63を介して偏
向された表示光がコンバイナ53の下端から入射し、コ
ンバイナ53内部を透過して、図13に示すように、上
端部の端面に反射させて観測者方向に出射する。
【0046】なお、表示部57に半導体レーザ素子を配
置してもよい。また、コンバイナ53の上端部の端面に
は、レンズ、鏡面、拡散面等のいずれかの処理を施して
おけばよい。また、フロントガラス13方向に表示光5
9を出射させてフロントガラス13の一面で観察者方向
に偏向させ、障害物を指示する表示像を観察者に観察さ
せてもよい。
【0047】図13に示すように、バリアングルプリズ
ムをLED61とコンバイナ53との間に挿入し、表示
制御部3からの表示位置信号に応じて制御することで、
プリズムの頂角の角度が変化して光の進行方向が制御さ
れる。そして、コンバイナ53を透過した表示光59
は、コンバイナ53の上部端面から出射される表示光5
9の空間位置(間隔距離)を変化させることができる。
この結果、従来のヘッドアップ型表示装置に車両用表示
装置を適応することで、両者による表示像が接近するよ
なことにならず、両装置を共存させることができる。
【0048】また、コンバイナ53の上部端面にLED
チップをリボン電極に組み込んだものを直接貼り付けて
もよい。その際、LEDチップの電源や表示位置信号を
伝達するには透明な電極を用いてもよい。
【0049】さらに、図14に示すように、コンバイナ
71の上端面を斜めに切り落とした斜面73L,73R
に表示像を投影することで、道路上の白線(センターラ
インや路肩線)と表示像とを重畳することができ、略
「ハ」の字形状のレーンキープを表示することができ
る。この結果、車両用表示装置としての専有スペースを
取らずに、レーンキープ表示を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係る車両用表示装
置の基本構成を示すブロック図である。
【図2】スキャニングレーザーレーダ1の測定範囲を示
す概念図である。
【図3】砲弾形状のLEDや半導体レーザーダイオード
等を用いた場合の角度特性を示す図である。
【図4】図1に示す基本構成図を上方から見た図であ
る。
【図5】前方車両と表示像の位置関係を説明するための
図である。
【図6】視点位置と表示状態を表す一覧表である。
【図7】5段階の角度検出に対応する表示パターンの例
を示す上面図である。
【図8】1列に表示パターンを配列したことを示す上面
図である。
【図9】表示素子から出射される表示像の角度特性(指
向性)を説明するためのグラフである。
【図10】本発明の第2の実施の形態に係る車両用表示
装置が組み込まれたヘッドアップ型表示装置の車室内で
の配置を示す図である。
【図11】本発明の第2の実施の形態に係る車両用表示
装置の基本構成を示すブロック図である。
【図12】車両用表示装置が組み込まれたヘッドアップ
型表示装置の正面図である。
【図13】表示部55及びコンバイナ53の詳細な構成
を示す透視図(a)と側面断面図(b)である。
【図14】ヘッドアップ型表示装置のコンバイナの斜め
端面をレーンキープ表示に用いたことを示す図である。
【符号の説明】
1 スキャニングレーザーレーダ 3 表示制御部 5 表示部 7 光指向性制御部 9 アイポイント 11 アイレンジ 13 フロントガラス 15 表示像

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 車両前方にある障害物との距離及び方向
    を検出する障害物検出手段と、 この障害物との距離及び方向に基づいて、この障害物を
    指示対象とする表示位置を算出する表示位置算出手段
    と、 複数の異なる表示像を有する表示パターンを複数記録
    し、この表示位置に応じていずれか1つの表示パターン
    を表示する表示手段と、 表示された表示パターン内のそれぞれの表示像毎に異な
    る指向性を付与する光指向性付与手段とを備え、 車両のフロントガラス上の当該障害物方向に表示パター
    ンを虚像として投影し、視認位置毎に異なる表示像を呈
    示することを特徴とする車両用表示装置。
  2. 【請求項2】 前記表示手段の表示パターンは、 前記障害物を指示する表示像を1つ記録するとともに、
    左方向及び/又は右方向を指示する表示像を記録するこ
    とを特徴とする請求項1記載の車両用表示装置。
  3. 【請求項3】 前記光指向性付与手段は、 表示された複数の表示像のうち中央に位置する1つの表
    示像には他の表示像よりも広範囲な指向性を付与するこ
    とを特徴とする請求項1記載の車両用表示装置。
  4. 【請求項4】 表示された画像情報をコンバイナに反射
    させ、この画像情報を呈示するヘッドアップ型表示装置
    を備え、 前記光指向性付与手段からコンバイナの底部に表示像を
    照射し、コンバイナの内部を透過させ、コンバイナの上
    端部から出射される表示像を呈示することを特徴とする
    請求項1記載の車両用表示装置。
JP11007964A 1999-01-14 1999-01-14 車両用表示装置 Pending JP2000203308A (ja)

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