JP2000169500A - 冬コムギ耐凍性関連性タンパク質cwpm23のペプチド断片 - Google Patents
冬コムギ耐凍性関連性タンパク質cwpm23のペプチド断片Info
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- C—CHEMISTRY; METALLURGY
- C07—ORGANIC CHEMISTRY
- C07K—PEPTIDES
- C07K14/00—Peptides having more than 20 amino acids; Gastrins; Somatostatins; Melanotropins; Derivatives thereof
- C07K14/415—Peptides having more than 20 amino acids; Gastrins; Somatostatins; Melanotropins; Derivatives thereof from plants
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 凍結耐性の高められた植物、動物および微生
物を遺伝子工学的に作製するために、植物の凍結耐性発
現に寄与する細胞膜タンパク質を同定する。 【解決手段】 冬コムギの凍結耐性に関与するCWPM
23タンパク質を精製し、部分アミノ酸配列を決定す
る。
物を遺伝子工学的に作製するために、植物の凍結耐性発
現に寄与する細胞膜タンパク質を同定する。 【解決手段】 冬コムギの凍結耐性に関与するCWPM
23タンパク質を精製し、部分アミノ酸配列を決定す
る。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、冬コムギの凍結耐
性に寄与する細胞膜タンパク質CWPM23の精製、部
分配列決定およびその利用に関する。
性に寄与する細胞膜タンパク質CWPM23の精製、部
分配列決定およびその利用に関する。
【0002】
【従来の技術】植物の凍結傷害は細胞膜外氷晶の形成に
より、細胞が脱水収縮されるときに起こる細胞膜の不可
逆的損傷が主な原因である考えられている。秋から冬に
かけての耐凍性獲得の過程においては新たに誘導された
特異的なタンパク質の作用により、細胞膜が安定化さ
れ、凍結傷害が回避されていると考えられる。このよう
な凍結傷害に耐性を持つ生物の分子育種を行うために、
植物の低温誘導性のタンパク質を遺伝子工学的に導入、
発現させる試みが行われてきた。
より、細胞が脱水収縮されるときに起こる細胞膜の不可
逆的損傷が主な原因である考えられている。秋から冬に
かけての耐凍性獲得の過程においては新たに誘導された
特異的なタンパク質の作用により、細胞膜が安定化さ
れ、凍結傷害が回避されていると考えられる。このよう
な凍結傷害に耐性を持つ生物の分子育種を行うために、
植物の低温誘導性のタンパク質を遺伝子工学的に導入、
発現させる試みが行われてきた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、これらの低温
誘導性タンパク質はほとんどが親水性のものであり、実
際に凍結傷害の起こる細胞膜とは別の場所に存在するも
のであった。そして凍結耐性の付与にはこれら親水性タ
ンパク質の遺伝子導入の効果は十分でないことが指摘さ
れてきたが、疎水性の高い細胞膜タンパク質の精製は容
易ではなく、その機能解析および利用はなされておら
ず、細胞膜の低温誘導性タンパク質同定および精製が必
要とされる。
誘導性タンパク質はほとんどが親水性のものであり、実
際に凍結傷害の起こる細胞膜とは別の場所に存在するも
のであった。そして凍結耐性の付与にはこれら親水性タ
ンパク質の遺伝子導入の効果は十分でないことが指摘さ
れてきたが、疎水性の高い細胞膜タンパク質の精製は容
易ではなく、その機能解析および利用はなされておら
ず、細胞膜の低温誘導性タンパク質同定および精製が必
要とされる。
【0004】CWPM23タンパク質は冬コムギの低温
馴化過程において特異的に誘導される細胞膜タンパク質
であり、冬コムギの実生において耐凍性の増加と並行し
て細胞膜に蓄積する。CWPM23タンパク質の誘導は
冬コムギでは顕著であるが、耐凍性の低い春コムギには
見られないことから、冬コムギの持つ高い耐凍性との関
わりが示唆される。そのようなCWPM23遺伝子を他
の植物に導入することができれば、すぐれた耐凍性、耐
乾燥性を持つ作物をつくり出すことが可能となる。そこ
で、冬コムギより細胞膜画分を調製してCWPM23タ
ンパク質を精製し、酵素処理によりペプチド断片を得
た。さらにそのアミノ酸分析を行い、アミノ酸配列を決
定した。
馴化過程において特異的に誘導される細胞膜タンパク質
であり、冬コムギの実生において耐凍性の増加と並行し
て細胞膜に蓄積する。CWPM23タンパク質の誘導は
冬コムギでは顕著であるが、耐凍性の低い春コムギには
見られないことから、冬コムギの持つ高い耐凍性との関
わりが示唆される。そのようなCWPM23遺伝子を他
の植物に導入することができれば、すぐれた耐凍性、耐
乾燥性を持つ作物をつくり出すことが可能となる。そこ
で、冬コムギより細胞膜画分を調製してCWPM23タ
ンパク質を精製し、酵素処理によりペプチド断片を得
た。さらにそのアミノ酸分析を行い、アミノ酸配列を決
定した。
【0005】このようにして決定された部分アミノ酸配
列に基づいて作成したオリゴヌクレオチドプライマーを
用いてPCRを行えば、CWPM23タンパク質をコー
ドする遺伝子を単離することが可能である。単離したC
WPM23遺伝子は作物の育種において重要な利用価値
を有することが期待され、遺伝子工学的にCWPM23
遺伝子を他の植物に導入することにより、すぐれた耐凍
性、耐乾燥性を持つ作物をつくり出すことが可能であ
る。また、植物の育種のみならず、当該遺伝子を発現さ
せた形質転換体微生物および動物を作成することによ
り、その凍結時における細胞の生存率が向上することが
期待される。動物に導入する例では肉、魚など凍結保存
された食品の鮮度の向上、微生物ではパン生地など中間
発酵産物の凍結保存にも利用可能である。また、CWP
M23が耐凍性の高いチホクコムギ、ノースターといっ
た冬コムギ品種に顕著に誘導されることから、ムギ類の
育種においてCWPM23遺伝子が耐凍性の高い作物の
分子育種マーカーとして有用であるとも考えられる。
列に基づいて作成したオリゴヌクレオチドプライマーを
用いてPCRを行えば、CWPM23タンパク質をコー
ドする遺伝子を単離することが可能である。単離したC
WPM23遺伝子は作物の育種において重要な利用価値
を有することが期待され、遺伝子工学的にCWPM23
遺伝子を他の植物に導入することにより、すぐれた耐凍
性、耐乾燥性を持つ作物をつくり出すことが可能であ
る。また、植物の育種のみならず、当該遺伝子を発現さ
せた形質転換体微生物および動物を作成することによ
り、その凍結時における細胞の生存率が向上することが
期待される。動物に導入する例では肉、魚など凍結保存
された食品の鮮度の向上、微生物ではパン生地など中間
発酵産物の凍結保存にも利用可能である。また、CWP
M23が耐凍性の高いチホクコムギ、ノースターといっ
た冬コムギ品種に顕著に誘導されることから、ムギ類の
育種においてCWPM23遺伝子が耐凍性の高い作物の
分子育種マーカーとして有用であるとも考えられる。
【0006】
【実施例】(粗ミクロソーム画分の調製)冬コムギから
の粗ミクロソーム画分ならびに細胞膜画分の調製は基本
的にZhouら(Zhou et al.(1994)Plant Cell Physiol.3
5:175-182)の方法に従っておこなった。低温馴化させ
た冬コムギ(TriticumaestivumL.cv.Chihokukomigi)の
地上部(苗条)を約3mm幅に刻んだ後、30gの新鮮
重量の冬コムギに対して100mlの氷冷した抽出バッ
ファー[50mM MOPS−KOH(pH7.6)、
330mM sucrose、5mM EGTA、3m
M EDTA、30mM NaCl、10mM Na
F、0.2%(w/v)casein hydroly
zate、2.5mM K2 P2 O5 、1%(w/
v))PVPP、2mM PMSF、10μg/ml
BHT]に浸し、直ちにPolytron PT10−
35にて破砕した。破砕液を4重のガーゼにて濾過した
後、濾液を10,000gで20分間遠心分離して上清
を得た。この上清を35,000gで40分間遠心分離
して得られた沈殿を適量(30−50ml程度)のSK
Pバッファー[10mM K−phosphate(p
H7.6)、330mM sucrose、1mM E
GTA、1mM DTT]に懸濁し、再度10,000
gで20分間遠心分離して上清を回収した。これを、2
00,000gで20分間遠心分離して得られた沈殿を
少量のSKPバッファーに懸濁し、これを粗ミクロソー
ム画分とした。
の粗ミクロソーム画分ならびに細胞膜画分の調製は基本
的にZhouら(Zhou et al.(1994)Plant Cell Physiol.3
5:175-182)の方法に従っておこなった。低温馴化させ
た冬コムギ(TriticumaestivumL.cv.Chihokukomigi)の
地上部(苗条)を約3mm幅に刻んだ後、30gの新鮮
重量の冬コムギに対して100mlの氷冷した抽出バッ
ファー[50mM MOPS−KOH(pH7.6)、
330mM sucrose、5mM EGTA、3m
M EDTA、30mM NaCl、10mM Na
F、0.2%(w/v)casein hydroly
zate、2.5mM K2 P2 O5 、1%(w/
v))PVPP、2mM PMSF、10μg/ml
BHT]に浸し、直ちにPolytron PT10−
35にて破砕した。破砕液を4重のガーゼにて濾過した
後、濾液を10,000gで20分間遠心分離して上清
を得た。この上清を35,000gで40分間遠心分離
して得られた沈殿を適量(30−50ml程度)のSK
Pバッファー[10mM K−phosphate(p
H7.6)、330mM sucrose、1mM E
GTA、1mM DTT]に懸濁し、再度10,000
gで20分間遠心分離して上清を回収した。これを、2
00,000gで20分間遠心分離して得られた沈殿を
少量のSKPバッファーに懸濁し、これを粗ミクロソー
ム画分とした。
【0007】(細胞膜画分の調製)上記の方法によって
調製した粗ミクロソーム画分を、供試材料30gに対し
ておよそ10gの氷冷した水性二層分配用のポリマー溶
液[最終濃度6%(w/w)Dextran T−5
0、6%(w/w)ポリエチレングリコール3350、
30mM NaCl、SKPバッファー]に添加し、こ
れを激しく混和した後、1,000gで5分間遠心分離
した。相分離したポリマー溶液の上層(細胞膜画分が凝
縮されたポリエチレングリコール層)を回収したのち、
これと並行して粗ミクロソーム画分の代わりにSKPバ
ッファーのみをポリマー溶液に添加して同様に水性二層
分配を行って得られた下層(デキストラン層)にこの細
胞膜画分を含むポリエチレングリコール層を添加して、
再度同様の方法によって二層分配をおこなった。得られ
たポリエチレングリコール層はSKPバッファーで二倍
容以上に希釈したのち、200,000gで遠心分離し
て細胞膜に富む膜画分の沈殿を得た。これをSKPバッ
ファーで懸濁して、再度遠心分離したのち、沈殿をSK
Pバッファーで再懸濁し、これを細胞膜画分とした。
調製した粗ミクロソーム画分を、供試材料30gに対し
ておよそ10gの氷冷した水性二層分配用のポリマー溶
液[最終濃度6%(w/w)Dextran T−5
0、6%(w/w)ポリエチレングリコール3350、
30mM NaCl、SKPバッファー]に添加し、こ
れを激しく混和した後、1,000gで5分間遠心分離
した。相分離したポリマー溶液の上層(細胞膜画分が凝
縮されたポリエチレングリコール層)を回収したのち、
これと並行して粗ミクロソーム画分の代わりにSKPバ
ッファーのみをポリマー溶液に添加して同様に水性二層
分配を行って得られた下層(デキストラン層)にこの細
胞膜画分を含むポリエチレングリコール層を添加して、
再度同様の方法によって二層分配をおこなった。得られ
たポリエチレングリコール層はSKPバッファーで二倍
容以上に希釈したのち、200,000gで遠心分離し
て細胞膜に富む膜画分の沈殿を得た。これをSKPバッ
ファーで懸濁して、再度遠心分離したのち、沈殿をSK
Pバッファーで再懸濁し、これを細胞膜画分とした。
【0008】(CWPM23タンパク質の可溶化)調製
した細胞膜画分(1mgタンパク質相当)を260,0
00gで遠心分離して沈殿を得たのち、これを300μ
lのTris−NaCl溶液[10mMTris−HC
l(pH7.4)、150mM NaCl]で懸濁し
た。これに300μlの2%(w/w)TritonX
−114を含むTris−NaCl溶液を添加して十分
に混ぜたのち30分間氷冷することによってCWPM2
3の可溶化をおこなった。次に、これを260,000
gで遠心分離して上清(Triton X−114可溶
性画分)を得た後、これを30℃の恒温槽内に5分間静
置してTriton X−114の相分離を行った。な
お、Triton X−114の相分離については基本
的にBruscaとRadolf(Brusca and Radolf (1994) Metho
ds Enzymol.228:182-193)の方法に従った。これを6,
400gで10分間遠心分離して得られた上層(水相)
を回収した。これと並行して1%(w/w)Trito
n X−114を含むTris−NaCl溶液を用いて
同様に相分離を行って回収した下層(界面活性剤相)に
対し、CWPM23が濃縮された水相を添加して十分に
氷冷した後、十分に混和して再度同様の方法によって相
分離をおこなった。これによって得られた水相に4倍容
のアセトンを添加してよく混和したのち、−80℃に2
時間静置した。これを6,400gで10分間遠心分離
して得られた沈殿にSDSサンプルバッファーを添加し
て、タンパク質を可溶化させた。
した細胞膜画分(1mgタンパク質相当)を260,0
00gで遠心分離して沈殿を得たのち、これを300μ
lのTris−NaCl溶液[10mMTris−HC
l(pH7.4)、150mM NaCl]で懸濁し
た。これに300μlの2%(w/w)TritonX
−114を含むTris−NaCl溶液を添加して十分
に混ぜたのち30分間氷冷することによってCWPM2
3の可溶化をおこなった。次に、これを260,000
gで遠心分離して上清(Triton X−114可溶
性画分)を得た後、これを30℃の恒温槽内に5分間静
置してTriton X−114の相分離を行った。な
お、Triton X−114の相分離については基本
的にBruscaとRadolf(Brusca and Radolf (1994) Metho
ds Enzymol.228:182-193)の方法に従った。これを6,
400gで10分間遠心分離して得られた上層(水相)
を回収した。これと並行して1%(w/w)Trito
n X−114を含むTris−NaCl溶液を用いて
同様に相分離を行って回収した下層(界面活性剤相)に
対し、CWPM23が濃縮された水相を添加して十分に
氷冷した後、十分に混和して再度同様の方法によって相
分離をおこなった。これによって得られた水相に4倍容
のアセトンを添加してよく混和したのち、−80℃に2
時間静置した。これを6,400gで10分間遠心分離
して得られた沈殿にSDSサンプルバッファーを添加し
て、タンパク質を可溶化させた。
【0009】(CWPM23タンパク質のSDSポリア
クリルアミド電気泳動)上記の方法により得られた可溶
化タンパク質約2.5μgをサンプルに用いて13%
T、2.6%Cのアクリルアミド濃度のSDSポリアク
リルアミド電気泳動法(SDS−PAGE)に供試し
て、目的タンパク質の分離をおこなった(Laemmli (197
0) Nature 227:680-685 )。泳動後のゲルをクマシーブ
リリアントブルー(CBB)染色液に浸してタンパク質
を染色した後、CWPM23タンパク質のバンドを剃刀
で切り取り、これを十分量の泳動バッファーに浸した
後、目的タンパク質をエレクトロエリューター(Bio
−Rad社:Model422)を用いて電気溶出し
た。回収したCWPM23画分は、16.2%T、3%
Cのアクリルアミド濃度のTricine−SDSポリ
アクリルアミドゲル電気泳動法(Tricine−SD
S−PAGE)に供試して、目的タンパク質の分離をお
こなった(Schagger and Von Jagow (1987) Anal.Bioch
em.166:368-379)。泳動後のゲルから前述の方法と同様
にして目的タンパク質を電気溶出して得られたCWPM
23画分の一部を用いて、CWPM23の純度をSDS
−PAGEによって確認した(図1)。
クリルアミド電気泳動)上記の方法により得られた可溶
化タンパク質約2.5μgをサンプルに用いて13%
T、2.6%Cのアクリルアミド濃度のSDSポリアク
リルアミド電気泳動法(SDS−PAGE)に供試し
て、目的タンパク質の分離をおこなった(Laemmli (197
0) Nature 227:680-685 )。泳動後のゲルをクマシーブ
リリアントブルー(CBB)染色液に浸してタンパク質
を染色した後、CWPM23タンパク質のバンドを剃刀
で切り取り、これを十分量の泳動バッファーに浸した
後、目的タンパク質をエレクトロエリューター(Bio
−Rad社:Model422)を用いて電気溶出し
た。回収したCWPM23画分は、16.2%T、3%
Cのアクリルアミド濃度のTricine−SDSポリ
アクリルアミドゲル電気泳動法(Tricine−SD
S−PAGE)に供試して、目的タンパク質の分離をお
こなった(Schagger and Von Jagow (1987) Anal.Bioch
em.166:368-379)。泳動後のゲルから前述の方法と同様
にして目的タンパク質を電気溶出して得られたCWPM
23画分の一部を用いて、CWPM23の純度をSDS
−PAGEによって確認した(図1)。
【0010】(CWPM23の部分アミノ酸配列決定)
CWPM23をリシルエンドペプチダーゼ(和光純薬)
による酵素処理をすることにより得られたペプチド断片
をTricine−SDS−PAGEによって分離し
た。その後、これをポリビニリデンジフルオリド(PV
DF)膜に電気転写し、CBB染色することによって検
出し、これらを切り出して3つのペプチド(CP23F
1、2、3)について気相シークエンサー(島津社:P
PSQ−10)によるアミノ酸分析に供試した。CWP
M23由来の3つのペプチドにつき、部分アミノ酸配列
を決定した。 CP23F1:IGVAAE CP23F2:ILLLKL CP23F3:LKVKFYVPPFLPIIPVVG
CWPM23をリシルエンドペプチダーゼ(和光純薬)
による酵素処理をすることにより得られたペプチド断片
をTricine−SDS−PAGEによって分離し
た。その後、これをポリビニリデンジフルオリド(PV
DF)膜に電気転写し、CBB染色することによって検
出し、これらを切り出して3つのペプチド(CP23F
1、2、3)について気相シークエンサー(島津社:P
PSQ−10)によるアミノ酸分析に供試した。CWP
M23由来の3つのペプチドにつき、部分アミノ酸配列
を決定した。 CP23F1:IGVAAE CP23F2:ILLLKL CP23F3:LKVKFYVPPFLPIIPVVG
【0011】
【発明の効果】冬コムギの凍結耐性に関与するCWPM
23タンパク質が精製され、部分アミノ酸配列が決定さ
れた。このアミノ酸配列に基づいて作製したオリゴヌク
レオチドプライマーを用いてPCRを行うことにより、
CWPM23タンパク質をコードする遺伝子を単離する
ことが可能であり、この遺伝子を導入することにより、
動物、植物および微生物に凍結耐性を付与できる可能性
がある。
23タンパク質が精製され、部分アミノ酸配列が決定さ
れた。このアミノ酸配列に基づいて作製したオリゴヌク
レオチドプライマーを用いてPCRを行うことにより、
CWPM23タンパク質をコードする遺伝子を単離する
ことが可能であり、この遺伝子を導入することにより、
動物、植物および微生物に凍結耐性を付与できる可能性
がある。
【0012】
【配列表】出願人氏名:九州大学長 発明の名称:冬コムギ耐凍性関連性タンパク質CWPM
23のペプチド断片 配列の数:3 配列番号:1 配列の長さ:6 配列の型:アミノ酸 トポロジー:直鎖状 配列の種類:ペプチド 起源:冬コムギ由来のCWPM23タンパク質 配列 配列番号:2 配列の長さ:6 配列の型:アミノ酸 トポロジー:直鎖状 配列の種類:ペプチド 起源:冬コムギ由来のCWPM23タンパク質 配列 配列番号:3 配列の長さ:18 配列の型:アミノ酸 トポロジー:直鎖状 配列の種類:ペプチド 起源:冬コムギ由来のCWPM23タンパク質 配列 Leu Lys Val Lys Phe Tyr Val Pro Pro Phe Leu Pro Ile Ile Pro Val Val Gly 1 5 10 15
23のペプチド断片 配列の数:3 配列番号:1 配列の長さ:6 配列の型:アミノ酸 トポロジー:直鎖状 配列の種類:ペプチド 起源:冬コムギ由来のCWPM23タンパク質 配列 配列番号:2 配列の長さ:6 配列の型:アミノ酸 トポロジー:直鎖状 配列の種類:ペプチド 起源:冬コムギ由来のCWPM23タンパク質 配列 配列番号:3 配列の長さ:18 配列の型:アミノ酸 トポロジー:直鎖状 配列の種類:ペプチド 起源:冬コムギ由来のCWPM23タンパク質 配列 Leu Lys Val Lys Phe Tyr Val Pro Pro Phe Leu Pro Ile Ile Pro Val Val Gly 1 5 10 15
【図面の簡単な説明】
【図1】単離したCWPM23の電気泳動像である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 荒川 圭太 北海道札幌市北区北19条西8丁目 北海道 大学低温科学研究所内 Fターム(参考) 2B030 AA02 AB03 AD04 CA06 CB03 4B024 AA05 AA08 BA80 CA04 CA09 FA10 HA01 4H045 AA10 AA30 BA14 BA17 CA32 EA01 EA05 FA70 GA01 GA15 GA31
Claims (6)
- 【請求項1】 Ile-Gly-Val-Ala-Ala-Glu からなる、ペ
プチド断片。 - 【請求項2】 Ile-Leu-Leu-Leu-Lys-Leu からなる、ペ
プチド断片。 - 【請求項3】 Leu-Lys-Val-Lys-Phe-Tyr-Val-Pro-Pro-
Phe-Leu-Pro-Ile-Ile-Pro-Val-Val-Gly からなる、ペプ
チド断片。 - 【請求項4】 冬コムギの耐凍性に関連する細胞膜タン
パク質CWPM23に由来するところの、請求項1から
3いずれか1項記載のペプチド断片。 - 【請求項5】 請求項1から3いずれか1項記載のペプ
チド断片をコード化するところの、DNA断片。 - 【請求項6】 請求項1から3いずれか1項記載のペプ
チド断片である、耐凍性タンパク質のマーカー。
Priority Applications (4)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP10349459A JP2995297B1 (ja) | 1998-12-09 | 1998-12-09 | 冬コムギ耐凍性関連性タンパク質cwpm23のペプチド断片 |
AU48842/99A AU722880B1 (en) | 1998-12-09 | 1999-09-21 | Peptide fragments derived from CWPM23, a protein involved in freezing resistance of winter wheat |
FR9912205A FR2787112A1 (fr) | 1998-12-09 | 1999-09-30 | Fragments peptidiques derives de la proteine de resistance au gel cwpm23, fragments d'adn les codant et leur utilisation comme marqueur pour la proteine cwpm23 |
CA 2286312 CA2286312A1 (en) | 1998-12-09 | 1999-10-26 | Peptide fragments derived from cwpm23, a protein involved in freezing resistance of winter wheat |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP10349459A JP2995297B1 (ja) | 1998-12-09 | 1998-12-09 | 冬コムギ耐凍性関連性タンパク質cwpm23のペプチド断片 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2995297B1 JP2995297B1 (ja) | 1999-12-27 |
JP2000169500A true JP2000169500A (ja) | 2000-06-20 |
Family
ID=18403899
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP10349459A Expired - Fee Related JP2995297B1 (ja) | 1998-12-09 | 1998-12-09 | 冬コムギ耐凍性関連性タンパク質cwpm23のペプチド断片 |
Country Status (4)
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