JP2000192116A - 高炉における溶銑の脱硫・脱珪方法およびその装置 - Google Patents
高炉における溶銑の脱硫・脱珪方法およびその装置Info
- Publication number
- JP2000192116A JP2000192116A JP10364267A JP36426798A JP2000192116A JP 2000192116 A JP2000192116 A JP 2000192116A JP 10364267 A JP10364267 A JP 10364267A JP 36426798 A JP36426798 A JP 36426798A JP 2000192116 A JP2000192116 A JP 2000192116A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- blast furnace
- hot metal
- electrode
- slag
- current
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Withdrawn
Links
Landscapes
- Manufacture Of Iron (AREA)
- Refinement Of Pig-Iron, Manufacture Of Cast Iron, And Steel Manufacture Other Than In Revolving Furnaces (AREA)
- Blast Furnaces (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【課題】 本発明は、高炉内おいて、脱硫反応または脱
珪反応を促進させ、溶銑中の硫黄または珪素含有量を調
整するための方法および装置を提供するものである。 【解決手段】 高炉炉床部内に存在する溶銑または高炉
出銑口より出銑する溶銑に接する電極と、高炉炉床部内
に存在するスラグに接する電極を高炉炉外において、電
流調整機構を介して接続し、該電極、溶銑存在部、およ
びスラグ存在部とからなる電気回路を形成し、前記電流
調整機構により両電極間を流れる電流量を調整すること
により、高炉内において溶銑の脱硫または脱珪を行う高
炉における溶銑の脱硫・脱珪方法およびそのための装
置。 【効果】 本発明によれば、極めて簡単な構成により、
高炉操業中において、絶えず溶銑中の硫黄または珪素含
有量の調整を行うことができる。
珪反応を促進させ、溶銑中の硫黄または珪素含有量を調
整するための方法および装置を提供するものである。 【解決手段】 高炉炉床部内に存在する溶銑または高炉
出銑口より出銑する溶銑に接する電極と、高炉炉床部内
に存在するスラグに接する電極を高炉炉外において、電
流調整機構を介して接続し、該電極、溶銑存在部、およ
びスラグ存在部とからなる電気回路を形成し、前記電流
調整機構により両電極間を流れる電流量を調整すること
により、高炉内において溶銑の脱硫または脱珪を行う高
炉における溶銑の脱硫・脱珪方法およびそのための装
置。 【効果】 本発明によれば、極めて簡単な構成により、
高炉操業中において、絶えず溶銑中の硫黄または珪素含
有量の調整を行うことができる。
Description
【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、高炉内において、
脱硫反応または脱珪反応を促進させ、溶銑中の硫黄また
は珪素含有量を調整するための方法および装置に関する
ものである。
脱硫反応または脱珪反応を促進させ、溶銑中の硫黄また
は珪素含有量を調整するための方法および装置に関する
ものである。
【0002】
【従来の技術】近時、製鋼工程における生産コストの低
減を図るために、溶銑中の硫黄含有量を少なくすること
が要求され、そのため高炉内において、脱硫率を改善す
ることが行われるようになった。このような事情から、
溶銑の脱硫率を改善するために種々の発明が提示されて
いる。例えば、マグネシウムを含浸させた粉末状の石炭
もしくはコークスを送風羽口または下部炉壁に設けた複
数個の吹込口からガスあるいは液体燃料とともに高炉内
に吹込んで溶銑の脱硫を行う溶銑の脱硫方法(特開昭5
2−109418号公報)、高炉羽口もしくは羽口近傍
から、ホウ素系化合物原料を高炉湯溜部に吹込む高炉操
業方法(特開昭61−99607号公報)があり、ま
た、高炉内に鉱石とコークスとを交互に層状として装入
し、羽口からの熱風吹込みにより前記鉱石を予熱、還
元、軟化、溶融せしめて出銑するに当たり、前記コーク
ス中にCaO系またはMgO系造滓を添加する低S高炉
操業方法(特公昭63−65729号公報)、その他、
数多くの方法が提案されている。
減を図るために、溶銑中の硫黄含有量を少なくすること
が要求され、そのため高炉内において、脱硫率を改善す
ることが行われるようになった。このような事情から、
溶銑の脱硫率を改善するために種々の発明が提示されて
いる。例えば、マグネシウムを含浸させた粉末状の石炭
もしくはコークスを送風羽口または下部炉壁に設けた複
数個の吹込口からガスあるいは液体燃料とともに高炉内
に吹込んで溶銑の脱硫を行う溶銑の脱硫方法(特開昭5
2−109418号公報)、高炉羽口もしくは羽口近傍
から、ホウ素系化合物原料を高炉湯溜部に吹込む高炉操
業方法(特開昭61−99607号公報)があり、ま
た、高炉内に鉱石とコークスとを交互に層状として装入
し、羽口からの熱風吹込みにより前記鉱石を予熱、還
元、軟化、溶融せしめて出銑するに当たり、前記コーク
ス中にCaO系またはMgO系造滓を添加する低S高炉
操業方法(特公昭63−65729号公報)、その他、
数多くの方法が提案されている。
【0003】また、珪素についても同様に溶銑中の含有
量の低減が要求されており、この対策についても種々の
発明が開示されている。例えば、高炉羽口から、粒径1
mm以下の微粉が50%以内の酸化鉄を溶銑トン当たり
5kg以上吹込むか、または前記酸化鉄と燃料を併せ吹
込む高炉操業方法(特開昭58−96803号公報)、
高炉内堆積の装入原料層の塩基度分布を、炉中心部に堆
積する原料よりも炉壁寄りに位置する原料の方が、より
高い塩基度をもつもので構成されるように調節して炉操
業を行う低Si銑製造のための高炉操業法(特開昭59
−150003号公報)、高炉にコークスを装入するに
際し、灰分の高いコークスと低いコークスに分離し、灰
分の高いコークスは鉄鉱石と混合せしめ、また灰分の低
いコークスは単独で交互に装入する高炉操業方法(特開
昭62−33706号公報)、その他多数の方法が提案
されている。
量の低減が要求されており、この対策についても種々の
発明が開示されている。例えば、高炉羽口から、粒径1
mm以下の微粉が50%以内の酸化鉄を溶銑トン当たり
5kg以上吹込むか、または前記酸化鉄と燃料を併せ吹
込む高炉操業方法(特開昭58−96803号公報)、
高炉内堆積の装入原料層の塩基度分布を、炉中心部に堆
積する原料よりも炉壁寄りに位置する原料の方が、より
高い塩基度をもつもので構成されるように調節して炉操
業を行う低Si銑製造のための高炉操業法(特開昭59
−150003号公報)、高炉にコークスを装入するに
際し、灰分の高いコークスと低いコークスに分離し、灰
分の高いコークスは鉄鉱石と混合せしめ、また灰分の低
いコークスは単独で交互に装入する高炉操業方法(特開
昭62−33706号公報)、その他多数の方法が提案
されている。
【0004】さらに、高炉の溶銑中Si濃度およびS濃
度を低減させることのできる高炉操業法として、特公平
7−78245号公報には「鉄鉱石粉に、CaO源およ
び/またはMgO源との複合化合物または混合粉体を混
合し、これを水スラリーとして羽口から吹き込むことに
より、溶銑中のSi濃度およびS濃度を低減する高炉操
業方法」が開示されている。
度を低減させることのできる高炉操業法として、特公平
7−78245号公報には「鉄鉱石粉に、CaO源およ
び/またはMgO源との複合化合物または混合粉体を混
合し、これを水スラリーとして羽口から吹き込むことに
より、溶銑中のSi濃度およびS濃度を低減する高炉操
業方法」が開示されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】前記従来法による脱硫
法および脱珪法は何れも煩雑な作業および設備を必要と
し、簡便に実施する訳にはいかず、またコスト増を招
く。さらに同時脱硫・脱珪法も理論的には可能である
が、実操業においてそれなりの効果を得るには上記同様
操業上多くの困難な問題があり、簡単に行える事柄では
ない。
法および脱珪法は何れも煩雑な作業および設備を必要と
し、簡便に実施する訳にはいかず、またコスト増を招
く。さらに同時脱硫・脱珪法も理論的には可能である
が、実操業においてそれなりの効果を得るには上記同様
操業上多くの困難な問題があり、簡単に行える事柄では
ない。
【0006】ところで、通常高炉から出銑される溶銑中
のS濃度とSi濃度は反比例の関係にあり、どちらか一
方を低減させると、もう一方は増大する傾向になるのが
一般的で、これは高炉内でのSiとSの平衝によって決
まってくる。すなわち、溶銑中のSiは、羽口前加珪領
域での加珪量やスラグとの反応時間等により、炉床では
脱珪、復珪、平衡のいずれかの状態にある。溶銑中のS
についても同様であり、供給されるS、スラグ比、スラ
グとの反応時間等により、炉床では脱硫、復硫、平衡の
いずれかの状態にある。しかし、いずれの状態にあるに
せよ、炉床でのそれぞれの平衡値が溶銑中のSi、Sを
決定する一つの大きな要因となる。従って、ここでは平
衡値に基づき、溶銑中のSi、Sの関係について説明す
る。
のS濃度とSi濃度は反比例の関係にあり、どちらか一
方を低減させると、もう一方は増大する傾向になるのが
一般的で、これは高炉内でのSiとSの平衝によって決
まってくる。すなわち、溶銑中のSiは、羽口前加珪領
域での加珪量やスラグとの反応時間等により、炉床では
脱珪、復珪、平衡のいずれかの状態にある。溶銑中のS
についても同様であり、供給されるS、スラグ比、スラ
グとの反応時間等により、炉床では脱硫、復硫、平衡の
いずれかの状態にある。しかし、いずれの状態にあるに
せよ、炉床でのそれぞれの平衡値が溶銑中のSi、Sを
決定する一つの大きな要因となる。従って、ここでは平
衡値に基づき、溶銑中のSi、Sの関係について説明す
る。
【0007】スラグ−溶銑間のSiの反応式は、炉床の
酸素分圧がFe−FeO平衡で規定される場合、下記
(1)式で表される。 Si+2FeO=SiO2 +2Fe ・・・・・(1) K=(aSiO2・aFe2 )/(aSi・aFeO 2 ) ∴aSi=(aSiO2・aFe2 )/(K・aFeO 2 ) ・・・・・(1′) ここで、K:(1)式の平衡定数〔−〕 aSiO2:スラグ中SiO2 の活量〔−〕 aFeO :スラグ中FeOの活量〔−〕 aFe:溶銑中Feの活量〔−〕 aSi:溶銑中Siの活量〔−〕 aSi、aFeO はそれぞれ溶銑中Si、スラグ中FeOに
比例するため、(1′)式から溶銑中の平衡Siはスラ
グ中FeOの2乗に反比例する。従って、溶銑中の平衡
Siはスラグ中のFeO含有量に反比例して減少する。
酸素分圧がFe−FeO平衡で規定される場合、下記
(1)式で表される。 Si+2FeO=SiO2 +2Fe ・・・・・(1) K=(aSiO2・aFe2 )/(aSi・aFeO 2 ) ∴aSi=(aSiO2・aFe2 )/(K・aFeO 2 ) ・・・・・(1′) ここで、K:(1)式の平衡定数〔−〕 aSiO2:スラグ中SiO2 の活量〔−〕 aFeO :スラグ中FeOの活量〔−〕 aFe:溶銑中Feの活量〔−〕 aSi:溶銑中Siの活量〔−〕 aSi、aFeO はそれぞれ溶銑中Si、スラグ中FeOに
比例するため、(1′)式から溶銑中の平衡Siはスラ
グ中FeOの2乗に反比例する。従って、溶銑中の平衡
Siはスラグ中のFeO含有量に反比例して減少する。
【0008】一方、Sの場合はスラグ−溶銑間の平衡分
配比(%S)/〔%S〕は、下記(2)式で表される。 平衡(%S)/〔%S〕=CS ・fS ・(PO2)-1/2 ・exp(−15047/T+2.23)・・・・(2) ここで、(%S):スラグ中S〔%〕 〔%S〕:溶銑中S〔%〕 CS :サルファイドキャパシティ〔−〕 fS :溶銑中Sの活量係数〔−〕 PO2:酸素分圧〔atm〕 T:温度〔K〕 CS は温度とスラグ組成のみの関数、fS は温度と溶銑
組成のみの関数であるので、これらが一定の条件では平
衡(%S)/〔%S〕はPO2の1/2乗に反比例する。
すなわち、溶銑中SはPO2の1/2乗に比例して増加す
る。
配比(%S)/〔%S〕は、下記(2)式で表される。 平衡(%S)/〔%S〕=CS ・fS ・(PO2)-1/2 ・exp(−15047/T+2.23)・・・・(2) ここで、(%S):スラグ中S〔%〕 〔%S〕:溶銑中S〔%〕 CS :サルファイドキャパシティ〔−〕 fS :溶銑中Sの活量係数〔−〕 PO2:酸素分圧〔atm〕 T:温度〔K〕 CS は温度とスラグ組成のみの関数、fS は温度と溶銑
組成のみの関数であるので、これらが一定の条件では平
衡(%S)/〔%S〕はPO2の1/2乗に反比例する。
すなわち、溶銑中SはPO2の1/2乗に比例して増加す
る。
【0009】炉床の酸素分圧がFe−FeO平衡で規定
される場合、PO2は下記(3)式で表される。 PO2=(aFeO /aFe)2 ・exp(−57269/T
+11.75) ここで、aFeO :スラグ中FeOの活量〔−〕 aFe :溶銑中Feの活量〔−〕 aFeO はスラグ中のFeO含有量に比例するため、PO2
はスラグ中FeOの2乗に比例する。結局、溶銑中の平
衡Sはスラグ中のFeO含有量に比例して増加する。し
たがって、SとSiの両者を共に低減させることは非常
に難しいことである。
される場合、PO2は下記(3)式で表される。 PO2=(aFeO /aFe)2 ・exp(−57269/T
+11.75) ここで、aFeO :スラグ中FeOの活量〔−〕 aFe :溶銑中Feの活量〔−〕 aFeO はスラグ中のFeO含有量に比例するため、PO2
はスラグ中FeOの2乗に比例する。結局、溶銑中の平
衡Sはスラグ中のFeO含有量に比例して増加する。し
たがって、SとSiの両者を共に低減させることは非常
に難しいことである。
【0010】通常製鋼側から要求される溶銑成分中S、
Si共にその濃度が極端に低い溶銑を求められることは
なく、どちらか一方の値を重視してそれに見合った成分
値を満足する溶銑の供給を要望されることが多い。そこ
で本発明者らは前記高炉内でのスラグ中FeOを調整す
ることによって脱硫反応を優先させるか、または脱珪反
応を促進させるかの選択が可能であることに思い至っ
た。本発明は上記のような見解を基にして、簡易な手段
により、前述したような従来技術における問題点の解決
を図ったものである。
Si共にその濃度が極端に低い溶銑を求められることは
なく、どちらか一方の値を重視してそれに見合った成分
値を満足する溶銑の供給を要望されることが多い。そこ
で本発明者らは前記高炉内でのスラグ中FeOを調整す
ることによって脱硫反応を優先させるか、または脱珪反
応を促進させるかの選択が可能であることに思い至っ
た。本発明は上記のような見解を基にして、簡易な手段
により、前述したような従来技術における問題点の解決
を図ったものである。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明は前記した従来方
法における問題点を解決するためになされたものであっ
て、その要旨するところは、下記手段にある。 (1) 高炉炉床部内に存在する溶銑または高炉出銑口
より出銑する溶銑に接する電極と、高炉炉床部内に存在
するスラグに接する電極を高炉炉外において電流調整機
構を介して接続し、該電極、溶銑存在部、およびスラグ
存在部とからなる電気回路を形成し、前記電流調整機構
により両電極間を流れる電流量を調整することにより、
高炉内において溶銑の脱硫または脱珪を行う高炉におけ
る溶銑の脱硫・脱珪方法。 (2) 前記(1)において、電流調整機構を調整して
両電極間に形成された電気回路に電流が溶銑側からスラ
グ側に流れるように付与し、脱硫率を増大せしめる高炉
における溶銑の脱珪方法。 (3) 前記(1)において、電流調整機構を調整して
両電極間に形成された電気回路に電流がスラグ側から溶
銑側に流れるように付与し、脱珪率を増大せしめる高炉
における溶銑の脱硫方法。
法における問題点を解決するためになされたものであっ
て、その要旨するところは、下記手段にある。 (1) 高炉炉床部内に存在する溶銑または高炉出銑口
より出銑する溶銑に接する電極と、高炉炉床部内に存在
するスラグに接する電極を高炉炉外において電流調整機
構を介して接続し、該電極、溶銑存在部、およびスラグ
存在部とからなる電気回路を形成し、前記電流調整機構
により両電極間を流れる電流量を調整することにより、
高炉内において溶銑の脱硫または脱珪を行う高炉におけ
る溶銑の脱硫・脱珪方法。 (2) 前記(1)において、電流調整機構を調整して
両電極間に形成された電気回路に電流が溶銑側からスラ
グ側に流れるように付与し、脱硫率を増大せしめる高炉
における溶銑の脱珪方法。 (3) 前記(1)において、電流調整機構を調整して
両電極間に形成された電気回路に電流がスラグ側から溶
銑側に流れるように付与し、脱珪率を増大せしめる高炉
における溶銑の脱硫方法。
【0012】(4) 高炉炉床部のスラグ存在部該当位
置に、炉壁煉瓦内を通して電極を配設し、該電極の先端
を炉壁内側近傍に埋設すると共に、他端を炉壁煉瓦内を
通して炉体鉄皮外に取り出し、一方高炉出銑口より出銑
する溶銑を受ける出銑樋の溶銑存在部該当位置に電極の
先端を配設し、他端を該出銑桶の耐火物内を通して出銑
桶外に取り出し、両電極間に電流調整機構を介挿せしめ
て接続し、該電極、溶銑存在部、およびスラグ存在部と
からなる電気回路を形成した高炉における溶銑の脱硫・
脱珪装置。 (5) 高炉炉床部のスラグ存在部該当位置および溶銑
存在部該当位置に、炉壁煉瓦内を通して電極を配設し、
該電極の先端を炉壁内側近傍に埋設すると共に、他端を
炉壁煉瓦内を通して炉体鉄皮外に取り出し、両電極間に
電流調整機構を介挿せしめて接続し、該電極、溶銑存在
部、およびスラグ存在部とからなる電気回路を形成した
高炉における溶銑の脱硫・脱珪装置。
置に、炉壁煉瓦内を通して電極を配設し、該電極の先端
を炉壁内側近傍に埋設すると共に、他端を炉壁煉瓦内を
通して炉体鉄皮外に取り出し、一方高炉出銑口より出銑
する溶銑を受ける出銑樋の溶銑存在部該当位置に電極の
先端を配設し、他端を該出銑桶の耐火物内を通して出銑
桶外に取り出し、両電極間に電流調整機構を介挿せしめ
て接続し、該電極、溶銑存在部、およびスラグ存在部と
からなる電気回路を形成した高炉における溶銑の脱硫・
脱珪装置。 (5) 高炉炉床部のスラグ存在部該当位置および溶銑
存在部該当位置に、炉壁煉瓦内を通して電極を配設し、
該電極の先端を炉壁内側近傍に埋設すると共に、他端を
炉壁煉瓦内を通して炉体鉄皮外に取り出し、両電極間に
電流調整機構を介挿せしめて接続し、該電極、溶銑存在
部、およびスラグ存在部とからなる電気回路を形成した
高炉における溶銑の脱硫・脱珪装置。
【0013】(6) 前記両電極間に介挿せしめた電流
調整機構は、両電極間の抵抗量を調整して両電極間の抵
抗量を調整する機能と、電流量を付加する機能および電
流の流れ方向を切り換える機能を有せしめた高炉におけ
る溶銑の脱硫・脱珪装置。 (7) 前記高炉出銑樋の溶銑存在部該当位置に設置す
る電極は、該出銑樋の底部壁または下部側壁の耐火物に
埋設した(4)記載の高炉における溶銑の脱硫・脱珪装
置。 (8) 前記高炉出銑樋の溶銑存在部該当位置に設置す
る電極は、該出銑樋を跨いで設けた電極保持体によって
吊下支持した(4)記載の高炉における溶銑の脱硫・脱
珪装置。
調整機構は、両電極間の抵抗量を調整して両電極間の抵
抗量を調整する機能と、電流量を付加する機能および電
流の流れ方向を切り換える機能を有せしめた高炉におけ
る溶銑の脱硫・脱珪装置。 (7) 前記高炉出銑樋の溶銑存在部該当位置に設置す
る電極は、該出銑樋の底部壁または下部側壁の耐火物に
埋設した(4)記載の高炉における溶銑の脱硫・脱珪装
置。 (8) 前記高炉出銑樋の溶銑存在部該当位置に設置す
る電極は、該出銑樋を跨いで設けた電極保持体によって
吊下支持した(4)記載の高炉における溶銑の脱硫・脱
珪装置。
【0014】(9) 前記高炉出銑樋の溶銑存在部該当
位置および高炉炉床部の耐火物に埋設した電極の先端
は、壁内側に露出させた(4),(5),(7)のいず
れかに記載の高炉における溶銑の脱硫・脱珪装置。 (10) 前記高炉出銑樋の溶銑存在部該当位置および
高炉炉床部に設置する電極は、溶銑またはスラグと接す
る先端部に耐火性を有する電流良導体を取り付けた
(4),(5),(7)のいずれかに記載の高炉におけ
る溶銑の脱硫・脱珪装置。 (11) 前記高炉出銑樋の溶銑存在部該当位置に設置
する電極または電流良導体は、高炉の各出銑口に対応し
て設けた(4),(7),(8),(9),(10)の
いずれかに記載の高炉における溶銑の脱硫・脱珪装置。
位置および高炉炉床部の耐火物に埋設した電極の先端
は、壁内側に露出させた(4),(5),(7)のいず
れかに記載の高炉における溶銑の脱硫・脱珪装置。 (10) 前記高炉出銑樋の溶銑存在部該当位置および
高炉炉床部に設置する電極は、溶銑またはスラグと接す
る先端部に耐火性を有する電流良導体を取り付けた
(4),(5),(7)のいずれかに記載の高炉におけ
る溶銑の脱硫・脱珪装置。 (11) 前記高炉出銑樋の溶銑存在部該当位置に設置
する電極または電流良導体は、高炉の各出銑口に対応し
て設けた(4),(7),(8),(9),(10)の
いずれかに記載の高炉における溶銑の脱硫・脱珪装置。
【0015】(12) 前記高炉出銑樋の溶銑存在部該
当位置に設置する電極または電流良導体は、高炉の各出
銑口に対応しかつ、溶銑流出方向に複数個配設した
(4),(7),(8),(9),(10),(11)
のいずれかに記載の高炉における溶銑の脱硫・脱珪装
置。 (13) 前記高炉出銑樋および高炉炉壁内側に設置す
る耐火性を有する電流良導体として電気比抵抗10-4Ω
・cm以下の耐火性材料を用いる(10)記載の高炉に
おける溶銑の脱硫・脱珪装置。 (14) 前記高炉炉床部のスラグ存在部該当位置の炉
壁煉瓦に埋設する電極または電流良導体を、炉周方向に
複数個配設した(4),(5),(9),(10),
(13)のいずれかに記載の高炉における溶銑の脱硫・
脱珪装置。
当位置に設置する電極または電流良導体は、高炉の各出
銑口に対応しかつ、溶銑流出方向に複数個配設した
(4),(7),(8),(9),(10),(11)
のいずれかに記載の高炉における溶銑の脱硫・脱珪装
置。 (13) 前記高炉出銑樋および高炉炉壁内側に設置す
る耐火性を有する電流良導体として電気比抵抗10-4Ω
・cm以下の耐火性材料を用いる(10)記載の高炉に
おける溶銑の脱硫・脱珪装置。 (14) 前記高炉炉床部のスラグ存在部該当位置の炉
壁煉瓦に埋設する電極または電流良導体を、炉周方向に
複数個配設した(4),(5),(9),(10),
(13)のいずれかに記載の高炉における溶銑の脱硫・
脱珪装置。
【0016】(15) 前記高炉炉床部の炉壁煉瓦に埋
設する電極または電流良導体を垂直方向に複数個配設し
た(4),(5),(9),(10),(13),(1
4)のいずれかに記載の高炉における溶銑の脱硫・脱珪
装置。 (16) 前記高炉炉床部の炉壁煉瓦に埋設する電極ま
たは電流良導体は、高炉炉床部築造時または改修煉瓦積
み時に配設する(4),(5),(9),(10),
(13),(14),(15)のいずれかに記載の高炉
における溶銑の脱硫・脱珪装置。 (17) 前記高炉炉床部の炉壁煉瓦に埋設する電極
は、煉瓦の目地部を通して配設した(4),(5),
(9),(10),(13),(14),(15),
(16)のいずれかに記載の高炉における溶銑の脱硫・
脱珪装置。
設する電極または電流良導体を垂直方向に複数個配設し
た(4),(5),(9),(10),(13),(1
4)のいずれかに記載の高炉における溶銑の脱硫・脱珪
装置。 (16) 前記高炉炉床部の炉壁煉瓦に埋設する電極ま
たは電流良導体は、高炉炉床部築造時または改修煉瓦積
み時に配設する(4),(5),(9),(10),
(13),(14),(15)のいずれかに記載の高炉
における溶銑の脱硫・脱珪装置。 (17) 前記高炉炉床部の炉壁煉瓦に埋設する電極
は、煉瓦の目地部を通して配設した(4),(5),
(9),(10),(13),(14),(15),
(16)のいずれかに記載の高炉における溶銑の脱硫・
脱珪装置。
【0017】(18) 前記高炉炉床部の炉壁煉瓦に埋
設する電極または電流電導体に継続する導線を高炉シャ
フト部より炉外に取り出した(4),(5),(9),
(10),(13),(14),(15),(16),
(17)のいずれかに記載の高炉における溶銑の脱硫・
脱珪装置。 (19) 前記電極、またはこれに継続する導線を絶縁
体で被覆したことを特徴とする(4)ないし(18)の
いずれかに記載の高炉における溶銑の脱硫・脱珪装置。
設する電極または電流電導体に継続する導線を高炉シャ
フト部より炉外に取り出した(4),(5),(9),
(10),(13),(14),(15),(16),
(17)のいずれかに記載の高炉における溶銑の脱硫・
脱珪装置。 (19) 前記電極、またはこれに継続する導線を絶縁
体で被覆したことを特徴とする(4)ないし(18)の
いずれかに記載の高炉における溶銑の脱硫・脱珪装置。
【0018】
【発明の実施の形態】前述したように、高炉内でスラグ
中のFeOを低減させれば、溶銑中に含有される硫黄
(S)が低下し、逆にFeOを増大させれば珪素(S
i)が低下することが知られているので、本発明者らは
この点に着目し、種々の研究・検討を重ねた結果、スラ
グ中のFeOを調整することにより溶銑の脱硫率または
脱珪率を向上させるための極めて有効な手段として、前
記手段の欄に記載した方法および装置を開発することに
成功した。高炉内におけるスラグ中のFeOの還元反応
は、 C+FeO(in slag)=CO(g)+Fe であるが、これは3相(溶銑、スラグ、ガス)間の不均
一反応であるため、反応速度は遅い。
中のFeOを低減させれば、溶銑中に含有される硫黄
(S)が低下し、逆にFeOを増大させれば珪素(S
i)が低下することが知られているので、本発明者らは
この点に着目し、種々の研究・検討を重ねた結果、スラ
グ中のFeOを調整することにより溶銑の脱硫率または
脱珪率を向上させるための極めて有効な手段として、前
記手段の欄に記載した方法および装置を開発することに
成功した。高炉内におけるスラグ中のFeOの還元反応
は、 C+FeO(in slag)=CO(g)+Fe であるが、これは3相(溶銑、スラグ、ガス)間の不均
一反応であるため、反応速度は遅い。
【0019】ここで、電気化学的方法による還元促進に
ついて考察すると、 アノード:CO(g)+O2-(in slag)=CO2 (g)+2e ・・・・・2相(スラグ、ガス) カソード:Fe2+(in slag)+2e- =Fe ・・・・・2相(溶銑、スラグ) となり、反応速度は速くなるものと考えられる。このと
き、上記の反応によりスラグ中のFeOは低下するの
で、溶銑中の脱硫が行われる。外部電源等を用いて電流
を逆にながすことにより、脱硫は起こらず脱珪が行われ
ることになる。
ついて考察すると、 アノード:CO(g)+O2-(in slag)=CO2 (g)+2e ・・・・・2相(スラグ、ガス) カソード:Fe2+(in slag)+2e- =Fe ・・・・・2相(溶銑、スラグ) となり、反応速度は速くなるものと考えられる。このと
き、上記の反応によりスラグ中のFeOは低下するの
で、溶銑中の脱硫が行われる。外部電源等を用いて電流
を逆にながすことにより、脱硫は起こらず脱珪が行われ
ることになる。
【0020】以下、本発明について添付図面により説明
する。図1は本発明の基本的構成を示すための要部を説
明する側断面図であり、図2は図1におけるA−A′断
面拡大図である。通常高炉の炉頂から装入された鉄鉱石
は、該鉄鉱石と交互に装入されたコークスと、高炉の下
部に設けた羽口から吹き込まれた熱風により加熱されて
還元し、溶銑となって高炉炉床部1の溶銑貯留部2に貯
留され、同時にスラグは、該溶銑貯留部2の溶銑上にス
ラグ存在部3として貯留される。
する。図1は本発明の基本的構成を示すための要部を説
明する側断面図であり、図2は図1におけるA−A′断
面拡大図である。通常高炉の炉頂から装入された鉄鉱石
は、該鉄鉱石と交互に装入されたコークスと、高炉の下
部に設けた羽口から吹き込まれた熱風により加熱されて
還元し、溶銑となって高炉炉床部1の溶銑貯留部2に貯
留され、同時にスラグは、該溶銑貯留部2の溶銑上にス
ラグ存在部3として貯留される。
【0021】しかして、高炉炉床部1の溶銑貯留部2に
貯留された溶銑は、複数個の高炉出銑口10のうち何れ
かから順次出銑され、溶銑は殆ど連続的に溶銑を受ける
出銑樋11内を流れている状態にある。なお、図中4は
炉床部を構成するカーボン煉瓦積み部、5は煉瓦積み部
を覆う鉄皮、6は前記煉瓦積み部4内を通して埋設され
ている電極であり、その先端は、前記カーボン煉瓦4の
炉内側近傍にあり、また他端は高炉炉体鉄皮5を貫通し
て炉外に取り出される。この場合、炉床部の埋設レベル
から直接電極6(後述するが、導線7でもよい)を炉外
に取り出すことは、その部分が炉床煉瓦4を積層した部
分より通常耐火度が劣るため埋設部分が起点となって溶
銑等により浸蝕を受け、鉄皮5近傍まで溶損が進行した
ときには大事故に繋がる危険性がある。そこで比較的影
響の少ない、例えばシャフト部のステーブクーラー間を
利用し、その当該部分の鉄皮5に開けられた穴を介して
炉外に導出することが実用的には望ましい態様である。
貯留された溶銑は、複数個の高炉出銑口10のうち何れ
かから順次出銑され、溶銑は殆ど連続的に溶銑を受ける
出銑樋11内を流れている状態にある。なお、図中4は
炉床部を構成するカーボン煉瓦積み部、5は煉瓦積み部
を覆う鉄皮、6は前記煉瓦積み部4内を通して埋設され
ている電極であり、その先端は、前記カーボン煉瓦4の
炉内側近傍にあり、また他端は高炉炉体鉄皮5を貫通し
て炉外に取り出される。この場合、炉床部の埋設レベル
から直接電極6(後述するが、導線7でもよい)を炉外
に取り出すことは、その部分が炉床煉瓦4を積層した部
分より通常耐火度が劣るため埋設部分が起点となって溶
銑等により浸蝕を受け、鉄皮5近傍まで溶損が進行した
ときには大事故に繋がる危険性がある。そこで比較的影
響の少ない、例えばシャフト部のステーブクーラー間を
利用し、その当該部分の鉄皮5に開けられた穴を介して
炉外に導出することが実用的には望ましい態様である。
【0022】また、15は高炉出銑口10より出銑する
溶銑を受ける出銑樋11の溶銑存在部、6は前記出銑樋
11の側壁12耐火物内を通して埋設されている電極
で、その先端は、前記出銑樋11の耐火物側壁内近傍に
あり、また他端はケーシング14の近傍に沿って出銑樋
11外に取り出される。しかして、前記炉内より取り出
された炉内スラグと接する電極6と出銑樋の溶銑と接す
る電極6を電流調整機構20を介して接続する。
溶銑を受ける出銑樋11の溶銑存在部、6は前記出銑樋
11の側壁12耐火物内を通して埋設されている電極
で、その先端は、前記出銑樋11の耐火物側壁内近傍に
あり、また他端はケーシング14の近傍に沿って出銑樋
11外に取り出される。しかして、前記炉内より取り出
された炉内スラグと接する電極6と出銑樋の溶銑と接す
る電極6を電流調整機構20を介して接続する。
【0023】本発明はこのような構成により、出銑樋1
1の溶銑存在部15に導通する電極6、該溶銑存在部1
5を流出する銑鉄、高炉内スラグ存在部分3、該スラグ
存在部3に導通する電極6によって電気回路が構成され
る。通常このような状態にあっては、溶銑とスラグの間
で電池が形成されて電流が流れるので、該電流により溶
銑貯留部2の銑鉄およびスラグ存在部3のスラグにそれ
ぞれ前記した電気化学的反応が行われ、スラグおよびガ
ス間、スラグおよび銑鉄間においてFeOの還元が行わ
れFeOが低下する。従って、結果的に溶銑中の脱硫が
行われることになる。
1の溶銑存在部15に導通する電極6、該溶銑存在部1
5を流出する銑鉄、高炉内スラグ存在部分3、該スラグ
存在部3に導通する電極6によって電気回路が構成され
る。通常このような状態にあっては、溶銑とスラグの間
で電池が形成されて電流が流れるので、該電流により溶
銑貯留部2の銑鉄およびスラグ存在部3のスラグにそれ
ぞれ前記した電気化学的反応が行われ、スラグおよびガ
ス間、スラグおよび銑鉄間においてFeOの還元が行わ
れFeOが低下する。従って、結果的に溶銑中の脱硫が
行われることになる。
【0024】本発明では、前述のアノード反応とカソー
ド反応を起こすことが可能となる。このとき、系全体の
反応である下記の反応による起電力は、次式で表すこと
ができる。 FeO(1)+CO(g)=Fe(1)+CO2 (g) ΔGo =−45857+38.82T〔J/mol〕 E=−(ΔGo +RT・In(aFe・PCO2 /(aFeO
・PCO))) /(2F) ここで、それぞれの記号は以下を表す。 ΔGo :標準自由エネルギー変化〔J/mol〕 PCO :CO分圧〔atm〕 PCO2 :CO2 分圧〔atm〕 aFe :溶銑中Feの活量〔−〕 aFeO :スラグ中FeOの活量〔−〕 R:気体定数(8.314)〔J/mol/K〕 T:絶対温度〔K〕 F:ファラデー定数(96500)〔C/mol〕 還元反応が起こるとき、上式に従ってスラグと溶銑間に
起電力が生じ、その結果、スラグと溶銑が電気的に接続
し電流が流れる。
ド反応を起こすことが可能となる。このとき、系全体の
反応である下記の反応による起電力は、次式で表すこと
ができる。 FeO(1)+CO(g)=Fe(1)+CO2 (g) ΔGo =−45857+38.82T〔J/mol〕 E=−(ΔGo +RT・In(aFe・PCO2 /(aFeO
・PCO))) /(2F) ここで、それぞれの記号は以下を表す。 ΔGo :標準自由エネルギー変化〔J/mol〕 PCO :CO分圧〔atm〕 PCO2 :CO2 分圧〔atm〕 aFe :溶銑中Feの活量〔−〕 aFeO :スラグ中FeOの活量〔−〕 R:気体定数(8.314)〔J/mol/K〕 T:絶対温度〔K〕 F:ファラデー定数(96500)〔C/mol〕 還元反応が起こるとき、上式に従ってスラグと溶銑間に
起電力が生じ、その結果、スラグと溶銑が電気的に接続
し電流が流れる。
【0025】このような状態において、高炉内スラグと
出銑樋内溶銑との間に電流が流れるということは、取り
も直さず脱硫反応が起こっていることに他ならない。そ
こで前述したようにそれ程S量を重視せず、Si量が増
加しないことを求められる場合には、この脱硫反応を抑
制すればよいことになる。すなわち、スラグに接する電
極と溶銑に接する電極間に介挿せしめた電流調整機構2
0を調整し、電流が流れないような操作を行う。この処
置としては両電極間に抵抗を付与し、その抵抗量の如何
によっては完全に電流の流れを止めることもでき、また
その量を少なくすることもできる。その結果、脱硫反応
の抑制、加珪反応の抑制に繋がり、溶銑中のS,Si量
の調整を行うことができる。
出銑樋内溶銑との間に電流が流れるということは、取り
も直さず脱硫反応が起こっていることに他ならない。そ
こで前述したようにそれ程S量を重視せず、Si量が増
加しないことを求められる場合には、この脱硫反応を抑
制すればよいことになる。すなわち、スラグに接する電
極と溶銑に接する電極間に介挿せしめた電流調整機構2
0を調整し、電流が流れないような操作を行う。この処
置としては両電極間に抵抗を付与し、その抵抗量の如何
によっては完全に電流の流れを止めることもでき、また
その量を少なくすることもできる。その結果、脱硫反応
の抑制、加珪反応の抑制に繋がり、溶銑中のS,Si量
の調整を行うことができる。
【0026】また、電流調整機構20としては、両電極
間に抵抗を付与し抵抗量の増減を行わしめるのみに止ま
らず、外部から電源供給部21を通して電源を取り込む
よう構成して置き、両電極間に強制的に電流を付加せし
めて電流を所要方向に積極的に流し、電気化学反応をさ
らに促進させ脱硫・脱珪反応の増大を図ることは極めて
有効な手段である。すなわち、脱硫に主きを置く場合
は、電流が溶銑からスラグ側に流れるような電流を付加
し、脱硫率を増強せしめる。逆に、脱珪に主きを置く場
合は、電流調整機構20を調節して電流がスラグ側から
溶銑側に流れるような電流を付加し脱珪率を増強せしめ
る。これら両者の処理操作を容易に行い得るので、脱硫
または脱珪のそれぞれの目的に沿った効果を期待するこ
とができ、より好ましい態様での実施が可能である。
間に抵抗を付与し抵抗量の増減を行わしめるのみに止ま
らず、外部から電源供給部21を通して電源を取り込む
よう構成して置き、両電極間に強制的に電流を付加せし
めて電流を所要方向に積極的に流し、電気化学反応をさ
らに促進させ脱硫・脱珪反応の増大を図ることは極めて
有効な手段である。すなわち、脱硫に主きを置く場合
は、電流が溶銑からスラグ側に流れるような電流を付加
し、脱硫率を増強せしめる。逆に、脱珪に主きを置く場
合は、電流調整機構20を調節して電流がスラグ側から
溶銑側に流れるような電流を付加し脱珪率を増強せしめ
る。これら両者の処理操作を容易に行い得るので、脱硫
または脱珪のそれぞれの目的に沿った効果を期待するこ
とができ、より好ましい態様での実施が可能である。
【0027】以下、本発明の実際の高炉に適用するに当
たっての具体的装置例について説明する。電気回路を形
成させるための電極6の材質としては、高炉炉体のカー
ボン煉瓦および出銑樋を形成する耐火物と反応しない金
属、または、反応しても安定な炭化物を生成し電気良導
体である金属が用いられる。炉床稼働面の温度を溶銑の
凝固温度である1150℃と考え、この温度でも液相を
生成しないCr、Co、Mn、Mo、Nb、Ni、W、
Zr、Ti、Siといった金属単体やこれらの合金が望
ましい。また、電極を稼働面まで差し込まない条件であ
れば鉄または鉄合金を用いてもよい。
たっての具体的装置例について説明する。電気回路を形
成させるための電極6の材質としては、高炉炉体のカー
ボン煉瓦および出銑樋を形成する耐火物と反応しない金
属、または、反応しても安定な炭化物を生成し電気良導
体である金属が用いられる。炉床稼働面の温度を溶銑の
凝固温度である1150℃と考え、この温度でも液相を
生成しないCr、Co、Mn、Mo、Nb、Ni、W、
Zr、Ti、Siといった金属単体やこれらの合金が望
ましい。また、電極を稼働面まで差し込まない条件であ
れば鉄または鉄合金を用いてもよい。
【0028】電極の断面形状は特に限定されないが抵抗
が少なくなるように、断面積が大きいことが望ましく、
例えば円形であれば直径15mm以上は最低限必要であ
る。なお、本発明においては溶銑に接触する電極6とス
ラグに接触する電極6を高炉外において電流調整機構2
0を介して接続しなければならないので、電極6は可成
りの長さを必要とする。そこで高価な電極6に代えて適
宜位置から電気抵抗値が小さく、かつ安価な補償導線7
を用いて代用させることも実施態様として望ましい。
が少なくなるように、断面積が大きいことが望ましく、
例えば円形であれば直径15mm以上は最低限必要であ
る。なお、本発明においては溶銑に接触する電極6とス
ラグに接触する電極6を高炉外において電流調整機構2
0を介して接続しなければならないので、電極6は可成
りの長さを必要とする。そこで高価な電極6に代えて適
宜位置から電気抵抗値が小さく、かつ安価な補償導線7
を用いて代用させることも実施態様として望ましい。
【0029】炉床部カーボン煉瓦4に埋設する電極6の
数は、スラグ存在部については図3に示す如く、炉周方
向に数多く配設する方が電気化学反応領域を増大させる
ので好ましい。また高炉炉床全領域で反応が行われる方
が望ましいが、高炉炉床部にはコークスの堆積層からな
る炉芯部が存在し、溶銑はその底部と外周部に貯留され
た状態にあり、反応領域が高炉炉壁の内周面近傍であっ
たとしても反応領域が狭くその効果が薄いということは
なく、また、炉内の溶銑は種々の外部からの要因により
流動しており、それ程反応領域を限定的に考える必要は
ない。
数は、スラグ存在部については図3に示す如く、炉周方
向に数多く配設する方が電気化学反応領域を増大させる
ので好ましい。また高炉炉床全領域で反応が行われる方
が望ましいが、高炉炉床部にはコークスの堆積層からな
る炉芯部が存在し、溶銑はその底部と外周部に貯留され
た状態にあり、反応領域が高炉炉壁の内周面近傍であっ
たとしても反応領域が狭くその効果が薄いということは
なく、また、炉内の溶銑は種々の外部からの要因により
流動しており、それ程反応領域を限定的に考える必要は
ない。
【0030】したがって、実操業において電極の数は多
いほど抵抗が少なくなるため望ましいが、本数が多い程
コスト増となるため高炉の規模(高炉炉床径)にもよる
が、3000m3 クラスの高炉であれば炉周方向にほぼ
等間隔をおいて4〜16本位配設するのが適当で、それ
以上増しても電極設置数の増加による効果は格段に上昇
することはない。また、炉壁および出銑樋11内側近傍
に臨ませた電極6は、その先端を内面に露出させ、直接
溶銑またはスラグと接触させると、電気回路としては電
気抵抗部分が少なくて好ましい。
いほど抵抗が少なくなるため望ましいが、本数が多い程
コスト増となるため高炉の規模(高炉炉床径)にもよる
が、3000m3 クラスの高炉であれば炉周方向にほぼ
等間隔をおいて4〜16本位配設するのが適当で、それ
以上増しても電極設置数の増加による効果は格段に上昇
することはない。また、炉壁および出銑樋11内側近傍
に臨ませた電極6は、その先端を内面に露出させ、直接
溶銑またはスラグと接触させると、電気回路としては電
気抵抗部分が少なくて好ましい。
【0031】スラグ存在部3のスラグと接する電極6の
取付位置は、スラグ存在部位置のレベルが種々の要因に
よって上・下に変動する(例えば、出銑および出滓のた
め)ので、高レベルから低レベル位置まで垂直方向で変
動する全領域をカバーするのが好ましい。そこで、通常
の高炉操業において予測される最低レベルと最高レベル
の2本は少なくとも必要とする。その間にも適宜本数の
電極6を配設するならば、スラグレベルが如何に変動し
ようと何れかの電極6がスラグ層と接触し、電流の流れ
が確保でき、電気化学反応が継続できるので、垂直方向
で3〜6本程度の電極6を配設するのがよい。しかし
て、炉内から炉外に導出する電極(導線)は炉壁部分に
おいて近接または接触することが予測されるので、個々
の電極を絶縁体で被覆し電極間での短絡を防ぐ必要があ
る。
取付位置は、スラグ存在部位置のレベルが種々の要因に
よって上・下に変動する(例えば、出銑および出滓のた
め)ので、高レベルから低レベル位置まで垂直方向で変
動する全領域をカバーするのが好ましい。そこで、通常
の高炉操業において予測される最低レベルと最高レベル
の2本は少なくとも必要とする。その間にも適宜本数の
電極6を配設するならば、スラグレベルが如何に変動し
ようと何れかの電極6がスラグ層と接触し、電流の流れ
が確保でき、電気化学反応が継続できるので、垂直方向
で3〜6本程度の電極6を配設するのがよい。しかし
て、炉内から炉外に導出する電極(導線)は炉壁部分に
おいて近接または接触することが予測されるので、個々
の電極を絶縁体で被覆し電極間での短絡を防ぐ必要があ
る。
【0032】前述のように高炉内の溶銑貯留レベルは種
々の要因によって変動する。従って、当初予期していた
溶銑レベルより大幅に増大し、稀には通常のスラグ貯留
レベルに達することも考えられる。高炉炉床内ではスラ
グと接触させるための電極は垂直方向に複数個設定して
あるため、スラグ電極間内に溶銑レベルが到達するとス
ラグ電極間内において電流が流れる現象が起こり、予期
せぬ脱硫が行われることとなる。これを防止する意味合
いから電流調整機構20に接合するまでは電極間の短絡
は避ける必要がある。ただし、スラグと接触する同一レ
ベルにある電極(導線)6は全てを取りまとめて電流調
整機構20に継ぎ込む方が配線の煩雑化を防ぐ意味から
は有効な手段である。同様のことは溶銑と接する電極に
ついても言える。
々の要因によって変動する。従って、当初予期していた
溶銑レベルより大幅に増大し、稀には通常のスラグ貯留
レベルに達することも考えられる。高炉炉床内ではスラ
グと接触させるための電極は垂直方向に複数個設定して
あるため、スラグ電極間内に溶銑レベルが到達するとス
ラグ電極間内において電流が流れる現象が起こり、予期
せぬ脱硫が行われることとなる。これを防止する意味合
いから電流調整機構20に接合するまでは電極間の短絡
は避ける必要がある。ただし、スラグと接触する同一レ
ベルにある電極(導線)6は全てを取りまとめて電流調
整機構20に継ぎ込む方が配線の煩雑化を防ぐ意味から
は有効な手段である。同様のことは溶銑と接する電極に
ついても言える。
【0033】電流調整機構20内では高炉炉床内のどの
位置(レベル)に埋設した電極かを判別することができ
る構成をとっているので、どのレベルの電極間で電流が
流れているかを検知し、Siを高くしたくない場合は電
流が流れないように両電極間に抵抗を付与し、脱硫反応
を阻止して加珪反応を抑制せしめる。さらにまた、前述
したように電流調整機構20には、外部から電源を取り
込むように構成してあるので、該電流調整機構を調節し
て電流がスラグ側から溶銑側に流れるような電流を付加
し脱珪を増大せしめることも可能である。
位置(レベル)に埋設した電極かを判別することができ
る構成をとっているので、どのレベルの電極間で電流が
流れているかを検知し、Siを高くしたくない場合は電
流が流れないように両電極間に抵抗を付与し、脱硫反応
を阻止して加珪反応を抑制せしめる。さらにまた、前述
したように電流調整機構20には、外部から電源を取り
込むように構成してあるので、該電流調整機構を調節し
て電流がスラグ側から溶銑側に流れるような電流を付加
し脱珪を増大せしめることも可能である。
【0034】一方、溶銑に接する電極6は高炉出銑樋1
1の溶銑存在部15、すなわち溶銑流出部に設ける必要
があり、絶えず溶銑と接触していなければならないの
で、該出銑樋の側壁12下部かまたは出銑樋底部壁13
に設置する必要がある。勿論、電極6を配設する出銑樋
11は高炉の各出銑口の数に対応してその数だけ設ける
ことは当然のことであり、また電極数は溶銑流出方向に
複数設けた方が何れかの電極6が何らかの障害により溶
銑との接触が妨げられ、電流の流れが不通になる事態が
発生するとも限らないので、実操業上好ましい態様であ
る。
1の溶銑存在部15、すなわち溶銑流出部に設ける必要
があり、絶えず溶銑と接触していなければならないの
で、該出銑樋の側壁12下部かまたは出銑樋底部壁13
に設置する必要がある。勿論、電極6を配設する出銑樋
11は高炉の各出銑口の数に対応してその数だけ設ける
ことは当然のことであり、また電極数は溶銑流出方向に
複数設けた方が何れかの電極6が何らかの障害により溶
銑との接触が妨げられ、電流の流れが不通になる事態が
発生するとも限らないので、実操業上好ましい態様であ
る。
【0035】また、高炉操業上連続出銑作業を中断する
こともあるので、溶銑に接する電極6は図3に示したよ
うに、高炉炉床部の最低位置にも配設して置くことも考
慮する必要がある。さらに、図4に示す如く炉壁内側近
傍および出銑樋の下部側壁または/および底部壁に臨ま
せた電極6は、その先端部と接して耐熱性を有する電流
の良導体9を設置することによって電極自体の溶損を防
止することができ、電極直前に異物(電流不良導体)が
存在することがあっても、設置された該電流良導体9の
面積が広いので電流の流れには支障をきたさない効果を
有する。この電流良導体9は図示しないが、出銑樋11
においても下部側壁または底部壁に設置することによ
り、同様の効果を得ることができる。この電流良導体9
として電気比抵抗が10-4Ω・cm以下の耐熱材料が望
ましく、例えば黒鉛質材料の異方性を利用すれば、層面
方向で5×10-5Ω・cm程度の電流良導体9を用いる
ことが可能である。もちろん、前述の電極材質と同じも
のを用いても構わない。
こともあるので、溶銑に接する電極6は図3に示したよ
うに、高炉炉床部の最低位置にも配設して置くことも考
慮する必要がある。さらに、図4に示す如く炉壁内側近
傍および出銑樋の下部側壁または/および底部壁に臨ま
せた電極6は、その先端部と接して耐熱性を有する電流
の良導体9を設置することによって電極自体の溶損を防
止することができ、電極直前に異物(電流不良導体)が
存在することがあっても、設置された該電流良導体9の
面積が広いので電流の流れには支障をきたさない効果を
有する。この電流良導体9は図示しないが、出銑樋11
においても下部側壁または底部壁に設置することによ
り、同様の効果を得ることができる。この電流良導体9
として電気比抵抗が10-4Ω・cm以下の耐熱材料が望
ましく、例えば黒鉛質材料の異方性を利用すれば、層面
方向で5×10-5Ω・cm程度の電流良導体9を用いる
ことが可能である。もちろん、前述の電極材質と同じも
のを用いても構わない。
【0036】前記電流良導体9を高炉炉床部に設置する
場合は、それぞれ約幅500mm、厚さ20mm、長さ
(深さ)1500mm程度の板状に形成し、この電流良
導体9を高炉炉床部において水平方向で連結し、炉床内
壁に沿って環状に複数の電極埋設個所を連絡して帯状に
設置するならば、炉床部に存在するスラグの外周部全領
域を覆うことができ、一部の電極が何らかの原因により
断線または電流の流れが不良状態となっても他の電極で
カバーすることができるので、電流の流れを保つ意味か
ら有効な手段となり得る。また、炉床煉瓦4が溶銑、ス
ラグ等によって浸蝕を受け、該電流良導体9が同時に溶
損してもスラグと接触する適当な面積は確保できるので
好都合である。なお、出銑樋11に設置する場合は、前
記電流良導体9の長さを出銑樋11の外殻耐火物の厚み
に応じて短くする必要がある。さらに、溶銑存在部15
に該当する位置の側壁12に略水平方向に、または底壁
13に垂直方向に前記板状電流良導体9を設置するなら
ば、前記と同様の理由で同様の効果を得ることが期待で
きる。
場合は、それぞれ約幅500mm、厚さ20mm、長さ
(深さ)1500mm程度の板状に形成し、この電流良
導体9を高炉炉床部において水平方向で連結し、炉床内
壁に沿って環状に複数の電極埋設個所を連絡して帯状に
設置するならば、炉床部に存在するスラグの外周部全領
域を覆うことができ、一部の電極が何らかの原因により
断線または電流の流れが不良状態となっても他の電極で
カバーすることができるので、電流の流れを保つ意味か
ら有効な手段となり得る。また、炉床煉瓦4が溶銑、ス
ラグ等によって浸蝕を受け、該電流良導体9が同時に溶
損してもスラグと接触する適当な面積は確保できるので
好都合である。なお、出銑樋11に設置する場合は、前
記電流良導体9の長さを出銑樋11の外殻耐火物の厚み
に応じて短くする必要がある。さらに、溶銑存在部15
に該当する位置の側壁12に略水平方向に、または底壁
13に垂直方向に前記板状電流良導体9を設置するなら
ば、前記と同様の理由で同様の効果を得ることが期待で
きる。
【0037】前記高炉炉床部の煉瓦4に埋設する電極6
は、高炉操業中に高炉外壁側より設置するには、前述し
たように、鉄皮5および煉瓦4への加工(穿孔)を行わ
なければならず、該電極の取付位置が溶銑等の高熱物体
が存在する部位であるため、極めて危険(高熱物体の流
出)な作業となる。従って、電極6の配設は高炉炉床煉
瓦築造時または高炉改修煉瓦積みに、予め配設して置く
のが実用的である。配設に当たっては、煉瓦4への加工
を必要としないブロック煉瓦間の目地部を利用し、目地
に沿って設置するのが望ましい。なお電極6の取付位置
はそのレベルを確保することが好ましく、炉床部煉瓦が
溶銑、溶滓により浸蝕されても、初期レベルと同一レベ
ルに電極6が存在するよう配慮する必要がある。
は、高炉操業中に高炉外壁側より設置するには、前述し
たように、鉄皮5および煉瓦4への加工(穿孔)を行わ
なければならず、該電極の取付位置が溶銑等の高熱物体
が存在する部位であるため、極めて危険(高熱物体の流
出)な作業となる。従って、電極6の配設は高炉炉床煉
瓦築造時または高炉改修煉瓦積みに、予め配設して置く
のが実用的である。配設に当たっては、煉瓦4への加工
を必要としないブロック煉瓦間の目地部を利用し、目地
に沿って設置するのが望ましい。なお電極6の取付位置
はそのレベルを確保することが好ましく、炉床部煉瓦が
溶銑、溶滓により浸蝕されても、初期レベルと同一レベ
ルに電極6が存在するよう配慮する必要がある。
【0038】出銑樋11に電極6または電流良導体9を
設置する場合は、出銑樋11の築造時または改修時に例
えば側壁12の耐火物中に埋設し、他端を出銑樋11の
外壁近傍に沿わせて樋外に導出すればよく、出銑樋11
の改修毎にその作業を実施する。出銑樋11からの導出
に際しては導線7を用いるのが好ましく、出銑樋11の
縁部にジョイント部19を設け、導線7の端部に設けた
ジョイントと結合すれば簡便な操作によって実施でき
る。なお、出銑樋11への電極6または電流良導体9の
取付けが煩雑となる惧れがあるときは、図2に示すよう
な電極保持体17を出銑樋11を跨いで設け、該電極保
持体17から電極6を吊下し、出銑樋11を流れる溶銑
中に浸漬して溶銑と電極6との接触を図り電気回路を構
成することも可能である。この場合は電極保持体17を
配設する位置としては、溶銑、溶滓を分離するスキンマ
ー16の後方の溶滓を取り除いた溶銑流の方が電極6が
溶滓により溶損されるのを回避する意味合から好まし
い。
設置する場合は、出銑樋11の築造時または改修時に例
えば側壁12の耐火物中に埋設し、他端を出銑樋11の
外壁近傍に沿わせて樋外に導出すればよく、出銑樋11
の改修毎にその作業を実施する。出銑樋11からの導出
に際しては導線7を用いるのが好ましく、出銑樋11の
縁部にジョイント部19を設け、導線7の端部に設けた
ジョイントと結合すれば簡便な操作によって実施でき
る。なお、出銑樋11への電極6または電流良導体9の
取付けが煩雑となる惧れがあるときは、図2に示すよう
な電極保持体17を出銑樋11を跨いで設け、該電極保
持体17から電極6を吊下し、出銑樋11を流れる溶銑
中に浸漬して溶銑と電極6との接触を図り電気回路を構
成することも可能である。この場合は電極保持体17を
配設する位置としては、溶銑、溶滓を分離するスキンマ
ー16の後方の溶滓を取り除いた溶銑流の方が電極6が
溶滓により溶損されるのを回避する意味合から好まし
い。
【0039】
【実施例】本発明を3000m3 の高炉において実施し
た例について以下説明する。高炉操業においては、通常
の装入原料を用い、高炉羽口より150kg/t−pの
微粉炭の吹き込みを行い、図1に示した装置例により脱
硫または脱珪を行った。その結果を図5に出銑された溶
銑中のSiおよびS含有量の変化としてその推移を時系
列で示した。電流調整機構を操作し脱硫を行うに当たっ
ては、スラグと溶銑の間に電極による電気回路を形成し
た場合の脱硫をa点から開始した。また、積極的に外部
電源からの電力を付与して強制的に溶銑からスラグへ向
けて電流を流し、脱硫の促進を行った場合の脱硫開始時
点はb点からである。
た例について以下説明する。高炉操業においては、通常
の装入原料を用い、高炉羽口より150kg/t−pの
微粉炭の吹き込みを行い、図1に示した装置例により脱
硫または脱珪を行った。その結果を図5に出銑された溶
銑中のSiおよびS含有量の変化としてその推移を時系
列で示した。電流調整機構を操作し脱硫を行うに当たっ
ては、スラグと溶銑の間に電極による電気回路を形成し
た場合の脱硫をa点から開始した。また、積極的に外部
電源からの電力を付与して強制的に溶銑からスラグへ向
けて電流を流し、脱硫の促進を行った場合の脱硫開始時
点はb点からである。
【0040】加珪抑制についてはスラグと溶銑間の電気
回路に抵抗を加えたc点から開始しした。また、積極的
に外部電源からの電力を付与して脱硫とは逆にスラグか
ら溶銑へ向けて強制的に電流を流し、脱珪の促進を行っ
た場合の脱珪開始時点はd点からである。なお、e点は
電流調整機構を操作し電極間の電気回路を遮断した時点
を示し、高炉炉床内でのスラグおよび溶銑が通常の状態
に置かれた場合でのそれ以降のS,Siの推移を示した
ものである。さらに、電流調整機構を介して溶銑とスラ
グにそれぞれ接触している電極間の電気回路を流れる電
流について、脱硫または脱珪を行った時の電流値も同図
に併せて示した。図から明らかなように脱硫を促進した
ときにはS含有量の低下がみられ、それとは逆に脱硫を
抑制し脱珪に重きを置いたときにはSi含有量の低減が
図られていることが認められた。
回路に抵抗を加えたc点から開始しした。また、積極的
に外部電源からの電力を付与して脱硫とは逆にスラグか
ら溶銑へ向けて強制的に電流を流し、脱珪の促進を行っ
た場合の脱珪開始時点はd点からである。なお、e点は
電流調整機構を操作し電極間の電気回路を遮断した時点
を示し、高炉炉床内でのスラグおよび溶銑が通常の状態
に置かれた場合でのそれ以降のS,Siの推移を示した
ものである。さらに、電流調整機構を介して溶銑とスラ
グにそれぞれ接触している電極間の電気回路を流れる電
流について、脱硫または脱珪を行った時の電流値も同図
に併せて示した。図から明らかなように脱硫を促進した
ときにはS含有量の低下がみられ、それとは逆に脱硫を
抑制し脱珪に重きを置いたときにはSi含有量の低減が
図られていることが認められた。
【0041】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
極めて簡単な構成により、高炉操業中において、絶えず
溶銑中の硫黄または珪素含有量の調整を行うことがで
き、実用上極めて有益な効果を奏するものである。
極めて簡単な構成により、高炉操業中において、絶えず
溶銑中の硫黄または珪素含有量の調整を行うことがで
き、実用上極めて有益な効果を奏するものである。
【図1】本発明の要部断面の概要を示す図
【図2】図1のA〜A′断面図
【図3】本発明の高炉炉床部について概要を示す図
【図4】高炉炉床部に電流良導体を用いた場合の例を示
す図
す図
【図5】本発明実施例での溶銑Si、S量および電流値
の推移を示す図
の推移を示す図
1 高炉の炉床部 2 溶銑貯留部 3 スラグ存在部 4 炉床煉瓦 5 高炉炉体鉄皮 6 電極 7 導線 8 他端 9 耐熱性電流良導体 10 高炉出銑口 11 出銑樋 12 樋側壁 13 樋底壁 14 ケーシング 15 溶銑存在部 16 スキンマー 17 電極保持体 19 ジョイント部 20 電流調整機構 21 電源供給部
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成11年7月27日(1999.7.2
7)
7)
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】特許請求の範囲
【補正方法】変更
【補正内容】
【特許請求の範囲】
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0011
【補正方法】変更
【補正内容】
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明は前記した従来方
法における問題点を解決するためになされたものであっ
て、その要旨するところは、下記手段にある。 (1) 高炉炉床部内に存在する溶銑または高炉出銑口
より出銑する溶銑に接する電極と、高炉炉床部内に存在
するスラグに接する電極を高炉炉外において電流調整機
構を介して接続し、該電極、溶銑存在部、およびスラグ
存在部とからなる電気回路を形成し、前記電流調整機構
により両電極間を流れる電流量を調整することにより、
高炉内において溶銑の脱硫または脱珪を行う高炉におけ
る溶銑の脱硫・脱珪方法。 (2) 前記(1)において、電流調整機構を調整して
両電極間に形成された電気回路に電流が溶銑側からスラ
グ側に流れるように付与し、脱硫率を増大せしめる高炉
における溶銑の脱硫方法。 (3) 前記(1)において、電流調整機構を調整して
両電極間に形成された電気回路に電流がスラグ側から溶
銑側に流れるように付与し、脱珪率を増大せしめる高炉
における溶銑の脱珪方法。
法における問題点を解決するためになされたものであっ
て、その要旨するところは、下記手段にある。 (1) 高炉炉床部内に存在する溶銑または高炉出銑口
より出銑する溶銑に接する電極と、高炉炉床部内に存在
するスラグに接する電極を高炉炉外において電流調整機
構を介して接続し、該電極、溶銑存在部、およびスラグ
存在部とからなる電気回路を形成し、前記電流調整機構
により両電極間を流れる電流量を調整することにより、
高炉内において溶銑の脱硫または脱珪を行う高炉におけ
る溶銑の脱硫・脱珪方法。 (2) 前記(1)において、電流調整機構を調整して
両電極間に形成された電気回路に電流が溶銑側からスラ
グ側に流れるように付与し、脱硫率を増大せしめる高炉
における溶銑の脱硫方法。 (3) 前記(1)において、電流調整機構を調整して
両電極間に形成された電気回路に電流がスラグ側から溶
銑側に流れるように付与し、脱珪率を増大せしめる高炉
における溶銑の脱珪方法。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0012
【補正方法】変更
【補正内容】
【0012】(4) 高炉炉床部のスラグ存在部該当位
置に、炉壁煉瓦内を通して電極を配設し、該電極の先端
を炉壁内側近傍に埋設すると共に、他端を炉壁煉瓦内を
通して炉体鉄皮外に取り出し、一方高炉出銑口より出銑
する溶銑を受ける出銑樋の溶銑存在部該当位置に電極の
先端を配設し、他端を該出銑樋の耐火物内を通して出銑
樋外に取り出し、両電極間に電流調整機構を介挿せしめ
て接続し、該電極、溶銑存在部、およびスラグ存在部と
からなる電気回路を形成した高炉における溶銑の脱硫・
脱珪装置。 (5) 高炉炉床部のスラグ存在部該当位置および溶銑
存在部該当位置に、炉壁煉瓦内を通して電極を配設し、
該電極の先端を炉壁内側近傍に埋設すると共に、他端を
炉壁煉瓦内を通して炉体鉄皮外に取り出し、両電極間に
電流調整機構を介挿せしめて接続し、該電極、溶銑存在
部、およびスラグ存在部とからなる電気回路を形成した
高炉における溶銑の脱硫・脱珪装置。 ─────────────────────────────────────────────────────
置に、炉壁煉瓦内を通して電極を配設し、該電極の先端
を炉壁内側近傍に埋設すると共に、他端を炉壁煉瓦内を
通して炉体鉄皮外に取り出し、一方高炉出銑口より出銑
する溶銑を受ける出銑樋の溶銑存在部該当位置に電極の
先端を配設し、他端を該出銑樋の耐火物内を通して出銑
樋外に取り出し、両電極間に電流調整機構を介挿せしめ
て接続し、該電極、溶銑存在部、およびスラグ存在部と
からなる電気回路を形成した高炉における溶銑の脱硫・
脱珪装置。 (5) 高炉炉床部のスラグ存在部該当位置および溶銑
存在部該当位置に、炉壁煉瓦内を通して電極を配設し、
該電極の先端を炉壁内側近傍に埋設すると共に、他端を
炉壁煉瓦内を通して炉体鉄皮外に取り出し、両電極間に
電流調整機構を介挿せしめて接続し、該電極、溶銑存在
部、およびスラグ存在部とからなる電気回路を形成した
高炉における溶銑の脱硫・脱珪装置。 ─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成11年7月29日(1999.7.2
9)
9)
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】特許請求の範囲
【補正方法】変更
【補正内容】
【特許請求の範囲】
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0011
【補正方法】変更
【補正内容】
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明は前記した従来方
法における問題点を解決するためになされたものであっ
て、その要旨するところは、下記手段にある。 (1) 高炉炉床部内に存在する溶銑または高炉出銑口
より出銑する溶銑に接する電極と、高炉炉床部内に存在
するスラグに接する電極を高炉炉外において電流調整機
構を介して接続し、該電極、溶銑存在部、およびスラグ
存在部とからなる電気回路を形成し、前記電流調整機構
により両電極間を流れる電流量を調整することにより、
高炉内において溶銑の脱硫または脱珪を行う高炉におけ
る溶銑の脱硫・脱珪方法。 (2) 前記(1)において、電流調整機構を調整して
両電極間に形成された電気回路に電流が溶銑側からスラ
グ側に流れるように付与し、脱硫率を増大せしめる高炉
における溶銑の脱硫方法。 (3) 前記(1)において、電流調整機構を調整して
両電極間に形成された電気回路に電流がスラグ側から溶
銑側に流れるように付与し、脱珪率を増大せしめる高炉
における溶銑の脱珪方法。
法における問題点を解決するためになされたものであっ
て、その要旨するところは、下記手段にある。 (1) 高炉炉床部内に存在する溶銑または高炉出銑口
より出銑する溶銑に接する電極と、高炉炉床部内に存在
するスラグに接する電極を高炉炉外において電流調整機
構を介して接続し、該電極、溶銑存在部、およびスラグ
存在部とからなる電気回路を形成し、前記電流調整機構
により両電極間を流れる電流量を調整することにより、
高炉内において溶銑の脱硫または脱珪を行う高炉におけ
る溶銑の脱硫・脱珪方法。 (2) 前記(1)において、電流調整機構を調整して
両電極間に形成された電気回路に電流が溶銑側からスラ
グ側に流れるように付与し、脱硫率を増大せしめる高炉
における溶銑の脱硫方法。 (3) 前記(1)において、電流調整機構を調整して
両電極間に形成された電気回路に電流がスラグ側から溶
銑側に流れるように付与し、脱珪率を増大せしめる高炉
における溶銑の脱珪方法。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0012
【補正方法】変更
【補正内容】
【0012】(4) 高炉炉床部のスラグ存在部該当位
置に、炉壁煉瓦内を通して電極を配設し、該電極の先端
を炉壁内側近傍に埋設すると共に、他端を炉壁煉瓦内を
通して炉体鉄皮外に取り出し、一方高炉出銑口より出銑
する溶銑を受ける出銑樋の溶銑存在部該当位置に電極の
先端を配設し、他端を該出銑樋の耐火物内を通して出銑
樋外に取り出し、両電極間に電流調整機構を介挿せしめ
て接続し、該電極、溶銑存在部、およびスラグ存在部と
からなる電気回路を形成した高炉における溶銑の脱硫・
脱珪装置。 (5) 高炉炉床部のスラグ存在部該当位置および溶銑
存在部該当位置に、炉壁煉瓦内を通して電極を配設し、
該電極の先端を炉壁内側近傍に埋設すると共に、他端を
炉壁煉瓦内を通して炉体鉄皮外に取り出し、両電極間に
電流調整機構を介挿せしめて接続し、該電極、溶銑存在
部、およびスラグ存在部とからなる電気回路を形成した
高炉における溶銑の脱硫・脱珪装置。
置に、炉壁煉瓦内を通して電極を配設し、該電極の先端
を炉壁内側近傍に埋設すると共に、他端を炉壁煉瓦内を
通して炉体鉄皮外に取り出し、一方高炉出銑口より出銑
する溶銑を受ける出銑樋の溶銑存在部該当位置に電極の
先端を配設し、他端を該出銑樋の耐火物内を通して出銑
樋外に取り出し、両電極間に電流調整機構を介挿せしめ
て接続し、該電極、溶銑存在部、およびスラグ存在部と
からなる電気回路を形成した高炉における溶銑の脱硫・
脱珪装置。 (5) 高炉炉床部のスラグ存在部該当位置および溶銑
存在部該当位置に、炉壁煉瓦内を通して電極を配設し、
該電極の先端を炉壁内側近傍に埋設すると共に、他端を
炉壁煉瓦内を通して炉体鉄皮外に取り出し、両電極間に
電流調整機構を介挿せしめて接続し、該電極、溶銑存在
部、およびスラグ存在部とからなる電気回路を形成した
高炉における溶銑の脱硫・脱珪装置。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 佐野 信雄 千葉県富津市新富20−1 新日本製鐵株式 会社技術開発本部内 Fターム(参考) 4K012 AA05 BB05 BB07 4K014 AA01 AA02 AC01 AC04 AD16 AD25 4K015 BA03 EA02 EC10 KA02
Claims (19)
- 【請求項1】 高炉炉床部内に存在する溶銑または高炉
出銑口より出銑する溶銑に接する電極と、高炉炉床部内
に存在するスラグに接する電極を高炉炉外において電流
調整機構を介して接続し、該電極、溶銑存在部、および
スラグ存在部とからなる電気回路を形成し、前記電流調
整機構により両電極間を流れる電流量を調整することに
より、高炉内において溶銑の脱硫または脱珪を行うこと
を特徴とする高炉における溶銑の脱硫・脱珪方法。 - 【請求項2】 前記請求項1において、電流調整機構を
調整して両電極間に形成された電気回路に電流が溶銑側
からスラグ側に流れるように付与し、脱硫率を増大せし
めることを特徴とする高炉における溶銑の脱珪方法。 - 【請求項3】 前記請求項1において、電流調整機構を
調整して両電極間に形成された電気回路に電流がスラグ
側から溶銑側に流れるように付与し、脱珪率を増大せし
めることを特徴とする高炉における溶銑の脱硫方法。 - 【請求項4】 高炉炉床部のスラグ存在部該当位置に、
炉壁煉瓦内を通して電極を配設し、該電極の先端を炉壁
内側近傍に埋設すると共に、他端を炉壁煉瓦内を通して
炉体鉄皮外に取り出し、一方高炉出銑口より出銑する溶
銑を受ける出銑樋の溶銑存在部該当位置に電極の先端を
配設し、他端を該出銑桶の耐火物内を通して出銑桶外に
取り出し、両電極間に電流調整機構を介挿せしめて接続
し、該電極、溶銑存在部、およびスラグ存在部とからな
る電気回路を形成したことを特徴とする高炉における溶
銑の脱硫・脱珪装置。 - 【請求項5】 高炉炉床部のスラグ存在部該当位置およ
び溶銑存在部該当位置に、炉壁煉瓦内を通して電極を配
設し、該電極の先端を炉壁内側近傍に埋設すると共に、
他端を炉壁煉瓦内を通して炉体鉄皮外に取り出し、両電
極間に電流調整機構を介挿せしめて接続し、該電極、溶
銑存在部、およびスラグ存在部とからなる電気回路を形
成したことを特徴とする高炉における溶銑の脱硫・脱珪
装置。 - 【請求項6】 前記両電極間に介挿せしめた電流調整機
構は、両電極間の抵抗量を調整して両電極間の抵抗量を
調整する機能と、電流量を付加する機能および電流の流
れ方向を切り換える機能を有せしめたことを特徴とする
高炉における溶銑の脱硫・脱珪装置。 - 【請求項7】 前記高炉出銑樋の溶銑存在部該当位置に
設置する電極は、該出銑樋の底部壁または下部側壁の耐
火物に埋設したことを特徴とする請求項4記載の高炉に
おける溶銑の脱硫・脱珪装置。 - 【請求項8】 前記高炉出銑樋の溶銑存在部該当位置に
設置する電極は、該出銑樋を跨いで設けた電極保持体に
よって吊下支持したことを特徴とする請求項4記載の高
炉における溶銑の脱硫・脱珪装置。 - 【請求項9】 前記高炉出銑樋の溶銑存在部該当位置お
よび高炉炉床部の耐火物に埋設した電極の先端は、壁内
側に露出させたことを特徴とする請求項4,5,7のい
ずれかに記載の高炉における溶銑の脱硫・脱珪装置。 - 【請求項10】 前記高炉出銑樋の溶銑存在部該当位置
および高炉炉床部に設置する電極は、溶銑またはスラグ
と接する先端部に耐火性を有する電流良導体を取り付け
たことを特徴とする請求項4,5,7のいずれかに記載
の高炉における溶銑の脱硫・脱珪装置。 - 【請求項11】 前記高炉出銑樋の溶銑存在部該当位置
に設置する電極または電流良導体は、高炉の各出銑口に
対応して設けたことを特徴とする請求項4、7,8,
9.10のいずれかに記載の高炉における溶銑の脱硫・
脱珪装置。 - 【請求項12】 前記高炉出銑樋の溶銑存在部該当位置
に設置する電極または電流良導体は、高炉の各出銑口に
対応しかつ、溶銑流出方向に複数個配設したことを特徴
とする請求項4,7,8,9,10,11のいずれかに
記載の高炉における溶銑の脱硫・脱珪装置。 - 【請求項13】 前記高炉出銑樋および高炉炉壁内側に
設置する耐火性を有する電流良導体として電気比抵抗1
0-4Ω・cm以下の耐火性材料を用いることを特徴とす
る請求項10記載の高炉における溶銑の脱硫・脱珪装
置。 - 【請求項14】 前記高炉炉床部のスラグ存在部該当位
置の炉壁煉瓦に埋設する電極または電流良導体を、炉周
方向に複数個配設したことを特徴とする請求項4,5,
9,10,13のいずれかに記載の高炉における溶銑の
脱硫・脱珪装置。 - 【請求項15】 前記高炉炉床部の炉壁煉瓦に埋設する
電極または電流良導体を垂直方向に複数個配設したこと
を特徴とする請求項4,5,9,10,13,14のい
ずれかに記載の高炉における溶銑の脱硫・脱珪装置。 - 【請求項16】 前記高炉炉床部の炉壁煉瓦に埋設する
電極または電流良導体は、高炉炉床部築造時または改修
煉瓦積み時に配設することを特徴とする請求項4,5,
9,10,13,14,15のいずれかに記載の高炉に
おける溶銑の脱硫・脱珪装置。 - 【請求項17】 前記高炉炉床部の炉壁煉瓦に埋設する
電極は、煉瓦の目地部を通して配設したことを特徴とす
る請求項4,5,9,10,13,14,15,16の
いずれかに記載の高炉における溶銑の脱硫・脱珪装置。 - 【請求項18】 前記高炉炉床部の炉壁煉瓦に埋設する
電極または電流電導体に継続する導線を高炉シャフト部
より炉外に取り出したことを特徴とする請求項4,5,
9,10,13,14,15,16,17のいずれかに
記載の高炉における溶銑の脱硫・脱珪装置。 - 【請求項19】 前記電極、またはこれに継続する導線
を絶縁体で被覆したことを特徴とする請求項4ないし請
求項18のいずれかに記載の高炉における溶銑の脱硫・
脱珪装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP10364267A JP2000192116A (ja) | 1998-12-22 | 1998-12-22 | 高炉における溶銑の脱硫・脱珪方法およびその装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP10364267A JP2000192116A (ja) | 1998-12-22 | 1998-12-22 | 高炉における溶銑の脱硫・脱珪方法およびその装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2000192116A true JP2000192116A (ja) | 2000-07-11 |
Family
ID=18481402
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP10364267A Withdrawn JP2000192116A (ja) | 1998-12-22 | 1998-12-22 | 高炉における溶銑の脱硫・脱珪方法およびその装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2000192116A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN102212638A (zh) * | 2011-05-12 | 2011-10-12 | 刘东业 | 包内铁水精炼方法及实施该法所需的设备 |
CN102978341A (zh) * | 2012-12-24 | 2013-03-20 | 营口戴斯玛克科技发展有限公司 | 铁水精炼用脱硫喷枪 |
KR20210138721A (ko) * | 2019-04-24 | 2021-11-19 | 제이에프이 스틸 가부시키가이샤 | 용융 금속의 탈황 방법 |
-
1998
- 1998-12-22 JP JP10364267A patent/JP2000192116A/ja not_active Withdrawn
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN102212638A (zh) * | 2011-05-12 | 2011-10-12 | 刘东业 | 包内铁水精炼方法及实施该法所需的设备 |
CN102978341A (zh) * | 2012-12-24 | 2013-03-20 | 营口戴斯玛克科技发展有限公司 | 铁水精炼用脱硫喷枪 |
KR20210138721A (ko) * | 2019-04-24 | 2021-11-19 | 제이에프이 스틸 가부시키가이샤 | 용융 금속의 탈황 방법 |
KR102626792B1 (ko) * | 2019-04-24 | 2024-01-17 | 제이에프이 스틸 가부시키가이샤 | 용융 금속의 탈황 방법 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
AU761344B2 (en) | Method of producing molten iron in duplex furnaces | |
US5882374A (en) | Process for producing foundry iron with an insulated electrode | |
US3472650A (en) | Electric-arc steelmaking | |
US5912916A (en) | Electric furnace with insulated electrodes and process for producing molten metals | |
US6685761B1 (en) | Method for producing beneficiated titanium oxides | |
US6693947B1 (en) | Method to protect the anode bottoms in batch DC electric arc furnace steel production | |
JP2000192116A (ja) | 高炉における溶銑の脱硫・脱珪方法およびその装置 | |
US5946339A (en) | Steelmaking process using direct reduction iron | |
US6635096B1 (en) | Method for optimizing the operating conditions of a submerged arc furnace | |
US20230287528A1 (en) | Hot Metal Production from DRI with Electric Arc Heating | |
JP2004520478A (ja) | フェロアロイの製造 | |
KR102628195B1 (ko) | 용강의 제조 방법 | |
US4483709A (en) | Steel production method | |
JP2001040406A (ja) | 出銑大樋における溶銑の脱硫・脱珪方法および装置 | |
CA1330103C (en) | Method for smelting reduction in electric furnace | |
CN1995406A (zh) | 利用普通电弧炉冶炼超低碳钢的方法 | |
Dutta et al. | Electric Furnace Processes | |
JPH11269515A (ja) | 高炉における溶銑脱硫装置 | |
US3522356A (en) | Electric furnace corona melting process | |
JPH11217607A (ja) | 高炉における溶銑脱硫装置 | |
EP1144697A1 (en) | Reduction of chromium content in slag during melting of stainless steel in electric arc furnaces | |
Meraikib | Effects of sponge iron on the electric arc furnace operation | |
CN115572787B (zh) | 一种通过溅渣护炉还原热态炉渣的工艺方法 | |
RU2697129C2 (ru) | Способ загрузки шихты в дуговую электропечь для выплавки стали | |
US3690867A (en) | Electric-arc steelmaking |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A300 | Withdrawal of application because of no request for examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300 Effective date: 20060307 |