JP2000171479A - 車輛の姿勢を規制する軌条を有した輸送機構の高速化 - Google Patents

車輛の姿勢を規制する軌条を有した輸送機構の高速化

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JP2000171479A JP10376462A JP37646298A JP2000171479A JP 2000171479 A JP2000171479 A JP 2000171479A JP 10376462 A JP10376462 A JP 10376462A JP 37646298 A JP37646298 A JP 37646298A JP 2000171479 A JP2000171479 A JP 2000171479A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 「車輛の姿勢を規制する軌条を有した輸送機
構」においては、車輛を高加速度、高速運行させても、
安全且つ安定な輸送が可能であるので、実用線路におい
て前後左右の加速度を0.5g以上にすることにより運
行効率の大幅な改善を可能にする輸送機構を実現するこ
と。 【解決手段】 車輛の荷重を支える軌条を1本にし、こ
の軌条の上を走行する車輛が横倒れしないためのもう1
本の軌条を支柱で懸架して上記軌条の上方の対向位置に
設け、且つ車輛にもこれら上下2本の軌条に挟まれて走
行する車輪を設けた輸送機構を用いるものとし、これに
よって車輛は横揺れ、浮き上がり、脱線の危険がなくな
るので、この基本機構に幾つかの新な技術的方法、機構
を付加して車輛を高加速度、高速走行させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は軌条式の路線を使っ
た高速輸送機構に関わるものである。
【0002】この発明に関係の深い軌条式輸送機構の分
野は、具体的に言えば、JRの路線および車輛(在来
線、ローカル線、新幹線など)、各種鉄道会社が所有す
る商業目的の多くの路線、地下鉄、モノレール、また山
岳鉄道、工事用鉄道、あるいは遊園地における遊覧、観
覧車、曲線路高速走行遊覧車(ジェットコースター)等
々の、人および物資の輸送を行う機構等に関わるもので
ある。
【0003】
【従来の技術】従来の軌条式輸送機構の方式や構造にお
いては、部分的な改良や性能の改善が行われて来たが、
基本的な方式や構造に関わる改革はほとんどなかった。
即ちこれら従来技術は地面の上に平行した2本の軌条を
敷き、その上に2輪(両輪)の車輛を乗せて走らせるも
のである。
【0004】従来の輸送機構の構造においては長い年月
の間に改良に改良が重ねられ、技術的に可能な最高に近
い速度で運行されているので、これ以上の高速化を実現
させることは技術的に相当に困難である。この原因の一
つは2本軌条の上に2輪車輛が車輛重量の圧力で単に乗
っている構造にあるのであって、この構造は重力の力の
みで安定を保っている方式である。従ってこの構造を踏
襲する限り、高加速度、高遠心力の制御を必要とする車
輛の高速化には限界があって、実用的(日常的)路線に
おいては高速化を進めるにつれて横転や脱線事故の危険
性が増大する。
【0005】平行な2本の軌条の上に2輪を乗せた車輛
を滑らかに走らせるために、車輪と軌条の接触面の形状
は試行錯誤の末に現在の形状(コンタ)に到っている
が、この形状においては低速時には直進性が自動補正さ
れ、また曲線路においても内外輪差が自動補正される。
しかし走行速度が大きくなるとこの形状が蛇行や競り上
がりの原因になり、脱線の危険が増大する。また曲線路
においては遠心力と重力の合力が2本の軌条の中心に向
くように平行な2本の軌条に高低差(カント)を設けて
あるが、この高低差は通過する列車の平均速度に対して
の設定であるから、列車によってカントの過不足が起こ
る。カントの大きな場所で車輛が低速走行や停止すると
強風による転倒もあり得るので大きなカントを付けるこ
とを避けると、高速走行するときにカント不足となり、
遠心力によって車体が不安定になったり乗客が不快感を
覚えたりする。このために直線路においてもまた曲線路
においても高速走行が困難になる。
【0006】従来方式のこのような欠点を改善するため
に、軌条の敷設精度を高めたり、軌条と車輪の形状を変
えたり、あるいは車体を振り子式にして遠心力に応じて
車体を傾斜させたり、その他の色々な改善を試みたとし
ても、この欠陥は2本の軌条と2輪の組み合わせによる
構造上の原理的なものであるから、脱線の危険に対する
改善には自ずと限界がある。
【0007】上述の原理的な構造欠陥を解決する技術と
して既に特許出願されたもの(特願平10−31154
9)、即ち、「地上の枕木の上に1本の軌条を敷き、そ
の軌条の上のある高さの空間にもう1本の軌条を支柱に
よって懸架させ、床下に1列の車輪、屋根上に1列の車
輪を有した車輛をその上と下の軌条の間にはめ込んで走
行させる輸送方式」が提案されている。この提案による
方式は車輛が上下の2本の軌条で機械的に挟まれた状態
になっているので、車輛が高加速度、高速状態になった
としても、車輛が軌条からはずれる(即ち脱線する)危
険性は極めて小さい。
【0008】上述の提案(特願平10−311549)
の方式の大きな特徴は、脱線の危険が少ない上に、曲線
路の走行時において、上の軌条を下の軌条に対して曲線
路の内側に偏位して敷設することにより、車輛を曲線路
の内側に強制的に傾斜させることができるので、曲線路
を通過する車輛の速度を下げる必要はない。またこれに
追加して車輛の屋根上の車輪を上の軌条に対して左右に
移動させることによって車輛を任意の角度に制御するこ
とができるので、車輛を曲線路の内側へどのような角度
にでも傾けて走行させることができる。従って遠心力を
車輛の床下に垂直な方向に向けることができ、車輛は横
振れすることはなく、また乗客は横方向の力を感ずるこ
ともない。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】上述の提案(特願平1
0−311549)の輸送機構を商用ベースで運行させ
る場合、直線路では勿論、高速走行させ、曲線路で減速
させる必要がない場合でも、駅間距離が短い場合には定
速走行時間(高速で走行している時間)に対して加速、
減速するために消費される時間が無視できなくなり、運
行時間を短縮することが難しくなる。
【0010】実用路線での高速化を言う場合、列車を単
に速く走らせるだけではなく、駅間をいかに短時間で走
らせるかということを総合的に考えなければならない。
この観点から高速化に障害になる技術上の解決すべき問
題として、車輛の軽量化、動力の強力化によって走行
性、加速性を、また制動性の強化によって減速性を高め
ることが必要であり、同時に曲線路で高速運行すること
によって生ずる車輛の遠心力の影響を軽減することが必
要である。換言すれば、車輛の軽量化、動力の強力化は
走行速度を高めるために必要であり、また駅間距離が短
い場合には運行時間を短縮するには、加速性、減速性を
高めることにより発進と停止に要する時間を短縮する必
要がある。そして同時に直線路であろうと曲線路であろ
うと高速走行しても車輛の横揺れや浮き上がりあるいは
振動の発生を抑制して乗客に不快感を与えない技術が必
要である。
【0011】つまり曲線路を高速で通過できるという機
構の特徴を生かして、駅間の運行時間を短縮させること
が必要である。そのために上述の提案(特願平10−3
11549)の基本機構にいくつかの新たな技術的な手
段を加えることにより、次のような目的を実現させなけ
ればならない。
【0012】この発明の第一の目的は実用路線におい
て、車輛に加えることができる、また車輛が耐えること
ができる前後左右の方向の加速度を1g(gは重力加速
度であり、その値は9.8m/s/sである)以上にす
ることを可能にした輸送機構を実現させること、第二の
目的は常用運行時の加速度を0.5g以上とすること、
第三の目的は高速、高加速度走行において安全、安定且
つ快適走行できる輸送機構を提供することである。
【0013】
【課題を解決するための手段】上記課題を実現するため
に本発明は上述の提案(特願平10−311549)に
新たな方法、機構を付加して前述の課題を実現させるも
のである。
【0014】新たな方法、機構を付加すべきとする上述
の提案(特願平10−311549)を要約すると、”
車輛の進行方向を規定し、且つ車輛の重量を支える1本
の軌条(下の軌条)の他に、車輛の姿勢を規制するため
のもう1本の軌条(上の軌条)が下の軌条に対向する位
置に支柱によって懸架されており、下の軌条が車輛の床
下に取り付けられている重量を支える1列の車輪と、ま
た上の軌条が車輛の屋根上に取り付けられている1列の
車輪とに、はまり合っていることを特徴とする輸送機
構”である。この機構を以下に「車輛の姿勢を規制する
軌条を有した輸送機構」と称することにする。
【0015】本発明の第1の手段を次に述べる。「車輛
の姿勢を規制する軌条を有した輸送機構」において、軌
条の車輪に接する面の輪郭(断面形状)が車輪にわずか
な隙間をもって嵌合する凹または凸形の滑らかな曲線形
とし、かつ車輪の軌条に接する面の輪郭(断面形状)が
軌条にわずかな隙間をもって嵌合する凸または凹形の滑
らかな曲線形とし、この車輛が曲線路を通過中に遠心力
を受けたとき、車輪は軌条の基準位置から偏って走行す
る。この偏位する量を測長器で測定し、この値から車輛
にかかる遠心力を算出し、この値を用いて上の軌条に対
する屋根上の車輪の左右の位置を調整する、あるいは振
り子式車輛の振り角を調整するなど、遠心力に応じて車
輛の姿勢を制御する。
【0016】第2は「車輛の姿勢を規制する軌条を有し
た輸送機構」において、操舵翼を有している車輛であっ
て、車輛が高速で直線路から曲線路へ、また曲線路から
直線路へ走行する直前の位置で、曲線路の入口または出
口に設けられる緩和曲線路の部分を短くしたときでも、
車輛に急激に掛かる遠心力によって車輛が横振れしない
ように操舵翼を操作してその風圧により車輛に掛かる横
方向の衝撃力を緩和することができる車輛とする。操舵
翼は機械的な動作を行うものであるから、車輛が高速走
行しているとき、車輛が曲線路に進入して遠心力が発生
してから操舵翼を作動させるのでは時間的な遅れが出て
しまい、車輛を遠心力に応じた傾斜角度に設定できない
ことが起こる。このような場合は曲線路の手前の定位置
に曲線路があることを知らせる信号発信器を置き、車輛
が曲線路に進入する前に、曲線路の手前の適切な位置
で、また適切な制御量で操舵翼が作動するように、曲線
路データと走行データに基づいて計算して操舵翼を制御
する。
【0017】第3は「車輛の姿勢を規制する軌条を有し
た輸送機構」において、軌条の車輪に接する面の輪郭
(断面形状)は車輪にわずかな隙間をもって嵌合する凹
または凸形の変曲点が二カ所ある曲線形であり、または
車輪の軌条に接する面の輪郭(断面形状)が軌条にわず
かな隙間をもって嵌合する凸または凹形の変曲点が二カ
所ある曲線形であり、このような形状によって軌条と車
輪の接点を同時に2点存在させたことを特徴とする軌条
と車輪の組み合わせにする。この形状によって車輛の蛇
行を軽減させ走行安定性を改善をすることができる。
【0018】第4は「車輛の姿勢を規制する軌条を有し
た輸送機構」において、車輛の床下の台車と屋根上の台
車とを1体構造とし、1体化された台車を車輛の前後に
1台ずつ設け、この2台の台車の中心部に車体が貫通で
きる大きさの空洞を設け、さらにこの空洞の下側に車体
の重量を支えるスベリ機構を設け、この空洞に車体をめ
込んだ構造の車輛とする。この構造によって車体は台車
の中で回転することが可能となり、曲線路において車体
の角度を自由に設定することができる。角度の粗設定は
上の軌条の偏位量で強制的に行われ、微調整は前述の走
行中に測定する遠心力の信号によって車体を回転させる
ことによって行う。勿論他の遠心力検出器を用いてもよ
い。この角度制御も前述の操舵翼の制御の方法と同じく
時間遅れに対応することが必要である。尚、上の車輪を
左右に移動させることによる車輛の傾斜方法についても
同様に遠心力の信号による制御と時間遅れ対応が必要で
ある。
【0019】第5は「車輛の姿勢を規制する軌条を有し
た輸送機構」において、床下の台車と屋根上の台車の間
に加圧装置を挿入することによって、上下の車輪が上下
の軌条間に常に一定の圧力で接しているような力を加え
て、上下の軌条間隔のバラツキを吸収し、また車輪と軌
条間の圧力を車輛の重量に加算して加えることにより車
輪と軌条の粘着力を増強させることができる構造にした
車輛とする。この加圧装置は車軸や台車に取付られてい
るバネ以外の装置である。尚、加圧装置として油圧や空
圧のシリンダーのような可動ストロークの大きいものを
使用した場合は、シリンダー圧が減少した時に上下の車
輪が上下の軌条間から離れる危険性があるので、ストロ
ークの下限リミットを設けておくことが必要である。
【0020】第6は「車輛の姿勢を規制する軌条を有し
た輸送機構」において、主輪と主動力の他に、車輛の床
下の左右対称位置(車輛床下の両側)に昇降可能な補助
輪を設けて、この補助輪に電動機あるいは内燃式エンジ
ンなどの補助の動力を結合させ、また下の軌条の左右対
称位置(下の軌条の両側)に補助軌道を設けることによ
って、車輛が加速や減速するとき、あるいは急勾配の線
路の走行時に補助輪を補助軌道に降下させて車輛の加速
や減速を加勢する構成の車輛とする。補助輪は自動車用
あるいは航空機用のゴム製のタイヤなどを使用し、補助
軌道は自動車道と同様のコンクリートあるいはアスファ
ルトなどとして、金属製の車輪と軌条の組合せに比べて
粘着力の大幅な増大を計る。補助輪には主制動器とは別
系統のデイスクブレーキなどの制動器を装備する。また
補助動力としては短時間定格とし、短時間であるが高出
力が得られるものを用いることができる。
【0021】第7は「車輛の姿勢を規制する軌条を有し
た輸送機構」において、主動力の他に車輛の屋根上に噴
射式エンジンを取付け、高速噴射ガスの噴射力で車輛の
加速や減速あるいは高速走行を加勢する構成にした車輛
とする。噴射式エンジンと操舵翼を装備した車輛は航空
機並の速度で走行させることができる。動力を高出力化
しても車輛は上下の軌条に挟まれているので車輛に操舵
翼を付けた場合でも脱線の心配は無い。従って操舵翼に
よって浮力が発生することは問題はなく、むしろ浮力に
よって車輛重量が軽くなるので高速化にとっては都合の
良いことである。緊急停止する必要のある場合は噴射式
エンジンを逆噴射させる。
【0022】第8は「車輛の姿勢を規制する軌条を有し
た輸送機構」において、台車または車軸を支点とした制
動子2つを下の軌条のあご下(軌条の頭部と腹部との
間)の左右に当てて、あご下から頭部の方向に圧着し、
これら2つの制動子と1つの車輪との3方向から3点で
軌条を締め付けることにより、車輪をロックさせること
なく車輛を減速させる制動方式とする。この方法で制動
をかけると車輪と軌条間の圧力は車体重量より大きい荷
重にすることができるので、車輪と軌条間の粘着力を増
大させることができる。また前述の加圧装置や車輪の回
転力を制動する従来の制動器などをこの方法と併用する
ことにより制動効果をさらに高めることができる。
【0023】第9は「車輛の姿勢を規制する軌条を有し
た輸送機構」において、車内の腰掛けは加速時には乗客
が後ろに倒れる感じを覚えないように、また減速時には
乗客が前に倒れる感じを覚えないように、車輛の前後の
加速度によって生ずる力が常に腰掛けに垂直な方向に向
くように角度調整できる機構を有した腰掛けとする。こ
の制御は前後の方向の加速度と重力加速度の合力を検知
する加速度計の信号によって行う。
【0024】第10は「車輛の姿勢を規制する軌条を有
した輸送機構」において、下の軌条の敷設の基準位置と
なる旋回点を有したブロック状の基礎を適当な間隔を開
けて線路の全長に亘って埋設し、旋回点だけを地面から
出してこの先端のレベルを合わせておき、この旋回点の
上にそれぞれ基準点を持っている下の軌条の枕木・支柱
・上の軌条の橋梁などの軌条を取付る機材を一体化させ
て組み上げていき、上下の軌条の間隔(上下車輪の間
隔)、方向、勾配、曲線路における傾斜角度などの諸量
を任意の値に調整できるようにして軌条を敷設する。
【0025】第11は「車輛の姿勢を規制する軌条を有
した輸送機構」において、車輛の加速や減速時に軌条に
掛かる車輛の反力によって軌条が枕木の上で滑ることを
防止するための止めピンを枕木に打ち込むことができる
ようにピン穴や切り込みが軌条の底部または下首(底部
のすぐ上)に設けられている軌条とする。
【0026】第12は「車輛の姿勢を規制する軌条を有
した輸送機構」において、軌条を連結するときに、温度
変化による軌条の伸縮のために確保する隙間によって発
生する車輪への衝撃を軽減するために、軌条の端面を図
14(A),図14(B),図14(C)のような形状
に整形して接続する。この形状によって軌条の接続部の
表面の一部が一直線状になり、この部分が必ず車輪の表
面に接している状態になっているので、接続箇所の間隙
は実質的に無視できる。
【0027】第13は「車輛の姿勢を規制する軌条を有
した輸送機構」において、上下軌条を1体化して切り替
える分岐器とし、分岐器の下側ブロック(下の軌条の取
付られている部分)は地中に穴を掘って埋設されてお
り、下のブロックの前後(車輛の進行方向)は地中の穴
の壁に密着させてあり、この構造によって車輛の加速、
減速の反動によって分岐器が動くことがない構造とす
る。
【0028】第14は「車輛の姿勢を規制する軌条を有
した輸送機構」において、上下軌条に浅くはまり合う溝
形のガイドが車輛の床下および屋根上に取付けてあり、
車輛が強い衝撃を受けたとき、あるいは脱線の危険があ
るときは、このガイドを自動あるいは手動で瞬時に突き
出させる機構によって、下の軌条および上の軌条に深く
はまり合わせて車輛の転倒を防止する。またこのガイド
は軌条の上の障害物を排除する機能を持たせることがで
きるし、このガイドが作動すると同時に制動装置を作動
させて車輛を停止させることができる。
【0029】第15は「車輛の姿勢を規制する軌条を有
した輸送機構」において、車輛の前方の床下の左右対称
位置(両側)に昇降可能な補助輪を各1輪、また車輛の
後方の床下の左右対称位置(両側)に昇降可能な補助輪
を各1輪、合計4輪設けて、緊急時や保守、点検時にお
いて補助輪を地面に降下させることによって車輛の姿勢
を規制する上の軌条が無くても車輛が自立できる構造と
する。
【0030】
【発明の実施の形態】「車輛の姿勢を規制する軌条を有
した輸送機構」において、曲線路を高速走行するために
車輛を傾斜させる基本となる方法は上の軌条を下の軌条
に対して偏位して対向させる状態にすることである。こ
の偏位量は曲線路の曲率半径と走行速度で決められるも
のであるから、推奨される走行速度に対して最適な傾斜
角度になるようにあらかじめ設定されている。この基本
構成の1例を図1−1、図1−2に、また曲線路走行中
の車輛の傾斜状態を図2−1、図2−2に示す。図中の
符号は、車輛1.1、車輛床下の台車1.2、下の軌条
1.3、車輛屋根上の台車1.6、上の軌条1.7、お
よび車輪(下)2.1a、車輪(上)2.1b、上の軌
条の偏位による車輛の傾斜角度θである。しかし気象条
件等の外界の状況から車輛を常に規定の速度で走行させ
ることは必ずしもできないことがある。従って次のよう
な方法を付加して車輛の傾斜角度を制御することが必要
である。
【0031】車輛の傾斜角度を任意に制御する方法とし
て、車輛の屋根上の台車全体を上の軌条に対して左右に
移動させるものがある。また台車に乗っている車体を傾
斜できる機構を設けて振り子式にするものもある。前記
の上の軌条を偏位させる方法にこれらの車輛あるいは車
体を傾斜させる機構を付加し、走行中に遠心力が車体の
横方向の力として現れたとき、遠心力の大きさを検出し
て横方向の力がゼロになるように車輛あるいは車体の角
度を調整する。
【0032】遠心力が横方向の力として車輛に現れてい
るかどうかの検出方法の1例を図を用いて説明する。輪
郭(断面形状)が凹凸の滑らかな曲線形ではまり合う車
輪と軌条において、図3(A)は断面が円形でわずかな
隙間をもって嵌合している車輪3.1と軌条3.3の断
面図である。軌条の頭部の半径rは車輪の踏面部の半径
Rより小さい。車輛に遠心力が働いていないときは車輪
3.1と軌条3.3は点aで接している。この時の車輪
3.1と軌条3.3の嵌合状態の位置関係は間隙が左右
で等しくなっている。
【0033】遠心力が車輛に現れた時の車輪と軌条の嵌
合状態は図3(B)および図3(C)に示す通りであ
る。遠心力の方向を図中の矢印で示したが、遠心力が生
じている時は車輪3.1と軌条3.3の接点は点aから
滑ってそれぞれ点bあるいは点Cに移動する。従って車
輪3.1と軌条3.3の位置関係には偏りが発生する。
この偏りは車輪と軌条との間に加えられている圧力と遠
心力との合力で決まる大きさであるから、偏りの大きさ
(d1とd2の差)を測長器で測定することにより遠心
力の大きさを計算により割り出すことができる。
【0034】偏りの大きさは非接触の方法で測定する必
要がある。その測定方法を図4−1に示す。車輛屋根の
上の台車1.6にレンズ4.1とカメラ4.2を取付け
て置き、車輪と軌条の嵌合点の横方向の画像を撮影す
る。この画像に軌条頭面の中心部と車輪フランジ部3.
2の内側の位置関係が写し出されるのでこの画像から偏
位量を割り出すことができる。滑らかな走行のためには
車輪と軌条の嵌合状態はわずかな隙間を開けておく必要
があるが、隙間の大きさは車輪の直径と踏面の半径及び
フランジの高さ、また軌条頭部の断面半径、曲線路の曲
率半径、あるいは走行速度、車輛の重量等などによっ
て、一概に規定できない。従ってこの間隙が広い場合に
は車輪は軌条の上で蛇行や振動が発生する。また狭い場
合には摩擦が大きくなる。車輛が走行中の車輪と軌条の
偏りと蛇行の様子の1例を図4−2に示す。図中のLは
遠心力の大きさ、1は蛇行や振動の振幅である。
【0035】車輛が曲線路に進入する瞬間は、上述の制
御がまだ作動しておらず、車輛は上の軌条によって強制
的に傾斜させられる状態になる。このとき少なからず上
の軌条と車輛に横方向の力が掛かる。この力はほんの一
瞬ではあるが、軌条には機械的な横方向の衝撃として、
また乗客は不快な横揺れとして好ましくない状態にな
る。この現象を回避するために図5−1に示すような操
舵翼5.1を車輛1.1の屋根上に取付け、車輛が曲線
路に進入するよりほんの少し早いタイミングで操舵翼
5.1が適切な風圧を受けるような角度に変えて車輛
1.1を傾斜させる制御を行う。図5−1は操舵翼5.
1を車輛1.1の屋根の上に取り付けた側面図であり、
図5−2は操舵翼5.1の1例である。操舵翼は水平翼
5.2と垂直翼5.3を持っており、それぞれ矢印の方
向に角度を変えることができる。この操舵翼5.1は車
輛1.1の屋根の前後の位置にそれぞれ1個以上取り付
けられる。水平翼5.2と垂直翼5.3はそれらの駆動
装置5.4に直結され、これによって角度が変えられ
る。
【0036】操舵翼5.1は機械的に制御される機構で
あるから車輛が高速走行しているときに、曲線路の始ま
る位置にちょうど一致して水平翼5.2、垂直翼5.3
の向きを最適角に設定するためには、曲線路の手前の定
位置で通過する曲線路の信号を受信し、曲線路と走行条
件のデータから計算して、前もって操舵翼5.1の駆動
装置5.4に制御信号を送る必要がある。こうすること
によって軌条に掛かる機械的な横方向の衝撃と、また乗
客に与える不快な横揺れとを回避することができる。
【0037】車輪の蛇行を軽減する方法として車輪と軌
条のそれぞれが接する面の形状の好ましいと思われるい
くつかの例を図6−1から図6−5に示す。これらの形
状の特徴は車輪と軌条の接点が図3に示すような1点で
はなく、接点を2点にすることである。
【0038】車輪と軌条の接触点を2点にする発想は次
のような考察から生まれたものである。図6−1
(A’)に示す従来の2つの車輪6.1と2本の軌条
6.2の組み合わせにおいては、車輪のフランジの内側
の点aと点bの2箇所で接している状態であるが、この
車輪6.1と軌条6.2を1輪状態にすることを考える
と、同図(A)に示すように、車軸を縮めて左右の車輪
6.1が接触すると同時に、軌条6.2も2本が一体と
なり中心部に窪みができた形状になる。この状態での車
輪6.1と軌条6.2の接点は点aと点bの2箇所であ
る。この2つの車輪を密着させて(A)の形状にしたと
き車輛の走行状態は従来の(A’)の形状のに比べて、
車輛が横倒れすること以外に差異は考えられない。即ち
車輛の横倒れは上の軌条を設置することにより起こらな
いから、(A)の状態でも従来と同じ性能の走行が可能
であると考えられる。尚、図6−1(B)は(A)の凹
凸が逆の形状であり、接点も2点存在する。この形状に
おいても走行可能と考えられる。
【0039】図6−2は図6−1(A)の形状を簡単に
し、製作を容易にしたものである。図6−2において、
車輪6.3の踏面の外形は凸の半径r1とr3の変曲点
が2点ある曲線とし、軌条6.4の頭部の外形は凹の半
径r2の円弧とし、車輪6.3の踏面と軌条6.4の頭
部の外形曲率半径はそれぞれr1<r2<r3とする。
この寸法関係により車輪と軌条は点aと点bの2点で接
触する。尚車輪踏面の外形を凸の円弧とし、軌条頭部の
凹部を変曲点が2つある曲線にして軌条の頭部先端を車
輪と非接触にしてもよい。
【0040】図6−3は図6−2を変形したもので、車
輪6.3の踏面および軌条6.4の頭部の断面形状は共
に円弧であるが、車輪踏面または軌条頭部のどちらか一
方の中心位置に溝を設けた形状とする。この形状は溝部
の面取りを行う必要があるが、加工精度は図6−2より
低くてもよい。これも車輪6.3の踏面の外形半径r1
は軌条6.4の頭部の外形半径r2より小さくする。接
点はaとbの2点となる。
【0041】図6−4は車輪6.3の踏面を凹、軌条
6.4の頭部を凸にしたものであり、図6−2の凹凸が
逆の形状である。車輪6.3の踏面の外形は凹の半径r
2の円形であり、軌条6.4の頭部は凸の半径r1とr
3の変曲点が2点ある曲線とし、r1<r2<r3とす
る。この形状は軌条6.4の頭部の膨らみ方を少し小さ
くしたものである。尚、軌条6.4の頭部の外形を円弧
とし、車輪6.3の踏面の凹部を変曲点が2つある曲率
にして、車輪踏面の中央部を軌条と非接触にしてもよ
い。
【0042】図6−5は図6−4を変形したもので、図
6−3と同様に車輪6.3の踏面および軌条6.4の頭
部の断面形状は共に円弧であるが、車輪6.3の踏面ま
たは軌条6.4の頭部のどちらか一方にに溝を設けた形
状とする。この形状は溝部の面取りを行う必要がある
が、加工精度は図6−4より低くてもよい。車輪踏面の
外形半径r1は軌条頭部の外形半径r2より大きくす
る。接点はaとbの2点となる。
【0043】曲線路で車体を傾斜させる振り子式の車体
を装備した車輛は車輛の床下の台車と屋根上の台車を1
体化させることによって実現できる。1体化された台車
の正面図を図7−1に、側面図を図7−2に示す。この
図の中に任意の角度に傾斜させることができる車体7.
4を破線で示した。台車を1体化するための台車枠7.
1を作り、これに下の台車1.2、上の台車1.6を取
り付けて1体化する。台車枠7.1は図のように中空構
造であり、この空間に車体7.4をコロ7.5で受けて
挿入する。この1体化するための台車枠7.1を車体
7.4の前後2箇所取り付ける。この構造によって上の
軌条1.7が偏位して敷設されている曲線路において
も、車体7.4は1体化するための台車枠7.1の中で
回転することができるので、遠心力を正確に車体7.4
の床下に向けることができる。この効果は上の台車1.
6を左右に移動させる方法と同等の効果が得られると考
えられる。
【0044】車輪を上下の軌条に押し当てる車輪加圧装
置を図7−1,図7−2の中に示す。車輪加圧装置7.
2の挿入箇所は、1体化するための台車枠7.1の支柱
の中間位置、または上の台車1.6と1体化するための
台車枠7.1の間、または下の台車1.2と1体化する
ための台車枠7.1の間が適当である。加圧方法は油圧
または空気圧を用いたシリンダーなどで構成することが
できる。これによって、上下の車輪が上下の軌条間に常
に任意の大きさの一定の圧力で接しているように力を加
えることができるので、上下の軌条間隔のバラツキを吸
収し、また車輪と軌条の粘着力が増強される。この加圧
装置は車軸や台車のバネとは別の装置である。これによ
り車輛が加速、減速するときに圧力を定速走行時より高
く設定し、加速時の車輪の空転、減速時の車輪の滑走を
軽減させることができる。当たり台7.3は車輪加圧装
置7.2が縮み過ぎたときのリミットの働きをするもの
である。これは安全装置であり、たとえ車輪加圧装置
7.2の動作が異常になったときでもこの当たり台7.
3によって車輪は軌条から外れることはない。
【0045】加速性、減速性、および登坂性を高めるた
めに、主輪と主動力の他に、図8−1の正面図,図8−
2の側面図に示すように車輛床下の左右対称位置に昇降
式の補助輪8.1(2輪または4輪)とそれに連結する
補助動力8.2を車輛1.1の床下に、そして補助輪走
行用の補助軌道8.5を下の軌条の両側に設ける。昇降
装置8.4により左右の補助輪8.1を同時に昇降させ
る。補助輪8.1と補助動力8.2は自動車と同様のト
ルクコンバータ、プロペラシャフトと作動ギヤなどによ
る動力伝達装置8.3を介して接続する。補助輪8.1
は自動車用あるいは航空機用のゴム製のタイヤをなど使
用し、補助軌道8.5は自動車道と同様の車輛の荷重に
耐える強度を持ったコンクリートあるいはアスファルト
などとして、金属製の車輪と軌条の組合せに比べて粘着
力の大幅な増大を計る。補助動力8.2は内燃式エンジ
ンを用いて、短時間定格とし、短時間であるが高出力が
得られるものを用いる。車輛が車輪(主輪)2.1aと
電動機(主動力)8.7による駆動であれば加速時に馬
力と粘着力が不足して十分な加速が得られないので、こ
のようなときに補助輪8.1、補助動力8.2を使用す
る。定速走行時(高速走行時)にはこれら装置は使用せ
ず、車輪(主輪)2.1aと主動力(電動機)8.7の
みで駆動する。尚、車輛は上の軌条で押さえられている
ので、補助輪8.1を補助軌道8.5に強い圧力で押し
つけても車輛は浮き上がることはなく、粘着力を確保す
ることができる。また補助輪8.1を降下させたとき
に、車輛の荷重は車輪(主輪)2.1aと補助輪8.1
に分担されるが、前述の車輪加圧装置7.2の圧力を高
くすることにより車輪2.1aと下の軌条1.3および
補助輪8.1と補助軌道8.5の圧力、即ち粘着力をさ
らに高めることができる。また補助輪8.1にはディス
クブレーキ8.6などの従来の制動機を装備することが
できる。
【0046】高速走行のためには高出力の動力が必要で
ある。「車輛の姿勢を規制する軌条を有した輸送機構」
においては車輛が高加速度、高速度で走行中しても脱線
の危険はないので車輛に噴射式エンジンを取り付けるこ
とができる。これは主動力の補助として使用する。図9
−1に噴射式エンジンの取付部の正面図、図9−2にそ
の側面図を示す。噴射式エンジン9.1の取付場所は図
のように車輛1.1の屋根上の左右の肩付近とし、噴射
ガスが上の台車1.6と上の軌条1.7および地上の設
置物などに直射されないように、図9−1、図9−2に
示すように噴射方向は車輛1.1の後方斜め上横方向と
する。噴射式エンジン9.1は航空機用のものを使うこ
とができる。緊急停止する場合は逆噴射を行う。
【0047】高速走行すれば当然のこととして制動機構
を強化しなければならない。減速から停止までの車輛の
走行距離または時間を短縮させるためには減速加速度を
大きくしなければならない。従来の減速力(制動力)は
車輪と軌条の粘着力によって決まる大きさであるから、
車輪の回転力を大きな力で制動しても車輪の回転を止め
ることはできるが車輪は軌条の上を滑走し車輛は止まら
ないし、また車輪と軌条に傷が付く。ここで提案する制
動機構は図10に示すように、台車1.2を支点とした
左右対称の2つの制動子10.1を下の軌条1.3のあ
ご下(軌条の頭部と腹部との間)の左右に当てて、あご
下から頭部の方向に圧着し、これら2つの制動子10.
1と1つの車輪2.1aとの3方向から3点で下の軌条
1.3を締め付けることにより、車輪2.1aをロック
させることなく車輛を減速させる。2つの制動子10.
1は1つの油圧シリンダー10.2で図のように駆動す
ると、2つの制動子10.2はバランスして均等の圧力
で下の軌条1.3を押さえることができる。また制動子
10.1と下の軌条1.3の摩擦面は車輪の走行面では
ないので、軌条の磨耗の影響は少ない、即ち軌条1.3
の寿命は長い。この方法による制動は制動子10.1と
下の軌条1.3との摩擦力による制動効果に加えて、制
動子10.1が下の軌条1.3を締め付ける反力が車輪
2.1aに伝わるので、車輪2.1aと下の軌条1.3
の間の圧力は車体重量より大きい荷重にすることができ
る。従って車輪2.1aと下の軌条1.3との間の粘着
力を増大させることができる。従って、車輪の回転力を
制動する従来の制動機とこの方法を併用することにより
制動効果をさらに高めることができる。
【0048】車輛を高加速度で運行すると、発進と停止
のときに積載物は前後の方向の大きな力を受ける。この
力は乗客にとっては転倒するほどの危険なものであるか
ら、図11に示すような機構を腰掛けに装備する。腰掛
け11.1は座席の下の前後の位置でリンク(1)1
1.2およびリンク(2)11.3により車輛の床面1
1.8より下にある上下アーム(1)11.4と上下ア
ーム(2)11.5に繋がっている。これらのアームは
回転カム11.6に支えられている。回転カム11.6
は加速度の大きさにより回転角度が設定される機構にな
っており、車輛が前進する場合は回転カム11.6を反
時計方向に、停止するときは時計方向に回転させること
により、腰掛け11.1の角度を車輛の床に対して変え
ることができる。回転カム11.6は前後の加速度と重
力加速度との合力に感知する加速度検知器11.7によ
って自動制御される。即ち加速度検知器11.7は腰掛
け11.1と同様の機構によって回転カム11.6によ
って角度が変えられるように取付られており、加速度検
知器11.7の指針が常に基準位置(±0)になるよう
にカムの回転角を制御する。
【0049】車輛を高加速度、高速走行させるには軌条
の敷設精度を高めねばならない。上下軌条間の間隔の一
定化、曲線路における上の軌条の偏位量の正確さ、外力
による変形の軽減、また長期間のこれらの精度の維持、
調整、保守などが確実で容易に行える方法が求められ
る。図12−1に軌条設置方法の正面断面図、図12−
2に側面図を示す。軌条敷設の第1の要点は、道床1
2.1を整地した後に軌条の全ての基準となる旋回点を
有したブロック状の旋回点付き基礎12.2を道床1
2.1に旋回点だけを出して、適当な間隔を開けて線路
全長に亘って埋設することである。旋回点は隣同士が規
定のレベルになるように測量した上で埋設量が設定され
る。この旋回点の上に乗せる基準枕木12.3には旋回
点に嵌合する凹部が設けられており、この凹部と旋回転
を嵌め合わせる。直線路の場合は基準枕木12.3は水
平に、曲線部においてはジャリ1.5の詰め量を変える
ことにより規定の角度を付けて設定することができる。
次に上の軌条1.7を支える主支柱12.4を基準枕木
12.3に取り付ける。さらに必要であれば主支柱の反
対側に補助支柱12.5を取り付ける。この補助支柱1
2.5は線路が複線の場合は対向線路の主支柱で代替え
してもよい。このようにして軌条を敷設する枠組みが作
られてから軌条を取り付ける。下の軌条1.3は基準枕
木12.3および枕木1.4の中心位置に振動緩衝板1
2.6を介して置かれ、締結金具12.7で固定され
る。上の軌条1.7は主支柱12.4の横腕の中心位置
に電気絶縁体12.8を介して上の軌条補強材である橋
梁12.9と合体して下の軌条1.3と同様な方法で固
定される。橋梁12.9は下からの突き上げ力を受ける
ために車輛の荷重以上の力に耐える強度を必要とする。
電気絶縁体12.8は上の軌条1.7を給電線として車
輪2.1bを通じて車輛に給電するためのものである。
【0050】従来の軌条の枕木への固定は締結金具で軌
条の底部を押さえる方式であるが、この方法では車輛の
加速度が大きくなるとその反動によって軌条が枕木の上
を滑る。これを防止するために図13(A)、図13
(B)、図13(C)に示すように、下の軌条1.3の
底部あるいは下首(底部のすぐ上)に止めピンを打ち込
むことができるようなピン穴13.1,13.3や切り
込み13.2を枕木の設置間隔に合わせて設ける。
【0051】軌条は長尺にすることにより軌条の継ぎ目
の数を減らすべきであるが、どこかで締結しなければな
らない。しかし温度による軌条の伸縮を考慮して継ぎ目
の隙間を開けると、高速走行のときにこの間隙の所で車
輪に衝撃が出るので、これを軽減するために従来は軌条
の端面を楔形に整形して両方の軌条を寄り合わせる方法
が採られることがあるが、軌条の頭部が凸または凹の形
状の場合はこの方法は軌条先端部の強度が保てないので
採用できない。そこで図14(A)、図14(B)、図
14(C)のように軌条端面を整形して接続する。図1
4(A)は最も簡単な形状である。軌条頭部の中心線上
で接続面を一直線状に整形して合わせるので見かけ上で
継ぎ目が無いことになる。このこれらの図に示した軌条
に平行な太線上が車輪と接するところであり、継ぎ目の
間隔が開いている所は車輪と接触しないので、継ぎ目に
よる衝撃は少なくなる。それぞれの軌条の締結は、頭部
は頭部の側面に軌条の長手方向に沿った座グリ付き長穴
14.1をあけてカシメピン14.2で締め止めし、底
部は両軌条の間隔を開けてそれぞれの軌条毎に締結金具
で枕木に押さえ付けて止める。この構造により軌条の伸
縮を吸収して接続できる。図14(B)、図14(C)
は図14(A)の変形である。継ぎ目部の接続線は図1
4(A)が1本に対して図14(B)、図14(C)は
それぞれ2本、3本となっている。
【0052】軌条の分岐器を図15−1,図15−2に
示す。図15−1は分岐器15.1の下の軌条の取付面
の平面図、図15−2は分岐器15.1の側面の断面図
である。分岐器15.1は下の軌条と上の軌条とが4本
の支柱15.2で1体化されている。この1体化された
分岐器15.1の全体が軌条に対して左右に移動する。
図のように分岐器15.1の下のブロック15.5と枕
木15.10に取付られている下の軌条には軌条(A)
15.3と軌条(B)15.4の2本がある。分岐器1
5.1が移動することにより軌条(A)15.3と軌条
(B)15.4が切り替わる。上の軌条も下と同様の機
構とする。分岐器15.1が設置される場所は往々にし
て車輛が加速、減速する所であるから分岐器15.1に
その反力が掛かるので、分岐器15.1は下のブロック
15.5を地中に埋め込み、その端面を前後の壁に密着
させて分岐器15.1の移動を防ぐ構造とする。移動装
置15.6、連結棒15.7とで分岐器15.1を移動
させる。この移動を滑らかにするために分岐器15.1
の下にはコロ15.8を、壁側にはスベリ板15.9を
設ける。
【0053】高速走行時に万一脱線が発生すると、人命
に関わる大事故に到ることは明白である。「車輛の姿勢
を規制する軌条を有した輸送機構」においては、車輪が
上下の軌条で機械的に挟まれた状態になっているので、
従来方式の2本軌条の上に2輪車輛が乗っている構造に
比べて脱線の確率は格段に低いと考えられる。しかし軌
道上に障害物や軌条あるいは車輪の破損などによって脱
線は起こり得るものと考えなければならない。脱線事故
の被害をを出来るだけ小さくするために、図16−1の
車輛正面図および図16−2側面図に示すように上下軌
条に浅くはまり合う溝形の機械的に強固なガイド16.
1を車輛の床下および屋根上の車輪の前後の位置に取付
ておき、軌条の上の障害物の排除を行うと共に、車輛が
強い衝撃を受けた時、あるいは車輛運行管理者が脱線の
危険を感じた時に、このガイドを破線で示した位置まで
に瞬時に突き出させて上下の軌条に深くはまり合う機構
を設けておく。この溝形のガイド16.1の突き出しに
よって脱線事故は軽減されることが期待できる。ガイド
突き出しの駆動力は突き上げバネ16.2あるいは空圧
によるシリンダー16.3で行うものとし、この動作開
始は異常衝撃で作動するロックはずし機構16.4で行
う。
【0054】図8−1、図−2に示す補助輪8.1の左
右の2輪を、車輛の前後にそれぞれ出来るだけ間隔を離
して取り付け、合計4輪として、車輛の姿勢が不安定に
なった時や保守点検時に、補助輪8.1を地面に緊急に
降下させることにより車輛の姿勢を保持し、上の軌条が
無くても車輛が自立できるようにすることができる。こ
れは上述のような強い衝撃があったときは自動で、また
緊急を要しないと思われる時は手動で操作できるものと
する。
【0055】
【発明の効果】以上のような本発明の方法と構成によれ
ば、「車輛の姿勢を規制する軌条を有した輸送機構」に
おいては、脱線の危険が極めて小さくなるので、高加速
度化、高速化のために新たな技術を適用してもこれによ
る危険度は低く、目的とする性能、機能は容易に実現で
きると考えられる。この機構によって安定走行できる理
由を図17(A)、図17(B)、図17(C)を用い
て説明する。
【0056】図17(A)は従来式の輸送機構であり、
2本の軌条17.1、2輪の車輪17.2を有して、架
線17.3から給電され、自重のみで安定走行するもの
である。この状態では曲線路の遠心力や高速走行時に発
生する蛇行などにより車輛は図17(A’)のように不
安定になることが避けられない。
【0057】図17(B)は図17(A)に安定化軌条
17.4を設けて図17(A’)のような不安定な状態
を押さえ込んだ機構である。この方法により車輛は安定
するが、車輪に掛かっている荷重は必ずしも両輪で同じ
ではない。即ち曲線路における高速走行時は曲線路の内
側の車輪は見かけは軌条に接しているが、低荷重状態に
なっている。この状態は外側の車輪1輪で走行している
のと同じであり、合理的な走行状態とは言えない。たと
え車体を振り子式にしたとしても車輛の重心は2輪の中
心からずれた位置に来る。
【0058】図17(C)は「車輛の姿勢を規制する軌
条を有した輸送機構」であり、これは図17(B)の状
態を更に発展させて、車輛の床下を1輪2.1aに、屋
根上を1輪2.1bに、そして下の軌条1.3を1本
に、上の軌条1.7を1本にすると、これにより車輛
1.1は常に上下2本の軌条で挟まれているから、曲線
路においても、高速走行においても、また高加速度状態
においても軌条から離脱することなく安定走行が可能と
なる。
【0059】このように図17(C)の構造の軌条と車
輪を有する方式は、図17(A)に比べて安定機構が原
理的に改善されている。従って図17(A)の方式では
適用できなかった技術的施策を、安心して図17(C)
に付加することができるので、従来の性能を超えた輸送
機構にすることができる。これらの施策はそれぞれ独立
に実施してもそれなりの効果は期待できるが、これらは
それぞれに関連し合っているので、いくつかの手段を組
み合わせて実施することにより更に大きな効果が得られ
るものである。
【0060】期待出来る性能の1例を示すと、 従来の方式 本願の方式 高速走行性:300km/h 350km/h 曲線走行性:260km/h,R4000m 260km/h,R1000m 120km/h,R1000m 120km/h, R250m 60km/h, R250m 60km/h, R60m (Rは曲線路の曲率半径) 加速減速性:4km/h/s 15km/h/s 線路勾配率:4% (8%) 25%
【0061】いずれにしてもこの発明の目的は実用線路
において前後左右の加速度を1g以上、常用0.5gに
耐える輸送機構を実現し、これによる運行効率の大幅な
改善を可能にする実用的な輸送機構を実現することであ
る。ここで実現させる加速度は従来の輸送機構に比べて
数倍近く大きい値であり、この点に絞って言えばここで
提案した技術的手段で上記の目的を達成させることがで
きると考えられる。
【0062】尚、従来の2本軌条、2輪の輸送路線を共
用して、上下軌条、上下車輪の輸送機構を運行すること
は、2本軌条の中央に下の軌条を敷設し、給電用架線を
上の軌条に換えることにより技術的には可能であり、路
線や付帯設備を共用できるという大きなメリットがあ
る。しかし両機構の運行性能に大きな差があるために、
両者の利点を生かした効率的な運行ダイヤを組むことが
困難であり、共用化する実用性は大きくは期待できな
い。
【0063】「車輛の姿勢を規制する軌条を有した輸送
機構」の走行特性は、加速性、小回り性に優れており、
また速度も速いので、従来の鉄道車輛よりも自動車の特
徴に近い面がある。従ってこの機構を新しい交通手段と
して公共化する場合、専用の路線を新たな場所に建設す
るのではなく、現有の自動車道を利用することができ
る。高速道路や国道、県道などの都市や町間の主要幹線
道路の側帯部に橋脚などを建ててここを走らせるのであ
る。この方法により鉄道建設費の節減ができることは明
らかであり、自動車より高速で且つ小回りできる上に大
量輸送が可能である。更に鉄路は自動車に比べて、輸送
コスト省エネルギー、環境保全などが優れているので、
将来の交通手段として大いに利用することができる。こ
れにより都市近辺の自動車の渋滞は大幅に改善されると
思われる。
【図面の簡単な説明】
【図1−1】車輛の姿勢を規制する軌条を有した輸送機
構の正面図である。
【図1−2】車輛の姿勢を規制する軌条を有した輸送機
構の側面図である。
【図2−1】曲線路を走行中の車輛の傾斜状態を示す説
明図である。
【図2−2】曲線路走行中の車輛が上の台車の移動によ
って車輛姿勢を正す図である。
【図3(A)、(B)、(C)】遠心力による車輪と軌
条の嵌合の偏位の状態を示す図である。
【図4−1】車輪と軌条の嵌合状態の偏位の測定方法を
示す図である。
【図4−2】車輪と軌条の偏り状態の1例を示すグラフ
である。
【図5−1】操舵翼をもった車輛の側面図である。
【図5−2】操舵翼の1例を示す図である。
【図6−1(A)、(A’)】車輪と軌条の形状の拡大
図である。
【図6−1(B)】車輪と軌条の形状の拡大図である。
【図6−2】車輪と軌条の形状の拡大図である。
【図6−3】車輪と軌条の形状の拡大図である。
【図6−4】車輪と軌条の形状の拡大図である。
【図6−5】車輪と軌条の形状の拡大図である。
【図7−1】上下台車の1体化構造を示す正面図であ
る。
【図7−2】上下台車の1体化構造を示す側面図であ
る。
【図8−1】補助輪と補助動力を有した車輛の正面図で
ある。
【図8−2】補助輪と補助動力を有した車輛の側面図で
ある。
【図9−1】補助動力として噴射式エンジンを有した車
輛の正面図である。
【図9−2】補助動力として噴射式エンジンを有した車
輛の側面図である。
【図10】制動機構の1例を示す説明図である。
【図11】加速、減速時の腰掛けの角度の可変方法を示
す図である。
【図12−1】軌条の建設方法の正面断面図である。
【図12−2】軌条の建設方法の側面断面図である。
【図13(A),(B),(C)】軌条の底部の形状の
1例を示す図である。
【図14(A),(B),(C)】軌条の継ぎ目の形状
を示す図である。
【図15−1】分岐器の下の軌条部の平面図である。
【図15−2】分岐器の側面断面図である。
【図16−1】溝形ガイドの1例の正面図である。
【図16−2】溝形ガイドの1例の側面図である。
【図17(A),(A’),(B),(C)】鉄道輸送
機構の進化を説明する図である。
【符号の説明】
図1 1.1 車輛 1.2 車輛床下の台車 1.3 下の軌条 1.4 枕木 1.5 地面のジャリ 1.6 車輛屋根上の台車 1.7 上の軌条 1.8 支柱 1.9 連結機 図2 2.1a 車輪(下) 2.1b 車輪(上) 2.2a 台板(上) 2.2b 台板(下) 2.3 電気的絶縁板 θ 上の軌条の偏位による車輛の傾斜角度 図3 3.1 車輪(上)または(下) 3.2 車輪のフランジ 3.3 軌条(上)または(下) R 車輪踏面の半径 r 軌条頭部の半径 点a,b,c 車輪と軌条の接点 d1,d2 車輪と軌条の偏位の量 図4 4.1 レンズ 4.2 カメラ L 遠心力の大きさ 1 車輪の蛇行量 図5 5.1 操舵翼 5.2 水平翼 5.3 垂直翼 5.4 水平、垂直翼の駆動装置 図6 6.1 2輪式の車輪 6.2 2本式の軌条 点a,b 車輪と軌条の接点 6.3 1輪式の車輪 6.4 1本式の軌条 r1,r2,r3 車輪踏面、軌条頭部の曲率半径 図7 7.1 1体化のための台車枠 7.2 加圧装置 7.3 当たり台 7.4 車体 7.5 コロ 図8 8.1 補助輪 8.2 補助動力 8.3 動力伝達装置 8.4 昇降装置 8.5 補助軌道 8.6 ディスクブレーキ 8.7 主動力 図9 9.1 噴射式エンジン 図10 10.1 制動子 10.2 油圧シリンダー 図11 11.1 腰掛け 11.2 リンク(1) 11.3 リンク(2) 11.4 上下アーム(1) 11.5 上下アーム(2) 11.6 回転カム 11.7 加速度検出器 11.8 車輛の上床面 図12 12.1 道床 12.2 旋回転付き基礎 12.3 基準枕木 12.4 主支柱 12.5 補助支柱 12.6 振動緩衝板 12.7 締結金具 12.8 電気絶縁体 12.9 軌条補強の橋梁 D 上下の軌条間隔 図13 13.1 ピン穴 13.2 切り欠き 13.3 ピン穴 図14 14.1 長穴の座グリ 14.2 カシメ式止めピン 図15 15.1 分岐器 15.2 支柱 15.3 軌条(A) 15.4 軌条(B) 15.5 分岐器の下のブロック 15.6 分岐器の移動装置 15.7 連結棒 15.8 コロ 15.9 滑り板 15.10 分岐器の枕木 a,a’,b,b’ 軌条の接続点 図16 16.1 ガイド 16.2 突き上げバネ 16.3 空圧シリンダー 16.4 ロックはずし機構 図17 17.1 2本の軌条 17.2 2輪の車輪 17.3 給電用架線 17.4 安定化軌条
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成10年12月24日(1998.12.
24)
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】請求項1
【補正方法】変更
【補正内容】
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】請求項15
【補正方法】変更
【補正内容】
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0054
【補正方法】変更
【補正内容】
【0054】図8−1、図8−2に示す補助輪8.1の
左右の2輪を、車輛の前後にそれぞれ出来るだけ間隔を
離して取り付け、合計4輪として、車輛の姿勢が不安定
になった時や保守点検時に、補助輪8.1を地面に緊急
に降下させることにより車輛の姿勢を保持し、上の軌条
が無くても車輛が自立できるようにすることができる。
これは上述のような強い衝撃があったときは自動で、ま
た緊急を要しないと思われる時は手動で操作できるもの
とする。
【手続補正書】
【提出日】平成11年3月8日(1999.3.8)
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】図面の簡単な説明
【補正方法】変更
【補正内容】
【図面の簡単な説明】
【図1−1】車輛の姿勢を規制する軌条を有した輸送機
構の正面図である。
【図1−2】車輛の姿勢を規制する軌条を有した輸送機
構の側面図である。
【図2−1】曲線路を走行中の車輛の傾斜状態を示す説
明図である。
【図2−2】曲線路走行中の車輛が上の台車の移動によ
って車輛姿勢を正す図である。
【図3(A)、(B)、(C)】遠心力による車輪と軌
条の嵌合の偏位の状態を示す図である。
【図4−1】車輪と軌条の嵌合状態の偏位の測定方法を
示す図である。
【図4−2】車輪と軌条の偏り状態の1例を示すグラフ
である。
【図5−1】操舵翼をもった車輛の側面図である。
【図5−2】操舵翼の1例を示す図である。
【図6−1(A)、(A’)、(B)】車輪と軌条の形
状の拡大図である。
【図6−2】車輪と軌条の形状の拡大図である。
【図6−3】車輪と軌条の形状の拡大図である。
【図6−4】車輪と軌条の形状の拡大図である。
【図6−5】車輪と軌条の形状の拡大図である。
【図7−1】上下台車の1体化構造を示す正面図であ
る。
【図7−2】上下台車の1体化構造を示す側面図であ
る。
【図8−1】補助輪と補助動力を有した車輛の正面図で
ある。
【図8−2】補助輪と補助動力を有した車輛の側面図で
ある。
【図9−1】補助動力として噴射式エンジンを有した車
輛の正面図である。
【図9−2】補助動力として噴射式エンジンを有した車
輛の側面図である。
【図10】制動機構の1例を示す説明図である。
【図11】加速、減速時の腰掛けの角度の可変方法を示
す図である。
【図12−1】軌条の建設方法の正面断面図である。
【図12−2】軌条の建設方法の側面断面図である。
【図13(A),(B),(C)】軌条の底部の形状の
1例を示す図である。
【図14(A),(B),(C)】軌条の継ぎ目の形状
を示す図である。
【図15−1】分岐器の下の軌条部の平面図である。
【図15−2】分岐器の側面断面図である。
【図16−1】溝形ガイドの1例の正面図である。
【図16−2】溝形ガイドの1例の側面図である。
【図17(A),(A’),(B),(C)】鉄道輸送
機構の進化を説明する図である。
【符号の説明】 図1 1.1 車輛 1.2 車輛床下の台車 1.3 下の軌条 1.4 枕木 1.5 地面のジャリ 1.6 車輛屋根上の台車 1.7 上の軌条 1.8 支柱 1.9 連結機 図2 2.1a 車輪(下) 2.1b 車輪(上) 2.2a 台板(上) 2.2b 台板(下) 2.3 電気的絶縁板 θ 上の軌条の偏位による車輛の傾斜角度 図3 3.1 車輪(上)または(下) 3.2 車輪のフランジ 3.3 軌条(上)または(下) R 車輪踏面の半径 r 軌条頭部の半径 点a,b,c 車輪と軌条の接点 d1,d2 車輪と軌条の偏位の量 図4 4.1 レンズ 4.2 カメラ L 遠心力の大きさ 1 車輪の蛇行量 図5 5.1 操舵翼 5.2 水平翼 5.3 垂直翼 5.4 水平、垂直翼の駆動装置 図6 6.1 2輪式の車輪 6.2 2本式の軌条 点a,b 車輪と軌条の接点 6.3 1輪式の車輪 6.4 1本式の軌条 r1,r2,r3 車輪踏面、軌条頭部の曲率半径 図7 7.1 1体化のための台車枠 7.2 加圧装置 7.3 当たり台 7.4 車体 7.5 コロ 図8 8.1 補助輪 8.2 補助動力 8.3 動力伝達装置 8.4 昇降装置 8.5 補助軌道 8.6 ディスクブレーキ 8.7 主動力 図9 9.1 噴射式エンジン 図10 10.1 制動子 10.2 油圧シリンダー 図11 11.1 腰掛け 11.2 リンク(1) 11.3 リンク(2) 11.4 上下アーム(1) 11.5 上下アーム(2) 11.6 回転カム 11.7 加速度検出器 11.8 車輛の上床面 図12 12.1 道床 12.2 旋回転付き基礎 12.3 基準枕木 12.4 主支柱 12.5 補助支柱 12.6 振動緩衝板 12.7 締結金具 12.8 電気絶縁体 12.9 軌条補強の橋梁 D 上下の軌条間隔 図13 13.1 ピン穴 13.2 切り欠き 13.3 ピン穴 図14 14.1 長穴の座グリ 14.2 カシメ式止めピン 図15 15.1 分岐器 15.2 支柱 15.3 軌条(A) 15.4 軌条(B) 15.5 分岐器の下のブロック 15.6 分岐器の移動装置 15.7 連結棒 15.8 コロ 15.9 滑り板 15.10 分岐器の枕木 a,a’,b,b’ 軌条の接続点 図16 16.1 ガイド 16.2 突き上げバネ 16.3 空圧シリンダー 16.4 ロックはずし機構 図17 17.1 2本の軌条 17.2 2輪の車輪 17.3 給電用架線 17.4 安定化軌条

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 【請求項1】 車輛の進行方向を規定し、且つ車輛の重
    量を支える1本の軌条(下の軌条)の他に、車輛の姿勢
    を規制するためのもう1本の軌条(上の軌条)が下の軌
    条に対向する位置に支柱によって懸架されており、下の
    軌条が車輛の床下に取り付けられている重量を支える1
    列の車輪と、また上の軌条が車輛の屋根上に取り付けら
    れている1列の車輪とが、それぞれはまり合っているこ
    とを特徴とする輸送機構であって、この機構を以下に
    「車輛の姿勢を規制する軌条を有した輸送機構」と称す
    ることにする。この「車輛の姿勢を規制する軌条を有し
    た輸送機構」において、軌条の車輪に接する面の断面形
    状が車輪にわずかな隙間をもって嵌合する凹または凸形
    の滑らかな曲線形とし、かつ車輪の軌条に接する面の断
    面形状が軌条にわずかな隙間をもって嵌合する凸または
    凹形の滑らかな曲線形とし、この車輛が曲線路を通過中
    に遠心力を受けたとき、車輪が軌条の基準位置から偏位
    する量を測長器で測定し、この値から車輛にかかる遠心
    力を算出する遠心力の測定方法。 【請求項2】 「車輛の姿勢を規制する軌条を有した
    輸送機構」において、車輛は操舵翼を有しており、車輛
    が高速で直線路から曲線路へ、また曲線路から直線路へ
    走行する直前に操舵翼を操作して、急激に増加する、ま
    たは減少する遠心力によって車輛が横振れしないように
    上の軌条に掛かる横方向の力をその風圧により緩和する
    ことができる車輛。 【請求項3】 「車輛の姿勢を規制する軌条を有した
    輸送機構」において、軌条の車輪に接する面の輪郭(断
    面形状)はわずかな隙間をもって車輪に嵌合する凹また
    は凸形の変曲点が二カ所ある曲線形とし、または車輪の
    軌条に接する面の輪郭(断面形状)がわずかな隙間をも
    って軌条に嵌合する凸または凹形の変曲点が二カ所ある
    曲線形とし、軌条と車輪の接点を同時に2点存在させた
    ことを特徴とする軌条と車輪。 【請求項4】 「車輛の姿勢を規制する軌条を有した
    輸送機構」において、車輛の床下の台車と屋根上の台車
    とを1体構造とし、1体化された台車を車輛の前後に1
    台ずつ設け、この2台の台車の中心部に車体が貫通でき
    る大きさの空洞を設け、さらにこの空洞の下側に車体の
    重量を支えるスベリ機構を設け、この空洞に車体をはめ
    込んだ構造の車輛。 【請求項5】 「車輛の姿勢を規制する軌条を有した
    輸送機構」において、車軸や台車のバネの他に、床下の
    台車と屋根上の台車間に加圧装置を挿入して、上下の車
    輪が上下の軌条間に常に一定の圧力で接しているような
    力を加えることができる構造にした車輛。 【請求項6】 「車輛の姿勢を規制する軌条を有した
    輸送機構」において、主輪と主動力の他に、車輛の床下
    の左右対称位置(車輛床下の両側)に昇降可能な補助輪
    を設けて、この補助輪に補助の動力を結合させて、かつ
    下の軌条の左右対称位置(下の軌条の両側)に補助軌道
    を設けることによって、車輛が加速や減速するときに補
    助輪を補助軌道に降下させて車輛の加速や減速を加勢す
    る構成の車輛。 【請求項7】 「車輛の姿勢を規制する軌条を有した
    輸送機構」において、主動力の他に、車輛の屋根上に噴
    射式エンジンを取付け、高速ガスの噴射力で車輛の加速
    や減速あるいは高速走行を加勢する構成にした車輛。 【請求項8】 「車輛の姿勢を規制する軌条を有した
    輸送機構」において、台車または車軸を支点とした制動
    子2つを下の軌条のあご下(軌条の頭部と腹部との間)
    の左右に当てて、あご下から頭部の方向に圧着し、これ
    ら2つの制動子と1つの車輪との3方向から3点で軌条
    を締め付けることにより、車輪をロックさせることなく
    車輛を減速させる制動方式。 【請求項9】 「車輛の姿勢を規制する軌条を有した
    輸送機構」において、車輛の前後の加速度によって生ず
    る力が常に腰掛けに垂直な方向に向くように角度調整で
    きる機構を有した腰掛け。 【請求項10】 「車輛の姿勢を規制する軌条を有し
    た輸送機構」において、下の軌条の敷設の基準位置とな
    る旋回点を有したブロック状の基礎を適当な間隔を開け
    て線路の全長に亘って埋設し、旋回点だけを地面から出
    してこの先端のレベルを合わせておき、この旋回点の上
    にそれぞれ基準点を持っている下の軌条を取付けるため
    の機材を一体化させて組み上げていき、軌条の敷設に必
    要な諸量を任意の値に調整できるようにした軌条の敷設
    方法。 【請求項11】 「車輛の姿勢を規制する軌条を有し
    た輸送機構」において、車輛の加速や減速時に軌条に掛
    かる車輛の反力によって軌条が枕木の上で滑ることを防
    止するための止めピンを枕木に打ち込むことができるよ
    うにピン穴や切り込みが軌条の底部または下首(底部の
    すぐ上)に設けられている軌条。 【請求項12】 「車輛の姿勢を規制する軌条を有し
    た輸送機構」において、軌条を連結するときに、温度変
    化による軌条の伸縮のために確保する隙間によって発生
    する車輪への衝撃を軽減するために、軌条の端面を図1
    4(A),図14(B),図14(C)のような形状に
    整形して、車輪と接する面が接続部で一直線状になる部
    分が存在する軌条の接続方法。 【請求項13】 「車輛の姿勢を規制する軌条を有し
    た輸送機構」において、車輛の進行方向に対して横方向
    に移動して切り替える分岐器であって、その分岐器は下
    の軌条が取付られている基台と上の軌条が取付られてい
    る基台とが1体化されており、下の軌条が取り付けられ
    ている基台は軌条が車輛の加速、減速の反動で前後方向
    に移動しないよう地中に埋設されている構造の分岐器。 【請求項14】 「車輛の姿勢を規制する軌条を有し
    た輸送機構」において、上下軌条に浅くはまり合う溝形
    のガイドが車輛の床下および屋根上に取付けてあり、車
    輛が強い衝撃を受けたとき、あるいは脱線の危険がある
    ときに、このガイドを瞬時に突き出させる機構を設け
    て、下の軌条および上の軌条に深くはまり合わせて車輛
    の転倒を防止する安全機構。 【請求項15】 【請求項6】の車輛において、車輛の前方床下の左右に
    各1輪、後方床下の左右に各1輪、合計4輪の補助輪を
    設け、緊急時や保守、点検時においてこれらの補助輪を
    地面に降下させることによって車輛の姿勢を規制する上
    の軌条が無くても車輛が自立できる構造の車輛。
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Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
ES2233110A1 (es) * 2001-03-21 2005-06-01 Eugenio San Segundo Serrano Rueda para el material movil bipestaña con superficie de rodadura concava, sobre carril de cabeza redondeada, reducida y con superficie de contacto convexa, en ferrocariles donde se montan aparatos de via carentes de agujas y cruzamientos.
CN105696429A (zh) * 2016-01-26 2016-06-22 广州道动新能源有限公司 一种新型上下平行双轨交通工具
CN108622113A (zh) * 2018-07-02 2018-10-09 黄仕 轨道列车
JP6425296B1 (ja) * 2018-07-25 2018-11-21 株式会社ヤクテツ レールの敷設構造およびレールの敷設方法
CN110193180A (zh) * 2019-07-03 2019-09-03 杭州图南电子股份有限公司 重力补偿训练系统

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