JP2000178070A - ダイヤモンド様骨格で結合された硬質グラファイト様材料 - Google Patents

ダイヤモンド様骨格で結合された硬質グラファイト様材料

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JP2000178070A JP10378116A JP37811698A JP2000178070A JP 2000178070 A JP2000178070 A JP 2000178070A JP 10378116 A JP10378116 A JP 10378116A JP 37811698 A JP37811698 A JP 37811698A JP 2000178070 A JP2000178070 A JP 2000178070A
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graphite
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F Dolfman Benjamin
エフ.ドルフマン ベンジャミン
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Abstract

(57)【要約】 【解決手段】spグラファイト様層構造とsp三次
元ダイヤモンド様骨格からなる硬質炭素材料であって、
該グラファイト様層構造が、該ダイヤモンド様骨格によ
り結合され、該炭素材料が第1と第2の、2つの合金元
素により安定化されており、該第1の合金元素がO、
H、Nとその組合わせからなる群から選択される元素で
あり、該2の合金元素がSi、B、Zr、Ti、V、C
r、Be、Hf、Al、Nb、Ta、Mo、W、Mn、
Re、Fe、Co、Niとその組合わせからなる群から
選択される元素であることを特徴とする硬質炭素材料お
よびその製造方法。 【効果】 高い機械的物性(硬度、耐疲労性、比モジ
ュラス、摩擦特性など)、低比重、可変電気物性、熱安
定性、耐腐食性、耐摩耗性、実質的にあらゆる基質への
高い結合性を示す。金属、セラミックス、複合体、ガラ
ス、テフロンを含む合成樹脂上に堆積させることがで
き、種々の用途、航空宇宙、自動車産業用、電子工学用
の保護被覆膜、整形外科材料等として使用することがで
きる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は新種類の硬質ナノ構
造材料(hard nano-structured material)、該材料から
なる被覆材、塊状固体(bulk solid)およびその製造方法
に関する。さらに詳細には、本発明はsp三次元ダイ
ヤモンド様骨格(diamond-like frameworks)で結合され
たsp結合グラファイト様層(graphite-like layers)
からなる硬質炭素材料を提供し、ここに炭素構造全体が
少なくとも2つの合金元素で安定されており: 第1の
合金元素はO、H、Nとその組合わせからなる群から選
択され、そして第2の合金元素はSi、B、Zr、T
i、V、Cr、Be、Hf、Al、Nb、Ta、Mo、
W、Mn、Re、Fe、Co、Niおよびその組合わせ
から選択される。このグラファイト様層は無方位秩序内
平面(no azimuth orderin-plane)で互いに平行であり、
ダイヤモンド様骨格は完全に無定形である。グラファイ
ト様sp結合とダイヤモンド様sp結合、及び/又
は炭素と安定化元素の間の結合の比が徐々に調整され、
階層的構造化(hierachical structuredmaterial)された
材料を形成する。
【0002】
【従来の技術】ミクロ、サブミクロ及びナノスケールの
構造化複合材料が,今日の材料設計技術の研究の主要な
領域の1つを構成している。かかる研究は、有機化合
物、非有機炭素ベース化合物、ダイヤモンド及び/又は
ダイヤモンド様炭素を含む種々の形態の炭素を組合せ、
種々の物理的特性を示す複合材料を形成する。
【0003】複合材料分野の研究のもう1つの領域には
一、二、または三次元の人工的秩序構造を有する階層的
複合体がある。階層構造複合体製造への伝統的アプロー
チは、焼結法(sintering)を使用して複合体成分を形成
し、人工的に大きな(bulk)材料を形成するいくつかの周
知技術の組合わせに基づいている。しかしながらそれら
の方法は構造的分解能(resolution)により限定されてい
る。構造的分解能の限界で又はその近くで、複合体の生
産効率は低下し、費用はそれに対応して増加する。従っ
て、多くの新技術が近年、新しい改良された複合体材料
創造のための努力により出現してきた。
【0004】複合体材料のナノスケール構造の制御に有
効なことが示された1つのかかる方法がインターカレー
ション(intercalation)である。この方法は、層状粘土
鉱物、モンモリロナイトの中間層間隔の重合、その後
に、折り畳まれたシリカシートと有機カチオンのか焼法
(calcination)からなり、高度に秩序化された、中多孔
性(mesoporous)ナノ構造材料を形成する(フルシマ、ヨ
シアキ、トヨタ中央研究開発室会社、日本粉体及び粉体
冶金学会誌、V41、第10、1984、ページ118
9−1192(Fulushima, Yoshiaki, Toyota Central R
es. & Development Lab Inc., Journal of Japan Socie
ty of Powder and Powder Metallurgy v.41, No 10, 19
84, p. 1189−1192)、この開示はここに引用文献として
本明細書に含まれる。)
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながらインター
カレーションは、この方法が前もって製造された結晶物
質を基礎とするため、特定構造の合成のみが可能で、そ
れがミクロとナノスケールの両方の人工複合材料の設計
と製造には制限がある。この制限のため、有機及び/又
は非有機合成による非晶質を基礎とする複合体材料の合
成に、多くの努力が近年傾注された。
【0006】例えば、重合体由来ミクロ−ナノ−構造化
Si/SiC複合体が、液相焼結または、無定
形、重合体由来Si−C−N粉体又はSiC被覆Si
粉体のいずれかにより合成された。しかしながら、
微結晶Si微粉体に包含されたナノサイズのSi
C包含物(inclusion)からなる複合体が、気体圧力焼結
に続いた。(グライナー、アクセル、ビル、ジョーキ
ン、リーデル、ラルフ、;マックス−プランク−研究
所;材料研究学会会報、v346、1994、ページ6
11 − 616、ピッツバーグ、PA、アメリカ米国、
(Greiner, Axel, Bill, Joachim, Riedel, Ralf; Max-P
lanck-Inst,; Proceeding of Materials Research Soci
ety, v 346, 1994, p. 611-616, Pittsburg, PA, US
A.)、この開示はここに引用文献として本明細書に含ま
れる。)
【0007】ラジ他の米国特許番号5,206,083
(1993)は、引用文献として本明細書に含まれ、そ
の中に分散させた微細に分けられたダイヤモンドまたは
ダイヤモンド様微粒子を有するマトリックスからなる金
属またはセラミック複合体上に堆積させたダイヤモンド
膜を開示する。ドームや赤外線窓などの長波長赤外線発
信用途に使用される材料の耐腐食性の向上に、これらの
複合体は有用である。
【0008】リングウッド(Ringwood)の米国特許第4,
948,388(1990)は、ここに引用文献として
本明細書に含まれ、硬質骨格構造を形成するように、可
塑的に変形した60−95体積パーセントのダイヤモン
ド結晶からなるダイヤモンド圧粉体(compact)を開示す
る。ダイヤモンド結晶間の接触は、グラファイトの安定
範囲内の圧力と温度条件下での圧粉体形成の間のダイヤ
モンド結晶の可塑的変形から表面上に生じる。ダイヤモ
ンド骨格構造は、炭素存在下でカーバイドを形成しない
金属からなる金属相または侵入型耐火カーバイド相によ
り結合されている。この圧粉体は約2容量パーセント以
下のグラファイトからなり、10キロバー(kbars)より
大の圧縮強さを有する。
【0009】アライ(Arai)他の米国特許第5,198,2
85(1993)は、ここに引用により本明細書に含ま
れ、主要成分として炭素と水素からなる無定形炭素−水
素−ケイ素の薄膜を開示する。残りの成分は、ダイヤモ
ンド様炭素を含むケイ素を基礎とする材料からなってい
る。水素の含有量は約30から50原子重量%である。
炭素の含有量は、水素と鉄を基礎とする金属性材料を除
く全成分に対し、70原子重量%、またはそれより大で
ある。無定形炭素−水素−ケイ素薄膜は非常に硬質で、
小さい摩擦係数を有する。
【0010】ラジ他の米国特許第5,183,602(1
993)は、引用によりここに本明細書に含まれ、炭素
マトリックスと、該炭素マトリックス中に分散された金
属繊維からなる改良された炭素−金属複合体を開示す
る。少なくとも該繊維の一部分の表面は、金属繊維を形
成している金属と同様のまたはそれより低いカーバイド
形成傾向を有する他の材料で被覆されるか合金とされて
いる。金属繊維は、それらの含有量が複合体の厚さに沿
って変化するように炭素マトリックス中に分配され、こ
れにより、以下の物性の少なくとも一つに関して改良さ
れた物性を複合体に与える: 機械的強度、耐衝撃性、
耐摩耗性、赤外線透過性とダイヤモンドと実質的に等し
い屈折率を有するマトリックス中のダイヤモンドの微粒
子の分散体(dispersion)の導電性。この複合体は、光学
物性に対する逆効果なしで同様に処理されたマトリック
ス単独の、2から4倍の機械的強度と耐久性を示す。
【0011】ドルフマン(Dorfman)他の米国特許第5,3
52,493(1994)およびドルフマン(Dorfman)他
の米国特許第5,466,431(1995)は、これら
の開示はここに引用により本明細書に含まれ、炭素と合
金元素の相互貫入(interpenetrating)ネットワークから
構成された一群のダイヤモンド様材料と、かかるナノ複
合体薄膜の製造方法を開示する。この薄膜は、化学的そ
して機械的抵抗特性、温度安定性、低温超伝導性を含む
広範囲の電子特性の固有の組合わせを有する。それらは
保護膜、電子材料、センサー、生体適合性材料などとし
て使用することができる。これらの材料の製造方法は、
クラスターなしビームの共析出に基き、ここに少なくと
も50%の炭素微粒子が100電子ボルト以上のエネル
ギーを有し、そして成長中の基質の温度は約500℃以
下である。炭素微粒子エネルギーの共通範囲は、0.3
から5キロ電子ボルト(keV)であり、通常約1から1.5
キロ電子ボルトであり、成長中の基質温度は約200℃
以下である。しかしながら、成長速度は非常に限定さ
れ、通常0.3から3.0ミリメートル/時間(mm/h)の範
囲である。さらに、この材料は薄膜として製造すること
ができるが、その製造には高電圧の電力供給を必要とす
る。また、これらの複合体薄膜の硬度は最大約20−2
2ギガパスカル(GPa)が限度であり、通常約12から
15ギガパスカルを超えることはない。
【0012】この材料はグラファイト化に対して非常に
安定であるが、成長中その構造は、グラファイト様炭素
形成の傾向のために、微粒子のエネルギーと基質温度に
非常に敏感である。グラファイトはその構造と物性を広
範囲に変化させることができる層状材料であるが、グラ
ファイトは機械的圧力の適用によって非常に壊れやす
く、それは層間の弱いファンデルワールス相互作用に固
有のものである(ユダサカ他、ヨシムラp−電子プロジェ
クト、日本;応物レター64(7)、1994(Yudasak
a et al., Yoshimura p−Electron Project, Japan; Ap
pl. Phys, Lett.64(7), 1994), その開示はここに引用
により本明細書に含まれる)。無定形炭素とグラファイ
ト間のインタフェースは通常、材料の構造的硬直性を弱
める結合されないラジカルを形成し、これにより応力下
破壊経路を供給していることが近年示された(ユーン(Yo
on)他、マサチューセッツ、ケンブリッジ;インタフェ
ース科学、v.3、1995、ページ85−100、そ
の開示はここに引用により本明細書に含まれる)。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明は上記工程に関す
る問題を克服すると考えられる新規硬質炭素材料を提供
する。本発明の材料は階層的構造の、グラファイト様
と、ダイヤモンド様炭素の両方からなり、ここに全炭素
構造が少なくとも2つの合金元素により安定化されるよ
うに、グラファイト様層がダイヤモンド様骨格により結
合されている。本発明の材料は、薄膜としても、同様に
低電圧装置を使用して広範な基質温度範囲で、大きな固
体材料としても製造することができる。本発明の材料の
成長速度は20μm/hを超えることができ、硬度は通
常約20から35ギガパスカル圧粉体の範囲であるが、
50ギガパスカル圧粉体を超えることができる。弾性モ
ジュラスは通常約150から250ギガパスカル圧粉体
の範囲であるが、500ギガパスカル圧粉体を超えるこ
とができる。
【0014】本発明をまとめると、本発明の主要な目的
は、sp結合三次元ダイヤモンド様骨格により結合さ
れたsp結合グラファイト様層からなる固体(solid s
tate)炭素材料の提供であり、ここに全炭素構造が少な
くとも2つの合金元素で安定化されている。他の本発明
の目的は、spとspの炭素−炭素結合、及び/又
はカーバイド、ケイ化物(silicide)およびオキシド結合
の成分が、ナノメートル単位及び/又はマイクロメ−ト
ル単位で炭素と該安定化元素の間に調整されうる炭素材
料を提供することである。
【0015】もう1つの本発明の目的は、ダイヤモン
ド、及び/又はカーバイド、ケイ化物、酸化物、及び/
又は金属のナノ結晶またはクラスターが当該材料の無定
形構造中に包含された炭素材料を提供することである。
その他の本発明の目的は、安定化元素及び/又はそれら
の化合物の層が無定形構造中に包含され、当該安定化層
の厚さが約1ナノメートルから1,000ナノメートル
の範囲であるような炭素材料を提供することである。
【0016】従って、本発明はsp結合三次元ダイヤ
モンド様骨格により結合されたsp 結合グラファイト
様層からなる新種の硬質炭素材料を提供する。グラファ
イト様層が無方位秩序内平面(no azimuth order in-pla
ne)で相互に平行であり、ダイヤモンド様骨格が無定形
であるように、グラファイト様層構造がダイヤモンド様
骨格により結合している。炭素構造は少なくとも2つの
合金元素で安定される。さらに好ましくは炭素構造は第
1の合金元素と第2の合金元素と称される2つの合金元
素で安定化される。第1の合金元素はO、H、Nとその
組合わせからなる群から選択される元素である。第2の
合金元素はSi、B、Zr、Ti、V、Cr、Be、H
f、Al、Nb、Ta、Mo、W、Mn、Re、Fe、
Co、Niおよびその組合わせからなる群から選択され
る元素である。
【0017】本発明の材料中の炭素含有量は、炭素と全
合金元素の合計の約40から約90原子%である。本発
明の材料中のsp炭素−炭素結合含有量は、該材料中
の炭素−炭素結合の合計の約15から約90原子%であ
る。本発明の材料中のダイヤモンド様sp炭素−炭素
結合の含有量は、炭素−炭素結合の合計の約15から約
90原子%である。本発明の材料中の全合金元素の濃度
の合計は、炭素と全合金元素の合計の約10から約60
原子量%である。
【0018】本発明の新種の炭素材料は高い機械的物性
(硬度、耐疲労性、比モジュラス(specific modulus)、
摩擦特性など)、低い比重、可変電気物性、熱安定性、
耐腐食性、耐摩耗性、実質的にあらゆる基質への高い結
合性を示す。本発明の材料は、金属、セラミックス、複
合体、ガラス、テフロンを含む合成樹脂上に堆積させる
ことができる。本発明材料は、種々の用途、航空宇宙、
自動車産業用、電子工学用の保護被覆膜として、そして
整形外科材料として使用することができる。
【0019】本発明の新規炭素材料の製造方法も開示さ
れる。本発明方法は入射微粒子の電磁的活性化と、表面
成長の熱活性化を結合した真空プラズマ技術からなって
いる。製造方法はまた高速回転基質保持装置と多数のプ
ラズマトロンからなっている。
【0020】
【発明の実施の態様】本発明は、sp結合三次元ダイ
ヤモンド様骨格により結合されたsp結合グラファイ
ト様層からなる新種の硬質炭素材料を提供する。グラフ
ァイト様層構造が無方位秩序内平面で相互に平行になる
ように、グラファイト様層構造がダイヤモンド様骨格に
より結合され、そしてダイヤモンド様骨格は無定形であ
る。炭素構造は少なくとも2つの合金元素で安定化され
ている。さらに好ましくは、炭素構造は第1の合金元素
と第2の合金元素と称される2つの合金元素で安定化さ
れる。第1の合金元素はO、H、Nおよびその組合わせ
からなる群から選択される元素である。第2の合金元素
は、Si、B、Zr、Ti、V、Cr、Be、Hf、A
l、Nb、Ta、Mo、W、Mn、Re、Fe、Co、
Niおよびその組合わせからなる群から選択される元素
である。グラファイト様層構造が無方位秩序内平面に相
互に平行であるように、グラファイト様層構造はダイヤ
モンド様骨格により結合され、そしてダイヤモンド様骨
格は無定形である。
【0021】ここに使用される、用語「グラファイト様
結合」とはsp炭素−炭素結合をいう。用語「グラフ
ァイト様層状または層」とは、グラファイト様結合が主
として平面内に配向されている炭素ベース層をいう。用
語「グラファイト様材料」とはグラファイト様層からな
る材料をいう。用語「ダイヤモンド様結合」とはsp
炭素−炭素結合をいう。用語「ダイヤモンド様骨格」と
は、炭素材料の構造全体に侵入するグラファイト様層と
化学結合した三次元の、主にsp炭素ネットワークを
いう。用語「カザム(Quasam)」とは本発明の硬質炭素材
料を示す「造語」であり、そして「炭素材料及び/又は
材料」と互いに置換可能である。用語「合金元素」とは
周期律表の、炭素と水素を除く全ての元素をいう。用語
「有効バイアス電位」とは、プラズマ放電に対する基質
の加速電位をいう。
【0022】発明の1つの具体例において、図1に示さ
れるように、炭素材料は層状配列され、それによりグラ
ファイト様層中で、または材料のダイヤモンド様骨格中
で、秩序内平面(no order in-plane)が存在しない。本
発明の炭素材料は、秩序づけられた、および無定形双方
の固体形態の特徴が組み合わされており、このため「準
無定形(Quasi-amorphous)」と称されている。本発明材
料中の炭素濃度は、炭素と全合金元素の濃度の合計の約
40から約90原子%である。材料中のsp炭素−炭
素結合の濃度は、材料中の炭素−炭素結合の合計の約1
5から約90原子%である。材料中のsp炭素−炭素
結合の濃度は、材料中の炭素−炭素結合の合計の約15
から約90原子%である。材料中の合金元素の濃度の合
計は、炭素と合金元素の合計の約10から約60原子%
を構成する。
【0023】発明のより好適な具体例において、材料中
のsp炭素−炭素結合の濃度は、材料中の炭素−炭素
結合の合計の約20から約80原子%であり、材料中の
sp 炭素−炭素結合の濃度は、材料中の炭素−炭素結
合の合計の約20から約80原子%であり、本発明の材
料中の炭素濃度は、炭素と全合金元素の濃度の合計の約
40から約90原子%であり、そして材料中の合金元素
の濃度の合計は、炭素と合金元素の合計の約10から約
60原子%である。
【0024】本発明のさらに好適な具体例においては、
材料中のsp炭素−炭素結合の濃度は、材料中の炭素
−炭素結合の合計の約30から約55原子%であり、材
料中のsp炭素−炭素結合の濃度は、材料中の炭素−
炭素結合の合計の約45から約70原子%であり、本発
明の材料中の炭素濃度は、炭素と全合金元素の濃度の合
計の約55から約80原子%であり、そして材料中の合
金元素の濃度の合計は、炭素と合金元素の合計の約20
から約45原子%である。
【0025】好ましくは本発明の材料中の炭素濃度は、
炭素と全合金元素の濃度の合計の少なくとも40原子%
であり、材料中のsp炭素−炭素結合は、最適構造形
成にとって少なくとも15原子%である。
【0026】本発明によると、図2に示すようなナノメ
ートル及び/又はマイクロメ−トル単位で、グラファイ
ト様sp炭素−炭素結合とダイヤモンド様sp炭素
−炭素結合の間で徐々に比を変化させ、及び/又は比を
調整することにより、階層構造化された材料を合成する
ことが可能である。生成した構造は、内部応力は小さい
のであるが、改良された柔軟性と破壊強度特性を有す
る。好ましくは、グラファイト様sp炭素−炭素結合
とダイヤモンド様sp炭素−炭素結合の間の比は、約
10ナノメートルから約100ミリメートルの範囲で定
期的に変化するか、及び/又は調整される。炭素と合金
元素の間の、spとsp炭素−炭素結合、及び/又
はカーバイド、ケイ化物及びオキシド結合の含有量が、
ナノメートル及び/又はマイクロメ−トル単位で徐々に
変化し、及び/又は調整された階層的材料構造を合成す
ることも、本発明により可能となる。
【0027】発明の他の一具体例において、好ましくは
グラファイト様sp炭素−炭素結合の濃度は、材料中
の炭素−炭素結合の合計の約15原子%より大きく、ダ
イヤモンド様sp炭素−炭素結合の濃度は、材料中の
炭素−炭素結合の合計の約15原子%より大きく、そし
て材料中の合金元素の濃度の合計は、炭素と全合金元素
の合計の約10原子%より大きい。
【0028】本発明の材料中の合金元素は、材料を安定
化させる。即ち、固体炭素相の基本的な熱力学特性を考
えると、1固体材料中のグラファイト様とダイヤモンド
様炭素のいかなる組合わせも通常不安定であり、そして
典型的には共通グラファイト構造への相変化をもたら
す。しかしながら、材料中の合金元素は、ダイヤモンド
−グラファイトの変化を妨げ、広範囲の温度、機械的応
力および環境条件下における本発明材料の使用を可能と
する。
【0029】安定化合金元素には、Si、B、Cr、B
e、Alまたは難融解性遷移金属から選択される全ての
元素がなりうる。さらに好ましくは合金元素は、少なく
とも2つの合金元素からなる複合合金元素である。第1
の合金元素は、O、H、Nおよびそれらの組合わせから
なる群から選択される元素からなる。第2の合金元素は
Si、B、Zr、Ti、V、Cr、Be、Mg、Ca、
Hf、Nb、Ta、Mo、Wおよびそれらの組合わせか
らなる群から選択される元素である。選択的に、該合金
元素は第2の合金元素の群から選択される元素の組合わ
せと共に使用される第1の合金元素の群から選択される
元素の組合わせからなることができる。
【0030】材料中の合金元素の濃度の合計は、炭素と
全合金元素の合計の約10から約60原子%である。好
ましくは、合金元素の濃度の合計は、炭素と合金元素の
合計の約20から45原子%である。典型的には、もし
合金元素の濃度の合計が10原子%以下であると、安定
化効果が弱過ぎ、他方60原子%を越えると、本発明の
炭素材料構造の形成が少なくなる。
【0031】合金元素の最も好適な組合わせはケイ素と
酸素である。この組合わせは、非常に安定した非化学量
論的な無定形シリカネットワークSiOを与えること
が見いだされた。この安定な無定形シリカSiOネッ
トワークは、グラファイト微結晶の成長を妨げ、従って
炭素材料構造の安定化を最適化する。合金元素としてケ
イ素(Si)と酸素(O)を使用することの1つの利
点は、これらの元素の両方が、グラファイト様およびダ
イヤモンド様炭素の両方の自由原子価電子の結合に等し
く有効であることである。従って、炭素材料構造の熱安
定性が向上する。これが、次に、内部応力を低下させつ
つ、材料の機械特性を向上させる。
【0032】Si−C結合がグラファイト様層とダイヤ
モンド様炭素骨格と、無定形シリカネットワークとの間
により強い結合(cohesion)を与え、材料にさらに優れた
硬度と広い電子的および光学的ギャップを与え、炭素構
造とシリカネットワークの間のSi−O−C結合を使用
することが材料構造により高い柔軟性を与えることが測
定された。前駆体の種類、濃度選択および成長条件によ
って、広範囲のSi−CとSi−O−C結合比を本発明
の材料に使用することができる。例えば、結合比はSi
−CとSi−O−C結合の等しい濃度から、Si−O−
C結合を主とするものまで変化させることができる。ま
たSi−OとC−O結合の間の比も変化させることがで
き、好ましくは(Si−O):(C−O)>10:1の範
囲である。結合比を変化させることにより、材料の機械
的物性を変化させることができる。
【0033】本発明材料のもう1つの重要な特徴が、S
iOネットワークが実質的にいかなる基質とも容易に
化学結合を形成することができることであり、従って特
別な中間層を必要としないで、実質的にいかなる基質と
も高い結合性を示す。さらに、元素、炭素、ケイ素と酸
素は低比重であり、安価であり、そして合成または使用
中に有害材料を排出しない。
【0034】非化学量論量無定形シリカネットワークS
iO中のケイ素と酸素含有量の合計は、好ましくは、
炭素と合金元素の濃度の合計の約10から約60原子%
の範囲であり、さらに好ましくは、炭素と合金元素の濃
度の合計の約15から約45原子%の範囲である。最も
好ましくは、ケイ素と酸素含有量の合計は、炭素と合金
元素の濃度の合計の約15から約30原子%の範囲であ
る。非化学量論量無定形シリカネットワーク、SiO
中の酸素濃度「x」は、好ましくは約0.5から約2.0
であり、さらに好ましくは約0.5から約1.5、最も好
ましくは約0.5から約0.9の範囲である。かかる非化
学量論量の範囲は、カザム合成の間、無定形安定化ネッ
トワーク形成に最も好適な条件を提供する。さらに、か
かる範囲は遊離炭素と安定化元素結合の相互飽和に最も
好ましい条件を与える。
【0035】好適な具体例において、材料中のケイ素濃
度は、炭素と合金元素の濃度の合計の約10から約20
原子%の範囲であり、酸素の濃度は、炭素と合金元素の
濃度の合計の5から15原子%の範囲である;一方ケイ
素と酸素の合計量は、炭素と合金元素の濃度の合計の約
15から約30原子%の範囲である。選択的合金元素の
組合わせは、TiO、ZrO、HfO、BN
TiN、ZrN、HfNである。窒素含有量
「x」は好ましくは約0.5から約1.0の範囲である。
【0036】炭素材料は選択的に構造中に水素を含むこ
とができる。水素も遊離炭素結合を飽和させ、構造の安
定化を容易にし、これにより材料にさらなる柔軟性を与
える。しかしながら水素は、カザムの熱安定性と硬度を
低下させる。水素はまた、材料の高真空用途において特
に好ましくない、ガス放出を生じることがある。水素の
最大濃度は好ましくは炭素濃度の約100原子%であ
り、さらに好ましくは水素濃度は、炭素濃度の約50原
子%以下である。最も好ましくは水素濃度は、炭素濃度
の15原子%以下である。本発明の材料は、材料に要求
される特定の技術的必要条件により、3成分、4成分、
そしてさらに複雑な組合わせから構成することができる
ことが理解される。合金の組合わせSiO(Fe、N
i、Cr)、ここにxとyの範囲が0.5≦x≦1.0
および 1≦y≦3であるとき、その磁気的および触媒
特性を維持したまま、電気伝導性と耐高温酸化性の物性
を有するカザムを供給することができる。本発明の材料
を構造解析するとき、材料が結晶質でも非晶質でもない
固体材料であるので、ただ1つの方法の使用によっては
不可能である。かかる解析を実施する一群の方法を利用
する必要がある。かかる方法が、必要な性質の物性測定
のためのいかなる公知の方法からも選択することができ
る。例えばかかる方法には、オージェ分光学、XAFS
(X線吸収微細構造)、XPS(X線光電子分光学)、
ラマン(Raman)分光学などが含まれる。シンクロトロン
光源に基づく高分解能X線回折では、非常に厚い独立カ
ザム試料の中でさえも、絶対的に純粋な無定形固体材料
に対応するいかなる長期的秩序をも示さない。しかしな
がら同時に、高分解能X線回折では、グラファイト様層
構造による狭域秩序の強い証拠を示唆する。NEXAF
S(近吸収端X線吸収微細構造)、XPSおよびまた赤
外分光学により研究された材料の化学構造は、炭素構造
と合金元素の間のカーバイド結合の証拠を明らかにして
いるようであり、いないようでもある。カーバイド結合
は、材料合成条件に依存するので、以下に説明するよう
に、成長の間に制御可能である。しかしながら、NEX
AFSとXPSは炭素ベース構造と合金元素の間のC−
O−Si結合とC−O−Me結合の証拠を示唆する。X
AFSも、高度に異方性で、本質的に無秩序の層状材料
である、カザム以外では、高温超伝導体にのみ観察され
る酸素ピークの異常な偏倚を明らかにする。XPSはカ
ザム中の特有の酸素の特徴の同様の挙動を明らかにす
る。機械的物性測定は、材料の層状構造を明らかにし
た。
【0037】図3Aと3Bにおいて、50ミリ厚のカザ
ム試料の同じ点における115N負荷での(ビッカース
(Vickers)による)ダイヤモンドピラミッドの1000
インデンテーション(indentation)を使用して得られた
結果が示されている。曲線は刻み対角線(Imprint Diago
nal)対刻み数(Number of imprints)のプロットを表す。
曲線「i」が 刻み面積(imprinted area)を示し、他方
曲線「e」が最大接触面積のプロットである(可塑性と
弾性の両方の変形を含む)。試験の臨界点が数値で示さ
れ:I=2.5時間緩和;II=8ミリ内部クラック;I
II−V=浅い割れ(splits)である。最大の最終刻み深さ
は約10μmで、例えば材料厚さの20%であった。カ
ザムのこれらと他の機械的試験の間に示された重要な特
徴の1つが、図中に示されたような、カザム破壊の強い
分層的特徴である。図3Aと3Bで試験された材料にお
いて、第1の250インデンテーションの後、浅い長さ
8ミリ長さのクラックが観察された。しかしながら、そ
の後クラックの成長はなかった。300インデンテーシ
ョンの後、微小分裂(splitting)が観察され、新鮮な層
が見られた。730インデンテーションの後でのみ、新
たな浅いクラックが発生した。合計750インデンテー
ションの後、新しい微小分裂が生じた。新しい層が見ら
れ、試験終了時の1000番目のインデンテーションま
で、新しいクラックは生じなかった。かかる挙動がカザ
ムには典型的である。従って、本発明は高品質スチール
と同等の、非常に高い耐破壊強度を示す新規な一群の材
料を提供する。表1により、本発明材料の優れた特性を
説明する目的で、他の材料と共にカザムの硬度と耐破壊
強度を示す。
【0038】
【表1】
【0039】カザムのクラッキングしきい値は対応して
高い。ビッカーズ圧子(Vickers indenter)において、カ
ザムのクラッキングしきい値は典型的には2Nを超え、
いくつかの試料では4Nを超えることが示された。また
2000回の試験の2%以下で、0.65Nの負荷でク
ラックが見られた。それと対照的に、ほとんどのセラミ
ックスのクラッキングしきい値は典型的には約0.25
Nである。カザムの層状破壊と新規な機械的物性は、2
つの炭素の固体形態、グラファイトとダイヤモンドの両
方の特徴を統合した新種の材料の基本構造によることが
確認された。カザムの新規物性の実例には、これに制限
するのではないが、ダイヤモンド様硬度とグラファイト
様層状化が含まれる。さらにダイヤモンドは、高い三次
元機械的強度を有する砕けやすい材料であるのに対し
て、ダイヤモンド破壊強度は相対的に低い。またグラフ
ァイトは、平面内ではダイヤモンドより高い強度を有す
るが、理論強度は、グラファイト構造の層の間の非常に
弱い相互作用のために固形グラファイトでは見ることが
できない。それと対照的に、カザム中のグラファイト層
は、ダイヤモンド様骨格により結合され、比較的柔らか
い < 100 >方向の結晶質ダイヤモンド硬度に対応
する約55から60Gpaまでの硬度を有する。それで
も、カザムの破壊強度はダイヤモンドの値をはるかに超
え、従って普通のグラファイトと比較することはできな
い。
【0040】カザムは強い劈開破壊を示し、そして原子
的に平滑な断面(straits)を与える。しかしながら、グ
ラファイトと反対に、カザムの破壊は非常に高負荷で起
こり、決して数ミクロンの幅または深さを越える領域に
広がらない。その結果、破壊された試料は、材料の端部
での溝または引っ掻きの浅い跡を別として破壊的損害を
受けていない。
【0041】カザムの基本構造は、それが成長方向に沿
った特別な軸でわずかに一軸異方性であるが、平面内で
等方性の機械特性からなっている(即ち、典型的なカザ
ム試料の2つの垂直交差破壊のインデンテーションによ
り測定したビッカーズ(Vickers)硬度は実質的に同一で
あった:25±1GPa、成長面のインデンテーション
で測定した硬度は約30Gpaであった)。
【0042】もう1つのカザムの新規な特徴は、それが
約1.35から約2.0g.cm−3までの範囲、好まし
くは約1.5から約1.7g・cm−3までの範囲の低密
度を示すことである。これはグラファイトの密度(即
ち、2.25g.cm−3)よりずっと低い。比較のため
に、ドルフマンらの米国特許第5,352,493と5,
466,431号に記載されたダイヤモンド様原子単位
ナノ複合体(DLN)の密度は、約1.9から約2.5g.
cm−3の範囲である(DLNのビッカース硬度は約8
から約12の範囲であり、典型的には約10から約12
の範囲である);そしてダイヤモンド様炭素(DLC)
は、約1.8から約2.9までの範囲にあるが、このより
低い値は比較的柔らかい材料に対応している。またDL
Cの硬度は、その密度と内部応力(intrinsic stress)に
直接比例している。
【0043】それと対照的に、カザムは全ての周知の硬
質材料の密度と相違する密度を示す。周知の最も密度が
低いと考えられている硬質材料は、2.25g.cm−3
の比密度からなる立方窒化ホウ素(boron nitride)(c
−BN)である。ケイ素カーバイド(SiC)は3.3
5g.cm−3の比密度である。カザムの密度の下限界
(1.35g.cm−3)は、普通の石炭の密度そして無
煙炭の密度(1.5から1.7g.cm−3)に対応す
る。しかしながら、かかる材料(石炭)は、カザムと異
なり、非常に柔らかい材料である。従ってカザムは、新
しい種類の硬質材料であると共に、新規炭素ベース固体
材料であると考えられる。
【0044】カザムの熱膨張係数は、1.6・10−6
−1から1.7・10−6−1の範囲である。これは
ダイヤモンドやグラファイトの「平面内」の熱膨張(約
1.5・10−6−1)に近いが、垂直方向において
はグラファイトの熱膨張は、一桁以上大きい(28・1
−6−1)。考慮しなければならないことは、カザ
ムの熱膨張が700゜Kまで温度に依存しないというこ
とであり、他方ダイヤモンドやグラファイトの熱膨張は
強く温度に依存する。
【0045】カザムのグラファイト様層構造のもう1つ
の重要な特徴は、グラファイト劈開面に典型的な、この
新材料の平滑さである。表2は、0.005μmから1
60μmまで、4桁を越えて変化させた厚さの範囲で、
そして0.1μmから75cmまで、即ち、ナノ
(Ra)、ミクロ(Raμ)、およびマクロ(Ra)
スケールでほぼ11桁にわたり変化させた測定面積での
材料表面粗さを示す。測定は、0.1、1.0、100、
および2500μmの測定面積では、原子間力顕微鏡
(Atomic Force Microscopy) により、10mmの測定
面積および全基質面積(75cm)では微小粗面計(M
icro-profilometry)により実施した。Ra 係数測定に
より、ミクロ単位の領域では、原子単位の平滑さが少な
くとも50μmの厚さまで保持されていることが示され
た。図1に示されるように、かかる結果はこの新種の材
料の基本構造と一致している。100μm以上の厚さに
おいて、このRa係数は、ゆっくりと増加するが、そ
れでもナノ単位の範囲である。この増加は主にセラミッ
クヘッド(ceramic head)からのプラズマと微粒子からの
ミクロ小滴(micro-droplets)によるものである。本技術
のさらなる改良が、新材料の厚さの広範な範囲に、原子
単位の平滑さを拡大することができる。表2はナノ(R
)、ミクロ(RaB)、およびマクロ(Ra)スケ
ールでのカザムの表面粗さを示す。
【0046】
【表2】
【0047】高濃度の合金金属、特にタングステン(W)
などの重金属、を含むカザムの比密度は、約3から約6
g・cm−3まで増加しうる。しかしながら、より高い
値は、通常比重が本質的問題とならないこれらの材料の
特定の用途(例えば、保護膜、担持触媒その他)に対応
する。誘電性カザム材料は典型的には、2.0 g.cm
−3以下の比重であり、約2.5から3.5g・cm−3
の導電性材料である。100から500Gpaを越える
弾性モジュラスと関連して、かかる低密度は、本発明の
新種の材料に、図4に示すように、いくつかの機械的係
数に高い特性値を与える。
【0048】本発明によると、ダイヤモンド及び/又は
カーバイド、ケイ化物、酸化物、及び/又は金属のナノ
結晶またはクラスターが、主に無定形層及び/又は構造
に包含された材料の合成が可能となる。かかる材料は、
ナノ結晶が電子微小素子(microdevice)として使用され
る電子および光−電子用途と共に、高い摩擦抵抗を必要
とする分野に機械構造的用途を有する。
【0049】また本発明によると、安定化元素及び/又
はそれらの化合物の層が主に無定形構造に包含された材
料の合成を可能とする。包含された安定化層の厚さは、
約1ナノメートルから約1,000ナノメートルの範囲
である。かかる構造は合成工程の間のカザムを安定化さ
せる。またかかる誘電マトリックス層と薄い金属層から
なる構造は、立体(multi-level)電子パッケージの用途
がある。
【0050】本材料(カザム)は、非常に薄い膜(即
ち、1.0ナノメートル厚さ)から大きな材料(即ち、
2.54cm(1.0インチ)厚の層状複合材料)までの
形態で製造することができる。本技術は0.7mを越
える材料析出面積を可能としているが、析出面積または
材料の堆積厚さに限界は存在しないと思われるので、航
空機用途など、宇宙航空産業で使用することができる超
軽量材料の開発を可能とする。
【0051】図5に示されるように、本技術の原理は、
合金元素を使用した炭素の相平衡の変位と、材料合成の
間の前駆体種の熱活性化と電磁エネルギー付与との組合
せを基礎としている。この方法(即ち、表面成長の熱活
性化と入射微粒子の運動エネルギーによる活性化)は、
準平衡成長条件を作り、それにより、形成された材料は
最適のsp:sp比を有する構造となる。この構造
において、sp結合が三次元ネットワークを形成する
一方、ほとんど全てのsp結合は成長平面のみに配向
している。これはグラファイト様材料とダイヤモンド様
材料の核生成機構の間の本質的相違による。グラファイ
ト層形成は安定化表面により促進され、そこで四面体ダ
イヤモンド様ネットワーク形成は、入射微粒子の運動エ
ネルギーにより、成長表面上での核生成の点様中心によ
り、そして特に、形成されたsp ネットワークの自由
結合により活性化される。
【0052】材料形成の間、炭素と合金元素の原子価結
合は、成長している構造中で初期には遊離したままであ
る。この点に関し、最適析出温度において、その穏健な
熱活性化が、かかる遊離結合(即ち、C−O、Si−
O、C−Siなど。)の相互飽和を促進することは重要
であり、他方これらの原子は表面、または少数の頂上表
面(few top surface)、層の上に位置を占める。とにか
く、工程のこの時期に、それぞれの炭素(または合金原
子)は、固体材料の本質的な変形なしに、他の原子との
結合を形成することができる。またかかる飽和は、材料
構造中に応力を追加創造することはない。
【0053】さらに、もし合成の間の温度が低過ぎた場
合、あまりに多くの遊離結合が成長中の構造中に閉じこ
められ、生成材料は高い応力のために不安定となる。も
し合成の間の温度が高すぎる場合、グラファイト様構造
は微結晶質グラファイトに変化する。もし入射粒子のエ
ネルギーが低過ぎた場合、sp結合の濃度が低下し、
本材料は形成されないであろう。もし入射粒子のエネル
ギーが高すぎた場合、spとsp結合の不要な配向
を生じ、本材料は形成されないであろう。
【0054】最適成長条件において、1つの材料中に、
ダイヤモンドとグラファイトの2つの固体材料からなる
混成炭素を基礎とする構造が形成され、それにより新規
物性を有する本発明材料が提供される。本発明技術は、
熱活性化工程を使用する熱力学的に安定したグラファイ
ト層の形成と同時に、原子単位のダイヤモンド様繊維で
これらの層を「縫い合わせる(sewing)」ものと説明する
ことができる。最適な成長条件は、(1)初期の気体種
の電磁的エネルギー付与;(2)特定温度範囲での表面
熱活性化;および(3)本発明材料の合成に必要な、連
続的準平衡成長条件を保つための合金元素を使用した炭
素相平衡の偏倚、である。材料合成の間に制御するべき
重要な係数には、入射イオンと、成長材料表面の荷電遊
離基の種類とエネルギーおよびその成長の間の材料の温
度がある。
【0055】カザム成長中の入射微粒子のエネルギー範
囲は、好ましくは約10から約500電子ボルト、さら
に好ましくは約25から約250電子ボルト、最も好ま
しくは約50から約200電子ボルトである。上記の範
囲のエネルギーでは、入射イオンと荷電遊離基は必要な
結合を形成し、本発明材料に、2g/cm以下の比
重、非常に低い熱膨張率、高い耐化学性、高い熱安定性
および無空孔構造を有する周知の材料の間に、高機械的
特性(即ち、硬度、弾性モジュラス、破壊強度)などの
新規な特徴を付与する。カザム成長中の成長温度範囲は
好ましくは約200℃から約1000℃、より好ましく
は約250℃から約650℃、最も好ましくは約300
℃から約500℃である。図6に示されるように、この
温度範囲において、材料硬度も硬度と内部応力の間の比
も高い。
【0056】本発明の成長工程の好適な具体例におい
て、微粒子のエネルギー範囲は、約50から約200電
子ボルトであり、成長温度の範囲は、約300℃から約
500℃である。 これらの係数に従って形成された材
料は、最も低い比密度、内部応力と熱膨張係数と共に、
高い硬度と弾性モジュラスを有する。合成された材料
は、平衡にある固体でも平衡にある化合物でもないが、
その材料は非常に高い安定性(即ち、結晶ダイヤモンド
に匹敵する)を有する。結晶ダイヤモンドのように、本
発明の材料は普通の条件において熱力学的には不安定で
あるが、非常に高い実際の安定性を有する。
【0057】本発明の材料の好適な合成方法を例示する
と: (1)低圧力の蒸気または選択された前駆体ガス
中で初期プラズマ放電を生成させ; 初期プラズマ生成
はD.C.またはr.f.電場中で、電場と交差方向に磁
場を適用して実施し; (2)初期の電場と交差方向
で、磁場に平行に第2のD.C.またはr.f.電場を適
用し、それによりさらに初期プラズマを活性化させ;
(3)プラズマから材料析出表面に向かってイオンと荷
電遊離基を場加速(および誘導)し; (4)析出する
材料の成長最前線上の特定表面化学処理を熱的に活性化
させる。
【0058】材料成長を維持すると共に、容易にするプ
ラズマ発生器の幾何学的形状を最適化することも重要で
ある。入射微粒子の最適エネルギー範囲(例えば、カザ
ム成長中の基質の有効バイアス電位の範囲)は好ましく
は約−20から約−200V、より好ましくは約−25
から約−100V、最も好ましくは約−50から約−1
00Vである。より簡単で必要な装置がより安価な工程
とすることができるので、低エネルギー範囲は、本発明
材料の合成の重要な特徴である。本発明材料合成のバイ
アス電位の最適範囲は、以下の条件に依存する:実際の
圧力と反応容器内でのその空間分布、反応容器内幾何学
配置、選択された前駆体、プラズマ発生条件およびプラ
ズマ中の初期分子開裂の効率。従って、バイアス電位の
範囲は、本発明材料の製造に使用される特定の反応容器
と合成条件用に個々決定されなければならず、上記バイ
アス電位の範囲は、説明のみを目的としており、制限す
るものではない。
【0059】本発明の工程の1つの具体例を図7Aと7
Bに示す。1で一般に示された真空室は、従来の拡散と
メカニカルポンプ(示されていない)からなり、矢印は
該室のポンプ出口を示している。真空室1の初期真空度
は約3x10−4から約3x10−3Paの範囲である。
材料析出領域の圧力は合成に重要ではない。即ち、標準
(約1気圧)の圧力条件下においても材料を析出させる
ことができる。しかしながら、かかる条件下で高エネル
ギー微粒子を供給するためには、精巧で高価な装置が必
要である。同様に、高真空条件(即ち、10−3から約
10−5Pa)がより実行可能であるが、かかる条件で
は、成長速度が限定され、生産性が相対的に低く材料コ
ストが高くなる。好ましくは、プラズマ放電圧は約5x
10−2Paから約10Pa、さらに好ましくは、約2
x10−1から約2.0Paの範囲である。材料析出領域
の圧は、プラズマ放電領域での圧を超えるべきではない
が、どんなにより低い値にも制限されず、特に差動ポン
プ装置の場合には、真空装置の技術設計に依存する。最
も好ましくは、析出工程の間の真空室中の圧力は、約1
x10−2から約1.0Paの範囲である。
【0060】既存のプラズマ真空室は、処理を速く開始
するためにターボ分子ポンプからなっている。 ターボ
分子ポンプは、Ti、Zrなどの難融解性遷移金属を含
む本発明の階層的カザムを基礎とする構造の合成を容易
にすることができ、該金属はスパッタリング中真空環境
に敏感である。ターボ分子ポンプは広範囲のカザム構造
の合成を容易にするが、ターボ分子ポンプはカザム合成
には選択的である。
【0061】図7Aと7Bにおいて、装置の重要な特徴
は、主要フランジ3上に設置されたプラズマトロン2で
あり、一方超高速回転基質保持装置4−12は、カザム
材料の技術効率、生産性および利用可能物性の範囲を本
質的に向上させる。基質保持装置(4−12)の超高速
入路は真空室1から絶縁され、独立のバイアス電位を有
する。超高速入路は、電気絶縁回転保持装置7,担持基
質6、固定子4、5および12、真空密封磁気クラッチ
8、機械クラッチ9および電気モーター10からなって
いる。モーター10と同様、磁気クラッチ8と機械クラ
ッチ9の両方は、特別区域11に設置されている。保持
装置回転速度は0から1500回転/分まで変化させる
ことができる。保持装置バイアス電位は、約0から約−
1000V DCもしくはr.fの範囲で変化させること
ができる。
【0062】プラズマトロンは真空室から完全に絶縁さ
れ、熱フィラメント陰極電位は真空室接地電位と基質保
持装置バイアス電位から独立している。従って、一方で
は個々のプラズマ源との間、他方では基質保持装置と基
質の間の有効加速電位は、1つの析出処理の間、それぞ
れ個々のプラズマトロンにより相違することができる。
回転中、各基質は順次各プラズマトロンを通過し、そこ
で異なる加速電圧が適用され、それに対応してエネルギ
ーの異なる微粒子が実現される。グラファイト様層とダ
イヤモンド様骨格の好適条件は、基質回転の間にそれぞ
れの基質上に順次実現されうる。
【0063】例えば、約20から約100Vの有効加速
電圧を有する低エネルギープラズマトロン、および約2
00から約1000Vの範囲から選択される有効加速電
圧を有する高エネルギープラズマトロンが、反応容器の
各側に設置されたプラズマトロンの合計数Nが偶数とな
るように、交互配置される。回転速度w(s−1)は、
1対のプラズマトロンに対応する角度の上の多数の基質
保持装置の間の析出物の整数(n)の単層の合成に対応
する。整数(n)は好ましくは10以下である。好適な
回転速度はw=2V/Nn・s−1である。
【0064】ここに、V=15μm/h、N=2、n=
1、回転速度w=900回転/分である。さらに集中的
な析出処理においては、ここに、V=25μm/h、N
=2、n=1、そして最適回転速度w=1500回転/
分であり、それは既存の装置で利用可能な最大値に相当
する。選択的に、低回転速度を使用することもできる。
例えば、V=10μm/h、N=6、n=10およびw
=20回転/分である。かかる回転速度とプラズマビー
ムのエネルギー係数の制御は、同じ真空室で1つの連続
処理の間の物質の階層構造の成長を可能にする。また、
プラズマトロンの側方設置(side installation)は、本
発明においては任意の特徴であるが、かかる設計は、装
置の生産性を2倍にし、歪みを最小にしつつ、成長構造
内部応力を補償する。
【0065】良く焦点の合ったプラズマビームを供給す
るプラズマトロンと低分子のイオンと遊離基への前駆体
気体の効率的な変換が、本発明材料の合成に使用するこ
とができる。かかるプラズマトロンの設計が図7Aと7
Bに、例示のみの目的で図示されている。図に示される
ようにプラズマトロン2は、前駆体蒸気注入器13、熱
フィラメント14および熱高電流電磁コイル15からな
っている。熱フィラメント14と熱高電流電磁コイル1
5は同じ高電流線の一連の素子である。内部スクリーン
16と19はタングステンまたはW−Mo合金で製造さ
れる。外部スクリーン17は高温セラミックスから製造
される。水冷却スクリーン18とフィラメント保持装置
20はタングステンまたは モリブデンで製造される。
絶縁された入路が21に示される。典型的なフィラメン
ト電流は約60から約100Aの範囲である。スクリー
ン17、18に対するフィラメント電圧は、約100か
ら約160Vであり、一方接地電圧(例えば真空室本体
の電位)に対するスクリーン電位は約0から約1500
Vの範囲、好ましくは、約0から約500Vの範囲であ
る。基質保持装置は接地電位に対して約50から約20
0の範囲のDC電位で、または約100KHzから約1
3.56MHzの周波数範囲の等しいr.f.電位で、
バイアスしても良い。
【0066】多くの異なる前駆体とプラズマ放電へのそ
れらの供給方法が材料合成に使用することができるが、
最適な前駆体の選択がより低コスト生産と高材料効率を
与える。本発明には、炭素と各合金元素用の別の前駆体
を含む気体、液体、または固体の前駆体が考えられる。
プラズマへの前駆体の種々の導入方法には、気体前駆体
の単なる導入、液体前駆体の注入、液体または固体の前
駆体の蒸発、及び/又は固体前駆体のスパッタリングな
どが含まれる。安定化のための好適な合金元素には、ケ
イ素と酸素が含まれる。かかる元素の例にはケイ素系有
機化合物が含まれ、特にシロキサン類である。本発明の
範囲内のシロキサンの例としては、これに制限するので
はないが:シクロヘプタシロキサンC1442
(分子量M519; 融点Tm−26℃;沸点Tb=
154℃),シクロトリシロキサンC24Si
(M=265; Tm=−3;Tb=199),シクロヘプ
タシロキサン類C1442Si (M 519;T
m−26;Tb=154),シクロテトラシロキサン類C
24Si(M 308;Tm < 0,Tb=8
4), C16Si(M=240,5;Tm=−
65;Tb =134.5), C22Si(M
283;Tm−27;Tb165), C24 Si
(M 297;Tm17,5;Tb175),C2832
Si(M=545;Tm=−99;Tb =237),
1224Si(M=345;Tm=−43.
5;Tb=224), C1232Si(M=35
3;Tm=−43.5;Tb =245),フェニルメチルシ
ロキサンC2742Si (M=571;Tm <
0;Tb=297)である。上記化合物のどれも、蒸気と
して直接外部の源から反応容器のプラズマ生成領域に導
入することができ、他方シクロトリシロキサン類とシク
ロテトラシロキサン類、C18Si(M=2
22;Tm=64.5;Tb=134)、C2430
Si(M=451;Tb=166)、C21
24Si(M=409;Tm=100;Tb=1
90)、C3240Si(M=601;Tm=
106;Tb=212)、C2048Si(M
=465;Tb=291)、C4840Si
(M793;Tm =200;Tb=330)は、直
接反応容器内のプラズマ生成領域に気化しなければなら
ない。シクロテトラシロキサン類、C 32
(M=545;Tm =−99;Tb=237)、
48 40Si(M793;Tm =200;
Tb =330)、およびC32 40Si(M
=601;Tm=106;Tb=212)は、高いC:
H比を有することを特徴とし、ここにC4840
Si(M793;Tm=200;Tb=330)は、
最も高いC:H>1値を有する。
【0067】カザム合成用の好適な前駆体としては、ト
リシロキサン類とテトラシロキサン類の群のケイ素−有
機化合物、特にシクロテトラシロキサンC2832
Si(M=545;Tm=−99;Tb=237)
とフェニルメチルシロキサンC2742Si
(M=571;Tm<0;Tb=297)がある。今
日までに、本発明材料は約0.1から1.0ミリメートル
の厚さが合成されている。加えて、約百層のカザムから
なる2センチ厚の構造物が製造されている。今日までに
製造された最大析出面積は、約5から約10cm/日/
カメラの生産能力を有するカメラ当たり約7,000c
であるが、限界が存在するわけではなく、さらに大
きな厚さの材料を製造するための改良が、進んでいるこ
とを指摘することは重要である。
【0068】本発明材料は、非常に高い機械的物性(硬
度、耐疲労性、比モジュラス、破壊強度、破壊閾値、耐
摩擦特性、その他)、可変電気特性、熱安定性、耐腐食
性、耐摩耗性、低比重、優れた生体適合性、実質的に全
ての基質との高い接着性を有し、そして金属、セラミッ
クス、複合体、ガラスおよびテフロンを含めての合成樹
脂上に堆積させることができる。本発明材料は、高精度
の機械用に、特に、超小型機構装置用に、超小型電子装
置(MEMS)として、そしてまた高い熱伝導性絶縁基
質としてなど、種々の用途の保護膜として使用すること
ができる。金属の合金元素を含む材料は、熱と電気の導
体基質として使用することができる。本発明材料は、航
空宇宙や自動車用の構造材料として使用することがで
き、整形外科の用途も有する。
【0069】
【実施例】以下の実施例は、さらに本発明の炭素材料
(カザム)の合成、物性と応用を説明するためのもので
ある。金属性合金金属は実施例中に説明されていない
が、以下の金属は本発明の電導性カザムと階層多層複合
体材料の生産に成功裏に使用されている:Be、Se、
Ti、Zr、Al、Nb、Ta、Cr、W、Fe、C
o、NiおよびRe。また合金元素の第2の群からの以
下の金属は、本発明のカザム材料の成長に特に好適であ
る:約6から約15原子%の範囲のBe;各元素当たり
約5から約20原子%の範囲のAl;約5から約40原
子%の範囲のTi、Zr、Hf、Nb、TaおよびR
e;各元素当たり約5から約50原子%の範囲のCr、
Mo、W:各約5から約50原子%の範囲のFe,C
o、Ni;合計約10から約55原子%の範囲のCr、
Fe、Ni、Co合金;約10ナノメートルから約10
00ナノメートルの範囲のW、CrおよびTiを含有す
る層。
【0070】実施例1 本発明材料を下記条件で析出した: 最大粒子エネルギー 90eV 加速場 r.f., 1.75MHz 陰極電流 66A プラズマトロンの数 1 前駆体 フェニルメチルシロキサンC
2742Si(M=571;Tm< 0;Tb =2
97) 距離"フィラメント−基質" 8cm 基質温度 300℃ 前駆体流量 7cm時間−1 硬質グラファイト様材料 成長速度 8μm時間−1 有効析出面積(直径) 40cm 処理時間 0.5時間 該材料は以下のように成長した: 厚さ 4μM 比密度 1.45 g.cm−3 硬度 18Gpa 弾性モジュラス 140Gpa 粗さ, Ra < 0.02μm 熱膨張 1.6×10−7K−1 熱伝導度 0.75cm S−1 電気抵抗 1012Ω・cm
【0071】実施例1で示された材料の1つの用途は、
絶縁膜(例えば自動車センサー用のスチール薄膜)とし
ての使用である。活性センサー構造(薄膜歪み変換器)
を、実施例1の炭素材料により構成することができる。
このようなセンサー構造は、以下の特徴を示すと考えら
れる:スチール薄膜と活性センサー構造間と同様に、ス
チール薄膜と硬質炭素の間の優れた接着性;原子的平滑
表面;柔軟性と高い耐疲労性。 実施例2
【0072】本発明材料を以下の処理条件で堆積させ
た: 最大粒子エネルギー 90eV 加速場 DC 陰極電流 65A プラズマトロンの数 1 前駆体 フェニルメチルシロキサンC
2742Si(M=571;Tm<0;Tb=
297) 距離「フィラメント−基質」 6cm 基質温度 385℃ 前駆体 流量 7cm時間−1 硬質グラファイト様材料 成長速度 10μm時間−1 有効析出面積(直径) 30cm 処理時間 0.5時間 本発明材料は以下のように成長した: 厚さ 5μm 比密度 1.96g・cm−3 硬度 38Gpa 弾性モジュラス 512Gpa 粗さ、Ra 0.02μm 熱膨張 1.6 x 10−7K−1 熱伝導度 0.75cm−1 電気抵抗 5x1012Ωcm
【0073】実施例2の材料は高い強度と弾性モジュラ
スを示す。実施例2により製造された材料の応用領域に
は、硬質保護膜、特にスチール製工具の保護膜がある。 実施例3 微粒子エネルギーがより低く、基質温度が高かった他
は、実施例1と同様の条件下で材料を堆積させた。また
プラズマトロンと基質間の距離はより小さく、成長速度
はそれに対応して実施例1より高かった。材料は下記条
件により析出させた:
【0074】 最大粒子エネルギー 75 eV 加速場 r.f., 1.75MHz 陰極電流 70A プラズマトロンの数 1 前駆体 フェニルメチルシロキサンC
2742Si(M=571;Tm<0;Tb =2
97) 距離"フィラメント−基質" 5.5cm 基質温度 470℃ 前駆体流量 8cm時間−1 硬質グラファイト様材料 成長速度 14μm時間−l 有効析出面積(直径) 25cm 処理時間 0.25時間 該材料は以下のように成長した: 厚さ 3.5μM 比密度 1.56g・cm−3 硬度 25Gpa 弾性モジュラス 160Gpa 粗さ, Ra 0.0025μm 熱膨張 1.6×10−7 K−l 熱伝導度 0.8cm−l 電気抵抗 10Ω.cm
【0075】本材料は、切削工具の保護膜、特に高速ス
チール切削工具の保護膜として使用することができる。
色々な国(米国、日本、イスラエル)で製造された、異
なる直径と形状を有するミルを、実施例3により得られ
た材料でコーティングし、スチール切削の標準的条件で
試験した。発明材料でコーティングしたとき、試験(デ
ータは示されていない)では、ミルの寿命は62から6
5%の向上が示された。 実施例4 粒子エネルギーを50電子ボルトとし、基質温度を53
0℃とし、プラズマトロンと基質間の距離を4cmと
し、成長速度を20μm・時間−1とし、そして処理時
間を15時間とした他は実施例1と同様の条件下で本発
明材料を堆積させた。材料は以下の処理条件で析出させ
た:
【0076】 最大粒子エネルギー 50 eV 加速場 r.f., 1.75MHz 陰極電流 65A プラズマトロンの数 1 前駆体 フェニルメチルシロキサン 距離"フィラメント−基質" 4cm 基質温度 530℃ 前駆体流量 8cm時間−l 硬質グラファイト様材料 成長速度 20μm時間−1 有効析出面積(直径) 20cm 処理時間 15時間 本発明材料は以下のように成長した: 厚さ 300μm 比密度 1.5 g.・cm−3 硬度 28Gpa 弾性モジュラス 180Gpa 粗さ, Ra 2.1μm 熱膨張 1.7×10−7−1 熱伝導度 0.8cm s−1 電気抵抗 8 x10Ω.cm
【0077】ケイ素基質に、ダイヤモンドチップを使用
して後ろから横に引っ掻き傷をつけた。2×2cm
試験片を作成した。その後、基質を該試験片から食刻
し、独立の材料を、析出材料組成と同様の組成を有する
高温化合物と接着した。63の複合中間層(約800μ
m)の全体厚を有する2×2×2cmの固体材料を得
た。この材料は、電子装置の熱−伝導性絶縁基質と共
に、保護膜として使用することができる。材料はまた、
超小型機構および超小型電子機構装置の基本構成材料と
しても使用することができる。 例5 成長条件がより高温であったことを除いては、実施例4
と同様の条件で材料を堆積させた。材料は下記条件で析
出させた:
【0078】 最大粒子エネルギー 50 eV 加速場 r.f., 1.75MHz 陰極電流 65A プラズマトロンの数 1 前駆体 フェニルメチルシロキサン
2742Si(M=571;Tm<0;Tb =
297) 距離"フィラメント−基質" 2cm 基質温度 955℃ 前駆体流量 7cm時間−1 硬質グラファイト様材料 成長速度 17μm・時間−1 有効析出面積(直径) 10cm 処理時間 2時間 該材料は以下のように成長した: 厚さ 34μm 比密度 1.6 g・cm−3 硬度 31Gpa 弾性モジュラス 220Gpa 粗さ, Ra 0.7μm 熱膨張 1.7×10−7−1 熱伝導度 0.7cm−l 電気抵抗 5×10Ω・cm
【0079】本材料の一般物性は、やや低い電気抵抗と
高い熱安定性を示したが、実施例4で成長させた材料と
同等であった。 実施例6 本発明材料を異なる種類の加速場で高温下で成長させ
た。材料は下記処理条件で析出させた:
【0080】 最大粒子エネルギー 50 eV 加速場 r.f., 1.75MHz 陰極電流 65A プラズマトロンの数 1 前駆体 フェニルメチルシロキサンC
2742Si 距離"フィラメント−基質" 3cm 基質温度 685℃ 前駆体流量 7cm時間−1 硬質グラファイト様材料 成長速度 15μm時間−1 有効析出面積(直径) 15cm 処理時間 6時間 該材料は以下のように成長した: 厚さ 90μm 比密度 1.55 g.cm−3 硬度 32Gpa 弾性モジュラス 260Gpa 粗さ, Ra 0.3μm 熱膨張 1.7×10−7K−1 熱伝導度 0.8cm s−1 電気抵抗 10Ω.cm
【0081】本材料の一般的特徴は、高い温度安定性で
ある。酸素なしの環境で、実施例6に従って成長させた
材料は、少なくとも685℃の温度で、一定期間使用す
ることができる。 実施例7 異なる加速場であることを除き、実施例6と同様の条件
において材料を成長させた。材料は以下の処理条件で堆
積させた:
【0082】 最大粒子エネルギー 100eV 加速場 DC 陰極電流 70A プラズマトロンの数 1 前駆体 フェニルメチルシロキサンC
2742Si (M=571;Tm<0;Tb
=297) 距離「フィラメント−基質」 2cm 基質温度 1095℃ 前駆体流量 8cm時間−l 硬質グラファイト様材料 成長速度 12μm時間−l 有効析出面積(直径) 10cm 処理時間 1.0時間 下記条件で材料は成長した: 厚さ 12μm 比密度 1.96 g・cm−3 硬度 30Gpa 弾性モジュラス 220Gpa 粗さ、 Ra 0.04μm 熱膨張 1.7×10−7−l 熱伝導度 0.8cm−l 電気抵抗 5×10Ω.cm
【0083】この材料は、実施例6で成長させた材料よ
りさらに高い熱安定性を有し、厳しい(非常に高い)温
度条件、例えばかかる条件用のセンサー薄膜などに使用
することができる。 実施例8 本発明材料を以下の処理条件で、堆積させた:
【0084】 最大粒子エネルギー −100eV 陰極電流 65A プラズマトロンの数 2 前駆体 フェニルメチルシロキサン
2742Si(M=571;Tm<0;Tb
=297) 距離「フィラメント−基質」 6cm 基質温度 385℃ 前駆体流量 2x8cm時間−1 硬質グラファイト様材料 成長速度 20μm時間−1 有効析出面積(直径) 30cm 処理時間 20時間 材料は以下のように成長した: 厚さ 400μm 比密度 1.56g・cm−3 硬度 28Gpa 弾性モジュラス 195Gpa 粗さ、 Ra 3μm 熱膨張 1.6×10−7−1 熱伝導度 8.5cm−1 電気抵抗 5×10Ω.cm
【0085】本発明材料は、図7Aおよび7Bに図示し
たようにして反応容器内に堆積させた。 実施例9 下記処理条件で本発明材料を堆積させた。
【0086】低エネルギー 50eV、 r.f. 、
1.75MHz 高加速電圧 250eV、DC 陰極電流 65A プラズマトロンの数 6 前駆体 フェニルメチルシロキサン C27
42Si(M=571;Tm<0;Tb=29
7) 距離「フィラメント−基質」 6cm 基質温度 400℃ 前駆体流量 8cm時間−1 硬質グラファイト様材料 成長速度 15μm・時間−1 有効析出面積(直径) 80cm 回転 300分−1 処理時間 10時間 以下のように材料は成長した: 厚さ 150μm 比密度 1.57g・cm−3 硬度 18Gpa 弾性モジュラス 170Gpa 粗さ、 Ra 1μm 熱膨張 1.7×10−7−1 熱伝導度 0.8cm−1 電気抵抗 5×10Ω.cm
【0087】本発明材料は、図7Aおよび7Bに図示し
たようにして反応容器内に堆積させた。 実施例10 本発明材料を以下の処理条件により堆積させた。
【0088】 最大粒子エネルギー 90eV 加速場 r.f. 、1.75MHz 陰極電流 66A プラズマトロンの数 1 前駆体 フェニルメチルシロキサン
2742Si(M=571;Tm<0;Tb
=297) 距離「フィラメント−基質」 8cm 基質温度 300℃ 前駆体流量 7cm時間−1 硬質グラファイト様材料 成長速度 7μm・時間−1 有効析出面積(直径) 40cm 処理時間 1時間 材料は以下のように成長した: 厚さ 7μm 比密度 1.8g.cm−3 硬度 15Gpa 弾性モジュラス 120Gpa 粗さ、 Ra <0.02μm 熱膨張 1.6×10−7−1 熱伝導度 0.75cm−1 電気抵抗 3×1012Ω.cm
【0089】本発明材料は、図7Aおよび7Bに図示し
たようにして反応容器内に堆積させた。以上述べたよう
に、当業者には、上記発明および実施例に種々の変形
を、本発明の要旨を変更することなく実施することがで
きることは明らかであろう。従って、本発明は、その基
本的な特徴もしくは要旨からはずれることなく、プラズ
マトロンと処理条件の特定の設計を含めて、発明を他の
種々の特定の態様で具体化することができる。従って、
具体例と実施例は、あらゆる点で説明的で、そして制限
するものでなく、本発明の範囲は、前述のものより、む
しろ添付した特許請求の範囲により示されており、従っ
て、特許請求の範囲の等価事項の範囲と意味の中での全
ての変更はその中に含まれるものである。本発明はsp
三次元ダイヤモンド様骨格により結合されたsp
合グラファイト様層からなる新種の硬質ナノ構造材料を
提供し、ここに炭素構造の全体は少なくとも2つの合金
元素で安定化され:その第1の合金元素はO、H、Nと
それらの組合わせからなる群から選択され、その第2の
合金元素はSi、B、Zr、Ti、V、Cr、Be、H
f、Al、Nb、Ta、Mo、W、Mn、Re、Fe、
Co、Niおよびそれらの組合わせからなる群から選択
される。また該新種材料の製造方法も開示する。
【0090】
【発明の効果】本発明炭素材料は高い機械的物性(硬
度、耐疲労性、比モジュラス、摩擦特性など)、低い比
重、可変電気物性、熱安定性、耐腐食性、耐摩耗性、実
質的にあらゆる基質への高い結合性を有する。また金
属、セラミックス、複合体、ガラス、テフロンを含む合
成樹脂上に堆積させることができる。本発明材料は、種
々の用途、航空宇宙、自動車産業用、電子工学用、そし
て整形外科材料としての保護被覆膜として使用すること
ができる。
【図画の簡単な説明】
【図1】 本発明の炭素材料の具体例を示す模式図であ
る。
【図2】 本発明の炭素材料の階層的構造の具体例を示
す模式図であり、ここにグラファイト様sp結合とダ
イヤモンド様sp結合の間の比は周期的に調整される
[調整の周期は10ナノメートルから1000ナノメー
トルの範囲にあり;(1)−柔軟上層、自己潤滑性、
(2)−調整周期を有する構造、(3)−基質]。
【図3】 図3(a)と(b)は、本発明の炭素材料の
具体例を使用した同じ点でのダイヤモンドピラミッド(V
ickers による)の1000インデンテーションを使用し
て得られた結果を示すグラフである[上図:1.15N
負荷、50μm厚試料;下図:0.65N負荷、205
μm厚試料]。
【図4】 他の周知材料と本発明カザム材料の機械的係
数の比較を示すグラフである。
【図5】 温度−応力座標での、カザム(上)と普通の
ダイヤモンド様炭素(下)の炭素相平衡のおおよその範
囲を示すグラフである[圧縮応力は圧力と等しい]。
【図6】 本発明材料の物性と成長条件の間の相互関係
を示すグラフである[硬度と硬度/応力比対成長温
度]。
【図7】 図7Aと7Bは、本発明の炭素材料の具体例
の製造に使用された新しい改良された真空プラズマ装置
を示す図である。
【符号の説明】
1・・・真空室、2・・・プラズマトロン、3・・・主要フラン
ジ、4−12・・・超高速回転基質保持装置、4,5・・・固
定子、6・・・担持基質、7・・・電気絶縁回転保持装置、8
・・・真空密封磁気クラッチ、9・・・機械クラッチ、10・・
・電気モーター、11・・・特別区域、13・・・前駆体蒸気
注入器、14・・・熱フィラメント、15・・・熱高電流電磁
コイル、16、19・・・内部スクリーン、17・・・外部ス
クリーン、18・・・水冷却スクリーン、20・・・フィラメ
ント保持装置、21・・・入路
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4G032 AA04 AA13 AA41 BA02 GA00 4G046 CA04 CB03 CC06 EA03 EA05 EB03 EC03 4K030 AA06 AA16 BA27 BA28 BB04 BB11 FA01 GA05 JA10 JA11 JA17 KA28 KA30 LA01 LA11

Claims (19)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 sp結合グラファイト様層構造とsp
    結合三次元ダイヤモンド様骨格からなる硬質炭素材料
    であって、ここに該グラファイト様層構造が、該ダイヤ
    モンド様骨格により結合され、該炭素材料が2つの合金
    元素により安定化されており、該第1の合金元素がO、
    H、Nおよびその組合わせからなる群から選択される元
    素であり、該2の合金元素がSi、B、Zr、Ti、
    V、Cr、Be、Hf、Al、Nb、Ta、Mo、W、
    Mn、Re、Fe、Co、Niおよびその組合わせから
    なる群から選択される元素であることを特徴とする硬質
    炭素材料。
  2. 【請求項2】 該材料中の炭素含有量が、炭素と該第1
    と第2の合金元素の合計の約40から約90原子%を構
    成する請求項1の硬質炭素材料。
  3. 【請求項3】 該材料中のグラファイト様sp炭素−
    炭素結合が、該材料中の炭素−炭素結合の合計の約15
    から約90原子%を構成する請求項1の硬質炭素材料。
  4. 【請求項4】 該材料中のダイヤモンド様sp炭素−
    炭素結合が、炭素−炭素結合の合計の約15から約90
    原子%を構成する請求項1の硬質炭素材料。
  5. 【請求項5】 該第1と該第2の合金元素の濃度の合計
    が、炭素と該第1と該第2の合金元素の合計の約10か
    ら約60原子%である請求項1の硬質炭素材料。
  6. 【請求項6】 該グラファイト様sp炭素−炭素結合
    が、炭素−炭素結合の合計の約15原子%より多く、該
    ダイヤモンド様sp炭素−炭素結合が、炭素−炭素結
    合の合計の約15原子%より多く、該第1と第2の合金
    元素の濃度の合計が、炭素と、該第1と第2の合金元素
    の合計の10原子%より大きい請求項1の硬質炭素材
    料。
  7. 【請求項7】 該グラファイト様層が、無方位秩序内平
    面で相互に平行であり、該ダイヤモンド様骨格が完全に
    無定形である請求項1の硬質炭素材料。
  8. 【請求項8】 階層構造化材料が形成されるように、該
    グラファイト様sp結合と該ダイヤモンド様sp
    合の間の比がナノメートル単位及び/又はマイクロメ−
    トル単位で調整することができる請求項1の硬質炭素材
    料。
  9. 【請求項9】 該グラファイト様sp結合と該ダイヤ
    モンド様sp結合の間の比が、約10ナノメートルか
    ら100μmの範囲で調整される請求項8の硬質炭素材
    料。
  10. 【請求項10】 炭素と第1と第2の合金元素との間の
    該カーバイド、ケイ化物またはオキシド結合が、ナノメ
    ートル及び/又はマイクロメ−トル単位で調整されてい
    る請求項9の硬質炭素材料。
  11. 【請求項11】 該元素により形成される層の厚さが約
    1ナノメートルから約1,000ナノメートルの間にな
    るように、該第1と第2の合金元素が、無定形構造中に
    包含されている請求項1の硬質炭素材料。
  12. 【請求項12】 ダイヤモンド、カーバイド、ケイ化
    物、酸化物または金属の該ナノ結晶またはクラスター
    が、無定形構造中に包含されている請求項1の硬質炭素
    材料。
  13. 【請求項13】 硬質炭素材料の製造方法であって、流
    れ中の炭素微粒子の少なくとも55原子%が、約20か
    ら約95電子ボルトの範囲のエネルギーを有する、イオ
    ン、原子および遊離基からなる群から選択される構成元
    素からなる該流れを基質上に析出させ; 該製造の間、
    該基質の温度を約300℃から約600℃に維持するこ
    とを特徴とする該硬質炭素材料の製造方法。
  14. 【請求項14】 該流れが、約20から約75電子ボル
    トの範囲のエネルギーからなり、成長中の該基質の温度
    が少なくとも400℃である請求項13の硬質炭素材料
    の製造方法。
  15. 【請求項15】 該流れが、約20から約50電子ボル
    トの範囲のエネルギーからなり、成長中の該基質の温度
    が少なくとも500℃である請求項14の硬質炭素材料
    の製造方法。
  16. 【請求項16】 イオンと遊離基からなる群から選択さ
    れる構成元素からなる流れを析出させ;そして高エネル
    ギー流れと低エネルギー流れを交互にし、 ここに該低エネルギー流れ中の炭素微粒子の少なくとも
    55原子%が100電子ボルト以下のエネルギーであ
    り、該高エネルギー流れ中の炭素微粒子の少なくとも5
    0原子%が200電子ボルトを越えるエネルギーであ
    り、成長中の基質の温度が少なくとも300℃である、
    硬質炭素材料の製造方法。
  17. 【請求項17】 低エネルギープラズマ発生器、高エネ
    ルギープラズマ発生器およびこれらの組合せからなる群
    から選択される、少なくとも2つのプラズマ発生器を使
    用して構成元素を発生させ;基質保持装置と析出室を電
    気的に絶縁し;各プラズマ発生器からの微粒子の流れ
    を、該該基質保持装置上の位置に方向付けし;各基質ま
    たはそれらの部分が順次該プラズマ発生器を通過するよ
    うに、該基質保持装置を回転させることからなる請求項
    16の硬質炭素材料の製造方法。
  18. 【請求項18】 各基質の通過時間が10層のグラファ
    イト様単層の析出時間と等しいかそれより短くなるよう
    に、各基質又はその部分が順次該プラズマ発生器を通過
    する時間フレームをモニターすることを特徴とする請求
    項17の硬質炭素材料の製造方法。
  19. 【請求項19】 真空密封磁気クラッチを通じて該基質
    保持装置を始動させることを特徴とする請求項18の硬
    質炭素材料の製造方法。
JP10378116A 1998-12-17 1998-12-17 ダイヤモンド様骨格で結合された硬質グラファイト様材料 Withdrawn JP2000178070A (ja)

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