JP2000175684A - 新規アシルトランスフェラーゼをコードする遺伝子 - Google Patents

新規アシルトランスフェラーゼをコードする遺伝子

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JP2000175684A
JP2000175684A JP10353690A JP35369098A JP2000175684A JP 2000175684 A JP2000175684 A JP 2000175684A JP 10353690 A JP10353690 A JP 10353690A JP 35369098 A JP35369098 A JP 35369098A JP 2000175684 A JP2000175684 A JP 2000175684A
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polypeptide
polynucleotide
lpaat3
leu
dna
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JP10353690A
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Nobuyoshi Shimizu
信義 清水
Kentaro Nagamine
憲太郎 長嶺
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Eiken Chemical Co Ltd
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Eiken Chemical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】新規LPAAT遺伝子の提供。 【構成】新規LPAAT遺伝子を単離し、塩基配列を決定し
た。この遺伝子(LPAAT3)がコードするタンパク質は3つ
の膜貫通領域を持ち、C末には小胞体局在化シグナル
(KKXX) が存在していた。この遺伝子は植物LPAATのヒト
相同遺伝子であり、その遺伝子産物はアシルトランスフ
ェラーゼとしての活性があると考えられる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はヒトの新規遺伝子に関す
るものであり、より詳細にはアシルトランスフェラーゼ
活性を持つと考えられる蛋白質遺伝子に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】ホスファチジン酸(PA)はグリセロ脂質生
合成の重要な中間体であり、グリセロールリン酸の1位
と2位のヒドロキシル基に脂肪酸がエステル結合して生
ずる。この構成脂肪酸はグリセロリン脂質の構造を決定
する上で重要な役割を担っている。PAの生合成はグリセ
ロールリン酸アシルトランスフェラーゼによるグリセロ
ールリン酸の1位への脂肪酸の導入と、リゾホスファチ
ジン酸アシルトランスフェラーゼ(LPAAT)による2位の
アシル化の2種類の酵素による2段階反応である。PAは
すべてのグリセロリン脂質の生合成の前駆体であるほか
に[1]〜[5]、細胞質の活性化と有糸分裂誘発を制御する
リン脂質信号分子であることが確認されている[6]。
【0003】LPAATの基質となるリゾホスファチジン酸
(LPA)は血小板凝集、平滑筋の収縮作用、神経伝達物
質の放出、神経突起の伸長抑制、癌細胞の浸潤、強い増
殖作用や発生への関与など様々な生理作用を持つ活性リ
ン脂質である。更に、本酵素によって生成されるPAは、
1) LPAと同様にプロテインキナーゼ-C(PKC)の活性化を
介して細胞増殖を増強する、2) 脂質を介した情報伝達
系に関与している、3) サイトカインによって誘導され
る炎症反応に関与している分子である。このため、本酵
素はLPAとPAの細胞内レベルを調節することにより上記
の作用を間接的に制御している可能性がある。また、脂
質の合成に関与していることから高脂血症との関連にも
興味が持たれる。
【0004】LPAAT遺伝子はバクテリア[7]〜[10]、酵母
[11]、植物[12]〜[17]、およびマイコプラズマ[18]にお
いてすでに塩基配列が決定されている。また、ヒトにお
いてもLPAAT遺伝子の2種のアイソフォーム(αとβ)
の塩基配列が決定されている[6][19]。しかしながら、L
PAATには基質、すなわちリゾホスファチジン酸(LPA)の
2位へ結合する脂肪酸の構造に応じて、この他にもアイ
ソフォームが存在すると考えられている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明が解決すべき課
題は、未知のLPAATの遺伝子を発見し、塩基配列ならび
にその塩基配列がコードする蛋白質のアミノ酸配列を決
定することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、前記課題
の解決のために鋭意検討を行った結果、ヒト21番染色体
の長腕q22.3領域から新たな遺伝子を単離し、その塩基
配列を決定した。
【0007】LPAAT3と命名されたこの遺伝子のオープン
リーディングフレームは、376残基からなる分子量43,37
8.7の蛋白質をコードしていて、3カ所の膜貫通領域と
C末に小胞体局在化シグナル (KKXX)を持つことが判明
した。また、データベースに対してホモロジー検索を行
った結果、LPAAT3は2種の植物(Limnanthes douglasii,
Zea Mays )のLPAATのほぼ全領域にかけて高い相同性を
示した。なお、本発明においてLPAAT3は新規遺伝子を意
味するが、時によりLPAAT3遺伝子の発現ポリペプチドを
意味することもある。
【0008】本発明の一つの目的は、ポリペプチド、と
りわけ植物のLPAATアミノ酸配列と相同性の高い配列番
号2に示すポリペプチドを提供することである。LPAAT3
は他のLPAATと同様に3カ所の膜貫通領域を有し、LPAAT
活性をもつと推測される。
【0009】本発明のさらなる目的は、LPAAT3をコード
するポリヌクレオチドを提供するものである。本発明の
この態様の特に好ましい具体例は、配列番号1に示す配
列におけるLPAAT3をコードする領域からなるポリヌクレ
オチドである。
【0010】本発明のこの態様によれば、mRNA、cDNA、
ゲノムDNAおよびそのフラグメントを含むLPAAT3をコー
ドする単離された核酸分子が提供され、この態様のさら
なる具体例では、生物学的、診断的、臨床的または治療
的に有用なそれらの変種、類縁体または誘導体あるいは
変種、類縁体または誘導体のフラグメントを含むこれら
のフラグメントが提供される。本発明のこの態様の特に
好ましい具体例は、LPAAT3遺伝子の天然の対立遺伝子変
種である。
【0011】本発明の目的は、LPAAT3のポリペプチドを
提供することである。本発明のこの態様に従い、ヒト由
来の新規ポリペプチドならびにその生物学的、診断的ま
たは治療的に有用なフラグメント、変種および誘導体、
フラグメントの変種および誘導体、これらの類縁体が提
供される。本発明のこの態様の特に好ましい具体例は、
LPAAT3遺伝子の天然の対立遺伝子によってコードされる
LPAAT3の変種である。本発明の他の態様においては、本
発明のポリペプチドと結合し、それを活性化するかまた
は抑制する化合物のスクリーニング法が提供される。
【0012】本発明のさらに別の目的は、前記のポリペ
プチド、ポリペプチドフラグメント、変種および誘導
体、変種および誘導体のフラグメントならびに類縁体の
産生法を提供することである。この態様の好ましい具体
例においては、LPAAT3をコードする塩基配列を発現可能
なように組み込んだ宿主細胞を、宿主中でのLPAAT3の発
現のための条件下で培養し、発現された該ポリペプチド
を回収することからなる前記のLPAAT3ポリペプチドの産
生法が提供される。
【0013】本発明のさらに別の目的により、前記ポリ
ペプチドおよびポリヌクレオチドを、とりわけ、研究、
生物学的、臨床的および治療目的に利用する生産物、組
成物、プロセスおよび方法が提供される。
【0014】本発明のこの態様の好ましい具体例によれ
ば、とりわけ、LPAAT3ポリペプチドまたはLPAAT3 mRNA
の測定による細胞におけるLPAAT3発現の評価;LPAAT3遺
伝子における欠損のような遺伝的変形および欠陥の分
析;および生物にLPAAT3ポリペプチドまたはポリヌクレ
オチドを投与するLPAAT3機能の増大またはLPAAT3機能不
全の改善のための生産物、組成物および方法が提供され
る。本発明のさらに別の具体例により、LPAAT3の過少発
現に関連する症状の治療に、本発明のポリペプチドを刺
激するための活性化化合物を用いる方法が提供される。
本発明のさらに別の態様により、LPAAT3の過剰発現に伴
う症状の治療に、そのための抑制化合物を用いる方法が
提供される。
【0015】本発明のさらに別の態様により、診断、治
療および/または研究用に用いられる、合成または組み
換えLPAAT3ポリペプチド、その保存的置換および誘導
体、それに対する抗体、抗イディオタイプ抗体が提供さ
れる。
【0016】本発明のさらに別の目的は、サブタイプと
して種々のLPAAT3またはそのフラグメントを抑制または
模倣するように設計された、合成、単離または組換えポ
リペプチドを提供することである。本発明のこれらの、
またさらに別の態様の具体例により、LPAAT3遺伝子の塩
基配列にハイブリダイズするプローブが提供される。本
発明のこの態様のさらなる好ましい態様においては、LP
AAT3ポリペプチドに対する抗体を提供する。この点で特
に好ましい具体例においては、抗体はLPAAT3に対して非
常に選択的である。本発明のもう一つ別の態様において
は、LPAAT3に対するアゴニストが提供される。好ましい
アゴニストは、LPAAT3を模倣する分子、LPAAT3結合分子
およびLPAAT3誘発応答の引き出しまたは増大をする分子
である。また、好ましいアゴニストは、LPAAT3またはLP
AAT3ポリペプチド、またはLPAAT活性の他のモジュレー
ターと相互反応し、それによりLPAATの1つまたは1つ
以上の効果を発効または増大させる分子である。本発明
の他の態様によれば、LPAAT3に対するアンタゴニストが
提供される。好ましいアンタゴニストは、LPAAT3を模倣
し、LPAAT3結合分子に結合するが、1つまたは1つ以上
のLPAAT誘発応答を引き出さないものである。また、好
ましいアンタゴニストは、LPAAT3と結合し、または相互
反応し、1つまたは1つ以上のLPAAT3の効果を阻害する
か、LPAAT3の発現を防止する分子である。本発明のさら
なる態様においては、細胞にin vitro、ex vivoおよびi
n vivoで、あるいは多細胞生物に投与するLPAAT3ポリヌ
クレオチドまたはLPAAT3ポリペプチドからなる組成物を
提供する。本発明のこの態様の特に好ましい具体例にお
いては、該組成物は、疾患の治療のために宿主生物にお
いてLPAAT3ポリペプチドを発現させるためのLPAAT3ポリ
ヌクレオチドからなる。
【0017】本発明の他の目的、特徴、利点および態様
は本明細書の以下の記載から当業者に自明である。しか
し、以下の記載、実施例は本発明の好ましい具体例であ
り、例示だけのものである。以下の記載および本明細書
の他の開示から、本明細書に記載の範囲内において、種
々の変形および修正ができることは当業者に自明であろ
う。図面も本発明の具体例を示すもので、例示であり、
本明細書に開示の発明をそれに限定するものではない。
【0018】
【発明の実施の形態】本発明のポリヌクレオチドは、mR
NAのようなRNAまたは、例えば、クローニング、化学合
成技術またはそれらの組み合わせで得られるようなcDNA
およびゲノムDNAを包含するDNAの形態でよい。DNAは二
本鎖でも、一本鎖でもよい。一本鎖DNAは、センス鎖と
しても知られるコーディング鎖でも、アンチセンス鎖と
も称される非コーディング鎖でもよい。ポリヌクレオチ
ドをコードするコーディング鎖は配列番号1に示すポリ
ヌクレオチドのコーディング配列と同じでよい。また、
遺伝コードの重複性(縮重)の結果として、配列番号2
のポリペプチドをコードする異なる配列を有するポリヌ
クレオチドでもよい。
【0019】配列番号2のポリペプチドをコードする本
発明のポリヌクレオチドは、限定するものではないが、
それ自体がマチュア・ポリペプチドのコーディング配
列;プレ−、プロ−またはプレプロ−蛋白質配列のよう
な、マチュア・ポリペプチドのコーディング配列と、リ
ーダーまたは分泌配列をコードする配列のような、付加
的コーディング配列;ならびに上記の付加的配列を有す
るか、または有しないマチュア・ポリペプチドのコーデ
ィング配列と、限定するものではないが、転写、スプラ
イシングやポリアデニレーション・シグナルを包含する
mRNAのリボソーム結合および安定性についてのmRNAプロ
セッシングにおいて役割を果たす、転写される非翻訳配
列のようなイントロンおよび非コーディング5'および3'
配列を包含する付加的な非コーディング配列とからなる
配列を包含する。さらなる機能性を与えるコーディング
配列も該ポリペプチドに組み込んでよい。すなわち、例
えば、ポリペプチドは、融合ポリペプチドの精製を容易
にするような、ペプチドのごときマーカー配列と融合さ
せてもよい。本発明のこの態様のある種の好ましい具体
例において、マーカー配列はpQEベクター(Qiagen,In
c.)に付与されたタグのようなヘキサヒスチジンペプチ
ドである。例えば、ヘキサヒスチジンは融合蛋白質の都
合よい精製を提供する[20]。HAタグはインフルエンザ赤
血球凝集蛋白質から由来するエピトープで[21]、他の多
くのタグが商業的に入手できる。
【0020】上記に従って、本明細書で使用する「ポリ
ペプチドをコードするポリヌクレオチド」なる語は、遺
伝コードの重複性から、本発明のポリペプチド、特に、
配列番号2に示すアミノ酸配列を有するLPAAT3をコード
するいずれかの配列を含むポリヌクレオチドを包含す
る。この用語はまた、該ポリペプチドをコードする単一
の連続領域または不連続領域(例えば、イントロンで中
断されている)と、コーディングおよび/または非コー
ディング配列を含んでいてよい付加的領域とを含むポリ
ヌクレオチドも包含する。本発明はさらに、配列番号2
の推定アミノ酸配列を有するポリペプチドのフラグメン
ト、アナログおよび誘導体をコードする上記ポリヌクレ
オチドの変種にも関する。該ポリヌクレオチドの変種
は、天然の対立遺伝子変種のような天然の変種でも、天
然には知られていない変種でもよい。そのような非天然
のポリヌクレオチドの変種は、ポリヌクレオチド、細胞
または生物に適用されるものを含め、突然変異誘発技術
により作出できる。
【0021】この点で、変種には、上記ポリヌクレオチ
ドとは、塩基の置換、欠失または付加によって異なる変
種がある。この置換、欠失または付加には、1つ以上の
塩基が含まれ得る。変種は、コーディングまたは非コー
ディング領域あるいは両方において変化してよい。コー
ディング領域における変化は、保存または非保存アミノ
酸置換、欠失または付加を生じ得る。この点で、本発明
の特に好ましい具体例は、配列番号2に示すLPAAT3のア
ミノ酸配列を有するポリペプチドをコードするポリヌク
レオチド、その変種、アナログ、誘導体およびフラグメ
ントおよび該変種、アナログおよび誘導体のフラグメン
トである。さらに、この点で特に好ましいものは、配列
番号2のLPAAT3ポリペプチドのアミノ酸配列において、
数個、5〜10、1〜5、1〜3、2、1または0個のアミノ酸残
基が置換、欠失または付加あるいはそれらの何れかの組
み合わせであるLPAAT3変種、アナログ、誘導体およびフ
ラグメントならびにフラグメントの変種、アナログおよ
び誘導体をコードするポリヌクレオチドである。これら
のうちで、特に好ましいものは、LPAAT3の性質および活
性を変化させないサイレント置換、付加および欠失であ
る。また、この点で保存置換も特に好ましい。最も好ま
しくは、置換のない配列番号2のアミノ酸配列を有する
ポリペプチドをコードするポリヌクレオチドである。
【0022】本発明のさらに好ましい具体例は、配列番
号2に示すアミノ酸配列を有するLPAAT3ポリペプチドを
コードするポリヌクレオチドと少なくとも約70%の同一
性であるポリヌクレオチド、およびそのようなポリヌク
レオチドに相補性のポリヌクレオチドである。この点
で、該ポリヌクレオチドに対して少なくとも90%の同一
性を有するものが非常に好ましく、少なくとも95%の同
一性を有するものが殊に好ましい。さらにまた、少なく
とも97%がより好ましく、少なくとも95〜99%、最も好ま
しくは少なくとも99%の同一性を有するものである。さ
らにまた、この点で特に好ましい具体例は、配列番号2
のcDNAによってコードされるマチュア・ポリペプチド
と、実質的に同じ生物学的機能または活性を保持するポ
リペプチドをコードするポリヌクレオチドである。
【0023】本発明はまた、上記の配列とハイブリダイ
ズするポリヌクレオチドに関する。この点で、本発明
は、特に、上記のポリヌクレオチドにストリンジェント
な条件下でハイブリダイズするポリヌクレオチドに関す
る。本明細書で使用する「ストリンジェントな条件」と
は、配列間に少なくとも95%、好ましくは少なくとも97%
の同一性がある場合にのみハイブリダイゼーションが起
こることを意味する。本発明のポリヌクレオチド分析に
関してさらに検討するように、例えば、上記の本発明の
ポリヌクレオチドは、LPAAT3をコードする完全長cDNAお
よびゲノムクローンを単離するため、また、LPAAT3遺伝
子に対して高い配列類似性を有する他の遺伝子のcDNAお
よびゲノムクローンを単離するためのcDNAおよびゲノム
DNA用のハイブリダイゼーション・プローブとして使用
できる。そのようなプローブは一般に少なくとも15塩基
からなる。好ましくは、そのようなプローブは、少なく
とも30塩基を有し、少なくとも50塩基を有してもよい。
特に好ましいプローブは、30〜50塩基の範囲である。
【0024】例えば、LPAAT3遺伝子のコーティング領域
は、公知の配列をオリゴヌクレオチドプローブ合成に使
用してスクリーニングすることにより単離できる。つい
で、本発明の遺伝子の配列に相補性を有するラベルした
オリゴヌクレオチドを使用し、ヒトcDNA、ゲノムDNAま
たはmRNAライブラリーをスクリーニングし、プローブが
ハイブリダイズするものを決定する。本発明のポリヌク
レオチドおよびポリペプチドは、本明細書において、ポ
リヌクレオチドに関して検討したとおり、ヒトの疾患の
治療および診断用の研究試薬および材料として使用でき
る。ポリヌクレオチドは、マチュア蛋白質に、付加的ア
ミノまたはカルボキシル末端アミノ酸またはマチュア・
ポリペプチドに対する内部アミノ酸(例えば、マチュア
形が2つ以上のポリペプチド鎖を有する場合)が加わっ
たポリペプチドをコードしてよい。このような配列は、
とりわけ、蛋白質を前駆体からマチュア形へプロセッシ
ングする際に役割を果たし得、蛋白質トラフィッキング
を容易にし得、蛋白質の半減期を延長または短縮し得、
あるいは分析または製造のために蛋白質の操作を容易に
し得る。ここで、一般的には、付加的アミノ酸配列はin
situで細胞酵素によりマチュア蛋白質から外れるよう
にプロセッシングされ得る。
【0025】1つ以上のプロ配列に融合したポリペプチ
ドのマチュア形を有する前駆体蛋白質は、該ポリペプチ
ドの不活性形であってよい。プロ配列を除去すると、一
般に、不活性前駆体は活性化される。プロ配列のいくつ
か、または全部は、活性化前に除去してよい。一般に、
そのような前駆体をプロ蛋白質と言う。総じて、本発明
のポリヌクレオチドはマチュア蛋白質、マチュア蛋白質
とリーダー配列(プレ蛋白質とも称することができ
る)、プレ蛋白質のリーダー配列ではない1つ以上のプ
ロ配列を有するマチュア蛋白質の前駆体、または、ポリ
ペプチドの活性形もしくはマチュア形を製造するプロセ
ッシング工程の間に除去されるリーダー配列および1つ
以上のプロ配列を有するプロ蛋白質の前駆体であるプレ
プロ蛋白質をコードできる。
【0026】本発明はさらに、配列番号2の推定アミノ
酸配列を有するLPAAT3ポリペプチドに関する。また、本
発明はこれらのポリペプチドのフラグメント、アナログ
および誘導体にも関する。配列番号2のポリペプチドに
言及する場合、「フラグメント」、「誘導体」および
「アナログ」なる用語は、実質的にこのようなポリペプ
チドと同じ生物学的機能または活性、すなわちLPAATと
しての機能を有するポリペプチドを意味する。アナログ
は、例えば、プロ蛋白質部の開裂により活性化され、活
性なマチュア・ポリペプチドを産生しうるプロ蛋白質を
包含する。本発明のポリペプチドは、組み換えポリペプ
チド、天然のポリペプチドまたは合成ポリペプチドでよ
く、好ましくは組み換えポリペプチドである。配列番号
2のポリペプチドのフラグメント、誘導体またはアナロ
グは、(i)1またはそれ以上のアミノ酸残基が保存また
は非保存アミノ酸残基(好ましくは保存アミノ残基)で
置換されていて、このような置換アミノ酸残基が遺伝コ
ードによりコードされているかまたはコードされていな
いもの;(ii)1またはそれ以上のアミノ酸残基が置換基
を包含するもの、(iii)マチュア・ポリペプチドが他の
化合物、例えば、ポリペプチドの半減期を増加させるよ
うな化合物(例えば、ポリエチレングリコール)と融合
しているもの、または(iv)リーダーまたは分泌配列また
はマチュア・ポリペプチドまたはプロ蛋白質配列の精製
に使用される配列のような付加的のアミノ酸がマチュア
・ポリペプチドと融合したものであり得る。このような
フラグメント、誘導体およびアナログは本明細書の記載
から当業者の範囲内と考えられる。
【0027】この点で、本発明の特に好ましい具体例
は、配列番号2に示すLPAAT3のアミノ酸配列を有するポ
リペプチド、その変種、アナログ、誘導体およびフラグ
メント、ならびにフラグメントの変種、アナログおよび
誘導体である。さらに、この点で特に好ましい本発明の
具体例は、LPAAT3のアミノ酸配列を有するポリペプチ
ド、LPAATの活性/機能を保持するその変種、アナログ
および誘導体、ならびにフラグメントの変種、アナログ
および誘導体である。好ましい変種は、保存アミノ酸置
換によって対象物と変化しているものである。かかる置
換は、同様な特性の他のアミノ酸によってポリペプチド
の所定アミノ酸が置換されているものである。典型的な
保存置換は、脂肪族アミノ酸Ala、Val、LeuおよびIle相
互の置換、ヒドロキシル残基SerおよびThrの相互交換、
酸性残基AspおよびGluの交換、アミド残基AsnおよびGln
間の置換、塩基残基LysおよびArg間の交換ならびに芳香
族残基PheおよびTyr間の置換である。
【0028】さらに、この点で特に好ましいものは、配
列番号2のLPAAT3ポリペプチドのアミノ酸配列におい
て、数個、5〜10、1〜5、1〜3、2、1または0個のアミノ
酸残基が置換、欠失または付加あるいはそれらの何れか
の組み合わせであるLPAAT3の変種、アナログ、誘導体お
よびフラグメントならびにフラグメントの変種、アナロ
グおよび誘導体である。これらのうちで、特に好ましい
ものは、LPAAT3の性質および活性を変化させないサイレ
ント置換、付加および欠失である。また、この点で保存
置換も特に好ましい。最も好ましくは、置換のない配列
番号2のアミノ酸配列を有するポリペプチドである。本
発明のポリペプチドおよびポリヌクレオチドは、好まし
くは、単離された形で、好ましくは均質に精製された形
で提供される。
【0029】本発明のポリペプチドは、配列番号2のポ
リペプチド(特に、マチュア・ポリペプチド)ならび
に、配列番号2のポリペプチドと少なくとも約70%の同
一性を有するポリペプチド、さらに好ましくは配列番号
2のポリペプチドに対して少なくとも80〜90%の類似性
(さらに好ましくは、少なくとも90%の同一性)を有す
るポリペプチド、さらに好ましくは配列番号2のポリペ
プチドに対して少なくとも95%の類似性(さらに好まし
くは、少なくとも95%の同一性)を有するポリペプチド
を包含し、また、そのようなポリペプチドの、一般に、
少なくとも30アミノ酸、より好ましくは少なくとも50ア
ミノ酸を含有する部分も包含する。2つのポリペプチド
間の類似性は、上記したごとく定義され、測定される。
【0030】本発明のポリペプチドのフラグメントまた
は部分はペプチド合成による対応する完全長ポリペプチ
ドの産生に用いられる。したがって、フラグメントは完
全長ポリペプチドを産生するための中間体として用いら
れる。本発明のポリヌクレオチドのフラグメントまたは
部分は本発明の完全長ポリヌクレオチドの合成に用いら
れる。フラグメントは、「自立」、すなわち、他のアミ
ノ酸またはポリペプチドの一部またはそれに融合したも
のでなくても、大きなポリペプチド内に含まれ、その一
部または領域を形成しているものでもよい。より大きな
ポリペプチド内に含まれる場合、ここで議論するフラグ
メントは、最も好ましくは、単一の連続した領域を形成
する。しかし、数個のフラグメントが、単一のより大き
いポリペプチドに含まれていてもよい。例えば、ある好
ましい具体例は、宿主中での発現用に設計された前駆体
ポリペプチド内に含まれ、LPAAT3フラグメントのアミノ
末端に融合した異種プレおよびプロポリペプチド領域
と、当該フラグメントのカルボキシ末端に融合した付加
的領域を有する本発明のLPAAT3ポリペプチドのフラグメ
ントである。したがって、本明細書で意図する意味の1
つの態様におけるフラグメントは、LPAAT3から由来する
融合ポリペプチドまたは融合蛋白質の部分を言う。
【0031】本発明のポリペプチドフラグメントの代表
的な例としては、長さが約5〜15、10〜20、15〜40、30
〜55、41〜75、41〜80、41〜90、50〜100、75〜100、90
〜115、100〜125および110〜113個のアミノ酸のものが
挙げられる。ここに、「約」には、特に、言及した範囲
が、一方または両方の極限で、数個、5、4、3、2または
1アミノ酸残基だけ大きいまたは小さい範囲を含むこと
である。例えば、約40〜90アミノ酸とは、40±数個、
5、4、3、2または1アミノ酸残基〜90±数個、5、4、3、
2または1アミノ酸残基、すなわち、広くは40−数個のア
ミノ酸〜90+数個のアミノ酸の範囲から、狭くは40+数
個のアミノ酸〜90−数個のアミノ酸の範囲を意味する。
この点で非常に好ましいのは、一方または両方の極限
で、言及した範囲の5アミノ酸だけ+または−のもので
ある。特に好ましいものは、一方または両方の極限で、
言及した範囲の3アミノ酸だけ+または−のものであ
る。特に非常に好ましいものは、一方または両方の極限
で、言及した範囲の1アミノ酸だけ+または−のもので
ある。これら全ての点から、最も好ましいものは、長
さ、約5〜15、10〜20、15〜40、30〜55、41〜75、41〜8
0、41〜90、50〜100、75〜100、90〜115、100〜125およ
び110〜113個のアミノ酸のものである。
【0032】本発明の特に好ましいフラグメントは、LP
AAT3のトランケーション変異体である。トランケーショ
ン変異体には、配列番号2のアミノ酸配列を有するLPAA
T3ポリペプチド、あるいはその変種または誘導体が包含
される。ただし、ダブルトランケーション変異体におけ
るような、アミノ末端を含む連続した一連の残基(すな
わち、連続領域、部分、部位)、またはカルボキシ末端
を含む連続した一連の残基のような欠失、1つがアミノ
末端を含み、他のものがカルボキシ末端を含むような2
つの連続した一連の残基の欠失は除かれる。本発明のLP
AAT3の特に好ましいフラグメントには、付属したトラン
スメンブランドメインおよび細胞質ドメインのない細胞
外ドメインからなるレセプターの可溶形またはトランス
メンブラン領域の欠失により、細胞外ドメインが細胞質
ドメインと直接融合したレセプターが包含される[22]。
上記の範囲のサイズを有するフラグメントもトランケー
ションフラグメントの好ましい具体例であり、一般に、
フラグメントのうちで特に好ましい。
【0033】また、本発明のこの態様で好ましいもの
は、LPAAT3の構造的または機能的特質により特徴付けら
れるフラグメントである。この点で、本発明の好ましい
態様には、LPAAT3のα−ヘリックスおよびα−ヘリック
ス形成領域(α−領域)、β−シートおよびβ−シート
形成領域(β−領域)、ターンおよびターン形成領域
(ターン領域)、親水性領域、疎水性領域、α両親媒性
領域、β両親媒性領域、フレキシブル領域、表面形成領
域および高抗原性インデックス領域が包含される。この
点で特に好ましいフラグメントは、上記した特徴の幾つ
かのごとき、幾つかの構造的特徴を組み合わせたLPAAT3
の領域からなるフラグメントである。この点で、いずれ
も、ターン領域、親水性領域、フレキシブル領域、表面
形成領域および高抗原性インデックス領域の特徴を有す
るアミノ酸組成によって特徴付けられる、配列番号2の
約10〜20、約40〜50、約70〜90および約100〜113の残基
によって規定される領域が、特に好ましい領域である。
このような領域は、より大きいポリペプチドに含まれる
か、上記したように、それ自体、本発明の好ましいフラ
グメントである。ここにおける「約」なる語は、フラグ
メントについて上記で一般的に記載したと同様な意味で
使用する。
【0034】さらに好ましい領域は、LPAAT3活性を伝達
するものである。この点で最も好ましいものは、同様な
または向上した活性あるいは望ましくない活性の低下し
たものを含め、LPAAT3の化学的、生物学的またはその他
の活性を有するフラグメントである。この点で好ましい
ものは、他のLPAATのような関連するポリペプチドの活
性領域に対し、配列または/および位置の両方における
ホモログである領域を含むフラグメントである。この点
での特に好ましいフラグメントは、上記したトランケー
ション変異体または細胞質、トランスメンブランまたは
細胞外ドメインからなるフラグメントである。本発明の
フラグメントには、トランスメンブランドメインのみ欠
失し、少なくともそれ自体の細胞質ドメインが保持され
ているか、少なくとも別の細胞質ドメインと融合してい
ることにより形成されるフラグメントが包含される[2
3]。とりわけ、本発明は、上記のフラグメントをコード
するポリヌクレオチド、該フラグメントをコードするポ
リヌクレオチドにハイブリダイズするポリヌクレオチ
ド、特に、ストリンジェントな条件下でハイブリダイズ
するポリヌクレオチドおよびPCRプライマーのような、
該フラグメントを増幅するポリヌクレオチドも関する。
この点で、好ましいポリヌクレオチドは、上記の好まし
いフラグメントに対応するフラグメントである。
【0035】本発明はまた、ポリヌクレオチドまたは本
発明のポリヌクレオチドを含むベクター、本発明のベク
ターで遺伝子操作される宿主細胞および組み換え技法に
よる本発明のポリペプチドの製造にも関する。宿主細胞
を遺伝子操作して、本発明のポリヌクレオチドを組み込
み、本発明のポリペプチドを発現させることができる。
例えば、ポリヌクレオチドは、よく知られたインフェク
ション、トランスダクション、トランスフェクション、
トランスベクションおよびトランスフォーメーションの
技術を用いて宿主細胞に組み込むことができる。ポリヌ
クレオチドは、単独でも他のポリヌクレオチドと共に組
み込むことができる。このような他のポリヌクレオチド
は独立して組み込むことも、一緒または本発明のポリヌ
クレオチドに連結して組み込むこともできる。例えば、
本発明のポリヌクレオチドは、他の、選択可能なマーカ
ーをコードする別のポリヌクレオチドと共に、例えば、
哺乳動物細胞における共トランスフェクションおよび選
択のための標準的な方法を用いて宿主細胞にトランスフ
ェクションできる。この場合、ポリヌクレオチドは一般
に、宿主細胞ゲノムに安定に組み込むことができる。
【0036】別法として、ポリヌクレオチドは、宿主中
で、増殖用の選択可能なマーカーを含むベクターと連結
できる。該ベクター構築物は、上記の技術によって宿主
細胞に組み込むことができる。一般に、リン酸カルシウ
ム沈殿物のような沈殿物中または荷電脂質との複合体の
DNAとしてプラスミドベクターに組み込まれる。ポリヌ
クレオチドを宿主中に組み込むために、電気穿孔法も使
用できる。ベクターがウイルスの場合、in vitroでパッ
ケージするか、パッケージ細胞に組み込み、パッケージ
したウイルスを細胞にトランスダクションすることがで
きる。本発明のこの態様に従って、ポリヌクレオチドを
作成し、ポリヌクレオチドを細胞に組み込むために適し
た種々の技術がよく知られており、当業者に日常的の仕
事となっている。そのような技術は[24]に詳細に説明さ
れており、これはこれらの技術の詳細を示す多くの実験
室マニュアルを説明している。本発明のこの態様によれ
ば、ベクターは、例えば、プラスミドベクター、一本鎖
もしくは二本鎖ファージベクターまたは一本鎖もしくは
二本鎖RNAもしくはDNAウイルスベクターでよい。そのよ
うなベクターは、DNAおよびRNAを細胞に組み込むために
よく知られている技術により、ポリヌクレオチド、好ま
しくはDNAとして細胞中に組み込むことができる。ファ
ージおよびウイルスベクターの場合、ベクターは、イン
フェクションおよびトランスダクションのためのよく知
られた技術によりパッケージまたはカプセル化ウイルス
として細胞に組み込みことができ、好ましい。ウイルス
ベクターは複製成分または複製欠損でもよい。後者の場
合、ウイルス増殖は、一般に、宿主細胞を相補した場合
のみ起こる。
【0037】この点で、好ましいベクターは本発明のポ
リヌクレオチドおよびポリペプチド発現用のベクターで
ある。一般に、そのようなベクターは、発現させるべき
ポリヌクレオチドに機能できるように連結した、宿主細
胞における発現に有効なシス−作用調節領域からなる。
適当な、トランス−作用因子は宿主から供給されるか、
相補ベクターによって供給されるか、宿主に組み込んだ
場合にベクター自体によって供給される。この点の好ま
しい具体例においては、ベクターは特異的発現に供され
る。そのような特異的発現は、誘導発現またはある種の
タイプの細胞のみでの発現あるいは誘導および細胞特異
的発現の両方であり得る。誘導ベクターのうちで、特に
好ましいものは、温度や、栄養添加剤のような、操作の
容易な環境因子によって発現が誘導できるベクターであ
る。本発明のこの態様に適した種々のベクターは、原核
および真核宿主において使用するための構成性および誘
導性発現ベクターを含め、よく知られており、当業者に
日常的に使用されている。
【0038】操作した宿主細胞は、通常の栄養培地で培
養でき、培地は、とりわけ、プロモーターを活性化する
ため、形質転換体を選択するため、あるいは、遺伝子を
増幅するために適宜修飾することができる。また、本発
明のポリペプチドの発現には種々の発現ベクターが使用
できる。このようなベクターには、染色体、エピソーム
およびウイルス誘導ベクター、例えば、細菌性プラスミ
ド、バクテリオファージ、酵母エピソーム、酵母染色体
エレメントから誘導されるベクター、バキュロウイル
ス、パポーバウイルス、SV40、ワクシニアウイルス、ア
デノウイルス、鶏痘ウイルス、仮性狂犬病ウイルス、レ
トロウイルスのようなウイルスならびにプラスミドとバ
クテリオファージの遺伝エレメントから誘導されるベク
ター、コスミドおよびファージミドのようなこれらの組
み合わせから誘導されるベクターが包含される。一般
に、ポリヌクレオチドを維持し、増殖し、発現させてポ
リペプチドを製造するのに適したいずれのベクターも発
現ベクターとして使用できる。
【0039】適当なDNA配列を、種々の公知の、日常的
な操作によりベクター中に挿入できる。一般に、発現用
のDNA配列は、DNA配列および発現ベクターを1つ以上の
制限エンドヌクレアーゼで切断し、T4DNAリガーゼを使
用して制限フラグメントを一緒に連結することにより発
現ベクターに連結される。この目的に使用される制限お
よび連結用の操作は当業者によく知られており、日常的
である。発現ベクター中のDNA配列を、例えば、mRNA翻
訳を指示するプロモーターを包含する適当な発現調節配
列に操作可能に結合させる。このようなプロモーターの
代表例として、λファージPLプロモーター、大腸菌la
c、trpおよびtacプロモーター、SV40初期および後期プ
ロモーター、レトロウイルスLTRが挙げられる。本発明
において有用な多くの他のプロモーターは、よく知られ
ており、本明細書および実施例に説明する方法に、当業
者が日常的に使用できる。
【0040】一般に、発現構築物は、転写開始および終
止部位を有し、翻訳領域には、翻訳のためのリボソーム
結合部位を有する。該構築物によって発現されるマチュ
ア転写物のコーディング部分は、翻訳されるポリペプチ
ドの始めに翻訳開始AUGおよび終わりに適当に位置する
翻訳終止コドンを含む。加えて、構築物は発現を調節
し、起こさせる制御領域を含んでよい。一般に、多くの
共通して実施される操作に従い、そのような配列は、転
写を制御することにより操作される。例として、とりわ
け、リプレッサー結合部位およびエンハンサーが挙げら
れる。増殖および発現ベクターには、一般に、選択可能
なマーカーが含まれる。選択可能なマーカーは、形質転
換された宿主細胞の選択のための表現型特徴を与える。
好ましいマーカーには、限定するものではないが、真核
細胞培養についてジヒドロ葉酸還元酵素またはネオマイ
シン耐性、および大腸菌およびその他の細菌におけるテ
トラサイクリンまたはアンピシリン耐性などが挙げられ
る。 前記した適当なDNA配列、ならびに適当なプロモ
ーターまたは調節配列を有するベクターを用い、適当な
宿主を形質転換させ、宿主が蛋白質を発現させるように
してもよい。このようなマーカーは、増幅にも適してい
る。別法として、この目的に、さらなるマーカーを含ん
でもよい。
【0041】本明細書に記載した適当なDNA配列、なら
びに適当なプロモーターおよび他の適当な制御配列は、
所望のポリペプチドをその中で発現させるのに適した種
々のよく知られた方法を用いて適当な宿主中に導入され
る。適当な宿主の代表例には、大腸菌、ストレプトマイ
セスおよびサルモネラ・チフィムリウム細胞などの細菌
細胞;酵母細胞などの真菌細胞;ショウジョウバエS2お
よびシロナヨトウSf9細胞などの昆虫細胞;CHO、COSま
たはBowes黒色腫細胞などの動物細胞;および植物細胞
が挙げられる。種々の発現構築物の宿主は、よく知られ
ており、当業者であれば、本明細書の記載から、本発明
の態様に従ってポリペプチドの発現に日常的に選択する
ことができる。
【0042】特に、本発明はすでに広範囲にわたり記載
したような1またはそれ以上の配列を含む発現構築物の
ような組換え構築物も包含する。構築物は、本発明の配
列が正または逆の向きでその中に挿入される、プラスミ
ドまたはウイルスベクターなどのベクターを有してい
る。本発明の好ましい態様において、構築物はさらに、
例えば、該配列に操作可能に結合したプロモーターを含
む調節配列を有している。多数の適当なベクターおよび
プロモーターが当業者に公知であり、商業的に入手可能
である。以下に、商業的に入手可能なベクターを例示の
ために挙げる。細菌において使用するのに好ましいベク
ターは、pQE70、pQE60、pQE-9(Qiagen製)、pBSベクタ
ー、ファージスクリプトベクター、ブルースクリプトベ
クター、pNH8A、pNH16a、pNH18A、pNH46A(Stratagene
製);ptrc99a、pKK223-3、pKK233-3、pDR540、pRIT5(Ph
armacia製)である。好ましい真核細胞用ベクターは、pW
LNEO、pSV2CAT、pOG44、pXT1、pSG(Stratagene製)、pSV
K3、pBPV、pMSG、pSVL(Pharmacia製)である。これら
は、多くの商業的に入手可能な、本発明に使用できるよ
く知られたベクターの単なる例示であり、他のプラスミ
ドまたはベクターも、例えば、宿主に導入でき、維持、
増殖または本発明のポリヌクレオチドまたはポリペプチ
ドを発現するのに適しておれば、本発明に使用できる。
【0043】プロモーター領域は、クロラムフェニコー
ルアセチルトランスフェラーゼ(CAT)転写ユニット、候
補プロモーターフラグメント導入用の制限部位の下流、
すなわち、プロモーターを含むことのできるフラグメン
トのような、プロモーター領域を欠く、レポーター転写
ユニットを含むベクターを用いて、望ましいいずれの遺
伝子からも選択できる。よく知られるごとく、CAT遺伝
子の制限部位上流にプロモーターを含有するフラグメン
トのベクターを導入すると、CAT活性の産生が起こり、
標準的なCAT分析で検出できる。この目的に適したベク
ターは、よく知られており、容易に入手できる。このよ
うなベクターの2つの適当な例はpKK232-8およびpCM7で
ある。すなわち、本発明のポリヌクレオチドの発現用の
プロモーターは、よく知られていて、容易に入手可能な
ものであるばかりでなく、レポーター遺伝子を用いて上
記の方法によって容易に得られるものでもよい。本発明
に従って、ポリヌクレオチドおよびポリペプチドの発現
に適した公知の細菌性プロモーターは、大腸菌lacIおよ
びlacZプロモーター、T3およびT7プロモーター、gptプ
ロモーター、λPR、PLプロモーターおよびtrpプロモー
ターである。
【0044】この点で適当な公知の真核細胞プロモータ
ーは、CMV即時初期型プロモーター、HSVチミジンキナー
ゼプロモーター、初期および後期SV40プロモーター、ラ
ウス肉腫ウイルス(RSV)のLTRのようなレトロウイルス由
来のLTR、およびマウスメタロチオネイン-Iプロモータ
ーのようなメタロチオネインプロモーターである。宿主
での発現に適当なベクターおよびプロモーターの選択
は、よく知られた操作であり、発現ベクター、ベクター
の宿主への導入および宿主での発現に必要な技術は当業
者の日常的なものである。本発明は上記の構築物を含有
する宿主細胞にも関する。宿主細胞は、哺乳動物細胞の
ような高等真核細胞、酵母細胞のような下等真核細胞ま
たは細菌細胞のような原核細胞とすることができる。構
築物の宿主細胞への導入は、リン酸カルシウムトランス
フェクション、DEAE-デキストラン介在トランスフェク
ション、カチオン性リピド介在トラスフェクション、電
気穿孔法、トランスダクション、インフェクション等に
より行うことができる。これらの方法は[25]のような、
多くの標準的実験室マニュアルに記載されている。
【0045】宿主細胞中の構築物を常法にて用い、組換
え体配列によりコードされる遺伝子産物を産生すること
ができる。別法として、本発明のポリペプチドは通常の
ペプチド・シンセサイザーにより合成できる。マチュア
蛋白質は哺乳動物細胞、酵母、細菌、または他の細胞に
おいて適当なプロモーターの調節下で発現できる。無細
胞翻訳系もまた使用して、本発明のDNA構築物由来のRNA
を用いてこのような蛋白質を産生することができる。原
核および真核宿主について用いられる適当なクローニン
グおよび発現ベクターは、[24]に記載されている。
【0046】一般に、組換え体発現ベクターは複製の開
始点、下流構造配列の転写を指令する高度発現遺伝子か
ら由来するプロモーターおよびベクターへの暴露後、ベ
クター含有細胞の単離を可能にする選択可能なマーカー
を含む。適当なプロモーターは、3−ホスホグリセレー
トキナーゼ(PGK)、α−ファクター、酸ホスファターゼ
または熱ショック蛋白質などの解糖酵素をコードする遺
伝子から誘導できる。適当なマーカーには、大腸菌のア
ンピシリン耐性遺伝子およびサッカロミセス・セレビシ
アエのtrp1遺伝子が包含される。高等な真核細胞による
本発明のポリペプチドをコードするDNAの転写はエンハ
ンサー配列をベクター中に挿入することで増加できる。
エンハンサーはDNAシス−作用エレメントで、通常約10
ないし300bpの、所定の宿主細胞で作用してプロモータ
ーの転写活性を増加させるものである。例えば、複製開
始点の100ないし270 bpの後側のSV40エンハンサー、サ
イトメガロウイルス初期プロモーターエンハンサー、複
製開始点の後側のポリオーマエンハンサー、およびアデ
ノウイルスエンハンサーが挙げられる。
【0047】本発明のポリペプチドのヘテロローガスな
構造配列をコードする本発明のポリヌクレオチドは、一
般に、発現のために操作可能な、標準的な技術を使用し
てベクターに挿入される。ポリヌクレオチドは、転写開
始部位がリボソーム結合部位に対して適当な5'に存在す
るように位置される。リボソーム結合部位は、発現され
るべきポリペプチドの翻訳を開始するAUGに対して5'に
ある。一般に、通常AUGである開始コドンと共に始ま
り、リボソーム結合部位と開始コドンの間に存在する、
他のオープンリーディングフレームはない。また、一般
に、ポリペプチドの最後には翻訳終止コドンがあり、ポ
リアデニレーションシグナルおよび転写終止シグナルが
転写領域の3'末端に適宜に配置される。翻訳蛋白質を、
小胞体内腔、ペリプラズム腔または細胞外環境へ分泌す
るために、適当な分泌シグナルを発現するポリペプチド
に組み込むことができる。これらのシグナルはポリペプ
チドに対して内在性であってもよく、あるいは異種性の
シグナルでもよい。ポリペプチドは、融合蛋白質のよう
な修飾形で発現されてもよく、また、分泌シグナルのみ
ならず、さらなるヘテロローガスな機能性領域を含んで
いてもよい。すなわち、例えば、付加的なアミノ酸、特
に、荷電アミノ酸の領域とポリペプチドのN-末端に付加
して、精製の間またはその後の取り扱いおよび貯蔵にお
ける宿主細胞での安定性および持続性を改善することが
できる。精製を容易にするために領域をポリペプチドに
付加することもできる。そのような領域は、ポリペプチ
ドの最終製造前に除去できる。とりわけ、ポリペプチド
へペプチド部分を付加して分泌を起こさせ、安定性を向
上させ、精製を容易にすることは、当該分野でよく知ら
れており、日常的な技術である。
【0048】本発明のポリヌクレオチドおよびポリペプ
チドの増殖、維持または発現用の適当な原核宿主として
は、大腸菌(Escherichia coli)、Bacillus subtiisおよ
Salmonella typhimuriumが挙げられる。Pseudomonas
属、Streptomyces属およびStaphylococcus属の種々の種
も、この点で適当な宿主である。さらに、当業者に公知
の他の宿主も使用できる。限定するものではないが、代
表的な例として、有用な、細菌用の発現ベクターは、選
択可能なマーカーと、よく知られたクローニングベクタ
ーであるpBR322(ATCC37017)の遺伝的エレメントからな
る商業的に入手できるプラスミドから由来する細菌性複
製開始点からなる。そのような商業的なベクターとして
は、例えば、pKK223-3(Pharmacia Fine Chemicals,Upps
ala,Sweden)およびGEM1(Promega Biotec,Madions,WI,US
A)が挙げられる。これらのベクターにおいて、pBR322
「主鎖」部分と、適当なプロモーターおよび発現させる
べき構造配列とを組み合わす。適当な宿主株の形質転換
についで、宿主株を適当な細胞密度まで増殖させる。選
択したプロモーターを導入できる場合は、適当な手段
(例、温度シフトまたは化学的導入剤への暴露)で導入
し、細胞をさらなる期間、培養する。ついで、典型的に
は、細胞を遠心分離で収集し、物理的または化学的手段
で破壊し、得られた粗抽出物を、さらに精製するために
保持する。蛋白質の発現に使用した微生物細胞は、凍結
−解凍の繰り返し、超音波処理、機械的破壊または細胞
溶解剤の使用を含む、いずれの通常の方法によっても破
壊できる。そのような方法も当業者によく知られてい
る。
【0049】種々の哺乳動物細胞培養系も同様に発現に
使用できる。哺乳動物発現系の例としては、限定するも
のではないが、C127、3T3、CHO、HeLa、ヒト腎臓293お
よびBHK細胞株や、サル腎臓線維芽細胞のCOS-7株が挙げ
られる[26]。哺乳動物発現ベクターは、複製開始点、適
当なプロモーターおよびエンハンサー、ならびにいずれ
かの必要なリボソーム結合部位、ポリアデニレーション
部位、スプライスドナーおよびアクセプター部位、転写
終止配列および発現に必要な5'フランキング非転写配列
からなる。好ましい具体例においては、SV40スプライス
部位およびSV40ポリアデニレーション部位から由来する
DNA配列が必要な非転写遺伝エレメントとして使用され
る。LPAATポリペプチドは、硫酸アンモニウムまたはエ
タノール沈殿、酸抽出、陰イオンまたは陽イオン交換ク
ロマトグラフィー、ホスホセルロースクロマトグラフィ
ー、疎水性相互作用クロマトグラフィー、アフィニティ
ークロマトグラフィー、ヒドロキシルアパタイトクロマ
トグラフィーおよびレクチンクロマトグラフィーのよう
なよく知られた方法により、組み換え細胞培養から回収
および精製できる。高速液体クロマトグラフィー(HPLC)
を精製に用いるのが最も好ましい。ポリペプチドが単離
および/または精製中に変性した場合、再び活性な立体
配座にするために、蛋白質再生のための周知の技法を用
いることができる。本発明のポリペプチドには、天然の
精製ポリペプチド、化学合成法により得られたポリペプ
チドおよび、例えば、細菌、酵母、高等植物、昆虫およ
び哺乳動物細胞のような原核または真核宿主から組み換
え技術で製造されたポリペプチドが包含される。組み換
え製造操作において用いた宿主により、本発明のポリペ
プチドは、グリコシル化または非グリコシル化され得
る。さらに、本発明のポリペプチドには、宿主介在方法
の結果、いくつかの場合には開始の修飾メチオニン残基
を含んでよい。LPAAT3ポリヌクレオチドおよびポリペプ
チドは、本発明により、種々の用途、特に、LPAATを化
学的および生物学的に使用する用途に使用できる。さら
なる用途は、細胞、組織および器官の障害の診断および
治療である。
【0050】本発明はまた、例えば、診断試薬として使
用するための、相補性ポリヌクレオチド検出のためのLP
AAT3ポリヌクレオチドの使用に関する。機能不全に伴う
LPAAT3の突然変異形の検出は、LPAAT3の発現不足、過剰
発現または変更発現からもたらされる疾患の診断または
診断に加えることのできる診断道具を提供する。LPAAT3
遺伝子に突然変異を有する個々の人々が、種々の技術に
よりDNAレベルで検出できる。診断用の核酸は、血液、
尿、唾液、組織生検または剖検材料のような患者の細胞
から得ることができる。ゲノムDNAは直接的に検出する
のに使用できるか、または分析の前にPCR[27]もしくは
その他の増幅法を用いることにより酵素的に増幅でき
る。同様に、RNAまたはcDNAも使用できる。例えば、欠
失および挿入は、正常遺伝子型と比較して増幅生成物の
長さの変化により検出できる。点突然変異は、増幅DNA
を放射線標識LPAAT3 RNAまたは放射線標識アンチセンス
DNA配列に対してハイブリダイゼーションすることによ
り同定できる。完全に対合した配列はRNase A消化また
は融解温度の差により、誤対合二重螺旋から区別でき
る。
【0051】対照遺伝子と突然変異を有する遺伝子の配
列相違も直接DNAシーケンシングで示すことができる。
さらに、クローンしたDNAセグメントをプローブとし
て、特定的DNAセグメントを検出できる。これらの方法
の感度はPCRまたは他の増幅方法の適当な使用により大
いに増強できる。例えば、シーケンシングプライマー
は、修飾PCRにより生じた二本鎖PCR生成物または一本鎖
鋳型分子と共に使用する。配列決定は、放射線標識核酸
を用いる常法または蛍光タグを用いる自動シーケンシン
グ操作によって行うことができる。DNA配列の差に基づ
く遺伝的テストは、変性剤と共にまたは無しでゲル中の
DNAフラグメントの電気泳動の移動度の変化により検出
できる。小さな配列の欠失および挿入は、高分離ゲル電
気泳動で明視化できる。異なる配列のDNAフラグメント
は、異なるDNAフラグメントの移動度が、それらの特異
的または部分的溶融温度に従って、異なる位置のゲル中
で遅滞する変性ホルムアミドグラディエントゲルによっ
て区別できる[28]。特異的な位置での配列の変化はま
た、ヌクレアーゼ保護分析、例えば、RNaseおよびS1保
護または化学的切断法によっても明らかにすることがで
きる[29]。かくして、特定のDNA配列の検出は、ハイブ
リダイゼーション、RNase保護、化学的切断、直接シー
ケンシングまたは制限酵素の使用(例、制限断片長多形
(RFLP))およびゲノムDNAのサザンブロッティングによ
り行うことができる。
【0052】本発明はまた、細胞および組織におけるLP
AAT3の発現レベルを検出するための診断分析にも関す
る。そのような分析は、定量的でも、定性的でもよい。
すなわち、例えば、正常な対照組織試料に対してLPAAT3
の過剰発現を検出する本発明の診断分析は、疾患の存在
を検出するために使用できる。宿主から由来する試料中
の、本発明のLPAAT3のような蛋白質のレベルの測定に使
用できる分析技術は、当業者によく知られている。その
ような分析方法には、ラジオイムノアッセイ、競合的結
合アッセイ、ウェスタンブロット分析およびELISAアッ
セイが包含される。とりわけ、ELISAアッセイが好まし
い。ELISAアッセイは、まず、LPAAT3に特異的な抗体、
好ましくはモノクローナル抗体の調製を含む。さらに、
該モノクローナル抗体と結合する標識抗体が一般に調製
される。該リポーター抗体は、放射能、蛍光または酵素
試薬、例えば、ここでは西洋ワサビパーオキシダーゼの
ような検出可能な試薬と結合させる。
【0053】ELISAを行うには、宿主からLPAAT3を含む
と考えられる試料を取り出し、例えば、96穴マイクロプ
レートのような、試料中の蛋白質と結合する固体担体上
でインキュベーションしてプレートのウェルに吸着させ
る。ウェルのいずれの遊離蛋白質結合部位も、ウシ血清
アルブミンのような非特異性蛋白質と共にインキュベー
ションして被覆する。ついで、抗LPAAT3モノクローナル
抗体(一次抗体)をウェル内でインキュベーションす
る。この間に、一次抗体は、マイクロプレートのウェル
に結合したLPAAT3と結合する。結合しない一次抗体を緩
衝液で洗い流す。西洋ワサビパーオキシダーゼで標識し
た一次抗体に対する抗体(標識二次抗体)をウェルに入
れ、LPAAT3と結合した一次抗体と結合させる。ついで、
結合しなかった標識二次抗体を洗い流す。次いで、比色
測定用の基質を含むパーオキシダーゼ活性測定用の試薬
をウェルに加える。一次および標識二次抗体を介してLP
AAT3に結合した、固定化されたパーオキシダーゼは呈色
反応生成物を生成する。所定の時間内に発色した色の量
が試料中に存在するLPAAT3の量の指標となる。定量的結
果は、典型的には、標準曲線との対比により得られる。
競合分析も使用でき、LPAAT3に特異的な抗体を固体担体
に結合させ、標識したLPAAT3および宿主から由来する試
料を固体担体に加える。固体担体に結合した標識の量は
試料中のLPAAT3の量と相関させることができる。
【0054】本発明のポリペプチド、それらのフラグメ
ントまたはその他の誘導体、またはそれらのアナログ、
またはそれらを発現する細胞は、これらに対する抗体を
産生する免疫原として用いることができる。これらの抗
体は、例えば、モノクローナルおよびポリクローナル抗
体である。本発明にはまた、キメラ、一本鎖およびヒト
化抗体、ならびにFab等フラグメントまたはFab発現ライ
ブラリーの生成物が包含される。当該分野に公知の種々
の方法がこのような抗体およびフラグメントの製造に使
用できる。本発明の配列に対応するポリペプチドに対し
て生じる抗体は、好ましくはヒト以外の動物に、該ポリ
ペプチドを直接注射するか、投与することにより得るこ
とができる。得られた抗体はポリペプチドそのものと結
合する。このようにして、ポリペプチドのフラグメント
のみをコードする配列でさえも、全体の天然ポリペプチ
ドと結合する抗体の産生に使用できる。そのような抗体
は、そのポリペプチドを発現する組織から該ポリペプチ
ドを単離するのに使用できる。連続的セルライン培養に
より産生される抗体を提供する当業者によく知られた技
術を用いて、モノクローナル抗体を調製することができ
る。モノクローナル抗体産生法としては、ハイブリドー
マ法[30]、トリオーマ法、ヒトB細胞ハイブリドーマ法
[31]、およびEBV-ハイブリドーマ法[32]が挙げられる。
【0055】一本鎖抗体の製造のために記載された技術
[33]を用いて、本発明のポリペプチドに対する一本鎖抗
体を産生することができる。また、トランスジェニック
マウスまたはその他の生物、例えばその他の哺乳動物を
用いて、本発明のヒト化抗体を発現させることができ
る。上記の抗体を用いて該ポリペプチドを発現するクロ
ーンを単離または同定することができ、アフィニティー
クロマトグラフィーにより、単離および/または精製用
の固体担体に抗体を結合させて本発明のポリペプチドを
精製することができる。
【0056】本発明のLPAAT3は、相互反応する蛋白質の
単離に使用でき、この相互反応を、干渉の標的とするこ
とができる。LPAAT3と他の因子との間の蛋白質−蛋白質
相互反応の阻害剤は、LPAAT3活性調節用の医薬の開発に
通じる。かくして、本発明はまた、LPAAT3への結合分子
の同定方法も提供する。LPAAT3に結合する分子について
の蛋白質をコードする遺伝子は、例えば、FACSソーティ
ングのような多くの公知の方法により同定できる。そよ
うな方法は、例えば、[34]のような多くの実験室マニュ
アルに記載されている。例えば、酵母ハイブリッドシス
テムは、転写アクチベーターの活性の再構築を使用す
る、第一のテスト蛋白質と第二のテスト蛋白質のin viv
oにおける相互反応検出のための方法を提供する。この
方法は[35]に開示されており、試薬はClontech社および
Stratagene社から入手できる。要約すると、LPAAT3 cDN
AをGal4転写因子DNA結合ドメインと融合させ、酵母細胞
で発現させる。関心のある細胞から得られたcDNAライブ
ラリーメンバーをGal4のトランス活性化ドメインに融合
させる。LPAAT3と相互反応できる蛋白質を発現するcDNA
クローンは、Gal4の再構築およびGal1-lacZのようなリ
ポーター遺伝子のトランス活性化をもたらす。
【0057】もう一つの他の方法には、細胞からのLPAA
T3と直接、相互反応する蛋白質の単離が包含される。LP
AAT3とGSTまたは小さいタグとの融合蛋白質を作成し、
ビーズに固定化する。関心ある細胞からの生合成的にラ
ベルした、またはラベルしない蛋白質の抽出物を調製
し、ビーズと共にインキュベーションし、緩衝液で洗浄
する。LPAAT3と相互反応した蛋白質をビーズから特異的
に溶出し、SDS-PAGEで分析する。結合相手の一次アミノ
酸配列データはマイクロシーケンシングによって得られ
る。所望により、細胞蛋白質のチロシンホスホリレーシ
ョンのような機能的応答を導く試薬で細胞を処理しても
よい。そのような試薬の例は、成長因子またはインター
ロイキン−2のようなサイトカインである。他の方法
は、イムノアフィニティー精製である。組み換えLPAAT3
をラベルした、またはしない細胞抽出物と共にインキュ
ベーションし、抗LPAAT3抗体で免疫沈降させる。免疫沈
降物をプロテインA-セファロースで回収し、SDS-PAGEで
分析する。ラベルしない蛋白質は、ビオチニル化により
ラベルし、ストレプトアビジンでSDSゲル上で検出す
る。結合相手の蛋白質を、マイクロシーケンシングで分
析する。さらに、公知の標準的な生化学精製工程をマイ
クロシーケンシング前に使用してもよい。
【0058】さらに別の方法は、ペプチドライブラリー
における結合相手のスクリーニングである。タグを付す
か、ラベルした組み換えLPAAT3を用い、ペプチドまたは
ホスホペプチドライブラリーから、LPAAT3と相互反応す
るペプチドを選択する。ペプチドのシーケンシングで、
相互反応蛋白質に見いだされ得るコンセンサスペプチド
配列の同定ができる。これらの方法または他の公知の方
法のいずれかで同定されたLPAAT3結合分子ならびに上記
した推定結合相手は本発明の分析方法に使用できる。LP
AAT3/結合相手複合体の存在の分析は、例えば、酵母ハ
イブリッドシステム、ELISAまたは該複合体に特異的な
抗体を使用するイムノアッセイにより行うことができ
る。LPAAT3/結合相手複合体の形成を妨害または阻害す
る試験物質の存在下、試験物質を欠く対照に対する複合
体の量の減少を測定する。遊離LPAAT3または結合相手の
分析は、例えば、ELISAまたは特異抗体を用いるイムノ
アッセイにより、または、放射ラベルされたLPAAT3を細
胞または細胞膜と共にインキュベーションし、ついで遠
心分離またはフィルター分離することにより行える。LP
AAT3/結合相手複合体の形成を妨害または阻害する試験
物質の存在下、試験物質を欠く対照に対する遊離LPAAT3
または遊離結合相手の量の増加を測定する。本発明のポ
リペプチドはまた、細胞中または無細胞調製物中のLPAA
T3結合分子のLPAAT3結合能の評価にも使用できる。
【0059】本発明のLPAAT3は酵素活性を活性化(アゴ
ニスト)または阻害(アンタゴニスト)する化合物をス
クリーニングする方法にも使用できる。一般に、そのよ
うなスクリーニング操作には、本発明のポリペプチドを
発現する適当な細胞の製造を包含する。そのような細胞
には、哺乳動物、酵母、ショウジョウバエまたは大腸菌
からの細胞が包含される。特に、本発明のLPAAT3をコー
ドするポリヌクレオチドは、細胞にトランスフェクト
し、それによりLPAAT3を発現させるために使用できる。
LPAAT3を発現する細胞を、試験化合物と接触させ、結
合、刺激または機能性応答の抑制を観察する。そのよう
なスクリーニング操作の一つには、本発明のLPAAT3発現
のためにトランスフェクトされるメラニン細胞の使用が
含まれる。そのようなスクリーニング技術は[36]に記載
されている。一つの具体例において、この技術は、LPAA
T3を発現するメラニン細胞を基質とスクリーニングすべ
き化合物との両方と接触させて、本発明のLPAAT3ポリペ
プチドの活性化を阻害する化合物のスクリーニングに使
用される。
【0060】潜在的アンタゴニストには、アンチセンス
技術を使用して調製したアンチセンス構築物も包含され
る。アンチセンス技術は、三重螺旋形成またはアンチセ
ンスDNAまたはRNAにより遺伝子発現を調節するのに用い
ることができ、両方法ともポリヌクレオチドのDNAまた
はRNAに対する結合に基づく。例えば、本発明のマチュ
アポリペプチドをコードするポリヌクレオチド配列の5'
コーディング領域は約10ないし40bpの長さのアンチセン
スRNAオリゴヌクレオチドをデザインするのに用いられ
る。DNAオリゴヌクレオチドは、転写に関与する遺伝子
の領域に相補的になるようにデザインされ(三重螺旋)
[37][38][39]、これによりLPAAT3の転写および産生を防
止する。アンチセンスRNAオリゴヌクレオチドは、in vi
voでmRNAとハイブリッド形成し、mRNA分子のLPAAT3中へ
の転写をブロックする(アンチセンス)[40][41]。上記
オリゴヌクレオチドはまた、細胞から誘導でき、アンチ
センスRNAまたはDNAを、LPAAT3の産生を抑制するように
in vivoで発現できる。他の潜在的アンタゴニストは、L
PAAT3と結合して基質と接近しにくくなるようにして正
常な生物学的活性を防止する小分子である。小分子の例
は、限定するものではないが、小ペプチドまたはペプチ
ド様分子である。
【0061】LPAAT3は哺乳動物宿主において遍在し、多
くの病理を含む多くの生物学的機能に関与する。したが
って、一方でLPAAT3の活性を増強し、他方でLPAAT3の活
性を阻害できる化合物および試薬を見出すことが望まし
い。本発明はさらに過剰のLPAAT3活性と関連した異常な
状態の治療法であって、患者に上記阻害化合物(アンタ
ゴニスト)を医薬上許容される担体とともに、LPAAT3と
の結合をブロックすることによるか、または第二のシグ
ナルを抑制することにより活性を抑制するのに有効な量
で投与し、それにより異常な症状を軽減することからな
る方法を提供する。本発明はまたLPAAT3およびその活性
不足と関連した異常な症状の治療法であって、患者に有
効量の上記の本発明のLPAAT3活性を増強する化合物(ア
ゴニスト)を医薬上許容される担体とともに投与して、
異常な症状を軽減することからなる方法も提供する。
【0062】可溶性形態のLPAAT3活性を増強または阻害
する化合物を適当な医薬担体と組み合わせて用いること
ができる。このような組成物は治療上有効量のポリペプ
チドまたは化合物と医薬上許容される担体または賦形剤
とを含んでなる。このような担体は、食塩水、緩衝食塩
水、デキストロース、水、グリセロール、エタノール、
およびその組み合わせを包含するが、これに限定されな
い。処方は投与方法に適合するものでなければならな
い。投与方法に合った適当な担体の選択は当業者が日常
行うことである。本発明はまた、1またはそれ以上の上
記した本発明の医薬組成物の成分を充填した1またはそ
れ以上の容器からなる医薬パックまたはキットを提供す
る。
【0063】本発明のポリペプチドおよびその他の化合
物は、単独で、または薬効を有する他の化合物と組み合
わせて使用できる。該医薬組成物は、とりわけ、局所、
経口、経肛門、経膣、静脈内、腹腔内、筋肉内、皮下、
鼻腔内または皮内経路によるなどを包含する、有効で、
都合のよい方法で投与される。医薬組成物は、一般に、
具体的な適応症の治療および予防に有効な量で投与され
る。一般に、医薬組成物は、少なくとも10μg/体重kgの
量で投与され、ほとんどの場合、一日あたり約8mg/体重
kgを超えない量で投与される。好ましくは、ほとんどの
場合、用量は、投与経路、症状などを考慮して毎日約10
μgないし約1mg/体重kgである。明らかなごとく、最適
用量は、適応症、その重篤度、投与経路、合併症などを
考慮し、個々の治療モダリティーおよび適応症のための
標準的な方法によって決定される。
【0064】LPAAT3ポリヌクレオチド、ポリペプチド、
ポリペプチドであるアゴニストおよびアンタゴニスト
は、しばしば「遺伝子療法」と称される治療モダリティ
ーにおいてそのようなポリペプチドを発現させることに
より本発明に従って使用できる。すなわち、例えば、患
者からの細胞をex vivoでポリペプチドをコードする、D
NAまたはRNAのようなポリヌクレオチドで遺伝子操作す
る。遺伝子操作した細胞をついで、ポリペプチドで治療
すべき患者に与える。この具体例においては、例えば、
本発明のポリペプチドをコードするRNAを含有するレト
ロウイルスプラスミドベクターを使用することにより、
細胞をex vivoで遺伝子操作できる。このような方法は
当該分野でよく知られており、本発明におけるそれらの
使用は、本明細書の記載から明らかであろう。同様に、
細胞をin vivoで遺伝子操作して、当該分野で公知の操
作によりin vivoでポリペプチドを発現できる。例え
ば、本発明のポリヌクレオチドは、上記のごとく、複製
欠損レトロウイルスベクター中で発現するように操作で
きる。レトロウイルス発現構築物を単離し、本発明のポ
リペプチドをコードするRNAを含有するレトロウイルス
プラスミドベクターを形質導入したパッケージング細胞
に入れ、パッケージング細胞が関心のある遺伝子を含有
する感染性ウイルス粒子を新たに産生できるようにす
る。このような産生細胞を、患者に投与し、in vivoで
細胞を操作し、in vivoでポリペプチドを発現させる。
本発明のポリペプチドを投与するためのこれら、および
他の方法は、本発明の教示から当業者に明らかであろ
う。
【0065】上記のレトロウイルスプラスミドベクター
を誘導できるレトロウイルスには、限定するものではな
いが、モロニーネズミ白血病ウイルス、脾壊死ウイル
ス、ラウス肉腫ウイルス(RSV)、ハーベイ肉腫ウイル
ス、ニワトリ白血病ウイルス、テナガザル白血病ウイル
ス、ヒト免疫不全症ウイルス、アデノウイルス、骨髄増
殖性肉腫ウイルスおよび乳癌ウイルスが包含される。好
ましい態様においては、レトロウイルスプラスミドベク
ターは、モロニーネズミ白血病ウイルスから誘導され
る。そのようなベクターは、該ポリペプチド発現用の1
つ以上のプロモーターを含む。使用できる適当なプロモ
ーターには、限定するものではないが、レトロウイルス
LTR、SV40プロモーターおよびヒトサイトメガロウイル
ス(CMV)プロモーター[42]が包含される。限定するもの
ではないが、ヒストン、RNAポリメラーゼIIIおよびβ−
アクチンプロモーターを包含する真核細胞プロモーター
のような細胞プロモーターも使用できる。さらに、使用
できるウイルスプロモーターには、限定するものではな
いが、アデノウイルスプロモーター、チミジンキナーゼ
(TK)プロモーターおよびB19パルボウイルスプロモータ
ーが包含される。適当なプロモーターの選択は本明細書
の教示から当業者に明らかであろう。
【0066】本発明のポリペプチドをコードする核酸配
列は、適当なプロモーターの制御下に置かれる。使用で
きる適当なプロモーターには、限定するものではない
が、アデノウイルス主後期プロモーターのようなアデノ
ウイルスプロモーター;サイトメガロウイウス(CMV)プ
ロモーターのようなヘテロローガスプロモーター;RSウ
イルス(RSV)プロモーター;MMTプロモーター、メタロチ
オネインプロモーターのような誘導できるプロモータ
ー;ヒートショックプロモーター;アルブミンプロモー
ター;ApoAIプロモーター;ヒトグロビンプロモータ
ー;単純ヘルペスチミジンキナーゼプロモーターのよう
なウイルス性チミジンキナーゼプロモーター;レトロウ
イルスLTR(上記した修飾レトロウイルスLTRを含む);
β−アクチンプロモーターおよびヒト成長ホルモンプロ
モーターが包含される。プロモーターはまた、ポリペプ
チドのコード遺伝子を制御できる天然のプロモーターで
もよい。レトロウイルスプラスミドベクターを、パッケ
ージングセルラインの形質導入に使用して産生セルライ
ンを形成する。トランスフェクトできるパッケージング
細胞の例としては、限定するものではないが、PE501、P
A317、Ψ-2、Ψ-AM、PA12、T19-14X、VT-19-17-H2、ΨC
RE、ΨCRIP、GP+E-86、GP+envAm12および[43]に記載さ
れるDNAセルラインが挙げられる。ベクターは、公知の
いずれかの方法によりパッケージング細胞に形質導入で
きる。そのような方法には、限定するものではないが、
電気穿孔法、リポソームの使用およびCaPO4沈殿が包含
される。別法の1つとして、レトロウイルスプラスミド
ベクターは、リポソームに封入するか、脂質に結合さ
せ、ついで宿主に投与できる。
【0067】産生セルラインは、該ポリペプチドをコー
ドする核酸配列を含む感染性のレトロウイルスベクター
粒子を生じさせる。そのようなレトロウイルスベクター
粒子を使用してin vitroまたはin vivoで真核細胞に形
質導入できる。形質導入された真核細胞は、該ポリペプ
チドをコードする核酸配列を発現させる。形質導入され
る真核細胞には、限定するものではないが、胎児性幹細
胞、胎児性癌細胞ならびに造血幹細胞、肝細胞、線維芽
細胞、筋芽細胞、角化細胞、内皮細胞および気管支上皮
細胞が包含される。
【0068】
【実施例】以下の実施例により、本発明をさらに説明す
る。以下の実施例は、特定の具体例による例示目的のみ
である。これらの例示は、本発明の、ある種の具体的な
態様を説明するものであるが、本発明の範囲をなんら制
限するものではない。全ての実施例は、特に詳細に説明
しない限り、当業者によく知られた、日常的な標準的技
術を用いて行われる。以下の実施例における全ての部ま
たは量は、特に断らない限り、重量基準である。特に断
らない限り、以下の実施例におけるフラグメントのサイ
ズ分離は、アガロースおよびポリアクリルアミドゲルを
用いる標準的な技術を用いて行う[24][44]。
【0069】1.ゲノムシーケンシングと遺伝子の予測 BAC (bacterial artificial chromosome) ライブラリー
をスクリーニングし、BACクローンを用いてコンティグ
を作成して、得られた3クローンのBAC DNAのゲノムシー
ケンシングを行った。BAC DNA (KB836E9, KB218C10, KB
85A5) のゲノムシーケンシングはショットガン法を用い
て行った[45]。シーケンシングされた全塩基配列から反
復配列を除き[46]、残りの塩基配列をエキソン予測プロ
グラムGRAIL[47]およびGENSCAN[48]を用いて解析した。
【0070】まず、その領域の塩基配列情報、コンピュ
ーターによる遺伝子の予測情報などをもとにして遺伝子
の有無について検討した。エキソン予測ソフト (Grail)
を用いた結果、この領域において88個のエキソンが予
測された。また、遺伝子予測ソフトである (GENSCAN)
では16個の遺伝子が予測され、このうち100-236 kbの領
域には8個の遺伝子が予測された。これらの中で5番目
に予測された遺伝子 (predect 5) は、塩基配列および
アミノ酸配列をDNAおよび蛋白質データベースに対して
ホモロジー検索を行った結果、植物の1-acyl-sn-glycer
ol-3-phosphate acyltransferase (LPAAT)[12][13]と相
同性を示した。
【0071】この遺伝子が予測された領域には数種類の
expressed sequence tag (EST;DNAデータベースに登録
されているcDNA断片, GenBank acccession no. AA4137
7, AA128849, W64389, W26135, AA406110など) が存在
しており、これらのESTをつなぎ合わせると約950 bpの
連続した配列であった。これらのESTをゲノム塩基配列
に照らし合わせたところ、7個のエキソンに別れてい
た。またこれとは別に、この連続した配列の上流に1個
のEST (GenBank acccession no. AA406110) が存在し
た。
【0072】2.cDNAの単離 ヒト胎児肝臓のcDNAから新規LPAAT cDNAを増幅するため
に、ゲノム配列をもとにしてPCRプライマーを設計し
た。設計した場所は、EST (GenBank acccession no. AA
406110) に存在するメチオニンの上流 (プライマー名、
183490F) と連続した配列中にある終止コドンの下流
(プライマー名、206273R) である。ヒト胎児肝臓cDNA
(Clontech社製) をPCRの鋳型として用い、以下の条件で
PCR反応に使用した。10 mlの反応系に1 x buffer [16
mM (NH4)2SO4、50 mM Tris-HCl pH 9.2、1.75 mM MgC
l2、0.001% (w/v) gelatin]、0.2 mMのdNTPs、1 M Beta
ine (Sigma社製)、0.35 UのTaqとPwoDNAポリメラーゼ
(EXpand Long Template PCR System, Boehringer Mannh
eim社製)、0.5 mMの特異的プライマーペア127816F(配
列番号3)/191968R(配列番号4)、183490F(配列番
号5)/206273R(配列番号6)を加え 、35サイクルのP
CRを94℃ 30秒、65℃ 30秒、68℃ 90秒の条件で行っ
た。胎児肝臓cDNAを鋳型としてPCRを行ったところ、約
1.2 kbのPCR産物が得られた。このPCR産物のダイレクト
シーケンスを行ない塩基配列を決定した結果、全長が12
66 bpであり 1128 bp の翻訳領域を持っていた。この配
列中で見られた最初のメチオニンが開始コドンになるか
を確かめるため、さらに5'上流に延ばすことを試みた。
5'上流にプライマーを設計し胎児肝臓cDNAを鋳型として
PCRを行った結果、5'上流に延び、その配列中にはメチ
オニンと同じ読み枠で終止コドンが見られた。また、こ
のメチオニンはKozakのコンセンサス配列に合っていた
ため開始コドンであると決定した。
【0073】更に、5'-RACEを行うことによって転写開
始点の決定を行った。5'-RACEはMarathon cDNA Amplifi
cation Kit (human fetus; Clontech社製) を使用し
た。PCR反応は、10 mlの反応系に1 x buffer [50 mM K
Cl、10 mM Tris-HCl pH 8.3、1.5 mM MgCl2、0.001% (w
/v) gelatin]、0.2 mMのdNTPs、0.25 UのAmpliTaq Gold
DNAポリメラーゼ (Perkin-Elmer社製)、0.5 mMの特異的
プライマーペアAP1(配列番号7)/127876R(配列番号
8)を加え、35サイクルのPCRを94℃ 30秒、65℃30秒、
72℃ 30秒の条件で行った。
【0074】3.cDNAシーケンシング シーケンシング反応はインサート特異的プライマー、Th
ermo Sequenase Cy 5.5 Dye Terminator Cycle Sequenc
ing Kit (Amersham pharmacia biotech社製)を用い、ジ
デオキシターミネーター法を利用して塩基配列を決定し
た。反応後、未反応のダイデオキシターミネーターをゲ
ル濾過により除去し、DNA塩基配列は自動蛍光DNAシーケ
ンサー (ファルマシア社製モデルSeq4x4) を使用して決
定した。
【0075】4.cDNAの塩基配列の解析 BLASTPプログラムを用いた蛋白質データベースの検索に
より、新規LPAAT蛋白質は2種の植物(Limnanthes dougl
asii, Zea Mays)のLPAAT蛋白質のほぼ全領域にかけて
高い相同性を示した。これら3種類のアミノ酸配列の比
較を図1に示す。ヒトLPAAT(376アミノ酸残基)の全配
列はL. douglasii(377アミノ酸残基)と33.6%のidenti
ty(129/384 overlapping amino acid)を示し、59.6%
のsimilarity(229/384)を示した。ここで、identity
とは同一アミノ酸の一致を示し、similarityとは類似ア
ミノ酸を含めた一致を示す。また、Z. mays(377アミノ
酸残基)との比較では32.7%のidentity (124/379)およ
び、57.5%のsimilarity(218/379)を示した。植物同士
の相同性は65.5%のidentity(247/376)、84.6%のsimil
ality(319/377)であり高いものであった。3種で保存
されたアミノ酸は蛋白質の全領域に見られるが (28.3%
のidentity (108/382), 52.6%のsimilarity (201/38
2))、中央部の領域で特に高く保存されており、この領
域中に酵素活性部位が存在することが考えられる。アミ
ノ酸配列からの膜貫通領域の予測は、SOSUIプログラム
(http://www.tuat.ac.jp/~mitaku/sosui)を用いて行っ
た。
【0076】この予測された新規蛋白質をLPAAT3と名付
けた。LPAAT3蛋白質は376アミノ酸よりなっており、そ
の分子量は43378.7であった。また、アミノ酸解析によ
り3カ所の膜貫通領域があり、C末には小胞体局在化シ
グナルが存在していた(配列番号2)。この領域のゲノ
ムの塩基配列を解析した結果、LPAAT3遺伝子の染色体上
での方向はセントロメアからテロメアであることがわか
った。エキソンイントロン構造を表1に示す。それぞれ
のイントロンは共通のスプライスサイトag:gtが保存さ
れていた。以上より、LPAAT3遺伝子は9エキソンからな
り、そのサイズは約80 kbであった(図2)。
【0077】
【表1】
【0078】5.サザンブロットおよびノーザンブロッ
ト解析 全染色体DNAをEcoRIおよびHindIIIで完全消化した後、
0.7%アガロースゲルを用いて電気泳動した。泳動後のゲ
ルをナイロンメンブラン (BiodynB; Pall社製)にブロッ
ティングし、このサザンブロットフィルターに対してラ
ンダムプライミング法[49]により32PラベルしたcDNA断
片を用いて、ハイブリダイゼーションした。サザンハイ
ブリダイゼーションに用いたプローブはLPAAT3の翻訳領
域である。各種臓器・組織のノーザンブロット (Clonte
ch社製) に対してランダムプライミング法により32Pラ
ベルしたcDNAをプローブとしてハイブリダイゼーション
を行った。ノーザンハイブリダイゼーションに用いたプ
ローブは、上記と同様である。ハイブリダイゼーション
後、バイオイメージアナライザーBAS2000 (富士フィル
ム製) で解析した。
【0079】LPAAT3の翻訳領域をプローブにしてノーザ
ンブロット解析を行っ結果、3.0、5.5、6.0 kbのmRNAが
調べた全ての臓器で発現していた(図3)。このプロー
ブを用い、EcoRI、HindIIIで消化した全ヒトDNAに対し
てサザンハイブリダイゼーションを行った。この結果、
EcoRIでは11.4, 14.9, 2.9 kbの、HindIIIでは20.0,6.
8, 4.6 kbのバンドが検出された。これは塩基配列情報
から予測される制限酵素断片と同一である。すなわち、
ノーザンブロット解析で見られた3本のバンドはalterna
tive splicing産物であることが考えられた。
【0080】6.発現ベクターの構築 183490F(配列番号9)/taaEcoRI(配列番号10)のPC
Rプライマーの組み合わせを用い、胎児肝臓cDNAを鋳型
としてPCRを行なった。PCR産物をNcoI, EcoRIで消化
後、あらかじめ同じ酵素で消化した発現ベクターpSE380
(Invitrogen社)へライゲーションを行い、DH5α株へト
ランスフォームした(p380LPAATと命名)。
【0081】7.Complementation解析 pSE380とp380LPAATをJC200株およびJC201株にトランス
フォームした。JC200株にpSE380あるいはp380LPAATをト
ランスフォームした 株をそれぞれ200C, 200Lと名付
け、JC201株にpSE380あるいはp380LPAATをトランスフォ
ームした 株をそれぞれ201C, 201Lと名付けた。JC201株
は大腸菌plsC遺伝子の温度感受性変異株であり、37℃で
は増殖するが43℃では増殖しない株である。JC200株は
その親株である[50]。それぞれのトランスフォームした
株をLBプレート上でそれぞれ37℃および43℃で培養し
た。
【0082】JC201株にp380LPAATをトランスフォームし
た株201Lは37℃、43℃のいずれの温度でもコロニーを形
成したが、JC201株にpSE380をトランスフォームした株2
01Cは37℃ではコロニーを形成するが、43℃では形成し
なかった。以上より、大腸菌plsC遺伝子の温度感受性変
異株JC201にLPAAT cDNAを発現させることにより43℃で
増殖させることができ、plsC遺伝子を相補させることが
できた。
【0083】
【発明の効果】本発明により、LPAATの基質や生成物が
関与すると考えられている疾患の診断や治療に大きな進
歩が期待できる。LPAATの基質であるLPAは血小板凝集、
平滑筋の収縮作用、神経伝達物質の放出、神経突起の伸
長抑制、癌細胞の浸潤、強い増殖作用や発生への関与な
ど様々な生理作用を持つ活性リン脂質である。また、本
酵素によって生成されるPAは、1) LPAと同様にPKCの活
性化を介して細胞増殖を増強する、2) 脂質を介した情
報伝達系に関与している、3) サイトカインによって誘
導される炎症反応に関与している分子である。このた
め、本酵素はLPAとPAの細胞内レベルを調節することに
より上記の作用を間接的に制御している可能性がある。
また、脂質の合成に関与していることから高脂血症との
関連にも興味が持たれる。
【0084】参考文献 [1]Eur. J. Biochem. 31: 565(1972) [2]Proc. Natl. Acad. Sci. USA 69: 3490(1972) [3]Biochem. Biophys. Acta. 243: 263(1971) [4]J. Biochem(Tokyo) 76: 847(1974) [5]J. Biol. Chem. 256: 11151(1981) [6]DNA and Cell Biology 16: 691-701(1997) [7]New Biol. 3:: 687-697(1991) [8]Mol. Gen. Genet. 232: 295-303(1992) [9]Science 269: 496-512(1995) [10]Mol. Microbiol. 18: 401-412(1995) [11]J. Biol. Chem. 268: 22156-22163(1993) [12]Plant Mol. Biol. 26: 211-223(1994) [13]Plant Mol. Biol. 29: 267-270(1995) [14]GenBank Accession No. Z46836(1996) [15]Eur. J. Biochem. 232: 806-810(1995) [16]Plant Physiol. 109: 999-1006(1995) [17]Plant Physiol. 109: 1389-1394(1995) [18]Science 270: 394-403(1995) [19]Biochem. J. 326: 455-461(1997) [20]Proc. Natl. Acad. Sci. USA 86: 821-824(1989) [21]Cell 37: 767(1984) [22]WO94/03620 [23]WO96/04382 [24]Molecular Cloning: a laboratory manual, 2nd e
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【0085】
【配列表】 Sequence listing <110> Eiken Chemical Co.,Ltd. <120> DNA Sequence Encoding Lyso Phosphatidic Acid Acyltransferase <130> P000401 <160> 10 <210> 1 <211> 1333 <212> DNA <213> Homo Sapiens <220> <221> CDS <222> (178)...(1305) <400> 1 atttggtcac acggcgtctc tccagtcctg cgcaagcacg ttgacatgtg tgcctttcac 60 tttcaggctt gtccagccgg aagccctgag ggcagctgtt cccactggct ctgctgacct 120 tgtgccttgg acggctgtcc tcagcgaggg gccgtgcacc cgctcctgag cagcgcc 177 atg ggc ctg ctg gcc ttc ctg aag acc cag ttc gtg ctg cac ctg ctg 225 Met Gly Leu Leu Ala Phe Leu Lys Thr Gln Phe Val Leu His Leu Leu 1 5 10 15 gtc ggc ttt gtc ttc gtg gtg agt ggt ctg gtc atc aac ttc gtc cag 273 Val Gly Phe Val Phe Val Val Ser Gly Leu Val Ile Asn Phe Val Gln 20 25 30 ctg tgc acg ctg gcg ctc tgg ccg gtc agc aag cag ctc tac cgc cgc 321 Leu Cys Thr Leu Ala Leu Trp Pro Val Ser Lys Gln Leu Tyr Arg Arg 35 40 45 ctc aac tgc cgc ctc gcc tac tca ctc tgg agc caa ctg gtc atg ctg 369 Leu Asn Cys Arg Leu Ala Tyr Ser Leu Trp Ser Gln Leu Val Met Leu 50 55 60 ctg gag tgg tgg tcc tgc acg gag tgt aca ctg ttc acg gac cag gcc 417 Leu Glu Trp Trp Ser Cys Thr Glu Cys Thr Leu Phe Thr Asp Gln Ala 65 70 75 80 acg gta gag cgc ttt ggg aag gag cac gca gtc atc atc ctc aac cac 465 Thr Val Glu Arg Phe Gly Lys Glu His Ala Val Ile Ile Leu Asn His 85 90 95 aac ttc gag atc gac ttc ctc tgt ggg tgg acc atg tgt gag cgc ttc 513 Asn Phe Glu Ile Asp Phe Leu Cys Gly Trp Thr Met Cys Glu Arg Phe 100 105 110 gga gtg ctg ggg agc tcc aag gtc ctc gct aag aag gag ctg ctc tac 561 Gly Val Leu Gly Ser Ser Lys Val Leu Ala Lys Lys Glu Leu Leu Tyr 115 120 125 gtg ccc ctc atc ggc tgg acg tgg tac ttt ctg gag att gtg ttc tgc 609 Val Pro Leu Ile Gly Trp Thr Trp Tyr Phe Leu Glu Ile Val Phe Cys 130 135 140 aag cgg aag tgg gag gag gac cgg gac acc gtg gtc gaa ggg ctg agg 657 Lys Arg Lys Trp Glu Glu Asp Arg Asp Thr Val Val Glu Gly Leu Arg 145 150 155 160 cgc ctg tcg gac tac ccc gag tac atg
tgg ttt ctc ctg tac tgc gag 705 Arg Leu Ser Asp Tyr Pro Glu Tyr Met Trp Phe Leu Leu Tyr Cys Glu 165 170 175 ggg acg cgc ttc acg gag acc aag cac cgc gtt agc atg gag gtg gcg 753 Gly Thr Arg Phe Thr Glu Thr Lys His Arg Val Ser Met Glu Val Ala 180 185 190 gct gct aag ggg ctt cct gtc ctc aag tac cac ctg ctg ccg cgg acc 801 Ala Ala Lys Gly Leu Pro Val Leu Lys Tyr His Leu Leu Pro Arg Thr 195 200 205 aag ggc ttc acc acc gca gtc aag tgc ctc cgg ggg aca gtc gca gct 849 Lys Gly Phe Thr Thr Ala Val Lys Cys Leu Arg Gly Thr Val Ala Ala 210 215 220 gtc tat gat gta acc ctg aac ttc aga gga aac aag aac ccg tcc ctg 897 Val Tyr Asp Val Thr Leu Asn Phe Arg Gly Asn Lys Asn Pro Ser Leu 225 230 235 240 ctg ggg atc ctc tac ggg aag aag tac gag gcg gac atg tgc gtg agg 945 Leu Gly Ile Leu Tyr Gly Lys Lys Tyr Glu Ala Asp Met Cys Val Arg 245 250 255 aga ttt cct ctg gaa gac atc ccg ctg gat gaa aag gaa gca gct cag 993 Arg Phe Pro Leu Glu Asp Ile Pro Leu Asp Glu Lys Glu Ala Ala Gln 260 265 270 tgg ctt cat aaa ctg tac cag gag aag gac gcg ctc cag gag ata tat 1041 Trp Leu His Lys Leu Tyr Gln Glu Lys Asp Ala Leu Gln Glu Ile Tyr 275 280 285 aat cag aag ggc atg ttt cca ggg gag cag ttt aag cct gcc cgg agg 1089 Asn Gln Lys Gly Met Phe Pro Gly Glu Gln Phe Lys Pro Ala Arg Arg 290 295 300 ccg tgg acc ctc ctg aac ttc ctg tcc tgg gcc acc att ctc ctg tct 1137 Pro Trp Thr Leu Leu Asn Phe Leu Ser Trp Ala Thr Ile Leu Leu Ser 305 310
315 320 ccc ctc ttc agt ttt gtc ttg ggc gtc ttt gcc agc gga tca cct ctc 1185 Pro Leu Phe Ser Phe Val Leu Gly Val Phe Ala Ser Gly Ser Pro Leu 325 330 335 ctg atc ctg act ttc ttg ggg ttt gtg gga gca gct tcc ttt gga gtt 1233 Leu Ile Leu Thr Phe Leu Gly Phe Val Gly Ala Ala Ser Phe Gly Val 340 345 350 cgc aga ctg ata gga gta act gag ata gaa aaa ggc tcc agc tac gga 1281 Arg Arg Leu Ile Gly Val Thr Glu Ile Glu Lys Gly Ser Ser Tyr Gly 355 360 365 aac caa gag ttt aag aaa aag gaa taattaatgg ctgtgactga acacacgc 1333 Asn Gln Glu Phe Lys Lys Lys Glu 370 375 <210> 2 <211> 376 <212> PRT <213> Homo Sapiens <220> <221> TRANSMEM <222> (12)...(28) <220> <221> TRANSMEM <222> (315)...(331) <220> <221> TRANSMEM <222> (336)...(352) <220> <221> SIGNAL <222> (373)...(376) <400> 2 Met Gly Leu Leu Ala Phe Leu Lys Thr Gln Phe Val Leu His Leu Leu 1 5 10 15 Val Gly Phe Val Phe Val Val Ser Gly Leu Val Ile Asn Phe Val Gln 20 25 30 Leu Cys Thr Leu Ala Leu Trp Pro Val Ser Lys Gln Leu Tyr Arg Arg 35 40 45 Leu Asn Cys Arg Leu Ala Tyr Ser Leu Trp Ser Gln Leu Val Met Leu 50 55 60 Leu Glu Trp Trp Ser Cys Thr Glu Cys
Thr Leu Phe Thr Asp Gln Ala 65 70 75 80 Thr Val Glu Arg Phe Gly Lys Glu His Ala Val Ile Ile Leu Asn His 85 90 95 Asn Phe Glu Ile Asp Phe Leu Cys Gly Trp Thr Met Cys Glu Arg Phe 100 105 110 Gly Val Leu Gly Ser Ser Lys Val Leu Ala Lys Lys Glu Leu Leu Tyr 115 120 125 Val Pro Leu Ile Gly Trp Thr Trp Tyr Phe Leu Glu Ile Val Phe Cys 130 135 140 Lys Arg Lys Trp Glu Glu Asp Arg Asp Thr Val Val Glu Gly Leu Arg 145 150 155 160 Arg Leu Ser Asp Tyr Pro Glu Tyr Met Trp Phe Leu Leu Tyr Cys Glu 165 170 175 Gly Thr Arg Phe Thr Glu Thr Lys His Arg Val Ser Met Glu Val Ala 180 185 190 Ala Ala Lys Gly Leu Pro Val Leu Lys Tyr His Leu Leu Pro Arg Thr 195 200 205 Lys Gly Phe Thr Thr Ala Val Lys Cys Leu Arg Gly Thr Val Ala Ala 210 215 220 Val Tyr Asp Val Thr Leu Asn Phe Arg Gly Asn Lys Asn Pro Ser Leu 225 230 235 240 Leu Gly Ile Leu Tyr Gly Lys Lys Tyr Glu Ala Asp Met Cys Val Arg 245 250 255 Arg Phe Pro Leu Glu Asp Ile Pro Leu Asp Glu Lys Glu Ala Ala Gln 260 265 270 Trp Leu His Lys Leu Tyr Gln Glu Lys Asp Ala Leu Gln Glu Ile Tyr 275 280 285 Asn Gln Lys Gly Met Phe Pro Gly Glu Gln Phe Lys Pro Ala Arg Arg 290 295 300 Pro Trp Thr Leu Leu Asn Phe Leu Ser Trp Ala Thr Ile Leu Leu Ser 305 310 315 320 Pro Leu Phe Ser Phe Val Leu Gly Val Phe Ala Ser Gly Ser Pro Leu 325 330 335 Leu Ile Leu Thr Phe Leu Gly Phe Val Gly Ala Ala Ser Phe Gly Val 340 345 350 Arg Arg Leu Ile Gly Val Thr Glu Ile Glu Lys Gly Ser Ser Tyr Gly 355 360 365 Asn Gln Glu Phe Lys Lys Lys Glu 370 375 <210> 3 <211> 20 <212> DNA <213> Artificial Sequence <400> 3 ttgtccagcc ggaagccctg 20 <210> 4 <211> 23 <212> DNA <213> Artificial Sequence <400> 4 agcactccga agcgctcaca cat 23 <210> 5 <211> 19 <212> DNA <213> Artificial Sequence <400> 5 gacggctgtc ctcagcgag 19 <210> 6 <211> 19 <212> DNA <213> Artificial Sequence <400> 6 gcgtgttcag tcacagcca 19 <210> 7 <211> 27 <212> DNA <213> Artificial Sequence <400> 7 ccatcctaat acgactcact atagggc 27 <210> 8 <211> 21 <212> DNA <213> Artificial Sequence <400> 8 caaggcacaa ggtcagcaga g 21 <210> 9 <211> 19 <212> DNA <213> Artificial Sequence <400> 9 gacggctgtc ctcagcgag 19 <210> 10 <211> 29 <212> DNA <213> Artificial Sequence <400> 10 ggaattcatt attccttttt cttaaactc 29
【図面の簡単な説明】
【図1】LPAAT3と植物のLPAATのアミノ酸配列の比較
【図2】LPAAT3の遺伝子構造
【図3】各種ヒト組織におけるLPAAT3遺伝子発現のノー
ザンブロット解析
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) A61P 29/00 A61K 31/00 629 4C084 35/00 635 4C087 43/00 643B 4H045 A61K 35/76 35/76 38/00 45/00 45/00 48/00 48/00 C07K 14/47 C07K 14/47 16/44 16/44 C12N 1/21 C12N 1/21 9/10 9/10 C12P 21/02 C C12P 21/02 C12Q 1/68 A C12Q 1/68 G01N 33/53 D G01N 33/53 C12P 21/08 // C12P 21/08 A61K 37/02 (C12N 15/09 ZNA C12R 1:91) (C12N 1/21 C12R 1:19) (C12P 21/02 C12R 1:19) Fターム(参考) 4B024 AA01 AA11 BA10 BA53 BA61 BA80 CA02 CA04 CA11 DA06 EA04 GA11 HA17 4B050 CC01 CC03 DD07 LL01 4B063 QA01 QA05 QA13 QA17 QA19 QQ03 QQ26 QQ42 QQ44 QQ52 QQ79 QR02 QR48 QR51 QR56 QR62 QR74 QR77 QS16 QS25 QS33 QS34 QS36 QX07 4B064 AG01 CA02 CA19 CC24 DA01 DA13 4B065 AA19X AA26X AA44X AA46X AA50X AA53X AA90X AA91X AA93X AA93Y CA24 CA25 CA27 CA44 CA46 4C084 AA02 AA06 AA07 AA13 AA17 BA01 BA22 BA44 DA39 DC25 ZB112 ZC332 4C087 AA01 AA02 AA03 BC11 BC30 BC82 CA44 ZB11 ZC33 4H045 AA10 AA20 AA30 BA10 CA40 DA75 DA89 EA20 EA24 EA50 FA72 FA74 HA06

Claims (21)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(a)配列番号2のアミノ酸からなるポリ
    ペプチドをコードするポリヌクレオチドに対して少なく
    とも70%の同一性を有するポリヌクレオチド (b)配列番号2と同じアミノ酸をコードする遺伝コー
    ドの重複性によるポリヌクレオチド (c)(a)または(b)のポリヌクレオチドと相補性
    のポリヌクレオチド (d)(a)、(b)または(c)のポリヌクレオチド
    の少なくとも15個の連続した塩基からなるポリヌクレ
    オチド からなる群より選択されポリヌクレオチドからなる単離
    されたポリヌクレオチド。
  2. 【請求項2】ポリヌクレオチドがDNAである請求項1記
    載のポリヌクレオチド。
  3. 【請求項3】ポリヌクレオチドがRNAである請求項1記
    載のポリヌクレオチド。
  4. 【請求項4】配列番号1に示す塩基からなる請求項2記
    載のポリヌクレオチド。
  5. 【請求項5】配列番号1に示す第1番目〜第1333番目の
    塩基からなる請求項2記載のポリヌクレオチド。
  6. 【請求項6】配列番号2のアミノ酸からなるポリペプチ
    ドをコードする請求項2記載のポリヌクレオチド。
  7. 【請求項7】請求項2記載のDNAを含有するベクター。
  8. 【請求項8】請求項7のベクターを含む宿主細胞。
  9. 【請求項9】請求項8記載の宿主から前記DNAによりコ
    ードされるポリペプチドを発現させることからなるポリ
    ペプチドの産生法。
  10. 【請求項10】細胞から、請求項7に記載のベクターに
    含まれるヒトcDNAによってコードされるポリペプチドが
    発現されるように該細胞を該ベクターで形質転換または
    トランスフェクションすることからなるポリペプチドを
    発現する細胞の産生法。
  11. 【請求項11】配列番号2のアミノ酸配列と少なくとも
    70%の同一性を有するアミノ酸配列からなるポリペプチ
    ド。
  12. 【請求項12】配列番号2に示すアミノ酸配列からなる
    ポリペプチド。
  13. 【請求項13】請求項11記載のポリペプチドに対する
    アゴニスト。
  14. 【請求項14】請求項11記載のポリペプチドに対する
    抗体。
  15. 【請求項15】請求項11記載のポリペプチドに対する
    アンタゴニスト。
  16. 【請求項16】治療上有効量の請求項11記載のポリペ
    プチドを患者に投与することからなるLPAAT3の必要性を
    有する患者の治療法。
  17. 【請求項17】該ポリペプチドをコードするDNAを患者
    に与え、該ポリペプチドをin vivoで発現させることに
    より該治療上有効量のポリペプチドを投与する請求項1
    6記載の方法。
  18. 【請求項18】治療上有効量の請求項15記載のアンタ
    ゴニストを患者に投与することからなるLPAAT3ポリペプ
    チド阻害の必要性を有する患者の治療法。
  19. 【請求項19】請求項11記載のポリペプチドをコード
    する塩基配列における突然変異を測定することからなる
    該ポリペプチドの発現に関係する疾患または疾患の疑い
    を診断する方法。
  20. 【請求項20】宿主から由来する試料中の請求項11記
    載のポリペプチドの存在を分析することからなる診断方
    法。
  21. 【請求項21】請求項11記載のポリペプチドに結合
    し、それを活性化または阻害する化合物の同定法であっ
    て、化合物の結合に応じて検出可能なシグナルを提供で
    きる第二の成分を伴う該ポリペプチドを表面に発現して
    いる細胞を、スクリーニングすべき化合物と接触させて
    ポリペプチドと結合させ、該化合物とポリペプチドとの
    相互反応から生じるシグナルの存在または不存在を検出
    して、化合物がポリペプチドと結合し、活性するか、阻
    害するかを測定することからなる方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2015518704A (ja) * 2012-04-02 2015-07-06 モデルナ セラピューティクス インコーポレイテッドModerna Therapeutics,Inc. 膜タンパク質の産生のための修飾ポリヌクレオチド

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JP2015518704A (ja) * 2012-04-02 2015-07-06 モデルナ セラピューティクス インコーポレイテッドModerna Therapeutics,Inc. 膜タンパク質の産生のための修飾ポリヌクレオチド

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