JP2000175319A - 電力系統監視装置 - Google Patents

電力系統監視装置

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JP2000175319A
JP2000175319A JP10343860A JP34386098A JP2000175319A JP 2000175319 A JP2000175319 A JP 2000175319A JP 10343860 A JP10343860 A JP 10343860A JP 34386098 A JP34386098 A JP 34386098A JP 2000175319 A JP2000175319 A JP 2000175319A
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telemeter
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Koji Shioda
耕治 汐田
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Toshiba Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 電力系統のテレメータに異常があった場合に
も電力系統の状態推定を精度良く行なうことのできる電
力系統監視装置を提供する。 【解決手段】 情報収集装置31、32を介して伝送さ
れるテレメータデータを受信し、このデータを用いて電
力系統の状態推定計算を行なう電力系統監視装置33に
対して、受信データから電力系統データを作成する電力
系統データ作成手段1と、テレメータの異常を検出する
手段10と、テレメータ異常となった系統をもとに系統
縮退範囲を決定する系統縮退範囲決定手段14と、系統
縮退範囲と電力系統データをもとに系統縮退後の電力系
統データを作成する系統縮退手段16と、系統縮退後の
電力系統データを用いて状態推定計算を行なう縮退後状
態推定計算手段7とを設けた。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は電力系統の状態推定
を行なう電力系統監視装置に係り、特に電力系統の異常
テレメータに対する処理に関する。
【0002】
【従来の技術】電力系統監視装置について図15を参照
して説明する。ここで、遠隔地に置かれた情報収集装置
子局(以下、子局という)31は、送電線や変電所母線
の電圧値、電力量等のアナログデータであるテレメータ
を入力し、これを他の状態情報と共に伝送路34を介し
て情報収集装置親局(以下、親局という)32へ送る。
他の状態情報とは、例えば、開閉器の状態や子局の異
常、例えばアナログ/デジタル(以下、A/Dという)
変換部の異常等のエラーステータスがある。電力系統監
視装置33は、親局32を介して子局31から送られて
来るこれらのオンラインデータを受信し、この受信デー
タをもとに系統の状態推定計算を行っている。
【0003】次に、電力系統監視装置33において、デ
ータの受信から状態推定結果を得るまでの従来の手段を
図16を参照して説明する。ここで、12は受信手段、
6は受信データ、1は電力系統データ作成手段、2は電
力系統データ、10はテレメータ異常検出手段、3はテ
レメータ異常データ、4は状態推定計算手段、5は状態
推定結果である。
【0004】まず、受信手段12は親局32からオンラ
インデータを受け取り受信データ6のファイルを作成す
る。次に電力系統データ作成手段1は、受信データ6か
ら状態推定計算に必要なテレメータを抽出し、電力系統
データ2を作成する。テレメータ異常検出手段10は、
受信データ6中の異常フラグの有無を調べ、異常フラグ
を検出すると当該テレメータを異常とし、テレメータ異
常データ3を作成する。ここで、異常フラグとは、子局
31が自己診断機能により、例えばA/D変換部の異常
等を発見し、計算機33へ送るテレメータの値が保証で
きないとき、伝送データ中に設定するフラグである。こ
の異常フラグのことを通常「 F1フラグ」 と呼んでい
る。
【0005】状態推定計算処理4は作成された電力系統
データ2からテレメータ異常データ3を除外して状態推
定計算を実施し、状態推定結果5を作成する。状態推定
計算は、電力系統のリアルタイムデータ(謎圧、位相
角、有効・無効電力注入量、有効・無効電力潮流量等)
の最も確からしい値を、オンライン測定値を入力して重
み付き最小二乗法により決定するものである。状態推定
計算の方法については、G.W.Stagg 、A.H.El-Abiad「Co
mputer Methods in Power Systems Analysis」(Mcgraw
-Hill Book Company、New York)等にて説明されてい
る。この状態推定結果5をもとに過渡安定度計算や電圧
安定度計算などにより系統解析を行う。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】上記の電力系統監視装
置は、テレメータ異常を検出する際には遠隔地の子局に
て設定された異常フラグを参照してテレメータ異常とし
ている。テレメータ異常がある場合、状態推定計算では
この異常テレメータを除外して計算する。しかし、異常
テレメータを除外して計算すると、テレメータ異常とな
った系統やたの下位系統の状態推定結果が算出されない
か、または、算出できたとしても状態推定結果の精度が
低下し信頼性が悪くなる。本発明の目的は、テレメータ
異常があった場合にも状態推定結果を精度良く求めるこ
とのできる電力系統監視装置を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、[請求項1]の発明に係る電力系統監視装置は、情
報収集装置を介して伝送される電力系統のテレメータを
含むデータを受信し、当該受信データをもとに電力系統
の状態推定計算を行なう電力系統監視装置において、該
受信データから電力系統データを作成する電力系統デー
タ作成手段と、テレメータの異常を検出する手段と、テ
レメータ異常となった系統をもとに系統縮退範囲を決定
する系統縮退範囲決定手段と、前記系統縮退範囲と前記
電力系統データをもとに系統縮退後の電力系統データを
作成する系統縮退手段と、前記系統縮退後の電力系統デ
ータを用いて状態推定計算を行なう縮退後状態推定計算
手段と、を備えた。
【0008】[請求項1]の発明では、状態推定計算に
おいて異常となったテレメータを除外して計算するので
はなく、縮退後の系統を一つの負荷とみなし、その負荷
に流れる有効潮流値を用いて計算するため状態推定計算
結果の精度を向上させることができる。
【0009】ここで、系統縮退について図14を参照し
て説明する。図14において系統縮退処理前の破線部は
ブランチA を含め3つのブランチと3つのノードとL1、
L2という負荷で構成されている。なお、電力系統におい
て、ブランチとは送電線を、ノードとは変電所の母線を
意味する。
【0010】ここでブランチA に着目し、ブランチA に
流れる有効潮流値PaをL3という負荷の有効電力として置
き換え、図14の系統縮退後系統のように1つの負荷に
することにより、系統を簡略にすることを系統縮退とい
う。
【0011】[請求項2]の発明に係る電力系統監視装
置は、情報収集装置を介して伝送される電力系統のテレ
メータを含むデータを受信し、当該受唇データをもとに
電力系統の状態推定計算を行なう電力系統監視装置にお
いて、該受信データから電力系統データを作成する電力
系統データ作成手段と、前記電力系統データの作成毎
に、電力系統実績データとして順次保存する電力系統デ
ータ保存手段と、テレメータの異常を検出する手段と、
前記電力系統データのうち異常となったテレメータを、
前記電力系統実績データの中で当該異常となったテレメ
ータに対応する過去の正常なテレメータに置き換えて補
完後電力系統データを作成するテレメータ補完手段と、
前記補完後電力系統データを用いて状態推定計算を行な
う補完後状態推定計算手段と、を備えた。
【0012】[請求項2]の発明では、異常と検出され
たテレメータを過去に保存された正常なテレメータによ
り補完して状態推定計算を行うため、状態推定計算にお
ける収束難を防止することができる。
【0013】[請求項3]の発明に係る電力系統監視装
置は、[請求項1]または[請求項2]記載の謎力系統
監視装置において、前記テレメータの異常を検出する手
段は、電力系統データを用いて状態推定計算を行ない、
この状態推定計算の結果と電倫系統データの値との差が
しきい値を超えた場合にテレメータ異常とすることを特
徴とするものである。
【0014】[請求項3]の発明では、受信データをも
とに得られた状態推定計算結果とテレメータ値の差が予
め設定されたしきい値を超えた場合に当該テレメータを
異常テレメータとして検出する。
【0015】[請求項4]の発明に係る電力系統監視装
置は、[請求項1]または[請求項2]記載の電力系統
監視装置において、前記テレメータの異常を検出する手
段は、前記電力系統データが予め設定した上下限値の範
囲外の場合にテレメータ異常とすることを特徴とするも
のである。
【0016】[請求項4]の発明では、受信データをも
とに作成された電力系統データよりテレメータ値が予め
設定された上下限の範囲外となった場合に当該テレメー
タを異常テレメータとして検出する。
【0017】[請求項5]の発明に係る電力系統監視装
置は、[請求項1]記載の電力系統監視装置において、
前記テレメータの異常を検出する手段は、電力系統デー
タよりノード毎に潮流テレメータ値の合計値を計算し、
当該合計値が事前に設定されたしきい値を超えた場合に
テレメータ異常とすることを特徴とするものである。
【0018】[請求項5]の発明では、受信データをも
とに作成された電力系統データよりノードに注入される
潮流テレメータ値と送出される潮流テレメータ値を算出
し、差分が事前に設定されたしきい値を超えた場合に当
該ノードに関する潮流テレメータに異常があったとして
系統縮退範囲を決定する。
【0019】[請求項6]の発明に係る電力系統監視装
置は、[請求項1]記載の電力系統監視装置において、
前記テレメータの異常を検出する手段は、前記電力系統
データのうち片端または両端が開放となっているブラン
チの潮流テレメータがしきい値を超えている場合にテレ
メータ異常とすることを特徴とするものである。
【0020】[請求項6]の発明では、受信データをも
とに作成された電力系統データより片端がノードに未接
続となっているブランチまたは両端がノードに未接続と
なっているブランチの潮流テレメータ値が予め設定され
たしきい値を超えた場合に当該テレメータを異常テレメ
ータとして検出し、系統縮退範囲を決定する。
【0021】[請求項7]の発明に係る記録媒体は、情
報収集装置を介して伝送される電力系統のテレメータを
含むデータを受信する機能と、該受信データから電力系
統データを作成する電力系統データ作成手段を実行する
機能と、テレメータの異常を検出する手段を実行する機
能と、テレメータ異常となった系統をもとに系統縮退範
囲を決定する系統縮退範囲決定手段を実行する機能と、
前記系統縮退範囲と前記電力系統データをもとに系統縮
退後の電力系統データを作成する系統縮退手段を実行す
ると、前記系統縮退後の電力系統データを用いて状態推
定計算を行なう縮退後状態推定計算手段を実行する機能
と、をコンピュータに実現させるためのプログラムを記
録した。
【0022】[請求項8]の発明に係る記録媒体は、情
報収集装置を介して伝送される電力系統のテレメータを
含むデータを受信する機能と、該受信データから電力系
統データを作成する電力系統データ作成手段を実行する
機能と、前記電力系統データの作成毎に、電力系統実績
データとして順次保存する電力系統データ保存手段を実
行する機能と、テレメータの異常を検出する手段を実行
する機能と、前記電力系統データのうち異常となったテ
レメータを、前記電力系統実績データの中で当該異常と
なったテレメータに対応する過去の正常なテレメータに
置き換えて補完後電力系統データを作成するテレメータ
補完手段を実行する機能と、前記補完後電力系統データ
を用いて状態推定計算を行なう補完後状態推定計算手段
を実行する機能と、をコンピュータに実現させるための
プログラムを記録した。
【0023】
【発明の実施の形態】(第1の実施の形態)以下、本発
明の第1の実施の形態を図1を参照して説明する。図1
において、受信手段12は、親局32からオンラインデ
ータを受け取り受信データ6のファイルを作成する。電
力系統データ作成手段1は、その受信データ6より各ノ
ード、ブランチごとの電圧値や有効電力量、無効電力量
の抽出を行ない電力系統データ2を作成する。次にテレ
メータ異常検出手段10により受信データ6の中で異常
フラグが設定されているテレメータのみを抽出し、テレ
メータ異常データ3を作成する。続いて系統縮退範囲決
定手段14により、テレメータ異常データ3からテレメ
ータ異常である系統及びその下位系統を異常系統とし、
系統縮退範囲を決定し系統縮退範囲データ15を作成す
る。異常系統を系統縮退し状態推定計算対象外とするた
めである。この系統縮退範囲データ15をもとに系統縮
退手段16は、系統縮退範囲を系統縮退し系統縮退後電
力系統データ17を作成する。縮退後状態推定計算手段
7は、この系統縮退後電力系統データ17を用いて状態
推定計算を行う。
【0024】次に、系統縮退範囲決定手段14と系統縮
退手段16の動作について詳述する。最初に、ブランチ
のテレメータに異常があった場合の系統縮退範囲決定手
段14の動作を図2を参照して説明する。まずテレメー
タが異常となっているブランチがループ系統に属してい
ないことを判定し、ループ系統に属している場合には以
降の処理をスキップする(S308)。ここで、ループ
系統とは、図3の如く下流のノードが他の系統のノード
と接続し、全体としてループをなす系統をいう。
【0025】一方、当該ブランチがループ系統に属して
いない場合には、事前に設定された当該ブランチの設備
データベースより下流側ノードを取り出す(S30
9)。図4に設備データベースの例を示す。この設備デ
ータベースでは、1つのブランチに対し1つの下流側ノ
ードが対応しており、ブランチ番号から下流側ノード番
号を取り出すことができる。そして、当該ブランチとそ
のブランチの両端に接続されるノードとそのブランチの
下流側ノードに接続されている設備を全て系統縮退範囲
とする(S310)。ステップS308からステップS
310までをテレメータ異常であるブランチ分繰り返し
処理を行う(S307)。
【0026】次に、系統縮退手段16の動作を図5を参
照して説明する。ここで系統縮退範囲決定手段14にて
テレメータ異常のブランチに対して破線部が系統縮退範
囲と決定されたとする。まず当該範囲を系統から削除す
る。次に当該範囲が接続されていたノードに負荷L4を接
続し、当該範囲とノードを接続していたブランチAの有
効潮流Paを負荷L4の有効電力として設定し、系統縮退後
系統とする。この系統縮退後系統を系統縮退後系統デー
タとする。これにより系統縮退範囲内の異常系統を状態
推定計算対象外にできる。
【0027】従来は、テレメータに異常が検出された場
合には、状態推定計算にて当該テレメータを異常値とし
て扱い計算を行っていた。このために状態推定計算が難
収束になったり計算精度が低下し、状態推定計算結果を
使用する過渡安定度計算、電圧安定度計算など各種計算
処理に悪影響を与えていた。本実施の形態によれば、テ
レメータ異常と検出された箇所を系統縮退することによ
り異常系統を状態推定計算対象外とし状態推定を行うこ
とにより状態推定計算の収束性および推定結果の信頼性
の向上が可能となる。また、これにより状態推定計算以
降の系統解析計算処理の計算精度向上にも有効となる。
【0028】(第2の実施の形態)本発明の第2の実施
の形態を図6を参照して説明する。ここで、受信手段1
2、電力系統データ作成手段1、及び、テレメータ異常
検出手段10の動作は、本発明の第1の実施の形態と同
様である。電力系統データ保存手段26は、電力系統デ
ータ2の作成毎に電力系統実績データ11として保存す
る。テレメータ補完手段18は、テレメータ異常データ
3を参照し、電力系統データ2のうち、テレメータ異常
となったデータを電力系統実績データ11の中からその
異常テレメータに対応する過去の正常なテレメータに置
き換えて、補完後電力系統データ19を作成する。そし
て、このデータを用いて補完後状態推定計算手段8によ
り、状態推定計算を実行する。
【0029】ここで、復数世代の電力系統データにより
構成されている電力系統実績データ11から異常テレメ
ータと置換すべき正常なテレメータの抽出方法について
一例を示す。電力系統データ2のうち、テレメータ異常
となった系統の下位系統のテレメータと、電力系統実績
データ11のうち、これに対応する系統のテレメータを
各世代ごとに比較し、テレメータ値の差分の合計が最小
になる世代を選択する。
【0030】次に、その世代の中で異常テレメータに対
応するテレメータを抽出し、電力系統データ2の異常テ
レメータをその抽出したテレメータで置き換えて補完後
電力系統データ19を作成する。
【0031】本発明の実施の形態によれば、異常テレメ
ータを過去の実績データにより補完して状態推定を行う
ため状態推定計算の収束性および推定結果の信頼性の向
上を図ることができる。また、これにより状態推定計算
以降の系統解析計算処理の精度向上にも有効となる。
【0032】(第3の実施の形態)次に本発明の第3の
実施の形態を図7を参照して説明する。本実施の形態
は、基本的には第1の実施の形態と同様であるが、第1
の実施の形態との違いは、状態推定計算手段4と計算誤
差検出手段20によりテレメータの異常を検出するよう
にしたことである。
【0033】ここで、状態推定計算手段4は、電力系統
データ2に対して状態推定計算を行い状態推定計算結果
5を出力する。計算誤差検出手段20は、電力系統デー
タ2と状態推定計算結果5を比較し、テレメータ異常を
検出する。
【0034】次に、ブランチ潮流値の有効電力分につい
ての異常検出を例にあげて、計算誤差検出手段20の動
作について図8を参照して説明する。ここではブランチ
潮流値の有効電力分についての異常検出を例とした。ま
ず、状態推定計算結果から当該ブランチの潮流値の有効
電力分を取り出す(S302)。次に電力系統データか
ら当該ブランチの潮流値の有効電力分を取り出す(S3
03)。そして、取り出した2つの数値の差分を算出
し、設備データベースあるいはマンマシンインターフェ
ースからの入力等により事前に設定されたしきい値と比
較する(S304)。次に差分がしきい値を超えている
場合に当該テレメータを異常とする(S305)。これ
らの処理を設備データベースに定義されているブランチ
分繰り返す(S301)。全てのブランチについて比較
した段階で異常と検出されたテレメータを出力する(S
306)。
【0035】本実施の形態によれば、遠隔地に置かれた
子局の自己診断機能の異常や伝送不良等によりオンライ
ンデータ中に本来設定されるべき異常フラグが設定され
ていない場合でも、計算機側でテレメータの異常を検出
でき、以降の系統縮退処理により異常箇所を計算対象外
とできるため、第1の実施の形態に比べ、より信頼性の
高い状態推定結果を得ることができる。
【0036】(第4の実施の形態)本発明の第4の実施
の形態を図9に示す。本実施の形態は、基本的には第2
の実施の形態と同様であるが、第2の実施の形態との違
いは、状態推定計算手段4と計算誤差検出手段20によ
りテレメータの異常を検出するようにしたことである。
状態推定計算手段4と計算誤差検出手段20の動珠は、
第3の実施の形態と同様である。
【0037】本実施の形態によれば、遠隔地に置かれた
子局の自己診断機能の異常や伝送不良等によりオンライ
ンデータ中に本来設定されるべき異常フラグが設定され
ていない場合でも、計算機側でテレメータの異常を検出
でき、以降のテレメータ補完手段に繋げることができる
ため、第2の実施の形態に比べ、より信頼性の高い状態
推定結果を得ることができる。
【0038】(第5の実施の形態)本発明の第5の実施
の形態を図10を参照して説明する。本実施の形態は、
基本的には第1の実施の形態と同様であるが、第1の実
施の形態との違いは、上下限範囲外検出手段24により
テレメータの異常を検出するようにしたことである。
【0039】ここで、上下限範囲外検出手段24は、電
力系統データ2が予め設定した上下限値の範囲外となっ
た場合にそのテレメータを異常と判定する。例えば、A
/D変換値をフルスケールで20H〜FD0Hの間にな
るように調整しておき、テレメータ値がこの範囲外とな
ったときに異常とする。これにより、第1の実施の形態
に比べ、より信頼性の高い状態推定結果を得ることがで
きる。
【0040】(第6の実施の形態)本発明の第6の実施
の形態を図11に示す。本実施の形態は、基本的には第
2の実施の形態と同様であるが、第2の実施の形態との
違いは、上下限範囲外検出手段24によりテレメータの
異常を検出するようにしたことである。上下限範囲外検
出手段24の動作は、第5の実施の形態と同様である。
【0041】本実施の形態によれば、第2の実施の形態
に比べ、より信頼性の高い状態推定結果を得ることがで
きる。 (第7の実施の形態)本発明の第7の実施の形態を図1
2を参照して説明する。本実施の形態は、基本的には第
1の実施の形態と同様であるが、第1の実施の形態との
違いは、ノード異常検出手段21によりテレメータの異
常を検出するようにしたことである。
【0042】ここで、ノード異常検出手段21は、電力
系統データ2から各ノードの注入、送出される潮流テレ
メータ値をチェックすることによりノードに対して出入
りの潮流テレメータ値の矛盾を判定し当該ノードに係る
潮流テレメータの異常を検出するものである。
【0043】以下にノード異常検出手段21におけるチ
ェック例を示す。ノードに注入される潮流値の合計値を
Pin 、ノードから送出される潮流値の合計値をPoutとす
ると、ノード正常時は、キルヒホッフの法則より、Pin
−Pout = 0が成立する。実際はテレメータの誤差、
伝送遅れなどの理由により、Pin −Pout は、完全に0
にはならない。したがって、しきい値Psを設け、Pin −
Pout < Ps を満足するノードを正常、満足しないノー
ドを異常として検出する。
【0044】これにより、第1の実施の形態に比べ、よ
り信頼性の高い状態推定結果を得ることができる。 (第8の実施の形態)本発明の第8の実施の形態を図1
3を参照して説明する。本実施の形態は、基本的には第
1の実施の形態と同様であるが、第1の実施の形態との
違いは、ブランチ潮流異常検出手段23によりテレメー
タの異常を検出するようにしたことである。ここで、ブ
ランチ潮流異常検出手段23はまず電力系統データ2か
ら片端未接続ブランチ、両端未接続ブランチを抽出す
る。当該ブランチの潮流テレメータ値は本来は0である
ため、予め0に近い値をしきい値として設定しておく。
そして、テレメータ値がこのしきい値を超えた場合にそ
のテレメータを異常として検出する。
【0045】これにより、第1の実施の形態に比べ、よ
り信頼性の高い状態推定結果を得ることができる。上記
の各説明において記載した各手段は、コンピュータに実
行させることのできるプログラムとして、例えば磁気デ
ィスク、光ディスク、半導体メモリなどの記録媒体に書
き込んで、各種装置に適用したり、通信媒体により、伝
送して各種装置に適用することも可能である。中央処理
を実現するコンピュータは、記録媒体に記録されたプロ
グラムを読み、このプログラムによって動作が制御され
ることにより、上述した処理を実行する。
【0046】
【発明の効果】以上説明したように、請求項1乃至8記
載の発明では、異常テレメータがあった場合に系統縮退
またはテレメータの補完を行うので、状態推定結果の精
度及び信頼性が向上する。その中で、特に請求項3乃至
6の発明では、計算機側にてテレメータの異常を検出す
るため、遠隔地の子局の自己診断機能の異常や伝送不良
等によりオンラインデータ中に本来設定されるべき異常
フラグが設定されていない場合でも、信頼性の高い状態
推定結果を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係る電力系統監視
装置の機能ブロック図
【図2】系統縮退範囲決定手段14のフローチャート
【図3】ループ系統の説明図
【図4】下流側ノードの設備データベース構成例を示す
【図5】系統縮退手段16の説明図
【図6】本発明の第2の実施の形態に係る電力系統監視
装置の機能ブロック図
【図7】本発明の第3の実施の形態に係る電力系統監視
装置の機能ブロック図
【図8】図7の計算誤差検出手段20の処理のフローチ
ャート
【図9】本発明の第4の実施の形態に係る電力系統監視
装置の機能ブロック図
【図10】本発明の第5の実施の形態に係る電力系統監
視装置の機能ブロック図
【図11】本発明の第6の実施の形態に係る電力系統監
視装置の機能ブロック図
【図12】本発明の第7の実施の形態に係る電力系統監
視装置の機能ブロック図
【図13】本発明の第8の実施の形態に係る電力系統監
視装置の機能ブロック図
【図14】系統縮退の説明図
【図15】電力系統監視装置に係るシステムの説明図
【図16】従来技術に係る電力系統監視装置の機能ブロ
ック図
【符号の説明】
1 電力系統データ作成手段 2 電力系統データ 3 テレメータ異常データ 4 状態推定計算手段 5 状態推定計算結果 6 受信データ 7 縮退後状態推定計算手段 8 補完後状態推定計算手段 9 しきい値データ 10 テレメータ異常検出手段 11 電力系統実績データ 12 受信手段 14 系統縮退範囲決定手段 15 系統縮退範囲データ 16 系統縮退手段 17 系統縮退後電力系統データ 18 テレメータ補完手段 19 補完後電力系統データ 20 計算誤差検出手段 21 ノード異常検出手段 22 ノード異常データ 23 ブランチ潮流異常検出手段 24 上下限範囲外検出手段 25 テレメータ値上下限データ 26 電力系統データ保存手段 31 情報収集装置子局 32 情報収集装置親局 33 電力系統監視装置 34 伝送路 G1、G2、G3 発電機 L1、L2、L3、L4 負荷

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 情報収集装置を介して伝送される電力系
    統のテレメータを含むデータを受信し、当該受信データ
    をもとに電力系統の状態推定計算を行なう電力系統監視
    装置において、該受信データから電力系統データを作成
    する電力系統データ作成手段と、テレメータの異常を検
    出する手段と、テレメータ異常となった系統をもとに系
    統縮退範囲を決定する系統縮退範囲決定手段と、前記系
    統縮退範囲と前記電力系統データをもとに系統縮退後の
    電力系統データを作成する系統縮退手段と、前記系統縮
    退後の電力系統データを用いて状態推定計算を行なう縮
    退後状態推定計算手段と、を具備する電力系統監視装
    置。
  2. 【請求項2】 情報収集装置を介して伝送される電力系
    統のテレメータを含むデータを受信し、当該受信データ
    をもとに電力系統の状態推定計算を行なう電力系統監視
    装置において、該受信データから電力系統データを作成
    する電力系統データ作成手段と、前記電力系統データの
    作成毎に、電力系統実績データとして順次保存する電力
    系統データ保存手段と、テレメータの異常を検出する手
    段と、前記電力系統データのうち異常となったテレメー
    タを、前記電力系統実績データの中で当該異常となった
    テレメータに対応する過去の正常なテレメータに置き換
    えて補完後電力系統データを作成するテレメータ補完手
    段と、前記補完後電力系統データを用いて状態推定計算
    を行なう補完後状態推定計算手段と、を具備する電力系
    統監視装置。
  3. 【請求項3】 前記テレメータの異常を検出する手段
    は、前記電力系統データを用いて状態推定計算を行な
    い、この状態推定計算の結果と前記電力系統データの値
    との差がしきい値を超えた場合にテレメータ異常とする
    ことを特徴とする請求項1または請求項2記載の電力系
    統監視装置。
  4. 【請求項4】 前記テレメータの異常を検出する手段
    は、前記電力系統データが予め設定した上下限値の範囲
    外の場合にテレメータ異常とすることを特徴とする請求
    項1または請求項2記載の電力系統監視装置。
  5. 【請求項5】 前記テレメータの異常を検出する手段
    は、前記電力系統データよりノード毎に潮流テレメータ
    値の合計値を計算し、当該合計値が事前に設定されたし
    きい値を超えた場合にテレメータ異常とすることを特徴
    とする請求項1記載の電力系統監視装置。
  6. 【請求項6】 前記テレメータの異常を検出する手段
    は、前記電力系統データのうち片端または両端が開放と
    なっているブランチの潮流テレメータがしきい値を超え
    ている場合にテレメータ異常とすることを特徴とする請
    求項1記載の電力系統監視装置。
  7. 【請求項7】 情報収集装置を介して伝送される電力系
    統のテレメータを含むデータを受信する機能と、該受信
    データから電力系統データを作成する電力系統データ作
    成手段を実行する機能と、テレメータの異常を検出する
    手段を実行する機能と、テレメータ異常となった系統を
    もとに系統縮退範囲を決定する系統縮退範囲決定手段を
    実行する機能と、前記系統縮退範囲と前記電力系統デー
    タをもとに系統縮退後の電力系統データを作成する系統
    縮退手段を実行すると、前記系統縮退後の電力系統デー
    タを用いて状態推定計算を行なう縮退後状態推定計算手
    段を実行する機能と、をコンピュータに実現させるため
    のプログラムを記録したコンピュータ読取可能な記録媒
    体。
  8. 【請求項8】 情報収集装置を介して伝送される電力系
    統のテレメータを含むデータを受信する機能と、該受信
    データから電力系統データを作成する電力系統データ作
    成手段を実行する機能と、前記電力系統データの作成毎
    に、電力系統実績データとして順次保存する電力系統デ
    ータ保存手段を実行する機能と、テレメータの異常を検
    出する手段を実行する機能と、前記電力系統データのう
    ち異常となったテレメータを、前記電力系統実績データ
    の中で当該異常となったテレメータに対応する過去の正
    常なテレメータに置き換えて補完後電力系統データを作
    成するテレメータ補完手段を実行する機能と、前記補完
    後電力系統データを用いて状態推定計算を行なう補完後
    状態推定計算手段を実行する機能と、をコンピュータに
    実現させるためのプログラムを記録したコンピュータ読
    取可能な記録媒体。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2014014247A (ja) * 2012-07-05 2014-01-23 Fuji Electric Co Ltd 電力系統監視システム、その推定値の異常判定方法、そのプログラム
JP2019054715A (ja) * 2017-09-15 2019-04-04 東京電力ホールディングス株式会社 盗電監視システム、盗電監視装置、盗電監視方法及びプログラム
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