JP2000185074A - 液漏れ防止機能を有する後方延長部付き生理用ナプキン - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 （修正有） 【課題】 ナプキンの後方部が着用者の体、特に臀部の
溝により適合して漏れを防ぐ生理用ナプキンを提供す
る。 【解決手段】 生理用ナプキン２０は、二つの対向する
縦端３０，３２、液体吸収セクション２２の前部を形成
する第一の横端２６及び第二の横端のある液体吸収セク
ションを有する。液体吸収セクションは、液体透過性カ
バー層４２、液体不透過性バリヤ層５０及びカバー層と
バリヤ層の間にある吸収性層４８を有する。ナプキンは
さらに液体吸収セクションと一体の液体阻止セクション
２４を有し、その液体阻止セクションは、着用者の臀部
の溝を覆う。液体阻止セクションは、着用者がナプキン
を使用するとき着用者の体から離れた方を面する外面を
有し、外面は接着剤がない。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】この発明は、体滲出物を吸収
するための物品に関し、特に、とりわけ着用者が水平姿
勢になる夜間、後端からの漏れを減少させる生理用ナプ
キンに関する。

【０００２】

【従来の技術および発明が解決しようとする課題】従来
の生理用ナプキンを夜間着用すると、重力により臀部の
方へ月経血液が流れ後端部が漏れ易かった。（この問題
は着用者が起立していてる昼間に生じる可能性は低い。
起立状態では、月経血液は重力によりナプキンのカバー
層を浸透して吸収層に移動し、吸収層で永続的に保持さ
れるからである。）夜間の漏れを防ぐために、製造者
は、後端付近での吸収力を高めるような特別のデザイン
のナプキンを開発してきた。特に、このようなナプキン
は、長く幾らか幅広で月経血液を捕らえるのにより大き
な表面積を有する。このアプローチの背後にある理論
は、自由液体は着用者の体又はカバー層に沿って臀部の
方へ流れるので、この液体は昼間使用のためにデザイン
された（昼用）物品では吸収されず、夜間使用のために
デザインされた（夜用）物品の後方延長部に吸収される
というものである。従って、漏れの可能性は減少する。

【０００３】夜用生理用ナプキンは昼用生理用ナプキン
と比較すると後端での漏れの可能性は減るが、夜間での
漏れはやはり生じる。一つの問題は、吸収する滲出液が
ナプキンのカバー層に沿って流れ着用者の臀部の溝によ
り形成されるギャップに入ることである。従来のナプキ
ンは全て体に対して比較的平らとなるようにデザインさ
れているので、従来のナプキンではこの問題に対処する
ことはできない。さらに、従来のナプキンは全て衣服対
向面の後端に接着部がある。特にこの接着部は、一般に
ナプキンを下着に確実に保持して、ナプキンが臀部の形
状（例えば、臀部の溝）に適合するのを妨げる。

【０００４】従来の夜用生理用品の他の欠点は、理想的
な快適さに至らないことである。この点に関して、少な
くとも何人かの消費者は、この製品に対して、大きな後
方延長部が存在しているため、過度にかさばり、不快で
あり、下着に装着しにくいと感じている。

【０００５】さらに、製造の観点からは、従来の夜用デ
ザインは、効率的ではあるが、後方延長部を製造するの
により多くの原料物質を必要とするので昼用デザインよ
りも製造コストが高価になる。

【０００６】前述したように、この工業分野では、特に
着用者が水平姿勢にあるとき、後端での漏れの保護を高
めた生理用ナプキンを開発することが必要とされてい
る。また、着用者にとってより快適であり、従来の昼用
生理用ナプキンより製造コストが安い、夜用生理用ナプ
キンを開発することが必要とされている。

【０００７】

【課題を解決するための手段】本発明の目的は、改善さ
れた、夜用生理用ナプキンを提供することである。

【０００８】本発明の他の目的は、ナプキンの後方部に
おいて従来のデザインよりも着用者の体（特に臀部の
溝）により適合する夜用生理用ナプキンを提供すること
である。

【０００９】本発明の他の目的は、吸収性物質とその能
力をより効率的に使用する夜用生理用ナプキンを提供す
ることである。

【００１０】本発明の他の目的は、従来の夜用ナプキン
デザインよりかなり製造コストの安い夜用生理用ナプキ
ンを提供することである。

【００１１】本発明の概要を説明すると、本発明は、体
滲出液を吸収する液体吸収セクションと、液体吸収セク
ションと一体化した液体阻止セクションを有する生理用
ナプキンであって、（Ａ）液体吸収セクションは以下の
ものを有し、（ｉ）二つの対向する縦端、（ｉｉ）液体
吸収セクションの前部を形成する第一の横端、（ｉｉ
ｉ）第一の横端に対向し、液体吸収セクションの後部を
形成する第二の横端、（ｉｖ）仮想縦中央線、及び
（ｖ）仮想横中央線、さらに、液体吸収セクションは以
下のものを含み、（ｉ）着用者がナプキンを使用すると
き着用者の体に面する外面を有する液体透過性カバー
層、（ｉｉ）着用者がナプキンを使用するとき着用者の
体から離れた方を面する外面を有する液体不透過性バリ
ヤ層、（ｉｉｉ）カバー層とバリヤ層の直ぐ側にある吸
収性層、及び（ｉｖ）バリヤ層の外面にあり、着用者が
ナプキンを使用するとき着用者の下着に液体吸収セクシ
ョンを取り外し可能に接着できる接着物質、（Ｂ）液体
阻止セクションは、液体吸収セクションの第二の横端か
ら十分な距離だけ後方に突出し、液体吸収セクションが
実質的に着用者の膣開口と並ぶとき、着用者の臀部の溝
を少なくとも一部覆い、液体阻止セクションは、着用者
がナプキンを使用するとき着用者の体から離れた方を面
する外面を有し、外面は実質的に接着剤がない生理用ナ
プキンを提供する。

【００１２】液体吸収セクション 本発明において、液体吸収セクションとは、従来の標準
的な非夜用生理用ナプキンの本体に類似するものであ
る。これは、着用者の膣開口と並び又はその全て又はそ
の大部分を覆うナプキンの一部である。好ましくは、ナ
プキンの液体吸収セクションは端の丸いほぼ長方形であ
る。物品がこのような形状であるとき、第一の横端及び
第二の横端は短い対向するサイドであり、ほぼ弓形であ
る。第一の横端は液体吸収セクションの前部、即ち、ナ
プキンを使用するとき通常着用者の体の前側にある液体
吸収セクションの部分を形成する。第一の端と対向する
のが第二の端である。第二の端は液体吸収セクションの
後部、即ち、ナプキンを使用するとき通常着用者の体の
後側にある液体吸収セクションの部分を形成する。

【００１３】第一の縦端及び第二の縦端は長い対向する
サイドであり、ほぼ直線か少し弓形である。しかし、こ
のようなサイドの形は本発明にとって重要ではなく、横
端も縦端も弓形でも直線でもよい。液体吸収セクション
が正方形、平行四角形又は他の多角形の物品、さらに楕
円、砂時計形又は犬骨形の物品ですら全て本発明の範囲
に含まれるので、液体吸収セクションがほぼ長方形であ
ることも重要ではない。このような場合（即ち、液体吸
収セクションが長方形でない場合）、液体吸収セクショ
ンの縦端は本体の他の対向する端と比べて比較的長さの
長い対向する端であると考えられる。このような決定が
不可能なときは、いずれかの対向する一対の端を縦端と
考えてもよく、又は極端な場合、いずれかの二つの端の
対向する部分を縦端と考えてもよい。

【００１４】ほとんどのナプキンでは、ナプキンの縦中
央線は、縦端から等距離のナプキンの中間部に沿って長
手方向に延びる仮想線である。縦中央線はナプキンをほ
ぼ鏡像の半分に二分する。従って、着用者がナプキンを
使用すると、その縦中央線は着用者の矢状方向面とほぼ
平行であり又はそこに位置する。同様に、ほとんどのナ
プキンでは、横中央線は物品を横方向に横切る仮想線で
あり、典型的には、常にではないが、横端から等距離に
ある。従って、横中央線は縦中央線と垂直である。物品
がフラップを有するとき（後述する）、横中央線はフラ
ップを二分する縦中央線と垂直な線である。

【００１５】好ましくは、液体吸収セクションは、重ね
て一体化した少なくとも３つの独立した層を含む。しか
し、液体吸収セクションが３層を含むだけのナプキンに
限定されない。多くの追加の従来の層及び／又は他の構
造体が存在してもよく、これらは全て本発明の範囲内に
ある。

【００１６】ナプキンを使用するとき着用者の体に接触
する層は、従来、カバー層又はトップシートと称されて
きた。カバー層の主な目的は、ナプキンに吸収される滲
出液を速やかに進入させ、その後乾燥してナプキンの使
用者が快適になるようにすることである。カバー層は、
ナプキンを使用するとき着用者の体に面する外面（即
ち、ナプキンの他の層に面していない面）と、吸収性層
に面する内面の、二つの主な面を有する。

【００１７】吸収性層はカバー層の下にある。吸収性層
は一層、又は多層又は追加層を組み合わせた複合層でも
よい。好ましくは、他の層及び／又は構造体（最も好ま
しくは移行層）と組み合わせて吸収システム全体を形成
する。これら構造体の全ての主な目的は、体滲出液を吸
収し保持すること、又はこの目的達成を容易にすること
である。吸収性層は、両方とも内面である、即ち、共に
ナプキンの他の層に面する、二つの主な面を有する。第
一の面はカバー層に面し、第二の面はバリヤ層に面す
る。

【００１８】吸収性層の下にあるのがバリヤ層又はバッ
クシートである。バリヤ層の主な目的は、ナプキンに吸
収された滲出液が吸収された側と反対の側でナプキンか
ら出るのを防ぐことである。従って、特に好ましくは、
バリヤ層は液体不透過性でもある。また、幾つかの用途
では、好ましくは、バリヤ層は気体不透過性である。バ
リヤ層は、ナプキンを使用するとき着用者の下着に面す
る外面と吸収性層に面する内面の、二つの主な面を有す
る。

【００１９】接着物質がバリヤ層の下着対向面にあり、
接着物質は液体吸収セクションを着用者の下着に剥離可
能に接着する。本明細書において、好ましくは、使用す
る接着物質は、ナプキンを使用するとき、人が介入しな
いで液体吸収セクションが下着から外れないように、液
体吸収セクションを下着に着実に固定できる。この機能
を達成するのに十分な従来の接着物質が沢山ある。シン
プルな化学的接着剤が好ましい。

【００２０】好ましくは、カバー層とバリヤ層は物品の
周囲で互いに結合して吸収性層を包むシール部を形成
し、構造的に一体のナプキンを形成する。好ましくは、
このシール部は吸収性層を囲み内包する。様々な層を互
いにシールする及び／又は一体化する従来方法の全てが
本発明の範囲内である。

【００２１】液体阻止セクション 液体阻止部は、ナプキンを平らにしたときに、液体吸収
セクションの後部と一体で後部から後方かつ横方向に突
出するものである。液体阻止部は特に重要な形状はな
い。一般に、液体阻止部は液体阻止セクションの自然な
延長部であり、即ち、全体的に同じ形状で連続してい
る。吸収セクションが実質的に着用者の膣開口と並び又
はそれを覆うとき、液体阻止セクションは、着用者の臀
部の溝を少なくとも一部覆うのに十分な距離だけ、液体
吸収部の第二の横端を超えて延びる。液体阻止セクショ
ンの正確な長さ即ち液体吸収セクションの第二の横端を
超えて延びる距離は、液体吸収セクションの長さと着用
者の体の大きさによって決まる。例えば、液体吸収セク
ションの長さが約２４センチメートルであるとき、液体
阻止セクションの長さは少なくとも２．５センチメート
ル、好ましくは少なくとも３．７５センチメートル、よ
り好ましくは少なくとも５．０センチメートル、最も好
ましくは少なくとも７．０センチメートルである。液体
阻止部の延長部の長さは、ナプキンの縦中央線と同線上
の線に沿って、液体吸収セクションの第二の横端から液
体阻止セクションの物理的後端（横端）まで測定する。
さらに、必須ではないが、好ましくは、着用者の臀部の
溝のかなりの部分を覆うために、液体阻止セクションの
幅（即ち、長さと垂直な方向で測定する）は少なくとも
７．０ｃｍである。

【００２２】液体阻止セクションは物質の単一層又は複
合積層構造でもよい。いずれの場合も、好ましくは二つ
の方法のうちの一つで、液体吸収セクションと一体化す
る。一方法では、液体阻止セクションは液体吸収セクシ
ョンの構成層のいずれの層とも連続してない。液体阻止
セクションは液体吸収セクションと別に製造し、後で、
独立した存在物として液体吸収セクションから後方に延
びるように一体化する。このような場合、液体吸収セク
ションの第二の横端はそのセクションの物理的な端とな
る。一般に、液体阻止セクションは液体吸収セクション
と重なって結合する。重なり領域では、従来の手段（例
えば、接着剤結合、熱結合等）を用いて、二つのセクシ
ョンを互いに一体化する。

【００２３】一方、第二のより好ましい方法では、液体
阻止セクションは液体吸収セクションの構成層の１以上
の層と連続しており、１以上の層の一体的延長部であ
る。液体阻止セクションは、液体吸収セクションのバリ
ヤ層、液体吸収セクションのカバー層又は好ましくは両
方と連続してもよい。また、液体吸収性層の構成物質と
連続する又は不連続の他の構成物質が存在してもよい。

【００２４】いずれの実施形態でも、液体阻止部は二つ
の外面を有する。第一の外面はナプキンを使用するとき
着用者の体に面する（特に、その少なくとも一部が着用
者の臀部と臀部の溝に面する）。第二の外面は着用者の
下着に面する。

【００２５】着用者の下着に面する液体阻止部の外面
は、実質的に接着物質がない。好ましくは、この面には
接着物質は完全にない。接着物質がないので、液体阻止
部は着用者の下着に接着し続けないので、液体阻止部は
着用者の臀部により適合できる。体のこの部分の自然な
湿気により、着用者の下着に接着しないで、液体阻止部
は自然にわずかだけ着用者の皮膚に接着し、この部分が
体の輪郭を取り易くなり、臀部の溝に沿ってそこから滲
出液が漏れる可能性が減る。

【００２６】この機能、即ち、液体阻止セクションが臀
部の輪郭（臀部の溝を含む）を取るのを助けるために、
液体阻止セクションには好ましくは縦方向に延びる選択
的曲げゾーンがある。「縦方向」とは、ゾーンが、液体
吸収セクションの縦中央線と同線上にある線と平行に延
びる、最も好ましくはこの線を含むことを意味する。こ
の領域にあるとき、ほとんどのナプキン着用者におい
て、ゾーンは着用者の臀部の溝と合う。「選択的曲げゾ
ーン(preferential bending zone)」とは、液体阻止セ
クションが他の部分で曲がる前にこのゾーンで選択的に
曲がることを意味する。好ましくは、選択的曲げゾーン
は、可能ならば、セクションが着用者の体の方へ内側に
（着用者の体から離れて外側に曲がることと反対に）選
択的に曲がるように構成する。このように、液体阻止セ
クションには接着剤がないので下着から自由に離れられ
るため、選択的に臀部の溝内に進入する。従って、液体
阻止セクションはこの領域で着用者の体とより適合し、
漏れの危険がさらに減少する。

【００２７】縦方向に延びる選択的曲げゾーンは様々な
従来の方法で形成できる。好ましくは、曲げゾーンと対
応する領域において、液体阻止セクションを構成する物
質に機械的に刻み目を作る。

【００２８】最も好ましくは、生理用ナプキンの液体阻
止セクションはいかなる吸収システムも含まない。従っ
て、液体阻止セクションの吸収能力の全ては、カバー層
部の少しの吸収能力及びカバー層部とバリヤ層部の間に
存在する可能性のある薄いボイド体積による。ボイド体
積は液体を受け入れて保持できる。しかし、実際には、
液体阻止セクションの吸収能力は液体吸収セクションに
比べると小さい。

【００２９】可能な変更例では、液体阻止セクションに
吸収能力を持たせることができる。この場合、液体阻止
セクションの平均吸収能力は液体吸収セクションの平均
吸収能力より少ないことがとりわけ好ましい。一般に、
液体阻止セクションの吸収能力の減少は、製造費用の低
下をもたらす。従って、特定の用途に必要な最小量の吸
収能力だけを存在させるべきである。２：１、３：１、
５：１の比（液体吸収セクションの液体阻止セクション
に対する吸収能力）がより好ましい。

【００３０】液体吸収セクションの吸収システムの構成
層の一つを液体阻止セクションに延長させることによ
り、液体阻止セクションに吸収能力を付与できる。例え
ば、吸収システムが移行層と吸収性層を含むなら、移行
層を液体阻止セクションに延長させてもよい。延長の程
度は意図する用途により変えることができる。一つの可
能性として、液体阻止セクションに入る移行層部を実質
的にカバー層部とバリヤ層部に重ねる。他の可能性とし
て、移行層を一部だけ液体阻止セクションに延長させ
る。

【００３１】他の変更例として、生理用ナプキンの後端
の向かって徐々に吸収能力が減少する吸収システムを、
液体阻止セクションに設けて、吸収能力を生理用ナプキ
ンに沿って段階的に変化させることができる。実際に
は、液体阻止セクションに含まれる部分の厚み（カリパ
ス(caliper)）を徐々に減らして、生理用ナプキンの吸
収システムを製造することにより、このことが達成でき
る。

【００３２】従来技術の教示に反して、液体阻止セクシ
ョンにおいて吸収能力がこのように減少（又は完全に欠
如）しても漏れが非常に増加することはない。このこと
は、放出された全ての液体のごく少ない一部だけしか液
体阻止セクションに到達しないので、少ない吸収能力で
十分であるという事実による。液体阻止セクションにほ
とんど吸収能力がない場合でも、このセクションの構成
物質の液体不透過性により液体が下着に接するのが妨げ
られ、十分に漏れを防止できる。液体が局所的に溜まっ
ても、少量の液体は蓄積してカバー層に十分な表面張力
を形成して、漏れて下着を汚すことなくナプキンに保持
される。

【００３３】また、好ましくは、横軸に沿った液体阻止
セクションの柔軟性は、同じく横軸に沿って測定した液
体吸収セクションの柔軟性より大きい。このため、液体
阻止セクションは着用者の臀部における体の形により容
易に適合できる。一般に、液体阻止セクションの吸収能
力が低下すると（液体吸収セクションと比較して）、そ
のセクションの柔軟性が増加し、この点に関するさらな
る努力が不要となる場合がある。２：１、３：１、５：
１の比（液体阻止セクションの液体吸収セクションに対
する柔軟性）がより好ましい。

【００３４】さらに好ましくは、液体阻止セクションの
平均カリパスは液体吸収セクションの平均カリパスより
少ない。一般に、柔軟性が高まってカリパスが低下する
と、従来の夜用生理用ナプキンの後方セクションと比較
して、液体阻止セクションの快適さが高まる。２：１、
３：１、５：１の比（液体吸収セクションの液体阻止セ
クションに対するカリパス）がより好ましい。

【００３５】さらに、本発明者は、液体阻止セクション
の柔軟性、上述のような方法で快適さが高まると、この
セクションが使用者の会陰部に対する生理用ナプキンの
安定性を高めることにより、システムの位置付けとして
挙動することを見出した。前述したように、液体阻止セ
クションの柔軟性が高まると、生理用ナプキンのこの部
分が臀部における着用者の解剖学的構造により適合し従
うことが可能となる。このような適合が生理用ナプキン
／皮膚の接触面積を増やし、その結果、ナプキンが所定
の位置からずれ難くなり、流体バリヤをより良く維持で
きる。

【００３６】フラップ 好ましくは、本発明の生理用ナプキンはさらに一対のフ
ラップを有し、一つのフラップは、液体吸収セクション
の各縦端から、好ましくはこのセクションの横端の中間
で横端から離れて、突出する。フラップは柔軟性であ
り、ナプキンを使用するとき着用者の下着の股部の横端
の周りに折ることができる。二等辺台形の形で上辺が本
体の縦端に接続し底辺が遠位端にあるフラップが好まし
いが、フラップはどのような従来のデザインでもよい。
使用中、フラップはナプキンを下着内に安定化するのを
助け、下着の横端が汚れるのを防ぐ。

【００３７】好ましくは、フラップは、互いにシールさ
れた液体吸収セクションのカバー層とバリヤ層の構成物
質の連続する一体的延長部である。しかし、別々に製造
した後に、製造した物質を液体吸収セクションに付着し
てもよい。また、フラップは、液体吸収セクションの縦
端から外側に突出して下着対向面に取り付けらているパ
ネルから形成してもよい。このフラップは、Ｂｏｕｌａ
ｎｇｅｒ等のＰＣＴ国際公開第ＷＯ ９８／２７９０３
号と同様に譲渡された係属中の国際特許出願に説明され
ている。

【００３８】本発明の他の目的と特徴は明細書と図面を
参照すると明らかとなるであろう。

【００３９】

【発明の実施の形態】以下、好ましい実施形態について
図面を参照して説明する。これら図面において、本発明
の好ましい実施形態が例として示されている。これら実
施形態の記載及び図面は、本発明の説明及び理解を助け
ることのみを目的としており、本発明の限界を定義をす
ることは意図されていない。

【００４０】図１，図２は本発明の好ましい実施形態で
ある女性用生理用ナプキン２０を示す図である。ナプキ
ン２０は二つのセクション、液体吸収セクション２２と
液体阻止セクション２４とを有する。

【００４１】液体吸収セクション 液体吸収セクション２２には、前部を形成する第一の横
端２６と後部を形成する第二の横端がある。これら各端
は突出して湾曲している。第一の横端２６はナプキン２
０及び液体吸収セクション２２の物理的端であるが、第
二の横端２８はそうではない。本実施形態では、第二の
横端２８は周囲シール５２であると考えられる。

【００４２】液体吸収セクション２２には、さらに、第
一の縦端３０と第二の縦端３２がある。これら各縦端は
実質的に直線である。仮想縦中央線３４が縦端３０，３
２から等距離で液体吸収セクション２２の中央部を通
る。

【００４３】フラップ３８，４０が縦端３０，３２から
（各々）外側横方向に突出している。フラップ３８，４
０は二等辺台形であり上辺は縦端に接続し底辺は遠位端
にある。さらに、液体吸収セクション２２には、縦中央
線３４と垂直にフラップ３８，４０を同時に二分する仮
想横中央線３６がある。

【００４４】液体吸収セクション２２は積層構造であ
り、好ましくは流体透過性カバー層４２、吸収システム
４４及び流体不透過性バリヤ層５０を有する。これらの
層の各々については以下に詳細に説明する。

【００４５】カバー層 カバー層４２は比較的低密度でかさ高なハイロフト(hig
h-loft)な不織ウェブ物質でよい。カバー層４２はポリ
エステル又はポリプロピレン等の１種類の繊維だけから
構成してもよく、又は低融点成分と高融点成分を含む二
成分繊維又は複合繊維から構成してもよい。繊維は、ナ
イロン、ポリエステル、レーヨン（他の繊維と組み合わ
せてもよい）、コットン、アクリル繊維等及びこれらの
組み合わせ等の様々な天然及び合成物質から選択でき
る。一例として、商標ステイフリー(Stayfree)・超薄型
コットンドライカバーとしてカナダのモントリオールに
あるジョンソン・アンド・ジョンソン社により販売され
ている生理用ナプキンのＳＴＥＡＲＮＳにより供給され
る不織カバー層が挙げられる。

【００４６】二成分繊維はポリエステル層とポリエチレ
ン鞘から構成されていてもよい。適当な二成分物質を使
用すると、溶融可能不織布が得られる。このような溶融
可能布の例が１９８５年１１月５日発行のメイズの米国
特許第４，５５５，４４６号に記載されている。溶融可
能布を使用すると、カバー層を隣の移行層及び／又はバ
リヤ層に取り付けるのがより容易になる。

【００４７】好ましくは、カバーを構成する個々の繊維
を構成するポリマーは特に親水性でなくてもよいが、カ
バー層４２の湿潤性は比較的高い。また、カバー物質は
非常に多くの比較的大きな穴を含む。これは、カバー層
４２は体液を速やかに吸収し体液を体と滴下位置から離
して移すことが意図されているためである。好ましく
は、カバー層４２を構成する繊維は濡れてもそれらの物
理的性質を失うべきではない、換言すると、水又は体液
にさらされても崩壊したり弾性を失うべきではない。カ
バー層４２を流体が容易に通過できるようにカバー層４
２を処理してもよい。また、カバー層４２は流体が吸収
構造体４４の他の層に速やかに移行するように機能す
る。従って、好ましくは、カバー層４２は湿潤性で親水
性であり、有孔である。カバー層４２をポリエステル又
は二成分繊維等の合成疎水性繊維から構成するとき、カ
バー層４２を界面活性剤で処理して所望の程度の湿潤性
を付与してもよい。

【００４８】最も好ましくは、カバー層４２を大きな穴
を有するポリマーフィルムから構成する。このような高
い有孔性により、フィルムは速やかに体液を吸収システ
ムの内層に移行できるようになる。ブランドＲＥＴＩＣ
ＵＬＯＮ（商標）等の共押し出し成形有孔フィルムは例
えば米国特許第４，６９０，６７９号に記載されてお
り、カナダのモントリオールのジョンソン・アンド・ジ
ョンソン社により販売されている生理用ナプキンについ
て入手可能であるが、これは本発明のカバー層として有
用である。

【００４９】カバーを隣の層に溶融して流体の移行を促
進するために、吸収システム４４の残りに対してカバー
層４２をエンボス加工してもよい。

【００５０】吸収システム−移行層 流体移行層４６はカバー層４２の内側の隣りにあってカ
バー層４２に結合している。移行層４６は吸収システム
４４の一部を形成している。移行層４６は、カバー層４
２から体液を受け止め、より高い密度の吸収性層がその
流体を吸収するまで保持する手段を提供する。

【００５１】好ましくは、移行層４６はカバー層４２よ
り緻密で小さな穴の割合が大きい。このため、移行層４
６は、体液をカバー層４２の外側から離すと共に体液を
含んで保持でき、流体がカバー層４２とその表面を再び
濡らすことを防ぐ。しかし、好ましくは、移行層４６
は、流体がこの層４６を通過して吸収性層４８へ入るの
を妨げるほど緻密ではない。

【００５２】移行層４６は木パルプ、ポリエステル、レ
ーヨン、柔軟性発泡体等又はこれらの組み合わせの繊維
物質から構成できる。また、移行層４６は、層を安定化
してその構造的一体性を維持するために熱可塑性繊維を
含んでもよい。移行層４６の片側又は両側を界面活性剤
で処理してその湿潤性を改善してもよい。しかし、移行
層４６は一般に比較的親水性の物質から製造しているの
でこのような処理が不要のこともある。好ましくは、移
行層４６はその両側で隣の層、即ち、カバー層４２と吸
収性層４８と結合する。一例として、ＶＩＣＥＬＬ ６
００２の名の下でテネシー州のメンフィスのBuckeye Te
chnologies社により販売されているラテックスバインダ
ーと混合した不織木パルプが挙げられる。

【００５３】吸収システム−吸収性層 吸収性層４８は移行層４６の直ぐ隣りにあって移行層４
６と結合している。好ましくは、吸収性層４８は細かい
穴を有する緻密性の高い層である。吸収性層４８は大き
な液体保持能力を有し、保有力は非常に高い。最も好ま
しくは、吸収性層４８は圧縮ミズゴケ物質から構成す
る。特に、ミズゴケはエア又はウェットライイング及び
カレンダー処理によりボードとして製造して、比較的薄
い即ち厚みが約０．０２５ｃｍ乃至０．２５ｃｍで、比
較的緻密な即ち約０．２ｇ／ｃｍ³乃至１．０ｇ／ｃｍ
³ のシート状構造体が得られる。この構造体は、ミズゴ
ケ層の片面又は両面に積層したクラフトテッシュ層を含
んでもよい。好ましくは、繊維成分をミズゴケ物質と混
合する。好適な繊維成分は、長さが約０．６２５ｃｍ乃
至３．７５ｃｍで約１．０デニール乃至５デニールのレ
ーヨン、ポリエステル、ナイロン、アクリル等の天然又
は合成織繊維である。繊維成分は約２重量％乃至２０重
量％、最も好ましくは約４重量％乃至８重量％の量で存
在してもよい。また、吸収性層４８は、木パルプ、合成
木パルプ、サーモメカニカルパルプ、機械的砕木パル
プ、ポリマー、界面活性剤、超吸収体等の他の成分を含
んでもよい。

【００５４】他の実施形態では、吸収システム４４はパ
ルプけば物質の単一層からなる（移行層は省略する）。
好ましくは、吸収性層４８はパルプけば物質を含み、吸
収構造体の安定化を助ける他の吸収性物質又は非吸収性
物質を含む、又は、場合によっては、吸収構造体の安定
化を助ける他の吸収性物質又は非吸収性物質を含んでも
よい。これらの物質の例には、コンジュゲートファイバ
ー、溶融可能繊維、バインダー、ミズゴケピートモス
粒、超吸収体等及びこれらの組み合わせ等がある。

【００５５】バリヤ層 バリヤ層５０は吸収システム４４の下にあり、吸収性層
４６から漏れた液体が生理用ナプキンから出て着用者の
下着を汚すのを防ぐために、液体不透過性フィルム物質
を含む。最も好ましくは、バリヤ層５０は、安価で容易
に入手できるポリエチレン等のポリマーフィルムから製
造する。ポリエチレンは吸収システム４４から出る液体
又は気体の通路を確実に塞ぐことができる。変形例で
は、液体は通さないが気体は通す通気性フィルムを使用
してもよい。好適な例には、カナダ及びアメリカのエジ
ソン・プラスチック社からＸＰ−１１６７Ｂの名で販売
されているポリエチレン／エチレンビニルアセテート
（ＥＶＡ）組み合わせフィルムがある。

【００５６】カバー層４２とバリヤ層５０をその縁に沿
って結合し、吸収システム４４を閉じ込める包袋を形成
する。接着剤、熱結合、超音波結合、無線周波数シーリ
ング、機械的クリンピング等及びこれらの組み合わせに
より結合できる。周囲シールラインは図１において参照
番号５２で示す。

【００５７】図２，図３に示すように、生理用ナプキン
の安定性を高めるために、液体吸収セクション２２のバ
リヤ層５０の下着対向面に、接着物質５８を設ける。一
般に、接着物質５８は下着と一時的に結合するホットメ
ルト物質である。好適な物質には、カナダ、オンタリオ
州、トロントのH. B. Fuller Canadaから市販されてい
るＨＬ−１４９１ＸＺＰという組成物がある。接着剤５
８は様々なパターンで液体吸収セクション２２のバリヤ
層５０の下着対向面に塗布できる。パターンの例とし
て、接着剤の完全なカバー(coverage)、平行な縦ライ
ン、構造体の周囲に沿った接着剤ライン、接着剤の横ラ
イン等がある。

【００５８】ナプキンの使用前には、標準剥離ペーパー
８２（図３のみに示される）が接着剤５８を覆って、ナ
プキンがそれ自体又は他の物体に接着するのを防ぐ。剥
離ペーパーは従来の構造（例えば、シリコーンコートの
ウェットライイングした(wet-laid)クラフト木パルプ）
であり、好適なペーパーはTekkote社（アメリカ合衆
国、ニュージャージー州、レオニア）からＦＲＡＳＥＲ
３０＃／６１６２９の名で入手できる。

【００５９】液体阻止セクション 液体阻止セクション２４は液体吸収セクション２２と一
体化している。液体阻止セクション２４は、液体吸収セ
クション２２から延びる薄く柔軟な後方延長部であり、
着用者の臀部と適合できる。液体阻止セクション２４は
液体吸収セクション２２の自然な延長部であり、従っ
て、その縦端７２，７４は液体吸収セクション２２の縦
端３０，３２の延長部である。同様に、横端７０の曲率
は液体吸収セクション２２の第一の横端２６と同じであ
る。（しかし、このような形状は好ましいだけであっ
て、本発明にとって必要ではない。）

【００６０】図１，図２に示す好ましい実施形態では、
液体阻止セクション２４は液体吸収セクション２２から
約７．０ｃｍ突出している（即ち、突出長６２は約７．
０ｃｍである）。液体阻止セクション２４の突出長６２
とは、液体吸収セクション２２の縦中央線３４と平行な
ラインに沿って測定する、液体吸収セクション２２の第
二の横端２８と液体阻止セクション２２の横端７０（シ
ール６０があればこの幅も含む）の間の最大距離であ
る。また、液体阻止セクション２４の幅７６は約７．０
ｃｍである。液体阻止セクション２４の幅とは、突出長
６２を測定するとき沿ったラインの中心を通りそのライ
ンと垂直なラインに沿って測定する、セクション２４の
一方の縦端７２から他方の縦端７４までの距離である。

【００６１】図４に示すように、液体阻止セクション２
４は、液体吸収セクション２２のカバー層４２と連続す
る（及び一体形成される）カバー層部５４を含む二層構
造である。カバー層部５４とカバー層４２は同じ物質か
ら製造する。（任意に液体阻止セクション２４のカバー
層部５４に不織布を含ませて、幾人かの使用者が知覚す
るヒリつく粘着プラスチック感触（hot sticky plastic
feel）を減少させてもよい、又は好ましくは液体阻止
セクション２４にプラスチックカバーと不織物質の組み
合わせを用いてもよい。）また、液体阻止セクション２
４は、液体吸収セクション２２のバリヤ層５０と連続す
る（及び一体形成される）バリヤ層部５６を含んでもよ
い。バリヤ層部５６とバリヤ層５０は共には同じ物質か
ら製造する。カバー層部５４は、ほぼＵ型の周囲シール
ライン６０に沿ってバリヤ層部５６に固定される。従っ
て、本実施形態において、（液体吸収セクションの第二
の横端領域にある）周囲シール５２とシールライン６０
が液体阻止セクション２４の輪郭を形づくる。

【００６２】吸収システム４４は液体阻止セクション２
４へ延びず、そこにはいかなる追加の独立した吸収物質
も存在しない（カバー層部５４は恐らく最小の吸収性を
有するがそれは除く）。従って、液体阻止セクション２
４は、液体吸収セクション２２と比較すると、吸収能力
とカリパスが減少している。液体阻止セクション２４と
液体吸収セクション２２間のカリパスの違いは、液体阻
止セクション２４に吸収性物質がないことによるが、こ
のことを図４に明確に示す。液体吸収セクション２２の
液体阻止セクション２４に対する平均吸収能力の比は少
なくとも２：１である。同様に、液体吸収セクション２
２の液体阻止セクション２４に対するカリパスの比は少
なくとも２：１である。液体吸収セクション２２の液体
阻止セクション２４に対する柔軟性の比は少なくとも
１：２である。これらの各特性の正確な値と比は「テス
ト方法」の欄に記載する技術を用いて測定できる。

【００６３】図３に示すように、液体阻止セクション２
４のバリヤ層部５６の下着対向面は、液体吸収セクショ
ン２２のバリヤ層５０の下着対向面のように接着物質５
８を含まない。従って、ナプキン２０を使用するとき、
液体阻止セクション２４は下着６６に接着しないで、自
由に上がり着用者の体に適合する。

【００６４】液体阻止セクション２４の各特性、即ち、
その突出長６２が着用者の臀部の溝を少なくとも一部覆
うこと、下着対向面に接着剤がないこと、横軸に沿って
カリパスが減り柔軟性が増すことにより、生理用ナプキ
ン２０のこの部分が臀部とよく適合することを可能にす
る。このように適合性が高まると製品の快適さが高ま
る。さらに、使用者は製品の厚さが減少すると快適と感
じる傾向があるので、恐らく着用者はより快適と認識す
る。これらの特性によりもたらされる他の利点は、液体
阻止セクション２４が位置付けシステムとして機能し生
理用ナプキン２０を着用者の膣領域に対して所定の位置
に維持できることである。この特徴により、生理用ナプ
キンの不適切な配置又はずれによる漏れの可能性がさら
に減る。

【００６５】従来技術の教示に反して、生理用ナプキン
の後部の吸収能力が減少してもこの領域での漏れは高頻
度に生じない。本発明者は、膣開口から放出される液体
のほとんどが液体吸収セクション２２により捕らえら
れ、少ない一部だけが液体阻止セクション２４に移る場
合があることを観察した。ほとんどの場合、この領域に
吸収物質が無くても、月経血液を所定の場所に保持する
のに十分である。このことは、液体とカバー層部５４の
間の高い表面張力による。従って、液体が液体吸収セク
ション２２を超えて放出されると、液体は生理用ナプキ
ン内に吸収されないけれども、液体は液体阻止セクショ
ン２４に十分に保持され、所定の場所に維持されて、着
用者の下着を汚すことが避けられる。同時に、液体阻止
セクション２４のこの部分が柔軟になり厚みが減ること
により多くの効果がもたらされる。

【００６６】図５は本発明の他の実施形態の断面図であ
る。この実施形態は、液体阻止セクション２４が移行層
部６４を含むことを特徴としている。移行層部６４は液
体吸収セクション２２の移行層４６と連続している（そ
の必要はないが）。液体阻止セクション２４の移行層部
６４は実質的にカバー層部５４とバリヤ層部５６と重な
る。重なり関係のない液体阻止セクション２４の部分は
フランジシール６０だけである。この実施形態の一つの
利点は、液体阻止セクション２４の吸収能力を高め、生
理用ナプキン２０が大量の液体を受ける可能性のある場
合に有用になることである。しかし、欠点は、液体阻止
セクション２４において、カリパスが増加し柔軟性が低
下して、快適さと使用者の解剖学的構造への生理用ナプ
キン２０の適合性を損なう恐れのあることである。移行
層部６４が薄く十分に柔軟性であるので、このような悪
影響は実際には最小となる。

【００６７】図６は本発明の他の実施形態の断面図であ
る。この実施形態は、単一層の吸収システム４４が液体
阻止セクション２４内に突出する尾部材６８を有するこ
とを特徴とする。尾部材６８の厚みは生理用ナプキン２
０の後端に向かって徐々に減少する。このことは、ナプ
キン２０に、どの点においても尾部材６８の寸法に依存
して吸収能力が製品の縦中央線３４に沿って後端に向か
って減少するような吸収プロフィールを付与する。

【００６８】上記の実施形態の生理用ナプキン２０の各
々は従来技術に従って従来方法により製造する。特に、
積層構造（この技術分野ではウェブとも言う）を製造す
る。この積層構造は、ナプキンを製造する物質の広がり
を含む。即ち、積層構造は移行層物質の上に重なるカバ
ー層物質の広がりを含み、これが吸収性層物質の上に重
なり、これら全てがバリヤ層物質の広がりの上に重な
る。幾つかの物質は積層構造内で必ずしも連続してな
い。このような場合、これらは、これらの最終製品にお
ける関係で互いに正確に配置される。その後、カバー層
物質とバリヤ層物質を適当な位置で圧力をかけて互いに
結合させ、周囲シールとなるものを形成する。（熱結
合、超音波結合、無線周波数シーリング、機械的クリン
ピング等及びこれらの組み合わせによりシールでき
る。）シールした構造体を従来の手段（即ち、ダイカッ
ティング、流体ジェットカッティング又はレーザー）に
よりウェブから切り取り個々の物品を製造する。

【００６９】その後、接着物質をバリヤ層の適当な位置
に設け、剥離ペーパーを付けて接着剤を覆う。さもなけ
れば、個々の物品をウェブから切り取る前に、接着剤又
は接着剤と剥離ペーパーをウェブに付けてもよい。使用
の際は、剥離ペーパーを取り除いてナプキンを着用者の
下着内に配置する。

【００７０】図７は破線で示す下着６６内にある生理用
ナプキン２０を示す図である。生理用ナプキン２０は、
下着６６を着用してその股部が使用者の会陰部に対して
押し当てられるように下着６６を引き上げたときの位置
に示される。この位置で、生理用ナプキン２０の液体吸
収セクション２２は使用者の膣開口の少なくとも一部を
覆う。生理用ナプキン２０液体阻止セクション２４は臀
部の少なくとも一部に延びる。前述したように、臀部
は、肛門開口から浅い後部まで上方に延びる体の座り部
分として定義される。液体阻止セクション２４は臀部に
おいて着用者の体の形状と適合するので、特に着用者が
水平うつ伏せ姿勢にあるとき後部の漏れを防ぐ。また、
上述したように、液体阻止セクション２４はナプキンの
位置付けを助ける。

【００７１】本発明の他の実施形態を図８に示す。この
実施形態では、液体吸収セクション２２と液体阻止セク
ション２４は、間にある物理的ラインの境界８０で分割
された別々の構成部分である。この実施形態の液体吸収
セクション２２は他の実施形態について上述したものと
ほぼ同じであり、同様に製造する。しかし、図９に示す
ように、液体阻止セクション２４は、バリヤ層５０を構
成する不透過性物質の単一層からなる。液体阻止セクシ
ョン２４はウェブ物質を独立してカットしたものであ
り、セクション製造後に、液体吸収セクション２２と接
着剤（又は他の従来の手段）で一体化する。液体吸収セ
クション２２は点線７８で示す形状の選択的曲げゾーン
を含む。点線７８は液体吸収セクション２２の縦中央線
と同線上にある。図１０に示すように、点線７８によ
り、ナプキン２０を使用すると、液体阻止セクション２
４が着用者の臀部の溝の中へ選択的に曲がる。上述した
ように、このように選択的に曲がることにより、液体阻
止セクション２４が位置付けシステムとして機能する能
力が増す。

【００７２】＜テスト方法＞カリパス 物質のカリパスは、０．００３４４５バール（０．０５
Ｐ．Ｓ．Ｉ．）圧力で、直径が２インチ（５．０８ｃ
ｍ）のフット（ＡＳＴＭ Ｄ−１７７７）を用いて、圧
縮メーターで測定する。図１に示す実施形態の場合は、
液体吸収セクション２２と液体阻止セクション２４間の
カリパス比を求めるのに２回の測定で十分である。液体
吸収セクション２２の測定は周囲シール５２の内側で実
施しなければならない。所定のセクションの厚みが一定
でない実施形態では、何回か測定を実施し、結果を平均
する。このような場合は、液体阻止セクション２４の厚
みが横端７０に向かって減少する図６に示す実施形態に
当てはまる。液体阻止セクション２４を単位区域に分割
して各単位区域の厚みを測定、計算し、その後結果を平
均する方法もある。平均値がこのセクションのカリパス
値となる。

【００７３】横方向の柔軟性／安定性 このテストの目的は、吸収製品又はその一部の横方向の
柔軟性を、サンプルを横圧縮することにより測定するこ
とである。テスト方法を図６を参照して説明する。サン
プルの横方向の柔軟性は、サンプルを二つのプレキシガ
ラスカーブ間（着用者の内腿を模擬する）において測定
する。定置カーブにはインストロンユニットにおいて圧
縮負荷セルを取り付け、可動カーブには分当り５００ミ
リメートルの速度を付与する。サンプルを二つのカーブ
の間に確実に配置する。３つの金属支持ロッドが定置カ
ーブから出て可動カーブにスライドして入る。サンプル
を１インチ（２．５４ｃｍ）に圧縮するのに必要な力を
記録する。図４，図５に示す実施形態では、横方向の柔
軟性は、各サンプルを液体吸収セクション２２と液体阻
止セクション２４を分ける境界に沿って切って測定す
る。各サンプルについてテスト方法に従いテストし、そ
れぞれの柔軟性の値を記録する。各サンプルは、その縦
軸が可動カーブの動きの方向と垂直となるように、器具
に配置する。

【００７４】吸収能力 液体吸収セクションと液体阻止セクションの平均吸収能
力は以下のようにして測定する。各セクションの総吸収
能力を標準方法で測定し（「ＧＡＴＳ」測定装置を用い
たテストは満足できる）、あるセクションに対する総吸
収能力をそのセクションの表面積で割って、単位表面積
当りの吸収能力で表される平均吸収能力値を得る。

【００７５】本発明の製品と方法は、当業者に現在知ら
れている又は自明な、生理用保護、失禁、医療及び吸収
に関する全ての方法と技術を用いて、生理用用途及び他
のヘルスケア用途に利用できる。従って、本出願は、特
許請求の範囲とその均等の範囲内にあるこの発明の変更
も含む。

【００７６】好適な実施態様を以下に示す。 （１）前記液体吸収セクションと前記液体阻止セクショ
ンは各々平均吸収能力を有し、前記液体阻止セクション
の平均吸収能力は前記液体吸収セクションの平均吸収能
力より少ない請求項１に記載の生理用ナプキン。 （２）前記液体吸収セクションと前記液体阻止セクショ
ンの平均吸収能力の比は約２：１である実施態様（１）
に記載の生理用ナプキン。 （３）前記液体吸収セクションと前記液体阻止セクショ
ンの平均吸収能力の比は約２：１乃至約３：１の範囲で
ある実施態様（１）に記載の生理用ナプキン。 （４）前記液体吸収セクションと前記液体阻止セクショ
ンの平均吸収能力の比は約２：１乃至約５：１の範囲で
ある実施態様（１）に記載の生理用ナプキン。 （５）前記液体阻止セクションは液体不透過性層を含む
請求項１に記載の生理用ナプキン。

【００７７】（６）前記液体阻止セクションの液体不透
過性層は前記液体吸収セクションのバリヤ層と連続して
いる実施態様（５）に記載の生理用ナプキン。 （７）前記液体阻止セクションは前記液体吸収セクショ
ンのカバー層と連続する液体透過性層を含む実施態様
（６）に記載の生理用ナプキン。 （８）前記液体阻止セクションは前記液体透過性層と前
記液体不透過性層の間に吸収物質を実質的に含まない実
施態様（７）に記載の生理用ナプキン。 （９）前記液体阻止セクションは前記液体透過性層と前
記液体不透過性層の間に吸収物質を含む実施態様（７）
に記載の生理用ナプキン。 （１０）前記吸収物質は前記液体吸収セクションの吸収
性層と連続している実施態様（９）に記載の生理用ナプ
キン。

【００７８】（１１）前記液体吸収セクションは移行層
をさらに含み、前記液体阻止セクションの吸収物質は前
記移行層と連続する実施態様（９）に記載の生理用ナプ
キン。 （１２）さらに、一対のフラップを含み、前記フラップ
は前記液体吸収セクションの各縦端から横方向に突出
し、着用者が前記ナプキンを使用するとき、前記フラッ
プは着用者の下着の股部の端に折ることができる請求項
２に記載の生理用ナプキン。 （１３）前記フラップは前記液体吸収セクションのカバ
ー層とバリヤ層と連続する実施態様（１２）に記載の生
理用ナプキン。 （１４）前記液体吸収セクションと前記液体阻止セクシ
ョンの平均カリパスの比は約２：１である請求項２に記
載の生理用ナプキン。 （１５）前記液体吸収セクションと前記液体阻止セクシ
ョンの平均カリパスの比は約２：１乃至約３：１の範囲
である請求項２に記載の生理用ナプキン。

【００７９】（１６）前記液体吸収セクションと前記液
体阻止セクションの平均カリパスの比は約２：１乃至約
５：１の範囲である請求項２に記載の生理用ナプキン。 （１７）前記液体吸収セクションと前記液体阻止セクシ
ョンの柔軟性の比は約１：２である請求項３に記載の生
理用ナプキン。 （１８）前記液体吸収セクションと前記液体阻止セクシ
ョンの柔軟性の比は約１：２乃至約１：３の範囲である
請求項３に記載の生理用ナプキン。 （１９）前記液体吸収セクションと前記液体阻止セクシ
ョンの柔軟性の比は約１：２乃至約１：５の範囲である
請求項３に記載の生理用ナプキン。

【００８０】

【発明の効果】以上述べたように、本発明によれば、ナ
プキンの後方部が着用者の体、特に臀部の溝に、より適
合して漏れを防ぐ生理用ナプキンを提供できる効果があ
る。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明による生理用ナプキンの平面図であり、
カバー層を一部剥がして移行層、吸収性層及びバリヤ層
を示している図である。

【図２】ナプキンを着用者の下着に配置したとき一般に
取り得る湾曲形状の本発明による生理用ナプキンの斜視
図である。

【図３】図１の生理用ナプキンの底面図である。

【図４】図１のライン４−４に沿った断面図である。

【図５】液体阻止セクションに液体吸収セクションの移
行層が延びることを特徴とする他の実施形態の断面図で
ある。

【図６】単一層の吸収システムが液体阻止セクションに
延びる尾部材を有することを特徴とする他の実施形態の
断面図である。

【図７】着用者の下着に固定された本発明による生理用
ナプキンの側面図（下着は破線で示される）である。

【図８】液体阻止セクションが液体吸収セクションと不
連続である本発明の他の実施形態の平面図である。

【図９】図８のライン９−９に沿った断面図である。

【図１０】図８のライン１０−１０に沿った断面図であ
る。

【符号の説明】

２０ 生理用ナプキン ２２ 液体吸収セクション ２４ 液体阻止セクション ２６ 第一の横端 ２８ 第二の横端 ３０ 第一の縦端 ３２ 第二の縦端 ３４ 仮想縦中央線 ３６ 仮想横中央線 ４２ カバー層 ４８ 吸収性層 ５０ バリヤ層 ５８ 接着物質 ６６ 下着 ７８ 選択的曲げゾーン

Claims (3)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 体滲出液を吸収する液体吸収セクション
   と、前記液体吸収セクションと一体化した液体阻止セク
   ションを有する生理用ナプキンであって、 （Ａ）前記液体吸収セクションは以下のものを有し、 （ｉ）二つの対向する縦端、 （ｉｉ）前記液体吸収セクションの前部を形成する第一
   の横端、 （ｉｉｉ）前記第一の横端に対向し、前記液体吸収セク
   ションの後部を形成する第二の横端、 （ｉｖ）仮想縦中央線、及び （ｖ）仮想横中央線、 さらに、前記液体吸収セクションは以下のものを含み、 （ｉ）着用者が前記ナプキンを使用するとき着用者の体
   に面する外面を有する液体透過性カバー層、 （ｉｉ）着用者が前記ナプキンを使用するとき着用者の
   体から離れた方を面する外面を有する液体不透過性バリ
   ヤ層、 （ｉｉｉ）前記カバー層と前記バリヤ層の直ぐ側にある
   吸収性層、及び （ｉｖ）前記バリヤ層の外面にあり、着用者が前記ナプ
   キンを使用するとき着用者の下着に前記液体吸収セクシ
   ョンを取り外し可能に接着できる接着物質、 （Ｂ）前記液体阻止セクションは、前記液体吸収セクシ
   ョンの第二の横端から十分な距離だけ後方に突出し、前
   記液体吸収セクションが実質的に着用者の膣開口と並ぶ
   とき、着用者の臀部の溝を少なくとも一部覆い、 前記液体阻止セクションは、着用者が前記ナプキンを使
   用するとき着用者の体から離れた方を面する外面を有
   し、前記外面は実質的に接着剤が無く、 前記液体阻止セクションが縦方向に延びる選択的曲げゾ
   ーンを有し、着用者が前記ナプキンを使用するとき、前
   記液体阻止セクションの少なくとも一部が前記選択的曲
   げゾーンで曲がって着用者の臀部の溝に入ることができ
   る生理用ナプキン。
2. 【請求項２】 体滲出液を吸収する液体吸収セクション
   と、前記液体吸収セクションと一体化した液体阻止セク
   ションを有する生理用ナプキンであって、 （Ａ）前記液体吸収セクションは以下のものを有し、 （ｉ）二つの対向する縦端、 （ｉｉ）前記液体吸収セクションの前部を形成する第一
   の横端、 （ｉｉｉ）前記第一の横端に対向し、前記液体吸収セク
   ションの後部を形成る第二の横端、 （ｉｖ）仮想縦中央線、及び （ｖ）仮想横中央線、 さらに、前記液体吸収セクションは以下のものを含み、 （ｉ）着用者が前記ナプキンを使用するとき着用者の体
   に面する外面を有する液体透過性カバー層、 （ｉｉ）着用者が前記ナプキンを使用するとき着用者の
   体から離れた方を面する外面を有する、液体不透過性バ
   リヤ層、 （ｉｉｉ）前記カバー層と前記バリヤ層の直ぐ側にある
   吸収性層、及び （ｉｖ）前記バリヤ層の外面にあり、着用者が前記ナプ
   キンを使用するとき着用者の下着に前記液体吸収セクシ
   ョンを取り外し可能に接着できる接着物質、 （Ｃ）前記液体阻止セクションは、前記液体吸収セクシ
   ョンの第二の横端から十分な距離だけ後方に突出し、前
   記液体吸収セクションが実質的に着用者の膣開口と並ぶ
   とき、着用者の臀部の溝を少なくとも一部覆い、 前記液体阻止セクションは、着用者が前記ナプキンを使
   用するとき着用者の体から離れた方を面する外面を有
   し、前記外面は実質的に接着剤が無く、 前記液体吸収セクションと前記液体阻止セクションは各
   々平均カリパスを有し、前記液体阻止セクションの平均
   カリパスは前記液体吸収セクションの平均カリパスより
   少ない生理用ナプキン。
3. 【請求項３】 体滲出液を吸収する液体吸収セクション
   と、前記液体吸収セクションと一体化した液体阻止セク
   ションを有する生理用ナプキンであって、 （Ａ）前記液体吸収セクションは以下のものを有し、 （ｉ）二つの対向する縦端、 （ｉｉ）前記液体吸収セクションの前部を形成する第一
   の横端、 （ｉｉｉ）前記第一の横端に対向し、前記液体吸収セク
   ションの後部を形成する第二の横端、 （ｉｖ）仮想縦中央線、及び （ｖ）仮想横中央線、 さらに、前記液体吸収セクションは以下のものを含み、 （ｉ）着用者が前記ナプキンを使用するとき着用者の体
   に面する外面を有する液体透過性カバー層、 （ｉｉ）着用者が前記ナプキンを使用するとき着用者の
   体から離れた方を面する外面を有する液体不透過性バリ
   ヤ層、 （ｉｉｉ）前記カバー層と前記バリヤ層の直ぐ側にある
   吸収性層、及び （ｉｖ）前記バリヤ層の外面にあり、着用者が前記ナプ
   キンを使用するとき着用者の下着に前記液体吸収セクシ
   ョンを取り外し可能に接着できる接着物質、 （Ｄ）前記液体阻止セクションは、前記液体吸収セクシ
   ョンの第二の横端から十分な距離だけ後方に突出し、前
   記液体吸収セクションが実質的に着用者の膣開口と並ぶ
   とき、着用者の臀部の溝を少なくとも一部覆い、 前記液体阻止セクションは、着用者が前記ナプキンを使
   用するとき着用者の体から離れた方を面する外面を有
   し、前記外面は実質的に接着剤が無く、 前記液体吸収セクションと前記液体阻止セクションは各
   々柔軟性を有し、前記液体阻止セクションの柔軟性は前
   記液体吸収セクションの柔軟性より大きい生理用ナプキ
   ン。