JP2000166460A - 切開処理装置 - Google Patents

切開処理装置

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JP2000166460A
JP2000166460A JP10349100A JP34910098A JP2000166460A JP 2000166460 A JP2000166460 A JP 2000166460A JP 10349100 A JP10349100 A JP 10349100A JP 34910098 A JP34910098 A JP 34910098A JP 2000166460 A JP2000166460 A JP 2000166460A
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internal organ
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moving
clamp device
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JP10349100A
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English (en)
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Teruo Hino
照夫 日野
Kuniaki Hino
邦昭 日野
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HINO KOGYO KK
SHOKUNIKU SEISAN GIJUTSU KENKY
Shokuniku Seisan Gijutsu Kenkyu Kumiai
Original Assignee
HINO KOGYO KK
SHOKUNIKU SEISAN GIJUTSU KENKY
Shokuniku Seisan Gijutsu Kenkyu Kumiai
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  • Treatment And Processing Of Natural Fur Or Leather (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 屠蓄された牛などの動物体から取り出された
消化器系の内臓器などの切開処理を機械化して、作業コ
ストを低減するとともに、処理工場内の衛生環境を良好
に維持することができる切開処理装置を提供すること。 【解決手段】 前処理台に載置された内臓器の切断口近
傍はクランプ装置9の挟持部材16,17により挟み込
まれ、そのクランプ装置9はクランプ移動装置により移
動経路下流側へ向けて移動される。このクランプ装置9
の移動に伴って、内臓器は徐々に搬入口から装置本体内
の処理テーブル上へ搬送される。クランク装置9による
内臓器の搬送に伴って、ナイフ支持装置12により支持
されたナイフ11の刃先が挟持部材16,17の案内溝
16d,17cを通過し、突起部17bにより挟持部材
16の間隙部16bに押し込まれ内臓器の上側胃壁がク
ランプ装置9の移動経路と略同一方向へ切開される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】 本発明は、屠蓄された牛な
どの動物体から取り出された消化器系の内臓器などを切
開するために使用される切開処理装置に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】 屠蓄された牛などの動物体(以下、
「屠体」と称す。)から取り出された消化器系の内臓
器、例えば、第1胃および第2胃を加工処理する場合に
は、まず、作業者がナイフなどの工具を使用して第1胃
および第2胃を長手方向に切り裂き、更にその切り口に
ほぼ直交する方向に切り裂いて、第1胃および第2胃を
略十文字状に切開する。この切開された後に第1胃およ
び第2胃内から内容物を排出し、内容物が排出された後
に第1胃および第2胃の内部および外部を水洗いにより
洗浄するという処理作業が必要であった。しかも、この
一連の処理作業は人手により行われていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】 しかしながら、屠蓄
された牛などの内臓器はである第1胃および第2胃は、
その体積が大きく、かつ、その重量が重いので、作業者
が切開する際に労力が必要となり、作業コストが増加し
てしまうという問題点があった。また、第1胃および第
2胃内には細菌が生息しているため、切開された第1胃
および第2胃から内容物を排出する際に、これらの細菌
が作業者の手に付着して、この細菌の付着した手で処理
工場内の設備に触れると、処理工場全体に細菌が蔓延し
てしまい、処理工場内の衛生環境が悪化してしまうとい
う問題点があった。
【0004】本発明は、上述した問題点を解決するため
になされたものであり、屠蓄された牛などの動物体から
取り出された消化器系の内臓器などの切開処理を機械化
して、作業コストを低減するとともに、処理工場内の衛
生環境を良好に維持することができる切開処理装置を提
供することを目的としている。
【0005】
【課題を解決するための手段】 この目的を達成するた
めに請求項1記載の切開処理装置は、屠蓄された牛など
の動物体から取り出された胃などの内臓器を切開するも
のであり、動物体の内臓器が載置可能な載置台と、その
載置台に載置される動物体の内臓器を掴むクランプ装置
と、そのクランプ装置を前記載置台の上流側から下流側
へ移動させるクランプ移動装置と、そのクランプ移動装
置による前記クランプ装置の移動方向上流側であって、
そのクランプ装置の移動経路に配設され、そのクランプ
装置の移動に伴って動物体の内臓器を切開するナイフを
支持するナイフ支持部材とを備えている。
【0006】この請求項1記載の切開処理装置によれ
ば、屠蓄された牛などの動物体から取り出された胃など
の内臓器は載置台の上流側に載置され、クランプ装置に
より掴まれる。動物体の内臓器を掴んだクランプ装置は
クランプ移動装置により載置台上流側から下流側へ移動
され、このクランプ装置の移動に伴って動物体の内臓器
がクランプ装置とともに載置台下流側へ搬送される。動
物体の内臓器は、クランプ装置の移動に伴って、クラン
プ装置の移動方向上流側におけるクランプ装置の移動経
路に配設されたナイフ支持部材により支持されたナイフ
によって切開される。
【0007】請求項2記載の切開処理装置は、請求項1
記載の切開処理装置において、前記クランプ装置は、前
記クランプ装置の移動方向との略直交方向両側にそれぞ
れ配設される一対の挟持歯部と、その一対の挟持歯部間
に設けられ前記ナイフ支持部材により支持されるナイフ
の刃先が通過可能に形成された間隙部とを有する第1挟
持部材と、その第1挟持部材に対向して配設される第2
挟持部材と、その第2挟持部材および第1挟持部材によ
り動物体の内臓器を挟み込む動力を付与する挟持力付与
装置とを備えている。
【0008】この請求項2記載の切開処理装置によれ
ば、請求項1記載の切開処理装置と同様に作用する上、
第1挟持部材と第2挟持部材との間に動物体の内臓器が
差し込まれる。かかる状態で、挟持力付与装置による動
力が第1挟持部材および第2挟持部材に付与されると、
動物体の内臓器は第1挟持部材における一対の挟持歯部
と第2挟持部材とにより挟持される一方、第1挟持部材
の間隙部から動物体の内臓器の一部分が露出される。第
1挟持部材および第2挟持部材により動物体の内臓器を
掴んだクランプ装置がクランプ移動装置により載置台の
下流側へ移動されると、ナイフ支持部材により支持され
たナイフの刃先が第1挟持部材における一対の挟持歯部
間に設けられた間隙部を通過する。この第1挟持部材の
間隙部をナイフ刃先が通過することにより、動物体の内
臓器における第1挟持部材および第2挟持部材により挟
み込まれた部分が切開される。
【0009】請求項3記載の切開処理装置は、請求項2
記載の切開処理装置において、前記第2挟持部材は、前
記第1挟持部材の前記間隙部との対向部分からその間隙
部へ向けて突設され、その間隙部の幅長より肉厚が小さ
く形成された突起部を備えている。この請求項3記載の
切開処理装置によれば、請求項2記載の切開処理装置と
同様に作用する上、動物体の内臓器が第1挟持部材にお
ける一対の挟持歯部と第2挟持部材とにより挟持される
場合に、第2挟持部材の突起部により第1挟持部材の間
隙部へ動物体の内臓器の一部分が押し込まれ、第1挟持
部材の間隙部から動物体の内臓器の一部分が露出され
る。
【0010】また、第2挟持部材の突起部は、第1挟持
部材における間隙部の幅長より肉厚が小さく形成されて
いるので、その突起部両側と第1挟持部材における一対
の挟持歯部との間に空隙がそれぞれ設けられる。このた
め、第1挟持部材および第2挟持部材により動物体の内
臓器が挟み込まれる場合に、動物体の内臓器は、第1挟
持部材の一対の挟持歯部と対向する部分が一対の挟持歯
部と第2挟持部材とにより挟み込まれると共に、第2挟
持部材の突起部により第1挟持部材の間隙部に押し込ま
れる部分が一対の挟持歯部と突起部との間に設けられる
空隙内にそれぞれ挟まれて挟持される。
【0011】請求項4記載の切開処理装置は、請求項3
記載の切開処理装置において、前記突起部には前記クラ
ンプ装置の移動方向と略同一方向へ向けて案内溝が設け
られている。
【0012】請求項5記載の切開処理装置は、請求項2
から4のいずれかに記載の切開処理装置において、前記
第1挟持部材または第2挟持部材の一方は、動物体の内
臓器に設けられる開口内に挿入可能に形成されている。
【0013】この請求項5記載の切開処理装置によれ
ば、請求項2から4のいずれかに記載の切開処理装置と
同様に作用する上、第1挟持部材と第2挟持部材との間
に動物体の内臓器を差し込む場合に、第1挟持部材また
は第2挟持部材の一方が動物体の内臓器に設けられた開
口内に挿入される。例えば、牛などの動物体の消化器系
内臓器である第1胃および第2胃を切開する場合には、
第2胃と第3胃との接合部分を切断することにより設け
られる開口から第2胃内へ第1挟持部材または第2挟持
部材の少なくとも一方が挿入され、第1挟持部材および
第2挟持部材により内臓器の開口縁が挟み込まれる。
【0014】請求項6記載の切開処理装置は、請求項1
から5のいずれかに記載の切開処理装置において、前記
ナイフ支持部材は、ナイフを上下動可能に支持するとと
もにナイフの刃先を前記クランプ装置の移動経路へ向け
て保持する取付部材と、その取付部材を前記クランプ装
置の移動経路へ向けて付勢する付勢部材とを備えてい
る。
【0015】この請求項6記載の切開処理装置によれ
ば、請求項1から5のいずれかに記載の切開処理装置と
同様に作用する上、動物体の内臓器を切開するナイフ
は、取付部材により上下動可能に支持され、かつ、その
取付部材は付勢部材によりクランプ装置の移動経路へ向
けて付勢されるので、クランプ装置と共に移動される内
臓器の外形に応じてナイフの刃先位置が可変される。
【0016】請求項7記載の切開処理装置は、請求項1
から6のいずれかに記載の切開処理装置において、前記
クランプ装置の移動方向上流側と下流側との間に配設さ
れ動物体の内臓器を切開する第2ナイフを支持する第2
ナイフ支持部材と、その第2ナイフ支持部材を前記クラ
ンプ装置の移動方向に対して略直交する方向へ移動させ
るナイフ移動装置とを備えている。
【0017】この請求項7記載の切開処理装置によれ
ば、請求項1から6のいずれかに記載の切開処理装置と
同様に作用する上、動物体の内臓器を切開する第2ナイ
フは第2ナイフ支持部材により支持されており、この第
2ナイフ支持部材はナイフ移動装置によりクランプ装置
の移動方向に対して略直交する方向へ移動される。この
第2ナイフ支持部材の移動に伴って、動物体の内臓器
は、ナイフ支持部材により支持されたナイフによる切り
口に対して略直交する方向へ切開される。即ち、動物体
の内臓器は、ナイフおよびナ第2ナイフにより略十文字
状に切開される。
【0018】
【発明の実施の形態】 以下、本発明の好ましい実施例
について、添付図面を参照して説明する。図1は、本発
明の一実施例である切開処理装置1の外観斜視図であ
る。切開処理装置1は、屠蓄された牛などの屠体(動物
体)から取り出された胃などの内臓器(以下、「内臓
器」と称す。)Sを切開するための装置である。この切
開処理装置1は、主に、内臓器Sの切開処理が行われる
装置本体2と、その装置本体2内へ搬送される内臓器S
が載置される前処理台3とを備えている。
【0019】装置本体2は、耐腐食性を有するステンレ
ス鋼材などの金属材料で略箱状体に形成されており、そ
の前壁2a(図1手前側)には略矩形状の開口である搬
入口4が穿設されている。この搬入口4は、前処理台3
に載置された内臓器Sを装置本体2内へ搬入する開口で
あり、装置本体2内部と連通されている。この搬入口4
が穿設された装置本体2の前壁2aには、ステンレス鋼
材などの金属材料で略矩形平板状に形成された開閉シャ
ッタ5が装置本体2の上下方向へスライド移動可能に配
設されている。
【0020】開閉シャッタ5は搬入口4を開閉するため
のものであり、空気圧式シリンダなどの駆動装置(図示
せず)によりスライド移動されて搬入口4を開閉するよ
うに構成されている。この開閉シャッタ5によれば、装
置本体2内へ内臓器Sを搬入する場合に、駆動装置によ
り上方へスライド移動され搬入口4を開放する一方、内
臓器Sが装置本体2内へ搬入され切開処理を行う場合
に、駆動装置により下方へスライド移動され搬入口4を
閉鎖する。
【0021】装置本体2の側壁2b(図1右側)には略
矩形状の開口である搬出口6が穿設されている。この搬
出口6は装置本体2内で切開された内臓器Sを搬出する
ためのものであり、装置本体2内部と連通されている。
この搬出口6が穿設された装置本体2の側壁2bには、
ステンレス鋼材などの金属材料で略矩形平板状に形成さ
れた開閉シャッタ7が装置本体2の上下方向へスライド
移動可能に配設されている。
【0022】開閉シャッタ7は搬出口6を開閉するため
のものであり、空気圧式シリンダなどの駆動装置(図示
せず)によりスライド移動されて搬出口6を開閉するよ
うに構成されている。この開閉シャッタ7によれば、装
置本体2内で切開処理を行う場合に、駆動装置により下
方へスライド移動され搬出口6を閉鎖する一方、切開さ
れた内臓器Sを装置本体2外へ搬出する場合に、駆動装
置により上方へスライド移動され搬出口6を開放する。
【0023】このように、装置本体2によれば、その内
部で内臓器Sの切開処理が行われる場合に、搬入口4お
よび搬出口6は開閉シャッタ5,7により閉鎖されるの
で、切開された内臓器Sから内容物を除去する際に内容
物が装置本体2外へ飛散することを防止することができ
ると共に、内容物から放出される悪臭が装置本体2外へ
流出することを防止することができる。よって、切開処
理装置1を操作する作業の作業環境の悪化を防止するこ
とができるのである。
【0024】この装置本体2の内部にはステンレス鋼材
で略平板状に形成された処理テーブル8が略水平状態で
配設されている。この処理テーブル8は、装置本体2内
へ搬送される内臓器Sを下方から支持するためのもので
あり、その上面が搬入口4の下側端面と略同一平面内に
配設されている。装置本体2における搬入口4上流側
(図1手前側)には前処理台3が配設されている。前処
理台3はステンレス鋼材などの金属材料で形成された台
座であり、前工程において屠体から取り出された内臓器
Sが載置される略平板状の載置板3aを備えている。こ
の載置板3aは、複数本の支柱3bにより床面上に設置
されており、その上面が装置本体2内の処理テーブル8
上面と略同一平面内に配設されている。
【0025】次に、図2を参照して、装置本体2の内部
構造について説明する。図2は、切開処理装置1におけ
る装置本体2の内部構造を示す斜視図であり、図中では
装置本体2の外形を2点鎖線で図示している。また、図
中の1点鎖線はクランプ装置9の移動経路を示してお
り、図中の矢印Xは、クランプ装置9が内臓器Sを装置
本体2内へ搬送する際に移動する方向を示し、図中の矢
印Yは、ナイフ14を保持するナイフ保持部材45の移
動方向を示している。尚、図2では、クランプ装置9お
よびナイフ支持装置12の一部を省略して図示してい
る。
【0026】図2に示すように、装置本体2の内部に
は、主に、前処理台3に載置された内臓器Sを掴むため
のクランプ装置9と、そのクランプ装置9を移動させる
クランプ移動装置10と、そのクランプ移動装置10に
よるクランプ装置9の移動に伴って内臓器Sを切開する
ナイフ11を支持するナイフ支持装置12と、装置本体
2内へ搬送された内臓器Sを拘止する拘止装置13と、
その拘止装置13により拘止された内臓器Sをナイフ1
1による切り口に対して略直交方向へ切開するナイフ1
4を支持するナイフ支持装置15とが配設されている。
【0027】クランプ装置9は、前処理台3に載置され
た内臓器Sを挟み込んで掴むための装置であり、装置本
体2内に配設され前処理台3配設側(図2の手前側)へ
向けて延出されている。クランプ装置9は、主に、内臓
器Sを挟み込む(挟持する)上下一対の挟持部材16,
17と、その挟持部材16,17により内臓器Sを挟み
込む動力を供給(付与)する駆動装置18とを備えてい
る。挟持部材16,17は、クランプ装置9の先端側、
即ち、駆動装置18の前処理台3配設側(図2の手前
側)端部に配設されており、その駆動装置18端部から
前処理台3側へ向けて延出されている。
【0028】具体的には、挟持部材16,17のうち、
挟持部材16はクランプ装置9の先端上側から前処理台
3側へ向けて延出されており、挟持部材17はクランプ
装置9の先端下側から前処理台3へ向けて延出されてい
る。また、挟持部材17は、クランプ装置9の先端に上
下方向へ向けて揺動可能に取着されており、駆動装置1
8による動力付与を受けて上方へ向けて揺動し、挟持部
材16との対向面間に内臓器Sを挟み込むように構成さ
れている。
【0029】駆動装置18は、上述した挟持部材17を
挟持部材16へ向けて揺動させる動力を付与するための
装置であり、圧縮空気を供給することにより駆動される
空気圧式シリンダで構成されている。この駆動装置18
によれば、圧縮空気が供給され駆動が開始されると、挟
持部材17を上方へ向けて、即ち、挟持部材16との対
向面側へ向けて揺動させる一方、圧縮空気の供給が停止
され駆動が停止されると、挟持部材17をその自重によ
り下方へ向けて、即ち、挟持部材16との非対向面側へ
向けて揺動させることができる。
【0030】また、クランプ装置9は、挟持部材16,
17配設側の反対端側(図2の奥側)にステンレス鋼材
などの金属材料で略平板状に形成された一対の支持板1
9,19が配設されている。この一対の支持板19,1
9は、駆動装置18を支持するためのものであり、駆動
装置18の幅方向(図2の左右方向)両側にそれぞれ配
設され、揺動軸18aを介して、駆動装置18を上下方
向へ向けて揺動(回転)可能に軸支している。尚、クラ
ンプ装置9の他の部分についての詳細は後述する。
【0031】上述した一対の支持板19,19は、ステ
ンレス鋼材などの角パイプで形成されたアーム部材20
の一端側(図2左側)にそれぞれ立設されている。この
アーム部材20は、クランプ装置9と後述するクランプ
移動装置10とを連結するためのものであり、クランプ
装置9に対して略直交方向へ延出されると共に、その延
出部分の端部(図2の右側)がクランプ移動装置10の
ランナ部材22に連結されている。
【0032】クランプ移動装置10は、クランプ装置9
を前処理台3配設側(図2手前側)から装置本体2後方
(図2奥側)へ移動させる装置であり、装置本体2にお
ける側壁2bの内側部分に沿って略水平状態で配設され
ている。クランプ移動装置10は装置本体2の前後方
向、即ち、図2の手前側から奥側へ向けて配設される上
下一対の略円柱状のガイドバー21,21を備えてい
る。この一対のガイドバー21,21は、後述するラン
ナ部材22のスライド移動を案内するものであり、上述
したクランプ装置9に対して略平行に配設されている。
【0033】一対のガイドバー21,21は、ランナ部
材22にそれぞれ貫通して通されている。ランナ部材2
2は、一対のガイドバー21,21により案内されクラ
ンプ装置9を前処理台3配設側(図2手前側)から装置
本体2後方(図2奥側)へ移動させるものであり、一対
のガイドバー21,21の軸方向へ向けてスライド移動
可能に構成されている。このクランプ移動装置10によ
れば、ランナ部材22が一対のガイドバー21,21の
軸方向へスライド移動することにより、この一対のガイ
ドバー21,21に対して略平行に配設されたクランプ
装置9が装置本体2の前後方向、即ち、図2の手前側か
ら奥側へ向けて移動されるのである。
【0034】ナイフ支持装置12は、内臓器Sを切開す
るためのナイフ11を支持するための装置であり、装置
本体2における前壁2aの内側部分であって、クランプ
移動装置10によるクランプ装置9の移動経路上方に略
垂直姿勢で配設されている。このナイフ支持装置12の
下部にはナイフ11を取り付けるためのナイフ取付具2
3が配設されており、このナイフ取付具23にナイフ1
1を取り付けることにより、ナイフ11の刃先をクラン
プ装置9の移動経路上方に配置することができる。ま
た、ナイフ取付具23の上端部には略円柱状のシャフト
24が固着されている。シャフト24は、ナイフ取付具
23を上下方向へ向けて移動させるためのものであり、
このシャフト24は上下一対の軸受25,25により上
下方向へ摺動可能に支持されている。尚、ナイフ取付具
23の詳細については後述する。
【0035】一対の軸受25,25はシャフト24の上
下動を案内する公知の軸受であり、各軸受25,25は
リブ25a,25aにより装置本体2の前壁2aの内側
面に取着されている。シャフト24の上方には、かかる
シャフト24を上下方向へスライド移動させる動力を付
与するための昇降装置26が配設されている。この昇降
装置26は、圧縮空気を供給することによりシリンダロ
ッド26aを上下方向へ往復移動させる空気圧式シリン
ダで構成されており、そのシリンダロッド26aの下端
にはシャフト24の上端部が連結されている。
【0036】上記のように構成されたナイフ支持装置1
2によれば、ナイフ取付具23は、昇降装置26によっ
て、そのシリンダロッド26aが上方へ向けて移動され
シャフト24が一対の軸受25,25を介して上方へ向
けて摺動されることにより上昇移動することができる。
よって、このナイフ取付具23の上昇移動によりナイフ
11は上方へ移動されるので、上述したクランプ装置9
がクランプ移動装置10により移動され、挟持部材1
6,17が装置本体2の搬入口4から外方へ突出される
場合に、ナイフ11の刃先がクランプ装置9と衝突する
ことを防止することができる。
【0037】一方、ナイフ支持装置12によれば、ナイ
フ取付具23は、昇降装置26によって、そのシリンダ
ロッド26aが下方へ向けて移動されシャフト24が一
対の軸受25,25を介して下方へ向けて摺動されるこ
とにより下降移動することができる。よって、このナイ
フ取付具23の下降移動によりナイフ11は下方へ移動
されるので、上述したクランプ装置9の挟持部材16,
17により挟み込まれた内臓器Sに刃先を接触させて、
内臓器Sを切開することができるのである。
【0038】ここで、図3及び図4を参照して、クラン
プ装置9およびナイフ支持装置12の詳細について説明
する。図3は、クランプ装置9およびナイフ装置12の
外観斜視図であり、クランプ装置9の移動経路を1点鎖
線で示しており、図中の矢印Xは、クランプ装置9が内
臓器Sを搬送する際に移動する方向を示している。ま
た、図4は、ナイフ支持装置12におけるナイフ取付具
23の拡大斜視図である。図3に示すように、クランプ
装置9における挟持部材16は、クランプ装置9の移動
経路に対する略直交方向両側に一対の挟持歯部16a,
16aがそれぞれ形成されている。
【0039】一対の挟持歯部16a,16aは、挟持部
材17と共に内臓器Sを挟み込むものであり、クランプ
装置9の移動経路上流側(図3の左下側)へ向けて延出
され、その下端面が側面視鋸歯状に形成されている。ま
た、一対の挟持歯部16a,16aの対向面間には、ク
ランプ装置9の移動経路と略同一方向へ向けて上面視略
コ字状の隙間部16bが設けられている。この間隙部1
6bは、クランプ装置9の移動経路に対する略直交方向
幅が幅長W1にされており、クランプ装置9の移動経路
上であってナイフ支持装置12により支持されるナイフ
11刃先の下方に設けられている。尚、挟持部材16の
間隙部16bは、その幅長W1がナイフ11の刃先幅よ
り大きくされており、ナイフ11刃先が通過可能に形成
されている。
【0040】この間隙部16bおよび一対の挟持歯部1
6a,16aの駆動装置18側端部には固定部16cが
設けられている。この固定部16cは、一対の挟持歯部
16a,16aを駆動装置18に固定するためのもので
あり、その幅方向(図3の左右方向)略中央部分には、
正面視略V字状の案内溝16dが凹設されている。この
案内溝16dは、ナイフ11の刃先を案内するための溝
であり、クランプ装置9の移動経路と略同一方向へ向け
て凹設されている。この固定部16bにより駆動装置1
8に固定された挟持部材16の下方には、上述した挟持
部材17が挟持部材16と対向して配設されている。
【0041】挟持部材17は、挟持部材16と共に内臓
器Sを挟み込むためのものであり、剛性を有する合成樹
脂材料で正面視略逆T字状に形成されている。この挟持
部材17は、一対の挟持歯部16a,16a下端面との
対向部分に側面視鋸歯状に形成された一対の挟持歯部1
7a,17aがそれぞれ設けられており、挟持部材16
および挟持部材17により内臓器Sが挟み込まれた場合
に、これらの挟持歯部17a,17aおよび挟持歯部1
6a,16aにより内臓器Sが両挟持部材16,17の
間から滑り、抜け外れることを防止することができる。
【0042】また、挟持部材17は内臓器Sの切断口H
(図5参照)内に挿入可能に形成されている。よって、
挟持部材17を切断口H内へ挿入することにより、内臓
器Sの上側胃壁を挟持部材16,17により挟み込むこ
とができる。しかも、挟持部材17の先端は尖状に形成
されている。よって、挟持部材17を内臓器Sの切断口
H内に挿入する際に、挟持部材17の先端が切断口H縁
部に引っ掛かることを防止して、挟持部材17を切断口
H内へ円滑に挿入することができる。
【0043】挟持部材17の幅方向(図3の左右方向)
略中央部分には、クランプ装置9の移動経路と略同一方
向へ向けて突起部17bが設けられている。この突起部
17bは、クランプ装置9の移動経路に対する略直交方
向幅が幅長W2にされており、上述した挟持部材16の
間隙部16bの幅長W1より小さく形成されている(W
1>W2)。よって、挟持部材17の突起部17bは挟
持部材16の間隙部16bに入り込み可能に形成される
ので、挟持部材16,17により内臓器Sが挟み込まれ
た場合に、突起部17bにより間隙部16b内に内臓器
Sの一部を押し込むことができる(図6参照)。
【0044】この挟持部材17の突起部17bは、その
上端面における幅方向(図3の左右方向)略中央部分に
正面視略V字状の案内溝17cが凹設されている。この
案内溝17cは、ナイフ11の刃先を案内するための溝
であり、クランプ装置9の移動経路と略同一方向へ向け
て凹設されている。しかも、この案内溝17cは、挟持
部材16,17により内臓器Sが挟み込まれた場合、即
ち、挟持部材16,17が閉じられた場合に、上述した
挟持部材16の案内溝16dと連通するように形成され
ている。
【0045】駆動装置18は、その挟持部材16,17
配設側端部の反対部分に側方(図3の右側)へ向けて延
出された延出リブ27が設けられている。この延出リブ
27は、クランプ装置9の揺動軸18aを介した揺動を
規制するためのものであり、その延出リブ27の下方に
はストッパ部材28が配設されている。このストッパ部
材28は、揺動軸18aを介してクランプ装置9が下方
へ向けて揺動する場合に、その揺動動作を制限するため
のものであり、このストッパ部材28に延出リブ27が
当接することよりクランプ装置9の下方へ向けた揺動動
作を制限することができる。ストッパ部材28は、延出
リブ27が直に当接して衝撃を緩衝する減衰器であるダ
ンパ部材28aを備えている。このダンパ部材28a
は、上述したアーム部材20に固着されたブラケット2
8bにより支持されており、このダンパ部材28aによ
ってクランプ装置9が下方へ向けて揺動する際に延出リ
ブ27に加わる衝撃が緩衝されるのである。
【0046】また、支持板19の側部上方(図3右側)
には、ストッパ部材29が配設されている。このストッ
パ部材29は、揺動軸18aを介してクランプ装置9が
上方へ向けて揺動する場合に、その揺動動作を制限する
ためのものであり、このストッパ部材29に延出リブ2
7が当接することよりクランプ装置9の上方へ向けた揺
動動作を制限することができる。ストッパ部材29は、
延出リブ27が直に当接して衝撃を緩衝する減衰器であ
るダンパ部材29aを備えている。このダンパ部材29
aは、上述した支持板19及びアーム部材20に固着さ
れたブラケット29bにより支持されており、このダン
パ部材28によってクランプ装置9が上方へ向けて揺動
する際に延出リブ27に加わる衝撃が緩衝されるのであ
る。
【0047】次に、図4を参照して、ナイフ支持装置1
2のナイフ取付具23の詳細について説明する。ナイフ
取付具23は略矩形平板状の支持プレート31を備えて
おり、この支持プレート31側面(図4の奥側)にシャ
フト24の下端部が固着されている。この支持プレート
31には上下一対のリンク部材32,33の一端側が連
結ピン32a,33aを介して回転可能に連結されてお
り、この一対のリンク部材32,33はそれぞれ略平行
に配設されている。一対のリンク部材32,33は、そ
の他端側に連結ピン32b,33bがそれぞれ突設され
ており、この連結ピン32b,33bを介して略矩形平
板状に形成された昇降プレート34に回転可能に連結さ
れている。このため、昇降プレート34は、一対のリン
ク部材32,33を介して、支持プレート31に対して
上下動可能に連結されている。
【0048】支持プレート31上端部には略コ字状に形
成された規制部材31aが固着されている。この規制部
材31aは、後述する昇降プレート36の上昇移動を制
限すると共に、揺動プレート37の反時計方向へ向けた
回転を防止するためのものであり、その下端面が昇降プ
レート36および揺動プレート37の上端面と当接され
ている。このように昇降プレート36及び揺動プレート
37の上端面が規制部材31aの下端面と当接されるこ
とにより、リンク部材33が後述するロック装置36に
より係止され昇降プレート34が停止される場合に、後
述する昇降プレート36は上昇移動が制限されると共
に、後述する揺動プレート37は反時計方向へ向けた回
転が防止されるのである。
【0049】支持プレート31にはリンク部材33の上
方へ向けた回転を規制するためのストッパ部材35が突
設されており、このストッパ部材35にリンク部材33
が当接することにより昇降プレート34の上昇移動を規
制することができる。また、支持プレート31における
リンク部材32,33連結面の裏側面にはリンク部材3
3を係止するロック装置36が配設されている。このロ
ック装置36は略円柱状に形成されたロックピン36a
を備えており、このロックピン36aは支持プレート3
1を貫通して設けられ、リンク部材33に穿設された係
合穴33cに挿入されて係止可能に形成されている。こ
のロック装置36によれば、そのロックピン36aをリ
ンク部材33の係止穴33cに挿入することにより、リ
ンク部材33が係止され、昇降プレート34の上下動を
停止することができる。
【0050】昇降プレート34は、その下側部分に連結
ピン34aが設けられており、この連結ピン34aを介
して略矩形平板状の揺動プレート37が回転可能に連結
されている。また、昇降プレート34には、その上側部
分に揺動プレート37の時計方向へ向けた回転を規制す
るためのストッパ部材38が突設されており、このスト
ッパ部材38に揺動プレート34が当接することにより
揺動プレート37の時計方向へ向けた回転を規制するこ
とができる。
【0051】揺動プレート37は、後述するナイフ保持
部材40を揺動可能に支持するためのものであり、その
下側部分に連結ピン37aが設けられている。この連結
ピン37aは、揺動プレート37にナイフ保持部材40
を連結するものであり、この連結ピン37aを介して揺
動プレート37にナイフ保持部材40が回転可能に連結
されている。また、揺動プレート37の下側には略平板
状のリブ部材37bが固着されており、このリブ部材3
7bにはビス部材37cが螺合され、このビス部材37
cにコイルスプリング39の下端側が係合されている。
このコイルスプリング39は、連結ピン37aを介して
ナイフ保持部材40を時計方向へ向けて付勢しナイフ1
1の刃先を下方へ向けて付勢するためのバネ部材であ
り、バネ鋼材などの弾性材料で形成されている。
【0052】ナイフ保持部材40は、内臓器Sを切開す
るためのナイフ11を保持するためのものであり、その
ナイフ11が挿入され保持されるナイフ収容体40aを
備えている。このナイフ収容体40aは略中空角柱状に
形成されており、その内部にナイフ11が挿入可能な挿
入口40bが設けられている。この挿入口40bは、ナ
イフ収容体40aの上端側から下端側へ貫通して設けら
れており、ナイフ収容体40a下端側からナイフ11の
刃先が突出可能にされている。
【0053】ナイフ収容体40aの側部にはナイフ11
を固定するための固定ハンドル40cが配設されてお
り、この固定ハンドル40cを締付け方向へ回転するこ
とによりナイフ11をナイフ収容体40a内でガタつか
せずに固定することができる一方、固定ハンドル40c
を反締付け方向へ回転させることによりナイフ11をナ
イフ収容体40aから取り外すことができる。よって、
ナイフ11の刃先が破損した場合に、ナイフ取付具23
からナイフ11を取り外して交換することができるので
ある。
【0054】また、ナイフ保持部材40の上端部には、
揺動プレート37のビス部材37cに下端側が係合され
たコイルスプリング39の上端側が係合されており、こ
のナイフ保持部材40の下端側が連結ピン37aを介し
て時計方向へ付勢され、その結果、ナイフ保持部材40
に保持されるナイフ11の刃先が下方へ付勢されてい
る。しかも、ナイフ保持部材40には、揺動プレート3
7側へ向けて略円柱状のストッパピン40dが突設され
ており、このストッパピン40dが揺動プレート37端
部(図4の手前側端部)と当接することによりナイフ保
持部材40の時計方向へ向けた回転が規制されている。
【0055】このように構成されたナイフ保持部材39
によれば、ナイフ11の刃先に上方へ向けた負荷が加わ
った場合に、ナイフ保持部材40は、連結ピン37aを
介して反時計方向へ回転され、ナイフ11の刃先位置を
上昇移動させることができる。一方、ナイフ11の刃先
に加わる負荷が減少すると、ナイフ保持部材40は、連
結ピン37aを介して時計方向へ回転され、ナイフ11
の刃先位置を下降移動させることができる。よって、ク
ランプ装置9の移動に伴って搬送される内臓器Sの外形
に応じてナイフ11の刃先位置を可変することができ
る。よって、ナイフ11により内臓器Sを切開する際
に、ナイフ11刃先が内臓器Sから離間することによる
切り損じを防止して、内臓器Sを確実に切開することが
できるのである。
【0056】図2に示すように、クランプ移動装置10
によるクランプ装置9の移動経路上流側(図2の手前
側)と移動経路下流側(図2の奥側)との間位置には、
装置本体2内に搬送された内臓器Sを挟み込み拘止する
拘止装置13が配設されている。この拘止装置13は、
上下一対の拘止部材41,42と、この一対の拘止部材
41,42により内臓器Sを挟み込む動力を付与する駆
動装置43とを備えている。一対の拘止部材41,42
は、装置本体2の側壁2c(図2の左側)に穿設された
スライド溝2c1から装置本体2内へ向けて延出されて
おり、クランプ装置9の移動経路に対して略直交して配
設されている。
【0057】駆動装置43は、拘止部材41を上下方向
へ揺動移動させる動力を付与する装置であり、圧縮空気
を供給することにより駆動される空気圧式シリンダ等に
より構成されている。また、拘止装置13には、その拘
止装置13を上下方向へスライド移動させる動力を付与
する昇降装置44が配設されている。よって、拘止装置
13は、昇降装置44により装置本体2のスライド溝2
c1内で上下方向へスライド移動して、その配設高さを
変更することができるのである。
【0058】一対の拘止部材41,42のうち、拘止部
材41には略針状に形成された複数の突起部41aが突
設されており、一対の拘止部材41,42により内蔵器
を挟み込む場合に、拘止部材41の複数の突起部41a
を内臓器Sに食い込ませて拘止することができる。ま
た、拘止部材42は、拘止部材41の複数の突起部41
aに対応する位置に各突起部41aが填り込み可能な複
数の凹部42aが凹設されている。よって、拘止部材4
1が駆動装置43により下方へ揺動移動され,拘止部材
42と対向して閉じられる場合に、拘止部材42の各凹
部42a内に拘止部材41の各突起部41aを填め込む
ことができるので、拘止部材41の各突起部41aが拘
止部材42の上面に衝突し破損することを防止すること
ができる。
【0059】この拘止装置13には、ナイフ支持装置1
5が並設されている。このナイフ支持装置15は、クラ
ンプ装置9により装置本体2内へ搬送された内臓器Sを
ナイフ11による切り口に対して略直交方向へ切開する
ナイフ14を支持するものであり、クランプ移動装置1
0によるクランプ装置9の移動経路上流側(図2の手前
側)と移動経路下流側(図2の奥側)との間位置に配設
されている。ナイフ支持部材15は、主に、ナイフ14
を保持するナイフ保持部材45と、そのナイフ保持部材
45をクランプ装置9の移動経路に対して略直交方向へ
移動させるナイフ移動装置46とを備えている。
【0060】ナイフ保持部材45は、内臓器Sを切開す
るためのナイフ14を保持するためのものであり、その
ナイフ14が挿入され保持されるナイフ収容体45aを
備えている。このナイフ収容体45aは略中空角柱状に
形成されており、その内部にナイフ14が挿入され、そ
のナイフ14の刃先がナイフ収容体45a下端側から突
出されている。ナイフ収容体45aの側部にはナイフ1
4を固定するための固定ハンドル45bが配設されてお
り、この固定ハンドル45bを締付け方向へ回転するこ
とによりナイフ14をナイフ収容体45a内でガタつか
せずに固定することができる一方、固定ハンドル45b
を反締付け方向へ回転させることによりナイフ14をナ
イフ収容体45aから取り外すことができる。よって、
ナイフ14の刃先が破損した場合に、ナイフ保持部材4
5からナイフ14を取り外して交換することができるの
である。
【0061】このナイフ保持部材45は、ナイフ移動装
置46のランナ部材46aに2本のビス部材45cを介
して、その上下位置および傾斜角度を調節可能に連結さ
れている。尚、図2では、2本のビス部材45cのう
ち、一方のビス部材45cのみを図示している。
【0062】ナイフ移動装置15は、ナイフ保持部材4
5をクランプ装置9の移動経路に対して略直交方向(図
2に左右方向)へ移動させる装置であり、装置本体2の
側壁2cに穿設されたスライド溝2c1から装置本体2
内へ向けて略水平状態で配設されている。このナイフ移
動装置46には、ナイフ保持部材45が連結され装置本
体2内を往復移動するランナ部材46aと、そのランナ
部材46aの移動を案内する3本の略円柱状のガイドバ
ー46b〜46dとを備えている。
【0063】この各ガイドバー46b〜46dは、装置
本体2の幅方向(図2の左右方向)、即ち、クランプ装
置9の移動経路に対して略直交方向へ向けて配設され、
かつ、ランナ部材46aにそれぞれ貫通して通されてい
る。ランナ部材46aは各ガイドバー46b〜46dの
軸方向へスライド可能に構成されており、このランナ部
材46aが各ガイドバー46b〜45dの軸方向へ向け
てスライド移動することによりナイフ保持部材45をク
ランプ装置9の移動経路に対して略直交方向(図2に左
右方向)へ移動させることができる。よって、このラン
ナ部材46aによるナイフ保持部材45のスライド移動
に伴って、ナイフ14がスライド移動され、内臓器Sを
ナイフ11による切り口に対して略直交方向へ切開する
ことができるのである。
【0064】また、ナイフ支持装置15には、そのナイ
フ支持装置15を上下方向へスライド移動させる動力を
付与する昇降装置47が配設されている。よって、ナイ
フ支持装置15は、昇降装置47により装置本体2のス
ライド溝2c1内で上下方向へスライド移動され、その
配設高さを変更することができるのである。
【0065】次に、図1から図7を参照して、上述した
切開処理装置1の動作について説明する。図5は、牛の
消化器系の内臓器Sを構成する第1胃S1から第4胃S
4の斜視図であり、図6(a)は、挟持部材16,17
の間に内臓器Sを差し込んだ状態におけるクランプ装置
9の正面図であり、図6(b)は、挟持部材16,17
により内臓器Sが挟み込まれた状態におけるクランプ装
置9の正面図である。また、図7(a)は、挟持部材1
6,17により挟み込まれた内臓器Sが切開された状態
におけるクランプ装置9の正面図であり、図7(b)
は、挟持部材16,17から切開後の内臓器Sが外れ落
ちた状態におけるクランプ装置9の正面図である。
【0066】まず、図5に示すように切開処理装置1に
より切開される内臓器Sは、第1胃S1及び第2胃S2
から第3胃S3および第4胃S4を切断したものであ
り、第2胃S2と第3胃S3との連結部分を切断するこ
とにより、第2胃S2に内部と連通する切断口Hが設け
られている。この切断口Hが設けられた内臓器Sは、切
断口Hが設けられた側、即ち、第2胃S2側を搬入口4
へ向けて前処理台3の載置板3a上に載置される。内臓
器Sが前処理台3に載置されると、開閉シャッタ5が上
方へ移動されて搬入口4が開放される。搬入口4が開放
されると、クランプ移動装置10のランナ部材22が一
対のガイドバー21,21に沿って、装置本体2の前壁
2a側へ向けて移動され、このランナ部材22の移動に
より、アーム部材20によりランナ部材22に連結され
たクランプ装置9が移動経路上流側(図2の反矢印X方
向)へ向けて移動される。
【0067】クランプ装置9が移動経路上流側(図2の
手前側)へ向けて移動され、クランプ装置9がナイフ支
持装置12により支持されたナイフ11の下方を通過す
る。ナイフ11の下方を通過したクランプ装置9は、そ
の挟持部材16,17が搬入口4から装置本体2外へ突
出され、クランプ移動装置10のランナ部材22による
移動が一旦停止される。かかる状態において、挟持部材
17は挟持部材16から離間されており、この挟持部材
16,17の間部分に、内臓器Sが挟み込まれる。具体
的には、図6(a)に示すように、作業者により、内臓
器Sにおける第2胃S2の切断口H内に挟持部材17が
挿入されて、切断口H近傍における内臓器Sの上側胃壁
が両挟持部材16,17の間部分に差し込まれるのであ
る。
【0068】挟持部材16,17の間部分に内臓器Sの
上側胃壁が差し込まれると、駆動装置18が駆動され、
挟持部材17が上方へ向けて、即ち、挟持部材16との
対向面側へ向けて揺動される。この挟持部材17の揺動
に伴って、内臓器Sの上側胃壁は挟持部材17の突起部
17bにより上方へ押し上げられ、挟持部材16の間隙
部16b内へ押し込まれる。挟持部材17の上方へ向け
た揺動を更に続けると、図6(b)に示すように、内臓
器Sの上側胃壁の両側が挟持部材16の一対の挟持歯部
16a,16aと挟持部材17の一対の挟持歯部17
a,17aとにより挟み込まれる。
【0069】しかも、内臓器Sにおける切断口H近傍の
上側胃壁略中央部分は、挟持部材17の突起部17bに
より挟持部材16の間隙部16b内に押し込まれ、挟持
部材16の上端から上方へ突出しつつ露出されると共
に、一対の挟持歯部16a,16aと突起部17bとの
間にそれぞれ設けられる空隙W3,W4内に填り込んで
挟まれる。よって、クランプ装置9は、クランプ移動装
置10により移動経路下流側(図2の矢印X方向)へ移
動される場合に、挟持部材16,17の間部分から重量
の大きな内蔵器Sが外れることなく、両挟持部材16,
17により内臓器Sを確実に挟み込んで搬送することが
できるのである。
【0070】内臓器Sの切断口H近傍がクランプ装置9
により挟み込まれると、ナイフ支持装置12の昇降装置
26が駆動され、そのシリンダロッド26aが下方へ向
けて移動される。このシリンダロッド26aの下降によ
りシャフト24が一対の軸受25,25を介して下方へ
向けて下降移動され、ナイフ取付具23のナイフ保持部
材40により保持されたナイフ11が下方へ移動され
る。このナイフ11の下降後、クランプ移動装置10に
よって、クランプ装置9の移動経路下流側(図2の奥
側)へ向けた移動が開始され、クランプ装置9が装置本
体2内へ移動される。このクランプ装置9の移動によ
り、挟持部材16,17により挟み込まれた内臓器Sは
徐々に搬入口4から装置本体2内の処理テーブル8上へ
搬送される。
【0071】図7(a)に示すように、クランク装置9
の移動による内臓器Sの搬送に伴って、ナイフ支持装置
12により支持されたナイフ11の刃先が挟持部材16
の案内溝16dを通過して、内臓器Sの上側胃壁がクラ
ンプ装置9の移動経路と略同一方向へ向けて切開され
る。クランプ装置9が更に移動され内蔵器Sが搬送され
ると、ナイフ11の刃先が挟持部材17の案内溝17c
を通過し、ナイフ11によって、突起部17bにより挟
持部材16の間隙部16bに押し込まれ内臓器Sの上側
胃壁が切開される。その後、クランプ装置9が移動経路
上流側へ向けて更に移動され内臓器Sが搬送されると、
内蔵器Sは、ナイフ11により長手方向、即ち、クラン
プ装置9の移動方向へ向けて一文字状に切開されるので
ある。この切開により、切開処理装置1は、内臓器Sの
第1胃および第2胃をまとめて一度に切開することがで
きるのである。
【0072】クランプ装置9が移動され、内臓器Sが装
置本体2内に収容されると、ナイフ11による内臓器S
の切開が完了し、開閉シャッタ5が下方へ移動され、搬
入口4が閉鎖される。搬入口4の閉鎖後、図7(b)に
示すように、クランプ装置9における駆動装置18の駆
動が停止されると、挟持部材17がその自重により、下
方へ向けて揺動し、挟持部材16,17による内臓器S
の挟み込むが解除される。一方、搬入口4の閉鎖後、拘
止装置13の駆動装置43が駆動され、図2に示す拘止
部材41が下方へ向けて揺動移動され、この拘止部材4
1と拘止部材42との間に内臓器Sが挟み込まれる。そ
の後、ナイフ支持装置15の昇降装置47が駆動され、
図2に示すナイフ支持装置15が下方へ向けてスライド
移動される。尚、かかる状態では、ナイフ支持装置15
のランナ部材46aは、装置本体2の側壁2b側(図2
の右側)に配置されている。
【0073】ナイフ支持装置15が下方へスライド移動
され所定位置で停止されると、ランナ部材46aがガイ
ドバー46b〜46dに沿って、装置本体2の側壁2c
側(図2の左側)へ向けてスライド移動される。このラ
ンナ部材46aの移動により、ナイフ保持部材45によ
り保持されたナイフ14がクランプ装置9の移動経路と
略直交する方向へ向けて移動される。このナイフ14の
移動に伴って、ナイフ11による切り口に対して略直交
方向へ内臓器Sが切開され、その結果、内臓器Sが略十
文字状に切開されるのである。よって、切開後の内臓器
Sは、略十文字に切開されることにより、その切開後の
切り口面積が大きくされるので、例えば、切開後の内臓
器Sから内容物を円滑に除去することができる。
【0074】ナイフ14による内臓器Sの切開後、内容
物除去装置(図示せず)により内臓器S内の内容物が除
去され、洗浄装置(図示せず)により内臓器S内部およ
び装置本体2内部が洗浄される。この洗浄後、開閉シャ
ッタ7が上方へ移動され、搬出口6が開放されて、この
搬出口6から切開後の内臓器Sが次工程へ搬出されるの
である。尚、切開処理装置1による切開処理が行われる
場合に、搬出口6は、開閉シャッタ7により閉鎖されて
いる。
【0075】以上説明したように、本実施例の切開処理
装置1によれば、牛などの内臓器Sを作業者が直に切開
することが不要なので、作業者の労力を低減して、切開
処理の作業コストを低減することができる。しかも、作
業者が内臓器Sに直に触れて切開することが不要なの
で、作業者が内臓器Sの内部に生息する細菌に感染する
ことを防止して、処理工場内の衛生環境を維持すること
ができる。
【0076】牛などの内臓器Sを掴むクランプ装置9
は、挟持部材16における一対の挟持歯部16a,16
aと挟持部材17とにより内臓器Sを挟み込んで掴む一
方、挟持部材16の一対の挟持歯部16a,16a間に
設けられた間隙部16bから内臓器Sの一部分を露出さ
せることができる。しかも、挟持部材16の間隙部16
bはナイフ支持装置12により支持されるナイフ11の
刃先が通過可能に形成されるので、かかる間隙部16b
を通過するナイフ11の刃先により、間隙部16bから
露出した内臓器Sを切開することができる。よって、挟
持部材16および挟持部材17により内臓器Sを挟み込
み掴んだまま、その内臓器Sの切断口H近傍を切開する
ことができる。このため、挟持部材16および挟持部材
17により掴まれた内臓器Sの切断口H近傍の切り残し
を防止することができるのである。
【0077】挟持部材16における一対の挟持歯部16
a,16aと挟持部材17とにより内臓器Sが挟持され
る場合には、挟持部材17の突起部17bにより挟持部
材16の間隙部16bへ内臓器Sの一部分を押し込ん
で、挟持部材16の間隙部16bから内臓器Sの一部分
が露出させることができる。よって、ナイフ支持装置1
2により支持されたナイフ11は、挟持部材16の間隙
部16bを通過する際に、間隙部16bから露出する内
臓器Sを切り損じずに切開することができる。
【0078】また、挟持部材17の突起部17bは、そ
の幅長W2が挟持部材16における間隙部16bの幅長
W1より小さく形成されているので、その突起部17b
両側と挟持部材16における一対の挟持歯部16a,1
6aとの間に空隙W3,W4がそれぞれ設けられる。よ
って、内臓器Sを挟み込む場合に、挟持部材16,17
は、一対の挟持歯部16a,16aおよび一対の挟持歯
部17a,17aにより内臓器Sを挟み込むと共に、そ
の間隙部16bに突起部17bにより押し込まれる内臓
器Sの一部分を一対の挟持歯部16a,16aと突起部
17bとの間に設けられる空隙W3,W4内にそれぞれ
挟み込んで挟持することができる。このため、牛など胃
などの重量の大きな内臓器Sが挟持部材16,17の対
向面間から外れることなく、両挟持部材16,17によ
り内臓器Sを挟持することができる。
【0079】クランプ装置9には、その移動方向と略同
一方向へ向けて案内溝16d,17cが設けられている
ので、クランプ移動装置10によりクランプ装置9が移
動される場合に、かかる案内溝16d,17cにより、
ナイフ支持装置12に支持されるナイフ11の刃先を案
内することができる。よって、ナイフ11刃先が挟持部
材16の間隙部16bを通過し、挟持部材16の間隙部
16bに挟持部材17の突起部17bにより押し込まれ
た内臓器Sの一部分を切開する場合に、ナイフ11の刃
先に加わる負荷によりナイフ11刃先が振れることを防
止して、内臓器Sを切り損じることを防止することがで
きる。
【0080】挟持部材17は内臓器Sに設けられる切断
口H内に挿入可能に形成されるので、かかる挟持部材1
7を切断口Hから内臓器S内へ挿入して、両挟持部材に
より内臓器Sの切断口Hの縁部を挟み込むことができ
る。よって、挟持部材16および挟持部材17により内
臓器Sを挟み込む場合に、例えば、内臓器Sの上下2枚
の胃壁を重ね合わせた状態で挟み込む必要がなく、内臓
器Sにおける上側胃壁を挟み込んで挟持することができ
る。このため、挟持部材16,17は、内臓器Sの上側
胃壁を一枚だけ挟み込むので、挟持部材16および挟持
部材17により挟み込まれる内臓器Sの肉厚が薄くな
り、駆動装置18により挟持部材17に付与される動力
を低減することができる。従って、駆動装置18を小型
化し、切開処理装置1全体としての製造コストを低減す
ることができる。
【0081】以上、実施例に基づき本発明を説明した
が、本発明は上記実施例に何ら限定されるものではな
く、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々の改良変形が
可能であることは容易に推察できるものである。
【0082】例えば、本実施例のクランプ装置9では、
一対の挟持部材16,17は、駆動装置18によって挟
持部材17が揺動移動されることにより閉じられ内臓器
Sを挟み込んだ。しかしながら、一対の挟持部材の開閉
機構は必ずしもこれに限られるものではなく、例えば、
一対の挟持部材の少なくとも一方が他方に対して平行に
上下移動することにより開閉され内臓器Sを挟み込むよ
うに構成しても良い。
【0083】また、本実施例では、挟持部材16,17
が閉じられた場合における挟持歯部16aと挟持歯部1
7aとの対向面間に生じる隙間は、挟持部材16,17
の長手方向全域に亘って略一定間隔にされている。しか
しながら、一対の挟持部材が閉じられた場合にその対向
面間に生じる隙間は、一対の挟持部材の付け根部分から
先端部分へ向けて徐々に小さく形成しても良い。このよ
うに構成された一対の挟持部材によれば、その先端側の
隙間が付け根側の隙間に比べて小さいので、一対の挟持
部材により内臓器Sが挟み込まれた場合に、これらの対
向面間から内臓器Sが滑り落ちて抜け外れることを防止
することができる。
【0084】尚、以下に本発明の変形例を示す。請求項
2から5のいずれかに記載の切開処理装置において、前
記第1挟持部材または第2挟持部材の一方は、動物体の
内臓器に設けられる開口内に挿入可能に形成され、か
つ、その先端部が尖状に形成されていることを特徴とす
る切開処理装置1。
【0085】
【発明の効果】 請求項1記載の切開処理装置によれ
ば、屠蓄された牛などの動物体における胃などの内臓器
を作業者が直に切開することが不要なので、作業者の労
力を低減して、切開処理の作業コストを低減することが
できるという効果がある。しかも、作業者が動物体の内
臓器に直に触れて切開することが不要なので、作業者が
内臓器の内部に生息する細菌に感染することを防止し
て、処理工場内の衛生環境を維持することができるとい
う効果がある。
【0086】請求項2記載の切開処理装置によれば、請
求項1記載の切開処理装置の奏する効果に加え、動物体
の内臓器を掴むクランプ装置は、第1挟持部材における
一対の挟持歯部と第2挟持部材とにより動物体の内臓器
を挟み込んで掴む(挟持する)一方、第1挟持部材の一
対の挟持歯部間に設けられた間隙部から動物体の内臓器
の一部分を露出させることができる。しかも、第1挟持
部材の間隙部はナイフ支持部材により支持されるナイフ
の刃先が通過可能に形成されるので、かかる間隙部を通
過するナイフ刃先により、間隙部から露出した動物体の
内臓器を切開することができる。よって、第1挟持部材
および第2挟持部材により内臓器を挟み込み掴んだま
ま、その内臓器の挟持部分を切開することができるとい
う効果がある。このため、動物体の内臓器における第1
挟持部材および第2挟持部材により挟持される部分の切
り残しを防止することができるのである。
【0087】請求項3記載の切開処理装置によれば、請
求項2記載の切開処理装置の奏する効果に加え、動物体
の内臓器が第1挟持部材における一対の挟持歯部と第2
挟持部材とにより挟持される場合には、第2挟持部材の
突起部により第1挟持部材の間隙部へ動物体の内臓器の
一部分を押し込んで、第1挟持部材の間隙部から動物体
の内臓器の一部分が露出させることができる。よって、
ナイフ支持部材により支持されたナイフは、第1挟持部
材の間隙部を通過する際に、間隙部から露出する動物体
の内臓器を切り損じずに切開することができるという効
果がある。
【0088】また、第2挟持部材の突起部は、第1挟持
部材における間隙部の幅長より肉厚が小さく形成されて
いるので、その突起部両側と第1挟持部材における一対
の挟持歯部との間に空隙がそれぞれ設けられる。よっ
て、動物体の内臓器を挟み込む場合に、第1挟持部材
は、その一対の挟持歯部と第2挟持部材とにより動物体
の内臓器を挟み込むと共に、その間隙部に第2挟持部材
の突起部により押し込まれる動物体の内臓器の一部分を
一対の挟持歯部と突起部との間に設けられる空隙内にそ
れぞれ挟み込んで挟持することができる。このため、牛
など胃などの重量の大きな内臓器が第1挟持部材と第2
挟持部材との間から外れることなく、両挟持部材により
動物体の内臓器を挟持することができるという効果があ
る。
【0089】請求項4記載の切開処理装置によれば、請
求項3記載の切開処理装置の奏する効果に加え、第2挟
持部材の突起部にはクランプ装置の移動方向と略同一方
向へ向けて案内溝が設けられているので、クランプ装置
がクランプ移動装置により移動される場合に、かかる案
内溝により、ナイフ支持部材に支持されるナイフの刃先
を案内することができる。よって、ナイフ刃先が第1挟
持部材の間隙部を通過し、第1挟持部材の間隙部に第2
挟持部材の突起部により押し込まれた動物体の内臓器の
一部分を切開する場合に、ナイフの刃先に加わる負荷に
よりナイフ刃先が振れることを防止して、動物体の内臓
器を切り損じることを防止することができるという効果
がある。
【0090】請求項5記載の切開処理装置によれば、請
求項2から4のいずれかに記載の切開処理装置の奏する
効果に加え、第1挟持部材または第2挟持部材の少なく
とも一方は動物体の内臓器に設けられる開口内に挿入可
能に形成されるので、かかる両挟持部材の一方を開口か
ら内臓器内へ挿入して、両挟持部材により内臓器の開口
縁を挟み込むことができる。よって、第1挟持部材およ
び第2挟持部材により動物体の内臓器を挟み込む場合
に、例えば、内臓器の上下2枚の胃壁を重ね合わせた状
態で挟み込む必要がなく、内臓器における上側又は下側
胃壁のいずれか一方を挟み込んで挟持することができ
る。このため、動物体の内臓器を挟み込む場合に、第1
挟持部材および第2挟持部材により挟み込まれる部分の
肉厚が薄くなるので、その結果、挟持力付与装置により
両挟持部材に付与される動力を低減することができる。
従って、挟持力付与装置を小型化し、切開処理装置全体
としての製造コストを低減することができるという効果
がある。
【0091】請求項6記載の切開処理装置によれば、請
求項1から5のいずれかに記載の切開処理装置の奏する
効果に加え、動物体の内臓器を切開するナイフは、取付
部材により上下動可能に支持され、かつ、その取付部材
は付勢部材によりクランプ装置の移動経路へ向けて付勢
されるので、クランプ装置と共に移動される動物体の内
臓器の外形に応じてナイフの刃先位置を可変することが
できる。よって、ナイフにより動物体の内臓器を切開す
る際に、ナイフ刃先が内臓器から離れることによる切り
損じを防止して、動物体の内臓器を確実に切開すること
ができるという効果がある。
【0092】請求項7記載の切開処理装置によれば、請
求項1から6のいずれかに記載の切開処理装置の奏する
効果に加え、動物体の内臓器を切開する第2ナイフは第
2ナイフ支持部材により支持され、かつ、第2ナイフ支
持部材はナイフ移動装置によりクランプ装置の移動方向
に対して略直交する方向へ移動されるので、かかる第2
ナイフ支持部材の移動に伴って、動物体の内臓器をナイ
フ支持部材により支持されたナイフによる切り口に対し
て略直交する方向へ切開することができる。即ち、ナイ
フおよび第2ナイフにより動物体の内臓器を略十文字状
に切開することができる。よって、切開後の内臓器は、
略十文字に切開されることにより、その切開後の切り口
面積が大きくされるので、例えば、切開後の内臓器から
内容物を円滑に除去することができるという効果があ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施例である切開処理装置の外観
斜視図である。
【図2】 切開処理装置おける装置本体の内部構造を示
す斜視図である。
【図3】 クランプ装置およびナイフ支持装置の外観斜
視図である。
【図4】 ナイフ支持装置におけるナイフ取付具の拡大
斜視図である。
【図5】 牛の消化器系の内臓器を構成する第1胃から
第4胃の斜視図である。
【図6】 (a)は、一対の挟持部材の間に内臓器Sを
差し込んだ状態におけるクランプ装置の正面図であり、
(b)は、一対の挟持部材により内臓器Sが挟み込まれ
た状態におけるクランプ装置の正面図である。
【図7】 (a)は、一対の挟持部材により挟み込まれ
た内臓器Sが切開された状態におけるクランプ装置の正
面図であり、(b)は、一対の挟持部材から切開後の内
臓器Sが外れ落ちた状態におけるクランプ装置の正面図
である。
【符号の説明】
1 切開処理装置 3 前処理台(載置台の一部) 8 処理テーブル(載置台の一部) 9 クランプ装置と、 10 クランプ移動装置と、 11 ナイフ 12 ナイフ支持装置 14 ナイフ(第2ナイフ) 16,17 挟持部材(第1挟持部材、第2挟持部
材) 16a 挟持歯部 16b 間隙部 17 突起部 17c 案内溝 18 駆動装置(挟持力付与装置) 23 ナイフ取付具(取付部材) 39 コイルスプリング(付勢部材) 45 ナイフ保持部材(ナイフ支持部材) 46 ナイフ移動装置 S 内臓器S W1 幅長(間隙部の幅長) W2 幅長(突起部の肉厚)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 日野 邦昭 愛知県豊橋市飯村町字西山7−8 日野工 業株式会社内 Fターム(参考) 4F056 AA05 DD17 DD52 DD65

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 屠蓄された牛などの動物体から取り出さ
    れた胃などの内臓器を切開する切開処理装置において、 動物体の内臓器が載置可能な載置台と、 その載置台に載置される動物体の内臓器を掴むクランプ
    装置と、 そのクランプ装置を前記載置台の上流側から下流側へ移
    動させるクランプ移動装置と、 そのクランプ移動装置による前記クランプ装置の移動方
    向上流側であって、そのクランプ装置の移動経路に配設
    され、そのクランプ装置の移動に伴って動物体の内臓器
    を切開するナイフを支持するナイフ支持部材とを備えて
    いることを特徴とする切開処理装置。
  2. 【請求項2】 前記クランプ装置は、前記クランプ装置
    の移動方向との略直交方向両側にそれぞれ配設される一
    対の挟持歯部と、その一対の挟持歯部間に設けられ前記
    ナイフ支持部材により支持されるナイフの刃先が通過可
    能に形成された間隙部とを有する第1挟持部材と、その
    第1挟持部材に対向して配設される第2挟持部材と、そ
    の第2挟持部材および第1挟持部材により動物体の内臓
    器を挟み込む動力を付与する挟持力付与装置とを備えて
    いることを特徴とする請求項1記載の切開処理装置。
  3. 【請求項3】 前記第2挟持部材は、前記第1挟持部材
    の前記間隙部との対向部分からその間隙部へ向けて突設
    され、その間隙部の幅長より肉厚が小さく形成された突
    起部を備えていることを特徴とする請求項2記載の切開
    処理装置。
  4. 【請求項4】 前記突起部には前記クランプ装置の移動
    方向と略同一方向へ向けて案内溝が設けられていること
    を特徴とする請求項3記載の切開処理装置。
  5. 【請求項5】 前記第1挟持部材または第2挟持部材の
    少なくとも一方は動物体の内臓器に設けられる開口内に
    挿入可能に形成されていることを特徴とする請求項2か
    ら4のいずれかに記載の切開処理装置。
  6. 【請求項6】 前記ナイフ支持部材は、ナイフを上下動
    可能に支持するとともにナイフの刃先を前記クランプ装
    置の移動経路へ向けて保持する取付部材と、その取付部
    材を前記クランプ装置の移動経路へ向けて付勢する付勢
    部材とを備えていることを特徴とする請求項1から5の
    いずれかに記載の切開処理装置。
  7. 【請求項7】 前記クランプ装置の移動方向上流側と下
    流側との間に配設され動物体の内臓器を切開する第2ナ
    イフを支持する第2ナイフ支持部材と、その第2ナイフ
    支持部材を前記クランプ装置の移動方向に対して略直交
    する方向へ移動させるナイフ移動装置とを備えているこ
    とを特徴とする請求項1から6のいずれかに記載の切開
    処理装置。
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