JP2000192065A - 油溶性炭酸塩分散体の製造方法及びそれらを含有する組成物 - Google Patents
油溶性炭酸塩分散体の製造方法及びそれらを含有する組成物Info
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- JP2000192065A JP2000192065A JP36724698A JP36724698A JP2000192065A JP 2000192065 A JP2000192065 A JP 2000192065A JP 36724698 A JP36724698 A JP 36724698A JP 36724698 A JP36724698 A JP 36724698A JP 2000192065 A JP2000192065 A JP 2000192065A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】内燃機関の清浄分散剤や金属加工油の潤滑剤と
して炭酸塩分散体が使用されているが、環境汚染の懸念
のため塩化物を使用しない炭酸塩分散体が望まれてい
た。 【解決手段】アルカリ金属、アルカリ土類金属又は亜鉛
の水酸化物と炭酸ガスを反応させる際に、高級脂肪酸と
ポリオールとのエステル化物を存在させることにより、
2次凝集を防止して高収率で高塩基度の油溶性炭酸塩分
散体を得る。
して炭酸塩分散体が使用されているが、環境汚染の懸念
のため塩化物を使用しない炭酸塩分散体が望まれてい
た。 【解決手段】アルカリ金属、アルカリ土類金属又は亜鉛
の水酸化物と炭酸ガスを反応させる際に、高級脂肪酸と
ポリオールとのエステル化物を存在させることにより、
2次凝集を防止して高収率で高塩基度の油溶性炭酸塩分
散体を得る。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は脂肪酸とポリオール
とのエステル化物、アニオン活性剤、希釈剤からなる炭
酸塩分散体を得る製造方法、炭酸塩分散体及びそれらを
含有する組成物に関する。
とのエステル化物、アニオン活性剤、希釈剤からなる炭
酸塩分散体を得る製造方法、炭酸塩分散体及びそれらを
含有する組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】炭酸塩分散体は芳香族環を持つスルフォ
ネート、フェネート、サリシレートを用いた物が主流で
ある。例えば特公告昭41−15585、特開平10−
183152に記載されている炭酸塩分散体はアルカリ
金属の塩化物、アルカリ土類金属の塩化物、塩化アンモ
ニウム等を反応助剤として用いる製造方法である。これ
らの炭酸塩分散体は従来内燃機関の清浄分散剤として多
く用いられてきたが、特開平10−226795に見ら
れるように近年金属加工油添加剤としての有用性が認め
られ使用されるに至っている。従来は塩素化パラフィン
がその性能と経済性から大量に使用されてきたが、これ
ら塩素化合物は燃焼によってダイオキシンで代表される
大気汚染物質を発生させることが認められ塩素化物の使
用を抑制する動きがある。そのため代替品の開発が望ま
れており、先の炭酸塩分散体が使用され始めた背景があ
る。
ネート、フェネート、サリシレートを用いた物が主流で
ある。例えば特公告昭41−15585、特開平10−
183152に記載されている炭酸塩分散体はアルカリ
金属の塩化物、アルカリ土類金属の塩化物、塩化アンモ
ニウム等を反応助剤として用いる製造方法である。これ
らの炭酸塩分散体は従来内燃機関の清浄分散剤として多
く用いられてきたが、特開平10−226795に見ら
れるように近年金属加工油添加剤としての有用性が認め
られ使用されるに至っている。従来は塩素化パラフィン
がその性能と経済性から大量に使用されてきたが、これ
ら塩素化合物は燃焼によってダイオキシンで代表される
大気汚染物質を発生させることが認められ塩素化物の使
用を抑制する動きがある。そのため代替品の開発が望ま
れており、先の炭酸塩分散体が使用され始めた背景があ
る。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】アルカリ金属の塩化
物、アルカリ土類金属の塩化物、塩化アンモニウム等を
用いる製造方法には以下の問題点がある。 1.塩化物の除去の困難性と塩化物の残存 2.残存塩化物による錆の発生 3.残存塩化物による燃焼時の有機塩素化合物発生 本発明者らは塩素化合物を極力減少させた炭酸塩分散体
を得るため、塩化物を使用しないで炭酸塩分散体得る研
究を重ねてきたが従来の方法から塩化物を除くと系内に
分散した炭酸塩が充分に微粒子化できず、経時的に凝集
沈降する粒子を除くために多量の廃棄物が発生するとと
もに、塩基度および収率が低くなり、経済性の低い炭酸
塩分散体しか得られないという問題が発生した。
物、アルカリ土類金属の塩化物、塩化アンモニウム等を
用いる製造方法には以下の問題点がある。 1.塩化物の除去の困難性と塩化物の残存 2.残存塩化物による錆の発生 3.残存塩化物による燃焼時の有機塩素化合物発生 本発明者らは塩素化合物を極力減少させた炭酸塩分散体
を得るため、塩化物を使用しないで炭酸塩分散体得る研
究を重ねてきたが従来の方法から塩化物を除くと系内に
分散した炭酸塩が充分に微粒子化できず、経時的に凝集
沈降する粒子を除くために多量の廃棄物が発生するとと
もに、塩基度および収率が低くなり、経済性の低い炭酸
塩分散体しか得られないという問題が発生した。
【0004】
【課題を解決するための手段】この問題を解決するべく
鋭意研究を重ねた結果、炭酸ガスと反応させ炭酸塩を生
成させる際に、系内に分散助剤として高級脂肪酸とポリ
オールとのエステル化物を存在させることにより生成し
たアルカリ金属又はアルカリ土類金属又は亜鉛の炭酸塩
が、微粒子化出来るとともに、2次凝集を抑制でき、そ
の結果、高塩基度の油溶性炭酸塩分散体が高収率で得ら
れることを見出し本発明の完成に至った。
鋭意研究を重ねた結果、炭酸ガスと反応させ炭酸塩を生
成させる際に、系内に分散助剤として高級脂肪酸とポリ
オールとのエステル化物を存在させることにより生成し
たアルカリ金属又はアルカリ土類金属又は亜鉛の炭酸塩
が、微粒子化出来るとともに、2次凝集を抑制でき、そ
の結果、高塩基度の油溶性炭酸塩分散体が高収率で得ら
れることを見出し本発明の完成に至った。
【0005】即ち、本発明は、アルカリ金属、アルカリ
土類金属又は亜鉛の水酸化物に炭酸ガスを反応させる炭
酸塩分散体を製造する際に高級脂肪酸とポリオールとの
エステル化物を存在させることを特徴とする炭酸塩分散
体の製造方法、それらの炭酸塩分散体及びそれらを含有
する組成物に関する。
土類金属又は亜鉛の水酸化物に炭酸ガスを反応させる炭
酸塩分散体を製造する際に高級脂肪酸とポリオールとの
エステル化物を存在させることを特徴とする炭酸塩分散
体の製造方法、それらの炭酸塩分散体及びそれらを含有
する組成物に関する。
【0006】以下本発明の構成について詳述する。本発
明の炭酸塩分散体は高級脂肪酸とポリオールとのエステ
ル化物の存在下に炭酸化させることを特徴としており、
アルカリ金属、アルカリ土類金属又は亜鉛の塩化物に替
えてそれらの水酸化物を使用する以外は前述の公知の方
法に述べられている様な方法を適用できる。即ち、
(1)アルカリ金属、アルカリ土類金属又は亜鉛の水酸
化物、(2)高級脂肪酸とポリオールとのエステル化
物、(3)アニオン活性剤又はそのアルカリ金属塩、ア
ルカリ土類金属塩又は亜鉛塩、(4)希釈剤及び(5)
アルコールとの混合物中に炭酸ガスを作用させアルカリ
金属、アルカリ土類金属又は亜鉛の水酸化物を炭酸化さ
せる事によって得られる。
明の炭酸塩分散体は高級脂肪酸とポリオールとのエステ
ル化物の存在下に炭酸化させることを特徴としており、
アルカリ金属、アルカリ土類金属又は亜鉛の塩化物に替
えてそれらの水酸化物を使用する以外は前述の公知の方
法に述べられている様な方法を適用できる。即ち、
(1)アルカリ金属、アルカリ土類金属又は亜鉛の水酸
化物、(2)高級脂肪酸とポリオールとのエステル化
物、(3)アニオン活性剤又はそのアルカリ金属塩、ア
ルカリ土類金属塩又は亜鉛塩、(4)希釈剤及び(5)
アルコールとの混合物中に炭酸ガスを作用させアルカリ
金属、アルカリ土類金属又は亜鉛の水酸化物を炭酸化さ
せる事によって得られる。
【0007】本発明において用いられるアルカリ金属、
アルカリ金属又は亜鉛の水酸化物は得ようとする炭酸塩
分散体の塩基度又は炭酸塩分散体中の炭酸塩含有量に応
じて増減できる。
アルカリ金属又は亜鉛の水酸化物は得ようとする炭酸塩
分散体の塩基度又は炭酸塩分散体中の炭酸塩含有量に応
じて増減できる。
【0008】全塩基価は試料1g中に含まれる全塩基成
分を中和するのに必要な塩酸又は過塩素酸と当量の水酸
化カリウムのミリグラム数と定義されている(JIS
K2501)ので、炭酸カルシウムが40%含まれる分
散体の場合の理論全塩基価は448.9(mgKOH/
g)となる。
分を中和するのに必要な塩酸又は過塩素酸と当量の水酸
化カリウムのミリグラム数と定義されている(JIS
K2501)ので、炭酸カルシウムが40%含まれる分
散体の場合の理論全塩基価は448.9(mgKOH/
g)となる。
【0009】但し、実際の分散体の場合には炭酸塩以外
にも、燐酸エステルのカルシウム塩のようにアニオンが
塩基性を示す場合があるため、炭酸塩の含有量から計算
される塩基価よりも全塩基価は高くなる場合がある。
にも、燐酸エステルのカルシウム塩のようにアニオンが
塩基性を示す場合があるため、炭酸塩の含有量から計算
される塩基価よりも全塩基価は高くなる場合がある。
【0010】また金属酸化物を水と反応させ容易に水酸
化物を得ることができる場合には、アルカリ金属、アル
カリ土類金属又は亜鉛の水酸化物の替わりに水と酸化物
を共存させるか、または酸化物を水と反応させて水酸化
物に変えてから用いることが出来る。
化物を得ることができる場合には、アルカリ金属、アル
カリ土類金属又は亜鉛の水酸化物の替わりに水と酸化物
を共存させるか、または酸化物を水と反応させて水酸化
物に変えてから用いることが出来る。
【0011】本発明において使用される高級脂肪酸は炭
素数8から34の直鎖又は分岐鎖の飽和又は不飽和又は
ヒドロキシ脂肪酸であり例えば2エチルヘキサン酸、カ
プリン酸、カプリル酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パ
ルミチン酸、ステアリン酸、アラキジン酸、ベヘン酸、
イソステアリン酸、オレイン酸、リノール酸、ガドレイ
ン酸、エルカ酸、リノレン酸、トール油脂肪酸、ひまし
油脂肪酸、ラノリン脂肪酸およびこれらの混合物などを
用いることが出来る。
素数8から34の直鎖又は分岐鎖の飽和又は不飽和又は
ヒドロキシ脂肪酸であり例えば2エチルヘキサン酸、カ
プリン酸、カプリル酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パ
ルミチン酸、ステアリン酸、アラキジン酸、ベヘン酸、
イソステアリン酸、オレイン酸、リノール酸、ガドレイ
ン酸、エルカ酸、リノレン酸、トール油脂肪酸、ひまし
油脂肪酸、ラノリン脂肪酸およびこれらの混合物などを
用いることが出来る。
【0012】ラノリン脂肪酸とは羊毛を洗浄して得られ
るウールワックスを直接又は不純物の除去等を施した後
にケン化分解によって得られる脂肪酸で、イソ脂肪酸、
アンテイソ脂肪酸、ヒドロキシ脂肪酸および直鎖脂肪酸
からなる脂肪酸である。ケン化分解して得られたラノリ
ン脂肪酸又はこれらのラノリン脂肪酸を分子蒸留するこ
とによって得られた分子蒸留ラノリン脂肪酸又は、ラノ
リン脂肪酸を溶剤によって分別した比較的融点の低いラ
ノリン脂肪酸(以下ラノリン脂肪酸Sと称する)と比較
的融点の高いラノリン脂肪酸などの誘導体を用いること
が出来る。
るウールワックスを直接又は不純物の除去等を施した後
にケン化分解によって得られる脂肪酸で、イソ脂肪酸、
アンテイソ脂肪酸、ヒドロキシ脂肪酸および直鎖脂肪酸
からなる脂肪酸である。ケン化分解して得られたラノリ
ン脂肪酸又はこれらのラノリン脂肪酸を分子蒸留するこ
とによって得られた分子蒸留ラノリン脂肪酸又は、ラノ
リン脂肪酸を溶剤によって分別した比較的融点の低いラ
ノリン脂肪酸(以下ラノリン脂肪酸Sと称する)と比較
的融点の高いラノリン脂肪酸などの誘導体を用いること
が出来る。
【0013】本発明中に用いられるポリオールとしては
例えば2から8価のポリオールであってグリセリン、エ
チレングリコール、ポリエチレングリコール、プロピレ
ングリコール、ポリプロピレングリコール、ネオペンチ
ルグリコール、トリメチロールプロパン、ペンタエリス
リトール、ジペンタエリスリトール、ソルビタン、ソル
ビット、トリペンタエリスリトールおよびこれらの混合
物を用いることが出来る。
例えば2から8価のポリオールであってグリセリン、エ
チレングリコール、ポリエチレングリコール、プロピレ
ングリコール、ポリプロピレングリコール、ネオペンチ
ルグリコール、トリメチロールプロパン、ペンタエリス
リトール、ジペンタエリスリトール、ソルビタン、ソル
ビット、トリペンタエリスリトールおよびこれらの混合
物を用いることが出来る。
【0014】高級脂肪酸とポリオールとのエステル化物
は、使用量に特に制限はないが、炭酸塩分散体中の炭酸
塩100重量部に対し、好ましくは20重量部以上、よ
り好ましくは30重量部以上を用いることによって目的
とする炭酸塩分散体を得ることができる。エステル化物
の使用量が少ない場合には生成する炭酸塩が粗大化し、
透明な分散体を得るためには遠心分離、ロカなどの後の
精製工程で粗大炭酸塩粒子を除去する必要が生じ、炭酸
塩の収率が低くなる。
は、使用量に特に制限はないが、炭酸塩分散体中の炭酸
塩100重量部に対し、好ましくは20重量部以上、よ
り好ましくは30重量部以上を用いることによって目的
とする炭酸塩分散体を得ることができる。エステル化物
の使用量が少ない場合には生成する炭酸塩が粗大化し、
透明な分散体を得るためには遠心分離、ロカなどの後の
精製工程で粗大炭酸塩粒子を除去する必要が生じ、炭酸
塩の収率が低くなる。
【0015】これは、脂肪酸とポリオールのエステル化
物が炭酸塩に吸着し、2次凝集を阻害することによって
微細な炭酸塩が得られるものと考えられる。
物が炭酸塩に吸着し、2次凝集を阻害することによって
微細な炭酸塩が得られるものと考えられる。
【0016】本発明に使用されるアニオン活性剤として
は、例えば石油アルキルスルフォン酸、石油アリールス
ルフォン酸、ジノニルナフタリンスルフォン酸、合成ジ
アルキルベンゼンスルフォン酸、フェノールスルフォン
酸とホルマリンと尿素の縮合物、ナフタレンスルフォン
酸とホルマリンと尿素の縮合物、ナフテン酸、アルキル
ポリオキシアルキレンリン酸エステル、高級脂肪酸とポ
リオールとの部分エステル化物のリン酸エステル、アル
キルポリオキシエチレンポリプロピレンリン酸エステル
及びそれらのアルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩又は
亜鉛塩から選ばれる一種以上を炭酸塩100重量部に対
し、好ましくは純アニオン分として5から80重量部を
用いることが出来る。純アニオン分とはアニオン中の活
性成分を意味し、例えば、市販スルホネート類の場合は
含有される鉱物油分を除いた純スルホネート分のことで
ある。
は、例えば石油アルキルスルフォン酸、石油アリールス
ルフォン酸、ジノニルナフタリンスルフォン酸、合成ジ
アルキルベンゼンスルフォン酸、フェノールスルフォン
酸とホルマリンと尿素の縮合物、ナフタレンスルフォン
酸とホルマリンと尿素の縮合物、ナフテン酸、アルキル
ポリオキシアルキレンリン酸エステル、高級脂肪酸とポ
リオールとの部分エステル化物のリン酸エステル、アル
キルポリオキシエチレンポリプロピレンリン酸エステル
及びそれらのアルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩又は
亜鉛塩から選ばれる一種以上を炭酸塩100重量部に対
し、好ましくは純アニオン分として5から80重量部を
用いることが出来る。純アニオン分とはアニオン中の活
性成分を意味し、例えば、市販スルホネート類の場合は
含有される鉱物油分を除いた純スルホネート分のことで
ある。
【0017】本発明に使用される希釈剤としては例えば
ノルマルヘキサン、ノルマルヘプタン、ノルマルオクタ
ン、イソオクタン、ベンゼン、トルエン、キシレン、灯
油、石油ナフサ、ミネラルスピリット、ドライソルベン
ト、パラフィン系鉱物油、ナフテン系鉱物油など、得ら
れる炭酸塩分散体をよく分散、溶解させることができる
物を使用することができる。
ノルマルヘキサン、ノルマルヘプタン、ノルマルオクタ
ン、イソオクタン、ベンゼン、トルエン、キシレン、灯
油、石油ナフサ、ミネラルスピリット、ドライソルベン
ト、パラフィン系鉱物油、ナフテン系鉱物油など、得ら
れる炭酸塩分散体をよく分散、溶解させることができる
物を使用することができる。
【0018】アルコールは反応の促進剤として有効であ
り、炭素数30個までの各種アルコール類、好ましくは
炭素数10個までのモノアルコールが使用できる。使用
量は使用したアルカリ金属、アルカリ土類金属又は亜鉛
の水酸化物1当量に対して少なくとも0.1当量を使用
するのが好ましい。
り、炭素数30個までの各種アルコール類、好ましくは
炭素数10個までのモノアルコールが使用できる。使用
量は使用したアルカリ金属、アルカリ土類金属又は亜鉛
の水酸化物1当量に対して少なくとも0.1当量を使用
するのが好ましい。
【0019】炭酸化における条件としてアルカリ金属ア
ルカリ土類金属又は亜鉛の水酸化物をそのまま使用する
ことも出来るが、予め分散機等を用い微細に分散してか
ら用いる方が好ましい。炭酸化の温度としては10から
100℃の範囲が好ましい。即ち、アルカリ金属アルカ
リ土類金属又は亜鉛の水酸化物、エステル化物、アニオ
ン活性剤、希釈剤及びアルコールとの混合系中を適当な
方法での撹拌下、炭酸ガスを作用させアルカリ金属又は
アルカリ土類金属又は亜鉛の水酸化物を炭酸化させた
後、遠心分離又はろ過によって粗大炭酸塩粒子を除去し
希釈剤を加熱又は減圧蒸留によって除去(最高加熱温度
250℃以下、減圧蒸留が好ましい)又は除去せずに目
的の炭酸塩分散体を得ることが出来る。この様にして得
られる油溶性炭酸塩分散体は従来の高塩基性炭酸塩分散
体と同等以上の防錆性、金属加工用潤滑性を示した。ま
た従来の高塩基性炭酸塩分散体と同様に内燃機関の酸性
物質中和能とスラッジ分散能が期待できる。
ルカリ土類金属又は亜鉛の水酸化物をそのまま使用する
ことも出来るが、予め分散機等を用い微細に分散してか
ら用いる方が好ましい。炭酸化の温度としては10から
100℃の範囲が好ましい。即ち、アルカリ金属アルカ
リ土類金属又は亜鉛の水酸化物、エステル化物、アニオ
ン活性剤、希釈剤及びアルコールとの混合系中を適当な
方法での撹拌下、炭酸ガスを作用させアルカリ金属又は
アルカリ土類金属又は亜鉛の水酸化物を炭酸化させた
後、遠心分離又はろ過によって粗大炭酸塩粒子を除去し
希釈剤を加熱又は減圧蒸留によって除去(最高加熱温度
250℃以下、減圧蒸留が好ましい)又は除去せずに目
的の炭酸塩分散体を得ることが出来る。この様にして得
られる油溶性炭酸塩分散体は従来の高塩基性炭酸塩分散
体と同等以上の防錆性、金属加工用潤滑性を示した。ま
た従来の高塩基性炭酸塩分散体と同様に内燃機関の酸性
物質中和能とスラッジ分散能が期待できる。
【0020】
【実施例】以下、実施例により本発明を詳細に説明す
る。
る。
【0021】実施例1 500mlのセパラブルフラスコに石油スルフォネート
カルシウム塩42g(Witco製NCP:純石油スル
フォネート分45%、鉱物油55%)、オレイン酸とペ
ンタエリスルトールとのエステル化物64.8g(水酸
基価142mgKOH/g ケン化価185mgKOH
/g 酸価4.4mgKOH/g)、消石灰(入交産業
製食添水酸化カルシウム)52g、トルエン100m
l、メタノール10mlを入れる。次に室温下(25
℃)で、この混合物に炭酸ガスを毎分200mlの割合
で吹き込み反応させた。この反応液にトルエン500m
lを加え円沈管式遠心分離器(形式:國産製H−100
B)を用い毎分3500回転で10分間遠心分離した。
得られた上澄み液を減圧下で加熱してトルエンを除去
し、全塩基価が380mgKOH/gの透明な炭酸カル
シウム分散体160.2gを得た。この炭酸塩分散体の
対理論収率は90.5%であった。遠心分離した重液を
乾燥させた後その重量を測定すると16.5gでありこ
の乾燥物は炭酸カルシウムであった。従って理論生成炭
酸カルシウムの23.9%しか排出されていなかった。
この炭酸塩分散体の組成は純石油スルホネートCa分
(11.8%)、鉱物油(14.5%)、ポリオールエ
ステル(40.4%)、炭酸カルシウム(33.3%)
であり、鉱物油で10%に希釈、放置しても沈殿物を全
く生じなかった。
カルシウム塩42g(Witco製NCP:純石油スル
フォネート分45%、鉱物油55%)、オレイン酸とペ
ンタエリスルトールとのエステル化物64.8g(水酸
基価142mgKOH/g ケン化価185mgKOH
/g 酸価4.4mgKOH/g)、消石灰(入交産業
製食添水酸化カルシウム)52g、トルエン100m
l、メタノール10mlを入れる。次に室温下(25
℃)で、この混合物に炭酸ガスを毎分200mlの割合
で吹き込み反応させた。この反応液にトルエン500m
lを加え円沈管式遠心分離器(形式:國産製H−100
B)を用い毎分3500回転で10分間遠心分離した。
得られた上澄み液を減圧下で加熱してトルエンを除去
し、全塩基価が380mgKOH/gの透明な炭酸カル
シウム分散体160.2gを得た。この炭酸塩分散体の
対理論収率は90.5%であった。遠心分離した重液を
乾燥させた後その重量を測定すると16.5gでありこ
の乾燥物は炭酸カルシウムであった。従って理論生成炭
酸カルシウムの23.9%しか排出されていなかった。
この炭酸塩分散体の組成は純石油スルホネートCa分
(11.8%)、鉱物油(14.5%)、ポリオールエ
ステル(40.4%)、炭酸カルシウム(33.3%)
であり、鉱物油で10%に希釈、放置しても沈殿物を全
く生じなかった。
【0022】実施例2 500mlのセパラブルフラスコにトール油脂肪酸とジ
エチレングリコールのエステル化物のリン酸エステル1
4.2g、ラノリン脂肪酸Sとトリメチロールプロパン
のエステル化物57g(水酸基価60mgKOH/g:
日本精化製ネオコートEPS−201A)、40℃の動
粘度が21.6mm2/Sの鉱物油(富士興産製フッコ
ールNT−100)35.6g、実施例1で使用した消
石灰52g、トルエン100ml、メタノール10ml
を実施例1と同操作を行って全塩基価が370.3mg
KOH/gの炭酸カルシウムを分散させた炭酸塩分散体
158gを得た。この炭酸塩分散体の対理論収率は8
9.3%であり理論生成炭酸カルシウムの27.1%し
か排出されていなかった。この分散体の組成はトール油
脂肪酸とジエチレングリコールのエステル化物のリン酸
エステルCa(9.0%)、鉱物油(22.5%)、ポ
リオールエステル(36.1%)、炭酸カルシウム(3
2.4%)であり、鉱物油で10%に希釈、放置しても
沈殿物を全く生じなかった。
エチレングリコールのエステル化物のリン酸エステル1
4.2g、ラノリン脂肪酸Sとトリメチロールプロパン
のエステル化物57g(水酸基価60mgKOH/g:
日本精化製ネオコートEPS−201A)、40℃の動
粘度が21.6mm2/Sの鉱物油(富士興産製フッコ
ールNT−100)35.6g、実施例1で使用した消
石灰52g、トルエン100ml、メタノール10ml
を実施例1と同操作を行って全塩基価が370.3mg
KOH/gの炭酸カルシウムを分散させた炭酸塩分散体
158gを得た。この炭酸塩分散体の対理論収率は8
9.3%であり理論生成炭酸カルシウムの27.1%し
か排出されていなかった。この分散体の組成はトール油
脂肪酸とジエチレングリコールのエステル化物のリン酸
エステルCa(9.0%)、鉱物油(22.5%)、ポ
リオールエステル(36.1%)、炭酸カルシウム(3
2.4%)であり、鉱物油で10%に希釈、放置しても
沈殿物を全く生じなかった。
【0023】実施例3 500mlのセパラブルフラスコにナフテン酸26.4
g(大和油脂工業製NY−220、酸価220)、ガド
レイン酸とペンタエリスリトールのエステル化物79.
2g(水酸基価140mgKOH/g、ケン化価170
mgKOH/g、酸価0.9mgKOH/g)、実施例
2で使用した鉱物油26.4g、実施例1で使用した消
石灰69.5g(この内3.5gはナフテン酸を中和す
るのに使用される)、トルエン200ml、メタノール
12mlを入れ実施例1と同操作を行って全塩基価が3
98.5mgKOH/gの炭酸カルシウムを分散させた
炭酸塩分散体186.9gを得た。この炭酸塩分散体の
対理論収率は83.8%であり理論生成炭酸カルシウム
の40.4%しか排出されていなかった。この分散体の
組成はナフテン酸Ca(15.1)%)、ガドレイン酸
とペンタエリスリトールのエステル化物(42.3
%)、鉱物油(14.1%)炭酸カルシウム(28.5
%)であり、鉱物油で10%に希釈、放置しても沈殿物
を全く生じなかった。
g(大和油脂工業製NY−220、酸価220)、ガド
レイン酸とペンタエリスリトールのエステル化物79.
2g(水酸基価140mgKOH/g、ケン化価170
mgKOH/g、酸価0.9mgKOH/g)、実施例
2で使用した鉱物油26.4g、実施例1で使用した消
石灰69.5g(この内3.5gはナフテン酸を中和す
るのに使用される)、トルエン200ml、メタノール
12mlを入れ実施例1と同操作を行って全塩基価が3
98.5mgKOH/gの炭酸カルシウムを分散させた
炭酸塩分散体186.9gを得た。この炭酸塩分散体の
対理論収率は83.8%であり理論生成炭酸カルシウム
の40.4%しか排出されていなかった。この分散体の
組成はナフテン酸Ca(15.1)%)、ガドレイン酸
とペンタエリスリトールのエステル化物(42.3
%)、鉱物油(14.1%)炭酸カルシウム(28.5
%)であり、鉱物油で10%に希釈、放置しても沈殿物
を全く生じなかった。
【0024】実施例4 1Lのセパラブルフラスコに実施例1で使用したオレイ
ン酸とペンタエリスリトールエステルのエステル化物1
30g、石油スルフォネートカルシウム塩(松村石油製
550Ca:純石油スルフォネート分50%、鉱物油5
0%)130g、実施例2で使用した鉱物油64.8
g、実施例1で使用した消石灰160g、トルエン40
0ml、メタノール25mlを入れ実施例1と同様に反
応した反応液にトルエン1Lを加え実施例1と同様な操
作を行い全塩基価が410mgKOH/gの炭酸カルシ
ウムを分散させた炭酸塩分散体490gを得た。この炭
酸塩分散体の対理論収率は90.4%であり理論生成炭
酸カルシウムの23.7%しか排出されていなかった。
この分散体の組成は純石油スルホネートCa(13.2
%)、鉱物油(26.5%)、ポリオールエステル(
26.5%)、炭酸カルシウム(33.8%)であり、
鉱物油で10%に希釈、放置しても沈殿物を全く生じな
かった。
ン酸とペンタエリスリトールエステルのエステル化物1
30g、石油スルフォネートカルシウム塩(松村石油製
550Ca:純石油スルフォネート分50%、鉱物油5
0%)130g、実施例2で使用した鉱物油64.8
g、実施例1で使用した消石灰160g、トルエン40
0ml、メタノール25mlを入れ実施例1と同様に反
応した反応液にトルエン1Lを加え実施例1と同様な操
作を行い全塩基価が410mgKOH/gの炭酸カルシ
ウムを分散させた炭酸塩分散体490gを得た。この炭
酸塩分散体の対理論収率は90.4%であり理論生成炭
酸カルシウムの23.7%しか排出されていなかった。
この分散体の組成は純石油スルホネートCa(13.2
%)、鉱物油(26.5%)、ポリオールエステル(
26.5%)、炭酸カルシウム(33.8%)であり、
鉱物油で10%に希釈、放置しても沈殿物を全く生じな
かった。
【0025】実施例5 1Lのセパラブルフラスコにラノリン脂肪酸Sとペンタ
エリスリトールとのエステル化物(水酸基価が30mg
KOH/g、日本精化製ネオコートEPSー30)13
0g、実施例4で使用した石油スルフォネートカルシウ
ム塩130g、実施例2で使用した鉱物油64.8g、
実施例1で使用した消石灰160g、トルエン400m
l、メタノール25mlを入れ実施例4と同様な操作を
行い全塩基価が399mgKOH/gの炭酸カルシウム
を分散させた炭酸塩分散体462gを得た。この炭酸塩
分散体の対理論収率は85.3%であり理論生成炭酸カ
ルシウムの36.7%しか排出されていなかった。この
分散体の組成は純石油スルホネートCa(14.1
%)、鉱物油(28.1%)、ラノリン脂肪酸Sとペン
タエリスリトールとのエステル化物(28.1%)、炭
酸カルシウム(29.7%)であり、鉱物油で10%に
希釈、放置しても沈殿物を全く生じなかった。
エリスリトールとのエステル化物(水酸基価が30mg
KOH/g、日本精化製ネオコートEPSー30)13
0g、実施例4で使用した石油スルフォネートカルシウ
ム塩130g、実施例2で使用した鉱物油64.8g、
実施例1で使用した消石灰160g、トルエン400m
l、メタノール25mlを入れ実施例4と同様な操作を
行い全塩基価が399mgKOH/gの炭酸カルシウム
を分散させた炭酸塩分散体462gを得た。この炭酸塩
分散体の対理論収率は85.3%であり理論生成炭酸カ
ルシウムの36.7%しか排出されていなかった。この
分散体の組成は純石油スルホネートCa(14.1
%)、鉱物油(28.1%)、ラノリン脂肪酸Sとペン
タエリスリトールとのエステル化物(28.1%)、炭
酸カルシウム(29.7%)であり、鉱物油で10%に
希釈、放置しても沈殿物を全く生じなかった。
【0026】実施例6 1Lのセパラブルフラスコに実施例1で使用した石油ス
ルフォネートカルシウム塩7g、オレイン酸とペンタエ
リスルトールとのエステル化物99.7g(水酸基価7
3mgKOH/g、ケン化価180mgKOH/g、酸
価1.3mgKOH/g)、実施例1で使用した消石灰
52g、トルエン100ml、メタノール10mlを入
れ実施例1と同操作を行って全塩基価が331mgKO
H/gの炭酸カルシウムを分散させた炭酸塩分散体15
1.3gを得た。この炭酸塩分散体の対理論収率は8
5.5%であり理論生成炭酸カルシウムの36.5%し
か排出されていなかった。この分散体の組成は純石油ス
ルホネートCa(2.1%)、鉱物油(2.5%)、オ
レイン酸とペンタエリスルトールとのエステル化物(6
5.9%)、炭酸カルシウム(29.5%)であり、鉱
物油で10%に希釈、放置しても沈殿物を全く生じなか
った。
ルフォネートカルシウム塩7g、オレイン酸とペンタエ
リスルトールとのエステル化物99.7g(水酸基価7
3mgKOH/g、ケン化価180mgKOH/g、酸
価1.3mgKOH/g)、実施例1で使用した消石灰
52g、トルエン100ml、メタノール10mlを入
れ実施例1と同操作を行って全塩基価が331mgKO
H/gの炭酸カルシウムを分散させた炭酸塩分散体15
1.3gを得た。この炭酸塩分散体の対理論収率は8
5.5%であり理論生成炭酸カルシウムの36.5%し
か排出されていなかった。この分散体の組成は純石油ス
ルホネートCa(2.1%)、鉱物油(2.5%)、オ
レイン酸とペンタエリスルトールとのエステル化物(6
5.9%)、炭酸カルシウム(29.5%)であり、鉱
物油で10%に希釈、放置しても沈殿物を全く生じなか
った。
【0027】実施例7 500mlのセパラブルフラスコに実施例4で使用した
石油スルフォネートカルシウム塩24g、実施例6で使
用したオレイン酸とペンタエリスルトールとのエステル
化物6g、実施例1で使用した消石灰39g、実施例2
で使用した鉱物油50g、トルエン150ml、メタノ
ール10mlを入れ実施例1と同操作を行って全塩基価
が225mgKOH/gの炭酸カルシウムを分散させた
炭酸塩分散体100gを得た。この炭酸塩分散体の対理
論収率は75.2%であり理論生成炭酸カルシウムの3
7.7%を含む炭酸カルシウム分散体が得られた。この
分散体の組成は純石油スルホネートCa(12%)、鉱
物油(62%)、オレイン酸とペンタエリスルトールと
のエステル化物(6%)、炭酸カルシウム(20%)で
あり、鉱物油で10%に希釈、放置しても沈殿物を全く
生じなかった。
石油スルフォネートカルシウム塩24g、実施例6で使
用したオレイン酸とペンタエリスルトールとのエステル
化物6g、実施例1で使用した消石灰39g、実施例2
で使用した鉱物油50g、トルエン150ml、メタノ
ール10mlを入れ実施例1と同操作を行って全塩基価
が225mgKOH/gの炭酸カルシウムを分散させた
炭酸塩分散体100gを得た。この炭酸塩分散体の対理
論収率は75.2%であり理論生成炭酸カルシウムの3
7.7%を含む炭酸カルシウム分散体が得られた。この
分散体の組成は純石油スルホネートCa(12%)、鉱
物油(62%)、オレイン酸とペンタエリスルトールと
のエステル化物(6%)、炭酸カルシウム(20%)で
あり、鉱物油で10%に希釈、放置しても沈殿物を全く
生じなかった。
【0028】比較例1 500mlのセパラブルフラスコに実施例1で使用した
石油スルフォネートカルシウム塩136g、トルエン1
00ml、メタノール10ml、実施例1で使用した消
石灰52gを混合する。実施例1と同様な操作を行い全
塩基価が25mgKOH/gを持つ炭酸カルシウムを分
散させた炭酸塩分散体136.7gを得た。遠心分離操
作によって除去された重液を乾燥後その重量を測定した
ところ69.3gでありそれは大粒子の炭酸カルシウム
であった。即ち理論炭酸カルシウム生成量の98.7%
が分散体中に残らずに排出されてしまった。この分散体
の組成は純石油スルホネートCa(44.7%)、鉱物
油(54.6%)、、炭酸カルシウム(0.7%)であ
った。
石油スルフォネートカルシウム塩136g、トルエン1
00ml、メタノール10ml、実施例1で使用した消
石灰52gを混合する。実施例1と同様な操作を行い全
塩基価が25mgKOH/gを持つ炭酸カルシウムを分
散させた炭酸塩分散体136.7gを得た。遠心分離操
作によって除去された重液を乾燥後その重量を測定した
ところ69.3gでありそれは大粒子の炭酸カルシウム
であった。即ち理論炭酸カルシウム生成量の98.7%
が分散体中に残らずに排出されてしまった。この分散体
の組成は純石油スルホネートCa(44.7%)、鉱物
油(54.6%)、、炭酸カルシウム(0.7%)であ
った。
【0029】比較例2 500mlのセパラブルフラスコに実施例2で使用した
トール油脂肪酸とジエチレングリコールとのエステル化
物のリン酸エステル68g、実施例2で使用した鉱物油
68g、トルエン100ml、メタノール10ml、実
施例1で使用した消石灰55.4g(このうち3.4g
は酸価76であるトール油脂肪酸とジエチレングリコー
ルのエステル化物のリン酸エステルを中和するのに必要
な量である)を入れ、実施例1と同様な方法で炭酸化、
遠心分離を行い、全塩基価が25mgKOH/gの炭酸
カルシウムを分散させた炭酸塩分散体139gを得た。
この炭酸塩分散体の対理論収率は67.4%であり理論
生成炭酸カルシウムの95.7%が排出されていた。こ
の分散体の組成はトール油脂肪酸とジエチレングリコー
ルのエステル化物の燐酸エステルCa(48.9%)、
鉱物油(48.9%)、炭酸カルシウム(2.2%)で
あった。
トール油脂肪酸とジエチレングリコールとのエステル化
物のリン酸エステル68g、実施例2で使用した鉱物油
68g、トルエン100ml、メタノール10ml、実
施例1で使用した消石灰55.4g(このうち3.4g
は酸価76であるトール油脂肪酸とジエチレングリコー
ルのエステル化物のリン酸エステルを中和するのに必要
な量である)を入れ、実施例1と同様な方法で炭酸化、
遠心分離を行い、全塩基価が25mgKOH/gの炭酸
カルシウムを分散させた炭酸塩分散体139gを得た。
この炭酸塩分散体の対理論収率は67.4%であり理論
生成炭酸カルシウムの95.7%が排出されていた。こ
の分散体の組成はトール油脂肪酸とジエチレングリコー
ルのエステル化物の燐酸エステルCa(48.9%)、
鉱物油(48.9%)、炭酸カルシウム(2.2%)で
あった。
【0030】比較例3 500mlのセパラブルフラスコに実施例3で使用した
ナフテン酸68g、比較例2で使用した鉱物油68g、
消石灰59.6g(この内7.6gはナフテン酸の中和
に使用される)、トルエン100ml、メタノール10
mlを入れ比較例1と同様な操作を行ない総塩基価が4
1mgKOH/gの炭酸カルシウムを分散させた炭酸塩
分散体141gを得た。この炭酸塩分散体の対理論収率
は68.3%であり理論生成炭酸カルシウムの92.8
%が排出されていた。この分散体の組成はナフテン酸C
a(48.2%)、鉱物油(48.2%)、炭酸カルシ
ウム(3.6%)であった。
ナフテン酸68g、比較例2で使用した鉱物油68g、
消石灰59.6g(この内7.6gはナフテン酸の中和
に使用される)、トルエン100ml、メタノール10
mlを入れ比較例1と同様な操作を行ない総塩基価が4
1mgKOH/gの炭酸カルシウムを分散させた炭酸塩
分散体141gを得た。この炭酸塩分散体の対理論収率
は68.3%であり理論生成炭酸カルシウムの92.8
%が排出されていた。この分散体の組成はナフテン酸C
a(48.2%)、鉱物油(48.2%)、炭酸カルシ
ウム(3.6%)であった。
【0031】比較例4 500mlのセパラブルフラスコに実施例1で使用した
石油スルフォネートカルシウム塩42g、消石灰52
g、トルエン100ml、メタノール10mlを入れ
る。次に室温下(25℃)で、この混合物に炭酸ガスを
毎分200mlの割合で吹き込み反応させた。この反応
液にオレイン酸とペンタエリスルトールとのエステル化
物64.8g(水酸基価150mgKOH/g)、トル
エン500mlを加え円沈管式遠心分離器を用い毎分3
500回転で10分間遠心した。得られた上澄み液を実
施例1と同様な操作を行い、全塩基価が38mgKOH
/gの透明な炭酸カルシウムを分散させた炭酸塩分散体
110.4gを得た。この炭酸塩分散体の対理論収率は
62.3%であった。 この操作によって得られた理論
生成炭酸カルシウムの95%が排出されたことになりエ
ステルを反応後に添加しても効果が無いことが分かっ
た。この分散体の組成は純石油スルフォネートCa(1
7.1%)、鉱物油(20.9%)、オレイン酸とペン
タエリスリトールとのエステル化物(58.7%)、炭
酸カルシウム(3.3%)であった。
石油スルフォネートカルシウム塩42g、消石灰52
g、トルエン100ml、メタノール10mlを入れ
る。次に室温下(25℃)で、この混合物に炭酸ガスを
毎分200mlの割合で吹き込み反応させた。この反応
液にオレイン酸とペンタエリスルトールとのエステル化
物64.8g(水酸基価150mgKOH/g)、トル
エン500mlを加え円沈管式遠心分離器を用い毎分3
500回転で10分間遠心した。得られた上澄み液を実
施例1と同様な操作を行い、全塩基価が38mgKOH
/gの透明な炭酸カルシウムを分散させた炭酸塩分散体
110.4gを得た。この炭酸塩分散体の対理論収率は
62.3%であった。 この操作によって得られた理論
生成炭酸カルシウムの95%が排出されたことになりエ
ステルを反応後に添加しても効果が無いことが分かっ
た。この分散体の組成は純石油スルフォネートCa(1
7.1%)、鉱物油(20.9%)、オレイン酸とペン
タエリスリトールとのエステル化物(58.7%)、炭
酸カルシウム(3.3%)であった。
【0032】実験例1 実施例1〜6の炭酸塩分散体、比較例2の分散体および
WITCO製高塩基性カルシウムスルホネート(C−4
00C)とを40℃の粘度が32mm2/Sの鉱物油で
50%に希釈し、曽田式4球試験機(JIS K251
9)にて焼き付き荷重、摩耗痕を測定した。試験条件お
よび結果を表1に示す。本発明の炭酸塩分散体は何れも
0.7KPa以上、0.6〜0.7mmの摩耗痕を示
し、同等の性能を示した。
WITCO製高塩基性カルシウムスルホネート(C−4
00C)とを40℃の粘度が32mm2/Sの鉱物油で
50%に希釈し、曽田式4球試験機(JIS K251
9)にて焼き付き荷重、摩耗痕を測定した。試験条件お
よび結果を表1に示す。本発明の炭酸塩分散体は何れも
0.7KPa以上、0.6〜0.7mmの摩耗痕を示
し、同等の性能を示した。
【0033】
【表1】
【0034】実験例2 実施例1から6の炭酸塩分散体、C−400C100重
量部に対し硫化ラード油(大日本インク製ダイルーブS
−290 不活性タイプ)100重量部、実験例1で使
用した鉱物油200重量部を添加し組成物を調製し高速
4球試験機にて溶着焼き付き荷重能を測定した。試験条
件および結果を表2に示す。本発明の炭酸塩分散体はC
−400Cと同等以上の潤滑能を示し、潤滑油および加
工油添加剤として優れた性能をもつことは明らかであ
る。
量部に対し硫化ラード油(大日本インク製ダイルーブS
−290 不活性タイプ)100重量部、実験例1で使
用した鉱物油200重量部を添加し組成物を調製し高速
4球試験機にて溶着焼き付き荷重能を測定した。試験条
件および結果を表2に示す。本発明の炭酸塩分散体はC
−400Cと同等以上の潤滑能を示し、潤滑油および加
工油添加剤として優れた性能をもつことは明らかであ
る。
【0035】
【表2】
【0036】実験例3 実施例1〜6の炭酸塩分散体とC−400Cを用いて防
錆油組成物を調整し防錆試験を行った。試験条件および
結果を表3に示す。本発明の炭酸塩分散体はポリオール
エステルの効果でC−400Cに比べてより優れた防錆
能を有する。
錆油組成物を調整し防錆試験を行った。試験条件および
結果を表3に示す。本発明の炭酸塩分散体はポリオール
エステルの効果でC−400Cに比べてより優れた防錆
能を有する。
【0037】
【表3】
【0038】 錆発生度の評価方法(JIS K2246に準拠) 錆発生0 A級 錆発生1〜10 B級 錆発生11〜25 C級 錆発生26〜50 D級 錆発生51〜100 E級
【0039】
【発明の効果】実施例1〜6で得られた炭酸塩分散体は
収率も高く、炭酸塩の濃度は20%以上、塩基度225
mgKOH/g以上の高塩基性であり、いずれも透明
で、鉱物油で10%に希釈、放置しても沈殿物を全く生
じなかった。それに対して比較例1〜4では塩基度は2
5〜41mgKOH/gと低く、炭酸塩濃度はわずか
0.7〜3.6%、炭酸塩の理論生成量に対する収率は
わずか5%にすぎなかった。この程度の塩基度では不十
分であることは明らかである。また本発明で得られる炭
酸塩分散体は従来の炭酸塩分散体と同等以上に、防錆作
用を示し、金属加工用潤滑剤としても充分使用できる性
能を持っていることが分かる。以上のように脂肪酸とポ
リオールとのエステル化物の存在下で炭酸化することに
より効率よく塩基度の高い油溶性炭酸塩分散体を得るこ
とが出来る。
収率も高く、炭酸塩の濃度は20%以上、塩基度225
mgKOH/g以上の高塩基性であり、いずれも透明
で、鉱物油で10%に希釈、放置しても沈殿物を全く生
じなかった。それに対して比較例1〜4では塩基度は2
5〜41mgKOH/gと低く、炭酸塩濃度はわずか
0.7〜3.6%、炭酸塩の理論生成量に対する収率は
わずか5%にすぎなかった。この程度の塩基度では不十
分であることは明らかである。また本発明で得られる炭
酸塩分散体は従来の炭酸塩分散体と同等以上に、防錆作
用を示し、金属加工用潤滑剤としても充分使用できる性
能を持っていることが分かる。以上のように脂肪酸とポ
リオールとのエステル化物の存在下で炭酸化することに
より効率よく塩基度の高い油溶性炭酸塩分散体を得るこ
とが出来る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) // C10N 10:02 10:04 30:12 40:20 40:25 Fターム(参考) 4G047 AA03 AB02 AC03 4G076 AA16 AB06 BA30 BB08 CA14 CA23 DA23 4H104 AA06R AA12R AA13C BB34A BB35A EB02 EB04 FA01 FA02 LA06 LA20 PA21 PA41
Claims (5)
- 【請求項1】アルカリ金属、アルカリ土類金属又は亜鉛
の水酸化物と炭酸ガスを反応させ、これらの油溶性炭酸
塩分散体を製造する際に高級脂肪酸とポリオールとのエ
ステル化物を存在させることを特徴とする油溶性炭酸塩
分散体の製造方法。 - 【請求項2】請求項1に記載のエステル化物が、脂肪酸
の炭素数が8から34の直鎖又は分岐鎖の飽和又は不飽
和又はヒドロキシ脂肪酸からなる群から選ばれる一種以
上の高級脂肪酸と2から8価のポリオールからなる群か
ら選ばれる一種以上のポリオールとを反応させて得られ
るエステル化物である請求項1に記載の油溶性炭酸塩分
散体の製造方法。 - 【請求項3】アルカリ金属、アルカリ土類金属又は亜鉛
の水酸化物、高級脂肪酸とポリオールとのエステル化
物、アニオン活性剤又はそのアルカリ金属塩、アルカリ
土類金属塩又は亜鉛塩、希釈剤及びアルコールとの混合
物中に炭酸ガスを作用させアルカリ金属、アルカリ土類
金属又は亜鉛の水酸化物を炭酸化させる請求項1に記載
の油溶性炭酸塩分散体の製造方法 - 【請求項4】請求項1〜4によって得られる油溶性炭酸
塩分散体 - 【請求項5】請求項4記載の油溶性炭酸塩分散体を鉱物
油または合成油に0.1〜60重量%含有する組成物。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP36724698A JP2000192065A (ja) | 1998-12-24 | 1998-12-24 | 油溶性炭酸塩分散体の製造方法及びそれらを含有する組成物 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP36724698A JP2000192065A (ja) | 1998-12-24 | 1998-12-24 | 油溶性炭酸塩分散体の製造方法及びそれらを含有する組成物 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2000192065A true JP2000192065A (ja) | 2000-07-11 |
Family
ID=18488841
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP36724698A Pending JP2000192065A (ja) | 1998-12-24 | 1998-12-24 | 油溶性炭酸塩分散体の製造方法及びそれらを含有する組成物 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2000192065A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2006182809A (ja) * | 2004-12-24 | 2006-07-13 | Sumitomo Metal Ind Ltd | 冷間塑性加工用潤滑剤組成物及びそれを用いた冷間塑性加工方法 |
-
1998
- 1998-12-24 JP JP36724698A patent/JP2000192065A/ja active Pending
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2006182809A (ja) * | 2004-12-24 | 2006-07-13 | Sumitomo Metal Ind Ltd | 冷間塑性加工用潤滑剤組成物及びそれを用いた冷間塑性加工方法 |
JP4611014B2 (ja) * | 2004-12-24 | 2011-01-12 | 住友金属工業株式会社 | 冷間塑性加工用潤滑剤組成物及びそれを用いた冷間塑性加工方法 |
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