JP2000192250A - 熱交換器用フィン材 - Google Patents

熱交換器用フィン材

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JP2000192250A
JP2000192250A JP10364958A JP36495898A JP2000192250A JP 2000192250 A JP2000192250 A JP 2000192250A JP 10364958 A JP10364958 A JP 10364958A JP 36495898 A JP36495898 A JP 36495898A JP 2000192250 A JP2000192250 A JP 2000192250A
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water
titanium oxide
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heat exchanger
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JP10364958A
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Kenichi Kamiya
憲一 神谷
Yosuke Ota
陽介 太田
Takahiro Shimizu
高宏 清水
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Kobe Steel Ltd
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Kobe Steel Ltd
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    • F28HEAT EXCHANGE IN GENERAL
    • F28FDETAILS OF HEAT-EXCHANGE AND HEAT-TRANSFER APPARATUS, OF GENERAL APPLICATION
    • F28F19/00Preventing the formation of deposits or corrosion, e.g. by using filters or scrapers
    • F28F19/02Preventing the formation of deposits or corrosion, e.g. by using filters or scrapers by using coatings, e.g. vitreous or enamel coatings
    • F28F19/06Preventing the formation of deposits or corrosion, e.g. by using filters or scrapers by using coatings, e.g. vitreous or enamel coatings of metal

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 優れた脱臭効果及びプレス成形性を得ること
ができる熱交換器用フィン材を提供する。 【解決手段】 アルミニウム又はアルミニウム合金基材
の表面にクロメート処理層が形成されている。また、こ
のクロメート処理層上に酸化チタン層がバインダを使用
して形成されている。更に、この酸化チタン層上に水溶
性樹脂層が形成されている。そして、表面の動摩擦係数
は0.1以下である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はエアコンディショ
ナ、冷蔵庫及び冷凍ショーケース等に使用される熱交換
器に組み込まれ脱臭効果を示す熱交換器用フィン材に関
し、特に、プレス成形性が高い熱交換器用フィン材に関
する。
【0002】
【従来の技術】従来、エアコンディショナ(以下、エア
コンという。)及び冷蔵庫等のような熱交換器を内蔵す
る機器における脱臭方法として活性炭を使用するものが
一般的である。この方法は、ペレット状、粒状又はハニ
カム状に成形された活性炭表面の微細孔に拡散又は循環
通風により庫内の臭気成分を吸着させるものである。
【0003】また、オゾンを利用した脱臭方法も実施さ
れている。この方法は、オゾンの酸化能力により臭気の
一部を分解し、残りの臭気を酸化マンガンを主成分とす
るオゾン分解脱臭触媒に吸着させると共に、余剰のオゾ
ンをオゾン分解脱臭触媒で分解させるものである。
【0004】しかし、活性炭を使用した脱臭方法におい
ては、臭気成分の吸着量の増加に伴い脱臭効果が低下
し、ついには吸着飽和となって脱臭効果がなくなってし
まう。更に、逆に臭気発生源となる場合もある。
【0005】また、オゾンを使用した脱臭方法において
は、臭気濃度が高い場合には、オゾン脱臭触媒に臭気成
分が徐々に吸着され、活性炭を使用した場合と同様に、
脱臭効果が低下してしまう。そして、脱臭効果がなくな
った時点でオゾン脱臭触媒を含有する脱臭剤を交換する
必要がある。
【0006】そこで、通電加熱により吸着剤を再生する
ことができる脱臭装置が提案され、商品化されている。
この従来の脱臭装置においては、抵抗発熱体の表面に吸
着剤及び貴金属系酸化触媒が担持されている。そして、
通常は常温下での吸着脱臭を行う。その後、使用により
吸着性能が低下すると、抵抗発熱体に通電を行い約30
0℃以上に加熱する。これにより、吸着剤の表面に吸着
された臭気成分を酸化分解し、吸着剤の吸着性能を再生
させる。
【0007】この脱臭装置においては、吸着効率が低下
しても吸着剤を交換する必要はないが、その加熱再生の
際には脱臭剤を約300℃以上に昇温する必要があるの
で、その周囲の温度が不必要に上昇したりするため、安
全面の観点で危険性が高い。
【0008】また、近時、光触媒を使用した脱臭方法が
注目されている。例えば、特開昭62−255741号
公報に熱交換器、酸化チタン等の光触媒層が塗布された
反射板及び殺菌灯を有する空気調和機が提案されてい
る。
【0009】しかし、この公報に記載された空気調和機
においては、光触媒層と臭気成分との接触面積が小さい
ため、臭気除去率が低く、十分な脱臭効果が得られな
い。
【0010】そこで、これらの問題点を解決するため、
臭気成分との接触面積が大きいアルミニウムフィン材の
表面に酸化チタン等の常温酸化触媒からなる脱臭コーテ
ィング材がバインダを使用して塗布され、前記脱臭コー
ティング材に紫外線を放射する紫外線ランプが設けられ
た熱交換器が提案されている(特開平8−296992
号公報)。
【0011】この公報に記載された従来の熱交換器にお
いては、臭気成分が熱交換器を通過する間にアルミニウ
ムフィン材の表面に塗布された脱臭コーティング材に接
触して吸着される。そして、吸着された臭気成分は常温
酸化触媒の酸化作用により常温下で炭酸ガスと水とに分
解され、無臭の状態で脱離される。このため、常温酸化
触媒はその都度再生されることになるので、優れた脱臭
性能が持続して得られる。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前述の
特開平8−296992号公報に記載された熱交換器を
ポストコート法ではなくプレコート法により製造する場
合、脱臭コーティング材が塗布されたアルミニウムフィ
ン材のプレス成形性が極めて悪く、加工が困難であると
いう問題点がある。
【0013】近時、特にルームエアコン及びパッケージ
エアコン等のエアコンに使用される熱交換器において
は、腐食防止を目的とした防食処理及び冷房運転時の凝
縮水がフィン間に溜まることの防止を目的とした親水処
理が施されている。これらの処理は、熱交換器を組み立
てた後に浸漬等により処理するポストコート法ではな
く、多くの場合、熱交換器に組み込まれるアルミニウム
フィン材に予めフィン加工を施すプレコート法により行
われている。
【0014】これは、ポストコート法では、組み立てら
れた熱交換器一台一台を処理液槽に浸漬し、その後に加
熱乾燥処理を行う必要があるため、時間及びコストがか
かると共に、処理液の廃液コストも莫大なものとなるか
らである。また、近時のエアコンの小型化によりフィン
間隔が狭まっているため、ポストコート法では、フィン
間の溝に処理液によって形成された膜が詰まって所謂目
詰まりを生じさせてしまう。
【0015】このため、多くの場合、プレコート法が行
われているが、高防食性及び高親水性等の種々の性質を
備えアルミニウムフィン材の表面に形成される皮膜はプ
レス成形性を劣化させるものでは不適切である。これ
は、プレコートされた後に、プレス成形によってフィン
材がフィン形状に加工されるためである。
【0016】しかし、前述の特開平8−296992号
公報に記載された熱交換器を酸化チタン等の常温酸化触
媒がバインダを使用して塗布されたアルミニウムフィン
材を使用してプレコート法により製造する場合、フィン
材の表面の潤滑性が極めて悪い。このため、近時の溶剤
規制等のために多用されている潤滑性が低い低粘度の揮
発性プレス油を使用してプレス成形、特にドローレス成
形を行った場合、カラー内面の焼付きが生じたり、酷い
場合には、カラー飛びが生じてしまう。カラー内面に焼
付きが生じた場合、その後の熱交換器の組立工程におい
て銅管のカラーへの挿入が困難となったり、拡管工程に
おけるアベック現象が生じる。
【0017】また、常温酸化触媒として酸化チタンを使
用した場合、ピアスポンチ、アイアニングポンチ及び列
間スリット刃等のプレス成形用金型等と比較して酸化チ
タンは極めて硬い物質であるので、その金型が短時間で
磨耗してしまう。この結果、カラー割れ、カラー飛び及
び列間スリット切れ不良等の不具合が発生する。
【0018】本発明はかかる問題点に鑑みてなされたも
のであって、優れた脱臭効果及びプレス成形性を得るこ
とができる熱交換器用フィン材を提供することを目的と
する。
【0019】
【課題を解決するための手段】本発明に係る熱交換器用
フィン材は、アルミニウム又はアルミニウム合金基材
と、このアルミニウム又はアルミニウム合金基材の表面
に形成されたクロメート処理層と、このクロメート処理
層上にバインダを使用して形成された酸化チタン層と、
この酸化チタン層上に形成された水溶性樹脂層と、を有
し、表面の動摩擦係数が0.1以下であることを特徴と
する。
【0020】本発明においては、表面に水溶性樹脂層が
形成され、表面の動摩擦係数が0.1以下に規定されて
いるので、優れたプレス成形性が得られる。また、加工
後には水没等により水溶性樹脂層が容易に除去されるの
で、酸化チタン層が露出される。熱交換器の動作中に酸
化チタン層中の酸化チタンに吸着された臭気成分は、紫
外線を照射されることにより、常温下で酸化分解され無
臭な物質となって脱離される。従って、優れた脱臭効果
が得られる。
【0021】本発明においては、前記クロメート処理層
中のCr含有量は、5乃至40mg/m2であることが
好ましい。
【0022】また、前記酸化チタン層の重量は、50m
g/m2以上であることが好ましい。
【0023】更に、前記水溶性樹脂層の重量は、500
mg/m2以下であることが好ましい。
【0024】更にまた、前記水溶性樹脂層は、エチレン
オキサイド系水溶性樹脂、セルロース系水溶性樹脂、ア
クリル系水溶性樹脂及びポリビニルアルコール系水溶性
樹脂からなる群から選択された少なくとも1種の水溶性
樹脂を含有することができる。
【0025】
【発明の実施の形態】本願発明者等が前記課題を解決す
べく、鋭意実験研究を重ねた結果、アルミニウム又はア
ルミニウム合金(以下、アルミニウム及びアルミニウム
合金を総称してアルミニウムという。)基材の表面に酸
化チタンを含有する酸化チタン層を形成することによ
り、優れた脱臭効果及び高い親水性を得ることができる
ことを見い出した。
【0026】以下、本発明に係る熱交換器用フィン材に
ついて、更に説明する。
【0027】酸化チタンはN型半導体であり、紫外線の
照射により励起され強い酸化分解力を示す物質である。
従って、アセトアルデヒド等の人体に不快感を与える臭
気成分が酸化チタンの表面に吸着されそこで紫外線を照
射されると、その臭気成分は常温下で酸化分解され、炭
酸ガス及び水という無臭な物質となって脱離される。こ
のため、酸化チタンを含有する層を表面積が大きい熱交
換器用フィン材の表面に形成することにより、極めて優
れた脱臭効果が得られる。
【0028】また、酸化チタンはその励起作用により空
気中の水を分解し酸素及び水酸基を生成し、その表面に
多数の水酸基を存在させる。そして、これらの水酸基に
更に空気中の水が吸着されるので、前述のような層が熱
交換器用フィン材の表面に形成されていると、このフィ
ン材の表面に多くの吸着水が存在することになる。従っ
て、このようなフィン材には優れた親水性が発現する。
更に、可塑剤及びパラフィン等の親水性を阻害する汚染
物質がフィン材表面に吸着された場合であっても、酸化
チタンの酸化分解作用によって汚染物質が分解されて除
去されるので、阻害された親水性は回復する。つまり、
優れた耐汚染性が得られる。
【0029】このように優れた脱臭効果、親水性及び耐
汚染性を有する酸化チタンを含有する酸化チタン層を形
成する場合、酸化チタンの造膜性は低いため、シリカア
ルコキシド及びコロイダルシリカ等の優れた造膜性を有
するバインダを使用する必要がある。このような層は、
酸化チタン及びバインダを含有する処理液をアルミニウ
ム基材の表面に塗布し、その後加熱乾燥を行うことによ
り得ることができる。
【0030】なお、本発明においては、上述の酸化チタ
ン層の下層としてクロメート処理層を設ける必要があ
る。アルミニウム基材と酸化チタン層との間にクロメー
ト処理層を設けることにより、酸化チタン層の密着性が
向上し、プレス形成時に酸化チタン層が剥離しにくくな
る。また、クロメート処理層自体も防食効果を有してい
るので、フィン材の耐食性が向上する。従って、実際に
は、酸化チタン層の形成の際には、前述の処理液をアル
ミニウム基材ではなくクロメート処理層の表面に塗布す
ることとなる。
【0031】更に、本発明においては、酸化チタン層上
に表面の動摩擦係数が0.1以下となる潤滑層を設ける
ことが必要である。このような潤滑層を設けることによ
り、フィン材表面の潤滑性が向上するため、プレス成形
時のカラー内面の焼付き及びカラー飛びが抑制されるだ
けでなく、硬質な酸化チタンによる金型の磨耗も抑制さ
れる。なお、フィン材の表面における動摩擦係数が0.
1を超えると、カラー内面の焼付き等の抑制効果が十分
に得られなくなるので、その動摩擦係数は0.1以下と
する。
【0032】また、上述の潤滑層は水溶性樹脂からなる
ことが必要である。これは、脱臭効果、親水性及び耐汚
染性という酸化チタン層の優れた効果は、酸化チタン層
の表面において発現するものであるため、熱交換器に組
み込まれて使用される際に潤滑層が残存していると、こ
れらの効果が発現しなくなるからである。従って、フィ
ン材が熱交換器に組み込まれて使用される際には、潤滑
層が除去されて酸化チタン層が空気と接触する状態とな
っている必要がある。潤滑層が水溶性樹脂からなる場
合、例えば熱交換器製造工程中の検圧工程を水没により
行えば、そのほとんどが除去される。また、検圧工程を
水没ではなくHeディテク等の真空中又は空気中で行う
場合には、この工程では潤滑層は除去されないが、エア
コン設置後の最初の冷房運転時に、発生する凝縮水によ
りそのほとんどが除去される。更に、これらの工程及び
運転によっても除去されず僅かに残存する潤滑層は、紫
外線照射が行われれば、酸化チタンの酸化分解作用によ
って分解及び脱離されるため、最終的に潤滑層は完全に
除去される。
【0033】一方、潤滑層が水に溶解しにくく除去され
にくい成分を含有する場合、酸化チタンの酸化分解作用
により徐々に分解及び脱離され除去されていくものの、
この潤滑層を完全に除去して優れた脱臭効果、親水性及
び耐汚染性を得るためには、極めて長時間の紫外線照射
が必要であるため、実用上問題がある。
【0034】なお、クロメート処理層中のCr含有量が
5mg/m2未満であると、密着性向上効果が低下する
と共に、この層自体の防食効果が低下する。一方、クロ
メート処理層中のCr含有量が40mg/m2を超える
と、プレス成形時にこの層に割れが生じることにより、
その上に形成された酸化チタン層の剥離が生じやすくな
る。従って、クロメート処理層中のCr含有量は5乃至
40mg/m2であることが好ましい。
【0035】また、酸化チタン層の重量が50mg/m
2未満であると、十分な脱臭効果、親水性及び耐汚染性
を得にくい。従って、酸化チタン層の重量は50mg/
2以上であることが好ましい。
【0036】更に、水溶性樹脂層の重量が500mg/
2を超えると、検圧工程時の水没又は初期冷房運転時
に生じる凝縮水による除去が十分ではなくなり、酸化チ
タン層による脱臭効果、親水性及び耐汚染性が阻害され
る虞がある。また、水溶性樹脂層自体の吸湿効果により
フィン材の表面が粘着質となり、プレス成形時にフィン
材がピンチローラに巻き付く等の不具合が生じやすくな
る。従って、水溶性樹脂層の重量は500mg/m2
下であることが好ましい。なお、水溶性樹脂層は、例え
ばエチレンオキサイド系樹脂、セルロース系樹脂、アク
リル系樹脂、ポリビニルアルコール(PVA)系樹脂の
うち少なくとも1種以上の水溶性樹脂を含有する。
【0037】
【実施例】以下、本発明の実施例について、その特許請
求の範囲から外れる比較例と比較して具体的に説明す
る。
【0038】先ず、板厚が0.110mmのJIS A
1200(調質H26)合金板にアルカリ脱脂を行い、
更に水洗及び乾燥を行った。次いで、このアルミニウム
合金板表面にリン酸クロメート処理によりクロメート処
理層を形成した。その後、ロールコータを使用して酸化
チタン及びバインダとしてのシリカアルコキシドを含有
する薬剤(多木化学株式会社製のCZP−231)をク
ロメート処理層上に塗布し、到達板温度が250℃とな
る条件で加熱乾燥を行うことにより、酸化チタン層を形
成した。次に、ロールコータを使用して酸化チタン層上
に所定の樹脂を含む水溶液を塗布し、加熱乾燥を行うこ
とにより、潤滑層を形成した。エポキシ系樹脂は、水溶
化可能であるため、上述の方法で塗布が可能であるが、
形成された層は熱架橋により水に不溶なものとなる。
【0039】各実施例及び比較例における各層の成分及
び重量等を下記表1乃至4に示す。表1乃至4中で、P
EO−1は分子量が約100000のポリエチレンオキ
サイドを示し、PEG6000は分子量が6000のポ
リエチレングリコールを示し、CMCはカルボキシメチ
ルセルロースを示している。また、ワックスはポリエチ
レン系ワックスである。
【0040】なお、動摩擦係数はバウデン式付着滑り試
験機において、直径が3/16インチの鋼球を使用し、
荷重を200gfとし、摺動速度を4mm/秒として測
定したものである。
【0041】
【表1】
【0042】
【表2】
【0043】
【表3】
【0044】
【表4】
【0045】各実施例及び比較例における特性の評価
は、以下のようにして行った。
【0046】プレス成形性の評価では、アルミニウムフ
ィン材用の直径が7mmのドローレス金型(日高精機株
式会社製)を使用し、プレス油として揮発性プレス油を
使用し、プレス速度を250spmとして10万回のパ
ンチ加工を行った際のカラー内面の焼付き状況及びカラ
ー割れの発生状況を目視により評価した。この結果、極
めて良好なものを○、良好なものを○△、若干不良なも
のを△、不良なものを△×、極めて不良なものを×とし
た。つまり、カラー内面焼付き状況の評価において、○
は焼付きが生じなかったことを示し、×は全面に焼付き
が生じたことを示している。また、カラー割れ状況の評
価において、○は割れが生じなかったことを示し、×は
大きな割れが生じたことを示している。
【0047】また、プレス成形性の評価では、磨耗しや
すい純鉄からなるピアスポンチを使用してプレス成形を
行い、その際の金型の減少重量を測定した。
【0048】親水性の評価では、熱交換器の製造工程を
想定し、フィン材の表面に揮発性プレス油を塗布し、1
50℃で5分間の加熱乾燥を行った。その後、フィン材
を純水中に24時間浸漬し、80℃で30分間の乾燥を
行った。次いで、フィン材の表面から60mm離れた位
置からブラックライト蛍光ランプ(BLB灯)により紫
外線を24時間照射した後、純水の接触角及び水濡れ面
積率を測定した。
【0049】耐汚染性の評価では、親水性の評価後に、
フィン材の表面に汚染物質として可塑剤(パルミチン酸
とヘキサデカノールとの混合物)及びパラフィンを付着
させ撥水化した後、親水性の評価と同様に純水を付着さ
せBLB灯により紫外線を72時間照射した。その後、
純水の接触角及び水濡れ面積率を測定した。
【0050】なお、BLB灯の仕様は以下のとおりであ
る。ランプ出力が10W、紫外線領域が315乃至40
0nm(ピーク;352nm)、管長が330mm、管
径が25.5mmである。
【0051】耐食性の評価では、JIS Z2371に
準じた塩水噴霧試験方法により、連続200時間の噴霧
を実施した後のレイティングNo.を判定した。
【0052】脱臭効果の評価では、親水性の評価後に、
フィン材の表面に紫外線を照射しアセトアルデヒドの分
解率を以下のようにして測定した。
【0053】先ず、空気攪拌用ファン及びBLB灯が取
り付けられた容積が1m3のアクリルボックス中に、表
面積が3360cm2のフィン材をその表面の各部位と
BLB灯との距離が全て均一な60mmとなるようにド
ーム状に設置した。なお、BLB灯の仕様は前述のもの
と同様である。その後、アクリルボックス中に濃度が2
0ppmとなるようにアセトアルデヒドを注入し、BL
B灯及び空気攪拌用ファンを作動させた。そして、アク
リルボックス中のアセトアルデヒドの濃度を専用の検知
管で測定し、アセトアルデヒドの分解率を求めた。な
お、アセトアルデヒドは、人に不快感を与える代表的な
臭気成分である。
【0054】これらの結果を下記表5及び6に示す。
【0055】
【表5】
【0056】
【表6】
【0057】上記表5及び6に示すように、実施例1乃
至7においては、本発明で規定する層が形成され、表面
の摩擦係数は0.1以下であるため、優れたプレス成形
性を示すと共に、脱臭効果にも優れ、親水性、耐汚染性
及び耐食性という特性も優れている。特に、実施例1及
び2において、これらの特性が最も優れている。
【0058】実施例3においては、水溶性樹脂層にポリ
アクリル酸が使用されており、ポリアクリル酸の水への
溶解性が実施例1又は2に使用されているPEO−1、
PEG6000及びCMCより若干低いので、純水浸漬
工程後にも酸化チタン層上に水溶性樹脂層が極めて僅か
ではあるが残存し、親水性、耐汚染性及び脱臭効果が実
施例1及び2より若干低いものとなった。
【0059】実施例4及び5においては、リン酸クロメ
ート処理層中のCr含有量が本発明範囲内にはあるが、
好ましい範囲内にはないので、カラー内面に僅かな焼付
きが生じたり、耐食性の僅かな低下が示された。
【0060】実施例6においては、酸化チタン層の重量
が本発明範囲内にはあるが、好ましい範囲未満であるの
で、親水性、耐汚染性及び脱臭効果が実施例1及び2よ
りも若干低かった。
【0061】実施例7においては、水溶性樹脂層の重量
が本発明範囲内にはあるが、好ましい範囲を超えている
ので、軽微なカラー割れが生じた。また、純水浸漬工程
後にも酸化チタン層上に水溶性樹脂層が極めて僅かでは
あるが残存したため、親水性、耐汚染性及び脱臭効果が
実施例1及び2より若干低いものとなった。
【0062】一方、比較例8においては、水溶性樹脂層
が形成されていないので、摩擦係数が本発明範囲の上限
を超え、プレス成形性の評価において、カラー内面の焼
付き及びカラー割れが著しく発生した。また、金型の磨
耗量が極めて多かった。
【0063】比較例9においては、酸化チタン層が形成
されていないので、酸化チタンの励起による酸化分解力
が発現されず、親水性、耐汚染性及び脱臭効果が得られ
なかった。
【0064】比較例10においては、クロメート処理層
が形成されていないので、酸化チタン層の密着性が低く
プレス成形性が低かった。
【0065】比較例11においては、酸化チタン層上に
形成される層として、水溶性樹脂層ではなく水に不溶な
層が形成されているので、純水浸漬工程後にもその樹脂
層は除去されず、酸化チタン層が露出されなかったた
め、親水性、耐汚染性及び脱臭効果が得られなかった。
【0066】比較例12においては、フィン材表面の摩
擦係数が本発明範囲の上限を超えているので、プレス成
形性が低かった。
【0067】
【発明の効果】以上詳述したように、本発明によれば、
表面に形成された水溶性樹脂層を有し、表面の動摩擦係
数を適切に規定しているので、優れたプレス成形性を得
ることができる。このため、プレコート法により熱交換
器を製造する場合でも、カラー内面の焼付き及びカラー
飛び等を防止することができる。また、熱交換器に組み
込み紫外線照射装置を併用すれば、優れた脱臭効果、親
水性及び耐汚染性を得ることができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) F28F 19/06 F28F 19/06 F (72)発明者 清水 高宏 栃木県真岡市鬼怒ヶ丘15番地 株式会社神 戸製鋼所真岡製造所内 Fターム(参考) 4K026 AA09 AA22 BA01 BA06 BA07 BA08 BA12 BB02 BB04 BB08 BB09 BB10 CA02 CA16 CA18 CA20 CA23 CA37 CA39 DA16 EA08 EB05 EB07 EB08 4K044 AA06 AB02 AB10 BA12 BA15 BA21 BB04 BC01 BC02 BC05 CA16 CA53

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 アルミニウム又はアルミニウム合金基材
    と、このアルミニウム又はアルミニウム合金基材の表面
    に形成されたクロメート処理層と、このクロメート処理
    層上にバインダを使用して形成された酸化チタン層と、
    この酸化チタン層上に形成された水溶性樹脂層と、を有
    し、表面の動摩擦係数が0.1以下であることを特徴と
    する熱交換器用フィン材。
  2. 【請求項2】 前記クロメート処理層中のCr含有量
    は、5乃至40mg/m2であることを特徴とする請求
    項1に記載の熱交換器用フィン材。
  3. 【請求項3】 前記酸化チタン層の重量は、50mg/
    2以上であることを特徴とする請求項1又は2に記載
    の熱交換器用フィン材。
  4. 【請求項4】 前記水溶性樹脂層の重量は、500mg
    /m2以下であることを特徴とする請求項1乃至3のい
    ずれか1項に記載の熱交換器用フィン材。
  5. 【請求項5】 前記水溶性樹脂層は、エチレンオキサイ
    ド系水溶性樹脂、セルロース系水溶性樹脂、アクリル系
    水溶性樹脂及びポリビニルアルコール系水溶性樹脂から
    なる群から選択された少なくとも1種の水溶性樹脂を含
    有することを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項
    に記載の熱交換器用フィン材。
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