JP2000177975A - 乗客コンベアのパレット搬送装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 パレットの取り外し作業及び乗客コンベア出
入口外方への移動作業、並びにパレットの乗客コンベア
出入口内方への移動作業及び取り付け作業を、安全に、
かつ、円滑に行うとを可能にする構成簡単な乗客コンベ
アのパレット搬送装置を提供する。 【解決手段】 一端が該欄干４のハンドレール３で支え
られ、かつ、他端が乗降口５外方に位置する床面６上に
設置される脚部材８で支えられる一対の水平梁部材９
と、該一対の水平梁部材９を補強する補強部材１０と、
該一対の水平梁部材９に、かつ、該一対の水平梁部材９
の長手方向に移動可能に設けられる移動部材１１と、該
移動部材１１に設けられる揚重装置１２と、該パレット
２を揚重装置１２に連結する連結部材１３とから構成し
た。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、乗客コンベアのパ
レット搬送装置に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】従来、空港などに設置させる乗客コンベ
アでは、大きな荷物を持った乗客が数多く利用するため
に、乗客コンベアの横幅を大きくしてある。そのため
に、１つのパレットは、その横幅が１６００ｍｍと大き
く、かつ、重さが３０ｋｇ以上と重くなってしまった。
そのパレットを、保守点検時に取り外して乗客コンベア
の出入り口外方に搬出するには、２人の保守員がパレッ
トを両手で持ち上げて持ち運ぶようにしていた。また、
パレットを乗客コンベアの出入り口内方に搬入する場合
にも、２人の保守員がパレットを両手で持ち上げて持ち
運ぶようにしていた。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】上記従来のように、パ
レットを持ち上げようとした場合には、次のような問題
点があった。

【０００４】（１）３０ｋｇの重さとなるため、安全
上、１人の保守員では持ち上げることができないので、
パレットの取り外し作業若しくは取り付け作業を２人の
保守員で行う必要があった。

【０００５】（２）パレットに設けた後輪軸用係止溝か
ら後輪軸が簡単に抜けず、パレットを後輪軸から取り外
す作業に時間がかかってしまっていた。また、パレット
に設けた後輪軸用係止溝が後輪軸に簡単に入らず、パレ
ットを後輪軸に取り付ける作業に時間がかかってしまっ
ていた。

【０００６】（３）１枚目のパレットを取り除いた後、
２枚目以後のパレットを後輪軸から取り外す場合には、
パレットより下方に位置するフレーム部分に足を乗せた
状態でパレットを後輪軸から取り外し作業をする必要が
あり、不安全な作業を強いられていた。また、パレット
をパレットガイドチェーンに取り付ける場合には、パレ
ットに設けた２個の後輪軸用係止溝を後輪軸に入れた
後、パレットを回動させて下降させた際、そのパレット
と他のパレットとの間に保守員が指を挟んでしまう危険
性があった。

【０００７】（４）２人の保守員でパレットを持ち上げ
た場合は、パレットに設けた２個の後輪軸用係止溝から
後輪軸を抜く際あるいはパレットに設けた２個の後輪軸
用係止溝を後輪軸に入れる際、２人の呼吸があわない
と、１個の後輪軸用係止溝のみが後輪軸から抜け出して
しまうあるいは１個の後輪軸用係止溝のみが後輪軸に入
ってしまうこととなり、パレットが左右に傾くなどして
保守員が指をパレットと内デッキを取り付けるフレーム
などとの間で挟んでしまう危険性があった。

【０００８】本発明の目的は、上記問題点にかんがみ、
パレットの取り外し作業及び乗客コンベア出入口外方へ
の移動作業、並びにパレットの乗客コンベア出入口内方
への移動作業及び取り付け作業を、安全に、かつ、円滑
に行うことを可能にする構成簡単な乗客コンベアのパレ
ット搬送装置を提供するにある。

【０００９】

【課題を解決するための手段】上記目的は、無端状に連
結されて移動する複数個のパレットと、該パレットの左
右に設けられ、かつ、該パレットと同期して移動するハ
ンドレールを含むところの欄干と、該パレット及び該欄
干への乗降口を形成する床面とを少なくとも備えてなる
乗客コンベアであって、一端が該欄干のハンドレールで
支えられ、かつ、他端が乗降口外方に位置する床面上に
設置される脚部材で支えられる一対の水平梁部材と、該
一対の水平梁部材を補強する補強部材と、該一対の水平
梁部材に、かつ、該一対の水平梁部材の長手方向に移動
可能に設けられる移動部材と、該移動部材に設けられる
揚重装置と、該パレットを揚重装置に連結する連結部材
とから構成することにより達成される。

【００１０】

【発明の実施の形態】以下、本発明の一実施形態を、図
面に基づき説明する。

【００１１】図１において、乗客コンベア１は、無端状
に連結されて移動する複数個のパレット２と、該パレッ
ト２の左右に設けられ、かつ、該パレット２と同期して
移動するハンドレール３を含むところの欄干４と、該パ
レット２及び該欄干４への乗降口５を形成する床面６と
を少なくとも備えている。

【００１２】パレット搬送装置７は、一端９Ａが該欄干
のハンドレール３で支えられ、かつ、他端９Ｂが乗降口
５外方に位置する床面６上に設置される脚部材８で支え
られる一対の水平梁部材９と、該一対の水平梁部材９を
補強する補強部材１０と、該一対の水平梁部材９に、か
つ、該一対の水平梁部材９の長手方向に移動可能に設け
られる移動部材１１と、該移動部材１１に設けられる揚
重装置１２と、該パレット２を揚重装置１２に連結する
連結部材１３とからなる。

【００１３】一対の水平梁部材９は、断面コ字状の鋼材
からなる、その一端９Ａをハンドレール３の上面に嵌合
させ、かつ、その他端９Ｂを脚部材８の上端に回動可能
に取り付けている。脚部材８は、角鋼材からなる。脚部
材８の長さ及び脚部材８と水平梁部材９の他端９Ｂの取
付位置は、水平梁部材９の一端９Ａをハンドレール３の
上面に嵌合させた状態の時、水平梁部材９の上面が略水
平となるように設定されている。水平梁部材９の他端９
Ｂは、脚部材８への取付位置が調整可能補強部材１０
は、平形鋼材からなり一対の脚部材８に溶接等で固定さ
れている。

【００１４】移動部材１１は、断面コ字状の鋼材からな
る揚重装置載置台１１Ａと、この揚重装置載置台１１Ａ
の左右端に溶接等で固定され、かつ、水平梁部材９の上
面に嵌合する２個の案内部材１１Ｂとからなる。揚重装
置１２は、手動式のウインチからなり、操作ハンドル部
１２ａと、チェーン１２ｂと、吊り金具１２ｃとからな
る。連結部材１３は、パレット２の両端に脱着自在に設
けられる係止金具１３ａと、この係止金具１３ａが端部
に固定される吊り紐１３ｂとからなる。乗降口５外方の
床面６上には、支持台１４が設けられる。脚部材８と乗
降口５外方の床面６との間には、脚部材８で床面６が傷
付かないように、保護シート材１５が設けられる。支持
台１４は、フォークリフトで台車（図示せず）に載置可
能な構造になっている。

【００１５】上記本実施形態のパレット搬送装置７を用
いたパレット２の搬送作業は、次の手順で行われる。

【００１６】（１）保護シート材１５を乗降口５外方の
床面６に敷き、その保護シート材１５上に、脚部材８を
垂直に立てる。

【００１７】（２）次に、水平梁部材９の一端９Ａをハ
ンドレール３の上面に嵌合させた後、水平梁部材９の上
面が略水平となるように水平梁部材９の他端９Ｂを脚部
材８の上部に固定する。

【００１８】（３）次に、水平梁部材９に案内部材１１
Ｂを嵌合させることで移動部材１１を水平梁部材９上に
設置するとともに、支持台１４を乗降口５外方の床面６
に設置する。この場合、予め移動部材１１に揚重装置１
２が固定されている。

【００１９】（４）次に、搬送するパレット２に連結部
材１３を取り付けるとともに、その連結部材１３の吊り
紐１３ｂに揚重装置１２のチェーン１２ｂを連結する。

【００２０】（５）次に、揚重装置１２の操作ハンドル
部１２ａを操作してチェーン１２ｂを巻取り、図１に示
す如く、パレット２を吊り上げる。

【００２１】（６）パレット２を吊り上げた状態で、移
動部材１１を保守員が手で押すことにより、その移動部
材１１を水平梁部材９上に沿って移動させて、支持台１
４の上方にパレット２を位置させる。

【００２２】（７）次に、揚重装置１２の操作ハンドル
部１２ａを操作してチェーン１２ｂを巻き戻し、パレッ
ト２を支持台１４に載せる。その後、パレット２を支持
台１４に載せたならば、その支持台１４を台車にフォー
クリフトで載せて、その台車を所定の場所に移動するこ
とで、すべての搬送作業が完了する。

【００２３】パレット２を、乗降口５外方から乗客コン
ベア１内に搬送する場合には、上記手順を逆にして行え
ばよい。

【００２４】上記本実施形態のパレット搬送装置７によ
れば、次のようなメリットを奏しえる。

【００２５】（ａ）水平梁部材９の一端９Ａをハンドレ
ール３の上面で支える構成としたので、脚部材８の本数
を半減させることができ、組立性及び生産性のすぐれた
パレット搬送装置７の出現が可能になる。

【００２６】（ｂ）移動部材１１は、ハンドレール３上
面に接触しながら移動するのではなく、ハンドレール３
上面に載せた水平梁部材９上面を移動するので、その移
動部材１１の移動によってハンドレール３上面が損傷す
ることがない。

【００２７】（ｃ）揚重装置１２と連結部材１３で、パ
レット２を吊り上げあるいは吊り降ろしながらパレット
搬出入作業を行うことで、保守員１人での作業化が可能
となる。また、パレット２の端部等を掴むことなく、揚
重装置１２の操作で、パレット２をパレットガイドチェ
ーン上に降ろすことができ、保守員の指先等をパレット
２間に挟んでしまうようなことを防止できて、安全であ
る。

【００２８】（ｄ）連結部材１３をパレット２に取り付
けて揚重装置１２を操作すること及び移動部材１１を移
動させることで、支持台１４上へのパレット２の移動及
び支持台１４からのパレット２の離脱を円滑に行うこと
ができる。

【００２９】

【発明の効果】以上のように、本発明によれば、パレッ
トの取り外し作業及び乗客コンベア出入口外方への移動
作業、並びにパレットの乗客コンベア出入口内方への移
動作業及び取り付け作業を、安全に、かつ、円滑に行う
ことができる乗客コンベアのパレット搬送装置がえられ
た。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の一実施形態を示す乗客コンベアのパレ
ット搬送装置の斜視図である。

【符号の説明】

１ 乗客コンベア ２ パレット ３ ハンドレール ４ 欄干 ５ 乗降口 ６ 床面 ７ パレット搬送装置 ８ 脚部材 ９ 水平梁部材 １０ 補強部材 １１ 移動部材 １２ 揚重装置 １３ 連結部材 １４ 支持台 １５ 保護シート材

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 無端状に連結されて移動する複数個のパ
   レットと、該パレットの左右に設けられ、かつ、該パレ
   ットと同期して移動するハンドレールを含むところの欄
   干と、該パレット及び該欄干への乗降口を形成する床面
   とを少なくとも備えてなる乗客コンベアであって、一端
   が該欄干のハンドレールで支えられ、かつ、他端が乗降
   口外方に位置する床面上に設置される脚部材で支えられ
   る一対の水平梁部材と、該一対の水平梁部材を補強する
   補強部材と、該一対の水平梁部材に、かつ、該一対の水
   平梁部材の長手方向に移動可能に設けられる移動部材
   と、該移動部材に設けられる揚重装置と、該パレットを
   揚重装置に連結する連結部材とからなることを特徴とす
   る乗客コンベアのパレット搬送装置。
2. 【請求項２】 乗降口外方の床面上に、フォークリフト
   で台車に載置可能な構造とした支持台を設置することを
   特徴とする請求項１記載の乗客コンベアのパレット搬送
   装置。