JP2000168676A - 海洋構造物 - Google Patents

海洋構造物

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JP2000168676A
JP2000168676A JP6625299A JP6625299A JP2000168676A JP 2000168676 A JP2000168676 A JP 2000168676A JP 6625299 A JP6625299 A JP 6625299A JP 6625299 A JP6625299 A JP 6625299A JP 2000168676 A JP2000168676 A JP 2000168676A
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cylindrical structure
wall surface
tubular structure
marine
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JP6625299A
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English (en)
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Takao Kuroiwa
隆夫 黒岩
Chikasuke Murakami
慎祐 村上
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Mitsubishi Heavy Industries Ltd
Original Assignee
Mitsubishi Heavy Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 波浪、潮流又は波浪、潮流により発生する渦
の影響を受けずに、安定した運用が可能なフローティン
グ型の海洋構造物を提供する。 【解決手段】 SPAR型海洋構造物は、プラットフォ
ーム1及び当該プラットフォーム1を海面L上に浮遊し
た状態で保持する筒状構造物2から大きく構成されてい
る。この筒状構造物2はその断面形状が八角形等の多角
形とされているとともに、その下方部位には開口部20
が形成されたものとなっている。さらに、筒状構造物2
の外部壁面2aには、複数のストレーキ25が形成され
ている。これらは、多角形断面を構成する各辺におい
て、その中心ではない位置に形成されるようになってい
る。また、これらストレーキ25は、筒状構造物2の長
手方向に間欠的に形成されているものである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、海洋石油開発シス
テム、海洋資源開発システム、あるいは海洋調査システ
ムにおける海洋構造物に関するものである。
【0002】
【従来の技術】海底における油井掘削、採油のために
は、従来、様々な海洋石油開発システムが利用されてい
る。このシステムとしては、海底に構造物を設置して当
該海底作業を行うようになっている海底支持型システム
と、プラットフォームを海面上に浮かせてこれを基地と
し、その下方に長尺物を沈めることによって海底作業を
行うフローティング型システムとの、大きく二つのタイ
プが提案されている。
【0003】前者の海底支持型システムは、海底に直に
各種採油関連機器及び装置を設置するものと、海底から
海面へとタワー状の構築物を建設するものとが提供され
ている。これらの油井開発の方法は、直接的で信頼性の
高いものであると言えるが、海底に構造物を設置しなけ
ればならない手間を考慮すると、深度の小さい海底にお
いては適していると言えるが、大深度での適用はほとん
ど不可能である。また、海底にの構造物を設置しなけれ
ばならないということ自体に、相応分のコストがかかる
こととなって、これを考慮するとあまり好ましいものと
は言えない。
【0004】後者のフローティング型システムにおいて
は、その主な作業はプラットフォーム上で行われること
になるから、上記のように海底での設置作業等を行う必
要がない。また、大深度の海底に関する作業も前記長尺
物の長さを調整することによって実施することができ
る。このような利点を備えたフローティング型システム
の一つとしては、前記プラットフォームの浮力源として
長尺の円筒状構造物を利用した、いわゆるSPAR型海洋構
造物が挙げられる。
【0005】このSPAR型海洋構造物は、図7に示す
ように、プラットフォーム1と、該プラットフォーム1
下方に伸びる長尺の円筒状構造物2から構成されたもの
となっている。プラットフォーム1は、円筒状構造物2
が受ける浮力によって海面L上に位置している。円筒状
構造物2には海底Bに達するワイヤロープ4が繋がれて
おり、前記プラットフォーム1及び円筒状構造物2があ
る一定の位置に留まるように係留された状態となってい
る。
【0006】円筒状構造物2内部は、垂直方向に複数層
のデッキに区分けされており、そのそれぞれのデッキに
おいて、空気(浮力源)、海水を導入したり、また、ウ
ェイト(バラスト)を搭載する等が可能とされた構造と
なっている。また、円筒状構造物2内部には、石油を吸
い上げるためのライザ(riser)8が設置されており、
このライザが海底Bまで到達するように設置されること
によって、図示しない油井からプラットフォーム1へと
石油を搬送することが可能となっている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上記SPAR型
海洋構造物における円筒状構造物2においては、それが
海洋中に設置されている状態においては、常に波浪及び
潮流の影響を受けることになる。すなわち、円筒状構造
物2は、波浪や潮流から直接的な力を受けることをはじ
めとして、その周囲には渦が形成されることになり、当
該円筒状構造物2はこの渦からも力を受けることにな
る。
【0008】上記渦は、円筒状構造物2の背側よりの外
周面周囲に均等に形成されることになる。このような渦
は、左右において微小ながら圧力負圧を円筒状構造物2
に働きかけることになる。すなわち、渦の形成された方
向に円筒状構造物2を引っ張ることになる。しかるに、
図8に示すように、渦が左右交互に形成される場合に
は、円筒状構造物2はその渦の形成周期に対応して動揺
又は振動することになる。特にこの周期が円筒状構造物
2(あるいは海洋構造物)の固有振動数に一致する場合
には、当該円筒状構造物2は大きく動揺又は振動するこ
ととなり、プラットフォーム1、また海洋構造物全体に
とって極めて重大な問題となる。なお、円筒状構造物2
の断面形状は、つまり円形であるから、いずれの方向か
ら去来する波浪や潮流によってもその背側で対称な渦を
形成することが考えられ、特に問題を生じやすい構造で
あるといえる。
【0009】本発明は上記事情に鑑みてなされたもの
で、その目的とするところは、波浪若しくは潮流又は波
浪若しくは潮流により発生する渦の影響を受けずに、安
定した運用が可能なフローティング型の海洋構造物を提
供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記の課題を
解決するために以下の手段をとった。すなわち、請求項
1記載の海洋構造物は、プラットフォームと、該プラッ
トフォームを海面上に浮遊した状態に保持するととも
に、その断面形状が多角形とされた筒状構造物とから構
成されていることを特徴とするものである。
【0011】これによれば、筒状構造物の背側よりの外
周面周囲に形成される渦を、不規則(ランダム)な形態
のものとすることが可能となる。つまり、従来の円筒状
構造物のように左右均等の渦を発生させるようなことが
ない。特に、左右交互に発生する渦によって、海洋構造
物が大きく振動するような事態(共振現象)を生じさせ
るようなことがなくなる。また、本発明の多角形断面の
筒状構造物によれば、海洋構造物の製作において、寸法
精度、残留応力等の注意を払わなければならない点につ
いて、円を基本とする従来の円筒状構造物よりもより簡
易な対応をとることが可能となる。
【0012】また、請求項2記載の海洋構造物は、プラ
ットフォームと、該プラットフォームを海面上に浮遊し
た状態に保持するとともに、その外部壁面において海洋
中における波浪又は潮流の影響を低減除去する開口部が
形成されている筒状構造物とから構成されていることを
特徴とするものである。
【0013】これによれば、開口部を通じて海水が筒状
構造物内外に流通することとなるから、当該筒状構造物
が波浪又は潮流の影響により動揺又は振動を開始する
と、海水の流通に伴って、その動揺又は振動は減衰(低
減)されることになる。すなわち、海洋構造物におい
て、大きな動揺、振動を生じさせるようなことがない。
【0014】さらに、請求項3記載の海洋構造物は、プ
ラットフォームと、該プラットフォームを海面上に浮遊
した状態に保持する筒状構造物とから構成されている海
洋構造物であって、前記筒状構造物は、その断面形状が
多角形とされるとともに、その外部壁面において海洋中
における波浪又は潮流の影響を低減除去する開口部が形
成されていることを特徴とする。
【0015】これによれば、筒状構造物の周囲に形成さ
れる渦を不規則な形態とすることが可能であるととも
に、波浪や潮流による動揺、振動を低減することが可能
となる。すなわち、渦形成による海洋構造物の共振現象
を生じさせるようなことがなく、かつ大きな動揺、振動
を生じさせるようなこともない。つまり、この海洋構造
物は、総合的に振動発生を抑えることが可能な海洋構造
物であるということがいえる。
【0016】また、請求項4記載の海洋構造物は、前記
筒状構造物には、その外部壁面において、断面視した多
角形を構成する各辺の中心ではない位置にストレーキが
形成されていることを特徴とするものである。
【0017】これによれば、ストレーキによって、筒状
構造物周囲に発生する渦の形成に対して外乱を加えるこ
とが可能である。つまり、ストレーキは規則正しい渦の
形成を阻害する作用を有す。また、このストレーキは、
筒状構造物を断面視した多角形を構成する各辺の中心か
らずれた位置に形成されているから、上記作用はより効
果的に達成されると考えられ、また、渦が形成されても
それは左右非対称なものとなる。さらに、ストレーキは
筒状構造物の動揺、振動に対する減衰作用をも呈する。
【0018】加えて、請求項5記載の海洋構造物は、前
記外部壁面における前記ストレーキは、前記筒状構造物
の長手方向において、その形成位置が変更されているこ
とを特徴とするものである。
【0019】これによれば、筒状構造物の長手方向にお
いて、その形成位置が異なるストレーキによって、当該
筒状構造物における回転モーメントの発生を抑える作用
が得られる。また、前記渦の形成阻害という作用を、よ
り効果的に得られることが可能となる。
【0020】また、請求項6記載の海洋構造物は、前記
筒状構造物には、その外部壁面において、筒状構造物の
長手方向に対して斜めに設けられたストレーキが形成さ
れていることを特徴とするものである。
【0021】これによれば、筒状構造物に対して、いず
れの方向から波浪や潮流が去来しても、ストレーキ25
が渦の形成に対して確実に外乱を加えることで、筒状構
造物の動揺、振動が確実に押さえられる。
【発明の実施の形態】以下では、本発明の実施の形態に
ついて、図を参照して説明する。図1は、本実施形態に
おけるSPAR型海洋構造物の概要を示す図である。こ
のSPAR型海洋構造物は、プラットフォーム1、当該
プラットフォーム1を海面L上に浮遊した状態に保持す
る筒状構造物2から大きく構成されている。このような
SPAR型海洋構造物は、水深が600m程度あるいは
それ以上の大水深の海洋において通常使用されるもので
ある。なお、水深が600m程度である場合には、前記
筒状構造物2の長さは約200m程度とされる。
【0022】プラットフォーム1は、海底掘削のための
各種機器や、油又はガスの精製を行うための機器を搭載
した設備である。筒状構造物2は、図1に示すように、
プラットフォーム1下面に接続されているもので、SP
AR型海洋構造物全体に関する浮力源としての働きを担
っているものである。その外部壁面2aには、アンカー
チェーン3の一端が繋がれている。アンカーチェーン3
の他端には、ワイヤロープ4の一端がさらに繋がれてお
り、その他端は海底に達して固定されている。SPAR
型海洋構造物は、これらアンカーチェーン3及びワイヤ
ロープ4により、海面L上においてある一定の位置に安
定して係留されるようになっている。
【0023】筒状構造物2の内部は、垂直方向に複数層
のデッキに区分けされている。これらデッキのうち、そ
の上方においては複数の空気タンク5が備えられてい
る。SPAR型海洋構造物を浮遊させる浮力は、ここに
空気を導入し密封することによって生じることになる。
また、前記デッキのうち、下方においては水タンク6が
備えられており、ここには海水が導入されて密封される
ようになっている。この水タンク6は、前記空気タンク
5により発生する浮力と、筒状構造物2の自重及びプラ
ットフォーム1の重量との均衡をとるためにのウェイト
として設けられているもので、これらを適当に調整する
ことによって、筒状構造物2及びプラットフォーム1を
図示のような直立状態で海面L上に浮遊させることを可
能とする。なお、図中の7はコンクリート等で構成され
た固定バラストであり、前記水タンク6と同様にウェイ
トとして作用するものである。これら水タンク6と固定
バラスト7は併用してもよいし、どちらか一方のみを備
えることとしても構わない。
【0024】筒状構造物2は、図1におけるA−A断面
を示した図2(a)のように、その断面形状が八角形
(多角形)とされているものである。この形状は、筒状
構造物2の外板殻21により形作られている。外板殻2
1は、図に示す溶接線W(紙面垂直方向)によって互い
に接合されているものである。
【0025】図2(a)において、外板殻21の内部壁
面2bには強度補強部材であるスティフナ22が複数列
設されている。そして、これらスティフナ22を収納す
るようなスロット部23aを備えた横桁23が内部壁面
2bに取り付けられている。この横桁23は、やはり筒
状構造物2の強度補強を目的とするとともに、前記各層
のデッキを構成する仕切壁としての役割もある。なお図
2(a)においては、内部壁面2bの一面のみについて
上記スティフナ22及び横桁23を図示し、その他につ
いては省略している。
【0026】横桁23は、各内部壁面2b(すなわち、
今の場合八つの内部壁面2b)全てに取り付けられてい
るが、断面中央においては、プラットフォーム1から筒
状構造物2の下端に至るまでの吹き抜け部24が形成さ
れるようになっている。この吹き抜け部24には、複数
のライザ8が紙面垂直方向に延在するように設けられて
いる。これらライザ8は、図示しない海底油井から石油
を吸い上げてプラットフォーム1にまで達せさしめるた
めに設けられているものである(図1参照)。
【0027】図1及び図2(b)(図1のB−B断面
図)に示されているように、筒状構造物2の最下端付近
における水タンク6の設けられていない部分には、複数
の開口部20が形成されている。この開口部20は、筒
状構造物2にぶつかる海水が筒状構造物2内を通過する
ように形成されている。SPAR型海洋構造物が、海洋
中における波浪や潮流の影響を受けて動揺、振動するこ
とのないように設けられているを開始すると、開口部2
0を通過する海水の流通に伴って、その動揺、振動が低
減される。
【0028】なお、筒状構造物2の下方全体に水タンク
6が存在する場合は、図2(c)(図1のC−C断面
図)に示すような構造とすることも可能である。これ
は、前記開口部20から筒状構造物2の内部に向けて、
水タンク6を貫通するパイプ20aを配置し、海水が水
タンク6と連通せずに吹き抜け部24に到達するように
した構造である。なお、図中の26は水タンク6同士を
仕切る仕切壁である。
【0029】筒状構造物2の外部壁面2aには、複数の
ストレーキ25が形成されている。これらは、八角形を
構成する各辺において、その中心ではない位置において
形成されている。またストレーキ25は、図1に示すよ
うに、筒状構造物2の長手方向に間欠的に形成されてい
るものである。
【0030】上記構成となるSPAR型海洋構造物に対する
波浪や潮流の影響を減殺する作用及び効果が生じる。ま
ず、筒状構造物2の下方に開口部20が形成されている
ことによって、上述したように筒状構造物2は波浪や潮
流による動揺、揺動を低減する作用を備えている。した
がって、SPAR型海洋構造物が動揺、振動するような
挙動を抑えることが可能となる。
【0031】また、筒状構造物2の断面形状が多角形で
あることと、外部壁面2aに上述したようなストレーキ
25が形成されていることにより、波浪や潮流によって
筒状構造物2の背側よりの外周面周囲に生じる渦を、左
右非対称な、すなわち不規則(ランダム)な形態なもの
とすることが可能となる。この様子を図3に示す。これ
は、断面が多角形であることによる渦形成の対称性を破
る作用と、ストレーキ25によって渦そのものの形成に
外乱を与えるという作用との両面から達成される。した
がって、従来の円筒状構造物に関して見られたような、
左右均等に形成される渦を形成させることがなく、特に
渦が左右交互に形成されるような場合において懸念され
る共振現象、すなわち渦の形成周期に対応してSPAR
が高いよう構造物が大きく動揺又は振動するような不具
合を発生させるようなことがない。
【0032】以上のことから、本実施形態におけるSP
AR型海洋構造物は、波浪や潮流の影響を回避すること
で、動揺又は振動発生をほぼ完全に抑えた状態での安定
した運用を可能とする海洋構造物であるということがで
きる。
【0033】なお、図1及び図2(a)において示した
ストレーキ25の形成位置は、それに関わらず、図4
(a)や(b)に示すようなものであってもよい。すな
わち、図4においては、外部壁面2aにおけるストレー
キ25が、筒状構造物2の長手方向において、その形成
位置を変更したような形態となっている。これによれ
ば、筒状構造物2に関して波浪や潮流により発生する回
転モーメントを抑える作用が得られる。すなわち、筒状
構造物2が軸線を中心としてた回転しようとするのを抑
制することができる。また、前記渦の影響を受けて海洋
構造物が動揺又は振動するような事態を、より効果的に
回避することが可能であると考えられる。
【0034】図4(b)においては、ストレーキ25
が、筒状構造物2に対して螺旋状に形成された形態、即
ち、各外部壁面2aにストレーキ25を斜めに設けた形
態となっている。これによれば、いずれの方向から去来
する波浪や潮流に対しても、ストレーキ25が有効に作
用し、渦の形成に対して確実に外乱を加えることができ
るため、前記渦の影響を受けて海洋構造物が動揺又は振
動するような事態を、より効果的に回避することが可能
であると考えられる。
【0035】なお、筒状構造物2の長手方向に沿ってス
トレーキ25を設ける形態であっても、各外部壁面2a
に多数のストレーキ25を設置すれば、上記形態と同様
の作用を奏するのであるが、上記形態ではさほど多くの
ストレーキ25を設けなくてもよいので、コストや製造
効率の面で有利である。
【0036】このように、ストレーキ25を斜めに設け
ることとするとコストや製造効率の面で有利であるが、
この特徴は断面形状が多角形の筒状構造物2に適用する
ことでさらに効果的なものとなる。それは、筒状構造物
2の断面形状が多角形である場合、各外部壁面2aがそ
れぞれ平面で構成されているため、直線状の平板で形成
されたストレーキ25をそのまま取り付けられることに
よるものである。これに対し、従来のような円筒形状の
筒状構造物の外部壁面に斜めにストレーキを設けるため
には、予めストレーキ25を外部壁面に沿った曲線状に
加工しておく必要があるため、その分余計な手間がかか
ることとなる。
【0037】さて、上記SPARが高いよう構造物にお
いては、上記作用、効果の他に以下に述べる海洋構造物
製作上に関連する優れた効果を得ることができるものと
なっている。その効果は、筒状構造物2の断面形状を多
角形とすることにより得られるものである。従来のSPAR
型構造物においては、図2に示すような筒状構造物2に
相当する構造物は、前にも述べたようにその断面が円形
とされていた。したがって、この円筒状構造物は、図5
に示すように、外板殻21´の曲げ工程から始まり、当
該曲げ工程によって断面が半円とされた外板殻21´を
辺々で接合して管体とする工程、及び前記管体を長手方
向に接合していく工程の概略三つの工程を経て製作され
るようになっていた。なお、接合方法としては、一般的
にアーク溶接等が利用されていた。
【0038】しかし、平板に曲げ加工を施すこと、そし
てそれを溶接によって接合していくことに関しては、部
材が円を基本とした形態のものであるから、その製作精
度を高く維持するためには細心の注意が必要となる。ま
た、外板殻21´や横桁23´(図6参照)の工作精度
が十分でない場合、それらの溶接によって材料内部に生
じる残留応力も比較的大きなものになることが推測され
る。
【0039】さらに、円筒状構造物の上記外板殻21´
部分を製作した後においては、先に図2(a)を参照し
て説明したように、その内部壁面2b´に強度補強部材
であるスティフナ22´及び横桁23´を取り付ける必
要がある。ところが、円筒状構造物の場合においては、
図6に示すように、横桁23´におけるスロット部23
a´の形状を一々変更するような配慮をしなければなら
ない。すなわち、端部にいくほど、スロット部23a´
の開口面積を大きくしなければならない。したがって、
製作上の余計な配慮が必要であるとともに、強度上も不
必要な応力集中を発生させる場合が考えられ好ましいも
のとは言えない。
【0040】本実施形態における筒状構造物2は、上記
各問題点を、その断面を八角形とすることによって解決
している。すなわち、各部材は円を基本とする形態とは
なっていないから、製作精度の維持に大きな注意を払う
必要がない。また、このことによって材料内部に生じる
残留応力を低減させることが可能となる。さらに、横桁
23におけるスロット部23aの形状は、すでに図2に
示したように、すべて同一の形状としてよく、製作上の
余計な配慮が不要であるとともに、スロット部23a全
てがバランスよく形成されていることによって不必要な
応力集中を生じさせる懸念も少ない。
【0041】以上のように本実施形態におけるSPAR型海
洋構造物は、従来のそれと比べて、製作上あるいは主に
強度面から見た品質上においても、優位を主張できるよ
うなものとなっている。
【0042】以下では本実施形態に係る補足事項につい
て説明する。まず、本発明は、筒状構造物2の断面形状
を上記のように八角形と規定するものではない。例え
ば、その断面が正六角形あるいは正十二角形であるよう
な筒状構造物であってもよい。ただし、筒状構造物2内
部には、上記空気タンク5、水タンク6等を収めるため
にその断面積を比較的大きくとる必要があること、ま
た、渦の形成による振動を防止するために多角形形状を
採用しているという事情があること等を考慮すると、そ
の断面形状は、六角形あるいは八角形が最も好ましいも
のであるといえる。
【0043】また、前記開口部20に関しては、それを
断面が円形であるような筒状構造物に形成する場合であ
っても本発明の範囲内にあるものである。ところで、開
口部20が、図1に示すように、筒状構造物2の比較的
下方に形成されているのは、その部位においてこそ動揺
や振動に対する減衰が最も大きいと考えられるためであ
る。すなわち、長尺構造物の端部においては、そこに小
さな力を作用させるだけでも大きなモーメントが生じる
という理屈による。したがって、下方部位に開口部20
を形成することは、動揺や振動を生じさせないという観
点における最大の効果を期待することができる。ただ
し、基本的には、本発明は開口部20の形成位置を具体
的に規定するものではない。要は開口部20が、海洋中
における動揺や揺動に対する減衰作用を発揮しうるので
あれば、筒状構造物2の外部壁面2aの任意の場所に形
成してよい。
【0044】最後に、本発明はあくまでも海洋構造物に
関したものであって、それがプラットフォームと、当該
プラットフォームを浮遊した状態に保持する筒状構造物
とを備えた海洋構造物であれば、基本的に適用可能なも
のであることはいうまでもない。
【0045】
【発明の効果】以上説明したように、請求項1記載の海
洋構造物によれば、筒状構造物の断面が多角形形状とさ
れていることから、その周囲に形成される渦を不規則な
形態のものとすることが可能となる。したがって、海洋
構造物が渦の発生によって共振現象を起こすような事態
は回避される。このことから、本発明の海洋構造物は、
波浪又は潮流の影響、特にその渦発生による影響を回避
し、動揺又は振動の発生を抑えた安定した状態での運用
を実施することができるものである。また、断面が多角
形形状とされていることから、製作上注意を払わなけれ
ばならない寸法精度、残留応力等への対応も従来に比べ
て簡易なものとすることができる。
【0046】また、請求項2記載の海洋構造物によれ
ば、開口部を通じて波浪が筒状構造物内外を流通するこ
ととなるから、当該筒状構造物の動揺、揺動を低減する
ことができる。すなわち、本発明の海洋構造物において
は、動揺、振動の発生が抑制されることになり、当該海
洋構造物の安定した運用を実現することができる。
【0047】さらに、請求項3記載の海洋構造物によれ
ば、その筒状構造物において、断面が多角形形状とされ
るとともに、その外部壁面に開口部が形成されたものと
なっているから、上記各効果を一挙に実現することがで
きる。すなわち、海洋構造物に発生する可能性のある動
揺又は振動現象を総合的に抑制することが可能となり、
より安定度の高い状態の下における海洋構造物の運用を
実現できる。
【0048】また、請求項4記載の海洋構造物によれ
ば、筒状構造物を断面視した多角形を構成する各辺の中
心ではない位置にストレーキが形成されていることか
ら、前記渦の形成を阻害する作用を有するとともに、渦
が形成されてもそれは左右非対称なものとなる。したが
って、海洋構造物の動揺又は振動を、より効果的に抑制
することができる。
【0049】さらに、請求項5記載の海洋構造物によれ
ば、前記ストレーキの形成位置が筒状構造物の長手方向
において変更されていることから、当該筒状構造物にお
ける回転モーメントの発生を抑えることが可能となる。
つまり、筒状構造物がその軸線を中心として回転しよう
とするのを抑えることができる。また、前記渦の形成阻
害という作用をより効果的に得られることから、海洋構
造物に係る動揺又は振動を前記にも増してより効果的に
抑制することができる。
【0050】また、請求項6記載の海洋構造物によれ
ば、筒状構造物に対していずれの方向から去来する波浪
や潮流に対しても、ストレーキが有効に作用し、渦の形
成に対して確実に外乱を加えることができるため、前記
渦の影響を受けて海洋構造物が動揺又は振動するような
事態を、より確実に回避することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 SPAR型海洋構造物の概要を示す側面図で
ある。
【図2】 図1に示すA−A線、B−B線及びC−C線
において筒状構造物の断面形状を示す断面図である。
【図3】 筒状構造物の周囲に発生する渦を模式的に示
した説明図である。
【図4】 筒状構造物の外部壁面に形成されるストレー
キに関して、その形成態様位置が図1とは別形態となる
ものを示した側面拡大図である。
【図5】 従来の円筒状構造物の製作工程を示す説明図
である。
【図6】 従来の円筒状構造物の断面図である。
【図7】 従来のSPAR型海洋構造物の概要を示す側
面図である。
【図8】 円筒状構造物の周囲に発生する渦を模式的に
示した説明図である。
【符号の説明】
1 プラットフォーム 2 筒状構造物 2a 外部壁面 20 開口部 25 ストレーキ

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 プラットフォームと、 該プラットフォームを海面上に浮遊した状態に保持する
    とともに、その断面形状が多角形とされた筒状構造物と
    から構成されていることを特徴とする海洋構造物。
  2. 【請求項2】 プラットフォームと、 該プラットフォームを海面上に浮遊した状態に保持する
    とともに、その外部壁面において海洋中における波浪又
    は潮流の影響を低減除去する開口部が形成されている筒
    状構造物とから構成されていることを特徴とする海洋構
    造物。
  3. 【請求項3】 プラットフォームと、 該プラットフォームを海面上に浮遊した状態に保持する
    筒状構造物とから構成されている海洋構造物であって、 前記筒状構造物は、その断面形状が多角形とされるとと
    もに、その外部壁面において海洋中における波浪又は潮
    流の影響を低減除去する開口部が形成されていることを
    特徴とする海洋構造物。
  4. 【請求項4】 前記筒状構造物には、その外部壁面にお
    いて、断面視した多角形を構成する各辺の中心ではない
    位置にストレーキが形成さていることを特徴とする請求
    項1から3のいずれかに記載の海洋構造物。
  5. 【請求項5】 前記外部壁面における前記ストレーキ
    は、前記筒状構造物の長手方向において、その形成位置
    が変更されていることを特徴とする請求項4記載の海洋
    構造物。
  6. 【請求項6】 前記筒状構造物には、その外部壁面にお
    いて、筒状構造物の長手方向に対して斜めに設けられた
    ストレーキが形成されていることを特徴とする請求項1
    から3のいずれかに記載の海洋構造物。
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