JP2000170670A - スクロール型圧縮機の回転阻止機構とその位置決め及び固定方法 - Google Patents

スクロール型圧縮機の回転阻止機構とその位置決め及び固定方法

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JP2000170670A
JP2000170670A JP10344323A JP34432398A JP2000170670A JP 2000170670 A JP2000170670 A JP 2000170670A JP 10344323 A JP10344323 A JP 10344323A JP 34432398 A JP34432398 A JP 34432398A JP 2000170670 A JP2000170670 A JP 2000170670A
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rotation
preventing mechanism
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Hiroyuki Yokoyama
裕之 横山
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Original Assignee
Sanden Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ピン削除により部品点数を減らし、コスト
低減が可能で、フロントハウジング側の圧入変形による
圧縮機組み付け時の取り付け時のカジリ等の不具合の発
生を防止することができ、相手部材への直接組み付けに
よるピン圧入工程を削除することができ、ピンの抜け等
の問題が生じない回転阻止機構の位置決め及び固定方法
を提供すること。 【解決手段】 冷凍空調用のスクロール式圧縮機におけ
る可動渦巻体の回転阻止機構/スラスト軸受部材の位置
決め及び固定方法において、前記回転阻止部材50のプ
レート1,2にプレス絞りにて、凸部5を設け、相手部
材にその凸部を圧入することで、可動渦巻体とプレート
及び/又はフロントハウジングとプレートの相対的な位
置決めと固定を行う。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、スクロール式圧縮
機のスクロール部材の回転阻止機構の構造及び相対的な
位置決め及び固定方法に関し、詳しくは、冷凍空調用の
スクロール式圧縮機の回転阻止機構の相対的な位置決め
及び固定方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、車両等に搭載される空調装置及び
冷凍装置の冷媒回路には、スクロール式圧縮機が用いら
れている。このスクロール式圧縮機は、外郭部がケーシ
ング及びフロントハウジングとによって形成され、その
内部には、一面に渦巻体を備えた底板からなるスクロー
ル部材の一対をこれらの渦巻体部分を互いに噛み合わせ
て配置されている。このスクロール式圧縮機は、一方の
スクロール部材を他方のスクロール部材に対して回転を
防止した旋回運動させることによって、渦巻体間に取り
込まれ、形成された流体ポケットを渦巻体の中心部に移
動させることによって、取り込まれた流体を圧縮するも
のである。このような従来のスクロール式圧縮機におい
て、一方のスクロール部材は固定され(以下、固定スク
ロール部材と呼ぶ)、他方のスクロール部材は旋回運動
を行う(以下、可動スクロール部材と呼ぶ)。この可動
スクロール部材は、それ自身の回転を防止するために、
回転阻止機構が用いられている。この回転阻止機構は、
第1のレースプレートと、第2のレースプレートと、そ
の間に配置されたスラストボールとを備えている。第1
のレースプレートは、フロントハウジングに取り付けら
れ、一方、第2のレースプレートは、可動スクロール部
材の背面側に設けられる。
【0003】図5(a)は従来のスクロール式圧縮機の
回転阻止機構の第1のレースプレート101の取り付け
状態を示す正面図、図5(b)は図5(a)の第1のレ
ースプレート101の取り付け状態を示すVB−VB線
に沿う部分断面図である。
【0004】図5(a)及び(b)を参照すると、第1
のレースプレート101は、円環形状の板体101aか
らなり、その一面には、同心円状に配置された、ドーナ
ッツ状のボール転走溝103がエンボス加工によって、
一面側が凹及び他面側が凸となるように形成されてい
る。また、ボール転走溝103よりも外周に、固定用の
スプリングピン105を挿入するための孔部104が設
けられ、スプリングピン105によって、フロントハウ
ジング12の孔部12aに圧入されている。
【0005】図6(a)は従来のスクロール式圧縮機の
回転阻止機構の第2のレースプレート102の取り付け
状態を示す正面図、図6(b)は第2のレースプレート
102の取り付け状態を示すVIB−VIB線に沿う部分断
面図であり、併せてボール転送溝103の断面図も示し
ている。
【0006】図6を参照すると、第2のレースプレート
102は、第1のレースプレート101と同様に、円環
形状の板体102aからなり、その一面には、同心円状
に配置された、ドーナッツ状のボール転走溝106がエ
ンボス加工によって形成されている。また、ボール転走
溝106よりも内周部分に、同じ直径上両端に2個所、
スプリングリグピン108を挿入するための孔部107
が設けられ、ピン108によって、可動スクロール部材
30の底板31の孔部31aに圧入されている。
【0007】このように、従来技術においては、フロン
トハウジング12への回転阻止機構の位置決め及び固定
方法は、フロントハウジング12及び回転阻止機構の第
1のレースプレート101にそれぞれ孔部12a,10
4を設けて、スプリングピン105を圧入し、一方、可
動スクロール部材30への回転阻止機構の位置決め固定
方法は、可動スクロール部材30及び回転阻止機構のレ
ースプレート102にそれぞれ孔部31a、107を設
けて、スプリングピン108を圧入し、これによって、
回転阻止機構の位置決め及び固定を行っている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前述し
た従来技術による回転阻止機構の構造と位置決め及び固
定方法では、特別な材料からなるスプリングピン10
5,108を使用しているため、部品点数が増加し、コ
スト高であるという欠点を有した。
【0009】また、図7(a)及び(b)に示すよう
に、ピン断面形状が円のため相手部材へのピン圧入時に
相手部材、例えば、フロントハウジング12の被固定部
の孔部12b周辺に、符号111,112に示されるよ
うな、二点鎖線で示される元の位置からのピン圧入によ
る膨れ等の変形が発生し、他部品の組付け時に、カジリ
等の不具合が発生した。
【0010】さらに、スプリングピン105、108に
繰り返し荷重がかかるので、スプリングピン105、1
08が徐々に抜ける恐れが有る。
【0011】そこで、本発明の第1の技術的課題は、ピ
ン削除により部品点数を減らし、コスト低減が可能なス
クロール式圧縮機の回転阻止機構とその位置決め及び固
定方法を提供することにある。
【0012】また、本発明の第2の技術的課題は、フロ
ントハウジング側の被固定部の圧入変形による圧縮機組
み付け時の取り付け時のカジリ等の不具合の発生を防止
することができるスクロール式圧縮機の回転阻止機構と
その位置決め及び固定方法とを提供することにある。
【0013】また、本発明の第3の技術的課題は、相手
部材への直接組み付けによるピン圧入工程を削除するこ
とができるスクロール式圧縮機の回転阻止機構とその位
置決め及び固定方法を提供することにある。
【0014】さらに、本発明の第4の技術的課題は、ピ
ンの抜け等による回転阻止機構の離脱等の問題が生じな
いスクロール型圧縮機の回転阻止機構とその位置決め及
び固定方法を提供することにある。
【0015】
【課題を解決するための手段】本発明によれば、スクロ
ール式圧縮機の外郭部内に互いに対向して配置され、一
方が他方に対して、自転を阻止された相対的な旋回運動
を行う一対のスクロール部材の前記一方のスクロール部
材と前記外郭部との間に配置され、前記一方のスクロー
ル部材の自転を阻止する回転阻止機構において、前記回
転阻止機構は、前記外郭部の内部の被固定部に固定され
る第1のプレートと、前記一方のスクロール部材の被固
定部に固定される第2のプレートと、前記第1及び第2
のプレート間に配置されるスラストボールとを備え、前
記第1及び第2のプレートの内の少なくとも一方は、プ
レス絞りによって一体に形成された凸部を備え、前記凸
部を対応する被固定部に圧入することによって、当該ス
クロール部材と前記外郭部との間の位置決め及び固定を
行うように構成されていることを特徴とするスクロール
式圧縮機の回転阻止機構が得られる。
【0016】また、本発明によれば、前記スクロール式
圧縮機の回転阻止機構において、前記凸部の形状を、ピ
ン機能を持つ外形を有する形状としたことを特徴とする
スクロール式圧縮機の回転阻止機構が得られる。
【0017】また、本発明によれば、前記いずれかのス
クロール式圧縮機の回転阻止機構において、前記第1の
プレートに前記凸部が形成され、前記凸部の圧入時に発
生する被固定部の圧入部の変形を防止するように、前記
凸部の断面形状を非円形としたことを特徴とするスクロ
ール式圧縮機の回転阻止機構が得られる。
【0018】また、本発明によれば、前記スクロール式
圧縮機の回転阻止機構において、前記孔部の一径方向の
前記凸部と前記凸部が圧入される被固定部の圧入部の孔
部との間に隙間を有する形状であることを特徴とするス
クロール式圧縮機の回転阻止機構が得られる。
【0019】また、本発明によれば、スクロール式圧縮
機の外郭部内に互いに対向して配置され、一方が他方に
対して、自転を阻止された相対的な旋回運動を行う一対
のスクロール部材の前記一方のスクロール部材と前記外
郭部との間に配置され、前記一方のスクロール部材の自
転を阻止する回転阻止機構の位置決め及び固定方法にお
いて、前記回転阻止機構は前記外郭部及び前記一方のス
クロール部材の夫々の被固定部に夫々設けられる第1及
び第2のプレートを備え、前記第1及び第2のプレート
の内の少なくとも一方のプレートにプレス絞りにて、凸
部を設け、前記一方のプレートが固定される被固定部材
に、その凸部を圧入することで、前記一方のスクロール
部材の被固定部と前記外郭部の被固定部との相対的な位
置決めと固定を行うことを特徴とする回転阻止機構の位
置決め及び固定方法が得られる。
【0020】また、本発明によれば、前記回転阻止機構
の位置決め及び固定方法において、上記凸部の形状は、
ピン機能を持つ外形を有する形状としたことを特徴とす
る回転阻止部材の位置決め及び固定方法が得られる。
【0021】また、本発明によれば、前記いずれかの回
転阻止機構の位置決め及び固定方法において,前記外郭
部に設けられるプレートの凸部の断面形状を非円形と
し、前記凸部圧入時に発生する前記外郭部の被固定部に
設けられた圧入部の変形を防止することを特徴とする回
転阻止機構の位置決め及び固定方法が得られる。
【0022】また、本発明によれば、前記回転阻止機構
の位置決め及び固定方法において、前記外郭部の被固定
部に設けられた孔部と、前記凸部との間に前記孔部の径
方向に隙間を設けることを特徴とする回転阻止機構の位
置決め及び固定方法が得られる。
【0023】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て、図面を参照しながら説明する。
【0024】図1は本発明の第1の実施の形態によるス
クロール式圧縮機の断面図である。図1に示すように、
スクロール式圧縮機10は、この圧縮機の外郭部を形成
するカップ状のケーシング11と、このケーシング11
の開口側を閉塞するフロントハウジング12とを備えて
いる。ケーシング11の内部の底側には、スクロール部
材20が固定されて設けられ(以下、固定スクロール部
材と呼ぶ)、これに対向してフロントハウジング12側
には、もう一つのスクロール部材30が旋回運動可能に
形成されている(以下、可動スクロール部材と呼ぶ)。
【0025】固定スクロール部材20は、底板21と、
この一面に設けられた第1の渦巻体22と、底板21の
他面側に設けられケーシング11に固定するための固定
部23とを備えている。また、第1の渦巻体22の略中
心部の位置の底板21の部分には、一面側から他面側に
かけて貫通した吐出孔24を備えている。底板21とケ
ーシング11との間には、吐出室25が区画形成され、
一方、底板21とフロントハウジング12とケーシング
11とによって、圧縮部を含む吸入室26が規定されて
いる。尚、符号27は、吸入室26と吐出室25とを完
全に隔離するためのシールリングである。
【0026】吐出室25内で、吐出孔24を覆うよう
に、吐出弁28aが設けられ、その外側には、リテーナ
28bが設けられ、これらは、ボルト29によって、底
板21に固定されている。
【0027】一方、可動スクロール部材30には、底板
31と、底板31の一面側に第2の渦巻体32を備え、
第1の渦巻体22との間に、流体ポケットが形成される
圧縮空間33を形成している。底板31の他面側には、
円筒状に突出したボス部34が形成されている。
【0028】また、フロントハウジング12から円筒状
に、外方に突出して突出部13が設けられ、その中に
は、主軸35が収容されている。主軸35は、外側から
吸入室内部に向かって小径部35aと、これに続く大径
部35bとを備えている。大径部35b及び小径部35
aは、軸受け36a及び37を介してフロントハウジン
グ12に支持されている。また、軸受け36aよりも内
部で、軸受け37よりも外側の主軸35の周囲には、シ
ール部材38が設けられ、スナップリング39等によっ
て、フロントハウジング12に固定されている。また、
これに隣接して、油吸収のための円筒形状のフェルトリ
ング36bが設けられている。
【0029】主軸35の大径部35bの小径部35aと
は反対側の端部には、大径部35bの端面の偏心位置か
ら主軸35方向に沿って突出して、クランクピン51が
設けられている。クランクピン51は、偏心ブッシュ5
4に設けられた円形孔部54bに挿入されている。ま
た、偏心ブッシュ54の貫通孔54aには、カウンタバ
ランスウェイト55を固定するためのリベット52aが
貫通して設けられている。尚、符号52bもカウンタバ
ランスウェイト55を組み立て固定するためのリベット
である。この偏心ブッシュ54は、ボス部34内に軸受
け53を介して収容されている。
【0030】フロントハウジング12の突出部12aの
周囲には、電磁クラッチ40が配置されている。電磁ク
ラッチ40は、突出部12aの外周部に軸受け41を介
して配置されたロータ42を備えている。ロータ42
は、外円筒部42aと内円筒部42bとこれらの一端同
士を結ぶリング状の板体42cとを備え、直径方向に切
断するとその断面は、両側で夫々他端側が開口したコの
字状となるように形成されている。また、外円筒部42
aの外周面には、Vベルトを装着するためのV溝42d
が設けられている。ロータ42内には電磁石装置43が
配置されている。さらに、ロータ42の一端面に対向し
てクラッチ板44が設けられている。クラッチ板44
は、磁性材料からなるクラッチ板本体45とクラッチ基
部46とこれらを連結する板ばね部材47とを備えてい
る。このクラッチ板44は、クラッチ基部46におい
て、主軸35の一端に固定部材48によって、固定され
ている。クラッチ板44の板ばね部材47は、クラッチ
基部44に対して、主軸35方向の左側、即ち、ロータ
42からクラッチ板本体45が離れる方向に付勢してい
る。
【0031】ここで、外部の駆動源によって、ロータ4
2が回転しているときに、電磁石装置43が動作する
と、クラッチ板本体45は、ロータ42の一端面側に吸
引されて、ロータ42とともに回転することになる。ク
ラッチ板44が回転すると、主軸35も回転し、ロータ
42の回転は、主軸35に伝達される。
【0032】主軸35の回転運動は、クランクピン51
の軸周りの回転運動に変換され、ボス部34内の偏心ブ
ッシュ54の軸周りの回転運動に変換される。
【0033】ここで、吸入室26内の可動スクロール部
材30のボス部34の周囲とフロントハウジング12と
の間には、回転阻止機構50が配置されている。
【0034】偏心ブッシュ54の回転運動に伴い、可動
スクロール部材30が固定スクロール部材20に対して
中心軸周りの旋回運動を行うわけであるが、可動スクロ
ール部材30自体が軸周りの回転運動を行ってしまって
は、渦巻体22,32内の流体ポケットが、インボリュ
ート曲線に沿って中心部に移動することが行われないの
で、圧縮作用が全く働かない。そこで、可動スクロール
部材30の軸周りの回転を阻止するために、回転阻止機
構50が設けられている。
【0035】以上までは、従来技術によるスクロール式
圧縮機と同様の構成を有している。
【0036】本発明の第1の実施の形態においては、回
転阻止機構50が従来技術によるものと異なる構造を有
している。
【0037】回転阻止機構50は、ケ−シング11内の
フロントハウジング12の一端に設けられた第1のレー
スプレート1と、可動スクロール部材30の底板31の
他端面のボス部34の周辺に設けられた第2のレースプ
レート2と、第1のレースプレート1と第2のレースプ
レート2との間に設けられたスラストボール3とを備え
ている。
【0038】図2(a)は本発明の第1の実施の形態に
よる回転阻止機構の第1のレースプレート1の取り付け
状態を示す正面図、図2(b)は図2(a)のIIB−II
Bにおける部分断面図であり、併せてボール転走溝の断
面を示している。
【0039】図2(a)及び(b)に示すように、第1
のレースプレート1は、リング状の板体1aからなり、
一面からエンボス加工を施すことによって、一面側は、
ボール転走溝4が同心円状に設けられ、他面側には、こ
のボール転走溝4とは逆に凹凸が形成された突出部が設
けられている。また、ボール転走溝4よりも外周部に
は、直径方向の対向して他面側に、即ち、図2(a)に
おいては、後円筒状に突出した凸部5が設けられてい
る。この第1のレースプレート1は、フロントハウジン
グ12の被固定部12cに設けられた孔部12bに凸部
5を圧入することによって、被固定部12cに装着固定
される。
【0040】図3(a)は本発明の第1の実施の形態に
よる回転阻止機構の第2のレースプレート2の取り付け
状態を示す正面図、図3(b)は図3(a)のIIIB−I
IIBにおける部分断面図であり、ボール転送溝の断面を
示している。
【0041】図3(a)及び(b)に示すように、第2
のレースプレート2は、第1のレースプレート1と同様
に、リング状の板体2aからなり、一面からエンボス加
工を施すことによって、ボール転走溝6が同心円状に設
けられている。また、ボール転走溝6よりも、半径方向
内側、即ち、内周部には、直径方向の対向して他面側に
円筒状に突出した凸部7が設けられている。この第2の
レースプレート2は、可動スクロール部材30の底板3
1の背面に、即ち、第2のスクロール部材30の渦巻体
32が設けられた面とは、反対側の他面の被固定部31
bに設けられた圧入部である孔部31aに凸部7を圧入
することによって、被固定部31bに装着固定される。
【0042】このように、第1の実施の形態において
は、第1及び第2のレースプレート1,2に夫々凸部
5,7を設けることにより、フロントハウジング12及
び可動スクロール部材30等の相手部材の被固定部31
bの孔部12b,31aに、直接プレート1,2の凸部
5,7を圧入し、位置決め及び固定を実施することがで
きる。
【0043】図4(a)は本発明の第2の実施の形態に
よるスクロール式圧縮機の第1のレースプレートの取り
付け状態を示す部分正面図、図4(b)は(a)のIVB
−IVB線に沿う部分断面図であり、併せてボール転走溝
の断面を示している。
【0044】本発明の第2の実施の形態による圧縮機
は、回転阻止機構50のレースプレートの構造が異なる
他は、第1の実施の形態によるものと同様の構造を有し
ている。
【0045】即ち、図4(a)及び(b)に示すよう
に、第1のレースプレート1は、リング状の板体1aか
らなり、エンボス加工を施すことによって、一面にボー
ル転走溝4が同心円状に設けられ、他面側には、これに
対応した凸形状の突部が形成されている。また、ボール
転走溝4よりも外周部には、直径方向の両端に、互いに
対向し且つ他面側に向かって、即ち、図4(a)では後
方に、円筒状に突出した凸部5′が設けられている。こ
の第1のレースプレート1は、フロントハウジング12
に設けられた孔部12に凸部5′を圧入することによっ
て、固定部12cに装着固定されるわけであるが、ここ
で、この凸部5′は、半径方向外側の外周部分が若干偏
平形状となっている。このため、孔部12aに装着の際
には、隙間8を生じるように、挿入される。このよう
に、本発明の第2の実施の形態によれば、凸部5断面形
状の変更(隙間設置)により、凸部5′の圧入時に発生
するフロントハウジング12の側の圧入部、即ち、被固
定部12cの変形を防止することができる。
【0046】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
スプリングピン削除により部品点数を減らし、コスト低
減が可能なスクロール式圧縮機の回転阻止機構とその位
置決め及び固定方法を提供することにができる。
【0047】また、本発明によれば、プレス成形により
位置精度の向上が可能なスクロール式圧縮機の回転阻止
機構とその位置決め及び固定方法を提供することができ
る。
【0048】また、本発明によれば、フロントハウジン
グ側の圧入変形による圧縮機組み付け時の取り付け時の
カジリ等の不具合の発生を防止することができるスクロ
ール式圧縮機の回転阻止機構とその位置決め及び固定方
法を提供することができる。
【0049】また、本発明によれば、相手部材への直接
組み付けによるピン圧入工程を削除することができるス
クロール式圧縮機の回転阻止機構とその位置決め及び固
定方法を提供することができる。
【0050】さらに、本発明によれば、ピンの抜け等の
問題が生じないので、回転阻止機構の脱落のないスクロ
ール式圧縮機の回転阻止機構とその位置決め及び固定方
法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態によるスクロール式
圧縮機の断面図である。
【図2】(a)は本発明の第1の実施の形態による回転
阻止機構の第1のレースプレート1の取り付け状態を示
す正面図である。(b)は(a)のIIB−IIB線におけ
る部分断面図であり、併せてボール転走溝の断面も示し
ている。
【図3】(a)は本発明の第1の実施の形態による回転
阻止機構の第2のレースプレート2の取り付け状態を示
す正面図である。(b)は(a)のIIIB−IIIB線にお
ける部分断面図であり、併せてボール転走溝の断面も示
している。
【図4】(a)は本発明の第2の実施の形態によるスク
ロール式圧縮機の第1のレースプレートの取り付け状態
を示す部分正面図である。(b)はIVB−VIB線におけ
る部分断面図であり、併せてボール転走溝の断面も示し
ている。
【図5】(a)は従来のスクロール式圧縮機の回転阻止
機構の第1のレースプレート101の取り付け状態を示
す正面図である。(b)は(a)の第1のレースプレー
ト101の取り付け状態を示すVB−VB線における部
分断面図である。
【図6】(a)は従来のスクロール式圧縮機の回転阻止
機構の第2のレースプレート102を示す正面図であ
る。(b)は第2のレースプレート102の取り付け状
態を示すVIB−VIB線における部分断面図であり、併せ
てボール転走溝の断面も示している。
【図7】(a)及び(b)は従来技術による回転阻止機
構の欠点の説明に供せられる図である。
【符号の説明】
1 第1のレースプレート 1a 板体 2 第2のレースプレート 2a 板体 3 スラストボール 4,6 ボール転走溝 5 凸部 5′ 凸部 7 凸部 10 スクロール式圧縮機 11 ケーシング 12 フロントハウジング 12a,12b 孔部 12c 被固定部 13 突出部 20 固定スクロール部材 21 底板 22 第1の渦巻体 23 固定部 24 吐出孔 25 吐出室 26 吸入室 27 シールリング 28a 吐出弁 28b リテーナ 30 可動スクロール部材 31 底板 31a 孔部 31b 被固定部 32 第2の渦巻体 33 圧縮空間 34 ボス部 35 主軸 35a 小径部 35b 大径部 36a、37 軸受け 36b フェルトリング 38 シール部材 39 スナップリング 40 電磁クラッチ 41 軸受け 42 ロータ 42a 外円筒部 42b 内円筒部 42c リング状の板体 42d V溝 43 電磁石装置 44 クラッチ板 45 クラッチ板本体 46 クラッチ基部 47 板ばね部材 48 固定部材 50 回転阻止機構 51 クランクピン 52a,52b リベット 53 軸受け 54 偏心ブッシュ 55 カウンタバランスウェイト 101 第1のレースプレート 101a 板体 102 第2のレースプレート 102a 板体 103,106 ボール転走溝 104,107 孔部 105,108 スプリングピン

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 スクロール式圧縮機の外郭部内に互いに
    対向して配置され、一方が他方に対して、自転を阻止さ
    れた相対的な旋回運動を行う一対のスクロール部材の前
    記一方のスクロール部材と前記外郭部との間に配置さ
    れ、前記一方のスクロール部材の自転を阻止する回転阻
    止機構において、前記回転阻止機構は、前記外郭部の内
    部の被固定部に固定される第1のプレートと、前記一方
    のスクロール部材の被固定部に固定される第2のプレー
    トと、前記第1及び第2のプレート間に配置されるスラ
    ストボールとを備え、前記第1及び第2のプレートの内
    の少なくとも一方は、プレス絞りによって一体に形成さ
    れた凸部を備え、前記凸部を対応する被固定部に圧入す
    ることによって、当該スクロール部材と前記外郭部との
    間の位置決め及び固定を行うように構成されていること
    を特徴とするスクロール式圧縮機の回転阻止機構。
  2. 【請求項2】 請求項1記載のスクロール式圧縮機の回
    転阻止機構において、前記凸部の形状を、ピン機能を持
    つ外形を有する形状としたことを特徴とするスクロール
    式圧縮機の回転阻止機構。
  3. 【請求項3】 請求項1又は2記載のスクロール式圧縮
    機の回転阻止機構において、前記第1のプレートに前記
    凸部が形成され、前記凸部の圧入時に発生する被固定部
    の圧入部の変形を防止するように、前記凸部の断面形状
    を非円形としたことを特徴とするスクロール式圧縮機の
    回転阻止機構。
  4. 【請求項4】 請求項3記載のスクロール式圧縮機の回
    転阻止機構において、前記孔部の一径方向の前記凸部と
    前記凸部が圧入される被固定部の圧入部の孔部との間に
    隙間を有する形状であることを特徴とするスクロール式
    圧縮機の回転阻止機構。
  5. 【請求項5】 スクロール式圧縮機の外郭部内に互いに
    対向して配置され、一方が他方に対して、自転を阻止さ
    れた相対的な旋回運動を行う一対のスクロール部材の前
    記一方のスクロール部材と前記外郭部との間に配置さ
    れ、前記一方のスクロール部材の自転を阻止する回転阻
    止機構の位置決め及び固定方法において、前記回転阻止
    機構は前記外郭部及び前記一方のスクロール部材の夫々
    の被固定部に夫々設けられる第1及び第2のプレートを
    備え、前記第1及び第2のプレートの内の少なくとも一
    方のプレートにプレス絞りにて、凸部を設け、前記一方
    のプレートが固定される被固定部材に、その凸部を圧入
    することで、前記一方のスクロール部材の被固定部と前
    記外郭部の被固定部との相対的な位置決めと固定を行う
    ことを特徴とする回転阻止機構の位置決め及び固定方
    法。
  6. 【請求項6】 請求項5記載の回転阻止機構の位置決め
    及び固定方法において、上記凸部の形状は、ピン機能を
    持つ外形を有する形状としたことを特徴とする回転阻止
    機構の位置決め及び固定方法。
  7. 【請求項7】 請求項5又は6記載の回転阻止機構の位
    置決め及び固定方法において,前記外郭部に設けられる
    プレートの凸部の断面形状を非円形とし、前記凸部圧入
    時に発生する前記外郭部の被固定部に設けられた圧入部
    の変形を防止することを特徴とする回転阻止機構の位置
    決め及び固定方法。
  8. 【請求項8】 請求項6記載の回転阻止機構の位置決め
    及び固定方法において、前記外郭部の被固定部に設けら
    れた孔部と、前記凸部との間に前記孔部の径方向に隙間
    を設けることを特徴とする回転阻止機構の位置決め及び
    固定方法。
JP10344323A 1998-12-03 1998-12-03 スクロール型圧縮機の回転阻止機構とその位置決め及び固定方法 Ceased JP2000170670A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2003065247A (ja) * 2001-08-30 2003-03-05 Showa Corp ベーンポンプ
WO2007148859A1 (en) * 2006-06-23 2007-12-27 Doowon Technical College A scroll compressor having rotation prevention mechanism

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