JP2000170235A - 衛生陶器取付フランジ - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 （修正有） 【課題】衛生陶器の取付用フランジにおいて、部品の共
通化、簡易化、施工性の向上を目的とする。 【解決手段】取付ボルトをフランジ本体より外した独立
部材とし、重厚な既存フランジを平板な円盤状薄板と
し、円盤状フランジに接続管との接続を容易化の為のソ
ケット部を構成せしめ、衛陶取付の芯合せ、ボルトの位
置設定、装着方法を寸法台紙との構成としたものであ
る。

Description

【発明の詳細な説明】 【産業上の利用分野】

【０００１】大、小便器、流し等々の衛生陶器（以下衛
陶と称する）の取付には、フランジが使用されている。

【従来の技術】

【０００２】（ア）フランジは、衛陶と接続排水管との
接続の為の媒介継手であるが、衛陶取付時に、衛陶を接
続排水管に対して覆う形の設置となる為、その部位を目
視出来ず、接続排水管との芯合わせが不可能となる。為
にフランジ構造内にＴボルト装着部を形成、これにＴボ
ルトを装着、立ちげておき、衛陶取付孔に、このＴボル
トを嵌合し取り付ける。このようにすると、衛陶排水口
（２０）の外周に予め装着の粘着性ガスケットが衛陶排
水口とフランジ上面に密接シールされるのが現在の既存
のフランジであり、施工法、即ち現在技術である。 （イ）しかしながら、このＴボルト装着部をフランジ構
造内に持つ為、総ての既存フランジは重厚なものとなっ
ている。本発明者の調べでは１０〜２０ｍｍ厚さが通常
である。且つＴボルト装着部位だけ外径寸法形状は大き
くなっている。 （ウ）又Ｔボルト装着部を構造内に持つとは、Ｔボルト
位置、即ち取付の芯々寸法は固定されている事であり、
芯々寸法が相違する衛陶には使用出来ない、即ち取付の
芯々寸法の相違する衛陶毎の多種のフランジが必要にな
っている。 （エ）尚又、衛陶取付時に、立ち上げのＴボルトに嵌
合、芯合せ後衛陶の取付方向、角度調整が行われる為
に、Ｔボルト装着部は同心円の長溝形状となっている、
長溝形状は方向、角度調整に必要な機構であるが、角度
調整作業時に、Ｔボルトがスムースに同調しない、為に
Ｔボルトが斜め状になった状態で締め付け完了と誤認す
るケースも生じる、又調整作業中に外れてしまう問題
等、意外に煩わしい作業がついて回る。 （オ）この為、最近のフランジには、ルーズ方式の長溝
を改造、固定穴のＴボルト装着とするフランジが出始め
ている。それほどに長溝のルーズ方式には問題がある証
左であるが、この固定式の構造の場合は、フランジを固
定せず仮置きの状態でＴボルトを装着、立上げておき、
衛陶を嵌合、方向、角度調整を行い、決定後、位置がず
れ込む事のないように、慎重に衛陶を取外し、更めてフ
ランジをビス固定し、再び衛陶を嵌合する手順の作業を
行う事となる、 （カ）尚又、フランジは、衛陶排水口（２０）の下端
と、接地面との間隙に敷設されるものであるが、この間
隙が僅少であると、この間隙以上の厚いなフランジは衛
陶が持ち上がってしまい使用出来ない。為にフランジ内
径部は添付参考図（９）の（２２）に示す如く、断面
「へ」の字状に下方に下がっている形状となっている。
即ち衛陶排水口部位に間隙を形成する為の形状である
が、このフランジを接地面に取付けるには、断面「へ」
の字状の下がり形状分だけ、接続排水管周囲の接地面の
カット、切削（２３）作業を予め施行しておかねばなら
ない難作業が必要となる。この形状フランジが既存フラ
ンジの標準フランジである。

【本考案が解決しようとする課題】

【０００３】本発明は、既成フランジ、施行の概念、技
術を根底より変える事により前述の各問題点を解決し、
共通化、簡易化しながら、容易確実な施行を図るもので
ある。

【課題を解決するための手段】

【０００４】上述から、接続排水管との芯合わせ、衛陶
取付の為の取付ボルトを有する事、シール機能を保持す
る為の設置面と衛陶排水口との隔壁の構成及び平滑面を
備えている事等々がフランジでの役務であり、施行上の
要件である。これらを満たす事が出来れば既存フランジ
の構造に拘束されることはない。以上より

【０００５】取付ボルト装着部があるから重厚構造に
なるなら取付ボルト装着部を外せば良い。 接続管との芯合せ、衛陶取付はフランジ構造内に装着
のＴボルト、に拘束される事はない。 厚くて使用出来ないなら薄くすればよい。 隔壁、平滑面の構成は材質、厚さには関係ない。 以上の考察を基にして

【０００６】取付ボルト装着部をフランジ構造内より
外し、独立した別付属材とした。 フランジ構造内よりＴボルト装着部を外す事により、
フランジ、厚さは、強度、耐食、等の耐久度のみを考慮
すれば極限まで薄板にすることが出来る、 薄板にする事により、衛陶排水口の設置面の間隙に伴
う事前施行、即ち接地面の切削作業は不要となる。 又隔壁、平滑面の構成も達成される。 同時にフランジ形状の小径化、軽量化もかなえるられ
る。 又取付ボルトを独立部材とする事により、固定された
芯々寸法の拘束がなくなり、適応対象衛陶種の範囲が大
きく広がり共通化が実現出来る。

【０００７】これらを図と共に説明すると （ア）図１ａ〜図５に示す如く衛陶取付ボルト装着部を
フランジ構造内より外し取付ボルト（１０）又は（１
１）のアンカーボルト方式等任意のボルトを別部材と
し、フランジ本体は薄い円盤状とした。 （イ）図４は、図１ａの円盤状フランジの内径に、一体
に形成した筒状ソケット（１）の外径に、挿入接続する
排水管内径に密接する外径を有する、合成樹脂又はゴム
等の軟質材を素材とする外筒を密接嵌合し、筒状ソケッ
ト外筒（２ｂ）を構成せしめたものである。図５は接続
排水管が、ネジ付きの鋼管等の場合の筒状ソケットを示
すものである。 （ウ）図（２）は、合成樹脂又はゴム等の軟質材を素材
とする筒状ソケット外筒の外周に、胴部に接するリップ
下面の根本に、内方向の、環状の凹部（４）を形成した
径差あるリップ（５）及（６）を構成する筒状ソケット
外筒（２ａ）としたものである。 （エ）図（６ａ）及び図（６ｂ）は、中央部位にフラン
ジ外径近似径の開口部（７）を持ち、表面に円、線、等
の寸法線（９）又は取付対象衛陶名、又は取付芯々寸法
（８）を表記した寸法台紙である。図（６ｃ）は、台紙
の形状を、使用対象衛陶の下部袴形状としたものであ
り、この場合は使用対象衛陶専用寸法台紙とするもので
ある。

【作用、実施例】

【０００８】（ア）図（８）は、接地面より突出するよ
うに配管した接続排水管に芯を合わせ、円盤状フランジ
を接地面に取付、接続排水管の立上がり管端をラッパ状
に広げ、フランジ上面にに密接装着し、別部材とした取
付ボルト（１０）を衛陶取付穴に装着し、ボルトに合わ
せ、衛陶を接地面に取付けた実施例である。 （イ）図（７）は、接続排水管を（１６）を、接地面に
合わせてカット配管、接続排水管内径に、ソケットフラ
ンジのソケット部を挿入嵌合する事のみでフランジは、
接続管と接続、且つ接地面に装着完了となる。後は前項
と同要領により取付の実施例であるが、径差あるリップ
の、径の大きいリップ（５）は、リップ下面根本の環状
の凹部（４）がリップの押し曲げを容易にし、小径のリ
ップ（６）と共に小径の排水管、例えばＶＰ管との接
続、シールを容易にする。内径の大きい、例えばＶＵ管
の場合は、径の大きいリップ（５）によって接続、シー
ルされる。本出願人の接続テストでは、径差直径約１２
粍前後の巾内の排水管の径差は吸収、対応出来る。 （ウ）図（９）は、既存フランジの取付実施例を示すも
のであるが、衛陶排水口と、接地面との間隙が少ない対
応として、フランジの内径部の立下り（２２）の為、取
付の場合の接続排水管の周囲、接地面の切削（２３）の
必要性を示している既存フランジの標準形状、取付施工
法であるが、本発明は実施例に示す如くこの施行は全く
必要ない。 （エ）尚又、寸法台紙を使用の場合は、接続排水管に、
芯を合せし（ソケットフランジの場合は、ソケット部
を、排水管に挿入する事のみで接続管との接続完了であ
り、芯合せは不要）次いで寸法台紙の開口部にフランジ
を合わせ寸法台紙を敷設、衛陶によらず寸法台紙によっ
てのみ、即ち「紙」によって衛陶の取付角度方向を決定
出来、次いで寸法台紙に表記の寸法線、芯寸法、取付対
象衛陶名により取付ボルト位置を選定、ボルトを装着
し、衛陶を取り付ける。この寸法台紙は、ボルト位置選
定のみでなく、衛陶の取付角度方向の決定の機能をもっ
ているから、既存のフランジに使用しても効力を発揮す
るが、本発明フランジと組み合わせ使用すれば、より大
きな効果を発揮する。

【効果】

【０００９】このようにすると 「施行効果」

【００１０】（１）衛陶排水口と設置面の間隙に制約さ
れず使用出来る。 （２）且つ接続管の周囲、接地面のカット、切削作業は
不要となる。 （３）取付芯寸法（ボルト位置）が固定化されず、対象
適用衛陶の範囲が拡大し、従来不可能であった共通化が
実現出来る。 （４）構成するソケット部は、芯合わせを不要とし、径
差あるリップを有するするソケット部は内径の相違する
各種排水管に１種で対応出来る。 （５）寸法台紙は、衛陶の仮置き作業を省力化し、フラ
ンジのボルト位置決定の簡略化、衛陶の取付の方向、角
度を、衛陶によらず「台紙」のみで可能とし、及び専用
でなくても良い取付ボルトによる固定装着を可能とす
る。以上施工の確実性、容易性を増しての施工性の向上
を大幅に図れる。 「価格、費用効果」

【００１１】（６）薄板、小径化は、軽量、小型化と大
幅な価格の低減が図れる。 （７）同時に少品種化は、管理の容易性、在庫量を含め
た管理費、及び配送費の低減につながる。 （８）同時に共通化による少品種化は、１種当たりの生
産量のアップとなり、且つ治具、金型等の設備費額の節
減等々、生産単価の低減となる。以上価格、管理費用関
連効果も大きい。

【図面の簡単な説明】

【００１１】図１ａ 薄板円盤状フランジ側面図 図１ｂ 薄板円盤状フランジ上面半面図 図２ ソケットフランジ側面半断面図 図３ａ 取付ボルト側面図 図３ｂ 取付ボルト（アンカーボルト）側面図 図４ ソケットフランジ側面半断面図 図５ ケットフランジ側面半断面図（ネジ付き） 図６ａ 寸法台紙 図６ｂ 寸法台紙（帯状タイプ） 図６ｃ 寸法台紙（使用対象下部袴形状タイプ） 図７ ソケットフランジ取付実施例側面半断面図 図７（ア）ソケットフランジ取付実施例部分拡大図 図８ 薄板円盤状フランジ取付実施例側面半断面図 図９ 参考図（既存フランジ取付実施例側面半断面
図）

【符号の説明】 ８，対象適応衛陶名、芯寸法 １，筒状ソケット ９，円、線等の寸
法線 ２ａ，筒状ソケット外筒 １０、衛陶取付ボ
ルト ２ｂ．筒状ソケット外筒 １１、陶取付ボル
ト（アンカーボルト） ３ａ，薄板円盤状フランジ １２，ボルト取付
ビス ３ｂ，薄板円盤状フランジ排水口 １３、 フランジ
取付ビス ４，リップ根本の環状の凹部 １４、 フランジ
取付ビス穴 ５、筒状ソケット外筒リップ（大）、１５、 Ｏリング ６、筒状ソケット外筒リップ（小），１６、 接続排水
管 ７，フランジ外径寸法開口部 １７、 粘着性ガ
スケット １８、衛陶下部袴 ２１、 壁、床内
径立下り １９、接地面 ２２、 既存フラ
ンジ ２０、衛陶排水口 ２３、 接地面カ
ット部

Claims (5)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】内径に排水口（３ｂ）を構成した、接地面
   に取付のビス穴（１４）を備えた薄板円盤状フランジ
   （３ａ）と、フランジ本体と分離された，大小便器、流
   し、等の衛生陶器取用ボルト（１０）又は（１１）を付
   随させる構成の衛生陶器取付用フランジ。
2. 【請求項２】中心部位にフランジ外径近似径の排水口
   （７）を備え、円、線、等の寸法線、又は衛生陶器取付
   芯々寸法（９）又は取付、適応衛生陶器名（８）を表記
   した衛生陶器取付用寸法台紙。
3. 【請求項３】（ア）衛生陶器取付用ボルト（１０）又は
   （１１）を、フランジ本体外の付属として付随させ、 （イ）上端部に、一体に連結する薄板円盤状フランジを
   構成する筒状ソケット（１）の外周に、 （ウ）外径を接続管内径に密接する構成の外径構造を有
   する合成樹脂又はゴム等の軟質材を素材とする、筒状ソ
   ケット外筒（２ｂ）を密接嵌合させた構成の衛生陶器取
   付用ソケットフランジ。
4. 【請求項４】（ア）衛生陶器取付用ボルト（１０）又は
   （１１）を、フランジ本体外の付属として付随させ、 （イ）上端部に一体に連結する薄板円盤状フランジを構
   成する筒状ソケット（１）外周に、 （ウ）外径に、接続排水管の内径に密接する外径を有す
   る径差あるリップ（５）及（６）を持つ樹脂又はゴム等
   の軟質材を素材とする筒状ソケット外筒（２ａ）を密接
   嵌合させた構成の外径構造を有する衛生陶器取付用ソケ
   ットフランジ。
5. 【請求項５】前、「請求項１」の衛生陶器取付用フラン
   ジ及び「請求項３」「請求項４」の衛生陶器取付用ソケ
   ットフランジと「請求項２」の寸法台紙の組み合わせ構
   成の衛生陶器取付用フランジ。